JP2001341736A - 組立式コンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 折り畳んだ状態の安定状態を保持して、収
納、保管あるいは運搬などにあたって安全で便利な組立
式コンテナを得る。 【解決手段】 底壁１の各辺に起倒自在に連結される一
対の側壁２ａ，２ｂおよび他の一対の側壁２ｃ，２ｄを
有する。一対の側壁２ａ，２ｂを、底壁１の上面に接し
て折り畳み可能であるように底壁１に連結する。他の一
対の側壁２ｃ，２ｄを、底壁１の上面に接して折り畳ん
だ一対の側壁２ａ，２ｂの上面に接して折り畳み可能で
あるように底壁１に連結する。一対の側壁２ａ，２ｂに
はラッチ受３を、他の一対の側壁２ｃ、２ｄにはラッチ
受３に係脱するラッチ４をそれぞれ備える。底壁１の一
対の側壁２ａ，２ｂを連結する辺の端面に、一対の側壁
２ａ，２ｂおよび他の一対の側壁２ｃ，２ｄを折り畳ん
だ状態で他の一対の側壁２ｃ，２ｄのラッチ４が係脱す
るラッチ受９を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、底壁の各辺にヒン
ジ等によって起倒自在に連結される側壁を有し、各側壁
を起立させて隣接する側壁を互いに係合してコンテナを
構成するプラスチック製の組立式コンテナに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、物品の収納や運搬等のために使用
されるコンテナであって、底壁に対して側壁が展開自在
または折り畳み可能であり、使用時に側壁を起立させて
組み立てる構造の組立式コンテナは、実開平６−４２６
５７号公報または特開平１０−１０１０６６号公報に記
載されているものなどが知られている。そして、この種
の組立式コンテナは、底壁の各辺にヒンジを介して側壁
を起倒自在に設けるか、または軸止め構造により側壁を
起倒自在に設けており、隣接する側壁を互いに係合して
コンテナを組み立てる構造となっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、実開平６−
４２６５７号公報に記載されているような組立式コンテ
ナにおいては、コンテナを展開すれば、コンテナを構成
する底壁を中心に各側壁が展開して平面状になるとして
も、それらが大きく拡がり方向に嵩張ってしまい、収
納、保管あるいは運搬などに甚だ不便であるだけでな
く、種々支障をきたしているのが実状である。

【０００４】このため、特開平１０−１０１０６６号公
報においは、底壁の各辺に起倒自在に連結されている側
壁、すなわち対向する一対の側壁および対向する他の一
対の側壁とも底壁の上面側に沿って折り畳むと、底壁の
大きさにコンパクトにまとまって、収納、保管あるいは
運搬などに便利な組立式コンテナを提案しているが、底
壁上に折り畳んだ側壁は底壁に固定されないので、折り
畳んだ状態が安定せず、収納、保管あるいは運搬などに
あたって支障をきたすことが指摘されるに至っている。

【０００５】そこで、本発明の目的は、底壁の各辺に起
倒自在に連結されている側壁、すなわち対向する一対の
側壁および対向する他の一対の側壁とも底壁の上面側に
沿って折り畳むことができて、解体時には底壁の大きさ
にコンパクトにまとめることができるとともに、各側壁
を起立させて隣接する側壁を互いに係合する係合構造を
成すラッチによって、折り畳んだ側壁を底壁に固定する
ことができる構成とすることにより、折り畳んだ状態の
安定状態を保持して、収納、保管あるいは運搬などにあ
たって安全で便利な組立式コンテナを提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の請求項１に係る組立式コンテナは、底壁の各
辺に起倒自在に連結される側壁を有し、各側壁を起立さ
せて隣接する側壁を互いに係合してコンテナを構成する
組立式コンテナであって、各側壁のうち対向する一対の
側壁を、底壁の上面に接して折り畳み可能であるように
底壁に連結するとともに、対向する他の一対の側壁を、
底壁の上面に接して折り畳んだ上記一対の側壁の上面に
接して折り畳み可能であるように底壁に連結しており、
上記一対の側壁にはラッチ受を、他の一対の側壁にはラ
ッチ受に係脱するラッチをそれぞれ備えて各側壁を起立
させて隣接する側壁を互いに係合する係合構造と成し、
底壁の上記一対の側壁を連結する辺の端面には、上記一
対の側壁および他の一対の側壁を折り畳んだ状態で他の
一対の側壁のラッチが係脱するラッチ受を備えて成るこ
とを特徴とするものである。

【０００７】本発明の請求項２に係る組立式コンテナ
は、請求項１記載の構成において、底壁および側壁は中
空二重壁構造であることを特徴とするものである。

【０００８】本発明の請求項３に係る組立式コンテナ
は、請求項１または２記載の構成において、他の一対の
側壁を成すそれぞれの側壁はブロー成形され、ラッチは
薄肉ヒンジにより一体に連結されていることを特徴とす
るものである。

【０００９】本発明の請求項４に係る組立式コンテナ
は、請求項１、２または３記載の構成において、他の一
対の側壁は２つ以上に折り畳み可能であって、その最も
上側に折り畳まれる部位に備えたラッチと、一対の側壁
に備えたラッチ受または底壁に備えたラッチ受のそれぞ
れに係脱可能な構成であることを特徴とするものであ
る。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１は本発明の一実施の形態に係
る組立式コンテナの全体斜視図、図２はその折り畳んだ
状態を示す全体斜視図、図３は側壁を起立させた状態を
示す一部の分解斜視図、図４は図１のＡ−Ａ線断面図、
図５は図２のＢ−Ｂ線断面図である。また、図６は本発
明の他の実施の形態に係る組立式コンテナであって、折
り畳み状態に至る前の態様を示す全体斜視図、図７はそ
の折り畳んだ状態を示す全体斜視図、図８は図６のＣ−
Ｃ線断面図、図９は図６のＤ−Ｄ線断面図、図１０は図
６のＥ−Ｅ線断面図である。

【００１１】図１ないし図５に示す組立式コンテナは、
底壁１と、その四辺にそれぞれ係合構造により起倒自在
に連結された４つの側壁、すなわち対向する一対の側壁
２ａ，２ｂ、対向する他の一対の側壁２ｃ，２ｄとで構
成されており、起立させた一対の側壁２ａと側壁２ｂに
は、それに隣接する他の一対の側壁２ｃ、２ｄがラッチ
３受とラッチ４による係合構造により係合固着して、箱
状のコンテナとするものである。

【００１２】上記係合構造を成すラッチ受３は一対の側
壁２ａ，２ｂにそれぞれ備えられており、ラッチ４は他
の一対の側壁２ｃ，２ｄにそれぞれ備えられていて、起
立させた側壁２ａのラッチ受３に、起立させた側壁２
ｃ，２ｄのラッチ４をそれぞれ係合させ、次いで側壁２
ｂを起立させて、そのラッチ受３に側壁２ｃ，２ｄのラ
ッチ４を係合してコンテナを組み立てる。なお、図１な
いし図５には、側壁２ｂのラッチ受３と側壁２ｃのラッ
チ４の一方および側壁２ｄのラッチ４の一方は現れてい
ない。

【００１３】この組立式コンテナにおいて、底壁１およ
び一対の側壁２ａ，２ｂおよび他の一対の側壁２ｃ、２
ｄは、熱可塑性樹脂（例えば、高密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エンジニアリングプラスチック）をブロ
ー成形してなる中空二重壁構造のものである。

【００１４】組立式コンテナにおいて、底壁１の各辺に
連結される側壁２ａ〜２ｄのうち対向する一対の側壁２
ａ，２ｂは、底壁１の上面に接して折り畳み可能である
ように底壁に係合されており、対向する他の一対の側壁
２ｃ，２ｄは、底壁１の上面に接して折り畳んだ上記一
対の側壁２ａ，２ｂの上面に接して折り畳み可能である
ように底壁１に係合されている。

【００１５】すなわち、図３に示すように、底壁１の右
側端縁の両端部には、軸止め部５が底壁１の上面から立
ち上げ形成されており、この軸止め部５に対応して側壁
２ａの下縁両端部には切欠部６が形成されていて、側壁
２ａは、その切欠部６を軸止め部５に係合させ、かつ切
欠部６に突設した止め軸（図示せず）を軸止め部５に形
成した孔に係合することにより、前記のように底壁１の
上面に接して折り畳み可能である。他方の側壁２ｂも側
壁２ａと同様の構成であり、かつ同様の軸止め構造によ
り底壁１に軸止めされているので、その説明は省略す
る。

【００１６】一方、底壁１の前側端縁の両端部には、軸
止め部７が底壁１の上面から立ち上げ形成されており、
この軸止め部７は、底壁１の前側端縁に前記軸止め部５
より側壁２ａ，２ｂの板厚の分だけさらに高く形成され
ており、この軸止め部７に対応して側壁２ｃの下縁両端
部には切欠部８が形成されていて、側壁２ｃは、その切
欠部８に突設した止め軸（図示せず）を軸止め部７に形
成した孔に係合させることにより、前記のように底壁１
の上面に接して折り畳んだ側壁２ａ，２ｂの上面に接し
て折り畳み可能である。他方の側壁２ｄも側壁２ｃと同
様の構成であり、かつ同様の軸止め構造により底壁１に
軸止めされているので、その説明は省略する。

【００１７】底壁１には、上記一対の側壁２ａ，２ｂを
連結する辺の端面に、上記一対の側壁２ａ，２ｂおよび
他の一対の側壁２ｃ，２ｄを折り畳んだ状態で他の一対
の側壁２ｃ，２ｄのラッチ４が係脱するラッチ受９が備
えられている。このため、図２に示すように、底壁１に
対して一対の側壁２ａ，２ｂを折り畳み、その上に他の
一対の側壁２ｃ，２ｄを折り畳んだ状態で、他の一対の
側壁２ｃ，２ｄのラッチ４を底壁１のラッチ受９に係合
すれば、底壁１の上に折り畳んだ一対の側壁２ａ，２ｂ
および他の一対の側壁２ｃ，２ｄが固定された状態に保
持される。したがって、本発明に係る組立式コンテナ
は、安全に収納、保管あるいは運搬などができ、かつ便
利である。

【００１８】図示の実施の形態では、底壁１、一対の側
壁２ａ，２ｂおよび他の一対の側壁２ｃ，２ｄが中空二
重壁構造であるから、組み立てたコンテナは、強度およ
び剛性に優れているとともに軽量であり、そのうえ緩衝
性が高いものである。そして、コンテナの解体時には、
底壁１の大きさに一対の側壁２ａ，２ｂおよび他の一対
の側壁２ｃ，２ｄを折り畳むことができるので、中空二
重壁構造であるにもかかわらずコンパクトにまとめるこ
とができる。

【００１９】図６ないし図１０は、本発明に係る他の実
施の形態を示している。この実施の形態においては、他
の一対の側壁２ｃ，２ｄが薄肉のヒンジ１０によってそ
れぞれ２つに折り畳み可能である。そして、側壁２ｃの
上側に折り畳まれる部位に備えたラッチ４は、一対の側
壁２ａ，２ｂに備えたラッチ受３または底壁１に備えた
ラッチ受９のそれぞれに係脱可能である。側壁２ｄも同
様の構成によって一対の側壁２ａ，２ｂに備えたラッチ
受３または底壁１に備えたラッチ受９のそれぞれに係脱
可能であるから、その説明は省略する。なお、一対の側
壁２ａ，２ｂのラッチ受３と、底壁１の他端側のラッチ
受９は図に現れていない。

【００２０】図６ないし図１０に示す実施の形態におい
ては、一対の側壁２ａ，２ｂのラッチ受３に対する他方
の側壁２ｃ、２ｄのラッチ４の係合方向と、折り畳んだ
状態において底壁１のラッチ受９に対するラッチ４の係
合方向が逆になるので、ラッチ受３，９とラッチ４はい
ずれの方向からも係脱可能な構成と成っている。例え
ば、ラッチ受３，９は係合凸部を有し、ラッチ４は係合
凸部に対する窓孔を有する構成などとしたものである。

【００２１】上記実施の形態に係る組立式コンテナは、
ブロー成形により形成し、中空二重壁構造であるので、
緩衝性が高くしかも板状の側壁を有するコンテナを得る
ことができる。また、従来のものと違ってヒンジで一体
に形成するものでないので、底壁１、一対の側壁２ａ，
２ｂおよび他の一対の側壁２ｃ，２ｄのうち、側壁２
ａ，２ｂおよび側壁２ｃ，２ｄはそれぞれ同じ形状であ
り、側壁２ａ，２ｂと側壁２ｃ，２ｄの成形はそれぞれ
一つの金型でよく、製造上も大きな利点がある。つま
り、従来のものは、ブロー成形にあたっては、きわめて
大きな金型で成形しなければならないが、本実施の形態
のものにあっては、基本的に３つの部品からなり、しか
もそれぞれが別体であるので、きわめて小さい金型で成
形ができる。

【００２２】図示の実施の形態においては、ラッチ４は
ブロー成形時に圧縮薄肉化したヒンジにより他の側壁２
ｃ，２ｄに一体に連結されており、さらに図６ないし図
１０に示す実施の形態においては、他の一対の側壁２
ｃ，２ｄを２つ折にするヒンジ１０も同様である。

【００２３】本発明は、図示の実施の形態に限らず、種
々他の実施の形態とすることが可能である。すなわち、
図示の実施の形態では、底壁１と側壁２をいずれも中空
二重壁構造としたが、それらは単壁構造であっても発明
の目的を達成することができる。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば、底壁の各辺に起倒自在
に連結されている側壁、すなわち対向する一対の側壁お
よび対向する他の一対の側壁とも底壁の上面側に沿って
折り畳むことができて、解体時には底壁の大きさにコン
パクトにまとめることができるとともに、各側壁を起立
させて隣接する側壁を互いに係合する係合構造を成すラ
ッチによって、折り畳んだ側壁を底壁に固定することが
できる構成とすることにより、折り畳んだ状態の安定状
態を保持して、収納、保管あるいは運搬などにあたって
安全で便利な組立式コンテナを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係る組立式コンテナの
全体斜視図である。

【図２】図１に示す組立式コンテナの折り畳み状態を示
す全体斜視図である。

【図３】側壁を起立させた状態を示す一部の分解斜視図
である。

【図４】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図５】図２のＢ−Ｂ線断面図である。

【図６】本発明の他の実施の形態に係る組立式コンテナ
であって、折り畳み状態に至る前の態様を示す全体斜視
図である。

【図７】図６に示す組立式コンテナの折り畳んだ状態を
示す全体斜視図である。

【図８】図６のＣ−Ｃ線断面図である。

【図９】図６のＤ−Ｄ線断面図である。

【図１０】図６のＥ−Ｅ線断面図である。

【符号の説明】

１ 底壁 ２ａ，２ｂ 一対の側壁 ２ｃ，２ｄ 他の一対の側壁 ３ ラッチ受 ４ ラッチ ５ 軸止め部 ６ 切欠部 ７ 軸止め部 ８ 切欠部 ９ ラッチ受 １０ ヒンジ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底壁の各辺に起倒自在に連結される側壁
   を有し、各側壁を起立させて隣接する側壁を互いに係合
   してコンテナを構成する組立式コンテナであって、各側
   壁のうち対向する一対の側壁を、底壁の上面に接して折
   り畳み可能であるように底壁に連結するとともに、対向
   する他の一対の側壁を、底壁の上面に接して折り畳んだ
   上記一対の側壁の上面に接して折り畳み可能であるよう
   に底壁に連結しており、上記一対の側壁にはラッチ受
   を、他の一対の側壁にはラッチ受に係脱するラッチをそ
   れぞれ備えて各側壁を起立させて隣接する側壁を互いに
   係合する係合構造と成し、底壁の上記一対の側壁を連結
   する辺の端面には、上記一対の側壁および他の一対の側
   壁を折り畳んだ状態で他の一対の側壁のラッチが係脱す
   るラッチ受を備えて成ることを特徴とする組立式コンテ
   ナ。
2. 【請求項２】 底壁および側壁は中空二重壁構造である
   ことを特徴とする請求項１記載の組立式コンテナ。
3. 【請求項３】 他の一対の側壁を成すそれぞれの側壁は
   ブロー成形され、ラッチは薄肉ヒンジにより一体に連結
   されていることを特徴とする請求項１または２記載の組
   立式コンテナ。
4. 【請求項４】 他の一対の側壁は２つ以上に折り畳み可
   能であって、その最も上側に折り畳まれる部位に備えた
   ラッチと、一対の側壁に備えたラッチ受または底壁に備
   えたラッチ受のそれぞれに係脱可能な構成であることを
   特徴とする請求項１、２または３記載の組立式コンテ
   ナ。