JP6132560B2 - 杭圧入装置 - Google Patents
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Description
杭圧入機は、装置本体と、装置本体の下部に設けられ、既設の杭を掴むクランプ装置と、装置本体の前端部に設けられ、既設の杭に隣接した位置に圧入する杭を挟んで保持するチャック装置とを備えている。また、杭圧入機の装置本体は、クランプ装置が配されたサドルと、サドルに対して前後動可能なスライドベースと、スライドベース上に配されてチャック装置が昇降可能に取り付けられているリーダーマストとを備えている。
そして、杭圧入機は、クランプ装置で既設杭の上端側を掴み、その既設杭から反力を取った状態で杭を把持するチャック装置を降下させるようにして、杭を地中に圧入するようになっている。
この杭圧入機は、クランプ装置間のクランプピッチを切り替えることで、多様な継手ピッチサイズの鋼矢板に対応して圧入施工を行うことを可能にしている。
杭圧入機100は、例えば、図5に示すように、サドル120に4箇所のクランプガイド120を有しており、チャック装置15側から順にクランプガイド120a、120b、120c、120dが設けられている。例えば、クランプガイド120aとクランプガイド120bのピッチが350mm、クランプガイド120bとクランプガイド120cのピッチが400mm、クランプガイド120cとクランプガイド120dのピッチが290mmに設けられている。
具体的には、図7に示すように、継手ピッチサイズが600mmの鋼矢板の圧入施工の際、クランプ装置110を組み付けないクランプガイド120cには、強度保持のために補強部材Rを取り付けている。
そのため、従来の杭圧入機100では、補強部材Rに関する部品点数が増えてしまい、コストアップを招いてしまうことがある。
地中に圧入された既設杭の上端側を掴んで支持するクランプ装置によって前記既設杭から反力を取り、昇降可能なチャック装置で杭を把持して下降させることにより前記既設杭に隣接する位置に杭を圧入する杭圧入装置であって、
杭圧入装置本体は4箇所のレール状のクランプガイドを備え、
前記クランプ装置は、杭圧入装置本体に取り付けられる側の基部と、前記既設杭を挟持する側の先端部とが偏心した形状を有しており、
前記クランプ装置は、前記先端部が前記基部よりも前記チャック装置側に配される向きと、前記先端部が前記基部よりも前記チャック装置とは反対側に配される向きとに切り替え可能であって、4箇所の前記クランプガイドの全てにそれぞれ交換可能に取り付けられており、
4箇所の前記クランプガイドに取り付けられる4つのクランプ装置の配設位置を組み替えることによって、継手ピッチサイズが最小でA[mm]の杭から最大で1.5A[mm]の杭に対し、前記4つのクランプ装置すべてが前記既設杭の上端側を掴んだ状態で杭の圧入施工に対応可能であることを特徴とする。
継手ピッチサイズが最小の杭は、継手ピッチサイズが400mmの杭であり、継手ピッチサイズが最大の杭は、継手ピッチサイズが600mmの杭であり、さらに継手ピッチサイズが500mmの杭に対しても、前記4つのクランプ装置すべてが前記既設杭の上端側を掴んだ状態で杭の圧入施工に対応可能であることを特徴とする。
特に、クランプ装置11は、掴んで支持した既設杭Pから反力を取って、杭圧入装置10が新たに杭Pを圧入することができるように、杭圧入装置10を既設杭Pの上端部に固定し設置するようになっている。
なお、クランプ装置11が備える固定クランプ爪と可動クランプ爪とからなるクランプ爪や、可動クランプ爪を駆動させる油圧シリンダの構成や動作は周知であるので、ここでは詳述しない。
また、クランプ装置11(11S、11M、11L)の偏心した形状等については後述する。
具体的に、サドル12の下面には、チャック装置15側から順に第1クランプガイド12a、第2クランプガイド12b、第3クランプガイド12c、第4クランプガイド12dが設けられている。例えば、第1クランプガイド12aと第2クランプガイド12bのピッチが345mm、第2クランプガイド12bと第3クランプガイド12cのピッチが630mm、第3クランプガイド12cと第4クランプガイド12dのピッチが525mmに設けられている。
このクランプガイド(12a、12b、12c、12d)は、当該杭圧入装置10の進行方向(杭列に沿った方向)を前後方向としたときの左右方向(図中、紙面に対して垂直な方向)に延在するレール状の案内溝であり、クランプ装置11の基部11aが案内溝に沿うように取り付けられる。なお、クランプガイドへのクランプ装置11の着脱等については後述する。
なお、チャック装置15は、リーダーマスト14に交換可能に配設されており、例えば、継手ピッチサイズが異なる杭に応じて付け替えることが可能になっている。また、チャック装置15が備える杭把持部や、杭把持部を駆動させる油圧シリンダの構成や動作は周知であるので、ここでは詳述しない。
なお、杭圧入装置10が杭列上を自走する動作は周知であるので、ここでは詳述しない。
具体的に、図2(a)(b)(c)に示すように、クランプ装置11の基部11a側の軸(側面視の中心線)と先端部11b側の軸(側面視の中心線)とは前後方向にずれており、クランプ装置11は偏心した形状を有している。
例えば、図2(a)に示す、偏心量が比較的小さなクランプ装置11Sは、その基部11aと先端部11bとが前後方向に50mm偏心した形状を有している。つまり、クランプ装置11Sの基部11aに対する先端部11bの偏心量は50mmである。
また、図2(b)に示す、偏心量が中庸なクランプ装置11Mは、その基部11aと先端部11bとが前後方向に100mm偏心した形状を有している。つまり、クランプ装置11Mの基部11aに対する先端部11bの偏心量は100mmである。
また、図2(c)に示す、偏心量が比較的大きなクランプ装置11Lは、その基部11aと先端部11bとが前後方向に130mm偏心した形状を有している。つまり、クランプ装置11Lの基部11aに対する先端部11bの偏心量は130mmである。
また、クランプ装置11は、サドル12のクランプガイド(12a、12b、12c、12d)に沿って左右にスライド移動させることで、サドル12から取り外すことができ、また容易に取り付けることができる。
そして、サドル12に着脱可能に備えられているクランプ装置11は、クランプ装置11の先端部11bを前方に振った向きと、後方に振った向きとに付け替えることが可能になっている。
つまり、クランプ装置11は、先端部11bが基部11aよりも当該杭圧入装置10の進行方向の前方であるチャック装置15側に配される向きと、先端部11bが基部11aよりも当該杭圧入装置10の進行方向の後方であるチャック装置15とは反対側に配される向きとに、切り替え可能にサドル12に取り付けられている。
本発明に係る杭圧入装置10は、サドル12における4箇所のクランプガイド(12a、12b、12c、12d)に取り付けられる4つのクランプ装置11の配設位置を組み替えることによって、継手ピッチサイズが最小でA(例えば400mm)の杭から最大で1.5A(例えば600mm(=1.5×400mm))の杭に対し、4つのクランプ装置11すべてが既設杭Pの上端側を掴んだ状態で杭の圧入施工に対応可能であることを特徴としている。
以下、継手ピッチサイズが異なる杭の圧入施工を行う際の4つのクランプ装置11(11S、11M、11L)の取り付け位置や向き、その際のクランプピッチ等について、具体的に説明する。
なお、4つのクランプ装置11を備えた杭圧入装置10を用いて、継手ピッチサイズが400mmの杭P400の圧入施工を行う場合、各クランプ装置11間のクランプピッチが400±40mm(「継手ピッチサイズ」±「そのサイズの1割」)の範囲であれば、全てのクランプ装置11が杭P400の上端側を確実に掴むことができるので、上記した杭圧入装置10(図1参照)であれば、好適に圧入施工を行うことができる。
但し、本実施形態では、図1に示すように、2番目のクランプ装置11Mと3番目のクランプ装置11Mとの間で、杭P400を1枚跳ばすようにしており、この間のクランプピッチは830mmである。この830mmのクランプピッチは、415mm(400±40mmの範囲内)のクランプピッチ2つ分と見なすことができ、2番目のクランプ装置11Mと3番目のクランプ装置11Mは、杭P400の上端側を確実に掴むことができるようになっている。
なお、4つのクランプ装置11を備えた杭圧入装置10を用いて、継手ピッチサイズが500mmの杭P500の圧入施工を行う場合、各クランプ装置11間のクランプピッチが500±50mm(「継手ピッチサイズ」±「そのサイズの1割」)の範囲であれば、全てのクランプ装置11が杭P500の上端側を確実に掴むことができるので、上記した杭圧入装置10(図3参照)であれば、好適に圧入施工を行うことができる。
なお、4つのクランプ装置11を備えた杭圧入装置10を用いて、継手ピッチサイズが600mmの杭P600の圧入施工を行う場合、各クランプ装置11間のクランプピッチが600±60mm(「継手ピッチサイズ」±「そのサイズの1割」)の範囲であれば、全てのクランプ装置11が杭P600の上端側を確実に掴むことができるので、上記した杭圧入装置10(図4参照)であれば、好適に圧入施工を行うことができる。
つまり、杭圧入装置10は、継手ピッチサイズが400mmの杭P400、継手ピッチサイズが500mmの杭P500、継手ピッチサイズが600mmの杭P600の3種類の異なる杭(鋼矢板)に対応し、杭の圧入施工を好適に行うことができ、継手ピッチサイズが最小でAの杭から最大で1.5Aの杭に対応して、杭の圧入施工を好適に行うことを可能にしている。
11(11S、11M、11L) クランプ装置
11a 基部
11b 先端部
12 サドル
12a 第1クランプガイド
12b 第2クランプガイド
12c 第3クランプガイド
12d 第4クランプガイド
13 スライドベース
14 マスト
15 チャック装置
P 鋼矢板(杭、既設杭)
Claims (2)
- 地中に圧入された既設杭の上端側を掴んで支持するクランプ装置によって前記既設杭から反力を取り、昇降可能なチャック装置で杭を把持して下降させることにより前記既設杭に隣接する位置に杭を圧入する杭圧入装置であって、
杭圧入装置本体は4箇所のレール状のクランプガイドを備え、
前記クランプ装置は、杭圧入装置本体に取り付けられる側の基部と、前記既設杭を挟持する側の先端部とが偏心した形状を有しており、
前記クランプ装置は、前記先端部が前記基部よりも前記チャック装置側に配される向きと、前記先端部が前記基部よりも前記チャック装置とは反対側に配される向きとに切り替え可能であって、4箇所の前記クランプガイドの全てにそれぞれ交換可能に取り付けられており、
4箇所の前記クランプガイドに取り付けられる4つのクランプ装置の配設位置を組み替えることによって、継手ピッチサイズが最小でA[mm]の杭から最大で1.5A[mm]の杭に対し、前記4つのクランプ装置すべてが前記既設杭の上端側を掴んだ状態で杭の圧入施工に対応可能であることを特徴とする杭圧入装置。 - 継手ピッチサイズが最小の杭は、継手ピッチサイズが400mmの杭であり、継手ピッチサイズが最大の杭は、継手ピッチサイズが600mmの杭であり、さらに継手ピッチサイズが500mmの杭に対しても、前記4つのクランプ装置すべてが前記既設杭の上端側を掴んだ状態で杭の圧入施工に対応可能であることを特徴とする請求項1に記載の杭圧入装置。
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