JP4069744B2 - 複合シートの製造方法および積層体の製造方法 - Google Patents

複合シートの製造方法および積層体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信機等に使用されるセラミック積層部品、積層基板などに適した複合シートや積層体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器は小型軽量化、携帯化が進んでおり、それに用いられる回路ブロックも、小型化、複合モジュール化が押し進められており、セラミック多層基板などの積層部品の高密度化と小型化が進められている。
【0003】
一方、従来のセラミック多層基板は、通常、グリーンシート法と呼ばれる製造方法により製造されるものである。このグリーンシート法は、絶縁層となるセラミック粉末を含有するスラリーを用いてドクターブレード法などによってグリーンシートを作製し、次に、このグリーンシートにビアホール導体となる位置にNCパンチや金型などで貫通穴を形成し、導体ペーストを用いて、内部や表面の配線のパターンを印刷するとともに、前記貫通穴に導体ペーストを充填してビアホール導体を形成した後、同様にして作製した複数のグリーンシートを積層し、この積層体を一括同時焼成する製造方法である。
【0004】
一方、セラミック多層基板の代表的な例として、LSIやSAWなどの電気素子を収納するための空隙部を形成した電気素子収納用のパッケージが挙げられる。
【0005】
このような電気素子を収納するための空隙部を有するセラミック多層基板を製造するには、一般には、所定の比率で調合したセラミック原料粉末に、適当な有機バインダを添加し、有機溶媒中に分散してスラリーを調製し、従来周知のドクターブレード法やリップコーター法等のキャスト法により、所定の厚みのセラミックグリーンシートを成形する。
【0006】
そして、適当な金属粉末に有機バインダ、溶剤、可塑剤を添加混合して得た金属ペーストを前記グリーンシートに周知のスクリーン印刷法により所定の配線パターンに印刷塗布するとともに、マイクロドリルやレーザーでスルーホールを形成して貫通穴内に金属ペーストを充填して、ビア導体を形成する。
【0007】
そして、電気素子を収納する空隙部を形成するために、グリーンシートの所定箇所に、貫通穴を打ち抜き加工を行う。
【0008】
その後、図6の従来法の工程図における(a)に示すように、上記貫通穴20が形成されたグリーンシート21a、21bを他のグリーンシート21c、21d、21eとともに、適当な密着液を用いて複数積層して空隙部を有するセラミック積層成形体を作製した後、このセラミック積層成形体を所定の条件で焼成することによって、図4(b)に示すような電子部品収納用の空隙部22を有する基板23が得られる。
【0009】
また、必要に応じ、グリーンシートによる積層成形体における空隙部22内に金属ペースト、樹脂、難焼結性無機粉末などを充填し、焼成した後に、ブラスト、酸処理などによって充填物を除去することも提案されている。(例えば、特許文献1、2)
一方、上記グリーンシート法においては、高精度化、さらには高密度化への要求に対して、絶縁層である配線導体層間の絶縁層厚みの薄層化とともに、配線導体層については低損失、低抵抗値を実現するため、配線導体層の厚みを厚くすることが求められているが、従来のグリーンシート法などの製造方法においては、配線導体層が形成されている部分と形成されていない部分とで、配線導体層の厚み分の段差が必然的に発生してしまい、この段差によって、積層不良(デラミネーション)24が発生したり、無理に加圧して段差を埋めたとしても絶縁層に部分的な密度差が生じて、焼成後に変形するといった問題があった。
【0010】
また、ビア導体などの垂直導体を形成するためには、グリーンシートに対してパンチングなどによって貫通穴を形成する穴あけ工程が不可欠であり、配線導体層を形成する印刷工程に対して付加的な工程となっていた。
【0011】
そこで、このような配線導体層の厚みによる段差の形成を抑制するために、キャリアフィルム上に、光硬化性セラミック材料からなるスラリーを塗布して絶縁層を形成し、この絶縁層に所定のパターンに露光、現像することによって開口を形成し、この開口内に導電性ペーストを充填し、また、その表面に、上記と同様に、光硬化性セラミック絶縁層形成、露光、現像、導体ペースト充填を繰り返すことによって、導体による段差の形成のない多層基板を形成することが特許文献3にて提案されている。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−290038
【特許文献2】
特開2002−121078
【特許文献3】
特開平9−181450号
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、空隙部22を具備するセラミック積層成形体を作製するにあたり、空隙部22を構成する貫通穴20が形成されたグリーンシート21a、21bを他のグリーンシート21c、21d、21eと積層する時、空隙部22とそれ以外の部分とで圧力のバラツキが生じ、その結果、セラミック積層成形体に変形が生じるという問題があった。ここでいう変形とは、図6に示すように、グリーンシート21a〜21eの積層体に対する垂直方向の加圧により、空隙部22周辺部のグリーンシート21a、21bに発生する水平方向の変形と、グリーンシート21cにおける空隙部22の底部が膨らむ変形が挙げられる。この内、空隙部22底部の膨らみは、LSIチップなどの電子部品を搭載する際にボンディング不良が発生するという問題があった。
【0014】
また、特許文献1、2などによれば、空隙部に種々の充填物を充填することによって焼成時の変形などを防止することができるが、グリーンシート同士を積層処理する場合の圧力の不均一による積層不良を防止するには至っていない。
【0015】
一方、導体層を厚く、且つセラミック層を薄くするという課題に対して特許文献3記載の方法では、多層基板の作製にあたり、回路形成を1層ごと順次行う必要があるために必然的に工程数が多いという問題があった。しかも、開口への導体ペースト充填にあたっては、所定のスクリーンと開口とを精度よく位置合わせする必要があった。さらに、開口への導体ペーストの充填にあたり、ビアなどの小さな径や、線幅の小さいパターン形成用の貫通穴へのペーストの充填が不十分となりやすく、貫通穴内でペーストが充填されない巣が形成されやすいなども問題があった。また、空隙部を形成する際に、金型等によるうち抜きを行なわなければならないため、打ち抜き時にシートの伸縮や変形が生じる問題もあった。
【0016】
本発明は、上記のような空隙部の形成におけるセラミック積層成形体の変形を防止するとともに、絶縁層厚みの薄層化と配線導体層の厚みの厚膜化を同時に可能とする複合シートの製造方法、さらにそれを用いて層間剥離や変形のない空隙部を形成するとともに、巣などの発生がなく厚い導体層と薄いセラミック層を併せ持つ積層体造方法を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の複合シートの製造方法は、(a)光透過可能なキャリアフィルム表面に、所定のパターンの導体層を形成するとともに、熱分解性樹脂ペーストを塗布して、所定パターンの熱分解性樹脂層を形成する工程と、(b)前記熱分解性樹脂層および前記導体層を形成したキャリアフィルム上に、少なくとも光硬化可能なモノマー、光重合開始剤、およびセラミック材料を含有する光硬化スラリーを、前記熱分解性樹脂層および前記導体層の厚さ以上の厚さに塗布して光硬化性セラミック層を形成する工程と、(c)前記キャリアフィルムの裏面より、光を照射して、前記光硬化性セラミック層の前記熱分解性樹脂層の上および前記導体層の上以外の領域を光硬化させる工程と、(d)現像液を付与して、前記光硬化性セラミック層の前記熱分解性樹脂層の上および前記導体層の上に形成された非光硬化部を溶化、除去することによって、光硬化性セラミック層と熱分解性樹脂層と導体層からなる複合シートを作製する工程と、を具備することを特徴とするものである。
【0019】
なお、かかる製造方法においては、前記(d)工程後に、(e)前記キャリアフィルムから、前記複合シートを剥離する工程を具備してもよい。
【0020】
また、かかる製造方法において、前記光硬化性セラミック層および導体層及び樹脂層の厚みは50μm以下であることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の積層体の製造方法は、(1a)光透過可能なキャリアフィルム表面に、熱分解性樹脂ペーストを塗布して、所定パターンの熱分解性樹脂層を形成する工程と、(1b)前記熱分解性樹脂層を形成したキャリアフィルム上に、少なくとも光硬化可能なモノマー、光重合開始剤、およびセラミック材料を含有する光硬化スラリーを、前記熱分解性樹脂層の厚さ以上の厚さに塗布して光硬化性セラミック層を形成する工程と、(1c)前記キャリアフィルムの裏面より、光を照射して、前記光硬化性セラミック層の前記熱分解性樹脂層の以外の領域を光硬化させる工程と、(1d)現像液を付与して、前記光硬化性セラミック層の前記熱分解性樹脂層の上に形成された非光硬化部を溶化、除去することによって、光硬化性セラミック層と熱分解性樹脂層とを具備する第1の複合シートを作製する工程と、(2a)光透過可能なキャリアフィルム表面に、所定パターンの導体層を形成する工程と、(2b)前記導体層を形成したキャリアフィルム上に、少なくとも光硬化可能なモノマー、光重合開始剤、およびセラミック材料を含有する光硬化スラリーを、前記導体層の厚さ以上の厚さに塗布して光硬化性セラミック層を形成する工程と、(2c)前記キャリアフィルムの裏面より、光を照射して、前記光硬化性セラミック層の前記導体層の以外の領域を光硬化させる工程と、(2d)現像液を付与して、前記光硬化性セラミック層の前記導体層の上に形成された非光硬化部を溶化、除去することによって、光硬化性セラミック層と導体層とを具備する第2の複合シートを作製する工程と、(e)前記第1の複合シートと、前記第2の複合シートとを積層する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0023】
なお、第1の複合シートおよび第2の複合シートは、いずれもキャリアフィルムを剥した後に、互いに積層処理して形成されるか、またはキャリアフィルム上に形成された第1の複合シートの表面に、第2の複合シートを積層後、第2の複合シート側のキャリアフィルムを剥がすことによって積層してもよい。
【0024】
なお、本発明によれば、さらに上記の積層体を焼成して、前記熱分解樹脂層を分解除去する工程を具備することを特徴とする。
【0025】
かかる焼成によって、少なくともセラミック材料を含有する複数のセラミック層が積層され、少なくとも一部のセラミック層に、所定のパターンの導体層が該セラミック層を貫通して形成されており、かつ、少なくとも一部のセラミック層に熱分解性樹脂層の分解によって形成された空隙部を有する積層部品を作製することができる。なお、この積層部品を構成しているすべての前記セラミック層および前記導体層の厚みが50μm以下であることを特徴とする。そして、前記厚みが50μm以下の導体層の積層によって3次元的な導体網が形成されてなることを特徴とするものである。また、この空隙部には、電気素子が収納されてなることを特徴とするものである。
【0026】
本発明によれば、上記複合シートを用いて、熱分解性樹脂層および/または導体層が形成された他の複合シートと積層処理することによって、任意の形状の空隙部を形成することができる。しかも、複合シートの空隙部には熱分解性樹脂が充填されているために、この複合シートを積層し圧着する場合においても空隙部を形成する部分における圧力を均一に付与することができる結果、積層不良などの発生を防止することができる。
【0027】
また、導体層もセラミック層と同一厚みに埋め込まれているために、これを積層しても導体層による段差が形成されることがなく、しかも、この導体層が上方に積層されるように複合シートを積層することによって従来ような貫通孔への導体ペースト充填によらず、積層体内に3次元的導体網を形成することができる。
【0028】
しかも、絶縁層の形成にあたり、本発明によれば、キャリアフィルム上に形成された導体層や熱分解性樹脂層自体をマスクとして用い、光硬化性セラミック層の全面塗布と、キャリアフィルムの裏面からの全面露光によって形成することができるために、マスクなどを使用する必要がなく、安価に且つ容易に光硬化性セラミック絶縁層と熱分解樹脂層や導体層を具備する複合シートを作製することができる。
【0029】
しかも、このような複合シートの製造は、各層ごとに平行して作製することができることから、必要な層数の複合シートを作製した後に、それらを一括して積層後、焼成すれば、大幅に工程を簡略化することができる。
【0030】
また、熱分解性樹脂層を具備する複合シートを含む積層体を焼成することで、容易に空隙部を形成することができる。
【0031】
このように、本発明によれば、積層時に導体層の厚み分の段差が発生することがなく、デラミネーションの発生や、無理な加圧による変形などの問題も無く、容易に導体層間の絶縁層の厚みの薄層化と、導体層の厚みの厚膜化を両立することができるとともに、電気素子などを収納するための空隙部の形成を容易に行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の製造方法により製造された積層部品の一例として、一般的なセラミック多層回路基板の(a)概略斜視図、(b)概略断面図を示した。
【0033】
図1のセラミック多層回路基板1によれば、セラミック焼結体からなる絶縁基板2の表面、裏面および内部には、平面導体となる配線導体層3が形成されている。また、表面に形成された配線導体層3にはインダクタ、抵抗、コンデンサなどのチップ部品4が半田によって実装されている。また、絶縁基板2の上面には空隙部6が形成されており、空隙部6内にはICチップが半田によって実装されている。なお、裏面の配線導体層3は、マザーボードなどに実装するための端子電極として機能するものである。また、絶縁基板2の内部には、上記平面導体を形成する配線導体層3同士を接続するビア導体5が形成されている。
【0034】
記セラミック多層回路基板1は、厚みが50μm以下のセラミック層2bの一部に配線導体層3が、セラミック層2bを貫通して形成され、且つ空隙部6が形成された複合体A、さらには、厚みが50μm以下のセラミック層2bの一部に配線導体層3が、セラミック層2bを貫通して形成された複合体Bの積層体によって構成されている。
【0035】
より具体的には、セラミック層2b、配線導体層3の厚みは、いずれも10〜50μm、特に15〜40μm、さらには15〜30μmの薄層によって形成されており、セラミック層2b、配線導体層3の厚み差がセラミック層2bの厚みの20%以下、特に10%以下、さらには、5%以下であることが、または厚み差が5μm以下、さらには3μm以下であることによって、セラミック層2b、配線導体層3の個々の厚みによる段差の発生が抑制される。
【0036】
また、配線導体層3は、セラミック層2bの平面方向に延設することによって平面回路を形成している。また、部分的に配線導体層3aが厚み方向に積み上げられることにより配線導体層3間を垂直方向に接続するビア導体5を形成している。
【0037】
望の回路形成のために上記の多層回路基板1においては、複合体A、Bによって、10〜300層、特に30〜200層、さらには40〜100層程度積層されて形成される。
【0038】
上記のセラミック多層回路基板1における絶縁基板2を形成するセラミック材料としては、(1)Al23、AlN、Si34、SiCを主成分とする焼成温度が1100℃以上のセラミック材料、(2)少なくともSiO2およびBaO、CaO、SrO、MgOなどのアルカリ土類金属酸化物を含有する金属酸化物による混合物からなる1100℃以下、特に1050℃以下で焼成されるセラミック材料、(3)ガラス粉末、あるいはガラス粉末とセラミックフィラー粉末との混合物からなる1100℃以下、特に1050℃以下で焼成される低温焼結性のセラミック材料の群から選ばれる少なくとも1種が選択される。
【0039】
用いられる(2)の混合物や、(3)のガラス組成物としては、SiO2−BaO−Al23系、SiO2−B23系、SiO2−B23−Al23系、SiO2−Al23−アルカリ金属酸化物系、さらにはこれらの系にアルカリ金属酸化物、ZnO、PbO、Pb、ZrO2、TiO2等を配合した組成物が挙げられる。(3)におけるセラミックフィラーとしては、Al23、SiO2、フォルステライト、コージェライト、ムライト、AlN、Si34、SiC、MgTiO3、CaTiO3の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、ガラスに対して20〜80質量%の割合で混合されることが望ましい。
【0040】
一方、配線導体層3は、絶縁基板2と同時焼成して形成するために、絶縁基板2を形成するセラミック材料の焼成温度に応じて種々組み合わせられ、例えば、セラミック材料が前記(1)の場合、タングステン、モリブデン、マンガンの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする導体材料が好適に用いられる。また、低抵抗化のために、銅などとの混合物としてもよい。
【0041】
セラミック材料が前記(2)の場合、銅、銀、金、アルミニウムの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする導体材料が好適に用いられる。
【0042】
上記の導体材料には、セラミック材料と同時焼成する上で、セラミック材料を構成する成分を含有することが望ましい。
【0043】
上記のようなセラミック多層回路基板1などの積層部品の形成するにあたり、本発明によれば、まず、図2(a)に示すような少なくともセラミック材料と、有機樹脂とを含有する厚みが50μm以下のセラミック層2aの一部に、熱分解性樹脂層(以下、単に樹脂層という。)6aおよび導体層3aが、前記セラミック層2aを貫通して形成された複合シートaを作製する。
【0044】
また、本発明によれば、必要に応じて複合シートaと、図2(b)に示すような、少なくともセラミック材料と、有機樹脂とを含有する厚みが50μm以下のセラミック層2aの一部に、導体層3aが、前記セラミック層2aを貫通して形成された複合シートbを作製する。
【0045】
また、場合によっては、図2(c)に示すような、少なくともセラミック材料と、有機樹脂とを含有する厚みが50μm以下のセラミック層2aの一部に、樹脂層6aが、前記セラミック層2aを貫通して形成された複合シートcを用いる場合もある。
【0046】
この複合シートa、bにおけるセラミック層2a、導体層3a、及び樹脂層6aの厚みは、いずれも10〜50μm、特に15〜40μm、さらには15〜30μmの薄層によって形成されており、セラミック層2a、導体層3aおよび樹脂層6aの厚み差がセラミック層2aの厚みの20%以下、特に10%以下、さらには、5%以下であることが、または厚み差が5μm以下、さらには3μm以下であることによって、セラミック層2a、導体層3a及び樹脂層6aの個々の厚みによる段差の発生が抑制される。
【0047】
かかる複合シートa、bを形成するセラミック層2a中のセラミック材料は、前記絶縁基板2を形成するセラミック材料と同じであり、且つ導体層3a中の導体材料は、前記配線導体層3を形成する導体材料と同じである。
【0048】
また、樹脂層6aを形成する樹脂は、熱分解性に優れる樹脂であれば、特に材質は問わないが、後述する製造時の取り扱いや、熱分解特性などの点からアクリル系、メタクリル系、セルロース系の群から選ばれる少なくとも1種が好適に使用することができる。また、これらの樹脂中に光照射により重合するモノマー及び重合開始剤を含ませてもよい。さらに、光感光性レジストも使用することができる。
【0049】
この複合シートa、bを作製するにあたり、まず、セラミック層2aを形成するために、少なくとも光硬化可能なモノマーおよび前述したセラミック材料を含有する光硬化スラリーを調製する。スラリー調製にあたっては、望ましくは、前記セラミック材料に、光硬化可能なモノマーと、光重合開始剤と、有機バインダと、可塑剤とを、有機溶剤に混合し、ボールミルで混練して調製する。
【0050】
光硬化成分としては、光硬化可能なモノマーや光重合開始剤などが挙げられる。光硬化可能なモノマーとしては、低温で短時間の焼成工程に対応するために、熱分解性に優れたものであることが望ましい。また、光硬化可能なモノマーは、スリップ材の塗布・乾燥後の露光によって光重合される必要があり、遊離ラジカルの形成、連鎖生長付加重合が可能で、2級もしくは3級炭素を有したモノマーが好ましく、例えば少なくとも1つの重合可能なエチレン系基を有するブチルアクリレート等のアルキルアクリレートおよびそれらに対応するアルキルメタクリレート等が挙げられる。また、テトラエチレングリコールジアクリレート等のポリエチレングリコールジアクリレートおよびそれらに対応するメタクリレートも有効である。また、光重合開始剤としては、ベンゾフェノン類,アシロインエステル類化合物などが挙げられる。
【0051】
また、有機バインダも、光硬化可能なモノマーと同様に熱分解性が良好であることが望まれ、同時にスリップの粘性を決めるものであるため、固形分との濡れ性も考慮することが必要である。本発明によれば、アクリル酸もしくはメタクリル酸系重合体のようなカルボキシル基、アルコール性水酸基を備えたエチレン性不飽和化合物が好ましい。
【0052】
有機溶剤としては、エチルカルビトールアセテート、ブチルセルソルブ、3メトキシブチルアセテートの群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0053】
各成分の含有量は、セラミック粉末100質量部あたり、光硬化モノマー及び光重合開始剤を5〜20質量部、有機バインダを10〜40質量部、可塑剤を1〜5質量部、有機溶剤を50〜100質量部の割合が適当である。
【0054】
次に、導体層3aを形成するための導体ペーストを調製する。導体ペーストは、平均粒径が1〜3μm程度の前記導体材料の粉末に、必要に応じてセラミック材料を添加した無機成分に対して、エチルセルロース、アクリル樹脂などの有機バインダを加え、さらにジブチルフタレート、αテルピネオール、ブチルカルビトール、2・2・4−トリメチル−3・3−ペンタジオールモノイソブチレートなどの適当な溶剤を混合し、3本ロールミル等により均質に混練して調製される。
【0055】
各成分の含有量は、セラミック粉末100質量部あたり、光硬化モノマー及び光重合開始剤を5〜20質量部、有機バインダを10〜30質量部、可塑剤を1〜5質量部、有機溶剤を50〜100質量部の割合が適当である。
【0056】
次に、樹脂層6aを形成するための樹脂ペーストを調整する。樹脂ペーストは、
熱分解性に優れた樹脂、具体的には、エチルセルロースなどのセルロース系、ブチルアクリレートなどのアクリレート系、メチルメタクリレートなどのメタクリレート系の群から選ばれる少なくとも1種の樹脂に対して、ジブチルフタレート、αテルピネオール、ブチルカルビトール、2・2・4−トリメチル−3・3−ペンタジオールモノイソブチレートなどの溶剤を0〜10質量%程度添加したものを3本ローラ等により均質に混練して調製される。また、必要に応じて、光硬化性樹脂を添加して光硬化性を付与することもできる。
【0057】
次に、上記の光硬化スラリー、導体ペーストおよび熱分解性樹脂ペーストを用いて以下の工程によって、複合シートを形成する。
【0058】
まず、図3(a)に示すように、樹脂フィルムなどからなる光透過可能なキャリアフィルム10上に、前記導体ペーストをスクリーン印刷法などの一般的な印刷手法によって印刷、塗布して、光非透過性の所定の導体層11を形成する。また、熱分解性樹脂ペーストをスクリーン印刷法などの一般的な印刷手法によって印刷、塗布して、空隙形成部分に樹脂層12を形成する。前記導体層11と樹脂層12は、どちらを先に形成してもかまわない。
【0059】
次に、図3(b)に示すように、前記光硬化スラリーを、例えばドクターブレード法にて前記導体層11および樹脂層12の厚さ以上の厚さに塗布して所定の厚みで全面に塗布して光硬化性セラミック層13を形成する。
【0060】
そして、図3(c)に示すように、キャリアフィルム10の裏面より例えば超高圧水銀灯を光源として用いて露光を行う。この露光によって、導体層11および樹脂層12形成以外の領域の光硬化性セラミック層13を光硬化させる。この露光工程においては、光硬化性セラミック層13は、導体層11及び樹脂層12形成以外の領域の光硬化性セラミック層13aでは照射された光の量により裏面から一定の厚みまで光重合反応がおこり不溶化部を形成するが、導体層11および樹脂層12は紫外線を通過しないために、導体層11上および樹脂層12上に形成されている光硬化性セラミック層13bは、光硬化可能なモノマーの光重合反応がおこらない溶化部となる。また、このときの露光量は、実質的に不溶化部の厚みが、導体層11及び樹脂層12の厚みと同じになるように露光量が調整されることが望ましい。
【0061】
その後、この光硬化性セラミック層13全体を現像処理する。現像処理は、光硬化性セラミック層13の溶化部を現像液で除去するもので、具体的には、例えば、トリエタノールアミン水溶液などを現像液として用いてスプレー現像、洗浄、乾燥を行う。この処理により、図3(d)に示すように、キャリアフィルム10上には、導体層11と樹脂層12と光硬化性セラミック層13とが実質的に同一厚みで一体化した複合シートaが形成される。
【0062】
なお、キャリアフィルム10から複合シートaを剥離することによって、図2(a)に示すような複合シートa単体を得ることができる。
【0063】
また、図2(b)の複合シートbは、前記複合シートaの製造方法において導体層11のみを形成する以外は、全く同様にして作製される。また、図2(c)の複合シートcは、前記複合シートaの製造方法において樹脂層12のみを形成する以外は、全く同様にして作製される。
【0064】
次に、この複合シートaを用いて図1のセラミック多層回路基板のような積層部品を製造する方法について以下に説明すると、まず、前記図3(a)〜(e)に従い、光硬化性セラミック層13と所定のパターンの導体層11と樹脂層12が形成された複数の複合シートa1〜a4を作製する。また、光硬化性セラミック層13と所定のパターンの導体層11が形成された複数の複合シートb1〜b10を作製する。
【0065】
そして、図4(a)に示すように、これらの複合シートa1〜a4,b1〜b10を位置あわせしながら、重ね合わせ一括して圧着することによって積層体14を形成する。なお、圧着時には、複合シートa中の有機バインダのガラス転移点以上の温度をかけながら行なうことが望ましい。また、複合シート間に有機系接着剤を塗布して圧着してもよい。
【0066】
なお、一括して積層する場合、すべてキャリアフィルム10を剥がして積層してもよいが、圧着時の最下面と最上面の取り扱いを考慮すれば、最下面と最上面のみは、キャリアフィルム10から剥がすことなく、図4(a)に示すように、積層、圧着した後に、キャリアフィルム10を剥がすことによって、図4(b)のような積層体14を形成することができる。
【0067】
そして、この積層体14を、所定の温度で焼成することによって、導体層11によって3次元的な回路が形成された積層部品を形成することができる。なお、焼成にあたっては、作製された積層体14を脱バイ工程で、成形体中に含まれている有機バインダ、光硬化可能なモノマー及び樹脂層12を焼失し、焼成工程にて窒素などの不活性雰囲気中で用いられたセラミック材料および導体材料が十分に焼成することのできる温度で焼成され、相対密度95%以上に緻密化される。そして、樹脂層12が焼失した部分によって空隙部が形成される。
【0068】
また、積層部品を製造する他の方法としては、図5(a)(b)(c)に示すように、キャリアフィルム10の表面に形成された複合シートb10の表面に、キャリアフィルム10の表面に形成された複合シートb9を反転させて積層圧着し、複合シートb9側のキャリアフィルム10を剥離する。
【0069】
次に、図5(d)に示すように、この複合シートb9の表面に、同様にしてキャリアフィルム10の表面に形成された複合シートb8を反転させて積層圧着し、複合シートb8側のキャリアフィルム10を剥離する。これを繰り返すことによって、所望の総数の積層体14を形成することができる。
【0070】
その後、この積層体14を前記と同様にして焼成することによって、積層部品を作製することができる。
【0071】
また、必要に応じて、表面処理として、さらに、基板表面に厚膜抵抗膜や厚膜保護膜の印刷・焼きつけ、メッキ処理、さらにICチップを含む電子部品4の実装を行う。
【0072】
なお、表面の導体層3は、焼成された積層体14の表面に、印刷・乾燥し、所定雰囲気で焼きつけを行っても良い。
【0073】
また、セラミック多層回路基板の表面に形成される表面導体層3、端子電極9の表面には、半田との濡れ性を改善するために、ニッケル、金などのメッキ層が1〜3μmの厚みで形成される。
【0074】
さらに、空隙部6内には、ICチップ、SAWチップなどの電気素子7を収納して半田などによって空隙部6内の配線導体層3に接続するか、ワイヤーボンディングによって接続される。また、電気素子7が収納された空隙部6内には、封止樹脂が充填されたり、適当な蓋体を絶縁基板2に接合して空隙部6内を気密に封止してもよい。
【0075】
【実施例】
実施例1
先ず、厚さ100μmのPET(ポリエチルテレフタレート)からなる光透過可能なキャリアフィルム上に、導体ペーストをスクリーン印刷法により印刷して、厚さ20μmの配線導体層となる導体層を形成した。尚、導体ペーストは、Ag粉末にバリウムホウ珪酸ガラス粉末と、セルロース、有機溶剤を加え3本ロールミルで混合したものを使用した。
【0076】
次に、アクリル樹脂に溶剤としてブチルセルソルブを2質量%添加混合した樹脂ペーストをスクリーン印刷で厚さ20μmに塗布した後、80℃のオーブンで15分間乾燥し樹脂層を形成した。
【0077】
次に、上記導体層および樹脂層の上に、感光性スラリーをドクターブレード法により塗布乾燥し、導体パターンの存在しない場所での乾燥後の厚みが28μmとなるように光硬化性セラミック層を形成した。
【0078】
感光性スラリーは、セラミック原料粉末100質量部と、光硬化可能なモノマー(ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート)8質量部と、有機バインダ(アルキルメタクリレート)35質量部と、可塑剤を3質量部、有機溶剤(エチルカルビトールアセテート)20質量部に混合し、ボールミルで混練して作製した。
【0079】
セラミック原料粉末は、0.95モルMgTiO3−0.05モルCaTiO3で表される主成分100質量部に対して、BをB23換算で10質量部、LiをLiCO3換算で5質量部添加したものを用いた。
【0080】
次に、キャリアフィルムの裏面側より光硬化性セラミック層の裏面に、超高圧水銀灯(照度30mW/cm2)を光源として2秒間全面露光した。そして希釈濃度2.5%のトリエタノールアミン水溶液を現像液として用いて30秒間スプレー現像を行った。この後、現像後の純水洗浄の後、乾燥を行った。
【0081】
こうして、出来上がった光硬化性セラミック層は、導体層及び樹脂層上の溶化部が現像により除去され導体層および樹脂層が露出して、その結果、厚みが20μmの導体層と、厚みが20μmの光硬化性セラミック層と、厚みが20μmの樹脂層とが一体化した複合シートを作製することができた。
【0082】
また、上記と同様にして、厚みが20μmの導体層と、厚みが20μmの光硬化性セラミック層とが一体化した複合シートを作製した。
【0083】
同様に、内部配線導体層用、表面配線導体層用およびビア導体用、空隙部形成用の延べ50層の複合シートを作製した。
【0084】
上記のようにして作製した複合シートより、それぞれキャリアフィルムを剥離し、順番に位置合わせを行いながら、積層を行った。この後、プレス機を用いて、プレス圧1トン、温度60℃にて5分間プレスを行い、積層体を圧着した。この時、最後の15層を樹脂層を含む複合シートを使用し、残りを樹脂層を含まない複合シートを使用した。
【0085】
その後、大気中で300℃で4時間で脱バインダ処理した後、900℃大気中で6時間焼成を行い、セラミック多層回路基板を作製した。
【0086】
作製した多層回路基板については、導体層自体の厚みによる段差は全くなく、絶縁層間のデラミネーションもなかった。また、平面導体層間の接続にあたり、導体層を3層以上垂直方向に積層することによって、ビア導体を形成したが、このビア導体を含む回路における電気的接続についても全く問題は無かった。また、導体層中には全く巣などの発生も認められなかった。
【0087】
また、焼成後、樹脂層は完全に除去され、空隙部が形成された。空隙部内部の平坦度を触親針法によって測定した結果、0.8μmと平坦度の高い底面が形成され、基板の変形がほとんどないことが確認された。また、空隙部形成部分を切断し直下の積層部分を観察した結果、層間剥離の発生は全く認められなかった。
【0088】
実施例2
実施例1に従い、内部配線導体層用、表面配線導体層用およびビア導体用、空隙部形成用の延べ70層の複合シートを作製した。
【0089】
図5の方法に従い、まず電極用の複合シート上に、ビア導体用の複合シートをキャリアフィルムごと反転させて、複合シート同士を接触させて、位置合わせを行いながら載置した。続いて、プレス機を用いて、プレス圧1トン、温度60℃にて1分間プレスを行い、前記電極用の複合シート上とビア導体用の複合シートとを圧着した後、ビア導体用の複合シート側のキャリアフィルムを剥離した。
【0090】
続いて、再び別のビア導体用複合シート、内部配線導体層用の複合シート、表面配線導体層用の空隙部用の複合シートを同じように反転させて、位置合わせを行いながら載置し、プレス機を用いて順次圧着した。
【0091】
その後、大気中で300℃で4時間で脱バインダ処理した後、900℃大気中で6時間焼成を行い、多層回路基板を作製した。
【0092】
作製した多層回路基板については、導体層自体の厚みによる段差は全くなく、絶縁層間のデラミネーションもなかった。また、平面導体層間の接続にあたり、導体層を3層以上垂直方向に積層することによって、ビア導体を形成したが、このビア導体を含む回路における電気的接続についても全く問題は無かった。また、導体層中には、全く巣の発生が認められなかった。
【0093】
また、焼成後、樹脂層は完全に除去され、空隙部が形成された。空隙部内部の平坦度を触親針法によって測定した結果、1.0μmと平坦度の高い底面が形成され、基板の変形がほとんどないことが確認された。また、空隙部形成部分を切断し直下の積層部分を観察した結果、層間剥離の発生は全く認められなかった。
【0094】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、複合シートが導体層とセラミック層、樹脂層とが実質的に同一厚みで導体層がセラミック層を貫通して設けられているために、導体層自体の厚みによる段差が発生せず、デラミネーションの発生や、無理な加圧による変形などの問題が無く、セラミック絶縁層の厚みの薄層化とともに、配線導体層の厚膜化を同時に行なうことができる。
【0095】
しかも、複合シートの一部に、導体層、セラミック層とともに樹脂層を含んだものを使用することにより、しかも積層時に圧力の不均一が発生することなく、空隙部形成付近での層間剥離の発生なく精度の高い底面を形成することができる。
【0096】
更に、実質的に同一厚みで導体層がセラミック層を貫通して設けられているために、ビア導体や配線導体層の形成をすべて一般的な導体ペーストの印刷によって形成することができるために、従来のような貫通穴内へのぺーストの充填不良などによる巣の発生を防止することができる。
【0097】
さらには、複合シート形成にあたり感光性スラリを用い、しかも印刷塗布された導体層や樹脂層をマスクとして利用しているために、格別なマスクを作製する必要がなく、しかも各層の形成を平行的に行うことができるために、製造コストの低減を図ることができるとともに、再現よく導体層、樹脂層とセラミック層とが一体化した複合シートを作製することができる。
【0098】
また、積層部品を作製するにあたり、平面導体層のみならず、ビア導体を複合シートによる積層によって導体層を積み上げることで形成することができるために、従来のような貫通穴形成、導体ペースト充填によるビア導体の形成が不要となり、単純に複合シートの一括積層、あるいは逐次積層のみで、多層回路基板などに好適な、3次元的な導体網を有する積層部品を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法により製造された積層部品の一例としてセラミック多層回路基板の(a)概略斜視図と、(b)複合シートの概略断面図と、(c)(a)の概略断面図を示す。
【図2】 本発明の製造方法により製造された複合シートを説明するための概略断面図である。
【図3】 本発明の複合シートの作製方法を説明するための工程図である。
【図4】 本発明の積層部品を作製する方法を説明するための工程図である。
【図5】 本発明の積層部品を作製する他の方法を説明するための工程図である。
【図6】 従来の空隙部を有するセラミック多層回路基板の製造方法を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
A 複合シート
1 セラミック多層回路基板
2 絶縁基板
2a、2b セラミック層
3 配線導体層
4 チップ部品
5 ビア導体
6 空隙部
11、3a 導体層
12、6a 熱分解性樹脂層
13、2a セラミック層

Claims (7)

  1. (a)光透過可能なキャリアフィルム表面に、所定のパターンの導体層を形成するとともに、熱分解性樹脂ペーストを塗布して、所定パターンの熱分解性樹脂層を形成する工程と、
    (b)前記熱分解性樹脂層および前記導体層を形成したキャリアフィルム上に、少なくとも光硬化可能なモノマー、光重合開始剤、およびセラミック材料を含有する光硬化スラリーを、前記熱分解性樹脂層および前記導体層の厚さ以上の厚さに塗布して光硬化性セラミック層を形成する工程と、
    (c)前記キャリアフィルムの裏面より、光を照射して、前記光硬化性セラミック層の前記熱分解性樹脂層の上および前記導体層の以外の領域を光硬化させる工程と、
    (d)現像液を付与して、前記光硬化性セラミック層の前記熱分解性樹脂層の上および前記導体層の上に形成された非光硬化部を溶化、除去することによって、光硬化性セラミック層と熱分解性樹脂層と導体層からなる複合シートを作製する工程と、
    を具備することを特徴とする複合シートの製造方法。
  2. 前記(d)工程後に、
    (e)前記キャリアフィルムから、前記複合シートを剥離する工程を具備する請求項記載の複合シートの製造方法。
  3. 前記光硬化性セラミック層および前記導体層及び前記熱分解性樹脂層の厚みが50μm以下であることを特徴とする請求項または請求項記載の複合シートの製造方法。
  4. (1a)光透過可能なキャリアフィルム表面に、熱分解性樹脂ペーストを塗布して、所定パターンの熱分解性樹脂層を形成する工程と、
    (1b)前記熱分解性樹脂層を形成したキャリアフィルム上に、少なくとも光硬化可能なモノマー、光重合開始剤、およびセラミック材料を含有する光硬化スラリーを、前記熱分解性樹脂層の厚さ以上の厚さに塗布して光硬化性セラミック層を形成する工程と、
    (1c)前記キャリアフィルムの裏面より、光を照射して、前記光硬化性セラミック層の前記熱分解性樹脂層の以外の領域を光硬化させる工程と、
    (1d)現像液を付与して、前記光硬化性セラミック層の前記熱分解性樹脂層の上に形成された非光硬化部を溶化、除去することによって、光硬化性セラミック層と熱分解性樹脂層とを具備する第1の複合シートを作製する工程と、
    (2a)光透過可能なキャリアフィルム表面に、所定パターンの導体層を形成する工程と、
    (2b)前記導体層を形成したキャリアフィルム上に、少なくとも光硬化可能なモノマー、光重合開始剤、およびセラミック材料を含有する光硬化スラリーを、前記導体層の厚さ以上の厚さに塗布して光硬化性セラミック層を形成する工程と、
    (2c)前記キャリアフィルムの裏面より、光を照射して、前記光硬化性セラミック層の前記導体層の以外の領域を光硬化させる工程と、
    (2d)現像液を付与して、前記光硬化性セラミック層の前記導体層の上に形成された非光硬化部を溶化、除去することによって、光硬化性セラミック層と導体層とを具備する第2の複合シートを作製する工程と、
    (e)前記第1の複合シートと、前記第2の複合シートとを積層する工程とを具備することを特徴とする積層体の製造方法。
  5. 第1の複合シートおよび第2の複合シートが、いずれもキャリアフィルムを剥した後に、積層処理してなる請求項記載の積層体の製造方法。
  6. キャリアフィルム上に形成された第1の複合シートの表面に、第2の複合シートを積層後、第2の複合シート側のキャリアフィルムを剥がすことを特徴とする請求項記載の積層体の製造方法。
  7. 前記積層体を焼成して、前記熱分解樹脂層を分解除去する工程を具備する請求項乃至請求項記載の積層体の製造方法。
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