JP4739686B2 - 無架橋ポリオレフィン系樹脂組成物及びそれを用いた発泡体 - Google Patents

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Description

本発明は、均一な気泡径を有し、独立気泡で形成されるだけでなく、優れた成形加工性(例えば、二次成形性)を有する発泡体や、帯電防止性に優れた発泡体を成形するのに有用な無架橋ポリオレフィン系樹脂組成物、及びこの組成物を用いた発泡体に関する。
ポリオレフィン系樹脂発泡体は断熱性、軽量性に優れているため、従来より自動車用内装材、建材、産業資材の分野で使用されている。
例えば、発泡倍率10倍以上の低密度架橋ポリプロピレン樹脂発泡シートが知られている。この架橋ポリプロピレン樹脂シートは、シート状に押出成形された予備成形体に電子線などを照射して架橋構造を導入し、予備成形体を加熱及び発泡するため、工程が煩雑となり、低コスト化できない。さらに架橋構造を導入しているため、リサイクル性が低い。
一方、無架橋ポリプロピレン樹脂発泡シートも知られているが、一般に無架橋ポリプロピレン樹脂発泡シートは、リサイクル性に優れるものの、高価であるためコスト高となるだけでなく、発泡体を独立気泡構造で形成し難く、機械的強度や外観の美観性に劣る。さらには二次成形性などの成形加工性も良好ではない。
また、近年では、ポリオレフィン系樹脂発泡体は、電子用品や電子部品搬送用部材としても盛んに利用されている。特に、電子部品搬送用部材の用途には、電子部品の静電気破壊を防止するために帯電防止性が要求されている。そこで、電気絶縁体であるポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂発泡体に、帯電防止性を付与するため、例えば、樹脂に帯電防止剤を練り込み、発泡体表面に帯電防止剤をブリードアウトさせて帯電防止性を付与することが行われている。
特開2003−201359号公報(特許文献1)には、ポリプロピレン系樹脂70〜98重量%及びエチレン−α−オレフィン共重合体2〜30重量%からなるポリオレフィン系樹脂100重量部と非イオン性界面活性剤型帯電防止剤0.2〜5重量部とを含む無架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートが開示されている。この文献の実施例では、プロピレン−エチレンブロック共重合体とエチレン−1−ヘキセン共重合体とポリオキシエチレンアルキルアミンとで構成された樹脂組成物を、インフレーション成形により発泡成形し、円筒状発泡体を冷却マンドレルで冷却している。
しかし、前記樹脂組成物を用いて発泡シートを形成すると、気泡径及び気泡形状が不均一な気泡構造しか得られない。そのため、断熱性や緩衝性が低下するだけでなく、発泡シートの二次成形性(例えば、容器成形性)も低下する。また、発泡シートの二次成形性を高めるため、エチレン−α−オレフィンの使用量を多くすると、機械的特性が低下する。そのため、ポリプロピレン系樹脂の含有量が高い樹脂組成物において、伸び率や二次成形性を改善することが困難である。
さらに、一般に、インフレーション成形などにより発泡成形した成形体(例えば、円筒状発泡体)を冷却マンドレルで冷却すると、冷却マンドレルに接触する円筒状発泡体内周面と冷却マンドレルに接触しない円筒状発泡体外周面との間で、冷却の程度に差が生じるため、円筒状発泡体の内周面側と外周面側との間で結晶構造が不均一となる。一方、樹脂の結晶構造は、耐電防止剤のブリードアウトに大きく影響を与えるため、シート表裏面間での結晶構造の相違が、帯電防止剤のブリードアウトに影響する。そのため、発泡シートの表裏面で異なる帯電防止性が発現する。また、発泡シートの表裏面での帯電防止性の差を小さくするためには、多量の帯電防止剤を必要とする。
特開2003−201359号公報(特許請求の範囲、段落番号[0023]、[0041]〜[0045])
従って、本発明の目的は、均一な独立気泡構造を有し、成形加工性(特に二次成形性)に優れる発泡体を形成できる樹脂組成物、及びこの組成物を用いた発泡体を提供することにある。
本発明の他の目的は、帯電防止剤の使用量が少なくとも、高い帯電防止性を発現できるとともに、発泡体表裏面での帯電防止性の差が小さい発泡体を得るのに有用な樹脂組成物、及びこの組成物を用いた発泡体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ポリプロピレン系樹脂の含有量を多くしても、破断伸び率を向上でき、高い成形加工性(特に二次成形性)を有する発泡体を得るのに有用な樹脂組成物、及びこの組成物を用いた発泡体を提供することにある。
本発明の別の目的は、目的に応じた曲げ弾性率を有する発泡体を得るのに有用な樹脂組成物、及びこの組成物を用いた発泡体を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、外観特性に優れるだけでなく、リサイクル性が高い発泡体を得るのに有用な樹脂組成物、及びこの組成物を用いた発泡体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂と軟質オレフィン系樹脂とを組み合わせると、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とが、軟質オレフィン系樹脂を介して相溶化し、均一な気泡構造の発泡体を成形できること、ポリプロピレン系樹脂の含有量を多くしても、高い伸び率が得られ、二次成形性に優れていること、さらに、発泡シートの表裏面で高い帯電防止性が発現することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の無架橋ポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(a)とポリエチレン系樹脂(b)と軟質オレフィン系樹脂(c)とで構成された樹脂組成物であって、発泡体を調製するのに用いられる。前記ポリプロピレン系樹脂(a)は、プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体であり、前記ポリエチレン系樹脂(b)は、低密度ポリエチレンであり、前記軟質オレフィン系樹脂(c)は、エチレン−α−オレフィンブロック共重合体であり、前記ポリプロピレン系樹脂(a)及び前記ポリエチレン系樹脂(b)の総量100重量部に対する前記軟質オレフィン系樹脂(c)の割合は、5〜50重量部である。前記軟質オレフィン系樹脂(c)は、エチレン−プロピレンブロック共重合体で構成してもよい。また、樹脂組成物において、ポリプロピレン系樹脂(a)とポリエチレン系樹脂(b)との割合(重量比)は、前者(a)/後者(b)=98/2〜40/60(例えば、95/5〜50/50)程度であってもよく、ポリエチレン系樹脂(b)と軟質オレフィン系樹脂(c)との割合(重量比)は、前者(b)/後者(c)=97/3〜3/97(例えば、95/5〜5/95)程度であってもよい。また、ポリプロピレン系樹脂(a)及びポリエチレン系樹脂(b)の総量100重量部に対して、軟質オレフィン系樹脂(c)の割合は、10〜50重量部程度であってもよい。
本発明の樹脂組成物は、さらに帯電防止剤(d)(例えば、ノニオン性帯電防止剤)を含んでいてもよい。
本発明は、前記樹脂組成物で成形され、発泡倍率が2〜5倍である発泡体や、この発泡体で形成された成形品も包含する。例えば、発泡体が帯電防止剤を含む場合、温度20℃、湿度60%で調整し、JIS K6911 5.13に準じて測定した発泡体の表面抵抗率は、1×1013 Ω以下であってもよい。
さらに、本発明では、ポリプロピレン系樹脂(a)とポリエチレン系樹脂(b)と軟質オレフィン系樹脂(c)とで構成された発泡用無架橋ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて発泡体を成形することにより、発泡体の破断伸び率を改善する方法や、発泡体の曲げ弾性率を制御する方法も含まれる。前記改善方法及び前記制御方法では、前記ポリプロピレン系樹脂(a)として、プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体を用い、前記ポリエチレン系樹脂(b)として、低密度ポリエチレンを用い、前記軟質オレフィン系樹脂(c)として、エチレン−α−オレフィンブロック共重合体を用い、前記ポリプロピレン系樹脂(a)及び前記ポリエチレン系樹脂(b)の総量100重量部に対する前記軟質オレフィン系樹脂(c)を5〜50重量部の割合で用いる。
本発明では、前記樹脂組成物を用いるため、均一な気泡構造(特に独立気泡構造)を形成できる。また、この樹脂組成物では、ポリプロピレン系樹脂の割合が高くとも、破断伸び率を向上できるため、成形加工性(特に二次成形性)が高い。さらにこの樹脂組成物は、リサイクル性が高いとともに、外観特性に優れる発泡体又は成形体を形成できるだけでなく、目的に応じた曲げ弾性率を有する発泡体又は成形体を形成できる。特に、帯電防止剤を含む樹脂組成物を用いると、帯電防止剤の使用量が少なくとも、高い帯電防止性能を有する発泡体を得ることができるだけでなく、この発泡体の表裏面での帯電防止性の差を低減できるとともに、高い帯電防止性を得ることができる。
[無架橋ポリオレフィン系樹脂組成物]
無架橋ポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(a)とポリエチレン系樹脂(b)と軟質オレフィン系樹脂(c)とで構成され、発泡体を調製するために用いられる。前記ポリオレフィン系樹脂組成物は、無架橋であるためリサイクル性が高い。
[ポリプロピレン系樹脂(a)]
ポリプロピレン系樹脂(a)としては、プロピレン単独重合体、及びプロピレンとα−オレフィンモノマーとの共重合体などが挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、α−C2-16オレフィン(例えば、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなど)が例示でき、α−C2-8オレフィンが好ましく、特に、α−C2-6オレフィン(例えば、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ペンテンなど)が好ましい。これらのα−オレフィンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
プロピレンとα−オレフィンとの割合(モル比)は、通常、プロピレン/α−オレフィン=70/30〜100/0、好ましくは80/20〜100/0、さらに好ましくは90/10〜100/0程度である。プロピレン成分の割合が少ないと、耐熱性及び剛性が低下する。なお、共重合体の重合形態は特に制限されないが、ランダム共重合体であってもよい。
また、ポリプロピレン系樹脂における立体規則性は、特に限定されず、アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチック、メタロセン触媒により生成するメタロセン構造等が例示できる。これらのうち、簡便性及び経済性の点から、従来より汎用されているアイソタクチック構造を有するポリプロピレン系樹脂が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−(1−ブチレン)共重合体などが挙げられ、長鎖分岐を有していてもよい。
これらのポリプロピレン系樹脂(a)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。前記ポリプロピレン系樹脂(a)のうち、剛性及び耐熱性の観点から、ポリプロピレンが好ましく、長鎖分岐を有するポリプロピレンも好ましい。なお、長鎖分岐を有するポリプロピレンは、サンアロマー(株)より、商品名「Pro−fax PF−814」などとして入手可能である。
[ポリエチレン系樹脂(b)]
ポリエチレン系樹脂(b)としては、エチレン単独重合体、及びエチレンとα−オレフィンモノマーとの共重合体などが挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、α−C3-16オレフィン(例えば、プロピレン、イソプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなど)が例示でき、α−C3-8オレフィンが好ましく、特に、α−C3-6オレフィン(例えば、プロピレン、1−ブテンなど)が好ましい。これらのα−オレフィンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
エチレンとα−オレフィンモノマーとの割合(モル比)は、通常、エチレン/α−オレフィンモノマー=70/30〜100/0、好ましくは80/20〜100/0、さらに好ましくは90/10〜100/0程度である。エチレン成分の割合が少なすぎると、耐衝撃性や成形加工性が低下する。なお、共重合体の重合形態は、通常ランダム共重合体である。
例えば、ポリエチレン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン(例えば、直鎖状低密度ポリエチレンなど)などのポリエチレン単独重合体;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−(1−ブチレン)共重合体、エチレン−プロピレン−(1−ブチレン)共重合体などのエチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。
これらのポリエチレン系樹脂(b)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。前記ポリエチレン系樹脂(b)のうち、エチレン単独重合体(例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなど)、エチレン−プロピレン共重合体などが好ましく、特に、エチレン単独重合体(例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンなど)が好ましい。
[軟質オレフィン系樹脂(c)]
軟質オレフィン系樹脂(c)は、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂で構成された樹脂組成物に軟質性(又は柔軟性)を付与するため、軟質セグメント、例えば、エチレン(又はポリエチレン)単位を少なくとも有している。なお、前記エチレン(又はポリエチレン)単位は、不飽和炭化水素(例えば、ブタジエンなど)の水添物であってもよい。
軟質オレフィン系樹脂(c)は、ポリエチレンセグメントで構成されるブロック共重合体(c−1)であってもよく、エチレン単位を有するランダム共重合体(c−2)であってもよい。
軟質オレフィン系樹脂(c−1)としては、例えば、エチレン−α−オレフィンブロック共重合体[例えば、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−(1−ブチレン)ブロック共重合体、エチレン−プロピレン−(1−ブチレン)ブロック共重合体など]、熱可塑性エラストマー[例えば、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、水添ポリブタジエン−スチレンゴム(SBR)など]などが例示できる。なお、前記α−オレフィンとしては、前記ポリエチレン系樹脂で例示したα−オレフィンを使用できる。
軟質オレフィン系樹脂(c−2)としては、エチレン−ビニルエステル共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(例えば、エチレン−アクリル酸共重合体など)、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(例えば、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリル酸C1-6アルキルエステル共重合体など)、アイオノマーが例示できる。
軟質オレフィン系樹脂中、前記エチレン単位の割合は、通常、20モル%以上(例えば、20〜90モル%程度)、好ましくは30モル%以上(例えば、30〜80モル%程度)である。
これらの軟質オレフィン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの軟質オレフィン系樹脂のうち、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−アクリル酸C1-4アルキルエステル共重合体が好ましく、特に、エチレン−プロピレンブロック共重合体が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(a)とポリエチレン系樹脂(b)との割合(重量比)は、例えば、前者(a)/後者(b)=98/2〜40/60(例えば、95/5〜45/55)、好ましくは98/2〜45/55(例えば、70/30〜60/40)、さらに好ましくは95/5〜50/50(例えば、65/35〜55/45)程度である。前記ポリプロピレン系樹脂(a)の割合が少なすぎると、発泡体の剛性や耐熱性が低下する虞がある。また、前記ポリエチレン系樹脂(b)の割合が少なすぎると、発泡体の成形加工性(例えば、破断伸び率などの二次成形性)が不十分となる虞がある。
ポリエチレン系樹脂(b)と軟質オレフィン系樹脂(c)との割合(重量比)は、前記成分(a)、(b)及び(c)を複合化できる限り特に制限されず、例えば、前者(b)/後者(c)=97/3〜3/97(例えば、95/5〜5/95)、好ましくは90/10〜10/90(例えば、90/10〜15/85)、更に好ましくは85/15〜15/85(例えば、85/15〜20/80)程度の範囲から選択できる。前記軟質オレフィン系樹脂(c)の割合が多すぎると、発泡体の成形加工性(例えば、破断伸び率の二次成形性)が低下する虞がある。また、前記軟質オレフィン系樹脂(c)の割合が少なすぎると、発泡体の気泡構造が不均一化し、均一で小さな気泡径の気泡を形成するのが困難となる。
また、ポリプロピレン系樹脂(a)及びポリエチレン系樹脂(b)の総量100重量部に対する軟質オレフィン系樹脂(c)の割合は、例えば、2〜50重量部(例えば、5〜50重量部)、好ましくは5〜45重量部(例えば、5〜20重量部)、さらに好ましくは10〜40重量部(例えば、10〜20重量部)程度であってもよい。軟質オレフィン系樹脂(c)の割合が多すぎると、発泡体の剛性や耐熱性が低下する虞があり、前記成分(c)の割合が少なすぎると、均一な気泡を形成できなくなり、発泡シートの二次成形性が低減する虞がある。
[帯電防止剤(d)]
前記樹脂組成物がさらに帯電防止剤(d)を含むと、帯電防止性の高い発泡体を得ることができる。
帯電防止剤(d)としては、練込み型帯電防止剤であっても、塗布型帯電防止剤などであってもよいが、帯電防止効果の持続性が高いため、練込み型帯電防止剤が好ましい。練込み型帯電防止剤としては、例えば、ノニオン性帯電防止剤、アニオン性帯電防止剤、カチオン性帯電防止剤、両性帯電防止剤などの低分子型帯電防止剤、高分子型帯電防止剤等が挙げられる。
ノニオン性帯電防止剤としては、例えば、アルコール型帯電防止剤、エーテル型帯電防止剤、エステル型帯電防止剤、エステルエーテル型帯電防止剤、窒素含有型帯電防止剤などが挙げられる。
アルコール型帯電防止剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(又はポリエチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)ブロック共重合体などのポリC2-4アルキレンオキシドなどが挙げられる。なお、前記アルコール型帯電防止剤において、アルキレンオキシドの重合度は、1〜300(例えば、5〜200)、好ましくは10〜150(例えば、10〜100)、さらに好ましくは15〜50程度である。
エーテル型帯電防止剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル[例えば、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキシエチレンC6-24アルキルエーテル(特に、ポリオキシエチレンC8-18アルキルエーテル)など]、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル[例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンC6-18アルキルフェニルエーテル(特に、ポリオキシエチレンC6-12アルキルフェニルエーテル)など]などが挙げられる。
エステル型帯電防止剤としては、例えば、多価アルコール脂肪酸エステル[例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、(ポリ)グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、ショ糖等の多価アルコールと脂肪酸とのエステル]などが例示でき、例えば、グリセリンモノステアリン酸エステルなどのグリセリンC8-24脂肪酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステルなどのソルビタンC8-24脂肪酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステルなどのショ糖C8-24脂肪酸エステル等が挙げられる。
エステルエーテル型帯電防止剤としては、例えば、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル[例えば、ポリオキシエチレングリセリンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレングリセリンオレイン酸エステル等のポリオキシエチレングリセリンC8-24脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレンソルビタンC8-24脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンショ糖C8-24脂肪酸エステルなど]、ポリオキシエチレンヒマシ油及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
含窒素型帯電防止剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルアミン(例えば、ポリオキシエチレンラウリルアミンなどのポリオキシエチレンC6-24アルキルアミンなど)、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド(例えば、ポリオキシエチレンステアリン酸アミドなどのポリオキシエチレンC8-24脂肪酸アミドなど)、アルカノールアルキルアミン(例えば、N−エタノールC8-24アルキルアミンなどのN−アルカノールアルキルアミン、N,N−ジエタノールC8-24アルキルアミンなどのN,N−アルカノールアルキルアミンなど)、アルカノール脂肪酸アミド(例えば、N−エタノールステアリン酸アミドなどのN−アルカノールC8-24脂肪酸アミド、N,N−ジエタノールステアリン酸アミドなどのN,N−アルカノールC8-24脂肪酸アミドなど)等が挙げられる。
なお、前記ノニオン性帯電防止剤を構成する脂肪酸としては、飽和脂肪酸(例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などのC8-24飽和脂肪酸、好ましくはC10-22飽和脂肪酸など)、不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸などのC8-24不飽和脂肪酸、好ましくはC10-22不飽和脂肪酸など)が例示できる。これらの脂肪酸のうち、飽和脂肪酸、特に、C12-20飽和脂肪酸(例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などのC14-18飽和脂肪酸)が好ましい。また、エチレンオキシドの平均付加モル数は、1〜35モル、好ましくは2〜30モル、さらに好ましくは5〜20モル程度である。
アニオン性帯電防止剤には、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩などが含まれる。カルボン酸塩としては、脂肪酸石けん(例えば、ラウリン酸ナトリウムなどのC8-24脂肪酸金属塩など)などが挙げられる。スルホン酸塩としては、アルキルスルホン酸塩[例えば、ラウリルスルホン酸ナトリウムなどのC6-24アルキルスルホン酸塩(特にC8-18アルキルスルホン酸塩)など]、アルキルベンゼンスルホン酸塩[例えば、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのC6-24アルキルベンゼンスルホン酸塩(特にC8-18アルキルベンゼンスルホン酸塩)など]などが挙げられる。硫酸エステル塩としては、硫酸化油、アルキル硫酸エステル塩(例えば、ヤシ油の還元アルコールと硫酸とのエステルのナトリウム塩などのC6-24アルキル硫酸エステル塩など)等が挙げられる。なお、アニオン性帯電防止剤において、塩としては、アンモニア、アミン、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)やアルカリ土類金属等との塩が挙げられる。
カチオン性帯電防止剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド等のモノ又はジC8-24アルキル−トリ又はジメチルアンモニウム塩など)、トリアルキルベンジルアンモニウム塩[例えば、セチルベンジルジメチルアンモニウムクロライドなどのC8-24アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム塩など)など]、塩化ベンゼトニウム、アルキルピリジニウム塩(例えば、セチルピリジニウムブロマイドなどのC8-24アルキルピリジニウム塩など)等が挙げられる。塩としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、過塩素酸等との塩が挙げられる。
両性帯電防止剤としては、アルキルベタイン(例えば、ジメチルラウリルカルボキシベタインなどのC8-24アルキル基を有するベタインなど)、アルキルイミダゾリウムベタイン(例えば、ラウリルイミダゾリウムベタインなどのC8-24アルキルイミダゾリウムベタインなど)、アルキルアミンオキシド(ラウリルジメチルアミンオキシドなどのトリC8-24アルキル基を有するアミンオキシドなど)等が挙げられる。
前記帯電防止剤のHLB値は、1〜20、好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜12程度である。
高分子型帯電防止剤は、高分子量(例えば、数平均分子量1000以上)の帯電防止剤であればよく、特に制限されず、例えば、オレフィン系ブロックと親水性ブロックとのブロック共重合体などが例示できる。このようなブロック共重合体で構成された高分子型帯電防止剤について、例えば、特開2001−278985号公報などを参照できる。
これらの帯電防止剤(d)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの帯電防止剤のうち、ノニオン性帯電防止剤(例えば、ポリエチレングリコールなどのアルコール型帯電防止剤、グリセリンC8-18脂肪酸エステルなどのエステル型帯電防止剤、C8-18アルキルジエタノールアミドなどの含窒素型帯電防止剤など)が好ましく用いられる。
特に、本発明の樹脂組成物で形成された発泡体は、帯電防止剤の使用量が少量であっても、高い帯電防止性能を付与できる。例えば、ポリプロピレン系樹脂(a)、ポリエチレン系樹脂(b)、及び軟質オレフィン系樹脂(c)の総量100重量部にする帯電防止剤(d)の割合は、例えば、0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜8重量部、さらに好ましくは0.5〜6重量部程度である。成分(a)〜(d)の種類によって、最適な範囲は変化し、一概には言えないが、帯電防止剤(d)が多すぎると、樹脂組成物の物性低下や表面のべとつきが発生し、帯電防止剤(d)が少なすぎると、帯電防止効果及び帯電防止能の回復力が充分ではない。
[発泡剤]
本発明の樹脂組成物は、発泡体の成形方法(発泡成形方法)に応じて、適宜、発泡剤などを含んでいてもよい。発泡剤としては、物理発泡に用いられる揮発性発泡剤や、化学発泡に用いられる分解性発泡剤などが挙げられる。
揮発性発泡剤としては、常温(15〜25℃)でガス状又は液状の低沸点発泡剤が例示でき、例えば、不活性又は不燃性ガス(窒素、炭酸ガスなど)、水、脂肪族炭化水素(プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなど)、芳香族炭化水素(トルエン、ベンゼンなど)、ハロゲン化炭化水素(三塩化フッ化メタンなど)、エーテル類(ジメチルエーテル、エチルエーテル、石油エーテルなど)、ケトン類(アセトンなど)などが挙げられる。これらの揮発性発泡剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
分解性発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の無機炭酸塩;クエン酸などの有機酸;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、アゾジカルボン酸アミド、ジアゾアミノベンゼンなどのアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、3,3′−スルホビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などのスルホニルヒドラジド化合物;N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)、N,N′−ジニトロソ−N,N′−ジメチルテレフタルアミドなどのニトロソ化合物;テレフタルアジド、p−t−ブチルベンズアジドなどのアジド化合物などが挙げられる。これらの分解性発泡剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの発泡剤のうち、汎用性の観点から、揮発性発泡剤が好ましく、特に、気泡構造を均一にできるため、ガス状発泡剤(特に、不活性ガス)が好ましい。
発泡剤の割合は、ポリプロピレン系樹脂(a)、ポリエチレン系樹脂(b)、及び軟質オレフィン系樹脂(c)の総量100重量部に対して、例えば、0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度である。
また、前記発泡剤に加えて、さらに必要に応じて発泡助剤を用いてもよい。発泡助剤としては、タルク、シリカ、カオリン、マイカ、グラファイト等の無機粉末;多価カルボン酸などの酸性塩;多価カルボン酸(クエン酸など)と炭酸塩(炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなど)との混合物などが挙げられる。これらの発泡助剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、多価カルボン酸と炭酸塩との反応混合物が好ましい。
発泡助剤の割合は、ポリプロピレン系樹脂(a)、ポリエチレン系樹脂(b)、及び軟質オレフィン系樹脂(c)の総量100重量部に対して、例えば、0.01〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部、さらに好ましくは0.2〜1重量部程度である。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて種々の添加剤、例えば、気泡調整剤(ケイ酸カルシウムなどの無機粉末など)、充填剤(ガラス繊維、炭素繊維などの繊維充填剤等)、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤等)、難燃剤、着色剤、分散剤、離型剤、防曇剤、核剤、滑剤、アンチブロッキング剤などを添加してもよい。
[発泡体]
本発明の発泡体は、気泡構造(特に独立気泡構造)が均一であるという特色がある。すなわち、気泡径及び/又は気泡形状が均一である。さらに気泡径サイズが小さい。発泡体の密度は0.1〜0.95g/cm3、好ましくは0.15〜0.93g/cm3、さらに好ましくは0.2〜0.92g/cm3程度である。発泡体の発泡倍率は1〜5倍、好ましくは1.5〜4.5倍、さらに好ましくは2〜4倍程度である。前記倍率より低すぎると発泡体の緩衝性が低下し、高すぎると発泡体の剛性が低下する。特に発泡倍率が1.5〜4.5倍程度の範囲では、発泡体の緩衝性及び耐熱性を向上できる。
発泡体の独立気泡の形状は、特に制限されず、不定形状であってもよいが、通常、円形状(例えば、円形状、楕円形状など)や多角形状(例えば、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状など)であってもよく、これらの形状は二種以上混在していてもよい。発泡体の平均気泡径は、例えば0.01〜1mm、好ましくは0.02〜0.6mm、さらに好ましくは0.04〜0.4mm程度であってもよい。
発泡体の形状は、用途に応じて選択でき、繊維状、フィラメント状などの一次元的形状、ブロック状、板状などの三次元的形状であってもよいが、シート状、フィルム状など二次元的形状であることが多い。
例えば、シート状発泡体における厚みは0.5〜5mm、好ましくは1.0〜4.5mm、さらに好ましくは1.5〜3.5mm(例えば、2.5〜3.5mm)程度である。前記厚みより薄すぎると、二次成形性が低下するだけでなく、二次成形品の剛性が低下し、厚すぎるとロールに巻き取るのが困難となり、作業性が低下する。
本発明の発泡体は、均一な気泡構造(特に独立気泡構造)を有するため、機械的強度や緩衝性だけでなく、断熱性や耐熱性に優れる。さらに、本発明の発泡体は、耐熱性に優れるため、電子レンジなどで加熱しても熱くならない。
また、樹脂組成物が帯電防止剤(特に練り込み型帯電防止剤)を含むと、気泡壁(隔膜)が帯電防止剤の通り道(パス)となるためか、帯電防止剤が表裏面にブリードアウトし、表裏面において高い帯電防止性を発現できるとともに、発泡体の表裏面での帯電防止性の差異を低減できる。そのため、本発明は、前記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて発泡体(シート状発泡体)を成形することにより、表裏面での帯電防止性を低減する方法も含む。
帯電防止性能を有する発泡体では、温度20℃、湿度60%で調整した縦100mm、横100mmの試験片を、JIS K6911 5.13に準じて、電圧500Vで印加して測定したとき、表面抵抗率が1×1013 Ω以下(例えば、1×10〜1×1013 Ω程度)、好ましくは1×10〜1×1012 Ω、さらに好ましくは1×10〜5×1011 Ω程度であってもよい。
前記発泡体では、発泡体表面(例えば、シート状発泡体における表裏面)における表面抵抗率(帯電防止性)の差(又はバラツキ)が極めて少ない。例えば、表裏面での表面抵抗率の差は、上記試験片の表面及び裏面について測定した表面抵抗率のうち、最大値を最小値で除した値[最大値/最小値)の比]で表すことができ、例えば、表裏面間の表面抵抗の比は、0.01〜75(例えば、0.01〜10)、好ましくは0.03〜65(例えば、0.03〜8)、さらに好ましくは0.05〜55(例えば、0.05〜5)程度であってもよい。
本発明の発泡体は、前記無架橋ポリオレフィン系樹脂組成物で構成することにより、発泡体の用途に応じた破断伸び率を達成でき、前期破断伸び率を簡便に制御できる。例えば、JIS K 6767に準じて測定した発泡体の破断伸び率(%)は、例えば、10〜80%、好ましくは10〜75%、さらに好ましくは10〜70%(特に、13〜70%)程度である。したがって、本発明は、前記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて発泡体を成形することにより、発泡体の破断伸び率を制御(又は調整)する方法も包含する。さらに、本発明は、前記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて発泡体を成形することにより、発泡体の破断伸び率を改善(又は向上)する方法も包含する。
また、本発明では、前記無架橋ポリオレフィン系樹脂組成物で構成することにより、発泡体の機械的強度(曲げ弾性率など)を簡便に制御できる。例えば、JIS K 7221に準じて測定した発泡体の曲げ弾性率は、例えば、10〜60MPa、好ましくは10〜55MPa、さらに好ましくは10〜50MPa程度である。さらに、発泡体間における発泡倍率の違いを補正した相対曲げ弾性率(相対曲げ弾性率=曲げ弾性率×発泡倍率)は、例えば、30〜150MPa、好ましくは40〜140MPa、さらに好ましくは40〜130MPa程度である。したがって、本発明は、前記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて発泡体を成形することにより、発泡体の曲げ弾性率(又は相対曲げ弾性率)を制御(又は調整)する方法も包含する。
[発泡体の製造方法]
発泡体は、ポリプロピレン系樹脂(a)とポリエチレン系樹脂(b)と軟質オレフィン系樹脂(c)と、必要により帯電防止剤(d)とで構成された樹脂組成物を発泡成形して製造できる。なお、発泡剤は、樹脂と混合して用いてもよく、樹脂に含浸させて用いてもよい。さらに、溶融混練された樹脂に添加又は圧入してもよい。
発泡成形法としては、種々の方法、例えば、押出成形法、射出成形法などが使用できるが、二次元的形状(平面形状)の発泡体を製造する場合、通常、押出成形法(例えば、Tダイ法、インフレーション法)が利用される。
押出成形機(押出機)は、発泡体を形成できるのであれば特に制限されず、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機などであってもよいが、通常、単軸押出機が用いられる。単軸押出機は、一段押出成形機であってもよいが、混練性を高めるため、多段押出成形機(タンデム押出機)であってもよい。
押出成形機での溶融混練温度は、材料に応じて適宜選択でき、例えば、120〜300℃、好ましくは130〜280℃、さらに好ましくは140〜260℃程度であってもよい。
溶融混練された樹脂組成物は、各種口金(ダイ)から吐出される。ダイは、発泡成形で利用されるダイが適宜利用でき、ダイとしては、例えば、サーキュラダイ、Tダイ、フラットダイ、ノズルダイなどが挙げられる。
例えば、インフレーション成形する場合、吐出された円筒状発泡体は適宜拡径され、前記サーキュラダイの口径よりも大きい直径を有する冷却マンドレルにより冷却する場合が多い。冷却マンドレルの直径は、例えば、サーキュラダイの口径の2〜4倍、好ましくは2.5〜3.5倍程度である。前記円筒状発泡体は、適宜切開され、シート状発泡体などの二次元形状(平面形状)の発泡体とすることができる。
[発泡体の二次成形]
本発明の発泡体(特に、シート状発泡体などの平面形状の発泡体)は、成形性に富むため、圧空成形(押出圧空成形、熱板圧空成形、真空圧空成形等)、真空成形、自由吹込成形、折り曲げ加工、マッチド・モールド成形、熱板成形等の慣用の熱成形などで、簡便に二次成形することができる。凹部形状などの三次元形状の成形体を容易に成形できる観点から、加熱した平面形状発泡体を圧空により金型に押し当てて成形する圧空成形や、金型と加熱した平面形状発泡体との間を真空にすることにより前記平面形状発泡体を金型側に引き込んで成形する真空成形が好ましい。
また、成形品(二次成形品)は、剛性や弾性の異なる他の樹脂フィルム、樹脂シート、ゴムシート等の各種材料と組み合わせて複合化してもよい。発泡体と上記各種材料との複合体の製造方法としては、接着剤等による貼合わせ、熱ラミネート法、共押出法による熱融着などが挙げられる。
なお、帯電防止性発泡体では、シートや二次成形品の表面に、各種表面処理(例えば、コロナ放電処理、グロー放電処理などの放電処理;真空蒸着、スパッタリングなどの物理蒸着処理;プラズマ処理;酸処理;火炎処理など)を行ってもよく、導電性被膜(例えば、導電性塗料による被膜など)などを形成してもよい。
本発明の樹脂組成物により成形された発泡体及びこの発泡体を用いた二次成形品は、均一な気泡構造を有するため、機械的強度や断熱性に優れるだけでなく、ポリプロピレン系樹脂を含むため耐熱性にも優れている。そのため、前記発泡体や二次成形品は、断熱材、浮力材、衝撃緩衝材、包装用緩衝材(マガジン等の包装材料)に用いられるほか、食品用トレー又は容器(特に、電子レンジ加熱食品などの加熱食品用トレー又は容器)、テープ類(エンボステープ、キャリアテープなど)、履き物類(ビーチサンダルなどのサンダル類、各種履き物底)に使用できる。さらに、帯電防止性能を有する発泡体や二次成形品は、集積回路(IC)やIC関連部品における搬送用成形品(例えば、真空成形トレー、圧空成形トレーなど)などとして有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
ポリプロピレン樹脂(サンアロマ―(株)製、商品名「Pro−fax PF814」)90重量部と、低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「ペトロセン339」)10重量部と、エチレン−プロピレンブロック共重合体(チッソ(株)製、商品名「ニューフォーマー FB3312」)10重量部とで樹脂組成物を構成し、この樹脂組成物100重量部に対して、重炭酸ナトリウムークエン酸系気泡核剤(べーリンガーインゲルハイム(株)製、商品名「ハイドロセロール HK−70」)0.6重量部を加え、ドライブレンド後、前記ブレンド物をタンデム押出機の第一単軸押出機に供給して220℃で溶融混練すると同時に、樹脂組成物100部に対して0.6重量部となるように二酸化炭素を発泡剤として第一押出機内に圧入した。なお、上記タンデム型押出機は口径55mmφの第一押出機に接続管を介して口径65mmφの第二単軸押出機を接続している。
そして、第一単軸押出機のシリンダー内温度を190〜200℃に調整するとともに、上記第一単軸押出機で溶融混練した樹脂組成物を第二単軸押出機内に連続的に供給した。その後、第二単軸押出機のシリンダー内の温度を190℃から165℃に徐々に低下させつつ前記樹脂組成物をさらに溶融混練し、この溶融混練物を第二単軸押出機の先端に接続した口径112mmφのサーキュラー口金から吐出量40Kg/hで大気中に円筒状に押出し発泡させた。
続いて、上記円筒状発泡体を1.4m/分で引取りつつ拡径させた後、直径280mmの冷却マンドレルに供給し、円筒状発泡体の内面を冷却マンドレルの外周に接触させる事により円筒状発泡体を内周面側より冷却した。
次に、上記冷却マンドレルから排出された円筒状発泡体を下部で押出し方向に連続的に切開してシート状に成形してシート状の発泡体(以下、発泡シートと称す)を調製した。また、このシートを圧縮成形することによりトレー状の成形品(以下、トレーと称す)を調製した。
実施例2
ポリプロピレン樹脂(サンアロマ―(株)製、商品名「Pro−fax PF814」)90重量部と、低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「ペトロセン339」)10重量部と、エチレン−プロピレンブロック共重合体(チッソ(株)製、商品名「ニューフォーマー FB3312」)30重量部とで樹脂組成物を構成し、この樹脂組成物100重量部に対して、グリセリンモノステアレート系帯電防止剤(べーリンガーインゲルハイム(株)製、商品名「ハイドロセロール 325」)1重量部と重炭酸ナトリウムークエン酸系気泡核剤(べーリンガーインゲルハイム(株)製、商品名「ハイドロセロール HK−70」)0.6重量部とを加える以外は、実施例1と同様にして、発泡シート及びトレーを調製した。
実施例3
ポリプロピレン樹脂(サンアロマ―(株)製、商品名「Pro−fax PF814」)50重量部と、低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「ペトロセン339」)50重量部と、エチレン−プロピレンブロック共重合体(チッソ(株)製、商品名「ニューフォーマー FB3312」)20重量部とで樹脂組成物を構成し、この樹脂組成物100重量部に対して、グリセリンモノステアレート系帯電防止剤(べーリンガーインゲルハイム(株)製、商品名「ハイドロセロール 325」)1重量部と重炭酸ナトリウムークエン酸系気泡核剤(べーリンガーインゲルハイム(株)製、商品名「ハイドロセロール HK−70」)0.6重量部とを加える以外は、実施例1と同様にして、発泡シート及びトレーを調製した。
実施例4
ポリプロピレン樹脂(サンアロマ―(株)製、商品名「Pro−fax PF814」)60重量部と、低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「ペトロセン339」)40重量部と、エチレン−プロピレンブロック共重合体(チッソ(株)製、商品名「ニューフォーマー FB3312」)10重量部とで樹脂組成物を構成し、この樹脂組成物100重量部に対して、グリセリンモノステアレート系帯電防止剤(べーリンガーインゲルハイム(株)製、商品名「ハイドロセロール 325」)1重量部と重炭酸ナトリウムークエン酸系気泡核剤(べーリンガーインゲルハイム(株)製、商品名「ハイドロセロール HK−70」)0.5重量部とを加える以外は、実施例1と同様にして、発泡シート及びトレーを調製した。
実施例5
ポリプロピレン樹脂(サンアロマ―(株)製、商品名「Pro−fax PF814」)70重量部と、低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「ペトロセン339」)30重量部と、エチレン−プロピレンブロック共重合体(チッソ(株)製、商品名「ニューフォーマー FB3312」)10重量部とで樹脂組成物を構成し、この樹脂組成物100重量部に対して、ステアリン酸モノグリセリド・ステアリルジエタノールアミド系帯電防止剤(花王(株)製、商品名「エレストマスター LL−10」)5重量部と重炭酸ナトリウムークエン酸系気泡核剤(べーリンガーインゲルハイム(株)製、商品名「ハイドロセロール HK−70」)1.2重量部とを加える以外は、実施例1と同様にして、発泡シート及びトレーを調製した。
比較例1
ポリプロピレン樹脂100重量部と、エチレン−プロピレンブロック共重合体(チッソ(株)製、商品名「ニューフォーマー FB3312」)30重量部とで樹脂組成物を構成し、この樹脂組成物100重量部に対して、グリセリンモノステアレート系帯電防止剤(べーリンガーインゲルハイム(株)製、商品名「ハイドロセロール 325」)1重量部と重炭酸ナトリウムークエン酸系気泡核剤(べーリンガーインゲルハイム(株)製、商品名「ハイドロセロール HK−70」)0.5重量部とを加える以外は、実施例1と同様にして、発泡シート及びトレーを調製した。
比較例2
ポリプロピレン樹脂(サンアロマ―(株)製、商品名「Pro−fax PF814」)80重量部と、低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「ペトロセン339」)20重量部とで樹脂組成物を構成し、この樹脂組成物100重量部に対して、グリセリンモノステアレート系帯電防止剤(べーリンガーインゲルハイム(株)製、商品名「ハイドロセロール 325」)1重量部と重炭酸ナトリウムークエン酸系気泡核剤(べーリンガーインゲルハイム(株)製、商品名「ハイドロセロール HK−70」)0.5重量部とを加える以外は、実施例1と同様にして、発泡シート及びトレーを調製した。
比較例3
ポリプロピレン樹脂(サンアロマ―(株)製、商品名「Pro−fax PF814」)100重量部に対して、グリセリンモノステアレート系帯電防止剤(べーリンガーインゲルハイム(株)製、商品名「ハイドロセロール 325」)3重量部と重炭酸ナトリウムークエン酸系気泡核剤(べーリンガーインゲルハイム(株)製、商品名「ハイドロセロール HK−70」)0.5重量部とを加える以外は、実施例1と同様にして、発泡シート及びトレーを調製した。
[気泡構造]
発泡シートの断面観察にて、発泡体を形成する気泡構造を評価した
○:発泡体は、主として小さな独立気泡で形成されるだけでなく、気泡形状及び気泡径が均一である
△:発泡体は、やや大きな独立気泡及び連続気泡で形成され、気泡径が大きくばらつく
×:発泡体は、主として大きな連続気泡で形成されるだけでなく、気泡形状も気泡径も大きくばらつく。
[破断伸び率]
JIS K 6767に準じて、発泡シートの破断伸び率(%)を測定した。
[外観]
シート及びトレーの外観について、目視により評価した
○:シート及びトレーは、表裏面とも均一で美麗な外観を有している
△:シート及びトレーで、その一部に厚薄が生じている
×:シート及びトレーの表裏面に、凹凸が激しく生じている。
[帯電防止性]
温度20℃、湿度60%で調整した発泡シートについて、縦100mm、横100mmの試験片の表面固有抵抗率を、JIS K6911 5.13に準じて測定した。
結果を表1に示す。なお、表1において、PPはポリプロピレン樹脂を、PEはポリエチレン樹脂を、FBはエチレン−プロピレンブロック共重合体を意味する。
表1から明らかなように、比較例1〜3は、気泡形状や気泡径が不均一であり、連続気泡の割合が高かった。なお、参考までに、図1及び2に、比較例1及び2で得られた発泡シート断面の光学顕微鏡写真(40倍)を示す。また、比較例1及び2の発泡シート及びトレーは、外観が美麗でなく、発泡シートの一部に厚薄が生じていた。さらに、比較例3では、発泡シートの表裏面の凹凸が激しいため、トレーへの成形加工が困難であった。また、比較例ではシート表裏面の帯電防止性が十分ではなかった。さらにまた、比較例の発泡シートでは、破断伸び率の範囲の幅が狭かった。
これに対して、実施例1〜5の発泡シートは、主として小さな独立気泡で形成されるだけでなく、気泡形状及び気泡径が均一であった。なお、参考までに図3に実施例2で得られた発泡シート断面の光学顕微鏡写真(40倍)を示す。また、実施例の発泡シート及びトレーは、美麗な外観を有していた。さらに、実施例の発泡シートは、表裏面で高く、均一な帯電防止性を有していた。特に、実施例3〜5では、表裏面での帯電防止性の比が3以下であった。また、実施例では、発泡シートの破断伸び率が広い範囲に亘っていた。
実施例6
ポリプロピレン樹脂(サンアロマ―(株)製、商品名「Pro−fax PF814」)90重量部と、低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「ペトロセン339」)10重量部と、エチレン−プロピレンブロック共重合体(チッソ(株)製、商品名「ニューフォーマー FB3312」)5重量部とで樹脂組成物を構成し、この樹脂組成物100重量部に対して、重炭酸ナトリウムークエン酸系気泡核剤(べーリンガーインゲルハイム(株)製、商品名「ハイドロセロール HK−70」)0.6重量部を加える以外は、実施例1と同様にして、発泡シートを調製した。
比較例4
エチレン−プロピレンブロック共重合体を用いずに、ポリプロピレン樹脂(サンアロマ―(株)製、商品名「Pro−fax PF814」)90重量部と低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「ペトロセン339」)10重量部とで樹脂組成物を構成する以外は、実施例6と同様にして、発泡シートを調製した。
実施例6及び比較例4で得られた発泡シートの気泡壁の透過型電子顕微鏡写真を、それぞれ図4及び図5に示す。
樹脂組成物がエチレン−プロピレンブロック共重合体を含まない比較例4では、図5に示すように、ポリプロピレン相のマトリックス中に、ポリエチレン相が細長い島状の塊のまま、相溶化せずに分布していた。一方、ポリプロピレン樹脂と低密度ポリエチレンとエチレン−プロピレンブロック共重合体とで構成される実施例6では、図4に示すように、ポリエチレン相がほぼ球状の微小粒子となって、均一にポリプロピレン相のマトリックス中に分散していた。
実施例7
ポリプロピレン樹脂(PP)(サンアロマ―(株)製、商品名「Pro−fax PF814」)と低密度ポリエチレン(PE)(東ソー(株)製、商品名「ペトロセン339」)とエチレン−プロピレンブロック共重合体(FB)(チッソ(株)製、商品名「ニューフォーマー FB3312」)で構成された樹脂組成物[組成物中、PEは0〜50重量%(すなわち、PP/PE=100/0〜50/50)]100重量部に対して、前記エチレン−プロピレンブロック共重合体(FB)を30重量部又は40重量部用いて樹脂組成物を構成する以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。JIS K 6767に準じて、これらの発泡シートの破断伸び率(%)を測定した。
図6に示すように、ポリプロピレン樹脂及びエチレン−プロピレンブロック共重合体に対して、低密度ポリエチレンが混和されることにより、発泡体は高い破断伸び率を示した。
実施例8
ポリプロピレン樹脂(PP)(サンアロマ―(株)製、商品名「Pro−fax PF814」)と低密度ポリエチレン(PE)(東ソー(株)製、商品名「ペトロセン339」)とエチレン−プロピレンブロック共重合体(FB)(チッソ(株)製、商品名「ニューフォーマー FB3312」)で構成された樹脂組成物[組成物中、PEは0〜50重量%(すなわち、PP/PE=100/0〜50/50)]100重量部に対して、前記エチレン−プロピレンブロック共重合体(FB)を5、10、20、30又は40重量部用いて、樹脂組成物を構成する以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。JIS K 7221に準じて、これらの発泡シートの曲げ弾性率(MPa)を測定した。なお、前記曲げ弾性率に対して、各シートの発泡倍率をそれぞれ掛け合わせ、相対曲げ弾性率(MPa)についても算出した。実施例7で得られた曲げ弾性率(MPa)及び相対曲げ弾性率(MPa)の結果を、図7及び図8に示す。
図7及び図8に示すように、ポリプロピレン樹脂及びエチレン−プロピレンブロック共重合体に対して、低密度ポリエチレンが混和されることにより、発泡体は幅広い範囲の曲げ弾性率及び相対曲げ弾性率を示した。
図1は、比較例1で得られた発泡シート断面の光透過型光学顕微鏡写真(40倍)である。 図2は、比較例2で得られた発泡シート断面の光透過型光学顕微鏡写真(40倍)である。 図3は、実施例2で得られた発泡シート断面の光透過型光学顕微鏡写真(40倍)である。 図4は、実施例6で得られた発泡シートの気泡壁の光透過型光学顕微鏡写真(5000倍)である。 図5は、比較例4で得られた発泡シートの気泡壁の光透過型光学顕微鏡写真(5000倍)である。 図6は、実施例7で得られた発泡シートにおいて、低密度ポリエチレン(PE)の含有量(重量%)と、破断伸び率(%)との関係を示すグラフである。 図7は、実施例8で得られた発泡シートにおいて、低密度ポリエチレン(PE)の含有量(重量%)と、曲げ弾性率(MPa)との関係を示すグラフである。 図8は、実施例8で得られた発泡シートにおいて、低密度ポリエチレン(PE)の含有量(重量%)と、相対曲げ弾性率(MPa)との関係を示すグラフである。

Claims (10)

  1. ポリプロピレン系樹脂(a)とポリエチレン系樹脂(b)と軟質オレフィン系樹脂(c)とで構成される発泡用無架橋ポリオレフィン系樹脂組成物であって、
    前記ポリプロピレン系樹脂(a)がプロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体であり、
    前記ポリエチレン系樹脂(b)が低密度ポリエチレンであり、
    前記軟質オレフィン系樹脂(c)がエチレン−α−オレフィンブロック共重合体であり、
    前記ポリプロピレン系樹脂(a)及び前記ポリエチレン系樹脂(b)の総量100重量部に対する前記軟質オレフィン系樹脂(c)の割合が5〜50重量部である樹脂組成物。
  2. 軟質オレフィン系樹脂(c)が、エチレン−プロピレンブロック共重合体で構成されている請求項1記載の樹脂組成物。
  3. ポリプロピレン系樹脂(a)とポリエチレン系樹脂(b)との割合(重量比)が、前者(a)/後者(b)=98/2〜40/60である請求項1記載の樹脂組成物。
  4. ポリエチレン系樹脂(b)と軟質オレフィン系樹脂(c)との割合(重量比)が、前者(b)/後者(c)=97/3〜3/97である請求項1記載の樹脂組成物。
  5. ポリプロピレン系樹脂(a)とポリエチレン系樹脂(b)との割合(重量比)が、前者(a)/後者(b)=95/5〜50/50であり、ポリエチレン系樹脂(b)と軟質オレフィン系樹脂(c)との割合(重量比)が、前者(b)/後者(c)=95/5〜5/95であるとともに、ポリプロピレン系樹脂(a)及びポリエチレン系樹脂(b)の総量100重量部に対して、軟質オレフィン系樹脂(c)を10〜50重量部含む請求項1記載の樹脂組成物。
  6. さらに帯電防止剤(d)を含む請求項1記載の樹脂組成物。
  7. 帯電防止剤(d)が、ノニオン性帯電防止剤で構成されている請求項6記載の樹脂組成物。
  8. 温度20℃、湿度60%で調整し、JIS K6911 5.13に準じて測定した表面抵抗率が1×1013Ω以下である発泡体を成形できる請求項6記載の樹脂組成物。
  9. 請求項1又は6記載の樹脂組成物で成形され、発泡倍率が2〜5倍である発泡体。
  10. 請求項9記載の発泡体で形成された成形品。
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