JP4724133B2 - コンバインのクラッチ操作装置 - Google Patents
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特許文献1に示されたクラッチ操作装置は、脱穀クラッチのテンションアームに操作ケーブルと連動リンクとを介して連動されたクラッチ操作部と、このクラッチ操作部を操作する脱穀クラッチ用カムと、刈取りクラッチのテンションアームに操作ケーブルと連動リンクとを介して連動されたクラッチ操作部と、このクラッチ操作部を操作する刈取りクラッチ用カムと、脱穀クラッチ用カムおよび刈取りクラッチ用カムを操作する電動クラッチモータとを備えている。
脱穀用クラッチカムと刈取りクラッチ用カムとを一体回転自在に支持する回転ボス部がギヤ部を一体回転自在に備えている。このギヤ部に噛み合った出力ギヤが電動クラッチモータに備えられており、電動クラッチモータは、脱穀用クラッチカムと刈取りクラッチ用カムとを一体に回転操作して非作業位置と枕扱き位置と作業位置とに切り換える。
つまり、特別作業状態は、脱穀クラッチを入り状態に操作し、刈取りクラッチを切り状態に操作することによって現出され、通常作業状態は、脱穀クラッチも刈取りクラッチも入り状態に操作することによって現出される。これにより、特別作業状態から通常作業状態への切り換えには、脱穀クラッチを入り状態に維持しながら、刈取りクラッチを切り状態から入り状態に切り換える操作を行わせる必要がある。脱穀クラッチを切り換え操作する脱穀クラッチ操作部と、電動モータによって操作される脱穀クラッチ操作体とを連動させる脱穀クラッチ連動機構に連動スプリングを備えさせ、特別作業状態から通常作業状態に切り換えるよう操作された電動モータは、連動スプリングを弾性変形させて脱穀クラッチを入り状態に維持しながら、刈取りクラッチをクラッチ入り状態に切り換え操作するよう構成することによって可能になる。この場合、連動スプリングが弾性変形されて備える復元力が電動モータにクラッチ操作負荷として掛かる。これに対し、上記した従来の技術を採用し、クラッチ操作カムがクラッチ操作部のカムフォロワに作用するよう備えるカム面をクラッチ操作カムの回転軸芯を中心とした円弧形にすれば、電動モータが刈取りクラッチを入り状態に切り換え操作する際、クラッチ操作カムが回転操作されても、カム面の円弧形のためにクラッチ操作部を揺動操作せず、前記連動スプリングを採用した場合の如く電動モータに脱穀クラッチを入り状態に維持するよう掛かる特別なクラッチ操作負荷が発生しなくなる。
前記脱穀クラッチを切り換え操作する脱穀クラッチ操作部に脱穀クラッチ連動機構を介して連動された脱穀クラッチ操作体と、前記刈取りクラッチを切り換え操作する刈取りクラッチ操作部に刈取りクラッチ連動機構を介して連動された刈取りクラッチ操作体とを、前記電動モータによって一体に正回転方向と逆回転方向とに回転操作されるように前記電動モータによる回転操作自在な一本の回転支軸に一体回転自在に連結し、
前記電動モータが脱穀クラッチ操作体と刈取りクラッチ操作体とを切り域から正回転方向に回転操作し、脱穀クラッチ操作体が死点の手前に位置すると、脱穀クラッチ操作体が入り域に位置して脱穀クラッチ連動機構が脱穀クラッチ操作部をクラッチ入り姿勢に操作し、かつ、刈取りクラッチ操作体が前記切り域に位置して刈取りクラッチ連動機構が刈取りクラッチ操作部をクラッチ切り姿勢に維持操作し、前記電動モータが脱穀クラッチ操作体と刈取りクラッチ操作体とを更に正回転方向に回転操作し、脱穀クラッチ操作体が前記死点を超えると、脱穀クラッチ操作体が前記入り域に位置して脱穀クラッチ連動機構が脱穀クラッチ操作部をクラッチ入り姿勢に維持操作し、かつ、刈取りクラッチ操作体が入り域に位置して刈取りクラッチ連動機構が刈取りクラッチ操作部をクラッチ入り姿勢に操作するよう前記脱穀クラッチ連動機構と前記クラッチ連動機構とを構成し、
エンジンのアクセル装置を調速操作するアクセル操作具と、前記回転支軸に一体回転自在に連結された操作体とを備え、
前記電動モータが前記脱穀クラッチ操作部をクラッチ入り姿勢に操作するように前記脱穀クラッチ操作体を前記入り域に回転操作するに伴い、前記エンジンが設定低回転域にあると、前記アクセル装置が前記エンジンを増速操作するように、前記電動モータによる前記回転支軸の回転操作によって前記操作体が前記アクセル操作具を移動操作して前記アクセル装置を増速側に操作するように構成してある。
つまり、刈取りクラッチ操作体が切り域から入り域に操作される際、脱穀クラッチ操作体は、死点の手前位置から死点を超えて操作されて入り域に維持操作される。すると、操作される脱穀クラッチ操作体の移動によって発生する脱穀クラッチ操作部の作動量が極力少なくなる。この結果、電動モータが刈取りクラッチ操作体を切り域から入り域に操作する際、刈取りクラッチ操作体と共に回転する脱穀クラッチ操作体に脱穀クラッチ操作部が連動することによって電動モータに掛かる負荷は、脱穀クラッチ操作部の作動量が少ないことによって小になる。
前記融通付き連動部は、前記電動モータによる前記刈取りクラッチ操作体の正回転方向への回転操作に伴い、前記脱穀クラッチ操作部がクラッチ入り姿勢に切り換わった後に前記刈取りクラッチ操作部がクラッチ入り姿勢に切り換わるよう前記融通状態から前記融通解除状態に切り換わるように構成してある。
従って、より小出力の電動モータを採用してより安価に得ることができる。
本第4発明は、本第1〜第3発明のいずれか一つの発明の構成において、前記回転支軸を回転自在に支持する支持枠に前記電動モータを取り付け、前記電動モータと前記回転支軸を連動させるギヤを、前記電動モータの出力ギヤに噛み合わせた状態で前記回転支軸に一体回転自在に設けてある。
図1は、本発明の実施例に係るコンバインの全体側面図である。この図に示すように、本実施例に係るコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1,1によって自走し、かつ、運転座席2が装備された運転部を有した走行機体と、この走行機体の機体フレーム3の前部に連結された刈取り部4と、前記機体フレーム3の後部側に走行機体横方向に並べて設けた脱穀装置5と穀粒タンク6とを備えている。
すなわち、図9,10に示すように、前記巻きバネ75は、前記支軸61に装着されている。前記巻きバネ75の一対の端部75a,75aは、前記バネ受け部70cと、前記支持枠30に設けられたバネストッパ76とを挟むように配置されている。図12(ハ)、(ニ)は、前記操作部70が前記待機位置Tに位置した状態を示している。図12(ロ)は、前記操作部70が待機位置Tから作用方向a1に揺動操作された状態を示している。これらの図に示すように、操作部70が待機位置Tから作用方向a1に揺動操作されると、これに伴い、前記バネ受け部70cが操作部70と共に揺動して巻きバネ75の一方の端部75aを押圧していく。このとき、巻きバネ75の他方の端部75aがバネストッパ76によって受け止め支持される。操作部70が待機位置Tから解除方向b1に揺動操作されると、これに伴い、前記バネ受け部70cが操作部70と共に揺動して巻きバネ75の他方の端部75aを押圧していく。このとき、巻きバネ75の一方の端部75aがバネストッパ70cによって受け止め支持される。これにより、巻きバネ75は、操作部70が作用方向a1と解除方向b1とのいずれの方向に揺動操作された場合も、操作部70の回転に伴って弾性変形され、操作部70を待機位置Tに復帰するよう揺動付勢する。
すなわち、アクセル操作具60が人為操作されると、出力アーム部60aが支軸61の軸芯まわりに揺動してアクセルケーブル62を引っ張り操作したり緩め操作したりする。引っ張り操作されたアクセルケーブル62は、調速アーム64をこれの復元力に抗して揺動操作し、エンジン10を回転数が増加するよう調速する。緩め操作されたアクセルケーブル62は、調速アーム64をこれの前記復元力によって揺動操作し、エンジン10を回転数が減少するよう調速する。このようにエンジン10の調速操作が行われた場合、アクセル操作具60は、摩擦板68によって調速アーム64の復元力に抗して任意の操作位置に保持され、エンジン10の回転数を調速された回転数に維持する。
すなわち、作業選択手段25を切り位置「切」に切り換え操作すると、制御手段42が作業選択手段25によるオフ指令を基に電動モータ22を制御する。すると、電動モータ22が脱穀クラッチ操作体31を切り域31Aに操作し、脱穀クラッチ連動機構32を介して脱穀クラッチ14を切り状態に操作する。さらに、制御手段42による電動モータ22の制御により、電動モータ22が刈取りクラッチ操作体33を切り域33Aに操作し、刈取りクラッチ連動機構34を介して刈取りクラッチ17を切り状態に操作する。これによって脱穀装置5と刈取り部4とが停止する。
この図に示すように、別実施構造を備えたエンジン自動調速装置は、前記回転支軸37に一体回転自在に設けた回転カム78と、アクセル操作具60に設けた連結ピン79とを備えている。回転カム78は、これの周面に設けた調速カム面78aと、維持カム面78bとを備えている。前記連結ピン79は、アクセル操作具60と前記スプリング66とを連結している。
上記実施例の如く脱穀クラッチ14、刈取りクラッチ17としてベルトテンションクラッチを採用するに替え、摩擦クラッチなど、各種型式のクラッチを採用しても、本発明の目的を達成することができる。また、上記実施例の如く刈取りクラッチ連動機構34に連動スプリング34bを備えさせるに替え、連動ロッドなど各種の連動部材を備えさせた構成を採用しても、本発明の目的を達成することができる。また、融通付き連動部39をテンションアーム17bに設けるに替え、刈取りクラッチ操作体33や、連動スプリング34bの中間部に設ける構成を採用しても、本発明の目的を達成することができる。従って、テンションアーム14bを脱穀クラッチ操作部14bと呼称し、テンションアーム17bを刈取りクラッチ操作部17bと呼称する。連動スプリング14bを操作体側連動部材14bと呼称し、連動ピン40をクラッチ側連動部材40と呼称する。
14 脱穀クラッチ
14b 脱穀クラッチ操作部
17 刈取りクラッチ
17b 刈取りクラッチ操作部
22 電動モータ
22c 電動モータの出力ギヤ
30 支持枠
31 脱穀クラッチ操作体
31A 脱穀クラッチ操作体の切り域
31B 脱穀クラッチ操作体の入り域
32 脱穀クラッチ連動機構
32a 脱穀クラッチ連動機構の連動杆
33 刈取りクラッチ操作体
33A 刈取りクラッチ操作体の切り域
33B 刈取りクラッチ操作体の入り域
34 刈取りクラッチ連動機構
34a 刈取りクラッチ連動機構の連動杆
34b 操作体側連動部材
37 回転支軸
38 ギヤ
39 融通付き連動部
40 クラッチ側連動部材
60 アクセル操作具
63 アクセル装置
69,78 操作体
D 死点
X 正回転方向
Y 逆回転方向
Claims (4)
- 脱穀クラッチと刈取りクラッチとを同一の電動モータによって切り換え操作するよう構成したコンバインのクラッチ操作装置であって、
前記脱穀クラッチを切り換え操作する脱穀クラッチ操作部に脱穀クラッチ連動機構を介して連動された脱穀クラッチ操作体と、前記刈取りクラッチを切り換え操作する刈取りクラッチ操作部に刈取りクラッチ連動機構を介して連動された刈取りクラッチ操作体とを、前記電動モータによって一体に正回転方向と逆回転方向とに回転操作されるように前記電動モータによる回転操作自在な一本の回転支軸に一体回転自在に連結し、
前記電動モータが脱穀クラッチ操作体と刈取りクラッチ操作体とを切り域から正回転方向に回転操作し、脱穀クラッチ操作体が死点の手前に位置すると、脱穀クラッチ操作体が入り域に位置して脱穀クラッチ連動機構が脱穀クラッチ操作部をクラッチ入り姿勢に操作し、かつ、刈取りクラッチ操作体が前記切り域に位置して刈取りクラッチ連動機構が刈取りクラッチ操作部をクラッチ切り姿勢に維持操作し、前記電動モータが脱穀クラッチ操作体と刈取りクラッチ操作体とを更に正回転方向に回転操作し、脱穀クラッチ操作体が前記死点を超えると、脱穀クラッチ操作体が前記入り域に位置して脱穀クラッチ連動機構が脱穀クラッチ操作部をクラッチ入り姿勢に維持操作し、かつ、刈取りクラッチ操作体が入り域に位置して刈取りクラッチ連動機構が刈取りクラッチ操作部をクラッチ入り姿勢に操作するよう前記脱穀クラッチ連動機構と前記クラッチ連動機構とを構成し、
エンジンのアクセル装置を調速操作するアクセル操作具と、前記回転支軸に一体回転自在に連結された操作体とを備え、
前記電動モータが前記脱穀クラッチ操作部をクラッチ入り姿勢に操作するように前記脱穀クラッチ操作体を前記入り域に回転操作するに伴い、前記エンジンが設定低回転域にあると、前記アクセル装置が前記エンジンを増速操作するように、前記電動モータによる前記回転支軸の回転操作によって前記操作体が前記アクセル操作具を移動操作して前記アクセル装置を増速側に操作するように構成してあるコンバインのクラッチ操作装置。 - 前記刈取りクラッチ連動機構に、前記刈取りクラッチ操作体に連結された操作体側連動部材と前記刈取りクラッチ操作部に連結されたクラッチ側連動部材とを相対移動させる融通状態と、前記操作体側連動部材と前記クラッチ側連動部材とを一体移動させる融通解除状態とに切り換え自在な融通付き連動部を備えるとともに、
前記融通付き連動部は、前記電動モータによる前記刈取りクラッチ操作体の正回転方向への回転操作に伴い、前記脱穀クラッチ操作部がクラッチ入り姿勢に切り換わった後に前記刈取りクラッチ操作部がクラッチ入り姿勢に切り換わるよう前記融通状態から前記融通解除状態に切り換わるように構成してある請求項1記載のコンバインのクラッチ操作装置。 - 前記脱穀クラッチ操作体と前記刈取りクラッチ操作体を、前記回転支軸の軸芯方向に間隔を隔てて位置する配置で前記回転支軸に連結し、
前記脱穀クラッチ操作体に一端側が相対回転自在に連結され、他端側が前記脱穀クラッチ操作部に連結される連動杆を備えて、前記脱穀クラッチ連動機構を構成し、
前記刈取りクラッチ操作体に一端側が相対回転自在に連結され、他端側が前記刈取りクラッチ操作部に連結される連動杆を備えて、前記刈取りクラッチ連動機構を構成してある請求項1又は2記載のコンバインのクラッチ操作装置。 - 前記回転支軸を回転自在に支持する支持枠に前記電動モータを取り付け、
前記電動モータと前記回転支軸を連動させるギヤを、前記電動モータの出力ギヤに噛み合わせた状態で前記回転支軸に一体回転自在に設けてある請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンバインのクラッチ装置。
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