JP2011213019A - めっき受容性フィルム及びそれを用いた金属膜材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の基板表面に、めっき触媒若しくはその前駆体の受容性が良好なめっき受容層を形成しうるめっき受容性フィルム及びこれを用いた、金属層と基板との密着性に優れた金属層付き基板を、容易に形成することができる金属膜材料の製造方法を提供する。
【解決手段】めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基を有する樹脂層の一方の表面に、分子内に少なくとも2つの反応性基を有する低分子化合物を付与してなるめっき受容性フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、めっき受容性フィルム及びそれを用いた金属膜の製造方法に関する。
従来、絶縁性基板の表面に金属パターンによる配線を形成した金属配線基板が、電子部品や半導体素子に広く用いられている。
かかる金属パターンを形成する金属層は、主として「金属箔に凹凸をつけ、そこに接着剤を用いて絶縁樹脂と接着させる方法」、「金属箔に凹凸をつけ、そこに硬化前の絶縁樹脂を流し込み食い込ませることにより接着させる方法」、もしくは、「絶縁樹脂の表面に凹凸をつけ、そこにめっき法を用いて金属層を樹脂に食い込ませる形で析出させる方法」などにより形成される。
これらの方法により得られる金属層においては、基板表面に凹凸を設けることにより生じるアンカー効果により、基板と金属膜との間の密着性を発現させている。そのため、得られた金属パターンの基板界面部の凹凸に起因して、金属配線として使用する際の高周波特性が悪くなるという問題点があった。また、基板表面に凹凸化処理するためには、クロム酸などの強酸で基板表面を処理することが必要であるため、金属膜と基板との密着性に優れた金属パターンを得るためには、煩雑な工程が必要であるという問題点があった。
また、金属パターンを作らない場合、例えば、樹脂表面の全面に亘り装飾用にめっきをするような場合も、クロム酸などの酸化性の液で基板表面を粗化処理することは必要であるが、近年、環境問題から、クロム処理を極力少なくするか、もしくは、クロム処理を用いない金属膜形成方法が望まれている。
これらの問題を解決するため、基板の表面にプラズマ処理を行い、基板表面に重合開始基を導入し、その重合開始基からモノマーを重合させて、基板表面に極性基を有する表面グラフトポリマーを生成させるという表面処理を行うことで、基板の表面を粗面化することなく、基板と金属膜との密着性を改良させる方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。しかしながら、この方法によれば、グラフトポリマーが極性基を有することから、温度や湿度変化により水分の吸収や脱離が生じ易く、その結果、形成された金属膜や基板が変形してしまうという問題を有していた。
金属膜を形成する基板の表面平滑性は、金属膜の特性に大きく影響し、平滑性は高いほど、伝送損失や高周波伝送等の電気特性を向上させうるため好ましい。
各種の基板表面に金属膜を形成する方法としては、無電解めっきや電気めっきなどを用いる方法が挙げられ、めっき浴の組成やめっき条件を制御することで任意の金属膜を形成することができる。
部分めっきを行うための樹脂材料として、重合性基を有する感熱性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この樹脂材料は熱硬化性であるため、フルアディティブ法を用いて、例えば、ラインアンドスペースが10μm以下であるような微細な電気配線を形成するのは困難であり、特に表面を粗化する工程を含んでいないが、平滑面の電気特性上の重要性に関する開示は無く、テープ剥離のみの評価であるため平滑面上への金属層の密着力についても、電気配線へ応用する場合は十分な性能であるとは言い難かった。
めっきを行うためには、基板表面にめっき触媒などの金属を付着させることを要するが、このとき、基板をめっき液や電解液中に浸漬して使用するため、このような液中でもめっき触媒などの金属を安定に受容するとともに、めっき液などによる損傷を受けにくく、平滑な触媒受容層の形成、ならびに、めっき層が強固に密着する平滑な触媒受容層は、特に微細配線や高周波伝送が必要とされる電気配線分野において切望されている。
Advanced Materials 2000年 20号 1481−1494
特開平11−350149号公報
本発明は、上記従来の技術の欠点を考慮してなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
本発明の目的は、基板上に密着性に優れためっき金属膜を簡易に形成するのに有用な、所望の基板表面にめっき触媒若しくはその前駆体の受容性が良好なめっき受容層を形成しうるめっき受容性フィルムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、前記本発明のめっき受容性フィルムを用いることで、金属層と基板との密着性に優れた金属層付き基板を、容易に形成することができる金属膜材料の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、以下に示す手段により上記目的を達成しうることを見出し、本発明を完成した。
<1> めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基を有する樹脂層の一方の表面に、分子内に少なくとも2つの反応性基を有する低分子化合物を付与してなるめっき受容性フィルム。
<2> 前記低分子化合物における少なくとも2つの反応性基が、互いに反応性の異なる少なくとも2種の反応性基を含む<1>に記載のめっき受容性フィルム。
<3> 前記樹脂層の、低分子化合物を付与した面に存在する反応性基が、樹脂層の低分子化合物を付与しない面に存在する反応性基の1.5倍以上である<1>又は<2>に記載のめっき受容性フィルム。
<4> 前記低分子化合物における少なくとも2つの反応性基が、光反応性基と、熱反応性基と、である<1>に記載のめっき受容性フィルム。
<5> 前記低分子化合物の分子量が、3000以下である<1>〜<4>のいずれか1項に記載のめっき受容性フィルム。
<6> 前記樹脂層に含まれる樹脂の重量平均分子量が、3000以上100万以下である<1>〜<5>のいずれか1項に記載のめっき受容性フィルム。
<7> 前記樹脂層に含まれる樹脂が、モノマーユニット100に対して5以上400以下のめっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基を有する<1>〜<6>のいずれか1項に記載のめっき受容性フィルム。
<8> 前記樹脂層のガラス転移温度が、200℃以下である<1>〜<7>のいずれか1項に記載のめっき受容性フィルム。
<9> 前記樹脂層の膜厚が、0.05μm以上5μm以下である<1>〜<8>のいずれか1項に記載のめっき受容性フィルム。
<10> 前記樹脂層における低分子化合物を付与してなる表面上に、カバーフィルムを備える<1>〜<9>のいずれか1項に記載のめっき受容性フィルム。
<11> めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基を有する樹脂層表面に、エネルギーを付与する工程と、
該樹脂層のエネルギーを付与した面に、分子内に少なくとも2つの反応性基を有する低分子化合物を付与してめっき受容性フィルムを作製する工程と、
該めっき受容性フィルムにおける低分子化合物を付与した面を基板に接触させて、エネルギーを付与し、該樹脂層を基板に密着させる工程と、
該樹脂層に、めっき触媒又はその前駆体を付着させる工程と、
めっきを行う工程と、
を有する金属膜材料の製造方法。
<12> 前記めっきを行う工程が、無電解めっきを行う工程である<11>に記載の金属膜材料の製造方法。
なお、本発明の金属膜材料の製造方法は、前記構成としたために、金属層と基板との密着性に優れた金属層付き基板を、容易に形成することができるのみならず、従来問題となっていた、クロム酸処理などの、環境に有害な前処理を行うことなく、樹脂層との密着性に優れためっき金属膜を形成するという利点をも有するものである。
本発明によれば、基板との密着性に優れためっき金属膜を簡易に形成するのに有用な、所望の基板表面にめっき触媒若しくはその前駆体の受容性が良好なめっき受容層を形成しうるめっき受容性フィルムを提供することができる。
また、本発明によれば、前記本発明のめっき受容性フィルムを用いることで、金属層と基板との密着性に優れた金属層付き基板を、容易に形成することができる金属膜材料の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔めっき受容性フィルム〕
本発明のめっき受容性フィルムは、めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基を有する樹脂層の一方の表面に、分子内に少なくとも2つの反応性基を有する低分子化合物を付与してなる。
即ち、本発明のめっき受容性フィルムは、めっき触媒若しくはその前駆体と相互作用を形成する官能基を有する樹脂層がめっき受容層を形成し、また、その一方の表面には、分子内に少なくとも2つの反応性基を有する多官能低分子化合物を付与することで、めっき受容層を任意の基板(支持体)表面に密着させるための反応性基が高密度で存在することになる。従って、本発明のめっき受容性フィルムを用いて、反応性の低分子化合物が存在する樹脂層の片面を、めっき受容層を形成しようとする基板表面に接触させ、エネルギーを付与して反応性基により基板と結合させることで、任意の基板表面にめっき受容性に優れた樹脂層を簡易に形成しうることになる。
以下、めっき受容性フィルムを構成する各素材について順次説明する。
<めっき触媒若しくはその前駆体と配位結合性の相互作用を形成する官能基を有する樹脂層>
本発明における樹脂層は、めっき触媒若しくはその前駆体と配位結合性の相互作用を形成する官能基(以下、このような官能基を、適宜、「相互作用性基」と称する)を有するポリマー(以下、適宜、特定ポリマーと称する)を含有する。
本発明における相互作用性基を有するポリマーとしては、相互作用性基を有すると共に、吸水性が低く、更に、疎水性の高い化合物を用いることが好ましい。
そのような観点からは、特定ポリマーにおける相互作用性基としては、多座配位を形成可能な基、含窒素官能基、含硫黄官能基、含酸素官能基などの非解離性官能基が挙げられる。ここで、非解離性官能基とは、官能基が解離によりプロトンを生成せず、且つ、めっき触媒またはその前駆体と分子間力による相互作用による配位が可能な官能基をさす。
このような官能基は、めっき触媒若しくはその前駆体と配位結合性の相互作用を形成する機能はあっても、解離性の極性基(親水性基)のように高い吸水性、親水性を有するものではないため、この官能基を有するポリマーにより形成された樹脂塗膜は、アルカリ水溶液等の浸透し難い疎水性の塗膜を形成することが可能になる。
特定ポリマーが有する相互作用性基としては、金属イオンと配位結合による相互作用形成可能な基であることを要し、先に述べたように、金属イオンと配位形成可能な基、含窒素官能基、含硫黄官能基、含酸素官能基などの非解離性官能基が好ましく、具体的には、イミド基、ピリジン基、3級のアミノ基、アンモニウム基、ピロリドン基、アミジノ基、トリアジン環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、キノリン基、ピリミジン基、ピラジン基、ナゾリン基、キノキサリン基、プリン基、トリアジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、ピロリジン基、ピラゾール基、アニリン基、アルキルアミン基構造を含む基、イソシアヌル構造を含む基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基、シアノ基、シアネート基(R−O−CN)などの含窒素官能基、水酸基、カーボネート基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、N−オキシド構造を含む基、S−オキシド構造を含む基、N−ヒドロキシ構造を含む基などの含酸素官能基、チオフェン基、チオール基、チオシアヌール酸基、ベンズチアゾール基、メルカプトトリアジン基、チオエーテル基、チオキシ基、スルホキシド基、スルホン基、サルファイト基、スルホキシイミン構造を含む基、スルホキシニウム塩構造を含む基、スルホン酸エステル構造を含む基などの含硫黄官能基、ホスフォート基、ホスフォロアミド基、フォスフィン基などの含リン官能基、塩素、臭素などのハロゲン原子を含む基、及び不飽和エチレン基等が挙げられる。
また、隣接する原子又は原子団との関係により非解離性を示す態様であれば、イミダゾール基、ウレア基、チオウレア基を用いてもよい。更には、例えば、シクロデキストリンや、クラウンエーテルなどの包接能を有する化合物に由来する官能基であってもよい。
これらのなかでも、極性が高く、めっき触媒等への吸着能が高いことから、エーテル基(より具体的には、−O−(CH−O−(nは1〜5の整数)で表される構造)ピリジル基、シアノ基、エーテル基、チオエーテル基を含むものが好ましく、エーテル基(より具体的には、−O−(CH)n−O−(nは1〜5の整数)で表される構造)、又はシアノ基がより好ましく、シアノ基が最も好ましいものとして挙げられる。
これらの被解離性の相互作用性基は、めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する機能はあっても、解離性の極性基(親水性基)を有するものではないため、この官能基を有する樹脂層は、温・湿度依存性が低いものとなる。
本発明において、相互作用性基を有する化合物は、モノマー、マクロモノマー、ポリマーのいずれの形態あってもよく、中でも、樹脂層の形成性と、制御の容易性の観点から、ポリマー(相互作用性基を有するポリマー)を用いることが好ましい。
また、本発明に係る特定ポリマーには、相互作用性基とともに重合性基を有していてもよい。分子内に相互作用性基と重合性基とを有することで、基板との密着性が向上するが、本発明においては、後述するように、基板との密着性に寄与する多官能の反応性低分子化合物を付与してなる層を設けるために、樹脂層に含まれる特定ポリマーには、重合性基は必ずしも必要ではない。
本発明に用いうる特定ポリマーとしては、相互作用性基を有するモノマーを用いて得られるホモポリマーやコポリマーが好ましく、さらに所望により、重合性基として、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基などのエチレン付加重合性不飽和基(重合性基)を導入してもよい。特定ポリマーが重合性基を有する場合、少なくとも主鎖末端又は側鎖に重合性基を有するものであり、側鎖に重合性基を有するものが好ましい。
なお、本明細書では、「アクリル、メタクリル」の双方或いはいずれかを指す場合、「(メタ)アクリル」と表記することがある。
前記重合性基及び相互作用性基を有するポリマーを得る際に用いられる相互作用性基を有するモノマーとしては、前記記載の非解離性官能基を有するモノマーであればいかなるモノマーも使用可能であるが、例えば、具体的には、以下に示すものが挙げられる。
これらは1種を単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
また、特定ポリマーは、相互作用性基を2以上有する多官能相互作用性基ユニットを有していてもよい。
多官能相互作用性基ユニットにおける相互作用性基は、上述したものと同様である。
多官能相互作用性基ユニットとしては、下記一般式(I)で示される部分構造であることが好ましい。一般式(I)で示される部分構造は2官能ユニットを示す。
一般式(I)中、R及びRは、各々独立に、置換もしくは無置換の2価の有機基、又は単結合を表す。Xは、炭素原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ホウ素原子、及び水素原子から選択される原子を含んで構成される連結構造を表す。Y及びZは、各々独立に、相互作用性基を表す。
又はRとしては、無置換の2価の有機基が好ましく、更に好ましくは炭素原子、水素原子、酸素原子、及び窒素原子から選択される1以上の原子を含んで構成される2価の有機基である。
又はRで表される炭素原子、水素原子、酸素原子、及び窒素原子から選択される1以上の元素を含んで構成される2価の有機基としては、例えば、−(CH−で表される基(nは1〜9の整数を示す。)、−(CH−O−(CH−で表される基(m及びlは各々独立に1〜5の整数を示す。)、−(CH−NH−(CH−で表される基(j及びkは各々独立に1〜5の整数を示す。)等が挙げられる。
又はRで表される2価の有機基の例としては、例えば、−CH−、−(CH−、−(CH−、−O−(CH−、−O−CH−、−O−(CH−、−CH−O−(CH−、−CH−O−CH−、−CH−O−(CH−、−(CH2)−O−(CH−、−(CH−O−CH−、−(CH−O−(CH−などが挙げられる。
Xで表される炭素原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ホウ素原子、及び水素原子から選択される原子を含んで構成される連結構造としては、例えば、CH、N、B、P=O、SiMe及びこれらを含んで構成される連結構造が挙げられる。
Y及びZは、各々独立に、相互作用性基を表す。Y又はZで表される相互作用性基は、多官能相互作用性基ユニットにおける相互作用性基として前記したものと同義である。Y及びZで表される相互作用性基は同一であることが好ましい。
一般式(I)で示される部分構造には、更に、相互作用性基を有する1価の有機基(−L−Y)を1以上導入して、3官能以上の相互作用性基ユニットにすることもできる。ここで、Lは、前記Lと同義であり、好ましい例も同様である。
多官能相互作用性基ユニットにおいて、各相互作用性基間に存在する原子数としては、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5が更に好ましい。ここで、各相互作用性基間に存在する原子数とは、多官能相互作用性基ユニットにおける一の相互作用性基から他の相互作用性基に至る迄の間に連結結経路が複数ある場合には、使用される原子数が最も少ない経路を構成する原子の数を意味する。
また、多官能相互作用性基ユニットとしては、相互作用性基と金属とで形成されるキレート構造の安定性の観点から、金属に配位してキレート構造をとった際に、6〜15員環構造を形成しうるものであることが好ましい。
多官能相互作用性基ユニットは、多官能相互作用性基ユニットを有するモノマーを用いることにより特定グラフトポリマーに導入することができる。多官能相互作用性基ユニットを有するモノマーをとしては、例えば、下記に示す化合物が挙げられる。
相互作用性基を有する樹脂において、相互作用性基を有するモノマーに由来するユニットは、めっき触媒又はその前駆体との相互作用形成性の観点から、特定ポリマーを構成するユニットを100とした場合、5以上400以下の範囲で含有されることが好ましく、5以上100以下の範囲で含有されることがより好ましい。
上記範囲において、十分なめっき触媒吸着量が達成されるとともに、相互作用性基が多すぎることに起因する樹脂との密着性低下の懸念もない。
特定ポリマーの合成に用いられる、相互作用性基を有するモノマーは、一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、相互作用性基を有するポリマーを得る際には、上記相互作用性基を有するモノマー以外に、他のモノマーを併用して合成されたものであってもよい。
例えば、吸水性を低下させるため、また、疎水性を向上させるために、用いられる他のモノマーとしては、一般的な重合性モノマーを用いてよく、例えば、ジエン系モノマー、アクリル系モノマー等が挙げられる。
なかでも、無置換アルキルのアクリル系モノマーが好ましい。具体的には、ターシャリーブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルメタクリレートなどが好ましく使用できる。
なお、本発明における樹脂層における、めっき触媒等に対する受容性と基板との密着性と、のバランスの観点からは、樹脂層に含まれる相互作用性基を有する樹脂には特に重合性基は必要なく、相互作用性基を有する樹脂に対する重合性基の含有量としては、50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましく、全く含まないことも好ましい態様である。
以下、本発明において好適に用いられる相互作用性基を有する樹脂について説明する。相互作用性基を有する樹脂としては、以下に示す一般式(A1)及び一般式(A2)で示される構造単位を含むポリマーが挙げられる。
前記一般式(A1)及び一般式(A2)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表し、X、Y及びZは、各々独立に、単結合、置換若しく無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、L及びLは、各々独立に、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
また、好ましい別の態様として、以下に示す一般式(B1)及び一般式(B2)で示される構造単位を含むポリマーが挙げられる。
前記一般式(B1)及び一般式(B2)中、R11〜R15は、各々独立に、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。U、V及びWは、各々独立に、置換若しく無置換の2価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表す。L11、L12、L13、及びL14は、各々独立に、単結合、又は置換若しくは無置換の2価の有機基を表す。Xは、炭素原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ホウ素原子、及び水素原子から選択される原子を含んで構成される連結構造を表す。Y11及びZ11は、各々独立に、チオエーテル基、フォスフィン基、イミダゾール基、水酸基、ピリジン基、アミノ基、ピロリドン基、シアノ基、エーテル基、又は不飽和エチレン基を表す。
さらに、これら一般式に包含されないポリマーであっても、少なくとも分子内に相互作用性基を有する構造単位を含むポリマーであれば、本発明に使用することができる。
以下に、本発明に好適に使用しうる相互作用性基を有する構造単位を含むポリマーの具体例を示す。
上記構造単位に併記されるk、l、m、及び、nは当該構造単位の重合モル比であり、2元共重合体の場合、l:m比は95:5〜0:100の範囲であり、3元共重合体の場合、k:l:m比は、(k+l):mが100:0〜5:95の範囲であり、nが併記されている構造単位は、当該構造単位の単独重合体を表す。
上記ポリマーの重量平均分子量は、3000〜100万の範囲である。
本発明において好適に用いられる相互作用性基を有する樹脂としては、前記相互作用性基を有し、重合性基を有しないポリマーに加え、相互作用性基と重合性基とを有するポリマーを用いてもよく、そのようなポリマーの具体例としては、特開2008−104909号公報、段落番号〔0064〕〜〔0074〕、特開2008−274390号公報、段落番号〔0066〕〜〔0077〕、特開2009−13463号公報、段落番号〔0098〕〜〔0115〕記載の化合物が挙げられる。
特定ポリマーのガラス転移温度(以下、Tgとも称する)は、200℃以下が好ましく、より好ましくは100℃以下、より好ましくは50℃以下である。Tgを200℃以下とすることで、膜としてのハンドリング性が良好となり、また、転写法工程を含む処理においても、転写処理が容易に行える。
特定ポリマーのTgを200℃以下とするためには、ポリマーの結晶性や配向性を制御し運動性をおさえる方法をとることが好ましい。例えば、主鎖骨格に剛直な複素環や芳香族環などを含まないようにしたり、水素結合等を減らして分子内の相互作用を極力減らしたりするような方法が有効であることが知られている。
樹脂層に含まれる本発明に係る特定ポリマーの重量平均分子量は3000以上100万以下が好ましく、より好ましくは10000以上30万以下であり、さらに好ましくは20000以上10万以下の範囲である。重量平均分子量が3000以上とすることで、転写膜を形成した場合におけるひび割発生が抑制され、また、分子量を100万以下とすることで樹脂層を製膜する際の粘度が適切に高くなりすぎず、ハンドリングし易い。
なお、特定ポリマーの構造はH−NMRにて同定できる。また、ポリマーの重量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質として用いてGPCにより解析を行うことにより測定できる。
樹脂層は前記特定ポリマーを適切な溶剤に溶解させて得られた樹脂層塗布液を用いて製膜することで形成される。
塗布液調製に用いる溶媒は、溶媒としては、水,および有機溶媒が使用される。有機溶媒は親水性の溶媒,疎水性の溶媒いずれも使用することができ、それらの特定ポリマー成分が溶解するものであれば特に制限されない。乾燥の容易性、作業性の観点からは、沸点が高すぎない溶媒が好ましく、具体的には、沸点40℃〜150℃程度のものを選択すればよい。
有機溶剤としては、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシプロパノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテートなどが挙げられる。また、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒も使用できる。これらの溶媒は、単独或いは混合して使用することができる。
樹脂層の厚みとしては0.05μm以上5μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以上3μm以下であり、より好ましくは0.3μm以上2μm以下である。
樹脂層の厚みを上記範囲とすることで、転写に適する強度を有する樹脂膜が形成され、且つ、製膜性が良好で、膜欠陥の発生が抑制され、形成された金属膜の均一性に優れ、引き続き行われるめっきにより形成される金属膜が均一でムラのないものとなる。また、厚みを5μm以下とすることで、基板と樹脂層との密着性を十分にとることができる。
樹脂層形成用塗布液中の特定ポリマーの含有量は、固形分換算で。0.1質量%以上80質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以上50質量%以下の範囲である。
樹脂層はハンドリング性の観点から、樹脂製シートなどの適切な仮支持体の表面に形成してもよい。
<(B)分子内に少なくとも2つの反応性基を有する低分子化合物>
前記樹脂層の一方の表面に、分子内に少なくとも2つの反応性基を有する低分子化合物、即ち、多官能低分子化合物(以下、適宜、多官能化合物と称する)を付与する。
分子内に存在する反応性基は、2以上であれば問題はないが、2つ〜6つ含むものが好ましく、更に好ましくは2つ又は3つであり、平滑性、膜形成感度の観点からは、反応性基を2つ有するものがより好ましい。
これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、即ち2量体、3量体、及び、オリゴマーであって反応性基を有するもの、またはそれらの混合物などの化学的形態をもつものも含まれる。本発明における低分子化合物としては、分子量が3000以下の化合物であることが好ましく、より好ましくは、分子量80以上、1500以下の範囲である。
本発明における多官能化合物が有する反応性基としては、エポキシ基(オキシラン環)、オキセタン環、イソシアネート基、重合性不飽和二重結合、シランカップリング基などが挙げられ、これら反応性基を分子内に2つ以上もつ低分子化合物であれば特に制限はない。
なお、多官能化合物が有する2つ以上の反応性基は1種のみであっても、互いに異なる2種以上あってもよいが、効果の観点からは、互いに反応性や反応機構が異なる2種以上を組み合わせたものが好ましい。互いに異なる2種以上の反応性基の組み合わせとしては、例えば、光反応性基と、熱反応性基との組み合わせ、 ラジカル反応性基と重縮合性反応基との組み合わせ、或いは、反応開始温度の異なる重合性基同士の組み合わせや、光感度や感光波長の異なる反応性基同士の組み合わせなどが挙げられる。
このように、互いに反応性の異なる反応性基、例えば、熱反応性基と光反応性基とを有することで、めっき受容性フィルムにおける樹脂層表面の活性点の形成と多官能化合物との結合を、熱エネルギーを付与して行い、樹脂層表面に残存する光反応性基を用いて、所望の基板との密着を光エネルギーの付与により行うといった、反応性の相違を活かす多段階処理が容易に行いうるものとなる。
本発明における多官能化合物の具体例としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリペンタジエンなどのようなジエン系化合物;アリル(メタ)アクリレート、2−アリルオキシエチルメタクリレートなどのアリル基含有モノマーの重合体:ブタジエン、イソプレン、ペンタジエンなどのジエン系単量体もしくは、アリル基含有モノマーを構成単位として含む、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルなどの二元又は多元共重合体;不飽和ポリエステル、不飽和ポリエポキシド、不飽和ポリアミド、不飽和ポリアクリル、ポリエチレンなどの分子中に2以上の炭素−炭素二重結合を有する化合物;ビニル基、ビニルオキシ基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、オキセタン基、エポキシ基、イソシアネート基、活性水素を含む官能基、アゾ化合物における活性基などを2つ以上分子内にもつものが挙げられる。また、アリルグリシジルエーテルやグリシジルメタクリレートのように、反応性基が2種類以上あってもよい。
<分子内に少なくとも2つの反応性基を有する低分子化合物の付与>
樹脂層に上記多官能化合物を付与する方法としては、樹脂層にエネルギーを付与して(第1のエネルギー付与)樹脂層表面に活性点を発生させた後、(1)多官能化合物或いはその溶液に樹脂層を含浸する方法、(2)塗工機やインクジェット記録装置などの装置を用いて樹脂層の表面に多官能化合物をそのまま、或いは、溶剤に溶解して塗布する方法、(3)別支持体上にこの多官能化合物或いはその溶液を、塗布し、乾燥させた後、樹脂層上に転写する方法、(4)保護フィルム上に多官能化合物を含有する低分子化合物層を塗布によって設けておき、保護フィルムをかぶせる際に同時に付与する方法などが挙げられる。なお、(1)の浸漬法を行う場合には、樹脂層の片面に多官能化合物が付着しないようにする必要があり、例えば、保護フィルム、仮支持体などで一方の面を保護する必要がある。
(エネルギーの付与)
基板表面へのエネルギー付与方法としては、例えば、加熱や露光等の輻射線照射を用いることができる。例えば、UVランプ、可視光線などによる光照射、ホットプレートなどでの加熱等が可能である。光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。また、g線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。また、プラズマ処理やオゾン処理などによりエネルギーを付与することもできる。
一般的に用いられる具体的な態様としては、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レーザーによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが好適に挙げられる。
エネルギー付与に要する時間としては、目的とする特定ポリマーと基板のとの結合性、結合量及び光源の光強度により異なるが、通常、5秒〜1時間の間である。
このようにして、めっき受容性の樹脂層の一方の面に、反応性基が多数存在する密着性の表面が形成され、本発明のめっき受容性フィルムが得られる。即ち、本発明のめっき受容性フィルムにおいては、めっき受容性を有する樹脂層の一方の面に反応性基が偏在することが特徴である。樹脂層の片面に多官能化合物に起因する反応性基が偏在することの確認方法としては、樹脂層の表面を切削していき、膜の切削により露出する表面のIR測定を行って二重結合等の反応性基のピークの存在を調べる方法が挙げられる。このとき、同様にして、樹脂層のもう一方の表面から切削していき、膜の切削により露出する表面のIR測定を行って相互作用性基のピークの存在を調べることで、片面に反応性基が、他方の面に相互作用性基が偏在することが確認できる。また、切削した樹脂層を溶剤などに再溶解し、NMRやIR測定を行う方法や元素分析を行う方法などでも確認できる。
なお、相互作用性基の存在確認方法としては、溶剤に、樹脂が有する相互作用性基と相互作用を形成しうる金属イオンを溶解させて膜中に含浸させ、RBS法にて金属元素の分布をみる方法が挙げられる。
このように、上記手段により樹脂層における反応性基の存在を確認することで、本発明のめっき受容性フィルムにおける樹脂層の、多官能化合物を付与した一方の面に反応性基が偏在し、他方の面では主として相互作用性基のみが観察される。このように、基板とめっき受容性層との密着に寄与する反応性基がめっき受容性の樹脂層の片面のみに偏在することで、基板との強固な密着性が確保されるとともに、めっき触媒の受容性に寄与する面には、主として相互作用性基のみが存在することになり、樹脂層両面の機能を分離することで、任意の基板表面に、より効率よくめっき受容性の樹脂層を形成しうる。
得られためっき受容性フィルムは、多官能化合物を付与してなる反応性の樹脂層表面に保護フィルムを配置することも好ましい態様である。保護フィルムにより反応性基が多数存在する表面が保護され、そのまま流通させることができる。
なお、相互作用性基を有する樹脂層表面に、プラズマ処理、UV/オゾン処理などによりエネルギーを付与することで、処理表面には活性基が生じる。この活性基は、寿命が約半日〜一日ほどあり、この活性基が活性を有する間であれば、この活性基を基板との密着に使用することができる。即ち、相互作用性基を有する樹脂層表面にエネルギーを付与して活性基を生成させ、これに多官能化合物を付与することなく、保護フィルムで被覆してめっき受容性フィルムとすることができる。この態様のめっき受容性フィルムは、活性基が有効な期間のみ使用可能である。
<金属膜の作製方法>
次に、本発明のめっき受容性フィルムを用いた金属膜の形成方法について説明する。
めっき受容性フィルムの作成工程である、「めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基を有する樹脂層表面に、エネルギーを付与する工程と、該樹脂層のエネルギーを付与した面に、分子内に少なくとも2つの反応性基を有する低分子化合物を付与してめっき受容性フィルムを作製する工程」とは、既述の通りである。
<基板にめっき受容性フィルムを用いてめっき受容性の樹脂層を形成する工程>
次に、本発明のめっき受容性フィルムにおける低分子化合物を付与した面を、めっき受容性の樹脂層を形成しようとする基板に接触させて、エネルギーを付与し(第2のエネルギー付与)、該樹脂層を基板に密着させてめっき受容性樹脂層を基板表面に形成する。
この工程では、第2のエネルギー付与により、樹脂層の一方の表面に偏在する反応性基が基板と反応して結合し、樹脂層が基板に強固に密着する。
第2のエネルギー付与方法についても、第1のエネルギー付与におけるのと同様な方法を用いることができる。なお、第1のエネルギー付与の際、第二のエネルギー付与で起こってほしい反応が前もって起こらないようにする、すなわち、基板との密着に用いるための反応性基が所望されない反応を生じて、基板との密着性向上作用が低下することを抑制する、という観点からは、第1のエネルギー付与と第2のエネルギー付与とはエネルギー付与方法や付与量を変えることが望ましい。
なお、多官能化合物を付与していない樹脂層に、第1のエネルギー付与を行って活性点を発生させたものを、本発明におけるめっき受容性フィルムと同様に使用してもよい。即ち、第1のエネルギー付与により発生した活性点の中には、約半日程度その活性点を維持するものがあり、活性点の存在する間に、当該表面を直接基板に密着させて第2のエネルギー付与を行うことで、両者を密着させ、これにより基板表面にめっき受容性の樹脂層を形成することも可能である。
<樹脂層にめっき触媒又はその前駆体を付着させる工程>
本工程では、基板表面に密着させためっき受容性の樹脂層に、多座配位可能なめっき触媒又はその前駆体を付与する。本工程においては、樹脂層に含まれる樹脂が有する相互作用性基が、その機能に応じて、付与されためっき触媒又はその前駆体を付着(吸着)する。
ここで、めっき触媒又はその前駆体としては、後述するめっき工程における、めっきの触媒や電極として機能するものが挙げられる。そのため、めっき触媒又はその前駆体は、引き続き行われるめっき工程におけるめっきの種類により決定される。
なお、ここで、本工程において用いられるめっき触媒又はその前駆体は、無電解めっき触媒又はその前駆体であることが好ましい。
(無電解めっき触媒)
本発明において用いられるめっき触媒は、多座配位可能なものであれば、如何なるものも用いることができ、具体的には、多座配位可能なものであり、自己触媒還元反応の触媒能を有する金属(Niよりイオン化傾向の低い無電解めっきできる金属として知られるもの)などが挙げられ、具体的には、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。中でも、多座配位可能な官能基の種類、触媒能の高さから、Pdが特に好ましい。
(無電解めっき触媒前駆体)
本工程において用いられる無電解めっき触媒前駆体とは、化学反応により無電解めっき触媒となりうるものであれば、特に制限なく使用することができる。主には、上記無電解めっき触媒として挙げた金属の金属イオンが用いられる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、還元反応により無電解めっき触媒である0価金属になる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、樹脂層へ付与した後、無電解めっき浴への浸漬前に、別途還元反応により0価金属に変化させて無電解めっき触媒としてもよいし、無電解めっき触媒前駆体のまま無電解めっき浴に浸漬し、無電解めっき浴中の還元剤により金属(無電解めっき触媒)に変化させてもよい。
実際には、無電解めっき前駆体である金属イオンは、金属塩を用いて樹脂層上に付与する。使用される金属塩としては、適切な溶媒に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO、MCln、M2/n(SO)、M3/n(PO)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、例えば、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられ、多座配位可能な官能基の種類及び触媒能の高さの観点から、Pdイオンが触媒能の点で好ましい。
無電解めっき触媒である金属、或いは、無電解めっき前駆体である金属塩を樹脂層に付与する方法としては、金属を適当な分散媒に分散した分散液、或いは、金属塩を適切な溶媒で溶解し、解離した金属イオンを含む溶液を調製し、その分散液又は溶液を樹脂層上に塗布するか、或いは、その分散液又は溶液中に樹脂層が形成された基板を浸漬すればよい。無電解めっき触媒又はその前駆体を接触させることで、樹脂層中の相互作用性基に、ファンデルワールス力のような分子間力による相互作用、又は、孤立電子対による配位結合を利用して、無電解めっき触媒又はその前駆体を吸着させることができる。
このような吸着を充分に行なわせるという観点からは、接触させる分散液中の金属濃度、又は溶液中の金属イオン濃度は、0.01〜50質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。また、接触時間としては、1分〜24時間程度であることが好ましく、1分〜1時間程度であることがより好ましい。
(その他の触媒)
本発明において、後述するめっき工程において、樹脂層に対して、無電解めっきを行わず直接電気めっきを行うために用いられる触媒としては、0価金属を使用することができる。この0価金属としては、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられ、特に、相互作用性基に対する吸着(付着)性、触媒能の高さから、Pd、Ag、Cuが好ましい。
以上説明した本工程を経ることで、樹脂層中の相互作用性基とめっき触媒又はその前駆体との間に相互作用を形成することができる。
<めっきを行う工程>
本工程では、無電解めっき触媒又はその前駆体が付与された樹脂層に対し、めっきを行うことで、めっき膜が形成される。形成されためっき膜は、優れた導電性、密着性を有する。
本工程において行われるめっきの種類は、無電解めっき、電気めっき等が挙げられ、前記触媒の付与工程において、樹脂層との間に相互作用を形成しためっき触媒又はその前駆体の機能によって、選択することができる。
つまり、本工程では、めっき触媒又はその前駆体が付与された樹脂層に対し、電気めっきを行ってもよいし、無電解めっきを行ってもよい。
中でも、本発明においては、樹脂層中に発現するハイブリッド構造の形成性及び密着性向上の点から、無電解めっきを行うことが好ましい。また、所望の膜厚のめっき層を得るために、無電解めっきの後に、更に電気めっきを行うことがより好ましい態様である。
以下、本工程において好適に行われるめっきについて説明する。
(無電解めっき)
無電解めっきとは、めっきとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作のことをいう。
本工程における無電解めっきは、例えば、無電解めっき触媒が付与された基板を、水洗して余分な無電解めっき触媒(金属)を除去した後、無電解めっき浴に浸漬して行なう。使用される無電解めっき浴としては一般的に知られている無電解めっき浴を使用することができる。
また、無電解めっき触媒前駆体が付与された基板を、無電解めっき触媒前駆体が樹脂層に吸着又は含浸した状態で無電解めっき浴に浸漬する場合には、基板を水洗して余分な前駆体(金属塩など)を除去した後、無電解めっき浴中へ浸漬される。この場合には、無電解めっき浴中において、めっき触媒前駆体の還元とこれに引き続き無電解めっきが行われる。ここで使用される無電解めっき浴としても、上記同様、一般的に知られている無電解めっき浴を使用することができる。
なお、無電解めっき触媒前駆体の還元は、上記のような無電解めっき液を用いる態様とは別に、触媒活性化液(還元液)を準備し、無電解めっき前の別工程として行うことも可能である。触媒活性化液は、無電解めっき触媒前駆体(主に金属イオン)を0価金属に還元できる還元剤を溶解した液で、0.1%〜50%、好ましくは1%〜30%が良い。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ヂメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、次亜リン酸などの還元剤を使用することが可能である。
一般的な無電解めっき浴の組成としては、1.めっき用の金属イオン、2.還元剤、3.金属イオンの安定性を向上させる添加剤(安定剤)が主に含まれている。このめっき浴には、これらに加えて、めっき浴の安定剤など公知の添加物が含まれていてもよい。
無電解めっき浴に用いられる金属の種類としては、銅、すず、鉛、ニッケル、金、パラジウム、ロジウムが知られており、中でも、導電性の観点からは、銅、金が特に好ましい。
また、上記金属に合わせて最適な還元剤、添加物がある。例えば、銅の無電解めっきの浴は、銅塩としてCuSO、還元剤としてHCOH、添加剤として銅イオンの安定剤であるEDTAやロッシェル塩などのキレート剤、トリアルカノールアミンなどが含まれている。また、CoNiPの無電解めっきに使用されるめっき浴には、その金属塩として硫酸コバルト、硫酸ニッケル、還元剤として次亜リン酸ナトリウム、錯化剤としてマロン酸ナトリウム、りんご酸ナトリウム、こはく酸ナトリウムが含まれている。また、パラジウムの無電解めっき浴は、金属イオンとして(Pd(NH)Cl、還元剤としてNH、HNNH、安定化剤としてEDTAが含まれている。これらのめっき浴には、上記成分以外の成分が入っていてもよい。
このようにして形成される無電解めっきによるめっき膜の膜厚は、めっき浴の金属イオン濃度、めっき浴への浸漬時間、或いは、めっき浴の温度などにより制御することができるが、導電性の観点からは、0.5μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。
また、めっき浴への浸漬時間としては、1分〜6時間程度であることが好ましく、1分〜3時間程度であることがより好ましい。
以上のようにして得られた無電解めっきによるめっき膜は、SEMによる断面観察により、樹脂層中に無電解めっき触媒やめっき金属からなる微粒子がぎっしりと分散しており、更に樹脂層上にめっき金属が析出していることが確認された。基板とめっき膜との界面は、樹脂層と微粒子とのハイブリッド状態であるため、基板(有機成分)と無機物(触媒金属又はめっき金属)との界面が平滑(例えば、凹凸差が500nm以下)であっても、密着性が良好となる。
このようにして、任意の基板表面にめっき受容性フィルムにより容易にめっき受容性の樹脂層が形成されるため、本発明のめっき受容性フィルムの応用範囲は広い。
なお、本発明の方法により得られた金属層付き基板においては、表面に形成された金属層をパターン状にエッチングする工程を施すことで、表面に金属パターンを有する基板を得ることができる。エッチング工程については、公知のパターニング方法を適宜応用することができる。
また、本発明の方法により、クロム混酸などによる粗化といった、環境に有害な前処理をとることなく、樹脂との密着の良い金属膜を形成することができる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」「部」は質量基準である。
〔実施例1〕
(めっき受容性フィルムの作製)
仮支持体として厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの表面に、アセトン/メチルエチルケトン(MEK)=1/1に溶解させたNBR樹脂(高ニトリルタイプ:日本ゼオン社製、商品名、Nipol 1072J、Tg:100℃以下)を、乾燥後の厚みが1.5μmになるように塗布したのち、120℃で1分間乾燥させてNBR樹脂膜を形成した。
該NBR樹脂膜の表面にプラズマ処理(0.1torr,空気プラズマ、放電出力50W)を6秒施した後、NBR樹脂膜表面にアリルグリシジルエーテル(分子内に少なくとも2つの反応性基を有する低分子化合物、分子量:114)を、スピンコート法で0.2μmの厚みになるように塗布し、140℃で20分乾燥することで付与した。
その後、アリルグリシジルエーテルを付与したNBR樹脂膜表面を、保護フイルムである20μmのポリプロピレンフイルムで被覆して実施例1のめっき受容性フィルムを得た。
(めっき受容性フィルムの評価)
得られためっき受容性フィルムにおけるNBR樹脂層のアリルグリシジルエーテルを付与した面と、仮支持体に接する面において二重結合の存在比率を以下の方法にて確認したところ、アリルグリシジルエーテルを付与した面は、存在比率が高く、仮支持体に接する面よりも二重結合が多く存在し、アリルグリシジルエーテルを付与した面に反応性の二重結合が偏在することが確認された。
(二重結合の確認方法)
めっき受容性フィルム膜の表面を切削していき、IR測定を行い、二重結合のピークの存在を調べた。また、同様に相互作用性基のピークの存在を調べた。
さらに、溶剤に相互作用しうる金属イオンを溶解させて膜の両面から含浸させてRBS法にて金属元素の分布をみた。
その結果、めっき受容性フィルムの一方の面では相互作用性基のみ、一方の面では二重結合のみが観察され、金属元素は相互作用性基のみが存在する面のみに偏在していた。
(基板上へのめっき受容性層の形成)
ガラスエポキシ基板上に、真空ラミネート装置を用いて、絶縁膜(味の素ファインテクノ社製、GX−13)をラミネートして絶縁膜を有する基板を形成した。この絶縁膜上に更に、上記で得られためっき受容性フィルムの保護フイルムをはがして、アリルグリシジルエーテルを付与した面を絶縁膜側に向けて仮接着した後、真空ラミネート装置(ニチゴーモートン社製V130)を用いて、ラミネート温度110℃、圧力0.15MPaにて30秒真空ラミネートを実施した。その後、通常のロールラミネーター(大成ラミネーター社製VA400−3)を用いて、110℃、ラミスピード0.5m/分、圧力1.5kgf/cm2の条件で追加ラミし、15分後に仮支持体を剥離し、絶縁膜上にめっき受容性層を形成した。
転写後、254nmのUV光を3000mj照射してめっき受容性層を絶縁層上に固定し、基板の絶縁膜上に、めっき受容性層を有する積層体を得た。
(めっき受容性の評価)
([金属イオンの付与、及び金属イオンの還元)
Pdの1%アセトン溶液に30分間浸漬した後、水/アセトン=1/1の混合溶剤に浸漬して、余分なPdを除去した。
続いて、1%ジメチルボラン−水/メタノール(水/メタノール=1/3)混合溶液を触媒活性化液(還元液)として用い、この溶液中に、めっき受容性層を有する基板を15分浸漬させた後、アセトンに浸漬し洗浄を行った。
(無電解めっき)
金属イオンを還元して得られた金属粒子を含むめっき受容性層を有する基板に対し、下記組成の無電解めっき浴を用い、60℃で5分間、無電解めっきを行った。得られた無電解銅めっき膜の厚みは0.3μmであった。
(無電解めっき浴の組成)
・蒸留水 859g
・メタノール 850g
・硫酸銅 18.1g
・エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム塩 54.0g
・ポリオキシエチレングリコール(分子量1000) 0.18g
・2,2’ビピリジル 1.8mg
・10%エチレンジアミン水溶液 7.1g
・37%ホルムアルデヒド水溶液 9.8g
以上の組成のめっき浴のpHを、水酸化ナトリウム及び硫酸で12.5(60℃)に調整した。
[電気めっき]
続いて、無電解銅めっき膜を給電層として、下記組成の電気銅めっき浴を用い、3A/dmの条件で、電気めっきを20分間行った。得られた電気銅めっき膜の厚みは18μmであった。
(電気メッキ浴の組成)
・硫酸銅 38g
・硫酸 95g
・塩酸 1mL
・カッパーグリームPCM(メルテックス(株)製) 3mL
・水 500g
(金属膜の耐久性評価)
得られためっき金属膜に対して、270℃で30分間加熱し、加熱後の金属膜に膨れやはがれが発生しているかどうかを目視で観察したところ、形成された金属膜には、膨れ、剥がれ等はみられず、過酷な条件下でも、密着性に優れた金属膜が形成されることがわかる。
(金属パターンの形成)
得られためっき金属膜表面に、金属パターン(配線パターン)として残すべき領域にエッチングレジストを形成し、レジストのない領域のめっき膜を、FeCl/HClからなるエッチング液により除去した。その後、エッチングレジストを3%NaOH液からなるアルカリ剥離液にて除去し、ライン・アンド・スペース=10μm/10μmの微細配線(金属パターン)を形成した。形成された微細配線を、カラー3Dレーザー顕微鏡VK−9700(キーエンス株式会社製)で観察したところ、厚み18μmの銅微細配線が欠陥なく形成できていることを確認した。
〔実施例2〕
実施例1において、NBR樹脂膜へのプラズマ処理に代えて、UV/オゾン処理を60秒施した他は、実施例1と同様にしてめっき受容性フィルムを得た。
得られためっき受容性フィルムを、実施例1と同様に評価したところ、基板上に耐久性に優れた金属膜が形成されていることが確認された。
また、実施例1と同様にして金属パターン形成を行い、ライン・アンド・スペース=10μm/10μmの微細配線が欠陥なく形成されていることを確認した。
〔実施例3〕
(めっき受容性フィルムの作製)
仮支持体として厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの表面に、メチルエチルケトン(MEK)に溶解させたNBR樹脂(高ニトリルタイプ:日本ゼオン社製、商品名、Nipol 1072J、Tg:100℃以下)を乾燥後の厚みが1.5μmになるように塗布したのち、120℃で1分間乾燥させてNBR樹脂膜を形成した。
該NBR樹脂膜の表面にプラズマ処理を6秒施し、NBR樹脂の表面に活性基を形成させた。
(めっき受容性フィルムの評価)
得られためっき受容性フィルムにおけるNBR樹脂層のプラズマ処理を実施した面と、仮支持体に接する面において水酸基、カルボキシル基の存在比率を実施例1におけるのと同様の方法にて確認したところ、プラズマ処理を実施した面は、水酸基、カルボキシル基が多く、仮支持体に接する面はこれらの活性基が少ない状態であり、プラズマ処理を付与した面に活性基が偏在することが確認された。
(基板上へのめっき受容性層の形成)
ガラスエポキシ基板上に味の素ファインテクノ社製絶縁膜GX−13を、真空ラミネート装置を用いて形成した。この絶縁膜上に、さらに、上記めっき受容性フィルム(転写フイルム)を、プラズマ処理面を絶縁膜側に向けて仮接着した後、真空ラミネート装置(ニチゴーモートン社製V130)を用いて、ラミ温度110℃、圧力0.15MPaにて30秒間真空ラミネートを実施した。その後、通常のロールラミネーター(大成ラミネーター社製VA400−3)を用いて、110℃、ラミスピード0.5m/分、圧力1.5kgf/cm2の条件で追加ラミし、15分後に仮支持体を剥離した。
転写後、170℃で30分加熱し、熱エネルギーを与えることによりことにより、膜を固定した。
得られためっき受容性フィルムの評価を実施例1と同様に行ったところ、実施例1と同様に、基板上に耐久性に優れた金属膜が形成されていることが確認された。
〔実施例4〕
実施例3において、NBR樹脂膜へのプラズマ処理に代えて、実施例2と同様のUV/オゾン処理を施した他は、実施例3と同様にしてめっき受容性フィルムを得た。
得られためっき受容性フィルムを、実施例1と同様に評価したところ、基板上に耐久性に優れた金属膜が形成されていることが確認された。
〔実施例5〕
実施例1において、樹脂層の形成に用いたNBR樹脂の代わりに、下記構造の化合物A(分子量35000、Tg100℃以下)を用いた以外は実施例1と同様な処理を行い、実施例5のめっき受容性フィルムを得た。実施例1と同様に評価したところ、基板上に耐久性に優れた金属膜が形成されていることが確認された。
〔実施例6〕
実施例1において、樹脂層の形成に用いたNBR樹脂の代わりに、下記構造の化合物B(分子量30000、Tg80℃以下)を用いた以外は実施例1と同様な処理を行い、実施例5のめっき受容性フィルムを得た。実施例1と同様に評価したところ、基板上に耐久性に優れた金属膜が形成されていることが確認された。
〔実施例7〕
実施例1において、樹脂層の形成に用いたNBR樹脂の代わりに、下記構造の化合物C(分子量38000、Tg100℃以下)を用いた以外は実施例1と同様の処理を行い、実施例5のめっき受容性フィルムを得た。実施例1と同様に評価したところ、基板上に耐久性に優れた金属膜が形成されていることが確認された。

Claims (12)

  1. めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基を有する樹脂層の一方の表面に、分子内に少なくとも2つの反応性基を有する低分子化合物を付与してなるめっき受容性フィルム。
  2. 前記低分子化合物における少なくとも2つの反応性基が、互いに反応性の異なる少なくとも2種の反応性基を含む請求項1に記載のめっき受容性フィルム。
  3. 前記樹脂層の、低分子化合物を付与した面に存在する反応性基が、樹脂層の低分子化合物を付与しない面に存在する反応性基の1.5倍以上である請求項1又は請求項2に記載のめっき受容性フィルム。
  4. 前記低分子化合物における少なくとも2つの反応性基が、光反応性基と、熱反応性基と、である請求項1に記載のめっき受容性フィルム。
  5. 前記低分子化合物の分子量が、3000以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のめっき受容性フィルム。
  6. 前記樹脂層に含まれる樹脂の重量平均分子量が、3000以上100万以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のめっき受容性フィルム。
  7. 前記樹脂層に含まれる樹脂が、モノマーユニット100に対して5以上400以下のめっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のめっき受容性フィルム。
  8. 前記樹脂層のガラス転移温度が、200℃以下である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のめっき受容性フィルム。
  9. 前記樹脂層の膜厚が、0.05μm以上5μm以下である請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のめっき受容性フィルム。
  10. 前記樹脂層における低分子化合物を付与してなる表面上に、カバーフィルムを備える請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のめっき受容性フィルム。
  11. めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基を有する樹脂層表面に、エネルギーを付与する工程と、
    該樹脂層のエネルギーを付与した面に、分子内に少なくとも2つの反応性基を有する低分子化合物を付与してめっき受容性フィルムを作製する工程と、
    該めっき受容性フィルムにおける低分子化合物を付与した面を基板に接触させて、エネルギーを付与し、該樹脂層を基板に密着させる工程と、
    該樹脂層に、めっき触媒又はその前駆体を付着させる工程と、
    めっきを行う工程と、
    を有する金属膜材料の製造方法。
  12. 前記めっきを行う工程が、無電解めっきを行う工程である請求項11に記載の金属膜材料の製造方法。
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