JP4722470B2 - 車両の加減速時制御方法及び装置、並びに車両 - Google Patents

車両の加減速時制御方法及び装置、並びに車両 Download PDF

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Description

本願発明は、駆動源から車輪への動力伝達経路中の動力伝達部材間の遊びが前記駆動源又は前記車輪の加速又は減速の際に無くなるときの前記動力伝達部材間の接触速度及び/伝達トルクを低減する方法及びそれを実施するための装置、並びに該装置を搭載した車両に関する。
例えば、駆動源を有する車両において、駆動源から車輪までの動力伝達経路中には、ギヤ,ドッグ,チェーン及びスプロケット,スプラインなどの種々の動力伝達部材が存在し、これらの動力伝達部材は、動力伝達経路上で隣接する他の動力伝達部材と所定の遊びをもって係合している。この遊びは、定常運転中には存在しないが、駆動源の回転数の増減、あるいはエンジンブレーキなどによって、遊びを境界としてその動力伝達経路上流側の動力伝達部材と下流側の動力伝達部材とで回転速度差が生じ、これらの動力伝達部材が遊びの範囲内で一時的に離れ、やがて遊びの反対方向の接触面同士で再接触する。このときの接触速度及び/又は伝達トルクが大きいと、車両全体にショックとして伝わり、搭乗者に不快感を与える。
このような観点から、例えば、特許文献1には、駆動源である内燃機関のスロットル開度に基づいて点火制御して動力伝達部材間の伝達トルクを低減する方法が開示されている。しかしながら、スロットル開度に基づいたこのような制御では、内燃機関のトルク変動の大小に拘わらず遅角補正が実行されるために、適切なタイミングで遅角補正がされず、加速性能の低下を招くという問題がある。
そこで、例えば、特許文献2及び3には、動力伝達部材の回転数の増減率(微分値)に基づいて一方の動力伝達部材の加減速程度を演算し、該加減速程度が所定値を超えるときに、この加減速程度に基づいて点火制御して動力伝達部材間の伝達トルクを低減する方法が開示されている。しかしながら、このような制御では、加減速程度が小さいときには作動しないという問題がある。
実開平5-57363号公報 特開2003-65196号公報 特開2003-343408号公報
本願発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、制御対象とする遊びを含む一連の動力伝達経路部分の入力軸(駆動源による駆動側の軸)と出力軸(駆動源による被駆動側の軸)とのうち少なくとも入力軸の回転数に関する情報を検出し、この情報に基づいて入力軸及び出力軸の相対回転位置を演算し、該相対回転位置に基づいて、入力軸及び/又は出力軸を加減速制御することにより、加減速程度に左右されずに、この遊びを境界とした動力伝達経路上流側及び下流側の動力伝達部材間の再接触速度及び/又はそのときの伝達トルクを効果的に低減する車両の加減速時制御方法及びそれを実施するための装置、並びに該装置を搭載した車両を提供することを目的とする。
本願発明に係る車両の加減速時制御方法は、駆動源から車輪への動力伝達経路中の動力伝達部材間の遊びが前記駆動源又は前記車輪の加速又は減速の際に無くなるときの前記動力伝達部材間の接触速度及び伝達トルクのうちの少なくとも一方を低減する方法であって、前記動力伝達経路のうちの前記接触速度及び伝達トルクのうちの少なくとも一方を低減すべき対象部位の入力軸の回転数に関する情報を検出し、検出された前記入力軸の回転数に関する情報に基づいて前記対象部位の入力軸及び出力軸の相対回転位置を演算し、演算された相対回転位置に基づいて、前記動力伝達部材間の接触速度及び伝達トルクのうちの少なくとも一方が小さくなるように、前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方を加速又は減速することを特徴とする。
また、本願発明に係る車両の加減速時制御装置は、駆動源から車輪への動力伝達経路中の動力伝達部材間の遊びが前記駆動源又は前記車輪の加速又は減速の際に無くなるときの前記動力伝達部材間の接触速度及び伝達トルクのうちの少なくとも一方を低減する装置であって、前記動力伝達経路のうちの前記接触速度及び伝達トルクのうちの少なくとも一方を低減すべき対象部位の入力軸の回転数に関する情報を検出する入力軸センサと、該入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転数に関する情報に基づいて前記対象部位の入力軸及び出力軸の相対回転位置を演算する相対回転位置演算手段と、該相対回転位置演算手段により演算された相対回転位置に基づいて、前記動力伝達部材間の接触速度及び伝達トルクのうちの少なくとも一方が小さくなるように、前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方を加速又は減速する加減速手段とを備えることを特徴とする。
前述したように、本願発明が対象とする駆動源を有する車両(この車両には、二輪車、四輪車など任意の数の車輪を具備するものが含まれる)においては、該駆動源から車輪への動力伝達経路中の種々の動力伝達部材間には、様々な遊びが存在している。本願発明においては、制御を望んでいる遊びの存在する動力伝達経路の部位(すなわち、動力伝達経路のうちの遊びを境界とした動力伝達経路上流側及び下流側の動力伝達部材間の接触速度及び/又は伝達トルクを低減すべき対象部位)に着目し、まず、この部位の駆動源側の回転軸(すなわち、入力軸)の回転数に関する情報を検出する。動力伝達部材としては、動力伝達経路中に含まれるギヤ,ドッグ,スプロケット及びチェーン,スプライン,カップリングダンパなどの種々のものが存在し、これらのうちの任意のものを対象とすることが可能である。例えば、噛み合う2つのギヤの間の遊び(この場合は、例えばバックラッシ)を対象とする場合には、この動力伝達経路上流側のギヤの回転軸が入力軸となり、下流側のギヤの回転軸が出力軸となる。また、例えば、これらのギヤが回転軸にスプライン結合している場合には、このスプライン結合部のガタツキ(遊び)も含めて対象とすることが可能である。
このように、本願発明においては、動力伝達部材間の接触速度及び/又は伝達トルクを低減することを目的としており、「動力伝達部材間の遊びが駆動源又は車輪の加速又は減速の際に無くなるとき」としてあるが、実際には、「遊び」は不変であり、動力伝達部材間の接触により「遊び」自体が無くなるわけではなく、むしろ、動力伝達部材間の接触によりこの接触側の動力伝達部材間の実質的な「遊び」が無くなることを意味している。
入力軸の回転数に関する情報は、種々の公知の軸回転速度検出器を利用して検出することが可能であり、検出する情報は、回転数そのもののほか、その増減率(微分値),積分値,差分値などの関連する情報であってもよい。
次に、この入力軸の回転数に関する情報に基づいて前記対象部位の入力軸及び出力軸の相対回転位置を演算する。本質的に、定常運転状態においては、入力軸と出力軸とは同期して回転しており、これらの相対回転位置は不変である。したがって、入力軸の回転速度の変化からこのような相対回転位置を演算することが可能なのである。
対象としている遊びの回転方向の大きさは予め求めておくことが可能であるので、上記のようにして演算した相対回転速度又は相対回転位置と、入力軸の回転速度とに基づいて遊びの反対方向における動力伝達部材間の接触速度及び/又は伝達トルク(及び/又は接触タイミング)を求めることも可能である。そして、このように求められる動力伝達部材間の接触速度及び/又は伝達トルクが小さくなるように、入力軸及び出力軸の少なくとも一方を加速又は減速することによって、車両全体に与えるショックを低減し、搭乗者に与える不快感を低減することができるのである。
上記においては、入力軸及び出力軸の相対回転位置を入力軸の回転数に関する情報のみから演算するが、これを実現するために、例えば、入力軸の回転数に関する情報に基づいて出力軸の回転数に関する情報を推定し、上記相対回転位置を、これら入力軸及び出力軸の両方の回転数に関する情報に基づいて演算することも可能である。また、出力軸の回転数に関する情報を推定するのに代えて、直接的に検出することも可能である。
さらに、上記においては、入力軸及び出力軸の相対回転位置に基づいて入力軸及び出力軸の少なくとも一方を加速又は減速するようにしているが、これに代えて、例えば、検出された入力軸の回転数に関する情報に基づいて入力軸及び出力軸の相対回転速度を演算し、相対回転速度と相対回転位置との両方に基づいて、動力伝達部材間の接触速度及び/又は伝達トルクが小さくなるように、入力軸及び出力軸の少なくとも一方を加速又は減速することによっても、上記の相対回転位置単独のときと同様の効果を得ることができる。
より詳しく言えば、前述の通り遊び量は既知であるため、動力伝達部材間の相対回転位置、又は相対回転位置及び相対回転速度さえ求めることができれば、任意のパターンで動力伝達部材同士を再接触させることが可能である。再接触パターンとしては、入力軸及び出力軸の少なくとも一方を加速又は減速させるときの開始時期を少なくとも決定する。加減速パターンが固定に設定されているならば、開始時期だけ決めれば十分であるからである。また、より確実に再接触のタイミングを把握して、動力伝達部材間の接触速度及び/又は伝達トルクを確実に小さくするためには、加速又は減速の終了時期、又は、上記開始時期からの加速又は減速の継続時間若しくは継続量(制御指令値)を決定し、動力伝達部材間の再接触時に合わせて加速又は減速を終了させることも可能である。加速又は減速の度合いは、継続している間一定でもよいし、動力伝達部材間の再接触時に合わせて動力伝達部材間の相対回転速度が零となるように変化させることも可能である。
駆動源としては、例えば、内燃機関、電動モータなどを採用することが可能であり、強制点火式の内燃機関の場合には、上記の加速又は減速をさせるために、点火時期を遅角/進角して減速/加速を制御することが可能である。また、燃料供給量の増減によっても加速/減速を制御することが可能であり、スロットル開度又はバイパスバルブ開度により吸気量を増減することによっても加速/減速を制御することが可能である。
また、駆動源として電動モータを採用する場合には、上記の加速又は減速をさせるために、この電動モータへの供給電流を増減して加速/減速を制御することが可能である。さらに、駆動源の種類に拘わらず、対象部位の入力軸及び/又は出力軸に別途の加減速装置を連結し、この加減速装置単独で又は駆動源との組み合わせで加速/減速を制御することも可能である。加減速装置としては、入力軸及び/又は出力軸を加減速させることができる任意の動力発生源,摩擦抵抗発生装置など、又はこれらを組み合わせたものを採用することが可能である。
なお、駆動源の制御に代えて加減速装置のみを制御する場合には、上述した原理により、出力軸の回転数に関する情報の単独利用のときと同様に、出力軸の回転数に関する情報のみだけでも同様の作用効果が得られる。
以下、本願発明に係る車両の加減速時制御方法及びそれを実施するための装置、並びに該装置を搭載した車両について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本願発明に係る車両の加減速時制御方法が制御対象とする部位(制御対象部位S2)を示す概念図である。前述したように、本願発明が対象とする駆動源10を有する車両においては、該駆動源10から駆動輪である車輪30への動力伝達経路R中には、様々な動力伝達部材を含む動力伝達系20が存在する。例えば、動力伝達系20には、変速装置(図6及び図13参照)が含まれる。
このような動力伝達経路R中においては、様々な機械的遊びが存在している。例えば、このような遊びには、変速装置内の歯合する変速ギヤ間のバックラッシ、回転軸にスプライン結合する変速ギヤと回転軸との間の遊び、ドッグ式変速装置におけるドッグとこれに噛み合う変速ギヤの凹部(ドッグ穴)との間の遊び、チェーン自体の遊び,カップリングダンパの遊びなどが含まれる。また、駆動源10が内燃機関である場合には、この遊びには、例えば、クランク軸と該クランク軸にスプライン結合する出力ギヤとの間の遊びなども含まれる。さらには、車輪30では、例えば、変速装置から延びるチェーンと車軸のスプロケットとの間の遊び、車輪ホイールを保持するカップリングダンパの遊びなども含まれる。
このように、本願発明においては、遊びを含んだ「制御対象部位S2」としては、動力伝達経路R中の任意の部位を含むことが可能であり、この遊びが、制御対象部位S2の入力軸200Aと出力軸200Bとの間の相対回転として認識可能であればよい。ここでは、説明の便宜上、制御対象部位S2以外の動力伝達経路Rの部分として、駆動源10の部位を「駆動源非制御対象部位S1」、車輪30の部位を「車輪非制御対象部位S3(この場合、実質的には、ホイール部分を除くタイヤである)」とそれぞれ称している。
図2は、本願発明に係る車両の加減速時制御装置の概念的ブロック図である。本願発明に係る車両の加減速時制御装置は、制御対象部位S2の入力軸200A及び/又は出力軸200Bの回転数に関する情報を検出する入力軸及び/又は出力軸センサ40と、演算装置50と、加減速手段60とを備えている。
入力軸及び/又は出力軸センサ40は、入力軸200Aの回転数に関する情報を検出する入力軸センサ(図6及び図13参照)と、出力軸200Bの回転数に関する情報を検出する出力軸センサ(図6及び図13参照)との少なくとも1つを備えている。これら入力軸センサ及び出力軸センサとしては、種々のタイプのものを採用することが可能であり、例えば、図3に制御部53の制御ロジック53Aにおいて設定された制御指令値の例を示すように、制御指令値として必要とされるものに応じて選択される。具体的には、例えば、入力軸200A及び/又は出力軸200Bの回転数、相対回転位置、増減率(回転数の微分値)、及び回転数差、さらには、入力軸200Aの回転数に関する情報の間接的なデータとして、スロットル(図6及び図13参照)の開度、及びその増減率(開度の微分値)などを検出可能な種類のセンサである。
さらに、演算装置50は、相対回転位置推定部52と、制御部53とを備え、上述した入力軸及び/又は出力軸センサ40の種類を含む本加減速時制御装置の構成に応じて相対回転速度演算部51をさらに備える場合もある。演算装置50は、相対回転位置推定部52により少なくとも制御対象部位S2の入力軸200A及び出力軸200Bの相対回転位置を演算するが、演算装置50が相対回転速度演算部51を備える場合には、相対回転位置推定部52は、相対回転速度演算部51により演算される入力軸200A及び出力軸200Bの相対回転速度に基づいて相対回転位置を演算する。
制御部53は、前述したようなその制御ロジック53Aに従い、相対回転位置推定部52から与えられる相対回転位置、又はこれに加えて相対回転速度演算部51から与えられる相対回転速度に基づいて、減速/加速開始時期、及び減速/加速量及び/又は減速/加速終了時期を演算し、演算結果に基づいて加減速手段60に作動指令(減速/加速指令値)を出力する。
加減速手段60は、駆動源10の出力軸、及び/又は、入力軸200A及び/又は出力軸200Bの回転を加減速させ、制御対象部位S2内の遊びの減少速度(すなわち、動力伝達部材間の再接触速度)及び/又は再接触時の動力伝達トルクを可及的に小さくさせるようになっている。
図4は、図2に示した演算装置50の具体的な構成の一例を示す制御ブロック図である。ここでは、入力軸センサ及び出力軸センサの両方を備えており、それぞれが、入力軸200Aの回転数,出力軸200Bの回転数を検出する場合を想定している。また、図4においては、相対回転速度演算部51は、差分器51aとして示してあり、この差分器51aにおいて、入力軸回転数と出力軸回転数との差(すなわち、相対回転速度)が演算される。演算された相対回転速度は、制御部53に与えられる一方、ここでは積分器52aから構成されている相対回転位置推定部52に入力される。積分器52aは、相対回転速度を積分することによって相対回転位置を推定し、推定された相対回転位置は、制御部53に与えられる。
制御部53は、前述した制御ロジック53Aが利用するマップ53Bを備え、該マップ53Bには、相対回転速度及び相対回転位置に応じた減速/加速指令値を記憶している。具体的には、図3に示すように、マップ53Bは、相対回転位置に応じた遅角/進角開始時期を記憶している。また、マップ53Bは、入力軸及び出力軸の相対回転位置、入力軸回転数及び/又は出力軸回転数、入力軸回転数及び/又は出力軸回転数の増減率(微分値),入力軸回転数及び出力軸回転数の回転数差,入力軸回転数及び出力軸回転数の回転数差の増減率(微分値),スロットル開度,スロットル開度の増減率(微分値)などに応じた減速/加速量、及び/又は減速/加速終了時期を記憶している。制御部53は、相対回転速度演算部51(差分器51a)から与えられた相対回転速度と、積分器52aから与えられる相対回転位置推定値とに基づいてマップ53Bを参照して減速/加速指令値を演算し、演算した減速/加速指令値を加減速手段60(図2参照)に出力する。
なお、通常は対象となる遊びの量は不変であり、予め求めておくことができることから、このような遊び量に応じた値で、積分器52aから構成される相対回転位置推定部52の積分値が制限されるように、積分器52aをリミット付きの積分器から構成して実際にはあり得ない指定値とならないようにすることが望ましい。また、積分器52aの入力部に不感帯を付加して微小な相対回転速度のときには積分をしないようにしてもよい。
また、ここでは、様々な相対回転速度及び相対回転位置に対する減速/加速指令値を、予めオフラインで演算しておきマップ53Bに記憶するように構成してあるが、本願発明においては、これに限らず、例えば、制御部53内に所定のシミュレーションモデルを持たせてこれによりリアルタイムで減速/加速指令値を演算するように構成してもよい。
また、前述したような出力軸センサを備えていない場合には、図5に示すように、演算装置50は、ローパスフィルタ54を備え、入力される入力軸回転数を差分器51aから構成される相対回転速度演算部51に与える一方、ローパスフィルタ54に与える。ローパスフィルタ54は、時定数の大きい種類のものが望ましく、これにより、入力軸回転数から出力軸回転数を推定することが可能である。ローパスフィルタの時定数は、例えば、1msから10msの範囲内から適切なものが選定される。ローパスフィルタ54により演算された出力軸回転数推定値は、検出された出力軸回転数と同様の方法にて、差分器51aに与えられ、相対回転速度が演算される。以後の構成及び作用は、図4に示した例と同様であるため、ここでは同一部分には同一の参照符号を付してその説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図6は、図4に示したような演算装置50を、駆動源10として強制点火式の内燃機関10aを装備した車両90に適用した例を示すブロック図である。ここでは、内燃機関10aは、単気筒のレシプロ式内燃機関として示されているが、本願発明は、任意のその他の種類の内燃機関にも適用可能である。
内燃機関10aは、コンロッド101の下端をクランクピン102に結合され、該クランクピン102に連続するクランク軸103aの一端は、一次減速機201を介してクラッチ202に接続されている。該クラッチ202を挟んで、一次減速機201は、変速装置203の入力軸であるメインシャフト204に連結され、該メインシャフト204には、変速装置203の内部において、クラッチ202側から、入力軸加減速装置601、1速〜6速ギヤ205-210、及び入力軸センサ401が設けられている。メインシャフト204と平行に、変速装置203内には、変速装置203の出力軸であるドライブシャフト211が配設され、該ドライブシャフト211には、クラッチ202側から、出力軸加減速装置602、1速〜6速ギヤ212-217、ドライブスプロケット218、及び出力軸センサ402が設けられている。ここで、メインシャフト204側の1速〜6速ギヤ205-210と、ドライブシャフト211側の1速〜6速ギヤ212-217とは、それぞれ、常時歯合した状態にある。
なお、入力軸センサ401、出力軸センサ402、入力軸加減速装置601、及び出力軸加減速装置602の配設位置は、上記の構成に限定されるものではなく、例えば、メインシャフト204及びドライブシャフト211が目的であるならば、これらのシャフト上の任意の位置に配設することが可能である。
ドライブスプロケット218は、チェーン219を介してドリブンスプロケット220に接続され、これらドライブスプロケット218、チェーン219、及びドリブンスプロケット220で二次変速機が構成されている。また、ドリブンスプロケット220は、車輪30のホイール内部に設けられたカップリングダンパ301を介してタイヤ302に連結されている。
図6においては、例示として、ドライブシャフト211側の2速及び6速ギヤ213,217がドッグクラッチ221を介して連結している状態を示してあり、内燃機関10aの燃焼により発生したピストン100の直線動作は、コンロッド101、クランクピン102、及びクランク軸103aにより、クランク軸103aの回転動作に変換され、一次減速機201及びクラッチ202を通じてメインシャフト204に入力される。次いで、この回転力は、メインシャフト204側の1速〜6速ギヤ205-210と、ドライブシャフト211側の1速〜6速ギヤ212-217との変速比に応じた何れかの組み合わせを通じてドライブシャフト211に伝えられ、ドライブスプロケット218、チェーン219、及びドリブンスプロケット220を順に通じて車輪30(及びタイヤ302)を駆動する。また、内燃機関10aが動力を発生していない場合には、タイヤ302の回転力が上述とは逆方向に動力伝達経路を通じてクランク軸103aを回転させ、ピストン100を動作させる。
本実施の形態においては、図6において破線で囲んだ変速装置203を制御対象部位としており、入力軸センサ401は、入力軸であるメインシャフト204の回転速度を検出し、検出結果を演算装置50に与える一方、出力軸センサ402は、出力軸であるドライブシャフト211の回転速度を検出し、検出結果を演算装置50に与えるようになっている。
また、内燃機関10aの吸気通路104に設けられたスロットル110a(スロットルバルブ又はスロットルボディ)には、スロットル開度センサ403が設けられ、スロットル開度を検出し、検出結果を演算装置50に与えるようになっている。なお、内燃機関10aの排気通路は、参照符号105で示してある。
また、演算装置50は、入力軸であるメインシャフト204の回転を加減速する入力軸加減速装置601に駆動装置601aを介して接続されている一方、出力軸であるドライブシャフト211の回転を加減速する出力軸加減速装置602に駆動装置602aを介して接続されている。入力軸加減速装置601及び出力軸加減速装置602は、本実施の形態においては、電動モータであるが、その他の任意のアクチュエータを採用することも可能である。また、加速又は減速の一方だけを目的とするのであれば、例えば、アクセラレータ,ブレーキなどのようなものを採用することも可能である。さらに、演算装置50は、内燃機関10aの点火プラグ603aにも接続されている。
演算装置50は、入力軸センサ401、出力軸センサ402、及びスロットル開度センサ403からそれぞれ与えられる検出結果に基づいて、本願発明に係る制御を実行し、入力軸加減速装置601及び出力軸加減速装置602の電流制御による減速/加速、さらには、点火プラグ603aの点火制御による内燃機関10aの遅角/進角(減速/加速)を行なう。
前述したように、本実施の形態においては、図6において破線で囲んだ変速装置203を制御対象部位としているが、以下、特に、変速装置203内のドッグクラッチ221の遊びに着目して詳述する。
図7(a)は、図6に示したドッグクラッチ221の構成を示すその近傍の断面図であり、図7(b)は、そのVIIb-VIIb矢視図である。ここでは、2速ギヤ206,213を通じて動力伝達する場合を示してある。メインシャフト204上に設けられた2速ギヤ206は、メインシャフト204にスプライン結合しており、メインシャフト204の軸方向に移動自在とされている。一方、この2速ギヤ206に歯合するドライブシャフト211上の2速ギヤ213は、ドライブシャフト211上に遊嵌されており、ドライブシャフト211の軸方向への移動は拘束されているが、自由に回転できるようになっている。これに隣接するドライブシャフト211上の6速ギヤ217も、2速ギヤ206と同様に、ドライブシャフト211にスプライン結合しており、ドライブシャフト211の軸方向に移動自在とされている。同一の軸上で隣接する変速ギヤ(ここでは、2速ギヤ213及び6速ギヤ217)の一方(ここでは、6速ギヤ217)には、他方への対向面にドッグ221aが突設されている。該ドッグ221aは、この対向面上において円周方向に複数(ここでは、6つ)形成されている。一方、他方の変速ギヤ(ここでは、2速ギヤ213)には、対向面のドッグ221aに対応する位置に同数のドッグ穴221bが形成されている。
メインシャフト204の回転力は、該メインシャフト204にスプライン結合している2速ギヤ206に伝えられ、該2速ギヤ206は、これに歯合するドライブシャフト211上の2速ギヤ213をこれらのギヤ比に応じた回転速度で回転させる。図7(a)に示すように6速ギヤ217のドッグ221aが2速ギヤ213のドッグ穴221bに係合していない状態では、2速ギヤ213はドライブシャフト211上を空転するだけであり、ドライブシャフト211には動力は伝達されない。ここで、同じドライブシャフト211上にスプライン結合している6速ギヤ217がドッグ221aを2速ギヤ213のドッグ穴221bに係合することにより、2速ギヤ213の回転力が6速ギヤ217を通じてドライブシャフト211に伝えられ、2速に入ることになる。6速ギヤ217の作動は、図示しない変速操作機構(例えば、シフトフォークなどを含む)により行なわれるようになっている。ここでは、2速の例についてのみ述べたが、他の変速ギヤについても同様であり、本実施の形態においては、軸上にスプライン結合している変速ギヤを、図6において左右両方向の矢符と共に示してその作用の説明は省略する。一般に、ドッグ穴221bは、回転しながらドッグ221aと係合し易いようにドッグ221aに対して大きめに形成されている。
例えば、車両90が定常運転(例えば、定速走行)している状態にあっては、内燃機関10aが発生した動力は、上述した動力伝達経路を上流側から下流側に伝えられ、タイヤ302を回転させる。このとき、例えば、6速ギヤ217の各ドッグ221aは、対応する2速ギヤ213のドッグ穴221bの回転方向の一端部(例えば、図7(b)におけるドッグ穴端部221c)に接触している。
この状態から、例えば、車両90がスロットル110aを閉じ、エンジンブレーキにより減速したときには、6速ギヤ217の各ドッグ221aは、対応する2速ギヤ213のドッグ穴221bの一方のドッグ穴端部221cから離れ、ドッグ穴221bの遊びの範囲で回転方向に他方のドッグ穴端部221dの方向へと移動する。そして、やがて、各ドッグ221aは、対応するドッグ穴221bの他方のドッグ穴端部221dに、このときの2速ギヤ213と6速ギヤ217との間の回転速度差(すなわち、相対回転速度)で再接触する。この再接触のときのショックは、再接触時の相対回転速度及びそのときの伝達トルクで定まるが、これが車両全体に減速ショックとして伝わり、搭乗者に不快感を与える。
さらに、上述したような減速の状態から、スロットル110aを開くことにより加速したときには、内燃機関10aのクランク軸103aの回転速度が上昇し、2速ギヤ213の回転速度も上昇させる。これにより、再び、2速ギヤ213と6速ギヤ217との間に回転速度差が生じ、今度は、6速ギヤ217の各ドッグ221aは、対応する2速ギヤ213のドッグ穴221bの他方のドッグ穴端部221dから離れ、ドッグ穴221bの遊びの範囲で逆方向に元のドッグ穴端部221cの方向へと移動し、このときの2速ギヤ213と6速ギヤ217との間の回転速度差(すなわち、相対回転速度)で再接触する。この再接触のときのショックもまた、再接触時の相対回転速度及びそのときの伝達トルクで定まり、これが車両全体に加速ショックとして伝わり、搭乗者に不快感を与える。
本願発明においては、この再接触時の相対回転速度及び/又は伝達トルクを可及的に小さくすることによって、加速及び減速ショックを緩和するようになっている。つまり、2速ギヤ213の回転速度は、この2速ギヤ213に歯合するメインシャフト204上の2速ギヤ206の回転速度を入力軸センサ401により検出し、これを2速ギヤ213と2速ギヤ206とのギヤ比で乗算することにより換算可能である。一方、6速ギヤ217は、ドライブシャフト211の回転速度として出力軸センサ402により検出可能である。
検出された2速ギヤ213(又は2速ギヤ206)及び6速ギヤ217の回転速度は、演算装置50に与えられ、演算装置50は、必要に応じて2速ギヤ206の回転速度から2速ギヤ213の回転速度を演算した上で、2速ギヤ213と6速ギヤ217との間の回転速度差(すなわち、相対回転速度)を演算する。そして、演算装置50は、この相対回転速度を積分することによって2速ギヤ213と6速ギヤ217との相対回転位置を推定する。遊びの大きさ(すなわち、ここでは各ドッグ221aのドッグ穴221b内における回転方向の移動量)は既知であり、このような情報は、例えば、演算装置50内の図示しないメモリなどに記憶されている。これにより、演算装置50は、相対回転速度及び相対回転位置から、ドッグ221aとドッグ穴221bとの再接触のタイミング及びそのときの相対回転速度を演算する。なお、各ドッグ221aとドッグ穴221bとの分離から再接触までの間に相対回転速度が変化しない、又はそのように想定できる場合には、再接触時の相対回転速度は、検出時の相対回転速度と同じであるとすることができる。しかし、この間にさらに減速されているか又はスロットルが開かれている場合には、相対回転速度が変化するため、減速の大きさ、スロットル開度などを別途検出し、これによってより正確な再接触時の相対回転速度を算出するために、上述のように演算される再接触のタイミング及びそのときの相対回転速度を補正することも可能である。なお、図6においては、スロットル開度センサ403のみを開示してあるが、車両90の減速の大きさを検出するセンサも同様の原理で実現可能であることは言うまでもない。
このように演算することが可能な再接触のタイミング及びそのときの相対回転速度に応じて、演算装置50は、遅角/進角開始時期、遅角/進角量、及び遅角/進角終了時期などを決定し、図示しない点火コイルの通電を制御するなどして点火プラグ603aの点火時期を制御し、減速ショックが予想されるときには、再接触時の回転速度又は回転トルクを増加させて減速ショックを緩和する一方、加速ショックが予想されるときには、再接触時の回転速度又は回転トルクを減少させて加速ショックを緩和する。また、点火制御だけではなく、同様に、演算装置50は、決定した減速/加速開始時期、減速/加速量、及び減速/加速終了時期などに応じて駆動装置601a,602aを制御し、加減速装置601,602へ通電される電流を調節することも可能である。この場合、特に、入力軸であるメインシャフト204と出力軸であるドライブシャフト211との両方の制御が可能となるので、より応答性の良い制御を実現することができる。
なお、ここでは、説明の便宜上、再接触のタイミング及びそのときの相対回転速度を段階的に求めるようにしているが、前述したように、検出される相対回転速度及び相対回転位置に応じた減速/加速開始時期、減速/加速量、及び減速/加速終了時期などは、予めマップ(図3乃至図5参照)として用意しておくことが可能である。また、マップに依存することなく、演算式を利用しても同様の作用効果を得られることは言うまでもない。
また、図6に示した実施の形態においては、変速装置203内の遊び、特に、各変速ギヤのドッグクラッチの遊びに特化した制御をするように説明したが、歯合する変速ギヤ間のバックラッシ、変速ギヤとシャフトとの間のスプラインの遊びなども対象することができるばかりでなく、例えば、一次変速機201、チェーン219とドライブスプロケット218及びドライブスプロケット220との間の遊び、チェーン219自体の遊び、カップリングダンパ301の遊びなど、動力伝達経路中の任意の遊びを対象とすることができ、入力軸/出力軸センサ及び加減速装置もその遊びに応じた位置に配置される。
図8(a)乃至(e)は、本願発明の第1の実施の形態に係る方法に従う車両の加減速時制御の効果を説明するためのグラフであり、(a)は、スロットル開度、(b)は、特に制御を実施しなかったときの入力軸及び出力軸の回転速度、(c)は、スロットル開度の増減率に基づいた従来の点火遅角制御を実施したときの入力軸及び出力軸の回転速度、(d)は、本願発明に係る制御を実施したときの入力軸及び出力軸の回転速度、及び(e)は、ドッグ相対回転位置の推定値をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。
ここでは、車両が減速している状態から、スロットルを開いて加速したときを想定し、このときの各制御による入力軸及び出力軸の回転速度の時系列的な変化を以下に説明する。
ここでは、T1時点まで一定の減速を行い、図8(a)にスロットル開度を示すように、T1時点からスロットルを開いて加速をした。また、図8(e)にドッグクラッチ相対回転位置推定値を示すように、T1時点から若干遅れてT1A時点でドッグクラッチが減速側端部から遊びの範囲を移動し始め、T2時点には加速側端部に再接触している。
まず、図8(b)に特に制御をしなかった場合の回転速度を示すように、入力軸及び出力軸の回転速度は共に減少しており、T1A時点からスロットルを開くのに伴って入力軸回転速度(図8(b)において破線で示す)のみが上昇を始める(A点)。そして、T2時点での再接触によって、入力軸回転速度は低下する一方、出力軸回転速度は上昇し(B点)、その後、入力軸及び出力軸の両方の回転速度は、上昇していく。
次に、図8(c)に従来制御に従う回転速度を示すように、当初は、上述の特に制御をしなかったときと同様にT1A時点まで入力軸及び出力軸の回転速度は共に減少しており、T1A時点よりも早いT1C時点から従来の点火遅角制御が実行されているが(A1点)、制御開始のタイミングが早すぎて入力軸回転速度(図8(c)において破線で示す)の上昇が遅く(A点)、T2時点よりも遅いT2C時点で再接触を始めるが、再接触完了までの時間が大きくなって入力軸及び出力軸の両方の回転速度が上昇するのが遅れてしまう(B2点)。しかも、T2C時点でのショックは残ったままである(B1点)。
そして、図8(d)に本願制御に従う回転速度を示すように、当初は、上述の従来制御のときと同様にT1A時点まで入力軸及び出力軸の回転速度は共に減少しているが、T1A時点から制御は開始されず、特に制御をしなかったときと同様に、T1A時点からスロットルを開くのに伴って入力軸回転速度(図8(d)において破線で示す)のみが上昇を始める(A点)。しかし、その後の時点でドッグ相対回転位置推定値に基づいた制御が開始され(C点)、入力軸回転速度を減少させ、再接触完了時には入力軸及び出力軸の相対回転速度がほとんど無い状態にすることができる(B点)。なお、制御に要する再接触までの時間をこれよりも短縮するためには、C点を可及的に遅くしてB点に近付け、その後、急激に入力軸回転速度を減少させるように制動させればよい。
図9(a)乃至(g)は、特に制御を実施しなかったときのシャーシ試験結果を示すグラフであり、(a)は、スロットル開度、(b)は、車体の前後加速度、(c)は、回転数(太線が機関回転数(入力軸回転数)、二点鎖線がドライブシャフトの回転数(出力軸回転数)をギヤ比を考慮して機関回転数相当に変換した値、細線が車輪の回転数をギヤ比を考慮して機関回転数相当に変換した値をそれぞれ示している)、(d)は、ドライブシャフトのトルク、(e)は、内燃機関シリンダ内の平均有効圧(ここで、内燃機関は4気筒であり、平均有効圧は4気筒の平均値である)、(f)は、点火遅角量、及び(g)は、ドッグ相対回転位置(推定値)をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。
本試験においては、スロットルを開くことにより車両を加速させたときの各データの時系列的な変化を測定した。図9(a)及び(c)に示すように、スロットルを開いてから遅れて機関回転数(すなわち、入力軸回転数)が上昇を始め(A点)、その後、ドッグクラッチの再接触に応じてドライブシャフトの回転数(すなわち、出力軸回転数)も急激に上昇して再接触を完了している(B点)。そして、図9(b)及び(d)に示すように、前後加速度とドライブシャフトのトルクとにピークが生じて加速ショックが発生していることがわかる(C点及びD点)。なお、これに合わせて、図9(c)に示すように、車輪にも加速ショックが発生していることがわかる(G点)。
図10(a)乃至(g)は、本願制御を実施したときの試験結果を示すグラフであり、その他の試験条件並びにグラフのデータ及び表示方法は、図9(a)乃至(g)に示した特に制御を実施しなかったときの試験結果と同様であり、その詳細な説明は省略する。
本願制御を実施したときには、図10(a)及び(c)に示すように、スロットルを開いてから遅れて機関回転数(すなわち、入力軸回転数)が上昇を始め(A点)、その後、図10(g)に示すようにドッグ相対回転位置(推定値)がズレ始めた時点で図10(f)に示すように制御が開始され(E点)、そして、制御開始から比較的短い時間で制御が終了されている(F点)。本制御によれば、F点とB点とのタイミングが一致、つまり、図10(g)に示すようにドッグが再接触した時点(図10(f)のF点)で、ちょうどドッグの相対回転速度が小さくなっており、しかも、図10(e)に示すように、そのときの平均有効圧も小さくなっている。さらに、図10(b)及び(d)に示すように、前後加速度とドライブシャフトのトルクとには、大きなピークが生じておらず、加速ショックが低減されていることがわかる(C点及びD点)。なお、これに合わせて、図10(c)に示すように、車輪の加速ショックも低減されて、目立ったピークが見られなくなった。また、スロットルを開き始めた加速開始時点(A点)からドッグが再接触してドライブシャフト(出力軸)の加速が始まる(B点)までの時間も従来制御に比べて短縮されており、加速タイムラグが抑制されている。
次に、実走行試験結果を示す。図11(a)乃至(d)は、特に制御を実施しなかったときの試験結果を示すグラフであり、(a)は、スロットル開度、(b)は、車体の前後加速度、(c)は、回転数(太線が機関回転数(入力軸回転数)、二点鎖線がドライブシャフトの回転数(出力軸回転数)をギヤ比を考慮して機関回転数相当に変換した値、細線が車輪の回転数をギヤ比を考慮して機関回転数相当に変換した値をそれぞれ示している)、及び(d)は、ドライブシャフトのトルクをそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。
本試験においても、スロットルを開くことにより車両を加速させたときの各データの時系列的な変化を測定した。図11(b)及び(d)に示すように、前述のシャーシ試験のときと同様、車体の前後加速度及びドライブシャフト(出力軸)のトルクの両方とも大きなピークを有し、加速ショックが大きいことがわかる。
図12(a)乃至(d)は、本願制御を実施したときの実走行試験結果を示すグラフであり、その他の試験条件並びにグラフのデータ及び表示方法は、図11(a)乃至(d)に示した特に制御を実施しなかったときの実走行試験結果と同様であり、その詳細な説明は省略する。
本願制御を実施したときには、図12(b)及び(d)に示すように、前述のシャーシ試験のときと同様、車体の前後加速度及びドライブシャフト(出力軸)のトルクの両方ともピークが減少して、滑らかな加速が実現できていることがわかる。
(第2の実施の形態)
図13は、図4に示したような演算装置50を、駆動源10として電動モータ10bを装備した車両90に適用した例を示すブロック図である。電動モータ10bは、そのモータ出力軸103bの一端を、一次減速機201を介してクラッチ202に接続されており、それ以降の動力伝達経路の構成は、図6に示した第1の実施の形態と同様であるため、同一部分には同一の参照符号を付してその他の構成及び作用の説明は省略する。
本実施の形態においても、図13において破線で囲んだ変速装置203を制御対象部位としており、入力軸センサ401は、入力軸であるメインシャフト204の回転速度を検出し、検出結果を演算装置50に与える一方、出力軸センサ402は、出力軸であるドライブシャフト211の回転速度を検出し、検出結果を演算装置50に与えるようになっている。
また、電動モータ10bには、該電動モータ10bへの供給電流を調節するポテンショメータ110bが設けられ、検出結果を演算装置50に与えるようになっている。
また、演算装置50は、入力軸であるメインシャフト204の回転を加減速する入力軸加減速装置601に駆動装置601aを介して接続されている一方、出力軸であるドライブシャフト211の回転を加減速する出力軸加減速装置602に駆動装置602aを介して接続されている。入力軸加減速装置601及び出力軸加減速装置602は、本実施の形態においても、電動モータであるが、その他の任意のアクチュエータを採用することも可能である。また、加速又は減速の一方だけを目的とするのであれば、例えば、アクセラレータ,ブレーキなどのようなものを採用することも可能である。さらに、演算装置50は、駆動源10である電動モータ10bへの供給電流を調節する駆動装置603bにも接続されている。
演算装置50は、入力軸センサ401、出力軸センサ402、及びポテンショメータ110bからそれぞれ与えられる検出結果に基づいて、本願発明に係る制御を実行し、入力軸加減速装置601及び出力軸加減速装置602の電流制御による減速/加速、さらには、駆動装置603bの電流制御による電動モータ10bの減速/加速を行なう。
例えば、車両90が定常運転(例えば、定速走行)している状態にあっては、電動モータ10bが発生した動力は、上述した動力伝達経路を上流側から下流側に伝えられ、タイヤ302を回転させる。このとき、例えば、6速ギヤ217の各ドッグ221aは、対応する2速ギヤ213のドッグ穴221bの回転方向の一端部(例えば、図7(b)におけるドッグ穴端部221c)に接触している。
この状態から、例えば、駆動装置603bがポテンショメータ110bから減速指令を検出し、電動モータ10bが減速方向のトルクを発生し、車両90が減速したときには、6速ギヤ217の各ドッグ221aは、対応する2速ギヤ213のドッグ穴221bの一方のドッグ穴端部221cから離れ、ドッグ穴221bの遊びの範囲で回転方向に他方のドッグ穴端部221dの方向へと移動する。そして、やがて、各ドッグ221aは、対応するドッグ穴221bの他方のドッグ穴端部221dに、このときの2速ギヤ213と6速ギヤ217との間の回転速度差(すなわち、相対回転速度)で再接触する。この再接触のときのショックは、再接触時の相対回転速度及びそのときの伝達トルクで定まるが、これが車両90全体に減速ショックとして伝わり、搭乗者に不快感を与える。
さらに、上述したような減速の状態から、駆動装置603bがポテンショメータ110bから加速指令を検出し、加速したときには、電動モータ10bのモータ出力軸103bの回転速度が上昇し、2速ギヤ213の回転速度も上昇させる。これにより、再び、2速ギヤ213と6速ギヤ217との間に回転速度差が生じ、今度は、6速ギヤ217の各ドッグ221aは、対応する2速ギヤ213のドッグ穴221bの他方のドッグ穴端部221dから離れ、ドッグ穴221bの遊びの範囲で逆方向に元のドッグ穴端部221cの方向へと移動し、このときの2速ギヤ213と6速ギヤ217との間の回転速度差(すなわち、相対回転速度)で再接触する。この再接触のときのショックもまた、再接触時の相対回転速度及びそのときの伝達トルクで定まり、これが車両90全体に加速ショックとして伝わり、搭乗者に不快感を与える。
本実施の形態においては、2速ギヤ213の回転速度は、この2速ギヤ213に歯合するメインシャフト204上の2速ギヤ206の回転速度を入力軸センサ401により検出され、これを2速ギヤ213と2速ギヤ206とのギヤ比で乗算することにより換算可能である。一方、6速ギヤ217は、ドライブシャフト211の回転速度として出力軸センサ402により検出可能である。
検出された2速ギヤ213(又は2速ギヤ206)及び6速ギヤ217の回転速度は、演算装置50に与えられ、演算装置50は、必要に応じて2速ギヤ206の回転速度から2速ギヤ213の回転速度を演算した上で、2速ギヤ213と6速ギヤ217との間の回転速度差(すなわち、相対回転速度)を演算する。そして、演算装置50は、この相対回転速度を積分することによって2速ギヤ213と6速ギヤ217との相対回転位置を推定する。遊びの大きさ(すなわち、ここでは各ドッグ221aのドッグ穴221b内における回転方向の移動量)は既知であり、このような情報は、例えば、演算装置50内の図示しないメモリなどに記憶されている。これにより、演算装置50は、相対回転速度及び相対回転位置から、ドッグ221aとドッグ穴221bとの再接触のタイミング及びそのときの相対回転速度を演算する。なお、各ドッグ221aとドッグ穴221bとの分離から再接触までの間に相対回転速度が変化しない、又はそのように想定される場合には、再接触時の相対回転速度は、検出時の相対回転速度と同じであるとすることができる。しかし、この間にさらに減速がなされているか又は駆動装置603bがポテンショメータ110bから加速指令を検出している場合には、相対回転速度が変化するため、減速の大きさ、ポテンショメータ値などを別途検出し、これによってより正確な再接触時の相対回転速度を算出するために、上述のように演算される再接触のタイミング及びそのときの相対回転速度を補正することも可能である。なお、図13においては、第1の実施の形態と同様に、ポテンショメータ110bのみを開示してあるが、車両90の減速の大きさを検出するセンサも同様の原理で実現可能であることは言うまでもない。
このように演算する再接触のタイミング及びそのときの相対回転速度に応じて、演算装置50は、減速/加速開始時期、減速/加速量、及び減速/加速終了時期などを決定し、駆動装置603bからの電動モータ10bへの通電を制御するなどして電動モータ10bの出力軸の回転速度及び/又は回転トルクを制御し、減速ショックが予想されるときには、再接触時の回転速度又は回転トルクを増加させて減速ショックを緩和する一方、加速ショックが予想されるときには、再接触時の回転速度又は回転トルクを減少させて加速ショックを緩和する。また、駆動源10である電動モータ10bの制御だけではなく、同様に、演算装置50は、決定した減速/加速開始時期、減速/加速量、及び減速/加速終了時期などに応じて駆動装置601a,602aを制御し、加減速装置601,602へ通電される電流を調節することも可能である。この場合、特に、入力軸であるメインシャフト204と出力軸であるドライブシャフト211との両方の制御が可能となるので、より応答性の良い制御を実現することができる。
なお、ここでは、説明の便宜上、再接触のタイミング及びそのときの相対回転速度を段階的に求めるようにしているが、前述したように、検出される相対回転速度及び相対回転位置に応じた減速/加速開始時期、減速/加速量、及び減速/加速終了時期などは、予めマップ(図3乃至図5参照)として用意しておくことが可能である。また、マップに依存することなく、演算式を利用しても同様の作用効果を得られることは言うまでもない。
(第3の実施の形態)
図14に示すように、本実施の形態に係る演算装置50は、出力軸推定手段の一例として、図5に示したローパスフィルタ54に代えて、出力軸回転数推定部54aを備えている。本方式によれば、ローパスフィルタを用いる場合と比較して推定遅れの少ない正確な推定が可能となる。出力軸回転数推定部54aは、入力される入力軸回転数から出力軸回転数を推定し、推定した出力軸回転数を相対回転速度演算部51としての差分器51aに与える。また、出力軸回転数推定部54aには、相対回転位置推定部52としての積分器52aから出力された相対回転位置推定値が入力されるように構成されている。
その他の構成及び作用は、図5に示した例と同様であるため、ここでは同様の部分には同様の参照符号を付してその説明は省略する。
本実施の形態において、出力軸回転数推定部54aは、フラグ、最小値、及び最大値をそれぞれ記憶する記憶領域541,542a,及び542bを備えている。フラグ記憶領域541は、制御対象部位S2が加速側接触状態にあるのか、それとも減速側接触状態にあるのかを出力軸回転数推定部54aが判断し易く補助するためのものである。加速側接触状態にあるのか、それとも減速側接触状態にあるのかの出力軸回転数推定部54aによる判断は、本実施の形態においては、積分器52aが推定する相対回転位置推定値により行なう構成となっている。なお、加速側接触状態とは、入力軸200Aの回転が出力軸200Bの回転に対して加速したときに、制御対象部位S2の動力伝達部材間の遊びが無くなって動力伝達部材が互いに接触した状態である。一方、減速側接触状態とは、入力軸200Aの回転が出力軸200Bの回転に対して減速したときに、制御対象部位S2の動力伝達部材間の遊びが無くなって動力伝達部材が互いに接触した状態であって、上記の加速側接触状態とは、遊びの反対側で接触した状態となっている。
図8において既に本願発明に係る加減速制御をしたときの入力軸回転数及び出力軸回転数、並びに相対回転位置推定値の時系列的な挙動を説明したが、まず、図15(a)に示すように、入力軸回転数と出力軸回転数とが一致した状態での減速から、入力軸回転数を増加させたとき(A1点)、ここから破線で示す入力軸だけ回転数が増加し、実線で示す出力軸の回転数は増加しない。実際には、図8でも示したように、出力軸回転数はそのまま低下していくが、ここでは図の簡略化のため一定回転数を維持するように示してある。このように、入力軸回転数と出力軸回転数との間に相対回転速度が発生すると、本願発明に係る減速制御が開始され(C1点)、入力軸回転数が抑えられて低下し、その後、再接触完了時には入力軸及び出力軸の相対回転速度がほとんど無い状態になり(B1点)、そして、出力軸回転数は、入力軸回転数に追従して、ともに増加を始める。
同様に、加速状態から入力軸回転数を減速に転じた場合には(A2点)、破線で示す入力軸だけ回転数が低下し、実線で示す出力軸の回転数は若干減少するが、ここでは図の簡略化のため一定回転数を維持するように示してある。このように、入力軸回転数と出力軸回転数との間に相対回転速度が発生すると、本願発明に係る加速制御が開始され(C2点)、入力軸回転数が増加し、その後、再接触完了時には入力軸及び出力軸の相対回転速度がほとんど無い状態になり(B2点)、そして、出力軸回転数は、入力軸回転数に追従して、ともに低下を始める。
その後、再び加速に転じた場合には、上記した減速から加速への動作と同じである。
一方、このとき、相対回転位置推定値は、積分器52aによる入力軸回転数の積分機能により、A1点及びA2点以後のように相対回転速度が発生してから積分動作を開始し、図15(b)に示すように、減速側接触状態から加速側接触状態へと、あるいは、加速側接触状態から減速側接触状態へと移行を始める。そして、B1点及びB2点のように、再び相対回転速度がほとんど無くなった状態で積分値は底(積分器リミット)に達して一定の値をキープする。この状態が、減速側接触状態又は加速側接触状態をそれぞれ示している。
本実施の形態に係る出力軸回転数推定部54aは、積分器52aから与えられるこの減速側接触状態又は加速側接触状態である旨の情報に基づいて、それぞれの状態を示すフラグをフラグ記憶領域541に立てるようになっている。なお、このフラグは、出力軸回転数推定部54aにおける次のような動作を容易にするためのものであり、これに代えて、積分器52aから与えられる相対回転位置推定値から直接的に判断するように構成することも可能である。
次に、出力軸回転数推定部54aの出力軸回転数推定動作を、図16のフローチャートを参照しながら説明する。出力軸回転数推定部54aは、まず、最小値保持処理を行なう(ステップS-01)。最小値保持処理は、入力された入力軸回転数が最小値記憶領域542aに記憶されている最小値よりも大きく、且つ、フラグ記憶領域541に記憶されているフラグが加速側接触状態でない場合に、最小値記憶領域542aに記憶されている最小値を保持し、そうでない場合に、現在の入力軸回転数を新たに最小値として最小値記憶領域542aに記憶するものである。
続いて、同様に、出力軸回転数推定部54aは、最大値保持処理を行なう(ステップS-02)。最大値保持処理は、入力された入力軸回転数が最大値記憶領域542bに記憶されている最大値よりも小さく、且つ、フラグ記憶領域541に記憶されているフラグが減速側接触状態でない場合に、最大値記憶領域542bに記憶されている最大値を保持し、そうでない場合に、現在の入力軸回転数を新たに最大値として最大値記憶領域542bに記憶するものである。
次に、出力軸回転数推定部54aは、積分器52aから与えられる相対回転位置推定値から、これが加速側接触状態へ移行中であるのか、それとも減速側接触状態へ移行中であるのかを判断し(ステップS-03)、加速側接触状態へ移行中である場合には、最小値記憶領域542aに記憶している最小値を出力軸回転数推定値として出力する(ステップS-04)。そして、出力軸回転数推定部54aは、フラグ記憶領域541に記憶されているフラグが加速側接触状態になった場合に、最大値記憶領域542bに記憶されている使用しなかった最大値の保持を解除(リセット)し、現在の入力回転数と出力軸回転数推定値とを一致させ(ステップS-05)、本処理を終了する。
一方、ステップS-03において、減速側接触状態へ移行中である場合には、出力軸回転数推定部54aは、最大値記憶領域542bに記憶している最大値を出力軸回転数推定値として出力する(ステップS-06)。そして、出力軸回転数推定部54aは、フラグ記憶領域541に記憶されているフラグが減速側接触状態になった場合に、最小値記憶領域542aに記憶されている使用しなかった最小値の保持を解除(リセット)し、現在の入力回転数と出力軸回転数推定値とを一致させ(ステップS-07)、本処理を終了する。
以上のような出力軸回転数推定部54aの動作により、図15(a)及び(b)を参照しながら説明すれば、A1点において、相対回転速度が発生した時点で、このときの最小ピーク値は、最小値保持処理の条件に合致しないため、新たに最小値として記憶される。この直後から、現在の入力軸回転数が、記憶された最小値よりも大きくなっていき、且つ、減速側接触状態又は加速側接触状態のいずれの状態でもないため、最小値保持処理の条件に合致し、このA1点における入力軸回転数が最小値として保持され続ける。そして、この時点では、減速側接触状態から加速側接触状態へと移行中であるため、この保持される最小値が出力軸回転数推定値として出力されるのである。
続いて、本願発明に係る減速制御が開始された時点、つまり、C1点で入力軸回転数が低下を始めるため、このときの最大ピーク値は、最大値保持処理の条件に合致せず、新たに最大値として記憶される。この直後から、現在の入力軸回転数が、記憶された最大値よりも小さくなっていき、且つ、減速側接触状態又は加速側接触状態のいずれの状態でもないため、最大値保持処理の条件に合致し、このC1点における入力軸回転数が最大値として保持され続ける。しかし、この時点では、いまだに減速側接触状態から加速側接触状態へと移行中であるため、この保持される最大値は出力軸回転数推定値として出力されず、上記の最小値が継続して出力軸回転数推定値として出力されるのである。
そして、本願発明に係る減速制御が終了した時点、つまり、B1点で相対回転位置推定値は加速側接触状態になるため、ステップS-06の出力処理で使用されなかった最大値は保持解除(リセット)され、したがって入力軸回転数と出力軸回転数とがほぼ一致した状態とされるのである。
同様に、A2点において、相対回転速度が発生した時点で、このときの最大ピーク値は、最大値保持処理の条件に合致しないため、新たに最大値として記憶される。この直後から、現在の入力軸回転数が、記憶された最大値よりも小さくなっていき、且つ、減速側接触状態又は加速側接触状態のいずれの状態でもないため、最大値保持処理の条件に合致し、このA2点における入力軸回転数が最大値として保持され続ける。そして、この時点では、加速側接触状態から減速側接触状態へと移行中であるため、この保持される最大値が出力軸回転数推定値として出力されるのである。
続いて、本願発明に係る加速制御が開始された時点、つまり、C2点で入力軸回転数が増加を始めるため、このときの最小ピーク値は、最小値保持処理の条件に合致せず、新たに最小値として記憶される。この直後から、現在の入力軸回転数が、記憶された最小値よりも大きくなっていき、且つ、減速側接触状態又は加速側接触状態のいずれの状態でもないため、最小値保持処理の条件に合致し、このC2点における入力軸回転数が最小値として保持され続ける。しかし、この時点では、いまだに加速側接触状態から減速側接触状態へと移行中であるため、この保持される最小値は出力軸回転数推定値として出力されず、上記の最大値が継続して出力軸回転数推定値として出力されるのである。
そして、本願発明に係る加速制御が終了した時点、つまり、B2点で相対回転位置推定値は減速側接触状態になるため、ステップS-04の出力処理で使用されなかった最小値は保持解除(リセット)され、したがって入力軸回転数と出力軸回転数とがほぼ一致した状態とされるのである。
(第4の実施の形態)
上記の第3の実施の形態においては、最小値及び最大値の両方を保持し、それによって加速時及び減速時の両方に対応できるように構成されているが、この第4の実施の形態においては、プログラムの簡略化のために最小値だけを保持するように構成されている。このため、これだけでは対応できない減速時については、出力軸回転数は入力軸回転数と同一であると推定し、相対回転位置推定値は時間設定をして強制的に加速側接触状態から減速側接触状態に移行したと認識するように構成されている。以下、具体的に説明する。
図17に示すように、本実施の形態に係る出力軸推定手段の別の例としての出力軸回転数推定部54bは、リセットタイマ540と、最小値、及び所定時間Tをそれぞれ記憶する記憶領域542a,543とを備えている。リセットタイマ540は、時間記憶領域543に記憶されている所定時間Tをカウントし、所定時間Tの経過後に積分器52aの相対回転位置推定値を加速側接触状態から減速側接触状態にリセット(反転)するために利用される。その他の構成及び作用は、図14に示した第3の実施の形態と同様であるため、ここでは同様の部分には同様の参照符号を付してその説明は省略する。
なお、図18(a)は、図15(a)に示した第3の実施の形態のときと同様に入力軸回転数を変化させた状態を示している。
次に、出力軸回転数推定部54bの出力軸回転数推定動作を、図19のフローチャートを参照しながら説明する。出力軸回転数推定部54bは、第3の実施の形態のときと同様に、まず、最小値保持処理を行なう(ステップS-11)。最小値保持処理は、第3の実施の形態と同様に、入力された現在の入力軸回転数が最小値記憶領域542aに記憶されている最小値よりも大きく、且つ、相対回転位置推定値が加速側でない場合に、最小値記憶領域542aに記憶されている最小値を保持し、そうでない場合に、現在の入力軸回転数を新たに最小値として最小値記憶領域542aに記憶するものである。
続いて、出力軸回転数推定部54bは、最小値記憶領域542aに記憶している最小値を出力軸回転数推定値として出力する(ステップS-12)。
そして、ステップS-12の後で、出力軸回転数推定部54bは、入力されている入力軸回転数が減速中であるか否かを判断し(ステップS-13)、減速中でない場合には(ステップS-13で“NO”)、リセットタイマ540をリセットし(ステップS-17)、本処理を終了する。
一方、減速中である場合には(ステップS-13で“YES”)、リセットタイマ540をカウントアップさせる(ステップS-14)。出力軸回転数推定部54bは、リセットタイマ540のカウントが時間記憶領域543に記憶されている所定時間Tを経過したか否かを判断し(ステップS-15)、所定時間Tを経過していない場合には(ステップS-15で“NO”)、ステップS-13からの処理を繰り返す。
一方、所定時間Tを経過している場合には(ステップS-15で“YES”)、積分器52aの相対回転位置推定値を加速側接触状態から減速側接触状態へ強制的に反転することによって積分器52aをリセットし(ステップS-16)、さらに、リセットタイマ540をリセットして(ステップS-17)、本処理を終了する。
以上のような出力軸回転数推定部54bの動作により、図18(a)及び(b)を参照しながら説明すれば、A1点において、相対回転速度が発生した時点で、このときの最小ピーク値は、最小値保持処理の条件に合致しないため、新たに最小値として記憶される。この直後から、現在の入力軸回転数が、記憶された最小値よりも大きくなっていき、且つ、相対回転位置推定値が加速側でないため、最小値保持処理の条件に合致し、このA1点における入力軸回転数が最小値として保持され続ける。
続いて、本願発明に係る減速制御が開始された時点、つまり、C1点で入力軸回転数が低下を始め、やがて、本願発明に係る減速制御が終了した時点、つまり、B1点で相対回転位置推定値は加速側接触状態になるのである。
同様に、A2点において、相対回転速度が発生した直後から、現在の入力軸回転数が最大値よりも小さくなっていき、且つ、相対回転位置推定値が減速側でもないはずである。しかしながら、上記の第3の実施の形態のようにはA2点における入力軸回転数が最大値として保持されないので、この時点では、出力軸回転数推定部54bは、出力軸回転数を入力軸回転数と同一の値として出力し、積分器52aが演算する相対回転位置推定値も加速側接触状態のまま変化しない。
したがって、実際の相対回転位置とその推定値とを一致させるため、本処理では、入力軸回転数が継続して減速していることを検出し、十分な減速時間の継続があったときに、相対回転位置が加速側接触状態から減速側接触状態に移行したと判断するものである。
具体的には、たとえば、A2点からも減速継続時間をカウントするが、C2点で本願に係る加速制御により加速に転じるため、十分な減速継続時間ではないと判断される。このように、所定時間Tは、このような減速時間よりも十分に長く設定される。そして、たとえば、B2点からの減速継続時間のカウントにより、所定時間Tを超えて減速が継続されると、積分器52aの相対回転位置推定値を加速側接触状態から減速側接触状態に反転させる。
(第5の実施の形態)
上記の第4の実施の形態においては、最小値だけを保持するように構成されているが、この第5の実施の形態においては、反対に、最大値だけを保持するように構成されている。このため、これだけでは対応できない加速時については、出力軸回転数は入力軸回転数と同一であると推定し、相対回転位置推定値は時間設定をして強制的に減速側接触状態から加速側接触状態に移行したと認識するように構成されている。以下、具体的に説明する。
図20に示すように、本実施の形態に係る出力軸推定手段のさらに別の例としての出力軸回転数推定部54cは、リセットタイマ540Bと、最大値、及び所定時間Tをそれぞれ記憶する記憶領域542b,543とを備えている。リセットタイマ540Bは、上記の第4の実施の形態と同様に、時間記憶領域543に記憶されている所定時間Tをカウントし、所定時間Tの経過後に積分器52aの相対回転位置推定値を減速側接触状態から加速側接触状態にリセット(反転)するために利用される。その他の構成及び作用は、図17に示した第4の実施の形態と同様であるため、ここでは同様の部分には同様の参照符号を付してその説明は省略する。
なお、図21(a)は、図18(a)に示した第4の実施の形態のときと同様に入力軸回転数を変化させた状態を示している。
次に、出力軸回転数推定部54cの出力軸回転数推定動作を、図22のフローチャートを参照しながら説明する。出力軸回転数推定部54cは、第4の実施の形態のときと同様に、まず、最大値保持処理を行なう(ステップS-21)。最大値保持処理は、第4の実施の形態とは反対に、入力された現在の入力軸回転数が最大値記憶領域542bに記憶されている最大値よりも小さく、且つ、相対回転位置推定値が減速側でない場合に、最大値記憶領域542bに記憶されている最大値を保持し、そうでない場合に、現在の入力軸回転数を新たに最大値として最大値記憶領域542bに記憶するものである。
続いて、出力軸回転数推定部54cは、最大値記憶領域542bに記憶している最大値を出力軸回転数推定値として出力する(ステップS-22)。
そして、ステップS-22の後で、出力軸回転数推定部54cは、入力されている入力軸回転数が加速中であるか否かを判断し(ステップS-23)、加速中でない場合には(ステップS-23で“NO”)、リセットタイマ540Bをリセットし(ステップS-27)、本処理を終了する。
一方、加速中である場合には(ステップS-23で“YES”)、リセットタイマ540Bをカウントアップさせる(ステップS-24)。出力軸回転数推定部54cは、リセットタイマ540Bのカウントが時間記憶領域543に記憶されている所定時間Tを経過したか否かを判断し(ステップS-25)、所定時間Tを経過していない場合には(ステップS-25で“NO”)、ステップS-23からの処理を繰り返す。
一方、所定時間Tを経過している場合には(ステップS-25で“YES”)、積分器52aの相対回転位置推定値を減速側接触状態から加速側接触状態へ強制的に反転することによって積分器52aをリセットし(ステップS-26)、さらに、リセットタイマ540Bをリセットして(ステップS-27)、本処理を終了する。
以上のような出力軸回転数推定部54cの動作により、図21(a)及び(b)を参照しながら説明すれば、A1点において、相対回転速度が発生した時点で、このときの最大ピーク値は、最大値保持処理の条件に合致しないため、新たに最大値として記憶される。この直後から、現在の入力軸回転数が、記憶された最大値よりも小さくなっていき、且つ、相対回転位置推定値が減速側でもないため、最大値保持処理の条件に合致し、このA1点における入力軸回転数が最大値として保持され続ける。
続いて、本願発明に係る加速制御が開始された時点、つまり、C1点で入力軸回転数が増加を始めるため、やがて、本願発明に係る加速制御が終了した時点、つまり、B1点で相対回転位置推定値は減速側接触状態になるのである。
同様に、A2点において、相対回転速度が発生した直後から、現在の入力軸回転数が最小値よりも大きくなっていき、且つ、相対回転位置推定値が加速側でもないはずである。しかしながら、上記の第3の実施の形態のようにはA2点における入力軸回転数が最小値として保持されないので、この時点では、出力軸回転数推定部54cは、出力軸回転数を入力軸回転数と同一の値として出力し、積分器52aが演算する相対回転位置推定値も減速側接触状態のまま変化しない。
したがって、実際の相対回転位置とその推定値とを一致させるため、本処理では、入力軸回転数が継続して加速していることを検出し、十分な加速時間の継続があったときに、相対回転位置が減速側接触状態から加速側接触状態に移行したと判断するものである。
具体的には、たとえば、A2点からも加速継続時間をカウントするが、C2点で本願に係る減速制御により減速に転じるため、十分な加速継続時間ではないと判断される。このように、所定時間Tは、このような加速時間よりも十分に長く設定される。そして、たとえば、B2点からの加速継続時間のカウントにより、所定時間Tを超えて加速が継続されると、積分器52aの相対回転位置推定値を減速側接触状態から加速側接触状態に反転させる。
(第6の実施の形態)
たとえば、図4又は図5に示す構成において、図23(a)及び(b)に示すように、入力軸回転数をA1点から比較的大きく加速に転じさせた場合には、入力軸回転数と出力軸回転数との間に比較的大きな相対回転速度が発生し、したがって、積分器52aの積分値が減少(本実施の形態においては、入力軸回転数が出力軸回転数に対して大きいときに積分値が低下するように設定してあるが、逆の設定でも可)して、本願発明に係る減速制御が行なわれつつ、相対回転位置推定値は減速側接触状態から加速側接触状態に移行する。
さらに、たとえば、入力軸回転数をA2点から緩やかな減速に転じさせた場合には、入力軸回転数と出力軸回転数との間に大きな相対回転速度が発生しないので、積分器52aの不感帯のためにその積分値はあまり増加せず、相対回転位置推定値が加速側接触状態から減速側接触状態に至る前に加速制御が終了してしまうことが発生し得る。このとき、実際には、相対回転位置は減速側接触状態に移行しているはずであり、相対回転位置の推定誤差となる。
このままの状態で、たとえば、入力軸回転数をA3点から再び加速に転じさせた場合には、相対回転位置推定値は、既に減速側接触状態と加速側接触状態との間にあるため、制御部53は、すぐに減速制御を開始してしまう。これにより、相対回転速度の大きさに拘わらず比較的短時間で相対回転位置推定値が加速側接触状態に移行してしまい、制御部53は、相対回転位置推定値が加速側接触状態に移行済みであると誤認識して正常な減速制御が行なわれない場合もある。
そこで、本実施の形態においては、図23(c)に示すように、相対回転位置を、たとえば減速側接触状態に貼り付けておき、減速制御に応じて加速側接触状態に移行しても、入力軸回転数と出力軸回転数とが等しいときには強制的に再び減速側接触状態に戻すように構成する。
より詳細には、本実施の形態は、図24又は図25に示すような構成における分岐部56が、積分器52aの積分値をリセットできるような機能を有し、したがって積分器52aとそのように接続されている。分岐部56は、図4及び図5で示したように、差分器51aと、積分器52a及び制御部53aとの間に設けられている。その他の構成及び作用は、図4又は図5に示した第1の実施の形態と同様であるため、ここでは同様の部分には同様の参照符号を付してその説明は省略する。
図26のフローチャートを参照しながら説明すれば、本実施の形態に係る分岐部56は、入力される相対回転速度を監視しており、まず、相対回転速度が所定値より小さくなったか否かを判断する(ステップS-31)。相対速度には、正と負の値があるが、本明細書中における「相対速度が所定値よりも小さい」という表現は「相対速度の絶対値が所定値よりも小さい」ことを指し示している。また、「相対速度が所定値よりも大きい」という表現は「相対速度の絶対値が所定値よりも大きい」ことを指し示している。前記所定値は、例えばセンサの測定誤差を解消するための値に設定されている。そして、所定値より小さくなった場合には(ステップS-31で“YES”)、分岐部56は、積分器52aを減速側に戻すようにリセット処理を行ない(ステップS-32)、本処理を終了する。また、所定値以上になった場合にも(ステップS-31で“NO”)、分岐部56は、本処理を終了する。
なお、本実施の形態においては、緩やかな減速を想定して説明したが、これとは反対に、緩やかな加速を想定して、相対回転位置推定値を通常は加速側接触状態に貼り付けておき、上記のリセット処理で加速側に戻すように構成することも可能であるが、当業者にとっては容易に想到可能であるため、ここではその詳細な説明は省略する。
(第7の実施の形態)
また、たとえば、図4又は図5に示す構成において、図27(a)及び(b)に示すように、入力軸回転数をA1点から比較的大きく加速に転じさせた場合には、入力軸回転数と出力軸回転数との間に比較的大きな相対回転速度が発生し、したがって、積分器52aの積分値が減少(本実施の形態においては、入力軸回転数が出力軸回転数に対して大きいときに積分値が低下するように設定してあるが、逆の設定でも可)して、本願発明に係る減速制御が行なわれつつ、相対回転位置推定値は減速側接触状態から加速側接触状態に移行する。
さらに、たとえば、入力軸回転数をA2点から緩やかな減速に転じさせた場合には、入力軸回転数と出力軸回転数との間に大きな相対回転速度が発生しないので、積分器52aの不感帯のためにその積分値はあまり増加せず、相対回転位置推定値が加速側接触状態から減速側接触状態に至る前に加速制御が終了してしまうことが発生し得る。このとき、実際には、相対回転位置は減速側接触状態に移行しているはずであり、相対回転位置の推定誤差となる。
このままの状態で、たとえば、入力軸回転数をA3点から再び加速に転じさせた場合には、相対回転位置推定値は、既に減速側接触状態と加速側接触状態との間にあるため、制御部53は、すぐに減速制御を開始してしまう。これにより、相対回転速度の大きさに拘わらず比較的短時間で相対回転位置推定値が加速側接触状態に移行してしまい、制御部53は、相対回転位置推定値が加速側接触状態に移行済みであると誤認識して正常な減速制御が行なわれない場合もある。
そこで、本実施の形態においては、図27(c)に示すように、緩やかな減速により減速側接触状態に至らなかった相対回転位置を、減速の開始から所定時間Tの経過後に強制的に減速側接触状態に戻すように構成することも可能である。
より詳細には、本実施の形態は、図28又は図29に示すような構成における分岐部56bが、積分器52aの積分値をリセットできるような機能を有し、したがって積分器52aとそのように接続されている。分岐部56bは、図4及び図5で示したように、差分器51aと、積分器52a及び制御部53aとの間に設けられており、リセットタイマ561と、所定時間Tを記憶する記憶領域562とを備えている。リセットタイマ561は、時間記憶領域562に記憶されている所定時間Tをカウントし、所定時間Tの経過後に積分器52aの相対回転位置推定値を加速側接触状態から減速側接触状態にリセット(移行)させるために利用される。その他の構成及び作用は、図4又は図5に示した第1の実施の形態と同様であるため、ここでは同様の部分には同様の参照符号を付してその説明は省略する。
図30のフローチャートを参照しながら説明すれば、本実施の形態に係る分岐部56bは、まず、入力されている入力軸回転数が減速中であるか否かを判断する(ステップS-31b)。そして、減速中でない場合には(ステップS-31bで“NO”)、分岐部56bは、リセットタイマ561をリセットして(ステップS-35b)、本処理を終了する。
一方、減速中である場合には(ステップS-31bで“YES”)、分岐部56bは、リセットタイマ561をカウントアップさせる(ステップS-32b)。分岐部56bは、リセットタイマ561のカウントが時間記憶領域562に記憶されている所定時間Tを経過したか否かを判断し(ステップS-33b)、所定時間Tを経過していない場合には(ステップS-33bで“NO”)、ステップS-31bからの処理を繰り返す。
一方、所定時間Tを経過している場合には(ステップS-33bで“YES”)、積分器52aの相対回転位置推定値を減速側接触状態へ完全に移行させるようにリセット処理を行ない(ステップS-34b)、さらに、リセットタイマ561をリセットして(ステップS-35b)、本処理を終了する。
なお、本実施の形態においては、緩やかな減速を想定して説明したが、これとは反対に、緩やかな加速を想定して、相対回転位置推定値を通常は加速側接触状態に貼り付けておき、上記のリセット処理で加速側に移行させるように構成することも可能であるが、当業者にとっては容易に想到可能であるため、ここではその詳細な説明は省略する。
(第8の実施の形態)
図31は、図4に示したような演算装置50を、駆動源10として強制点火式の内燃機関10aを装備した車両90に適用した別の例を示すブロック図である。本実施の形態においては、入力軸センサ(本実施の形態では、参照符号404で示される)は、メインシャフト204上には設けられておらず、代わりに、ドライブシャフト211上に設けられた出力軸センサ405からクラッチ202を介在して動力伝達経路上を隔てられた位置に配設されている。また、本願発明に係る加減速制御は、内燃機関10aの点火制御のみによって行なわれる構成となっている。
なお、図31において、内燃機関10aは、単気筒のレシプロ式内燃機関として示されているが、本実施の形態においては、任意のその他の種類の内燃機関にも適用可能である。
内燃機関10aは、コンロッド101の下端をクランクピン102に結合され、該クランクピン102に連続するクランク軸103aの一端は、一次減速機201を介してクラッチ202に接続されている。上記の入力軸センサ404は、クランク軸103aの他端に設けられており、クランク軸103aの回転数、つまりエンジン回転数を検出している。
クラッチ202を挟んで、一次減速機201は、変速装置203の入力軸であるメインシャフト204に連結され、該メインシャフト204には、変速装置203の内部において、クラッチ202側から、1速〜6速ギヤ205-210が設けられている。メインシャフト204と平行に、変速装置203内には、変速装置203の出力軸であるドライブシャフト211が配設され、該ドライブシャフト211には、クラッチ202側から、1速〜6速ギヤ212-217、ドライブスプロケット218、及び出力軸センサ405が設けられている。
ここで、メインシャフト204側の1速〜6速ギヤ205-210と、ドライブシャフト211側の1速〜6速ギヤ212-217とは、それぞれ、常時歯合した状態にある。
ドライブスプロケット218は、チェーン219を介してドリブンスプロケット220に接続され、これらドライブスプロケット218、チェーン219、及びドリブンスプロケット220で二次変速機が構成されている。また、ドリブンスプロケット220は、車輪30のホイール内部に設けられたカップリングダンパ301を介してタイヤ302に連結されている。
図31においては、例示として、ドライブシャフト211側の2速及び6速ギヤ213,217がドッグクラッチ221を介して連結している状態を示してあり、内燃機関10aの燃焼により発生したピストン100の直線動作は、コンロッド101、クランクピン102、及びクランク軸103aにより、クランク軸103aの回転動作に変換され、一次減速機201及びクラッチ202を通じてメインシャフト204に入力される。次いで、この回転力は、メインシャフト204側の1速〜6速ギヤ205-210と、ドライブシャフト211側の1速〜6速ギヤ212-217との変速比に応じた何れかの組み合わせを通じてドライブシャフト211に伝えられ、ドライブスプロケット218、チェーン219、及びドリブンスプロケット220を順に通じて車輪30(及びタイヤ302)を駆動する。また、内燃機関10aが動力を発生していない場合には、タイヤ302の回転力が上述とは逆方向に動力伝達経路を通じてクランク軸103aを回転させ、ピストン100を動作させる。
本実施の形態においては、クランク軸103aからドライブシャフト211までの間を制御対象部位としており、入力軸センサ404は、入力軸であるクランク軸103aの回転速度を検出し、検出結果を演算装置50に与える一方、出力軸センサ405は、出力軸であるドライブシャフト211の回転速度を検出し、検出結果を演算装置50に与えるようになっている。
演算装置50は、入力軸加減速手段としての内燃機関10aの点火プラグ603aに接続されており、入力軸センサ404及び出力軸センサ405からそれぞれ与えられる検出結果に基づいて、本願発明に係る加減速制御を実行し、点火プラグ603aの点火制御による内燃機関10aの遅角/進角(減速/加速)を行なう。
また、本実施の形態においては、演算装置50は、ニュートラル検出手段であるギヤポジションセンサ406に接続されており、該ギヤポジションセンサ406は、ギヤが何速に入っているか、そして、ニュートラルに入っているかを検出し、検出結果を演算装置50に与えるようになっている。演算装置50は、ギヤポジションセンサ406からニュートラルに入っているか、ギヤに入っている旨の検出結果を与えられると、点火プラグ603aへの点火指令、すなわち減速/加速指令値の出力を制限又は許可するように構成されている。
なお、その他の構成及び作用は、図6に説明した構成と同様であり、同様の部分には同様の参照符号を付してその説明を省略する。
図32は、図31に示した演算装置50の具体的な構成の一例を示す制御ブロック図である。本実施の形態において、演算装置50は、相対回転速度演算部51としての差分器51a、相対回転位置推定部52としての積分器52a、制御部53、及び加減速調整手段としての指令値出力ON/OFF部55aを備えている。
差分器51aには、入力軸センサ404からの入力軸回転数と、出力軸センサ405からの出力軸回転数との両方が与えられ、この差分器51aにおいて、入力軸回転数と出力軸回転数との差(すなわち、相対回転速度)が演算される。演算された相対回転速度は、制御部53に与えられる一方、積分器52aに入力される。積分器52aは、相対回転速度を積分することによって相対回転位置を推定し、推定された相対回転位置は、制御部53に与えられる。
制御部53は、前述した制御ロジック53Aが利用するマップ53Bを備え、該マップ53B(図3参照)には、相対回転速度及び相対回転位置に応じた減速/加速指令値を記憶している。制御部53は、差分器51aから与えられる相対回転速度と、積分器52aから与えられる相対回転位置推定値とに基づいてマップ53Bを参照して減速/加速指令値を演算し、演算した減速/加速指令値を指令値出力ON/OFF部55aを通じて加減速手段60(図2参照)である点火プラグ603aの駆動装置などへ出力するようになっている。
指令値出力ON/OFF部55aは、上述した制御部53からの減速/加速指令値のほか、前述したギヤポジションセンサ406からのニュートラルに入っている旨の検出結果、及び差分器51aで演算された相対回転速度を与えられる。
指令値出力ON/OFF部55aは、ONタイマ551、OFFタイマ552、及び制御フラグを記憶する制御フラグ記憶領域553を備えている。
図33(a)及び(b)は、たとえば、ギヤを1速からニュートラルを介して2速に入れたときを想定している。
図33(a)に示すように、ギヤが1速に入った状態で、エンジン回転数、すなわち入力軸であるクランク軸103aの回転数がスロットル110aを開くことによって増加され、その後、2速に切り換わる前のニュートラルに入れられた場合には、出力軸回転数は、出力軸センサ405により検出することは可能ではあるが、その挙動は不明であるため、入力軸回転数に対して相対回転速度が発生したことをもって、これに基づいて本願発明に係る加速制御をしてしまうと、制御が不安定になることがある。そこで、本実施の形態においては、相対回転速度差が発生してもニュートラルのときには制御部53が出力する減速/加速指令値を指令値出力ON/OFF部55aがフィルタリングする構成となっている。
具体的には、指令値出力ON/OFF部55aは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグがONのときに制御部53から与えられる減速/加速指令値をスルーし、制御フラグがOFFのときに減速/加速指令値をスルーしないようになっている。
次に、指令値出力ON/OFF部55aの動作を図34のフローチャートを参照しながら説明する。指令値出力ON/OFF部55aは、制御部53から減速/加速指令値を入力されるのに応じて作動し、まず、ギヤポジションセンサ406から与えられる情報に基づいてギヤがニュートラルに入っているか否かを判断する(ステップS-41)。
ギヤがニュートラルに入っている場合には(ステップS-41で“YES”)、指令値出力ON/OFF部55aは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグをOFFにセットし(ステップS-42a)、続いて、差分器51aから与えられる相対回転速度が所定値よりも小さいか否かを判断する(ステップS-43a)。相対回転速度が所定値以上である場合には(ステップS-43aで“NO”)、指令値出力ON/OFF部55aは、このステップS-43aを繰り返し、一方、相対回転速度が所定値よりも小さい場合には(ステップS-43aで“YES”)、ONタイマ551をカウントアップさせる(ステップS-44a)。そして、指令値出力ON/OFF部55aは、ONタイマ551のカウントが所定時間T2を経過したか否かを判断し(ステップS-45a)、所定時間T2を経過していない場合には(ステップS-45aで“NO”)、ステップS-43aからの処理を繰り返す。一方、所定時間T2を経過した場合には(ステップS-45aで“YES”)、指令値出力ON/OFF部55aは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグをONにセットし(ステップS-46a)、ONタイマ551をリセットして(ステップS-47a)、本処理を終了する。
一方、ステップS-41において、ギヤがニュートラルに入っていない場合には(ステップS-41で“NO”)、指令値出力ON/OFF部55aは、制御部53からの減速/加速指令値の出力に基づいて本願発明にかかる加減速制御が開始されたか否かを判断する(ステップS-42b)。本願発明にかかる加減速制御が開始されていない場合には(ステップS-42bで“NO”)、指令値出力ON/OFF部55aは、オフタイマをリセット(ステップS-47b)した後に本処理を終了する。
一方、本願発明にかかる加減速制御が開始された場合には(ステップS-42bで“YES”)、指令値出力ON/OFF部55aは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグをONにセットする(ステップS-43b)。続いて、指令値出力ON/OFF部55aは、OFFタイマ552をカウントアップさせ(ステップS-44b)、OFFタイマ552のカウントが所定時間T3を経過したか否かを判断し(ステップS-45b)、所定時間T3を経過していない場合には(ステップS-45bで“NO”)、ステップS-43bからの処理を繰り返す。一方、所定時間T3を経過した場合には(ステップS-45bで“YES”)、指令値出力ON/OFF部55aは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグをOFFにセットし(ステップS-46b)、OFFタイマ552をリセットして(ステップS-47b)、本処理を終了する。
以上のような指令値出力ON/OFF部55aの動作により、図33(a)及び(b)に示すように、ギヤが1速に入った状態で、エンジン回転数、すなわち入力軸であるクランク軸103aの回転数がスロットル110aを開くことによって増加され、その後、2速に切り換わる前のニュートラルに入った場合には、出力軸回転数は、出力軸センサ405により検出することは可能ではあるが、その挙動は不明であるため、入力軸回転数に対して相対回転速度が発生しても、指令値出力ON/OFF部55aは、その制御フラグをOFFにし、減速/加速指令値をスルーしないようにする。なお、ギヤがニュートラルのときには、出力軸であるドライブシャフト211のギヤは、メインシャフト204上のいずれのギヤとも歯合しておらず、出力軸センサ405が検出する値には信頼性がない。そこで、本実施の形態においては、このときの出力軸回転数はゼロであるとして認識し、図33(a)においてはそのように示してある。
その後、ギヤがニュートラルを介して2速に入れられる際には、半クラッチ状態を通じて、やがて完全に2速に入る。この過渡状態においては、図33(b)に示すように、相対回転位置も加速側接触状態から減速側接触状態に移行したかどうかが不明である。
しかし、ギヤを2速に入れた後で入力軸回転数を減速した場合には、やがて、相対回転位置は減速側接触状態に移行し、出力軸回転数も正常な値で出力軸センサ405から出力されるようになり、入力軸回転数とほぼ一致するようになるはずである。指令値出力ON/OFF部55aは、このことを相対回転速度が所定値よりも小さくなったことで認識し、この時点からONタイマ551をスタートさせる。そして、減速側接触状態に移行するのに掛かる時間に対応する所定時間T2が経過すると、制御フラグが再びONに戻され、指令値出力ON/OFF部55aは、再び、減速/加速指令値をスルーし始める。
その後、入力軸回転数を加速に転じさせた場合には、前述したように、出力軸回転数との間に相対回転速度差が発生し、本願発明に係る減速制御が実行される。
本願発明に係る減速制御が開始されてから所定時間T3は、前記動力伝達部材が加速側へ再接触すべく移行中であるとみなし、この所定時間T3中は減速許可を継続させる。その後は、一旦減速制限を行ない、相対回転速度が所定値よりも小さくなった状態が前記所定時間T2継続した場合に減速許可を行なう。
(第9の実施の形態)
上記の第8の実施の形態においては、出力軸回転数を出力軸センサにより検出する構成で説明したが、図35に示すように、出力軸回転数を入力軸回転数から推定するような構成(たとえば、図5と同様の構成)にも同様に適用可能である。したがって、同様の部分には同様の参照符号を付してその他の構成及び作用の説明は省略する。
(第10の実施の形態)
たとえば、上述の図31のような構成において、図37(a)乃至(c)に示すように、クラッチを切った(つまり、クラッチ係断検出手段としてのクラッチスイッチ407がON)状態でエンジン回転数、すなわち入力軸であるクランク軸103aの回転数がスロットル110aを開くことによって増加された場合には、出力軸回転数は変化しない。しかしながら、この場合にも入力軸回転数と出力軸回転数との間に相対回転速度が発生してしまい、これに基づいて本願発明に係る減速制御(この場合は、誤動作または不必要な制御)をしてしまい、図37(c)において実線で示すように、実際の相対回転位置とは異なって相対回転位置推定値が減速側接触状態から加速側接触状態へ移行してしまう。
そこで、本実施の形態においては、相対回転速度差が発生してもクラッチが切られているとき(つまり、クラッチスイッチ407がONのとき)には制御部53が出力する減速/加速指令値を加減速調整手段としての指令値出力ON/OFF部55b(図36参照)がフィルタリングする構成となっている。
図36に示すように、本実施の形態に係る演算装置50は、相対回転速度演算部51としての差分器51a、相対回転位置推定部52としての積分器52a、制御部53、及び指令値出力ON/OFF部55bを備えている。
差分器51aには、入力軸センサ404からの入力軸回転数と、出力軸センサ405からの出力軸回転数との両方が与えられ、この差分器51aにおいて、入力軸回転数と出力軸回転数との差(すなわち、相対回転速度)が演算される。演算された相対回転速度は、制御部53に与えられる一方、積分器52aに入力される。積分器52aは、相対回転速度を積分することによって相対回転位置を推定し、推定された相対回転位置は、制御部53に与えられる。
制御部53は、前述した制御ロジック53A(図2参照)が利用するマップ53Bを備え、該マップ53B(図3参照)には、相対回転速度及び相対回転位置に応じた減速/加速指令値を記憶している。制御部53は、差分器51aから与えられる相対回転速度と、積分器52aから与えられる相対回転位置推定値とに基づいてマップ53Bを参照して減速/加速指令値を演算し、演算した減速/加速指令値を指令値出力ON/OFF部55bを通じて加減速手段60(図2参照)である点火プラグ603a(たとえば、図31参照)の駆動装置などへ出力するようになっている。
指令値出力ON/OFF部55bは、上述した制御部53からの減速/加速指令値のほか、クラッチスイッチ407からのクラッチ202が繋がっている(クラッチスイッチ407がOFF)または切られている(クラッチスイッチ407がON)旨の検出結果を与えられる。指令値出力ON/OFF部55bは、制御フラグを記憶する制御フラグ記憶領域553を備えている。
具体的には、指令値出力ON/OFF部55bは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグがONのときに制御部53から与えられる減速/加速指令値をスルーし、制御フラグがOFFのときに減速/加速指令値をスルーしないようになっている。
次に、指令値出力ON/OFF部55bの動作を図38のフローチャートを参照しながら説明する。指令値出力ON/OFF部55bは、制御部53から減速/加速指令値を入力されるのに応じて作動し、まず、クラッチスイッチ407から与えられる情報に基づいてクラッチスイッチ407がON/OFFのいずれの状態であるかを判断する(ステップS-51)。
クラッチスイッチ407がOFFの状態である場合には(ステップS-51で“OFF”)、指令値出力ON/OFF部55bは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグをONにセットし(ステップS-52)、本処理を終了する。
一方、クラッチスイッチ407がONの状態である場合には(ステップS-51で“ON”)、指令値出力ON/OFF部55bは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグをOFFにセットし(ステップS-53)、本処理を終了する。
以上のような指令値出力ON/OFF部55bの動作により、図37(c)に示すように、クラッチスイッチ407がONの状態にあるときには、入力軸回転数と出力軸回転数との間に相対回転速度が発生しても、これに基づいて本願発明に係る減速制御は実行されず、図37(c)において破線で示すように、実際の相対回転位置と一致するように相対回転位置推定値が減速側接触状態で保持されたままとなる。
(第11の実施の形態)
上記の第10の実施の形態においては、出力軸回転数を出力軸センサにより検出する構成で説明したが、図39に示すように、出力軸回転数を入力軸回転数から推定するような構成(たとえば、図5と同様の構成)にも同様に適用可能である。したがって、同様の部分には同様の参照符号を付してその他の構成及び作用の説明は省略する。
(第12の実施の形態)
図4、図5、図14、図17、図20、図24、図25、図32、図35、図36、及び図39においては、様々な相対回転速度及び相対回転位置に対する減速/加速指令値を、予めオフラインで演算しておきマップ53Bに記憶するように構成してあるが、本実施の形態においては、図40に示すように、制御部53内に所定のシミュレーションモデル531を持たせてこれによりリアルタイムで減速/加速指令値を演算するように構成してある。
制御部53は、上記シミュレーションモデル531のほか、最適化ロジック53C、減速/加速指令値パターン532、相対回転速度パターン533、及び相対回転位置パターン534を備えている。
さらに、図41に示すように、シミュレーションモデル531は、駆動源トルク演算モデル71、角加速度演算部72、積分器73,74を備えており、駆動源トルク演算モデル71は、図42に示すように、エンジンモデル710を備えている。
エンジンモデル710は、駆動源の制御モデルであり、減速/加速指令値の入力に応じて発生するトルクを出力するように構成されている。この駆動源は、内燃機関、電動モータのいずれでもよいが、ここでは、説明の便宜上、内燃機関であるものとして説明する。内燃機関に適用する場合には、図42にも示すように、減速/加速指令値として点火時期を入力するような構成とすることが可能である。また、減速/加速指令値として、上記の点火時期に加えて燃料噴射量を入力に加えるような構成とすることも可能である。
図41に戻って、上述のように駆動源トルク演算モデル71から出力されるトルクは、角加速度演算部72に与えられてイナーシャ(慣性)で除され、角加速度が得られる。このイナーシャは、上記のトルクを発生する部分の慣性であり、内燃機関である場合には、たとえば、クランク軸103a(図6、図31などを参照)の慣性である。角加速度演算部72から出力される角加速度は、積分器73,74において2回積分されて、減速/加速指令値に対応するクランク軸(つまり、トルク発生部分)の作動角度が得られる。
図40に戻って、相対回転速度パターン533及び相対回転位置パターン534には、予め様々な相対回転速度及び相対回転位置のパターンが記憶されている。また、減速/加速指令値パターン532には、初期値として、予め適当なパターンが入力されており、前述のように、この減速/加速指令値パターン532を入力として、シュミレーションモデル531により対応する相対回転速度及び相対回転位置が演算され、最適化ロジック53Cは、この演算された相対回転速度及び相対回転位置が、相対回転速度パターン533及び相対回転位置パターン534にそれぞれ記憶されている相対回転速度及び相対回転位置のパターンに近づくように繰り返し演算し、減速/加速指令値パターン532を最適化する。
以上の最適化演算はオフラインで処理され、相対回転速度パターン533及び相対回転位置パターン534と、実際の相対回転速度及び相対回転位置とに基づいて、減速/加速指令値を演算する。
このとき、実際の相対回転速度としては、相対回転速度そのものを検出してもよいし、また、検出された入力軸回転数及び出力軸回転数から演算してもよいし、さらには、出力軸回転数を入力軸回転数から推定して演算したものであってもよい。加えて、相対回転位置は、実際に検出された値を利用してもよいし、また、他の実施の形態で説明したような推定値であってもよい。
また、減速/加速指令値の演算は、リアルタイムに逐次実行させてもよく、また、所定の時点の入力データに基づいて所定の時間後までのパターンを予測するものであってもよい。
(第13の実施の形態)
図43は、車両のサスペンション機構を示す模式図であり、ここでは、オフロード二輪車のモノサスペンション機構を例として示してある。
本実施の形態に係るモノサスペンション機構は、駆動源としての内燃機関Eの後方の車体フレーム(図示せず)に設けられた水平軸919a回りの揺動自在に後方へ延びるスイングアーム911と、該スイングアーム911の後端部に設けられた水平軸916aとを備えている。該水平軸916aには、ドリブンスプロケット916と後輪(図示せず)とが同心に取り付けられている。
なお、本実施の形態においては、駆動源として強制点火式の内燃機関Eを例に挙げているが、本実施の形態の原理は、駆動源として電動モータを装備する車両であっても同様に適用可能である。
内燃機関Eのドライブシャフト914aに取り付けられたドライブスプロケット914と、上述したドリブンスプロケット916とには、チェーン918が巻き掛けられており、これによって、ドライブシャフト914aの回転を後輪に伝達できるようになっている。なお、ここでは、チェーン・ドライブの例を示してあるが、本実施の形態の原理は、ベルト駆動であっても同様に適用可能である。
水平軸919aの後方には、略上下方向にクッションユニット910が延びている。このクッションユニット910は、バネ・ダンパ機構を備えており、その下端部を車体フレームにより前後方向への揺動自在に枢支されている。
また、スイングアーム911の中途からは、上方へリンクアーム913が延び、該リンクアーム913は、その下端部をスイングアーム911に前後方向への揺動自在に枢支されている。
クッションユニット910の上端部とリンクアーム913の上端部との間には、前後方向に延びるクッションレバー912が、その中途部にて、車体フレームに固定された水平軸912aにより揺動自在に枢支されている。クッションレバー912は、その前端部にて、クッションユニット910の上端部と水平軸912bを介して連結され、その後端部にて、リンクアーム913の上端部と水平軸912cを介して連結されている。
本実施の形態に係るモノサスペンション機構は、以上の如き構成とされており、その後端部で後輪を支えているスイングアーム911を、リンクアーム913及びクッションレバー912を介してクッションユニット910がバネの作用により押し下げ、ダンパとの作用により後輪の沈み込みを防ぎ、路面追従性を良くしている。
このようなモノサスペンション機構においては、典型的には、チェーン911が巻き掛けられているドライブスプロケット914とドリブンスプロケット916との間にスイングアーム911の前端部を枢支する水平軸919aが存在するため、スイングアーム911の揺動に応じてチェーン918の遊び(たるみ)の量が変化する。たとえば、この構成においては、具体的には、スイングアーム911が上へ回動するのに応じてチェーン918がたるむ傾向にある。
そこで、本実施の形態においては、このたるみ量Sをクッションユニット910の軸方向変位、すなわちサスペンション変位X(図43においては下方をプラスとしてある)として検出するサスペンション変位センサ40B(図44参照)を備えている。
図44は、本実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の概念的ブロック図である。本実施の形態に係る車両の加減速時制御装置は、図2に示したものと同様の入力軸及び/又は出力軸センサ40と、サスペンション変位センサ40Bと、演算装置50と、加減速手段60とを備えている。
演算装置50は、相対回転位置推定部52と、チェーンたるみ演算部51Bと、制御部53とを備え、上述した入力軸及び/又は出力軸センサ40の種類を含む本加減速時制御装置の構成に応じて相対回転速度演算部51をさらに備える場合もある。演算装置50は、相対回転位置推定部52により少なくとも制御対象部位S2の入力軸200A及び出力軸200Bの相対回転位置を演算するが、演算装置50が相対回転速度演算部51を備える場合には、相対回転位置推定部52は、相対回転速度演算部51により演算される入力軸200A及び出力軸200Bの相対回転速度に基づいて相対回転位置を演算する。また、チェーンたるみ演算部51Bは、サスペンション変位センサ40Bから与えられるサスペンション変位Xに基づいてチェーン918のたるみ量Sを演算する。
制御部53は、前述したようなその制御ロジック53A(図2参照)に従い、相対回転位置推定部52から与えられる相対回転位置、又はこれに加えて相対回転速度演算部51から与えられる相対回転速度と、チェーンたるみ演算部51Bから与えられるチェーン918のたるみ量Sとに基づいて、減速/加速開始時期、及び減速/加速量及び/又は減速/加速終了時期を演算し、演算結果に基づいて加減速手段60に作動指令(減速/加速指令値)を出力する。つまり、ここでは、内燃機関Eの点火制御を行なうための減速/加速指令値を出力する。
その他の構成及び作用は、図2に示したものと同様であり、ここでは同様の部分には同様の参照符号を付してその説明は省略する。
(第14の実施の形態)
図45(a)は、通常の減速から加速へと入力軸回転数を転じさせたときの入力軸回転数と出力軸回転数との時系列的な関係を示すグラフであり、(b)は、それに対応する相対回転位置推定値の時系列的な変化を示すグラフである。
図45(a)に示すように、入力軸を減速させているときには出力軸も追従して同様の回転数となっているが、入力軸を加速に転じたときには(A点)、入力軸回転数(図45(a)において破線で示す)と出力軸回転数(図45(a)において実線で示す)との間に相対回転速度が発生する。相対回転速度が発生すると、相対回転速度から積分器により推定される相対回転位置推定値は、減速側接触状態から加速側接触状態へと移行し、その移行開始時に本願発明に係る減速制御が実行される(C点)。これによって、加速に転じた入力軸回転数が出力軸回転数に一致するように減速され、図45(b)に示すように、その時点でちょうど相対回転位置推定値が減速側接触状態から加速側接触状態へ移行するようになっている(B点)。
ところが、図46(a)に示すように、A点から半クラッチ操作され、それが継続された場合には、入力軸回転数(図46(a)において破線で示す)と出力軸回転数(図46(a)において実線で示す)との間に相対回転速度が発生するため、本願発明に係る減速制御が継続して実行されてしまう状況が生じる可能性がある。一方で、積分器による積分値(相対回転位置推定値)は、比較的大きな相対回転速度が継続して発生しているため、すぐに減速側接触状態から加速側接触状態へ移行して飽和する、つまり、積分器のリミット(積分器リミット又は積分リミット)に達する。なお、上記のような状態は、半クラッチ操作時だけでなく、クラッチを完全に切った状態のときもスロットル操作によっては、相対回転速度が発生する。
そこで、本実施の形態においては、相対回転位置推定値が加速側接触状態へ移行した時点で制御フラグをOFFにすることにより、既存のクラッチスイッチ(図36及び図39参照)では検出できない半クラッチ操作などの際の継続的な減速制御の実行を防止するものである。なお、ここでは、減速制御についてのみ記述しているが、加速制御についても同様である。
図47に示すように、本実施の形態に係る演算装置50は、相対回転速度演算部51としての差分器51a、相対回転位置推定部52としての積分器52a、制御部53、及び加減速調整手段としての指令値出力ON/OFF部55cを備えている。
差分器51aには、入力軸回転数と、出力軸回転数との両方が与えられ、この差分器51aにおいて、入力軸回転数と出力軸回転数との差(すなわち、相対回転速度)が演算される。演算された相対回転速度は、制御部53に与えられる一方、積分器52aに入力される。積分器52aは、相対回転速度を積分することによって相対回転位置を推定し、推定された相対回転位置は、制御部53に与えられる一方、指令値出力ON/OFF部55cに入力される。
制御部53は、前述した制御ロジック53A(図2参照)が利用するマップ53Bを備え、該マップ53B(図3参照)には、相対回転速度及び相対回転位置に応じた減速/加速指令値を記憶している。制御部53は、差分器51aから与えられる相対回転速度と、積分器52aから与えられる相対回転位置推定値とに基づいてマップ53Bを参照して減速/加速指令値を演算し、演算した減速/加速指令値を指令値出力ON/OFF部55cを通じて加減速手段60(図2参照)である点火プラグ603a(たとえば、図31参照)の駆動装置などへ出力するようになっている。
指令値出力ON/OFF部55cは、制御部53からの減速/加速指令値に加えて、積分器52aからの相対回転位置推定値を与えられる。指令値出力ON/OFF部55cは、制御フラグを記憶する制御フラグ記憶領域553を備えている。
指令値出力ON/OFF部55cは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグがONのときに制御部53から与えられる減速/加速指令値をスルーし、制御フラグがOFFのときに減速/加速指令値をスルーしないようになっている。
次に、指令値出力ON/OFF部55cの動作を図48のフローチャートを参照しながら説明する。指令値出力ON/OFF部55cは、制御部53から減速/加速指令値を入力されるのに応じて作動し、まず、積分器52aから与えられる相対回転位置推定値が積分器リミットに到達したか否かを判断する(ステップS-61)。
相対回転位置推定値が積分器リミットに到達していない場合には(ステップS-61で“NO”)、指令値出力ON/OFF部55cは、本処理を終了し、一方、相対回転位置推定値が積分器リミットに到達した場合には(ステップS-61で“YES”)、指令値出力ON/OFF部55cは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグをOFFにセットし(ステップS-62)、本処理を終了する。
(第15の実施の形態)
上記の第14の実施の形態においては、出力軸回転数を出力軸センサにより検出する構成で説明したが、図49に示すように、出力軸回転数を入力軸回転数から推定するような構成(たとえば、図5と同様の構成)にも同様に適用可能である。したがって、同様の部分には同様の参照符号を付してその他の構成及び作用の説明は省略する。
(第16の実施の形態)
図50は、減速から加速へと入力軸回転数を転じさせたときの入力軸回転数(図50において破線で示す)と出力軸回転数(図50において実線で示す)との時系列的な関係を示すグラフであるが、クラッチ操作などにより入力軸回転数が異常に大きな値に至るまで増加を続けている様子を示している。
本実施の形態では、クラッチ操作を行わない場合の入力軸の加減速からは考えられないような大きさの相対回転速度が発生した場合に、制御フラグをOFFにすることにより、本願発明に係る減速制御の継続的な実行を防止するものである。なお、ここでも減速制御についてのみ記述しているが、加速制御についても同様である。
図51に示すように、本実施の形態に係る演算装置50は、相対回転速度演算部51としての差分器51a、相対回転位置推定部52としての積分器52a、制御部53、及び加減速調整手段としての指令値出力ON/OFF部55dを備えている。
差分器51aには、入力軸回転数と、出力軸回転数との両方が与えられ、この差分器51aにおいて、入力軸回転数と出力軸回転数との差(すなわち、相対回転速度)が演算される。演算された相対回転速度は、制御部53に与えられる一方、積分器52aに入力される。さらに、相対回転速度は、指令値出力ON/OFF部55dにも与えられる。積分器52aは、相対回転速度を積分することによって相対回転位置を推定し、推定された相対回転位置は、制御部53に与えられる。
制御部53は、前述した制御ロジック53A(図2参照)が利用するマップ53Bを備え、該マップ53B(図3参照)には、相対回転速度及び相対回転位置に応じた減速/加速指令値を記憶している。制御部53は、差分器51aから与えられる相対回転速度と、積分器52aから与えられる相対回転位置推定値とに基づいてマップ53Bを参照して減速/加速指令値を演算し、演算した減速/加速指令値を指令値出力ON/OFF部55dを通じて加減速手段60(図2参照)である点火プラグ603a(たとえば、図31参照)などの駆動装置へ出力するようになっている。
指令値出力ON/OFF部55dは、制御部53からの減速/加速指令値に加えて、差分器51aからの相対回転速度を与えられる。指令値出力ON/OFF部55dは、制御フラグを記憶する制御フラグ記憶領域553を備えている。
指令値出力ON/OFF部55dは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグがONのときに制御部53から与えられる減速/加速指令値をスルーし、制御フラグがOFFのときに減速/加速指令値をスルーしないようになっている。
次に、指令値出力ON/OFF部55dの動作を図52のフローチャートを参照しながら説明する。指令値出力ON/OFF部55dは、制御部53から減速/加速指令値を入力されるのに応じて作動し、まず、差分器51aから与えられる相対回転速度が所定値を超えているか否かを判断する(ステップS-71a)。この所定値は、前述したように、通常の加減速からは考えられないような相対回転速度の大きさに設定される。
相対回転速度が上記所定値を超えていない場合には(ステップS-71aで“NO”)、指令値出力ON/OFF部55dは、本処理を終了し、一方、相対回転速度が上記所定値を超えている場合には(ステップS-71aで“YES”)、指令値出力ON/OFF部55dは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグをOFFにセットし(ステップS-72a)、本処理を終了する。
(第17の実施の形態)
上記の第16の実施の形態においては、出力軸回転数を出力軸センサにより検出する構成で説明したが、図53に示すように、出力軸回転数を入力軸回転数から推定するような構成(たとえば、図5と同様の構成)にも同様に適用可能である。したがって、同様の部分には同様の参照符号を付してその他の構成及び作用の説明は省略する。
(第18の実施の形態)
上記の第16及び第17の実施の形態においては、相対回転速度が所定値を超えたときにクラッチ操作があるものと判断して、制御フラグをOFFにする構成としたが、本実施の形態においては、図54に示すように、相対回転速度が所定値を超えてから、さらに、所定時間T4経過した後に制御フラグをOFFにする構成としてある。なお、ここでも減速制御についてのみ記述しているが、加速制御についても同様である。このようにすれば、半クラッチ操作が継続されて小さい相対速度が継続的に発生する場合でも、継続的に不要な加減速制御をしてしまうことを防ぐことができる。
図55に示すように、本実施の形態に係る演算装置50は、相対回転速度演算部51としての差分器51a、相対回転位置推定部52としての積分器52a、制御部53、及び加減速調整手段としての指令値出力ON/OFF部55eを備えている。
差分器51aには、入力軸回転数と、出力軸回転数との両方が与えられ、この差分器51aにおいて、入力軸回転数と出力軸回転数との差(すなわち、相対回転速度)が演算される。演算された相対回転速度は、制御部53に与えられる一方、積分器52aに入力される。さらに、相対回転速度は、指令値出力ON/OFF部55eにも与えられる。積分器52aは、相対回転速度を積分することによって相対回転位置を推定し、推定された相対回転位置は、制御部53に与えられる。
制御部53は、前述した制御ロジック53A(図2参照)が利用するマップ53Bを備え、該マップ53B(図3参照)には、相対回転速度及び相対回転位置に応じた減速/加速指令値を記憶している。制御部53は、差分器51aから与えられる相対回転速度と、積分器52aから与えられる相対回転位置推定値とに基づいてマップ53Bを参照して減速/加速指令値を演算し、演算した減速/加速指令値を指令値出力ON/OFF部55eを通じて加減速手段60(図2参照)である点火プラグ603a(たとえば、図31参照)などの駆動装置へ出力するようになっている。
指令値出力ON/OFF部55eは、制御部53からの減速/加速指令値に加えて、差分器51aからの相対回転速度を与えられる。指令値出力ON/OFF部55eは、制御フラグを記憶する制御フラグ記憶領域553と、OFFタイマ552bとを備えている。
指令値出力ON/OFF部55eは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグがONのときに制御部53から与えられる減速/加速指令値をスルーし、制御フラグがOFFのときに減速/加速指令値をスルーしないようになっている。
次に、指令値出力ON/OFF部55eの動作を図56のフローチャートを参照しながら説明する。指令値出力ON/OFF部55eは、制御部53から減速/加速指令値を入力されるのに応じて作動し、まず、差分器51aから与えられる相対回転速度が所定値を超えているか否かを判断する(ステップS-71b)。この所定値は、前述したように、たとえば、クラッチ操作が行なわれた場合に発生するような相対回転速度の大きさに設定される。
相対回転速度が上記所定値を超えていない場合には(ステップS-71bで“NO”)、指令値出力ON/OFF部55eは、OFFタイマ552bをリセットしてから(ステップS-75b)、本処理を終了する。一方、相対回転速度が上記所定値を超えている場合には(ステップS-71bで“YES”)、指令値出力ON/OFF部55eは、OFFタイマ552bをカウントアップさせる(ステップS-72b)。
そして、指令値出力ON/OFF部55eは、OFFタイマ552bのカウントが所定時間T4を経過したか否かを判断し(ステップS-73b)、所定時間T4を経過していない場合には(ステップS-73bで“NO”)、ステップS-71bからの処理を繰り返す。一方、指令値出力ON/OFF部55eは、所定時間T4を経過している場合には(ステップS-73bで“YES”)、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグをOFFにセットし(ステップS-74b)、さらに、OFFタイマ552bをリセットして(ステップS-75b)、本処理を終了する。
(第19の実施の形態)
上記の第18の実施の形態においては、出力軸回転数を出力軸センサにより検出する構成で説明したが、図57に示すように、出力軸回転数を入力軸回転数から推定するような構成(たとえば、図5と同様の構成)にも同様に適用可能である。したがって、同様の部分には同様の参照符号を付してその他の構成及び作用の説明は省略する。
(第20の実施の形態)
上記の第16及び第17の実施の形態においては、相対回転速度が所定値を超えたときにクラッチ操作があるものと判断して、制御フラグをOFFにする構成としたが、本実施の形態においては、図58(a)及び(b)に示すように、入力軸の回転加速度が所定値を超えたときに、制御フラグをOFFにする構成としてある。なお、ここでも減速制御についてのみ記述しているが、加速制御についても同様である。
図59に示すように、本実施の形態に係る演算装置50は、相対回転速度演算部51としての差分器51a、相対回転位置推定部52としての積分器52a、制御部53、及び加減速調整手段としての指令値出力ON/OFF部55hを備えている。
差分器51aには、入力軸回転数と、出力軸回転数との両方が与えられ、この差分器51aにおいて、入力軸回転数と出力軸回転数との差(すなわち、相対回転速度)が演算される。演算された相対回転速度は、制御部53に与えられる一方、積分器52aに入力される。積分器52aは、相対回転速度を積分することによって相対回転位置を推定し、推定された相対回転位置は、制御部53に与えられる。
制御部53は、前述した制御ロジック53A(図2参照)が利用するマップ53Bを備え、該マップ53B(図3参照)には、相対回転速度及び相対回転位置に応じた減速/加速指令値を記憶している。制御部53は、差分器51aから与えられる相対回転速度と、積分器52aから与えられる相対回転位置推定値とに基づいてマップ53Bを参照して減速/加速指令値を演算し、演算した減速/加速指令値を指令値出力ON/OFF部55hを通じて加減速手段60(図2参照)である点火プラグ603a(たとえば、図31参照)などの駆動装置へ出力するようになっている。
指令値出力ON/OFF部55hは、制御部53からの減速/加速指令値に加えて、入力軸回転速度を与えられる。指令値出力ON/OFF部55hは、制御フラグを記憶する制御フラグ記憶領域553を備えている。また、指令値出力ON/OFF部55hは、与えられる入力軸回転数を微分することによって入力軸の回転加速度を演算する機能も有している。
指令値出力ON/OFF部55hは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグがONのときに制御部53から与えられる減速/加速指令値をスルーし、制御フラグがOFFのときに減速/加速指令値をスルーしないようになっている。
次に、指令値出力ON/OFF部55hの動作を図60のフローチャートを参照しながら説明する。指令値出力ON/OFF部55hは、制御部53から減速/加速指令値を入力されるのに応じて作動し、まず、与えられる入力軸回転数から入力軸回転加速度を演算する(ステップS-71c)。
そして、指令値出力ON/OFF部55hは、演算した入力軸回転加速度が所定値を超えているか否かを判断する(ステップS-72c)。この所定値は、前述したように、通常の加減速からは考えられないような入力軸回転加速度の大きさに設定される。
入力軸回転加速度が上記所定値を超えていない場合には(ステップS-72cで“NO”)、指令値出力ON/OFF部55hは、本処理を終了し、一方、入力軸回転加速度が上記所定値を超えている場合には(ステップS-72cで“YES”)、指令値出力ON/OFF部55hは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグをOFFにセットし(ステップS-73c)、本処理を終了する。
(第21の実施の形態)
上記の第16及び第17の実施の形態においては、相対回転速度が所定値を超えたときにクラッチ操作があるものと判断して、制御フラグをOFFにする構成としたが、本実施の形態においては、図61(a)及び(b)に示すように、相対回転加速度が所定値を超えたときに、制御フラグをOFFにする構成としてある。なお、ここでも減速制御についてのみ記述しているが、加速制御についても同様である。
図62に示すように、本実施の形態に係る演算装置50は、相対回転速度演算部51としての差分器51a、相対回転位置推定部52としての積分器52a、制御部53、及び加減速調整手段としての指令値出力ON/OFF部55iを備えている。
差分器51aには、入力軸回転数と、出力軸回転数との両方が与えられ、この差分器51aにおいて、入力軸回転数と出力軸回転数との差(すなわち、相対回転速度)が演算される。演算された相対回転速度は、制御部53に与えられる一方、積分器52aに入力される。積分器52aは、相対回転速度を積分することによって相対回転位置を推定し、推定された相対回転位置は、制御部53に与えられる。
制御部53は、前述した制御ロジック53A(図2参照)が利用するマップ53Bを備え、該マップ53B(図3参照)には、相対回転速度及び相対回転位置に応じた減速/加速指令値を記憶している。制御部53は、差分器51aから与えられる相対回転速度と、積分器52aから与えられる相対回転位置推定値とに基づいてマップ53Bを参照して減速/加速指令値を演算し、演算した減速/加速指令値を指令値出力ON/OFF部55iを通じて加減速手段60(図2参照)である点火プラグ603a(たとえば、図31参照)などの駆動装置へ出力するようになっている。
指令値出力ON/OFF部55iは、制御部53からの減速/加速指令値に加えて、差分器51aから相対回転速度を与えられる。指令値出力ON/OFF部55iは、制御フラグを記憶する制御フラグ記憶領域553を備えている。また、指令値出力ON/OFF部55iは、与えられる相対回転速度を微分することによって相対回転加速度を演算する機能も有している。
指令値出力ON/OFF部55iは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグがONのときに制御部53から与えられる減速/加速指令値をスルーし、制御フラグがOFFのときに減速/加速指令値をスルーしないようになっている。
次に、指令値出力ON/OFF部55iの動作を図63のフローチャートを参照しながら説明する。指令値出力ON/OFF部55iは、制御部53から減速/加速指令値を入力されるのに応じて作動し、まず、与えられる相対回転速度から相対回転加速度を演算する(ステップS-71d)。
そして、指令値出力ON/OFF部55iは、演算した相対回転加速度が所定値を超えているか否かを判断する(ステップS-72d)。この所定値は、前述したように、通常の加減速からは考えられないような相対回転加速度の大きさに設定される。
相対回転加速度が上記所定値を超えていない場合には(ステップS-72dで“NO”)、指令値出力ON/OFF部55iは、本処理を終了し、一方、相対回転加速度が上記所定値を超えている場合には(ステップS-72dで“YES”)、指令値出力ON/OFF部55iは、制御フラグ記憶領域553に記憶されている制御フラグをOFFにセットし(ステップS-73d)、本処理を終了する。
(第22の実施の形態)
上記の第20及び第21の実施の形態においては、出力軸回転数を出力軸センサにより検出する構成で説明したが、図64に示すように、出力軸回転数を入力軸回転数から推定するような構成(たとえば、図5と同様の構成)にも同様に適用可能である。したがって、同様の部分には同様の参照符号を付してその他の構成及び作用の説明は省略する。
(第23の実施の形態)
上記の第10及び第11の実施の形態において説明したように、クラッチのON/OFFは、クラッチスイッチ407(たとえば、図66参照)により検出されるが、車両の発進時のように、クラッチが切られている状態から繋げられた状態になるのをクラッチスイッチ407がそれぞれON/OFFとして検出しても、入力軸と出力軸との間の動力伝達経路にクラッチを介在させている構成にあっては、実際には、すぐに入力軸回転数と出力軸回転数とが一致しない、つまりクラッチに滑りが生じた状態が発生する。
このような状況で本願発明に係る加減速制御を実行した場合には、誤動作となるため、本実施の形態においては、図65(a)及び(e)に示すように、概略的には、クラッチスイッチ407がONのときには制御フラグ(本実施の形態においては、メイン制御フラグ)をOFFにしておき、その後、クラッチスイッチ407がONからOFFになってから所定時間T5経過したときに、クラッチの滑りがなくなり入力軸回転数と出力軸回転数とが一致した状態になったと判断して、制御フラグをONに戻すように構成してある。
より詳細には、図66に示すように、本実施の形態に係る演算装置50は、相対回転速度演算部51としての差分器51a、相対回転位置推定部52としての積分器52a、制御部53、及び加減速調整手段としての指令値出力ON/OFF部55fを備えている。
差分器51aには、入力軸センサ404(図31参照)からの入力軸回転数と、出力軸センサ405(図31参照)からの出力軸回転数との両方が与えられ、この差分器51aにおいて、入力軸回転数と出力軸回転数との差(すなわち、相対回転速度)が演算される。演算された相対回転速度は、制御部53に与えられる一方、積分器52aに入力される。積分器52aは、相対回転速度を積分することによって相対回転位置を推定し、推定された相対回転位置は、制御部53に与えられる。
制御部53は、前述した制御ロジック53A(図2参照)が利用するマップ53Bを備え、該マップ53B(図3参照)には、相対回転速度及び相対回転位置に応じた減速/加速指令値を記憶している。制御部53は、差分器51aから与えられる相対回転速度と、積分器52aから与えられる相対回転位置推定値とに基づいてマップ53Bを参照して減速/加速指令値を演算し、演算した減速/加速指令値を指令値出力ON/OFF部55fを通じて加減速手段60(図2参照)である点火プラグ603a(図31参照)などの駆動装置へ出力するようになっている。
指令値出力ON/OFF部55fは、上述した制御部53からの減速/加速指令値のほか、クラッチスイッチ407からのクラッチ202が繋がっている(クラッチスイッチ407がOFF)または切られている(クラッチスイッチ407がON)旨の検出結果を与えられる。また、指令値出力ON/OFF部55fには、差分器51aから相対回転速度が入力される。指令値出力ON/OFF部55fは、第1サブ制御フラグ、第2サブ制御フラグ、及びメイン制御フラグをそれぞれ記憶する制御フラグ記憶領域553A,553B,553Cと、第1ONタイマ551bと、第2ONタイマ551cとを備えている。
指令値出力ON/OFF部55fは、メイン制御フラグ記憶領域553Cに記憶されているメイン制御フラグがONのときに制御部53から与えられる減速/加速指令値をスルーし、制御フラグがOFFのときに減速/加速指令値をスルーしないようになっている。さらに、後述するようにメイン制御フラグは、第1サブ制御フラグと第2サブ制御フラグとの両方がONのときにだけONとされるようになっている(図69のフローチャートを参照)。
次に、指令値出力ON/OFF部55fの動作を図67のフローチャートを参照しながら説明する。指令値出力ON/OFF部55fは、制御部53から減速/加速指令値を入力されるのに応じて作動し、まず、クラッチスイッチ407から与えられる情報に基づいてクラッチスイッチ407がOFF状態であるか否かを判断する(ステップS-81a)。
クラッチスイッチ407がOFF状態である場合には(ステップS-81aで“YES”)、指令値出力ON/OFF部55fは、第1サブ制御フラグ記憶領域553Aに記憶されている第1サブ制御フラグをOFFにセットし(ステップS-82a)、第1ONタイマ551bをカウントアップさせる(ステップS-83a)。
続いて、指令値出力ON/OFF部55fは、第1ONタイマ551bのカウントが所定時間T5を経過したか否かを判断し(ステップS-84a)、所定時間T5を経過していない場合には(ステップS-84aで“NO”)、ステップS-81aからの処理を繰り返す。
一方、所定時間T5を経過している場合には(ステップS-84aで“YES”)、指令値出力ON/OFF部55fは、第1サブ制御フラグをONに戻すようにセットする(ステップS-85a)。
そして、ステップS-85a、及びステップS-81aでクラッチスイッチ407がON状態である場合には(ステップS-81aで“NO”)、第1ONタイマ551bをリセットして(ステップS-86a)、本処理を終了する。
また、上記の図67に示した処理と並行して、指令値出力ON/OFF部55fは、図68のフローチャートに示すように、制御部53から減速/加速指令値を入力されるのに応じて作動し、まず、第2制御フラグ記憶領域553Bに記憶されている第2サブ制御フラグをOFFにセットしておき(ステップS-81b)、続いて、差分器51aから与えられる情報に基づいて相対回転速度が所定値よりも小さいか否かを判断する(ステップS-82b)。
相対回転速度が所定値以上である場合には(ステップS-82bで“NO”)、指令値出力ON/OFF部55fは、ステップS-81bからの処理を繰り返す。一方、相対回転速度が所定値よりも小さい場合には(ステップS-82bで“YES”)、指令値出力ON/OFF部55fは、第2ONタイマ551cをカウントアップさせる(ステップS-83b)。
続いて、指令値出力ON/OFF部55fは、第2ONタイマ551cのカウントが所定時間T6を経過したか否かを判断し(ステップS-84b)、所定時間T6を経過していない場合には(ステップS-84bで“NO”)、ステップS-82bからの処理を繰り返す。
一方、所定時間T6を経過している場合には(ステップS-84bで“YES”)、指令値出力ON/OFF部55fは、第2サブ制御フラグをONに戻すようにセットし(ステップS-85b)、第2ONタイマ551cをリセットして(ステップS-86b)、本処理を終了する。
上述したように、メイン制御フラグ553Cは、第1サブ制御フラグと第2サブ制御フラグとの両方がONのときにだけONとされるようになっており、指令値出力ON/OFF部55fは、制御部53から減速/加速指令値を入力されるのに応じて作動し、図69のフローチャートに示すように、まず、第1サブ制御フラグ記憶領域553Aと第2サブ制御フラグ記憶領域553Bとにそれぞれ記憶されている第1及び第2サブ制御フラグを参照し、両方のサブ制御フラグがONの状態となっているか否かを判断する(ステップS-81c)。
両方のサブ制御フラグがONの状態となっている場合には(ステップS-81cで“YES”)、指令値出力ON/OFF部55fは、メイン制御フラグ記憶領域553Cに記憶されているメイン制御フラグをONにし(ステップS-82c)、一方、両方のサブ制御フラグがOFFの状態となっている、あるいは、いずれかのサブ制御フラグのみがONの状態となっている場合には(ステップS-81cで“NO”)、指令値出力ON/OFF部55fは、メイン制御フラグ記憶領域553Cに記憶されているメイン制御フラグをOFFにする(ステップS-83c)。
以上のような指令値出力ON/OFF部55fの動作により、図65(a)乃至(e)に示すように、クラッチ202が切られており、クラッチスイッチ407がONの状態であるときに、第1サブ制御フラグはOFFにされており、そして、クラッチ202が繋げられて、クラッチスイッチ407がOFFの状態となったときに、第1ONタイマ551bによる所定時間T5のカウントが開始される。所定時間T5が経過すると、第1サブ制御フラグはONにされる。
一方で、相対回転速度が所定値より小さいことを検出した場合には、その時点から、第2ONタイマ551cによる所定時間T6のカウントが開始される。所定時間T6が経過すると、第2サブ制御フラグはONにされる。
そして、メイン制御フラグは、クラッチ202が切られ、クラッチスイッチ407がONの状態となったときからOFFとされており、上述のように、両方のサブ制御フラグがONになったときにのみ、メイン制御フラグがONにされ、これによって、減速/加速指令値のスルーが可能となるのである。
なお、本実施の形態において、所定時間T5,T6は、固定値であってもよいが、可変値であってもよい。可変値である場合には、たとえば、指令値出力ON/OFF部55fが、車速に応じて調整することが可能である。これによって、車両の停止時と走行時とで上記の所定時間T5,T6を変えることができ、したがって、停止時には所定時間T5,T6を長く設定して、ゆっくりとしたクラッチ操作時でも本願発明にかかる加減速制御の誤動作を防止することが可能であるし、また、走行中の変速時のような早いクラッチ操作の場合には、クラッチを繋いでから比較的短い時間で加速しても本願発明にかかる加減速制御が確実に実行可能となる。
(第24の実施の形態)
上記の第23の実施の形態においては、出力軸回転数を出力軸センサにより検出する構成で説明したが、図70に示すように、出力軸回転数を入力軸回転数から推定するような構成(たとえば、図5と同様の構成)にも同様に適用可能である。したがって、同様の部分には同様の参照符号を付してその他の構成及び作用の説明は省略する。
(第25の実施の形態)
上記の第23及び第24の実施の形態においては、図65に示したように、場合によっては、所定時間T5が経過したときにメイン制御フラグがONになってしまうように構成されているが、本実施の形態においては、図71(a)、(b)、及び(d)に示すように、サブ制御フラグがONになった後にさらに、所定時間T7が経過した後にメイン制御フラグをONにするように構成してある。このような構成にすれば、第23の実施の形態と比較して、同時に動かすタイマを2個から1個にすることができ、計算機の負荷が低減できる。
図72に示すように、本実施の形態に係る演算装置50は、相対回転速度演算部51としての差分器51a、相対回転位置推定部52としての積分器52a、制御部53、及び加減速調整手段としての指令値出力ON/OFF部55gを備えている。
差分器51aには、入力軸センサ404(図31参照)からの入力軸回転数と、出力軸センサ405(図31参照)からの出力軸回転数との両方が与えられ、この差分器51aにおいて、入力軸回転数と出力軸回転数との差(すなわち、相対回転速度)が演算される。演算された相対回転速度は、制御部53に与えられる一方、積分器52aに入力される。積分器52aは、相対回転速度を積分することによって相対回転位置を推定し、推定された相対回転位置は、制御部53に与えられる。
制御部53は、前述した制御ロジック53A(図2参照)が利用するマップ53Bを備え、該マップ53B(図3参照)には、相対回転速度及び相対回転位置に応じた減速/加速指令値を記憶している。制御部53は、差分器51aから与えられる相対回転速度と、積分器52aから与えられる相対回転位置推定値とに基づいてマップ53Bを参照して減速/加速指令値を演算し、演算した減速/加速指令値を指令値出力ON/OFF部55gを通じて加減速手段60(図2参照)である点火プラグ603a(図31参照)などの駆動装置へ出力するようになっている。
指令値出力ON/OFF部55gは、上述した制御部53からの減速/加速指令値のほか、クラッチスイッチ407からのクラッチ202が繋がっている(クラッチスイッチ407がOFF)または切られている(クラッチスイッチ407がON)旨の検出結果を与えられる。また、指令値出力ON/OFF部55gには、差分器51aから相対回転速度が入力される。指令値出力ON/OFF部55gは、サブ制御フラグ及びメイン制御フラグをそれぞれ記憶する制御フラグ記憶領域553D,553Cと、第1ONタイマ551bと、第3ONタイマ551dとを備えている。
指令値出力ON/OFF部55gは、メイン制御フラグ記憶領域553Cに記憶されているメイン制御フラグがONのときに制御部53から与えられる減速/加速指令値をスルーし、制御フラグがOFFのときに減速/加速指令値をスルーしないようになっている。さらに、後述するようにメイン制御フラグは、サブ制御フラグがONのときにだけONとされるようになっている(図73及び図74のフローチャートを参照)。
次に、指令値出力ON/OFF部55gの動作を図73及び図74のフローチャートを参照しながら説明する。指令値出力ON/OFF部55gは、制御部53から減速/加速指令値を入力されるのに応じて作動し、まず、クラッチスイッチ407から与えられる情報に基づいてクラッチスイッチ407がOFF状態であるか否かを判断する(ステップS-91)。
クラッチスイッチ407がOFF状態である場合には(ステップS-91で“YES”)、指令値出力ON/OFF部55gは、サブ制御フラグ記憶領域553Dに記憶されているサブ制御フラグをOFFにセットし(ステップS-92)、第1ONタイマ551bをカウントアップさせる(ステップS-93)。クラッチスイッチ407がON状態である場合(ステップS-91で“NO”)、OFF状態になるまで繰り返し判断する。
続いて、指令値出力ON/OFF部55gは、第1ONタイマ551bのカウントが所定時間T5を経過したか否かを判断し(ステップS-94)、所定時間T5を経過していない場合には(ステップS-94で“NO”)、ステップS-91からの処理を繰り返す。
一方、所定時間T5を経過している場合には(ステップS-94で“YES”)、指令値出力ON/OFF部55gは、サブ制御フラグをONに戻すようにセットする(ステップS-95)。
そして、指令値出力ON/OFF部55gは、第1ONタイマ551bをリセット(ステップS-96)する。
続いて、指令値出力ON/OFF部55gは、メイン制御フラグ記憶領域553Cに記憶されているメイン制御フラグをOFFにセットしておき(ステップS-97)、さらに、差分器51aから与えられる情報に基づいて相対回転速度が所定値よりも小さいか否かを判断する(ステップS-98)。
相対回転速度が所定値以上である場合には(ステップS-98で“NO”)、指令値出力ON/OFF部55gは、ステップS-97からの処理を繰り返す。一方、相対回転速度が所定値よりも小さい場合には(ステップS-98で“YES”)、指令値出力ON/OFF部55gは、第3ONタイマ551dをカウントアップさせる(ステップS-99)。
続いて、指令値出力ON/OFF部55gは、第3ONタイマ551dのカウントが所定時間T7を経過したか否かを判断し(ステップS-100)、所定時間T7を経過していない場合には(ステップS-100で“NO”)、ステップS-98からの処理を繰り返す。
一方、所定時間T7を経過している場合には(ステップS-100で“YES”)、指令値出力ON/OFF部55gは、メイン制御フラグをONに戻すようにセットし(ステップS-101)、第3ONタイマ551dをリセットして(ステップS-102)、本処理を終了する。
以上のような指令値出力ON/OFF部55gの動作により、図71(a)乃至(d)に示すように、クラッチ202が切られており、クラッチスイッチ407がONの状態であるときに、サブ制御フラグはOFFにされており、そして、クラッチ202が繋げられて、クラッチスイッチ407がOFFの状態となったときに、第1ONタイマ551bによる所定時間T5のカウントが開始される。所定時間T5が経過すると、第1サブ制御フラグはONにされる。
このとき、相対回転速度が所定値より小さいことを検出できた場合には、その時点から、さらに、第3ONタイマ551dによる所定時間T7のカウントが開始される。所定時間T7が経過すると、メイン制御フラグはONにされ、これによって、減速/加速指令値のスルーが可能となるのである。
なお、本実施の形態において、所定時間T5,T7は、固定値であってもよいが、可変値であってもよい。可変値である場合には、たとえば、指令値出力ON/OFF部55fが、車速に応じて調整することが可能である。これによって、車両の停止時と走行時とで上記の所定時間T5,T7を変えることができ、したがって、停止時には所定時間T5,T7を長く設定して、ゆっくりとしたクラッチ操作時でも本願発明にかかる加減速制御の誤動作を防止することが可能であるし、また、走行中の変速時のような早いクラッチ操作の場合には、クラッチを繋いでから比較的短い時間で加速しても本願発明にかかる加減速制御が確実に実行可能となる。
(第26の実施の形態)
上記の第25の実施の形態においては、出力軸回転数を出力軸センサにより検出する構成で説明したが、図75に示すように、出力軸回転数を入力軸回転数から推定するような構成(たとえば、図5と同様の構成)にも同様に適用可能である。したがって、同様の部分には同様の参照符号を付してその他の構成及び作用の説明は省略する。
なお、以上の第3乃至第26の実施の形態においては、駆動源として内燃機関を装備する車両を対象として主として説明したが、これらの実施の形態の原理は、第2の実施の形態に開示したような駆動源として電動モータを装備した車両にも同様に適用可能であることは言うまでもない。
以上のように、本願発明に係る車両の加減速時制御方法及びそれを実施するための装置、並びに該装置を搭載した車両によれば、制御対象とする遊びを含む一連の動力伝達経路部分の入力軸(駆動源による駆動側の軸)と出力軸(駆動源による被駆動側の軸)とのうち少なくとも入力軸の回転数に関する情報を検出し、この情報に基づいて入力軸及び出力軸の相対回転位置を演算し、該相対回転位置に基づいて、前述したような加減速手段を制御することにより、加減速程度に左右されずに、この遊びを境界とした動力伝達経路上流側及び下流側の動力伝達部材間の再接触速度及び/又はそのときの伝達トルクを効果的に低減することができる等、本願発明は優れた効果を奏する。
本願発明に係る駆動源を有する車両における駆動源から車輪までの動力伝達経路と、本願発明が制御対象とする範囲とを説明するための概念図である。 本願発明に係る車両の加減速時制御装置の概念的構成を示すブロック図である。 図2に示した制御部の制御ロジックに使用される制御指令値及びその演算のための検出データの実例を示す図表である。 図2に示した演算装置の具体例を示す制御ブロック図である。 図4に示した制御系において出力軸回転数として、入力軸回転数からの推定値を使用した場合の例を示す制御ブロック図である。 本願発明に係る加減速時制御装置を、駆動源として強制点火式の内燃機関を搭載した車両に適用した場合の第1の実施の形態を示すブロック図である。 図6に示した変速装置内の遊びの例を示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は(a)のVIIb-VIIb矢視図である。 本願発明の第1の実施の形態に係る方法に従う車両の加減速時制御の効果を説明するためのグラフであり、(b)は、特に制御を実施しなかったときの入力軸及び出力軸の回転速度、(c)は、スロットル開度の増減率に基づいた従来の点火遅角制御を実施したときの入力軸及び出力軸の回転速度、(d)は、本願発明に係る制御を実施したときの入力軸及び出力軸の回転速度、及び(e)は、ドッグ相対回転位置の推定値をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 本願発明のような加減速時制御をまったく実施しなかったときのシャーシ試験結果を示すグラフであり、(a)は、スロットル開度、(b)は、車体の前後加速度、(c)は、回転数(太線が機関回転数(入力軸回転数)、二点鎖線がドライブシャフトの回転数(出力軸回転数)をギヤ比を考慮して機関回転数相当に変換した値、細線が車輪の回転数をギヤ比を考慮して機関回転数相当に変換した値をそれぞれ示している)、(d)は、ドライブシャフトのトルク、(e)は、内燃機関シリンダ内の平均有効圧(ここで、内燃機関は4気筒であり、平均有効圧は4気筒の平均値である)、(f)は、点火遅角量、及び(g)は、ドッグ相対回転位置(推定値)をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 本願発明の第1の実施の形態に係る加減速時制御を実施したときのシャーシ試験結果を示すグラフであり、(a)は、スロットル開度、(b)は、車体の前後加速度、(c)は、回転数(太線が機関回転数(入力軸回転数)、二点鎖線がドライブシャフトの回転数(出力軸回転数)をギヤ比を考慮して機関回転数相当に変換した値、細線が車輪の回転数をギヤ比を考慮して機関回転数相当に変換した値をそれぞれ示している)、(d)は、ドライブシャフトのトルク、(e)は、内燃機関シリンダ内の平均有効圧(ここで、内燃機関は4気筒であり、平均有効圧は4気筒の平均値である)、(f)は、点火遅角量、及び(g)は、ドッグ相対回転位置(推定値)をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 本願発明のような加減速時制御をまったく実施しなかったときの試験結果を示すグラフであり、(a)は、スロットル開度、(b)は、車体の前後加速度、(c)は、回転数(太線が機関回転数(入力軸回転数)、二点鎖線がドライブシャフトの回転数(出力軸回転数)をギヤ比を考慮して機関回転数相当に変換した値、細線が車輪の回転数をギヤ比を考慮して機関回転数相当に変換した値をそれぞれ示している)、及び(d)は、ドライブシャフトのトルクをそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 本願発明の第1の実施の形態に係る加減速時制御を実施したときの実走行試験結果を示すグラフであり、(a)は、スロットル開度、(b)は、車体の前後加速度、(c)は、回転数(太線が機関回転数(入力軸回転数)、二点鎖線がドライブシャフトの回転数(出力軸回転数)をギヤ比を考慮して機関回転数相当に変換した値、細線が車輪の回転数をギヤ比を考慮して機関回転数相当に変換した値をそれぞれ示している)、及び(d)は、ドライブシャフトのトルクをそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 本願発明に係る加減速時制御装置を、駆動源として電動モータを搭載した車両に適用した場合の第2の実施の形態を示すブロック図である。 本願発明に係る車両の加減速時制御装置の第3の実施の形態を示す制御ブロック図であり、図5に示したような入力軸回転数からの推定値を使用した場合の演算装置の別の具体例を示している。 図14に示した第3の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の作用を説明するためのグラフであり、(a)は、入力軸及び出力軸の回転速度、(b)は、相対回転位置推定値をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 図14に示した第3の実施の形態に係る加減速時制御装置の出力軸回転数推定部の動作を説明するためのフローチャートである。 本願発明に係る車両の加減速時制御装置の第4の実施の形態を示す制御ブロック図であり、図5に示したような入力軸回転数からの推定値を使用した場合の演算装置のさらに別の具体例を示している。 図17に示した第4の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の作用を説明するためのグラフであり、(a)は、入力軸及び出力軸の回転速度、(b)は、相対回転位置推定値をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 図17に示した第4の実施の形態に係る加減速時制御装置の出力軸回転数推定部の動作を説明するためのフローチャートである。 本願発明に係る車両の加減速時制御装置の第5の実施の形態を示す制御ブロック図であり、図5に示したような入力軸回転数からの推定値を使用した場合の演算装置のさらに別の具体例を示している。 図20に示した第5の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の作用を説明するためのグラフであり、(a)は、入力軸及び出力軸の回転速度、(b)は、相対回転位置推定値をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 図20に示した第5の実施の形態に係る加減速時制御装置の出力軸回転数推定部の動作を説明するためのフローチャートである。 第6の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の作用を説明するためのグラフであり、(a)は、緩やかな減速を伴う入力軸及び出力軸の回転速度、(b)は、第1の実施の形態に係る加減速時制御の際の相対回転位置推定値、(c)は、第6の実施の形態に係る加減速時制御の際の相対回転位置推定値をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 図23(c)に示した第6の実施の形態に係る加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、図4に示したような入力軸回転数及び出力軸回転数の両方の検出値を使用した場合の演算装置の具体例を示している。 図23(c)に示した第6の実施の形態に係る加減速時制御装置の演算装置の別の構成を示す制御ブロック図であり、図5に示したような入力軸回転数からの推定値を使用した場合の演算装置の具体例を示している。 図24及び図25に示した第6の実施の形態に係る演算装置の制御部の動作を説明するためのフローチャートである。 第7の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の作用を説明するためのグラフであり、(a)は、緩やかな減速を伴う入力軸及び出力軸の回転速度、(b)は、第1の実施の形態に係る加減速時制御の際の相対回転位置推定値、(c)は、第7の実施の形態に係る加減速時制御の際の相対回転位置推定値をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 図27(c)に示した第7の実施の形態に係る加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、図4に示したような入力軸回転数及び出力軸回転数の両方の検出値を使用した場合の演算装置の具体例を示している。 図27(c)に示した第7の実施の形態に係る加減速時制御装置の演算装置の別の構成を示す制御ブロック図であり、図5に示したような入力軸回転数からの推定値を使用した場合の演算装置の具体例を示している。 図28及び図29に示した第7の実施の形態に係る演算装置の制御部の動作を説明するためのフローチャートである。 本願発明に係る車両の加減速時制御装置を、駆動源として強制点火式の内燃機関を搭載した車両に適用した場合の第8乃至第11の実施の形態を示すブロック図である。 第8の実施の形態に係る加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、図4に示したような入力軸回転数及び出力軸回転数の両方の検出値を使用した場合の演算装置の具体例を示している。 図32に示した第8の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の作用を説明するためのグラフであり、(a)は、ニュートラルを介したギヤの変速があったときの入力軸及び出力軸の回転速度、(b)は、相対回転位置推定値をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 図32に示した第8の実施の形態に係る演算装置の指令値出力ON/OFF部の動作を説明するためのフローチャートである。 第9の実施の形態に係る加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、第8の実施の形態の構成を、図5に示したような入力軸回転数からの推定値を使用した場合の演算装置に適用した例を示している。 第10の実施の形態に係る加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、図4に示したような入力軸回転数及び出力軸回転数の両方の検出値を使用した場合の演算装置の具体例を示している。 図36に示した第10の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の作用を説明するためのグラフであり、(a)は、クラッチのON/OFF状態、(b)は、クラッチが切られている状態での入力軸及び出力軸の回転速度、(c)は、相対回転位置推定値をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 図36に示した第10の実施の形態に係る演算装置の指令値出力ON/OFF部の動作を説明するためのフローチャートである。 第11の実施の形態に係る加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、第10の実施の形態の構成を、図5に示したような入力軸回転数からの推定値を使用した場合の演算装置に適用した例を示している。 第12の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の制御部の構成を示す制御ブロック図であり、制御部内にシミュレーションモデルを持たせている。 図40に示した制御部内のシミュレーションモデルの具体的な構成例を示す制御ブロック図である。 図41に示したシミュレーションモデル内の駆動源トルク演算モデルの具体的な構成例を示す制御ブロック図である。 第13の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置が適用される車両のサスペンション機構を示す模式図であり、ここでは、オフロード二輪車のモノサスペンション機構を例として示してある。 第13の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の概念的構成を示すブロック図である。 第14の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の作用を説明するためのグラフであり、(a)は、通常の減速から加速へと入力軸回転数を転じさせたときの入力軸及び出力軸の回転速度、(b)は、相対回転位置推定値をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 第14の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の作用を説明するためのグラフであり、(a)は、半クラッチ操作をしながら減速から加速へと入力軸回転数を転じさせたときの入力軸及び出力軸の回転速度、(b)は、相対回転位置推定値をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 第14の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、図4に示したような入力軸回転数及び出力軸回転数の両方の検出値を使用した場合の演算装置の具体例を示している。 図47に示した第14の実施の形態に係る演算装置の指令値出力ON/OFF部の動作を説明するためのフローチャートである。 第15の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、第14の実施の形態の構成を、図5に示したような入力軸回転数からの推定値を使用した場合の演算装置に適用した例を示している。 第16の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の作用を説明するためのグラフであり、減速から加速へと入力軸回転数を転じさせたときにセンサ異常があった場合の入力軸及び出力軸の回転速度を示し、横軸には時間をとってある。 第16の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、図4に示したような入力軸回転数及び出力軸回転数の両方の検出値を使用した場合の演算装置の具体例を示している。 図51に示した第16の実施の形態に係る演算装置の指令値出力ON/OFF部の動作を説明するためのフローチャートである。 第17の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、第16の実施の形態の構成を、図5に示したような入力軸回転数からの推定値を使用した場合の演算装置に適用した例を示している。 第18の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の作用を説明するためのグラフであり、減速から加速へと入力軸回転数を転じさせたときにセンサ異常があった場合の入力軸及び出力軸の回転速度を示し、横軸には時間をとってある。 第18の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、図4に示したような入力軸回転数及び出力軸回転数の両方の検出値を使用した場合の演算装置の具体例を示している。 図55に示した第18の実施の形態に係る演算装置の指令値出力ON/OFF部の動作を説明するためのフローチャートである。 第19の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、第18の実施の形態の構成を、図5に示したような入力軸回転数からの推定値を使用した場合の演算装置に適用した例を示している。 第20の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の作用を説明するためのグラフであり、(a)は、クラッチ操作を伴って減速から加速へと入力軸回転数を転じさせたときの入力軸及び出力軸の回転速度、(b)は、入力軸の回転加速度をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 第20の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、図4に示したような入力軸回転数及び出力軸回転数の両方の検出値を使用した場合の演算装置の具体例を示している。 図59に示した第20の実施の形態に係る演算装置の指令値出力ON/OFF部の動作を説明するためのフローチャートである。 第21の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の作用を説明するためのグラフであり、(a)は、クラッチ操作を伴って減速から加速へと入力軸回転数を転じさせたときの入力軸及び出力軸の回転速度、(b)は、相対回転加速度をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 第21の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、図4に示したような入力軸回転数及び出力軸回転数の両方の検出値を使用した場合の演算装置の具体例を示している。 図62に示した第21の実施の形態に係る演算装置の指令値出力ON/OFF部の動作を説明するためのフローチャートである。 第22の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、第20及び第21の実施の形態の構成を、図5に示したような入力軸回転数からの推定値を使用した場合の演算装置に適用した例を示している。 第23の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の作用を説明するためのグラフであり、(a)は、車両の発進時のクラッチのON/OFF状態、(b)は、指令値出力ON/OFF部内に記憶された第1サブ制御フラグのON/OFF状態、(c)は、相対回転速度が所定値よりも小さいか否か、(d)は、指令値出力ON/OFF部内に記憶された第2サブ制御フラグのON/OFF状態、及び(e)は、指令値出力ON/OFF部内に記憶されたメイン制御フラグのON/OFF状態をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 第23の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、図4に示したような入力軸回転数及び出力軸回転数の両方の検出値を使用した場合の演算装置の具体例を示している。 図66に示した第23の実施の形態に係る演算装置の指令値出力ON/OFF部の動作を説明するためのフローチャートである。 図66に示した第23の実施の形態に係る演算装置の指令値出力ON/OFF部の動作を説明するためのフローチャートである。 図66に示した第23の実施の形態に係る演算装置の指令値出力ON/OFF部の動作を説明するためのフローチャートである。 第24の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、第23の実施の形態の構成を、図5に示したような入力軸回転数からの推定値を使用した場合の演算装置に適用した例を示している。 第25の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の作用を説明するためのグラフであり、(a)は、車両の発進時のクラッチのON/OFF状態、(b)は、指令値出力ON/OFF部内に記憶されたサブ制御フラグのON/OFF状態、(c)は、相対回転速度が所定値よりも小さいか否か、及び(d)は、指令値出力ON/OFF部内に記憶されたメイン制御フラグのON/OFF状態をそれぞれ示し、横軸には共通した時間をとってある。 第25の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、図4に示したような入力軸回転数及び出力軸回転数の両方の検出値を使用した場合の演算装置の具体例を示している。 図72に示した第25の実施の形態に係る演算装置の指令値出力ON/OFF部の動作を説明するためのフローチャートである。 図72に示した第25の実施の形態に係る演算装置の指令値出力ON/OFF部の動作を説明するためのフローチャートである。 第26の実施の形態に係る車両の加減速時制御装置の演算装置の構成を示す制御ブロック図であり、第25の実施の形態の構成を、図5に示したような入力軸回転数からの推定値を使用した場合の演算装置に適用した例を示している。
符号の説明
10 駆動源
10a 内燃機関
10b 電動モータ
20 動力伝達系
30 車輪
40 入力軸及び/又は出力軸センサ
50 演算装置
51 相対回転速度演算部
51a 差分器
52 相対回転位置推定部
52a (リミット付)積分器
53,53a 制御部
53A 制御ロジック
53B マップ
53C 最適化ロジック
54 ローパスフィルタ
54a,54b,54c,54d 出力軸回転数推定部
55a,55b,55c,55d,55e,55f,55g,55h,55i 指令値出力ON/OFF部
56,56b 分岐部
60 加減速手段
71 駆動源トルク演算モデル
72 イナーシャ
73,74 積分器
90,90B 車両
91 モノサスペンションユニット
100 ピストン
101 コンロッド
102 クランクピン
103a クランク軸
103b モータ出力軸
104 吸気通路
105 排気通路
110a スロットル
110b ポテンショメータ
200A 入力軸
200B 出力軸
201 一次減速機
202 クラッチ
203 変速機
204 メインシャフト(入力軸)
205〜210,212〜217 変速ギヤ
211 ドライブシャフト(出力軸)
218 ドライブスプロケット
219 チェーン
220 ドリブンスプロケット
221 ドッグクラッチ
221a ドッグ
221b ドッグ穴
221c,221d ドッグ穴端部
301 カップリングダンパ
302 タイヤ
401 入力軸センサ
402 出力軸センサ
403 スロットル開度センサ
404 入力軸センサ
405 出力軸センサ
406 ギヤポジションセンサ
407 クラッチスイッチ
531 シミュレーションモデル
532 減速/加速指令値パターン
533 相対回転速度パターン
534 相対回転位置パターン
540B リセットタイマ
541 フラグ(相対回転位置推定値)
542a 最小値記憶領域
542b 最大値記憶領域
543 時間記憶領域(所定時間T)
551 ONタイマ(所定時間T2)
551b 第1ONタイマ(所定時間T5)
551c 第2ONタイマ(所定時間T6)
551d 第3ONタイマ(所定時間T7)
552 OFFタイマ(所定時間T3)
552b OFFタイマ(所定時間T4)
553 制御フラグ
553A 第1サブ制御フラグ
553B 第2サブ制御フラグ
553C メイン制御フラグ
553D サブ制御フラグ
561 リセットタイマ
562 時間記憶領域(所定時間T)
601 入力軸加減速装置
601a,602a 駆動装置
602 出力軸加減速装置
603a 点火プラグ
603b 駆動装置
710 エンジンモデル
910 クッションユニット
911 スイングアーム
912 クッションレバー
912a 水平軸
912b 水平軸
912c 水平軸
913 リンクアーム
914 ドライブスプロケット
914a ドライブシャフト
916 ドリブンスプロケット
916a 水平軸
918 チェーン
919a 水平軸
E 内燃機関
R 動力伝達経路
S1 駆動源非制御対象部位
S2 制御対象部位
S3 車輪非制御対象部位
S チェーンのたるみ
X サスペンション変位

Claims (44)

  1. 駆動源から車輪への動力伝達経路中の動力伝達部材間の遊びが前記駆動源又は前記車輪の加速又は減速の際に無くなるときの前記動力伝達部材間の接触速度及び伝達トルクのうちの少なくとも一方を低減する方法であって、
    前記動力伝達経路のうちの前記接触速度及び伝達トルクのうちの少なくとも一方を低減すべき対象部位の入力軸の回転数に関する情報を検出し、
    検出された前記入力軸の回転数に関する情報に基づいて前記対象部位の入力軸及び出力軸の相対回転位置を演算し、
    演算された相対回転位置に基づいて、前記動力伝達部材間の接触速度及び伝達トルクのうちの少なくとも一方が小さくなるように、前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方を加速又は減速する
    ことを特徴とする車両の加減速時制御方法。
  2. 駆動源から車輪への動力伝達経路中の動力伝達部材間の遊びが前記駆動源又は前記車輪の加速又は減速の際に無くなるときの前記動力伝達部材間の接触速度及び伝達トルクのうちの少なくとも一方を低減する装置であって、
    前記動力伝達経路のうちの前記接触速度及び伝達トルクのうちの少なくとも一方を低減すべき対象部位の入力軸の回転数に関する情報を検出する入力軸センサと、
    該入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転数に関する情報に基づいて前記対象部位の入力軸及び出力軸の相対回転位置を演算する相対回転位置演算手段と、
    該相対回転位置演算手段により演算された相対回転位置に基づいて、前記動力伝達部材間の接触速度及び伝達トルクのうちの少なくとも一方が小さくなるように、前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方を加速又は減速する加減速手段と
    を備えることを特徴とする車両の加減速時制御装置。
  3. 前記対象部位の出力軸の回転数に関する情報を検出する出力軸センサをさらに備え、
    前記相対回転位置演算手段が、前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転数に関する情報と、前記出力軸センサにより検出された前記出力軸の回転数に関する情報とに基づいて、前記対象部位の入力軸及び出力軸の相対回転位置を演算する
    ことを特徴とする請求項2記載の車両の加減速時制御装置。
  4. 前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転数に関する情報に基づいて、前記出力軸の回転数に関する情報を推定する出力軸推定手段をさらに備え、
    前記相対回転位置演算手段が、前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転数に関する情報と、前記出力軸推定手段により推定された前記出力軸の回転数に関する情報とに基づいて、前記対象部位の入力軸及び出力軸の相対回転位置を演算する
    ことを特徴とする請求項2記載の車両の加減速時制御装置。
  5. 前記出力軸推定手段が、時定数の大きいローパスフィルタであることを特徴とする請求項4記載の車両の加減速時制御装置。
  6. 前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転数に関する情報に基づいて前記入力軸及び前記出力軸の相対回転速度を演算する相対回転速度演算手段をさらに備え、
    前記加減速手段が、前記相対回転速度演算手段により演算された相対回転速度と、前記相対回転位置演算手段により演算された相対回転位置とに基づいて、前記動力伝達部材間の接触速度及び伝達トルクのうちの少なくとも一方が小さくなるように、前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方を加速又は減速する
    ことを特徴とする請求項2記載の車両の加減速時制御装置。
  7. 前記相対回転速度演算手段が、差分器であることを特徴とする請求項6記載の車両の加減速時制御装置。
  8. 前記相対回転位置演算手段が、積分器又はリミット付きの積分器であることを特徴とする請求項2記載の車両の加減速時制御装置。
  9. 前記駆動源が、強制点火式の内燃機関であり、前記加減速手段が、点火時期を遅角/進角することにより、前記入力軸を加速又は減速することを特徴とする請求項2記載の車両の加減速時制御装置。
  10. 前記駆動源が、電動モータであり、前記加減速手段が、前記電動モータへの供給電流を増減することにより、前記入力軸を加速又は減速することを特徴とする請求項2記載の車両の加減速時制御装置。
  11. 前記加減速手段が、前記入力軸及び/又は前記出力軸に連結された加減速装置を具備することを特徴とする請求項2記載の車両の加減速時制御装置。
  12. 前記加減速手段が、減速又は加速を開始する時期と、減速量又は加速量及び減速又は加速を終了する時期の少なくとも一方とを前記加減速装置に指示を出力する制御手段をさらに具備することを特徴とする請求項11記載の車両の加減速時制御装置。
  13. 前記制御手段が、前記相対回転位置演算手段により演算された相対回転位置に基づいて、減速又は加速を開始する時期を演算することを特徴とする請求項12記載の車両の加減速時制御装置。
  14. 前記制御手段が、前記入力軸及び前記出力軸の相対回転位置、前記入力軸及び/又は前記出力軸の回転数又はその増減率、前記入力軸及び前記出力軸の回転数差又はその増減率、並びに前記駆動源の出力を調節するスロットルの開度又はその増減率のうちの少なくとも1つに基づいて、減速量又は加速量及び減速又は加速を終了する時期のうちの少なくとも一方を演算することを特徴とする請求項12記載の車両の加減速時制御装置。
  15. 前記出力軸推定手段は、前記動力伝達部材間の遊びが前記車両の減速側又は加速側に移行中である間は、前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転数を記憶し、記憶した前記入力軸の回転数を前記出力軸の回転数として推定することを特徴とする請求項4記載の車両の加減速時制御装置。
  16. 前記出力軸推定手段が、前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転数を記憶し、
    ある時点の入力軸回転数が過去に記憶した最小値よりも大きく、且つ、前記相対回転位置演算手段により演算された相対回転位置に基づいて、前記車両の加速側に前記動力伝達部材間の遊びが無くなった状態でない場合に、記憶している最小値を保持し、そうでない場合には、前記ある時点の入力軸回転数を新たに最小値として記憶し、
    ある時点の入力軸回転数が過去に記憶した最大値よりも小さく、且つ、前記相対回転位置演算手段により演算された相対回転位置に基づいて、前記車両の減速側に前記動力伝達部材間の遊びが無くなった状態でない場合に、記憶している最大値を保持し、そうでない場合には、前記ある時点の入力軸回転数を新たに最大値として記憶し、
    前記相対回転位置演算手段により演算された相対回転位置に基づいて、前記動力伝達部材間の遊びが前記車両の加速側に移行中である間は、前記最小値を前記出力軸の回転数として推定し、
    前記相対回転位置演算手段により演算された相対回転位置に基づいて、前記動力伝達部材間の遊びが前記車両の減速側に移行中である間は、前記最大値を前記出力軸の回転数として推定する
    ことを特徴とする請求項4記載の車両の加減速時制御装置。
  17. 前記出力軸推定手段が、前記相対回転位置演算手段により演算された相対回転位置に基づいて、前記車両の加速側又は減速側に前記動力伝達部材間の遊びが無くなった状態となった場合に、前記最小値又は前記最大値の保持を解除することを特徴とする請求項16記載の車両の加減速時制御装置。
  18. 前記出力軸推定手段が、前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転数を記憶し、
    ある時点の入力軸回転数が過去に記憶した最小値よりも大きく、且つ、前記相対回転位置演算手段により演算された相対回転位置に基づいて、前記車両の加速側に前記動力伝達部材間の遊びが無くなった状態でない場合に、記憶している最小値を保持し、そうでない場合には、前記ある時点の入力軸回転数を新たに最小値として記憶し、
    前記最小値を前記出力軸の回転数として推定し、
    前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転の減速が所定時間継続したときに、前記相対回転位置演算手段により演算される相対回転位置が、前記車両の減速側に前記動力伝達部材間の遊びが無くなった状態になったと推定する
    ことを特徴とする請求項4記載の車両の加減速時制御装置。
  19. 前記出力軸推定手段が、前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転数を記憶し、
    ある時点の入力軸回転数が過去に記憶した最大値よりも小さく、且つ、前記相対回転位置演算手段により演算された相対回転位置に基づいて、前記車両の減速側に前記動力伝達部材間の遊びが無くなった状態でない場合に、記憶している最大値を保持し、そうでない場合には、前記ある時点の入力軸回転数を新たに最大値として記憶し、
    前記最大値を前記出力軸の回転数として推定し、
    前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転の加速が所定時間継続したときに、前記相対回転位置演算手段により演算される相対回転位置が、前記車両の加速側に前記動力伝達部材間の遊びが無くなった状態になったと推定する
    ことを特徴とする請求項4記載の車両の加減速時制御装置。
  20. 前記加減速手段は、前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転数に関する情報に基づいて、前記入力軸及び前記出力軸の相対回転速度が所定値以内となったときに、又は、前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転の減速又は加速が所定時間継続したときに、前記相対回転位置演算手段により演算される相対回転位置が、前記車両の加速側又は減速側に前記動力伝達部材間の遊びが無くなった状態になったと推定することを特徴とする請求項2記載の車両の加減速時制御装置。
  21. 前記入力軸と前記出力軸との間に配設され、前記動力伝達経路を係断する経路係断手段と、
    該経路係断手段により前記動力伝達経路が繋げられている状態でないときに、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を制限する加減速調整手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の車両の加減速時制御装置。
  22. 前記経路係断手段は、変速装置又はクラッチを具備していることを特徴とする請求項21記載の車両の加減速時制御装置。
  23. 前記対象部位に含まれた変速装置がニュートラル位置にあることを検出するニュートラル検出手段と、
    前記ニュートラル検出手段による検出結果と、前記相対回転速度演算手段により演算された相対回転速度とに基づいて、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を許可又は制限する加減速調整手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項6記載の車両の加減速時制御装置。
  24. 前記加減速調整手段は、前記ニュートラル検出手段により前記変速手段がニュートラル位置にあることが検出された場合に、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を制限することを特徴とする請求項23記載の車両の加減速時制御装置。
  25. 前記加減速調整手段は、前記ニュートラル検出手段により前記変速手段がニュートラル位置にあることが検出され、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を制限した後で、前記相対回転速度演算手段により演算された相対回転速度が所定値以下となった状態が所定時間継続したときに、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を許可することを特徴とする請求項24記載の車両の加減速時制御装置。
  26. 前記加減速調整手段は、
    前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速が開始されてから所定時間は、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を許可することを特徴とする請求項24記載の車両の加減速時制御装置。
  27. 前記加減速調整手段は、制御フラグを具備し、
    該制御フラグがON状態のときに、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を許可する一方、前記制御フラグがOFF状態のときに、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を制限し、
    前記ニュートラル検出手段により前記変速手段がニュートラル位置にあることが検出された場合には、前記制御フラグをOFF状態にし、前記相対回転速度演算手段により演算された相対回転速度が所定値以下となった状態が第1の所定時間継続したときに、前記制御フラグをON状態にする一方、
    前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速が開始されたときに前記制御フラグをON状態にし、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速が第2の所定時間継続したときに、前記制御フラグをOFF状態にする
    ことを特徴とする請求項23記載の車両の加減速時制御装置。
  28. 前記入力軸と前記出力軸との間に配設され、前記動力伝達経路を係断するクラッチの係断状態を検出するクラッチ係断検出手段と、
    前記クラッチ係断検出手段により前記クラッチが繋げられている状態が検出されている場合に、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を許可する一方、前記クラッチ係断検出手段により前記クラッチが切られている状態が検出されている場合に、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を制限する加減速調整手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の車両の加減速時制御装置。
  29. 前記加減速手段は、
    前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方を加速又は減速する時系列的なパターンを記憶する減速/加速指令値パターン記憶部と、
    前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転数に関する情報と、前記相対回転位置演算手段により演算された相対回転位置とに基づいて、前記減速/加速指令値パターン記憶部を参照し、その時点以後に対応する前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方を加速又は減速する量を演算する減速/加速指令値演算部と
    を具備し、
    前記減速/加速指令値演算部により演算された加速又は減速する量に基づいて、前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方を加速又は減速する
    ことを特徴とする請求項2記載の車両の加減速時制御装置。
  30. 前記減速/加速指令値演算部は、
    前記入力軸の回転数に関する情報の時系列的なパターンを記憶する回転速度パターン記憶部と、
    前記相対回転位置の時系列的なパターンを記憶する相対回転位置パターン記憶部と、
    前記車両の構成に応じたシミュレーションモデルと
    をさらに具備し、
    前記減速/加速指令値パターン記憶部に記憶されたパターンに基づいて、対応する時点の回転数に関する情報と相対回転位置とを演算し、
    演算した前記回転数に関する情報と相対回転位置とが前記回転速度パターン記憶部と前記相対回転位置パターン記憶部とに記憶されたパターンにそれぞれ近づくように、前記減速/加速指令値パターン記憶部に記憶されたパターンを最適化する
    ことを特徴とする請求項29記載の車両の加減速時制御装置。
  31. リミット付きの積分器を具備する前記相対回転位置演算手段により演算された相対回転位置が前記積分器の積分リミットに至ったときに、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を制限する加減速調整手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項6記載の車両の加減速時制御装置。
  32. 前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転数に基づいて、前記入力軸の回転加速度を演算する入力軸回転加速度演算手段と、
    前記相対回転速度演算手段により演算された相対回転速度に基づいて、相対回転加速度を演算する相対回転加速度演算手段と、
    前記相対回転速度演算手段により演算された相対回転速度、前記入力軸回転加速度演算手段により演算された前記入力軸の回転加速度、又は、前記相対回転加速度演算手段により演算された相対回転加速度が所定値を超えたときに、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を制限する加減速調整手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項6記載の車両の加減速時制御装置。
  33. 前記相対回転速度演算手段により演算された相対回転速度が所定値を超えた状態が所定時間継続したときに、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を制限する加減速調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項6記載の車両の加減速時制御装置。
  34. 前記加減速調整手段は、前記クラッチ係断検出手段により前記クラッチが繋げられたことを検出してから所定時間を経過するまでは、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を制限することを特徴とする請求項28記載の車両の加減速時制御装置。
  35. 前記加減速調整手段は、前記所定時間を、車速に応じて変化させることを特徴とする請求項34記載の車両の加減速時制御装置。
  36. 前記加減速調整手段は、前記クラッチ係断検出手段により前記クラッチが繋げられたことを検出してから第3の所定時間を経過したことと、前記相対回転速度演算手段により演算された相対回転速度が所定値よりも小さくなってから第4の所定時間を経過したこととの両方の条件が揃ったときに、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を許可することを特徴とする請求項28記載の車両の加減速時制御装置。
  37. 前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転数に関する情報に基づいて前記入力軸及び前記出力軸の相対回転速度を演算する相対回転速度演算手段をさらに備え、
    前記加減速調整手段は、第1サブ制御フラグと、第2サブ制御フラグと、メイン制御フラグとを具備し、
    該メイン制御フラグがON状態のときに、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を許可する一方、前メイン制御フラグがOFF状態のときに、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を制限し、
    前記第1サブ制御フラグと前記第2サブ制御フラグとの両方がON状態のときに前記メイン制御フラグをON状態にする一方、いずれか一方でもOFF状態のときには前記メイン制御フラグをOFF状態にし、
    前記クラッチ係断検出手段により前記クラッチが繋げられたことを検出してから第3の所定時間を経過するまでは、前記第1サブ制御フラグをOFF状態にし、その後で、前記第1サブ制御フラグをON状態にし、
    前記相対回転速度演算手段により演算された相対回転速度が所定値よりも小さくなったときから第4の所定時間を経過するまでは、前記第2サブ制御フラグをOFF状態にし、その後で、前記第2サブ制御フラグをON状態にする
    ことを特徴とする請求項28記載の車両の加減速時制御装置。
  38. 前記加減速調整手段は、前記クラッチ係断検出手段により前記クラッチが繋げられたことを検出してから第3の所定時間を経過した後、前記相対回転速度演算手段により演算された相対回転速度が所定値よりも小さくなってから第4の所定時間を経過したときに、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を許可することを特徴とする請求項28記載の車両の加減速時制御装置。
  39. 前記入力軸センサにより検出された前記入力軸の回転数に関する情報に基づいて前記入力軸及び前記出力軸の相対回転速度を演算する相対回転速度演算手段をさらに備え、
    前記加減速調整手段は、サブ制御フラグと、メイン制御フラグとを具備し、
    前記クラッチ係断検出手段により前記クラッチが繋げられたことを検出してから第5の所定時間を経過するまでは、前記サブ制御フラグをOFF状態にし、その後で、前記サブ制御フラグをON状態にし、
    前記サブ制御フラグがON状態になったときに前記相対回転速度演算手段により演算された相対回転速度が所定値よりも小さくなっていれば、その時点から第6の所定時間を経過するまでは、前記メイン制御フラグをOFF状態にし、その後で、前記メイン制御フラグをON状態にし、
    前記メイン制御フラグがON状態のときに、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を許可する一方、前メイン制御フラグがOFF状態のときに、前記加減速手段による前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の加速又は減速を制限する
    ことを特徴とする請求項28記載の車両の加減速時制御装置。
  40. サスペンションの変位を検出するサスペンション変位センサと、
    該サスペンション変位センサにより検出されたサスペンションの変位に基づいて駆動輪を駆動するチェーン又はベルトのたるみを演算するたるみ演算手段と
    をさらに備え、
    前記加減速手段は、前記相対回転位置演算手段により演算された相対回転位置と、前記たるみ演算手段により演算されたチェーン又はベルトのたるみに基づいて、前記動力伝達部材間の接触速度及び伝達トルクのうちの少なくとも一方が小さくなるように、前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方を加速又は減速する
    ことを特徴とする請求項2記載の車両の加減速時制御装置。
  41. 前記駆動源は、内燃機関であり、
    前記入力軸センサは、前記内燃機関のクランクシャフトの回転数に関する情報を検出し、
    前記出力軸センサは、前記対象部位に含まれた変速装置のドライブシャフトの回転数に関する情報を検出する
    ことを特徴とする請求項3記載の車両の加減速時制御装置。
  42. 前記出力軸センサは、車両の駆動輪の回転数に関する情報を検出することを特徴とする請求項3記載の車両の加減速時制御装置。
  43. 前記出力軸センサは、車両の駆動輪のドリブンスプロケットの回転数に関する情報を検出することを特徴とする請求項3記載の車両の加減速時制御装置。
  44. 上記請求項2乃至43の何れかに記載の加減速時制御装置を備えることを特徴とする車両。
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