以下に、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、以下に説明する複数の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
先ず、図1を参照して、本発明の電子機器をデジタルスチルカメラ(以下、カメラ)を適用した例について説明する。なお、本発明は、レンズ交換が可能なデジタルビデオカメラ等の撮像装置にも適用可能である。図1に示すように、本実施形態のカメラは、主にカメラ本体100と、交換レンズタイプのレンズユニット300から構成される。レンズユニット300は、複数のレンズからなる撮影レンズ310、絞り312、レンズユニット300をカメラ本体100のレンズマウント106に機械的に結合するレンズマウント306とを備える。レンズマウント306には、レンズユニット300をカメラ本体100と電気的に接続する各種機能が含まれる。インターフェース320は、レンズマウント306において、レンズユニット300をカメラ本体100と通信可能に接続し、コネクタ322はレンズユニット300をカメラ本体100と電気的に接続するコネクタである。
コネクタ322は、カメラ本体100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号などを送受信すると共に、各種電圧の電流供給されまたは供給する機能も備える。また、コネクタ322は電気的な通信のみならず、光通信や音声通信などで情報を伝達する構成としても良い。
絞り制御部340は、カメラ本体100の測光制御部46からの測光情報に基づいて、後述するカメラ本体100のシャッター12を制御するシャッター制御部40と連携しながら、絞り312を制御する。フォーカス制御部342は撮影レンズ310のフォーカシングを制御し、ズーム制御部344は撮影レンズ310のズーミングを制御する。
レンズ制御部350は、レンズユニット300全体を制御し、動作用の定数、変数、プログラムなどを記憶するメモリを備える。更に、レンズ制御部350は、レンズユニット300固有の番号などの識別情報、管理情報、開放絞り値や最小絞り値、焦点距離などの機能情報、現在や過去の各設定値などを保持する不揮発メモリも備える。
次に、カメラ本体100の構成について説明する。レンズマウント106はカメラ本体100をレンズユニット300に機械的に結合する。ミラー130,132は、撮影レンズ310に入射した光線を一眼レフ方式によって光学ファインダ104に導く。なお、ミラー130はクイックリターンミラーの構成としても、ハーフミラーの構成としても、どちらでも構わない。シャッター12は絞り機能を備える。撮像素子14は、撮影レンズを通して入射される被写体の光学像を電気信号に変換する光電変換素子からなる。撮影レンズ310に入射した光線は、一眼レフ方式によって光量制限手段としての絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130、シャッター12を介して導かれ、光学像として撮像素子14上に結像される。
A/D変換器16は、撮像素子14から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。タイミング発生回路18は撮像素子14、A/D変換器16、D/A変換器26にそれぞれクロック信号や制御信号を供給し、メモリ制御回路22及びシステム制御回路50により制御される。
画像処理回路20は、A/D変換器16からのデータ或いはメモリ制御回路22からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。また、画像処理回路20は、必要に応じて、A/D変換器16から出力される画像データを用いて所定の演算処理を行う。この演算処理結果に基づいてシステム制御回路50はシャッター制御部40、焦点調節部42を制御するための、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のオートフォーカス(AF)処理、自動露出(AE)処理、フラッシュプリ発光(EF)処理を行う。さらに、画像処理回路20は、A/D変換器16から出力されるデジタル画像データを用いて所定の演算処理を行い、この演算処理結果に基づいてTTL方式のオートホワイトバランス(AWB)処理も行う。
なお、本実施形態では、焦点調節部42及び測光制御部46を専用に備えている。従って、焦点調節部42及び測光制御部46を用いてAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行い、画像処理回路20を用いたAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行わない構成としても構わない。また、焦点調節部42及び測光制御部46を用いてAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行い、さらに、画像処理回路20を用いたAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行う構成としてもよい。
メモリ制御回路22は、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮・伸長回路32を制御する。A/D変換器16から出力される画像データは、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはメモリ制御回路22のみを介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
24は画像表示メモリ、26はD/A変換器、28はTFT方式のLCD等からなる画像表示部であり、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器26を介して画像表示部28により表示される。画像表示部28を用いて、撮影画像データを逐次表示することで、電子ビューファインダー(EVF)機能を実現することができる。また、画像表示部28は、システム制御回路50の指示により任意に表示をON/OFFすることが可能であり、表示をOFFにした場合にはカメラ本体100の電力消費を大幅に低減することができる。
メモリ30は撮影した所定枚数の静止画像を格納するのに十分な記憶容量を備えている。これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ多数の画像データの書き込みをメモリ30に対して行うことが可能となる。また、メモリ30はシステム制御回路50の作業領域としても使用することが可能である。
圧縮・伸長回路32は、適応離散コサイン変換(ADCT)等、公知の圧縮方法を用いて画像データを圧縮・伸長する。圧縮・伸長回路32は、メモリ30に格納された画像データを読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えた画像データを再びメモリ30に書き込む。
シャッター制御部40は、測光制御部46からの測光情報に基づいて絞り312を制御する絞り制御部340と連携しながらシャッター12を制御する。焦点調節部42はAF(オートフォーカス)処理を行う。焦点調節部42は、撮影レンズ310に入射した光線を絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130及び焦点調節用サブミラー(不図示)を介して一眼レフ方式で入射することにより、光学像として結像された画像の合焦状態を測定する。
測光制御部46は、AE(自動露出)処理を行う。測光制御部46は、撮影レンズ310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130及び測光用サブミラー(図示せず)を介して一眼レフ方式で入射することにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定する。フラッシュ48は、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光機能も有する。測光制御部46はフラッシュ48と連携することにより、EF(フラッシュ調光)処理機能も有する。
なお、焦点調節部42による測距結果と、A/D変換器16により生成されたデジタル画像データを画像処理回路20が演算した結果とを用いて、AF制御を行うようにしてもよい。さらに、測光制御部46による測定結果と、A/D変換器16からの画像データを画像処理回路20が演算した結果とを用いて露出制御を行うようにしてもよい。
システム制御回路50はカメラ本体100全体を制御し、周知のCPU、ROM、RAMなどを内蔵する。システム制御回路50は、例えばデータの書き込み及び読み出しを制御したり、記憶媒体及びバッテリーを取り外し可能な状態にする操作もしくは状態を検知したり、バッテリーの残容量を検知する。メモリ52はシステム制御回路50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶する。
通知部54は、システム制御回路50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声などを用いて動作状態やメッセージなどを外部に通知する。通知部54としては、例えばLCDやLEDなどによる視覚的な表示を行う表示部や音声による通知を行う発音素子などが用いられるが、これらのうち1つ以上の組み合わせにより構成される。特に、表示部を構成する場合には、カメラ本体100の操作部70近辺の、視認しやすい、単数あるいは複数箇所に設置される。また、通知部54は、その一部の機能が光学ファインダ104内に設置される。
通知部54の表示内容のうち、LCDなどの画像表示部28に表示される対象は以下の通りである。まず、単写/連写撮影表示、セルフタイマ表示等、撮影モードに関する表示がある。また、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示等の記録に関する表示がある。また、シャッター速度表示、絞り値表示、露出補正表示、調光補正表示、外部フラッシュ発光量表示、赤目緩和表示等の撮影条件に関する表示がある。その他に、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記憶媒体200及びPC210の着脱状態表示がある。更に、レンズユニット300の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示、外部コンピュータとの接続状態を示す表示等も行われる。
また、通知部54の表示内容のうち、光学ファインダ104内に表示する対象は以下の通りである。即ち、合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、シャッター速度表示、絞り値表示、露出補正表示、記憶媒体書き込み動作表示等がある。
不揮発性メモリ56は、後述するプログラムなどが格納された電気的に消去・記憶可能なメモリであり、例えばEEPROM等が適用される。
60、62、64、66及び70は、システム制御回路50の各種の動作指示を入力するための操作手段であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。ここで、これらの操作手段の具体的な説明を行う。60はモードダイアルスイッチで、自動撮影モード、プログラム撮影モード、シャッター速度優先撮影モード、絞り優先撮影モード、マニュアル撮影モード、焦点深度優先(デプス)撮影モード等の各機能撮影モードを切り替え設定することができる。他に、ポートレート撮影モード、風景撮影モード、接写撮影モード、スポーツ撮影モード、夜景撮影モード、パノラマ撮影モードなどの各機能撮影モードを切り替え設定することもできる。
62はシャッタースイッチSW1で、不図示のシャッターボタンの操作途中(例えば半押し)でONとなり、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の動作開始を指示する。64はシャッタースイッチSW2で、不図示のシャッターボタンの操作完了(例えば全押し)でONとなり、露光処理、現像処理、及び書き込み処理からなる一連の処理の動作開始を指示する。まず、露光処理では、撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介して画像データをメモリ30に書き込み、更に、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理が行われる。更に、書き込み処理では、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、記憶媒体200あるいはPC210に画像データを書き込む。
66は再生スイッチであり、撮影モード状態で撮影した画像をメモリ30あるいは記憶媒体200、PC210から読み出して画像表示部28に表示する再生動作の開始を指示する。単写/連写/動画スイッチ68は、シャッタースイッチSW2(64)を押した場合に、1コマの撮影を行って待機状態とする単写モードと、シャッタースイッチSW2(64)を押している間、連続して撮影を行い続ける連写モードと、を設定できる。さらに、単写/連写/動画スイッチ68は、シャッタースイッチSW2(64)又は操作部70のライブビュー開始/停止ボタンを押すと動画記録を行う動画モードを設定できる。
70は各種ボタンやタッチパネルなどから成る操作部である。一例として、ライブビュー開始/停止ボタン、メニューボタン、セットボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマー切り換えボタン、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動‐(マイナス)ボタンを含む。また、記憶媒体の蓋開けスイッチ、バッテリーの蓋開けスイッチも含む。更に、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像移動‐(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、調光補正ボタン、外部フラッシュ発光量設定ボタン、日付/時間設定ボタンなども含む。なお、上記プラスボタン及びマイナスボタンの各機能は、回転ダイアルスイッチを備えることによって、より軽快に数値や機能を選択することが可能となる。
他に、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード等の各機能モードを設定することができる再生スイッチがある。また、画像表示部28のON/OFFを設定する画像表示ON/OFFスイッチ、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するクイックレビュー機能を設定するクイックレビューON/OFFスイッチがある。また、JPEG圧縮の圧縮率を選択するため、あるいは撮像素子14の信号をそのままデジタル化して記憶媒体に記録するRAWモードを選択するためのスイッチである圧縮モードスイッチがある。また、ワンショットAFモードとサーボAFモードとを設定可能なAFモード設定スイッチなどがある。ワンショットAFモードでは、シャッタースイッチSW1(62)を押した際にオートフォーカス動作を開始し、一旦合焦した場合、その合焦状態を保ち続ける。サーボAFモードでは、シャッタースイッチSW1(62)を押している間、連続してオートフォーカス動作を続ける。更に、後述するようにゴミ検出用画像を撮影してゴミ情報を取得する、ゴミ情報取得モードを設定することができる設定スイッチを含む。
電源スイッチ72は、カメラ本体100の電源オン、電源オフの各モードを切り替え設定することができる。また、電源スイッチ72は、カメラ本体100に接続されたレンズユニット300、外部フラッシュ112、記憶媒体200、PC210等の各種付属装置の電源オン、電源オフの設定も合わせて切り替え設定可能である。電源制御部80は、電池検出回路、DC‐DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。電源制御部80は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステム制御回路50の指示に基づいてDC‐DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記憶媒体を含む各部へ供給する。電源部82,84は、コネクタ、86はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li‐ion電池、Liポリマー電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
90及び94はメモリカードやハードディスク等の記憶媒体やPCとのインターフェース、92及び96はメモリカードやハードディスク等の記憶媒体やPCと接続を行うコネクタである。記憶媒体着脱検知回路98はコネクタ92及び/或いは96に記憶媒体200或いはPC210が装着されているか否かを検知する。
尚、本実施形態では記憶媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタを2系統持つものとして説明しているが、記憶媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタは、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインターフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としても構わない。
インターフェース及びコネクタとしては、種々の記憶媒体の規格に準拠したものを用いて構成することが可能である。例えば、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カードやCF(登録商標)カード、SD(登録商標)カード等である。インターフェース90及び94、そしてコネクタ92及び96をPCMCIAカードやCF(登録商標)カード等の規格に準拠したものを用いて構成した場合、各種通信カードを接続することができる。通信カードとしては、LANカードやモデムカード、USB(Universal Serial Bus)カード、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394カードがある。他にも、P1284カード、SCSI(Small Computer System Interface)カード、PHS等がある。これら各種通信カードを接続することにより、他のコンピュータやプリンタ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属したファイル管理情報を転送し合うことができる。
光学ファインダ104は、撮影レンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130及び132を介して導き、光学像として結像させて表示することができる。これにより、画像表示部28による電子ファインダ機能を使用することなく、光学ファインダのみを用いて撮影を行うことが可能である。また、光学ファインダ104内には、通知部54の一部の機能、例えば、合焦状態、手振れ警告、フラッシュ充電、シャッター速度、絞り値、露出補正などが表示される。
110は、有線/無線LANデバイスやコネクタを接続するためのインターフェースであり、USBやIEEE1394のインターフェースも備える。112は、通信部110を介して装着される、コネクタ(アンテナ)である。120はレンズマウント106内でカメラ本体100をレンズユニット300と接続するためのインターフェースである。122はカメラ本体100をレンズユニット300と電気的に接続するコネクタである。また、レンズマウント106及び/またはコネクタ122にレンズユニット300が装着されているか否かは、不図示のレンズ着脱検知部により検知される。コネクタ122はカメラ本体100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号などを伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給する機能も備えている。また、コネクタ122は電気通信だけでなく、光通信、音声通信などを伝達する構成としてもよい。
200はカメラ本体100に対して着脱可能な記憶媒体であり、半導体メモリ等から構成される記憶部202、カメラ本体100とのインターフェース204、カメラ本体100と接続を行うコネクタ206を備えている。記憶媒体200としては、PCMCIAカードやCF(登録商標)カード、SD(登録商標)カード、後述する無線通信機能を有するEye−Fi(登録商標)カード等を用いることができる。
210はPCであり、磁気ディスク(HDD)等から構成される記憶部212、カメラ本体100とのインターフェース214、カメラ本体100と接続を行うコネクタ216を備えている。インターフェース94は、例えばUSBやIEEE1394を用いることができる。
ここで、記憶媒体200としての無線通信機能を有するメモリカード(以下、通信機能付きメモリカード)900について、図9を参照して説明する。通信機能付きメモリカード600は、例えばSDカードのようにカードスロットに装着可能であり、画像データを保存する機能を有しつつ、保存された画像データを外部装置に送信することが可能なメモリカードである。通信機能付きメモリカード600は、コネクタ606、マイコン607、無線通信回路部608、メモリ回路部609を構成要素としている。コネクタ606は、通信機能付きメモリカード600とカメラ本体100やPC210などの接続を行い、データの受け渡しを行う接続インターフェースである。このコネクタ606によってメモリカード600とカメラ本体100とが機械的に結合されるとともに、電気的にも接続される。
通信機能付きメモリカード600がレンズマウント306によってカメラ本体100に接続されると、メモリカード600は、電源ラインを介してカメラ本体100から電力の供給を受ける。そして図示しないリセット回路により通信機能付きメモリカード600は初期化されて動作を開始し、バスラインを介してカメラ本体100と通信を行う。無線通信回路部608は、無線によって同等の無線通信機能を有する外部装置、あるいは、その他の情報処理装置等と、データの送信を行う機能を備えている。すなわち、無線通信回路部608は、外部装置との間でデータの送受信を行う。この無線通信回路部608は、例えば無線LANなどの電波による無線通信を行う。また、無線通信は、赤外線を用いてもよい。
メモリ回路部609は、EEPROMやフラッシュ型EEPROMなどの書き換え可能な不揮発性メモリ素子で構成され、コネクタ606で接続された外部装置から供給されるデータを記憶する機能を備える。マイコン607は、内部にメモリを備え、このメモリに予め格納された制御手順により、コネクタ606を介して接続された外部装置との通信の制御、無線通信回路部608の制御、メモリ回路部609の制御を行う機能を備える。
[ファイルシステム]次に、本実施形態のファイルシステムについて説明する。FATファイルシステムは、マスターブート領域(MBR)、ブートセクタ領域(BPB)、FSINFO領域(32ビットFATのみ)、FAT領域、ルートディレクトリ領域、データ領域等から構成され、データはクラスタ単位で管理されている。ブートセクタ領域は、FATの数、ルートディレクトリのエントリ数等の、記憶媒体に対してデータの書き込みおよび読み出しを行う場合に必要なパラメータが記憶される。FAT領域には、データの記憶に複数個のクラスタを使用する場合にその連鎖情報を記憶する。また、ルートディレクトリ領域には、記憶されたデータのファイル名、記憶を開始したクラスタ番号、データサイズ、その他の情報を記憶する。1クラスタのサイズは、フォーマットの方法によって異なる。1クラスタよりも大きなファイルは、複数のクラスタを使用して記憶する。
例えば3つのクラスタ2、3、4を使用してファイルを記憶する場合には、クラスタ2のFAT領域には次に続くクラスタの番号である“3”を記憶し、同時にクラスタ3のFATの領域には“4”を記憶する。そしてクラスタ4のFATの領域には最終クラスタであることを意味するコード(例えば、12ビットFATの場合「FFFh」)を記憶する。また、ルートディレクトリ領域のディレクトリエントリ1の領域には、ファイル名及びクラスタ開始番号として“2”が記憶される。
空きを示すクラスタのFAT領域には“0”が記憶されている。FATファイルシステムを使用する機器では、12ビットFATや16ビットFATの場合、一般的にFAT領域の“0”が記憶されているクラスタの数を数え、ブートセクタ領域に記載されている1クラスタのサイズから記憶媒体の空き容量を算出している。
次に、図2を参照して、本実施形態のファイルシステムの構成について説明する。図2において、ファイル制御部501は、システム制御回路50の一部であって、記憶媒体200に画像データを書き込むためにファイルシステムを制御する。502は内部バッファ、503はファイル管理情報キャッシュ部であり、共にメモリ30内に配置される。内部バッファ502には撮影された画像データが蓄積される。ファイル管理情報キャッシュ部503には、記憶媒体200のFAT1(401)、FAT2(402)、ディレクトリエントリ(DIR)403の情報が保持されている。
次に、図3を参照して、上記ファイルシステムによる記憶媒体200へのデータ書き込み処理について説明する。以下、通常書き込みでデータを書き込むモードを「通常書き込みモード」、遅延書き込みでデータを書き込むモードを「遅延書き込みモード」とする。図3(a)に示す遅延書き込みモードでは、まず、ファイル制御部501は、予め記憶媒体のFAT1(401)、FAT2(402)、DIR403を含むファイル管理情報をファイル管理情報キャッシュ部503に読み出す。内部バッファ502に画像データ404が保持され、ファイル作成が指示されると、ファイル制御部501はファイルのオープンを行い、ファイル管理情報キャッシュ部503のDIR403を更新するが、記憶媒体200への書き込みは行わない。続いて、内部バッファ502の画像データ404を記憶媒体200へ書き込んでいき、画像データ404に対応するファイル管理情報キャッシュ部503のFAT1(401)、FAT2(402)を更新する。
最後にファイルをクローズする際に、ファイル管理情報キャッシュ部503のFAT1(401)、FAT2(402)、DIR403をまとめて更新する。この遅延書き込みモードは連写撮影中繰り返される。そして、撮影が終了すると、ファイル管理情報キャッシュ部503のファイル管理情報からN枚分(図では3枚分)の画像データに対応するFAT1(401)、FAT2(402)、DIR403をまとめて記憶媒体200へ書き戻す。即ち、連写撮影にてN回撮影が行われ、N枚分の画像データ404の書き込みを行った場合、N枚分の画像データについて従来ではN×5回の書き込みが必要なところ、N+4回の書き込みを行うだけでよい。これは画像データの枚数Nが2枚以上のとき、換言すれば連写撮影のとき、従来より書き込み回数が減少することを意味している。このように画像データ404については連続して書き込みを行い、FAT2(402)を最後にまとめて書き込む遅延書き込みモードを行うことで、高速な書き込みが求められる連写モードにおいて効率的な書き込みが行える。
これに対して、図3(b)に示す通常書き込みモードでは、ファイル制御部501は、予め記憶媒体のFAT1(401)、FAT2(402)、DIR403をファイル管理情報キャッシュ部503に読み出す。さらに、内部バッファ502に画像データ404が保持される。ファイル作成が指示されると、ファイル制御部501はファイルのオープンを行い、記憶媒体200へ画像データ404、ファイルFAT1(401)、FAT2(402)、DIR403を書き込む。そして、ファイル制御部501は、ファイル管理情報キャッシュ部503のFAT1(401)、FAT2(402)を更新して、ファイルをクローズする。この処理を画像データの枚数分繰り返す。
ここで、記憶媒体200に記憶した画像ファイルを外部装置へ自動転送する設定の場合、画像データだけでなくファイル管理情報の記憶媒体200への書き込みが完了していないと画像データの読み出しができない。このため、上述した遅延書き込みモードでは転送開始タイミングが遅れる。そこで、本実施形態では、画像ファイルの自動転送設定の場合や通信機能付きメモリカード600からデータを転送する場合には、書き込みモードを通常書き込みモードと決定するよう制御している。
次に、図4〜図6を参照して、本実施形態による連写撮影時の記憶媒体200へのデータ書き込み処理について説明する。なお、以下の処理は特に言及しない限り、システム制御回路50が各部からの入力信号及びプログラムにしたがった制御を行うことにより実行される。他の実施形態についても同様である。
<実施形態1>まず、図4を参照して、実施形態1の転送設定取得処理について説明する。図4において、電源スイッチ72がONされてシステム制御回路50が起動され、記憶媒体着脱検知回路98によって記憶媒体200の存在が検知されると、記憶媒体200からメモリ30にファイル管理情報を読み出す(S1001)。次に、通信部110から記憶媒体200へ撮影画像データを転送するための設定を取得する(S1002)。転送設定が自動転送設定であればS1004へ移行し、選択転送やそれ以外の設定であればS1005へ移行する(S1003)。
ここで、自動転送設定とは、撮影した画像データを、通信機能付きメモリカード200を用いて自動的に外部装置に転送するか否かの設定である。この自動転送設定は、ユーザがメニューなどを用いて撮影前、つまり画像データの入力前に予め設定することが可能である。システム制御回路50がこの自動転送設定のON・OFFを通信機能付きメモリカード200に通知することで、通信機能付きメモリカード200は自機に保存された画像データを自動的に送信するか否かを判定する。
図4の説明に戻る。S1003において自動転送設定であればDelayWFlagをONとしてメモリ30に記憶し(S1004)、選択転送やそれ以外の設定であればDelayWFlagをOFFとしてメモリ30に記憶する(S1005)。ここで、DelayWFlagは遅延書き込みモードをON又はOFFに切り替えるための情報である。
次に、図6を参照して、図4の転送設定取得処理において取得した転送設定情報に基づくカメラによる撮影処理について説明する。図6において、単写/連写/動画記録スイッチ68により静止画撮影モード(単写または連写)に設定され、操作部70におけるレリーズボタンの押下されると、内部バッファ502に撮影画像データが蓄積される(S1201)。システム制御回路50からファイル作成が指示されると、ファイル制御部501はファイルのオープンを行い、ファイル管理情報キャッシュ部503のディレクトリエントリを更新する。内部バッファ502に蓄積された1枚分の画像データは、記憶媒体200へ書き込まれ、ファイル管理情報キャッシュ部503にあるFAT1(401)、FAT2(402)、DIR403を追加更新処理する(S1202)。ファイル管理情報キャッシュ部503が追加更新処理できない程予め決められた領域を使用している場合はS1204へ移行し、それ以外はS1205へ移行する(S1203)。ファイル管理情報キャッシュ部503が追加更新処理できない場合には、ファイル管理情報キャッシュ部503のFAT1(401)、FAT2(402)、DIR403を記憶媒体200へ書き戻す(S1204)。
S1004、S1005でメモリ30に記憶したDelayWFlagがONならばS1207へ移行し、OFFならばS1206へ移行する(S1205)。DelayWFlagがOFFの場合は、ファイル管理情報キャッシュ部503のFAT1(401)、FAT2(402)、DIR403を記憶媒体200へ書き戻す(S1206)。内部バッファ502に蓄積された画像データが全て記憶媒体200へ書き込まれて空になった場合にはS1208へ移行し、画像データが残っている場合にはS1202へ移行する(S1207)。ファイル管理情報キャッシュ部503のFAT1(401)、FAT2(402)、DIR403を記憶媒体200へ書き戻す(S1208)。
本実施形態によれば、連写撮影時に記憶媒体200へ画像データを書き込む際に、自動転送設定になっていたならば、通常書き込みモードにより1枚分の画像データを書き込むごとにファイル管理情報(FAT1、FAT2、DIR)を書き込む。これにより、1枚分の画像データの書き込みが完了すると同時に外部装置へのデータ転送を開始できるので、転送開始タイミングの遅れを抑制し、転送完了までの時間を短縮できる。
なお、本実施形態では、通信機能付きメモリカード200を例に説明したが、カメラ本体100に無線ユニットが内蔵あるいは装着された場合にも本発明は適用できる。例えば、無線ユニットが自動転送を行う条件として、ファイル管理情報の書き込みの完了が必要な場合、本実施形態と同様の処理を行うことで、転送開始タイミングの遅れを抑制することが可能である。
<実施形態2>次に、図5を参照して、実施形態2のカメラ本体100の起動時におけるカード判別処理について説明する。図5において、カメラ本体100が電源スイッチ72のON操作を受けてシステム制御回路50により起動され、記憶媒体着脱検知回路98によって記憶媒体200の存在が検知されると、記憶媒体200が持つメーカー情報を取得する(S1101)。次に、記憶媒体200からファイル管理情報をメモリ30に読み出す(S1102)。ここで通信機能付きメモリカードであればS1104へ移行し、通信機能付きメモリカードでなければS1105へ移行する(S1103)。通信機能付きメモリカードでなければDelayWFlagをONとしてメモリ30に記憶し(S1104)、通信機能付きメモリカードであればDelayWFlagをOFFとしてメモリ30に記憶する(S1105)。その後、図6と同様の撮影処理を実行する。
本実施形態によれば、連写撮影時に記憶媒体200へ画像データを書き込む際に、通信機能付きメモリカードならば、通常書き込みモードにより1枚分の画像データを書き込むごとにファイル管理情報(FAT1、FAT2、DIR)を書き込む。これにより、1枚分の画像データの書き込みが完了すると同時に外部装置へのデータ転送を開始できるので、転送開始タイミングの遅れを抑制し、転送完了までの時間を短縮できる。
<実施形態3>次に、図7、図8および図10を参照して、実施形態3の転送ステータスに基づく撮影処理について説明する。図7において、S1301、S1302、S1306〜S1311は、図6のS1201〜S1208と同様の処理であるので説明を省略する。実施形態3では、S1303で通信機能付きメモリカードの転送ステータスを取得し、S1304で転送ステータスが転送中ならば遅延書き込みフラグDelayWFlagをONにし(S1305)、遅延書き込みモードに切り替える。即ち、図10において、通常書き込みモードにより1枚分の画像データとファイル管理情報(FAT1、FAT2、DIR)の書き込みが完了した後、通信機能付きメモリカード600がデータ転送中であるか判定する。そして、データ転送中であった場合、遅延書き込みモードに切り替えて残りの画像データとファイル管理情報の書き込みを優先する。
次に、図8を参照して、図7のS1303における転送ステータスの取得処理について説明する。図8において、まず、転送ステータス取得用フォルダがあるか否かを判定し、あればS1403へ移行し、なければS1402へ移行する(S1401)。次に、転送ステータス取得用フォルダをルートディレクトリの下位に作成する(S1402)。次に、転送ステータス取得用ファイルがあるか確認し、あればS1405へ移行し、なければS1404へ移行する(S1403)。次に、転送ステータス取得用ファイルとして、メッセージ要求ファイル、コマンド要求ファイル、コマンド応答ファイル、メッセージ応答ファイルを転送ステータス取得用フォルダの下位に作成する(S1404)。転送ステータスの取得に必要なフォルダとファイルを作成した後、メッセージ要求ファイルに「s」を書き込む(S1405)。続いて、コマンド要求ファイルに「1」を書き込む(S1406)。この数値は1以外の値であってもよい。次に、コマンド応答ファイルを読み出す(S1407)。コマンド応答ファイルから読み出した内容がコマンド要求ファイルに書き込んだ値と一致すればS1409へ移行し、一致しなければS1407へ移行してコマンド要求ファイルの読み出しを繰り返す(S1408)。次に、メッセージ応答ファイルを読み出し転送ステータスを取得する(S1409)。その後、メッセージ要求ファイルを「0」でクリアする(S1410)。
本実施形態によれば、上記実施形態1,2の効果に加えて、通常書き込みモードにより画像データの書き込みが完了するごとに通信機能付きメモリカード600の転送ステータスを取得する。そして、転送中の場合には次の画像データの転送が実行できないので、遅延書き込みモードに切り替える。これにより、転送効率や書き込み効率を向上できる。
<他の実施形態>
上述の実施形態1〜3においては、1つの機器から構成される装置についてのみ説明したが、同等の機能を複数の機器から構成されるシステムによって実現しても良い。例えばメモリカードリーダ/ライタ及びカメラを接続した汎用のコンピュータ装置によっても同等の構成が実現可能である。なお、撮像素子14や画像処理回路20は本発明に必須な構成ではなく、予め用意されたデータを記憶媒体200に書き込む構成であってもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。