JP5773901B2 - 発泡樹脂成形品の表面改質方法 - Google Patents

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本発明は、発泡樹脂成形品の表面改質方法に関し、特に、所定樹脂からなる発泡樹脂成形品に対するケイ酸化炎処理を用いた発泡樹脂成形品の表面改質方法に関する。
従来、エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体を主成分とした発泡樹脂成形品として、靴類が知られている(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、底部を備えた靴類であって、この底部は、エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体を主成分とした樹脂層を備えるとともに、アウトサイドからインサイドにかけて、徐々に発泡倍率が大きくなる発泡変化部を含むことを特徴とした靴類である。
したがって、このような靴類を製造するにあたり、発泡しうるポリマー材料が、金型内に投入される工程と、例えば、発泡中のポリマー材料に作用する圧力を部分的に異ならせることにより、一方側から他方側にかけて徐々に発泡倍率が大きくなる発泡変化部を有するポリマー成形体が形成される工程と、形成された発泡変化部が、アウトサイドからインサイドにかけて徐々に発泡倍率が大きくなるように靴類の底部に設けられる工程と、形成された底部およびアッパーから靴類を作製する工程と、を含んでいる。
一方、特定沸点を有する改質剤化合物を含む燃料ガスからなる火炎を吹き付け処理(ケイ酸化炎処理、チタン酸化炎処理、およびアルミニウム酸化炎処理)することにより、ケイ素原子等を含有する改質剤化合物を比較的多量に使用した場合であっても、効率的に燃焼しやすくして、被処理物の表面を均一かつ十分に改質できる表面改質方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、ポリマー基材の表面を改質するための火炎処理方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
より具体的には、沸点が約100℃のヘキサメチルジシロキサン(HMDSと称する場合がある。)を含む燃料および酸化剤混合物によって助燃される火炎に、ポリマー基材を曝露する火炎処理方法が開示されている。
特開2007−159597号公報(特許請求の範囲等) WO03/069017号公報(特許請求の範囲等) 特表2001−500552号(特許請求の範囲等)
しかしながら、特許文献1に開示されたエチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体からなる靴類等は、発泡倍率を異ならせる関係上、製造工程が複雑になりやすいという問題が見られた。
また、原料材料樹脂中に、所定着色剤(顔料)を配合して、全体的に着色することは可能であるものの、その材質の性質上、一般的に難接着性であって、かつ、立体性(三次元性)に優れていることから、その表面に装飾層を強固に設けることが容易でないという問題が見られた。
そこで、酸化炎処理によって、靴類の表面を改質することが考えられるものの、靴類を構成するエチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体は、一般的に耐熱性に乏しいことから、実現性に乏しいと考えられていた。
事実、靴類の全体に対して、酸化炎処理を施した場合、靴類の立体的形状に起因して、酸化炎の当たり方が部分的に異なりやすく、発泡樹脂成形品の表面における美感や質感が低下したり、あるいはシボ模様が変化したりする場合が見られた。
また、特許文献2のケイ酸化炎等を用いた表面改質方法や、特許文献3のポリマー基材の表面を改質するための火炎処理方法は、非発泡樹脂成形品のみを対象としていて、発泡樹脂成形品等の耐熱性に乏しい基材、より具体的には、軟化点が60℃以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体に応用した場合に、表面における美感等を損なうことなく、濡れ性を迅速かつ安定的に改善させ、ひいては、所定の装飾層を強固に接着できることまでは見出されていなかった。
そこで、本発明の発明者らは、所定樹脂からなる発泡樹脂成形品の表面に部分的にケイ酸化炎処理を施すことによって、エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体を主成分とした、立体性に優れた発泡樹脂成形品であっても、その表面における美感等を損なうことなく、濡れ性の指標としての濡れ指数を均一に向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体を主成分とした発泡樹脂成形品(靴類等)において、装飾性や情報性向上のために、所定の装飾層やネームを、踵や甲部分等の所定場所に設けることが望まれているが、本発明の表面改質方法によれば、そのような装飾層やネーム等を強固に接着することが可能となった。
よって、本発明の目的は、立体性に優れるとともに、所定樹脂からなる発泡樹脂成形品の表面の美感を損なうことなく、表面の濡れ性を全体的かつ均一に改善し、それによって装飾処理が容易となる発泡樹脂成形品の表面改質方法を提供することにある。
本発明によれば、エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体を主成分とした発泡樹脂成形品の表面改質方法であって、下記工程(A)〜(C)を含むことを特徴とする発泡樹脂成形品の表面改質方法が提供され、上述した問題点を解決することができる。
(A)エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体を主成分とした発泡樹脂成形品を準備する工程
(B)発泡樹脂成形品の表面に、少なくともケイ素原子を含有する改質剤化合物(以下、単にケイ素化合物と称する場合がある。)を燃料としたケイ酸化炎処理を部分的に施して処理部とする工程
(C)ケイ酸化炎処理を施した処理部に対して、装飾層を形成する工程
すなわち、立体性に優れるとともに、所定樹脂からなる発泡樹脂成形品の表面に対して、部分的にケイ酸化炎処理を施すことによって、発泡樹脂成形品の表面における美感等を損なうことなく、均一に濡れ性が向上し、ひいては、所定場所に対して、装飾層を強固に形成することができる。
また、部分的なケイ酸化炎処理であっても、発泡樹脂成形品の位置を回転移動させたり、前後左右に移動させたりするとともに、複数回ケイ酸化炎処理を実施することにより、発泡樹脂成形品において、複数箇所においても、発泡樹脂成形品の表面における美感等を損なうことなく所定の表面処理を行うことができる。
その上、複数回ケイ酸化炎処理を実施するにしても、その間は、後述するように、改質剤化合物の導入を中断し、炭化水素ガス等の燃料のみを燃焼させ、酸化炎とすることによって、ケイ素化合物の無駄な消費を有効に防止することができる。
また、本発明の発泡樹脂成形品の表面改質方法を実施するにあたり、工程(A)において、エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体中に充填材を含むとともに、表面にシボ模様が設けてある発泡樹脂成形品を準備することが好ましい。
このように実施することによって、表面にシボ模様を有し、より難接着かつ立体性に富んだ発泡樹脂成形品に対しても、発泡樹脂成形品の表面における美感等を損なうことなく、所定の表面処理を施すことができ、ひいては、装飾層をさらに強固に形成することができる。
また、本発明の発泡樹脂成形品の表面改質方法を実施するにあたり、工程(A)において、発泡樹脂成形品として、スニーカ、サンダル、スリッパの少なくとも一つの靴類を準備することが好ましい。
このように実施することによって、立体性に富み、より難接着である発泡樹脂成形品である、所定の靴類に対しても、その表面における美感等を損なうことなく、所定の表面処理を安定的に施すことができる。
また、本発明の発泡樹脂成形品の表面改質方法を実施するにあたり、工程(B)において、ケイ素原子を含有する改質剤化合物および炭化水素ガスを含む燃料ガスを、らせん管内を流動させた後、燃料として燃焼させて、ケイ酸化炎処理を行うことが好ましい。
このように実施することによって、燃料ガス中の改質剤化合物および炭化水素ガスをより均一に混合することができ、ひいては、発泡樹脂成形品の表面における美感等を損なうことなく、冬場等の寒冷期間であっても、所定の表面処理を安定的に施すことができる。
また、本発明の発泡樹脂成形品の表面改質方法を実施するにあたり、工程(B)において、マスキング部材を用いて、ケイ酸化炎処理を部分的に施すことが好ましい。
このように実施することによって、所定場所以外に火炎が噴射されることを防止し、発泡樹脂成形品の表面における美感等を損なうことなく、所定場所に対してのみ、表面処理を選択的に施すことができる。
また、本発明の発泡樹脂成形品の表面改質方法を実施するにあたり、工程(B)において、ケイ素原子を含有する改質剤化合物(ケイ素化合物)の燃料としての供給を中断し、ケイ酸化炎処理を酸化炎処理とする所定時間を設けることが好ましい。
このようにケイ酸化炎処理を酸化炎処理とする切り替え操作を実施することによって、酸化炎処理によって、発泡樹脂成形品の表面に付着した汚染物の除去が可能になるとともに、その間の、ケイ素化合物の無駄な燃焼を有効に防止することができる。
また、ケイ素化合物の燃料としての供給を中断している間に、所定の着火状態を維持したまま、発泡樹脂成形品の位置を回転移動させたり、前後左右に移動させたりすることができる。よって、発泡樹脂成形品の位置の変更前後で、複数回ケイ酸化炎処理を実施する場合であっても、ケイ素化合物の無駄な燃焼を有効に防止しつつ、その間での着火処理を省略することができる。
また、本発明の発泡樹脂成形品の表面改質方法を実施するにあたり、工程(C)において、処理部に対して、接着剤層を介して、装飾層を形成することが好ましい。
このように実施することによって、装飾層の種類や大きさにかかわらず、所望箇所である処理部に対して、さらに強固に接着することができる。
また、本発明の発泡樹脂成形品の表面改質方法を実施するにあたり、工程(C)において、装飾層として、シリコーン樹脂層または金属プレート層を形成することが好ましい。
このように実施することによって、装飾性や立体性、あるいは高級感等に優れた装飾層を、所望箇所である処理部に対して、強固に接着することができる。
本発明の実施形態は、エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体を主成分とした発泡樹脂成形品の表面改質方法であって、下記工程(A)〜(C)を含むことを特徴とする発泡樹脂成形品の表面改質方法である。
(A)エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体を主成分とした発泡樹脂成形品を準備する工程(以下、準備工程と称する場合がある。)
(B)発泡樹脂成形品の表面に、少なくともケイ素原子を含有する改質剤化合物(ケイ素化合物)を燃料としたケイ酸化炎処理を部分的に施して処理部とする工程(以下、ケイ酸化炎処理工程と称する場合がある。)
(C)ケイ酸化炎処理を施した処理部に対して、装飾層を形成する工程(以下、装飾工程と称する場合がある。)
以下、図面を適宜参照して、発泡樹脂成形品の表面改質方法に関する実施の形態について具体的に説明する。
1.工程(A)
工程(A)の準備工程は、図1(a)に示すように、エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体を主成分とした所定の発泡樹脂成形品(例えば、靴類50)を準備する工程である。
また、工程(A)の準備工程は、ケイ酸化炎処理の前処理として、所定の発泡樹脂成形品の洗浄処理や表面活性化処理(コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理等)を含む場合がある。
(1)発泡樹脂成形品
工程(A)で準備する発泡樹脂成形品の原材料樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVAと称する場合がある。)を用いることを特徴とする。
すなわち、このようにEVAを用いることにより、金型成型や射出成型等が可能となるばかりか、得られる発泡樹脂成形品の軽量化や、所定着色剤による着色化が可能となるばかりか、樹脂コストが低下し、経済的に有利となるためである。
また、EVAにおける酢酸ビニル含有量については、その成形性や耐久性、あるいは、ケイ酸化炎による表面改質性等を考慮して定めることができるが、通常、EVAの全体量に対して、10〜50重量%の範囲内の値であることが好ましい。
この理由は、かかる酢酸ビニル含有量が、10重量%未満の値になると、ケイ酸化炎による表面改質性が発現しなかったり、耐久性や架橋性等が低下したりする場合があるためである。
一方、かかる酢酸ビニル含有量が、50重量%を超えた値になると、成形性等が著しく低下する場合があるためである。
したがって、EVAにおける酢酸ビニル含有量を、EVAの全体量に対して、15〜40重量%の範囲内の値であることがより好ましく、20〜30重量%の範囲内の値であることがさらに好ましい。
また、発泡樹脂成形品の主成分として、エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体(架橋EVA発泡体と称する場合がある。)を用いることを特徴とする。
すなわち、このように架橋EVA発泡体を用いることにより、内部に多数存在する独立気泡に起因して、得られる発泡樹脂成形品のさらなる軽量化や断熱性の向上のみならず、機械的強度や耐久性等の向上についても可能となるためである。
したがって、通常、発泡樹脂成形品の平均発泡倍率(気泡が存在する場合の密度に対する気泡が存在しない場合の密度の比と定義される。)を2〜30倍の範囲内の値とすることが好ましく、4〜20倍の範囲内の値とすることが好ましく、6〜15倍の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、エチレン−酢酸ビニル共重合体の発泡剤として、加熱した際に分解して所定ガスを発生する熱分解型発泡剤を用いることができるが、有機系または無機系の化学発泡剤が使用することができ、具体的に、アゾ化合物、スルホニルヒドラジド化合物、ニトロソ化合物、アジド化合物、無機化合物等の少なくとも一つが挙げられる。
より具体的には、アゾジカルボンアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、ジアゾアミノベンゼン;ベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゼン−1,3−スルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルフォニルヒドラジド、ジフェニルオキシド−4,4’−ジスルフォニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、パラトルエンスルフォニルヒドラジド、
N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルフタルアミド;テレフタルアジド、p−t−ブチルベンズアジド、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等の一種単独または二種以上の組合わせが挙げられる。
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋剤としては、有機過酸化物が好適であって、例えばハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類等の少なくとも一つを用いることができる。
すなわち、このような有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ジハイドロパーオキサイド、3−ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ジクミルパーオキサイド、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート;ベンゾイルパーオキサイド等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
そして、架橋剤の配合量については、得られるEVA架橋発泡体の発泡倍率や成形性等の観点から判断するのが好ましいが、通常、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、0.1〜3重量部の範囲内の値とすることが好ましく、0.3〜2.0重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、得られる発泡樹脂成形品の寸法安定性が向上することから、所定量の架橋助剤をさらに含むことが好ましい。
すなわち、架橋助剤として、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤、(メタ)アクリルエステルの単官能又は2官能の架橋助剤等を挙げることができる。
そして、架橋助剤の配合量は、通常、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲内の値とすることが好ましく、1.0〜2.0重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、発泡樹脂成形品の成形性、表面改質性、耐熱性等の向上程度や多機能付加を考慮して、原材料樹脂中に、各種添加剤を配合することが好ましい。
このような添加剤の代表例としては、所定の高分子材料や可塑剤である。例えば、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ゴム類、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイル、シリコーン系オイル、エステル系オイル、エーテル系オイル、クマロンオイル、アスファルト、クマロン樹脂、パラフィンワックス、脂肪酸石鹸、ビスアーマイド、液状ゴム等の少なくとも一種を挙げることができる。
また、発泡樹脂成形品を準備するにあたり、原材料樹脂中に、充填材を含むことが好ましい。
この理由は、このように充填材を含むことによって、発泡樹脂成形品の耐久性、軟化点、あるいは硬度等を所望範囲に調節することが容易となるためである。
すなわち、発泡樹脂成形品の耐久性、軟化点、あるいは硬度等が向上すれば、ケイ酸化炎処理を施す場合に、発泡樹脂成形品の表面における美感等を確実に損なうことなく、ひいては、装飾層をさらに強固に形成することができるためである。
したがって、原材料樹脂中に、カーボンブラック、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、珪酸マグネシウム、亜鉛華、クレー、マイカ、ガラス等の少なくとも一つを所定量配合することが好ましい。
その他、原材料樹脂中に、カップリング剤、加工助剤、軟化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、導電剤、帯電防止剤、あるいは、着色剤等の各種高分子材料用配合剤を混合してもよい。
(2)種類
また、発泡樹脂成形品として、スニーカ、サンダル、スリッパの少なくとも一つの靴類を準備することが好ましい。
すなわち、ケイ酸化炎処理の被処理物として、所定の靴類であることが好ましい。
そして、スニーカ、サンダル、スリッパ等のいずれか一種と捉えることもできるが、より具体的に、図2(a)〜(c)に示すような、それぞれ架橋EVA発泡体から基本的に構成された留め具(ストラップ)50a、甲部50b、底部50c、および踵部50dを備えてなる靴類50であることが好ましい。
この理由は、このような靴類50であれば、立体性や軽量性に優れているとともに、装飾層を形成した場合に、優れた識別性や付加価値が得られるためである。
(3)前処理工程
また、工程(A)の準備工程において、ケイ酸化炎処理の前処理工程として、発泡樹脂成形品の洗浄処理や表面活性化処理を実施することが好ましい。
すなわち、発泡樹脂成形品の洗浄処理を行うことによって、成形時の金型に塗布した剥離剤等の影響を効果的に除去することができる。
また、発泡樹脂成形品の表面活性化処理(コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理等)を実施することによって、後述するケイ酸化炎処理による表面改質効果をより安定的に発揮することができる。
2.工程(B)
図1(b)に示すように、工程(B)のケイ酸化炎処理工程は、ケイ素化合物等を燃焼させてなる表面火炎処理装置100を用いた火炎処理であって、発泡樹脂成形品50の表面上に、ケイ素化合物の炎熱分解によって水酸基等の極性基を有する酸化ケイ素からなる処理部52を形成するための工程である。
(1)ケイ素化合物
ケイ素原子を含有する改質剤化合物としてのケイ素化合物の沸点(大気圧下)を10〜200℃の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるケイ素化合物の沸点が10℃未満の値であっては、揮発性が激しくて、取り扱いが困難となる場合があるためである。一方、かかるケイ素化合物の沸点が200℃を超えると、空気流との混合性が低下し、発泡樹脂成形品の表面改質が不均一になったり、長時間にわたって、改質効果を持続させることが困難になったりする場合があるためである。
したがって、かかるケイ素化合物の沸点を15〜180℃の範囲内の値とすることがより好ましく、20〜120℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかるケイ素化合物の沸点は、改質剤化合物自体の構造を制限することによっても調整することができるが、その他、共沸現象を利用して、比較的沸点が低いアルキルシラン化合物等と、比較的沸点が高いアルコキシラン化合物等とを適宜混合使用することによっても調整することができる。
また、ケイ素化合物の種類についても特に制限されるものではないが、例えば、アルキルシラン化合物、アルコキシシラン化合物等が挙げられる。
また、このようなケイ素化合物の好適例としては、テトラメチルシラン、テトラエチルシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジフェニルシラン、ジエチルジクロロシラン、ジエチルジフェニルシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリフェニルシラン、ジメチルジエチルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、ジクロロジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリクロロメトキシシラン、トリクロロエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、ヘキサメトルジシロキサン等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、ケイ素化合物において、分子内又は分子末端に窒素原子、ハロゲン原子、酸素原子、イオウ原子、ビニル基、及びアミノ基の少なくとも一つを有する化合物であることがより好ましい。
より具体的には、ヘキサメチルジシラザン(沸点:126℃)、ビニルトリメトキシシラン(沸点:123℃)、ビニルトリエトキシシラン(沸点:161℃)、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(沸点:144℃)、トリフルオロプロピルトリクロロシラン(沸点:113〜114℃)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(沸点:215℃)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(沸点:217℃)、ヘキサメチルジシロキサン(沸点:約100℃)、及び3−クロロプロピルトリメトキシシラン(沸点:196℃)の少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
この理由は、このようなケイ素化合物であれば、キャリアガスとの混合性が向上し、発泡樹脂成形品の表面に、粒状物(シリカ層)を形成して改質がより均一になるとともに、沸点等の関係で、かかるケイ素化合物が発泡樹脂成形品の表面に一部残留しやすくなるため、発泡樹脂成形品と、各種紫外線硬化型樹脂等からなる塗膜との間で、より優れた密着力を得ることができるためである。
また、ケイ素化合物の平均分子量を、50〜1、000の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる改質剤化合物の平均分子量が50未満となると、揮発性が高くて、取り扱いが困難となる場合があるためである。一方、かかる改質剤化合物の平均分子量が1、000を超えると、加熱により気化して、空気等と容易に混合することが困難となる場合があるためである。
したがって、ケイ素化合物の平均分子量を、60〜500の範囲内の値とすることがより好ましく、70〜200の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、ケイ素化合物の平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグタフィ(GPC)等によって、測定することができる。
また、ケイ素化合物の液体状態での密度を、0.3〜0.9g/cm3の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるケイ素化合物の密度が0.3g/cm3未満となると、取り扱いが困難となったり、エアゾール缶に収容したりすることが困難となる場合があるためである。一方、かかる改質剤化合物の密度が0.9g/cm3を超えると、気化しにくくなるとともに、エアゾール缶に収容した場合に、空気等と完全に分離した状態となる場合があるためである。
したがって、ケイ素化合物の密度を0.4〜0.8g/cm3の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜0.7g/cm3の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、ケイ素化合物の添加量を、燃料として気体状物の全体量を100モル%としたときに、1×10-10〜10モル%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるケイ素化合物の添加量が1×10-10モル%未満の値になると、発泡樹脂成形品に対する改質効果が発現しない場合があるためである。一方、かかる改質剤化合物の添加量が10モル%を超えると、ケイ素化合物と空気等との混合性が低下し、それにつれてケイ素化合物の酸化が不十分となる場合があるためである。
したがって、ケイ素化合物の添加量を、気体状物の全体量を100モル%としたときに、1×10-9〜5モル%の範囲内の値とすることがより好ましく、1×10-8〜1モル%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(2)引火性ガス及び可燃性ガス
また、燃料ガス中に、通常、引火性ガスや可燃性ガスを添加することが好ましい。このような引火性ガスや可燃性ガスとして、プロパンガスや天然ガス等の炭化水素ガス、水素、さらには、酸素や空気等が挙げられる。なお、燃料ガスをエアゾール缶に入れて使用する場合には、このような引火性ガスとして、プロパンガスおよび圧縮空気等を使用することが好ましい。
また、このような引火性ガスの含有量を、燃料ガスの全体量を100モル%としたときに、80〜99.9モル%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる引火性ガスの含有量が80モル%未満の値になると、ケイ素含有化合物と空気等との混合性が低下し、それにつれてケイ素含有化合物が不完全燃焼する場合があるためである。一方、かかるケイ素含有化合物の添加量が99.9モル%を超えると、固体物質に対する改質効果が発現しない場合があるためである。
したがって、ケイ素含有化合物の添加量を、燃料ガスの全体量を100モル%としたときに、85〜99モル%の範囲内の値とすることがより好ましく、90〜99モル%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)キャリアガス
また、ケイ素化合物を容易に熱分解して、酸化させるために、かかるケイ素化合物を空気や酸素等のキャリアガスと混合することが好ましい。
ただし、かかる空気や酸素とともに、別のキャリアガスとして、アルゴンや窒素、あるいは気化したフッ素炭化物等の不活性ガスを使用することも好ましい。この理由は、このようなキャリアガスを用いることにより、ケイ素化合物を精度良く、かつ円滑に移送することができるためである。
また、このようなキャリアガスの混合量を、発泡樹脂成形品に吹き付ける気体状物の全体量を100モル%としたときに、80〜99.9モル%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるキャリアガスの混合量が80モル%未満の値になると、ケイ素化合物との混合性が低下し、それにつれて発泡樹脂成形品を均一に吹き付けることが困難になる場合があるためである。一方、かかるキャリアガスの混合量が99.9モル%を超えると、発泡樹脂成形品に対する改質効果が発現しない場合があるためである。
したがって、キャリアガスの混合量を、発泡樹脂成形品に吹き付ける気体状物の全体量を100モル%としたときに、85〜99モル%の範囲内の値とすることがより好ましく、90〜99モル%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、ケイ素化合物を含むキャリアガス中に、全体量が100モル%となるように、このようなキャリアガス以外の第三成分として、例えば、炭化水素ガスを1〜10モル%の範囲で添加することも好ましい。
その他、第1の表面改質方法及び第2の表面改質方法を実施する上で、かかるキャリアガスを、所定のケイ素化合物を酸化させるための熱源とすることも好ましい。
(4)添加剤
また、所定のケイ素化合物に対して、アルコール化合物を添加することが好ましい。
この理由は、このようにアルコールを所定量、例えば、改質剤化合物の全体量に対して、0.01〜20重量%の範囲で混合することにより、ケイ素化合物の燃焼性や使い勝手性を向上させることができるためである。
すなわち、ケイ素化合物と、アルコール化合物と、を併用することによって、改質剤化合物としてのケイ素化合物が低温でも蒸発しやすくなって、火炎における燃焼性が向上するとともに、アルコール化合物の炎色反応によって、ケイ素化合物がともに燃焼していることを視覚によって確認することができる。
なお、アルコール化合物の種類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール等の少なくとも一つであることが好ましい。
(5)ケイ酸化炎
また、火炎温度を400〜2、500℃の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる火炎温度が400℃未満の値になると、ケイ素化合物を熱分解して、発泡樹脂成形品の表面等に所定形状を有する粒状物を形成することが困難になる場合があるためである。一方、かかる火炎温度が2、500℃を超えると、気体状物が過度に加熱され、表面改質する対象の発泡樹脂成形品が、熱変形したり、熱劣化したりする場合があるためである。
したがって、火炎温度を500〜1、800℃の範囲内の値とすることが好ましく、800〜1、200℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、火炎を生成するためにバーナーを備えることが好ましい。かかるバーナーの種類も特に制限されるものでないが、例えば、予混合型バーナー、拡散型バーナー、部分予混合型バーナー、噴霧バーナー、蒸発バーナー、微粉炭バーナー等のいずれであっても良い。
また、バーナー以外に別の熱源を備えることも好ましい。かかる熱源の種類は特に制限されるものではないが、例えば、レーザー、ハロゲンランプ、赤外線ランプ、高周波コイル、誘導加熱装置、熱風ヒーター、及びセラミックヒーターからなる群から選択される少なくとも一つの加熱手段が好ましい。
例えば、レーザーを用いることにより、スポット的に、極めて迅速に加熱して、ケイ素化合物を熱分解させて、発泡樹脂成形品の表面処理が可能となる。
また、ハロゲンランプや赤外線ランプを用いることにより、極めて均一な温度分布でもって、大量のケイ素化合物の熱分解が可能となり、発泡樹脂成形品の効率的な表面処理が可能となる。
また、高周波コイルや誘導加熱装置を用いることにより、極めて迅速に加熱して、ケイ素化合物を熱分解させて、発泡樹脂成形品の効率的な表面処理が可能となる。
さらに、熱風ヒーターやセラミックヒーターを用いることにより、例えば、2000℃を超える温度処理が、小規模から大規模まで各種サイズにおいて可能となり、ケイ素化合物を容易に熱分解させて、発泡樹脂成形品の効率的な表面処理が可能となる。
(6)表面処理条件
また、ケイ素化合物を含む気体状物の吹き付け時間(噴射時間)を、発泡樹脂成形品100cm2あたり、1秒〜100秒の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる噴射時間が1秒未満の値になると、ケイ素化合物による改質効果が均一に発現しない場合があるためである。一方、かかる噴射時間が100秒を超えると、発泡樹脂成形品が、熱変形したり、熱劣化したりする場合があり、使用可能な発泡樹脂成形品の種類が過度に制限される場合があるためである。
したがって、かかる噴射時間を、発泡樹脂成形品100cm2あたり、3〜60秒の範囲内の値とすることが好ましく、5〜40秒の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
そして、工程(B)の表面処理条件に関し、図3(b)に示すように、改質剤化合物および炭化水素ガス等を含む燃料ガス(第2の気体状物)を、らせん管114b´の内部を流動させた後、噴射部114において燃焼させて、所定のケイ酸化炎処理を行うことが好ましい。
この理由は、らせん管114b´を、噴射部114の前方に配置して、燃料ガスを、回転流動させることによって、燃料ガス中の改質剤化合物および炭化水素ガス、さらにはキャリアガスをより均一に混合することができ、ひいては、発泡樹脂成形品の表面における美感等を損なうことなく、冬場等の寒冷期間であっても、所定の表面処理を安定的に施すことができるためである。
より具体的には、らせん管において、直径10〜200mmの相当する仮想円に沿って、1〜10回程度、燃料ガスを、回転流動させることが好ましい。
その場合、らせん管114b´の下方から燃料ガスを導入し、上方に通過して排出されるように構成することによって、燃料ガス成分がさらに均一に混合することが見出されており、必要に応じて、らせん管114b´の内部および外部につき、サーモスタット等を利用して、温度制御管理をすることが好ましい。
なお、らせん管114b´の態様については、特に制限されるものではないが、冬場等において、内部凝縮等が生じにくくするために、2〜10mmの所定径を有するとともに、金属配管よりも樹脂配管とすることがより好ましいと言える。
また、工程(B)の表面処理条件に関し、マスキング部材を用いて、ケイ酸化炎処理を部分的に施すことが好ましい。
この理由は、このようにマスキング部材を用いて処理部と、非処理部を物理的に分けた状態でケイ酸化炎処理することによって、所定場所以外に火炎が噴射されることを防止し、発泡樹脂成形品の表面における美感等をさらに損なうことなく、所定場所に対してのみ、表面処理を選択的に施すことができるためである。
すなわち、所定箇所に対応して所定穴が設けてあるプレートを処理部に配置したり、あるいは、マスキング部材としてマスキングテープを用いて、所定箇所以外を被覆処理したりした後、ケイ酸化炎処理することによって、所定場所に対してのみ、表面処理を選択的に施すことができる。
また、工程(B)の表面処理条件に関し、改質剤化合物の燃料としての供給を中断し、ケイ酸化炎処理を酸化炎処理とする所定時間を設けることが好ましい。
この理由は、このようにケイ酸化炎処理のみならず、酸化炎処理とする所定時間を設けることによって、改質剤化合物の燃料としての供給を中断している間には、酸化炎処理によって、発泡樹脂成形品の表面に付着した汚染物の除去が可能になるためである。
また、ケイ酸化炎処理から酸化炎処理に切り替えることによって、切り替えた間の、改質剤化合物の無駄な燃焼を有効に防止することができるためである。
そしてまた、改質剤化合物の燃料としての供給を中断している間に、所定の着火状態を維持したまま、発泡樹脂成形品の位置を回転移動させたり、前後左右に移動させたりすることができるためである。
よって、発泡樹脂成形品の位置の変更前後で、複数回ケイ酸化炎処理を実施する場合であっても、改質剤化合物の無駄な燃焼を有効に防止しつつ、その間での着火処理を省略することができる。
さらにまた、工程(B)の表面処理条件に関し、ケイ酸化炎処理を実施した後、有機溶剤を用いて、処理部の一部をワイピング処理(溶剤処理)することが好ましい。
この理由は、このようにケイ酸化炎処理した一部を溶剤処理することによって、所定場所以外における濡れ性を、非表面処理状態に戻すことができ、ひいては、所望箇所にのみ所定の表面処理を施すことができるためである。
例えば、所定箇所に装飾層を設ける場合に、その周囲を含めて、所定箇所以上の面積においてケイ酸化炎処理を実施した後、所定箇所以外の処理部については、有機溶剤、例えば、アルコール化合物(メタノールやイソプロパノール等)、炭化水素化合物(ヘキサンやトルエン等)、ケトン化合物(メチルエチルケトンやアセトン等)を湿潤させた脱脂綿や不織布等を用いてワイピングすることが好ましい。
すなわち、有機溶剤によって、ケイ酸化炎処理された処理部における多数の水酸基を有するシリカ層が除去され、発泡樹脂成形品の表面を非表面処理状態に戻すことができる。
よって、装飾層以外の発泡樹脂成形品における、汚染物の付着や変色現象の発生を有効に防止することができる。
(7)表面処理装置1
また、ケイ酸化炎処理を実施するにあたり、図3(a)に示すような表面改質装置100を用いることが好ましい。
すなわち、ケイ素化合物134を貯蔵するための第1の貯蔵タンク132と、気化したケイ素化合物(以下、第1の気体状物と称する場合がある。)を、矢印Aで示すように、混合箇所122に移送するための第1の移送部120と、矢印Bで示すように、炭化水素ガスや空気等を混合箇所122に移送するための第2の移送部126と、混合箇所122において、所定温度に制御されたケイ素化合物134を含む気体状物(以下、第2の気体状物と称する場合がある。)を燃料としたケイ酸火炎115を、被処理物としての発泡樹脂成形品(図示せず)に対して吹き付けるための噴射部114と、を含んでなる表面改質装置100を用いることが好ましい。
この理由は、このような表面改質装置100を用いることによって、所定温度に制御されたケイ素化合物を含む第2の気体状物を燃料とした火炎を、所定場所に固定等された発泡樹脂成形品に対して、所定方向から吹き付けることができ、発泡樹脂成形品を均一かつ十分に処理することが可能なためである。
ここで、図3(a)に示すように、加熱手段136を備えるとともに、ケイ素化合物134を貯蔵するための第1の貯蔵タンク132を備えることが好ましい。この例では、第1の貯蔵タンク132の下方に、ヒーター等からなる加熱手段136を備えてあり、常温、常圧状態では液状物であるケイ素化合物134を気化させる構成としてある。
そして、発泡樹脂成形品を表面処理する際には、加熱手段136によって、第1の貯蔵タンク132内のケイ素化合物134を、所定温度に加熱し、気化させた状態で移送させるとともに、矢印Bで表されるように導入されたキャリアガス(例えば、空気等)や炭化水素ガス(例えば、プロパン等)と混合し、所定温度の第2の気体状物とすることが好ましい。
なお、気体状物中におけるケイ素化合物の含有量は極めて重要であるため、当該ケイ素化合物の含有量を間接的に制御すべく、第1の貯蔵タンク132に圧力計(又は液面のレベル計)138を設けて、ケイ素化合物の蒸気圧やケイ素化合物量をモニターすることが好ましい。
また、移送部120は、通常、管構造であって、第1の貯蔵タンク132から移送されてきた第1の気体状物としてのケイ素化合物134と、第2の貯蔵タンク(図示せず)から移送されるキャリアガス等と、を混合し、所定温度の第2の気体状物とするための混合室122を備えるとともに、流量を制御するためのバルブ129、130や流量計(図示せず)、あるいは第1及び第2の気体状物の圧力を制御するための圧力計128を備えていることが好ましい。
また、噴射部114は、移送部114bを経て送られてきた所定温度の第2の気体状物を、被処理物である発泡樹脂成形品(図示せず)に吹き付けるためのバーナーを備えることが好ましい。
なお、かかるバーナーの種類についても特に制限されるものでないが、例えば、予混合型バーナー、拡散型バーナー、部分予混合型バーナー、噴霧バーナー、蒸発バーナー、微粉炭バーナー等のいずれであっても良い。
(8)表面処理装置2
また、ケイ酸化炎処理を行う表面改質装置に関して、図4に示すような靴用ケイ酸化炎処理装置100´であることも好ましい。
すなわち、発泡樹脂成形品としての靴類の載置部112と、噴射部114と、を含んでいるとともに、靴類の載置部112が、靴類の固定機構112a、112b、112cのみならず、靴類の左右方向への回転機構111及び前後方向における傾斜機構113aをさらに含んでなる靴用ケイ酸化炎処理装置100´であることが好ましい。
この理由は、このように靴類の載置部112が、第1の固定用部材112a、第2の固定用部材112b、及び固定用バー112cを有することにより、発泡樹脂成形品としての靴類50を所定位置に正確かつ迅速に固定することができるためである。
したがって、靴類の位置が正確に定まるため、靴類のいずれの箇所であっても、ケイ酸化炎を、噴射部114から所定距離および所定角度でもって均一に噴射することができ、靴類の表面における熱変形等をもたらすことなく、安定的に表面改質処理を行うことができる。
なお、図4に示す靴用ケイ酸化炎処理装置100´の場合、矢印Aで示される方向から改質剤化合物としてのケイ素化合物およびそのキャリアガスが供給され、矢印Bで示される方向から燃料ガスとしての炭化水素ガスやそのキャリアガスが供給されるように構成されている。
すなわち、ケイ酸化炎処理を実施する場合には、ケイ素化合物と、キャリアガスと、炭化水素ガスと、噴射部114の前で均一に予備混合され、噴射部114において、噴射口114aからケイ酸化炎を放出して、靴類50に対して吹付け処理(噴射処理)することができる。
ここで、靴類の載置部112に関して、半円形の固定用プレートおよびその縁に沿って立設されてなる壁部を備えた第1の固定用部材112aを設けることによって、靴類の先端部を包みこむようにして、かつ、隙間無く接触させることができる。
そして、第1の固定用部材112aの下方に、固定用バー112cに沿って、その位置を移動可能な第2の固定用部材112bが設けてあるため、靴類を上下方向から挟んだ状態において、下方から押圧することができ、靴類を容易かつ確実に固定することができる。
すなわち、第2の固定用部材112bも、靴類の踵部と接触してなる、半円形の固定用プレートおよびその縁に沿って立設されてなる壁部を備えており、かつ、壁部の間に隙間が設けてあって、靴類の装着および脱着をさらに容易ならしめている。
また、靴類の載置部112が、靴類の回転機構111をさらに有することにより、それに対応して、靴類も回転移動できることから、靴類の中心部、左右側面、あるいは、裏側のいずれの所定箇所であっても、噴射部114から所定距離および所定角度でもって均一に噴射することができる。
より具体的には、図5(a)〜(c)に示すように、靴類50の回転機構111、すなわち、図示しないものの、回転バーやその回転駆動源(モータ等)の構成要素を設けることによって、発泡樹脂成形品の載置部112を少なくとも3段階で回転移動することが好ましい。
すなわち、発泡樹脂成形品である靴類50の中心部を通る仮想中心線に対して、3段階で発泡樹脂成形品の載置部112、ひいては靴類を3段階で回転移動することが好ましい。
例えば、図5(a)は、靴類50を保持する第2の固定用部材112bと、重力方向とがなす角度(θ1)を90°とした場合を示しており、靴類50が左右にぶれずに、第2の固定用部材112bの内部において、水平方向に保持された状態である。したがって、靴類50の甲部分に対して、その法線方向からケイ酸化炎115を均一に噴射することができる。
また、図5(b)は、靴類50を保持する第2の固定用部材112bと、重力方向とがなす角度(θ1)を120°とした場合を示しており、第2の固定用部材112bの内部において、靴類50が左方に傾いた状態である。したがって、靴類50の右側面に対して、その法線方向からケイ酸化炎115を均一に噴射することができる。
さらに、図5(c)は、靴類50を保持する第2の固定用部材112bと、重力方向とがなす角度(θ1)を60°とした場合を示しており、第2の固定用部材112bの内部において、靴類50が右方に傾いた状態である。したがって、靴類50の左側面に対して、その法線方向からケイ酸化炎115を均一に噴射することができる。
すなわち、このように靴類50を多段階で回転移動することによって、図5(a)〜(c)に示すように、靴類の右側面、靴類の中央部分、さらに靴類の左側面に対して、それぞれの法線方向から、ケイ酸化炎115を、噴射部114(噴射面に設けてから多数の噴射孔114aと同義である。以下、同様である。)から所定距離および所定角度でもって均一に噴射することができるためであり、ひいては、安定的にケイ酸化炎処理を行うことが可能となる。
その上、発泡樹脂成形品の載置部112が、靴類50の前後方向の傾斜角度を変更する傾斜機構113aを有することが好ましい。
より具体的には、図6(a)〜(c)に示すように、靴類50の傾斜角度を変更する傾斜機構の一部として、傾斜フレーム113、それを上下方向に移動させる駆動源(モータ等)113a、および回転支持部113b等を設けることによって、発泡樹脂成形品の載置部112の傾斜角度を前後方向にそれぞれ変更することが好ましい。
例えば、図6(a)は、靴類50を保持する固定用バー112cと、水平方向とのなす角度(θ2)を30°とした場合を示しており、靴類50の先端部が前方に相当持ち合っていて、極端なつま先上がり状態である。したがって、靴類50の甲部分に対して、その法線方向からケイ酸化炎115を均一に噴射することができる。
また、図6(b)は、靴類50を保持する固定用バー112cと、水平方向とのなす角度(θ2)を5°とした場合を示しており、靴類50の先端部が前方に若干持ち合っていて、つま先上がり状態である。したがって、靴類50の先端部に対して、その法線方向からケイ酸化炎115を均一に噴射することができる。
さらに、図6(c)は、靴類50を保持する固定用バー112cと、水平方向とのなす角度(θ2)を−10°とした場合を示しており、靴類50の先端部が前方に若干下がっていて、つま先下がり状態である。したがって、靴類50の内部に対して、その法線方向からケイ酸化炎115を均一に噴射することができる。
すなわち、このように所定の傾斜機構113aを設けることによって、靴類50の前後方向の傾斜角についても調整できるため、靴類の前後に位置する先端部あるいは踵部等のいずれの所定箇所であっても、ケイ酸化炎を、噴射部114から所定距離および所定角度でもって均一に噴射することができる。
また、図4に示すように、発泡樹脂成形品としての靴類50の載置部112が、複数個横方向に設けてあり、それに対応して、表面処理部としての噴射部114の移動機構114e、例えば、レール機構を設けることが好ましい。
この理由は、かかるレール機構114eに、四角形状や円柱形状の固定装置114dを介して、その先端部に固定された噴射部114を、取手114cを把持して、発泡樹脂成形品の載置部112の位置に対応して、容易に平行移動できるためである。
したがって、実質的に一つの噴射部114でもって、複数の靴類50を、実質的に同時に表面処理することができ、ひいては、靴類50に対する表面処理効率を著しく向上させることができる。
なお、図4に示す靴用ケイ酸化炎処理装置100´の場合、載置部112が4個、所定間隔で横方向に配置されているが、この数や間隔に制限されることなく、例えば、2〜10個の範囲で、載置部112を設けることが好ましい。
3.工程(C)
工程(C)は、図1(c)に示すように、ケイ酸化炎処理を施した処理部52に対して、所定の装飾層62を形成する装飾層形成工程である。
すなわち、スポット的、かつ均一にケイ酸化炎処理され、所定箇所のみ表面の濡れ性が向上した処理部に対して、装飾層として、ウレタン樹脂層、エポキシ樹脂層、ポリエステル樹脂層、ポリカーボネート樹脂層、ポリオレフィン樹脂層、シリコーン樹脂層、または金属プレート層等を強固に固定して、装飾性や情報性を向上させる工程である。
特に、装飾層が、シリコーン樹脂層、または金属プレートであれば、装飾性や立体性、あるいは高級感等に優れた装飾層として、所望箇所に対して、強固に接着することができることからより好ましいと言える。
また、工程(C)において、図7(a)〜(b)に示されるように、発泡樹脂成形品210に対して、スポット的にケイ酸化炎処理を施し、ケイ酸化炎処理部212を形成し、それに対して、図7(c)に示すように、接着剤層214をさらに形成した後、図7(d)に示すように、接着剤層214を介して、装飾層216を形成することが好ましい。
この理由は、このようにケイ酸化炎処理部に設けた接着剤層を介して、装飾層を間接的に形成することによって、当該装飾層の種類や大きさにかかわらず、所望箇所に対して、さらに強固に接着することができるためである。
すなわち、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、オレフィン系接着剤、アミド系接着剤、イミド系接着剤、エステル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、エポキシ系接着剤、フェノール系接着剤、シリコーン系接着剤等の少なくとも一つからなる接着剤を、処理部に対して層状に塗布形成したり、あるいは処理部に貼付したりして、それを介して、装飾層を形成することが好ましい。
但し、ケイ酸化炎処理されてなる処理部に対して、インクジェット法、スクリーン印刷法、ロール塗布法、カレンダ印刷法等を用いて、所定の塗料からなる装飾層を直接的に形成することも好ましい。
[実施例1]
1.ケイ酸化炎処理
図4に示す靴用ケイ酸化炎処理装置100´を用いて、図1(b)に示すように、架橋EVA発泡体を主成分としてなるシボ模様付きの靴50の表面の所定箇所(甲部分、面積:約10cm2)にのみケイ酸化炎処理を行った。
すなわち、改質剤化合物であるケイ素化合物として、テトラメチルシラン(表1中、TMSと表記、沸点約27℃)およびヘキサメチルジシロキサン(表1中、HMDSと表記、沸点約100℃)の混合物(それぞれ90モル%および10モル%)を用い、炭化水素ガスとして、プロパンを用い、キャリアガスとして、所定量の空気(空気/炭化水素ガスの混合モル比=35)を用いて、靴表面の所定箇所(甲部分)にのみ、3秒間のケイ酸化炎処理を行った。
2.ケイ酸化炎処理された靴の評価
(1)評価1:表面改質性1
ケイ酸化炎処理された靴表面の濡れ指数を、標準液(測定温度:25℃)を用いて測定し、以下の基準で表面改質性を評価した。
◎:濡れ指数が73N/m以上である。
○:濡れ指数が60N/m以上である。
△:濡れ指数が40N/m以上である。
×:濡れ指数が40N/m未満である。
(2)評価2:表面改質性2
ケイ酸化炎処理された靴の表面状態を目視観察し、以下の基準で表面改質性を評価した。
◎:処理部において、シボ模様の熱変形や変色現象は全く観察されない。
○:処理部において、シボ模様の熱変形や変色現象はほとんど観察されない。
△:処理部において、シボ模様の熱変形や変色現象が少々観察される。
×:処理部において、シボ模様の熱変形や変色現象が顕著に観察される。
(3)評価3:接着性
ケイ酸化炎処理された靴表面に、シリコーン系接着剤を用いて、シリコーン樹脂製ネームタグ(横幅30mm、縦幅15mm、厚さ2mm)を接着した後、JIS−Z−0237に準拠して、90°方向の剥離強度を測定し、以下の基準で評価した。
◎:剥離強度が500gf/cm以上である。
○:剥離強度が300gf/cm以上である。
△:剥離強度が100gf/cm以上である。
×:剥離強度が100gf/cm未満である。
[実施例2〜6]
実施例2〜6では、表1に示すように、ケイ素化合物の種類等を変えて、実施例1と同様に、靴類のケイ酸化炎処理を実施して、評価した。
すなわち、実施例2では、改質剤化合物として、テトラメチルシラン(TMS)/テトラメチルジシロキサン(HMDS)=80/20(モル比)の混合物、実施例3では、改質剤化合物として、テトラメチルシラン(TMS)/テトラメチルジシロキサン(HMDS)=70/30(モル比)の混合物を用いた以外、それぞれ実施例1と同様に、靴類のケイ酸化炎処理を実施した。
また、実施例4では、改質剤化合物として、テトラメチルシラン(TMS)を単独使用した以外、それぞれ実施例1と同様に、靴類のケイ酸化炎処理を実施した。
また、実施例5では、改質剤化合物として、テトラメチルシラン(TMS)/テトラエトキシシラン(表1中、TESと称する。)=99.9/0.1(モル比)の混合物を用いた以外、実施例1と同様に、靴類のケイ酸化炎処理を実施した。
さらに、実施例6では、改質剤化合物として、ヘキサメチルジシロキサン(HMDS)/エタノール(表1中、EtOH)=95/5(モル比)の混合物をそれぞれ用いた以外、それぞれ実施例1と同様に、靴類のケイ酸化炎処理を実施した。
[比較例1]
比較例1では、ケイ酸化炎処理しない発泡樹脂成形品(靴類)を、そのまま実施例1と同様に、評価した。
[比較例2]
また、比較例2では、酸化炎処理を3秒間実施しても全く表面改質効果が得られなかったことから、新たに酸化炎処理を10秒間実施し、濡れ指数(測定温度25℃)が35N/mの靴類を製造したほかは、実施例1と同様に、評価を行った。
Figure 0005773901
評価1:表面改質性1(濡れ指数)
評価2:表面改質性2(目視観察)
評価3:接着性
以上の説明の通り、本発明によれば、所定樹脂からなる発泡樹脂成形品の表面に対して、部分的にケイ酸化炎処理を施すことによって、エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体を主成分とした、立体性に優れた発泡樹脂成形品であっても、その表面における美感等を損なうことなく、濡れ性の指標としての濡れ指数を全体的かつ均一に向上できるに至った。
したがって、本発明によって得られる発泡樹脂成形品は、靴類を初めとして、優れた装飾性や情報性が要求される電気部品筐体、電子部品材料、各種容器、各種機械部品、車両用バンパー等の各種用途についても使用することが期待される。
図1(a)〜(c)は、本発明の発泡樹脂成形品の表面改質方法を説明するために供する図である。 図2(a)〜(c)は、本発明の発泡樹脂成形品の表面改質方法の対象例を説明するために供する図である。 図3(a)〜(b)は、本発明のケイ酸化炎処理装置を説明するために供する図である。 図4は、本発明の靴用ケイ酸化炎処理装置を説明するために供する図である。 図5(a)〜(c)は、本発明の靴用ケイ酸化炎処理装置の回転移動を説明するために供する図である。 図6(a)〜(c)は、本発明の靴用ケイ酸化炎処理装置の前後方向への傾斜移動を説明するために供する図である。 図7(a)〜(d)は、本発明の接着剤層を介して装飾層を備えてなる発泡樹脂成形品の表面改質方法を説明するために供する図である。
50:靴類(発泡樹脂成形品)
50a:留め具
50b:甲部
50c:底部
50d:踵部
52:処理部
62:装飾層
100:ケイ酸化炎処理装置
100´:靴用ケイ酸化炎処理装置
111:回転機構
112:載置部
112a:第1の固定用部材
112b:第2の固定用部材
112c:固定用バー
113:傾斜フレーム
113a:傾斜機構(モータ)
114:噴射部(ガスバーナ)
114a:噴射口
114b:移送部
114c:取手
114d:噴射部の固定装置
114e:噴射部の移動装置
115:ケイ酸化炎
120:移送部(第1の移送部)
122:混合室
126:移送部(第2の移送部)
128:圧力計
129:バルブ
130:バルブ
132:表面改質装置の貯蔵タンク(第1の貯蔵タンク)
134:改質剤化合物(ケイ素化合物)
136:加熱手段
138:圧力計
210:発泡樹脂成形品
212:ケイ酸化炎処理部
214:接着剤層
216:装飾層

Claims (8)

  1. エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体を主成分とした発泡樹脂成形品の表面改質方法であって、下記工程(A)〜(C)を含むことを特徴とする発泡樹脂成形品の表面改質方法。
    (A)前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体を主成分とした発泡樹脂成形品を準備する工程
    (B)前記発泡樹脂成形品の表面に、少なくともケイ素原子を含有する改質剤化合物を燃料としたケイ酸化炎処理を部分的に施して処理部とする工程
    (C)前記ケイ酸化炎処理を施した処理部に対して、装飾層を形成する工程
  2. 前記工程(A)において、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋発泡体中に充填材を含むとともに、表面にシボ模様が設けてある発泡樹脂成形品を準備することを特徴とする請求項1に記載の発泡樹脂成形品の表面改質方法。
  3. 前記工程(A)において、前記発泡樹脂成形品として、スニーカ、サンダル、スリッパの少なくとも一つの靴類を準備することを特徴とする請求項1または2に記載の発泡樹脂成形品の表面改質方法。
  4. 前記工程(B)において、前記改質剤化合物および炭化水素ガスを含む燃料ガスを、らせん管内を流動させた後、燃料として燃焼させて、前記ケイ酸化炎処理を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の発泡樹脂成形品の表面改質方法。
  5. 前記工程(B)において、マスキング部材を用いて、前記ケイ酸化炎処理を部分的に施すことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発泡樹脂成形品の表面改質方法。
  6. 前記工程(B)において、前記改質剤化合物の燃料としての供給を中断し、ケイ酸化炎処理を酸化炎処理とする所定時間を設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の発泡樹脂成形品の表面改質方法。
  7. 前記工程(C)において、前記処理部に対して、接着剤層を介して、前記装飾層を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の発泡樹脂成形品の表面改質方法。
  8. 前記工程(C)において、前記装飾層として、シリコーン樹脂層または金属プレート層を形成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の発泡樹脂成形品の表面改質方法。
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