以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るクレーン1(作業機械)のブーム12(起伏体)が組み立てられる様子を示す側面図である。図2は、本実施形態に係るクレーン1の組立作業において、ブーム12の第1中間ブーム16(第1構成部材)および第2中間ブーム18(第2構成部材)が互いに連結される様子を示す模式的な平面図である。なお、以後、各図には、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」および「後」の方向が示されているが、当該方向は、本実施形態に係るクレーン1の構造、組立方法ならびに連結補助装置40(図5)の構造を説明するために便宜上示すものであり、本発明に係る連結補助装置の構造や使用態様などを限定するものではない。また、上記の各方向は、上部旋回体11の運転席を基準に示している。
クレーン1(作業機械)は、機体に相当する上部旋回体11と、この上部旋回体11を旋回可能に支持する下部走行体10と、ブーム12(起伏体)と、後記の複数の連結ピン70と、を備える。
図1に示されるようにクレーン1の一部を構成するブーム12は、クレーン1の上部旋回体11に前記上部旋回体11の左右方向に延びる回動中心軸回りに起伏方向に回動可能なように装着される。ブーム12は、いわゆるラチス型であり、複数のブーム部材(構成部材)が互いに連結されることで構築される。具体的に、ブーム12は、下部ブーム14と、複数(図例では2個)の第1中間ブーム16(第1構成部材)、第2中間ブーム18(第2構成部材)と、不図示の上部ブームとから構成される。具体的に、下部ブーム14は、上部旋回体11の前部に起伏方向に回動可能となるように連結される。第1中間ブーム16、第2中間ブーム18は、その順に下部ブーム14の先端側に着脱可能に継ぎ足される。上部ブームは、第2中間ブーム18の先端側に着脱可能に継ぎ足される。なお、本発明ではブームの具体的な構造は限定されない。例えば、当該ブームは、上記とは中間部材の数が異なるものでもよい。クレーン1が組み立てられる際には、図1に示すように、ブーム16が地上で組み立てられる。たとえば、第1中間ブーム16が地上に載置された状態で、第2中間ブーム18が補助クレーン1Sによって吊り上げられ、第1中間ブーム16と第2中間ブーム18とが互いに連結される。
図2を参照して、第2中間ブーム18は、上部旋回体11の前後方向において第1中間ブーム16に連なるように第1中間ブーム16に連結される。第1中間ブーム16は、左右一対の第1上メインフレーム161と、左右一対の第1上メインフレーム161の先端部同士を左右方向に接続する第1上サブフレーム162と、左右一対の第1下メインフレーム163(図20、図22参照)と、左右一対の第1下メインフレーム163の先端部同士を左右方向に接続する第1下サブフレーム164(図22参照)と、左右一対のサイドフレーム165(図22参照)と、を有する。左右一対のサイドフレー165は、左側の第1上メインフレーム161および第1下メインフレーム163を上下方向に接続し、右側の第1上メインフレーム161と第1下メインフレーム163とを上下方向に接続する。
同様に、第2中間ブーム18は、左右一対の第2上メインフレーム181と、左右一対の第2上メインフレーム181の先端部同士を左右方向に接続する第2上サブフレーム182と、左右一対の第2下メインフレーム183(図20参照)と、左右一対の第2下メインフレーム183の先端部同士を左右方向に接続する不図示の第2下メインフレームと、左右一対のサイドフレーム185(図20参照)と、を有する。左右一対のサイドフレーム185は、左側の第2上メインフレーム181および第2下メインフレーム183を上下方向に接続し、右側の第2上メインフレーム181と第2下メインフレーム183とを上下方向に接続する(図20参照)。
左右一対の第1上メインフレーム161、左右一対の第1下メインフレーム163、左右一対の第2上メインフレーム181および左右一対の第2下メインフレーム183は、ブーム16が地上に倒伏した状態で、それぞれ前後方向に延びるように配置されている。
第1中間ブーム16は、その前後方向の端部に、左右方向に互いに間隔をおいて配置される左右一対の第1上コネクタ16A(図2、第1コネクタ)と、前記左右一対の第1上コネクタ16Aの下方で左右方向に互いに間隔をおいて配置される左右一対の第1下コネクタ16B(図20、第3コネクタ)と、を有する。
左右一対の第1上コネクタ16Aおよび左右一対の第1下コネクタ16Bは、それぞれ第1上メインフレーム161および第1下メインフレーム163の先端部に配置される左右一対の第1板状部16P(第1連結部)を有する。これら左右一対の第1板状部16Pは、いわゆる雌コネクタを構成している。左右一対の第1板状部16Pは、コネクタ空間部16PH(空間部、図2、図18)を挟んで左右方向に互いに間隔をおいて配置される。左右一対の第1板状部16Pには左右方向に沿って連結ピン70(第1連結ピン)を受け入れる第1孔部16Qが左右方向において互いに対向するようにそれぞれ開口されている。なお、図2では、第1上コネクタ16Aのみについて示しているが、第1上コネクタ16Aの下方の第1下コネクタ16Bも同様の構造を有している。
一方、第2中間ブーム18は、その前後方向の端部に、前記左右一対の第1上コネクタ16Aに対向するように、左右方向に互いに間隔をおいて配置される左右一対の第2上コネクタ18A(第2コネクタ)と、前記左右一対の第2上コネクタ18Aの下方かつ前記左右一対の第1下コネクタ16Bに対向して、左右方向に互いに間隔をおいて配置される左右一対の第2下コネクタ18B(第4コネクタ、図20)と、を有する。
第2上コネクタ18Aおよび第2下コネクタ18Bは、それぞれ第2上メインフレーム181および第2下メインフレーム183の先端部に配置される、フレーム端面181A(対向面、図18参照)と、第2板状部18P(第2連結部)と、を有する。フレーム端面181Aは、上下方向に延びるとともに前後方向において第1上コネクタ16A(第1下コネクタ16B)に対向して配置される端面である。
第2板状部18Pは、いわゆる雄コネクタを構成している。第2板状部18Pは、左右一対のコネクタ左側面18PLおよびコネクタ右側面18PRと、コネクタ底面18PTと、を有する(図18参照)。
左右一対のコネクタ左側面18PLおよびコネクタ右側面18PRは、フレーム端面181Aから第1中間ブーム16に向かって前後方向に延びる左右一対の側面である。コネクタ底面18PTは、コネクタ左側面18PLおよびコネクタ右側面18PRを左右方向において互いに接続する、水平な底面である。
このような第2板状部18Pは、第1上コネクタ16Aと第2上コネクタ18Aとの連結(または第1下コネクタ16Bと第2下コネクタ18Bとの連結)に伴って前記左右一対の第1板状部16Pによって左右両側から挟まれるようにコネクタ空間部16PHに挿入される。また、当該第2板状部18Pには左右方向に沿って連結ピン70を受け入れる第2孔部18Qが開口されている(図2)。
図2に示すように、第1中間ブーム16の左右一対の第1上コネクタ16Aでは、左右方向の内側の第1板状部16Pに左右一対のピン受け部16Tが備えられている。ピン受け部16Tは、左右一対の第1上コネクタ16Aの内側において、連結ピン70を支持する。このため、連結ピン70が落下することが抑止され、連結ピン70が図2に示す待避位置から第1孔部16Qおよび第2孔部18Qの内部の連結位置に移動可能とされる。なお、第1中間ブーム16の左右一対の第1下コネクタ16Bにおいても、上記と同様の連結ピン70に関する構造が備えられている。
本実施形態では、上記のように、クレーン1のブーム12を構成する第1中間ブーム16と第2中間ブーム18とを連結ピン70によって互いに連結することが可能な連結補助装置40が提供される。一例として、連結補助装置40は、ブーム12の第1中間ブーム16が地上に載置され第2中間ブーム18が補助クレーン1S(吊り上げ装置、図1)によって吊り上げられた状態における、第1中間ブーム16の前記左右一対の第1上コネクタ16Aと第2中間ブーム18の前記左右一対の第2上コネクタ18Aとの連結、および、第1中間ブーム16の前記左右一対の第1下コネクタ16Bと第2中間ブーム18の前記左右一対の第2下コネクタ18Bとの連結を補助することが可能とされている。
図3および図4は、本実施形態に係る連結補助装置40が作業装置20に支持された様子を示す側面図および斜視図である。
本実施形態では、連結補助装置40を支持する作業装置20が、一例として油圧ショベルからなる。なお、各図では、油圧ショベルのバケット部分に代わって連結補助装置40が装着されている。作業装置20は、地上を走行可能な下部走行体21(走行部)と、下部走行体21上に旋回可能に支持された上部旋回体22と、上部旋回体22の前端部に配置されるキャブ23(運転席)と、作業アタッチメント24と、を有する。作業アタッチメント24は、上部旋回体22に水平な回転中心軸回りに起伏可能に支持されたブーム25と、ブーム25の先端部に水平な回転中心軸回りに回動可能に支持されたアーム26と、を有する。連結補助装置40は、アーム26の先端部に装着されている。なお、作業装置20は、ブーム25、アーム26および連結補助装置40を回動させるための不図示の油圧シリンダを含む。作業アタッチメント24は、上部旋回体22を介して下部走行体21に支持され、ブーム25およびアーム26の回動に伴って姿勢変更可能とされている。
図5、図6および図7は、本実施形態に係る連結補助装置40の正面図、平面図および側面図である。図8、図9および図10は、本実施形態に係る連結補助装置40が第1中間ブーム16に装着された様子を示す正断面図、側面図および斜視図である。連結補助装置40は、駆動シリンダ41(昇降機構)を含む本体フレーム42(本体部)と、ピン押圧シリンダ44(ピン挿入部)と、左右一対のアーム45(接続部)と、左右一対のブーム装着部46(位置決め部)と、左右一対のコネクタガイド47(ガイド部)と、を備える。
本体フレーム42は、連結補助装置40の本体部分であり、作業アタッチメント24の先端部に装着される作業装置連結部42S(被接続部)を有する。なお、連結補助装置40が第1中間ブーム16の上面部に装着されると、本体フレーム42は、第1中間ブーム16の左右方向の中央部の上方に配置される。
駆動シリンダ41は、装置本体フレーム42に固定され伸縮可能な油圧シリンダからなる。駆動シリンダ41は、シリンダ本体41Aと、第1ロッド41Bと、第2ロッド41Cと、シリンダ支持フレーム43と、を有する。シリンダ本体41Aは、装置本体フレーム42に固定され、第1ロッド41Bはシリンダ本体41Aに対して相対的に伸縮する。同様に、第2ロッド41Cは第1ロッド41Bに対して相対的に伸縮する。
シリンダ支持フレーム43は、駆動シリンダ41の第2ロッド41Cの先端部に固定されたフレームである。シリンダ支持フレーム43は、ピン押圧シリンダ44を支持する。
ピン押圧シリンダ44は、左右一対の第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44B(連結ピン挿入部)を有する。第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bは、押圧シリンダ本体441と、押圧ロッド442と、をそれぞれ有する。押圧シリンダ本体441は、所定の軸方向に沿って延びる筒形状を有する。押圧ロッド442は、押圧シリンダ本体441から前記軸方向に沿った押圧方向に向かって伸長することで連結ピン70を押圧可能とされている。
本実施形態では、第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bは、同じ軸線上に互いに対向して配置されるようにシリンダ支持フレーム43に固定されている。また、本体フレーム42は、第1押圧シリンダ44Aが連結ピン70を押圧する方向(第1方向)および第2押圧シリンダ44Bが連結ピン70を押圧する方向(第2方向)が互いに平行かつ反対の方向に向かうように、第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bを保持している。そして、第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bの押圧ロッド442が、互いに反対の方向に向かって伸長することで、後記のように左右一対の連結ピン70を押圧する。詳しくは、左右一対の第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bは、左右方向において左右一対の第1上コネクタ16Aの間の第1挿入位置に配置可能とされ、当該第1挿入位置において、左右一対の第1上コネクタ16Aおよび左右一対の第2上コネクタ18Aにおける左右一対の第1孔部16Qおよび第2孔部18Qに左右一対の連結ピン70(第1連結ピン)を左右方向の内側からそれぞれ挿入することが可能とされている。
更に、前述の駆動シリンダ41(昇降機構)は、左右一対の第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bを第1中間ブーム16および第2中間ブーム18の内部を通じて前記第1挿入位置と第2挿入位置との間で昇降させることが可能である。前記第2挿入位置は、第1中間ブーム16のうち前記左右一対の第1上コネクタ16Aの下方において左右方向に互いに間隔をおいて配置される左右一対の第1下コネクタ16B(第3コネクタ)に左右方向に沿ってそれぞれ開口された第1孔部16Q(第3孔部)と、第2中間ブーム18のうち左右一対の第2上コネクタ18Aの下方において左右方向に互いに間隔をおいて配置される左右一対の第2下コネクタ18B(第4コネクタ)に左右方向に沿ってそれぞれ開口された第2孔部18Q(第4孔部)とに、左右一対の第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bが左右方向の内側から左右一対の連結ピン70(第2連結ピン)を挿入可能な位置である。
なお、駆動シリンダ41、第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bは、作動油の供給を受ける一方作動油を排出することで伸縮する油圧シリンダからなる。このため、連結補助装置40は、シリンダ駆動部30K(図4)を有する。本実施形態では、シリンダ駆動部30Kは、作業装置20の上部旋回体22に備えられている。なお、シリンダ駆動部30Kは、本体フレーム42に備えられてもよい。シリンダ駆動部30Kは、油圧源や切換弁を含み、駆動シリンダ41、第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bに対して不図示の油路を経由して作動油を供給する。特に、シリンダ駆動部30Kは、第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bに作動油を同時に供給することで、第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bの押圧ロッド442を同時に伸長させる。他の実施形態において、駆動シリンダ41、第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bは、電動シリンダなど他の駆動シリンダでもよい。この場合、シリンダ駆動部30Kは、電動モータなどでもよい。
左右一対のアーム45は、本体フレーム42と左右一対のブーム装着部46とを左右方向に沿ってそれぞれ接続する。また、左右一対のアーム45は、左右一対のコネクタガイド47をそれぞれ保持している。
左右一対のブーム装着部46は、第1中間ブーム16の左右方向の両端部の第1上メインフレーム161にそれぞれ装着される。図5に示すように、各ブーム装着部46は、下方に開口する半円弧形状を有しており、第1上メインフレーム161の外周面に上から嵌合する。なお、本体フレーム42は、作業装置20の姿勢変更に伴って左右一対のブーム装着部46が第1中間ブーム16の第1上メインフレーム161にそれぞれ装着されるように、左右一対のアーム45を介して左右一対のブーム装着部46を保持している。左右一対のブーム装着部46は、左右一対の第1上メインフレーム161にそれぞれ嵌合することでコネクタガイド47の左右一対の第1板状部16Pに対する左右方向における相対位置を固定する。また、後記の変形実施形態のように、連結補助装置40がブーム連結部422を更に有することで、コネクタガイド47の左右一対の第1板状部16Pに対する前後方向における相対位置が更に固定されてもよい。
左右一対のコネクタガイド47は、第2中間ブーム18の左右一対の第2上コネクタ18Aの第2板状部18P(左右一対の特定第2連結部)を後記の連結準備位置までそれぞれ案内することが可能なガイド部材である。本実施形態では、図5、図6に示すように、左右一対のコネクタガイド47が、アーム45の先端部に固定(保持)されている。
図11は、本実施形態に係る連結補助装置40が第1中間ブーム16に装着された様子を示す拡大斜視図である。図12は、図11を上方から見た平面図である。図13は、図11を後方から見た背面図である。図14は、図11を側方から見た側面図である。なお、以下では、左右一対のコネクタガイド47のうち、左側のコネクタガイド47について説明するが、右側のコネクタガイド47は、左側のコネクタガイド47に対して本体フレーム42を通り前後および上下方向を含む平面に対して対称な構造を有しているため、その説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態では、連結補助装置40のブーム装着部46が第1上メインフレーム161に装着されると、コネクタガイド47は、左右一対の第1板状部16P(特定第1連結部)のうち左右方向の内側に位置する第1板状部16Pの上方に配置される(ガイド位置)。コネクタガイド47は、上下方向および前後方向に対して傾斜して配置された板状部からなる。
コネクタガイド47は、第1傾斜面47A(第2面)と、第2傾斜面47B(第1面)と、上面47Cと、下面47Dと、ガイド稜線47J(ガイド部稜線)と、を有する。
第1傾斜面47Aは、左右方向(特に右方向、第2拘束方向)と交差するように配置される傾斜面である。第2傾斜面47Bは、前後方向(特に前方向、第1拘束方向)と交差するように配置される傾斜面である。上面47Cは、第1傾斜面47Aおよび第2傾斜面47Bに接続される、コネクタガイド47の上面部である。同様に、下面47Dは、第1傾斜面47Aおよび第2傾斜面47Bに接続される、コネクタガイド47の下面部である。なお、図13に示すように、下面47Dは、左右内側の第1板状部16Pに載置される。
ガイド稜線47Jは、第1傾斜面47Aと第2傾斜面47Bとの境界に位置する稜線である。ガイド稜線47Jは、下方に進むにつれて前方向(前記第1拘束方向とは反対の方向)かつ左方向(前記第2拘束方向とは反対の方向)に沿って傾斜して延びている。なお、ガイド稜線47Jの下端部が、ガイド基準点47Kと定義される(図11)。図11では、第1傾斜面47Aの傾斜(ガイド稜線47Jの前後方向の傾斜)を理解しやすくするために、ガイド基準点47Kを通り、第1傾斜面47Aと平行な直線である仮想線47Lが破線で示されている。また、ガイド基準点47Kを通り、上下、前後および左右方向に延びる3つの直線がそれぞれ一点鎖線で示されている。なお、ガイド基準点47Kを通り前後方向に延びる直線、すなわち、第1傾斜面47Aの下端縁は、左右内側の第1板状部16Pの内側面16Rと面一とされている(図11、図12参照)。
次に、本実施形態に係る連結補助装置40を用いた、第1中間ブーム16と第2中間ブーム18との連結作業について説明する。
図15、図16は、本実施形態に係る連結補助装置40を用いて第1中間ブーム16および第2中間ブーム18が連結される様子を示す側面図である。図17は、連結補助装置40を用いて第1中間ブーム16および第2中間ブーム18が連結される際の第2上コネクタ18Aの第2板状部18Pの動きを示す側面図である。図18は、連結補助装置40を用いて第1中間ブーム16および第2中間ブーム18が連結される際に、第2上コネクタ18Aの第2板状部18Pがコネクタガイド47によって案内される様子を示す背面図である。図19は、連結補助装置40を用いて第1中間ブーム16および第2中間ブーム18が連結される際に、第2上コネクタ18Aの第2板状部18Pがコネクタガイド47によって案内されたあと下方に移動される様子を示す背面図である。図20および図21は、図16に続いて、第1中間ブーム16および第2中間ブーム18が連結される様子を示す側面図である。
図1に示すように、第1中間ブーム16が地上に載置され、第2中間ブーム18が補助クレーン1Sによって吊り上げられた状態から、第2中間ブーム18が後方に移動される(図15)。このとき、第2中間ブーム18の左右一対の第2上コネクタ18Aのうち左側の第2上コネクタ18Aにおいて、第2板状部18Pのコネクタ右側面18PR(左右一対の側面のうちの第2拘束方向側の側面)とコネクタ底面18PTとの境界に位置し前後方向に延びるコネクタ側縁18PS(連結部側縁)が、コネクタガイド47のガイド稜線47Jに当接するように、補助クレーン1Sによって第2中間ブーム18が移動される(図16、図17、図18)。なお、このとき、第2中間ブーム18の左右一対の第2上コネクタ18Aのうち右側の第2上コネクタ18Aの第2板状部18Pは、右側のコネクタガイド47に対して右方にずれた位置に配置される。
第2板状部18Pのコネクタ側縁18PSがコネクタガイド47のガイド稜線47Jに当接すると、左側の第2上コネクタ18Aの第2板状部18Pが、右方向および前方向において拘束される。なお、コネクタ側縁18PSのうちフレーム端面181Aに繋がるコネクタ側縁18PSの基端部(コネクタ基準点18P1)がガイド稜線47Jに当接することで、第2上コネクタ18Aの前後の位置がより固定されるため、より望ましい。
図16、図18の状態から、補助クレーン1Sが第2中間ブーム18を下降させると、コネクタ側縁18PS(コネクタ基準点18P1)がガイド稜線47Jに沿って下方に移動する(図17)。やがて、コネクタ側縁18PSがガイド基準点47Kに至ると、第2板状部18Pが連結準備位置に到達する。連結準備位置は、当該連結準備位置に配置された第2板状部18Pが左右一対の第1板状部16P間のコネクタ空間部16PHの上方において左右一対の第1板状部16Pおよび第2板状部18Pが互いに平行になるように配置され、かつ、平面視において第1板状部16Pの左右一対の第1孔部16Qの前後方向における位置と第2板状部18Pの第2孔部18Qの前後方向における位置とが互いに合致する位置である。
このため、作業者が補助クレーン1Sによって第2中間ブーム18をそのまま下降させると、図19の矢印に示すように、第2板状部18Pが左右一対の第1板状部16Pの間のコネクタ空間部16PHに進入し、やがて、第1板状部16Pの左右一対の第1孔部16Qと第2板状部18Pの第2孔部18Qとが左右方向において合致する。したがって、左右一対の第1孔部16Qおよび第2孔部18Qに後記のように連結ピン70が挿入されることで、第1中間ブーム16の上側部分と第2中間ブーム18の上側部分とが互いに連結される。
なお、第2中間ブーム18の右側の第2上コネクタ18Aにおいても、上記のように、左側の第2上コネクタ18Aが案内されることに伴って、第2板状部18Pが左右一対の第1板状部16Pの間のコネクタ空間部16PHに進入し、連結ピン70の挿入が可能となる。
第1中間ブーム16の左右一対の第1上コネクタ16Aおよび第2中間ブーム18の左右一対の第2上コネクタ18Aにおいて、左右一対の連結ピン70が挿入されると、作業者が補助クレーン1Sによって更に第2中間ブーム18を下降させる。この結果、第2中間ブーム18が第1上コネクタ16Aおよび第2上コネクタ18Aに挿入された連結ピン70回りに、図20の矢印のように回転し、第2中間ブーム18の左右一対の第2下コネクタ18Bの第2板状部18Pが、第1中間ブーム16の左右一対の第1下コネクタ16Bの左右一対の第1板状部16Pに嵌合する。そして、各第1下コネクタ16Bおよび第2下コネクタ18Bに開口された第1孔部16Qおよび第2孔部18Qに連結ピン70が挿入されると、第1中間ブーム16および第2中間ブーム18の下側部分が互いに連結され、両ブーム部材の連結が完了する。
次に、上記の連結作業中の連結ピン70の挿入作業について説明する。図20に示すように、コネクタガイド47のガイド機能を伴って、第1上コネクタ16Aの第1孔部16Qと第2上コネクタ18Aの第2孔部18Qとが合致した際、連結補助装置40の第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bは、図8に示すように、第1中間ブーム16の上面部、特に、左右一対の第1上メインフレーム161の間において、図2の左右一対の連結ピン70の内側にそれぞれ配置されている。この際、第1押圧シリンダ44Aによる連結ピン70の押圧方向(第1押圧方向)と、第2押圧シリンダ44Bによる連結ピン70の押圧方向(第2押圧方向)とが左右方向において互いに平行かつ反対向きに配置される。この状態で、連結補助装置40が作業装置20のキャブ23から送信された指令信号を受けると、第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bの押圧ロッド442が同時に伸長し(図22)、左右一対の連結ピン70をそれぞれ押圧する。この結果、左右一対の第1上コネクタ16Aの第1孔部16Qおよび左右一対の第2上コネクタ18Aの第2孔部18Qに左右一対の連結ピン70が順に挿入されることで、連結補助装置40が第1中間ブーム16および第2中間ブーム18の上側部分を互いに連結する。
図22に示す状態から図8に示すように、左右一対の押圧ロッド442が収縮されると、図20、図21に示すように、第2中間ブーム18の下降に伴って第1中間ブーム16の第1下コネクタ16Bと第2中間ブーム18の第2下コネクタ18Bとの位置が調整される。その後、キャブ23から指令信号が送信され、駆動シリンダ41の第1ロッド41Bおよび第2ロッド41Cがそれぞれ伸長する。この結果、図23に示すように、連結補助装置40のピン押圧シリンダ44(第1押圧シリンダ44A、第2押圧シリンダ44B)が第1中間ブーム16および第2中間ブーム18の内部(境界部分)を通って、第2連結位置に上から到達する(図24)。
その後、再び、作業装置20から供給される作動油によってピン押圧シリンダ44の第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bが駆動され、それぞれの押圧ロッド442が伸長する(図25)。この結果、左右一対の第1下コネクタ16Bおよび第2下コネクタ18Bの各孔部に連結ピン70が挿入され、連結補助装置40が第1中間ブーム16および第2中間ブーム18の下側部分を互いに連結する。
以上のように、本実施形態では、連結補助装置40が、左右一対のブーム装着部46と、左右一対のコネクタガイド47と、を有している。特に、コネクタガイド47は、ガイド位置に配置されると、左右一対の第2上コネクタ18Aのうちの少なくとも一方の第2上コネクタ18Aの第2板状部18P(特定第2連結部)を、対向する左右一対の第1板状部16P(左右一対の特定第1連結部)に連結するための連結準備位置まで案内する。詳しくは、コネクタガイド47は、上記第2板状部18Pがコネクタガイド47に当接することを許容することで、補助クレーン1Sによる第2中間ブーム18の吊り下げ動作に応じて第2板状部18Pを前記連結準備位置に至るまで案内する。この際、当該連結準備位置に至った第2板状部18Pは、左右一対の第1板状部16P間のコネクタ空間部16PHの上方において左右一対の第1板状部16Pおよび第2板状部18Pが互いに平行になるように配置され、かつ、平面視において第1板状部16Pの左右一対の第1孔部16Qの前後方向における位置と連結準備位置に配置された第2板状部18Pの第2孔部18Qの前後方向における位置とが互いに合致するように、コネクタガイド47が第2板状部18Pを案内する。一方、ブーム装着部46は、第1中間ブーム16に装着され、コネクタガイド47が前記ガイド位置に配置されるように、コネクタガイド47の左右一対の第1板状部16Pに対する特定方向における相対位置を固定する。
このような構成によれば、連結補助装置40のブーム装着部46を第1中間ブーム16に装着することで、コネクタガイド47が左右一対の第1板状部16Pに対して特定方向において固定され、コネクタガイド47をガイド位置に容易に配置することができる。そして、補助クレーン1S(吊り上げ装置)によって吊り上げられた第2中間ブーム18の第2板状部18Pを連結補助装置40のコネクタガイド47に当接させながら下降させることで、第2板状部18Pを連結準備位置まで案内することができる。そして、第2板状部18Pが連結準備位置に至った状態の第2中間ブーム18を下方向に移動させることで、一対の第1孔部16Qと第2孔部18Qとを互いに合致させることが可能となり、これらの孔部に連結ピン70を容易に挿入することができる。したがって、ブーム12を構成する複数のブーム部材同士を容易に連結しながら、ブーム12の組み立て作業を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、コネクタガイド47は、第1拘束方向(前後方向と平行かつ前記第2構成部材から前記第1構成部材に向かう方向)および第2拘束方向(上部旋回体11の左方向および前記機体の右方向のうちの一方の方向)のそれぞれの拘束方向において第2板状部18Pを拘束しながら、補助クレーン1Sによる第2中間ブーム18の吊り下げ動作に応じて第2板状部18Pを前記連結準備位置に至るまで案内する。
このような構成によれば、コネクタガイド47が第2板状部18Pを第1拘束方向および第2拘束方向の2つの拘束方向において拘束しながら、第2板状部18Pを連結準備位置まで案内することができる。このため、第2板状部18Pの移動中に当該第2板状部18Pの位置がずれにくく、第2板状部18Pを連結準備位置に安定して配置することができる。
また、本実施形態では、左右一対の第2上コネクタ18Aは、第2板状部18Pの基端部に接続され、上下方向に延びるとともに前後方向において第1中間ブーム16に対向して配置されるフレーム端面181Aを、それぞれ有する。また、第2板状部18Pは、フレーム端面181Aから第1中間ブーム16に向かって前後方向に延びる左右一対の側面(コネクタ左側面18PL、コネクタ右側面18PR)と、左右一対の側面同士を左右方向において互いに接続する水平なコネクタ底面18PTと、コネクタ左側面18PL(左右一対の側面のうちの前記第2拘束方向側の側面)とコネクタ底面18PTとの境界に位置し前後方向に延びるコネクタ側縁18PS(連結部側縁)と、を含む。更に、コネクタガイド47が、第1傾斜面47Aと、第2傾斜面47Bと、これらの境界に位置するガイド稜線47Jと、を有する。そして、ガイド稜線47Jが、第2板状部18Pのコネクタ側縁18PSのコネクタ基準点18P1と当接した状態で、補助クレーン1Sによる第2中間ブーム18の吊り下げ動作に応じて第2板状部18Pを前記連結準備位置まで案内する。
このような構成によれば、コネクタガイド47のガイド稜線47Jが、第2板状部18Pのコネクタ基準点18P1と当接することによって、第1拘束方向および第2拘束方向において第2板状部18Pを安定して拘束することができる。このため、コネクタガイド47が第2板状部18Pを連結準備位置まで安定して案内することができる。また、コネクタガイド47のうち線状のガイド稜線47Jが第2板状部18Pのコネクタ基準点18P1に当接するため、他の面状のガイド部材が第2板状部18Pに当接する場合と比較して、両者の摺動抵抗が低減される。
また、本実施形態では、コネクタガイド47は、左右一対の第1板状部16Pのうち左右方向の内側に位置する第1板状部16Pの上方に配置され、第2板状部18Pを左右方向の外側に向かって案内する。
このような構成によれば、第2板状部18Pをコネクタガイド47に沿って左右方向の外側に移動させることで、第2板状部18Pを連結準備位置まで案内することができる。また、コネクタガイド47が左右一対の第1板状部16Pのうちの左右方向の内側の第1板状部16P上に配置されるため、コネクタガイド47が左右一対の第1板状部16Pのうちの左右方向の外側の第1板状部16P上に配置される場合と比較して、連結補助装置の左右方向の幅を小さくすることができる。
また、本実施形態では、連結補助装置40が、左右一対のブーム装着部46を有し、左右一対のアーム45が当該左右一対のブーム装着部46を本体フレーム42に接続する。左右一対のブーム装着部46は、第1中間ブーム16の左右一対の第1上メインフレーム161にそれぞれ嵌合する。
このような構成によれば、左右一対のブーム装着部46が左右一対の第1上メインフレーム161に嵌合することで、連結補助装置40を第1中間ブーム16に容易かつ安定して装着することが可能となる。また、連結補助装置40の第1上コネクタ16Aに対する左右方向における相対位置を安定して固定することができる。
また、本実施形態では、連結補助装置40が左右一対のコネクタガイド47を有している。
このような構成によれば、第2中間ブーム18の左右一対の第2上コネクタ18Aのうちの何れの第2上コネクタ18Aの第2板状部18Pをコネクタガイド47に当接させても、当該第2板状部18Pを連結準備位置まで案内することが可能であり、第1中間ブーム16と第2中間ブーム18とを互いに連結することができる。
また、本実施形態では、連結補助装置40が左右一対の第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bを有している。このため、連結補助装置40を第1中間ブーム16に装着することで、第2中間ブーム18の第2上コネクタ18Aを第1中間ブーム16の第1上コネクタ16Aに容易に案内することができることに加え、両コネクタを連結ピン70によって容易に連結することができる。特に、連結補助装置40のブーム装着部46を第1中間ブーム16に装着することで、左右一対の第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bを第1挿入位置に配置することが可能となり、連結ピン70の挿入作業を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、連結補助装置40が、第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bを昇降させる駆動シリンダ41を有している。このため、連結補助装置40の左右一対のブーム装着部46を第1中間ブーム16に装着すると、駆動シリンダ41の伸縮動作(昇降動作)によって、左右一対の第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bが第1挿入位置と第2挿入位置との間で昇降可能とされる。したがって、連結補助装置40を用いて、第1中間ブーム16および第2中間ブーム18を互いに連結するための左右一対のコネクタ同士の連結を、上下方向における複数の箇所で順に実施することができる。
特に、本実施形態では、第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bが作業装置20の作業アタッチメント24の姿勢変更に伴って前記第1押圧方向および前記第2押圧方向が左右方向と平行となるような姿勢でブーム12の上部に配置されることが可能であるとともに、各押圧シリンダの押圧ロッド442が、左右一対の連結ピン70を前記第1押圧方向および前記第2押圧方向に向かってそれぞれ押圧しながら左右一対の第2上コネクタ18Aの第2孔部18Qおよび左右一対の第1上コネクタ16Aの第1孔部16Qにそれぞれ挿入することで、第1中間ブーム16および第2中間ブーム18の上側部分を互いに連結することが可能なように、連結補助装置40の本体フレーム42が第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bを保持している。
このため、1つの押圧シリンダによって各連結ピン70を順に挿入する場合と比較して、左右一対の連結ピン70を効率的に挿入することができる。また、本体フレーム42の作業装置連結部42Sが作業装置20の作業アタッチメント24の先端部に接続されると、作業アタッチメント24の姿勢を変更することで重量物である各押圧シリンダを連結ピン70の挿入位置まで容易に移動させることができる。特に、第1中間ブーム16および第2中間ブーム18のように、ブーム12などの大型の部材を構成する場合には、第1中間ブーム16および第2中間ブーム18の上面部に配置される、第1上コネクタ16Aおよび第2上コネクタ18Aは地上から数メートルの高さに位置する。このような場合でも、上記の構成によれば、作業装置20の作業アタッチメント24の高さを利用して連結補助装置40を移動することができるため、作業者が高所まで押圧シリンダを運ぶことなく、連結ピンの挿入作業を行うことが可能となり、前記作業の作業性を向上することができる。また、このような高所において作業者がハンマーなどで連結ピン70を押圧して各孔部に挿入する必要が低減され、作業者の負担を少なくすることができる。また、連結補助装置40よりも大きな重量を備える作業装置20が連結補助装置40を支持しているため、第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bが左右の連結ピン70を挿入する際に発生する反力を作業装置20によって受けることができる。
また、本実施形態では、第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bの押圧ロッド442が左右一対の連結ピン70(第1連結ピンまたは第2連結ピン)を同時に押圧するように、シリンダ駆動部30K(図4)が第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bを駆動する。この結果、第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bが第1押圧方向および第2押圧方向に向かって左右一対の連結ピン70を押圧する際に発生する反力を相殺し、本体フレーム42や作業アタッチメント24に掛かる負荷を低減することができる。
特に、本実施形態では、シリンダ駆動部30Kが第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bに作動油を同時に供給することで、各押圧ロッド442を同時に伸長させることができる。このため、作業装置20として油圧ショベルなどの油圧機械を用いることで、作業装置20で使用される充分な作動油を連結補助装置40に供給し、連結ピン70を挿入することができる。
また、本実施形態では、本体フレーム42が作業装置連結部42Sを有し、作業アタッチメント24の姿勢変更に伴って左右一対のブーム装着部46が第1中間ブーム16にそれぞれ装着されるように、前記左右一対のアーム45を保持している。
このような構成によれば、連結補助装置40を作業アタッチメント24の先端部に装着し、作業アタッチメント24を姿勢変更させることで、コネクタガイド47を第1中間ブーム16上の所定の位置に容易に配置することができる。
以上、本発明の実施形態に係るクレーン1のブーム12の組立作業に使用される連結補助装置40について説明した。なお、連結補助装置40について付言すれば、本体フレーム42の作業装置連結部42Sは、前記作業装置20の前記作業アタッチメント24のうち下部走行体21に姿勢変更可能なように支持される可動部材(ブーム25、アーム26)であってその先端部に接続部を有する可動部材の前記接続部から、前記可動部材の前記接続部に着脱可能に接続され所定の作業を行うことが可能なバケット(作業部材)が脱離された状態で、前記接続部に接続可能とされる。このため、作業装置20の作業アタッチメント24のアーム26(可動部材)に配置されバケットを装着するための接続部を利用して、連結補助装置40を作業アタッチメント24に装着することができる。
なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明は、例えば以下のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記の実施形態では、作業機械として図1に示されるクレーン10をもって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、掘削機、破砕機、ショベルなどその他の作業機械に適用されてもよい。
(2)上記の実施形態では、連結ピン70によってブーム12の第1中間ブーム16と第2中間ブーム18とが互いに連結される態様にて説明したが、たとえばブーム12の下部ブーム14(第1構成部材)と第1中間ブーム16(第2構成部材)とが連結ピン70によって連結される態様でもよい。また、作業機械の一部を構成するジブやマストなどその他の構造物を構成する第1構成部材および第2構成部材が連結補助装置40によって補助されながら互いに連結されるものでもよい。また、第1上コネクタ16A、第1下コネクタ16B、第2上コネクタ18Aおよび第2下コネクタ18Bの各板状部分の枚数、形状および配置は、上記の態様に限定されるものではない。また、連結補助装置40は、左右一対のコネクタガイド47のうち、少なくとも左右一方のコネクタガイド47を有するものでもよい。
(3)図26は、本発明の第1変形実施形態に係る連結補助装置40Aの正面図である。上記の実施形態では、連結補助装置40の左右一対のコネクタガイド47が、左右方向の内側から外側に向かって第2中間ブーム18の第2板状部18Pを案内する態様にて説明したが、図26に示すように、連結補助装置40の左右一対のコネクタガイド48が、左右方向の外側から内側に向かって第2中間ブーム18の第2板状部18Pを案内する態様でもよい。この場合、コネクタガイド48は図11の左右一対の第1板状部16Pのうち左右方向の外側の第1板状部16P上に配置される。
(4)図27は、本発明の第2変形実施形態に係る連結補助装置40Bの正面図である。図27に示すように、連結補助装置40Bは、左右一対のコネクタガイド47およびコネクタガイド48を備える態様でも良い。この場合、各コネクタガイドの位置を安定させるために、連結補助装置40Bが、コネクタガイド47およびコネクタガイド48を互いに連結する、左右一対の連結部49を備えることが望ましい。また、連結補助装置40Bの左側にコネクタガイド47が備えられ、連結補助装置40Bの右側にコネクタガイド48が備えられる態様でもよい。
(5)図28および図29は、本発明の第3および第4変形実施形態に係る連結補助装置40C、40Dの正面図である。これらの変形実施形態では、連結補助装置40C、40Dの左右一対のアーム45(接続部)が、本体フレーム42に対して左右一対のブーム装着部46および左右一対のコネクタガイド47を左右方向に沿って相対移動させる移動機構を有する。図28では、アーム45が、アームシリンダ本体451およびアームロッド452を有する。すなわち、アーム45は、伸縮可能な油圧シリンダであり、アームロッド452がアームシリンダ本体451に対して伸長、収縮することで、アーム45の全長が変化する。この結果、クレーン1(ブーム12)の機種に応じて、第1中間ブーム16(第2中間ブーム18)の左右方向の幅が異なる場合でも、連結補助装置40Cを第1中間ブーム16に安定して装着することができる。
一方、図29では、アーム45が、第1アーム支点部453回りに図29の矢印に示すように回動可能とされている。本変形実施形態においても、クレーン1(ブーム12)の機種に応じて、第1中間ブーム16(第2中間ブーム18)の左右方向の幅が異なる場合でも、連結補助装置40Dを第1中間ブーム16に安定して装着することができる。なお、アーム45が回動した場合でも、ブーム装着部46およびコネクタガイド47がアーム45に対して第2アーム支点部454回りに相対回転可能とされることで、ブーム装着部46が第1中間ブーム16の第1上メインフレーム161に安定して装着可能とされるとともに、コネクタガイド47が第2板状部18Pを前述の連結準備位置に安定して案内することができる。
(6)図30Aおよび図30Bは、本発明の第5変形実施形態に係る連結補助装置40Eが第1中間ブーム16に装着される様子を示す側面図である。本変形実施形態では、本体フレーム42が支持フレーム421と、ブーム連結部422(位置決め部、第2装着部)と、を有する。ブーム連結部422は、支持フレーム421に対して左右方向に延びる揺動支点部423回りに回動可能とされている。ブーム連結部422は、第1中間ブーム16の第1上サブフレーム162(サブフレーム)の外周面に沿った半円弧形状を有している。また、ブーム連結部422の内周面の後端部には、下方に向かって当接部424が突設されている。作業装置20によって連結補助装置40Eが第1中間ブーム16の上面部に配置される際、図30Aに示すように、当接部424が第1上サブフレーム162の外周面に当接すると、ブーム連結部422が揺動支点部423回りに回動する。この結果、ブーム連結部422が第1上サブフレーム162の外周面に嵌りこむ。この結果、ブーム連結部422は、第1上サブフレーム162に嵌合することでコネクタガイド47の左右一対の第1板状部16Pに対する前後方向における相対位置を固定する。この際、ブーム連結部422は、第1上サブフレーム162の前側部分に嵌合しているため、第2中間ブーム18の第2板状部18Pがコネクタガイド47のガイド稜線47Jに当接した際に、連結補助装置40Eが後方に転倒することが防止される。
このように、本変形実施形態では、ブーム連結部422が第1上サブフレーム162に嵌合することで、連結補助装置40Eを第1中間ブーム16に安定して装着することが可能となるとともに、コネクタガイド47の第1板状部16Pに対する前後方向における相対位置を固定することができる。
(7)また、上記の実施形態では、駆動シリンダ41は、シリンダ本体41Aと、第1ロッド41Bと、第2ロッド41Cと、を有する態様にて説明したが、駆動シリンダ41の構造がこれに限定されるものではない。駆動シリンダ41は、単独のシリンダからなるものでもよいし、複数のシリンダからなるものでもよい。後者の場合、駆動シリンダ41は、公知の複数段式のテレスコープ状の構造としたものでもよい。
(8)また、上記の実施形態では、第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bの押圧ロッド442が同時に伸長し(図22)、左右一対の連結ピン70をそれぞれ押圧する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。第1押圧シリンダ44Aおよび第2押圧シリンダ44Bの押圧ロッド442が順に伸長し、左右一対の連結ピン70をそれぞれ順に押圧する態様でもよい。