以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態における撮像システム500の構成の一例を示す図である。
図1において、撮像システム500は、撮像装置の一例であるデジタルカメラ100と、外部装置の一例であるPC(パーソナルコンピュータ)300とを有する。
デジタルカメラ100は、静止画を撮影する機能だけでなく、動画を撮影する機能も有する。また、デジタルカメラ100は、無線通信回線510を介してPC300に、撮影した動画又は静止画を自動的に転送する自動転送機能を有する。また、デジタルカメラ100及びPC300間では、無線通信により相互にコマンドや画像データなどのデータが送受信される。
無線通信回線510としては、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g等の無線LAN(local area network)を用いることができる。また、Bluetooth等のスペクトラム拡散通信、IrDA(Infrared Data Association)等の赤外線通信を用いることもできる。
図2は、図1におけるデジタルカメラ100の構成を概略的に示すブロック図であり、図3は、図2のデジタルカメラ100の背面図である。
図2及び図3において、デジタルカメラ100は、以下の構成部分及び要素を有する。
デジタルカメラ100は、本体部と、電源部85と、メモリカード200,210とを有する。デジタルカメラ100には光学ファインダ104が設けられている。
デジタルカメラ100には、入射光の光路に沿って、可動バリアとして機能する保護部102、被写体の光学像を取り込むレンズ部10、絞り機能を有するシャッタ12、光学像を電気的なアナログ画像信号に変換する撮像素子14が配置されている。レンズ部10、シャッタ12及び撮像素子14はデジタルカメラ100の撮像部を構成する。撮像素子14には、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等のイメージセンサを用いることができる。保護部102は、デジタルカメラ100の内部を覆うことにより、撮像部の汚れや破損を防止する。また、レンズ部10はフォーカシング及びズーミングを行う。
撮像素子14には、後述するA/D変換器16、画像処理部20、メモリ制御部22、バス5、及びメモリ30が順に接続されている。また、メモリ制御部22は、A/D変換器16に直接的に接続されている。
また、メモリ制御部22には、画像表示メモリ24が直接的に接続されていると共に、システム制御部50にバス5を介して接続されている。また、メモリ制御部22には、画像表示部28がD/A変換器26を介して接続されている。画像表示部28には、例えば、TFT−LCD(薄膜トランジスタ方式液晶ディスプレイ)を用いることができる。
メモリ30は、所定枚数の静止画や所定時間の動画の画像データを格納するのに十分な記憶容量を有し、デジタルカメラ100の内部バッファとして機能する。また、メモリ30は、パノラマ撮影や複数枚の静止画を連続して撮影する連続撮影の場合であっても、高速且つ大量の画像データを書き込み可能に構成されている。
画像表示部28は、メモリ30又は画像表示メモリ24に記録された画像データを再生表示したり、後述する無線メニューを表示したりする。また、画像表示部28は、取り込んだ光学像を逐次表示するための電子ファインダ(EVF:electronic viewfinder)機能を有する。
さらに、メモリ制御部22には、タイミング発生部18が接続されており、タイミング発生部18は、撮像素子14、A/D変換器16、及びD/A変換器26に接続している。
バス5には、圧縮伸張部32、カードインターフェース(I/F)90及びカードインターフェース(I/F)94が接続されている。カードインターフェース90にはコネクタ92が接続され、カードインターフェース94にはコネクタ96が接続されている。
システム制御部50には、プログラムメモリ52と、出力部54と、不揮発性メモリ56と、シャッタ12に接続されている露光制御部40と、レンズ部10に接続された測距制御部42及びズーム制御部44と、保護部102に接続されたバリア制御部46と、フラッシュ48と、電源制御部80と、カード検知部98と、アンテナ112を有する無線通信部110と、操作部60とが接続されている。
電源制御部80は、コネクタ82を介して電源部85と接続されると共に、電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、及び通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。
電源部85は、コネクタ82と接続するためのコネクタ84を有し、コネクタ84は電源86と接続される。電源86は、電池又はACアダプタからなり、電池としては、例えば、アルカリ電池、リチウム電池等の一次電池や、NiCd電池、NiMH電池、リチウム電池等の二次電池を用いることができる。
メモリカード200及び210は、取り外し可能な記憶媒体である。メモリカード200及び210は、同じ種類の記憶媒体であっても異なる種類の記憶媒体であってもよい。本実施形態では、デジタルカメラ100で撮影された静止画又は動画をユーザによって選択されたメモリカードに記録するが、メモリカード200及び210に記録するようにしてよい。メモリカード200及び210には、SDメモリカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)、リムーバブルHDDなどを用いることができる。なお、メモリカードに代えて、取り外し不可能なHDD等から構成されてもよい。メモリカード200は、メモリ202と、カメラインターフェース(I/F)204と、コネクタ206とを有する。メモリカード210は、メモリ212と、カメラインターフェース(I/F)214と、コネクタ216とを有する。メモリ202及び212は、ランダムアクセス可能な不揮発性メモリである。カメラインターフェース204はデジタルカメラ100側のカードインターフェース90と通信可能であり、カメラインターフェース214はデジタルカメラ100側のカードインターフェース94と通信可能である。コネクタ206はカメラ側のコネクタ92と接続可能であり、コネクタ216はカメラ側のコネクタ98と接続可能である。なお、メモリカード200及び210の装着及び取り外しは、カード検知部98によって検知される。
操作部60は、モードダイアルスイッチ62と、第1シャッタスイッチ(SW1)及び第2シャッタスイッチ(SW2)を構成するシャッタボタン64と、画像表示スイッチ66と、クイックレビュースイッチ68と、入力部70とを有し、夫々がシステム制御部50と接続されている。
入力部70は、ボタン、スイッチ、及びダイアルで構成されており、必要に応じて、画像表示部28上に設けられるタッチパネル、視線検知によるポインティングデバイス、及び音声認識デバイスからなる群から選択された1つ以上のデバイスを組み合わせてもよい。
入力部70のボタンには、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、シングルショット/連続撮影/セルフタイマ切替ボタン、メニュー上移動ボタン(上ボタン)、メニュー下移動ボタン(下ボタン)、メニュー右移動ボタン(右ボタン)、メニュー左移動ボタン(左ボタン)、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像移動−(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正設定ボタン、日付/時間設定ボタン、シングル再生モードとマルチ再生モードとの間で通常再生モードを切り替える通常再生モード切替ボタン等がある。
また、入力部70には、無線通信を行うべきPC300等の外部装置を接続先として登録するための登録ボタン(以下、「ペアリングボタン」という)、該登録された接続先の外部装置と無線接続を確立して無線通信を開始するための通信開始ボタン、及び該無線接続を切断して無線通信を終了するための通信終了ボタンも設けられている。
A/D変換器16は、撮像素子14からのアナログ画像信号をデジタル画像データに変換する。
画像処理部20は、A/D変換器16からの画像データ又はメモリ制御部22からの画像データに、画素補間処理、色変換処理、演算処理等を行う。また、画像処理部20は、演算処理で得られた演算結果に基づいて、システム制御部50を介して露光制御部40や測距制御部42を制御することにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理及びAWB(オートホワイトバランス)処理、並びにAE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理を行う。
メモリ制御部22は、A/D変換器16、タイミング発生部18、画像処理部20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30及び圧縮伸張部32を制御する。
メモリ30は、A/D変換器16からの画像データを、メモリカード200及び/又は210への書き込みが完了するまで格納する。また、メモリ30は、メモリカード200又は210から読み出された画像データを格納する。さらに、メモリ30は、システム制御部50の作業領域として使用される。
画像表示メモリ24は、撮影画像の表示用画像又はメモリカード200又は210に記憶されている画像の表示用画像を記憶する。
D/A変換器26は、メモリ制御部22からの表示用画像をアナログ画像信号に変換する。画像表示部28は、D/A変換器26から供給されたアナログ画像信号を表示する。
画像表示部28は、画像表示メモリ24に格納されている撮影画像の表示用画像を表示することにより、電子ファインダ機能を実現する。また、画像表示部28は、システム制御部50からの指示、又は画像表示スイッチ66からのシステム制御部50を介した任意の指示により、その表示がオン/オフされる。なお、デジタルカメラ100は、画像表示部28の表示がオフであるときに、電源86の電力を大量に消費しないように構成されている。
また、画像表示部28は、回転可能なヒンジ部を介してデジタルカメラ100の本体部と結合されており、これにより、ユーザは、電子ファインダ機能や再生表示機能などによる表示を自由な向きや角度で視認することができる。また、画像表示部28は、その表示部分をデジタルカメラ100の本体部に向けて格納可能に構成されている。
タイミング発生部18は、メモリ制御部22及びシステム制御部50により制御されて、撮像素子14、A/D変換器16、又はD/A変換器26にクロック信号や制御信号を供給する。
圧縮伸張部32は、メモリ30に格納された画像データを読み込み、その画像データを所定の画像圧縮方法に従って圧縮し、圧縮された画像データをメモリ30に書き込む。また、圧縮伸張部32は、メモリ30から圧縮された画像データを読み込み、その画像データを伸張し、伸張された画像データをメモリ30に書き込むこともできる。なお、所定の画像圧縮方法としては、JPEG、JPEG 2000、Motion JPEG、MPEG 2、MPEG 4等で規定された画像圧縮方法を使用することも、適応離散コサイン変換(ADCT:Adaptive Discrete Cosine Transform)、ウェーブレット変換等を用いた画像圧縮方法を使用することもできる。
システム制御部50はデジタルカメラ100全体を制御する。例えば、システム制御部50は、撮像素子14から読み出したアナログ画像信号をメモリ30に画像データとして書き込む露光処理、画像処理部20やメモリ制御部22での演算結果を用いて画像データに対応する画像を現像する現像処理、及びメモリ30から読み出した画像データに圧縮伸張部32で圧縮処理又は伸張処理を施してメモリカード200,210に書き込む記録処理を指示する。
プログラムメモリ52は、デジタルカメラ100の動作を制御するための制御プログラムを記憶している。この制御プログラムは、システム制御部50で実行される。
出力部54は、LCDやLED(light emitting diode)等からなる液晶表示装置と、発音素子を含むスピーカとの組み合わせにより構成されており、デジタルカメラ100の後述する操作部60近傍の視認容易な位置にそれぞれ1つ以上設置されている。また、出力部54は、その一部の機能を実現する素子が光学ファインダ104内に設置されている。
出力部54のスピーカは、システム制御50から所定のD/A変換器を介して入力されたデジタル音声データに応じた動作状態、音声メッセージ等の音声を外部に向かって再生する。出力部54の液晶表示装置は、システム制御部50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像等を用いて動作状態、メッセージ等を表示出力する。
出力部54のLCDには、シングルショット/連続撮影の選択、セルフタイマ、圧縮率、記録画素数、記録枚数、残撮影可能枚数、シャッタスピード、絞り値、露出補正設定、フラッシュ設定、赤目緩和機能使用、マクロ撮影、ブザー設定、時計用電池の残容量、他の電池の残容量、エラー、複数桁の数字による情報、メモリカード200及びメモリカード210の取り外し状態、通信I/F動作、日付・時刻等が表示される。
また、出力部54の表示内容のうち、光学ファインダ104内には、合焦、手振れ警告、フラッシュ充電、シャッタスピード、絞り値、露出補正設定等が表示される。
不揮発性メモリ56は、例えば、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)からなり、電気的に記録データを消去したり、記録したりする。デジタルカメラ100の設定に関するデータは、不揮発性メモリ56に記憶される。
露光制御部40はシャッタ12を制御する。また、露光制御部40は、フラッシュ48と連携することによりフラッシュ調光機能を有する。測距制御部42はレンズ部10によるフォーカシングを制御する。露光制御部40及び測距制御部42は、TTL方式を用いて、システム制御部50により画像処理部20による演算結果に基づき、制御される。
ズーム制御部44はレンズ部10によるズーミングを制御する。バリア制御部46は保護部102の動作を制御する。フラッシュ48は、AF補助光の投光機能及びフラッシュ調光機能を有する。
電源制御部80は、電源86の種類、即ち電池かACアダプタかの検出、電池の装着の有無の検出、並びに装着されている電池の種類及び残容量の検出を行い、それらの検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいて、必要な電圧の電力を必要な期間、デジタルカメラ100及びメモリカード200,210へ供給すべく、DC−DCコンバータを制御する。電源86は、デジタルカメラ100及びメモリカード200,210へ電力を供給する。
無線通信部110は、無線通信回線510を介してPC300と無線で通信することができる。無線通信部110は、デジタルカメラ100に内蔵されたものであっても、取り外し可能なものであってもよい。
操作部60は、システム制御部50の各種の動作指示を操作入力する。以下、操作部60の作動を具体的に説明する。
モードダイアルスイッチ62は、電源オフモードと、自動撮影モード、通常撮影モード、及びパノラマ撮影モードからそれぞれなる静止画撮影(REC)モード及び動画撮影(MOVIE)モードと、シングル再生モード及びマルチ再生モードとからなる通常再生モード、並びにマルチ画面再生・消去モードからなる再生(PB)モードと、PC(パーソナルコンピュータ)接続モードとを含む複数の機能モード(動作モード)の間で動作モードを切り替える。シングル再生モードでは、画像表示部28の表示画面全体に1つの画像(シングル画像)が表示され、マルチ再生モードでは、各画像を縮小することにより画像表示部28の表示画面全体に複数の画像(マルチ画像)が表示される。
第1のシャッタスイッチSW1は、シャッタボタン64の押下の途中でオンとなる。これにより、システム制御部50は、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の動作開始を指示する。第2のシャッタスイッチSW2は、シャッタボタン64の完全な押下でオンとなる。これにより、システム制御部50は、静止画撮影モードのときは、露光処理、現像処理、及び記録処理で構成される一連の処理の動作開始を指示し、動画撮影モードのときは、動画撮影の開始や撮影中の動画の停止を指示する。
画像表示スイッチ66は、画像表示部28のオン/オフを切り替える。この画像表示スイッチ66により画像表示部28をオフに切り替えたときは、画像表示部28への電流供給が遮断され、電子ファインダ機能を使用しないので、特に光学ファインダ104を用いて撮影を行う場合に、省電力化を図ることができる。
クイックレビュースイッチ68は、撮影直後に記録した画像データに対応する画像を自動的に再生するクイックレビュー機能のオン/オフを切り替える。なお、クイックレビュースイッチ68は、画像表示部28がオフされたときに、クイックレビュー機能がオンに切り替わるように構成されていることが好ましい。
デジタルカメラ100は、画像表示部28による電子ファインダ機能を使用しないときは、光学ファインダ104のみを用いて撮影を行うことが可能である。
図4は、図1におけるPC300の構成を概略的に示すブロック図である。
図4において、PC300は、アンテナ312を有する無線通信部310と、無線通信部310に接続されたシステム制御部350とを有する。
無線通信部310は、無線通信回線510を介してデジタルカメラ100と無線で通信することができる。無線通信部310は、PC300に内蔵されたものであっても、取り外し可能なものであってもよい。
システム制御部350は、PC300全体を制御して所定の画像処理を行う。具体的には、システム制御部350は、デジタルカメラ100から送信された画像データをアンテナ312及び無線通信部310を介して受信し、該受信した画像データをPC300側の記憶媒体に格納するバックアップ処理を行ったり、PC300側の記憶媒体に格納した画像データのプリント処理を行ったりする。
図5及び図6は、図2のデジタルカメラ100の動作を示すフローチャートである。システム制御部50は、プログラムメモリ52に記憶されている制御プログラムに従って、図5及び図6を用いて説明する処理を制御する。
まず、図5において、ステップS101では、デジタルカメラ100は、電源が投入されると、フラグや制御変数等を初期化すると共にデジタルカメラ100各部を初期化する初期化処理を行う。次いで、出力部54を介して画像表示部28にデジタルカメラ100の設定状態を表示する(ステップS102)。また、設定状態の一部を音声によりユーザに通知してもよい。
続くステップS103では、デジタルカメラ100と無線接続可能な無線通信機能を有する少なくとも1つの外部装置、例えばPC300があるときは、PC300と無線接続するために使用される無線パラメータを取得し、メモリ30、プログラムメモリ52、及び不揮発性メモリ56の少なくとも1つのメモリに記憶する。
また、ステップS103では、入力部70のペアリングボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS103)。ペアリングボタンが押下されたときは、デジタルカメラ100が無線パラメータを取得済みのPC300をデジタルカメラ100の接続先として登録するための接続先登録処理を実行して(ステップS104)。ステップS102に戻る。一方、ペアリングボタンが押下されていないときや接続先の登録が完了しているときは、ステップS105に進む。
ステップS105では、入力部70の通信開始ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS105)。通信開始ボタンが押下されていないときは(ステップS105)、無線接続の確立を行うことなく、操作部60のモードダイアルスイッチ62により設定されているデジタルカメラ100の動作モード(再生(PB)モード,動画撮影(MOVIE)モード,静止画撮影(REC)モード)に応じた処理を実行して(ステップS106)、ステップS102に戻る。一方、通信開始ボタンが押下されときは(ステップS105)、ステップS110に進んで、図6の処理を行う。
続くステップS110では、モードダイアルスイッチ62の設定が動画撮影モードであるか否かを判断する(ステップS110)。
ステップS110の判定の結果、動画撮影モードであるときは、出力部54を介して画像表示部28に画像を用いた所定の警告を表示して(ステップS111)、ステップS102に戻る。
上記ステップS111において、所定の警告表示を行うことにより、ユーザが動画撮影中に、デジタルカメラ100からPC300に無線通信によって大容量の動画データを転送することを確実に防止することができる。その結果、転送される大容量の動画データが、デジタルカメラ100及びPC300間における伝送レートの不足の影響により、フレーム落ちしたり、途中で打ち切られたり、又は一時停止(中断)したりして不完全な動画データになるのを防止することができると共に、撮影される被写体の動画が、大容量の動画データの転送の影響により、フレーム落ちしたり、途中で打ち切られたり、又は一時停止(中断)したりして不完全な動画データになるのを防止することができる。
一方、ステップS110の判定の結果、動画撮影モードでなく、静止画撮影モード又は再生モードであるときは、デジタルカメラ100とPC300との間に無線接続を確立させるための接続確立処理を行い(ステップS112)、無線接続の確立に成功したか否かを判定する(ステップS113)。無線接続の確立に失敗したときは、ステップS111と同様に所定の警告を表示して(ステップS114)、ステップS102に戻り、一方、無線接続の確立に成功したときは、ステップS115に進み、モードダイアルスイッチ62の設定が静止画撮影モードであるか否かを判定する。
ステップS115の判定の結果、静止画撮影モードであるときは、撮影した被写体の静止画データをメモリカード200,210のいずれか、例えばメモリカード200に記録すると同時に、該静止画データをデジタルカメラ100の送信バッファ(不図示)に格納するための撮影同時転送に関する設定がオンであるか否か、すなわち、無線メニューにおける設定項目「自動転送」が「入」に設定されているか否かを判定する(ステップS120)。なお、本実施形態では、撮影された静止画をメモリカード200又は210に記録する処理と、その静止画をPC300に転送する処理とを同時に或いは並行して行うこと機能を「撮影同時転送」と呼ぶ。撮影同時転送の設定がオンである場合は、デジタルカメラ100は、その動作モードが静止画撮影モードであることをPC300に通知すると共に、送信バッファ内の画像データをPC300に無線通信により転送するための撮影同時転送処理を実行して(ステップS121)、ステップS123に進み、一方、撮影同時転送の設定がオフである場合は、静止画撮影モードに応じた処理を実行して(ステップS122)、ステップS123に進む。
続くステップS123では、無線接続を切断するために、入力部70の通信終了ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS123)。通信終了ボタンが押下されていないときは、ステップS115に戻って各動作モードに応じた処理を実行する。一方、通信終了ボタンが押下されたときは、PC300との間で確立されている無線通信を切断するための無線切断処理を行い(ステップS124)、ステップS102に戻る。
一方、ステップS115の判定の結果、静止画撮影モードでなく、再生モードであるときは、デジタルカメラ100は、その動作モードが再生モードであることをPC300に通知すると共に、PC300にそのPC制御モードの問い合わせを行う(ステップS116)。問い合わせにより取得されたPC300のPC制御モードがPCダイレクト転送(DT)モードであるか否かを判定し(ステップS117)、PCダイレクト転送(DT)モードであるときは、PCダイレクト転送処理を実行して(ステップS118)、ステップS123に進み、ステップS115以降の処理を実行するか否か、すなわち本動作モードにおける処理を継続するか否かを判定する。一方、問い合わせにより取得されたPC300のPC制御モードがリモートキャプチャ(RC)モードであるときは、リモートキャプチャ処理を実行して(ステップS119)、ステップS123に進む。ステップS123では、無線接続の切断の指示があるかどうかを判定する。そして、無線接続の切断の指示がある場合は、無線接続を切断し、ステップS102に戻る。
このように、本実施形態におけるデジタルカメラ100によれば、静止画撮影モード又は再生モードであるときは、PC300との無線接続を確立させることができ、静止画撮影モードであるときは、撮影同時転送を行うことができる。
なお、図5のステップS103において、無線パラメータを取得するとしたが、これに代えて、ステップS101において、メモリカード200,210を介して情報のやりとりをすることにより無線パラメータを取得してもよい。また、ステップS103又はステップS101の無線パラメータの取得は、デジタルカメラ100及びPC300間をUSB等を介してケーブルなどの有線で接続することによって実行してもよい。
また、ステップS111,S114では、画像を用いた警告表示に代えて、音声を用いた警告を発してもよく、これらを組み合わせてもよい。
図7は、図3に示す無線メニューを表示するための無線メニュー表示処理のフローチャートである。図7を用いて説明する処理は、入力部70のメニューボタンが押下されたときに、デジタルカメラ100のシステム制御部50によって実行され、無線メニューは画像表示部28に表示される。システム制御部50は、図7を用いて説明する処理も、プログラムメモリ52に記憶されている制御プログラムに従って制御する。
図7において、まず、ステップS201では、デジタルカメラ100とPC300とが無線接続中であるか否か、すなわち、デジタルカメラ100及びPC300の間で無線接続が確立されているか否かを判定する。無線接続中である場合は、続くステップS202において、モードダイアルスイッチ62の設定が静止画撮影モードであるか否かを判定し、静止画撮影モードであるときは、送信バッファ内の撮影した被写体の画像データがあるか否かを判定することにより、送信バッファが空であるか否かを判定する(ステップS203)。
送信バッファが空である場合は(ステップS203でYES)、無線メニューにおける設定項目「自動転送」の「入」/「切」(以下、「自動転送の設定」という)の切替を許可して(ステップS204)、本処理を終了する。
ステップS204の処理により、設定項目「自動転送」は、図3に示すように無線メニュー上で選択可能となるように通常表示される。これにより、ユーザは、上記ステップS121で実行すべき撮影同時転送に関する設定をオン及びオフの間で切り替えることができるようになる。
一方、無線接続中でないとき、例えばデジタルカメラ100及びPC300間の無線接続が切断されている間(ステップS201でNO)、静止画撮影モードでなく動画撮影モードや再生モードであるとき(ステップS202でNO)、又は送信バッファが空でなく画像データの転送中であるとき(ステップS203でNO)は、自動転送の設定の切替を禁止して(ステップS205)、本処理を終了する。
ステップS205の処理により、設定項目「自動転送」は、無線メニュー上で選択不可能となるように、例えば図8に示すように白抜き表示される。なお、白抜き表示に代えてグレイアウト表示や網掛け表示などであってもよい。これにより、ユーザは、上記ステップS121で実行すべき撮影同時転送に関する設定をオン及びオフの間で切り替えることができなくなる。
図7の処理によれば、デジタルカメラ100とPC300との無線接続の状況(ステップS201,S203)やデジタルカメラ100の動作モード(ステップS202)に応じて無線メニュー上における自動転送の設定の切替が許可又は禁止される。
例えば、自動転送の設定の切替を禁止することにより、以下のような効果を奏することができる。
第1の具体例としては、ステップS205の処理がないために自動転送の設定の切替が禁止されることがない場合であって、ユーザが、無線接続が切断されている間に自動転送の設定をオンに切り替えたときに、撮影中の被写体の画像に対応する画像データ又は電子ファインダ機能により画像表示部28に表示されている画像に対応する画像データがPC300へ自動転送されていると誤解するのを確実に防止することができる。
第2の具体例としては、ステップS205の処理がないために自動転送の設定の切替が禁止されることがない場合であって、ユーザが、再生モードにおいて画像表示部28上で動画を再生している間に自動転送の設定をオンに切り替えたときに、再生中の画像に対応する画像データがPC300へ自動転送されていると誤解するのを確実に防止することができる。
第3の具体例としては、ステップS205の処理がないために自動転送の設定の切替が禁止されることがない場合において、ユーザが、画像データの転送中であることを知らずに自動転送の設定をオフに切り替えてしまうことを確実に防止することができる。すなわち、自動転送の設定の切替を禁止することによって、ユーザは、禁止が解除されるまでの間は画像データの転送中であることを容易に理解することができる。
以上のことから、デジタルカメラ100は、画像データの転送が実行不可能な状況又は画像データの転送に適していない状況にあるときは画像表示部28の表示を優先的に実行し、一方、画像データの転送に適している状況にあるときは画像データの転送を優先的に実行するので、ユーザの意図した通りに動作を実現することができ、もって、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
上記実施形態において、デジタルカメラ100とPC300との間の無線接続の有無及び無線受信状態は、例えば図3に示すようなアンテナマーク301で表すことができる。システム制御部50は、デジタルカメラ100とPC300との間の無線接続が確立している場合は(図6のステップS105でYES、特にステップS113でYES,図7のステップS201でYES)、アンテナマーク301を図3に示すように表示する。アンテナマーク301を表示する場合、システム制御部50は、3本の縦線のうち何本の縦線を表示するかを電波受信状態に応じて決定する。電波受信状態は、無線通信部110によって検出され、システム制御部50に通知される。電波受信状態が最も良好な場合は3本の縦線を表示し、電波受信状態が悪くなるに従って表示する縦線の本数を減らす。電波受信状態が最も悪い場合は縦線が1本も表示されないことになる。また、システム制御部50は、デジタルカメラ100とPC300との間の無線接続が確立していない場合(ステップS113でNO,ステップS201でNO)、アンテナマーク301を図8に示すように消去する。また、デジタルカメラ100とPC300との間の無線接続は確立しているが無線通信を行うことができない場合(例えば、動画撮影モードやPCダイレクト転送モードである場合)にも(ステップS115でNO,ステップS202でNO)、アンテナマーク301を消去する。これにより、ユーザは、アンテナマーク301を確認することによって、無線通信及び画像データの転送が不可能な状況にあることを容易に理解することができる。これにより、ユーザの使い勝手を向上させることができる。なお、無線受信状態は、アンテナマーク301に限るものではなく、例えば、音声で示してもよい。また、アンテナマーク301は、無線メニューを表示していないときにも表示するようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、入力部70のペアリングボタン、通信開始ボタン、及び通信終了ボタンなどを用いて、接続先の登録、無線接続の確立、及び無線切断を行うとしたが、これに代えて図3に示す無線メニュー上の設定項目で各処理の設定を行ってもよい。この場合、無線メニュー上の設定項目で設定可能な処理に対応するボタンを設けなくてもよい。
また、無線メニュー上の設定項目「自動転送」の設定、即ち撮影同時転送に関する設定に対応するボタンを設けてもよい。この場合、当該ボタンは、設定項目「自動転送」の無線メニュー上での選択可能/不可能に対応するように、その押下が有効/無効となるように構成される。
本実施形態では、撮像装置としてデジタルカメラ100を採用したが、デジタルカメラ100の代わりにデジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話等を採用してもよい。
また、PC300は、プリント処理を行わないように構成されたファイルサーバであってもよいし、バックアップ処理を行わずに直接プリント処理を行うように構成されたプリンタなどの出力装置であってもよい。すなわち、外部装置は、PC300に限るものではなく、本実施形態における撮像装置と無線通信可能な装置であればいかなるものであってもよい。
<その他の実施形態>
また、本発明の目的は、上述した各実施の形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPUなど)が記憶媒体に格納されたプログラムコード(コンピュータプログラム)を読み出して実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上記実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。又は、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
また、コンピュータが読み出したコンピュータプログラムを実行することにより、上記の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上記の実施形態の機能が実現される場合も含まれる。