JP4061188B2 - 複合シートの製造方法および積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信機等に使用されるセラミック積層部品、積層基板などに適した複合シートや積層体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器は小型軽量化、携帯化が進んでおり、それに用いられる回路ブロックも、小型化、複合モジュール化が押し進められており、セラミック多層基板などの積層部品の高密度化と小型化が進められている。このような動向の中で、高周波モジュールなどに適したセラミック多層基板が、低誘電損失性およびコンデンサ等の受動素子の内蔵化等の特徴から多用されており、さらに小型化を推し進めるため、基板内の特定の一部分に高誘電率層や磁性層を内蔵したセラミック基板の検討が進められている。
【0003】
従来のセラミック多層基板は、通常、グリーンシート法と呼ばれる製造方法により製造されるものである。このグリーンシート法は、絶縁層となるセラミック粉末を含有するスラリーを用いてドクターブレード法などによってグリーンシートを作製し、次に、このグリーンシートにビアホール導体となる位置にNCパンチや金型などで貫通孔を形成し、導体ペーストを用いて、内部や表面の配線のパターンを印刷するとともに、前記貫通孔に導体ペーストを充填してビアホール導体を形成した後、同様にして作製した複数のグリーンシートを積層し、この積層体を一括同時焼成する製造方法である。
【0004】
このグリーンシート法において高誘電率層や磁性層などの機能性セラミック層を内蔵するには、絶縁性のグリーンシート以外に、高誘電性セラミック材料や、磁性セラミック材料などを用いて別途グリーンシートを作製し、これを絶縁性のグリーンシートと積層するか(特に、特許文献1、2参照)、または、絶縁性グリーンシートの所定箇所にNCパンチや金型などで凹部を形成し、高誘電率セラミックペーストや磁性セラミックペーストを充填して形成することも検討されている(特に、特許文献3参照)。
【0005】
また、グリーンシート法においても、高精度化、さらには高密度化への要求に対して、絶縁層である配線導体層間の絶縁層厚みの薄層化とともに、配線導体層については低損失、低抵抗値を実現するため、配線導体層の厚みを厚くすることが求められている。
【0006】
ところが、従来のグリーンシート法などの製造方法においては、この絶縁層厚みの薄層化と配線導体層の厚膜化という、2つの要求を同時に満たそうとすると、配線導体層が形成されている部分と形成されていない部分とで、配線導体層の厚み分の段差が必然的に発生してしまう。
【0007】
この段差によって、積層不良(デラミネーション)が発生したり、無理に加圧して段差を埋めたとしても絶縁層に部分的な密度差が生じて、焼成後に変形するといった問題があり、絶縁層厚みの薄層化と配線導体層の厚みの厚膜化を同時に満たすには、限界があった。
【0008】
また、ビア導体などの垂直導体を形成するためには、グリーンシートに対してパンチングなどによって貫通孔を形成する穴あけ工程が不可欠であり、配線導体層を形成する印刷工程に対して付加的な工程となっていた。
【0009】
このような配線導体層の厚みによる段差の形成を抑制するための1つの手段として、キャリアフィルム上に、光硬化性セラミック材料からなるスラリーを塗布して絶縁層を形成し、この絶縁層に所定のパターンに露光、現像することによって開口を形成し、この開口内に導電性ペーストを充填する。また、その表面に、上記と同様に、光硬化性セラミック絶縁層形成、露光、現像、導体ペースト充填を繰り返すことによって、導体による段差の形成のない多層基板を形成することが特許文献4にて提案されている。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−185147
【特許文献2】
特開2002−290053
【特許文献3】
特開平11−97854号
【特許文献4】
特開平9−181450号
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献4記載の方法によれば、実質的には、回路形成を1層ごと順次行う必要がある、つまり工程数が非常に多くしかも工程を並列して行うことが不可能であるために、製造に長時間を要するものであった。しかも、開口への導体ペースト充填にあたっては、所定のスクリーンと開口とを精度よく位置合わせする必要があった。さらに、開口への導体ペーストの充填にあたり、ビアなどの小さな径や、線幅の小さいパターン形成用の貫通孔へのペーストの充填が不十分となりやすく、貫通孔内でペーストが充填されない巣が形成されやすいなども問題があった。
【0012】
また、高誘電率層や磁性層を設ける場合においても、特許文献1、2のように高誘電率グリーンシートや磁性グリーンシートを形成する方法では、多層回路基板の特定の層をすべて高誘電率化、または磁性層化されるために、例えばコンデンサを形成した部分以外の必要のない部分まで高誘電率化されるため、配線導体層を形成することができず、回路設計が大きく制約されてしまうという問題があった。
【0013】
特許文献3のように凹部内に、高誘電率材料ペーストや磁性材料ペーストを充填する場合、セラミックペースト中には、溶剤などが含まれているために、ペーストが乾燥した後にセラミックグリーンシート表面とペースト充填面とに段差が生じやすく、その結果、多層構造とした際に積層不良等が発生する等の問題があった。また、セラミックペースト充填部とセラミックグリーンシートとは、成形密度が異なるために、焼成収縮率を一致させる事が難しく、その結果、接合部分に空隙が発生する等の課題もあった。
【0014】
従って、本発明は、絶縁層厚みの薄層化と配線導体層の厚みの厚膜化を同時に満たすとともに、高誘電層や磁性体層を基板内に精度よく形成することの出来る複合シートの製造方法を提供すること、さらには、平面導体と垂直導体による3次元的な回路を簡略な方法で形成することのできる積層体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の複合シートの製造方法は、(a)光透過可能なキャリアフィルム表面に、所定のパターンの導体層を形成するとともに、機能性セラミックペーストを塗布して、所定パターンの機能性セラミック層を形成する工程と、(b)前記機能性セラミック層および前記導体層を形成したキャリアフィルム上に、少なくとも光硬化可能なモノマー、光重合開始剤、およびセラミック材料を含有する光硬化スラリーを、前記機能性セラミック層および前記導体層の厚さ以上の厚さに塗布して光硬化性セラミック層を形成する工程と、(c)前記キャリアフィルムの裏面より、光を照射して、前記光硬化性セラミック層の前記機能性セラミック層の上および前記導体層の上以外の領域を光硬化させる工程と、(d)現像液を付与して、前記光硬化性セラミック層の前記機能性セラミック層の上および前記導体層の上に形成された非光硬化部を溶化、除去することによって、光硬化性セラミック層と機能性セラミック層と導体層からなる複合シートを作製する工程と、を具備することを特徴とするものである。また前記(d)工程後に、(e)前記キャリアフィルムから、前記複合シートを剥離する工程を具備してもよい。なお、前記光硬化性セラミック層および前記導体層及び前記機能性セラミック層の厚みがすべて50μm以下であることが望ましい。
【0018】
また、本発明の積層体の製造方法としては、(1a)光透過可能なキャリアフィルム表面に、機能性セラミックペーストを塗布して、所定パターンの機能性セラミック層を形成する工程と、(1b)前記機能性セラミック層を形成したキャリアフィルム上に、少なくとも光硬化可能なモノマー、光重合開始剤、およびセラミック材料を含有する光硬化スラリーを、前記機能性セラミック層の厚さ以上の厚さに塗布して光硬化性セラミック層を形成する工程と、(1c)前記キャリアフィルムの裏面より、光を照射して、前記光硬化性セラミック層の前記機能性セラミック層の以外の領域を光硬化させる工程と、(1d)現像液を付与して、前記光硬化性セラミック層の前記機能性セラミック層の上に形成された非光硬化部を溶化、除去することによって、光硬化性セラミック層と機能性セラミック層とを具備する第1の複合シートを作製する工程と、(2a)光透過可能なキャリアフィルム表面に、所定パターンの導体層を形成する工程と、(2b)前記導体層を形成したキャリアフィルム上に、少なくとも光硬化可能なモノマー、光重合開始剤、およびセラミック材料を含有する光硬化スラリーを、前記導体層の厚さ以上の厚さに塗布して光硬化性セラミック層を形成する工程と、(2c)前記キャリアフィルムの裏面より、光を照射して、前記光硬化性セラミック層の前記導体層の以外の領域を光硬化させる工程と、(2d)現像液を付与して、前記光硬化性セラミック層の前記導体層の上に形成された非光硬化部を溶化、除去することによって、光硬化性セラミック層と導体層とを具備する第2の複合シートを作製する工程と、(e)前記第1の複合シートと、前記第2の複合シートとを積層する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0019】
なお、第1の複合シートおよび第2の複合シートは、いずれもキャリアフィルムを剥した後に、積層処理してもよいし、キャリアフィルム上に形成された第1の複合シートの表面に、第2の複合シートを積層後、第2の複合シート側のキャリアフィルムを剥がして積層してもよい。なお、上記の工程に引き続き、前記積層体を焼成することによって、焼結された積層体を作製することができる。
【0021】
本発明によれば、上記複合シートを用いて、機能性セラミック層および/または導体層が形成された他の複合シートと積層処理することによって、機能性セラミック層を任意の箇所に内蔵した多層回路基板などに適した積層体を作製することができる。
【0022】
また、導体層は、絶縁性セラミック層や機能性セラミック層と同一厚みに埋め込まれているために、これを積層しても導体層による段差が形成されることがなく、しかも、この導体層が上方に積層されるように複合シートを積層することによって従来ような貫通孔への導体ペースト充填によらず、積層体内に3次元的な導体網を形成することができる。しかも、これらの厚みが50μm以下とすることによって、微細な回路を自在に形成することが可能となる。
【0023】
また、本発明の製造方法においては、絶縁性セラミック層の形成にあたり、キャリアフィルム上に形成された導体層や機能性セラミック層自体をマスクとして用い、光硬化性セラミック層の全面塗布と、キャリアフィルムの裏面からの全面露光によって形成することができるために、マスクなどを使用する必要がなく、安価に且つ容易に光硬化性セラミック絶縁層と機能性セラミック層や導体層を具備する複合シートを作製することができる。
【0024】
しかも、このような複合シートの製造は、各層ごとに平行して作製することができることから、必要な層数の複合シートを作製した後に、それらを一括して積層後、焼成すれば、大幅に工程を簡略化することができる。
【0025】
このように、本発明によれば、積層時に導体層の厚み分の段差が発生することがなく、デラミネーションの発生や、無理な加圧による変形などの問題も無く、容易に導体層間の絶縁層の厚みの薄層化と、導体層の厚みの厚膜化を両立することができるとともに、高誘電率層や磁性層などの機能性セラミック層を精度よく任意の箇所に形成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の製造方法により製造された積層部品の一例として、一般的なセラミック多層回路基板の(a)概略斜視図、(b)概略断面図を示した。
【0027】
図1のセラミック多層回路基板1によれば、セラミック焼結体からなる絶縁基板2の表面、裏面および内部には、平面導体となる配線導体層3が形成されている。また、表面に形成された配線導体層3にはインダクタ、抵抗、コンデンサなどのチップ部品4が半田によって実装されている。また、絶縁基板2の内部には、機能性セラミック層6が形成されている。例えば、図1では、高誘電率層が形成されており、その上下面にコンデンサ電極層7、7が形成されている。なお、裏面の配線導体層3は、マザーボードなどに実装するための端子電極として機能するものである。また、絶縁基板2の内部には、上記平面導体を形成する配線導体層3同士を接続するビア導体5が形成されている。
【0028】
本発明における上記セラミック多層回路基板1は、厚みが50μm以下の絶縁性セラミック層2bの一部に配線導体層3および機能性セラミック層6が絶縁性セラミック層2bを貫通して形成された複合体A、さらには、複合体A以外の厚みが50μm以下の絶縁性セラミック層2bの一部に配線導体層3が、絶縁性セラミック層2bを貫通して形成された複合体との積層体によって構成されている。
【0029】
より具体的には、絶縁性セラミック層2b、機能性セラミック層6、配線導体層3の厚みは、いずれも10〜50μm、特に15〜40μm、さらには15〜30μmの薄層によって形成されていることが望ましく、絶縁性セラミック層2b、配線導体層3の厚み差が絶縁性セラミック層2bの厚みの20%以下、特に10%以下、さらには、5%以下であることが、または厚み差が5μm以下、さらには3μm以下であることによって、絶縁性セラミック層2b、配線導体層3、機能性セラミック層6の個々の厚みによる段差の発生が抑制される。
【0030】
また、配線導体層3は、絶縁性セラミック層2bの平面方向に延設することによって平面回路を形成している。また、部分的に配線導体層3が厚み方向に積み上げられることにより配線導体層3間を垂直方向に接続するビア導体5を形成している。
【0031】
本発明によれば、所望の回路形成のために上記の多層回路基板1においては、10〜300層、特に30〜200層、さらには40〜100層程度の複合体により積層されて形成される。
【0032】
上記のセラミック多層回路基板1における絶縁基板2を形成するセラミック材料としては、(1)Al23、AlN、Si34、SiCを主成分とする焼成温度が1100℃以上のセラミック材料、(2)少なくともSiO2およびBaO、CaO、SrO、MgOなどのアルカリ土類金属酸化物を含有する金属酸化物による混合物からなる1100℃以下、特に1050℃以下で焼成されるセラミック材料、(3)ガラス粉末、あるいはガラス粉末とセラミックフィラー粉末との混合物からなる1100℃以下、特に1050℃以下で焼成される低温焼結性のセラミック材料の群から選ばれる少なくとも1種が選択される。
【0033】
用いられる(2)の混合物や、(3)のガラス組成物としては、SiO2−BaO−Al23系、SiO2−B23系、SiO2−B23−Al23系、SiO2−Al23−アルカリ金属酸化物系、さらにはこれらの系にアルカリ金属酸化物、ZnO、PbO、Pb、ZrO2、TiO2等を配合した組成物が挙げられる。(3)におけるセラミックフィラーとしては、Al23、SiO2、フォルステライト、コージェライト、ムライト、AlN、Si34、SiC、MgTiO3、CaTiO3の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、ガラスに対して20〜80質量%の割合で混合されることが望ましい。
【0034】
一方、配線導体層3は、絶縁基板2と同時焼成して形成するために、絶縁基板2を形成するセラミック材料の焼成温度に応じて種々組み合わせられ、例えば、セラミック材料が前記(1)の場合、タングステン、モリブデン、マンガンの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする導体材料が好適に用いられる。また、低抵抗化のために、銅などとの混合物としてもよい。
【0035】
セラミック材料が前記(2)の場合、銅、銀、金、アルミニウムの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする導体材料が好適に用いられる。
【0036】
上記の導体材料には、セラミック材料と同時焼成する上で、セラミック材料を構成する成分を含有することが望ましい。
【0037】
また、機能性セラミック層6は、その目的により種々変更されるが、絶縁性セラミック層2bと機能性セラミック層6とは、実質的に同じ焼成温度で焼成される。
【0038】
例えば、絶縁性セラミック層2bと機能性セラミック層6をいずれも1100℃を超える温度、特に1200℃以上の温度で焼成可能なセラミック材料によって形成する。
【0039】
具体的には、絶縁性セラミック層2bを、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、フォルステライトの群から選ばれる少なくとも1種によって形成した場合、機能性セラミック層6は、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、フォルステライト、ムライト、フォルステライト、エンスタタイト、シリカ、コーデイエライトの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とし、必要に応じて、低誘電率化、高誘電率化、磁性体化するためのセラミックスや金属成分を添加してなり、且つ絶縁性セラミック層2bと同じ焼成温度で可能なセラミック材料によって形成することが望ましい。
【0040】
また、上記絶縁性セラミック層2bの場合、配線導体層3は、タングステン、モリブデン、マンガンの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とするメタライズ材料によって形成される。
【0041】
一方、絶縁性セラミック層2bと機能性セラミック層6を、いずれも1100℃以下、特に1050℃以下の温度で焼成可能なセラミック材料によって形成する。具体的には、ガラス、またはガラスと無機フィラーとの混合物を出発原料とするセラミック材料(以下、総称してガラスセラミック材料という。)、または少なくともSiO2を含む複数種の金属酸化物の混合物を出発原料とする公知の低温焼成磁器組成物を用いることができる。
【0042】
用いられるガラス成分としては、少なくともSiO2を含み、Al23、B23、ZnO、PbO、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物のうちの少なくとも1種以上を含有したものであって、例えば、SiO2−B23系、SiO2−B23−Al23−MO系(但し、MはCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す)等のホウケイ酸ガラス、アルカリ珪酸ガラス、Ba系ガラス、Pb系ガラス、Bi系ガラス等が挙げられる。
【0043】
これらのガラスは焼成処理することによっても非晶質ガラスであるもの、また焼成処理によって、アルカリ金属シリケート、クォーツ、クリストバライト、コージェライト、ムライト、エンスタタイト、アノーサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ディオプサイド、イルメナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種を析出するものが用いられる。
【0044】
また、セラミックフィラーとしては、クォーツ、クリストバライト等のSiO2や、Al23、ZrO2、ムライト、フォルステライト、エンスタタイト、スピネル、マグネシアの群から選ばれる少なくとも1種が好適に用いられる。
【0045】
上記ガラス粉末とセラミック粉末とを、特に、ガラス成分10〜90重量%、特に50〜80重量%と、セラミックフィラー成分10〜90重量%、特に20〜50重量%の割合で混合したものが好適に用いられる。
【0046】
縁性セラミック層2bと機能性セラミック層6とは、ガラスおよび/またはフィラーが、異なる材料によって形成される。具体的には、低誘電率セラミック層を形成する場合、低誘電率のガラス、または低誘電率のシリカ、コージェライト、エンスタタイトの群から選ばれる少なくとも1種のフィラーを含有するガラスセラミック材料によって形成することが望ましい。
【0047】
また、具体的には、高誘電率セラミック層を形成する場合、フィラーとしてBaTiO3,LaTiO3などのチタン酸塩を含有するガラスセラミック材料によって形成することが望ましい。
【0048】
また、機能性セラミック層6を磁性材料によって形成する場合には、少なくとも鉄族元素を含有する化合物を含有するガラスセラミック材料によって形成することが望ましい。
【0049】
なお、上記絶縁性セラミック層2bと機能性セラミック層6を上記低温で焼成可能なセラミック材料によって形成する場合、配線導体層3は、Cu,Ag,Alの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とするメタライズ材料によって形成される。
【0050】
上記のようなセラミック多層回路基板1などの積層部品の形成するにあたり、本発明によれば、まず、図2(a)に示すような少なくともセラミック材料と、有機樹脂とを含有する厚みが50μm以下の絶縁性セラミック層2aの一部に、機能性セラミック層(以下、単に機能性セラミック層という。)6aおよび導体層3aが、前記絶縁性セラミック層2aを貫通して形成された複合シートaを作製する。
【0051】
また、本発明によれば、必要に応じて複合シートaと、図2(b)に示すような、少なくともセラミック材料と、有機樹脂とを含有する厚みが50μm以下の絶縁性セラミック層2aの一部に、導体層3aが、前記絶縁性セラミック層2aを貫通して形成された複合シートbを作製する。
【0052】
また、場合によっては、図2(c)に示すような、少なくともセラミック材料と、有機樹脂とを含有する厚みが50μm以下の絶縁性セラミック層2aの一部に、機能性セラミック層6aが、前記絶縁性セラミック層2aを貫通して形成された複合シートcを用いる場合もある。
【0053】
この複合シートa、b、cにおける絶縁性セラミック層2a、導体層3a、及び機能性セラミック層6aの厚みは、いずれも10〜50μm、特に15〜40μm、さらには15〜30μmの薄層によって形成されており、絶縁性セラミック層2a、導体層3aおよび機能性セラミック層6aの厚み差が絶縁性セラミック層2aの厚みの20%以下、特に10%以下、さらには、5%以下であることが、または厚み差が5μm以下、さらには3μm以下であることによって、絶縁性セラミック層2a、導体層3a及び機能性セラミック層6aの個々の厚みによる段差の発生が抑制される。
【0054】
かかる複合シートa、bを形成する絶縁性セラミック層2a中のセラミック材料は、前記絶縁基板2を形成するセラミック材料と同じであり、且つ導体層3a中の導体材料は、前記配線導体層3を形成する導体材料と同じである。
【0055】
この複合シートa、bを作製するにあたり、まず、絶縁性セラミック層2aを形成するために、少なくとも光硬化可能なモノマーおよび前述したセラミック材料を含有する光硬化スラリーを調製する。スラリー調製にあたっては、望ましくは、前記セラミック材料に、光硬化可能なモノマーと、光重合開始剤と、有機バインダと、可塑剤とを、有機溶剤に混合し、ボールミルで混練して調製する。
【0056】
光硬化成分としては、光硬化可能なモノマーや光重合開始剤などが挙げられる。光硬化可能なモノマーとしては、低温で短時間の焼成工程に対応するために、熱分解性に優れたものであることが望ましい。また、光硬化可能なモノマーは、スリップ材の塗布・乾燥後の露光によって光重合される必要があり、遊離ラジカルの形成、連鎖生長付加重合が可能で、2級もしくは3級炭素を有したモノマーが好ましく、例えば少なくとも1つの重合可能なエチレン系基を有するブチルアクリレート等のアルキルアクリレートおよびそれらに対応するアルキルメタクリレート等が挙げられる。また、テトラエチレングリコールジアクリレート等のポリエチレングリコールジアクリレートおよびそれらに対応するメタクリレートも有効である。また、光重合開始剤としては、ベンゾフェノン類,アシロインエステル類化合物などが挙げられる。
【0057】
また、有機バインダも、光硬化可能なモノマーと同様に熱分解性が良好であることが望まれ、同時にスリップの粘性を決めるものであるため、固形分との濡れ性も考慮することが必要である。本発明によれば、アクリル酸もしくはメタクリル酸系重合体のようなカルボキシル基、アルコール性水酸基を備えたエチレン性不飽和化合物が好ましい。
【0058】
有機溶剤としては、エチルカルビトールアセテート、ブチルセルソルブ、3メトキシブチルアセテートの群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0059】
各成分の含有量は、セラミック粉末100質量部あたり、光硬化モノマー及び光重合開始剤を5〜20質量部、有機バインダを10〜40質量部、可塑剤を1〜5質量部、有機溶剤を50〜100質量部の割合が適当である。
【0060】
次に、導体層3aを形成するための導体ペーストを調製する。導体ペーストは、平均粒径が1〜3μm程度の前記導体材料の粉末に、必要に応じてセラミック材料を添加した無機成分に対して、エチルセルロース、アクリル樹脂などの有機バインダを加え、さらにジブチルフタレート、αテルピネオール、ブチルカルビトール、2・2・4−トリメチル−3・3−ペンタジオールモノイソブチレートなどの適当な溶剤を混合し、3本ロールミル等により均質に混練して調製される。
【0061】
各成分の含有量は、セラミック粉末100質量部あたり、光硬化モノマー及び光重合開始剤を5〜20質量部、有機バインダを10〜30質量部、可塑剤を1〜5質量部、有機溶剤を50〜100質量部の割合が適当である。
【0062】
また、機能性セラミック層6aを形成するための機能性セラミックペーストは、所定の機能性セラミック材料組成物に対して、エチルセルロース、アクリル樹脂などの有機バインダを加え、さらにジブチルフタレート、αテルピネオール、ブチルカルビトール、2・2・4−トリメチル−3・3−ペンタジオールモノイソブチレートなどの適当な溶剤を混合し、3本ロールミル等により均質に混練して調製される。
【0063】
次に、上記の光硬化スラリー、導体ペーストおよび機能性セラミックペーストを用いて以下の工程によって、複合シートを形成する。
【0064】
まず、図3(a)に示すように、樹脂フィルムなどからなる光透過可能なキャリアフィルム10上に、前記導体ペーストをスクリーン印刷法などの一般的な印刷手法によって印刷、塗布して、光非透過性の所定の導体層11を形成する。また、機能性セラミックペーストをスクリーン印刷法などの一般的な印刷手法によって印刷、塗布して、機能性セラミック層12を形成する。前記導体層11と機能性セラミック層12は、どちらを先に形成してもかまわない。
【0065】
次に、図3(b)に示すように、前記光硬化スラリーを、例えばドクターブレード法にて前記導体層11および機能性セラミック層12の厚さ以上の厚さに塗布して所定の厚みで全面に塗布して光硬化性セラミック層13を形成する。
【0066】
そして、図3(c)に示すように、キャリアフィルム10の裏面より例えば超高圧水銀灯を光源として用いて露光を行う。この露光によって、導体層11および機能性セラミック層12形成以外の領域の光硬化性セラミック層13を光硬化させる。この露光工程においては、光硬化性セラミック層13は、導体層11及び機能性セラミック層12形成以外の領域の光硬化性セラミック層13aでは照射された光の量により裏面から一定の厚みまで光重合反応がおこり不溶化部を形成するが、導体層11および機能性セラミック層12は紫外線を通過しないために、導体層11上および機能性セラミック層12上に形成されている光硬化性セラミック層13bは、光硬化可能なモノマーの光重合反応がおこらない溶化部となる。また、このときの露光量は、実質的に不溶化部の厚みが、導体層11及び機能性セラミック層12の厚みと同じになるように露光量が調整されることが望ましい。
【0067】
その後、この光硬化性セラミック層13全体を現像処理する。現像処理は、光硬化性セラミック層13の溶化部を現像液で除去するもので、具体的には、例えば、トリエタノールアミン水溶液などを現像液として用いてスプレー現像、洗浄、乾燥を行う。この処理により、図3(d)に示すように、キャリアフィルム10上には、導体層11と機能性セラミック層12と光硬化性セラミック層13とが実質的に同一厚みで一体化した複合シートaが形成される。
【0068】
なお、キャリアフィルム10から複合シートaを剥離することによって、図2(a)に示すような複合シートa単体を得ることができる。
【0069】
また、図2(b)の複合シートbは、前記複合シートaの製造方法において導体層11のみを形成する以外は、全く同様にして作製される。また、図2(c)の複合シートcは、前記複合シートaの製造方法において機能性セラミック層12のみを形成する以外は、全く同様にして作製される。
【0070】
次に、この複合シートaを用いて図1のセラミック多層回路基板のような積層部品を製造する方法について以下に説明すると、まず、前記図3(a)〜(d)に従い、所定のパターンの導体層11と機能性セラミック層12と光硬化性セラミック層13とが形成された複数の複合シートa1,a2を作製する。また、光硬化性セラミック層13と所定のパターンの導体層11が形成された複数の複合シートb1〜b12を作製する。
【0071】
そして、図4(a)に示すように、これらの複合シートa1、a2、b1〜b12を位置あわせしながら、重ね合わせ一括して圧着することによって積層体14を形成する。なお、圧着時には、複合シートa中の有機バインダのガラス転移点以上の温度をかけながら行なうことが望ましい。また、複合シート間に有機系接着剤を塗布して圧着してもよい。
【0072】
なお、一括して積層する場合、すべてキャリアフィルム10を剥がして積層してもよいが、圧着時の最下面と最上面の取り扱いを考慮すれば、最下面と最上面のみは、キャリアフィルム10から剥がすことなく、図4(a)に示すように、積層、圧着した後に、キャリアフィルム10を剥がすことによって、図4(b)のような積層体14を形成することができる。
【0073】
そして、この積層体14を、所定の温度で焼成することによって、導体層11によって3次元的な回路が形成された積層部品を形成することができる。なお、焼成にあたっては、作製された積層体14を脱バイ工程で、成形体中に含まれている有機バインダ、光硬化可能なモノマーを焼失し、焼成工程にて窒素などの不活性雰囲気中で、用いられた絶縁性セラミック材料、機能性セラミック材料および導体材料が十分に焼成することのできる温度で焼成され、前記セラミック層は相対密度95%以上に緻密化される。
【0074】
また、積層部品を製造する他の方法としては、図5(a)(b)(c)に示すように、キャリアフィルム10の表面に形成された複合シートb12の表面に、キャリアフィルム10の表面に形成された複合シートb11を反転させて積層圧着し、複合シートb11側のキャリアフィルム10を剥離する。
【0075】
次に、図5(d)に示すように、この複合シートb11の表面に、同様にしてキャリアフィルム10の表面に形成された複合シートb10を反転させて積層圧着し、複合シートb10側のキャリアフィルム10を剥離する。これを繰り返すことによって、所望の総数の積層体14を形成することができる。その後、この積層体14を前記と同様にして焼成することによって、積層部品を作製することができる。
【0076】
また、必要に応じて、表面処理として、さらに、基板表面に厚膜抵抗膜や厚膜保護膜の印刷・焼きつけ、メッキ処理、さらにICチップを含む電子部品4の実装を行う。
【0077】
なお、表面の導体層3は、焼成された積層体14の表面に、印刷・乾燥し、所定雰囲気で焼きつけを行っても良い。
【0078】
また、セラミック多層回路基板の表面に形成される表面導体層3、端子電極9の表面には、半田との濡れ性を改善するために、ニッケル、金などのメッキ層が1〜3μmの厚みで形成される。
【0079】
さらに、図1(b)に示したように、絶縁基板2内に形成される機能性セラミック層6を高誘電率セラミックスによって形成し、コンデンサとして機能させる場合には、図4に記載されるように、所定のパターンの導体層11と機能性セラミック層12と光硬化性セラミック層13とが形成された複数の複合シートa1、a2の上下面に、光硬化性セラミック層13と所定のパターンの導体層11が形成された複合シートb3、b4、b7、b8を積層することで、導体層11、11をコンデンサ電極層7、7として機能させることができる。
【0080】
【実施例】
実施例1
先ず、厚さ100μmのPET(ポリエチルテレフタレート)からなる光透過可能なキャリアフィルム上に、導体ペーストをスクリーン印刷法により印刷して、厚さ20μmの配線導体層となる導体層を形成した。尚、導体ペーストは、Ag粉末にバリウムホウ珪酸ガラス粉末と、セルロース、有機溶剤を加え3本ロールミルで混合したものを使用した。
【0081】
続いて、キャリアフィルム上に、誘電体ペーストをスクリーン印刷法により印刷して、厚さ20μmの高誘電率層となる誘電体層パターンを形成した。尚、誘電体ペーストは、0.95モルMgTiO3−0.05モルCaTiO3で表される主成分100質量部に対して、BをB23換算で10質量部、LiをLiCO3換算で5質量部添加した組成からなるセラミック材料(比誘電率:18.4)を100質量部に対して、エチルセルロース2質量部、有機溶剤として2・2・4−トリメチル−3・3−ペンタジオールモノイソブチレートを10質量部の割合で添加混合し、3本ロールミルで混合したものを使用した。
【0082】
次に、上記導体層および誘電体層の上に、感光性スラリーをドクターブレード法により塗布乾燥し、導体パターンの存在しない場所での乾燥後の厚みが28μmとなるように光硬化性セラミック層を形成した。
【0083】
感光性スラリーは、セラミック原料粉末100質量部と、光硬化可能なモノマー(ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート)8質量部と、有機バインダ(アルキルメタクリレート)35質量部と、可塑剤を3質量部、有機溶剤(エチルカルビトールアセテート)20質量部に混合し、ボールミルで混練して作製した。
【0084】
セラミック原料粉末は、SiO2−Al23−MgO−ZnO−BaO−B23のガラス粉末82質量%と、SiO218質量%の組成のセラミック材料(比誘電率:6.5)を用いた。
【0085】
次に、キャリアフィルムの裏面側より光硬化性セラミック層の裏面に、超高圧水銀灯(照度30mW/cm2)を光源として2秒間全面露光した。そして希釈濃度2.5%のトリエタノールアミン水溶液を現像液として用いて30秒間スプレー現像を行った。この後、現像後の純水洗浄の後、乾燥を行った。
【0086】
こうして、出来上がった光硬化性セラミック層は、導体層及び誘電体層上の溶化部が現像により除去され導体層および誘電体層が露出して、その結果、厚みが20μmの導体層と、厚みが20μmの光硬化性セラミック層と、厚みが20μmの誘電体層とが一体化した複合シートを作製することができた。
【0087】
また、上記と同様にして、厚みが20μmの導体層と、厚みが20μmの光硬化性セラミック層とが一体化した複合シートを作製した。
【0088】
同様に、内部配線導体層用、表面配線導体層用およびビア導体用、機能性セラミック層形成用の延べ50層の複合シートを作製した。
【0089】
上記のようにして作製した複合シートより、それぞれキャリアフィルムを剥離し、順番に位置合わせを行いながら、積層を行った。この後、プレス機を用いて、プレス圧1トン、温度60℃にて5分間プレスを行い、積層体を圧着した。この時、2層を誘電体層を含む複合シートを使用し、残りを誘電体層を含まない複合シートを使用した。
【0090】
その後、大気中で300℃で4時間で脱バインダ処理した後、900℃大気中で6時間焼成を行い、セラミック多層回路基板を作製した。
【0091】
作製した多層回路基板については、導体層や誘電体層自体の厚みによる段差は全くなく、層間のデラミネーションもなかった。また、配線導体層間の接続にあたり、導体層を3層以上垂直方向に積層することによって、ビア導体を形成したが、このビア導体を含む回路における電気的接続についても全く問題は無かった。また、導体層や誘電体層中には全く巣などの発生も認められなかった。なお、誘電体層の上下に形成した電極層間には、5pFの静電容量が得られた。
【0092】
実施例2
実施例1に従い、内部配線導体層用、表面配線導体層用およびビア導体用、機能性セラミック層形成用の延べ70層の複合シートを作製した。
【0093】
図5の方法に従い、まず電極用の複合シート上に、ビア導体用の複合シートをキャリアフィルムごと反転させて、複合シート同士を接触させて、位置合わせを行いながら載置した。続いて、プレス機を用いて、プレス圧1トン、温度60℃にて1分間プレスを行い、前記電極用の複合シート上とビア導体用の複合シートとを圧着した後、ビア導体用の複合シート側のキャリアフィルムを剥離した。
【0094】
続いて、再び別のビア導体用複合シート、内部配線導体層用の複合シート、表面配線導体層用、機能性セラミック層用の複合シートを同じように反転させて、位置合わせを行いながら載置し、プレス機を用いて順次圧着した。
【0095】
その後、大気中で300℃で4時間で脱バインダ処理した後、900℃大気中で6時間焼成を行い、多層回路基板を作製した。
【0096】
作製した多層回路基板については、導体層自体の厚みによる段差は全くなく、絶縁層間のデラミネーションもなかった。また、配線導体層間の接続にあたり、導体層を3層以上垂直方向に積層することによって、ビア導体を形成したが、このビア導体を含む回路における電気的接続についても全く問題は無かった。また、導体層や機能性セラミック層中には、全く巣の発生が認められなかった。なお、誘電体層の上下に形成した電極層間には、5pFの静電容量が得られた。
【0097】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、複合シートが導体層と絶縁性セラミック層、機能性セラミック層とが実質的に同一厚みで導体層が絶縁性セラミック層を貫通して設けられているために、導体層自体の厚みによる段差が発生せず、デラミネーションの発生や、無理な加圧による変形などの問題が無く、絶縁性セラミック層の厚みの薄層化とともに、配線導体層の厚膜化を同時に行なうことができる。
【0098】
しかも、実質的に同一厚みで導体層が絶縁性セラミック層を貫通して設けられているために、ビア導体や配線導体層の形成をすべて一般的な導体ペーストの印刷によって形成することができるために、従来のような貫通孔内へのぺーストの充填不良などによる巣の発生を防止することができる。
【0099】
さらには、複合シート形成にあたり感光性スラリを用い、しかも印刷塗布された導体層や機能性セラミック層をマスクとして利用しているために、格別なマスクを作製する必要がなく、しかも各層の形成を平行的に行うことができるために、製造コストの低減を図ることができるとともに、再現よく導体層、機能性セラミック層とセラミック層とが一体化した複合シートを作製することができる。
【0100】
また、積層部品を作製するにあたり、配線導体層のみならず、ビア導体を複合シートによる積層によって導体層を積み上げることで形成することができるために、従来のような貫通孔形成、導体ペースト充填によるビア導体の形成が不要となり、単純に複合シートの一括積層、あるいは逐次積層のみで、多層回路基板などに好適な、3次元的な導体網を有する積層部品を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法により製造された積層部品の一例としてセラミック多層回路基板の(a)概略斜視図と、(b)その概略断面図を示す。
【図2】 本発明の製造方法により製造された複合シートを説明するための概略断面図である。
【図3】 本発明の複合シートの作製方法を説明するための工程図である。
【図4】 本発明の積層部品を作製する方法を説明するための工程図である。
【図5】 本発明の積層部品を作製する他の方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
A 複合シート
1 セラミック多層回路基板
2 絶縁基板
2a、2b セラミック層
3 配線導体層
4 チップ部品
5 ビア導体
6 機能性セラミック層
11、3a 導体層
12、6a 機能性セラミック層
13、2a セラミック層

Claims (6)

  1. (a)光透過可能なキャリアフィルム表面に、所定のパターンの導体層を形成するとともに、機能性セラミックペーストを塗布して、所定パターンの機能性セラミック層を形成する工程と、
    (b)前記機能性セラミック層および前記導体層を形成したキャリアフィルム上に、少なくとも光硬化可能なモノマー、光重合開始剤、およびセラミック材料を含有する光硬化スラリーを、前記機能性セラミック層および前記導体層の厚さ以上の厚さに塗布して光硬化性セラミック層を形成する工程と、
    (c)前記キャリアフィルムの裏面より、光を照射して、前記光硬化性セラミック層の前記機能性セラミック層の上および前記導体層の以外の領域を光硬化させる工程と、
    (d)現像液を付与して、前記光硬化性セラミック層の前記機能性セラミック層の上および前記導体層の上に形成された非光硬化部を溶化、除去することによって、光硬化性セラミック層と機能性セラミック層と導体層からなる複合シートを作製する工程と、
    を具備することを特徴とする複合シートの製造方法。
  2. 前記(d)工程後に、
    (e)前記キャリアフィルムから、前記複合シートを剥離する工程を具備する請求項記載の複合シートの製造方法。
  3. 前記光硬化性セラミック層および前記導体層及び前記機能性セラミック層の厚みがすべて50μm以下であることを特徴とする請求項または請求項記載の複合シートの製造方法。
  4. (1a)光透過可能なキャリアフィルム表面に、機能性セラミックペーストを塗布して、所定パターンの機能性セラミック層を形成する工程と、
    (1b)前記機能性セラミック層を形成したキャリアフィルム上に、少なくとも光硬化可能なモノマー、光重合開始剤、およびセラミック材料を含有する光硬化スラリーを、前記機能性セラミック層の厚さ以上の厚さに塗布して光硬化性セラミック層を形成する工程と、
    (1c)前記キャリアフィルムの裏面より、光を照射して、前記光硬化性セラミック層の前記機能性セラミック層の以外の領域を光硬化させる工程と、
    (1d)現像液を付与して、前記光硬化性セラミック層の前記機能性セラミック層の上に形成された非光硬化部を溶化、除去することによって、光硬化性セラミック層と機能性セラミック層とを具備する第1の複合シートを作製する工程と、
    (2a)光透過可能なキャリアフィルム表面に、所定パターンの導体層を形成する工程と、
    (2b)前記導体層を形成したキャリアフィルム上に、少なくとも光硬化可能なモノマー、光重合開始剤、およびセラミック材料を含有する光硬化スラリーを、前記導体層の厚さ以上の厚さに塗布して光硬化性セラミック層を形成する工程と、
    (2c)前記キャリアフィルムの裏面より、光を照射して、前記光硬化性セラミック層の前記導体層の以外の領域を光硬化させる工程と、
    (2d)現像液を付与して、前記光硬化性セラミック層の前記導体層の上に形成された非光硬化部を溶化、除去することによって、光硬化性セラミック層と導体層とを具備する第2の複合シートを作製する工程と、
    (e)前記第1の複合シートと、前記第2の複合シートとを積層する工程とを具備することを特徴とする積層体の製造方法。
  5. 第1の複合シートおよび第2の複合シートが、いずれもキャリアフィルムを剥した後に、積層処理してなる請求項記載の積層体の製造方法。
  6. キャリアフィルム上に形成された第1の複合シートの表面に、第2の複合シートを積層後、第2の複合シート側のキャリアフィルムを剥がすことを特徴とする請求項記載の積層体の製造方法。
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