JP5400906B2 - コンバインの操作制御装置 - Google Patents
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Description
前記走行装置の走行速度を変速する走行変速装置と、
前記走行変速装置の変速状態を検出する走行変速検出手段と、
前記エンジンの出力を前記刈取処理装置に伝達する入り状態と伝達を遮断する切り状態とに切り換え自在な刈取クラッチと、
前記エンジンの出力を前記脱穀装置に伝達する入り状態と伝達を遮断する切り状態とに切り換え自在な脱穀クラッチと、
前記エンジンをアイドリング回転速度で回転させるアイドリング状態と定格回転速度で回転させる定格回転状態とに切り換えるアクセル手段と、
前記刈取クラッチ及び前記脱穀クラッチ及び前記アクセル手段を操作する操作制御手段と、
作業開始指令を指令する手動操作式の作業指令手段と、を備えたコンバインの操作制御装置に関する。
尚、上記特許文献1は、脱穀装置及び穀稈を刈取処理して脱穀装置に供給する刈取処理装置が装備され、そして、作業クラッチとして、エンジンの出力を脱穀装置に伝達する入り状態とエンジンの出力の脱穀装置への伝達を遮断する切り状態とに切り換え自在脱穀クラッチ、及び、エンジンの出力を刈取処理装置に伝達する入り状態とエンジンの出力の刈取処理装置への伝達を遮断する切り状態とに切り換え自在な刈取クラッチが設けられ、作業状態及び非作業状態の指令を行なう操作スイッチが、枕扱ぎ状態をも指令できるように構成され、制御手段が、作業状態が指令されると、脱穀クラッチ及び刈取クラッチを入り状態にし、非作業状態が指令されると、脱穀クラッチ及び刈取クラッチを切り状態にし、さらに、枕扱ぎ状態が指令されると、脱穀クラッチを入り状態に且つ刈取クラッチを切り状態にするように、電動モータを制御するように構成されている。
つまり、例えば、エンジンを始動させて作業を行なうときには、先ず、作業クラッチの切り状態で且つアクセル手段のアイドリング状態においてエンジンを始動し、その後、アクセル手段を手動操作により定格回転状態に操作し且つ作業クラッチを入り状態にするために操作スイッチを操作して、アクセル手段を定格回転状態に且つ作業クラッチを入り状
態にすることになるが、このようにエンジンの始動状態から作業を行なうときには、作業クラッチを入り状態にするための操作スイッチを操作し、加えて、アクセル手段を定格回転状態に切り換える操作を要するものとなるのであり、操作が面倒となるものであった。
エンジンの出力にて駆動される走行装置及び刈取処理装置及び脱穀装置と、
前記走行装置の走行速度を変速する走行変速装置と、
前記走行変速装置の変速状態を検出する走行変速検出手段と、
前記エンジンの出力を前記刈取処理装置に伝達する入り状態と伝達を遮断する切り状態とに切り換え自在な刈取クラッチと、
前記エンジンの出力を前記脱穀装置に伝達する入り状態と伝達を遮断する切り状態とに切り換え自在な脱穀クラッチと、
前記エンジンをアイドリング回転速度で回転させるアイドリング状態と定格回転速度で回転させる定格回転状態とに切り換えるアクセル手段と、
前記刈取クラッチ及び前記脱穀クラッチ及び前記アクセル手段を操作する操作制御手段と、
作業開始指令を指令する手動操作式の作業指令手段と、を備え、
前記操作制御手段は、前記作業開始指令が指令されたときに、前記走行変速検出手段にて前進走行状態が検出されると、前記アクセル手段を前記定格回転状態に操作すると共に前記脱穀クラッチを入り状態に操作し、且つ、前記刈取クラッチを入り状態に操作し、前記走行変速検出手段にて走行中立状態及び後進走行状態が検出されると、前記アクセル手段を前記定格回転状態に操作すると共に前記脱穀クラッチを入り状態に操作し、且つ、前記刈取クラッチを切り状態に操作する点にある。
このように作業指令手段にて作業開始指令を指令することにより、アクセル手段を定格回転状態に操作し且つ作業クラッチを入り状態に操作することができるものであるから、エンジンの始動状態において作業を行なうために、アクセル手段を定格回転状態に且つ作業クラッチを入り状態にすることを、作業指令手段にて作業開始指令を指令するだけの簡単な操作にて行なえるものとなる。
また、コンバインは、例えばエンジンを始動させて作業を行なうときにおいては、先ず、脱穀クラッチが切り状態で且つアクセル手段がアイドリング状態となる状態にてエンジンを始動させ、次に、そのエンジンの始動状態において、アクセル手段を定格回転状態に操作し且つ脱穀クラッチを入り状態に操作することになるが、エンジンの始動状態において、アクセル手段を定格回転状態に操作し且つ脱穀クラッチを入り状態に操作することを、作業指令手段にて作業開始指令を指令するという簡単な操作にて行なえるものとなるのである。従って、エンジンの始動状態において作業を行なうために、アクセル手段を定格回転状態に且つ脱穀クラッチを入り状態にするときの操作の簡略化を図ることができる。
さらに、本特徴構成によると、作業指令手段にて作業開始指令が指令されている場合において、走行変速検出手段にて前進走行状態が検出されると、操作制御手段が前記刈取クラッチを入り状態に操作することになり、また、走行変速検出手段にて走行中立状態及び後進走行状態が検出されると、操作制御手段が刈取クラッチを切り状態に操作する。
コンバインは、脱穀クラッチを入り状態として脱穀装置を駆動している状態において、前進走行しながら刈取収穫作業を行なうものであるから、前進走行に伴って刈取クラッチを入り状態にすることになり、そして、刈取収穫作業を中断するために走行を停止したときやそれに引き続き必要に応じて後進させるときにおいては、つまり、例えば枕刈り作業の際に、畦に向かって前進走行しながら刈取収穫作業を行なっているときに、畦際で走行を停止し、引き続き後進するとき等においては、刈取処理装置の不必要な駆動を停止すべく、刈取クラッチを切り状態にすることになるが、このような刈取クラッチの入り切り操作が、操作制御手段にて自動的に行なわれることになるから、刈取収穫作業における操作の簡略化を図ることができるのである。従って、刈取収穫作業における操作の簡略化を図ることができる。
本発明の第2特徴構成は、
前記走行変速装置は、前進走行速度を無段階に変速するように構成され、
前記走行変速装置の変速操作レバーが、中立位置にて走行停止状態に操作し、前進操作域にて前進走行状態に操作し、及び、後進操作域にて後進走行状態に操作するように、且つ、前記前進操作域では前記中立位置から離れるほど高速に操作するように、前記走行変速装置と連係された状態で設けられ、
前記走行変速検出手段が、前記変速操作レバーの操作位置を検出するように構成され、
前記操作制御手段は、前記前進操作域におけるクラッチ入り判別用設定位置よりも高速側に前記変速操作レバーが位置すると、前記前進走行状態であるとして、前記刈取クラッチを入り状態に操作し、且つ、前記前進操作域におけるクラッチ入り判別用設定位置よりも低速側に定めたクラッチ切り判別用設定位置よりも低速側に前記変速操作レバーが位置すると、前記走行中立状態であるとして、前記刈取クラッチを切り状態に操作する点にある。
すなわち、走行変速装置が、前進走行速度を無段階に変速するように構成されているから、圃場の状況や圃場に植えられている穀稈の状況に応じて、前進走行速度を刈取収穫作業に適した速度に調整することができる。
しかも、操作制御手段が、前進操作域におけるクラッチ入り判別用設定位置よりも高速側に変速操作レバーが位置すると、前進走行状態であるとして、刈取クラッチを入り状態に操作し、且つ、前進操作域におけるクラッチ入り判別用設定位置よりも低速側に定めたクラッチ切り判別用設定位置よりも低速側に前記変速操作レバーが位置すると、走行中立状態であるとして、刈取クラッチを切り状態に操作するように構成されているから、変速操作レバーがクラッチ入り判別用設定位置よりも高速側に操作されて、刈取クラッチが一旦入り状態になると、変速操作レバーを前進操作域におけるクラッチ入り判別用設定位置よりも低速側に定めたクラッチ切り判別用設定位置よりも低速側に操作するまでは、刈取クラッチが入り状態に維持されるものとなるのである。
説明を加えると、クラッチ入り判別用設定位置は、低速走行での刈取収穫作業も行なえるようにするために、前進操作域の低速側に設定されることになるものの、クラッチ切り判別用設定位置をクラッチ入り判別用設定位置と同じ位置に定めると、クラッチ入り判別用設定位置よりも高速側ではあるものの、その近くに変速操作レバーを操作して刈取収穫作業を行なうときに、走行速度の微調整のために変速操作レバーを低速側に操作したときにクラッチ切り判別用設定位置を越えて低速側に変速操作レバーを操作し易いものとなって、刈取クラッチが不必要に切り状態に操作されるトラブルを招く虞があるが、クラッチ切り判別用設定位置をクラッチ入り判別用設定位置よりも低速側に定められているから、刈取クラッチが不必要に切り状態に操作されるトラブルを回避できるものとなる。
従って、刈取クラッチが不必要に切り状態に操作されるトラブルを回避して、良好な刈取収穫作業を行なうことが可能となる。
本発明の第3特徴構成は、
前記刈取クラッチの入り操作指令及び切り操作指令を指令する手動操作式のクラッチ操作指令手段が設けられ、
前記操作制御手段は、前記作業指令手段にて前記作業開始指令が指令されると共に前記走行変速検出手段にて前記走行中立状態が検出されているときには、前記クラッチ操作指令手段の入り操作指令及び切り操作指令に基づいて、前記刈取クラッチを入り状態及び切り状態に操作し、且つ、前記作業指令手段にて前記作業開始指令が指令され前記走行変速検出手段にて前記前進走行状態及び前記後進走行状態が検出されているときには、前記クラッチ操作指令手段の入り操作指令及び切り操作指令に基づいて前記刈取クラッチを操作しない点にある。
すなわち、作業指令手段にて作業開始指令が指令されているときには、クラッチ操作指令手段にて入り操作指令を指令することにより、操作制御手段が刈取クラッチを入り状態に操作し、クラッチ操作指令手段にて切り操作指令を指令することにより、操作制御手段が刈取クラッチを切り状態に操作することになる。
説明を加えると、コンバインは、例えば枕刈り作業の際に、畦に向かって前進走行しながら刈取収穫作業を行なっているときに、畦際で走行を停止し、引き続き後進するとき等においては、刈取処理装置の不必要な駆動を停止すべく、刈取クラッチを切り状態にすることになるが、刈取処理装置に刈取後の穀稈が残っている場合には、その穀稈を脱穀装置に供給するために、刈取処理装置を一時的に駆動したいことがあるが、このようなときには、クラッチ操作指令手段にて入り操作指令を指令することにより、刈取処理装置を駆動して刈取処理装置に残っている穀稈を脱穀装置に供給して、刈取処理装置に残っている穀稈が外部に落ちることを抑制できることになり、刈取処理装置の駆動が必要なくなれば、クラッチ操作指令手段にて切り操作指令を指令することにより、刈取処理装置の駆動を停止できるものとなる。
また、メンテナンスのために刈取処理装置を駆動したい場合にも、作業指令手段にて作業開始指令を指令して、クラッチ操作指令手段にて入り操作指令を指令することにより、刈取処理装置を駆動することができるものとなる。
従って、刈取処理装置に残っている穀稈を脱穀装置に供給するためあるいはメンテナンスのために、刈取処理装置を任意に駆動することができる。
本発明の第4特徴構成は、
前記刈取処理装置は、走行機体に対して昇降操作自在に構成され、
前記刈取処理装置の前記走行機体に対する高さを検出する高さ検出手段と、前記刈取クラッチに対する自動操作を行なう自動操作指令と自動操作を行なわない自動停止指令を指令する手動操作式の自動操作指令手段とが設けられ、
前記操作制御手段は、前記作業指令手段にて前記作業開始指令が指令され且つ前記走行変速検出手段にて前進走行状態が検出されるときに、前記自動操作指令手段にて前記自動操作指令が指令されている場合には、前記高さ検出手段の検出情報にて前記刈取処理装置が設定基準高さよりも下降側に位置することが検出されると、前記刈取クラッチを入り状態に操作し、且つ、前記高さ検出手段の検出情報にて前記刈取処理装置が前記設定基準高さ以上の上昇側に位置することが検出されると、前記刈取クラッチを切り状態に操作する点にある。
すなわち、作業指令手段にて作業開始指令が指令され且つ走行変速検出手段にて前進走行状態が検出されるときに、自動操作指令手段にて自動操作指令が指令されている場合には、高さ検出手段検出情報にて前記刈取処理装置が設定基準高さよりも下降側に位置することが検出されると、操作制御手段が刈取クラッチを入り状態に操作することになり、且つ、高さ検出手段検出情報にて刈取処理装置が設定基準高さ以上の上昇側に位置することが検出されると、操作制御手段が刈取クラッチを切り状態に操作することになる。
説明を加えると、コンバインは、一行程の刈取収穫作業を終了すると、枕地を走行して次の行程に移動することを繰り返しながら作業を行なうものであり、そして、枕地での走行においては刈取処理装置が地面に接当することを回避するように刈取処理装置をその昇降範囲の上限近くに上昇させ、枕地の走行の後で一つの行程に入るときには、刈取処理装置を地面近くの刈取に適する高さに下降させることになるが、前述の設定基準高さとして、刈取処理装置を刈取のために下降させる高さ範囲よりも上昇側に設定しておけば、枕地において刈取処理装置を上昇させれば、刈取処理装置の駆動が自動的に停止され、枕地の走行の後で刈取処理装置を地面近くの刈取に適する高さに下降させれば、刈取処理装置が自動的に駆動されることになり、枕地での走行時において刈取処理装置の駆動を停止できるものでありながらも、そのための操作を不要にできる。
従って、枕地での走行時において刈取処理装置の駆動を停止できるものでありながらも、そのための操作を不要にして、一層便利に使用できる。
本発明の第5特徴構成は、
前記刈取クラッチの入り操作指令及び切り操作指令を指令する手動操作式のクラッチ操作指令手段が設けられ、
前記操作制御手段は、前記自動操作指令手段にて前記自動操作指令が指令されている場合には、前記クラッチ操作指令手段の指令による前記刈取クラッチの操作を実行しないにある。
すなわち、自動操作指令手段にて自動操作指令が指令されている場合には、操作制御手段は、クラッチ操作指令手段の指令により刈取クラッチを操作することを行わないことになる。換言すれば、操作制御手段は、クラッチ操作指令手段の指令に優先して、自動操作指令手段にて自動操作指令が指令されていると、刈取処理装置が設定基準高さ以上の上昇側に位置するときには、刈取クラッチを切り状態に操作することになる。
説明を加えると、例えば枕刈り作業の際に、畦に向かって前進走行しながら刈取収穫作
業を行なっているときに、畦際で走行を停止し、引き続き後進するとき等において、刈取処理装置に刈取後の穀稈が残っている場合には、その穀稈を脱穀装置に供給するために、刈取処理装置を一時的に駆動したいことがあるが、このように刈取処理装置に残っている穀稈を脱穀装置へ供給するには、刈取処理装置が設定基準高さよりも低いときに行うことにより、適正に脱穀装置に供給できるものであり、刈取処理装置が設定基準高さ以上の上昇側に位置するときには、たとえ刈取処理装置を駆動しても穀稈を脱穀装置に適正通り供給できないものであるから、刈取処理装置が設定基準高さ以上の上昇側に位置するときには、本来は、クラッチ操作指令手段にて入り操作指令が指令されることは無いものであるが、誤操作等により、クラッチ操作指令手段にて入り操作指令が指令されても、刈取処理装置が不必要に駆動されることを回避できることになる。
従って、誤操作等によりクラッチ操作指令手段にて入り操作指令が指令されても、刈取処理装置が不必要に駆動されことを回避することにより、一層便利に使用できる。
前記作業指令手段は、作業停止指令を指令できるように構成され、
前記操作制御手段は、前記作業停止指令が指令されると、前記脱穀クラッチを前記切り状態に操作し且つ前記アクセル手段を前記定格回転状態に維持する点にある。
このように作業指令手段にて作業停止指令を指令することにより、作業クラッチを切り状態に操作し且つアクセル手段を定格回転状態に維持することができるものであるから、アクセル手段が定格回転状態で且つ作業クラッチが入り状態となっている作業状態において、作業を停止するときの操作の簡略化を図れるものとなる。
操縦部に装備する点灯式の表示部と、その作動を制御する点灯制御手段と、前記エンジンの回転速度を検出する回転速度検出手段とが設けられ、
前記点灯制御手段は、前記作業指令手段にて前記作業開始指令が指令されると、前記回転速度検出手段にて検出される回転速度が設定判別速度よりも高速であると点灯させかつ前記設定判別速度以下であると点滅させる形態で前記表示部を表示作動させ、且つ、前記作業指令手段にて前記作業停止指令が指令されると、前記表示部を消灯させる点にある。
が指令されている状態であるか、作業停止指令が指令されている状態であるかを点灯式の表示部にて表示でき、しかも、その点灯式の表示部にて、エンジンが適正な回転速度で回転しているか、エンジンが適正な回転速度よりも低い回転速度で回転しているかをも表示できるのである。
前記操作制御手段は、電源投入により起動されたときに、前記脱穀クラッチが入り状態の場合には、前記脱穀クラッチを切り状態に操作する点にある。
説明を加えると、操作制御手段が電源投入により起動されるときとは、エンジンも停止しているコンバインの使用を再開するときであり、その際には、先ず、作業クラッチが切り状態で且つアクセル手段がアイドリング状態となる状態にてエンジンを始動させることになるが、このときに、作業クラッチが入り状態になっていると、操作制御手段によって作業クラッチが切り状態に操作されることになり、作業クラッチが入り状態のままでエンジンを始動させるトラブルを未然に回避できるものとなる。つまり、通常、エンジンを停止してコンバインの使用を停止するときには、作業クラッチを切り状態に操作したのち、エンジンが停止され、且つ、操作制御手段に対する電源供給も停止されることになるが、誤操作等により、作業クラッチの入り状態のままで、エンジンが停止され、且つ、操作制御手段に対する電源供給が停止されることがあっても、次に、コンバインの使用を再開するときに、操作制御手段によって作業クラッチを切り状態に操作して、作業クラッチの入り状態のままでエンジンが始動されるトラブルを未然に回避するのである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、作業車の一例としてのコンバインは、左右一対のクローラ走行装置1、及び、運転座席2を備える操縦部Aを装備した走行機体Bと、この走行機体Bの機体フレーム3の前部に昇降操作自在に連結された刈取処理装置4と、前記機体フレーム3の後部側箇所に走行機体Bの横方向に並べて設けた脱穀装置5と穀粒タンク6とを備えて、圃場を走行しながら、稲、麦などの穀稈を刈り取り、その刈取穀稈を脱穀処理するように構成されている。
説明を加えると、前記刈取処理装置4は、刈取り部フレーム4aが油圧シリンダ7によって機体フレーム3に対して上下に揺動操作されることにより、刈取処理装置4の前端部に刈取り部横方向に並んで位置する複数の分草具4bが地面付近に下降した下降作業状態と、前記分草具4bが地面から上昇した上昇非作業状態とに昇降するように構成されている。そして、刈取処理装置4を下降作業状態にして走行機体Bを走行させると、刈取処理装置4が、刈り取り対象の複数の植付け条に位置する植立穀稈を対応する前記分草具4bによって隣接する植付け条の植立穀稈と分草し、各分草具4bからの植立穀稈を対応した引起し装置4cによって引起し処理するとともに一つのバリカン形の刈取り装置4dによって刈取り処理し、刈取り装置4dからの刈取り穀稈を搬送装置4eによって走行機体Bの後方向に搬送して脱穀装置5の脱穀フィードチェーン5aの始端部に供給するように構成されている。
前記脱穀装置5は、脱穀フィードチェーン5aによって刈取り穀稈の株元側を挟持して走行機体Bの後方向に搬送しながら穂先側を扱室(図示せず)に供給し、刈取り穀稈を回動する扱胴(図示せず)によって脱穀処理する。穀粒タンク6は、脱穀装置5から搬送された脱穀粒を回収して貯留する。穀粒タンク6は、貯留した脱穀粒を排出するオーガ形の排出装置8を備えている。
ミッションケース12には、可変容量型の油圧ポンプ81と油圧モータ82とからなる静油圧式の無段変速装置Mが設けられている。この無段変速装置Mは、前進走行速度及び後進走行速度を無段階に変速する走行変速装置とて機能するものであり、中立位置Nから前進操作域F及び後進操作域R側に操作自在な変速操作レバー24(図4参照)にて操作されるように構成されている。変速操作レバー24は、図1に示すように、運転座席2の横側方に位置する操作盤35に配置されている。ちなみに、この変速操作レバー24は、連動ロッドや揺動リンクを利用したリンク機構(図示せず)を介して前記無段変速装置Mの操作部に連係されており、前記リンク機構を介して前記無段変速装置を変速操作するようになっている。
前記入力軸13には、刈取処理装置4へ動力を取り出すための作業系動力分岐用の伝動ギヤ13dが設けられ、この伝動ギヤ13dが中間伝動軸15に設けた第1中継ギヤ15aに咬合し、中間伝動軸15に設けた第2中継ギヤ15bが刈取用出力軸16に設けた入力ギヤ16aに咬合されている。そして、図2に示すように、刈取用出力軸16の出力が刈取クラッチ17を介して刈取処理装置4の入力軸4fに伝達されている。
前記分岐用伝動軸85に、右及び左の筒状のサイドギヤ85bが相対回転及びスライド自在に外嵌され、右及び左の車軸86に固定された第5伝動ギヤ86aが右及び左のサイドギヤ85bに咬合しており、右及び左のクローラ走行装置1の駆動スプロケット1a(図1参照)が、右及び左の車軸86の端部に固定されている。
前記サイドクラッチ87は、分岐用伝動軸85の右及び左の端部に固定された咬合体85dと、その咬合体85dに対向する位置で咬合するように前記左右のサイドギヤ85bの端部に形成された咬合部Kと、右及び左のサイドギヤ85bの各咬合部Kが分岐用伝動軸85の右及び左の咬合体85dに咬合する方向に向けて右及び左のサイドギヤ85bを付勢するバネ89と、右及び左のサイドギヤ85bの各咬合部Kを分岐用伝動軸85の右及び左の咬合体85dから離間させる方向に向けて押し操作可能な右及び左のピストン90とで構成されている。
図3に示す状態は、右のサイドギヤ85bの咬合部Kが分岐用伝動軸85の右の咬合体85dに咬合し、左のサイドギヤ85bの咬合部Kが分岐用伝動軸85の左の咬合体85dから離れている状態である。右及び左のサイドギヤ85bがバネ89の付勢力により分岐用伝動軸85の右及び左の咬合体85dに咬合すると、中間伝動軸84の動力が第3伝動ギヤ84b、分岐用伝動軸85の第4伝動ギヤ85a、分岐用伝動軸85、分岐用伝動軸85の右及び左の咬合体85d、右及び左のサイドギヤ85bの咬合部Kを介して右及び左の車軸86に伝達されて、機体は直進する。
そして、脱穀クラッチ14と刈取クラッチ17とは、テンションアーム14b,17bがクラッチ入り姿勢(以下、入り姿勢と略称する。)に揺動操作されると、このテンションアーム14b,17bがこれの遊端部に設けてあるテンション輪体14c,17cによって伝動ベルト14a,17aを緊張状態に押圧操作することによって入り状態に切り換わり、テンションアーム14b,17bがクラッチ切り姿勢(以下、切り姿勢と略称する。)に揺動操作されると、このテンションアーム14b,17bが伝動ベルト14a,17aの緊張操作を解除することによって切り状態に切り換わる、いわゆる、ベルトテンションクラッチになっている。
また、この刈取クラッチ連動機構34は、前記連動スプリング34bとテンションアーム17bとにわたって設けた融通付き連動部39を備えている。この融通付き連動部39は、連動スプリング34bの端部34cをフック形に形成することによって連動スプリング34bに設けた長溝34dと、この長溝34dに摺動自在に係入した状態でテンションアーム17bに設けた連動ピン40とを備えて構成してあり、そして、刈取クラッチ操作体33の操作位置により、連動ピン40が長溝34dの内部を移動して連動スプリング34bと連動ピン40とを相対移動させる融通状態と、連動ピン40が長溝内の端部に位置して連動スプリング34bに当接することによって連動スプリング34bと連動ピン40とを一体移動させる融通解除状態とに切り換わるようになっている。
これらの図に示すように、脱穀クラッチ操作体31と刈取クラッチ操作体33とは、電動モータ22によって扇形ギヤ38が回転操作さることにより、正回転方向Xと逆回転方向Yとに回転支軸37の軸心周りに一体的に回転操作されることになり、この回転操作により、脱穀クラッチ14と刈取クラッチ17とがともに切り状態となるクラッチ切り位置U1、脱穀クラッチ14が入り状態となり且つ刈取クラッチ17が切り状態となる脱穀クラッチ入り位置U2、及び、脱穀クラッチ14と刈取クラッチ17とがともに入り状態となる刈取クラッチ入り位置U3に回転されることになる。
脱穀クラッチ操作体31がクラッチ切り位置U1に操作されると、脱穀クラッチ連動機構32は、脱穀クラッチ操作体31による引張り操作が解除されてテンションアーム14bを切り姿勢に操作する。このとき、刈取クラッチ操作体33もクラッチ切り位置U1に位置し、刈取クラッチ連動機構34は、刈取クラッチ操作体33による引張り操作が解除されてテンションアーム17bを切り姿勢に操作する。
脱穀クラッチ操作体31がクラッチ切り位置U1から正回転方向Xに回転操作されると、これに伴って脱穀クラッチ操作体31は、死点Dの手前の脱穀クラッチ入り位置U2に位置する。すると、脱穀クラッチ連動機構32は、脱穀クラッチ操作体31による引張り操作のためにテンションアーム14bを入り姿勢に操作する。このとき、刈取クラッチ操作体33が脱穀クラッチ入り位置U2に位置するので、刈取クラッチ連動機構34は、テンションアーム17bを切り姿勢に操作している。
説明を加えると、アクセル操作具60の基部が、前記支持枠30に支持された支軸61に回転自在に外嵌支持され、その支軸61に摩擦板68が外嵌され、前記回転支軸37の一端側に、揺動操作体69支持され、前記支軸61の一端部に操作部70が設けられている。
前記アクセル操作具60は、前記支軸61の軸芯まわりに揺動操作するように支持されており、その基部には一体形成した出力アーム部60aを備えている。この出力アーム部60aは、スプリング66とアクセルケーブル62とを介し、前記エンジン10に設けられたアクセル装置63の調速アーム64に連動されている。前記摩擦板68は、取り付けネジ71による締め付けによってアクセル操作具60の基部に圧接されて、アクセル操作具60に摩擦抵抗を付与する。
前記受動部70aは、前記揺動操作体69の遊端部69bに当接して前記揺動操作体69による操作力を受け、操作部70を支軸61の軸芯まわりに揺動させる。前記伝動部70bは、前記アクセル操作具60の前記出力アーム部60aに当接し、操作部70によるアクセル操作具60の増速方向への押圧揺動操作を可能にする。
すなわち、図10及び図11に示すように、前記巻きバネ75は、前記支軸61に装着されている。そして、前記巻きバネ75の一対の端部75a,75aは、前記バネ受け部70cと、前記支持枠30に設けられた軸状のバネストッパ76とを挟むように配置されている。図13(ハ)、(ニ)は、前述の如く、前記操作部70が前記待機位置Tに位置した状態を示しているが、図13(ロ)は、操作部70が待機位置Tから作用方向a1に揺動操作された状態を示している。これらの図に示すように、操作部70が待機位置Tから作用方向a1に揺動操作されると、これに伴い、操作部70のバネ受け部70cが巻きバネ75の一方の端部75aを押圧するように移動する。このとき、巻きバネ75の他方の端部75aがバネストッパ76によって受け止め支持される。操作部70が待機位置Tから解除方向b1に揺動操作されると、これに伴い、操作部70のバネ受け部70cが巻きバネ75の他方の端部75aを押圧するように移動する。このとき、巻きバネ75の一方の端部75aがバネストッパ76によって受け止め支持される。これにより、巻きバネ75は、操作部70が作用方向a1と解除方向b1とのいずれの方向に揺動操作された場合も、操作部70の回転に伴って弾性変形され、操作部70を待機位置Tに復帰させるように付勢する。
説明を加えると、アクセル操作具60が人為操作されると、出力アーム部60aが支軸61の軸芯まわりに揺動してアクセルケーブル62を引っ張り操作したり緩め操作したりする。引っ張り操作されたアクセルケーブル62は、調速アーム64をこれの復元力に抗して揺動操作し、エンジン10を回転速度が増加するよう調速する。緩め操作されたアクセルケーブル62は、調速アーム64をこれの前記復元力によって揺動操作し、エンジン10を回転速度が減少するよう調速する。このようにエンジン10の調速操作が行われた場合、アクセル操作具60は、摩擦板68によって調速アーム64の復元力に抗して任意の操作位置に保持され、エンジン10の回転速度を調速された回転速度に維持する。
前記作業指令スイッチ25、掻込み指令スイッチ50、自動操作スイッチ52、及び、表示ランプ54は、操縦部Aの操作盤35に配設されている。
また、前記高さ検出用センサ51は、図1に示すように、刈取り部フレーム4aの走行機体Bに対する昇降位置を検出するように設けられている。
尚、詳述はしないが、前記駐車ブレーキペダル56は、前記ミッションケース12内に装備した駐車ブレーキにリンク機構を介して連係されるものであって、上述の如く、踏み込まれることにより駐車ブレーキを作動状態に操作するように構成され、且つ、変速操作レバー24を中立位置Nに操作する操作機構に連係されて、踏み込まれることにより変速操作レバー24を中立位置Nに操作するように構成されている。さらに、この駐車ブレーキペダル56は、踏み込み解除側に復帰付勢されるとともに、踏み込み位置を保持する保持具にて踏み込み位置に保持されるように構成されている。
説明を加えると、操縦レバー18が前後方向並びに左右方向に揺動操作されるようになっており、操縦レバー18が中立操作位置nから前方に揺動されると刈取昇降指令用センサ18Aが下降指令を指令し、操縦レバー18が中立操作位置nから後方前方に揺動されると刈取昇降指令用センサ18Aが上昇指令を指令するように構成され、そして、操縦レバー18が中立操作位置nから左方に揺動されると操向指令用センサ18Bが左旋回指令を指令し、操縦レバー18が中立操作位置nから右方に揺動されると操向指令用センサ18Bが右旋回指令を指令するように構成されている。
そして、制御部42は、刈取昇降指令用センサ18Aからの上昇指令及び下降指令に基づいて前記油圧シリンダ7の制御弁7Aを操作して油圧シリンダ7を作動させることにより、刈取処理装置4を昇降させることになり、また、操向指令用センサ18Bの左旋回指令及び右旋回指令に基づいて前記ピストン90の制御弁90Aを操作してピストン90を作動させることにより、サイドクラッチ87及びサイドブレーキ88を作動させることにより、左旋回や右旋回を行わせるようになっている。
メインスイッチJにより電源が投入されて起動されると、操作体位置検出用センサ43の検出情報に基づいて、脱穀クラッチ14が入り状態であるか否かが判断され(#1)、入り状態であるときには、「脱穀クラッチ切り」の制御が実行される(#2)。
この「脱穀クラッチ切り制御」は、操作体位置検出用センサ43の検出情報に基づいて、電動モータ22が脱穀クラッチ操作体31をクラッチ切位置U1に操作し、脱穀クラッチ連動機構32を介して脱穀クラッチ14を切り状態に操作することになり、これと同時、電動モータ22が刈取クラッチ操作体33をクラッチ切位置U1に操作し、刈取クラッチ連動機構34を介して刈取クラッチ17を切り状態に操作することになる。
ちなみに、エンジン10の始動は、上述した如く、メインスイッチJがST位置に操作されたときに、ブレーキ検出センサ57にてブレーキ作動状態であることが検出されている場合に、制御部42がスターター起動用スイッチ55aを入り操作することにより行なわれることになり、エンジン10が始動したことは、エンジン10にて駆動されるオルタネータ(図示せず)の起動電圧が設定値以上になることにより判断される。尚、メインスイッチJがOFF位置に操作されたときには、その後の設定時間の間は制御部42に電力を供給しつづけるための電源回路(図示せず)が設けられており、制御部42は、その間に、エンジン10を停止するためのエンジン停止制御や各種情報を記憶する情報記憶管理制御等の終了制御を行なうことになる。
作業指令スイッチ25が「ON」でないとき、つまり、作業停止指令が指令されているときには、前述した「脱穀クラッチ切り」の制御、及び、表示ランプ54を消灯させる制御が実行され(#6、#7)、次に、メインスイッチJがOFF位置に操作された否かが判断されることになる(#13)。
この「脱穀クラッチ切り」の制御は、前述した通り、電動モータ22が脱穀クラッチ操作体31を切り域31Aの端部のクラッチ切位置U1に操作し、脱穀クラッチ連動機構32を介して脱穀クラッチ14を切り状態に操作することにより行なわれるものであって、この操作と同時に、電動モータ22が刈取クラッチ操作体33を切り域33Aに操作し、刈取クラッチ連動機構34を介して刈取クラッチ17を切り状態に操作することが行なわれることになる。
そして、アクセル操作部Gの操作によってエンジン10のアクセル装置63が定格回転状態に操作されているときには、脱穀クラッチ14を切り状態に操作しても、エンジン10が定格回転状態を維持することになる。すなわち、アクセル操作具60が設定高速位置Hに位置している状態で、電動モータ22が脱穀クラッチ操作体31をクラッチ切位置U1に操作すると、揺動操作体69が脱穀クラッチ操作体31と共に揺動して解除方向b1に揺動する。これに伴って揺動操作体69の遊端部69bが待機位置Tに位置している操作部70の受動部70aに当接して揺動操作体69が操作部70を揺動操作しても、操作部70は、解除方向b1に揺動してアクセル操作具60に押圧作用しない。これにより、アクセル操作具60が摩擦板68によって設定高速位置Hに保持され、エンジン10は、アクセル操作具60の設定高速位置Hに対応した定格回転速度で回転する状態を維持することになる。
この「表示ランプ点灯」の制御は、回転速度検出センサ53にて検出されるエンジン10の回転速度が設定判別速度よりも高速であると点灯させかつ前記設定判別速度以下であると点滅させる形態で表示ランプ54を表示作動させることになる。
また、この「脱穀クラッチ入り」の制御は、操作体位置検出用センサ43の検出情報に基づいて、電動モータ22が脱穀クラッチ操作体31を脱穀クラッチ入位置U2に操作し、脱穀クラッチ連動機構32を介して脱穀クラッチ14を入り状態に操作することになり、これと同時、電動モータ22が刈取クラッチ操作体33を脱穀クラッチ入位置U2に操作し、刈取クラッチ連動機構34を介して刈取クラッチ17を切り状態ではあるものの入り状態に近くなる状態に操作することになる。
さらに、脱穀クラッチ操作体31が脱穀クラッチ入位置U2に揺動操作される際、アクセル操作具60が設定低速位置Lに位置していると、アクセル操作部Gの操作によってエンジン10が設定定格回転速度に操作されることになる。つまり、脱穀クラッチ操作体31と共に揺動する揺動操作体69の遊端部69bが、待機位置Tに位置する操作部70の受動部70aに当接し、揺動操作体69が操作部70を作用方向a1に揺動操作する。すると、操作部70の伝動部70bがアクセル操作具60の出力アーム部60aに当接し、操作部70がアクセル操作具60を揺動操作する。これにより、アクセル操作部Gが作動してアクセル装置63を増速側に操作する。アクセル操作具60が設定高速位置Hになると、揺動操作体69が操作部70から外れ、摩擦板68がアクセル操作具60を設定高速位置Hに保持する。これにより、エンジン10がアクセル操作具60の設定高速位置Hに対応した定格回転速度になる。
ちなみに、操作部70がアクセル操作具60を設定高速位置Hに操作した後、揺動操作体69の遊端部69bが操作部70の受動部70aから外れ、操作部70が待機位置Tに復帰してアクセル操作具60の出力アーム部60aと離間し、また、揺動操作体69が操作部70と離間することになる。したがって、アクセル操作具60は、操作部70と揺動操作体69とによる揺動規制を受けず、設定高速位置Hから減速側に人為操作できる状態になる。
加えて、エンジン10が定格回転速度に操作された後、脱穀装置5を停止させても、エンジン10は定格回転速度に維持されることになる。つまり、アクセル操作具60が設定高速位置Hに位置している状態で、電動モータ22が脱穀クラッチ操作体31及び刈取クラッチ操作体33をクラッチ切位置U1に操作すると、揺動操作体69が脱穀クラッチ操作体31と共に揺動して解除方向b1に揺動する。これに伴って揺動操作体69の遊端部69bが待機位置Tに位置している操作部70の受動部70aに当接して揺動操作体69が操作部70を揺動操作しても、操作部70は、解除方向b1に揺動してアクセル操作具60に押圧作用しない。これにより、アクセル操作具60が摩擦板68によって設定高速位置Hに保持され、エンジン10は、アクセル操作具60の設定高速位置Hに対応した定格回転速度を維持する。
この「刈取クラッチ入り」の制御は、自動操作スイッチ52にて自動操作指令が指令されているか否かかが判断されたときに(#11)、自動操作を行なわない自動停止指令が指令されていると、直ちに実行されることになり、そして、自動操作スイッチ52にて自動操作指令が指令されていると、高さ検出用センサ51の検出情報に基づいて、刈取処理装置4の高さが設定高さ以上であるか否かが判断されたときに(#14)、刈取処理装置4の高さが設定高さよりも低いと判断されると実行されることになる。
この「刈取クラッチ切り」の制御は、変速検出用センサ41の検出情報に基づいて変速操作レバー24が中立位置Nでないことが判別される(#17)ときや、変速操作レバー24が中立位置Nであっても、掻込み指令スイッチ50が刈取クラッチ17の入り操作指令を指令するON状態でないとき、つまり、切り操作指令を指令するときには、実行されるものの、変速操作レバー24が中立位置Nであって且つ掻込み指令スイッチ50が刈取クラッチ17の入り操作指令を指令するON状態のときには、上述と同様に行われる「刈取クラッチ入り」の制御が実行されることになる。
但し、変速操作レバー24が刈取クラッチ切り操作域に操作されても、変速操作レバー24が中立位置Nに位置するときに、掻込み指令スイッチ50にて刈取クラッチ17の入り操作指令が指令されと、刈取クラッチ17を入り状態にして刈取処理装置4を駆動できるものとなる。
また、枕地を刈取る等のために、畦に向かって走行して停止したときに、掻込み指令スイッチ50にて刈取クラッチ17の入り操作指令を指令すると、刈取処理装置4に存在する刈取った穀稈を脱穀装置5に供給すべく、刈取処理装置4を駆動できる。
そして、この掻込み指令スイッチ50による指令による刈取処理装置4の駆動は、メンテナンスを行うときにも使用できる。
つまり、畦際等において枕刈りを行う際には、刈取処理装置4を地面近くに下降させた状態で、前進及び後進を繰り返しながら刈取収穫作業を行うことが多いが、その場合においては、変速操作レバー24の操作により自動的に刈取クラッチ17が入り状態と切り状態とに切り換えられることになる。ちなみに、この場合にも、掻込み指令スイッチ50にて刈取クラッチ17の入り操作指令を指令すると、刈取処理装置4に存在する刈取った穀稈を脱穀装置5に供給すべく、刈取処理装置4を駆動できる。
作業指令スイッチ25にて作業開始指令が指令されると、アクセル装置63を定格回転状態に操作し且つ脱穀クラッチ14を入り状態に操作し、且つ、作業指令スイッチ25にて作業停止指令が指令されると、制御部42が電動モータ22を作動させて、脱穀クラッチ14を切り状態に操作し且つアクセル装置63を定格回転状態に維持する。
制御部42が電源投入により起動されたときに、脱穀クラッチ14が入り状態の場合には、脱穀クラッチ14を切り状態に操作する。
以下、上記実施形態の各部を変更する別実施形態について説明する。
上記実施形態では、操作制御手段Cが、一つの電動モータ22の作動により、脱穀クラッチ14、刈取クラッチ17、及び、アクセル装置(アクセル手段)63を操作する形態のものを例示したが、それらの夫々を各別に操作するアクチュエータを備えるようにする形態や、脱穀クラッチ14と刈取クラッチ17とを操作するアクチュエータとアクセル装置(アクセル手段)63を操作するアクチュエータとを各別に備えるようにする形態等、操作制御手段Cの構成は各種変更できる。
4 刈取処理装置
5 脱穀装置
10 エンジン
14 脱穀クラッチ
17 刈取クラッチ
24 変速操作レバー
25 作業指令スイッチ(作業指令手段)
41 変速検出用センサ(走行変速検出手段)
42 制御部(点灯制御手段)
50 クラッチ操作指令手段
51 高さ検出手段
52 自動操作指令手段
53 回転速度検出センサ(回転速度検出手段)
54 点灯ランプ(点灯式の表示部)
63 アクセル装置(アクセル手段)
A 操縦部
B 走行機体
C 操作制御手段
F 前進操作域
M 走行変速装置
P1 クラッチ入り判別用設定位置
P2 クラッチ切り判別用設定位置
R 後進操作域
Claims (8)
- エンジンの出力にて駆動される走行装置及び刈取処理装置及び脱穀装置と、
前記走行装置の走行速度を変速する走行変速装置と、
前記走行変速装置の変速状態を検出する走行変速検出手段と、
前記エンジンの出力を前記刈取処理装置に伝達する入り状態と伝達を遮断する切り状態とに切り換え自在な刈取クラッチと、
前記エンジンの出力を前記脱穀装置に伝達する入り状態と伝達を遮断する切り状態とに切り換え自在な脱穀クラッチと、
前記エンジンをアイドリング回転速度で回転させるアイドリング状態と定格回転速度で回転させる定格回転状態とに切り換えるアクセル手段と、
前記刈取クラッチ及び前記脱穀クラッチ及び前記アクセル手段を操作する操作制御手段と、
作業開始指令を指令する手動操作式の作業指令手段と、を備え、
前記操作制御手段は、前記作業開始指令が指令されたときに、前記走行変速検出手段にて前進走行状態が検出されると、前記アクセル手段を前記定格回転状態に操作すると共に前記脱穀クラッチを入り状態に操作し、且つ、前記刈取クラッチを入り状態に操作し、前記走行変速検出手段にて走行中立状態及び後進走行状態が検出されると、前記アクセル手段を前記定格回転状態に操作すると共に前記脱穀クラッチを入り状態に操作し、且つ、前記刈取クラッチを切り状態に操作するコンバインの操作制御装置。 - 前記走行変速装置は、前進走行速度を無段階に変速するように構成され、
前記走行変速装置の変速操作レバーが、中立位置にて走行停止状態に操作し、前進操作域にて前進走行状態に操作し、及び、後進操作域にて後進走行状態に操作するように、且つ、前記前進操作域では前記中立位置から離れるほど高速に操作するように、前記走行変速装置と連係された状態で設けられ、
前記走行変速検出手段が、前記変速操作レバーの操作位置を検出するように構成され、
前記操作制御手段は、前記前進操作域におけるクラッチ入り判別用設定位置よりも高速側に前記変速操作レバーが位置すると、前記前進走行状態であるとして、前記刈取クラッチを入り状態に操作し、且つ、前記前進操作域におけるクラッチ入り判別用設定位置よりも低速側に定めたクラッチ切り判別用設定位置よりも低速側に前記変速操作レバーが位置すると、前記走行中立状態であるとして、前記刈取クラッチを切り状態に操作する請求項1に記載のコンバインの操作制御装置。 - 前記刈取クラッチの入り操作指令及び切り操作指令を指令する手動操作式のクラッチ操作指令手段が設けられ、
前記操作制御手段は、前記作業指令手段にて前記作業開始指令が指令されると共に前記走行変速検出手段にて前記走行中立状態が検出されているときには、前記クラッチ操作指令手段の入り操作指令及び切り操作指令に基づいて、前記刈取クラッチを入り状態及び切り状態に操作し、且つ、前記作業指令手段にて前記作業開始指令が指令され前記走行変速検出手段にて前記前進走行状態及び前記後進走行状態が検出されているときには、前記クラッチ操作指令手段の入り操作指令及び切り操作指令に基づいて前記刈取クラッチを操作しない請求項1又は2に記載のコンバインの操作制御装置。 - 前記刈取処理装置は、走行機体に対して昇降操作自在に構成され、
前記刈取処理装置の前記走行機体に対する高さを検出する高さ検出手段と、前記刈取クラッチに対する自動操作を行なう自動操作指令と自動操作を行なわない自動停止指令を指令する手動操作式の自動操作指令手段とが設けられ、
前記操作制御手段は、前記作業指令手段にて前記作業開始指令が指令され且つ前記走行変速検出手段にて前進走行状態が検出されるときに、前記自動操作指令手段にて前記自動操作指令が指令されている場合には、前記高さ検出手段の検出情報にて前記刈取処理装置が設定基準高さよりも下降側に位置することが検出されると、前記刈取クラッチを入り状態に操作し、且つ、前記高さ検出手段の検出情報にて前記刈取処理装置が前記設定基準高さ以上の上昇側に位置することが検出されると、前記刈取クラッチを切り状態に操作する請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンバインの操作制御装置。 - 前記刈取クラッチの入り操作指令及び切り操作指令を指令する手動操作式のクラッチ操作指令手段が設けられ、
前記操作制御手段は、前記自動操作指令手段にて前記自動操作指令が指令されている場合には、前記クラッチ操作指令手段の指令による前記刈取クラッチの操作を実行しない請求項4に記載のコンバインの操作制御装置。 - 前記作業指令手段は、作業停止指令を指令できるように構成され、
前記操作制御手段は、前記作業停止指令が指令されると、前記脱穀クラッチを前記切り状態に操作し且つ前記アクセル手段を前記定格回転状態に維持する請求項1から5の何れか一項に記載のコンバインの操作制御装置。 - 操縦部に装備する点灯式の表示部と、その作動を制御する点灯制御手段と、前記エンジンの回転速度を検出する回転速度検出手段とが設けられ、
前記点灯制御手段は、前記作業指令手段にて前記作業開始指令が指令されると、前記回転速度検出手段にて検出される回転速度が設定判別速度よりも高速であると点灯させかつ前記設定判別速度以下であると点滅させる形態で前記表示部を表示作動させ、且つ、前記作業指令手段にて前記作業停止指令が指令されると、前記表示部を消灯させる請求項6に記載のコンバインの操作制御装置。 - 前記操作制御手段は、電源投入により起動されたときに、前記脱穀クラッチが入り状態の場合には、前記脱穀クラッチを切り状態に操作する請求項1から7の何れか一項に記載のコンバインの操作制御装置。
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