JP2003338678A - 回路基板の製造方法、回路基板仮固定用粘着テープ、及び多層配線板 - Google Patents

回路基板の製造方法、回路基板仮固定用粘着テープ、及び多層配線板

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JP2003338678A
JP2003338678A JP2002145807A JP2002145807A JP2003338678A JP 2003338678 A JP2003338678 A JP 2003338678A JP 2002145807 A JP2002145807 A JP 2002145807A JP 2002145807 A JP2002145807 A JP 2002145807A JP 2003338678 A JP2003338678 A JP 2003338678A
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meth
circuit
acrylate
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JP2002145807A
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English (en)
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Kazuto Hosokawa
和人 細川
Shuto Murata
秋桐 村田
Hitoshi Takano
均 高野
Masaaki Sato
正明 佐藤
Daisuke Shimokawa
大輔 下川
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着テープを用いて、回路パターンが基板に
均一に埋没し、表面が平坦な回路基板を製造する方法を
提供する。 【解決手段】 本発明の回路基板の製造方法は、粘着テ
ープを用いた回路基板の製造方法であって、(A)粘着
テープの粘着剤層上に導体により回路パターンを形成す
る工程の後、(B)前記粘着テープの回路形成面に絶縁
性材料を塗布して絶縁層を形成する工程、次いで(C)
前記粘着テープを剥離して絶縁層表面に回路を露出させ
る工程を設けることを特徴とする。上記製造方法に用い
る粘着テープとしては、基材の片面または両面に粘着剤
層が設けられ、該粘着剤層が、SP値17.4(J/c
31/2〜21.5(J/cm31/2であるアクリル系
共重合体を、架橋剤によりゲル分率70重量%以上に架
橋してなることを特徴とする回路基板仮固定用粘着テー
プが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路基板の仮固定
に用いられる粘着テープを用いた回路基板の製造方法、
回路基板仮固定用粘着テープ、及び多層配線板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、粘着テープを利用して回路基
板を製造する方法が知られている。例えば、特開昭64
−64392号公報には、粘着テープに担持された金属
箔にレジスト剤を積層し、所望のパターンに露光した後
エッチングを施して回路を形成し、これを基板上に転写
し、該粘着テープを再剥離する回路基板の製造方法が提
案されている。この方法に用いられる粘着テープは、エ
ッチング工程においては金属箔を強固に支持するととも
に、転写後の剥離工程においては金属から容易に剥離し
うる性能が要求されている。
【0003】すなわち、エッチングが施される際には、
粘着剤と金属箔とが強固に密着し、ずれや剥がれを生じ
ることが無く、粘着剤と金属箔との界面へのエッチング
液の侵入を防止できることが不可欠である。また、基板
に転写後、不要となった粘着テープを剥離除去する際に
は、転写された回路を変形させたり、毟り取るようなこ
とがあってはならない。
【0004】このような要求に対し、例えば、紫外線硬
化性粘着テープや熱膨張性粘着テープを用いることが提
案されている。前者によれば、エッチング工程において
は金属箔を強固に接着でき、剥離工程前に紫外線等を照
射して3次元架橋させて接着力を低下させることで容易
に剥離できる。一方、後者によれば、剥離工程前に加熱
して発泡させることにより接着面積を低減して接着力を
低下させることによって、容易に剥離できることが知ら
れている。また、特開平9−217043号公報には、
粘着剤の融点を境に接着力が変化する粘着剤を用いて、
エッチング工程においては融点以上に保ちながら高い粘
着力で保持し、剥離工程では融点以下の温度にすること
で容易に剥離できることが記載されている。さらに、特
開2000−328016号公報には、アクリル系粘着
剤の架橋体を用いれば、粘着力をある範囲内に制御し再
剥離を容易にしうることが記載されている。
【0005】しかしながら、粘着テープ上に形成した回
路を絶縁基板へ転写する方法によっては、回路パターン
の形状により転写時の圧力のかかり方が不均一となるた
め、絶縁基板へ回路パターンが完全に埋没されず、得ら
れる回路基板の表面に微小な凹凸が残ってしまう。この
ような凹凸を有する回路基板を多層化して得られる多層
配線板は、導通不良、信頼性の低下等の特性の面や、検
査・管理頻度の増大、歩留まりの低下等の経済性の面な
どの問題が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、粘着テープを用いて、回路パターンが基板に均一に
埋没し、表面が平坦な回路基板を製造する方法、及び該
方法により得られる回路基板からなる多層配線板を提供
することにある。
【0007】本発明の他の目的は、粘着テープを用いた
回路基板の製造工程中、回路パターン形成時は、強固に
接着してずれや剥がれなどが生じにくく、また、回路基
板形成後は糊残りなく容易に剥離することができる回路
基板仮固定用粘着テープを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、粘着テープ上におい
て、導体により回路パターンを形成し、絶縁層を積層し
た後、該粘着テープを剥離する方法によれば、導体が絶
縁層中に段差なく均一に埋没されて表面が平坦な回路基
板を製造できること、また、特定の物性値を有する粘着
剤層からなる回路基板仮固定用粘着テープによれば、回
路パターン形成の際には確実に接着固定して位置ずれな
どを生じず、剥離時は、回路基板に糊残りを生じずに容
易に剥離することができることを見い出し、本発明を完
成した。
【0009】すなわち、本発明は、粘着テープを用いた
回路基板の製造方法であって、(A)粘着テープの粘着
剤層上に導体により回路パターンを形成する工程の後、
(B)前記粘着テープの回路形成面に絶縁性材料を塗布
して絶縁層を形成する工程、次いで(C)前記粘着テー
プを剥離して絶縁層表面に回路を露出させる工程を設け
ることを特徴とする回路基板の製造方法を提供する。
【0010】本発明の回路基板の製造方法における粘着
テープとして、基材の片面または両面に粘着剤層が設け
られ、該粘着剤層が、SP値17.4(J/cm31/2
〜21.5(J/cm31/2であるアクリル系共重合体
を、架橋剤によりゲル分率70重量%以上に架橋してな
る回路基板仮固定用粘着テープが用いられてもよい。前
記粘着剤層は、熱膨張性微小球を含むものであってもよ
く、また、エネルギー線硬化性化合物を含むものであっ
てもよい。
【0011】また、本発明は、回路基板の製造工程にお
いて回路基板を仮固定するために用いる粘着テープであ
って、基材の片面または両面に粘着剤層が設けられ、該
粘着剤層が、SP値17.4(J/cm31/2〜21.
5(J/cm31/2であるアクリル系共重合体を、架橋
剤によりゲル分率70重量%以上に架橋してなることを
特徴とする回路基板仮固定用粘着テープを提供する。
【0012】さらに、本発明は、上記製造方法で得られ
る回路基板を積層してなる多層配線板を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の回路基板の製造方法は、
粘着テープを用いて、(A)粘着テープの粘着剤層上に
導体により回路パターンを形成する工程の後、(B)前
記粘着テープの回路形成面に絶縁性材料を塗布して絶縁
層を形成する工程、次いで(C)前記粘着テープを剥離
して絶縁層表面に回路を露出させる工程を設けることを
特徴とする。以下、本発明の製造方法を図面を参照しつ
つより詳細に説明する。
【0014】本発明における粘着テープには、少なくと
も基材及び粘着剤層を有する粘着テープを使用できる。
好ましくは、回路パターン形成時は、強固に接着してず
れや剥がれなどが生じにくく、また、回路基板形成後は
糊残りなく容易に剥離することができるものが用いら
れ、特に、後述の粘着テープが好適に用いられる。
【0015】[工程(A)]図1は、本発明の回路基板
の製造方法の一例における工程(A)を示した概略断面
図である。具体的には、図1は、基材2及び粘着剤層3
を有する粘着テープ1の粘着剤層3上に導体4により回
路パターンを形成する工程(A)を行った後の状態を表
している。
【0016】導体4には、回路パターンを形成しうる慣
用の導体を用いることができ、例えば、銅などの金属等
を使用できる。導体4により回路パターンを形成する方
法としては、例えば、エッチングによる方法、導電性ペ
ーストによるスクリーン印刷法等が挙げられる。
【0017】特に、微細な回路パターンを形成できると
いう点で、エッチングによる方法が好ましい。エッチン
グによる方法は、例えば、粘着剤層3上に導体4(金属
箔など)を圧着し、該導体4にレジスト剤を積層した
後、所望のパターンに露光、現像し、エッチング加工を
施すという方法で実施される。粘着剤層3上への金属箔
(導体4)の圧着は、例えば、ゴムローラ、ラミネート
ロール、プレス装置などの適宜な押圧手段で圧着処理す
る方式などにより行うことができる。圧着処理の際、必
要ならば、粘着剤層3のタイプに応じて、熱膨張性微小
球が膨張しない温度範囲で加熱したり、水や有機溶剤を
塗布して粘着剤を賦括させたりすることもできる。な
お、粘着テープ1は、工程(A)においては、例えば、
回路パターンを形成する際にずれなどが生じにくい程度
の接着性を有するものが好ましい。
【0018】工程(A)によって、粘着テープ1の粘着
剤層3上に導体4による回路パターンを形成することが
できる。
【0019】[工程(B)]図2は、本発明の回路基板
の製造方法の一例における工程(B)を示した概略断面
図である。具体的には、図2は、前記粘着テープ1の回
路形成面(粘着剤層3の表面)に絶縁層5を形成する工
程(B)を施した後の状態を表している。
【0020】絶縁層5は、絶縁性材料を塗布することに
より形成される。絶縁性材料としては、回路基板の絶縁
基板として慣用のものが用いられ、例えば、エポキシ系
樹脂、ビスマレイミド系樹脂などの熱硬化性有機樹脂、
セラミックを有機バインダに分散させたセラミックグリ
ーンシートなどが挙げられる。塗布は、絶縁性材料の特
性に応じて、加熱により溶融させて塗布する方法、溶剤
により溶解させて塗布する方法などにより行われる。そ
の後、冷却又は加熱(乾燥)などの手段により硬化させ
て絶縁層5が形成される。なお、粘着テープ1は、工程
(B)においては、例えば、絶縁性材料を塗布する際の
溶融樹脂の熱や塗布後の加熱(乾燥)などによっても粘
着力が低下しない程度の耐熱性を有するものが好まし
い。
【0021】工程(B)によれば、粘着テープ1上に形
成されている回路パターン形成面に絶縁層5を均一に形
成することができる。
【0022】[工程(C)]図3は、本発明の回路基板
の製造方法の一例における工程(C)を示した概略断面
図である。具体的には、図3は、前記粘着テープ1を剥
離して絶縁層5表面に導体4(回路パターン)を露出さ
せる工程(C)により形成された回路基板6を表してい
る。工程(C)によれば、粘着テープ1に支持された状
態で前記工程(A)及び工程(B)を行った後、粘着テ
ープ1の剥離という容易な操作によって回路基板6を製
品として得ることができる。剥離する際は、必要に応じ
て加熱、放射線照射などを施して粘着力を低下させるこ
とによって、容易に剥離することができる。なお、粘着
テープ1は、工程(C)においては、例えば、回路基板
6へ糊残りを生じないで容易に剥離することができる剥
離性を有するものが好ましい。
【0023】本発明の回路基板の製造方法によれば、粘
着テープ1上において回路パターンの形成工程(A)及
び絶縁層の積層工程(B)が行われるため、粘着テープ
1上に仮固定された状態で回路基板6が製造される。こ
のとき、粘着テープ1との接着面が回路基板6の表面と
なるため、得られる回路基板6の表面を平坦にすること
ができる。従って、粘着テープ1上に仮固定させること
により、導体4による回路パターンが絶縁層5に均一に
埋没し、回路表面に微小な凹凸が生じることなく表面が
平坦な回路基板を製品として得ることができる。
【0024】前記の製造方法に好適な粘着テープとして
は、基材の片面または両面に、SP値17.4(J/c
31/2〜21.5(J/cm31/2であるアクリル系
共重合体を、架橋剤によりゲル分率70重量%以上に架
橋してなる粘着剤層が設けられた回路基板仮固定用粘着
テープを用いることができる。
【0025】[基材]基材としては、回路基板の製造時
に要求される強度と耐熱性を有するプラスチックのフィ
ルムやシートが用いられる。その素材としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
又はこれらの共重合体、ポリエチレンテレフタレート等
のポリエステル、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢
酸ビニル、ポリサルホンなどが挙げられる。基材は単一
層でも二層以上の積層体でも良い。
【0026】基材の厚さは、特に制限されるものではな
く取扱性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、例え
ば6〜200μm、好ましくは10〜100μm程度で
ある。6μm未満では、基材にしわが発生し易くなって
回路の精度が悪くなり、200μmを超えると、基材が
示す弾性率によっては取扱性が悪くなったり、また粘着
テープを剥離しにくくなる上、経済的にも不利である。
【0027】基材は、粘着剤との密着力を高めるため、
基材の片面又は両面に表面処理、例えば、サンドブラス
ト処理や火炎処理等の物理的処理、コロナ処理やプラズ
マ処理等の化学的処理、及びプライマー処理などが施さ
れてもよい。特に、基材として熱可塑性合成樹脂フィル
ムを用いる場合には、これらの表面処理を施すことが好
ましい。
【0028】また、基材の背面、即ち、粘着剤層が積層
される面の反対面であって、ロール状に巻き取ったとき
に粘着剤層表面が接触する面には、巻き戻す際の剥離力
(展開力)を軽くするために、通常は離型処理が施され
る。離型処理としては、必要により硬化反応を伴うシリ
コーン系離型剤、フッ素系離型剤、長鎖アルキルグラフ
トポリマー系離型剤の塗布、プラズマ処理等が挙げられ
るが限定されるものではない。
【0029】[粘着剤層]本発明の回路基板仮固定用粘
着テープの粘着剤層を構成する粘着剤としては、アクリ
ル系重合体をベースポリマーとして含むアクリル系粘着
剤により構成される。アクリル系重合体としては、少な
くとも(メタ)アクリル酸(シクロ)アルキルエステル
をモノマー成分とする重合体を用いることができる。ア
クリル系重合体は単独で又は2種以上組み合わせて使用
することができる。
【0030】(メタ)アクリル酸アルキルエステルとし
ては、特に制限されないが、アルキル基の炭素数が1〜
20(好ましくは1〜12)である(メタ)アクリル酸
アルキルエステルが好適である。具体的には、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、
(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペ
ンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリ
ル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イ
ソオクチル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)
アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、
(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸
ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メ
タ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナ
デシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。これらの
(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独で又は2種
以上を混合して使用することができる。
【0031】(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステ
ルとしては、特に制限されず、シクロアルキル基の炭素
数が3〜20(好ましくは5〜12)である(メタ)ア
クリル酸シクロアルキルエステルが好適である。具体的
には、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。
これらの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルは
単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0032】また、本発明におけるアクリル系重合体
は、上記(メタ)アクリル酸(シクロ)アルキルエステ
ルの1種又は2種以上を主モノマーとし、アクリル系粘
着剤の改質用モノマーとして知られる他のモノマーを併
用した共重合体であってもよい。このような改質用モノ
マーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、カルボキシエ
チルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート等
のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水
イタコン酸等の酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチ
ルなどのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホ
ン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルア
ミドプロパンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマ
ー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートな
どのリン酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、
N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メ
タ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマ
ー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリ
ル酸N,N−ジメチルアミノエチルなどの(メタ)アク
リル酸アルキルアミノアルキル系モノマー;(メタ)ア
クリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシ
エチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系
モノマー;N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプ
ロピルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;N−メ
チルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミドなどの
イタコンイミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイル
オキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクルロ
イル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミドなどの
スクシンイミド系モノマーなどが挙げられる。
【0033】さらに、他の改質用モノマーとしては、例
えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピ
ロリドン、メチルビニルピロリドン、スチレン、α−メ
チルスチレンなどのビニル系モノマー;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モ
ノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ
基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエ
チレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレン
グリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマ
ー;(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールなど
のグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)ア
クリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アク
リレート、シリコーン(メタ)アクリレートなどの、複
素環、ハロゲン原子、ケイ素原子などを有するアクリル
酸エステル系モノマー;ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウ
レタンアクリレートなどの多官能モノマー;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデンなどのハロゲン原子含有ビニルモノ
マー;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエ
ン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー;メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエ
ーテル系モノマーなどが挙げられる。これらの改質用モ
ノマーは単独で又は2種以上混合して使用することがで
きる。
【0034】中でも、被着体との貼着操作の簡便性か
ら、例えば、アクリル酸などのカルボキシル基含有モノ
マー、アクリル酸ヒドロキシエチルなどのヒドロキシル
基含有モノマーなどが好適に用いられる。カルボキシル
基含有モノマーの中でも特に好適なものとしてはアクリ
ル酸が挙げられる。これらの改質用モノマーの量は、前
記主モノマーを含むモノマー成分総量に対して50重量
%以下とするのが接着性能上好ましい。
【0035】重合反応は、分解してラジカルを生成させ
る重合開始剤の助けによって行うことができ、ラジカル
重合に用いられる何れの開始剤も使用できる。例を挙げ
れば、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペ
ルマレエートなどの過酸化物、2,2´−アゾビスイソ
ブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルなどのア
ゾ系化合物等が用いられる。
【0036】ラジカル重合において、重合開始剤の使用
量は、アクリル系モノマーの重合の際に通常用いられる
量でよく、例えば、前記モノマー成分(例えば(メタ)
アクリル酸(シクロ)アルキルエステル、改質用モノマ
ーなど)の総量100重量部に対して、0.005〜1
0重量部程度、好ましくは0.1〜5重量部程度であ
る。
【0037】アクリル系重合体の分子量(重量平均分子
量など)は、特に制限されないが、例えば、5万以上
(5万〜300万)、好ましくは10万〜250万、さ
らに好ましくは20万〜200万程度の範囲から選択す
ることができる。
【0038】上記方法により得られたアクリル系重合体
は、溶解度パラメーターの値(以下、単に「SP値」と
称することがある)が17.4(J/cm31/2〜2
1.5(J/cm31/2[=8.5(cal/cm3
1/2〜10.5(cal/cm31/2=17.4MPa
1/2〜21.5MPa1/2]の範囲内にあることを特徴と
する。このようなアクリル系重合体からなる回路基板仮
固定用粘着テープは、被着体(導体)に対する接着性
(密着性)に優れ、解像度の高い回路パターンを形成で
きることから、回路基板の製造に好適に用いられる。S
P値が17.4(J/cm31/2より低いと、被着体を
保持するのに十分な粘着性が得られず、また、SP値が
21.5(J/cm31/2より大きいと、絶縁層との相
溶性が良好なため、接着力の上昇により再剥離が困難と
なる等の問題が起こりやすい。
【0039】前記アクリル系重合体のSP値は、好まし
くは17.4〜20.5(J/cm 31/2、より好まし
くは18.4〜20.5(J/cm31/2である。
【0040】前記SP値を求める方法としては、例え
ば、蒸発熱、屈折率、カウリブタノール価、表面張力、
及び双極子能率等の物理特性から算出する方法、Sma
ll、Hoy、及びFedors等の式を用いて化学組
成から算出する方法、溶解状態から実測する方法、濁点
滴定法などの適宜な方法にて求めることができる。なか
でも、Fedorsの式を用いる方法によれば、化学構
造より容易に算出できて能率的である。
【0041】上記方法により調製されたアクリル系重合
体には架橋剤が配合される。本発明の回路基板仮固定用
粘着テープの特徴の一つは、架橋剤によりアクリル系重
合体をゲル分率70重量%以上に架橋してなる粘着剤層
を有することにある。架橋剤としては、例えば、イソシ
アネート系化合物、エポキシ系化合物、メラミン系化合
物、金属キレート系化合物などが挙げられる。架橋剤の
使用量は、架橋後のアクリル系重合体のゲル分率が70
重量%以上、好ましくは80重量%以上、さらに好まし
くは90重量%以上となるような範囲で調整する。この
ようなアクリル系重合体からなる回路基板仮固定用粘着
テープは、回路基板の製造工程中は剥がれ等を生じず被
着体(回路基板)を確実に固定し、製造後には被着体に
糊残りなど生じずに剥離できる剥離性を発揮することが
できる。ゲル分率が70重量%未満であると、粘着剤層
上において絶縁基板を形成する際に、該絶縁基板の形成
材料(ワニス)に含まれる溶剤成分により粘着剤層が膨
潤し易く、絶縁基板形成後における粘着テープの剥離性
が低下してしまう。
【0042】なお、本発明におけるゲル分率は、乾燥重
量W1(g)の粘着剤(架橋後のポリマー)を大過剰の
トルエン中に振盪溶解させ、200メッシュ網にて濾別
した不溶解分の乾燥重量をW2(g)としたとき、下記
式により算出される値を意味する。 ゲル分率(重量%)=(W2/W1)×100
【0043】上記アクリル系重合体と架橋剤が本発明の
回路基板仮固定用粘着テープに使用される粘着剤の必須
成分であるが、さらに、必要に応じて粘着付与剤(例え
ば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、
油溶性フェノール樹脂など)、可塑剤、充填剤、老化防
止剤などの適宜な添加剤を配合してもよい。
【0044】また、本発明の回路基板仮固定用粘着テー
プの粘着剤層は、回路基板を製造した後に粘着テープを
剥離する際の剥離性を向上させる目的で、熱膨張性微小
球、エネルギー線硬化性化合物などの添加剤を配合して
もよい。例えば、熱膨張性微小球を含む粘着剤層によれ
ば、加熱することにより、熱膨張性微小球が膨張して粘
着剤層表面に凹凸が生じるため、接着面積の減少により
接着力が低下し、また、エネルギー線硬化性化合物を含
む粘着剤層によれば、エネルギー線(例えば、可視光
線、紫外線、電子線など)を照射することにより、粘着
剤層が3次元架橋されて硬化し接着力が低下するため、
良好な剥離性を得ることができる。
【0045】(熱膨張性微小球)熱膨張性微小球として
は、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの加
熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有す
る殻内に内包させた微小球であればよい。前記殻は、通
常、熱可塑性物質、熱溶融性物質、熱膨張により破裂す
る物質などで形成される。前記殻を形成する物質とし
て、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合
体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポ
リメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。熱膨
張性微小球は慣用の方法、例えば、コアセルベーション
法、界面重合法などにより製造できる。熱膨張性微小球
として、例えば、マツモトマイクロスフェア[商品名、
松本油脂製薬(株)製]などの市販品を利用することも
できる。
【0046】熱膨張性微小球の平均粒径は、分散性や薄
層形成性などの点から、一般に1〜50μm程度が好ま
しい。また、熱膨張性微小球としては、加熱処理により
粘着剤層の粘着力を効率よく低下させるため、体積膨張
率が5倍以上、特に10倍以上となるまで破裂しない適
度な強度を有するものが好ましい。なお、低い膨張率で
破裂する熱膨張性微小球を用いた場合や、マイクロカプ
セル化されていない熱膨張剤を用いた場合には、粘着剤
層と被着体との粘着面積が十分には低減されず、良好な
剥離性が得られにくい。
【0047】熱膨張性微小球の使用量は、その種類によ
っても異なるが、前記アクリル系重合体100重量部に
対して、例えば10〜200重量部、好ましくは25〜
125重量部程度である。10重量部未満であると、加
熱処理後の効果的な粘着力低下が不十分になりやすく、
また、200重量部を超えると、粘着剤層の凝集破壊が
生じやすい。
【0048】(エネルギー線硬化性化合物)エネルギー
線硬化性化合物としては、可視光線、紫外線、電子線な
どのエネルギー線により硬化可能なものであれば特に限
定されないが、エネルギー線照射後の粘着剤層の3次元
網状化が効率よくなされるものが好ましい。これらは1
種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0049】エネルギー線硬化性化合物としては、例え
ば、ウレタン、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメ
チロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
トールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスト
ールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,
4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等、及びこ
れらのオリゴマーが挙げられる。なお、オリゴマーの重
量平均分子量は、例えば、100〜30000程度の範
囲から選択することができる。これらは1種を単独で又
は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0050】エネルギー線硬化性化合物の配合量は、前
記アクリル系重合体100重量部に対して、例えば5〜
500重量部、好ましくは40〜150重量部程度であ
る。
【0051】粘着剤層には、上記成分のほか、エネルギ
ー線硬化性化合物を硬化させるためのエネルギー線重合
開始剤が配合されてもよい。エネルギー線重合開始剤と
しては、用いるエネルギー線の種類に応じて適宜選択で
き、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル
(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロ
キシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、2−メチル
−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトンなどのα−ケトール系化合
物;メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2
−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセト
フェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェ
ニル]−2−モルホリノプロパンなどのアセトフェノン
系化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、アニソインメチルエーテルなどのベ
ンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール
などのケタール系化合物;2−ナフタレンスルホニルク
ロリドなどの芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−
フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキ
シカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム系化合
物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−
ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフ
ェノン系化合物;チオキサンソン、2−クロロチオキサ
ンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチル
チオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4
−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサ
ンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソンなどの
チオキサンソン系化合物:カンファーキノン;ハロゲン
化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナ
ートなどが挙げられる。これらは単独であるいは2種以
上を混合して使用できる。
【0052】エネルギー線重合開始剤の配合量として
は、通常、前記アクリル系重合体100重量部に対して
0.1〜10重量部程度、好ましくは1〜5重量部程度
である。なお、必要に応じて前記エネルギー線重合開始
剤とともにエネルギー線重合促進剤を併用してもよい。
【0053】これらの剥離性向上を目的とする添加剤を
配合された回路基板仮固定用粘着テープによれば、被着
体(回路基板)に糊残りすることなく、容易に剥離する
ことができる。
【0054】粘着剤層は、例えば、アクリル系重合体、
及び架橋剤を除くその他の添加剤を有機溶剤へ溶解させ
た後、架橋剤を配合したコーティング液を一定時間(ポ
ットライフ)内に基材上に塗布する方式、適当なセパレ
ータ(離型処理が施された工程紙、剥離紙など)上に前
記コーティング液を塗布して粘着剤層を形成し、これを
基材に転写(移着)する方法など、慣用の方法により形
成できる。塗布手段や乾燥方法は特に限定されず、公知
のものを採用できる。
【0055】粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、
通常1〜50μm程度である。1μm未満の場合には、
粘着力が不足したり、均一に塗布することが困難とな
り、50μmを超える場合には、粘着力が強すぎたり、
粘着剤層上に形成される回路パターンにずれが生じやす
くなる。
【0056】本発明の回路基板仮固定用粘着テープは、
SP値が17.4(J/cm31/2〜21.5(J/c
31/2の範囲内に特定されたアクリル系共重合体を、
架橋剤によりゲル分率70重量%以上に架橋してなる粘
着剤層を有するため、回路基板の製造工程において、回
路パターン形成の際には確実に接着固定して位置ずれな
どを生じず、剥離時は、回路基板に糊残りを生じずに容
易に剥離することができるため、回路基板の製造に好適
に用いることができる。
【0057】また、上記回路基板の製造方法には、本発
明の回路基板仮固定用粘着テープを好適に用いることが
できる。本発明の粘着テープによれば、工程(A)にお
いては、導体4を確実に接着固定させるため、回路パタ
ーン形成時にずれなどが生じにくく、工程(B)におい
ては、絶縁性材料を塗布、固化させる際の加熱などによ
っても粘着力が低下せず、工程(C)においては、回路
基板6へ糊残りを生じないで容易に剥離することができ
る。
【0058】上記製造方法によって得られた回路基板を
積層することにより、多層配線板を製造することができ
る。回路基板は、回路パターンが基板の片面に形成され
たもの、両面に形成されたもののいずれも用いることが
できる。多層配線板は、例えば、数枚の回路基板を慣用
の接着剤を用いて積層接着して多層化させることにより
得られる。このような多層配線板は、表面に凹凸のない
平坦な回路基板から構成されるため、導通性に優れ、信
頼性が高いため、経済性が高く製造することができる。
【0059】
【発明の効果】本発明の回路基板の製造方法によれば、
粘着テープ上で回路基板の回路形成及び基板形成を行う
ため、回路パターンが完全に基板に埋没し、平坦な表面
を有する回路基板を製造することができる。このような
回路基板によれば、導電性に優れ、信頼性に優れた多層
配線板を得ることができる。また、本発明の回路基板仮
固定用粘着テープによれば、特定のSP値を有するアク
リル系重合体を特定のゲル分率に架橋処理した粘着剤層
からなるため、適度な接着性と剥離性を発揮して、回路
基板の製造工程において仮固定に用いた際には、回路パ
ターン形成時の位置ずれを抑制し、絶縁層を形成した後
には糊残りなく容易に剥離することができる。
【0060】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。なお、以下において、部とあるのは重
量部を、%とあるのは重量%をそれぞれ意味する。得ら
れた重合体の重量平均分子量、SP値、及びゲル分率は
下記の方法により測定した。 (重量平均分子量)ゲルパーミュエーションクロマトグ
ラフィ法により測定した。値は、ポリスチレンにおける
換算値である。 (SP値)Fedorsの式より算出した。 (ゲル分率)粘着テープの粘着剤層(架橋済み)からサ
ンプリングした乾燥重量がW1(g)の粘着剤を大過剰
のトルエン中に振盪溶解させ、200メッシュ網にて濾
別した不溶解分を乾燥したときの重量をW2(g)とし
て、下記式により算出した。 ゲル分率=(W2/W1)×100 (重量%)
【0061】実施例1 アクリル系共重合体[アクリル酸2−エチルヘキシル:
アクリル酸=95:5(重量比)、重量平均分子量10
0万、SP値19.1(J/cm31/2]100重量部
を含むトルエン溶液に、エポキシ系架橋剤6部を配合し
た混合液を調製した。この混合液を、厚さ50μmのポ
リチレンテレフタレート(PET)フィルム[基材;商
品名「ルミラー」、東レ(株)製]に、乾燥後の厚みが
30μmとなるように塗布、乾燥して、ゲル分率98%
の粘着剤層を形成し、粘着テープを得た。
【0062】実施例2 アクリル系共重合体[アクリル酸2−エチルヘキシル:
アクリル酸エチル:アクリル酸ヒドロキシエチル=4
0:57:3(重量比)、重量平均分子量80万、SP
値19.9(J/cm31/2]100重量部を含むトル
エン溶液に、ロジンフェノール系粘着付与剤10部、イ
ソシアネート系架橋剤2部、熱膨張性微小球[商品名
「マツモトマイクロスフェアF−30」、松本油脂製薬
(株)製]25部を配合した混合液を調製した。この混
合液を、厚さ50μmのPETフィルム[基材;商品名
「ルミラー」、東レ(株)製]に、乾燥後の厚みが30
μmとなるように塗布、乾燥して、ゲル分率80%の粘
着剤層を形成し、熱膨張性粘着テープを得た。
【0063】実施例3 アクリル系共重合体[アクリル酸メチル:アクリル酸ブ
チル:アクリル酸=65:30:5(重量比)、重量平
均分子量120万、SP値21.1(J/cm 31/2
100重量部を含むトルエン溶液に、紫外線硬化性化合
物としてウレタンオリゴマー50部、架橋剤としてポリ
イソシアネート化合物5部、光開始剤(商品名「イルガ
キュア184」、チバ・スペシャルティケミカルズ
(株)製)5部を配合した混合液を調製した。この混合
液を、厚さ50μmのPETフィルム[基材;商品名
「ルミラー」、東レ(株)製]に、乾燥後の厚みが30
μmとなるように塗布、乾燥して、ゲル分率72%の粘
着剤層を形成し、紫外線硬化性粘着テープを得た。
【0064】(評価試験) 接着力 実施例で得た各粘着テープ(幅20mm)をSUS30
4板に接着し、このうち、実施例2で得た熱膨張性粘着
テープは、熱風乾燥機中で130℃、10分間加熱処理
した後、実施例3で得た紫外線硬化型粘着テープは、紫
外線照射積算光量500mJ/cm2照射した後、それ
ぞれについて、JIS Z 0237に準拠し、23
℃、剥離速度300mm/分の条件で、180°ピール
による接着力(N/20mm)を測定した。これらの結
果を表1の「接着力」の欄に示した。
【0065】回路基板製造工程への適性 [エッチング適性]実施例で得た粘着テープを厚さ12
μmの銅箔にラミネート加工により圧着させ、銅箔表面
にレジスト層を積層し、露光、現像した後、エッチング
により回路パターンを形成した(A)。工程(A)後
の、銅箔と粘着テープとのずれ、剥がれの有無、及び接
着界面へのエッチング液侵入の有無について目視観察
し、少なくとも一つが観察された場合は×、いずれも観
察されなかった場合は○と評価し、表1の「エッチング
適性」の欄に示した。
【0066】[再剥離性]上記工程(A)を施した後、
粘着テープの回路形成面へ、エポキシ系樹脂(絶縁性材
料)をメチルエチルケトン中に溶解させた溶液を塗布
し、乾燥させて絶縁層を形成し(B)、粘着テープを剥
離することにより回路基板の製品を得た(C)。工程
(C)において、粘着テープを剥離した際に、回路基板
上への糊残りの有無、及び回路パターンの変形の有無に
ついて目視観察し、少なくとも一つが観察された場合は
×、いずれも観察されなかった場合は○と評価し、表1
の「再剥離性」の欄に示した。
【0067】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路基板の製造方法の一例における工
程(A)を示した概略断面図である。
【図2】本発明の回路基板の製造方法の一例における工
程(B)を示した概略断面図である。
【図3】本発明の回路基板の製造方法の一例における工
程(C)を示した概略断面図である。
【符号の説明】
1 粘着テープ 2 基材 3 粘着剤層 4 導体 5 絶縁層 6 回路基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/46 H05K 3/46 G (72)発明者 高野 均 大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 佐藤 正明 大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 下川 大輔 大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4J004 AA10 AA17 AB01 AB06 CC02 EA05 FA05 FA08 4J040 DF041 DF042 DF051 DF052 EB132 EC002 EF181 EF182 FA141 FA142 FA291 FA292 HB02 HC25 HD41 JA09 JA10 JB07 JB09 KA02 KA16 KA37 LA01 NA20 5E343 AA17 AA23 BB02 BB67 BB72 DD03 DD56 DD58 GG02 GG08 GG20 5E346 AA12 AA15 AA32 CC02 CC09 CC10 CC16 CC31 DD02 DD03 DD12 DD13 DD32 DD34 DD45 DD48 EE05 EE18 EE20 EE38 EE39 GG06 GG07 GG22 GG28 HH07 HH26 HH33 HH40

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着テープを用いた回路基板の製造方法
    であって、(A)粘着テープの粘着剤層上に導体により
    回路パターンを形成する工程の後、(B)前記粘着テー
    プの回路形成面に絶縁性材料を塗布して絶縁層を形成す
    る工程、次いで(C)前記粘着テープを剥離して絶縁層
    表面に回路を露出させる工程を設けることを特徴とする
    回路基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 粘着テープとして、基材の片面または両
    面に粘着剤層が設けられ、該粘着剤層が、SP値17.
    4(J/cm31/2〜21.5(J/cm31/2である
    アクリル系共重合体を、架橋剤によりゲル分率70重量
    %以上に架橋してなる回路基板仮固定用粘着テープを用
    いる請求項1記載の回路基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 粘着剤層に熱膨張性微小球を含む粘着テ
    ープを用いる請求項1又は2記載の回路基板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 粘着剤層にエネルギー線硬化性化合物を
    含む粘着テープを用いる請求項1又は2記載の回路基板
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 回路基板の製造工程において回路基板を
    仮固定するために用いる粘着テープであって、基材の片
    面または両面に粘着剤層が設けられ、該粘着剤層が、S
    P値17.4(J/cm31/2〜21.5(J/c
    31/2であるアクリル系共重合体を、架橋剤によりゲ
    ル分率70重量%以上に架橋してなることを特徴とする
    回路基板仮固定用粘着テープ。
  6. 【請求項6】請求項1〜4の何れかの項に記載の製造方
    法で得られる回路基板を積層してなる多層配線板。
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