JP2003326845A - 紫外線硬化型接着剤を用いたホットスタンプ方法 - Google Patents

紫外線硬化型接着剤を用いたホットスタンプ方法

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JP2003326845A
JP2003326845A JP2002138425A JP2002138425A JP2003326845A JP 2003326845 A JP2003326845 A JP 2003326845A JP 2002138425 A JP2002138425 A JP 2002138425A JP 2002138425 A JP2002138425 A JP 2002138425A JP 2003326845 A JP2003326845 A JP 2003326845A
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ultraviolet
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ultraviolet curable
hot stamping
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JP2002138425A
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Kunihiro Fushimi
邦博 伏見
Fumio Kidokoro
文雄 木所
Yasuhiro Mori
泰浩 森
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Jujo Chemical Co Ltd
Koa Glass Co Ltd
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Jujo Chemical Co Ltd
Koa Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線硬化型接着剤に含まれる熱軟化性樹脂
成分の多少にかかわらず、ガラス容器と、金属箔の間
で、優れた密着力を発揮することができるホットスタン
プ方法を提供する。 【解決手段】 ガラス容器に対するホットスタンプ方法
であって、ガラス容器の表面に対して、沸点が10〜1
00℃であるシラン化合物を燃料ガスとした火炎を、全
面的または部分的に吹き付けるケイ酸化炎処理工程と、
アクリル化合物を主成分とした熱可塑性樹脂を1〜15
重量部未満、エポキシアクリレート化合物を主成分とし
た紫外線硬化成分を50〜95重量部、および光開始剤
を0.1〜10重量部の範囲で含む紫外線硬化型接着剤
を積層する工程と、当該紫外線硬化型接着剤を紫外線の
照射により硬化させる工程と、当該硬化した紫外線硬化
型接着剤を熱活性化させることにより、金属箔をホット
スタンプする工程と、を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線硬化型接着
剤を用いたホットスタンプ方法に関し、特に、特定の表
面処理を施した後に、特定の紫外線硬化型接着剤を積層
することにより、金属箔からなるホットスタンプ印刷
が、ガラス容器に対して優れた密着力を示すことができ
るホットスタンプ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス容器等を加飾するに際し
て、金属箔を用いたホットスタンプ方法が多用されてい
る。かかるホットスタンプ方法は、ガラス容器の表面に
熱硬化型接着剤を積層した後、当該熱硬化型接着剤を部
分硬化させ、さらに、その上から金属箔を押し付けた状
態で加熱および加圧することにより、ガラス容器の表面
に金属箔を転写させる一種の印刷技術である。このよう
な熱硬化型接着剤を使用したホットスタンプ方法は、特
開昭53−33723号公報、特開平4−142517
号公報、特公平6−88449号公報、特公平7−67
796号公報等に開示されている。ここで、従来の熱硬
化型接着剤は、スクリ−ン印刷等の必要性から多量の有
機溶剤を含んでおり、部分硬化させる際に有機溶剤が飛
散するという環境問題が見られた。また、部分硬化させ
る際に、一例として180℃、20分程度の硬化時間を
要しており、製造時間が長くかかり、しかも大規模な加
熱炉等の製造設備が必要であるという製造上の問題が見
られた。さらに、熱硬化型接着剤を部分硬化させる際
に、硬化の程度がばらつき、金属箔の密着力が大きくば
らつくという特性上の問題も見られた。
【0003】そこで、特開昭60−187583号公報
には、ホットスタンプ方法を実施するにあたり、ホット
スタンプ用紫外線硬化型接着剤を用いることが開示され
ている。しかしながら、かかるホットスタンプ用紫外線
硬化型接着剤は、基材としてのPETフィルム上に凹凸
を設けることを意図して使用されており、紫外線硬化型
接着剤自体が熱活性性を有しておらず、ホットスタンプ
の際の接着剤としては、利用できるものではなかった。
また、同様に、特開平7−205536号公報には、紫
外線硬化型インキを用いた金属容器に対するホットスタ
ンプ法が開示されている。しかしながら、かかる紫外線
硬化型インキも、基材としての金属容器上に凹凸を設け
ることを意図して用いられており、紫外線硬化型接着剤
を熱活性化して利用するものではなかった。また、開示
された紫外線硬化型インキによれば、金属容器と金属箔
との間の密着力に乏しく、ホットスタンプした金属箔が
容易に剥がれてしまうため、トップコート層を設けるこ
とが構成要件とされていた。また、特開平5−3205
82号公報(特許第2693686号公報)には、図1
7に示すように、60〜200℃の軟化点を有する熱軟
化性樹脂成分15〜70重量部と、少なくとも一つのビ
ニル基等を有する重合性モノマー成分30〜80重量部
と、からなる感熱箔転写用活性エネルギー線硬化型接着
剤123が開示されている。また、同公報には、当該感
熱箔転写用活性エネルギー線硬化型接着剤123を用
い、活性エネルギー線126を照射することによって、
基材の表面に硬化被膜124を形成した後、箔129を
熱転写させる箔転写方法が開示されている。そして、同
公報によると、熱軟化性樹脂成分の添加量が15重量部
以上でなければ、感熱箔転写用活性エネルギー線硬化型
接着剤における熱活性化が不十分であって、箔を容易に
熱転写できないとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
5−320582号公報(特許第2693686号公
報)に開示された感熱箔転写用活性エネルギー線硬化型
接着剤は、熱軟化性樹脂成分の添加量が多すぎるため
に、相対的に重合性モノマー成分の添加量を少なくしな
ければならないという問題が見られた。したがって、か
かる感熱箔転写用活性エネルギー線硬化型接着剤をガラ
ス容器の表面に用いた場合、金属箔が容易に剥離してし
まい、実用性に欠けるという問題が見られた。また、開
示された感熱箔転写用活性エネルギー線硬化型接着剤
は、熱軟化性樹脂成分の添加量が多いために、重合性モ
ノマー成分間の相溶性が不十分であって、環境温度が低
い場所では、スクリ−ン印刷特性が著しく低下したりす
るなどの問題も見られた。そこで、本発明の発明者ら
は、鋭意努力した結果、特定の表面処理を施した後に、
紫外線硬化型接着剤を積層することによって、熱軟化性
樹脂成分の添加量にかかわらず、優れた密着力を有する
金属箔からなるホットスタンプ印刷が可能であることを
見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、紫外線硬化型接着剤に含まれる熱軟化性樹脂成分の
多少にかかわらず、ガラス容器の表面と、金属箔との間
で、優れた密着力が得られるホットスタンプ方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ガラス
容器の表面に対して、沸点が10〜100℃であるシラ
ン化合物を燃料ガスとした火炎を、全面的または部分的
に吹き付けるケイ酸化炎処理工程と、アクリル化合物を
主成分とした熱可塑性樹脂と、エポキシアクリレート化
合物を主成分とした紫外線硬化成分と、光開始剤とを含
む紫外線硬化型接着剤を積層する工程と、当該紫外線硬
化型接着剤を紫外線の照射により硬化させる工程と、当
該硬化した紫外線硬化型接着剤を熱活性化させることに
より、金属箔をホットスタンプする工程と、を含むこと
を特徴とするホットスタンプ方法が提供され、上述した
問題を解決することができる。すなわち、特定の表面処
理を施した後に、紫外線硬化型接着剤を積層するため、
紫外線硬化型接着剤に含まれる熱軟化性樹脂成分の多少
にかかわらず、ホットスタンプされた金属箔と、ガラス
容器との間で、強固な密着力を得ることができる。
【0006】また、本発明のホットスタンプ方法を実施
するにあたり、金属箔をホットスタンプする工程の前
に、第2のケイ酸化炎処理工程を設けて、沸点が10〜
100℃であるシラン化合物を燃料ガスとした火炎を、
全面的または部分的に吹き付けることが好ましい。すな
わち、紫外線硬化型接着剤を積層する前のみならず、紫
外線硬化型接着剤を紫外線硬化した後においても特定の
表面処理を実施するため、紫外線硬化型接着剤に含まれ
る熱軟化性樹脂成分の多少にかかわらず、ホットスタン
プされた金属箔と、ガラス容器との間で、強固な密着力
を得ることができる。
【0007】また、本発明の別の態様によれば、ガラス
容器の表面に対して、アクリル化合物を主成分とした熱
可塑性樹脂と、エポキシアクリレート化合物を主成分と
した紫外線硬化成分と、光開始剤とを含む紫外線硬化型
接着剤を積層する工程と、当該紫外線硬化型接着剤を紫
外線の照射により硬化させる工程と、当該硬化した紫外
線硬化型接着剤に対して、沸点が10〜100℃である
シラン化合物を燃料ガスとした火炎を、全面的または部
分的に吹き付けるケイ酸化炎処理工程と、当該ケイ酸化
炎処理された紫外線硬化型接着剤を熱活性化させること
により、金属箔をホットスタンプする工程と、を順次に
含むことを特徴とするホットスタンプ方法が提供され、
上述した問題を解決することができる。すなわち、紫外
線硬化型接着剤を紫外線硬化した後において特定の表面
処理を実施するため、紫外線硬化型接着剤に含まれる熱
軟化性樹脂成分の多少にかかわらず、ホットスタンプさ
れた金属箔と、ガラス容器との間で、強固な密着力を得
ることができる。
【0008】また、本発明のホットスタンプ方法を実施
するにあたり、シラン化合物に、沸点が100℃以上の
アルキルシラン化合物、アルコキシシラン化合物、アル
キルチタン化合物、アルコキシチタン化合物、アルキル
アルミニウム化合物、およびアルコキシアルミニウム化
合物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物
を添加することが好ましい。このように若干沸点が高い
化合物であっても、シラン化合物に対して相溶性に優れ
た化合物を添加することにより、シラン化合物の沸点が
低いことによる取り扱いの悪さを改良することができる
とともに、ガラス容器に対する表面改質効果をさらに高
めることができる。
【0009】また、本発明のホットスタンプ方法を実施
するにあたり、燃料ガスとして、シラン化合物と空気と
の混合ガスを使用することが好ましい。このように実施
することにより、シラン化合物を比較的多量に使用した
場合であっても、安価な空気流と均一に混合した上で燃
焼しやすくして、ガラス容器に対する表面改質効果をさ
らに高めることができる。
【0010】また、本発明のホットスタンプ方法を実施
するにあたり、紫外線硬化型接着剤が、熱可塑性樹脂を
1〜15重量部未満、紫外線硬化成分を50〜95重量
部、および光開始剤を0.1〜10重量部の範囲で含む
ことが好ましい。このように実施することにより、ホッ
トスタンプにおいて、紫外線硬化型接着剤が適度な熱活
性を示すことができ、その結果、ホットスタンプ時の温
度制御をさらに容易に実施することができる。
【0011】また、本発明のホットスタンプ方法を実施
するにあたり、紫外線硬化成分が、エポキシアクリレー
ト化合物からなるオリゴマーと、それ以外の紫外線硬化
モノマーとの混合物であることが好ましい。このように
実施することにより、紫外線硬化型接着剤における各成
分の相溶性を向上させることができる一方、紫外線硬化
速度の調整を容易に実施することができる。
【0012】また、本発明のホットスタンプ方法を実施
するにあたり、紫外線硬化型接着剤が、シランカップリ
ング剤、チタンカップリング剤、あるいはアルミニムカ
ップリング剤のいずれか一つのカップリング剤を含むこ
とが好ましい。このように実施することにより、カップ
リング剤効果が発現し、ホットスタンプされた金属箔
と、ガラス容器との間で、強固な密着力を得ることがで
きる。
【0013】また、本発明のホットスタンプ方法を実施
するにあたり、紫外線照射によって、紫外線硬化成分を
硬化させた後に後処理工程を設けて、当該紫外線硬化成
分をさらに紫外線処理または熱処理することが好まし
い。このように実施することにより、紫外線硬化成分を
後処理工程において、紫外線硬化または熱硬化によっ
て、十分に硬化することができる。したがって、ホット
スタンプされた金属箔と、ガラス容器との間で、さらに
強固な密着力を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
ホットスタンプ方法に関する実施の形態について具体的
に説明する。
【0015】[第1の実施形態]第1の実施形態は、以下
に示す(1)〜(4)の工程を含むことを特徴とするホ
ットスタンプ方法であって、典型的には、図1に示すよ
うなホットスタンプ方法である。 (1)図1(a)に示すように、ガラス容器10の表面
に対して、沸点が10〜100℃であるシラン化合物を
燃料ガスとした火炎11を、全面的または部分的に吹き
付ける、ケイ酸化するための火炎処理工程(以下、ケイ
酸化炎処理工程と称する場合がある。) (2)図1(b)に示すように、ガラス容器10の表面
に対して、アクリル化合物を主成分とした熱可塑性樹脂
を1〜15重量部未満、エポキシアクリレート化合物を
主成分とした紫外線硬化成分を50〜95重量部、およ
び光開始剤を0.1〜10重量部の範囲で含む紫外線硬
化型接着剤13を積層する工程(以下、積層工程と称す
る場合がある。) (3)図1(c)に示すように、紫外線硬化型接着剤1
3を紫外線16の照射により硬化させる工程(以下、紫
外線硬化工程と称する場合がある。)(4)図1(d)
に示すように、硬化した紫外線硬化型接着剤14を熱活
性化させることにより、金属箔18をホットスタンプす
る工程(以下、ホットスタンプ工程と称する場合があ
る。)
【0016】1.ケイ酸化炎処理工程 (1)燃料ガス シラン化合物 シラン化合物の沸点(大気圧下)を10〜100℃の範
囲内の値とすることを特徴とする。この理由は、かかる
シラン化合物の沸点が10℃未満の値であっては、揮発
性が激しくて、取り扱いが困難となる場合があるためで
ある。一方、かかるシラン化合物の沸点が100℃を超
えると、空気等の引火性ガスや助燃剤との混合性が著し
く低下し、シラン化合物が不完全燃焼しやすくなって、
固体物質の表面改質が不均一になったり、長時間にわた
って、改質効果を持続させることが困難になったりする
場合があるためである。したがって、かかるシラン化合
物の沸点を15〜80℃の範囲内の値とすることがより
好ましく、20〜60℃の範囲内の値とすることがさら
に好ましい。なお、かかるシラン化合物の沸点は、シラ
ン化合物自体の構造を制限することによっても調整する
ことができるが、その他、比較的沸点が低いアルキルシ
ラン化合物等と、比較的沸点が高いアルコキシシラン化
合物等とを適宜混合使用することによっても調整するこ
とができる。
【0017】また、シラン化合物の種類についても特に
制限されるものではないが、例えば、アルキルシラン化
合物やアルコキシシラン化合物等が挙げられる。このよ
うなアルキルシラン化合物等の好適例としては、テトラ
メチルシラン、テトラエチルシラン、1,2−ジクロロ
テトラメチルシラン、1,2−ジフェニルテトラメチル
シラン、1,2−ジクロロテトラエチルシラン、1,2
−ジフェニルテトラエチルシラン、1,2,3−トリク
ロロテトラメチルシラン、1,2,3−トリフェニルテ
トラメチルシラン、ジメチルジエチルテトラシラン等の
一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
【0018】また、シラン化合物の平均分子量を、マス
スペクトル測定において、50〜1、000の範囲内の
値とすることが好ましい。この理由は、かかるシラン化
合物の平均分子量が50未満となると、揮発性が高く
て、取り扱いが困難となる場合があるためである。一
方、かかるシラン化合物の平均分子量が1、000を超
えると、加熱により気化して、空気等と容易に混合する
ことが困難となる場合があるためである。したがって、
シラン化合物の平均分子量を、マススペクトル測定にお
いて、60〜500の範囲内の値とすることがより好ま
しく、70〜200の範囲内の値とすることがさらに好
ましい。
【0019】また、シラン化合物の液体状態での密度
を、0.3〜0.9g/cm3の範囲内の値とすること
が好ましい。この理由は、かかるシラン化合物の密度が
0.3g/cm3未満となると、取り扱いが困難となっ
たり、エアゾール缶に収容したりすることが困難となる
場合があるためである。一方、かかるシラン化合物の密
度が0.9g/cm3を超えると、気化しづらくなると
ともに、エアゾール缶に収容した場合に、空気等と完全
に分離した状態となる場合があるためである。したがっ
て、シラン化合物の密度を0.4〜0.8g/cm3
範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜0.7
g/cm3の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0020】また、シラン化合物の添加量を、燃焼ガス
の全体量を100モル%としたときに、1×10-10
10モル%の範囲内の値とすることが好ましい。この理
由は、かかるシラン化合物の添加量が1×10-10モル
%未満の値になると、ケイ酸化炎処理効果が発現しない
場合があるためである。一方、かかるシラン化合物の添
加量が10モル%を超えると、シラン化合物と空気等と
の混合性が低下し、それにつれてシラン化合物が不完全
燃焼する場合があるためである。したがって、シラン化
合物の添加量を、燃焼ガスの全体量を100モル%とし
たときに、1×10-9〜5モル%の範囲内の値とするこ
とがより好ましく、1×10-8〜1モル%の範囲内の値
とすることがさらに好ましい。
【0021】引火性ガス また、火炎温度の制御が容易にできることから、燃焼ガ
ス中に、通常、引火性ガスを添加することが好ましい。
このような引火性ガスとして、プロパンガスや天然ガス
等の炭化水素ガス、あるいは、水素、酸素、空気等の引
火性ガスが挙げられる。なお、燃焼ガスをエアゾール缶
に入れて使用する場合には、このような引火性ガスとし
て、プロパンガスおよび圧縮空気等を使用することが好
ましい。また、このような引火性ガスの含有量を、燃焼
ガスの全体量を100モル%としたときに、80〜9
9.9モル%の範囲内の値とすることが好ましい。この
理由は、かかる引火性ガスの含有量が80モル%未満の
値になると、シラン化合物と空気等との混合性が低下
し、それにつれてシラン化合物が不完全燃焼する場合が
あるためである。一方、かかるシラン化合物の添加量が
99.9モル%を超えると、固体物質に対する改質効果
が発現しない場合があるためである。したがって、シラ
ン化合物の添加量を、燃焼ガスの全体量を100モル%
としたときに、85〜99モル%の範囲内の値とするこ
とがより好ましく、90〜99モル%の範囲内の値とす
ることがさらに好ましい。
【0022】キャリアガス また、燃焼ガス中に、シラン化合物を均一に混合するた
めに、キャリアガスを添加することも好ましい。すなわ
ち、シラン化合物と、キャリアガスとを予め混合し、次
いで、空気流等の引火性ガスに混合することが好まし
い。この理由は、かかるキャリアガスを添加することに
より、比較的分子量が大きく、移動しづらいシラン化合
物を用いた場合であっても、空気流と均一に混合するこ
とができるためである。すなわち、キャリアガスを添加
することにより、シラン化合物を燃焼しやすくして、ケ
イ酸化炎処理を均一かつ十分に実施することができるた
めである。なお、このような好ましいキャリアガスとし
て、引火性ガスと同種のガスを使用することが好まし
く、例えば、空気や酸素、あるいはプロパンガスや天然
ガス等の炭化水素を挙げることができる。
【0023】添加物 また、燃焼ガス中に、沸点が100℃以上のアルキルシ
ラン化合物、アルコキシシラン化合物、アルキルチタン
化合物、アルコキシチタン化合物、アルキルアルミニウ
ム化合物、およびアルコキシアルミニウム化合物からな
る群から選択される少なくとも一つの化合物を、改質補
助剤として添加することが好ましい。この理由は、この
ように若干沸点が高い化合物であっても、アルキルシラ
ン化合物等のシラン化合物と極めて相溶性に優れた改質
補助剤を添加することにより、シラン化合物の沸点が低
いことによる燃料ガスの取り扱いの悪さを改良すること
ができるとともに、ケイ酸化炎処理効果をさらに高める
ことができるためである。
【0024】また、シラン化合物の全体量を100モル
%としたときに、改質補助剤の添加量を0.01〜50
モル%の範囲内の値とすることが好ましい。この理由
は、かかる改質補助剤の添加量が0.01モル%未満の
値になると、改質補助剤の添加効果が発現しない場合が
あるためである。一方、かかる改質補助剤の添加量が5
0モル%を超えると、燃焼ガスの不完全燃焼が生じる場
合があるためである。したがって、シラン化合物の全体
量を100モル%としたときに、改質補助剤の添加量を
0.1〜30モル%の範囲内の値とすることがより好ま
しく、0.5〜20モル%の範囲内の値とすることがさ
らに好ましい。
【0025】(2)火炎 温度 また、火炎の温度を500〜1、500℃の範囲内の値
とすることが好ましい。この理由は、かかる火炎の温度
が500℃未満の値になると、シラン化合物の不完全燃
焼を有効に防止することが困難になる場合があるためで
ある。一方、かかる火炎の温度が1、500℃を超える
と、表面改質する対象の固体物質が、熱変形したり、熱
劣化したりする場合があり、使用可能な固体物質の種類
が過度に制限される場合があるためである。したがっ
て、火炎の温度を550〜1、200℃の範囲内の値と
することが好ましく、600〜900℃未満の範囲内の
値とすることがさらに好ましい。なお、かかる火炎の温
度は、使用する燃焼ガスの種類や、燃焼ガスの流量、あ
るいは、燃焼ガスに添加するシラン化合物の種類や量に
よって、適宜調節することができる。
【0026】処理時間 また、火炎の処理時間(噴射時間)を0.1秒〜100
秒の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、か
かる火炎の処理時間が0.1秒未満の値になると、シラ
ン化合物による改質効果が均一に発現しない場合がある
ためである。一方、かかる火炎の処理時間が100秒を
超えると、表面改質する対象の固体物質が、熱変形した
り、熱劣化したりする場合があり、使用可能な固体物質
の種類が過度に制限される場合があるためである。した
がって、火炎の処理時間を0.3〜30秒の範囲内の値
とすることが好ましく、0.5〜20秒の範囲内の値と
することがさらに好ましい。
【0027】2.積層工程 (1)紫外線硬化型接着剤 紫外線硬化成分 積層工程で使用する紫外線硬化型接着剤に含まれる紫外
線硬化成分、すなわち紫外線硬化モノマーやオリゴマー
の種類としては、一部にエポキシ(メタ)アクリレート
を含むものであれば、特に制限されるものではないが、
例えば、エポキシ(メタ)アクリレートと、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロ
ピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、isoブチル(メタ)アクリ
レート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソボロ
ニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2
−ヒドロキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、ポリエ
ステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリ
レート、アクリルニトリル、(メタ)アクリルアミド、
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリ
ル、(メタ)アクリル酸ビニル等の一種単独または二種
以上との組み合わせが挙げられる。
【0028】また、これらのエポキシ(メタ)アクリレ
ートを含むアクリル系硬化成分とともに、あるいはこれ
らのアクリル系硬化成分のほかに、エポキシ(メタ)ア
クリレートと、他のエチレン性不飽和化合物との混合物
を添加することも好ましい。このような他のエチレン性
不飽和化合物としては、例えば、スチレン、ジビニルベ
ンゼン等のスチレン系化合物、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸等のカルボキシル基含有化合物およびその無
水物;(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルカプロラ
クタム、アクリロイルモルホリン等の窒素含有モノマー
等が挙げられる。
【0029】また、かかる紫外線硬化成分の添加量を、
紫外線硬化型接着剤の全体量を100重量部としたとき
に、50〜95重量部の範囲内の値とすることが好まし
い。この理由は、かかる紫外線硬化成分の添加量が50
重量部未満の値になると、紫外線硬化速度が著しく低下
する場合があるためである。一方、かかる紫外線硬化成
分の添加量が95重量部を超えると、紫外線硬化型接着
剤における各成分の相溶性が著しく低下したり、得られ
る紫外線硬化型接着剤の熱活性が著しく低下したりする
場合があるためである。したがって、紫外線硬化成分の
添加量を、紫外線硬化型接着剤の全体量を100重量部
としたときに、55〜90重量部の範囲内の値とするこ
とがより好ましく、60〜80重量部の範囲内の値とす
ることがさらに好ましい。
【0030】また、紫外線硬化成分が、上述したエポキ
シアクリレートからなるオリゴマーと、それ以外の紫外
線硬化モノマーとの混合物であることが好ましい。この
理由は、このような混合物を使用することにより、紫外
線硬化型接着剤における各成分の相溶性を向上させるこ
とができるためである。また、このような混合物を使用
することにより、紫外線硬化速度の調整が容易になるた
めである。また、エポキシアクリレートからなるオリゴ
マーと、それ以外の紫外線硬化モノマーとの混合物を使
用する際、エポキシアクリレートからなるオリゴマーの
添加量を100重量部としたときに、それ以外の紫外線
硬化モノマーの添加量を5〜400重量部の範囲内の値
とすることが好ましい。この理由は、かかる紫外線硬化
モノマーの添加量が、5重量部未満の値になると、紫外
線硬化成分の硬化速度が著しく低下したり、紫外線硬化
型接着剤における各成分の相溶性が著しく低下したり、
さらには、得られる紫外線硬化型接着剤の熱活性が著し
く低下したりする場合があるためである。一方、かかる
紫外線硬化モノマーの添加量が、400重量部を超える
と、逆に、紫外線硬化成分の硬化速度が著しく低下した
り、紫外線硬化型接着剤における各成分の相溶性が著し
く低下したりする場合があるためである。したがって、
エポキシアクリレートからなるオリゴマーの添加量を1
00重量部としたときに、それ以外の紫外線硬化モノマ
ーとの添加量の割合を30〜300重量部の範囲内の値
とすることがより好ましく、50〜200重量部の範囲
内の値とすることがさらに好ましい。なお、ここでエポ
キシアクリレートからなるオリゴマーとは、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィ(GPC)で測定される重
量平均分子量が、例えば、1、500〜3、000の範
囲内である化合物を意味する。
【0031】熱可塑性樹脂 また積層工程で使用する紫外線硬化型接着剤に含まれる
熱可塑性樹脂の種類としては、アクリル化合物を主成分
とした熱可塑性樹脂であることを特徴とする。この理由
は、このようなアクリル化合物を主成分とした熱可塑性
樹脂であれば、極性の関係から、上述した紫外線硬化成
分との間で、優れた相溶性が得られるためである。ま
た、このようなアクリル化合物としては、上述したエポ
キシ(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、isoブチル(メタ)アクリレート、イソ
オクチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)
アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソノ
ニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ
ブチルアクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、メタクリル酸、アクリル酸、ポリエステル(メタ)
アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アクリ
ルニトリル、(メタ)アクリルアミド等の一種単独また
は二種以上の組み合わせの重合体からなることが好まし
い。
【0032】また、熱可塑性樹脂を構成するアクリル化
合物が、熱可塑性樹脂の全体量を100重量%としたと
きに、10〜70重量%のアクリロニトリル化合物また
はメチルメタクリレート/ブチルメタクリレートの共重
合体を含むことが好ましい。この理由は、このようにア
クリロニトリル化合物や特定の共重合体を含むことによ
り、ホットスタンプにおいて、幅広い温度で紫外線硬化
型接着剤が適度な熱活性を示すことができ、その結果、
ホットスタンプ時の温度制御がさらに容易になるためで
ある。
【0033】また、熱可塑性樹脂のGPCで測定される
重量平均分子量を3、000〜500、000の範囲内
の値とすることが好ましい。この理由は、かかる熱可塑
性樹脂の重量平均分子量が3、000未満となると、粘
調性が高くて、取り扱いが困難となる場合があるためで
ある。一方、かかる重量平均分子量が500、000を
超えると、紫外線硬化成分との間の相溶性が、著しく低
下する場合があるためである。したがって、熱可塑性樹
脂のGPCで測定される重量平均分子量を5、000〜
300、000の範囲内の値とすることがより好まし
く、5、000〜100、000の範囲内の値とするこ
とがさらに好ましい。
【0034】また、かかる熱可塑性樹脂の添加量を、紫
外線硬化型接着剤の全体量を100重量部としたとき
に、1〜15重量部未満の範囲内の値とすることを特徴
とする。この理由は、かかる熱可塑性樹脂の添加量が1
重量部未満の値になると、得られる紫外線硬化型接着剤
の熱活性が著しく低下したりする場合があるためであ
る。一方、かかる熱可塑性樹脂が15重量部以上になる
と、紫外線硬化型接着剤における各成分の相溶性が著し
く低下したり、得られる紫外線硬化型接着剤の硬化速度
が著しく低下したりする場合があるためである。したが
って、熱可塑性樹脂の添加量を、紫外線硬化型接着剤の
全体量を100重量部としたときに、3〜14重量部の
範囲内の値とすることがより好ましく、5〜13重量部
の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0035】また、熱可塑性樹脂が、紫外線硬化成分と
反応可能な官能基を有することが好ましい。すなわち、
紫外線照射によって、紫外線硬化成分は、基本的に自己
硬化するものの、紫外線硬化成分の一部が、熱可塑性樹
脂が有する官能基と反応することが好ましい。この理由
は、熱可塑性樹脂と、紫外線硬化成分とが、官能基を介
して硬化反応することにより、紫外線硬化速度を著しく
早めることができるためである。また、熱可塑性樹脂
と、紫外線硬化成分とが硬化反応することにより、ホッ
トスタンプされた金属箔と、ガラス容器との間で、さら
に強固な密着力を得ることができるためである。なお、
熱可塑性樹脂が有する好ましい官能基として、カルボキ
シル基、グリシジル基、ヒドロキシル基、アミノ基、シ
アノ基等が挙げられる。
【0036】光開始剤 紫外線硬化型接着剤に含まれる光開始剤(増感剤を含
む。)としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェ
ニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキ
シ−2,2−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセト
フェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノンなどのアセトフェノン系開始剤;ベンジルジメチ
ルケタールなどのケタール系開始剤;ハロゲン化ケト
ン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナート、
ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、アシルホ
スフォナート、ベンゾイン、過酸化ベンゾイル、ジクミ
ルパーオキサイド等の一種単独または二種以上の組み合
わせを挙げることができる。
【0037】また、かかる光開始剤の添加量を、紫外線
硬化型接着剤の全体量を100重量部としたときに、
0.1〜10重量部未満の範囲内の値とすることを特徴
とする。この理由は、かかる光開始剤の添加量が0.1
重量部未満の値になると、紫外線硬化型接着剤の硬化速
度が著しく低下する場合があるためである。一方、かか
る光開始剤の添加量が10重量部以上になると、紫外線
硬化型接着剤における硬化速度の調整が困難になった
り、得られる紫外線硬化型接着剤の耐熱性が著しく低下
したりする場合があるためである。したがって、光開始
剤の添加量を、紫外線硬化型接着剤の全体量を100重
量部としたときに、0.5〜5重量部の範囲内の値とす
ることがより好ましく、1〜3重量部の範囲内の値とす
ることがさらに好ましい。
【0038】カップリング剤 また、紫外線硬化型接着剤中に、シランカップリング
剤、チタンカップリング剤、あるいはアルミニムカップ
リング剤のいずれか一つのカップリング剤を添加するこ
とが好ましい。この理由は、このような種類のカップリ
ング剤を添加することにより、所定のカップリング剤効
果が発現し、ホットスタンプされた金属箔と、ガラス容
器との間で、強固な密着力を得ることができるためであ
る。なお、これらのカップリング剤のうち、特にγ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシラン
カップリング剤を選択することにより、比較的少量の添
加によって、ホットスタンプされた金属箔と、ガラス容
器との間で、強固な密着力を得ることができる。また、
かかるカップリング剤の添加量を、紫外線硬化型接着剤
の全体量を100重量部としたときに、0.01〜10
重量部未満の範囲内の値とすることを特徴とする。この
理由は、かかるカップリング剤の添加量が0.01重量
部未満の値になると、添加効果が発現しない場合がある
ためである。一方、かかるカップリング剤の添加量が1
0重量部以上になると、得られる紫外線硬化型接着剤の
耐熱性や熱活性が著しく低下したりする場合があるため
である。したがって、カップリング剤の添加量を、紫外
線硬化型接着剤の全体量を100重量部としたときに、
0.05〜5重量部の範囲内の値とすることがより好ま
しく、0.1〜3重量部の範囲内の値とすることがさら
に好ましい。
【0039】アクリル化合物の架橋成分 また、紫外線硬化型接着剤中に、添加剤として、熱可塑
性樹脂であるアクリル化合物の架橋成分、例えば、イソ
シアネート化合物、カルボン酸化合物、ヒドロキシ化合
物、アルコール化合物、グリシドキシ化合物等を含むこ
とが好ましい。この理由は、このような架橋成分を添加
することにより、熱可塑性樹脂であるアクリル化合物を
熱硬化させることができ、ホットスタンプされた金属箔
と、ガラス容器との間で、さらに強固な密着力を得るこ
とができるためである。また、かかるアクリル化合物の
架橋成分を添加する場合、その添加量を、紫外線硬化型
接着剤の全体量を100重量部としたときに、0.01
〜10重量部未満の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるアクリル化合物の架橋成分の添加量
が0.01重量部未満の値になると、添加効果が発現し
ない場合があるためである。一方、かかるアクリル化合
物の架橋成分の添加量が10重量部以上になると、紫外
線硬化型接着剤における硬化速度の調整が困難になった
り、得られる紫外線硬化型接着剤の熱活性が著しく低下
したりする場合があるためである。したがって、アクリ
ル化合物の架橋成分の添加量を、紫外線硬化型接着剤の
全体量を100重量部としたときに、0.05〜5重量
部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.1〜3
重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0040】フィラー また、紫外線硬化型接着剤中に、有機フィラーや無機フ
ィラーを添加することも好ましい。この理由は、かかる
フィラーを添加することにより、紫外線硬化型接着剤の
凝集力や接着力が向上し、ホットスタンプされた金属箔
と、ガラス容器との間で、さらに強固な密着力を得るこ
とができるためである。また、このようにフィラーを添
加することにより、紫外線硬化型接着剤の照射表面を選
択的に硬化させることができる。したがって、未硬化の
紫外線硬化型接着剤によって、紫外線硬化型接着剤の熱
活性を向上させることができる。また、このような有機
フィラーや無機フィラーとしては、例えば、ポリメチル
メタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリエチレン、エチレン−アクリル酸
共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、塩化
ビニリデンーアクリロニトリル共重合体、ポリアクリロ
ニトリル、フェノール樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹
脂、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、シリカ、マ
イカ、ジルコニウム、アルミナ、酸化インジウム、カー
ボン、ガラス、アラミド繊維等が挙げられる。
【0041】さらに、かかる有機フィラーや無機フィラ
ーを添加する場合、その添加量を、紫外線硬化型接着剤
の全体量を100重量部としたときに、0.1〜10重
量部未満の範囲内の値とすることが好ましい。この理由
は、かかるフィラーの添加量が0.1重量部未満の値に
なると、添加効果が発現しない場合があるためである。
一方、かかるフィラーの添加量が10重量部以上になる
と、紫外線硬化型接着剤における硬化速度が過度に低下
したり、得られる紫外線硬化型接着剤の熱活性が著しく
低下したりする場合があるためである。したがって、フ
ィラーの添加量を、紫外線硬化型接着剤の全体量を10
0重量部としたときに、0.5〜8重量部の範囲内の値
とすることがより好ましく、1〜5重量部の範囲内の値
とすることがさらに好ましい。
【0042】着色剤 また、紫外線硬化型接着剤中に、着色剤を添加すること
も好ましい。この理由は、ホットスタンプされる金属箔
の色と、着色された紫外線硬化型接着剤とが相俟って、
所望の色を発現することができるためである。このよう
な着色剤としては、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合
アゾ顔料、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料類、フタロ
シアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラ
キノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チ
オインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン
顔料などの多環式顔料類、染料レーキ、酸化チタン、ベ
ンガラ、鉄黒などの酸化物や、紺青、群青、カーボンブ
ラック、黄色酸化鉄、パール顔料等の一種単独または二
種以上の組み合わせが挙げられる。さらに、より鮮やか
な色調が要求される場合には、ホルマリン縮合樹脂、ア
クリル樹脂、グアナミン樹脂などを基体としたプラスチ
ックタイプの有機顔料や、無機顔料等を用いることも好
ましい。また、着色剤の添加量を、紫外線硬化型接着剤
100重量部あたり、0.1〜20重量部の範囲内の値
とすることが好ましい。この理由は、かかる着色剤の添
加量が、0.1重量部未満の値となると、発色度が低下
する場合があるためである。一方、かかる着色剤の添加
量が、20重量部を超えると、紫外線硬化型接着剤の透
明性や耐湿性が低下したりあるいは、紫外線硬化型接着
剤が剥離しやすくなる場合があるためである。
【0043】添加剤 また、紫外線硬化型接着剤中に、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、粘着付与樹脂、蛍光増白剤、増粘剤、流動性調整
剤、粘度調整剤、稀釈剤、溶剤、導電材料、剥離剤、熱
膨張性粒子等を添加することも好ましい。特に、酸化防
止剤や紫外線吸収剤を含むことにより、紫外線硬化型接
着剤の酸化劣化等を防止できるため、その結果、ガラス
容器に対する密着性の経時的低下を有効に防止すること
ができる。また、流動性調整剤、粘度調整剤、稀釈剤、
または溶剤を含むことにより、紫外線吸収剤の塗布性
や、ガラス容器に対する紫外線吸収剤の密着性を向上さ
せることができる。さらに、粘着付与樹脂として、ロジ
ン系樹脂、変性ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペ
ンフェノール系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹
脂、クマロン樹脂等や、これらの水添物等を、全体量の
0.1〜30重量%の範囲で添加することにより、紫外
線硬化型接着剤における熱活性の程度を広範囲に調節す
ることができる。
【0044】(2)前処理工程 プライマー工程 また、前処理工程として、ガラス容器21と、紫外線硬
化型接着剤23との間の密着性を高めるために、図3
(a)に示すように、ガラス容器21の表面にプライマ
ー層24を形成するためのプライマー工程を設けること
が好ましい。このようなプライマー層は、エポキシ樹脂
系プライマー、ポリウレタン変性エポキシ樹脂系プライ
マー、および、ポリエステル樹脂系プライマーからなる
群より選択される少なくとも一種から構成してあること
が好ましい。また、ポリオール化合物を含むプライマー
層、例えば、ポリオール化合物/有機溶剤、ポリオール
化合物/シランカップリング剤/有機溶剤、およびポリ
オール化合物/メラミン樹脂/シランカップリング剤/
有機溶剤を塗装することも好ましい。
【0045】洗浄工程 また、前処理工程として、ガラス容器41と、紫外線硬
化型接着剤43との間の密着性を高めるために、図4
(a)に示すように、洗浄処理工程を設けて、ガラス容
器41の表面に対して洗浄処理を実施することが好まし
い。すなわち、ガラス表面をアルコールや水拭きして、
表面の濡れ性を向上させたり、あるいはガラス表面に付
着している有機物やほこりを排除したりすることによ
り、ガラス容器41に対する紫外線硬化型接着剤43と
の密着性をより高めることができる。なお、洗浄処理を
実施するにあたり、アルコールおよび水、あるいはいず
れか一方を用いて、シャワー洗浄やジェット洗浄する
か、あるいはこれらの液体にガラスを浸漬することが好
ましい。
【0046】塗装工程 また、前処理工程として、ガラス容器51を着色するた
めに、図5(a)に示すように、塗装工程を設けて、ガ
ラス容器51の表面に対して紫外線硬化型塗料52や熱
硬化型塗料を塗布することが好ましい。例えば、紫外線
硬化型塗料52を用いた場合には、図5(b)に示すよ
うに、ホットスタンプ用の紫外線硬化型接着剤54をさ
らに積層し、図5(c)に示すように、紫外線硬化型接
着剤54と同時に硬化させて、十分な塗膜強度を有する
着色層53を設けることができる。また、熱硬化型塗料
を用いた場合には、一般の加熱工程によって、十分な塗
膜強度を有する着色層を設けることができる。
【0047】(2)積層方法 積層方法 紫外線硬化型接着剤の積層方法としては特に制限される
ものでは無いが、例えば、コーティング法、浸漬法、ス
プレー法、はけ法、スクリーン印刷法、グラビア印刷
法、オフセット印刷法、ロール転写印刷法、インクジェ
ット印刷法等が挙げられる。ただし、表面が湾曲したガ
ラス容器であっても、精密に、安価に、しかも大量に、
紫外線硬化型接着剤を積層することができることから、
これらの積層方法の中からスクリーン印刷法を採用する
ことがより好ましい。
【0048】また、図6および図7に、好ましく用いら
れるスクリーン印刷装置例を模式的に示す。ここで、一
般に曲面を有するガラス容器の表面に対して、精度良く
しかも大面積にてスクリーン印刷を行うためには、スク
リ−ンの円滑な移動と、このスクリーンの移動に同期し
たガラス容器表面の円滑な移動が重要である。したがっ
て、この移動を考慮して作成した図6に示すスクリーン
印刷装置61は、断面が円形であるガラス容器62の表
面にスクリーン印刷を行うのに適したスクリーン印刷装
置(タイプ1)であり、同様に、図7に示すスクリーン
印刷装置71は、断面が楕円形であるガラス容器72の
表面にスクリーン印刷を行うのに適したスクリーン印刷
装置(タイプ2)である。
【0049】(タイプ1)図6に示すスクリーン印刷装
置61は、ほぼ円形の断面形状を有するとともに、その
断面積が比較的小さなガラス容器62に適しており、そ
のため、例えば2個ずつ、2列に配列された回転ローラ
66が設けられていて、その上にガラス容器62を載置
可能に構成してあることが好ましい。このように構成す
ると、1列目の2個のローラによって、例えば、ガラス
容器62の首部を保持することが可能であるとともに、
2列目の2個のローラによって、例えば、ガラス容器6
2の胴体部を保持することが可能である。また、1列目
の2個のローラ間の距離および2列目の2個のローラ間
の距離はもちろんのこと、1列目の2個のローラと、2
列目の2個のローラとの間の距離も、各ローラの位置を
移動することにより可変としてあることが好ましい。こ
のように構成すると、ガラス容器62の形状や大きさが
多少変わっても、回転ローラ66上に、フィットして、
載置することができる。また、印刷用インクを所定場所
に塗布するためのスクリーン68は、図示しないものの
送り出しローラと巻き取りローラの回転によって、左方
向から右方向に、あるいは右方向から左方向に、所定距
離、水平方向に往復運動することが可能に構成してある
ことが好ましい。
【0050】また、スキージ60は、水平方向の位置が
固定された状態で、スクリーン68が左右に往復運動す
るのに対応して、例えば、左方向から右方向に移動する
際にのみ、下方向にわずかにその垂直位置が下降して、
スキージ60の表面を適度に加圧することが好ましい。
このように構成すると、スクリーン68上に導入された
印刷用インクを所定量だけ、スクリーン68の反対面側
に押し出すことができるとともに、それをガラス容器6
2に印刷して、所定の文字・図形等に対応した隆起表示
部64を精度良く形成することが可能となる。また、ガ
ラス容器62は、その上に精度良く、大面積で印刷可能
なように、スクリーン68が移動するのに従って、他動
的にフリー回転可能に構成してあることが好ましい。な
お、図6上、ガラス容器62の回転方向の一例を矢印a
1で表している。
【0051】さらに、ガラス容器62を支持する回転ロ
ーラ66についても、ガラス容器62が回転するのに従
って、例えば、図6中、矢印a2で表されるように、他
動的にフリー回転可能な構成としてあることが好まし
い。このように構成すると、スクリーン68の移動と、
ガラス容器62の回転運動との同期を特に採らなくと
も、それぞれの動作タイミングが合致するため、ガラス
容器62上に、印刷用インクを精度良く、しかも大面積
で印刷することが可能となる。なお、図6においては、
便宜上、スクリーン68とガラス容器62とは、矢印A
で表されるように、離隔して示してあるが、印刷用イン
クを実際に塗布する際には、スクリーン68とガラス容
器62とは所定圧力でもって接触するような位置に配置
されることが好ましい。
【0052】(タイプ2)図7のスクリーン印刷装置7
1は、楕円の断面形状を有するとともに、その断面積が
比較的大きなガラス容器72に適しており、そのため、
上面が、ガラス容器72の断面形状に対応した楕円形状
を有する受け皿76が設けてあって、その上にガラス容
器72が収容可能に構成してあることが好ましい。この
ように構成すると、断面が楕円形状のガラス容器72の
形状や大きさが多少変わっても、受け皿76上に、ガラ
ス容器72をフィットして、収容することができる。
【0053】また、スクリーン78は、図6と同様に、
図示しない送り出しローラと巻き取りローラの回転によ
って、水平方向に往復運動が可能に構成してある。そし
て、スキージ70の水平位置が固定された状態で、例え
ば、スクリーン78が左方向から右方向に移動する際に
のみ対応して、スキージ70の垂直位置を下降させ、ス
クリーン78を下方向に加圧することが好ましい。した
がって、スクリーン78上に導入された印刷用インクを
所定量、スクリーン78の反対面側に押し出すととも
に、ガラス容器72の表面に印刷し、文字・図形などの
パターンに対応した印刷用インクからなる隆起表示部7
4を精度良く形成することが可能である。
【0054】また、受け皿76およびガラス容器72
は、その上に精度良く、大面積で印刷可能なように、首
振り運動が可能となっており、被塗布位置が、スクリー
ン78が移動するのに追随して移動できるよう構成して
あることが好ましい。なお、図7において、図6と同様
に、スクリーン78とガラス容器72とは、矢印Aで表
されるように、離隔して示してあるが、印刷用インクを
実際に塗布する際には、これらのスクリーン78とガラ
ス容器72とは、所定圧力でもって接触できるような位
置に配置されることが好ましい。
【0055】厚さ また、積層される紫外線硬化型接着剤の厚さとしては、
特に制限されるものではないが、例えば、10〜2、0
00μmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由
は、かかる紫外線硬化型接着剤の厚さが10μm未満の
値になると、ホットスタンプをする際に、熱活性を示す
ことが著しく困難になったり、ホットスタンプされた金
属箔と、ガラス容器との間の密着力が低下する場合があ
るためである。一方、かかる紫外線硬化型接着剤の厚さ
が2、000μmを超えると、均一な厚さに積層するこ
とが困難になったり、ホットスタンプされた金属箔の表
面平滑性が低下する場合があるためである。したがっ
て、積層される紫外線硬化型接着剤の厚さを20〜1、
000μmの範囲内の値とすることがより好ましく、3
0〜100μmの範囲内の値とすることがさらに好まし
い。
【0056】3.硬化工程 (1)ランプ また、硬化工程に使用される紫外線源としてのランプの
種類は、特に制限されるものではないが、例えば、低圧
水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミ
カルランプ、ブラックライトランプ、メタルハライドラ
ンプ、マイクロウェーブ励起水銀灯などが用いられる。
これらのランプのうち、ケミカルランプは、開始剤の活
性波長領域の光を効率よく発光すると共に、開始剤以外
の組成物の光吸収が少ないため、内部まで、光が透過
し、高厚膜の紫外線硬化型接着剤を製造するのに好まし
い。また、高圧水銀灯は、比較的安価であって、均一な
エネルギーを有する紫外線を放出しやすいことから好ま
しいランプである。
【0057】(2)光強度および照射量 また、紫外線(波長365〜420nm)の光強度を
0.1〜100mW/cm2の範囲内の値とすることが
好ましい。この理由は、かかる光強度が0.1mW/c
2未満の値になると、酸素の反応阻害や、開始剤の光
分解の影響が生じるため、重合度が一定した硬化物を得
るのが困難となる場合があるためである。一方、かかる
光強度が100mW/cm 2を超えると、得られる硬化
物において、分子量が著しく低下し、凝集力と応力分散
性のバランスを維持するのが困難となる場合があるため
である。したがって、紫外線(波長365〜420n
m)の光強度を0.5〜70mW/cm2の範囲内の値
とすることがより好ましく、1〜50mW/cm2の範
囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0058】また、紫外線(波長365〜420nm)
の照射量を100〜1500mJ/cm2の範囲内の値
とすることが好ましい。この理由は、かかる照射量が1
00mJ/cm2未満の値になると、酸素の反応阻害
や、開始剤の光分解の影響が生じるため、重合度が一定
した硬化物を得るのが困難となる場合があるためであ
る。一方、かかる照射量が1500mJ/cm2を超え
ると、得られる硬化物において、分子量が著しく低下
し、凝集力と応力分散性のバランスを維持するのが困難
となる場合があるためである。したがって、紫外線(波
長365〜420nm)の照射量を300〜1200m
J/cm2の範囲内の値とすることがより好ましく、5
00〜1000mJ/cm2の範囲内の値とすることが
さらに好ましい。
【0059】(3)照射場所 また、ガラス容器の表側、すなわち、図8(a)に示す
ように、紫外線硬化型接着剤83を積層した表面側から
紫外線80を照射することも好ましいが、ガラス容器の
内側、すなわち、図8(b)に示すように、ガラス容器
を構成するガラス壁81を介して、紫外線硬化型接着剤
83を積層した裏側から紫外線80を照射することも好
ましい。この理由は、このように紫外線を照射すると、
紫外線硬化型接着剤におけるガラス容器との密着部分か
ら硬化が進むため、紫外線硬化型接着剤を積層した表面
側を、一部半硬化状態とすることが可能である。したが
って、ホットスタンプによって、紫外線硬化型接着剤を
十分に熱活性化して、金属箔を容易に転写することが可
能である。一方、金属箔を転写した後に、ガラス容器の
内側から再度紫外線を照射することにより、紫外線硬化
型接着剤をさらに強固に硬化することも可能である。こ
の理由は、ホットスタンプされた金属箔と、ガラス容器
との間で、強固な密着力が得られるためである。
【0060】(4)ガラス転移温度 紫外線硬化後における紫外線硬化型接着剤のガラス転移
温度を10〜150℃の範囲内の値とすることが好まし
い。すなわち、紫外線硬化型接着剤に含まれる紫外線硬
化成分の種類や添加量、あるいは紫外線の照射条件を調
節して、紫外線硬化後における紫外線硬化型接着剤のガ
ラス転移温度をかかる範囲内の値とすることが好まし
い。この理由は、かかる紫外線硬化型接着剤のガラス転
移温度が10℃未満の値になると、ホットスタンプ印刷
の外観評価が低下したり、あるいは転写可能な線幅が著
しく広くなったりする場合があるためである。一方、か
かる紫外線硬化型接着剤のガラス転移温度が150℃を
超えると、ホットスタンプ印刷の密着性が著しく低下し
たり、あるいはホットスタンプ温度を高温にしなければ
ならない等の工程管理上の問題が生じる場合があるため
である。したがって、紫外線硬化後における紫外線硬化
型接着剤のガラス転移温度を50〜130℃の範囲内の
値とすることがより好ましく、70〜110℃の範囲内
の値とすることがさらに好ましい。なお、紫外線硬化後
における紫外線硬化型接着剤のガラス転移温度は、DS
Cを用いて容易かつ正確に測定することができる。
【0061】(5)第2のケイ酸化炎処理工程 また、紫外線硬化型接着剤の紫外線硬化後、すなわち、
後述する金属箔をホットスタンプする工程の前に、第2
のケイ酸化炎処理工程を設けて、沸点が10〜100℃
であるシラン化合物を燃料ガスとした火炎を、全面的ま
たは部分的に吹き付けることも好ましい。このように実
施することにより、紫外線硬化後の紫外線硬化型接着剤
表面と、金属箔からなるホットスタンプ印刷との間で、
極めて優れた密着力を得ることができる。なお、第2の
ケイ酸化炎処理工程に使用するシラン化合物の種類や火
炎処理条件等については、上述したケイ酸化炎処理工程
(以下、第2のケイ酸化炎処理工程と区別するために、
第1のケイ酸化炎処理工程と称する場合がある。)と同
様の種類や条件とすることが好ましい。
【0062】4.ホットスタンプ工程 (1)ホットスタンピング箔 また、本発明に使用するホットスタンピング箔90の構
造例を、図9および図10を参照して説明する。なお、
図9には、ホットスタンピング箔90の使い方を併せて
示す。まず、図9に示すホットスタンピング箔90の例
では、基材91と、金属蒸着層を含む金属箔層92と、
から構成してあるが、このような簡易な構成のホットス
タンピング箔90であれば、極めて安価であることから
好適に使用することができる。また、図10に別のホッ
トスタンピング箔102の例を示すが、このホットスタ
ンピング箔102は、基材104と、この基材104の
背面側にある背面層103と、基材104の腹面側に設
けてある剥離層105と、蒸着アンカー層106と、金
属蒸着層107と、接着層108と、から構成してあ
り、このようなホットスタンピング箔102を用いるこ
とにより、より精度良く金属箔を転写できることから好
適に使用することができる。
【0063】そして、例えば、図9に示す構成のホット
スタンピング箔90を用いた場合、このホットスタンピ
ング箔90は、ガラス容器82の表面にある隆起表示部
84に当接した状態で、加熱状態にある回転ローラによ
り押圧されると、その部分だけ金属箔側層92の接着層
(図示せず。)に含まれるワックスが溶け出すことにな
る。そのため、金属蒸着層としての金属箔が破断剥離し
て、半硬化状態の隆起表示部84が活性化されるに伴
い、隆起表示部84に対して強固に付着して、転写する
ことができる。
【0064】一方、回転ローラにより加圧されない部分
のホットスタンピング箔90については、接着層に含ま
れるワックスが十分に溶融せずに、金属蒸着層としての
金属箔はホットスタンピング箔90からそのまま剥離せ
ず、したがって、ガラス容器82の隆起表示部84以外
の領域には付着しないことになる。すなわち、回転ロー
ラにより加圧された部分のみが、金属蒸着層としての金
属箔が破断剥離した後、半硬化した状態にある印刷用イ
ンクからなる隆起表示部84についても、加熱されて活
性化される。それに伴い、金属箔は、隆起表示部84に
対して付着することにより、例えば、1mm以下の線幅
が細いパターンを有する金属箔であっても、精度良く転
写されて、外観性に優れたメタリック表示部86を形成
することができる。
【0065】(2)金属箔転写装置 図9に、本発明のホットスタンプ方法に使用される金属
箔転写装置85の一例を示す。図9(A)は、金属箔転
写装置85を、シリコーンゴムからなる回転ローラ94
の軸方向から見たときの断面図であり、図9(B)は、
金属箔転写装置85を、ホットスタンピング箔90の移
動方向に沿ってみたときの正面図である。そして、かか
る金属箔転写装置85の例において、図9(A)に示さ
れるように、加熱弾性体として、シリコーンゴムからな
る回転ローラ94を備えていることが好ましい。すなわ
ち、回転ローラ94は、表面に凹凸を設けてあり、その
うちの凸部96によって、ホットスタンピング箔90を
介してガラス容器82を押圧し、金属箔を破断転写させ
る機能を有していることが好ましい。また、回転ローラ
94と、ホットスタンピング箔90と、ガラス容器82
とは、所定距離において、一体となって移動することが
可能な構造であることが好ましい。このように構成する
と、ガラス容器82に対する回転ローラ94の押圧力が
均一化される一方、比較的大面積であっても、精度良
く、金属箔を転写することが可能となる。
【0066】(3)ホットスタンプ条件 温度 また、ホットスタンプを良好に行うためには、加える圧
力にもよるが、例えば、加熱弾性体の表面温度を130
〜200℃の範囲内の値とすることが好ましい。この理
由は、かかる加熱弾性体の表面温度が130℃未満とな
ると、紫外線硬化型接着剤が十分に活性化せず、金属箔
が破断剥離した後、隆起表示部に対して付着することが
困難となる場合があるためである。また、かかる加熱弾
性体の表面温度が130℃未満となると、ホットスタン
ピング箔における、ワックスも十分に溶融せず、その結
果、微細な形状の金属箔からなるホットスタンプを実施
することが困難となる場合があるためである。一方、か
かる加熱弾性体の表面温度が200℃を超えると、紫外
線硬化型接着剤が過度に活性化し、金属箔が破断剥離し
た後、逆に、隆起表示部に対して付着することが困難と
なったり、あるいは、金属箔の位置ズレが生じたりする
場合があるためである。また、かかる加熱弾性体の表面
温度が200℃を超えると、ホットスタンピング箔自体
が熱変形し、その結果、微細な形状の金属箔からなるホ
ットスタンプを実施することが困難となる場合があるた
めである。したがって、加熱弾性体の表面温度を140
〜180℃の範囲内の値とすることがより好ましく、1
50〜170℃の範囲内の値とすることがさらに好まし
い。
【0067】加圧時間 また、ホットスタンピングの際の加熱弾性体による加圧
時間を0.1〜30秒の範囲内の値とすることが好まし
い。この理由は、かかる加圧時間が0.1秒未満となる
と、半硬化した状態にある印刷用インクが十分に活性化
せず、金属箔が破断剥離した後、半硬化した状態にある
印刷用インクからなる隆起表示部に対して付着すること
が困難となる場合があるためである。また、かかる加圧
時間が0.1秒未満となると、ホットスタンピング箔に
おける、ワックスも十分に溶融せず、その結果、微細な
形状の金属箔からなるホットスタンプを実施することが
困難となる場合があるためである。一方、かかる加圧時
間が30秒を超えると、半硬化した状態にある印刷用イ
ンクが過度に活性化し、金属箔が破断剥離した後、逆
に、隆起表示部に対して付着することが困難となった
り、あるいは、金属箔の位置ズレが生じたりする場合が
あるためである。また、かかる加圧時間が30秒を超え
ると、ホットスタンピング箔自体が熱変形したり、生産
効率が過度に低下したりする場合があるためである。し
たがって、ホットスタンピングの際の加熱弾性体による
加圧時間を0.5〜20秒の範囲内の値とすることがよ
り好ましく、1〜10秒の範囲内の値とすることがさら
に好ましい。
【0068】圧力 また、ホットスタンピングの際の加熱弾性体によって加
える圧力を0.098〜9.8MPa(1〜100Kg
f/cm2)の範囲内の値とすることが好ましい。この
理由は、かかる圧力が0.098MPa未満となると、
ホットスタンピング箔における金属箔を破断剥離するこ
とが困難となる場合があるためである。一方、かかる圧
力が9.8MPaを超えると、金属箔の位置ズレが生じ
たり、ガラス容器が破損したりする場合があるためであ
る。したがって、ホットスタンピングの際の加熱弾性体
によって加える圧力を0.49〜7.35MPaの範囲
内の値とすることがより好ましく、0.98〜4.9M
Paの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0069】(5)後処理工程 また、紫外線照射によって、紫外線硬化成分を硬化させ
た後に、後処理工程を設けて、当該紫外線硬化成分をさ
らに紫外線処理または熱処理することが好ましい。すな
わち、十分な熱活性を得るために、意図的に紫外線硬化
成分を部分硬化させる場合や不十分硬化となる場合があ
るが、そのような場合に未反応の紫外線硬化成分を十分
に硬化させるためである。したがって、後処理工程にお
いて、未反応の紫外線硬化成分を、図11(a)に示す
ように、紫外線117による紫外線処理によって、また
は図11(b)に示すように、ヒーター119などによ
る熱処理によって、十分に硬化することができるため、
ホットスタンプされた金属箔と、ガラス容器との間で、
さらに強固な密着力を得ることができる。なお、後処理
工程において加熱する場合、紫外線硬化型接着剤中に、
カチオン発生剤を添加しておき、発生したカチオンによ
って未反応の紫外線硬化成分をより確実に硬化すること
が好ましい。その場合、加熱温度を、通常140℃〜2
20℃の範囲内の値とすることが好ましい。この理由
は、かかる加熱温度が140℃未満となると、未反応の
紫外線硬化成分が十分に硬化せず、ガラス容器と印刷用
インクとの間の密着性および、金属箔と印刷用インクと
の間の密着性が向上しない場合があるためである。一
方、かかる加熱温度が220℃を超えると、未反応の紫
外線硬化成分が急激に硬化し、内部クラックが生じた
り、あるいは、金属箔が熱変形したり、金属箔の光沢が
低下したりする場合があるためである。したがって、か
かる加熱温度を160〜200℃の範囲内の値とするこ
とがより好ましく、170〜190℃の範囲内の値とす
ることがさらに好ましい。なお、加熱時間は、加熱温度
にもよるが、例えば、30秒〜60分の範囲内の値とす
ることが好ましい。
【0070】[第2の実施形態]第2の実施形態は、以下
に示す(1)〜(4)の工程を含むことを特徴とするホ
ットスタンプ方法であって、典型的には、図2に示すよ
うなホットスタンプ方法である。 (1)図2(a)に示すように、ガラス容器30の表面
に対して、アクリル化合物を主成分とした熱可塑性樹脂
と、エポキシアクリレート化合物を主成分とした紫外線
硬化成分と、光開始剤とを含む紫外線硬化型接着剤33
を積層する工程 (2)図2(b)に示すように、当該紫外線硬化型接着
剤33を紫外線36の照射により硬化させる工程 (3)図2(c)に示すように、当該硬化した紫外線硬
化型接着剤34に対して、沸点が10〜100℃である
シラン化合物を燃料ガスとした火炎31を、全面的また
は部分的に吹き付けるケイ酸化炎処理工程(以下、第1
の実施形態における第1および第2のケイ酸化炎処理工
程と区別するために、第3のケイ酸化炎処理工程と称す
る場合がある。) (4)図2(d)に示すように、当該ケイ酸化炎処理さ
れた紫外線硬化型接着剤40を熱活性化させることによ
り、金属箔38をホットスタンプする工程と、を順次に
含むことを特徴とするホットスタンプ方法。このように
実施することにより、紫外線硬化後の紫外線硬化型接着
剤34の表面と、金属箔38からなるホットスタンプ印
刷との間で、極めて優れた密着力を得ることができ、従
来の問題を解決することができる。なお、第3のケイ酸
化炎処理工程に使用するシラン化合物の種類や火炎処理
条件等については、上述した第1のケイ酸化炎処理工程
と同様の種類や条件とすることが好ましい。したがっ
て、以下の説明では、第1の実施形態と異なる点を中心
に説明するものとし、第2の実施形態を実施するための
表面改質装置等を説明する。
【0071】1.貯蔵タンク 図12に示すように、加熱手段136を有するシラン化
合物134を貯蔵するための第1の貯蔵タンク132
と、圧縮空気等の引火性ガスを貯蔵するための第2の貯
蔵タンク(図示せず)と、を備えることが好ましい。こ
の例では、第1の貯蔵タンク132の下方に、ヒータや
伝熱線、あるいは熱交換器に接続した加熱板等から加熱
手段136を備えてあり、常温、常圧状態では液状のシ
ラン化合物134を気化することが好ましい。そして、
硬化した紫外線硬化型接着剤に対してケイ酸化炎処理す
る際には、加熱手段136によって、第1の貯蔵タンク
132内のシラン化合物134を所定温度に加熱し、気
化させた状態で、引火性ガス(空気等)と混合し、燃焼
ガスとすることが好ましい。なお、燃焼ガス中における
シラン化合物の含有量は極めて重要であるため、当該シ
ラン化合物の含有量を間接的に制御すべく、第1の貯蔵
タンク132に圧力計(または液面のレベル計)138
を設けて、シラン化合物の蒸気圧(または改質剤化合物
量)をモニタ−することが好ましい。
【0072】2.移送部 移送部は、通常、管構造であって、図12に示すよう
に、第1の貯蔵タンク132から移送されてきたシラン
化合物134および第2の貯蔵タンク(図示せず)から
移送されてきた引火性ガス(空気)とを均一に混合し、
燃焼ガスにするための混合室142を備えるとともに、
流量を制御するための弁や流量計、あるいは燃焼ガスの
圧力を制御するための圧力計148を備えていることが
好ましい。また、シラン化合物および引火性ガスを均一
に混合した上で、流量を厳格に制御できるように、混合
室142に混合ポンプや、滞留時間を長くするための邪
魔板等を備えることも好ましい。
【0073】3.噴射部 (1)構成 噴射部は、図12に示すように、移送部144を経て送
られてきた燃焼ガスを燃やし、得られた火炎147を、
被処理物である固体物質に吹き付けるためのバーナー1
45を備えることが好ましい。かかるバーナーの種類も
特に制限されるものでないが、例えば、予混合型バーナ
ー、拡散型バーナー、部分予混合型バーナー、噴霧バー
ナー、蒸発バーナー、微粉炭バーナー等のいずれであっ
ても良い。また、バーナーの形態についても特に制限さ
れるものでなく、例えば、図12に示すように、先端部
に向かって拡大し、全体として扇型の構成であっても良
く、あるいは、図14に示すように、概ね長方形であっ
て、噴射口154が横方向に配列されたバーナーであっ
ても良い。
【0074】(2)配置 噴射部の配置、すなわち、バーナーの配置は、被処理物
である硬化した紫外線硬化型接着剤を有するガラス容器
へのケイ酸化炎処理の容易さ等を考慮して決定すること
が好ましい。例えば、図13に示すように、円形または
楕円形に沿って配置することも好ましいし、図14に示
すように、ガラス容器の両側に近接して配置することも
好ましい。また、図15(a)に示すように、ガラス容
器の片側に所定距離だけ離して配置することも好ましい
し、図15(b)に示すように、ガラス容器の両側にそ
れぞれ所定距離だけ離して配置することも好ましい。
【0075】
【実施例】[実施例1] 1.ホットスタンプ方法の実施 (1)ケイ酸化炎処理工程 図16に示す携帯型の表面改質装置170を用いて、ケ
イ酸化炎処理を1秒間実施した。また、燃料ガスとし
て、沸点27℃のテトラメチルシランを0.0001モ
ル%、沸点122℃のテトラメトキシシランを0.00
001モル%、残りが圧縮空気であるカートリッジ入り
の混合ガスを用いた。
【0076】(2)紫外線硬化型接着剤の調製および積
層工程 窒素置換したセパラブルフラスコ内に、酢酸エチル10
0gと、メタクリル酸15gと、アクリルニトリル15
gと、スチレン15gと、AIBN1gとを収容した
後、セパラブルフラスコ内の温度を65℃に保持し、溶
液重合を10時間行い、アクリル共重合体(重量平均分
子量6万)を得た。次いで、プロペラミキサー付きの攪
拌装置内に、得られたアクリル共重合体(固形分)8g
(8重量%)と、エポキシアクリレートオリゴマー(重
量平均分子量2500)60gと、多官能アクリレート
モノマー7gと、単官能アクリレートモノマー24g
と、光開始剤1gとを収容した後、配合成分が均一にな
るまで攪拌し、紫外線硬化型接着剤とした。なお、得ら
れた紫外線硬化型接着剤の粘度は、10mPa・sec
(25℃)であった。
【0077】得られた紫外線硬化型接着剤を、スクリ−
ン印刷法により、ガラス容器表面に塗布した。すなわ
ち、スクリーン印刷装置として、曲面・平面両用スクリ
ーン印刷機SK−250−V型(新栄工業(株)製)を
用い、ガラス容器に対して、1mm以下の線幅を有する
パターンを形成するように、紫外線硬化型接着剤を塗布
した。
【0078】(3)紫外線照射工程 高圧水銀ランプを用いて、積層した紫外線硬化型接着剤
の表面側から、照射量が1、000mJ/cm2となる
ような条件で紫外線を照射した。
【0079】(4)ホットスタンプ工程 硬化した紫外線硬化型接着剤からなる隆起表示部に対し
て、ホットスタンプ装置(ナビタス(株)製)における
表面温度が180℃に調整されたシリコーンゴム弾性体
を用いて、30kgf/cm2、2秒間の条件で、ホッ
トスタンピング箔を押し付けた。次いで、隆起表示部に
金属箔を付着させ、金属箔を転写して、メタリック表示
部を形成した。なお、加熱弾性体としては、硬度計で測
定した硬度が70のシリコーンゴム弾性体からなる回転
ローラを用いた。また、用いたホットスタンピング箔の
基本構造は、図10に説明したものと基本的に同様であ
る。すなわち、実施例1のホットスタンピング箔102
は、基材104(9μmのポリエチレンテレフタレー
ト)と、基材の背面側にある背面層103(シリコーン
変性ポリエステル)と、基材の腹面側にある剥離層10
5(カルナバワックス)と、蒸着アンカー層106(ポ
リメタクリル酸メチル)と、金属蒸着層107(真空蒸
着法により形成された500Åのアルミニウム膜)と、
接着層108(ワックスと熱可塑性樹脂との混合物)と
から構成してある。
【0080】2.ホットスタンプ方法の評価 (1)外観性評価1 以下に示す基準に準拠して、目視によって、ホットスタ
ンプ印刷の外観性を評価した。 ◎:しわやふくれ等の不具合やホットスタンプ印刷の変
色が全く観察されない。 ○:しわやふくれ等の不具合やホットスタンプ印刷の変
色がほとんど観察されない。 △:しわやふくれ等の不具合やホットスタンプ印刷の変
色が少々観察される。 ×:しわやふくれ等の不具合やホットスタンプ印刷の変
色が顕著に観察される。
【0081】(2)密着性評価1 以下に示す基準に準拠して、いわゆる指圧によるラビン
グ試験によって、ホットスタンプ印刷におけるガラス容
器と印刷用インクの間の密着性を評価した。 ◎:10回繰り返しラビングしてもはがれない。 ○:5回繰り返しラビングしてもはがれない。 △:2〜5回繰り返しラビングした場合には、はがれる ×:1回ラビングした場合には、はがれる。
【0082】(3)密着性評価2 JIS K−5400に準拠した碁盤目試験を行い、印
刷用インクにおける100碁盤目あたりの、はがれ数
(個/100碁盤目)により、以下の基準に準拠して、
ホットスタンプ印刷におけるガラス容器と印刷用インク
の間の密着性を評価した。 ◎:はがれ数は0個/100碁盤目である。 ○:はがれ数は1〜10個/100碁盤目である。 △:はがれ数は11〜20個/100碁盤目である。 ×:はがれ数は21個以上/100碁盤目である。
【0083】(4)線幅評価 メタリック表示部の線幅評価は、顕微鏡観察により、以
下の基準に準拠して評価した。 ◎:0.5mm以下の線幅のパターンが精度良く再現さ
れている。 ○:1mm以下の線幅のパターンが精度良く再現されて
いる。 △:2mm以下の線幅のパターンが精度良く再現されて
いる。 ×:2mmを超える線幅のパターンであっても、精度良
く再現できていない。
【0084】[実施例2〜5および比較例1]表1に示す
ように、実施例2〜5においては紫外線硬化型接着剤に
含まれるアクリル共重合体の配合量を変えたほかは、実
施例1と同様にホットスタンプ方法を実施して、それぞ
れ得られたホットスタンプ印刷を評価した。また、比較
例1においては、ケイ酸化炎処理を実施しなかったほか
は、実施例5と同様にホットスタンプ方法を実施して、
それぞれ得られたホットスタンプ印刷を評価した。
【0085】
【表1】
【0086】[実施例6〜8]表2に示すように、実施例
2に準拠して紫外線硬化型接着剤にアミノシランカップ
リング剤(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)を
添加するとともに、その配合量を変えたほかは、実施例
2と同様にホットスタンプ方法を実施して、それぞれ得
られたホットスタンプ印刷を評価した。
【0087】
【表2】
【0088】[実施例9〜11]表3に示すように、実施
例2に準拠して紫外線硬化型接着剤にトリレンジイソシ
アネート(TDI)を添加するとともに、その配合量を
変えたほかは、実施例2と同様にホットスタンプ方法を
実施して、それぞれ得られたホットスタンプ印刷を評価
した。
【0089】
【表3】
【0090】[実施例12〜15]実施例2において、紫
外線照射した後に、後処理工程を設けて表4に示すよう
に加熱処理を実施したほかは、実施例3と同様にホット
スタンプ方法を実施して、それぞれ得られたホットスタ
ンプ印刷を評価した。
【0091】
【表4】
【0092】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明のホットスタ
ンプ方法によれば、特定の熱可塑性成分と、特定の紫外
線硬化成分とを組み合わせるとともに、当該熱可塑性成
分の添加量を従来の知見とは異なる値に設定することに
よって、優れた密着力を有する金属箔のホットスタンプ
が可能になった。
【0093】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のホットスタンプ方法を説明するため
に供する図である。
【図2】 本発明の別のホットスタンプ方法を説明する
ために供する図である。
【図3】 本発明のホットスタンプ方法におけるプライ
マー工程を説明するために供する図である。
【図4】 本発明のホットスタンプ方法における洗浄処
理工程を説明するために供する図である。
【図5】 本発明のホットスタンプ方法における塗装工
程を説明するために供する図である。
【図6】 スクリーン印刷装置例を模式的に示す図であ
る。
【図7】 別のスクリーン印刷装置例を模式的に示す図
である。
【図8】 紫外線硬化型接着剤への紫外線照射方法を説
明するために供する図である。
【図9】 ホットスタンピング箔の構造を説明するため
に供する図である。
【図10】 別のホットスタンピング箔の構造を説明す
るために供する図である。
【図11】 ホットスタンプ方法における後処理工程を
説明するために供する図である。
【図12】 ケイ酸化炎処理装置の構造を説明するため
に供する図である。
【図13】 ケイ酸化炎処理装置による火炎の吹き付け
方法を説明するために供する図である。
【図14】 火炎の吹き付け方を説明するために供する
図である(その1)。
【図15】 火炎の吹き付け方を説明するために供する
図である(その2)。
【図16】 携帯型のケイ酸化炎処理装置の構造を説明
するために供する図である。
【図17】 従来のホットスタンプ方法を説明するため
に供する図である。
【0094】
【符号の説明】
10、21、30、41、51、62、72、81、8
2、111、121:ガラス容器 11、31、147:火炎 13、23、33、43、54、123:紫外線硬化型
接着剤 18、38、115、129:金属箔 16、36、56、80、117、126:紫外線 60、70:スキージ 68、78:スクリーン 140、170:ケイ酸化炎処理装置
フロントページの続き (72)発明者 伏見 邦博 東京都江戸川区平井1丁目25番地27号 興 亜硝子株式会社内 (72)発明者 木所 文雄 東京都北区赤羽西6−10−22 十条ケミカ ル株式会社内 (72)発明者 森 泰浩 東京都江東区木場2−1−3−1414 Fターム(参考) 2H086 CA01 CA15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス容器の表面に対して、沸点が10
    〜100℃であるシラン化合物を燃料ガスとした火炎
    を、全面的または部分的に吹き付けるケイ酸化炎処理工
    程と、 アクリル化合物を主成分とした熱可塑性樹脂と、エポキ
    シアクリレート化合物を主成分とした紫外線硬化成分
    と、光開始剤とを含む紫外線硬化型接着剤を積層する工
    程と、 当該紫外線硬化型接着剤を紫外線の照射により硬化させ
    る工程と、 当該硬化した紫外線硬化型接着剤を熱活性化させること
    により、金属箔をホットスタンプする工程と、 を順次に含むことを特徴とするホットスタンプ方法。
  2. 【請求項2】 前記金属箔をホットスタンプする工程の
    前に、第2のケイ酸化炎処理工程を設けて、沸点が10
    〜100℃であるシラン化合物を燃料ガスとした火炎
    を、全面的または部分的に吹き付けることを特徴とする
    請求項1に記載のホットスタンプ方法。
  3. 【請求項3】 ガラス容器の表面に対して、 アクリル
    化合物を主成分とした熱可塑性樹脂と、エポキシアクリ
    レート化合物を主成分とした紫外線硬化成分と、光開始
    剤とを含む紫外線硬化型接着剤を積層する工程と、 当該紫外線硬化型接着剤を紫外線の照射により硬化させ
    る工程と、 当該硬化した紫外線硬化型接着剤に対して、沸点が10
    〜100℃であるシラン化合物を燃料ガスとした火炎
    を、全面的または部分的に吹き付けるケイ酸化炎処理工
    程と、 当該ケイ酸化炎処理された紫外線硬化型接着剤を熱活性
    化させることにより、金属箔をホットスタンプする工程
    と、 を順次に含むことを特徴とするホットスタンプ方法。
  4. 【請求項4】 前記シラン化合物に、沸点が100℃以
    上のアルキルシラン化合物、アルコキシシラン化合物、
    アルキルチタン化合物、アルコキシチタン化合物、アル
    キルアルミニウム化合物、およびアルコキシアルミニウ
    ム化合物からなる群から選択される少なくとも一つの化
    合物を添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か一項に記載のホットスタンプ方法。
  5. 【請求項5】 前記燃料ガスとして、前記シラン化合物
    と空気との混合ガスを使用することを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか一項に記載のホットスタンプ方法。
  6. 【請求項6】 前記紫外線硬化型接着剤が、前記熱可塑
    性樹脂を1〜15重量部未満、前記紫外線硬化成分を5
    0〜95重量部、および光開始剤を0.1〜10重量部
    の範囲で含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    一項に記載のホットスタンプ方法。
  7. 【請求項7】 前記紫外線硬化成分が、エポキシアクリ
    レート化合物からなるオリゴマーと、それ以外の紫外線
    硬化モノマーとの混合物であることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれか一項に記載のホットスタンプ方法。
  8. 【請求項8】 前記紫外線硬化型接着剤が、シランカッ
    プリング剤、チタンカップリング剤、あるいはアルミニ
    ムカップリング剤のいずれか一つのカップリング剤を含
    むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載
    のホットスタンプ方法。
  9. 【請求項9】 前記紫外線照射によって、前記紫外線硬
    化成分を硬化させた後に後処理工程を設けて、当該紫外
    線硬化成分をさらに紫外線処理または熱処理することを
    特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のホット
    スタンプ方法。
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