JPH0818236A - 積層セラミック回路基板の製造方法 - Google Patents

積層セラミック回路基板の製造方法

Info

Publication number
JPH0818236A
JPH0818236A JP6148282A JP14828294A JPH0818236A JP H0818236 A JPH0818236 A JP H0818236A JP 6148282 A JP6148282 A JP 6148282A JP 14828294 A JP14828294 A JP 14828294A JP H0818236 A JPH0818236 A JP H0818236A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor
film
wiring pattern
ceramic
internal wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6148282A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuzuru Matsumoto
譲 松本
Tsutomu Oda
勉 小田
Junichi Nakamura
淳一 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP6148282A priority Critical patent/JPH0818236A/ja
Publication of JPH0818236A publication Critical patent/JPH0818236A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部配線パターンの精度が向上し、高密度配
線化が可能であり、しかも、製造工程が画一化して生産
性が高い積層セラミック回路基板の製造方法である。 【構成】 本発明の積層体1は、(1)光硬化可能なモ
ノマーを有するセラミックスリップ材の塗布・印刷・乾
燥処理してセラミック層1a〜1eとなる塗布膜10a
〜10eを形成し、(2)前記塗布膜10a〜10eに
ビアホール導体3となる貫通凹部30を形成するため
に、選択的な露光処理・現像処理し、(3)前記塗布膜
10a〜10e上に、光硬化可能なモノマーを有する導
電性ペーストの印刷・乾燥処理して、貫通凹部30にビ
アホール導体3となる導体31を充填するとともに、内
部配線パターン2となる全面導体膜20を形成し、
(4)前記全面導体膜20に、内部配線パターン2とな
る所定形状の導体膜21を形成するために、選択的な露
光処理・現像処理し、(1)〜(4)を順次繰り返え
し、積層体1を形成し、その後焼成処理する工程を含む
層セラミック基板10の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック層となる塗
布膜と内部配線パターンとなる導体膜とが交互に積層し
た積層体を有する積層セラミック回路基板の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、積層セラミック回路基板を構成す
る積層体は、ビアホール導体となる導体が充填され、且
つ表面に内部配線パターンとなる導体膜が形成されたグ
リーンシートを、積層構造に応じて積層熱圧着を行い、
焼成を行い、焼成された積層体に表面配線パターンを焼
きつけ処理するグリーンシート多層方法があった。
【0003】このグリーンシート多層方法によれば、ビ
アホール導体となる導体を形成するためには、グリーン
シートに貫通穴を形成し、この貫通穴に導電性ペースト
を充填していたが、例えばアース電位の配線、電源供給
の配線などの大電流が流れるビアホール導体においては
その導体径を大きくすることが望まれる。しかし、1枚
のグリーンシートに複数の穴径の貫通穴を形成すること
は、製造上煩雑となり、また、穴径を200μm以上に
すると、貫通穴内に導電性ペーストを維持できなくな
り、導体抜けが発生してしまうという問題がある。
【0004】また、積層セラミック回路基板を構成する
別の製造方法として、印刷多層方法がある。この方法
は、支持基板上にセラミック層となる塗布膜、内部配線
パターン及びビアホール導体となる導体膜を順次積層印
刷して形成する。具体的には、塗布膜をビアホール導体
となる部分に開口をするようにセラミックスリップ材を
選択的にスクリーン印刷法などで印刷形成し、続いて塗
布膜中の開口部分にビアホール導体となる導体を、ま
た、塗布膜上に内部配線パターンとなる導体膜を、導電
性ペーストの印刷により形成し、これを繰り返し積層体
を形成した後、支持基板から積層体を剥離し、焼成処理
して形成していた。このような印刷多層方法では、塗布
膜中の開口を150μm角以上にしなければ、セラミッ
クスリップ材のダレにより開口が閉塞されてしまうこと
があり、接続信頼性を確保するには積層体が大型化して
しまう。また、印刷多層方法で、内部配線パターンとな
る導体膜や該導体膜間を接続するビアホール導体に相当
する導体の表面に、セラミックスリップ材の印刷により
セラミック塗布膜を形成するため、セラミック塗布膜の
表面が積層歪みが発生してしまい、積層数が増加する
程、支持基板と対向する積層体の表面の歪みが顕著とす
る。
【0005】このような、グリーンシート多層方法や印
刷多層方法の問題点を解決するため、本出願人は先に、
光硬化可能なモノマーを有するセラミックスリップ材を
用いて、このスリップ材をドクターブレード方法などに
よって塗布して、その後、選択的な露光処理・現像処理
によって、セラミック層を貫くビアホール導体となる貫
通凹部を形成し、その後、貫通凹部に導電性ペーストを
充填するとともに、塗布膜上に内部配線パターンとなる
所定形状の導体膜を導電性ペーストを印刷形成し、順次
この工程を繰り返して積層体を達成する積層セラミック
回路基板の製造方法を提供した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の選択的
な露光処理・現像処理を施す積層セラミック回路基板の
製造方法によれば、内部配線パターンとなる導体膜が導
電性ペーストの印刷精度によって規制されるため、高い
精度の配線パターンを形成することが困難であった。こ
れは、グリーンシート多層方法や印刷多層方法であって
も、内部配線パターンとなる導体膜が導電性ペーストの
印刷によって形成されるため同等であるのの、高密度配
線化ではより高い精度が必要となる。
【0007】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、内部配線パターンの精度が向
上し、高密度配線化が可能であり、しかも、製造工程が
画一化して生産性が高い積層セラミック回路基板の製造
方法である。
【0008】
【課題を解決するための手段】複数のセラミック層を積
層して成る積層体内の各層間に、内部配線パターンを配
置するとともに、各層に前記内部配線パターン間を接続
するビアホール導体を配置した成る積層セラミック回路
基板の製造方法において、前記支持基板上に(1)光硬
化可能なモノマーを有するセラミックスリップ材の塗布
・印刷・乾燥処理してセラミック層となる塗布膜を形成
し、(2)前記塗布膜にビアホール導体となる貫通凹部
を形成するために、選択的な露光処理・現像処理し、
(3)前記塗布膜上に、光硬化可能なモノマーを有する
導電性ペーストの印刷・乾燥処理して、貫通凹部にビア
ホール導体となる導体を充填するとともに、内部配線パ
ターンとなる全面導体膜を形成し、(4)前記全面導体
膜に、内部配線パターンとなる所定形状の導体膜を形成
するために、選択的な露光処理・現像処理し、(1)〜
(4)を順次繰り返えし、積層体を形成する工程と、前
記支持基板上から前記積層体を剥離する工程と、前記積
層体を焼成する工程とを含む積層セラミック基板の製造
方法である。
【0009】尚、上述の貫通凹部とは、セラミック層の
厚みを貫く貫通穴であり、その下面開口が、前の工程で
形成された導電膜などによって閉塞されているために貫
通凹部と表現した。また、内部配線パターンとなる全面
導体膜とは、最終的に内部配線パターンとなる形状の全
面に少なくとも導体膜を形成してものをいい、その限り
においては塗布膜の全面に導体膜を形成してもよい。
【0010】
【作用】本発明によれば、支持基板上に積層体を形成す
るにあたり、積層体を光硬化可能なモノマーを有するセ
ラミックスリップ材と光硬化可能なモノマーを有する導
電性ペーストとを用いて、セラミック層となるセラミッ
ク塗布膜をセラミックスリップ材の塗布によって形成
し、ビアホール導体となる貫通凹部をその塗布膜の選択
的な露光処理・現像処理によって形成し、ビアホール導
体となる導体を貫通凹部に導電性ペーストの充填により
形成し、所定形状の内部配線パターンとなる導体膜を、
全面に印刷した導電膜の選択的な露光処理と現像処理に
よって形成している。
【0011】従って、積層体を主に構成するセラミック
層の塗布膜及び内部配線パターンとなる導体膜が実質的
に画一化した、即ち、塗布又は印刷した後、所定形状に
選択的露光処理・現像処理によって形成されるため、生
産性が向上する。
【0012】また、セラミック層の塗布膜が、スリップ
材の塗布によって形成されるため、内部配線パターンの
構成やビアホール導体の構成などに影響されず、塗布面
を常に平坦となることができるため、その塗布面に導体
膜などを形成するにあたり、非常に簡単に形成でき、積
層歪みなどが一切発生しない。
【0013】また、内部配線パターンとなる導体膜は、
塗布膜の表面に、内部配線パターンの形状を含む全面に
形成された全面導体膜の選択的な露光処理・現像処理で
形成され、その導体膜のパターン精度が、選択的な露光
時の精度によって決まるため、非常に高精度のパターン
が可能となり、内部配線パターンの高密度化が可能とな
る。
【0014】さらに、ビアホール導体となる導体は、セ
ラミック塗布膜の選択的な露光処理・現像処理によって
形成された貫通凹部に充填することによって形成される
ため、回路に流れる電流に応じて、ビアホール導体の形
状・径などを任意とすることができる。
【0015】さらに、ビアホール導体となる導体を含む
内部配線パターンとなる導体膜が露光処理されることに
なるため、この導体膜上にセラミック塗布膜を形成し、
塗布膜を選択的な露光処理・現像処理しても、導体膜が
現像除去されることが一切なく、信頼性の高い内部配線
パターンが達成される。
【0016】また、積層体内の内部配線パターン、ビア
ホール導体などが、露光処理時の位置精度によって決定
されるため、隣接する内部配線パターン間及びビアホー
ル導体との位置あわせなどの精度が向上し、全体として
積層位置ずれがなく、接続信頼性が高い積層セラミック
回路基板となる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0018】図1は、本発明に係る積層セラミック回路
基板の断面図である。
【0019】図1において、10は積層セラミック回路
基板であり、積層セラミック回路基板10は、内部に所
定回路が形成された積層体1から成り、必要に応じて積
層体1の主面に形成又は搭載された表面配線パターン
4、5、厚膜抵抗体膜6、保護膜、各種電子部品7など
から構成されている。
【0020】積層体1は、セラミック層1a〜1eと、
セラミック層1a〜1eの各層間には、所定回路網を達
成するや容量成分を発生するための内部配線パターン2
が配置されている。また、セラミック層1a〜1eに
は、その層の厚み方向を貫くビアホール導体3が形成さ
れている。
【0021】セラミック層1a〜1eは、例えば850
〜1050℃前後の比較的低い温度で焼成可能にするガ
ラス−セラミック材料からなる。具体的なセラミック材
料としては、クリストバライト、石英、コランダム(α
アルミナ)、ムライト、コージライトなどが例示でき
る。また、ガラス材料として複数の金属酸化物を含むガ
ラスフリットを焼成処理することによって、コージェラ
イト、ムライト、アノーサイト、セルジアン、スピネ
ル、ガーナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライ
トやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種類を析出す
るものである。このセラミック層1a〜1eの厚みは例
えば10〜100μm程度である。
【0022】内部配線パターン2、ビアホール導体3
は、Ag系(Ag単体、Ag−PdなどのAg合金)、
Cu系(Cu単体、Cu合金)など導体からなり、内部
配線パターン2の厚みは8〜15μm程度であり、ビア
ホール導体の直径は任意な値とすることができるが、例
えば直径は80〜250μmである。
【0023】表面配線パターン4、5は、Ag系(Ag
単体、Ag−PdなどのAg合金)、Cu系(Cu単
体、Cu合金)など導体から成り、例えば、焼成処理さ
れる前の積層体に既に形成されて形成されたり、また、
焼成された積層体の主面に、上述の導体成分を含む導電
性ペーストを印刷、焼きつけによって形成される。尚、
図において、表面配線パターン4は、積層工程で形成さ
れるものであり、積層体1の主面と表面配線パターン4
の表面が同一平面となっている。
【0024】表面配線パターン4、5の材料として、C
u系材料では、耐マイグレーション性に優れ、高密度化
が可能となるものの、焼きつけの条件が還元性雰囲気ま
たは中性雰囲気で行う必要がある。また、特に表面配線
パターン4、5を未焼成状態の積層体に導体膜を形成し
ておき、また積層工程中で形成した場合には、積層体1
の焼成時に同時に焼きつけ処理するために、大気雰囲気
で焼成可能な銀系導体などを用いる。尚、表面配線パタ
ーン4、5は、入出力端子部分や電子部品搭載パッドを
含むものである。
【0025】このような積層体1の表面配線パターン
4、5には、厚膜抵抗体膜6が形成され、チップ状コン
デンサ、チップ状抵抗、トランジスタ、ICなどの各種
電子部品7などが半田、ワイヤボンディングなどによっ
て搭載されている。
【0026】次に、本発明の積層セラミック回路基板の
製造方法について、図2の工程図、図3(a)〜図3
(j)の主要工程における断面図に基づいて説明する。
【0027】積層セラミック回路基板1の製造方法は、
大きく分けて積層前の準備工程(図2の(a)の工
程)、積層工程(図2の(b)の工程〜(j)の工
程)、剥離工程(図2の(k)の工程)、焼成工程(図
2の(l)の工程)、表面処理工程(図2の(m)の工
程)とからなる。
【0028】積層前工程は、支持基板15、セラミック
層1a〜1eとなるセラミック塗布膜のスリップ材、内
部配線パターン2、ビアホール導体3、表面配線パター
ン4、5となる導体膜や導体の導電性ペーストを夫々準
備する工程である。
【0029】〔支持基板〕図3(a)に示すように、支
持基板15は、セラミック、ガラス、耐熱性樹脂などの
基板からなり、支持基板15の積層体を積層する側の表
面には、基板平滑層16が形成される。
【0030】基板平滑層16は、光硬化可能なモノマ
ー、バインダー、溶剤を均質混練したスリップ材を塗布
・乾燥して塗布膜を形成し、その後、塗布膜の全面に露
光処理して硬化することによって形成する。基板平滑層
16の厚みは、少なくとも支持基板15の凹凸を吸収し
得る程度の厚み、例えば20μm以上である。尚、この
平滑層16は基板15の表面の凹凸を吸収して、積層体
1の表面の平坦化したり、またこの基板15と当接する
側の1層目の塗布膜の厚みを均一化して、焼成段階にお
ける焼成収縮を均一化したり、また、後述の表面配線パ
ターン4となる導体膜や1層目の塗布膜の露光条件、現
像条件が支持基板15上のどの位置においても均一化な
条件で処理できる。
【0031】ここで、光硬化可能なモノマーは、比較的
低温で且つ短時間の焼成工程で焼失できるように熱分解
性に優れたものであり、また、スリップ材の塗布・乾燥
後の露光によって、光重合される必要があり、遊離ラジ
カルの形成、連鎖生長付加重合が可能で、2級もしくは
3級炭素を有したモノマーが好ましく、例えば少なくと
も1つの重合可能なエチレン系基を有するブチルアクリ
レート等のアルキルアクリレートおよびそれらに対応す
るアルキルメタクリレートが有効である。また、テトラ
エチレングリコールジアクリレート等のポリエチレング
リコールジアクリレートおよびそれらに対応するメタク
リレートなどが挙げられる。
【0032】バインダーは、光硬化可能なモノマー同様
に熱分解性の良好なものでなくてはならない。同時にス
リップの粘性を決めるものである為、アクリル酸もしく
はメタクリル酸系重合体のようなカルボキシル基、アル
コール性水酸基を備えたエチレン性不飽和化合物が好ま
しい。
【0033】尚、光硬化可能なモノマーとバインダーと
の比率は、1〜3:5程度に添加される。
【0034】溶剤として、有機系溶剤、水系溶剤を用い
ることができる。尚、水系溶剤の場合、光硬化可能なモ
ノマー及びバインダーは、水溶性である必要があり、モ
ノマー及びバインダには、親水性の官能基、例えばカル
ボキシル基が付加されている。その付加量は酸価で表せ
ば2〜300あり、好ましくは5〜100である。
【0035】上述のスリップ材は、光硬化可能なモノマ
ー及びバインダが上述したように積層体の焼成の過程で
完全に熱分解しなくてはならないが、特に、600℃以
下、好ましくは500℃以下で分解する材料を選択す
る。
【0036】また、スリップ材には、増感剤、光開始系
材料等を必要に応じて添加しても構わない。例えば、光
開始系材料としては、ベンゾフェノン類、アシロインエ
ステル類化合物などが挙げられる。
【0037】スリップ材の塗布方法としては、例えば、
ドクターブレード法(ナイフコート法)、ロールコート
法、印刷法などが挙げられる。特に基板平滑層16の表
面が平坦化することが容易なドクターブレード法などが
好適である。尚、塗布方法に応じて溶剤の添加量が調整
され、所定粘度に調整される。
【0038】乾燥方法としては、バッチ式乾燥炉、イン
ライン式乾燥炉を用いて行われ、乾燥条件は、120℃
以下が望ましい。また、急激な乾燥は、表面にクラック
を発生される可能性があるため、急加熱を避けることが
重要となる。
【0039】露光処理としては、塗布膜中に含まれる光
硬化可能なモノマーが光重合されるネガ型であるため、
塗布膜全面に低圧、高圧、超高圧の水銀灯系の露光光を
照射する。尚、露光条件は、10〜20mW/cm2
露光光を約5〜30秒程度照射して行う。これにより、
塗布膜は、光硬化可能なモノマーの光重合反応を起し、
光硬化されることになる。
【0040】〔セラミックスリップ材〕セラミックスリ
ップ材は、セラミック粉末、必要に応じてガラスフリッ
ト、光硬化可能なモノマー、バインダー、溶剤を均質混
練して形成する。
【0041】セラミック粉末は、クリストバライト、石
英、コランダム(αアルミナ)、ムライト、コージライ
トなどの絶縁セラミック材料、BaTiO3 、Pb4
2Nb2 12、TiO2 などの誘電体セラミック材
料、Ni−Znフェライト、Mn−Znフェライト(広
義の意味でセラミックという)なとの磁性体セラミック
材料などが挙げられ、その平均粒径1.0〜6.0μ
m、好ましくは1.5〜4.0μmに粉砕したものを用
いる。尚、セラミック材料は2種以上混合して用いられ
てもよい。特に、コランダムを用いた場合、コスト的に
有利となる。
【0042】ガラスフリットは、焼成処理することによ
ってコージェライト、ムライト、アノーサイト、セルジ
アン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイト、ドロマイ
ト、ペタライトやその置換誘導体の結晶やスピネル構造
の結晶相を析出するものであればよく、例えば、B2
3 、SiO2 、Al2 3 、ZnO、アルカリ土類酸化
物を含むガラスフリットが挙げられる。この様なガラス
フリットは、ガラス化範囲が広くまた屈伏点が600〜
800℃付近にあるため、850〜1050℃程度の低
温焼成に適し、内部配線パターン2となる導体膜との焼
結挙動が近似しているためである。尚、このガラスフリ
ットの平均粒径は、1.0〜6.0μm、好ましくは
1.5〜3.5μmである。
【0043】上述のセラミック材料とガラス材料との構
成比率は、850〜1050℃の比較的低温で焼成する
場合には、セラミック材料が10〜60wt%、好まし
くは30〜50wt%であり、ガラス材料が90〜40
wt%、好ましくは70〜50wt%である。
【0044】尚、セラミック材料として、誘電体セラミ
ック材料や磁性体セラミック材料とともに用いる場合に
は、セラミック材料の固有の特性を低下させることがあ
るため、ガラスフリットは必要に応じて添加する。
【0045】光硬化可能なモノマーは、基板平滑層16
に用いた材料ものが使用できる。これは、露光条件を略
同一とするためである。光硬化可能なモノマーは、露光
処理後の現像処理によって露光部分以外の部分が容易に
除去できるように所定量添加される。例えば、固形成分
(セラミック材料及びガラス材料) に対して5〜15w
t%以下である。バインダーは、固形分との濡れ性も重
視する必要があり、基板平滑層16に用いた材料ものが
使用できる。添加量としては固形分に対して25wt%
以下が好ましい。
【0046】溶剤として、有機系溶剤、水系溶剤を用い
ることができる。尚、水系溶剤の場合、光硬化可能なモ
ノマー及びバインダーは、水溶性である必要があり、モ
ノマー及びバインダには、親水性の官能基、例えばカル
ボキシル基が付加されている。その付加量は酸価で表せ
ば2〜300であり、好ましくは5〜100である。
【0047】付加量が少ない場合は水への溶解性、固定
成分の粉末の分散性が悪くなり、多い場合は熱分解性が
悪くなるため、付加量は、水への溶解性、分散性、熱分
解性を考慮して、上述の範囲で適宜付加される。
【0048】また、スリップ材には、増感剤、光開始系
材料等を必要に応じて添加しても構わない。例えば、光
開始系材料としては、ベンゾフェノン類、アシロインエ
ステル類化合物などが挙げられる。
【0049】〔導電性ペースト〕内部配線パターン2及
び表面配線パターン4、ビアホール導体3を形成するた
めの導電性ペーストは、Ag系(Ag単体、Ag−Pd
などのAg合金)、Cu系(Cu単体、Cu合金)など
導体材料粉末、例えば銀系粉末と、低融点ガラス成分
と、上述の光硬化可能なモノマー、バインダーと溶剤と
を均質混練したものが用いられる。また、表面配線パタ
ーン5にもこのペーストを用いても構わない。
【0050】〔積層工程〕このようにして、支持基板1
5上に基板平滑層16を形成し、セラミックスリップ
材、導電性ペーストを準備した後、実質的な積層工程を
行う。尚、支持基板15は、最終的に複数の積層体が抽
出できるよう複数の積層体の領域を同時に形成するが、
ここでは、1つの積層体の領域について説明する。
【0051】まず、積層工程として、図2の(b)の工
程として、図3(b)に示すように、支持基板15の基
板平滑層16上に、積層体1の下面側の表面配線パター
ン4となる全面導体膜40を形成する。具体的には、支
持基板15の各積層体となる領域内の略全面に渡り上述
の導電性ペーストのスクリーン印刷法やドクターブレー
ド法で形成し、乾燥処理(バッチ式乾燥炉、インライン
式乾燥炉で120℃以下)して形成する。尚、全面導体
膜40は、図中では、平滑層16の表面全面に形成して
いるが、表面配線パターン4の形状を考慮して、少なく
ともその形状を含む領域に形成すればよい。
【0052】次に、図2の(c)の工程のとして、図3
(c)に示すように、上述の表面配線パターン4となる
全面導体膜40に選択的な露光処理・現像処理を行い、
所定パターンの導体膜41を形成する。
【0053】露光処理は、表面配線パターン4となるパ
ターン部分のみに露光光が照射されるような所定パター
ンを有するフォトターゲットを、全面導体膜40上に近
接又は載置して、基板平滑層16を形成した時の露光条
件(低圧、高圧、超高圧の水銀灯系の10〜20mW/
cm2 の露光光を約5〜30秒程度照射する)で処理を
行う。
【0054】現像処理は、選択的な露光処理を行った全
面導体膜40に有機系のクロロセン、1,1,1−トリ
クロロエタン、アルカリ系溶剤などの現像溶剤を、例え
ばスプレー現像法やパドル現像法によって噴射したり、
接触したり現像処理を行う。
【0055】その後、必要に応じて洗浄及び乾燥を行な
う。
【0056】上述の選択的な露光処理・現像処理によっ
て全面導体膜40は、フォトターゲットの形状の制御に
よって、表面配線パターン4となる所定形状の導体膜4
1を形成する。即ち、供給用の配線やアース電位の配線
など比較的大電流が流れるパターン幅を広くしたりする
ことが簡単に行える。
【0057】また、フォトターゲットを用いた露光は、
一般に、半導体チップなどの微細表面加工などに用いら
れるものであるため、フォトターゲットによって制御さ
れて形成される表面配線パターン4となる導体膜41
は、非常に微細加工に適し、高密度、高精度の表面配線
パターン4となる導体膜41が達成される。
【0058】次に、図2の(d)の工程として、図3
(d)に示すように、セラミック層1aとなるセラミッ
ク塗布膜10aを形成する。このセラミックスリップ材
塗布膜10aは、基板平滑層16上に形成した所定形状
の導体膜41を覆うように、各領域を越えて支持基板1
5の基板平滑層16の全面に形成する。具体的には、上
述のセラミックスリップ材をドクターブレード法などで
塗布し、乾燥処理(バッチ式乾燥炉、インライン式乾燥
炉で120℃以下)を行う。
【0059】次に、図2の(e)の工程として、図3
(e)に示すように、セラミック塗布膜10aに選択的
な露光処理・現像処理を行い、ビアホール導体3となる
貫通凹部30を形成する。
【0060】露光処理は、セラミック層1aの厚みを貫
通するビアホール導体3となる位置に貫通凹部30を形
成するため、この部分のみに露光光が照射されないよう
な所定パターンを有するフォトターゲットをセラミック
塗布膜10a上に近接又は載置して、上述の露光条件
(低圧、高圧、超高圧の水銀灯系の10〜20mW/c
2 の露光光を約5〜30秒程度照射する)で処理を行
う。
【0061】現像処理は、選択的な露光処理を行った塗
布膜10aに有機系のクロロセン、1,1,1−トリク
ロロエタン、アルカリ系溶剤などの現像溶剤を、例えば
スプレー現像法やパドル現像法によって噴射したり、接
触したり現像処理を行う。その後、必要に応じて洗浄及
び乾燥を行なう。
【0062】上述の選択的な露光処理・現像処理によっ
てビアホール導体3となる貫通穴30の形状、径など
は、微細加工に適したフォトターゲットの形状の制御に
よって、任意に設定できることになる。即ち、供給用の
配線やアース電位の配線など比較的大電流が流れる配線
間を接続するビアホール導体3の形状を大きくすること
が簡単に行え、また、ビアホール導体3の位置ずれがな
く、ビアホール導体3の導通信頼性が大きく向上する。
【0063】次に、図2の(f)の工程として、図3
(f)に示すように、セラミック塗布膜10aに形成し
た貫通凹部30にビアホール導体3となる導体31を充
填するとともに、セラミック塗布膜10aの略全面に、
セラミック層1aとセラミック層1bとの層間の内部配
線パターン2となる全面導体膜20を形成する。
【0064】具体的には、上述の導電性ペーストをスク
リーン印刷法、ドクターブレード法などによって、塗布
膜10aの貫通凹部30内に、ビアホール導体3となる
導体31を充填するとともに、同時に、塗布膜10a上
に、内部配線パターン2となる全面導体膜20を形成す
る。その後、乾燥処理を行う。
【0065】尚、全面導体膜20は、図では塗布膜10
a上の全面に形成しているが、内部配線パターン2の形
状を考慮して、少なくともその形状と、また、貫通凹部
30をを含む領域に形成すればよい。
【0066】尚、貫通凹部30の形状が大きい場合に
は、まず、導電性ペーストをディスペンサーなどを用い
て貫通凹部30内に充填し、その後、内部の内部配線パ
ターン2となる全面導体膜20を形成しても構わない。
【0067】次に、図2の(g)の工程として、図3
(g)に示すように、上述の内部配線パターン2となる
全面導体膜20に選択的な露光処理・現像処理を行い、
セラミック層1aとセラミック層1bとの間の内部配線
パターン2となる所定パターンの導体膜21を形成す
る。
【0068】露光処理は、内部配線パターン2となるパ
ターン部分のみに露光光が照射されるような所定パター
ンを有するフォトターゲットを、全面導体膜20上に近
接又は載置して、上述の露光条件(低圧、高圧、超高圧
の水銀灯系の10〜20mW/cm2 の露光光を約5〜
30秒程度照射する)で処理を行う。
【0069】現像処理は、選択的な露光処理を行った全
面導体膜20に有機系のクロロセン、1,1,1−トリ
クロロエタン、アルカリ系溶剤などの現像溶剤を、例え
ばスプレー現像法やパドル現像法によって噴射したり、
接触したり現像処理を行う。
【0070】その後、必要に応じて洗浄及び乾燥を行な
う。
【0071】上述の選択的な露光処理・現像処理によっ
て全面導体膜20は、フォトターゲットの形状の制御に
よって、内部配線パターン2となる所定形状の導体膜2
1を形成する。即ち、供給用の配線やアース電位の配線
など比較的大電流が流れるパターン幅を広くしたり、さ
らに、微細加工に適したフォトターゲットによって、内
部配線パターン2となる導体膜21を高密度、高精度の
パターンとすることができる。
【0072】次に、図2の(d)の工程を繰り返して、
セラミック層1aとなる塗布膜10a上に、セラミック
層1bとなる塗布膜10bを形成する。具体的には、セ
ラミック塗布膜10a上に形成された内部配線パターン
2となる導体膜21を覆うように、上述のセラミックス
リップ材をドクターブレード法などによって塗布し、乾
燥する。
【0073】これにより、セラミック塗布膜10bの表
面は、塗布膜10bに覆われたビアホール導体3となる
導体31や内部配線パターン2となる導体膜21の形状
や積層状況に係わらず、塗布表面を均一な平坦面とする
ことができる。
【0074】次に、図2の(e)の工程を行い、塗布膜
10bに選択的な露光処理・現像処理によりビアホール
導体3となる貫通凹部30を形成する。
【0075】次に、図2の(f)の工程を行い、塗布膜
10bの貫通凹部30に、スクリーン印刷法又はドクタ
ーブレード法によって、上述の導電性ペーストを充填す
るとともに、塗布膜10b上にセラミック層1bとセラ
ミック層1cとの間の内部配線パターン2となる全面導
体膜20を形成する。
【0076】次に、図2の(g)の工程を行い、塗布膜
10b上に形成した全面導体膜20に選択的な露光処理
・現像処理を行い、セラミック層1bとセラミック層1
cとの間の内部配線パターン2となる所定パターンの導
体膜21を形成する。
【0077】このようにして、図2の(d)の工程〜図
2の(g)を順次繰り返して、セラミック塗布膜10d
上に、所定パターンの内部配線パターン2となる導体膜
21を形成する。
【0078】次に、図2の(h)の工程として、セラミ
ック層1eとなるセラミック塗布膜10eを形成する。
このセラミックスリップ材塗布膜10eは、塗布膜10
d上に形成した所定形状の導体膜21を覆うように、各
領域を越えて塗布膜10d全面に形成する。
【0079】次に、図2の(i)の工程として、図3
(h)に示すように、セラミック塗布膜10eに選択的
な露光処理・現像処理を行い、ビアホール導体3となる
貫通凹部30を形成する。
【0080】次に、図2の(j)の工程として、図3
(i)に示すうよに、セラミック塗布膜10eに形成し
た貫通凹部30に導電性ペーストを充填する。
【0081】この貫通孔の充填は、貫通凹部30部分に
選択的に充填処理し、乾燥処理するだけでもよいし、ま
た、導電性ペーストで塗布膜10e上に全面導体膜を形
成し、ビアホール導体部分のみを露光処理して、その他
の部分を現像処理して除去しても構わない。積層体の積
層工程はこれで完了する。
【0082】尚、積層工程を終了した後に、各積層体1
の形状に応じて、各領域を区画する分割溝をプレス成型
などによって形成することが望ましい。
【0083】〔剥離工程〕次に、図2の(k)の工程と
して、図3(j)に示すように、支持基板15から基板
平滑層16、表面配線パターン4となる導体膜41を含
むセラミック塗布膜10e〜10a、内部配線パターン
2となる導体膜21、ビアホール導体3となる導体31
から成る積層体を剥離する。
【0084】上述のように剥離界面は、支持基板15と
基板平滑層16との界面となり、積層体側に基板平滑層
16が存在することになる。従って、剥離を機械的に、
例えば支持基板15を湾曲させてり、剥離界面にカッタ
ー刃を平面状に摺動したりしても、積層体そのものに悪
影響(剥離による亀裂など)がなく安定して剥離するこ
とができる。
【0085】尚、その他に、支持基板15と基板平滑層
16の界面部分に、120℃(乾燥処理の温度)以上で
発泡性反応を起こす樹脂部材を設けたり、また基板平滑
層16自身に発泡性反応を起こす樹脂材を混合させてお
き、加熱処理して剥離を容易にしても構わない。また、
支持基板15と基板平滑層16の界面部分に有機溶剤に
よって溶解するシートを介在させておき、有機溶剤に浸
漬したりしても構わない。有機溶剤によって溶解するシ
ートを用いる場合には、セラミックスリップ材、導電性
ペーストにバイダー、光硬化可能なモノマーに水系を用
い、溶剤に純水などを用いることが重要となる。
【0086】〔焼成工程〕次に、図2の(l)の工程と
して、図3(k)に示すように、支持基板15から剥離
した基板平滑層16、表面配線パターン4となる導体膜
41を含む積層体を焼成処理する。焼成処理は、脱バイ
ンダ過程と焼結過程からなる。
【0087】脱バインダ過程は、セラミック塗布膜10
a〜10e、内部配線パターン2となる導体膜21、ビ
アホール導体3となる導体31、表面配線パターン4と
なる導体膜41に含まれる有機成分及び基板平滑層16
を焼失するためのものであり、例えば600℃以下の温
度領域で行われる。
【0088】また、焼結過程は、塗布膜10a〜10e
のガラス成分を結晶化させて、セラミック粉末の粒界に
均一に分散させ、積層体1に一定強度を与え、同時に、
内部配線パターン2となる導体膜21、ビアホール導体
3となる導体31、表面配線パターン4となる導体膜4
1の導電材料、例えば、銀系粉末を粒成長させて、低抵
抗化させるとともに、セラミック層1a〜1eと一体化
させるものである。これは、ピーク温度850〜105
0℃に達する温度領域で行われる。
【0089】焼成雰囲気は、導電性ペーストの材料など
によって異なり、上述のようにAg系導体の場合は、大
気(酸化性)雰囲気又は中性雰囲気で行われ、Cu系導
体の場合は、還元性雰囲気又は中性雰囲気で行われる。
【0090】これにより、塗布膜10a〜10eはセラ
ミック層1a〜1eとなり、導体膜21は内部配線パタ
ーン2に、導体31はビアホール導体3に、導体膜41
は表面配線パターン4となり、焼成された大型積層体基
板となる。
【0091】〔表面処理工程〕次に、図2の(m)の工
程として、図3(l)に示すように、焼成処理された大
型積層体基板の両主面に表面処理を行う。
【0092】例えば、大型積層体基板の上面側主面(図
1の積層セラミック回路基板では下面側主面)に、セラ
ミック層1eに形成したビアホール導体3と接続するよ
うに、例えば銅系導電性ペーストの印刷・乾燥、焼きつ
けにより、表面配線パターン5を形成する。ここで、銅
系の表面配線パターン5と銀系導体のビアホール導体3
とが接合することになる。このため、銀と銅との共晶温
度を考慮して、銅系の導電性ペーストは低温(例えば7
80℃以下)焼成可能なものを選択し、しかも、銅の酸
化を防止するために還元性雰囲気や中性雰囲気中で行う
ことが重要である。
【0093】その後、必要に応じて、両主面に、厚膜抵
抗膜6や保護膜などを焼きつけを行い、各種電子部品7
を搭載する。
【0094】ここで、積層セラミックスリップ材回路基
板10の上面側主面の表面配線パターン4は、積層体1
の積層工程で形成され、その表面は積層体1の表面と同
一平面となる。従って、例えば厚膜抵抗体膜6を形成す
るにあたり、厚膜抵抗体膜6の端部(表面配線パターン
4が被覆される部位)に段差ができず、厚膜抵抗体膜6
の段切れが発生しない。また、ICチップなどの電子部
品7を搭載するにあたっても、電子部品7の接合面は、
支持基板15によってその表面が平坦化されているた
め、電子部品7の接合に必要な最小な面積になるように
設定すればよく、従来のグリーンシート多層による電子
部品の接合面のように、表面配線パターンの凹部を考慮
した面積にする必要がなく、これにより、表面配線パタ
ーン4の高密度配線化が可能となる。
【0095】その後、焼成前に形成した分割溝にそっ
て、大型積層体基板を所定形状の積層体に分割する。こ
れによって、図1に示す構造の積層セラミック回路基板
が完成する。
【0096】尚、上述の実施例について、積層体1の一
方主面側の表面配線パターン4を積層工程の一部で形成
したが、積層体1の他方主面側の表面配線パターン5を
積層工程の最終工程で形成して、積層体の焼成と一体的
におこなっても構わない。即ち、塗布膜10eの貫通凹
部30にビアホール導体3となる導体31を充填するた
めに塗布膜10e上に全面導体膜を形成した際に、表面
配線パターン5の形状になるように全面導体膜を選択的
な露光処理と現像処理を行うことによって達成される。
【0097】また、分割溝について、上述の製造工程で
は支持基板15から積層体1を剥離する前に形成した
が、要は焼成前に形成することが重要であり、支持基板
15を剥離した後に、積層体の両主面側に形成してもか
まわない。また、分割溝にそって行う分割処理につい
て、上述の製造工程は、表面処理工程の最後におこなっ
ているが、電子部品7を搭載する前に分割処理しても構
わない。
【0098】以上のように、上述の製造方法による積層
工程が、セラミック層となるセラミック塗布膜は、光硬
化可能なモノマーを有するセラミックスリップ材の塗
布、乾燥によって形成し、ビアホール導体となる導体
は、塗布膜の選択的な露光処理・現像処理によって形成
された貫通凹部に導電性ペーストの充填によって形成
し、さらに、内部配線パターン2となる所定パターンの
導体膜21は、塗布膜上に形成された導体膜20を選択
的な露光処理・現像処理によって形成する。
【0099】従って、スリップ材(導電性ペースト)の
全面塗布と、その選択的な露光処理・現像処理を繰り返
して積層体を形成することになり、露光条件・現像条件
を画一化することができ、露光・現像条件の制御が緩和
され、生産性が向上する。
【0100】また、セラミック層となるセラミック塗布
膜が、スリップ材の全面塗布によって形成されるため、
その塗布膜によって被覆された内部配線パターンの構成
やビアホール導体の構成などに影響されず、塗布面を常
に平坦となることができる。
【0101】これにより、その塗布膜面上の各種処理、
例えば全面導体膜の形成などは、内部配線パターン2の
形状を含む非常に粗いパターンの形成が、もしくは塗布
膜の全面に形成することが非常に簡単にできる。また、
積層数の増加による積層歪みなどが一切発生しない。
【0102】また、内部配線パターンとなる導体膜は、
セラミック塗布膜の表面に形成された内部配線パターン
は、全面導体膜(実質的に全面形成された膜及び内部配
線パターンの形状を含む粗いパターンの導体膜)の選択
的な露光処理・現像処理で形成され、その導体膜のパタ
ーン精度が、選択的な露光時の精度によって決まるた
め、非常に高精度のパターンが可能となり、内部配線パ
ターンの高密度化が可能となる。
【0103】さらに、ビアホール導体となる導体は、セ
ラミック塗布膜の選択的な露光処理・現像処理によって
形成された貫通凹部に充填することによって形成される
ため、回路に流れる電流に応じて、ビアホール導体の形
状・径などを任意とすることができる。
【0104】さらに、ビアホール導体となる導体を含む
内部配線パターンとなる導体膜が露光処理されることに
なるため、この導体膜上にセラミック塗布膜を形成し、
塗布膜を選択的な露光処理・現像処理しても、導体膜が
現像除去されることが一切なく、信頼性の高い内部配線
パターンが達成される。
【0105】また、積層体内の内部配線パターン、ビア
ホール導体などが、露光処理時の位置精度によって決定
されるため、隣接する内部配線パターン間及びビアホー
ル導体との位置合わせの精度が向上し、全体として積層
位置ずれがなく、接続信頼性が高い積層セラミック回路
基板となる。
【0106】尚、上述の実施例では、積層体1の両主面
の表面配線パターン4、5において、例えば表面配線パ
ターン5となる導体膜50を、セラミック塗布膜10e
に形成した貫通凹部30に導電性ペーストを充填する際
に、セラミック塗布膜10e上に全面導体膜を形成し、
その全面導体膜の選択的な露光処理・現像処理によって
積層体1の焼成前に形成しても構わない。また、逆に、
積層体1の表面配線パターン4を、積層体1を焼成した
後に、導電性ペーストの印刷・焼きつけによって形成し
ても構わない。この場合、図2の工程図において、
(b)の工程、(c)の工程は省略され、図2の(m)
の工程で表面配線パターン4を形成することになる。
【0107】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、積層体
が、光硬化可能なモノマーを有するセラミックスリップ
材と、光硬化可能なモノマーを有する導電性ペーストを
用いて、セラミックスリップ材の塗布、乾燥によりセラ
ミック塗布膜を形成し、そのセラミック塗布膜の選択的
な露光処理・現像処理によってビアホール導体となる貫
通凹部を形成し、また、導電性ペーストの塗布又は印刷
によって塗布膜上に全面導体膜を形成して、貫通凹部に
ビアホール導体となる導体を充填し、また、その全面導
体膜の選択的な露光処理・現像処理によって所定パター
ンの内部配線パターンとなる導体膜を形成している。
【0108】従って、セラミック塗布膜と内部配線パタ
ーンとなる導体膜とが画一的な製造方法(塗布、選択的
な露光処理、現像処理)によって形成されるため、製造
管理が緩和され、生産性が高い積層セラミック回路基板
の製造方法となる。
【0109】また、選択的な露光処理、現像処理によっ
て、セラミック塗布膜ではビアホール導体となる貫通凹
部が、全面導体膜では所定パターンの内部配線パターン
の導体膜が形成されることになり、何れも任意な形状
で、且つその精度が大幅に向上することができる。
【0110】従って、ビアホール導体では、その形状、
径などを任意にすることができ、また、ビアホール導体
によって接続される内部配線パターン間の接続信頼性が
向上し、内部配線パターンの高密度、高精度配線化が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層セラミック基板の断面図であ
る。
【図2】本発明の積層セラミック基板の製造を説明する
ための工程図である。
【図3】(a)〜(l)は本発明の積層セラミック基板
の製造の主要工程における断面図である。
【符号の説明】
10・・・・・・積層セラミック回路基板 1・・・・・・・積層体 1a〜1e・・・セラミック層 10a〜10e・・・絶縁膜 2・・・・・・・内部配線パターン 20・・・・・・内部配線パターンとなる全面導体膜 21・・・・・・内部配線パターンとなる導体膜 3・・・・・・・ビアホール導体 30・・・・・・貫通凹部 31・・・・・・ビアホール導体となる導体 4、5・・・・・表面配線パターン 15・・・・・・支持基板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のセラミック層を積層して成る積層
    体内の各層間に、内部配線パターンを配置するととも
    に、各層に前記内部配線パターン間を接続するビアホー
    ル導体を配置して成る積層セラミック回路基板の製造方
    法において、 前記支持基板上に(1)光硬化可能なモノマーを有する
    セラミックスリップ材の塗布・印刷・乾燥処理してセラ
    ミック層となる塗布膜を形成する工程、(2)前記塗布
    膜にビアホール導体となる貫通凹部を形成するために、
    選択的な露光処理・現像処理する工程、(3)前記塗布
    膜上に、光硬化可能なモノマーを有する導電性ペースト
    の印刷・乾燥処理して、貫通凹部にビアホール導体とな
    る導体を充填するとともに、内部配線パターンとなる全
    面導体膜を形成する工程、(4)前記全面導体膜に、内
    部配線パターンとなる所定形状の導体膜を形成するため
    に、選択的な露光処理・現像処理する工程、を順次繰り
    返えし、積層体を形成する工程と、 前記支持基板上から前記積層体を剥離する工程と、 前記積層体を焼成する工程とを含む積層セラミック基板
    の製造方法。
JP6148282A 1994-06-29 1994-06-29 積層セラミック回路基板の製造方法 Pending JPH0818236A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6148282A JPH0818236A (ja) 1994-06-29 1994-06-29 積層セラミック回路基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6148282A JPH0818236A (ja) 1994-06-29 1994-06-29 積層セラミック回路基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0818236A true JPH0818236A (ja) 1996-01-19

Family

ID=15449285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6148282A Pending JPH0818236A (ja) 1994-06-29 1994-06-29 積層セラミック回路基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0818236A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11284345A (ja) * 1998-03-31 1999-10-15 Kyocera Corp 多層回路基板
US6481095B1 (en) 1999-08-31 2002-11-19 Nidek Co., Ltd. Cup attaching apparatus
US6798501B1 (en) 1998-01-30 2004-09-28 Nidek Co., Ltd. Cup attaching apparatus
US7915739B2 (en) 2005-02-19 2011-03-29 Assa Abloy Ab Method and arrangement for contact-connecting semiconductor chips on a metallic substrate
US8525039B2 (en) 2007-01-30 2013-09-03 Murata Manufacturing Co., Ltd. Photosensitive glass paste and multilayer wiring chip component
WO2017065012A1 (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 株式会社村田製作所 多層基板及び多層基板の製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6798501B1 (en) 1998-01-30 2004-09-28 Nidek Co., Ltd. Cup attaching apparatus
JPH11284345A (ja) * 1998-03-31 1999-10-15 Kyocera Corp 多層回路基板
US6481095B1 (en) 1999-08-31 2002-11-19 Nidek Co., Ltd. Cup attaching apparatus
US7915739B2 (en) 2005-02-19 2011-03-29 Assa Abloy Ab Method and arrangement for contact-connecting semiconductor chips on a metallic substrate
US8525039B2 (en) 2007-01-30 2013-09-03 Murata Manufacturing Co., Ltd. Photosensitive glass paste and multilayer wiring chip component
WO2017065012A1 (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 株式会社村田製作所 多層基板及び多層基板の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3580688B2 (ja) 積層セラミック回路基板の製造方法
JPH0818236A (ja) 積層セラミック回路基板の製造方法
JP3677301B2 (ja) セラミック回路基板及びセラミック回路基板の製造方法
JP3231987B2 (ja) 多層セラミック回路基板の製造方法
JP4044830B2 (ja) 複合シートの製造方法、並びに積層部品の製造方法
JPH07176444A (ja) 積層インダクタ部品の製造方法
JP3231918B2 (ja) 積層型セラミック回路基板の製造方法
JP3559310B2 (ja) 積層セラミック回路基板の製造方法
JP3651925B2 (ja) 積層コンデンサ基板の製造方法
JP3236769B2 (ja) セラミック基板及びその製造方法並びに分割回路基板
JPH08213755A (ja) コンデンサ内蔵型積層セラミック回路基板及びその製造方法
JPH08186379A (ja) 積層セラミック回路基板
JP3383378B2 (ja) 積層インダクタ部品の製造方法
JP3522007B2 (ja) 積層セラミック回路基板の製造方法
JP2004128522A (ja) 積層インダクタ部品の製造方法
JP3393676B2 (ja) 多層セラミック回路基板の製造方法
JP2000165048A (ja) 積層回路基板及びその製造方法
JP3297532B2 (ja) 積層コンデンサ基板
JPH0845742A (ja) 積層インダクタ基板及びその製造方法
JPH0715143A (ja) 多層セラミック回路基板の製造方法
JP3389383B2 (ja) 高周波複合回路ブロックおよびその製造方法
JP3526472B2 (ja) 積層セラミック回路基板の製造方法
JP2006005379A (ja) コンデンサ内蔵型積層セラミック回路基板
JP2004179525A (ja) 複合シート、積層部品およびそれらの製造方法
JPH0742165U (ja) 積層回路基板

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040409

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040518