JP2010157590A - 多層配線基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビアによる層間接続がなされ、且つ、微細配線を有する多層配線基板を簡便な方法で製造することが可能な多層配線基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】(A)表面に電気導通可能な部位を有する基板の該表面に、絶縁層を形成する工程と、(B)該絶縁層をレーザー又はドリルにより部分的に除去し、ビアホールを形成する工程と、(C)前記(B)工程にてビアホールが形成された面に対しデスミア処理を行い、前記ビアホールの底部における前記絶縁層の残渣を除去する工程と、(D)前記(C)工程にてデスミア処理が行われた面上に、めっき触媒元素と相互作用を形成する官能基及び重合性基を有する樹脂を用いた樹脂層を形成する工程と、(E)前記(D)工程によりビアホールの底部に形成された樹脂層を、処理液を付与して除去する工程と、(F)残存する樹脂層に対してめっき触媒を付与した後、めっきを行う工程と、を含む多層配線基板の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層配線基板の製造方法に関する。
多層配線基板を製造する際、配線との密着性の発現のため、また、ビアホールの底部の樹脂残渣を除去するために、粗化(例えば、デスミアエッチング)を用いるのが一般的である。
しかしながら、サブトラクティブやセミアディティブなどの金属エッチング法を適用し、配線の微細化を図ろうとした際には、配線の密着力の低下や、配線間の粗化面に食い込んでいる金属残渣の除去が困難となるためにエッチング時にオーバーエッチングが発生しやすく微細な金属配線を形成すること自体が困難となる、など配線下の粗化のデメリットは大きい。
そのため、配線下において、粗化された表面は平滑化させつつ、かかる配線との強固な密着を発現することが好ましい。
一方、ビアホールの形成においては、以下の示す種々の方法が知られている。
特許文献1や特許文献2に開示されているような感光性の絶縁樹脂をパターン露光することでフォトビアを形成するという特殊な工程や、特許文献3に開示されているような金属箔付きのケミカルエッチング可能な樹脂付き金属を積層し、金属の部分エッチングと樹脂のケミカルエッチングを行うことでビアホールを形成してめっきにより導通をとるという非常に煩雑な工程や、特許文献4に開示されているように、多層配線自体にビアコンタクト層を設けて層間を接続するなどの層間接続において精度を要する方法や、特許文献5に開示されているように、下層の銅配線上にレジストにより突起上の金属ポストを形成後、絶縁膜を埋め込み、絶縁膜表面を研磨することで下層と接続可能な金属電極を露出させる方法などがある。
しかしながら、ここに開示された工程は、いずれも非常に煩雑であり、より簡易な方法が望まれているのが現状である。
特開平8−248630号公報 特開平10−98266号公報 特開平7−226590号公報 国際公開第2003/030602号パンフレット 特開2005−45163号公報
そこで、本発明は、上記従来の技術の欠点を考慮してなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、ビアによる層間接続がなされ、且つ、微細配線を有する多層配線基板を簡便な方法で製造することが可能な多層配線基板の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、以下に示す手段により上記目的を達成しうることを見出した。
即ち、本発明の多層配線基板の製造方法は、(A)表面に電気導通可能な部位を有する基板の該表面に、絶縁層を形成する工程と、(B)前記(A)工程で形成された絶縁層をレーザー又はドリルにより部分的に除去し、ビアホールを形成する工程と、(C)前記(B)工程にてビアホールが形成された面に対しデスミア処理を行い、前記ビアホールの底部における前記絶縁層の残渣を除去する工程と、(D)前記(C)工程にてデスミア処理が行われた面上に、めっき触媒元素と相互作用を形成する官能基及び重合性基を有する樹脂を用いた樹脂層を形成する工程と、(E)前記(D)工程によりビアホールの底部に形成された樹脂層を、処理液を付与して除去する工程と、(F)前記(E)工程後に残存する樹脂層に対してめっき触媒を付与した後、めっきを行う工程と、を含む。
本発明の多層配線基板の製造方法において、以下に示す態様が好ましい。
即ち、(D)工程で形成される樹脂層が半硬化の状態であることが好ましい。
また、(E)工程で行われる処理液の付与が、前記(D)工程で形成された樹脂層の全面に対して行われるものであることも好ましい。
更に、(D)工程で形成された、前記絶縁層上の樹脂層の表面粗さ(Ra)が0.1μm以下であることが好ましい。
加えて、(E)工程で用いられる処理液が、アルカリ性を示す化合物を含む水溶液、又は溶剤を含む水溶液であることも好ましい態様である。
(D)工程で用いられるめっき触媒元素と相互作用を形成する官能基及び重合性基を有する樹脂が、下記式(1)で表されるユニット、及び、下記式(2)で表されるユニットを含む共重合体であることが好ましい
上記式(1)及び式(2)中、R〜Rは、夫々独立して、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表し、X、Y及びZは、夫々独立して、単結合、置換若しく無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、L及びLは、夫々独立して、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
(F)工程で使用されるめっき触媒の元素がPdであることが好ましい。
また、(F)工程におけるめっき触媒の付与がめっき触媒液を用いて行われ、該めっき触媒液が水溶性の有機溶剤と水とを含有することも好ましい。
本発明によれば、ビアによる層間接続がなされ、且つ、微細配線を有する多層配線基板を簡便な方法で製造することが可能な多層配線基板の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の多層配線基板の製造方法は、(A)表面に電気導通可能な部位を有する基板の該表面に、絶縁層を形成する工程と、(B)前記(A)工程で形成された絶縁層をレーザー又はドリルにより部分的に除去し、ビアホールを形成する工程と、(C)前記(B)工程にてビアホールが形成された面に対しデスミア処理を行い、前記ビアホールの底部における前記絶縁層の残渣を除去する工程と、(D)前記(C)工程にてデスミア処理が行われた面上に、めっき触媒元素と相互作用を形成する官能基及び重合性基を有する樹脂を用いた樹脂層を形成する工程と、(E)前記(D)工程によりビアホールの底部に形成された樹脂層を、処理液を付与して除去する工程と、(F)前記(E)工程後に残存する樹脂層に対してめっき触媒を付与した後、めっきを行う工程と、を含むことを特徴とする。
以下、本発明の多層配線基板の製造方法における(A)〜(F)工程について、図1を参照しつつ説明する。
〔(A)工程〕
(A)工程では、表面に電気導通可能な部位を有する基板に、絶縁層を形成する。
本工程では、例えば、図1の(A)に示されるように、基板10の両面に、金属膜(電気導通可能な部位)20a及び20bと絶縁層30a及び30bとを有する積層体が得られる。
本工程で用いる、表面に電気導通可能な部位を有する基板としては、例えば、基板の片面又は両面に電気導通可能な部位を有するものであればよい。また、電気導通可能な部位としては、図1に示されるように、基板の表面に対して全面に形成されていてもよいし、また、配線のようにパターン状に形成されていてもよい。電気導通可能な部位は、金属膜により形成されていることが好ましい。
表面に電気導通可能な部位を有する基板として、具体的には、両面又は片面の銅張積層板や、この銅張積層板の銅膜をパターン状にしたもの等が用いられる。これらは、フレキシブル基板であってもよいし、リジット基板であってもよい。
より具体的には、リジット基板においては、紙基材銅張積層板として、紙・フェノール樹脂銅張積層板(FR−1、FR−2、XXXPc、XPc)、紙・エポキシ樹脂銅張積層板(FR−3)、紙・ポリエステル銅張積層板が挙げられ、ガラス基材銅張積層板として、ガラス布・エポキシ樹脂銅張積層板(FR−4、G10)、耐熱ガラス布・エポキシ樹脂銅張積層板(FR−5、G11)、ガラス布・ポリイミド系樹脂銅張積層板(GPY)、ガラス布・フッ素樹脂銅張積層板、多層用材料(プリプレグ/薄物であるFR−4、FR−5、GPY)、内層回路入り多層銅張積層板(FR−4、FR−5、GPY)などが挙げられ、コンポジット銅張積層板として、エポキシ系コンポジットであれば、紙・ガラス布・エポキシ樹脂銅張積層板(CEM−1)や、ガラス不織布・ガラス布・エポキシ樹脂銅張積層板(CEM−2)、ポリエステル系コンポジットであれば、ガラス不織布・ガラス布・ポリエステル樹脂銅張積層板(FR−6)や、ガラスマット・ガラス布・ポリエステル樹脂銅張積層板などが挙げられる。
また、フレキシブル基板においては、ポリエステルベース、ポリイミドベース、ガラスエポキシベース、ポリサルフォンベース、ポリエーテルイミドベース、ポリエーテルケトンベースなどの銅張板などが挙げられる。
更に、無機材料を基材とした銅張積層板も挙げられ、基材としては、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、低温焼成セラミックなどを用いた銅張板などが挙げられる。
上述のような表面に電気導通可能な部位を有する基板に対し、絶縁層を形成する。
この絶縁層は、絶縁樹脂を含有する組成物を塗設することで形成してもよいし、支持体上に絶縁樹脂を含んでなる絶縁層が形成された積層体を基板上にラミネートすることで形成してもよい。
ここで、絶縁樹脂としては、公知の配線基板における絶縁層に使用しうる程度の絶縁性を有する樹脂であるものが挙げられ、具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シソシアネート系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等が挙げられる。
この絶縁層の膜厚は、通常、20μm〜40μmである。
なお、絶縁層は、基板の片面又は両面に形成される。
〔(B)工程〕
(B)工程では、(A)工程で形成された絶縁層をレーザー又はドリルにより部分的に除去し、ビアホールを形成する。
本工程では、例えば、図1の(B)に示されるように、基板10の片面に存在する絶縁層30aの一部が除去され、ビアホール40が形成される。なお、ビアホールの底部には、絶縁層30ahが残存する。
本工程で用いられるレーザーは、絶縁層を除去し、且つ、所望の径のビアホールを形成しうるものであれば、特に制限はないが、加工性に優れる点、即ち、効率よく樹脂をアブレーションすることが可能であり、生産性に優れるという点から、エキシマレーザー、炭酸ガスレーザー(COレーザー)、UVレーザー、YAGレーザー等が用いられる。
また、本工程で用いられるドリルも、絶縁層を除去し、且つ、所望の径のビアホールを形成しうるものであれば特に制限はないが、生産性や小径ビア加工性の観点で、スピンドリル方が一般的に用いられる。
また、本工程で形成されるビアホールの径としては、トップ径(φ)が20μm〜150μmであり、ボトム径(φ)が20μm〜120μmであることが好ましく、トップ径(φ)が20μm〜60μmであり、ボトム径(φ)が20μm〜50μmであることが配線の微細化や集積化の観点ではより好ましい。
本工程では、通常、レーザーによって絶縁層を部分的に除去する際、樹脂が溶融する又は分解する時の溶融物や分解物がビアの側面や底部に付着する、また、ビアホール底部に存在する金属膜に直接影響を与えないために、レーザー加工を調整することによって、ビアホールの底部に絶縁層が残る。同様の理由から、ドリルによって絶縁層を部分的に除去する際にもビアホールの底部に絶縁層が残る。この絶縁層の残渣は、次工程である(C)工程にて除去される。
なお、本工程は、絶縁層が基板の両面に形成されている場合、その片面又は両面に施される。
〔(C)工程〕
(C)工程では、(B)工程にてビアホールが形成された面に対しデスミア処理を行い、ビアホールの底部における絶縁層の残渣を除去する。
本工程では、例えば、図1の(C)に示されるように、ビアホール40の底部に残存していた絶縁層30ahが除去され、更に、絶縁層30a及びビアホール40の内周面が粗化される。
本工程におけるデスミア処理としては、公知のデスミア処理液及び条件を適用することができる。例えば、ムロマチテクノス(株)より市販されているMDKシリーズ、メルテックス(株)より市販されているエンプレートシリーズ、その他、アトテック(株)やローム・アンド・ハース(株)などから市販されているものを使用することができる。
一般的には、デスミア処理は、絶縁層の膨潤処理を行い、アルカリ性過マンガン酸塩溶液、或いはクロム酸塩溶液によりスミアを酸化分解した後に、中和、水洗処理を行う。
例えば、有機溶剤系の膨潤液を用いた60℃5分間の膨潤工程、過マンガン酸ナトリム系のエッチング液を用いた80℃10分間のエッチング工程、硫酸系の中和液を用いて40℃5分間の中和工程などを順次行うことがデスミア処理の代表的な例である。
上述のようなデスミア処理を行うことで、ビアホールの底部における絶縁層の残渣を除去することができる。
なお、デスミア処理は基板全面に対して行われるため、ビアホールの底部における絶縁層の残渣が除去されると共に、絶縁層の上部、及びビアホールの内部が粗化される。
〔(D)工程〕
(D)工程では、(C)工程にてデスミア処理が行われた面上に、めっき触媒元素と相互作用を形成する官能基及び重合性基を有する樹脂を用いた樹脂層を形成する。
本工程では、例えば、図1の(D)に示されるように、絶縁層30aの上部、ビアホール40の内周面及び底部に、樹脂層50が形成される。ここで、ビアホール40の底部に形成された樹脂層を樹脂層50hとする。
まず、本工程で用いるめっき触媒元素と相互作用を形成する官能基及び重合性基を有する樹脂について説明する。以降、めっき触媒元素と相互作用を形成する官能基を、適宜、「相互作用性基」と称し、めっき触媒元素と相互作用を形成する官能基及び重合性基を有する樹脂を、適宜、「特定樹脂」と称して説明する。
(特定樹脂)
本発明における特定樹脂中の相互作用性基としては、極性基(親水性基)や、多座配位を形成可能な基、含窒素官能基、含硫黄官能基、含酸素官能基などの非解離性官能基(解離によりプロトンを生成しない官能基)が挙げられる。特に、本工程で形成される樹脂層の吸水性、吸湿性を低減するためには、金属イオン吸着能を示す部位としての非解離性官能基を用いることが好ましい。
前記極性基としては、アンモニウム、ホスホニウムなどの正の荷電を有する官能基、若しくは、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基などの負の荷電を有するか負の荷電に解離しうる酸性基が挙げられる。これらは解離基の対イオンの形で金属イオンと吸着する。
また、例えば、水酸基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシ基、シアノ基などの非イオン性の極性基も用いることもできる。
その他、イミノ基、1〜2級のアミノ基、アミド基、ウレタン基、水酸基(フェノールも含む)、チオール基などを用いることもできる。
また、前記非解離性官能基としては、具体的には、金属イオンと配位形成可能な基、含窒素官能基、含硫黄官能基、含酸素官能基などが好ましく、具体的には、イミド基、ピリジン基、3級のアミノ基、アンモニウム基、ピロリドン基、アミジノ基、トリアジン環構造を含む基、イソシアヌル構造を含む基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基、シアノ基、シアネート基(R−O−CN)などの含窒素官能基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、N−オキシド構造を含む基、S−オキシド構造を含む基、N−ヒドロキシ構造を含む基などの含酸素官能基、チオエーテル基、チオキシ基、スルホキシド基、スルホン基、サルファイト基、スルホキシイミン構造を含む基、スルホキシニウム塩構造を含む基、スルホン酸エステル構造を含む基などの含硫黄官能基、フォスフィン基などの含リン官能基、塩素、臭素などのハロゲン原子を含む基、及び不飽和エチレン基等が挙げられる。また、隣接する原子又は原子団との関係により非解離性を示す態様であれば、イミダゾール基、ウレア基、チオウレア基を用いてもよい。
中でも、極性が高く、めっき触媒等への吸着能が高いことから、エーテル基(より具体的には、−O−(CH−O−(nは1〜5の整数)で表される構造)、又はシアノ基が特に好ましく、シアノ基が最も好ましいものとして挙げられる。
一般的に、高極性になるほど吸水率が高くなる傾向であるが、シアノ基は樹脂層中にて互いに極性を打ち消しあうように相互作用しあうため、膜が緻密になり、且つ、樹脂層全体としての極性が下がるため、吸水性が低くなる。また、樹脂層の良溶剤にて触媒を吸着させることで、シアノ基が溶媒和されてシアノ基間の相互作用がなくなり、めっき触媒と相互作用できるようになる。以上のことから、シアノ基を有する樹脂層は低吸湿でありながら、めっき触媒とはよく相互作用をする、相反する性能を発揮する点で、好ましい。
また、本発明における相互作用性基としては、アルキルシアノ基であることが更に好ましい。これは、芳香族シアノ基は芳香環に電子を吸引されており、めっき触媒等への吸着性として重要な不対電子の供与性が低めになるが、アルキルシアノ基はこの芳香環が結合していないため、めっき触媒等への吸着性の点で好ましい。
本発明において、特定樹脂は、相互作用性基を有するモノマーを用いて得られるホモポリマーやコポリマーに、重合性基として、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基などのエチレン付加重合性不飽和基(重合性基)を導入したポリマーであることが好ましく、この相互作用性基及び重合性基を有するポリマーは、少なくとも主鎖末端又は側鎖に重合性基を有するものであり、側鎖に重合性基を有するものが好ましい。
特定樹脂を得る際に用いられる相互作用性基を有するモノマーとしては、前記記載の非解離性官能基を有するモノマーであればいかなるモノマーも使用可能であるが、例えば、具体的には、以下に示すものが挙げられる。
これらは1種を単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
特定樹脂において、相互作用性基を有するモノマーに由来するユニットは、めっき触媒又はその前駆体との相互作用形成性の観点から、相互作用性基及び重合性基を有するポリマー中に、50モル%〜95モル%の範囲で含有されることが好ましく、40モル%〜80モル%の範囲で含有されることがより好ましい。
また、相互作用性基及び重合性基を有するポリマーを得る際には、樹脂層の吸水性を低下させるため、また、疎水性を向上させるために、上記相互作用性基を有するモノマー以外に他のモノマーを用いてもよい。他のモノマーとしては、一般的な重合性モノマーを用いてよく、ジエン系モノマー、アクリル系モノマー等が挙げられる。中でも、無置換アルキルのアクリル系モノマーが好ましい。具体的には、ターシャリーブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルメタクリレートなどが好ましく使用できる。
このような相互作用性基及び重合性基を有するポリマーは、以下のようにして合成することができる。
合成方法としては、i)相互作用性基を有するモノマーと重合性基を有するモノマーとを共重合する方法、ii)相互作用性基を有するモノマーと二重結合前駆体を有するモノマーとを共重合させ、次に塩基などの処理により二重結合を導入する方法、iii)相互作用性基を有するポリマーと重合性基を有するモノマーとを反応させ、二重結合を導入(重合性基を導入する)方法が挙げられる。好ましいのは、合成適性の観点から、ii)相互作用性基を有するモノマーと二重結合前駆体を有するモノマーとを共重合させ、次に塩基などの処理により二重結合を導入する方法、iii)相互作用性基を有するポリマーと重合性基を有するモノマーとを反応させ、重合性基を導入する方法である。
相互作用性基及び重合性基を有するポリマーの合成に用いられる、相互作用性基を有するモノマーとしては、上記の相互作用性基を有するモノマーと同様のモノマーを用いることができる。モノマーは、一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
相互作用性基を有するモノマーと共重合させる重合性基を有するモノマーとしては、アリル(メタ)アクリレート、2−アリルオキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
また、二重結合前駆体を有するモノマーとしては2−(3−クロロ−1−オキソプロポキシ)エチルメタクリレー卜、2−(3−ブロモ−1−オキソプロポキシ)エチルメタクリレート、などが挙げられる。
更に、相互作用性基を有するポリマー中の、カルボキシル基、アミノ基若しくはそれらの塩、水酸基、及びエポキシ基などの官能基との反応を利用して不飽和基を導入するために用いられる重合性基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートなどがある。
以下、本発明において好適に用いられる相互作用性基及び重合性基を有するポリマーの具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。



次に、本発明における特定樹脂として最も好ましいシアノ基及び重合性基を有する樹脂(以下、適宜、「シアノ基含有重合性樹脂」と称する。)について説明する。
本発明におけるシアノ基含有重合性樹脂は、例えば、下記式(1)で表されるユニット、及び、下記式(2)で表されるユニットを含む共重合体であることが好ましい。

上記式(1)及び式(2)中、R〜Rは、夫々独立して、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表し、X、Y及びZは、夫々独立して、単結合、置換若しく無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、L及びLは、夫々独立して、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
〜Rが、置換若しくは無置換のアルキル基である場合、無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、また、置換アルキル基としては、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等で置換された、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
なお、Rとしては、水素原子、メチル基、或いは、ヒドロキシ基又は臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。
としては、水素原子、メチル基、或いは、ヒドロキシ基又は臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。
としては、水素原子が好ましい。
としては、水素原子が好ましい。
としては、水素原子、メチル基、或いは、ヒドロキシ基又は臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。
X、Y及びZが、置換若しくは無置換の二価の有機基の場合、該二価の有機基としては、置換若しくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基が挙げられる。
置換若しくは無置換の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又はこれらの基が、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等で置換されたものが好ましい。
置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基としては、無置換のフェニル基、若しくは、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等で置換されたフェニル基が好ましい。
中でも、−(CH−(nは1〜3の整数)が好ましく、更に好ましくは−CH−である。
は、ウレタン結合又はウレア結合を有する二価の有機基が好ましく、ウレタン結合を有する二価の有機基がより好ましく、中でも、総炭素数1〜9であるものが好ましい。なお、ここで、Lの総炭素数とは、Lで表される置換若しくは無置換の二価の有機基に含まれる総炭素原子数を意味する。
の構造として、より具体的には、下記式(1−1)、又は、式(1−2)で表される構造であることが好ましい。

上記式(1−1)及び式(1−2)中、R及びRは、夫々独立して、炭素原子、水素原子、及び酸素原子からなる群より選択される2つ以上の原子を用いて形成される2価の有機基であり、好ましくは、置換若しくは無置換の、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、又はブチレン基、エチレンオキシド基、ジエチレンオキシド基、トリエチレンオキシド基、テトラエチレンオキシド基、ジプロピレンオキシド基、トリプロピレンオキシド基、テトラプロピレンオキシド基が挙げられる。
また、Lは、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキレン基、芳香族基、又はこれらを組み合わせた基であることが好ましい。該アルキレン基と芳香族基とを組み合わせた基は、更に、エーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基を介していてもよい。中でも、Lは総炭素数が1〜15であることが好ましく、特に無置換であることが好ましい。なお、ここで、Lの総炭素数とは、Lで表される置換若しくは無置換の二価の有機基に含まれる総炭素原子数を意味する。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、フェニレン基、及びこれらの基が、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等で置換されたもの、更には、これらを組み合わせた基が挙げられる。
本発明におけるシアノ基含有重合性樹脂としては、前記式(1)で表されるユニットが、下記式(3)で表されるユニットであることが好ましい。

上記式(3)中、R及びRは、夫々独立して、水素原子、又は置換若しく無置換のアルキル基を表し、Zは、単結合、置換若しくは無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、Wは、酸素原子、又はNR(Rは、水素原子、又はアルキル基を表し、好ましくは、水素原子、又は炭素数1〜5の無置換のアルキル基である。)を表し、Lは、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
式(3)におけるR及びRは、前記式(1)におけるR及びRと同義であり、好ましい例も同様である。
式(3)におけるZは、前記式(1)におけるZと同義であり、好ましい例も同様である。
また、式(3)におけるLも、前記式(1)におけるLと同義であり、好ましい例も同様である。
本発明におけるシアノ基含有重合性樹脂としては、前記式(3)で表されるユニットが、下記式(4)で表されるユニットであることが好ましい。

式(4)中、R及びRは、夫々独立して、水素原子、又は置換若しく無置換のアルキル基を表し、V及びWは、夫々独立して、酸素原子、又はNR(Rは、水素原子、又はアルキル基を表し、好ましくは、水素原子、又は炭素数1〜5の無置換のアルキル基である。)を表し、Lは、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
式(4)におけるR及びRは、前記式(1)におけるR及びRと同義であり、好ましい例も同様である。
式(4)におけるLは、前記式(1)におけるLと同義であり、好ましい例も同様である。
前記式(3)及び式(4)において、Wは、酸素原子であることが好ましい。
また、前記式(3)及び式(4)において、Lは、無置換のアルキレン基、或いは、ウレタン結合又はウレア結合を有する二価の有機基が好ましく、ウレタン結合を有する二価の有機基がより好ましく、これら中でも、総炭素数1〜9であるものが特に好ましい。
また、本発明におけるシアノ基含有重合性樹脂としては、前記式(2)で表されるユニットが、下記式(5)で表されるユニットであることが好ましい。

上記式(5)中、Rは、水素原子、又は置換若しく無置換のアルキル基を表し、Uは、酸素原子、又はNR’(R’は、水素原子、又はアルキル基を表し、好ましくは、水素原子、又は炭素数1〜5の無置換のアルキル基である。)を表し、Lは、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
式(5)におけるRは、前記式(1)におけるR及びRと同義であり、水素原子であることが好ましい。
また、式(5)におけるLは、前記式(2)におけるLと同義であり、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキレン基、芳香族基、又はこれらを組み合わせた基であることが好ましい。
特に、式(5)においては、L中のシアノ基との連結部位が、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキレン基を有する二価の有機基であることが好ましく、中でも、この二価の有機基が総炭素数1〜10であることが好ましい。
また、別の好ましい態様としては、式(5)におけるL中のシアノ基との連結部位が、芳香族基を有する二価の有機基であることが好ましく、中でも、該二価の有機基が、総炭素数6〜15であることが好ましい。
本発明におけるシアノ基含有重合性樹脂は、前記式(1)〜式(5)で表されるユニットを含んで構成されるものであり、重合性基とシアノ基とを側鎖に有するポリマーである。
このシアノ基含有重合性樹脂は、例えば、以下のように合成することができる。
本発明におけるシアノ基含有重合性樹脂を合成する際の重合反応の種類としては、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合が挙げられる。反応制御の観点から、ラジカル重合、カチオン重合を用いることが好ましい。
本発明におけるシアノ基含有重合性樹脂は、1)ポリマー主鎖を形成する重合形態と側鎖に導入される重合性基の重合形態とが異なる場合と、2)ポリマー主鎖を形成する重合形態と側鎖に導入される重合性基の重合形態とが同一の場合と、で、その合成方法が異なる。
1)ポリマー主鎖を形成する重合形態と側鎖に導入される重合性基の重合形態が異なる場合、1−1)ポリマー主鎖形成がカチオン重合で行われ、側鎖に導入される重合性基の重合形態がラジカル重合である態様と、1−2)ポリマー主鎖形成がラジカル重合で行われ、側鎖に導入される重合性基の重合形態がカチオン重合である態様と、がある。
また、2)ポリマー主鎖を形成する重合形態と側鎖に導入される重合性基の重合形態とが同一の場合は、2−1)両者がカチオン重合の態様と、2−2)両者がラジカル重合である態様と、がある。
具体的な合成方法については、国際公開第08/050715号パンフレットの段落[0196]〜[0243]に記載の方法が適用される。
本発明におけるシアノ基含有重合性樹脂の重量平均分子量は、1000以上70万以下が好ましく、更に好ましくは2000以上20万以下である。特に、重合感度の観点から、本発明におけるシアノ基含有重合性樹脂の重量平均分子量は、20000以上であることが好ましい。
また、本発明におけるシアノ基含有重合性樹脂の重合度としては、10量体以上のものを使用することが好ましく、更に好ましくは20量体以上のものである。また、7000量体以下が好ましく、3000量体以下がより好ましく、2000量体以下が更に好ましく、1000量体以下が特に好ましい。
ここに記載されている分子量及び重合度の好ましい範囲は、本発明において用いられるシアノ基含有重合性樹脂以外の特定樹脂に関しても好適な範囲である。
本発明におけるシアノ基含有重合性樹脂の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
なお、これらの具体例の重量平均分子量は、いずれも、3000〜100000の範囲である。






前述のように、本発明における樹脂層を形成するためには、特定樹脂を含有する液状組成物を用いることが好ましい。
上記組成物に使用する溶剤は、組成物の主成分である、特定樹脂が溶解可能ならば特に制限はない。
使用できる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールモノメチルエーテルの如きアルコール系溶剤、酢酸の如き酸、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン系溶剤、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンの如きアミド系溶剤、アセトニトリル、プロピロニトリルの如きニトリル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチルの如きエステル系溶剤、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートの如きカーボネート系溶剤などが挙げられる。
この中でも、シアノ基含有重合性樹脂を用いた組成物とする場合には、アミド系、ケトン系、ニトリル系溶剤、カーボネート系溶剤が好ましく、具体的には、アセトン、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルカーボネートが好ましい。
また、シアノ基含有重合性樹脂を含有する組成物を塗布する場合は、取り扱い安さから沸点が50℃〜150℃の溶剤が好ましい。なお、これらの溶剤は単一で使用してもよいし、混合して使用してもよい。
特定樹脂を含有する液状組成物には、界面活性剤、可塑剤、重合禁止剤、重合開始層の硬化を進めるための硬化剤及び/又は硬化促進剤、更には、ゴム成分(例えば、CTBN)、難燃化剤(例えば、りん系難燃化剤)、希釈剤やチキソトロピー化剤、顔料、消泡剤、レべリング剤、カップリング剤などを添加してもよい。
これらの添加剤については、国際公開第08/050715号パンフレットの段落[0125]〜[0130]に記載のものが適用される。
特定樹脂を含有する液状組成物は、樹脂層の膜厚(乾燥後)が以下のような条件を満たすように付与されることが好ましい。
即ち、本発明においては、デスミア処理により変化した絶縁膜上の表面粗さの状態に応じて、その上に形成された樹脂層の表面が再度平滑化されていることが好ましい。
そのため、デスミア処理後の絶縁層上の表面粗さRaをx、特定樹脂を用いてなる樹脂層の膜厚(乾燥後)をTとした場合に、2×x≦Tの関係を満たすことで、デスミア処理による絶縁層の表面の状態に依存せずに、電気配線層を形成する樹脂層の表面が平滑化する。ここで、表面粗さxは、好ましくは0.1μm〜3.0μmとなる範囲、より好ましくは0.1μm〜1μmであり、それに伴う形で、膜厚Tとしては、好ましくは0.2μm〜6.0μmとなる範囲、より好ましくは0.2μm〜2.0μmとなる範囲である。
また、ビアホールの底部の樹脂層の膜厚(乾燥後)としては、好ましくは、0.2μm以上、絶縁膜の厚みである40μm以下となる範囲、より好ましくは、0.2μm〜30μmである。
(樹脂層の形成)
本工程では、(C)工程にてデスミア処理が行われた面の絶縁層上とビアホール内部及び底部とに、特定樹脂を用いた樹脂層を形成する。
この樹脂層は、特定樹脂を含有する液状組成物をデスミア処理が行われた面上に塗布させた後、エネルギー付与を行って硬化させることで形成される。特に、本工程で形成される樹脂層は、後述する(E)工程において、ビアホールの底部の樹脂層の除去性を高めるため、また、絶縁層上及びビアホールの内周部の樹脂層の過剰除去を抑制するために、半硬化の状態であることが好ましい。
特定樹脂を含有する液状組成物を硬化させるためのエネルギーとしては、例えば、加熱や露光等の輻射線照射を用いることができる。例えば、UVランプ、可視光線などによる光照射、ホットプレートなどでの加熱等が可能である。光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、遠赤外線などがある。また、g線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。
エネルギー付与に要する時間としては、所望の硬化の程度や光源により異なるが、通常、1秒〜600秒の間である。
ここで、樹脂層の半硬化の状態について説明する。
本発明において、樹脂層の半硬化の状態とは、樹脂層中の特定樹脂の重合性基の消費率が40%以下であることを指す。特に、特定樹脂の重合性基の消費率が20%以下であることが特に好ましい。
なお、エネルギーの付与を露光にて行う場合、その露光エネルギーは、樹脂層の半硬化の状態を形成するためには、10mJ/cm〜500mJ/cmの範囲であることが好ましく、より好ましくは、10mJ/cm〜150mJ/cmの範囲である。
以上のようにして、(C)工程にてデスミア処理が行われた面には特定樹脂を用いた樹脂層が形成される。
なお、本工程においては、(C)工程のデスミア処理にて粗化された絶縁層が、この樹脂層が設けられることにより平滑化される。絶縁層上の樹脂層の表面粗さ(Ra)は、0.1μm以下であることが好ましく、0.05μm以下であることがより好ましい。
ここで、樹脂層の表面粗さ(Ra)は、以下のようにして測定される。
即ち、非接触式干渉法により、JIS B 0601(20010120改訂)に記載のRaに基づき、サーフコム3000A(東京精密(株)製)を用いて測定した。
〔(E)工程〕
(E)工程では、(D)工程によりビアホールの底部に形成された樹脂層を、処理液を付与して除去する。
本工程では、例えば、図1の(E)に示されるように、絶縁層30a上とビアホール40の内周面に形成された樹脂層50は残存し、ビアホール40の底部に存在する樹脂層50hが除去される。
ここで用いられる処理液は、樹脂層を膨潤させうるものであればよく、樹脂層の形成に用いられる特定樹脂にあわせ、適切なものを選択すればよい。樹脂層は、一般的に、ビアホールの底部に露出した金属に対して親和性が低いことから、処理液により樹脂層を膨潤させることで、この部分の樹脂層のみが選択的に除去されることとなる。
例えば、樹脂層が、エステル結合が含まれるシアノ基含有重合性樹脂を用いて形成されたものであれば、アルカリ性を示す化合物を含むアルカリ水溶液が好ましく、更に、樹脂層の膨潤を促進させ、ビアホールの底部に存在する樹脂層を選択的に除去するためには、溶剤を添加することが好ましい。
具体的な処理液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水溶液などが挙げられる。これらの水溶液の濃度としては、3質量%〜20質量%が好ましく、3質量%〜5%質量%が特に好ましい。
また、溶剤に関しては、公知のデスミア処理で用いられる膨潤処理液に含まれる溶剤などを好適に用いることができ、具体的には、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、Nメチル−2ピロリドン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
溶剤の添加量としては、処理液の全量に対して、1質量%〜80質量%が好ましく、処理液としての効果と、引火危険性などを考慮した場合に、10質量%〜70質量%の添加がより好ましい。
処理液の付与方法としては、ビアホール内に処理液が浸透する手法を用いることが好ましく、超音波やシャワーによる物理的なビアホール中への液浸透促進を行うことで、より効率的にビアホールの底部の樹脂層を除去することが可能となる。液浸透効率の観点ではシャワーによる処理液の付与が特に好ましい。
また、処理液の温度としては、より高い温度で処理をすることで迅速な洗浄が可能となり、具体的には40℃〜80℃が好ましく、50℃〜70℃がより好ましい。
更に、処理液の付与時間としては、樹脂層の除去状態に応じて、適宜、決定すればよいが、具体的には、0.5分間〜10分間が好ましく、1分間〜5分間がより好ましい。
ビアホールの底部における樹脂層の除去性能は、以下のようにして観察される。
即ち、処理液の付与が終了した後、走査型レーザー顕微鏡(キーエンス社製 VK9700)を用い、2000孔のビアホールを観察し、ビアホールの底部における樹脂層の除去率を算出した。
樹脂層を形成していないビアホールの底部の金属のレーザー顕微鏡観察像と、ビアホールの底部における樹脂層を処理液にて処理(除去)した後のレーザー顕微鏡観察像を比較することで、ビアホールの底部における樹脂層の残渣があるものと、残渣がないものとカウントし、ビアホールの底部における樹脂層の除去率は算出される。
ビアホールの底部における樹脂層の除去性能は、樹脂層の硬化の程度によって変化する。
図2に、シャワーによる処理液の付与時間(2分間、10分間)における、樹脂層中の重合性基の消費率(樹脂層の硬化の程度)と、ビアホールの底部における樹脂層の除去率と、の関係図を示す。
図2に示されるように、重合性基の消費率が高いほど、つまり、樹脂層の硬化の程度が高いほど、処理液によるビアホールの底部における樹脂層の除去性能は低下する傾向があることが分かる。
このことから、樹脂層中の重合性基の消費率が高い場合には、処理液の付与時間を延ばしたり、また、処理液の温度を上げたりして、ビアホールの底部における樹脂層の除去性能を上げる必要がある。
但し、処理液の付与時間を延ばしたり、また、処理液の温度を上げたりすると、絶縁層上に形成された樹脂層も過剰に除去される可能性もあることから、重合性基の消費率を前述のように40%以下とし、これに応じた、処理液の付与時間や液温を選択することが好ましい。
〔(F)工程〕
(F)工程では、(E)工程後に残存する樹脂層に対してめっき触媒を付与した後、めっきを行う。
本工程において、めっき触媒はめっき触媒液を用いて樹脂層に付与される。
まず、めっき触媒液について説明する。
(めっき触媒液)
めっき触媒液は、めっき触媒となる元素(めっき触媒元素)を少なくとも含んでいればよく、更に、水や有機溶剤を含有することが好ましい。
このめっき触媒液を、前述の樹脂層に対して付与することにより、樹脂層中に存在するめっき触媒元素と相互作用を形成する官能基(相互作用性基)に、付与されためっき触媒元素が付着(吸着)する。
本発明におけるめっき触媒液を構成するめっき触媒元素は、後述するめっき処理で行われるめっきの際に、活性核になるものや、電極として機能するものであればよい。
めっき触媒元素としては、活性核になるものや、電極として機能しうるものであれば、特に制限されず、例えば、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。中でも、多座配位可能なものが好ましく、特に、配位可能な官能基の種類数、触媒能の高さから、Ag、Pdが好ましく、特にPd特に好ましい。
本発明におけるめっき触媒液中のめっき触媒元素は、イオン状態で存在する、金属微粒子状態で存在する、又は、コロイド状態(金属コロイド)で存在する。
めっき触媒元素のめっき触媒液中の存在形態である金属コロイドは、一般に、荷電を持った界面活性剤又は荷電を持った保護剤が存在する溶液中において、金属イオンを還元することにより作製することができる。金属コロイドの荷電は、ここで使用される界面活性剤又は保護剤により調節することができる。
また、めっき触媒元素がイオン状態で存在するめっき触媒液は、金属塩を用いることで調製することができる。使用される金属塩としては、適切な溶媒に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO、MCl、M2/n(SO)、M3/n(PO)(Mはn価の金属原子を表し、具体的には、上記した各金属原子が挙げられる。)などが挙げられる。
イオン状態で存在するめっき触媒元素は、還元反応によりめっき触媒である0価金属になる。例えば、イオン状態で存在するめっき触媒元素は、樹脂層へ付与された後、無電解めっき浴への浸漬前に、還元反応を起こさせて0価金属に変化させてもよいし、無電解めっき浴中の還元剤により0価金属に変化させてもよい。
本発明で用いられるめっき触媒元素の好ましい例の一つとして、パラジウムが挙げられる。
パラジウムを含有するめっき触媒液を調製する際には、例えば、パラジウム(II)塩、パラジウム(0)錯体、パラジウムコロイドなどのパラジウム化合物が用いられる。
パラジウム塩としては、例えば、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、臭化パラジウム、炭酸パラジウム、硫酸パラジウム、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(エチレンジアミン)パラジウム(II)塩化物などが挙げられる。中でも、取り扱いやすさと溶解性の点で、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、硫酸パラジウム、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)が好ましい。
パラジウム錯体としては、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体、ジパラジウムトリスベンジリデンアセトン錯体などが挙げられる。
パラジウムコロイドは、パラジウム(0)から構成される粒子で、その大きさは特に制限されないが、液中での安定性の観点から、5nm〜300nmが好ましく、10nm〜100nmがより好ましい。なお、パラジウムコロイドは、必要に応じて、他の金属を含んでいてもよく、他の金属としては、例えば、スズなどが挙げられる。パラジウムコロイドとしては、例えば、スズ−パラジウムコロイドなどが挙げられる。なお、パラジウムコロイドは、公知の方法で合成してもよいし、市販品を使用してもよい。例えば、荷電を持った界面活性剤又は荷電を持った保護剤が存在する溶液中において、パラジウムイオンを還元することによりパラジウムコロイドを作製することができる。
また、本発明において、めっき触媒液には有機溶剤や水が用いられる。
めっき触媒液に有機溶剤を用いることで、樹脂層に対するめっき触媒元素の浸透性が向上し、相互作用性基に効率よくめっき触媒元素を吸着させることができる。
めっき触媒液の調製に用いられる有機溶剤としては、樹脂層に浸透しうる溶剤であれば特に制限は無いが、具体的には、アセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、エチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、アセトフェノン、2−(1−シクロヘキセニル)、プロピレングリコールジアセテート、トリアセチン、ジエチレングリコールジアセテート、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジメチルカーボネート、ジメチルセロソルブなどを用いることができる。
また、その他の有機溶剤としては、ダイアセトンアルコール、γ−ブチロラクトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールターシャリーブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
特に、めっき触媒元素を含む化合物との相溶性、及び樹脂層への浸透性の観点では水溶性の有機溶剤が好ましく、アセトン、ジメチルカーボネート、ジメチルセロソルブ、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルが好ましい。
なお、本発明におけるめっき触媒液を構成する液成分としては、上記の有機溶剤以外に、水を用いることができる。この水としては、不純物を含まないことが好ましく、そのような観点からは、RO水や脱イオン水、蒸留水、精製水などを用いるのが好ましく、脱イオン水や蒸留水を用いるのが特に好ましい。
特に、本発明においては、めっき触媒液には、水溶性の有機溶剤と水とを含有することが好ましい。
めっき触媒液中の水と有機溶剤との含有割合は、めっき触媒元素の供給速度や、樹脂層への浸透性等に応じて、適宜、設定されればよい。
めっき触媒液を樹脂層に対して付与する方法としては、樹脂層上にめっき触媒液を塗布するか、或いは、めっき触媒液中に樹脂層を有する基板を浸漬すればよい。
このような吸着を充分に行なわせるという観点からは、めっき触媒液中のめっき触媒元素濃度は、0.001質量%〜50質量%の範囲であることが好ましく、0.005質量%〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。また、接触時間としては、30秒〜24時間程度であることが好ましく、1分〜1時間程度であることがより好ましい。
(めっき処理)
前述のように、樹脂層にめっき触媒が付与された後は、めっき処理が施される。
このめっき処理が施されることで、樹脂層上にはめっき膜が形成される。形成されためっき膜は、優れた導電性を有し、更に樹脂層との高い密着性をも有する。
本工程において行われるめっきの種類は、無電解めっき、電気めっき等が挙げられ、樹脂層に付与されためっき触媒液中のめっき触媒元素の機能によって、選択することができる。
つまり、本工程では、めっき触媒液が付与された樹脂層に対して、電気めっきを行ってもよいし、無電解めっきを行ってもよい。
中でも、本発明においては、樹脂層中に発現する有機−無機ハイブリッド構造の形成性及び密着性向上の点から、無電解めっきを行うことが好ましい。また、所望の膜厚のめっき層を得るために、無電解めっきの後に、更に電気めっきを行うことがより好ましい態様である。
以下、本工程において好適に行われるめっきについて説明する。
(無電解めっき)
無電解めっきとは、めっきとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作のことをいう。
本工程における無電解めっきは、例えば、めっき触媒液が付与された樹脂層を、水洗して余分なめっき触媒元素(金属)を除去した後、無電解めっき浴に浸漬して行なう。使用される無電解めっき浴としては一般的に知られている無電解めっき浴を使用することができる。
また、樹脂層に対しめっき触媒元素が金属イオン状態で付与されている場合には、還元剤を含有する無電解めっき浴が用いられる。このような無電解めっき浴を用いることで、金属イオンの還元とこれに引き続き無電解めっきが行われる。
なお、金属イオンの還元は、上記のような無電解めっき液を用いる態様とは別に、触媒活性化液(還元液)を準備し、無電解めっき前の別工程として行うことも可能である。触媒活性化液は、金属イオンを0価金属に還元できる還元剤を溶解した液で、0.1%〜50%、好ましくは1%〜30%がよい。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ヂメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、次亜リン酸などの還元剤を使用することが可能である。
一般的な無電解めっき浴の組成としては、溶剤の他に、1.めっき用の金属イオン、2.還元剤、3.金属イオンの安定性を向上させる添加剤(安定剤)が主に含まれている。このめっき浴には、これらに加えて、めっき浴の安定剤など公知の添加物が含まれていてもよい。
なお、本発明においては、環境負荷を抑制する観点から、水系の無電解めっき浴を用いることが好ましい。ここで、水系の無電解めっき浴とは、液状成分として水(蒸留水)を50質量%以上含むものを意味する。
但し、疎水性が高い樹脂層に関しては、上記の水の範囲を逸脱しない量においてめっき浴に有機溶剤を添加してもよい
めっき浴に用いられる有機溶剤としては、水に可能な溶媒である必要があり、その点から、アセトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類が好ましく用いられる。
無電解めっき浴に用いられる金属の種類としては、銅、すず、鉛、ニッケル、金、パラジウム、ロジウムが知られており、中でも、導電性の観点からは、銅、金が特に好ましい。
また、上記金属に合わせて最適な還元剤、添加物がある。例えば、銅の無電解めっきの浴は、銅塩としてCuSO、還元剤としてHCOH、添加剤として銅イオンの安定剤であるEDTAやロッシェル塩などのキレート剤、トリアルカノールアミンなどが含まれている。また、CoNiPの無電解めっきに使用されるめっき浴には、その金属塩として硫酸コバルト、硫酸ニッケル、還元剤として次亜リン酸ナトリウム、錯化剤としてマロン酸ナトリウム、りんご酸ナトリウム、こはく酸ナトリウムが含まれている。また、パラジウムの無電解めっき浴は、金属イオンとして(Pd(NH)Cl、還元剤としてNH、HNNH、安定化剤としてEDTAが含まれている。これらのめっき浴には、上記成分以外の成分が入っていてもよい。
このようにして形成される無電解めっきによるめっき膜の膜厚は、めっき浴の金属イオン濃度、めっき浴への浸漬時間、或いは、めっき浴の温度などにより制御することができるが、導電性の観点からは、0.5μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。
また、めっき浴への浸漬時間としては、1分〜6時間程度であることが好ましく、1分〜3時間程度であることがより好ましい。
樹脂層に対して上記のように無電解めっきを行って得られためっき膜は、SEMによる断面観察することで、樹脂層中にめっき触媒元素やめっき金属からなる微粒子がぎっしりと分散しており、更に樹脂層上にめっき金属が析出していることが確認された。樹脂層とめっき膜との界面は、ポリマーと微粒子とのハイブリッド状態であるため、樹脂層(有機成分)と無機物(めっき触媒元素又はめっき金属)との界面において優れた密着性が得られる。
(電気めっき)
本工程おいては、樹脂層に付与されためっき触媒元素が電極としての機能を有する場合、めっき触媒液が付与された樹脂層に対して、電気めっきを行うことができる。
また、前述の無電解めっきの後、形成されためっき膜を電極とし、更に、電気めっきを行ってもよい。これにより樹脂層との密着性に優れた無電解めっき膜をベースとして、そこに新たに任意の厚みをもつ金属膜を容易に形成することができる。このように、無電解めっきの後に、電気めっきを行うことで、金属膜を目的に応じた厚みに形成しうるため、本発明の金属膜を種々の応用に適用するのに好適である。
本発明における電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、本工程の電気めっきに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、亜鉛などが挙げられ、導電性の観点から、銅、金、銀が好ましく、銅がより好ましい。
また、電気めっきにより得られる金属膜の膜厚については、用途に応じて異なるものであり、めっき浴中に含まれる金属濃度、或いは、電流密度などを調整することでコントロールすることができる。なお、一般的な電気配線などに用いる場合の膜厚は、導電性の観点から、0.5μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。
本発明において、前述のめっき触媒元素に由来する金属、及び/又は、無電解めっきにより樹脂層中に析出した金属は、該樹脂層中でフラクタル状の微細構造体として形成されていることによって、金属膜と樹脂層との密着性を更に向上させることができる。
樹脂層中に存在する金属量は、樹脂層を有する基板の断面を金属顕微鏡にて写真撮影したとき、樹脂層の最表面から深さ0.5μmまでの領域に占める金属の割合が5面積%〜50面積%であり、樹脂層と金属界面の算術平均粗さRa(JIS B 0633−2001)が0.05μm〜0.5μmである場合に、更に強い密着力が発現される。
以上、説明したように、(F)工程を経ることで、樹脂層が残存していた領域には、所望のめっき膜(金属薄膜)が形成される。
〔その後の工程〕
本発明において、(F)工程後は、セミアディティブ法であれば、無電解めっき終了後にめっきレジストをパターン状に付与し、その後、無電解めっきによる金属が露出した領域に電気めっきを行うことで金属層(めっき層)を更に堆積させる。そして、レジストを除去した後にレジストで被覆されていた無電解めっき膜が除去される条件にてフラッシュエッチングを行い、金属パターンを得る。その後、金属パターンの表面に対し、積層する絶縁膜との接着性が向上する処理(粗化処理やCZ処理、黒化処理など)を施した後に、本発明の(A)工程〜(F)工程を行うことで、多層配線基板を製造する。
また、サブトラクティブ法の場合は、無電解めっきの後、電気めっきにより全面に金属を堆積させる。その後、エッチングレジストをパターン状に形成し、電気めっきによる金属が露出した領域をエッチング液にて除去して金属パターンを形成する。その他の工程に関してはセミアディティブ法と同じである。
以上、本発明においては、前述の(A)〜(F)の工程を経ることで、ビアによる層間接続がなされ、且つ、微細配線を有する多層配線基板が製造される。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」「部」は質量基準である。
〔実施例1〕
[(A)工程]
厚さ18μmの銅膜を片面に有する基板に、味の素ファインテクノ社製エポキシ系絶縁膜GX−13(膜厚40μm)を、加熱、加圧して、真空ラミネーターにより0.2MPaの圧力で100℃〜110℃の条件により接着し、絶縁層を形成した。
得られた絶縁層の表面粗さ(Ra)は、0.2μmであった。
[(B)工程]
(A)工程で得られた絶縁層に対して、COレーザーにより、トップ径60μm、ボトム径50μmのビアホールを形成した。
[(C)工程]
続いて(B)工程にてビアホールが形成された面に対しデスミア処理を行った。
具体的には、コンディショナー液として水酸化ナトリウムと溶剤が含まれるコンディショナー水溶液を調製し、攪拌を加えながら75℃にて10分間浸漬処理することで、絶縁層表面に膨潤処理を行った。その後、50℃温水にて3分処理した後に、過マンガン酸カリウムを含む水酸化ナトリウム水溶液を用いて攪拌を加えながら85℃にて10分間浸漬することでデスミアの処理を行った。その後、50℃温水にて3分浸漬処理した後に、硫酸が含まれる中和処理水溶液液を用いて、攪拌を加えながら45℃にて5分間浸漬することで中和処理を行った。
このデスミア処理により、ビアホールの底部における絶縁層の残渣を除去した。これは、表面SEMによるBSE像(反射電子像)により確認された。
なお、デスミア処理後の絶縁層の表面粗さ(Ra)は、0.8μmであった。
[(D)工程]
(特定樹脂の合成)
まず、下記のようにして、重合性基及び相互作用性基(シアノ基)を有する樹脂Aを合成した。
500mLの3つ口フラスコにエチレングリコールジアセテートを20mL、ヒドロキシエチルアクリレート7.43g、シアノエチルアクリレート32.03gを入れ、80℃に昇温し、その中に、V−601:0.737g、及びエチレングリコールジアセテート20mLの混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間反応させた。
上記の反応溶液に、ジターシャリーブチルハイドロキノン0.32g、U−600(日東化成製)1.04g、カレンズAOI(昭和電工(株)製)21.87g、及びエチレングリコールジアセテート22gを加え、55℃、6時間反応を行った。その後、反応液にメタノールを4.1g加え、更に1.5時間反応を行った。反応終了後、水で再沈を行い、固形物を取り出し、相互作用性基としてシアノ基を有する樹脂Aを35g得た。
重合性基含有ユニット:シアノ基含有ユニット=22:78(mol比)であった。また、分子量はポリスチレン換算でMw=8.2万(Mw/Mn=3.4)であることが分かった。
(塗布溶液の調製)
重合性基及び相互作用性基を有する樹脂Aとアセトニトリルとを混合し、混合攪拌し、固形分30質量%の塗布溶液を調製した。
(樹脂層の形成)
樹脂層の形成にはディップコーターを用いた。具体的には、上記のように調製された塗布溶液中に、(C)工程にてデスミア処理が行われた基板を浸漬した。10秒浸漬した後、引き上げ速度4mm/秒で基板を引き上げた。
その後、浸漬により形成された塗膜に、三永電機製のUV露光機(型番:UVF−502S、ランプ:UXM−501MD)を用い、10mW/cmの照射パワー(ウシオ電機製紫外線積算光量計UIT150−受光センサーUVD−S254で照射パワーを測定)、を用いて10秒間、即ち、積算露光量としては100mJ/cmで露光を行った。
これにより、絶縁層上の膜厚が3μm、ビアホールの底部上の膜厚が30μmの樹脂層を得た。
得られた樹脂層について、重合性基の消費率を測定したところ、15%であった。また、絶縁層上の樹脂層の表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.08μmであった。
本工程で得られた樹脂層の写真(日立ハイテク社製走査電子顕微鏡SU-1500による)を、図3に示す。
[(E)工程]
(D)工程後、5質量%のNaOH水溶液(液温50℃)を用い、基板の表面を2分間シャワー洗浄した。
このシャワー洗浄後、走査型レーザー顕微鏡(キーエンス社製 VK9700)を用いて、2000孔のビアホールを観察し、ビアホールの底部における樹脂層の除去率を算出した。実施例1におけるビアホールの底部における樹脂層の除去率は100%であった。
本工程で底部の樹脂層が除去されたビアホールの写真(日立ハイテク社製走査電子顕微鏡SU-1500による)を、図4に示す。
[(F)工程]
水溶性有機溶媒として、ジエチレングリコールジエチルエーテル(和光純薬社製)39質量部、水40.75質量部、硝酸(和光純薬社製)20質量部、及び酢酸パラジウム(和光純薬社製)0.25質量部からなるパラジウム触媒液を調製し、このパラジウム触媒液に(E)工程で得られた基板を5分間浸漬した後、水で洗浄を行った。
その後、上村工業(株)製スルカップPGT(PGT−A、PGT−B、PGT−C)を用い、下記組成の無電解めっき浴を用い、無電解めっき温度26℃で、30分間無電解めっきを行った。得られた無電解銅めっき膜の厚みは、絶縁層上、ビアホールの底部上、共に、0.5μmであった。
無電解めっき浴の原料は以下の通りである。
・蒸留水 79.2質量%
・PGT−A 9.0質量%
・PGT−B 6.0質量%
・PGT−C 3.5質量%
・ホルマリン(和光純薬:ホルムアルデヒド液) 2.3質量%
得られた無電解銅めっき膜付き基板に対し、以下のようにして、電気めっきを行った。
即ち、荏原ユージライト社製のCU−BRITE VFII−A、及びCU−BRITE VFII−Bを用い、以下の原料構成にて電気めっき液を調製し、これを用いて、30分間の電気めっきを行った。なお、電気めっきの際の電流値は0.3A/dmであった。
・蒸留水 80.30質量%
・硫酸銅5水和物(和光純薬) 16.06質量%
・濃硫酸 2.01質量%
・VFII−A 1.64質量%
・VFII−B 0.08質量%
・塩酸 0.01質量%
得られた電気銅めっき膜の厚みは絶縁膜上で18μm、ビアホールの底部上で40μmであった。
本工程でめっきが施されたビアホールの写真(日立ハイテク社製走査電子顕微鏡SU-1500による)を、図5に示す。
<評価>
(密着性評価)
密着性の評価は、[(B)工程]を除く以外は全て実施例1と同様の工程を行うことで、実施例1に対応するビア構造の無いめっき層付き基板を得た。その後、このめっき層付き基板に、180℃にて1時間の熱処理を施した。
その後、得られためっき層の5mm幅について、引張試験機((株)エー・アンド・デー製、RTM−100)を用いて、引張強度10mm/minにて、90°ピール強度の測定を行った。その結果、密着力は0.5kN/mであった。
〔実施例2〜4〕
実施例1の[(D)工程]において、浸漬により形成された塗膜に対する露光量を、50mJ/cm(実施例2)、125mJ/cm(実施例3)、150mJ/cm(実施例4)にそれぞれ変えた以外は実施例1と同様にして、多層配線基板を製造した。
実施例2では、[(D)工程]における露光量を50mJ/cmとすることで、絶縁層上の膜厚が3μm、ビアホールの底部上の膜厚が30μmの樹脂層が得られた。また、得られた樹脂層について、重合性基の消費率を測定したところ、10%であった。更に、絶縁層上の樹脂層の表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.08μmであった。続いて、このような樹脂層を有する基板を[(E)工程]に供した。
[(E)工程]におけるシャワー洗浄後、走査型レーザー顕微鏡(キーエンス社製 VK9700を用いて、2000孔のビアホールを観察し、ビアホールの底部における樹脂層の除去率を算出した。実施例2におけるビアホールの底部における樹脂層の除去率は100%であった。
実施例3では、[(D)工程]における露光量を125mJ/cmとすることで、絶縁層上の膜厚が3μm、ビアホールの底部上の膜厚が30μmの樹脂層が得られた。また、得られた樹脂層について、重合性基の消費率を測定したところ、18%であった。更に、絶縁層上の樹脂層の表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.08μmであった。続いて、このような樹脂層を有する基板を[(E)工程]に供した。
[(E)工程]におけるシャワー洗浄後、走査型レーザー顕微鏡(キーエンス社製 VK9700を用いて、2000孔のビアホールを観察し、ビアホールの底部における樹脂層の除去率を算出した。実施例3におけるビアホールの底部における樹脂層の除去率は100%であった。
実施例4では、[(D)工程]における露光量を150mJ/cmとすることで、絶縁層上の膜厚が3μm、ビアホールの底部上の膜厚が30μmの樹脂層が得られた。また、得られた樹脂層について、重合性基の消費率を測定したところ、20%であった。また、絶縁層上の樹脂層の表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.08μmであった。続いて、このような樹脂層を有する基板を[(E)工程]に供した。
[(E)工程]におけるシャワー洗浄後、走査型レーザー顕微鏡(キーエンス社製 VK9700を用いて、2000孔のビアホールを観察し、ビアホールの底部における樹脂層の除去率を算出した。実施例4におけるビアホールの底部における樹脂層の除去率は100%であった。
<評価>
(密着性評価)
密着性の評価は、[(B)工程]を除く以外は全て実施例2〜4と同様の工程を行うことで、実施例2〜4のそれぞれに対応する、ビア構造の無いめっき層付き基板を得た。その後、このめっき層付き基板に、180℃にて1時間の熱処理を施した。
その後、得られためっき層の5mm幅について、引張試験機((株)エー・アンド・デー製、RTM−100)を用いて、引張強度10mm/minにて、90°ピール強度の測定を行った。その結果、実施例2〜4の密着力はいずれも0.5kN/mであった。
〔実施例5、6〕
実施例1の[(D)工程]において、浸漬により形成された塗膜に対する露光量を、400mJ/cm(実施例5)、350mJ/cm(実施例6)に変え、また、[(E)工程]において、シャワー洗浄時間を変えた以外は実施例1と同様にして、多層配線基板を製造した。
実施例5では、[(D)工程]における露光量を400mJ/cmとすることで、絶縁層上の膜厚が3μm、ビアホールの底部上の膜厚が30μmの樹脂層が得られた。また、得られた樹脂層について、重合性基の消費率を測定したところ、40%であった。更に、絶縁層上の樹脂層の表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.08μmであった。続いて、このような樹脂層を有する基板を[(E)工程]に供した。
実施例5では、[(E)工程]におけるシャワー洗浄時間を10分にした。シャワー洗浄後、走査型レーザー顕微鏡(キーエンス社製 VK9700を用いて、2000孔のビアホールを観察し、ビアホールの底部における樹脂層の除去率を算出した。その結果、ビアホールの底部における樹脂層の除去率は99.5%であった。
なお、[(E)工程]におけるシャワー洗浄時間を延長したところ、ビアホールの底部における樹脂層の除去率は100%となることが確認された。
実施例6では、[(D)工程]における露光量を350mJ/cmとすることで、絶縁層上の膜厚が3μm、ビアホールの底部上の膜厚が30μmの樹脂層が得られた。また、得られた樹脂層について、重合性基の消費率を測定したところ、35%であった。更に、絶縁層上の樹脂層の表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.08μmであった。
実施例6では、[(E)工程]におけるシャワー洗浄時間を10分にした。シャワー洗浄後、走査型レーザー顕微鏡(キーエンス社製 VK9700を用いて、2000孔のビアホールを観察し、ビアホールの底部における樹脂層の除去率を算出した。実施例6におけるビアホールの底部における樹脂層の除去率は100%であった。
<評価>
(密着性評価)
密着性の評価は、[(B)工程]を除く以外は全て実施例5、6と同様の工程を行うことで、実施例5、6のそれぞれに対応する、ビア構造の無いめっき層付き基板を得た。その後、このめっき層付き基板に、180℃にて1時間の熱処理を施した。
その後、得られためっき層の5mm幅について、引張試験機((株)エー・アンド・デー製、RTM−100)を用いて、引張強度10mm/minにて、90°ピール強度の測定を行った。その結果、実施例5、6の密着力はいずれも0.5kN/mであった。
〔比較例1〕
実施例1において、[(D)工程]を以下の[(D’)工程]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[(A)工程]から[(E)工程]までを実施した。
[(D’)工程]
即ち、[(D’)工程]では、重合性基及び相互作用性基を有する樹脂Aを用いずに、味の素ファインテクノ社製エポキシ系絶縁膜GX−13(膜厚40μm)を用い、これをラミネートすることで樹脂層を形成した。ラミネートは、真空ラミネーターを用い、0.2MPaの圧力、100℃〜110℃の条件で行った。
これにより、絶縁層上が35μm、ビアホールの底部上も35μmの樹脂層を得た。
また、絶縁層上の樹脂層の表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.2μmであった。
[(D’)工程]を経て得られた基板を[(E)工程]に供したところ、[(D’)工程]で形成された樹脂層は、処理液によるアルカリ膨潤を示さず、ビアホールの底部における樹脂層の除去率は0%、即ち除去することができなかった。
更に、[(D’)工程]で形成された樹脂層は、めっき触媒元素と相互作用を形成する官能基を有しないため、[(F)工程]に供した場合にめっきの析出は見られなかった。
本発明の(A)〜(E)工程を説明するための概略分断面図である。 シャワーによる処理液の付与時間(2分間、10分間)における、樹脂層中の重合性基の消費率(樹脂層の硬化の程度)と、ビアホールの底部における樹脂層の除去率と、の関係図である。 (D)工程で得られた樹脂層の断面写真である。 (E)工程で底部の樹脂層が除去されたビアホールの断面写真である。 (F)工程でめっきが施されたビアホールの断面写真である。
符号の説明
10 基板
20a、20b 金属膜(電気導通可能な部位)
30a、30b 絶縁層
30ah ビアホールの底部の絶縁層
40 ビアホール
50 樹脂層
50h ビアホールの底部の樹脂層

Claims (8)

  1. (A)表面に電気導通可能な部位を有する基板の該表面に、絶縁層を形成する工程と、
    (B)前記(A)工程で形成された絶縁層をレーザー又はドリルにより部分的に除去し、ビアホールを形成する工程と、
    (C)前記(B)工程にてビアホールが形成された面に対しデスミア処理を行い、前記ビアホールの底部における前記絶縁層の残渣を除去する工程と、
    (D)前記(C)工程にてデスミア処理が行われた面上に、めっき触媒元素と相互作用を形成する官能基及び重合性基を有する樹脂を用いた樹脂層を形成する工程と、
    (E)前記(D)工程によりビアホールの底部に形成された樹脂層を、処理液を付与して除去する工程と、
    (F)前記(E)工程後に残存する樹脂層に対してめっき触媒を付与した後、めっきを行う工程と、
    を含む多層配線基板の製造方法。
  2. 前記(D)工程で形成される樹脂層が半硬化の状態である請求項1に記載の多層配線基板の製造方法。
  3. 前記(E)工程で行われる処理液の付与が、前記(D)工程で形成された樹脂層の全面に対して行われるものである請求項1又は請求項2に記載の多層配線基板の製造方法。
  4. 前記(D)工程で形成された、前記絶縁層上の樹脂層の表面粗さ(Ra)が0.1μm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の多層配線基板の製造方法。
  5. 前記(E)工程で用いられる処理液が、アルカリ性を示す化合物を含む水溶液、又は溶剤を含む水溶液である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の多層配線基板の製造方法。
  6. 前記(D)工程で用いられるめっき触媒元素と相互作用を形成する官能基及び重合性基を有する樹脂が、下記式(1)で表されるユニット、及び、下記式(2)で表されるユニットを含む共重合体であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の多層配線基板の製造方法。

    〔式(1)及び式(2)中、R〜Rは、夫々独立して、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表し、X、Y及びZは、夫々独立して、単結合、置換若しく無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、L及びLは、夫々独立して、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。〕
  7. 前記(F)工程で使用されるめっき触媒の元素がPdであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の多層配線基板の製造方法。
  8. 前記(F)工程におけるめっき触媒の付与がめっき触媒液を用いて行われ、該めっき触媒液が水溶性の有機溶剤と水とを含有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の多層配線基板の製造方法。
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