JP4734637B2 - 表面反応性固体,表面反応性固体の製造方法,表面反応性固体を用いた配線基板及び配線基板の製造方法 - Google Patents

表面反応性固体,表面反応性固体の製造方法,表面反応性固体を用いた配線基板及び配線基板の製造方法 Download PDF

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本発明は、樹脂、金属及びセラミックスなどの固体表面に反応性を付与した表面反応性固体,表面反応性固体の製造方法に関する。また、この表面反応性固体を用いた配線基板及び配線基板の製造方法に係り、特に、各種用途に使用される電子機器及びコンピューター制御製品に使用されるクロック高周波に優れた単層又は多層プリント配線基板とその製造方法に関する。
従来、プリント配線基板においては、固体としてのガラスフェノール樹脂やガラスエポキシ樹脂基板に対して、表面粗化電解銅箔(銅の成長面、電極面は平滑)を合わせて大型のプレス機で例えば90分以上の時間をかけてプレス加熱して接着し、銅箔貼合せエポキシ基板を調製する。このため、予め銅箔を製造する技術、銅箔とエポキシ板を接着する技術を必要とし、これらを製造するのに莫大の設備と人手が必要であった(英 一太著:プリント配線基板の製造技術、シーエムシー社等参照)
次に、得られた銅箔貼合せエポキシ基板の平滑銅箔面にホトレジストを塗布し、マスク上から露光後、アルカリ溶液で現像して配線模様を描く。露光した銅貼エポキシ基板は現像によってレジストが溶解した部分に銅がむき出して現れ、不溶のレジストが残渣として残っている部分が配線模様となる。この場合、ホトレジストの塗布厚みは配線の形状に影響するため、できるだけ薄く塗布することが望ましいが、スピンコート法などでは限界があり、また、たとえナノレベルの超薄膜レジストが可能となっても、エッチング液によるレジスト薄膜の劣化の問題がある。また、一枚一枚露光するためホトレジストの感度が問題となり、ホトレジスト感度向上の研究が続けられているが、画期的に露光時間を短縮する方法はないのが現状である。
また、現像処理した銅貼エポキシ基板は酸化性の酸溶液からなるエッチング液に浸漬すると、むき出しの銅は溶解する。現像時に溶解しないで残った不溶性レジスト残渣は粘着シートを使用して剥ぎ取られ、エポキシ基板上に配線模様が描かれる。実際に使用される多層プリント配線基板は上記のような作業をエポキシ基板の両面で行い、両面に配線模様のエポキシ配線基板を得る。
これを基本単位として、中にエポキシフィルムシートを挟んで多層に積み上げて、多層基板を造るのがビルドアップ法と言われる多層プリント配線基板の製造方法である。この時、平滑銅配線面とエポキシ樹脂の接着が十分でないため、平滑銅配線面を酸化して表面を粗化する方法が行われている。
従来のプリント基板の製造においては、銅箔とエポキシ板を接着させるとき、接着強度を高めるため、銅箔の接着面を粗化する必要があった。しかし、粗化銅箔は周波数の高い電気信号を減衰させる欠点があることから、1GHzレベルの周波数信号の伝達には使用できないなどの大きな課題がある。
また、従来法は工程数が多く、人手と大型の設備を使用するという課題がある。さらに、最近はシステム イン パッケイジ(SIP)のように、電子部品のハウジングなどへの立体的な配線技術が要求されているが、上記のような銅箔を接着する製造方法では対応できないのが大きな課題となっており、従来とは異なる全く新しい配線技術の出現が望まれている。
このような課題を解消するため、例えば、トリアジンジチオール誘導体を利用して、樹脂表面に金、銀、ニッケル及び銅等の金属を付着させて配線基板を製造する技術が開発されている。従来から、トリアジンジチオール誘導体は、架橋剤、接着促進剤、表面処理剤、重金属処理剤及び防錆剤などに使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平2−298284号公報
ところで、本願発明者は、トリアジンジチオール誘導体に関連し、トリアルコキシシラントリアジンジチオールを用いる新規配線基板製造技術を開発した。
しかしながら、トリアルコキシシラントリアジンジチオールの合成は熟練技術を必要とし、純度の良いトリアルコキシシラントリアジンジチオールを工業的スケールで製造するためにはトリアジンジクライド化合物の蒸留精製工程を経る必要がある。種々のトリアジンジチオール化合物と特性の関係を検討する必要からも、より簡便なトリアルコキシシラントリアジンジチオールの製造方法及びさらに簡便なトリアジンジチオール基含有固体表面の製造方法が不可欠となっている。
本発明は、このような状況の下、新しい分子構造を有する化合物の分子設計と合成手法の探索を重ね、鋭意研究の結果、製造方法が簡便なトリアジンジチオール基含有の表面反応性固体を提供することを目的とする。また、本発明は、トリアジンジクロリド中間体を経ないで簡便にジチオールトリアジル基を含有する化合物を合成して固体に付着できる表面反応性固体の製造方法を提供することを目的とする。更には、表面反応性固体を用いた配線基板及び配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するため本発明は、
固体の表面に、
下記一般式(1):
Figure 0004734637
(式中、MはH, Li, Na, K, Ce, Ag, Cu, Au, 1/2Sn, 1/2Pd, 1/2Ni, 1/2Co, 1/2Pb, 1/2Ca, 1/2Mg, 1/2Ba, 1/2Zn, 1/2Ptである)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体にある。
そして、本発明は、
下記の一般式(2):
Figure 0004734637
(式中、MはH,またはアルカリ金属である)で示されるトリアジントリチオールに、
下記の一般式(3),(4),(5):
NHR 1 -X-Si(OR 2 ) n (R 3 ) 3-n ・・・・・(3)
NH(CH 2 CH 2 ) 2 NC 3 H 6 Si(OR 2 ) n (R 3 ) 3-n ・・(4)
NH(C 3 H 6 ) 2 Si(OR 2 ) n (R 3 ) 3-n ・・・・・・(5)
(式中R1,R2,R3それぞれ独立して-H, -CH3, -C2H5, -CH(CH3)2, -CH2CH=CH2, -C4H9, -C6H5, -C6H11の炭化水素であり、-X-は-C2H4-, -C3H6-, -C4H8-, -C6H12-, -C2H4SC2H4-, -C2H4NHC3H6-のアルキレン基であり、nは1,2,3である)で示されるアミノ基含有アルコキシシランのいずれかを用いて予め表面処理されたアミノ基含有固体を反応させ、上記一般式(1)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造することを特徴とする表面反応性固体の製造方法にある。ここで、Mは、具体的には、-H, Li, Na, KまたはCe等である。
これにより、トリアジンジクロリド中間体を経ないで簡便に固体表面にジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させることができる。
そしてまた、本発明は、
下記の一般式(6):
Figure 0004734637
(式中MはH, Li, Na, K, Ce, Ag, Cu, Au, 1/2Sn, 1/2Pd, 1/2Ni, 1/2Co, 1/2Pb, 1/2Ca, 1/2Mg, 1/2Ba, 1/2Zn, 1/2Ptである。またRは-H, -NHCH2CH2OH, -NHCH2CH2CH2OH, -NHCH 2 CH 2 OH, -NHCH 2 CH 2 CH 2 CH 2 OH, -NHCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OH, -N(CH2CH2OH)2, -N(CH 2 CH 2 CH 2 OH) 2 , -N(CH 3 )CH 2 CH 2 OH, -N(C2H5)CH2CH2OH, -N(CH2CH2)2CHOH, -NHCH2C6H4OH, -NHC6H4OH, -N(CH3)C6H4OH, -NHC6H10OH, -NHC6H11OH, -N(C3H7)C6H4OH, -N(CH2CH2)2NCH2CH2OHである)で示されるトリアジンジチオールに、
下記の一般式(7):
X(NCO)n・・・・・(7)
(式中Xは、-CH2CH2CH2CH2-, -CH2CH2CH2CH2CH2CH2-, -CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2-, -C6H3(CH3)-, -C6H9(CH3)-, -CH2C6H4CH2-, -CH2C6H10CH2-, -C6H4C6H4-, -C6H4CH2C6H4-, -C6H4C(CH3)2C6H4-, -C6H10C(CH3)2C6H10-, CH(C 6 H 4 -) 3 あり、nは整数である)で示されるイソシアナート化合物で予め表面処理されたイソシアナート基含有固体を反応させ、上記一般式(1)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造する表面反応性固体の製造方法にある。
また、本発明は、上記一般式(6)で示されるトリアジンジチオールと
一般式 (X)3SiCnH2nNCO・・・・(8)
(式中Xはアルコキシ基であり、nは整数である)
で示されるトリアルコキシシリルアルキルイソシアナートとの混合物に固体表面を反応させ、上記一般式(1)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造する表面反応性固体の製造方法にある。トリアルコキシシリルアルキルイソシアナートとして、例えば、3‐トリエトキシシリルプロピルイソシアナイドがある。
更に、本発明は、上記一般式(7)で示されるイソシアナートで予め表面処理されたイソシアナート基含有固体を、上記一般式(2)で示されるトリアジントリチオールに反応させ、上記一般式(1)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造する表面反応性固体の製造方法にある。
更にまた、本発明は、2‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシシラン、3‐グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン及び3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランで予め表面処理された固体を、上記一般式(2)で示されるトリアジントリチオールに反応させ、上記一般式(1)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造する表面反応性固体の製造方法にある。
そして、本発明の表面反応性固体を用いた配線基板は、上記表面反応性固体を用いた配線基板であって、当該表面反応性固体の表面に金属を電着した構成としている。
また、本発明の表面反応性固体を用いた配線基板の製造方法は、上記表面反応性固体を用いた配線基板の製造方法であって、当該表面反応性固体の表面に紫外線又はレーザーを照射し、その後、無電解めっき液に浸漬する構成としている。
本発明によれば、製造方法が簡便なトリアジンジチオール基含有の表面反応性固体を提供することができる。また、固体表面にジチオールトリアジル基を含有する化合物をトリアジンジクロリド中間体を経ないで簡便に付着させることができる。即ち、固体表面と直接反応する化合物を用いてジチオールトリアジニル基を固体に担持させる際、直接反応する化合物を工業的に製造するには大変であるが、同様の機能を持った物質を処理過程で合成することが可能となるので、固体表面のメタル化技術が多方面で簡便に使用することができ、応用展開をやり易くすることができる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る表面反応性固体,表面反応性固体の製造方法,表面反応性固体を用いた配線基板及び配線基板の製造方法について説明する。
先ず、本発明の実施の形態に係る表面反応性固体は、図1に示すように、固体の表面に、下記一般式(1):
Figure 0004734637
(式中、MはH, Li, Na, K, Ce, Ag, Cu, Au, 1/2Sn, 1/2Pd, 1/2Ni, 1/2Co, 1/2Pb, 1/2Ca, 1/2Mg, 1/2Ba, 1/2Zn, 1/2Ptである)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体にある。
本発明で規定する固体とは表面にOH基が含有する樹脂、金属及びセラミックスなどからなるフイルム、板、棒、筐体、球などの製品が望ましい。
表面にOH基が含有する樹脂とはセルロース、メチル化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、酢酸セルロース、フェノール‐ホルマリン樹脂、ハイドロキノン樹脂、クレゾール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、レゾルシン樹脂、セロファン、メラミン樹脂、グリプタル樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、水酸基含有ポリビニルホルマール樹脂、ポリヒドロキシエチルメタアクリレートとその共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレートとその共重合体、ポリビニルアルコールとその共重合体、ポリ酢酸ビニルの表面加水分解物などOH基を固有の官能基として持つ樹脂を意味する。
また、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリケトンイミド、ポリブチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン(アイソタクチック及びシンジオタクチック)、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂の表面に通常のコロナ放電処理をしてOH基を生成させた樹脂及び製品も有効である。
さらに、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリケトンイミド、ポリブチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン(アイソタクチック及びシンジオタクチック)、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂を前記OH含有樹脂溶液に浸漬して表面に吸着させた樹脂及び製品も有効である。
さらに加えて、アルカリ性でホルマリン処理してメチロール基を導入した、6‐ナイロン、66‐ナイロン、610ナイロン、芳香族ポリアミド、メラミン樹脂、ポリスチレン、尿素樹脂などの樹脂及び製品も有効である。6‐ナイロン、66‐ナイロン、610ナイロン、芳香族ポリアミド、メラミン樹脂、ポリスチレン、尿素樹脂などの樹脂及び製品も有効である。
表面OH基を含有する金属とはマグネシウム、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、鉄、コバルト、スズ、銅、銀、鉛、クロム及びこれらの合金のように、表面が酸化されてOH基を含有する金属を意味する。
表面OH基を含有するセラミックスとはMg, Ca, Ba, Ti, Si, Mn, Al, Zn, Sn, Zr, Co, Fe, Ni, Cu, Agなどの酸化物を意味し、これらの一種及び一種以上の混合物からなる。
ジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体は以下に示す数種の製造方法によって製造される。
(1)トリアジントリチオールとアミノ基含有アルコキシシラン担持固体の表面反応。
(2)機能性トリアジンジチオールとイソシアナート担持固体の表面反応。
(3)機能性トリアジンジチオール、トリアルコキシシリルアルキルイソシアナート及び固体の三者間の表面反応。
(4)前記イソシアナート担持固体を温水中に浸漬して生成したアミノ基イソシアナート担持固体とトリアジントリチオールとの表面反応。
(5)エポキシ基含有アルコキシシラン担持固体とトリアジントリチオールとの表面反応。
以下、各場合について詳述する。
(1)トリアジントリチオールとアミノ基含有アルコキシシラン担持固体の表面反応
この製造方法においては、トリアジントリチオールに、アミノ基含有アルコキシシランを用いて予め表面処理されたアミノ基含有固体を反応させ、上記一般式(1)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造する。
トリアジントリチオールは、下記の一般式(2)で示される。
Figure 0004734637
(式中、MはH,またはアルカリ金属であり、例えば、Li, Na, K, Ceである)で示される。
上記のトリアジントリチオールは、これらから選択された少なくとも一種類以上を水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソパノール、プロピレングリコール、カルビトール、セルソルブなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、安息香酸メチル、フタル酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、ジブチルエーテル、アニソールなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類など溶剤、またはこれらの混合溶媒に溶解して使用する。
トリアジントリチオールの濃度は0.01〜500 g/Lの範囲、望ましくは0.1〜100 g/Lの範囲である。0.1 mmol/L以下の濃度では希薄すぎて浸漬時間がかかりすぎる。また、100 g/L以上の濃度では付着トリアジントリチオールの除去に時間がかかることと槽外へのトリアジンジチオールの持出量が多くなるので好ましくない。
また、アミノ基含有アルコキシシランとは
下記の一般式(3),(4),(5):
NHR 1 -X-Si(OR 2 ) n (R 3 ) 3-n ・・・・・(3)
NH(CH 2 CH 2 ) 2 NC 3 H 6 Si(OR 2 ) n (R 3 ) 3-n ・・(4)
NH(C 3 H 6 ) 2 Si(OR 2 ) n (R 3 ) 3-n ・・・・・・(5)
(式中R1,R2,R3それぞれ独立して-H, -CH3, -C2H5, -CH(CH3)2, -CH2CH=CH2, -C4H9, -C6H5, -C6H11の炭化水素であり、-X-は-C2H4-, -C3H6-, -C4H8-, -C6H12-, -C2H4SC2H4-, -C2H4NHC3H6-のアルキレン基であり、nは1,2,3である)で示されるアミノ基含有アルコキシシランのいずれかを用いる。
そして、固体をアミノ基含有アルコキシシラン溶液に浸漬処理後、加熱してアミノ基含有固体を得る。アミノ基含有アルコキシシラン溶液とは、前記アミノ基含有アルコキシシランをメタノール、エタノール及びイソプロパノールなどのアルコール類単独か、又は水を加えた混合溶媒溶に0.01〜100g/Lの濃度範囲で溶解されるが、望ましくは0.1〜10g/Lの範囲で溶解して使用する。0.1g/L以下の濃度では効果が十分でなく、また10g/L以上の濃度では液の持出しが多くなりコスト高になる。
浸漬温度は0℃以上、沸点以下が選択されるが、その他でも特段の問題はない。浸漬後の固体は乾燥機などの熱媒体中で80〜200℃の温度範囲で、0.01〜200分間熱処理されるが、望ましくは120〜170℃の温度範囲で、0.2〜20分間である。120℃以下では効果を発揮するまでに時間がかかりすぎるし、170℃以上では固体の種類によっては劣化が起こる場合がある。0.2分間以下で効果を出すためには熱処理温度を高くする必要があるため、劣化が問題となる。20分間以上になると生産性の問題が生じる。
このようにして調製されたトリアジントリチオール溶液にアミノ基含有アルコキシシラン担持固体を0〜200℃の温度範囲で0.1〜100分間、望ましくは30〜160℃の温度範囲で1〜30分間浸漬して、表面置換反応によりジチオールトリアジニル基含有機能性固体表面が得られる。
30℃以下では反応時間が長くなり生産性が劣る。また160℃以上では固体やその表面が分解する場合がある。1分間以下では目的が達成されない場合があるし、また30分以上では生産性に問題が発生する。
(2)機能性トリアジンジチオールとイソシアナート担持固体の表面反応
この製造方法においては、機能性トリアジンジチオールに、イソシアナートで予め表面処理されたイソシアナート基含有固体を反応させ、上記一般式(1)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造する。
機能性トリアジンジチオールとは、下記の一般式(6)で示されるものが用いられる。
Figure 0004734637
式中MはH, Li, Na, K, Ce, Ag, Cu, Au, 1/2Sn, 1/2Pd, 1/2Ni, 1/2Co, 1/2Pb, 1/2Ca, 1/2Mg, 1/2Ba, 1/2Zn, 1/2Ptである。またRは-H, -NHCH2CH2OH, -NHCH2CH2CH2OH, -NHCH 2 CH 2 OH, -NHCH 2 CH 2 CH 2 CH 2 OH, -NHCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OH, -N(CH2CH2OH)2, -N(CH 2 CH 2 CH 2 OH) 2 , -N(CH 3 )CH 2 CH 2 OH, -N(C2H5)CH2CH2OH, -N(CH2CH2)2CHOH, -NHCH2C6H4OH, -NHC6H4OH, -N(CH3)C6H4OH, -NHC6H10OH, -NHC6H11OH, -N(C3H7)C6H4OH, -N(CH2CH2)2NCH2CH2OHである。
そして、これらから選択された少なくとも一種類以上の機能性トリアジンジチオールを、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソパノール、プロピレングリコール、カルビトール、セルソルブなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、安息香酸メチル、フタル酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、ジブチルエーテル、アニソールなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類など溶剤、またはこれらの混合溶媒に溶解して使用する。
前記機能性トリアジントリチオールの濃度は0.01〜500 g/Lの範囲、望ましくは0.1〜100 mmol/Lの範囲である。0.1 mmol/L以下の濃度では希薄すぎて浸漬時間がかかりすぎる。また、100 g/L以上の濃度では付着トリアジントリチオールの除去に時間がかかることと曹外へのトリアジンジチオールの持出量が多くなるので好ましくない。
また、ここで云うイソシアナートとは、下記の一般式(7)で示される。
X(NCO)n・・・・・(7)
(式中Xは、-CH2CH2CH2CH2-, -CH2CH2CH2CH2CH2CH2-, -CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2-, -C6H3(CH3)-, -C6H9(CH3)-, -CH2C6H4CH2-, -CH2C6H10CH2-, -C6H4C6H4-, -C6H4CH2C6H4-, -C6H4C(CH3)2C6H4-, -C6H10C(CH3)2C6H10-, CH(C 6 H 4 -) 3 あり、nは整数である)
そして、固体を少なくともこれらの一種以上のイソシアナート溶液に浸漬処理後加熱して、イソシアナート基含有固体を得る。
イソシアナート溶液とは前記イソシアナートをアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、安息香酸メチル、フタル酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、ジブチルエーテル、アニソールなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類など溶剤、またはこれらの混合溶媒に0.01〜100g/Lの濃度範囲で溶解されるが、 望ましくは0.1〜10g/Lの範囲で溶解して使用する。0.1g/L以下の濃度では効果が十分でなく、また10g/L以上の濃度では液の持出しが多くなりコスト高になる。
浸漬温度は0℃以上、沸点以下が選択されるが、その他でも特段の問題はない。浸漬後の固体は0〜100℃の温度範囲で、0.01〜200分間熱処理されるが、望ましくは20〜70℃の温度範囲で、0.2〜20分間である。20℃以下では効果を発揮するまでに時間がかかりすぎるし、70℃以上でも問題はないが、特段意味もない。0.2分間以下で効果を出すためには熱処理温度を高くする必要があるため、劣化が問題となる。20分間以上になると生産性の問題が生じる。
前記のようにして調製された機能性トリアジントリチオール溶液にイソシアナート担持固体を0〜100℃の温度範囲で0.1〜100分間、望ましくは30〜80℃の温度範囲で1〜20分間浸漬して、表面付加反応によりジチオールトリアジニル基含有機能性固体表面が得られる。
30℃以下では反応時間が長くなり生産性が劣る。また160℃以上では固体やその表面が分解する場合がある。1分間以下では目的が達成されない場合があるし、また30分以上では生産性に問題が発生する。
(3)機能性トリアジンジチオール、トリアルコキシシリルアルキルイソシアナート及び固体の三者間の表面反応
この製造方法は、機能性トリアジンジチオールと
一般式 (X)3SiCnH2nNCO・・・・(8)
(式中Xはアルコキシ基であり、nは整数である)
で示されるトリアルコキシシリルアルキルイソシアナートとの混合物に固体表面を反応させ、上記一般式(1)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造する。詳しくは、上記一般式(6)で示される機能性トリアジンジチオール、トリアルコキシシリルアルキルイソシアナート(例えば、3‐トリエトキシシリルプロピルイソシアナイド)及び固体の三者を混合溶液で加熱することにより、ジチオールトリアジル基含有機能性固体表面を生成する。
三者の反応に使用される溶媒とはアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、安息香酸メチル、フタル酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、ジブチルエーテル、アニソールなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類など溶剤、またはこれらの混合溶媒を意味する。
これらの溶媒及び混合溶媒に対して、機能性トリアジンジチオールとトリアルコキシシリルアルキルイソシアナート(例えば、3‐トリエトキシシリルプロピルイソシアナイド)をそれぞれ、0.01〜100g/Lの濃度範囲で溶解されるが、望ましくは0.1〜10g/Lの範囲で溶解して使用する。0.1g/L以下の濃度では効果が十分でなく、また10g/L以上の濃度では液の持出しが多くなりコスト高になる。
この場合のポイントは機能性トリアジンジチオールのOH基とトリアルコキシシリルアルキルイソシアナート(例えば、3‐トリエトキシシリルプロピルイソシアナイド)のイソシアナート基が等モル添加することである。これは溶液中にOH基とイソシアナート基が反応して、‐OCONH-基が生成し、同時に固体表面のOH基とトリエトキシシリル基が反応して、ジチオールトリアジニル基含有機能性固体表面が生成するためである。
この時の反応条件は0〜100℃の温度範囲で0.1〜100分間、望ましくは30〜80℃の温度範囲で1〜30分間である。30℃以下では反応時間が長くなり生産性が劣る。また80℃以上でも特段問題はないが、余計な高温と時間は無駄である。
(4)前記イソシアナート担持固体を温水中に浸漬して生成したアミノ基イソシアナート担持固体とトリアジントリチオールの表面反応
この製造方法は、上記一般式(7)で示されるイソシアナートで予め表面処理されたイソシアナート基含有固体を、上記一般式(2)で示されるトリアジントリチオールに反応させ、上記一般式(1)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造する。
詳しくは、前記イソシアナート担持固体を温水中に浸漬して生成したアミノ基イソシアナート担持固体とトリアジントリチオールの表面反応において、イソシアナート基をアミノ基に変換する目的でイソシアナート基含有固体を30〜60℃の温水に1〜10分間浸漬・加熱する。
得られたアミノ基含有固体表面は前記「トリアジントリチオールとアミノ基含有アルコキシシラン担持固体の表面反応」においてと同様の条件下で反応して、ジチオールトリアジニル基含有機能性固体表面を得る。
(5)エポキシ基含有アルコキシシラン担持固体とトリアジントリチオールとの表面反応
この製造方法は、エポキシ基含有アルコキシシランで予め表面処理された固体を、上記一般式(2)で示されるトリアジントリチオールに反応させ、上記一般式(1)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造する。
詳しくは、エポキシ基含有アルコキシシランとは、2‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシシラン、3‐グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン及び3‐グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランを意味する。
これらのエポキシ基含有アルコキシシランはメタノール、エタノール及びイソプロパノールなどのアルコール類単独か、又は水を加えた混合溶媒溶に0.01〜100g/Lの濃度範囲で溶解して使用されるが、望ましくは0.1〜10g/Lの範囲で使用する。0.1g/L以下の濃度では効果が十分でなく、また10g/L以上の濃度では液の持出しが多くなりコスト高になる。
浸漬温度は0℃以上、沸点以下が選択されるが、その他でも特段の問題はない。浸漬後の固体は乾燥機などの熱媒体中で80〜200℃の温度範囲で、0.01〜200分間熱処理されるが、望ましくは120〜170℃の温度範囲で、0.2〜20分間である。120℃以下では効果を発揮するまでに時間がかかりすぎるし、170℃以上では固体の種類によっては劣化が起こる場合がある。0.2分間以下で効果を出すためには熱処理温度を高くする必要があるため、劣化が問題となる。20分間以上になると生産性の問題が生じる。
前記のようにして調製されたトリアジントリチオール溶液にエポキシ基含有アルコキシシラン担持固体を0〜200℃の温度範囲で0.1〜100分間、望ましくは30〜160℃の温度範囲で1〜30分間浸漬して、表面置換反応によりジチオールトリアジニル基含有機能性固体表面が得られる。
30℃以下では反応時間が長くなり生産性が劣る。また160℃以上では固体やその表面が分解する場合がある。1分間以下では目的が達成されない場合があるし、また30分以上では生産性に問題が発生する。
次に、本発明の実施の形態に係る表面反応性固体を用いた配線基板及び配線基板の製造方法について説明する。
配線基板は、上記の表面反応性固体の表面に金属を電着したもので、表面反応性固体の表面に紫外線又はレーザーを照射し、その後、無電解めっき液に浸漬することにより製造される。
詳しくは、前記ジチオールトリアジル基含有機能性固体表面をマスクで覆い、これに紫外線及びレーザー光を照射すると、光照射部分はジスルフィド基(SS基)に変化し、未照射部分はSH基として残る。このように光照射により、樹脂表面を反応性の異なる部分に分別することができる。
光源として、水銀ランプ(波長;254、303、313、365 nm)、メタルハライドランプ(200-450 nm)及びエキシマレーザー(波長;KrF248nm、ArF193nm、F2157nm)を使用できる。また、ベンゾフェノン系の増感剤を吸着させるとハイパーメタルハライドランプ(400-450 nm)も使用可能である。
照射の条件は0〜100℃、1秒〜100分間で目的を達成できるが、好ましくは20〜50℃で20秒〜180秒である。これら以下の条件では紫外線照射部分が完全にSS基に変換しないでSH 基が残る場合がある。またこれら以上の条件では紫外線照射部分が分解する場合があるので、好ましくない場合がある。一般に、100%SS基変換率は温度が低いと、長時間で達成され、温度が高いと短時間で達成される。単分子層での反応であるので、SS基変化速度は一般のホトレジストに比べて高いのが特徴である。
ジチオールトリアジル基含有機能性固体表面は反応性の違いにより配線模様を識別するので、一般に使用されているホトレジストと異なり、現像の操作を必要としないことが特徴である。さらに、エッチングやレジスト残渣の除去操作も必要としない。
次に、めっき工程を以下に説明する。先ず、前記ジチオールトリアジル基含有機能性固体表面を活性化浴に浸漬してSH基部分を活性化し、その後無電解めっき浴に浸漬する。
活性化工程で使用される活性化浴はパラジウム塩、白金塩、銀塩、塩化スズ、アミン錯体などからなる水溶液であり、この水溶液にSH基とSS基含有樹脂基板を浸漬すると、SH基部分にパラジウム、白金及び銀などが反応して化学的に結合するので洗浄しても脱落しない。しかし、SS基部分には反応しないので全く付着しない。付着しても水または酸性水で洗浄すると容易に落ちる。
一般に、Pd-Sn系の触媒が活性化工程で使用されるが、この活性化浴は水にPdCl2とSn Cl2・7H2Oを溶解させて調整する。PdCl2とSnCl2・7H2Oはそれぞれ0.001〜1mol/Lの濃度範囲で調製され、0〜70℃の温度範囲で1秒〜60分の浸漬時間で使用される。
Pd-Sn触媒が担持された配線模様樹脂基板を無電解めっき浴に浸漬するが、ここで云う無電解めっき浴とは金属塩と還元剤が主成分であり、これにpH調整剤、緩衝剤、錯化剤、促進剤、安定剤及び改良剤などの補助成分が添加されてなる。
無電解めっきできる金属は金、銀、銅、ニッケル、コバルト、鉄、パラジウム、白金、真鍮、モリブデン、タングステン、パーマロイ、スチールなどであり、これらの金属塩が使用される。
具体的な金属塩として、AuCN, Ag(NH3)2NO3, AgCN, CuSO4・5H2O, CuEDTA, NiSO4・7H2O, NiCl2, Ni(OCOCH3)2、CoSO4, CoCl2, SnCl2・7H2O、PdCl2などを挙げることができ、主に0.001〜1mol/Lの濃度範囲で使用される。
還元剤とは上記の金属塩を還元して金属を生成する作用を持つものであり、KBH4, NaBH4, NaH2PO2, (CH3)2NH・BH3, CH2O, NH2NH2, ヒドロキシルアミン塩、N,N‐エチルグリシンなどであり、0.001〜1 mol/Lの濃度範囲で使用される。
以上のような主成分に対して、無電解めっき浴の寿命を延長させたり、還元効率を高める目的で補助成分を加えるが、塩基性化合物、無機塩、有機酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、水酸化アンモニア、EDTA, ジアミノエチレン、酒石酸ナトリウム、エチレングリコール、チオ尿素、トリアジンチオール、トリエタノールアミンなどを0.001〜0.1 mol/Lの濃度範囲で使用される。
無電解めっきは浴の種類及びめっきの目的などによりめっき条件は異なり明確に範囲指定し難いが、大よそ0〜98℃の温度範囲及び、1分〜300分の浸漬時間で使用される。
触媒が担持された配線模様樹脂基板を無電解めっき浴に浸漬すると、触媒が担持された部分に金属が析出して導電性金属配線模様が出来上がる。この時、触媒は樹脂と化学結合したSH基とイオン結合で結合しているので、金属膜と樹脂は化学結合で連結され、接着強度を発生する。
同時に析出した金属の界面(樹脂と接触した部分)は樹脂表面の粗さが転写されるので、Ra:1μmを越えない。また金属膜の表面(空気との接触面)はレベリング剤などの作用により、Ra:1μm付近を維持する。
尚、導電性金属配線模様における金属膜を厚化する場合は電気鍍金を行うと、短時間で金属膜が成長する。
以上のようにして、表面に金属配線が描写された1層プリント樹脂基板が得られる。
樹脂表面の反応性賦与、紫外線等の照射による配線模様の描写、触媒担持、無電解めっき及び電解めっきを樹脂基板の表裏両面でおこなうと、2層プリント配線基板が得られる。また、予め、基板に層間の連結をするスルホールを空けておくか、紫外線照射後にスルホールを空けて、触媒担持、無電解めっき及び電解めっきを樹脂基板の表裏両面でおこなうと、表裏が連結された2層プリント配線基板が得られる。
多層プリント配線基板は1及び2層プリント樹脂基板と未処理樹脂の熱圧着による接着によって得られる。この目的を達成するためには、1及び2層プリント樹脂基板の金属表面及び樹脂表面に接着活性処理をする必要がある。
1及び2層プリント樹脂基板をKBH4, NaBH4, NaH2PO2, (CH3)2NH・BH3, CH2O, NH2NH2, ヒドロキシルアミン塩、N,N‐エチルグリシンなどの還元性水溶液に0〜80℃で1〜100分間浸漬すると、樹脂基板上のSS基はSH基に容易に還元される、接着性が賦与される。
また、1及び2層プリント樹脂基板を1~100 mmol/dm3のトリアジントリチオールモノナトリウムとトリエタノールアミン混合水溶液に20〜80℃で1秒〜200秒間浸漬し、配線金属表面に接着性を賦与した配線基板を作成する。
上記のようにして接着処理した1及び2層プリント樹脂基板と未処理の樹脂基板を交互に複数枚合わせて100〜200℃、1分〜180分間、100MPaの圧力で加熱プレスすると多層プリント配線基板が得られる。
さらに、射出成型などで得られた立体樹脂面を立体的なマスクで覆い紫外線照射すると、立体樹脂面にSH基部分とSS基部分からなる配線模様が描かれ、これを触媒液、無電解浴に浸漬すると金属配線を立体的に作ることができる。
以本発明の実施例について比較例とともに説明する。
<比較例1>
メチルセルソルブ200にトリアジントリチオール10gを溶解し、これにエポキシ樹脂基板(40x80x1mm、味の素ファインテック株式会社 ABF‐GX)を100℃20分間浸漬する。反応終了後、メタノール、水でエポキシ樹脂基板を洗浄後、真空中40℃で24時間乾燥した。エポキシ樹脂基板の表面分析はPHI製ESCA-5600(Al 出力:350W,取込角:45°)により行い、ジチオールトリアジニル基の存在を示すS2p値とN1s値を測定した。得られたS2p値とN1s値はいずれも、処理前エポキシ樹脂基板のS2p値とN1s値と同じ、それぞれ0.01cpsと0.03cpsであった。
比較例1は反応処理後のエポキシ樹脂基板にS元素とN元素が新たに生成したとは考えられないことを示している。すなわち、以下で述べる実施例のように、エポキシ樹脂などの固体表面に予め反応性基を結合させなければ、ジチオールトリアジニル基は導入されないことを示している。
<実施例1〜6>
まず、アミノ基含有アルコキシシラン10gを水10gとエタノール190gの混合溶剤に溶解し、エポキシ樹脂基板(40x80x1mm、味の素ファインテック株式会社 ABF‐GX)を40℃で5分間浸漬後、ドライヤーで乾燥する。これを140℃で20分間加熱処理後、トリアジントリチオール誘導体10gを加えた表1の溶剤から得られた90又は100℃の溶液に20分間又は30分間浸漬する。反応終了後、水、メタノールにより洗浄精製する。これを40℃で24時間真空乾燥後、XPS表面分析を行った。結果を図2に示す。
アミノ基アルコキシシランがエポキシ樹脂基板表面と反応してアミノ基アルコキシシラン担持エポキシ樹脂基板表面が生成し、このアミノ基とトリアジントリチオールが反応するとジチオールトリアジニル基含有エポキシ樹脂基板表面が生成する。ジチオールトリアジニル基含有エポキシ樹脂基板表面におけるジチオ−ルトリアジニル基はXPS表面分析においてS元素とN元素の存在とその比率から確認することができる。
図2から分かるように、いずれの実施例においてもS元素とN原子が検出され、ジチオ−ルトリアジニル基の存在は確認された。実施例1〜5におけるN/Sは計算上2であるはずであるが、実際には若干大きな値となっている。これはエポキシ樹脂は硬化剤としてアミン化合物を使用しているためである。また、実施例6においてはN/Sが計算上2.5であるが、これも若干大きな値となっている。いずれにしても、これらの値は固体表面にジチオ−ルトリアジニル基の存在を示すことは明らかでる。
<実施例7〜12>
まず、アミノ基含有アルコキシシラン10gを水10gとエタノール190gの混合溶剤に溶解し、ガラス基板(10x25x1mm、巴商会株式会社 スライドガラスMS‐10)をアルカリ洗浄後、40℃で5分間浸漬してドライヤーで乾燥する。これを140℃で20分間加熱処理後、トリアジントリチオール誘導体10gを加えた表2の溶剤から得られた90〜120℃の溶液に10〜30分間浸漬する。反応終了後、水、メタノールにより洗浄精製する。これを40℃で24時間真空乾燥後、XPS表面分析を行った。結果を図3に示す。
図3から分かるように、いずれの実施例においてもS元素とN原子が検出され、ジチオ−ルトリアジニル基の存在は確認された。実施例7〜11におけるN/Sは計算上2であるはずであるが、実際には僅かながら大きな値となっている。これはエポキシ樹脂は硬化剤としてアミン化合物を使用しているためである。また、実施例12においてはN/Sが計算上2.5であるが、これも僅かながら大きな値となっている。いずれにしても、これらの値は固体表面にジチオ−ルトリアジニル基の存在を示すことは明らかでる。
<実施例13〜18>
アミノ基含有アルコキシシラン10gを水10gとエタノール190gの混合溶剤に溶解し、アルミ基板(20x60x1mm、ニラコ株式会社 Al‐013321)を1%アルカリ洗浄後、40℃で5分間浸漬してドライヤーで乾燥する。これを140℃で20分間加熱処理後、トリアジントリチオール誘導体10gを加えた図4の溶剤から得られた90〜120℃の溶液に10〜30分間浸漬する。反応終了後、水、メタノールにより洗浄精製する。これを40℃で24時間真空乾燥後、XPS表面分析を行った。結果を図4に示す。
図4から分かるように、いずれの実施例においてもS元素とN原子が検出され、ジチオ−ルトリアジニル基の存在は確認された。実施例13〜17におけるN/Sは計算上2であるはずであるが、実際には僅かながら大きな値となっている。これはエポキシ樹脂は硬化剤としてアミン化合物を使用しているためである。また、実施例12においてはN/Sが計算上2.5であるが、これも僅かながら大きな値となっている。いずれにしても、これらの値は固体表面にジチオ−ルトリアジニル基の存在を示すことは明らかでる。
<実施例19〜20>
ジイソシアナート10gを脱水したヘキサン200gに溶解し、これにエポキシ樹脂基板(40x80x1mm、味の素ファインテック株式会社 ABF‐GX)を40℃で5分間浸漬してドライヤーで乾燥する。これを140℃で20分間加熱処理後、機能性トリアジンジチオール10gのトルエン200ml溶液に100℃で30分間浸漬する。反応終了後、ヘキサン、メタノールにより洗浄精製する。これを40℃で24時間真空乾燥後、XPS表面分析を行った。結果を図5に示す。
図5から分かるように、いずれの実施例においてもS元素とN原子が検出され、ジチオ−ルトリアジニル基の存在は確認された。実施例19〜20におけるN/Sは計算上3であるはずであるが、実際には若干大きな値となっている。これはエポキシ樹脂は硬化剤としてアミン化合物を使用しているためである。これらの値は固体表面にジチオ−ルトリアジニル基の存在を示すことは明らかでる。
<実施例21>
6‐ヒドロキシアニリノ‐1,3,5‐トリアジン‐2,4‐ジチオールと3‐トリエトキシシリルプロピルイソシアナ−トをトルエン200gに溶解し、これにエポキシ樹脂基板(40x80x1mm、味の素ファインテック株式会社 ABF‐GX)を50℃で20分間浸漬してドライヤーで乾燥する。これを140℃で20分間加熱処理後、ヘキサン、メタノールにより洗浄精製する。得られた試料を40℃で24時間真空乾燥後、XPS表面分析を行った。結果を図6に示す。
XPS表面分析におけるS及びN表面元素比はそれぞれ、5.3%及び14.1%、N/Sは2.66(計算上2.5)であった。実施例21の試料においてもS元素とN原子が検出され、ジチオ−ルトリアジニル基の存在は確認された。N/Sは計算上2.5であるが、実際には若干大きな値となっている。これはエポキシ樹脂は硬化剤としてアミン化合物を使用しているためである。これらの値は固体表面にジチオ−ルトリアジニル基の存在を示すことは明らかでる。
<実施例22>
へキシレンジイソシアナート10gを脱水したヘキサン200gに溶解し、これにエポキシ樹脂基板(40x80x1mm、味の素ファインテック株式会社 ABF‐GX)を40℃で5分間浸漬してドライヤーで乾燥する。さらに、これを80℃の温水に20分間浸漬後、トリアジントリチオールモノソジウム10gの水200ml溶液に90℃で30分間浸漬する。反応終了後、ヘキサン、メタノールにより洗浄精製する。これを40℃で24時間真空乾燥後、XPS表面分析を行った。結果を図6に示す。
XPS表面分析におけるS及びN表面元素比はそれぞれ、4.3%及び14.1%、N/Sは2.76(計算上2.5)であった。実施例22の試料においてもS元素とN原子が検出され、ジチオ−ルトリアジニル基の存在は確認された。N/Sは計算上2.5であるが、実際には若干大きな値となっている。これはエポキシ樹脂は硬化剤としてアミン化合物を使用しているためである。これらの値は固体表面にジチオ−ルトリアジニル基の存在を示すことは明らかでる。
上記の分析結果はへキシレンジイソシアナートの一方のイソシアナート基がエポキシ樹脂のOHと反応しエポキシ樹脂基板に担持され、その後残りのイソシアナートは温水と反応してアミノ基に変化したこと、このアミノ基は実施例1〜6で示したように、トリアジントリチオールモノソジウムと反応して、ジチオールトリアジニル基がエポキシ樹脂基板に結合されて、ジチオールトリアジニル基含有エポキシ樹脂基板になったことを示す。
<実施例23>
3‐グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン10gのメチルセルソルブ200g溶液にエポキシ樹脂基板(40x80x1mm、味の素ファインテック株式会社 ABF‐GX)を40℃で5分間浸漬してドライヤーで乾燥する。これを140℃で20分間加熱処理後、トリアジントリチオールモノソジウム10gの水溶液200gに浸漬して90℃で30分間加熱する。反応終了後、水、メタノールにより洗浄精製する。これを40℃で24時間真空乾燥後、XPS表面分析を行った。結果を図6に示す。
XPS表面分析におけるS及びN表面元素比はそれぞれ、4.3%及び5.8%、N/Sは1.34(計算上1.0)であった。実施例23の試料においてもS元素とN原子が検出され、ジチオ−ルトリアジニル基の存在は確認された。N/Sは計算上1.3であるが、実際には若干大きな値となっている。これはエポキシ樹脂は硬化剤としてアミン化合物を使用しているためである。これらの値は固体表面にジチオ−ルトリアジニル基の存在を示すことは明らかでる。
次に、図6に示すように、実施例23例の中から、8例を抽出して、Pd触媒の担持性及び無電解めっき性を検討した。8例の試料の半分をアルミ箔のマスクで囲み、高圧水銀ランプ(出力:1.5kW,照射エネルギー:2800mJ/cm2, アイグラフィック株式会社製アイミニグランテイジ)を用いて20℃で表30秒間紫外線を照射した。この時、試料基板の表面はチオール基面(紫外線未照射部分)とジスルフィド基面(紫外線照射部分)に分かれる。紫外線照射後の試料基板はNP‐8 150ml/lとHCl 150ml/lに調整した触媒処理液(上村工業株式会社製)に25℃で1分間浸漬して、Pd‐Sn触媒を担持し、乾燥後SS面とSH面のXPS表面分析によりPd元素組成比を測定した。触媒担持基板は上村工業株式会社のスルカップPSY‐1A 100ml/l、スルカップPSY‐1B 55ml/l, 18.5ホルマリン水溶液 20ml/lからなる無電解銅めっき浴に33℃で20分間浸漬すると、銅めっきされた試料基板が得られた。SS面とSH面のめっき被覆率を目視で求めた。またSH面に1mm2の切身100個を入れ、ビニルテープで剥離試験を行い、テープに付着した数を求めた。
S及びN元素組成比は固体表面のジチオールトリアジニル基の濃度を示す目安である。Pd触媒担持%はSS面よりSH面がかなり多いことが分かる。従って、無電解めっきはSS面にはほとんど吸着しないが、SH面にはよく析出し、密着力も高いことが分かる。
本発明の実施の形態に係る表面反応性固体の表面状態を示す図である。 本発明の実施例1〜6に係りXPS表面分析の結果を示す表図である。 本発明の実施例7〜12に係りXPS表面分析の結果を示す表図である。 本発明の実施例13〜18に係りXPS表面分析の結果を示す表図である。 本発明の実施例19及び20に係りXPS表面分析の結果を示す表図である。 本発明の実施例1,6,8,15,19,21乃至23に係りXPS表面分析の結果を示すとともにPd触媒の担持性及び無電解めっき性についての試験結果を示す表図である。

Claims (8)

  1. 固体の表面に、
    下記の一般式(1):
    Figure 0004734637
    (式中、MはH, Li, Na, K, Ce, Ag, Cu, Au, 1/2Sn, 1/2Pd, 1/2Ni, 1/2Co, 1/2Pb, 1/2Ca, 1/2Mg, 1/2Ba, 1/2Zn, 1/2Ptである)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造する表面反応性固体の製造方法において、
    下記の一般式(2):
    Figure 0004734637
    (式中、MはH,またはアルカリ金属である)で示されるトリアジントリチオールに、
    下記の一般式(3),(4),(5):
    NHR 1 -X-Si(OR 2 ) n (R 3 ) 3-n ・・・・・(3)
    NH(CH 2 CH 2 ) 2 NC 3 H 6 Si(OR 2 ) n (R 3 ) 3-n ・・(4)
    NH(C 3 H 6 ) 2 Si(OR 2 ) n (R 3 ) 3-n ・・・・・・(5)
    (式中R1,R2,R3それぞれ独立して-H, -CH3, -C2H5, -CH(CH3)2, -CH2CH=CH2, -C4H9, -C6H5, -C6H11の炭化水素であり、-X-は-C2H4-, -C3H6-, -C4H8-, -C6H12-, -C2H4SC2H4-, -C2H4NHC3H6-のアルキレン基であり、nは1,2,3である)で示されるアミノ基含有アルコキシシランのいずれかを用いて予め表面処理されたアミノ基含有固体を反応させ、上記一般式(1)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造することを特徴とする表面反応性固体の製造方法。
  2. 固体の表面に、
    下記の一般式(1):
    Figure 0004734637
    (式中、MはH, Li, Na, K, Ce, Ag, Cu, Au, 1/2Sn, 1/2Pd, 1/2Ni, 1/2Co, 1/2Pb, 1/2Ca, 1/2Mg, 1/2Ba, 1/2Zn, 1/2Ptである)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造する表面反応性固体の製造方法において、
    下記の一般式(6):
    Figure 0004734637
    (式中MはH, Li, Na, K, Ce, Ag, Cu, Au, 1/2Sn, 1/2Pd, 1/2Ni, 1/2Co, 1/2Pb, 1/2Ca, 1/2Mg, 1/2Ba, 1/2Zn, 1/2Ptである。またRは-H, -NHCH2CH2OH, -NHCH2CH2CH2OH, -NHCH 2 CH 2 OH, -NHCH 2 CH 2 CH 2 CH 2 OH, -NHCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OH, -N(CH2CH2OH)2, -N(CH 2 CH 2 CH 2 OH) 2 , -N(CH 3 )CH 2 CH 2 OH, -N(C2H5)CH2CH2OH, -N(CH2CH2)2CHOH, -NHCH2C6H4OH, -NHC6H4OH, -N(CH3)C6H4OH, -NHC6H10OH, -NHC6H11OH, -N(C3H7)C6H4OH, -N(CH2CH2)2NCH2CH2OHである)で示されるトリアジンジチオールに、
    下記の一般式(7):
    X(NCO)n・・・・・(7)
    (式中Xは、-CH2CH2CH2CH2-, -CH2CH2CH2CH2CH2CH2-, -CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2-, -C6H3(CH3)-, -C6H9(CH3)-, -CH2C6H4CH2-, -CH2C6H10CH2-, -C6H4C6H4-, -C6H4CH2C6H4-, -C6H4C(CH3)2C6H4-, -C6H10C(CH3)2C6H10-, CH(C 6 H 4 -) 3 あり、nは整数である)で示されるイソシアナートで予め表面処理されたイソシアナート基含有固体を反応させ、上記一般式(1)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造することを特徴とする表面反応性固体の製造方法。
  3. 固体の表面に、
    下記の一般式(1):
    Figure 0004734637
    (式中、MはH, Li, Na, K, Ce, Ag, Cu, Au, 1/2Sn, 1/2Pd, 1/2Ni, 1/2Co, 1/2Pb, 1/2Ca, 1/2Mg, 1/2Ba, 1/2Zn, 1/2Ptである)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造する表面反応性固体の製造方法において、
    下記の一般式(6):
    Figure 0004734637
    (式中MはH, Li, Na, K, Ce, Ag, Cu, Au, 1/2Sn, 1/2Pd, 1/2Ni, 1/2Co, 1/2Pb, 1/2Ca, 1/2Mg, 1/2Ba, 1/2Zn, 1/2Ptである。またRは-H, -NHCH 2 CH 2 OH, -NHCH 2 CH 2 CH 2 OH, -NHCH 2 CH 2 OH, -NHCH 2 CH 2 CH 2 CH 2 OH, -NHCH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 OH, -N(CH 2 CH 2 OH) 2 , -N(CH 2 CH 2 CH 2 OH) 2 , -N(CH 3 )CH 2 CH 2 OH, -N(C 2 H 5 )CH 2 CH 2 OH, -N(CH 2 CH 2 ) 2 CHOH, -NHCH 2 C 6 H 4 OH, -NHC 6 H 4 OH, -N(CH 3 )C 6 H 4 OH, -NHC 6 H 10 OH, -NHC 6 H 11 OH, -N(C 3 H 7 )C 6 H 4 OH, -N(CH 2 CH 2 ) 2 NCH 2 CH 2 OHである)で示されるトリアジンジチオールと
    一般式 (X)3SiCnH2nNCO・・・・(8)
    (式中Xはアルコキシ基であり、nは整数である)
    で示されるトリアルコキシシリルアルキルイソシアナートとの混合物に固体表面を反応させ、上記一般式(1)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造することを特徴とする表面反応性固体の製造方法。
  4. 固体の表面に、
    下記の一般式(1):
    Figure 0004734637
    (式中、MはH, Li, Na, K, Ce, Ag, Cu, Au, 1/2Sn, 1/2Pd, 1/2Ni, 1/2Co, 1/2Pb, 1/2Ca, 1/2Mg, 1/2Ba, 1/2Zn, 1/2Ptである)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造する表面反応性固体の製造方法において、
    下記の一般式(7):
    X(NCO)n・・・・・(7)
    (式中Xは、-CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -, -CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -, -CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -, -C 6 H 3 (CH 3 )-, -C 6 H 9 (CH 3 )-, -CH 2 C 6 H 4 CH 2 -, -CH 2 C 6 H 10 CH 2 -, -C 6 H 4 C 6 H 4 -, -C 6 H 4 CH 2 C 6 H 4 -, -C 6 H 4 C(CH 3 ) 2 C 6 H 4 -, -C 6 H 10 C(CH 3 ) 2 C 6 H 10 -, CH(C 6 H 4 -) 3 であり、nは整数である)で示されるイソシアナートで予め表面処理されたイソシアナート基含有固体を、
    下記の一般式(2):
    Figure 0004734637
    (式中、MはH,またはアルカリ金属である)で示されるトリアジントリチオールに反応させ、上記一般式(1)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造することを特徴とする表面反応性固体の製造方法。
  5. 固体の表面に、
    下記の一般式(1):
    Figure 0004734637
    (式中、MはH, Li, Na, K, Ce, Ag, Cu, Au, 1/2Sn, 1/2Pd, 1/2Ni, 1/2Co, 1/2Pb, 1/2Ca, 1/2Mg, 1/2Ba, 1/2Zn, 1/2Ptである)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造する表面反応性固体の製造方法において、
    ‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシシラン、3‐グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン及び3‐グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランの何れかで予め表面処理された固体を、
    下記の一般式(2):
    Figure 0004734637
    (式中、MはH,またはアルカリ金属である)で示されるトリアジントリチオールに反応させ、上記一般式(1)で示されるジチオールトリアジル基を含有する化合物を付着させた表面反応性固体を製造することを特徴とする表面反応性固体の製造方法。
  6. 上記請求項1乃至5の何れかに記載の表面反応性固体の製造方法によって製造されることを特徴とする表面反応性固体。
  7. 上記請求項1乃至5の何れかに記載の表面反応性固体の製造方法によって製造される表面反応性固体を用いた配線基板であって、当該表面反応性固体の表面に金属を電着したことを特徴とする表面反応性固体を用いた配線基板。
  8. 上記請求項1乃至5の何れかに記載の表面反応性固体の製造方法によって製造される表面反応性固体を用いた配線基板の製造方法であって、当該表面反応性固体の表面に紫外線又はレーザーを照射し、その後、無電解めっき液に浸漬することを特徴とする表面反応性固体を用いた配線基板の製造方法。
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