JP4733288B2 - 折り畳みコンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、底壁の各辺に起倒自在に連結された対向する一対の側壁と対向する他の一対の側壁を有し、各側壁を起立させて上面が開放した箱形の容器を構成する折り畳みコンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、物品の収納や運搬等のために使用されるコンテナであって、底壁に対して側壁が折り畳み自在であり、使用時に側壁を起立させて組み立てる構造の折り畳みコンテナは、特開平8−318939号公報に記載されているものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平8−318939号公報に記載されている折り畳みコンテナは、一対の側壁を底壁の上面に対向して折り畳み、かつ他の一対の側壁を折り畳んだ一対の側壁の上に重ねて折り畳むようになっているが、コンテナを組み立てるには、先ず対向する他の一対の側壁を起立させ、次いで対向する一対の側壁を起立させる2段階の作業工程を要するものである。
【0004】
ところで、このようなコンテナの組み立てにあたって、先に起立させる他の一対の側壁は、その側端面が左右に露出しているので、その側端面に作業手の指を当てることにより起立作業に支障を生じないが、次いで起立させる一対の側壁はその側端面が底壁の他の一対の側壁を軸止めするための立ち上がり部により隠れているので、一対の側壁を起立させるにはその各側壁の対向端に作業手の指を掛ける必要があるところ、一対の側壁は底壁面に接して折り畳まれているので、各側壁の対向端に作業手の指を掛けにくく、特に短時間に多数のコンテナの組み立てと折り畳み処理をしなければならないような用途には必ずしも適切なものでないのが実情であった。
【0005】
そこで、本発明は、底壁の上面に対向して折り畳む一対の側に、折り畳んだ状態でその各側壁の対向端間に少なくとも作業手の指先が入る程度の間隔が生じるようにするとともに、底壁の内周に折り畳んだ一対の側壁と底面に対して少なくとも作業手の指先が入る程度の間隔を保持させる係止部を形成することにより、一対の側壁を起立させる際にその各側壁の対向端に作業手の指を掛けやすくし、コンテナの組み立てにあたっての一対の側壁の起立作業を滞りなく容易かつ確実にできるようにして、特に短時間に多数のコンテナの組み立てと折り畳み処理を要する用途にも適合した折り畳みコンテナを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の請求項1に係る折り畳みコンテナは、底壁の各辺に起倒自在に連結された対向する一対の側壁と対向する他の一対の側壁を有し、各側壁を起立させて上面が開放した箱形の容器を構成する熱可塑性合成樹脂製のコンテナであって、一対の側壁は底壁の上面に対向して折り畳み、かつ他の一対の側壁は折り畳んだ一対の側壁の上に重ねて折り畳むように構成されており、上記一対の側壁は折り畳んだ状態でその各側壁の対向端間に少なくとも作業手の指先が入る程度の間隔が生じるように構成されているとともに、上記一対の側壁の上に重ねて折り畳む高さに上記他の一対の側壁を軸止するための立ち上がり壁の内面に形成した突条で成る係止部を備えていて、折り畳んだ一対の側壁が上記係止部に保持されて底面に対して少なくとも作業手の指先が入る程度の間隔を保持させるように構成してあることを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に係る折り畳みコンテナは、請求項1の構成において、一対の側壁の外面側には、その各側壁の対向端に掛けた残りの指が掛けやすい部位に取手を形成してあることを特徴とするである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係る折り畳みコンテナの全体斜視図、図2は一対の側壁を折り畳んむ過程の一態様を示す全体斜視図、図3は一対の側壁を折り畳んだ態様を示す全体斜視図、図4は一対の側壁および他の一対の側壁をともに折り畳んだ態様を示す斜視図、図5は図3のA−A線矢視方向の断面図、図6は一対の側壁と他の一対の側壁との関係を示す一部の斜視図である。
【0009】
図示の折り畳みコンテナは、底壁1と、その四辺にそれぞれ軸止め構造により起倒自在に連結された4つの側壁、すなわち対向する一対の側壁2a,2b、対向する他の一対の側壁2c,2dとで構成されている。
【0010】
折り畳みコンテナを構成する底壁1、一対の側壁2a,2bおよび他の一対の側壁2c,2dは、熱可塑性合成樹脂(例えば、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エンジニアリングプラスチック)をブロー成形してなる中空二重壁構造を成している。
【0011】
底壁1に連結されている一対の側壁2a,2bは、底壁1の上面に対向して折り畳めるように底壁1側に形成された軸受け部1aに軸止めされており、他の一対の側壁2c,2dは、底壁1の上面に対向して折り畳んだ上記一対の側壁2a,2bの上面に対向して折り畳めるように底壁1の軸受け部1bに軸止めされている。他の一対の側壁2c,2dは、それぞれ底壁1に対して垂直姿勢に係止保持するため底壁1の係止部1cに係止させる突部3を備えている。
【0012】
他の一対の側壁2c,2dの側端部内面には、起立させた一対の側壁2a,2bの内方への倒れを阻止する突起4と、一対の側壁2a,2bの外側への倒れを阻止するための係止突条(図示せず)が係止する係止凹溝5が形成されている。すなわち、突起4は一対の側壁2a,2bが起立する過程で、また折り畳む過程でその側端部がそれぞれ乗り越え可能な突出高さのものであり、かつそれぞれの乗り越えが円滑なように傾斜面を有している。一対の側壁2a,2bの上端部にはラッチ6が取り付けられており、他の一対の側壁2c,2dの上記突起4と係止凹溝5との間に位置してラッチ受け7が形成されている。そして、これらラッチ6とラッチ受け7とにより、垂直姿勢に起立させた一対の側壁2a,2bと垂直姿勢に起立した他の一対の側壁2b,2dとを互いを連結するように成っている。
【0013】
図3に示すように、折り畳んだ一対の側壁2a,2bの各対向端間には、少なくとも作業手の指先が入る程度の間隔L1が生じるように成っているとともに、底壁1の内周には、折り畳んだ一対の側壁2a,2bと底面に対して少なくとも作業手の指先が入る程度の間隔L2を保持させるための係止部8を形成してある。この係止部8は、底壁1の他の一対の側壁2c,2dを軸止めするための立ち上がり壁1dの内面に形成した突条である。
【0014】
一対の側壁2a,2bの外面側には、外面側に凹状を成す取手9が形成されている。この取手9は一対の側壁2a,2bの各側壁の対向端に作業手の親指を掛けた状態で、残りの指が掛けやすい部位に設けられている。
【0015】
本発明に係る折り畳みコンテナは、図4に示すように平坦状に折り畳まれるが、コンテナを組み立てるには、先ず他の一対の側壁2c,2dを起立させ、次いで一対の側壁2a,2bを垂直姿勢に起立させるが、一対の側壁2a,2bの対向端間には少なくとも作業手の指先が入る程度の間隔があるうえ、一対の側壁2a,2bと底壁1の底面との間にも作業手の指先が入る程度の間隔があるので、一対の側壁2a,2bを起立させる際には、その各側壁の対向端に作業手の指を入れて容易かつ確実に起立させることができる。特に図示の実施の形態では、一対の側壁2a,2bの外面側に、その各側壁の対向端に作業手の親指を掛けて、残りの指が掛けやすい部位に取手9を設けてあるので、一対の側壁2a,2bに対して作業手の指が確実に掛かって、一対の側壁2a,2bの起立作業をいっそう容易かつ確実に行うことができる。
【0016】
そして、上記のように、一対の側壁2a,2bおよび他の一対の側壁2c,2dが垂直姿勢になった状態では、一対の側壁2a,2bの側端部が他の一対の側壁2c,2dの突起4を乗り越え、かつ係止凹溝5に係止突条が係止するので、垂直姿勢に起立させた一対の側壁2a,2bと、垂直姿勢に起立した他の一対の側壁2c,2dはその姿勢に保持されるうえ、この状態においてラッチ6をラッチ受け7に掛けると、一対の側壁2a,2bと他の一対の側壁2c,2dは強固に連結され、上面が開放した箱形の容器を構成するコンテナが形成される(図1)。
【0017】
コンテナを折り畳むには、まず、ラッチ6をラッチ受7から外し、一対の側壁2a,2bを内方に押して突起4を乗り越えさせ、一対の側壁2a,2bを底壁1の上面に対向する状態に倒し、次いで他の一対の側壁2c,2dを内方に倒すと、図4に示すように平坦状に折り畳まれた状態とすることができる。
【0018】
上記実施の形態に係る折り畳みコンテナは、ブロー成形により形成した中空二重壁構造であるから、緩衝性および断熱性に優れている。なお、本発明は、図示の実施の形態に限らず、例えば、底壁1、一対の側壁2a,2bおよび他の一対の側壁2c、2dを単壁構造とするなど、種々他の実施の形態とすることが可能である。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、底壁の上面に対向して折り畳む一対の側に、折り畳んだ状態でその各側壁の対向端間に少なくとも作業手の指先が入る程度の間隔が生じるようにするとともに、底壁の内周に折り畳んだ一対の側壁と底面に対して少なくとも作業手の指先が入る程度の間隔を保持させる係止部を形成することにより、一対の側壁を起立させる際にその各側壁の対向端に作業手の指を掛けやすくし、コンテナの組み立てにあたっての一対の側壁の起立作業を滞りなく容易かつ確実にできるようにして、特に短時間に多数のコンテナの組み立てと折り畳み処理を要する用途にも適合した折り畳みコンテナを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るコンテナの全体斜視図である。
【図2】一対の側壁を折り折り畳む過程の一態様を示す全体斜視図である。
【図3】一対の側壁を折り畳んだ態様を示す全体斜視図である。
【図4】一対の側壁および他の一対の側壁をともに折り畳んだ態様を示す斜視図である。
【図5】図3のA−A線矢視方向の断面図である。
【図6】一対の側壁と他の一対の側壁との関係を示す一部の斜視図である。
【符号の説明】
1 底壁
1a,1b 軸受け部
1c 係止部
1d 立ち上がり壁
2a,2b 一対の側壁
2c,2d 他の一対の側壁
3 突部
4 突起
5 係止凹溝
6 ラッチ
7 ラッチ受け
8 係止部
9 取手
Claims (2)
- 底壁の各辺に起倒自在に連結された対向する一対の側壁と対向する他の一対の側壁を有し、各側壁を起立させて上面が開放した箱形の容器を構成する熱可塑性合成樹脂製のコンテナであって、
一対の側壁は底壁の上面に対向して折り畳み、かつ他の一対の側壁は折り畳んだ一対の側壁の上に重ねて折り畳むように構成されており、
上記一対の側壁は折り畳んだ状態でその各側壁の対向端間に少なくとも作業手の指先が入る程度の間隔が生じるように構成されているとともに、
上記一対の側壁の上に重ねて折り畳む高さに上記他の一対の側壁を軸止するための立ち上がり壁の内面に形成した突条で成る係止部を備えていて、折り畳んだ一対の側壁が上記係止部に保持されて底面に対して少なくとも作業手の指先が入る程度の間隔を保持させるように構成してある
ことを特徴とする折り畳みコンテナ。 - 一対の側壁の外面側には、その各側壁の対向端に掛けた残りの指が掛けやすい部位に取手を形成してあることを特徴とする請求項1記載の折り畳みコンテナ。
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