JP5551533B2 - 杭施工方法及び杭連結装置 - Google Patents
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Description
この杭圧入機が既設杭から良好に反力を取るには、既設杭が堅牢に連設されていることが好ましいので、既設杭間のずれを抑えるように、隣接している既設杭を溶接して連結し、一体化した杭列から大きな反力を得ることを可能する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
地盤に連設された既設杭の上端側を支持する複数のクランプ装置を備えて前記既設杭が連なる杭列上を移動する杭施工装置によって、前記既設杭に杭を並設する施工を行う杭施工方法に用いる杭連結装置であって、
隣接する双方の既設杭に当接可能に前記杭列を挟んで配されている一対の連結部と、
前記一対の連結部を接離させる駆動部とを備え、
前記駆動部が前記一対の連結部を前記既設杭に押圧することによって、隣接する既設杭を連結することを特徴とする。
前記杭連結装置は、前記杭施工装置に設けられており、前記杭施工装置の前方への移動とともに、前記既設杭が連なる杭列の前方へ移動することを特徴とする。
地盤に連設された既設杭の上端側を支持する複数のクランプ装置を備え、前記既設杭が連なる杭列上を移動する杭施工装置によって、前記既設杭に杭を並設する施工を行う杭施工方法であって、
前記複数のクランプ装置が支持している既設杭間と、前記複数のクランプ装置のうち移動方向後方側のクランプ装置が支持している前記既設杭とその既設杭の後方に隣接した既設杭との間に杭連結装置を配して、その杭連結装置で隣接する既設杭同士を連結した状態で前記施工を行い、移動方向前方側のクランプ装置が支持している前記既設杭に並ぶ配置に新たな杭を設けた後、前記杭施工装置を前方へ移動させる際に、前記杭連結装置を順次前方に追設または移動させて新たに設けた杭と前記既設杭とを連結することを特徴とする。
また、杭施工装置の移動に伴い、後方の杭連結装置を既設杭が連なる杭列の前方に順次移動させて、新たに設けた杭と既設杭とを連結させることにより、杭施工装置のクランプ装置が反力を取るための杭列を適切に構築することができるので、効率よく杭を連設する施工を行うことができる。
杭圧入機10は、図1に示すように、所定の杭P(例えば、鋼管杭)を地盤Gに圧入する杭施工装置であり、既に地盤Gに圧入された既設杭Pの上端側を掴んで支持する複数(例えば、本実施形態では3つ)のクランプ装置11…を備えたサドル12と、サドル12に対して前後動可能なスライドベース13と、スライドベース13上で左右に旋回可能なリーダマスト14と、リーダマスト14の前面に昇降可能に取り付けられたチャック装置15と、リーダマスト14に対してチャック装置15を昇降駆動するメイン油圧シリンダ16と、サドル12の下面に設けられた複数(例えば、本実施形態では4つ)の杭連結装置17…等を備えている。
特に、クランプ装置11は、掴んで支持した既設杭Pから反力を取って、杭圧入機10が新たに杭Pを圧入することができるように、杭圧入機10を既設杭Pの上端部に設置するようになっている。
なお、クランプ装置11は、例えば、移動方向先頭の基準となるクランプ装置11を除いて、サドル12に対して左右や前後に移動可能となっており、これにより円弧等の湾曲した線に沿って並んで圧入された複数の杭の上端側を複数のクランプ装置11でそれぞれ掴むことが可能となっているとともに、杭列の各杭の間隔が多少異なることがあって対応できるようになっている。
リーダマスト14は、スライドベース13に対し左右に旋回可能とされることにより、順次並んで圧入される杭の列の方向を直角にまげたり、湾曲して曲げたりすることが可能となっている。
これらスライドベース13とリーダマスト14とにより、圧入機本体のクランプ装置11を備えたサドル12に対してチャック装置15を水平方向に移動可能となっている。
このチャック装置15の内部には、所定の油圧シリンダの駆動により作動して、上下に貫通した状態の杭Pを外側の四方から押圧して把持する図示しない杭把持部が設けられている。
そして、チャック装置15が把持した杭Pを地盤Gに圧入する際、チャック装置15の昇降範囲は限られているので、杭を把持してチャック装置15を下降させることと、杭を離してチャック装置15を上昇させることを繰り返すようになっている。これにより、チャック装置15が昇降する1ストローク分ずつ杭を圧入することが繰り返され、チャック装置15の昇降範囲より深く杭を地中に圧入することが可能になっている。
そして、図1に示すように、杭圧入機10が既設杭P1〜P5上に位置し、その杭圧入機10の3つのクランプ装置11が既設杭P1、P2、P3を支持している状態で、4つの杭連結装置17は、それぞれ既設杭P1〜P5の間に配されるようになっている(図2参照)。
連結部17a,17bは、平面視略台形形状を呈しており、比較的幅の狭い内面同士を杭列側に向けるように対向させて連結シリンダ17cで繋がれている。また、連結部17a,17bにおける比較的幅の狭い内面と、その反対面側であり比較的幅の広い外面との間の側面は、既設杭Pの周面に応じた曲率の曲面を成している。そして、連結部17a,17bが既設杭Pに当接した際、連結部17a,17bの側面(曲面)が、既設杭Pの周面にフィットするようになっている。
この杭連結装置17は、連結シリンダ17cを既設杭Pの間に配するように設置される。そして、図2(a)に示すように、連結シリンダ17cが杭列と交差する方向に伸び、一対の連結部17a,17bを離間させて、一対の連結部17a,17bを既設杭Pから離した状態が開放状態であり、図2(b)に示すように、連結シリンダ17cが杭列と交差する方向に縮み、一対の連結部17a,17bを近接させて、一対の連結部17a,17bを既設杭Pに当接させた状態が連結状態である。
そして、杭連結装置17は、クランプ装置11が支持している既設杭P1〜P3の間と、移動方向後方側のクランプ装置11が支持している既設杭P3とその既設杭P3の後方に隣接した既設杭P4の間と、クランプ装置11で支持されていない後方の既設杭P4,P5の間との4箇所に配設されて、各杭連結装置17は隣接した既設杭P同士を連結している。
このとき、4つの杭連結装置17は、それぞれ既設杭P1〜P5の間に配されて連結状態に切り替えられており、各杭連結装置17はそれぞれ隣接した既設杭P同士を連結している。具体的に、杭連結装置17は、クランプ装置11が支持している既設杭P1と既設杭P2の間と、クランプ装置11が支持している既設杭P2と既設杭P3の間と、クランプ装置11が支持している既設杭P3とその既設杭P3の後方に隣接した既設杭P4の間と、クランプ装置11で支持されていない既設杭P4と既設杭P5の間とに配されて、それぞれ隣接した既設杭P同士を連結している。
そして、既設杭P1〜P5は、杭連結装置17によって連結されて堅牢な杭列とされており、杭圧入機10のクランプ装置11は、それら既設杭P(P1〜P5)から良好に反力を取ることができるので、杭圧入機10は、杭P(Pa)の圧入を良好に行うことが可能になっている。
そして、図4に示すように、チャック装置15が杭Pbの上方を把持している状態で、チャック装置15を下降させる作動によって相対的にリーダマスト14およびサドル12を上昇させて、クランプ装置11を既設杭P1、P2、P3から抜き出す(ステップS3)。
さらに、杭連結装置17を連結状態に切り替えて、新たに設けた杭Paと既設杭P1〜P4を連結して堅牢な杭列を形成する。
ここで、新たに設けた杭Paを既設杭P1と見なすことができ、既設杭P1と見なした杭に隣接する圧入途中の二本目の杭Pbを、新たな杭Paと見なすことができる。つまり、杭圧入機10が杭P一本分前進したステップS5において、ステップS1の状態に戻ったことになる。
そして、既設杭Pa(P1)に並設する新たな杭Pb(Pa)を圧入する際、杭連結装置17によって連結されて堅牢な杭列とされた既設杭Pa〜P4(P1〜P5)から、杭圧入機10のクランプ装置11は、良好に反力を取ることができるので、杭圧入機10は、杭Pの圧入を良好に行うことができる。
そして、杭連結装置17が既設杭Pを連結してなる堅牢な杭列をクランプ装置11で支持している杭圧入機10は、それら既設杭Pから好適に反力を取って新たな杭Pの圧入を良好に行うことができ、良好に杭Pを連設することができる。
特に、杭圧入機10のクランプ装置11が掴んでいる3本の既設杭Pよりも後方の既設杭Pまで杭連結装置17で連結しているので、より多くの既設杭Pが連結された杭列は一層堅牢になり、クランプ装置11はその安定した杭列からより良好に反力を取ることができ、杭圧入中の杭圧入機10の姿勢をより安定させることができる。
次に、本発明に係る杭施工方法及びその杭施工方法に用いる杭連結装置の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
つまり、杭圧入機20は、実施形態1の杭圧入機10が杭連結装置17を備えていない構成をとっている。本実施形態2では、杭圧入機20と杭連結装置27とは、別体の機器、装置として扱われるようになっている。
連結部27a,27bは、平面視略台形形状を呈しており、比較的幅の狭い内面同士を杭列側に向けるように対向させて配される。また、連結部27a,27bにおける比較的幅の狭い内面と、その反対面側であり比較的幅の広い外面との間の側面は、既設杭Pの周面に応じた曲率の曲面を成している。そして、連結部27a,27bが既設杭Pに当接した際、連結部27a,27bの側面(曲面)が、既設杭Pの周面にフィットするようになっている。
そして、杭連結装置27は、図8(a)に示すように、連結シリンダ27cを杭列と交差する方向に縮めて、一対の連結部27a,27bを既設杭Pから離した開放状態と、図8(b)に示すように、連結シリンダ27cを杭列と交差する方向に伸ばして、一対の連結部27a,27bを既設杭Pに当接させて押圧した連結状態と、に切り替えることができる。
このとき、既設杭P1〜P5の間にそれぞれ杭連結装置27を配設し、その4つの杭連結装置27によって隣接した既設杭P同士を連結している。具体的に、杭連結装置27を、クランプ装置11が支持している既設杭P1と既設杭P2の間と、クランプ装置11が支持している既設杭P2と既設杭P3の間と、クランプ装置11が支持している既設杭P3とその既設杭P3の後方に隣接した既設杭P4の間と、クランプ装置11で支持されていない既設杭P4と既設杭P5の間とに配設して、それぞれ隣接した既設杭P同士を連結している。
そして、既設杭P1〜P5は、杭連結装置27によって連結されて堅牢な杭列とされているので、杭圧入機20のクランプ装置11は、それら既設杭P(P1〜P5)から良好に反力を取ることができ、杭圧入機20は、杭P(Pa)の圧入を良好に行うことが可能になっている。
このとき、既設杭P4と既設杭P5の間に配設していた杭連結装置27を取り外し、その取り外した杭連結装置27を杭列前方に移動させる。そして、その杭連結装置27を既設杭P1と新たに設けた杭Paの間に配して、既設杭P1と新設した杭Paとを連結する。
なお、杭列後方の杭連結装置27を杭列前方に移動させるのでなく、新たな杭連結装置27を杭列前方に追設するようにしてもよい。
そして、図10に示すように、チャック装置15が杭Pbの上方を把持している状態で、チャック装置15を下降させる作動によって相対的にリーダマスト14およびサドル12を上昇させて、クランプ装置11を既設杭P1、P2、P3から抜き出す(ステップS3)。
ここで、新たに設けた杭Paを既設杭P1と見なすことができ、既設杭P1と見なした杭に隣接する圧入途中の二本目の杭Pbを、新たな杭Paと見なすことができる。つまり、杭圧入機20が杭P一本分前進したステップS5において、ステップS1の状態に戻ったことになる。
そして、既設杭Pa(P1)に並設する新たな杭Pb(Pa)を圧入する際、杭連結装置27によって連結されて堅牢な杭列とされた既設杭Pa〜P4(P1〜P5)から、杭圧入機20のクランプ装置11は、良好に反力を取ることができるので、杭圧入機20は、杭Pの圧入を良好に行うことができる。
そして、杭連結装置27が既設杭Pを連結してなる堅牢な杭列をクランプ装置11で支持している杭圧入機20は、それら既設杭Pから好適に反力を取って新たな杭Pの圧入を良好に行うことができ、良好に杭Pを連設することができる。
つまり、杭圧入機20が良好に反力を取るために必要な既設杭Pが5本である場合、5本の既設杭Pを連結する4つの杭連結装置27があればよく、杭圧入機20の前進に伴い反力をとる対象でなくなった後方の既設杭Pから杭連結装置27を外して、杭列前方に新たに設けた杭Pと既設杭Pとを連結することによって、5本の既設杭Pを連結してなる杭列を効率的につくることができ、その杭列から良好に反力を得ることができる。
なお、本実施例では、最後方の杭連結装置27を外して、最前方に移動させているが、杭圧入機20の前進に伴い、新たな杭連結装置27を最前方に追設してもよい。
クランプ装置18は、杭列と交差する方向に鋼矢板(既設杭P)を挟み込み支持することで、杭圧入機30を既設杭Pの上端部に設置する。
この杭連結装置19は、連結シリンダ19cを杭列と交差する方向に伸縮させて、一対の連結部19a,19bを既設杭Pから離した開放状態と、一対の連結部19a,19bを既設杭Pに当接させ押圧した連結状態と、に切り替えることができる。
なお、図13では、杭連結装置19は杭圧入機30と別体としているが、図1の実施例と同様に、杭連結装置19と杭圧入機30を一体としてもよい。
11 クランプ装置
12 サドル
13 スライドベース
14 リーダマスト
15 チャック装置
16 メイン油圧シリンダ
17 杭連結装置
17a 連結部
17b 連結部
17c 連結シリンダ(駆動部)
27 杭連結装置
27a 連結部
27b 連結部
27c 連結シリンダ(駆動部)
27d フレーム
18 クランプ装置
19 杭連結装置
19a 連結部
19b 連結部
19c 連結シリンダ(駆動部)
P(P1〜P5、Pa、Pb) 杭、既設杭
G 地盤
Claims (3)
- 地盤に連設された既設杭の上端側を支持する複数のクランプ装置を備え、前記既設杭が連なる杭列上を移動する杭施工装置によって、前記既設杭に杭を並設する施工を行う杭施工方法に用いる杭連結装置であって、
隣接する双方の既設杭に当接可能に前記杭列を挟んで配されている一対の連結部と、
前記一対の連結部を接離させる駆動部とを備え、
前記駆動部が前記一対の連結部を前記既設杭に押圧することによって、隣接する既設杭を連結することを特徴とする杭連結装置。 - 前記杭連結装置は、前記杭施工装置に設けられており、前記杭施工装置の前方への移動とともに、前記既設杭が連なる杭列の前方へ移動することを特徴とする請求項1に記載の杭連結装置。
- 地盤に連設された既設杭の上端側を支持する複数のクランプ装置を備え、前記既設杭が連なる杭列上を移動する杭施工装置によって、前記既設杭に杭を並設する施工を行う杭施工方法であって、
前記複数のクランプ装置が支持している既設杭間と、前記複数のクランプ装置のうち移動方向後方側のクランプ装置が支持している前記既設杭とその既設杭の後方に隣接した既設杭との間に杭連結装置を配して、その杭連結装置で隣接する既設杭同士を連結した状態で前記施工を行い、移動方向前方側のクランプ装置が支持している前記既設杭に並ぶ配置に新たな杭を設けた後、前記杭施工装置を前方へ移動させる際に、前記杭連結装置を順次前方に追設または移動させて新たに設けた杭と前記既設杭とを連結することを特徴とする杭施工方法。
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