JP4728787B2 - 杭圧入用アタッチメント及び杭の圧入方法 - Google Patents
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また、振動装置は水面上にクレーンに吊られた状態でヤットコを保持して振動を付与することによって、そのヤットコに連結された杭を水面下の水底に打ち込むため、杭の埋設に関する施工精度に狂いが生じやすいという問題があった。
地中に圧入された既設杭(20)の上端部(21)に接続された杭圧入用アタッチメント(1)における一端部(例えば、クランプ把持部4)に前記杭圧入機を載置し、次いで、前記杭圧入機によって所定の杭(20)を地面に対して圧入し、更に前記杭の上端部に新たな杭圧入用アタッチメント(1)を接続し、その新たな杭圧入用アタッチメントを前記チャック装置で把持して下降させることによって、前記杭を地中に圧入した後、地中に連続的に圧入された複数の杭に接続されている隣り合う杭圧入用アタッチメント同士を連結することを特徴とする。
そして、杭圧入用アタッチメントを介在させて既設杭の上方の離間した位置に設置した杭圧入機を動作させ、チャック装置で杭を把持して下降させることにより新たな杭を地面から地中に圧入することができる。
更に、チャック装置に把持されている圧入途中の杭の上端部に新たな杭圧入用アタッチメントを接続し、杭圧入機のチャック装置で杭圧入用アタッチメントを把持して下降させることによって、その杭圧入用アタッチメントに接続されている杭をより深く地中に圧入することができる。
特に、既設杭に新たな杭を隣接させるように圧入することを繰り返すことによって、複数の杭を隣り合わせるように地中に連続的に圧入して埋設することができる。
また、杭圧入用アタッチメントの一端部の位置を揃えて並べるように杭圧入用アタッチメントを配設すれば、その連続して並んだ一端部上を杭圧入機が移動することが可能になる。つまり、既設杭に接続されて隣接して並んでいる杭圧入用アタッチメント上を杭圧入機を移動させるようにして、既設杭に隣接する新たな杭を圧入することによって、複数の杭を隣り合わせるように地中に連続的に圧入しやすくなる。
また、隣り合う杭圧入用アタッチメント同士を連結することによって、地中に連続的に圧入された複数の杭に接続されることにより隣接して並んでいる複数の杭圧入用アタッチメントが成す列が乱れ難くなる。
そして、複数の杭圧入用アタッチメントが成す列が乱れ難くなれば、例えば、複数並んだ杭圧入用アタッチメント上を自走可能な杭圧入機は、そのアタッチメント上を好適に移動することが可能となる。
前記チャック装置で把持することが可能なアタッチメント本体部(2)と、
前記アタッチメント本体部の下端に設けられ、前記杭の上端部と接続するための杭接続部(3)と、
前記アタッチメント本体部の上端に設けられ、前記杭圧入機を載置するための載置部(例えば、クランプ把持部4)と、
を有し、
前記杭接続部は、前記杭の上端部を把持することが可能であり、
前記載置部には、隣り合う杭圧入用アタッチメント同士を連結させるための連結部(例えば、第1連結部4a、第2連結部4b)が設けられていることを特徴とする。
そして、杭圧入用アタッチメントを介在させて既設の杭の上方の離間した位置に設置した杭圧入機を動作させ、チャック装置で杭を把持して下降させることにより新たな杭を地面から地中に圧入することができる。そして、杭圧入用アタッチメントは、チャック装置で把持することが可能なアタッチメント本体部を有しているので、チャック装置に把持されている杭の上端部に新たな杭圧入用アタッチメントの杭接続部を挿入させるように、杭と杭圧入用アタッチメントとを接続し、杭圧入機のチャック装置でアタッチメント本体部を把持して下降させることによって、その杭圧入用アタッチメントに接続されている杭をより深く地中に圧入することができる。
特に、既設の杭に新たな杭を隣接させるように圧入することを繰り返すことによって、複数の杭を隣り合わせるように地中に連続的に圧入して埋設することができる。
また、載置部の高さを揃えて並べるように杭圧入用アタッチメントを配設すれば、その連続して並んだ載置部の上を杭圧入機が移動することが可能になる。
また、杭圧入用アタッチメントの杭接続部が種々ある接続手段を利用するなどして、杭の上端部を把持することによって、杭圧入用アタッチメントと杭との接続が外れ難くなる。
また、隣り合う杭圧入用アタッチメント同士を連結することによって、地中に連続的に圧入された複数の杭に接続されることにより隣接して並んでいる複数の杭圧入用アタッチメントが成す列が乱れ難くなる。そして、複数の杭圧入用アタッチメントが成す列が乱れ難くなれば、例えば、複数並んだ杭圧入用アタッチメント上を自走可能な杭圧入機は、そのアタッチメント上を好適に移動することが可能となる。
特に、従来のような振動装置を使用せずに、動作音が比較的静かな杭圧入機を用いて杭を圧入する工法をとっているので、騒音を発生することはほとんどない。また、杭圧入用アタッチメントを介在させて既設杭上から杭圧入機によって、その既設杭に対して新たな杭を隣接させて圧入する工法であるので、良好な施工精度で複数の杭を地中に連続的に埋設することができる。
従って、杭圧入用アタッチメントと杭圧入機を用いた杭の圧入方法によって、より好適に杭を地中に埋設することができる。
また、アタッチメント本体部2における当該杭圧入用アタッチメント1の軸心を挟んで対向する位置には、それぞれ第1ガイド2aと第2ガイド2bが設けられている。
また、クランプ把持部4における当該杭圧入用アタッチメント1の軸心を挟んで対向する位置であり、第1ガイド2aと第2ガイド2bとに対応する位置には、それぞれ第1連結部4aと第2連結部4bが設けられている。
なお、アタッチメント本体部2の長さは、所定の杭の長さやその杭が埋設される水底面までの水深等に応じて、クランプ把持部4を水面上に配置可能な長さを有している。
なお、クランプ把持部4は、水底における地中に埋設された所定の杭に杭圧入用アタッチメント1が接続された状態で、水面上に露出するように配置される。
また、第2連結部4bは、第1連結部4aを挟み込むように連結することが可能になっており、隣接する杭圧入用アタッチメント1同士において、第2連結部4bと第1連結部4aとが連結された状態で、図2に示すように、それぞれの貫通孔HにピンPを挿通させることによって、その連結をより強固なものとすることができる。
そして、図3(a)〜(f)に示すように、杭圧入用アタッチメント1同士をピンPを介して連結する際に、ピンPを貫通孔Hに挿通させるパターンは6通りある。つまり、隣り合う杭圧入用アタッチメント1の配置に若干のずれが生じた場合であっても、複数の貫通孔Hがあれば、第1連結部4aと第2連結部4bの何れかの貫通孔H同士を組み合わせるようにして対応することによって、ピンPを挿通させて杭圧入用アタッチメント1同士を連結することが可能となる。
なお、クランプ装置11・・・は、例えば、先頭の基準となるクランプ装置11を除いて、サドル12に対して左右や前後に移動可能となっており、これにより、円弧等の湾曲した線に沿って並んで圧入された複数の鋼管杭20に接続されている杭圧入用アタッチメント1のクランプ把持部4を複数のクランプ装置11でそれぞれ把持可能となっているとともに、鋼管杭20同士や杭圧入用アタッチメント1同士の間隔を多少変えても対応できるようになっている。
また、チャック装置15内部には、上下に貫通した状態の鋼管杭20や杭圧入用アタッチメント1を外側の四方から油圧シリンダにより作動する押圧部(図示省略)で押圧して把持する図示しない杭把持部を有し、その杭把持部がチャック装置15の外周部分に対して上下の軸心回りに回転可能となっている。
そして、杭圧入機10は、順次鋼管杭20を圧入する際に、図4(a)に示すように、先頭のクランプ装置11が把持した既設の鋼管杭20に接続されている杭圧入用アタッチメント1の前に隣接させるように新たに鋼管杭20や杭圧入用アタッチメント1を圧入した後に、さらにスライドベース13を前に移動させて、二本前となる位置に鋼管杭20を圧入する。この際、図4(b)に示すように、その圧入途中で、クランプ装置11による既設鋼管杭20に接続されている杭圧入用アタッチメント1のクランプ把持部4の把持を解除し、次いで、リーダマスト14に対して圧入途中の鋼管杭20を把持したチャック装置15を下降させることで、相対的にサドル12を上昇させてクランプ装置11・・・の下端部を杭圧入用アタッチメント1のクランプ把持部4・・・から上方に出し、さらにサドル12を前方に移動させる。そして、各クランプ装置11・・・が把持していた既設の杭圧入用アタッチメント1のクランプ把持部4・・・よりもそれぞれ一本前の杭圧入用アタッチメント1のクランプ把持部4・・・上までクランプ装置11・・・を移動させる。次いで、サドル12を下降させて、クランプ装置11・・・をクランプ把持部4・・・内に挿入された状態とし、クランプ装置11にクランプ把持部4を把持させる。これにより、杭圧入機10が鋼管杭20や杭圧入用アタッチメント1の一本分に対応して前進することになる。このように、鋼管杭20や杭圧入用アタッチメント1を圧入するたびに上述の操作を繰り返すことで、杭圧入機10を鋼管杭2(杭圧入用アタッチメント1)一本分に対応する距離だけ前進させることができる。
まず、鋼管杭20を圧入する地中である水底の所定位置に対応する水面にフロート式桟橋などの浮体構造物を仮設し、その浮体構造物上に設置された杭圧入機10によって、図5(a)に示すように、上端部21に杭圧入用アタッチメント1が接続された複数(本実施形態では、3本)の鋼管杭20を水底に隣接させて埋設するように配設する(ステップS1)。なお、既設の鋼管杭20の上端部21に、杭圧入用アタッチメント1の他端部である杭接続部3が接続されて、杭圧入用アタッチメント1の一端部であるクランプ把持部4が水面上に露出するように、杭圧入用アタッチメント1は配設されている。
そして、鋼管杭20に接続された杭圧入用アタッチメント1同士は、これら隣接する杭圧入用アタッチメント1における第1連結部4aと第2連結部4bの貫通孔HにピンPが挿通されて連結されている。
なお、杭圧入機10による、杭圧入用アタッチメント1が接続された鋼管杭20の圧入配設動作は、前述のチャック装置15の動作に準じて、後述する杭圧入機10の動作(ステップS3〜ステップS6)と同様に行われる。
なお、既設鋼管杭20に接続されている杭圧入用アタッチメント1のクランプ把持部4は水面上に配置されているので、杭圧入機10は水面より上方に設置されている。
次いで、図5(d)に示すように、チャック装置15に把持されている鋼管杭20の上端部21に新たな杭圧入用アタッチメント1の杭接続部3を嵌入させて、鋼管杭20と杭圧入用アタッチメント1とを接続する(ステップS4)。
なお、杭圧入用アタッチメント1を下降させる際、その杭圧入用アタッチメント1の第1ガイド2aを、既設鋼管杭20に接続されている杭圧入用アタッチメント1の第2ガイド2bに沿わすようにして、鋼管杭20を水底に圧入する。そして、既設鋼管杭20に接続されている杭圧入用アタッチメント1の第2連結部4bの貫通孔Hと、新たに設置した杭圧入用アタッチメント1の第1連結部4aの貫通孔Hとに、ピンPを挿通させて、隣接する杭圧入用アタッチメント1同士を連結する。
なお、その圧入途中で、クランプ装置11による杭圧入用アタッチメント1のクランプ把持部4の把持を解除し、次いで、リーダマスト14に対して圧入途中の鋼管杭20を把持したチャック装置15を下降させることで、相対的にサドル12を上昇させてクランプ装置11・・・の下端部を杭圧入用アタッチメント1のクランプ把持部4・・・から上方に出し、さらにサドル12を前方に移動させた後下降させるようにして、杭圧入機10を鋼管杭20や杭圧入用アタッチメント1の一本分前進させることによって、図5(c)に示す状態とする。
そして、以後ステップS3(図5(c))からステップS7(図6(c))を繰り返すようにして、所定本数の鋼管杭20や杭圧入用アタッチメント1を埋設する。
よって、1種類のアタッチメントで施工できるので、必要最小限の工程で鋼管杭20の圧入施工を行うことができる。
そして、既設の鋼管杭20に隣接させて新たな鋼管杭20を圧入することを繰り返すことによって、複数の鋼管杭20を水底に連続的に圧入し、埋設することができる。
また、杭圧入用アタッチメント1を介在させて既設の鋼管杭20上から杭圧入機10によって、その既設鋼管杭20に対して新たな鋼管杭20を隣接させて圧入する工法であるので、良好な施工精度で複数の鋼管杭20を水底に連続的に埋設することができる。
従って、杭圧入用アタッチメント1と杭圧入機10を用いた杭の圧入方法によって、より好適に杭を水面下の水底に埋設することができる。
例えば、図7に示すように、鋼管杭20を圧入する土地の地面に対して擁壁等が近接している場合であって、施工する鋼管杭20の杭列にその擁壁が近すぎるために、その地面上に直接杭圧入機10を設置できない際に、杭圧入用アタッチメント1を用いる本発明の杭の圧入方法によって、杭圧入機10を地面から離間した位置であって、擁壁より高い位置に設置して、鋼管杭20を地面から地中に圧入することも可能である。
このように、杭圧入用アタッチメント1と杭圧入機10を用いた杭の圧入方法によって、擁壁などの障害物に近接する位置であっても、より好適に杭を地中に埋設することができる。
例えば、以上の実施の形態において、施工する杭材を鋼管杭としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種杭や矢板についても施工可能であり、杭圧入用アタッチメントの構成も、それらに応じた形状とすることが可能である。
2 アタッチメント本体部
2a 第1ガイド
2b 第2ガイド
3 杭接続部
4 クランプ把持部(載置部、一端部)
4a 第1連結部
4b 第2連結部
10 杭圧入機
11 クランプ装置
12 サドル
13 スライドベース
14 リーダマスト
15 チャック装置
16 メイン油圧シリンダ
20 鋼管杭(杭)
21 上端部
Claims (2)
- 昇降自在なチャック装置で杭を把持して下降させることにより杭を圧入する杭圧入機を用いて、杭を地中に圧入する杭の圧入方法であって、
地中に圧入された既設杭の上端部に接続された杭圧入用アタッチメントにおける一端部に前記杭圧入機を載置し、次いで、前記杭圧入機によって所定の杭を地面に対して圧入し、更に前記杭の上端部に新たな杭圧入用アタッチメントを接続し、その新たな杭圧入用アタッチメントを前記チャック装置で把持して下降させることによって前記杭を地中に圧入した後、地中に連続的に圧入された複数の杭に接続されている隣り合う杭圧入用アタッチメント同士を連結することを特徴とする杭の圧入方法。 - 昇降自在なチャック装置で杭を把持して下降させることにより杭を圧入する杭圧入機を用いて、複数の杭を地中に連続的に圧入する際に、その杭の上端部に接続する杭圧入用アタッチメントであって、
前記チャック装置で把持することが可能なアタッチメント本体部と、
前記アタッチメント本体部の下端に設けられ、前記杭の上端部と接続するための杭接続部と、
前記アタッチメント本体部の上端に設けられ、前記杭圧入機を載置するための載置部と、
を有し、
前記杭接続部は、前記杭の上端部を把持することが可能であり、
前記載置部には、隣り合う杭圧入用アタッチメント同士を連結させるための連結部が設けられていることを特徴とする杭圧入用アタッチメント。
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