JP3526472B2 - 積層セラミック回路基板の製造方法 - Google Patents

積層セラミック回路基板の製造方法

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JP3526472B2
JP3526472B2 JP14828394A JP14828394A JP3526472B2 JP 3526472 B2 JP3526472 B2 JP 3526472B2 JP 14828394 A JP14828394 A JP 14828394A JP 14828394 A JP14828394 A JP 14828394A JP 3526472 B2 JP3526472 B2 JP 3526472B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、支持基板上に、セラミ
ック層となる塗布膜と内部配線パターンとなる導体膜と
が交互に積層した積層体を形成し、支持基板から積層体
を剥離した後、焼成処理する積層セラミック回路基板の
製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】上述のように、支持基板、例えばセラミ
ックや樹脂フィルムなどを用いて、その支持基板上に、
セラミックスリップ材から形成されるセラミック層とな
る塗布膜と導電性ペーストから形成される内部配線パタ
ーンなどとなる導体膜とが交互に積層した積層体の製造
方法としては、以下の2つの方法がある。 【0003】1つは印刷多層方法である。この方法は、
支持基板上にセラミック層となる塗布膜、内部配線パタ
ーン及びビアホール導体となる導体膜を順次積層印刷し
て形成する。具体的には、最下層となるセラミック層と
なる塗布膜を、セラミックスリップ材のスクリーン印刷
・乾燥により形成し、続いてこの塗布膜上に、内部配線
パターンとなる導体膜を、導電性ペーストの選択的な印
刷・乾燥により形成し、続いて、セラミック層となる塗
布膜を、導体膜の一部が露出してビアホール導体接合部
が形成されるようにセラミックスリップ材の選択的なス
クリーン印刷・乾燥により形成し、続いて内部配線パタ
ーン及びビアホール導体となる導体膜を、導電性ペース
トを選択的なスクリーン印刷・乾燥により形成し、この
工程を繰り返して、未焼成状態の積層体を形成してい
た。その後、支持基板から積層体を剥離し、積層体を焼
成処理を行い、焼成された積層体の主面に表面配線を導
電性ペーストの焼きつけによって形成していた。 【0004】また、今1つの製造方法は光硬化を用いた
塗布多層方法である。具体的には塗布膜は、光硬化なモ
ノマーが含有するセラミックスリップ材をドクターブレ
ード法などで塗布し、乾燥処理し、続いて、この塗布膜
を貫通するビアホール導体となる部分以外が光硬化され
るように選択的な露光処理し、ビアホール導体となる部
分を現像処理によって除去することによって形成する。 【0005】内部配線パターン及びビアホール導体とな
る導体膜は導電性ペーストをスクリーン印刷などで選択
的に印刷し、その後乾燥することによって、除去部に導
電性ペーストを充填し、塗膜膜にビアホール導体を含む
配線パターンとなる導体膜を形成する。 【0006】これらの工程を順次繰り返して、支持基板
上に未焼成状態の積層体を形成し、支持基板から積層体
を剥離し、積層体を焼成処理を行い、焼成された積層体
の主面に表面配線を導電性ペーストの焼きつけによって
形成していた。 【0007】特に、後者の場合、セラミック層となる塗
布膜の表面が常に平坦な面とすることができ、その表面
上に導体膜を精度よく形成でき、さらに、ビアホール導
体の位置決め、形状が露光・現像処理のフォトターゲッ
ト位置の制御、フォトターゲットの形状によってのみ決
定され、ビアホール導体を任意な形状、例えば導体抵抗
を考慮した直径で、位置ずれなく信頼性高く形成するこ
とができる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】いずれの方法によって
も、支持基板から剥離した積層体の支持基板と接した表
面は、支持基板の表面凹凸が影響して、その表面に平坦
な面にはならないという問題があった。たとえば、支持
基板にガラス基板を用いた場合、数μm〜数十μmの凹
凸が発生してしまう。従って、その表面に表面配線を高
い精度で形成することが困難となる。 【0009】また、支持基板と、セラミックスリップ材
を印刷するためのスクリーン面(スキージ面)や塗布す
るためのブレード面とが完全に平行でない場合、支持基
板と接する塗布膜の厚みが不均一となり、これにより、
積層体の全体の厚みも不均一となり、例えば焼成時の収
縮率のばらつきなどが発生してしまう。 【0010】また、特に、後者の方法で製造する場合、
支持基板に接する塗布膜の厚みが不均一であるため、こ
の塗布膜に露光処理・現像処理を施す際に、条件が変動
してしまう。また、支持基板の表面粗さが塗布膜の露光
光の乱反射などを起こして、所定形状のビアホール導体
を達成することが困難となるなどの問題があった。 【0011】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、支持基板上に積層セラミック
回路基板を製造しても、積層体の厚みが均一となり、表
面配線が精度よく形成することができる積層セラミック
回路基板の製造方法を提供するものである。 【0012】本発明の他の目的は、塗布膜を光硬化可能
なモノマーが含有するセラミックスリップ材の塗布・乾
燥して、選択的な露光処理・現像処理を施して、ビアホ
ール導体の形状の精度が高い積層セラミック回路基板の
製造方法を提供するものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明にかかる積層セラ
ミック回路基板の製造方法は、複数のセラミック層を積
層して成る積層体に、ビアホール導体を含む所定の配線
パターンを形成して成る積層セラミック回路基板の製造
方法において、有機成分から成り、光硬化可能なモノマ
ーを含むスリップ材を塗布・乾燥処理して得た塗布膜に
全面露光処理することで基板平滑層を形成した支持基板
上に、光硬化可能なモノマーを含むセラミックスリップ
材を塗布又は印刷・乾燥処理し、得られた塗布膜よりビ
アホール導体となる部分を除去するために、選択的な露
光処理・現像処理を行うことによってセラミック層とな
る塗布膜と、導電性ペーストの印刷・乾燥処理によって
ビアホール導体を含む配線パターンとなる導体膜とを順
次積層して積層体を形成し、前記支持基板上から基板平
滑層を含む積層体を剥離した後、前記積層体を焼成する
と同時に基板平滑層を焼失させることを特徴とするもの
である。 【0014】 【0015】 【作用】本発明によれば、有機成分から成る基板平滑層
を形成した支持基板上に、積層体を形成するために、た
とえ支持基板の表面に凹凸などが存在してしても、基板
平滑層によって、その凹凸が吸収されて、実質的に平坦
な面上に、積層体を形成することができる。従って、得
られた積層体の主面が平坦となり、この面に表面配線を
精度よく形成することができる。 【0016】また、支持基板の表面が、スクリーン(ス
キージ)面やブレード面に対して平行でなくとも、この
基板平滑層を形成により、スクリーン(スキージ)面や
ブレード面に対して完全に平行とすることができるの
で、積層体の厚みなどが完全に均一化することができ
る。 【0017】尚、支持基板から積層体を剥離した場合、
積層体側に基板平滑層が被着した状態であっても、積層
体を焼成処理する際に、有機成分から成る基板平滑層が
完全に焼失することになるため、焼成された積層体の表
面処理、例えば表面配線などの形成において、製造工程
で基板平滑層を用いたからと言って、何等影響のないも
のとなる。 【0018】さらに、基板平滑層を形成するためのスリ
ップ材や塗布膜となるセラミックスリップ材に、光硬化
可能なモノマーを含有させて、基板平滑層となるスリッ
プ材を塗布した後、その塗膜を全面露光処理し、セラミ
ック層となるセラミックスリップ材の塗布・乾燥して、
選択的な露光処理・現像処理することにより、各露光処
理条件が実質的に同一となり、安定した露光処理ができ
るとともに、セラミック層となる塗布膜を貫くビアホー
ル導体の径・形状、位置などが精度よく、且つ安定的に
形成することができる。 【0019】 【実施例】以下、本発明の積層セラミック回路基板の製
造方法を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係
る積層セラミック回路基板の断面図である。 【0020】図1において、10は積層セラミック回路
基板であり、積層セラミック回路基板1は、内部に所定
回路を構成する内部配線パターンを有する積層体1、積
層体1の表面に形成した表面配線パターン4、5、必要
に応じて表面配線パターン4、5に接続する厚膜抵抗体
膜6、各種電子部品7などから構成されている。 【0021】積層体1は、セラミック層1a〜1eと、
セラミック層1a〜1eの各層間には、所定回路網を達
成するや容量成分を発生するための内部配線パターン2
が配置されている。また、セラミック層1a〜1eに
は、その層の厚み方向を貫くビアホール導体3が形成さ
れている。 【0022】セラミック層1a〜1eは、例えば850
〜1050℃前後の比較的低い温度で焼成可能にするガ
ラス−セラミック材料からなる。具体的なセラミック材
料としては、クリストバライト、石英、コランダム(α
アルミナ)、ムライト、コージライトなどが例示でき
る。また、ガラス材料として複数の金属酸化物を含むガ
ラスフリットを焼成処理することによって、コージェラ
イト、ムライト、アノーサイト、セルジアン、スピネ
ル、ガーナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライ
トやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種類を析出す
るものである。このセラミック層1a〜1eの厚みは例
えば10〜100μm程度である。 【0023】内部配線パターン2、ビアホール導体3
は、Ag系(Ag単体、Ag−PdなどのAg合金)、
Cu系(Cu単体、Cu合金)など導体からなり、内部
配線パターン2の厚みは8〜15μm程度であり、ビア
ホール導体3の直径は任意な値とすることができるが、
例えば直径は80〜250μmである。 【0024】また、積層体1の両主面には、表面配線パ
ターン4、5が形成されている。尚、図の積層体1の上
面側の表面配線パターン4は、積層体1の表面に焼きつ
けによって形成され、図の積層体1の下面側の表面配線
パターン5はセラミック層1eに埋設されているように
形成され、セラミック層1eの表面と同一平面となって
いる。表面配線パターン4、5は、Ag系(Ag単体、
Ag−PdなどのAg合金)、Cu系(Cu単体、Cu
合金)など導体から成る。尚、表面配線パターン5は、
内部配線パターン2と同一材料であることが望ましい。 【0025】また、表面配線パターン4、5は、Cu系
材料では、耐マイグレーション性に優れ、高密度化が可
能となる。尚、銅系導体の場合には、焼きつけの条件が
還元性雰囲気または中性雰囲気で行う必要がある。ま
た、積層体1の焼成時に同時に焼成する場合(例えば、
積層体1の下面側の表面配線パターン)には、内部配線
パターン2の焼成条件で焼成可能に設定する。 【0026】尚、表面配線パターン4、5は、入出力端
子部分や電子部品搭載パッドを含むものであり、図には
示していないが、必要に応じて、厚膜抵抗体膜6や絶縁
保護膜が形成されている。 【0027】このような積層体1の表面配線パターン
4、5には、厚膜抵抗体膜6が形成され、チップ状コン
デンサ、チップ状抵抗、トランジスタ、ICなどの各種
電子部品7などが半田・ワイヤボンディングなどによっ
て搭載されている。 【0028】上述の積層セラミック回路基板の製造方法
について、図2の工程図、図3(a)〜図3(j)の主
要工程における断面図に基づいて説明する。尚、製造方
法は、光硬化なモノマーを有するセラミックスリップ材
を用いた塗布多層方法で説明する。 【0029】積層セラミック回路基板1の製造方法は、
大きく分けて、積層前の準備工程(図2の(a)の工
程)、積層工程(図2の(b)の工程〜(h)の工
程)、剥離工程(図2の(i)の工程)、焼成処理工程
(図2の(j)の工程)、表面処理工程(図2の(k)
の工程)とから成る。 【0030】準備工程は、支持基板15、セラミック層
1a〜1eとなるセラミック塗布膜のセラミックスリッ
プ材、内部配線パターン2、ビアホール導体3、表面配
線パターン5となる導体膜や導体の導電性ペーストを夫
々準備する工程である。 【0031】〔支持基板〕図3(a)に示すように、支
持基板15は、セラミック、ガラス、耐熱性樹脂などの
基板からなり、支持基板15の積層体を積層する側の表
面には、基板平滑層16が形成される。 【0032】基板平滑層16は、有機バインダ、光硬化
なモノマー、溶剤を均質混練したスリップ材を塗布・乾
燥して塗布膜を形成し、その後、塗布膜の全面に露光処
理して硬化することによって形成する。基板平滑層16
の厚みは、少なくとも支持基板15の凹凸を吸収し得る
程度の厚み、例えば20μm以上である。 【0033】ここで、 有機バインダは、比較的低温で
且つ短時間の焼成工程で焼失できるように熱分解性に優
れたものであり、同時にスリップの粘性を決めるもので
ある為、アクリル酸もしくはメタクリル酸系重合体のよ
うなカルボキシル基、アルコール性水酸基を備えたエチ
レン性不飽和化合物が好ましい。 【0034】光硬化可能なモノマーは、比較的低温で且
つ短時間の焼成工程で焼失できるように熱分解性に優れ
たものであり、また、スリップ材の塗布・乾燥後の露光
によって、光重合される必要があり、遊離ラジカルの形
成、連鎖生長付加重合が可能で、2級もしくは3級炭素
を有したモノマーが好ましく、例えば少なくとも1つの
重合可能なエチレン系基を有するブチルアクリレート等
のアルキルアクリレートおよびそれらに対応するアルキ
ルメタクリレートが有効である。また、テトラエチレン
グリコールジアクリレート等のポリエチレングリコール
ジアクリレートおよびそれらに対応するメタクリレート
などが挙げられる。 【0035】尚、光硬化可能なモノマーと有機バンダー
との比率は、1〜3:5程度に添加される。 【0036】溶剤として、有機系溶剤、水系溶剤を用い
ることができる。尚、水系溶剤の場合、光硬化可能なモ
ノマー及び有機バインダは、水溶性である必要があり、
モノマー及び有機バインダには、親水性の官能基、例え
ばカルボキシル基が付加されている。その付加量は酸価
で表せば2〜300あり、好ましくは5〜100であ
る。 【0037】上述のスリップ材は、光硬化可能なモノマ
ー及び有機バインダが上述したように積層体の焼成の過
程で完全に熱分解しなくてはならないが、特に、600
℃以下、好ましくは500℃以下で分解する材料を選択
する。 【0038】また、スリップ材には、増感剤、光開始系
材料等を必要に応じて添加しても構わない。例えば、光
開始系材料としては、ベンゾフェノン類、アシロインエ
ステル類化合物などが挙げられる。 【0039】スリップ材の塗布方法としては、例えば、
ドクターブレード法(ナイフコート法)、ロールコート
法、印刷法などが挙げられる。特に基板平滑層16の表
面が平坦化することが容易なドクターブレード法などが
好適である。尚、塗布方法に応じて溶剤の添加量が調整
され、所定粘度に調整される。 【0040】乾燥方法としては、バッチ式乾燥炉、イン
ライン式乾燥炉を用いて行われ、乾燥条件は、120℃
以下が望ましい。また、急激な乾燥は、表面にクラック
を発生される可能性があるため、急加熱を避けることが
重要となる。 【0041】露光処理としては、塗布膜中に含まれる光
硬化モノマーが光重合されるネガ型であるため、塗膜全
面に低圧、高圧、超高圧の水銀灯系の露光光を照射す
る。尚、露光条件は、10〜20mW/cm2 の露光光
を約5〜30秒程度照射して行う。これにより、塗布膜
は、光硬化可能なモノマーの光重合反応を起し、光硬化
されることになる。 【0042】〔セラミックスリップ材〕セラミックスリ
ップ材は、セラミック粉末、ガラスフリット、光硬化可
能なモノマー、バインダ、溶剤を均質混練して形成す
る。 【0043】セラミック粉末は、クリストバライト、石
英、コランダム(αアルミナ)、ムライト、コージライ
トなどの絶縁セラミック材料、BaTiO3 、Pb4
2Nb2 12、TiO2 などの誘電体セラミック材
料、Ni−Znフェライト、Mn−Znフェライト(広
義の意味でセラミックという)なとの磁性体セラミック
材料などが挙げられ、その平均粒径1.0〜6.0μ
m、好ましくは1.5〜4.0μmに粉砕したものを用
いる。尚、セラミック材料は2種以上混合して用いられ
てもよい。特に、コランダムを用いた場合、コスト的に
有利となる。 【0044】ガラスフリットは、焼成処理することによ
ってコージェライト、ムライト、アノーサイト、セルジ
アン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイト、ドロマイ
ト、ペタライトやその置換誘導体の結晶やスピネル構造
の結晶相を析出するものであればよく、例えば、B2
3 、SiO2 、Al2 3 、ZnO、アルカリ土類酸化
物を含むガラスフリットが挙げられる。この様なガラス
フリットは、ガラス化範囲が広くまた屈伏点が600〜
800℃付近にあるため、850〜1050℃程度の低
温焼成に適し、内部配線パターン2となる導体膜との焼
結挙動が近似しているためである。尚、このガラスフリ
ットの平均粒径は、1.0〜6.0μm、好ましくは
1.5〜3.5μmである。 【0045】上述のセラミック材料とガラス材料との構
成比率は、850〜1050℃の比較的低温で焼成する
場合には、セラミック材料が10〜60wt%、好まし
くは30〜50wt%であり、ガラス材料が90〜40
wt%、好ましくは70〜50wt%である。 【0046】尚、セラミック材料として、誘電体セラミ
ック材料や磁性体セラミック材料とともに用いる場合に
は、セラミック材料の固有の特性を低下させることがあ
るため、ガラスフリットは必要に応じて添加する。 【0047】光硬化可能なモノマーは、基板平滑層16
に用いた材料ものが使用できる。これは、露光条件を略
同一とするためである。光硬化可能なモノマーは、露光
処理後の現像処理によって露光部分以外の部分が容易に
除去できるように所定量添加される。例えば、固形成分
(セラミック材料及びガラス材料) に対して5〜15w
t%以下である。バインダは、固形分との濡れ性も重視
する必要があり、基板平滑層16に用いた材料ものが使
用できる。添加量としては固形分に対して25wt%以
下が好ましい。 【0048】溶剤として、有機系溶剤、水系溶剤を用い
ることができる。尚、水系溶剤の場合、光硬化可能なモ
ノマー及びバインダは、水溶性である必要があり、モノ
マー及びバインダには、親水性の官能基、例えばカルボ
キシル基が付加されている。 【0049】その付加量は酸価で表せば2〜300あ
り、好ましくは5〜100である。 【0050】付加量が少ない場合は水への溶解性、固定
成分の粉末の分散性が悪くなり、多い場合は熱分解性が
悪くなるため、付加量は、水への溶解性、分散性、熱分
解性を考慮して、上述の範囲で適宜付加される。 【0051】また、スリップ材には、増感剤、光開始系
材料等を必要に応じて添加しても構わない。例えば、光
開始系材料としては、ベンゾフェノン類、アシロインエ
ステル類化合物などが挙げられる。 【0052】〔導電性ペースト〕導電性ペーストは、A
g系(Ag単体、Ag−PdなどのAg合金)、Cu系
(Cu単体、Cu合金)など導体材料粉末、例えば銀系
粉末と、低融点ガラス成分と、バインダと溶剤とを均質
混練したものが用いられる。また、表面配線パターン5
にもこのペーストを用いても構わない。尚、内部配線パ
ターン2となる導体膜用の導電性ペーストにおいては、
セラミックスリップ材に用いた光硬化モノマーを添加し
ても構わない。この光硬化モノマーを添加した導電性ペ
ーストを用いる場合、各導体膜を印刷・乾燥した後、又
は各導体を充填・乾燥した後に、露光処理によって光硬
化させる。 【0053】〔積層工程〕このようにして、支持基板1
5上に基板平滑層16を形成し、セラミックスリップ
材、導電性ペーストを準備した後、実質的な積層工程を
行う。尚、支持基板15は、最終的に複数の積層体が抽
出できるよう複数の積層体の領域を同時に形成するが、
ここでは、1つの積層体の領域について説明する。 【0054】まず、積層工程である図2の(b)の工程
として、図3(b)に示すように、支持基板15の基板
平滑層16上に、積層体1の下面側の表面配線パターン
5となる導体膜50を形成する。具体的には、支持基板
15の各積層体となる領域内に、上述の導電性ペースト
のスクリーン印刷によって所定形状の導体膜50を形成
する。その後、必要に応じて全面の露光を行い光硬化を
行う。 【0055】次に、図2の(c)の工程として、図3
(c)に示すように、セラミック層1eとなるセラミッ
ク塗布膜10eを形成する。このセラミックスリップ材
の塗布膜10eは、基板平滑層16上に形成した導体膜
50を覆うように、各領域を越えて支持基板15の基板
平滑層16の全面に形成する。具体的には、上述のセラ
ミックスリップ材をドクターブレード法などで塗布し、
乾燥(バッチ式乾燥炉、インライン式乾燥炉で120℃
以下)を行う。 【0056】次に、図2の(d)の工程として、図3
(d)に示すように、セラミック塗布膜10eに選択的
な露光処理・現像処理を行い、貫通凹部30を形成す
る。 【0057】露光処理は、セラミック層1eの厚みを貫
通するビアホール導体3となる位置に貫通凹部30を形
成するため、この部分のみに露光光が照射されないよう
な所定パターンを有するフォトターゲットを塗布膜10
e上に近接又は載置して、基板平滑層16を形成した時
の露光条件(低圧、高圧、超高圧の水銀灯系の15〜2
0mW/cm2 の露光光を約5〜30秒程度照射する)
で処理を行う。 【0058】現像処理は、選択的な露光処理を行った塗
布膜10eに有機系のクロロセン、1,1,1−トリク
ロロエタン、水系のアルカリ現像溶剤を、例えばスプレ
ー現像法やパドル現像法によって噴射したり、接触した
り現像処理を行う。その後、必要に応じて洗浄及び乾燥
を行なう。 【0059】上述の選択的な露光処理・現像処理によっ
てビアホール導体3となる貫通穴30の形状、径などを
フォトターゲットの形状の制御によって、任意に設定で
きることになる。即ち、電源供給用配線やアース電位の
配線など比較的大電流が流れる配線間を接続するビアホ
ール導体3の形状を大きくすることが簡単に行える。 【0060】また、フォトターゲットを用いた露光は、
一般に、半導体チップなどの微細表面加工などに用いら
れるものであるため、フォトターゲットによって制御さ
れて形成されるビアホール導体3の貫通凹部30におい
ては、位置ずれがなく、ビアホール導体3の導通信頼性
が大きく向上する。 【0061】次に、図2の(e)の工程として、図3
(e)に示すように、塗布膜10eに形成した貫通凹部
30にビアホール導体3となる導体31を充填するとと
もに、セラミック塗布膜10e上に、セラミック層1e
とセラミック層1dとの層間の内部配線パターン2とな
る導体膜20を形成する。 【0062】具体的には、上述の導電性ペーストをスク
リーン印刷で所定形状に印刷することにより、塗布膜1
0eの貫通凹部30内に、ビアホール導体3となる導体
31を充填する。また、この印刷と同時に、塗布膜10
e上に所定パターンの内部配線パターン2となる導体膜
20を形成する。その後、乾燥処理を行い、露光処理を
行い、光硬化を行う。 【0063】尚、貫通凹部30の形状が大きい場合に
は、まず、導電性ペーストをディスペンサーなどを用い
て貫通凹部30内に導体31を充填し、その後、内部配
線パターン2となる導体膜20を印刷形成しても構わな
い。 【0064】次に、図2の(c)の工程を繰り返して、
図3(f)に示すように、セラミック層1eとなる塗布
膜10e上に、セラミック層1dとなる塗布膜10dを
形成する。具体的には、セラミック塗布膜10eに形成
されたビアホール導体3となる導体31、セラミック塗
布膜10e上に形成された内部配線パターン2となる導
体膜20を覆うように、上述のセラミックスリップ材を
ドクターブレード法などによって塗布し、乾燥する。 【0065】これにより、セラミック塗布膜1dの塗布
面は、塗布膜1dに覆われたビアホール導体3となる導
体31や内部配線パターン2となる導体膜20の形状や
積層状況に係わらず、均一な平坦面となることができ
る。 【0066】次に、図2の(d)の工程、図2の(e)
の工程を塗布膜10dに対して処理し、塗布膜1dにビ
アホール導体3となる貫通凹部を形成し、その貫通凹部
にビアホール導体3となる導体31を充填形成し、同時
に内部配線パターン2となる導体膜20を形成する。さ
らに、積層体1の積層構造に応じて、図2の(c)の工
程〜図2の(e)の工程を繰り返する。このようにし
て、セラミック層1bとセラミック層1aとの層間の内
部配線パターン2となる導体膜20となる形成する。 【0067】次に、図2の(f)の工程として、セラミ
ック層1bとなる塗布膜10b上に、セラミック層1a
となる塗布膜10aを形成する。尚、この工程は、図2
の(c)と実質的に同一工程である。 【0068】次に、図2の(g)の工程として、セラミ
ック層1aとなる塗布膜10a上に、ビアホール導体3
となる貫通凹部を形成する。尚、この工程は、図2の
(d)と実質的に同一工程である。 【0069】次に、図2の(h)の工程として、図3
(g)に示すように、セラミック塗布膜10aに形成し
た貫通凹部にビアホール導体3となる導体31を充填す
る。尚、この工程は、貫通凹部に導電性ペーストの印刷
やディスペンサによって導電性ペーストを供給し、乾燥
して形成される。 【0070】積層体1の積層工程はこれで完了するた
め、ビアホール導体3となる導体31の露光処理による
光硬化を省略することができる。 【0071】尚、積層工程を終了した後に、各積層体1
の形状に応じて、分割溝をプレス成型などによって形成
することが望ましい。 【0072】〔剥離工程〕次に、図2の(i)の工程と
して、図3(h)に示すように、支持基板15から基板
平滑層16、表面配線パターン5となる導体膜50を含
むセラミック塗布膜10a〜10e、内部配線パターン
2となる導体膜20、ビアホール導体3となる導体31
から成る未焼成の積層体を剥離する。 【0073】上述のように剥離界面は、支持基板15と
基板平滑層16との界面とし、積層体側に基板平滑層1
6を残存させる。従って、剥離を機械的に、例えば支持
基板15を湾曲させてり、剥離界面にカッター刃を平面
状に摺動したりしても、積層体そのものに悪影響(剥離
による亀裂など)がなく安定して剥離することができ
る。 【0074】尚、その他に、支持基板15と基板平滑層
16の界面部分に、120℃(乾燥処理の温度)以上で
発泡性反応を起こす樹脂層を設けておいたり、基板平滑
層16中に、発泡性反応を起こす部材を混入させてお
き、120℃以上で加熱処理して剥離を容易にしたり、
また、支持基板15と基板平滑層16の界面部分に有機
溶剤によって溶解するシートを介在させたり、支持基板
15自身を有機溶剤によって溶解するシートを用いたり
して、有機溶剤の浸漬により剥離を行うようにしても構
わない。尚、有機溶剤によって溶解するシートを用いる
場合には、セラミックスリップ材、導電性ペーストにバ
イダー、光硬化モノマーに水系を用い、溶剤に純水など
を用いることが重要となる。 【0075】〔焼成工程〕次に、図2の(j)の工程と
して、図3(i)に示すように、支持基板15から剥離
した基板平滑層16、表面配線パターン5となる導体膜
50を含む未焼成の積層体を焼成処理する。焼成処理
は、脱バインダ過程と焼結過程からなる。 【0076】脱バインダ過程は、セラミック塗布膜10
a〜10e、内部配線パターン2となる導体膜20、ビ
アホール導体3となる導体31、表面配線パターン5と
なる導体膜50に含まれる有機成分、及び基板平滑層1
6を焼失するためのものであり、例えば600℃以下の
温度領域で行われる。 【0077】また、焼結過程は、塗布膜10a〜10e
のガラス成分を結晶化させて、セラミック粉末の粒界に
均一に分散させ、積層体1に一定強度を与え、同時に、
内部配線パターン2となる導体膜20、ビアホール導体
3となる導体31、表面配線パターン5となる導体膜5
0の導電材料、例えば、銀系粉末を粒成長させて、低抵
抗化させるとともに、セラミック層1a〜1eと一体化
させるものである。これは、ピーク温度850〜105
0℃に達するまでに行われる。 【0078】焼成雰囲気は、導電性ペーストの材料など
によって異なり、上述のようにAg系導体の場合は、大
気(酸化性)雰囲気又は中性雰囲気で行われ、Cu系導
体の場合は、還元性雰囲気又は中性雰囲気で行われる。 【0079】これにより、塗布膜10a〜10eはセラ
ミック層1a〜1eとなり、導体膜20は内部配線パタ
ーン2に、導体31はビアホール導体3に導体膜50は
表面配線パターン5となり、焼成された大型積層体基板
となる。 【0080】〔表面処理工程〕次に、図2の(k)の工
程として、図3(h)に示すように、焼成処理された大
型積層体基板の両主面に表面処理を行う。 【0081】例えば、大型積層体基板の上面側の主面
に、セラミック層1aに形成したビアホール導体3と接
続するように、例えば銅系導電性ペーストの印刷・乾
燥、焼きつけにより、表面配線パターン4を形成する。
ここで、銅系の表面配線パターン4と銀系導体のビアホ
ール導体3とが接合することになる。このため、銀と銅
との共晶温度を考慮して、低温(例えば780℃以下)
焼成可能し、しかも、銅の酸化を防止するために還元性
雰囲気や中性雰囲気中で行うことが重要である。 【0082】その後、必要に応じて、厚膜抵抗膜6や保
護膜などを焼きつけを行い、各種電子部品7を搭載す
る。 【0083】ここで、裏面側の表面配線パターン5は、
積層体1の積層工程で形成され、その表面は積層体1の
表面と同一平面となる。従って、例えば厚膜抵抗体膜6
を形成するにあたり、厚膜抵抗体膜6の端部に段差がで
きず、抵抗体膜6の段切れが発生しない。また、ICチ
ップなどの電子部品7を搭載するにあたっても、電子部
品の接合面が、積層体1及び表面配線パターン5の表面
となるので、特に表面実装型の電子部品やフリップチッ
プ型ICチップの搭載・接合には適したものとなる。 【0084】その後、焼成前に形成した分割溝に沿っ
て、大型積層体基板を所定形状の積層体に分割する。こ
れによって、図1に示す構造の積層セラミック回路基板
が完成する。 【0085】尚、上述の実施例について、積層体1の下
面側の表面配線パターン5を積層工程の一部で形成した
が、積層体1の上面側の表面配線パターン4と同様に、
焼成処理した積層体に対して行う表面処理工程で形成す
ることもできる。また、逆に、上面側の表面配線パター
ン4を積層工程の最終工程で形成して、積層体の焼成と
一体的におこなっても構わない。 【0086】また、分割溝について、上述の製造工程で
は支持基板15から積層体1を剥離する前に形成した
が、要は焼成前に形成することが重要であり、支持基板
15を剥離した後に、積層体の両主面側に形成してもか
まわない。また、分割溝にそって行う分割処理につい
て、上述の製造工程は、表面処理工程の最後におこなっ
ているが、電子部品7を搭載する前に分割処理しても構
わない。 【0087】以上のように、上述の製造方法によれば、
積層前処理工程として、支持基板15上に、焼成工程に
よって焼失される有機バインダを含むスリップ材の塗布
によって基板平滑層16を形成した後、この基板平滑層
16上に、積層体(セラミック層1a〜1gとなる塗布
膜10a〜10e、内部配線パターン2となる導体膜2
0、ビアホール導体3となる導体膜31とが積層した未
焼成状態の積層基板)を形成している。従って、支持基
板15の表面の凹凸が基板平滑層16で吸収され、積層
体1の下面側の主面に影響することなく、均一な平坦な
面とすることができる。即ち、積層体1の下面側の主面
に、表面処理を行うにあたり、厚膜抵抗体膜6の形成、
電子部品7の搭載を安定的に且つ信頼性高く行うことが
できる。 【0088】また、基板平滑層16がスリップ材のドク
タブレード法によって形成されるため、基板平滑層16
の表面は、その後のセラミックスリップ材のドクタブレ
ード法のドレード面に対して平行となるため、積層体1
の厚みにばらつきが発生しない。これにより、焼成時に
おける焼結収縮率が安定する。 【0089】さらに、実際の支持基板15と積層体1と
の間に基板平滑層16が形成されているため、セラミッ
ク層1eとなる塗布膜10eを形成して、露光処理した
際に、露光光が支持基板15の凹凸表面で乱反射したり
することがないため、精度の高い露光処理が達成され、
安定したビアホール導体3となる貫通凹部30が形成さ
れる。 【0090】また、上述の製造方法では、下部の内部配
線パターン2や積層形状などに係わらず、セラミック塗
布膜10a〜10eの塗布表面が常に平坦となる。この
ため、その塗布表面に内部配線パターン2となる導体膜
20を精度よく形成することができる。また、表面配線
パターン4についても、積層体1の上部側の表面が平坦
となるため、表面配線パターン4を形成するにあたり、
安定的に形成することができる。 【0091】また、ビアホール導体3となる導体31が
選択的な露光処理・現像処理によって形成された貫通凹
部30に導電性ペーストを充填して形成されるため、ビ
アホール導体3の形状・径の制御が極めて簡単になり、
またビアホール導体3の形成位置が精度よく制御できる
ため、接続信頼性が向上する。 【0092】ドクタードレード法でセラミック塗布膜を
全面に形成しているため、セラミック塗布膜の厚み制御
が容易となる。 【0093】上述の製造方法において、導電性ペースト
にも光硬化可能なモノマーを含有している。従って、内
部配線パターン2を形成するにあたり、全面に導体膜を
形成した後に、内部配線パターン2の形状に応じて、選
択的な露光処理・現像処理をおこなっても構わない。ま
た、セラミックスリップ材の塗布膜の形成後の現像処理
時に、貫通凹部30の下部開口から露出する内部配線パ
ターン2となる導体膜20が現像液によって侵されない
導電性ペースト又は現像液を制御すれば、導電性ペース
トにも光硬化可能なモノマーを含有させる必要はなく、
また露光処理も省略できる。 【0094】 【0095】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、表面に基
板平滑層を形成した支持基板上に、積層体を形成するた
めに、積層体の表面、即ち支持基板側の主面が支持基板
の表面の凹凸に影響されず、平坦な面とすることができ
る。 【0096】このため、この面に表面配線パターンや厚
膜抵抗体膜を形成したり、電子部品を搭載するにあた
り、安定して形成することができる。 【0097】また、特に、支持基板が若干傾斜されてい
ても、基板平滑層によって、矯正することができ、スク
リーン(スキージ)面、ブレード面と完全な平行とする
ことができ、塗布膜の厚み、積層体の厚みの均一化で
き、焼成における収縮率が安定する。 【0098】尚、支持基板から積層体を剥離した場合、
積層体側に基板平滑層が被着した状態であっても、積層
体を焼成処理する際に、有機バインダ成分は完全に焼失
することになまため、焼成された積層体の表面処理、例
えば表面配線などの形成において、製造工程で基板平滑
層を用いたからと言って、何等影響のないものとなる。 【0099】さらに、基板平滑層を形成するためのスリ
ップ材や塗布膜となるセラミックスリップ材に、光硬化
可能なモノマーを含有させて、基板平滑層となるスリッ
プ材を塗布した後、その塗膜を全面露光処理し、セラミ
ック層となるセラミックスリップ材の塗布・乾燥して、
選択的な露光処理・現像処理することにより、各露光処
理条件が実質的に同一となり、安定した露光処理ができ
るとともに、セラミック層となる塗布膜を貫くビアホー
ル導体の径・形状、位置などが精度よく、且つ安定的に
形成することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る積層セラミック回路基板の断面図
である。 【図2】本発明の積層セラミック回路基板の製造を説明
するための工程図である。 【図3】(a)〜(j)は本発明の積層セラミック回路
基板の製造の主要工程における断面図である。 【符号の説明】 10・・・・・・積層セラミック回路基板 1・・・・・・・積層体 1a〜1e・・・セラミック層 10a〜10e・・・塗布膜 2・・・・・・・内部配線パターン 20・・・・・・内部配線パターンとなる導体膜 3・・・・・・・ビアホール導体 30・・・・・・貫通凹部 31・・・・・・ビアホール導体となる導体 4、5・・・・・表面配線パターン 15・・・・・・支持基板 16・・・・・・基板平滑層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/46

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】複数のセラミック層を積層して成る積層体
    に、ビアホール導体を含む所定の配線パターンを形成し
    て成る積層セラミック回路基板の製造方法において、 有機成分から成り、光硬化可能なモノマーを含むスリッ
    プ材塗布・乾燥処理して得た塗布膜に全面露光処理す
    ることで基板平滑層を形成した支持基板上に、光硬化可
    能なモノマーを含むセラミックスリップ材塗布又は印
    刷・乾燥処理し、得られた塗布膜よりビアホール導体と
    なる部分を除去するために、選択的な露光処理・現像処
    理を行うことによってセラミック層となる塗布膜と、導
    電性ペーストの印刷・乾燥処理によってビアホール導体
    を含む配線パターンとなる導体膜とを順次積層して積層
    体を形成し、前記支持基板上から基板平滑層を含む積層
    体を剥離した後、前記積層体を焼成すると同時に基板平
    滑層を焼失させることを特徴とする積層セラミック回路
    基板の製造方法。
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