JP3651925B2 - 積層コンデンサ基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、第1の電極層と第2の電極層とで誘電体セラミック層を挟んで成る積層コンデンサ基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、積層チップコンデンサは、チップ形状となる領域に、内部電極層となる導体膜を形成したセラミックとなる誘電体セラミックグリーンシートを複数積層して、チップ領域に対応して切断した後、焼成処理を行い、積層体の対向する両端面に端子電極を形成していた。尚、内部電極層は、積層体の一方端面にその端辺が露出するように一方端面側よりに形成した第1の内部電極層と積層体の他方端面にその端辺が露出するように他方端面側よりに形成した第2の内部電極層とからなり、夫々がセラミック層を介して交互に積層配置されている。
【0003】
通常、積層チップコンデンサは、内部電極層と端子電極との接続が内部電極層の厚み(例えば2〜3μm)によって行われているため、この接続部分での接続抵抗が大きくなってしまう。特にこのような積層チップコンデンサを高速で動作するスイッチング回路などに用いると、内部電極と端子電極との接続部分で、インダクタンス成分が大きくなってしまい(例えば、0.8nH)、高速動作に追従しないものであった。
【0004】
そこで、インダクタンス成分を小さくするための構造として、図4の一部透視した平面図のように、セラミック層40と第1の内部電極層42a又は第2の内部電極層42bとが交互に積層するとともに、前記セラミック層40に、第1の内部電極層42aどうしを接続する第1のビアホール導体43a及び第2の内部電極層42bどうしを接続する第2のビアホール導体43bを形成して成る積層チップコンデンサが提案されている。そして、この積層チップコンデンサの主面に、第1及び第2のビアホール導体43a、43bと接続する島状の端子電極44a、44bを形成し、この端子電極44a、44bで外部の回路と接続していた。尚、この構造において、ビアホール43a、43bの径を例えば250μm程度にすると、インダクタンス成分が0.1nH程度まで低下させることができ、高速で動作するスイッチング回路などに用いるとことが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示す積層チップコンデンサを製造するにあたり、セラミック層40となる誘電体グリーンシートには、例えば直径250μmのビアホール導体43a、43bとなるスルーホールを形成しなくてはならず、しかもこのスルーホール内に導電性ペーストを安定的に充填・保持させなくてはならない。
【0006】
しかし、セラミック層40となる誘電体グリーンシートの厚みは、積層数の増加に伴い部品の高さが増加しないように極力薄く(20〜30μm)している。また、このように薄いグリーンシートに形成した例えば直径250μmのスルーホール内に導電性ペーストを充填・保持することは非常に困難なものとなってしまう。一般に、生産性を考慮した場合、直径120μm程度である。
【0007】
また、インダクタンス値が低い積層チップコンデンサは、例えばスイッチング回路を成す回路と直接接続する必要があり、積層チップコンデンサの単体をプペリント配線基板上に搭載することは、インダクタンス値の低いコンデンサとしての作用が充分に奏することが困難である。
【0008】
本発明は、上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、ビアホール導体の直径に係わらず、簡単にインダクタンス値が低い積層コンデンサ基板を製造する方法を提供することである。
【0009】
また、別の目的は、低インダクタンスの積層コンデンサ基板の作用を充分に奏するために他の回路と直接接続することが可能な積層コンデンサ基板を製造する方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第1の絶縁体セラミック層と第2の絶縁体セラミック層の間に複数の誘電体セラミック層を有し、該誘電体セラミック層を挟んだ第1の電極層と第2の電極層を交互に多数積層するとともに、該第1の電極層どうし及び第2の電極層どうしを前記複数の誘電体セラミック層に形成した第1及び第2のビアホール導体を介して接続してなる容量部と、該容量部と接続し、且つ前記複数の誘電体セラミック層を挟んだ複数の内部配線と、該複数の内部配線を接続する前記複数の誘電体セラミック層及び第2の絶縁体セラミック層に形成した第3のビアホール導体と、前記第2の絶縁体セラミック層上に形成した表面配線と、該表面配線に接続した電子部品とからなる回路部とを有する積層コンデンサ基板の製造方法であって、
前記積層コンデンサ基板の形成方法が
支持基板上に、光硬化可能なモノマーを含有するセラミックスリップ材を塗布して前記第1の絶縁体セラミック層となる絶縁膜を形成する工程と、
該第1の絶縁体セラミック層となる絶縁膜の表面に導電性ペーストを印刷して前記第1又は第2の電極層となる導電膜を形成するとともに、前記内部配線となる導電膜を形成する工程とを順次行った後、
(1)光硬化可能なモノマーを含有するセラミックスリップ材を塗布して前記誘電体セラミック層となる絶縁膜を形成する工程と
(2)前記誘電体セラミック層となる絶縁膜を選択的に露光・現像処理して、第3のビアホール導体となる位置に、第3の貫通孔を形成するとともに、第1及び第2のビアホール導体となる位置に、第1及び第2の貫通孔を形成する工程、
(3)前記誘電体セラミック層となる絶縁膜の各貫通孔に導電性ペーストを充填して前記第1乃至第3のビアホール導体となる導体とを形成する工程と、
(4)前記誘電体セラミック層となる絶縁膜の表面に導電性ペーストを、一部が前記第1または第2の貫通孔に充填した導体と接続するように印刷して前記第1又は第2の電極層となる導体膜を形成するとともに、前記第3の貫通孔に充填した導体と接続するように印刷して前記内部配線となる導体膜を形成する工程、
の上述の(1)乃至(4)の各工程を順次繰り返した後、
光硬化可能なモノマーを含有するセラミックスリップ材を塗布して前記第2の絶縁体セラミック層となる絶縁膜を形成する工程と、
該第2の絶縁体セラミック層となる絶縁膜を選択的に露光・現像処理して、第3のビアホール導体となる位置に第3の貫通孔を形成する工程と、
該第3の貫通孔に導電性ペーストを充填して第3のビアホール導体となる導体を形成する工程とを順次行った後、
前記支持基板を分離して、絶縁膜、導体及び導体膜が一体化された積層体を形成する工程と、
該積層体を焼成処理して、前記第1及び第2の絶縁体セラミック層、前記誘電体セラミック層、前記第1乃至第3のビアホール導体、前記第1及び第2の電極層及び内部配線を形成する工程と、
前記第2の絶縁体セラミック層の表面に、一部が第3のビアホール導体と接続するように前記表面配線を形成する工程と、
前記表面配線に前記電子部品を接続する工程と
を有することを特徴とする積層コンデンサ基板の製造方法である。
【0011】
尚、貫通孔は、その絶縁膜を貫通するものであるが、その貫通孔の下開口部は、絶縁膜を形成する前に、既に形成された導体膜や導体によって閉塞され、全体としては「凹部」形状となるので、特に従来のグリーンシートを用いる製造方法のスルーホールと区別するため、本発明の製造方法では「貫通凹部」と表現する。
【0012】
【作用】
本発明では、誘電体セラミック層となる絶縁膜が光硬化可能なモノマーを含有するセラミックスリップ材を塗布し、乾燥して形成されるため、セラミック層の膜厚の制御が極めて容易となる。
【0013】
また、セラミック層となる絶縁膜に形成される第1及び第2のビアホール導体となる貫通凹部が、絶縁膜の選択的な露光・現像処理により形成されるため、任意の形状・寸法、例えば250μmで、精度の高い貫通凹部を簡単に作成できる。
【0014】
また、第1及び第2のビアホール導体となる導体が、上述の貫通凹部に充填して形成するため、安定的に導体を形成することができ、従来のようなグリーンシートに形成した貫通孔に充填した導電性ペーストが充填抜けすることが一切ない。
【0015】
また、第1又は第2の電極層を形成するにあたり、形成面となる絶縁膜がスリップ材の塗布・乾燥によって形成されるため、常に形成面を平坦な面となることができるため、第1又は第2の電極層を安定的に形成することができる。
【0016】
従って、上述の(1)〜(4)の工程を順次繰り返して行うが、ビアホール導体の位置決めが、実際には、精度の高い露光・現像処理で規定されるため、従来のグリーンシートを積層した際の位置ずれによるビアホール導体間の導通不良が発生せず、ます、第1又は第2の電極層が比較的大きなビアホール導体によって接続され、外部に導出できるため、低インダクタンスの積層コンデンサ基板となる。
【0017】
また、上述の積層コンデンサ基板を形成するにあたり、このコンデンサと接続する外部回路を積層コンデンサ基板に簡単に形成することができる。即ち、第1又は第2の電極層を形成する際にこの容量成分と接続する外部の回路を構成する所定配線パターンを、同時に第1及び第2のビアホールを形成する際にこの配線パターン間を接続するビアーホール導体も同時に形成することができる。
【0018】
従って、低インダクタンスの積層コンデンサの作用を充分に奏することができる回路一体型の積層コンデンサ基板とすることが可能となる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る積層コンデンサ基板10の断面図である。尚、図において、容量成分を発生するコンデンサ部と該コンデンサ部と接続する回路部とを並設した例で説明する。
【0021】
図1において、1は積層セラミック基板であり、2は電子部品である。
【0022】
積層セラミック基板1には、コンデンサ部Xと多層回路部Yとが並設されておいる。また、積層セラミック基板1は、絶縁体セラミック層1a、誘電体セラミック層1b〜1f、絶縁体セラミック層1g(総称してセラミック層という)と、セラミック層1a〜1gの各層間には、前記容量部Xを構成する第1又は第2の電極層3a、3bが配置され、また、回路部Yを構成する内部配線4が配置されている。また、セラミック層1a〜1gには、前記容量部Xを構成する第1及び第2のビアホール導体5a、5bが形成され、また、また、回路部Yを構成するビアホール導体6が形成されている。
【0023】
また、積層セラミック基板1の主面には、コンデンサ部Xの端子電極7を含む回路部Yの表面配線(端子電極を含む)8が形成されている。図には示していないが、さらに、必要に応じて、厚膜抵抗体膜が形成されており、さらに、絶縁保護膜が電子部品2、端子電極7などを露出するように形成されている。
【0024】
ここで、積層セラミック基板1の表裏両主面となるセラミック層1a、1gをアルミナなどの絶縁体セラミック層で形成している。本来であれば、セラミック層1a〜1gを誘電体セラミック層とすべきであるが、例えば、積層セラミック基板1の主面に厚膜抵抗体膜を形成した場合、誘電体材料の一部(例えばチタニア成分、鉛成分など)が厚膜抵抗体膜に拡散して抵抗特性が不安定になりやすい。このため、厚膜抵抗体膜の抵抗特性を安定化するために絶縁体セラミック層を積層セラミック基板1の表裏両主面となるセラミック層1a、1gに用いている。また、基板の強度を考慮した場合にも有利となる。
【0025】
絶縁体セラミック層1a、1gは、比較的低い温度で焼成可能にするガラス−セラミック材料からなる。具体的なセラミック材料としては、クリストバライト、石英、コランダム(αアルミナ)、ムライト、コージライトなどが例示できる。また、ガラス材料として複数の金属酸化物を含むガラスフリットであり、焼成処理することによってコージェライト、ムライト、アノーサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種類を析出するものであればよい。
【0026】
また、誘電体セラミック層1b〜1fは、セラミック材料としては、誘電率が高いBaTiO3 やPb4 Fe2 Nb2 O12などの誘電体セラミック材料が例示できる。これらセラミック層1a〜1gの厚みは例えば10〜100μm程度である。
【0027】
第1及び第2の電極層3a、3b、内部配線4、第1及び第2のビアホール導体5a、5b、ビアホール導体6は、Ag系(Ag単体、Ag−PdなどのAg合金)、Cu系(Cu単体、Cu合金)など導体からなり、第1及び第2の電極層3a、3b、内部配線4の厚みは8〜15μm程度である。尚、第1及び第2のビアホール導体5a、5b、ビアホール導体6の直径は任意な値とすることができるが、例えば第1及び第2のビアホール導体5a、5bの直径は250μm、ビアホール導体6の直径は、80μmである。
【0028】
端子電極7や表面配線8は、Ag系(Ag単体、Ag−PdなどのAg合金)、Cu系(Cu単体、Cu合金)など導体からなる。
【0029】
銅系の端子電極7、表面配線8は、マイグレーションなどが発生しないため高密度化にとっては重要な導体材料である。尚、銅系導体の場合には、焼きつけの条件が還元性雰囲気または中性雰囲気で行う必要があるが、積層セラミック基板1の焼成時に同時に焼きつけ処理するために、銀系導体を用いても構わない。
【0030】
電子部品2は、ICベアチップ、チップ抵抗器、チップコンデンサなどのチップ部品の他に、既に容器に収納されたIC、トランジスタ、発振部品などが挙げられる。尚、基板全体の高さを低くするために、基板表面に、電子部品2を収納するキャビティーを形成して、キビティー内に電子部品2を収納・配置してもよい。
【0031】
以上の構成では、例えば誘電体セラミック層1dを挟んで互いに対向する第1の電極層3aと第2の電極層3bとの間で所定容量成分が発生し、また誘電体セラミック層1eを挟んで互いに対向する第1の電極層3aと第2の電極層3bとの間で容量成分が発生する。そして、複数の第1の電極層3aは第1のビアホール導体5aによって共通的に接続され、複数の第2の電極層3bを第2のビアホール導体5bによって共通的に接続され、この容量部Xで発生した容量を端子電極7と第2ビアホール導体5bの一端と多層回路部Yとの接続部分との間で所定容量成分が導出することができる。
【0032】
この時、各電極3a、3bは直径が250μmと非常に大きい第1のビアホール導体5a、第2のビアホール導体体5bに接続され、この第1のビアホール導体5a、第2のビアホール導体体5bを介して所定容量が得られることになるため、各第1の電極層3aと第1のビアホール導体5aと接続の抵抗が、また、第2の電極層3bと第2のビアホール導体5bとの接続の抵抗が非常に小さくなり、また、端子電極7や多層回路部Yとの接続部分での接触抵抗が低下して、インダクタン値が非常に小さくなる。
【0033】
次に、積層セラミック基板1の製造方法を図2の工程の流れ図、図3(a)〜図3(f)の主要工程における断面図に基づいて説明する。
【0034】
まず、図2に示すように、予め、支持基板15を用意し、また、セラミック層1a〜1gとなるセラミックスリップ材を用意し、さらに電極層3a、3b、内部導体4、ビアホール導体5a、5b、6となる導電性ペーストを用意しておく。
【0035】
支持基板15は、例えば耐熱性樹脂、ガラス、セラミックなどなどが例示できる。
【0036】
セラミックスリップ材は、図1においては2種類のスリップ材が必要であり、例えば、焼成した後絶縁体セラミック層1a、1gとなる絶縁膜10a、10gを形成するためのスリップ材は、セラミック粉末、ガラス材料、光硬化可能なモノマー、バインダー、溶剤を均質混練して形成する。
【0037】
セラミック粉末は、クリストバライト、石英、コランダム(αアルミナ)、ムライト、コージライトなどの絶縁セラミック材料が例示できる。その平均粒径1.0〜6.0μm、好ましくは1.5〜4.0μmに粉砕したものを用いる。尚、セラミック材料は2種以上混合して用いられてもよい。特に、コランダムを用いた場合、コスト的に有利となる。
【0038】
ガラス材料として複数の金属酸化物を含むガラスフリットであり、焼成処理することによってコージェライト、ムライト、アノーサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種類を析出するものであればよく、例えば、B2 O3 、SiO2 、Al2 O3 、ZnO、アルカリ土類酸化物を含むガラスフリットが挙げられる。この様なガラスフリットは、ガラス化範囲が広くまた屈伏点が600〜800℃付近にあるため、850〜1050℃程度の低温焼成に適し、内部導体3となる導体膜との焼結挙動が近似しているためである。尚、このガラスフリットの平均粒径は、1.0〜5.0μm、好ましくは1.5〜3.5μmである。
【0039】
上述のセラミック材料とガラス材料との構成比率は、850〜1050℃の比較的低温で焼成する場合には、セラミック材料が10〜60wt%、好ましくは30〜50wt%であり、ガラス材料が90〜40wt%、好ましくは70〜50wt%である。
【0040】
光硬化可能なモノマーは、比較的低温で且つ短時間の焼成工程で消失できるように熱分解性に優れたものであり、また、スリップ材の塗布・乾燥後の露光によって、光重合される必要があり、遊離ラジカルの形成、連鎖生長付加重合が可能で、2級もしくは3級炭素を有したモノマーが好ましく、例えば少なくとも1つの重合可能なエチレン系基を有するブチルアクリレート等のアルキルアクリレートおよびそれらに対応するアルキルメタクリレートが有効である。また、テトラエチレングリコールジアクリレート等のポリエチレングリコールジアクリレートおよびそれらに対応するメタクリレートなどが挙げられる。尚、光硬化可能なモノマーは、露光処理後の現像処理によって露光部分以外の部分が容易に除去できるように所定量添加される。例えば、固形成分(セラミック材料及びガラス材料) に対して5〜15wt%以下である。
【0041】
バインダーは、光硬化可能なモノマー同様に熱分解性の良好なものでなくてはならない。同時にスリップの粘性を決めるものである為、固形分との濡れ性も重視せねばならず、アクリル酸もしくはメタクリル酸系重合体のようなカルボキシル基、アルコール性水酸基を備えたエチレン性不飽和化合物が好ましい。添加量としては固形分に対して25wt%以下が好ましい。
【0042】
溶剤として、有機系溶剤、水系溶剤を用いることができる。尚、水系溶剤の場合、光硬化可能なモノマー及びバインダーは、水溶性である必要があり、モノマー及びバインダには、親水性の官能基、例えばカルボキシル基が付加されている。その付加量は酸価で表せば2〜300あり、好ましくは5〜100である。
【0043】
付加量が少ない場合は水への溶解性、固定成分の粉末の分散性が悪くなり、多い場合は熱分解性が悪くなるため、付加量は、水への溶解性、分散性、熱分解性を考慮して、上述の範囲で適宜付加される。
【0044】
何れの系のスリップ材においても光硬化可能なモノマー及びバインダは上述したように熱分解性の良好なものでなくてはならないが、具体的には600℃以下で熱分解が可能でなくてはならない。更に好ましくは500℃以下である。
【0045】
また、スリップ材には、増感剤、光開始系材料等を必要に応じて添加しても構わない。例えば、光開始系材料としては、ベンゾフェノン類、アシロインエステル類化合物などが挙げられる。
【0046】
また、焼成した後誘電体セラミック層1b〜1fとなる絶縁膜10b〜10fを形成するためのスリップ材は、誘電体セラミック粉末、光硬化可能なモノマー、バインダー、溶剤を均質混練して形成する。
【0047】
上述のセラミックスリップ材との相違点は、固形成分として、誘電体セラミック材料、例えば、BaTiO3 、Pb4 Fe2 Nb2 O12、TiO2 などの誘電体セラミック材料を用いた点である。
【0048】
焼成した後、電極層3a、3b、内部導体4、ビアホール導体5a、5b、6となる導体膜、導体を形成する導電性ペーストは、Ag系(Ag単体、Ag−PdなどのAg合金)、Cu系(Cu単体、Cu合金)など導体材料粉末、例えば銀系粉末と、低融点ガラス成分と、有機バインダーと有機溶剤とを均質混練したものが用いられる。尚、上述の導電性ペースト中に、セラミックスリップ材に用いた光硬化モノマーを添加し、各導体膜を印刷し、乾燥した後、露光処理によって光硬化させても構わない。 これは、後述するように、導体膜上にセラミック層となる絶縁膜上の全面に塗布して、この絶縁膜に貫通凹部を形成するべく、露光、現像処理した時に、絶縁膜の貫通凹部の下部開口から露出する既に形成した導体膜もが除去されないようにするためである。尚、絶縁膜の現像処理に用いる現像液が、露光処理されていない絶縁膜のみを除去し、既に形成した導体や導体膜などを除去しないようにその成分や濃度を制御すれば、導電性ペーストに光硬化モノマーを用いる必要がなく、且つ導体、導体膜に対する露光処理を省略できる。
【0049】
上述のように、支持基板15、セラミック層1a〜1gとなるセラミックスリップ材、内部導体3となる導電性ペーストの準備を施した後、積層セラミック基板1となる積層体を形成する工程となる。
【0050】
まず、図3(a)に示すように、(1)の工程として、支持基板15上に絶縁体セラミック層1aとなる絶縁膜10aを形成する。具体的には、セラミックスリップ材を40〜120μm程度になるように塗布、乾燥して形成する。
【0051】
スリップ材の塗布方法として、例えば、ドクターブレード法(ナイフコート法)、ロールコート法、印刷法などが挙げられる。特に塗布後の絶縁膜の表面が平坦化することが容易なドクターブレード法などが好適である。尚、塗布方法に応じて溶剤の添加量が調整され、所定粘度に調整される。
【0052】
乾燥方法としては、バッチ式乾燥炉、インライン式乾燥炉を用いて行われ、乾燥条件は、120℃以下が望ましい。また、急激な乾燥は、表面にクラックを発生される可能性があるため、急加熱を避けることが重要となる。
【0053】
次に、図3(b)に示すように、(2)の工程の前工程であるスリップ材を塗布・乾燥した絶縁膜10aを選択的な露光処理して、絶縁膜10aの所定位置、即ち、第1及び第2のビアホール導体5a、5bとなる位置に、貫通凹部50(実際には、支持基体15の存在のため凹部形状となる)となる溶化部50’を形成する。尚、この基板内に回路部を構成する図1の場合、この工程で同時に、ビアホール6となる位置に、貫通凹部60となる溶化部60’を形成する。
【0054】
具体的には、絶縁膜10a中に含まれる光硬化モノマーが、光重合されるネガ型であるため、貫通凹部50、60となる溶化部50’、60’のみが露光光が照射されないような所定パターンを有するフォトターゲットを、絶縁膜10a上に載置、又は近接配置して、低圧、高圧、超高圧の水銀灯系の露光光を照射する。尚、露光条件は、15〜20J/cm2 の露光光を約15〜30秒程度照射して行う。これにより、絶縁膜10aの第1及び第2のビアホール導体5a、5b、ビアホール導体6となる部分以外は、光硬化可能なモノマーの光重合反応を起し、光硬化されることになる。尚、露光装置は所謂写真製版技術に用いられる一般的なものでよい。
【0055】
そして、図3(c)に示すように、(2)の工程の後工程として、露光処理した絶縁膜10aを現像処理し、溶化部50’、60’を除去して、貫通凹部50、60を形成する。これにより、貫通凹部50、60の下部開口には、支持基板15の一部が露出することになる。
【0056】
具体的には、現像処理として、クロロセン、1,1,1−トリクロロエタン、アルカリ現像溶剤を例えばスプレー現像法やパドル現像法によって、溶化部40’に噴射したり、接触したりして、現像処理を行う。その後、必要に応じて洗浄及び乾燥を行なう。
【0057】
次に、図3(d)に示すように、(3)の工程として、現像処理して絶縁膜10aの貫通凹部50、60内に、第1、第2のビアホール導体5a、5bとなる導体51a、51b、ビアホール導体6となる導体61を導電性ペーストの充填によって形成する。
【0058】
続いて、(4)の工程として、絶縁膜10a上に、セラミック層1aとセラミック層1bとの間に配置される第1の電極層3aとなる導体膜31aを形成する。尚、この基板内に回路部を構成する図1の場合、この工程で同時に、内部配線4となる導体膜41を導電性ペーストの印刷によって形成する。
【0059】
上述の(3)のビアホール導体となる導体を形成する工程と(4)の電極層となる導体膜、内部配線となる導体膜を形成する工程を同一のスクリーン印刷で同時に行うこともできる。
【0060】
以上で、一連の(1)〜(4)の各工程が終了する。
【0061】
次に、セラミックスリップ材を誘電体セラミック層となるセラミックスリップ材に代えて、上述の(1)の工程を繰り返して、誘電体セラミック層1bとなる絶縁膜10bを形成し、続いて、(2)の工程を行って、絶縁膜10bに第1、第2のビアホール導体5aと貫通凹部50、ビアホール導体6と貫通凹部60を形成し、続いて、(3)(4)の工程を行って、貫通凹部50及び貫通凹部60に導電性ペーストを充填して導体51a、51b、61を形成するとともに、絶縁膜10b上に誘電体セラミック層1bと誘電体セラミック層1cとの間に配置される電極層3bとなる導体膜31b、内部配線4となる導体膜41を形成する。
【0062】
同様に、誘電体セラミック層1c〜誘電体セラミック層1fとなる絶縁膜10c〜10f、絶縁膜10c〜10fに形成される導体51a、51b、61、絶縁膜10c〜10f上に形成される導体膜31a、31b、41を形成する。
【0063】
最後に、また、スリップ材を代えて、(1)の工程を行って、最上層の絶縁体セラミック層1gとなる絶縁膜10gを形成し、続いて(2)の工程を行って、絶縁膜10g中にビアホール導体6となる貫通凹部60を形成し、(3)工程のみを行って、貫通凹部60内にビアホール導体6となる導体61を形成する。絶縁膜10gのビアホール導体6は基板の表面に露出するものであるため、その後現像処理されることがない場合は、光硬化を行う露光処理は省略される。
【0064】
次に、図3(e)に示すように、支持基板15を分離して、積層コンデンサ基板10の寸法で分割できるようにプレス成型によって分割溝を形成し、一体的な焼結を行う。
【0065】
焼結は、脱バインダ過程と焼成過程からなる。脱バインダ過程は、絶縁膜10a〜10g、第1の電極層3aとなる導体膜31a、第2の電極層3bとなる導体膜31b、内部配線4となる導体膜41、第1のビアホール導体5aとなる導体51a、第2のビアホール導体5bとなる導体51b、ビアホール導体6となる導体61に含まれる有機成分を焼失するためのものであり、焼結過程の例えば600℃以下の温度領域で行われる。
【0066】
また、焼成過程は、絶縁膜10a〜10gのガラス成分を充分に軟化させて、セラミック粉末の粒界に均一に分散させ、積層セラミック基板1に一定強度を与え、同時に、導体膜31a、31b、41、各ビアホール導体となる導体51a、51b、61の銀系粉末を粒成長させて、低抵抗化させるとともに、絶縁層1a〜1gと一体化させるものであり、酸化性雰囲気又は中性雰囲気でピーク温度850〜1050℃で行われる。
【0067】
これにより、絶縁膜10a〜10gはセラミック層1a〜1gとなり、導体膜導体膜31a、31b、41は夫々、第1の電極層3a、第2の電極層3b、内部配線4となり、導体51a、51b、61は第1のビアホール導体導体5a、第2のビアホール導体5b、ビアホール導体6となる。
【0068】
尚、支持基板15として、セラミック基体を用いる場合は、そのまま積層セラミック基板1の一部として用いることができる。この時、支持基板15上に内部配線を形成しておいてもよい。
【0069】
次に、図3(f)に示すように、基板の両主面に、銅系導電性ペーストで端子端子電極7、表面配線8となる各導体膜を印刷形成し、その後、乾燥・焼成を行う。
【0070】
ここで、銅系の端子電極7、表面配線8と銀系導体のビアホール導体6とが接合することになる。このため、銀と銅との共晶温度を考慮して、銅系の表面配線7として、低温(例えば780℃以下)焼成可能な銅系導電性ペーストをスクリーン印刷して、銅の酸化を防止するため、還元性雰囲気や中性雰囲気中で行うことが重要である。
【0071】
その後、必要に応じて、厚膜抵抗膜や保護膜などを焼きつけを行い、分割溝にそって個々の基板の大きさに分割を行い、積層セラミック基板1が達成される。
【0072】
さらに、電子部品2を、積層セラミック基板1の表面に半田接合する。
【0073】
以上のように、上述の製造方法によれば、複数の第1の電極層3aを共通的に接続する第1のビアホール導体5a、複数の第2の電極層3bを共通的に接続する第2のビアホール導体5bは、セラミック層1a〜1gとなる絶縁膜10a〜10gに露光・現像処理によって形成された貫通凹部50に導電性ペーストを充填して形成される。このため、従来、非常に困難とされていたグリーンシートのスルーホールへの導電性ペーストの充填保持が不要となりため、特に、250μm程度の径であっても安定したビアホール導体5a、5bを形成することができる。
【0074】
しかも、第1のビアホール導体5a、第2のビアホール導体5bを直径、形状・また異なるセラミック層に形成されたビアホール導体5a、5bとの接続位置も、上述の精度の高い露光処理によってのみ決まるため、直径、形状を任意とすることができ、ビアホール導体5a、5bの接続位置ずれなどのが一切発生せず、ビアホール導体での接続抵抗が低く、且つ信頼性の高い、即ち、インダクタンス値の非常に低いコンデンサを簡単に形成することが可能となる。
【0075】
また、各絶縁膜10a〜10gの形成が、スリップ材の塗布によって行われるため、その膜厚の制御が容易であり、セラミック層1a〜1gの誘電率に応じたもっとも最適な膜厚とすることができる。
【0076】
また、この絶縁膜10a〜10gを形成した時の表面は、下部に配置された電極層3a、3bや内部配線4のパターン形状、積層数の関わらず、常に均一な平坦面となる。このため、この絶縁膜10a〜10eの表面に電極層3a、3bとなる導体膜31a、31bや内部配線4となる導体膜41、表面配線8などを形成するにあたり、確実に行えることになる。
【0077】
また、インダクタンス値の低い容量部Xと同一の基板内に、この容量部Xの形成工程と同時に、容量部Xと接続する回路部Yを形成することができるため、特に高速動作の回路と一体化することにより、インダクタンス値の低い容量部Xの特性を充分に奏することができる。
【0078】
尚、回路部Xにおいても、ビアホール導体6の直径、形状は任意に設定できるため、回路の電源ライン、アースラインなど大電流の流れるビアホール導体6の低抵抗化が容易に行えることになる。
【0079】
尚、上述の実施例において、第1の電極層3aと第2の電極層3b、内部配線4、第1、第2のビアホール導体5a、5b、ビアホール導体6の導体材料と、基板表面の表面配線8、端子電極7の導体材料とが異種の導体材料で形成されているが、少なくとも同一条件で焼成できる導体材料を用いることにより、端子電極7、表面配線8の焼きつけ工程を、積層セラミック基板1の焼成工程前に行い、絶縁膜10a〜10gと全ての導体とを同時に焼成することもできる。
【0080】
また、図1に示す積層コンデンサ基板10においては、基板の裏面側主面には端子電極7や表面配線8を形成しているため、(1)の工程である最下部のセラミック層1aとなる絶縁膜10aの形成工程を行った後に、(2)の工程であるビアホール導体となる貫通凹部50、60を形成するための露光・現像処理工程をおこなっているが、基板の裏面側主面には端子電極7や表面配線8を形成しない場合は、絶縁膜10aを形成した後、(2)の工程を省略して、(3)の工程である導体膜の形成工程を行っても構わない。
【0081】
さらに、セラミック層の積層数は7層構造であるが、容量値に応じて、積層数を任意に設定することができ、また、容量部Xが1つだけではなしに、複数発生するようにしても構わない。
【0082】
実施例では、積層コンデンサ基板10内に容量部Xと回路部Yとを並設しているが、1つ又は複数の容量部Xのみで積層コンデンサ基板10を構成、即ち、積層コンデンサとしても構成しても構わない。この時、セラミック層として全て誘電体セラミック層のみで構成し、その積層セラミック基板1の主面には、第1及び第2のビアホール導体5a、5bと接続する島状の端子電極を形成する。
【0083】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、セラミック層となる絶縁膜を光硬化モノマーを含有するスリップ材を用いて、順次塗布によって形成し、ビアホール導体となる貫通孔を絶縁膜の選択的な露光・現像処理によって形成し、ビアホール導体となる導体、電極層となる導体膜を導電性ペーストの印刷などで形成している。 従って、特にビアホール導体の直径を任意に設定することができるため、インダクタンス値が低く、且つ接続信頼性が高い積層コンデンサ基板が非常に簡単に形成できる。
【0084】
また、積層コンデンサ基板内にこのコンデンサと接続する回路を、コンデンサの形成工程と同時に形成することができるため、積層コンデンサ基板内に回路部を並設することにより、インダクタンス値が低い、即ち高速動作する回路に対応することができるというコンデンサの特性を充分に引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層コンデンサ基板の断面図である。
【図2】本発明の積層コンデンサ基板の製造を説明するための工程図である。
【図3】(a)〜(f)は本発明の積層コンデンサ基板の製造の主要工程における断面図である。
【図4】従来の低インダクタン型積層コンデンサの概略平面図である。
【符号の説明】
10・・・・・積層コンデンサ基板
1・・・・・・・積層セラミック基板
1a〜1g・・・セラミック層
10a〜10g・・・絶縁膜
2・・・・・・・電子部品
3a・・・・・・第1の電極層
3b・・・・・・第2の電極層
4・・・・・・・内部配線
5a・・・・・・第1のビアホール導体
5b・・・・・・第2のビアホール導体
6・・・・・・・ビアホール導体
7・・・・・・・端子電極
8・・・・・・・表面配線
31a・・・・・・第1の電極層となる導体膜
31b・・・・・・第2の電極層となる導体膜
41・・・・・・・内部配線となる導体膜
51a・・・・・・第1のビアホール導体となる導体
51b・・・・・・第2のビアホール導体となる導体
61・・・・・・ビアホール導体となる導体
【産業上の利用分野】
本発明は、第1の電極層と第2の電極層とで誘電体セラミック層を挟んで成る積層コンデンサ基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、積層チップコンデンサは、チップ形状となる領域に、内部電極層となる導体膜を形成したセラミックとなる誘電体セラミックグリーンシートを複数積層して、チップ領域に対応して切断した後、焼成処理を行い、積層体の対向する両端面に端子電極を形成していた。尚、内部電極層は、積層体の一方端面にその端辺が露出するように一方端面側よりに形成した第1の内部電極層と積層体の他方端面にその端辺が露出するように他方端面側よりに形成した第2の内部電極層とからなり、夫々がセラミック層を介して交互に積層配置されている。
【0003】
通常、積層チップコンデンサは、内部電極層と端子電極との接続が内部電極層の厚み(例えば2〜3μm)によって行われているため、この接続部分での接続抵抗が大きくなってしまう。特にこのような積層チップコンデンサを高速で動作するスイッチング回路などに用いると、内部電極と端子電極との接続部分で、インダクタンス成分が大きくなってしまい(例えば、0.8nH)、高速動作に追従しないものであった。
【0004】
そこで、インダクタンス成分を小さくするための構造として、図4の一部透視した平面図のように、セラミック層40と第1の内部電極層42a又は第2の内部電極層42bとが交互に積層するとともに、前記セラミック層40に、第1の内部電極層42aどうしを接続する第1のビアホール導体43a及び第2の内部電極層42bどうしを接続する第2のビアホール導体43bを形成して成る積層チップコンデンサが提案されている。そして、この積層チップコンデンサの主面に、第1及び第2のビアホール導体43a、43bと接続する島状の端子電極44a、44bを形成し、この端子電極44a、44bで外部の回路と接続していた。尚、この構造において、ビアホール43a、43bの径を例えば250μm程度にすると、インダクタンス成分が0.1nH程度まで低下させることができ、高速で動作するスイッチング回路などに用いるとことが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示す積層チップコンデンサを製造するにあたり、セラミック層40となる誘電体グリーンシートには、例えば直径250μmのビアホール導体43a、43bとなるスルーホールを形成しなくてはならず、しかもこのスルーホール内に導電性ペーストを安定的に充填・保持させなくてはならない。
【0006】
しかし、セラミック層40となる誘電体グリーンシートの厚みは、積層数の増加に伴い部品の高さが増加しないように極力薄く(20〜30μm)している。また、このように薄いグリーンシートに形成した例えば直径250μmのスルーホール内に導電性ペーストを充填・保持することは非常に困難なものとなってしまう。一般に、生産性を考慮した場合、直径120μm程度である。
【0007】
また、インダクタンス値が低い積層チップコンデンサは、例えばスイッチング回路を成す回路と直接接続する必要があり、積層チップコンデンサの単体をプペリント配線基板上に搭載することは、インダクタンス値の低いコンデンサとしての作用が充分に奏することが困難である。
【0008】
本発明は、上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、ビアホール導体の直径に係わらず、簡単にインダクタンス値が低い積層コンデンサ基板を製造する方法を提供することである。
【0009】
また、別の目的は、低インダクタンスの積層コンデンサ基板の作用を充分に奏するために他の回路と直接接続することが可能な積層コンデンサ基板を製造する方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第1の絶縁体セラミック層と第2の絶縁体セラミック層の間に複数の誘電体セラミック層を有し、該誘電体セラミック層を挟んだ第1の電極層と第2の電極層を交互に多数積層するとともに、該第1の電極層どうし及び第2の電極層どうしを前記複数の誘電体セラミック層に形成した第1及び第2のビアホール導体を介して接続してなる容量部と、該容量部と接続し、且つ前記複数の誘電体セラミック層を挟んだ複数の内部配線と、該複数の内部配線を接続する前記複数の誘電体セラミック層及び第2の絶縁体セラミック層に形成した第3のビアホール導体と、前記第2の絶縁体セラミック層上に形成した表面配線と、該表面配線に接続した電子部品とからなる回路部とを有する積層コンデンサ基板の製造方法であって、
前記積層コンデンサ基板の形成方法が
支持基板上に、光硬化可能なモノマーを含有するセラミックスリップ材を塗布して前記第1の絶縁体セラミック層となる絶縁膜を形成する工程と、
該第1の絶縁体セラミック層となる絶縁膜の表面に導電性ペーストを印刷して前記第1又は第2の電極層となる導電膜を形成するとともに、前記内部配線となる導電膜を形成する工程とを順次行った後、
(1)光硬化可能なモノマーを含有するセラミックスリップ材を塗布して前記誘電体セラミック層となる絶縁膜を形成する工程と
(2)前記誘電体セラミック層となる絶縁膜を選択的に露光・現像処理して、第3のビアホール導体となる位置に、第3の貫通孔を形成するとともに、第1及び第2のビアホール導体となる位置に、第1及び第2の貫通孔を形成する工程、
(3)前記誘電体セラミック層となる絶縁膜の各貫通孔に導電性ペーストを充填して前記第1乃至第3のビアホール導体となる導体とを形成する工程と、
(4)前記誘電体セラミック層となる絶縁膜の表面に導電性ペーストを、一部が前記第1または第2の貫通孔に充填した導体と接続するように印刷して前記第1又は第2の電極層となる導体膜を形成するとともに、前記第3の貫通孔に充填した導体と接続するように印刷して前記内部配線となる導体膜を形成する工程、
の上述の(1)乃至(4)の各工程を順次繰り返した後、
光硬化可能なモノマーを含有するセラミックスリップ材を塗布して前記第2の絶縁体セラミック層となる絶縁膜を形成する工程と、
該第2の絶縁体セラミック層となる絶縁膜を選択的に露光・現像処理して、第3のビアホール導体となる位置に第3の貫通孔を形成する工程と、
該第3の貫通孔に導電性ペーストを充填して第3のビアホール導体となる導体を形成する工程とを順次行った後、
前記支持基板を分離して、絶縁膜、導体及び導体膜が一体化された積層体を形成する工程と、
該積層体を焼成処理して、前記第1及び第2の絶縁体セラミック層、前記誘電体セラミック層、前記第1乃至第3のビアホール導体、前記第1及び第2の電極層及び内部配線を形成する工程と、
前記第2の絶縁体セラミック層の表面に、一部が第3のビアホール導体と接続するように前記表面配線を形成する工程と、
前記表面配線に前記電子部品を接続する工程と
を有することを特徴とする積層コンデンサ基板の製造方法である。
【0011】
尚、貫通孔は、その絶縁膜を貫通するものであるが、その貫通孔の下開口部は、絶縁膜を形成する前に、既に形成された導体膜や導体によって閉塞され、全体としては「凹部」形状となるので、特に従来のグリーンシートを用いる製造方法のスルーホールと区別するため、本発明の製造方法では「貫通凹部」と表現する。
【0012】
【作用】
本発明では、誘電体セラミック層となる絶縁膜が光硬化可能なモノマーを含有するセラミックスリップ材を塗布し、乾燥して形成されるため、セラミック層の膜厚の制御が極めて容易となる。
【0013】
また、セラミック層となる絶縁膜に形成される第1及び第2のビアホール導体となる貫通凹部が、絶縁膜の選択的な露光・現像処理により形成されるため、任意の形状・寸法、例えば250μmで、精度の高い貫通凹部を簡単に作成できる。
【0014】
また、第1及び第2のビアホール導体となる導体が、上述の貫通凹部に充填して形成するため、安定的に導体を形成することができ、従来のようなグリーンシートに形成した貫通孔に充填した導電性ペーストが充填抜けすることが一切ない。
【0015】
また、第1又は第2の電極層を形成するにあたり、形成面となる絶縁膜がスリップ材の塗布・乾燥によって形成されるため、常に形成面を平坦な面となることができるため、第1又は第2の電極層を安定的に形成することができる。
【0016】
従って、上述の(1)〜(4)の工程を順次繰り返して行うが、ビアホール導体の位置決めが、実際には、精度の高い露光・現像処理で規定されるため、従来のグリーンシートを積層した際の位置ずれによるビアホール導体間の導通不良が発生せず、ます、第1又は第2の電極層が比較的大きなビアホール導体によって接続され、外部に導出できるため、低インダクタンスの積層コンデンサ基板となる。
【0017】
また、上述の積層コンデンサ基板を形成するにあたり、このコンデンサと接続する外部回路を積層コンデンサ基板に簡単に形成することができる。即ち、第1又は第2の電極層を形成する際にこの容量成分と接続する外部の回路を構成する所定配線パターンを、同時に第1及び第2のビアホールを形成する際にこの配線パターン間を接続するビアーホール導体も同時に形成することができる。
【0018】
従って、低インダクタンスの積層コンデンサの作用を充分に奏することができる回路一体型の積層コンデンサ基板とすることが可能となる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る積層コンデンサ基板10の断面図である。尚、図において、容量成分を発生するコンデンサ部と該コンデンサ部と接続する回路部とを並設した例で説明する。
【0021】
図1において、1は積層セラミック基板であり、2は電子部品である。
【0022】
積層セラミック基板1には、コンデンサ部Xと多層回路部Yとが並設されておいる。また、積層セラミック基板1は、絶縁体セラミック層1a、誘電体セラミック層1b〜1f、絶縁体セラミック層1g(総称してセラミック層という)と、セラミック層1a〜1gの各層間には、前記容量部Xを構成する第1又は第2の電極層3a、3bが配置され、また、回路部Yを構成する内部配線4が配置されている。また、セラミック層1a〜1gには、前記容量部Xを構成する第1及び第2のビアホール導体5a、5bが形成され、また、また、回路部Yを構成するビアホール導体6が形成されている。
【0023】
また、積層セラミック基板1の主面には、コンデンサ部Xの端子電極7を含む回路部Yの表面配線(端子電極を含む)8が形成されている。図には示していないが、さらに、必要に応じて、厚膜抵抗体膜が形成されており、さらに、絶縁保護膜が電子部品2、端子電極7などを露出するように形成されている。
【0024】
ここで、積層セラミック基板1の表裏両主面となるセラミック層1a、1gをアルミナなどの絶縁体セラミック層で形成している。本来であれば、セラミック層1a〜1gを誘電体セラミック層とすべきであるが、例えば、積層セラミック基板1の主面に厚膜抵抗体膜を形成した場合、誘電体材料の一部(例えばチタニア成分、鉛成分など)が厚膜抵抗体膜に拡散して抵抗特性が不安定になりやすい。このため、厚膜抵抗体膜の抵抗特性を安定化するために絶縁体セラミック層を積層セラミック基板1の表裏両主面となるセラミック層1a、1gに用いている。また、基板の強度を考慮した場合にも有利となる。
【0025】
絶縁体セラミック層1a、1gは、比較的低い温度で焼成可能にするガラス−セラミック材料からなる。具体的なセラミック材料としては、クリストバライト、石英、コランダム(αアルミナ)、ムライト、コージライトなどが例示できる。また、ガラス材料として複数の金属酸化物を含むガラスフリットであり、焼成処理することによってコージェライト、ムライト、アノーサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種類を析出するものであればよい。
【0026】
また、誘電体セラミック層1b〜1fは、セラミック材料としては、誘電率が高いBaTiO3 やPb4 Fe2 Nb2 O12などの誘電体セラミック材料が例示できる。これらセラミック層1a〜1gの厚みは例えば10〜100μm程度である。
【0027】
第1及び第2の電極層3a、3b、内部配線4、第1及び第2のビアホール導体5a、5b、ビアホール導体6は、Ag系(Ag単体、Ag−PdなどのAg合金)、Cu系(Cu単体、Cu合金)など導体からなり、第1及び第2の電極層3a、3b、内部配線4の厚みは8〜15μm程度である。尚、第1及び第2のビアホール導体5a、5b、ビアホール導体6の直径は任意な値とすることができるが、例えば第1及び第2のビアホール導体5a、5bの直径は250μm、ビアホール導体6の直径は、80μmである。
【0028】
端子電極7や表面配線8は、Ag系(Ag単体、Ag−PdなどのAg合金)、Cu系(Cu単体、Cu合金)など導体からなる。
【0029】
銅系の端子電極7、表面配線8は、マイグレーションなどが発生しないため高密度化にとっては重要な導体材料である。尚、銅系導体の場合には、焼きつけの条件が還元性雰囲気または中性雰囲気で行う必要があるが、積層セラミック基板1の焼成時に同時に焼きつけ処理するために、銀系導体を用いても構わない。
【0030】
電子部品2は、ICベアチップ、チップ抵抗器、チップコンデンサなどのチップ部品の他に、既に容器に収納されたIC、トランジスタ、発振部品などが挙げられる。尚、基板全体の高さを低くするために、基板表面に、電子部品2を収納するキャビティーを形成して、キビティー内に電子部品2を収納・配置してもよい。
【0031】
以上の構成では、例えば誘電体セラミック層1dを挟んで互いに対向する第1の電極層3aと第2の電極層3bとの間で所定容量成分が発生し、また誘電体セラミック層1eを挟んで互いに対向する第1の電極層3aと第2の電極層3bとの間で容量成分が発生する。そして、複数の第1の電極層3aは第1のビアホール導体5aによって共通的に接続され、複数の第2の電極層3bを第2のビアホール導体5bによって共通的に接続され、この容量部Xで発生した容量を端子電極7と第2ビアホール導体5bの一端と多層回路部Yとの接続部分との間で所定容量成分が導出することができる。
【0032】
この時、各電極3a、3bは直径が250μmと非常に大きい第1のビアホール導体5a、第2のビアホール導体体5bに接続され、この第1のビアホール導体5a、第2のビアホール導体体5bを介して所定容量が得られることになるため、各第1の電極層3aと第1のビアホール導体5aと接続の抵抗が、また、第2の電極層3bと第2のビアホール導体5bとの接続の抵抗が非常に小さくなり、また、端子電極7や多層回路部Yとの接続部分での接触抵抗が低下して、インダクタン値が非常に小さくなる。
【0033】
次に、積層セラミック基板1の製造方法を図2の工程の流れ図、図3(a)〜図3(f)の主要工程における断面図に基づいて説明する。
【0034】
まず、図2に示すように、予め、支持基板15を用意し、また、セラミック層1a〜1gとなるセラミックスリップ材を用意し、さらに電極層3a、3b、内部導体4、ビアホール導体5a、5b、6となる導電性ペーストを用意しておく。
【0035】
支持基板15は、例えば耐熱性樹脂、ガラス、セラミックなどなどが例示できる。
【0036】
セラミックスリップ材は、図1においては2種類のスリップ材が必要であり、例えば、焼成した後絶縁体セラミック層1a、1gとなる絶縁膜10a、10gを形成するためのスリップ材は、セラミック粉末、ガラス材料、光硬化可能なモノマー、バインダー、溶剤を均質混練して形成する。
【0037】
セラミック粉末は、クリストバライト、石英、コランダム(αアルミナ)、ムライト、コージライトなどの絶縁セラミック材料が例示できる。その平均粒径1.0〜6.0μm、好ましくは1.5〜4.0μmに粉砕したものを用いる。尚、セラミック材料は2種以上混合して用いられてもよい。特に、コランダムを用いた場合、コスト的に有利となる。
【0038】
ガラス材料として複数の金属酸化物を含むガラスフリットであり、焼成処理することによってコージェライト、ムライト、アノーサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種類を析出するものであればよく、例えば、B2 O3 、SiO2 、Al2 O3 、ZnO、アルカリ土類酸化物を含むガラスフリットが挙げられる。この様なガラスフリットは、ガラス化範囲が広くまた屈伏点が600〜800℃付近にあるため、850〜1050℃程度の低温焼成に適し、内部導体3となる導体膜との焼結挙動が近似しているためである。尚、このガラスフリットの平均粒径は、1.0〜5.0μm、好ましくは1.5〜3.5μmである。
【0039】
上述のセラミック材料とガラス材料との構成比率は、850〜1050℃の比較的低温で焼成する場合には、セラミック材料が10〜60wt%、好ましくは30〜50wt%であり、ガラス材料が90〜40wt%、好ましくは70〜50wt%である。
【0040】
光硬化可能なモノマーは、比較的低温で且つ短時間の焼成工程で消失できるように熱分解性に優れたものであり、また、スリップ材の塗布・乾燥後の露光によって、光重合される必要があり、遊離ラジカルの形成、連鎖生長付加重合が可能で、2級もしくは3級炭素を有したモノマーが好ましく、例えば少なくとも1つの重合可能なエチレン系基を有するブチルアクリレート等のアルキルアクリレートおよびそれらに対応するアルキルメタクリレートが有効である。また、テトラエチレングリコールジアクリレート等のポリエチレングリコールジアクリレートおよびそれらに対応するメタクリレートなどが挙げられる。尚、光硬化可能なモノマーは、露光処理後の現像処理によって露光部分以外の部分が容易に除去できるように所定量添加される。例えば、固形成分(セラミック材料及びガラス材料) に対して5〜15wt%以下である。
【0041】
バインダーは、光硬化可能なモノマー同様に熱分解性の良好なものでなくてはならない。同時にスリップの粘性を決めるものである為、固形分との濡れ性も重視せねばならず、アクリル酸もしくはメタクリル酸系重合体のようなカルボキシル基、アルコール性水酸基を備えたエチレン性不飽和化合物が好ましい。添加量としては固形分に対して25wt%以下が好ましい。
【0042】
溶剤として、有機系溶剤、水系溶剤を用いることができる。尚、水系溶剤の場合、光硬化可能なモノマー及びバインダーは、水溶性である必要があり、モノマー及びバインダには、親水性の官能基、例えばカルボキシル基が付加されている。その付加量は酸価で表せば2〜300あり、好ましくは5〜100である。
【0043】
付加量が少ない場合は水への溶解性、固定成分の粉末の分散性が悪くなり、多い場合は熱分解性が悪くなるため、付加量は、水への溶解性、分散性、熱分解性を考慮して、上述の範囲で適宜付加される。
【0044】
何れの系のスリップ材においても光硬化可能なモノマー及びバインダは上述したように熱分解性の良好なものでなくてはならないが、具体的には600℃以下で熱分解が可能でなくてはならない。更に好ましくは500℃以下である。
【0045】
また、スリップ材には、増感剤、光開始系材料等を必要に応じて添加しても構わない。例えば、光開始系材料としては、ベンゾフェノン類、アシロインエステル類化合物などが挙げられる。
【0046】
また、焼成した後誘電体セラミック層1b〜1fとなる絶縁膜10b〜10fを形成するためのスリップ材は、誘電体セラミック粉末、光硬化可能なモノマー、バインダー、溶剤を均質混練して形成する。
【0047】
上述のセラミックスリップ材との相違点は、固形成分として、誘電体セラミック材料、例えば、BaTiO3 、Pb4 Fe2 Nb2 O12、TiO2 などの誘電体セラミック材料を用いた点である。
【0048】
焼成した後、電極層3a、3b、内部導体4、ビアホール導体5a、5b、6となる導体膜、導体を形成する導電性ペーストは、Ag系(Ag単体、Ag−PdなどのAg合金)、Cu系(Cu単体、Cu合金)など導体材料粉末、例えば銀系粉末と、低融点ガラス成分と、有機バインダーと有機溶剤とを均質混練したものが用いられる。尚、上述の導電性ペースト中に、セラミックスリップ材に用いた光硬化モノマーを添加し、各導体膜を印刷し、乾燥した後、露光処理によって光硬化させても構わない。 これは、後述するように、導体膜上にセラミック層となる絶縁膜上の全面に塗布して、この絶縁膜に貫通凹部を形成するべく、露光、現像処理した時に、絶縁膜の貫通凹部の下部開口から露出する既に形成した導体膜もが除去されないようにするためである。尚、絶縁膜の現像処理に用いる現像液が、露光処理されていない絶縁膜のみを除去し、既に形成した導体や導体膜などを除去しないようにその成分や濃度を制御すれば、導電性ペーストに光硬化モノマーを用いる必要がなく、且つ導体、導体膜に対する露光処理を省略できる。
【0049】
上述のように、支持基板15、セラミック層1a〜1gとなるセラミックスリップ材、内部導体3となる導電性ペーストの準備を施した後、積層セラミック基板1となる積層体を形成する工程となる。
【0050】
まず、図3(a)に示すように、(1)の工程として、支持基板15上に絶縁体セラミック層1aとなる絶縁膜10aを形成する。具体的には、セラミックスリップ材を40〜120μm程度になるように塗布、乾燥して形成する。
【0051】
スリップ材の塗布方法として、例えば、ドクターブレード法(ナイフコート法)、ロールコート法、印刷法などが挙げられる。特に塗布後の絶縁膜の表面が平坦化することが容易なドクターブレード法などが好適である。尚、塗布方法に応じて溶剤の添加量が調整され、所定粘度に調整される。
【0052】
乾燥方法としては、バッチ式乾燥炉、インライン式乾燥炉を用いて行われ、乾燥条件は、120℃以下が望ましい。また、急激な乾燥は、表面にクラックを発生される可能性があるため、急加熱を避けることが重要となる。
【0053】
次に、図3(b)に示すように、(2)の工程の前工程であるスリップ材を塗布・乾燥した絶縁膜10aを選択的な露光処理して、絶縁膜10aの所定位置、即ち、第1及び第2のビアホール導体5a、5bとなる位置に、貫通凹部50(実際には、支持基体15の存在のため凹部形状となる)となる溶化部50’を形成する。尚、この基板内に回路部を構成する図1の場合、この工程で同時に、ビアホール6となる位置に、貫通凹部60となる溶化部60’を形成する。
【0054】
具体的には、絶縁膜10a中に含まれる光硬化モノマーが、光重合されるネガ型であるため、貫通凹部50、60となる溶化部50’、60’のみが露光光が照射されないような所定パターンを有するフォトターゲットを、絶縁膜10a上に載置、又は近接配置して、低圧、高圧、超高圧の水銀灯系の露光光を照射する。尚、露光条件は、15〜20J/cm2 の露光光を約15〜30秒程度照射して行う。これにより、絶縁膜10aの第1及び第2のビアホール導体5a、5b、ビアホール導体6となる部分以外は、光硬化可能なモノマーの光重合反応を起し、光硬化されることになる。尚、露光装置は所謂写真製版技術に用いられる一般的なものでよい。
【0055】
そして、図3(c)に示すように、(2)の工程の後工程として、露光処理した絶縁膜10aを現像処理し、溶化部50’、60’を除去して、貫通凹部50、60を形成する。これにより、貫通凹部50、60の下部開口には、支持基板15の一部が露出することになる。
【0056】
具体的には、現像処理として、クロロセン、1,1,1−トリクロロエタン、アルカリ現像溶剤を例えばスプレー現像法やパドル現像法によって、溶化部40’に噴射したり、接触したりして、現像処理を行う。その後、必要に応じて洗浄及び乾燥を行なう。
【0057】
次に、図3(d)に示すように、(3)の工程として、現像処理して絶縁膜10aの貫通凹部50、60内に、第1、第2のビアホール導体5a、5bとなる導体51a、51b、ビアホール導体6となる導体61を導電性ペーストの充填によって形成する。
【0058】
続いて、(4)の工程として、絶縁膜10a上に、セラミック層1aとセラミック層1bとの間に配置される第1の電極層3aとなる導体膜31aを形成する。尚、この基板内に回路部を構成する図1の場合、この工程で同時に、内部配線4となる導体膜41を導電性ペーストの印刷によって形成する。
【0059】
上述の(3)のビアホール導体となる導体を形成する工程と(4)の電極層となる導体膜、内部配線となる導体膜を形成する工程を同一のスクリーン印刷で同時に行うこともできる。
【0060】
以上で、一連の(1)〜(4)の各工程が終了する。
【0061】
次に、セラミックスリップ材を誘電体セラミック層となるセラミックスリップ材に代えて、上述の(1)の工程を繰り返して、誘電体セラミック層1bとなる絶縁膜10bを形成し、続いて、(2)の工程を行って、絶縁膜10bに第1、第2のビアホール導体5aと貫通凹部50、ビアホール導体6と貫通凹部60を形成し、続いて、(3)(4)の工程を行って、貫通凹部50及び貫通凹部60に導電性ペーストを充填して導体51a、51b、61を形成するとともに、絶縁膜10b上に誘電体セラミック層1bと誘電体セラミック層1cとの間に配置される電極層3bとなる導体膜31b、内部配線4となる導体膜41を形成する。
【0062】
同様に、誘電体セラミック層1c〜誘電体セラミック層1fとなる絶縁膜10c〜10f、絶縁膜10c〜10fに形成される導体51a、51b、61、絶縁膜10c〜10f上に形成される導体膜31a、31b、41を形成する。
【0063】
最後に、また、スリップ材を代えて、(1)の工程を行って、最上層の絶縁体セラミック層1gとなる絶縁膜10gを形成し、続いて(2)の工程を行って、絶縁膜10g中にビアホール導体6となる貫通凹部60を形成し、(3)工程のみを行って、貫通凹部60内にビアホール導体6となる導体61を形成する。絶縁膜10gのビアホール導体6は基板の表面に露出するものであるため、その後現像処理されることがない場合は、光硬化を行う露光処理は省略される。
【0064】
次に、図3(e)に示すように、支持基板15を分離して、積層コンデンサ基板10の寸法で分割できるようにプレス成型によって分割溝を形成し、一体的な焼結を行う。
【0065】
焼結は、脱バインダ過程と焼成過程からなる。脱バインダ過程は、絶縁膜10a〜10g、第1の電極層3aとなる導体膜31a、第2の電極層3bとなる導体膜31b、内部配線4となる導体膜41、第1のビアホール導体5aとなる導体51a、第2のビアホール導体5bとなる導体51b、ビアホール導体6となる導体61に含まれる有機成分を焼失するためのものであり、焼結過程の例えば600℃以下の温度領域で行われる。
【0066】
また、焼成過程は、絶縁膜10a〜10gのガラス成分を充分に軟化させて、セラミック粉末の粒界に均一に分散させ、積層セラミック基板1に一定強度を与え、同時に、導体膜31a、31b、41、各ビアホール導体となる導体51a、51b、61の銀系粉末を粒成長させて、低抵抗化させるとともに、絶縁層1a〜1gと一体化させるものであり、酸化性雰囲気又は中性雰囲気でピーク温度850〜1050℃で行われる。
【0067】
これにより、絶縁膜10a〜10gはセラミック層1a〜1gとなり、導体膜導体膜31a、31b、41は夫々、第1の電極層3a、第2の電極層3b、内部配線4となり、導体51a、51b、61は第1のビアホール導体導体5a、第2のビアホール導体5b、ビアホール導体6となる。
【0068】
尚、支持基板15として、セラミック基体を用いる場合は、そのまま積層セラミック基板1の一部として用いることができる。この時、支持基板15上に内部配線を形成しておいてもよい。
【0069】
次に、図3(f)に示すように、基板の両主面に、銅系導電性ペーストで端子端子電極7、表面配線8となる各導体膜を印刷形成し、その後、乾燥・焼成を行う。
【0070】
ここで、銅系の端子電極7、表面配線8と銀系導体のビアホール導体6とが接合することになる。このため、銀と銅との共晶温度を考慮して、銅系の表面配線7として、低温(例えば780℃以下)焼成可能な銅系導電性ペーストをスクリーン印刷して、銅の酸化を防止するため、還元性雰囲気や中性雰囲気中で行うことが重要である。
【0071】
その後、必要に応じて、厚膜抵抗膜や保護膜などを焼きつけを行い、分割溝にそって個々の基板の大きさに分割を行い、積層セラミック基板1が達成される。
【0072】
さらに、電子部品2を、積層セラミック基板1の表面に半田接合する。
【0073】
以上のように、上述の製造方法によれば、複数の第1の電極層3aを共通的に接続する第1のビアホール導体5a、複数の第2の電極層3bを共通的に接続する第2のビアホール導体5bは、セラミック層1a〜1gとなる絶縁膜10a〜10gに露光・現像処理によって形成された貫通凹部50に導電性ペーストを充填して形成される。このため、従来、非常に困難とされていたグリーンシートのスルーホールへの導電性ペーストの充填保持が不要となりため、特に、250μm程度の径であっても安定したビアホール導体5a、5bを形成することができる。
【0074】
しかも、第1のビアホール導体5a、第2のビアホール導体5bを直径、形状・また異なるセラミック層に形成されたビアホール導体5a、5bとの接続位置も、上述の精度の高い露光処理によってのみ決まるため、直径、形状を任意とすることができ、ビアホール導体5a、5bの接続位置ずれなどのが一切発生せず、ビアホール導体での接続抵抗が低く、且つ信頼性の高い、即ち、インダクタンス値の非常に低いコンデンサを簡単に形成することが可能となる。
【0075】
また、各絶縁膜10a〜10gの形成が、スリップ材の塗布によって行われるため、その膜厚の制御が容易であり、セラミック層1a〜1gの誘電率に応じたもっとも最適な膜厚とすることができる。
【0076】
また、この絶縁膜10a〜10gを形成した時の表面は、下部に配置された電極層3a、3bや内部配線4のパターン形状、積層数の関わらず、常に均一な平坦面となる。このため、この絶縁膜10a〜10eの表面に電極層3a、3bとなる導体膜31a、31bや内部配線4となる導体膜41、表面配線8などを形成するにあたり、確実に行えることになる。
【0077】
また、インダクタンス値の低い容量部Xと同一の基板内に、この容量部Xの形成工程と同時に、容量部Xと接続する回路部Yを形成することができるため、特に高速動作の回路と一体化することにより、インダクタンス値の低い容量部Xの特性を充分に奏することができる。
【0078】
尚、回路部Xにおいても、ビアホール導体6の直径、形状は任意に設定できるため、回路の電源ライン、アースラインなど大電流の流れるビアホール導体6の低抵抗化が容易に行えることになる。
【0079】
尚、上述の実施例において、第1の電極層3aと第2の電極層3b、内部配線4、第1、第2のビアホール導体5a、5b、ビアホール導体6の導体材料と、基板表面の表面配線8、端子電極7の導体材料とが異種の導体材料で形成されているが、少なくとも同一条件で焼成できる導体材料を用いることにより、端子電極7、表面配線8の焼きつけ工程を、積層セラミック基板1の焼成工程前に行い、絶縁膜10a〜10gと全ての導体とを同時に焼成することもできる。
【0080】
また、図1に示す積層コンデンサ基板10においては、基板の裏面側主面には端子電極7や表面配線8を形成しているため、(1)の工程である最下部のセラミック層1aとなる絶縁膜10aの形成工程を行った後に、(2)の工程であるビアホール導体となる貫通凹部50、60を形成するための露光・現像処理工程をおこなっているが、基板の裏面側主面には端子電極7や表面配線8を形成しない場合は、絶縁膜10aを形成した後、(2)の工程を省略して、(3)の工程である導体膜の形成工程を行っても構わない。
【0081】
さらに、セラミック層の積層数は7層構造であるが、容量値に応じて、積層数を任意に設定することができ、また、容量部Xが1つだけではなしに、複数発生するようにしても構わない。
【0082】
実施例では、積層コンデンサ基板10内に容量部Xと回路部Yとを並設しているが、1つ又は複数の容量部Xのみで積層コンデンサ基板10を構成、即ち、積層コンデンサとしても構成しても構わない。この時、セラミック層として全て誘電体セラミック層のみで構成し、その積層セラミック基板1の主面には、第1及び第2のビアホール導体5a、5bと接続する島状の端子電極を形成する。
【0083】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、セラミック層となる絶縁膜を光硬化モノマーを含有するスリップ材を用いて、順次塗布によって形成し、ビアホール導体となる貫通孔を絶縁膜の選択的な露光・現像処理によって形成し、ビアホール導体となる導体、電極層となる導体膜を導電性ペーストの印刷などで形成している。 従って、特にビアホール導体の直径を任意に設定することができるため、インダクタンス値が低く、且つ接続信頼性が高い積層コンデンサ基板が非常に簡単に形成できる。
【0084】
また、積層コンデンサ基板内にこのコンデンサと接続する回路を、コンデンサの形成工程と同時に形成することができるため、積層コンデンサ基板内に回路部を並設することにより、インダクタンス値が低い、即ち高速動作する回路に対応することができるというコンデンサの特性を充分に引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層コンデンサ基板の断面図である。
【図2】本発明の積層コンデンサ基板の製造を説明するための工程図である。
【図3】(a)〜(f)は本発明の積層コンデンサ基板の製造の主要工程における断面図である。
【図4】従来の低インダクタン型積層コンデンサの概略平面図である。
【符号の説明】
10・・・・・積層コンデンサ基板
1・・・・・・・積層セラミック基板
1a〜1g・・・セラミック層
10a〜10g・・・絶縁膜
2・・・・・・・電子部品
3a・・・・・・第1の電極層
3b・・・・・・第2の電極層
4・・・・・・・内部配線
5a・・・・・・第1のビアホール導体
5b・・・・・・第2のビアホール導体
6・・・・・・・ビアホール導体
7・・・・・・・端子電極
8・・・・・・・表面配線
31a・・・・・・第1の電極層となる導体膜
31b・・・・・・第2の電極層となる導体膜
41・・・・・・・内部配線となる導体膜
51a・・・・・・第1のビアホール導体となる導体
51b・・・・・・第2のビアホール導体となる導体
61・・・・・・ビアホール導体となる導体
Claims (1)
- 第1の絶縁体セラミック層と第2の絶縁体セラミック層の間に複数の誘電体セラミック層を有し、該誘電体セラミック層を挟んだ第1の電極層と第2の電極層を交互に多数積層するとともに、該第1の電極層どうし及び第2の電極層どうしを前記複数の誘電体セラミック層に形成した第1及び第2のビアホール導体を介して接続してなる容量部と、該容量部と接続し、且つ前記複数の誘電体セラミック層を挟んだ複数の内部配線と、該複数の内部配線を接続する前記複数の誘電体セラミック層及び第2の絶縁体セラミック層に形成した第3のビアホール導体と、前記第2の絶縁体セラミック層上に形成した表面配線と、該表面配線に接続した電子部品とからなる回路部とを有する積層コンデンサ基板の製造方法であって、
前記積層コンデンサ基板の形成方法が
支持基板上に、光硬化可能なモノマーを含有するセラミックスリップ材を塗布して前記第1の絶縁体セラミック層となる絶縁膜を形成する工程と、
該第1の絶縁体セラミック層となる絶縁膜の表面に導電性ペーストを印刷して前記第1又は第2の電極層となる導電膜を形成するとともに、前記内部配線となる導電膜を形成する工程とを順次行った後、
(1)光硬化可能なモノマーを含有するセラミックスリップ材を塗布して前記誘電体セラミック層となる絶縁膜を形成する工程と
(2)前記誘電体セラミック層となる絶縁膜を選択的に露光・現像処理して、第3のビアホール導体となる位置に、第3の貫通孔を形成するとともに、第1及び第2のビアホール導体となる位置に、第1及び第2の貫通孔を形成する工程、
(3)前記誘電体セラミック層となる絶縁膜の各貫通孔に導電性ペーストを充填して前記第1乃至第3のビアホール導体となる導体とを形成する工程と、
(4)前記誘電体セラミック層となる絶縁膜の表面に導電性ペーストを、一部が前記第1または第2の貫通孔に充填した導体と接続するように印刷して前記第1又は第2の電極層となる導体膜を形成するとともに、前記第3の貫通孔に充填した導体と接続するように印刷して前記内部配線となる導体膜を形成する工程、
の上述の(1)乃至(4)の各工程を順次繰り返した後、
光硬化可能なモノマーを含有するセラミックスリップ材を塗布して前記第2の絶縁体セラミック層となる絶縁膜を形成する工程と、
該第2の絶縁体セラミック層となる絶縁膜を選択的に露光・現像処理して、第3のビアホール導体となる位置に第3の貫通孔を形成する工程と、
該第3の貫通孔に導電性ペーストを充填して第3のビアホール導体となる導体を形成する工程とを順次行った後、
前記支持基板を分離して、絶縁膜、導体及び導体膜が一体化された積層体を形成する工程と、
該積層体を焼成処理して、前記第1及び第2の絶縁体セラミック層、前記誘電体セラミック層、前記第1乃至第3のビアホール導体、前記第1及び第2の電極層及び内部配線を形成する工程と、
前記第2の絶縁体セラミック層の表面に、一部が第3のビアホール導体と接続するように前記表面配線を形成する工程と、
前記表面配線に前記電子部品を接続する工程と
を有することを特徴とする積層コンデンサ基板の製造方法。
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