JP4737958B2 - セラミック回路基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、通信機器や電子機器等に搭載される高周波用途の部品を構成し、内部配線を有する多層構造のセラミック回路基板の製造方法に関するものである。
近年、携帯電話をはじめとする移動体通信等の発達及び普及に伴い、通信機器や電子機器等の小型化、高機能化、低価格化、低電力化等が進められ、AuやAg、Cu、Pd、Pt等の低融点、低抵抗の導体材料と、ガラスセラミックス等の低温焼成セラミックスにより、共振器、コンデンサ、コイル、フィルタ等の素子が形成されたモジュール用の基板として、セラミック回路基板が用いられてきている。
このような基板において、基板のダウンサイジングが進み、かつ、形成される素子の数が増加することに伴って、回路を構成する導体、すなわち、ラインやコンデンサパッド等の配線の微細化、小面積化が求められている。一方、ラインの幅が細くなることによって、抵抗値が高くなるため、ラインの膜厚をある程度厚くする必要がある。また、微細配線化に伴って、ライン端部の形状が回路の性能を左右するようになるため、ライン端部の形成精度を向上する必要がある。即ち、ラインの断面は四角形状であることが望ましい。
セラミックグリーンシート上に回路パターンを形成する方法として、従来からスクリーン印刷法が用いられている。このスクリーン印刷法は、導電性ペーストをメッシュスクリーン(あるいは、メタルスクリーン)を用いて、グリーンシート(被印刷物)に印刷することにより、容易に回路パターンを形成できる。
ところが、微細パターンを印刷する場合、スクリーンマスクの開口部断面を四角形状にしたとしても、開口部を通過した導体ペーストは、粘度が低下するため、流動性をもち、被印刷体表面上で滲む、あるいは、はじかれて、回路パターンの形状が保持されないため、ラインの幅や厚みのバラツキ、印刷面積のバラツキが生じる、ライン断面の形状がレンズ断面形状のようになるという問題があった。
また、最近、凹版転写法や感光性導体ペーストを用いた方法により、ファインラインを形成する試みがなされている。例えば、フィルム基材に形成された溝部に導体ペーストを充填して、それを、表面に接着層が形成されたセラミック基材に貼り合わせた後、フィルム基材を剥離することにより、微細で、膜厚の厚い回路パターンを形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、この方法では、フィルム基材への精度よい凹版形成、凹版部へのペーストの充填、フィルムからの導体の剥離、及び接着層の燃焼等の課題があり、パターン形成に多数の工程が必要であり、形成が困難であるという問題があった。
一方、感光性樹脂組成物に金属粉末を分散混入させた感光性導電性ペーストをセラミックグリーンシートに被着させ、所定の形状部に光を照射して光硬化させ、未硬化の部分を現像により除去して、焼成することにより、微細で、膜厚の厚い、所望の回路パターンが得られることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
ところが、この方法では、感光性導電性ペーストがゲル化するため導体膜形成が難しいという問題や、導体粉末の形状や粒径及び導体膜の厚みによって光硬化にバラツキが生じるという問題があり、さらに、脱バインダ性が悪いことにより導体膜の密度が低くなるという問題がある。また、ほとんどの導体ペーストを廃棄、あるいは、再生処理しなければならず、コスト高であるという問題があった。
そこで、これらの課題に対して、本発明者は、光透過可能なキャリアフィルム表面に、導体ペーストにより回路パターンを形成し、その上に、光硬化スラリーを用いて、フォトリソプロセスにより、絶縁層となる光硬化性塗布層を形成し、キャリアフィルムを剥がして、積層、あるいは、ビルドアップにより一体化して焼成することによりセラミック基板を得る方法を提案した(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−183503号公報 特開2000−147758号公報 特願2002−339922号公報
しかしながら、特許文献3に記載の方法では、光透過可能なキャリアフィルム表面に、導体ペーストにより回路パターンを形成した後、光硬化スラリーを塗布し、キャリアフィルムの裏面から紫外線を照射するが、形成された回路パターンの断面形状が略四角形状にならないことがあり、そのような場合、回路パターン表面に塗布された光硬化スラリーにまで紫外線が照射されてしまい、回路パターン表面に不必要な絶縁膜が形成されてしまうという問題があった。
また、光透過可能なキャリアフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の緻密なプラスチックであり、導体ペーストに含まれる有機溶剤が浸透しないため、塗布印刷された回路パターンが滲み広がるという問題があり、また、キャリアフィルムの離型性を良好にするため、キャリアフィルムの表面をSi等で離型処理した場合には、塗布印刷された回路パターンがはじかれて細くなり、ラインの幅や厚みのバラツキ、印刷面積のバラツキが生じる、ライン断面の形状がレンズ断面形状になるという問題があった。
また、印刷により形成される回路パターンの滲み広がりや、はじきを抑制しようとして、キャリアフィルム表面の表面粗さを粗くした場合、回路パターン及び光硬化されたセラミック層からの、キャリアフィルムの離型性が劣化して、剥離が困難になるという問題があった。
本発明は、導体ペーストを用いて回路パターンを表面に形成しても、回路パターンの滲み広がりやはじかれを改善し、微細で、膜厚が厚く、幅や厚みの精度が良く、断面形状が略四角形状である回路パターンを形成することができるセラミック回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のセラミック回路基板の製造方法は、有機フィルムの一主面に、有機溶剤を吸収可能であるとともに、可塑剤を含み粘着性を示す溶剤吸収層を有するキャリアフィルムを形成する工程と、前記溶剤吸収層の表面に、導電性粉末及び有機溶剤を含む導体ペーストを塗布して回路パターンを形成する工程と、前記回路パターンをグリーンシートの表面に転写し、前記有機フィルムを剥離して、前記溶剤吸収層が付着している回路パターン付グリーンシートを形成する工程と、前記溶剤吸収層が付着している回路パターン付グリーンシートを積層して、積層成形体を作製する工程と、該積層成形体を焼成する工程と、
を具備することを特徴とする。
本発明のセラミック回路基板の他の製造方法は、透光性を有する有機フィルムの一主面に、有機溶剤を吸収可能であるとともに、可塑剤を含み粘着性を示す溶剤吸収層を有するキャリアフィルムを形成する工程と、前記溶剤吸収層の表面に、導電性粉末及び有機溶剤
を含む導体ペーストを塗布して回路パターンを形成するとともに、光硬化性塗布層を形成した後、前記有機フィルムの他主面から光を照射して前記光硬化性塗布層を硬化させ、しかる後、前記有機フィルムを剥離して、前記溶剤吸収層上に光硬化性塗布層と、前記回路パターンとからなるグリーンシートを有する溶剤吸収層付きグリーンシートを形成する工程と、前記溶剤吸収層付きグリーンシートを複数積層して、積層成形体を作製する工程と、
該積層成形体を焼成する工程と、を具備することを特徴とする。
また、上記セラミック回路基板の製造方法では、前記有機フィルムの一主面に離型層を有するものを用いることが望ましい。
本発明によれば、回路パターンの滲み広がりやはじかれを改善し、回路パターンの断面形状が略四角形状で幅や膜厚の精度が良く、導体膜の形状に優れた微細な回路パターンが形成され、導体抵抗の低いセラミック回路基板を得ることができる。
本発明を、図を用いて説明する。図1は、キャリアフィルムを示すものであり、図1(a)は2層構造を有するキャリアフィルムの概略断面図、図1(b)は3層構造を有するキャリアフィルムの概略断面図である。
キャリアフィルム1aは、図1(a)に示したように、有機フィルム2aと、有機フィルム2aの表面に設けられた溶剤吸収層4aと、の2層からなり、キャリアフィルム1aの最表面に有機溶剤を吸収する溶剤吸収層4aを備えているため、導体ペースト等の有機溶剤を含むペーストを塗布した場合にペースト中に含まれる有機溶剤が溶剤吸収層4aに吸収され、その結果、導体ペーストの滲み広がり及びはじきを抑制することができる。
また、本発明の他のキャリアフィルム1bは、図1(b)に示したように、有機フィルム2bと、有機フィルム2bの表面に設けられた離型層3bと、離型層3bの表面に設けられた溶剤吸収層4bとの3層からなり、上記のキャリアフィルム1aと同様に、溶剤吸収層4bがペースト中に含まれる有機溶剤を吸収し、ペーストの滲み広がり及びはじきを抑制することができる。
また、図1(b)によれば、前記有機フィルム2bと前記溶剤吸収層4bとの間に離型層3bが形成されているため、キャリアフィルム1b上に回路パターン及び/又はセラミック層を形成しても、これらをキャリアフィルム1bから容易に離型できるため、より広範な用途に利用できるとともに、キャリアフィルム1bとして好適に利用することができる。
溶剤吸収層4a、4bは、親油基を有するポリマーからなることが好ましい。溶剤吸収層4a、4bが親油基を有するポリマーからなる場合、導体ペースト中の有機溶剤との親和性を高め、有機溶剤を吸収しやすくするため、十分に有機溶剤を吸収し、かつ、有機溶剤を吸収した樹脂が溶解して流動することを抑制し、寸法及び形状の精度の良い回路パターンを容易に形成することができる。
なお、ポリマーの分子量は、有機溶剤を吸収した時の樹脂の流動を抑制するため、焼成における熱分解性が問題にならない程度に大きい方がよく、また、ポリマー間が架橋している構造であることが多量の溶剤を吸収できる点で望ましい。
また、溶剤吸収層4a、4bを構成する成分は、上記のような親油基を有するポリマーの他に、樹脂膜に可撓性を持たせる、あるいは、密着性を付与する等の目的で、他の有機成分を含んでも良く、また、離型性を向上させる等の目的で無機成分が含まれていても良
い。これらの含有量は、溶剤吸収層2が十分に溶剤を吸収できる範囲に設定すれば良い。
溶剤吸収層4a、4bに対するα−テルピネオールの接触角は、10〜50゜、特に15〜45゜であることが好ましい。接触角を10゜以上にすることによって溶剤吸収層の表面で導体ペーストがにじみ広がることをより効果的に抑制することができ、50゜以下にすることによって溶剤吸収層4a、4bの表面で導体ペーストがはじかれることをより効果的に抑制することができる。このように、接触角を上記のように調整することで、導体ペーストの印刷性をさらに高め、印刷不良を容易に低減することができる。
溶剤吸収層4a、4bを構成するポリマーは、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル共重合体のうち少なくとも1種であることが好ましい。これらは、導体ペースト中の有機溶剤の吸収力を調整できるため、有機溶剤との接触角の設定が容易になる。特に、α−テルピネオール、2、2、4−トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート、イソホロンからなる有機溶剤との親和性の観点から、メタクリル酸エステル重合体及びメタクリル酸エステル共重合体が望ましい。
溶剤吸収層4a、4bの厚みは、0.1〜10μm、特に0.5〜5μmであることが好ましい。0.1μm以上にすることで回路パターンが厚くても有機溶剤を吸収して接触角を10°以上にすることが容易になり、また、キャリアフィルムから回路パターン及び/又はセラミック層を容易に離型することができ、さらに、10μm以下にすることで、積層時あるいは焼成時の、層間のデラミネーションを抑制することが容易になる。
溶剤吸収層4a、4bが、粘着性を示すことが好ましい。このように溶剤吸収層4a、4bが粘着性を示す場合、グリーンシートに密着液等を付与せずに積層できるため、積層工程を簡略化できる。
溶剤吸収層4a、4bに粘着性を付与するため、溶剤吸収層4a、4bに粘着性を発現する可塑剤を含有させることができる。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチルのうち少なくとも1種を選ぶことができる。
溶剤吸収層4a、4bが含有する可塑剤の量は、溶剤吸収層4a、4bに含まれる樹脂100質量部に対して、1〜20質量部含有することが好ましい。これにより、樹脂層と導体ペーストの粘着性を適度にすることができ、かつ、導体パターン、及び/または、セラミック層の、有機フィルムからの離型を容易にすることができる。
有機フィルム2a、2bは、光の透過が可能であることが好ましい。この場合、有機フィルム1の裏面から光を照射させて、有機フィルム1の表面に形成した光硬化性塗布層の所望の部位を光硬化させることができる。例えば、光硬化性塗布層を十分に厚く形成して、有機フィルム2a、2bに近い部位を光硬化する光硬化部とするとともに、有機フィルム2a、2bから遠い部位を非光硬化部とすることができ、また、回路パターンの上に形成された光硬化性塗布層を非光硬化部とすることができる。
離型層3bは、キャリアフィルム1bの表面に形成される回路パターンやグリーンシートを傷つけないように、回路パターンやグリーンシートを有機フィルム2bから剥離するためのものである。剥離する場合には、回路パターンやグリーンシートが剥離されれば、溶剤吸着層4bと剥離層3bとの間、剥離層3bと有機フィルム2bとの間、剥離層3bの内部、又はこれらの組み合わせであれば良い。
離型層3bは、特に材料を限定するものではないが、剥離しやすい点でシリコン樹脂を好適に用いることができる。
以上のように、キャリアフィルム上に、例えばスクリーン印刷法によって回路パターンを形成しても、回路パターンの滲み広がりやはじかれを改善し、微細で、膜厚が厚く、スクリーンマスクの開口部を通過したままの形状、即ち、幅や厚みの精度が良く、断面形状が略四角形状である回路パターンを形成することができ、グリーンシートの成形や回路基板の製造等に好適に用いることができる。
次に、複合シートについて、図1(a)のキャリアフィルムを用いた場合を例として取り上げて説明する。図2は複合シートの構造を示すもので、図2(a)はキャリアフィルムの表面に回路パターンを形成した複合シートの概略断面図、図2(b)はキャリアフィルムの表面にグリーンシートを形成した複合シートの概略断面図である。
図2(a)によれば、複合シートA1は、有機フィルム12の表面に溶剤吸収層14を具備するキャリアフィルム11の表面、即ち溶剤吸収層14の表面に回路パターン15を形成してなるものである。
溶剤吸収層14に粘着性を発現する可塑剤を含有させることによってポリマーからなる樹脂に粘着性を発現させ、有機溶剤を吸収するとともに、接着剤のような粘着性を示すことができる。
回路パターン15は、有機フィルム1の表面に形成された溶剤吸収層14と当接しており、有機溶剤を含んだ導体ペーストを塗布して回路パターン15を形成しても、溶剤吸収層14が有機溶剤を吸収するため、導体ペーストの滲み広がり及びはじかれが防止され、幅や厚みの精度が良く、断面形状が略四角形状である回路パターン15を形成することができる。
このような回路パターン15は、セラミックグリーンシートに転写した場合、寸法精度が高いために不良発生率が少なく、また、導体抵抗を低減することができる。
図2(b)によれば、他の複合シートA2は、有機フィルム12の表面に溶剤吸収層14を具備するキャリアフィルム11の表面に、マトリックス部16とパターン部17とからなるグリーンシートを形成したものである。
合シートは、キャリアフィルムを使用しているため、ライン幅、厚み及び面積のばらつきが顕著に改善されており、微細で、膜厚が厚く、幅や厚みの精度が良く、断面形状が略四角形状であるパターン部を有するグリーンシートを備えた複合シートを提供できる。
特に、マトリックス部16が絶縁粉末を主体とし、パターン部17が導電性粉末を主体とするとともに、パターン部17が回路パターンを形成していることが好ましい。これにより、回路パターンの断面形状が略四角形状で、回路パターンに好適なグリーンシートを容易に提供できる。
なお、図2(a)及び(b)には離型層が示されていないが、図1(b)のキャリアシートを用いても、溶剤吸収層を具備するため、上記と同様の効果が得られる。
このように、複合シートは、上記のキャリアフィルムを用いて回路パターン又はグリーンシートを形成するため、それぞれ回路パターン15やパターン部17の断面形状が略四角形状で幅や膜厚の精度が良く、導体膜の形状に優れた微細な回路パターン15やパター
ン部17が形成され、導体抵抗の低いセラミック回路基板を得ることができる。
合シートの製造方法を説明する。
まず、複合シートの第1の製造方法は、上記のキャリアフィルムの表面に、導電性粉末及び有機溶剤を含む導体ペーストを塗布して回路パターンを形成するものである。
キャリアフィルムは、その表面に、導体ペースト中の有機溶剤を吸収する溶剤吸収層を具備するため、スクリーン印刷時に、導体ペースト中の有機溶剤が溶剤吸収層に適度に吸収されるため、キャリアフィルムの表面で導体ペーストの滲みやはじきの発生を抑制し、スクリーンマスクの開口部を通過したままの形状、すなわち、幅や厚みの精度がよく、断面形状が略四角形状である回路パターンの形状を保持することができる。
また、複合シートの第2の製造方法は、透光性を有する有機フィルムを用いた上記キャリアフィルムの表面に、導電性粉末及び有機溶剤を含む導体ペーストを塗布して回路パターンを形成した後、前記キャリアフィルムの表面に前記回路パターンを覆うように光硬化性塗布層を形成し、しかる後に前記キャリアフィルムの裏面より光を照射して前記光硬化性塗布層を硬化させ、マトリックス部及びパターン部とからなるグリーンシートを形成するものである。以下に、具体的例に関して図を用いて説明する。
図3は、本発明の複合シートの第2の製造方法を示すための説明図である。図3(a)によれば、樹脂フィルム(不図示)の表面に溶剤吸収層(不図示)を被覆してなる光透過可能なキャリアフィルム1上に、導電性粉末及び有機溶剤を含む導体ペーストをスクリーン印刷法などの一般的な印刷手法によって印刷、塗布して、光非透過性の所定の回路パターン17aを形成する。
光透過性のキャリアフィルムを用いた場合、裏面より光を照射して前記光硬化性塗布層の少なくとも一部を硬化させて複合シートを作製できるため、成形後にビアホールを形成し、その後ビアホールに導電性ペーストを充填する工程を省略でき、製造工程を簡略化するとともに、不良の発生を低減でき、低コスト化に寄与できる。
導体ペーストに含まれる導電性粉末は、銅粉末、銀粉末、金粉末及びアルミニウム粉末の少なくとも1種を用いるのが好ましい。これらは、低抵抗であり、電気回路として信頼
性が高く、発熱も少ない。
導体ペーストに含まれる有機溶剤は、α−テルピネオール、2、2、4−トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート、イソホロン、ブチルカルビトールアセテート、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートのうち少なくとも1種であることが好ましい。これらは、溶剤吸収層に適度に吸収され易い点で好適な有機溶剤である。
次に、光硬化性塗布層16aを形成する。まず、光硬化可能なモノマー、光重合開始剤及びセラミック粉末を含む光硬化性スラリーを作製する。この光硬化性スラリーは、光照射によって確実に、且つ効果的に硬化される。これらの成分に加えて、所望により、光硬化性スラリーは、有機バインダ及び可塑剤を加えることができる。
また、有機バインダも、光硬化可能なモノマーと同様に熱分解性が良好であることが望まれ、同時にスラリーの粘性を決めるものであるため、固形分との濡れ性も考慮することが必要である。本発明によれば、アクリル酸もしくはメタクリル酸系重合体のようなカルボキシル基、アルコール性水酸基を備えたエチレン性不飽和化合物が好ましい。
有機溶剤としては、エチルカルビトールアセテート、ブチルセロソルブ、3メトキシブチルアセテートの群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらを選択することにより、塗布層のレベリング性と乾燥性を適度にすることができ、表面平滑な塗布層を短時間で容易に得ることができる。
例えば、光硬化性スラリーの組成は、セラミック粉末100質量部に対して、光硬化モノマー及び光重合開始剤を5〜20質量部、有機バインダを10〜40質量部、可塑剤を1〜5質量部、有機溶剤を50〜100質量部の割合が適当である。
光硬化可能なモノマーとしては、低温で短時間の焼成工程に対応するために、熱分解性に優れたものであることが望ましい。また、光硬化可能なモノマーは、スリップ材の塗布・乾燥後の露光によって光重合される必要があり、遊離ラジカルの形成、連鎖生長付加重合が可能で、2級もしくは3級炭素を有したモノマーが好ましく、例えば少なくとも1つの重合可能なエチレン系基を有するブチルアクリレート等のアルキルアクリレートおよびそれらに対応するアルキルメタクリレート等が挙げられる。また、テトラエチレングリコールジアクリレート等のポリエチレングリコールジアクリレートおよびそれらに対応するメタクリレートも有効である。
光重合開始剤としては、光硬化性材料、例えば上記の光硬化性モノマーの光重合を開始させるものであれば特に制限されるものではなく、ベンゾフェノン類,アシロインエステル類化合物などを例示できる。
得られた光硬化性スラリーを、図3(a)に示した回路パターン17aが形成されたキャリアフィルムの表面に塗布するには、回路パターン17aの隙間18に光硬化性スラリーを充填すれば良いが、図3(b)に示すように、例えばドクターブレード法にて、回路パターン17aを覆うように、キャリアフィルム11上に光硬化性スラリーを塗布して所定の厚みで全面に塗布して光硬化性塗布層16aを形成するのが望ましい。即ち、この場合には、光硬化性スラリーを隙間18を充填するとともに、回路パターン17aの表面にも塗布する。
光硬化性塗布層16aの厚みは、回路パターン17aの厚み以上であることが好ましい。このような構成において、後述するように強度を調整した光を入射して光硬化性スラリーを硬化すれば、パターン部17と、マトリックス部16の厚みが略同一にすることができ、表面が平滑な複合シートA2を得ることができる。
このように光硬化性塗布層16を形成した後、所望により、これを乾燥する。
次いで、露光を行う。図3(c)に示すように、露光工程においては、一般に紫外線が用いられるため、例えば超高圧水銀灯を光源としてキャリアフィルム1の裏面より紫外線を照射して露光を行う。この露光によって、回路パターン17aの形成されている領域以外の領域において光硬化性塗布層16aを光硬化させることができる。なお、図3(c)中の矢印は光の照射方向を示すものである。
光硬化性塗布層16aは、照射された光の量によりキャリアフィルム1側から一定の厚みまで光重合反応が起こり、硬化する光硬化部(不図示)が形成され、有機フィルム12と反対側に、光重合反応が起こらないために硬化しない非光硬化部(不図示)が形成される。
一方、回路パターン17aは紫外線を通過しないために、回路パターン17a上に形成
されている光硬化性塗布層16aは、光硬化可能なモノマーの光重合反応がおこらない非光硬化部となる。これにより、回路パターン17a上に形成された光硬化性塗布層16aを容易に除去し、グリーンシートの一部を回路パターンで置換してなる構造、換言すればグリーンシートの一部を回路パターン17a形状に除去し、その内部を導体ペーストで充填したのと等価な構造を有する複合シートを得ることができる。
なお、露光に用いる紫外線の光量は、実質的に非光硬化部の厚みが、回路パターン17aの厚みと略同一になるように露光量を調整することが望ましい。
次いで、現像処理を行う。現像処理は、光硬化性塗布層16aの非光硬化部を除去するものである。非光硬化部の除去には現像液を用いるのが好ましい。例えば、トリエタノールアミン水溶液などを現像液として用いてスプレー現像、洗浄、乾燥を行う。このように現像液を用いることによって非光硬化部を容易に除去できる。
このような現像処理により、図3(d)に示すように、キャリアフィルム11上には、回路パターンからなるパターン部17と光硬化性塗布層16aの光硬化部からなるマトリックス部16とが実質的に同一厚みで一体化した複合シートA2を形成することができる。
この複合シートA2は、キャリアフィルム11をグリーンシートから剥離することによって、図3(e)に示すようなグリーンシートB単体を得ることができる。
なお、キャリアフィルム11が離型層を具備する3層構造の場合、グリーンシートを有機フィルムから剥離するのが容易になる。その際に、剥離は、有機フィルムと離型層の間、離型層と溶剤吸収層の間、離型層の内部、溶剤吸収層とグリーンシートの間又はこれらの組み合わせ位置において分離することができる。即ち、離型層が有機フィルム側、グリーンシート側、又は両者に付着した状態で、グリーンシートは有機フィルムと分離することができる。
また、キャリアフィルム11を構成する溶剤吸収層(不図示)に粘着性を発現する可塑剤を含有させることによってポリマーからなる樹脂に粘着性を発現させ、有機溶剤を吸収するとともに、接着剤のような粘着性を発現させることができる。従って、溶剤吸収層が粘着性を具備する場合、図3(d)で複合シートA2からキャリアフィルム1を剥離すると、グリーンシートB単体の一方の面(キャリアフィルム1と接していた面)には、図3(f)に示すように、粘着性を示す溶剤吸収層19が付着している。
次に、本発明のセラミック回路基板の製造方法を、図4に示したセラミック回路基板を一例として取り上げて説明する。
図4はセラミック回路基板の構造を示す概略断面図である。図4によれば、セラミック回路基板31が7層の絶縁層31a〜31gから構成され、セラミック回路基板31の表面には表面導体32が形成されている。また、絶縁層31a〜31g間には回路パターン33が形成されている。また31a〜31gにはその厚み方向に回路パターン33間を接続するため、また表面導体32と回路パターン33とを接続するためのビアホール導体34が形成されている。
このようなセラミック回路基板は、上記の複合シートを用いて容易に作製することができる。即ち、まず上述した方法で複合シートを複数作製する。例えば、上記複合シートの第1の製造方法を採用して複合シートを作製する場合を具体的に以下に説明する。
セラミック粉末として、例えば、MgTiOとCaTiOを主成分とするセラミック誘電体粉末を用い、これに周知の有機バインダ及び有機溶剤を添加してなるスラリーを、ドクターブレード法により薄層化し、基板用のグリーンシートを作製する。
一方、有機フィルムの最表面に溶剤吸収層が被覆されてなる本発明のキャリアフィルムの上に、スクリーン印刷により、導体ペーストを用いて回路パターンを直接形成し、キャリアフィルムを剥離し、前記回路パターンを上記基板用のグリーンシート上に転写する。
ここで、導体ペーストは導電性粉末と有機溶剤とを含むが、導電性粉末は、銅粉末、銀粉末、金粉末及びアルミニウム粉末の少なくとも1種を用いることにより、低抵抗で信頼
性を高め、電気回路として消費電力を低減できる。
また、有機溶剤は、α−テルピネオール、2、2、4−トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート、イソホロン、ブチルカルビトールアセテート、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートのうち少なくとも1種であることが好ましい。これらは、溶剤吸収層に適度に吸収され易い。
このように各種の回路パターンが形成されたグリーンシートを複数作製し、これらを積層し、積層成形体を作製する。なお、他の回路パターンの形成されたグリーンシートの他に、回路パターンの形成されていないグリーンシートを用いることも可能であり、また、所望のグリーンシート数を積層することもできる。
また、表面導体の一部および全部をセラミックペーストやガラスペーストで覆って絶縁膜を形成してもよい。その後、積層成形体を一体焼成してセラミック回路基板を得ることができる。このように、転写法を用いて、図4に記載のセラミック回路基板を作製しても、回路パターンが微細で、膜厚が厚く、幅や厚みの精度が良く、断面形状が略四角形状となったセラミック回路基板を得ることができる。
なお、積層に当っては、複数の複合シートから有機フィルムをそれぞれ剥離した後、複数の複合シートを位置合わせして積層し、一度に加圧して積層体を作製することができる。また、他の複合シート及び/又はセラミックグリーンシートと積層して、積層成形体を形成することが好ましい。
また、複合シートを、他の複合シート及び/又はセラミックグリーンシートと積層して、積層成形体を形成する場合、所望の層数、所望の層構成を有する積層成形体を容易に形成することができる。
ここで、キャリアフィルムを構成する溶剤吸収層に粘着性を発現する可塑剤を含有させる場合の一例について、図7を用いて説明する。
図7(a)において、キャリアフィルム21の溶剤吸収層24の上に、スクリーン印刷により、導体ペーストを用いて回路パターン25を直接形成し、複合シートC1を作製する。このキャリアフィルム21は、有機フィルム22の表面に粘着性を発現する可塑剤を含有する溶剤吸収層24を具備してなるため、スクリーン印刷時に、導体ペースト中の有機溶剤が溶剤吸収層24に適度に吸収され、キャリアフィルム21の表面で導体ペーストの滲みやはじきの発生を抑制し、スクリーンマスクの開口部を通過したままの形状、すなわち、幅や厚みの精度がよく、断面形状が略四角形状である回路パターン25の形状を保持することができる。
図7(b)でこの複合シートC1を、回路パターン25がセラミックグリーンシート26と当接するように重ね合せ、回路パターン25をグリーンシート26上に転写する。なお、グリーンシート26にはビアホールに導体ペーストを充填してなるビア導体27を形成していても良い。
転写後に有機フィルム2を剥離すると、図7(c)に示したように、溶剤吸収層24が有機フィルム22から分離し、回路パターン25に密着した状態となる。
このように各種の回路パターンが形成されたグリーンシートを複数作製し、これらを図7(d)に示すように積層して積層成形体を作製する。なお、他の回路パターンの形成されたグリーンシートの他に、回路パターンの形成されていないグリーンシートを用いることも可能であり、また、所望のグリーンシート数を積層することもできる。
なお、上記の複合シートを、図2(b)のような他の複合シート及び/又は回路パターンの形成されてないセラミックグリーンシートと積層して、積層成形体を形成することもでき、また、所望の層数、所望の層構成を設定できる。
このような積層成形体を焼成することによって、図7(e)に示したような回路基板D1を作製することができる。
次に、セラミック回路基板に各種電子部品を備える積層回路部品を作製する方法を、複合シートの第2の製造方法を用いる場合について、図5に示した積層回路部品の製造方法を例として取り上げ、具体的に説明する。図5(a)はセラミック回路基板を用いた積層回路部品を示す斜視図、図5(b)はその概略断面図である。
図5によれば、セラミック回路基板41表面、裏面および内部には、それぞれ平面導体が形成されており、表面の表面導体42には、IC、インダクタ、抵抗、コンデンサなどの電子部品からなるチップ部品44が半田によって実装され、セラミック回路基板41の裏面の裏面導体45は、マザーボードなどに実装するための端子電極として機能するものである。また、内部には、平面導体を形成する配線導体層43同士を接続するビア導体46が形成されている。
このような、セラミック回路基板41の製造方法を、回路パターンからなるパターン部の形状が異なる複合シートA2を作製し、所望の組み合わせで積層し、得られた積層物を焼成して得ることができる。
マトリックス部を形成するセラミックスとしては、(1)Al、AlN、Si、SiCを主成分とする焼成温度が1100℃以上のセラミック粉末、(2)少なくともSiOおよびBaO、CaO、SrO、MgOなどのアルカリ土類金属酸化物を含有する金属酸化物による混合物からなる1100℃以下、特に1050℃以下で焼成されるセラミック粉末、(3)ガラス粉末、あるいはガラス粉末とセラミックフィラー粉末との混合物からなる1100℃以下、特に1050℃以下で焼成される低温焼結性のセラミック粉末、の群から選ばれる少なくとも1種が選択される。
セラミック層に用いられる(2)の混合物や、(3)のガラス組成物としては、SiO−BaO−Al系、SiO−B系、SiO−B−Al系、SiO−Al−アルカリ金属酸化物系、さらにはこれらの系にアルカリ金属酸化物、ZnO、PbO、Pb、ZrO、TiO等を配合した組成物が挙げられる。(3)におけるセラミックフィラーとしては、Al、SiO、フォルステライト、コージェライト、ムライト、AlN、Si、SiC、MgTiO、CaTiO
の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、ガラスに対して20〜80質量%の割合で混合されることが望ましい。
回路パターンからなるパターン部に用いられる導電性粉末は、マトリックス部を形成するセラミック粉末の焼成温度に応じて種々組み合わせられ、例えば、セラミック粉末が前記(1)の場合、タングステン、モリブデン、マンガンの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする導体材料が好適に用いられる。また、低抵抗化のために、銅などとの混合物としてもよい。セラミック粉末が前記(2)の場合、銅、銀、金、アルミニウムの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする導体材料が好適に用いられる。
特に、導電性粉末は、セラミック粉末と同時焼成する上で、セラミック粉末を構成する成分を含有することが望ましい。
本発明によれば、上記の原料粉末を用いて、上述した方法により図3(d)に示したA2と同様にして、本発明の複合シートA11〜A13を作製する。
次に、図6(a)に示すように、これらの複合シートA11〜A13を位置あわせしながら、重ね合わせ一括して圧着することによって積層成形体53を作製する。
複合シートを積層するに当っては、図6(a)及び(b)に示したように、キャリアフィルム51の表面に形成された複合シートA11、A12がお互いに当接するように重ね合わせて積層・圧着する。次いで、図6(c)に示したように、複合シートA12側の有機フィルム51を剥離する。
さらに、図6(d)に示すように、この複合シートA12の表面に、同様にしてキャリアフィルム51の表面に形成された複合シートA13を反転させて積層・圧着し、複合シートA13側のキャリアフィルム51を剥離する(不図示)。これを繰り返すことによって、図6(e)に示すような所望の層数の積層成形体53を形成することができる。なお、最後に最下層にあるキャリアフィルム51を剥離して除去することが好ましい。
なお、圧着時には、複合シートA中に含まれる有機バインダのガラス転移点以上の温度をかけながら行うことが望ましい。また、複合シートA間に有機系接着剤を塗布して圧着してもよい。
一括して積層する場合、すべてキャリアフィルム51を剥がして積層してもよいが、圧着時の最下面と最上面の取り扱いを考慮すれば、最下面と最上面のみは、キャリアフィルム51から剥がすことなく、図6(a)〜(d)に示すように、積層、圧着した後に、キャリアフィルム51を剥がすことによって、図6(e)のような積層成形体53を形成することができる。
そして、この積層成形体53を、所定の温度で焼成することによって、回路パターンによって3次元的な回路が形成された積層回路部品を形成することができる。なお、焼成にあたっては、作製された積層成形体53を脱バインダ工程で、成形体中に含まれている有機バインダ、光硬化可能なモノマーを消失し、焼成工程にて窒素などの不活性雰囲気中で用いられたセラミック粉末および導体材料が十分に焼成することのできる温度で焼成され、相対密度95%以上に緻密化される。
その後、この積層成形体53を焼成することによって、積層回路部品を作製することができる。
本発明によれば、所望のセラミック回路基板の形成のために、上記の複合シートを、10〜300層、特に30〜200層、さらには40〜100層程度積層することによってセラミック回路基板を形成する。
セラミック回路基板において、複合セラミックグリーンシートを焼結して得られた絶縁層の厚みは、それぞれ10〜50μm、特に15〜40μm、さらには15〜30μmであることが好ましく、マトリックス部を焼成してなるセラミック層及び回路パターンを焼成してなるパターン部の厚み差が5μm以下、さらには3μm以下であること、また、厚み差が回路パターンの厚みの20%以下、特に10%以下、さらには、5%以下であることが好ましい。
なお、所望により、表面処理として、さらに、基板表面に厚膜抵抗膜や厚膜保護膜の印刷・焼きつけ、メッキ処理、さらにICチップを含む電子部品44の接合を行うことによってセラミック回路基板41を作製することができる。
また、表面導体42及び裏面導体45は、焼成された積層成形体の表面に、印刷・乾燥し、所定雰囲気で焼きつけを行っても良い。
さらに、セラミック回路基板の表面に形成される表面導体42、裏面導体45の表面には、半田との濡れ性を改善するために、ニッケル、金などのメッキ層が1〜3μmの厚みで形成される。
参考例1)
先ず、MgO、CaO、TiO、B、LiOからなる組成物95質量%、ガラス成分としてホウケイ酸アルカリ土類ガラス5質量%を用い、これにアクリル酸系の有機バインダ、可塑剤、有機溶剤を添加してなるスラリーを、ドクターブレード法により薄層化し、基板用のグリーンシートを作製した。
次に、銀粉末に、バリウムホウ珪酸ガラス及び有機ビヒクルを添加し、これらを攪拌した後、銀粉末及び有機バインダの凝集体がなくなるまで3本ロールミルで混合し、ペースト化し、導体ペーストを作製した。有機ビヒクルは、有機バインダとして、エチルセルロースを5質量部、有機溶剤としてα−テルピネオールを95質量部とから構成し、この有機ビヒクルを、銀粉末100質量部に対して15質量部添加した。
次に、上記のグリーンシートに所定回路網に応じてビアホール導体を形成すべく所定径のビアホールをパンチングによって形成し、上記の導体ペーストをこのビアホールに充填した。
一方、厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム表面に、ポリメタクリル酸ブチルを表1に示す厚みになるようにコートし、転写用のフィルムを作製した。このフィルム表面に、スクリーン印刷法により、上記した導体ペーストを用いて、回路パターンを形成した。
次に、ビアホール導体が形成された上記グリーンシート表面に、上記転写フィルムから回路パターンを転写し、ビアホール導体及び回路パターンの形成された複数のグリーンシートを作製した。これらのグリーンシートを積層して、積層成形体を作製した。
その後、一体的に積層した積層成形体を、大気中400℃で脱バインダ処理し、さらに910℃で焼成し、セラミック回路基板を作製した。
焼成後のセラミック回路基板において、設計上の線幅50μm、厚み16μm、長さ1mmの基板表面に形成された導体に対して、セラミック基板接触部の線幅(ラインの底部幅)、膜厚、及び、ラインの表面部の幅と底部の幅の差(底部幅−表面部幅)を実測した。この結果を表1に記載した。
また、樹脂コート表面に対する、導体ペースト中の溶剤の接触角を、静滴法という方法で測定した。結果を表1に示した。
Figure 0004737958
料No.2〜4は、線幅の設計値50μmと比べるとライン底部幅が53〜56μmと線幅の精度が高く、膜厚が13μm以上と厚く、さらにラインの底部幅と表面部幅の差が22μm以下という断面形状が略四角形状の回路パターンを有するセラミック回路基板が得られた。
一方、フィルム表面に溶剤吸収層のない試料No.1では、ライン底部幅が72μmと精度が低く、膜厚が11μmと薄く、さらにラインの底部幅と表面部幅の差が42μmであり、ペーストの滲み広がりがあって、膜厚が薄くなった。
参考例2)
先ず、厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)からなる光透過可能なフィルム表面に、ポリメタクリル酸ブチルを表2に示す厚みになるようにコートし、キャリアフィルムを作製した。このキャリアフィルム表面に、導体ペーストをスクリーン印刷法により印刷して、厚さ20μmのライン、ビア、端子電極等になる回路パターンを形成した。尚、導体ペーストは、Ag粉末にバリウムホウ珪酸ガラス粉末と、エチルセルロース、有機溶剤としてα−テルピネオールを加え3本ロールミルで混合したものを使用した。
次に、上記回路パターンの上に、感光性スラリーをドクターブレード法により塗布乾燥し、回路パターンの存在しない場所での乾燥後の厚みが28μmとなるように光硬化性塗布層を形成した。
感光性スラリーは、セラミック原料粉末100質量部と、光硬化可能なモノマー(ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート)8質量部と、有機バインダ(アルキルメタクリレート)35質量部と、可塑剤を3質量部、有機溶剤(エチルカルビトールアセテート)に混合し、ボールミルで混練して作製した。
セラミック原料粉末は、0.95モルMgTiO3−0.05モルCaTiO3で表される主成分100質量部に対して、BをB2O3換算で10質量部、LiをLiCO3換算で5質量部添加したものを用いた。
次に、キャリアフィルムの裏面側より光硬化性塗布層の裏面に、超高圧水銀灯(照度30mW/cm2)を光源として2秒間全面露光した。そして希釈濃度2.5%のトリエタ
ノールアミン水溶液を現像液として用いて30秒間スプレー現像を行った。この後、現像後の純水洗浄の後、乾燥し、厚みが20μmの電極層と、厚みが20μmの光硬化性塗布層とが一体化した複合シートを作製した。ここで、回路パターン表面における、セラミック層の残渣の有無を金属顕微鏡(×100)で観察し、その結果を表2に記載した。
同様に、実装用電極導体層用、表面配線導体層用およびビア導体用の回路パターンを具備した延べ50層の複合シートを作製した。
上記のようにして作製した複合シートより、それぞれ有機フィルムを剥離し、順番に位置合わせを行いながら、積層を行った。この後、プレス機を用いて、プレス圧1トン
、温度60℃にて5分間プレスを行い、積層成形体を圧着した。
その後、大気中で300℃、4時間で脱バインダ処理した後、900℃の大気中で6時間焼成を行い、セラミック多層基板を作製した。
焼成後のセラミック回路基板において、実施例1と同様に評価し、その結果を表2に記載した。
Figure 0004737958
料No.6〜8は、線幅の設計値50μmと比べるとライン底部幅が51〜58μmと線幅の精度が高く、膜厚が13μm以上と厚く、さらにラインの底部幅と表面部幅の差が25μm以下で、断面形状が略四角形状の回路パターンを有するセラミック回路基板が得られた。また、光硬化後において導体表面にセラミック層の残渣のないセラミック回路基板が得られた。
一方、フィルム表面に溶剤吸収層のない試料No.1では、ライン底部幅が72μmと精度が低く、膜厚が11μmと薄く、さらにラインの底部幅と表面部幅の差が42μmであり、ペーストの滲み広がりがあって、膜厚が薄くなった。また、光硬化時に、導体表面側にも紫外線が回り込むため、回路パターン表面上のセラミック層が光硬化し、現像後にも残渣となって残った。
まず、参考例1と同様にしてセラミックグリーンシート及び導体ペーストを作製した。なお、有機ビヒクルは、有機バインダとして、エチルセルロースを5質量部、有機溶剤として2・2・4−トリメチル−3・3−ペンタジオールモノイソブチレートを95質量部とから構成し、この有機ビヒクルを、銀粉末100質量部に対して15質量部添加した。
上記のセラミックグリーンシートに所定回路網に応じてビアホール導体を形成すべく所定径のビアホールをパンチングによって形成し、上記の導体ペーストをこのビアホールに充填した。
一方、厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム表面に、ポリ
メタクリル酸ブチルに対して、表1に記載した量の可塑剤を樹脂(ポリマー)に添加して粘着性を付与させた溶剤吸収層として厚み5μmになるようにコートし、転写用のキャリアフィルムを作製した。このフィルム表面に、スクリーン印刷法により、上記の導体ペーストを用いて、導体パターンを形成した。
次に、ビアホール導体が形成された上記セラミックグリーンシート表面に、上記転写フィルムから導体パターンを転写し、ビアホール導体及び導体パターンの形成された複数のセラミックグリーンシートを作製した。なお、転写後には、セラミックグリーンシートの上に導体パターンが形成され、導体パターンの上には、セラミックグリーンシートと略同一の粘着性を有する溶剤吸収層がセラミックグリーンシートと対向するように形成されている。
その後、一体的に積層した積層成形体を、大気中400℃で脱バインダー処理し、さらに910℃で焼成し、セラミック回路基板を作製した。
参考例1と同様の評価を行った。また、セラミックグリーンシートを積層して圧着した場合に密着した場合を○、密着しなかった場合を×とした。結果を表3に示した。
Figure 0004737958
可塑剤を含有する試料No.10〜14は、溶剤吸収層が粘着性を示すため、積層時の密着性が良好だった。
参考例2の試料No.8と同様にしてセラミック回路基板を作製した。なお、溶剤吸収層にはポリメタクリル酸ブチルを樹脂として用い、フタル酸ジオクチルを可塑剤として用いた。その結果、他の複合シートと積層しても溶剤吸収層は粘着性を示し、密着液を用いなくても積層体の密着性が良好だった。
ャリアフィルムの構造を示すもので、(a)は2層構造のキャリアフィルムの概略断面図、(b)は3層構造のキャリアフィルムの概略断面図である。 合シートの構造を示すもので、(a)は回路パターンを具備する複合シートの概略断面図、(b)はグリーンシートを具備する複合シートの概略断面図である。 合シートの製造方法を説明するための工程図である。 ラミック回路基板を示す概略断面図である。 のセラミック回路基板を示すもので、(a)は斜視図、(b)は概略断面図である。 本発明のセラミック回路基板の製造方法における積層方法を説明ための工程図である。 本発明のセラミック回路基板の他の製造方法を説明するための工程図である。
1a、1b、11、31、51・・・キャリアフィルム
2a、2b、12・・・有機フィルム
3b・・・離型層
4a、4b、14・・・溶剤吸収層
15・・・回路パターン
16a・・・光硬化性塗布層
16・・・マトリックス部
17a・・・回路パターン
17・・・パターン部
18・・・隙間
31、41・・・セラミック回路基板
31a〜g・・・絶縁層
32、42・・・表面導体
33・・・回路パターン
34、46・・・ビア導体
43・・・配線導体層
44・・・チップ部品
45・・・裏面導体
53・・・積層成形体
A、A1、A2、A11、A12、A13・・・複合シート

Claims (3)

  1. 有機フィルムの一主面に、有機溶剤を吸収可能であるとともに、可塑剤を含み粘着性を示す溶剤吸収層を有するキャリアフィルムを形成する工程と、
    前記溶剤吸収層の表面に、導電性粉末及び有機溶剤を含む導体ペーストを塗布して回路パターンを形成する工程と、
    前記回路パターンをグリーンシートの表面に転写し、前記有機フィルムを剥離して、前記溶剤吸収層が付着している回路パターン付グリーンシートを形成する工程と、
    前記溶剤吸収層が付着している回路パターン付グリーンシートを積層して、積層成形体を作製する工程と、
    該積層成形体を焼成する工程と、
    を具備することを特徴とするセラミック回路基板の製造方法。
  2. 透光性を有する有機フィルムの一主面に、有機溶剤を吸収可能であるとともに、可塑剤を含み粘着性を示す溶剤吸収層を有するキャリアフィルムを形成する工程と、
    前記溶剤吸収層の表面に、導電性粉末及び有機溶剤を含む導体ペーストを塗布して回路パターンを形成するとともに、光硬化性塗布層を形成した後、前記有機フィルムの他主面から光を照射して前記光硬化性塗布層を硬化させ、しかる後、前記有機フィルムを剥離して、前記溶剤吸収層上に光硬化性塗布層と、前記回路パターンとからなるグリーンシートを有する溶剤吸収層付きグリーンシートを形成する工程と、
    前記溶剤吸収層付きグリーンシートを複数積層して、積層成形体を作製する工程と、
    該積層成形体を焼成する工程と、
    を具備することを特徴とするセラミック回路基板の製造方法。
  3. 前記有機フィルムの一主面に離型層を有するものを用いることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミック回路基板の製造方法
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