JP2003184594A - エンジンと自動変速機との統合制御装置 - Google Patents

エンジンと自動変速機との統合制御装置

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JP2003184594A
JP2003184594A JP2001385185A JP2001385185A JP2003184594A JP 2003184594 A JP2003184594 A JP 2003184594A JP 2001385185 A JP2001385185 A JP 2001385185A JP 2001385185 A JP2001385185 A JP 2001385185A JP 2003184594 A JP2003184594 A JP 2003184594A
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automatic transmission
upshift
torque
power
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JP2001385185A
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Eiji Moriyama
英二 森山
Masahiro Hamano
正宏 濱野
Kenjirou Hatayama
健二郎 幡山
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行状態や運転状態に応じて適切にエンジン
トルクを抑制できるようにする。 【解決手段】 自動変速機4の変速中にエンジントルク
制御を実行可能なエンジン2と自動変速機4との統合制
御装置において、自動変速機4で実施されるアップシフ
トが、パワーオンアップシフトであるのか、パワーオフ
アップシフトであるのかを判定するアップシフト判定手
段21と、アクセルペダルの踏み込み量に応じてエンジ
ントルクを制御可能なトルク制御手段14とを有し、ト
ルク制御手段14は、アップシフト時にエンジントルク
の抑制制御を実施するとともに、トルク抑制制御が、パ
ワーオンアップシフトとパワーオフアップシフトとで異
なるように設定されているように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと自動変
速機との統合制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動変速機による変速の際、
締結(係合)制御される摩擦係合要素の締結制御中にお
けるガタ詰め制御中(つまり、変速開始から係合要素の
係合開始までの間)にエンジン出力が増大すると変速シ
ョックやエンジン空吹けが生じるといった課題があっ
た。このような課題を解決するため、例えば特許第31
91553号公報において開示された技術によれば、変
速開始から摩擦係合要素の係合開始までの間にスロット
ルが踏み込まれても、エンジントルクを変速開始時のエ
ンジントルク以下に抑制制御することが開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動変速機
によるアップシフトには、大別してパワーオンアップシ
フトとパワーオフアップシフトとがある。ここで、パワ
ーオンアップシフトとはアクセルペダルが踏み込まれた
状態で自動変速機がアップシフトを行なうことを指し、
一方、パワーオフアップシフトとはアクセルペダルの踏
み込みが解除されている状態で自動変速機がアップシフ
トを行なうことを指している。
【0004】上述した特許第3191553号公報に開
示された技術によれば、パワーオフアップシフト(足離
しアップシフト時)において、変速開始から係合要素の
係合開始までの間にエンジン出力が増大(アクセルペダ
ル再踏み込み)が実行されると、変速ショックやエンジ
ン空吹けが生じてしまうことを防止すべく、アクセルペ
ダル再踏み込みによるエンジントルクの増大を防止する
ようにエンジントルク抑制をする制御技術が開示されて
いる。具体的には、パワーオフアップシフトによる変速
開始から係合要素の係合開始までの間、エンジントルク
をアップシフト動作開始時のエンジントルク値以下に抑
制しているのである。
【0005】しかしながら、この特許第3191553
号公報において開示された技術では、再度アクセルペダ
ルが踏み込まれたときに車両の加速応答性が悪くなって
しまうという課題がある。また、上述のように自動変速
機によるアップシフト動作は、パワーオンアップシフト
とパワーオフアップシフトの2種類があるため、どちら
の変速動作中においてもエンジントルクを適切に制御す
る必要もある。
【0006】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、走行状態や運転状態に応じて適切にエンジン
トルクを抑制できるようにした、エンジンと自動変速機
との統合制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のエンジンと自動変速機との統合制御装置は、
自動変速機の変速中にエンジントルク制御を実行可能
な、エンジンと自動変速機との統合制御装置において、
上記自動変速機で実施されるアップシフトが、パワーオ
ンアップシフトであるのかパワーオフアップシフトであ
るのかを判定するアップシフト判定手段と、アクセルペ
ダルの踏み込み量(アクセルペダル開度)に応じてエン
ジントルクを制御可能なトルク制御手段とを有し、該ト
ルク制御手段は、該アップシフト時に該エンジントルク
の抑制制御を実施するとともに、該トルク抑制制御が、
該パワーオンアップシフトと該パワーオフアップシフト
とで異なるように設定されていることを特徴としてい
る。
【0008】これにより、変速がパワーオンアップシフ
トの場合でも、パワーオフアップシフトの場合でも適切
にエンジントルクを制御することが出来る。また、該ト
ルク制御手段は、該アップシフトがパワーオンアップシ
フトである場合には該エンジントルクを変速開始時の値
に制限し、パワーオフアップシフトである場合には、該
エンジントルクを変速開始時の値よりも大きい所定値に
制限するように構成しても良い(請求項2)。
【0009】これにより、自動変速機による変速制御中
にアクセルペダルの踏み込み量が増大した場合でも、変
速ショックがエンジン空吹けなどを低減させることが出
来るとともに、加速応答性の低下を抑制できる。また、
該自動変速機で実施されるアップシフト時に係合される
摩擦係合要素の係合状態を検出する係合状態検出手段を
そなえ、該トルク制御手段は、該アップシフトが該パワ
ーオンアップシフトである場合には、上記係合状態検出
手段により摩擦係合要素の係合開始が判定されるまで上
記トルク抑制制御を実施するとともに、該係合開始後に
上記エンジントルク抑制制御の中止処理を行なうように
構成しても良い(請求項3)。
【0010】これにより、パワーオンアップシフト時に
おけるエンジントルク抑制制御が必要以上に実施される
ことを抑制できる。また、該自動変速機の該エンジンに
よる駆動状態を判定または予測する駆動状態判定手段を
そなえ、該エンジントルク制御手段は、該駆動状態判定
手段により該自動変速機の該エンジンにより駆動されな
い被駆動状態が判定又は予測されると該トルク抑制制御
を開始するとともに、該駆動状態判定手段により該自動
変速機の該エンジンにより駆動される駆動状態が判定さ
れると、上記トルク抑制制御の中止処理を行なうように
構成しても良い(請求項4)。
【0011】これにより、パワーオフアップシフト時に
おいて、的確な時期にエンジンのトルク抑制制御動作を
実施することが可能となり、また、自動変速機における
構成部材(主に歯車)のバックラッシュ、いわゆる、ガ
タ打ちショックを低減することが可能となる。また、該
トルク制御手段は、該アクセルペダル開度に応じて制御
されるエンジントルクに関する制御パラメータを所定値
に制限することにより、該トルク抑制制御を実行するよ
うに構成しても良い(請求項5)。
【0012】このように、エンジントルクに関する制御
パラメータ〔例えば目標Pe(目標正味平均有効圧)
値〕を所定値に制限することで、確実にエンジントルク
を抑制することが可能となる。また、該トルク制御手段
は、エンジントルク抑制制御の中止処理を行なう場合に
はテーリング処理を実施するように構成するのが好まし
い。
【0013】この場合には、エンジントルクの急激な増
加による唐突感を回避することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の一実
施形態にかかるエンジンと自動変速機との統合制御装置
について説明する。図1〜図7は本発明の一実施形態と
してのエンジンと自動変速機との統合制御装置を示すも
ので、図1はその要部機能に着目したブロック構成図、
図2及び図3はその動作を説明するためのタイムチャー
ト、図4はパワーオフアップシフトの変速動作について
説明するための図であってアップシフト線図の一例、図
5〜図7はそのトルク抑制制御動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【0015】図1に示すように、エンジン2にはトルク
コンバータ(流体伝動装置)3を介して自動変速機4が
接続され、エンジン2からの回転駆動力はトルクコンバ
ータ3を介して自動変速機4に伝達されるようになって
いる。また、自動変速機4内には、図示はしないが変速
機構が設けられている。更に、自動変速機4には、自動
変速機4を総合的に制御するための自動変速機制御部
(A/T−ECU)5が設けられ、エンジン2にはこの
エンジン2を制御するためのエンジン制御部(E/G−
ECU)6が設けられている。
【0016】この自動変速機制御部5は、図示しない入
出力装置,制御プログラムや制御マップ等の記憶に供さ
れる記憶装置(ROM,RAM,BURAM等),中央
演算装置(CPU)及びタイマカウンタなどをそなえて
構成されており、これの入力側には、各種のセンサやス
イッチ類が接続されている。これらのセンサやスイッチ
類とは、具体的には、エンジン2の回転速度Neを検出
するエンジン回転速度センサ(エンジン回転速度検出手
段)10,トルクコンバータ3におけるタービンランナ
(図示略)の回転速度Nt(即ち自動変速機4の入力軸
回転速度)を検出するタービン回転速度センサ9,アク
セルペダル操作量(アクセルペダル開度又はアクセルペ
ダル踏み込み量)θAccを検出するアクセルペダル開
度センサ8,ドライバにて選択されたシフトポジション
(例えば、Pレンジ,Rレンジ,Nレンジ及びDレンジ
等)を検出するためのシフトポジションセンサ7等であ
る。
【0017】なお、このエンジン2には、アクセルペダ
ル開度センサ8により検出されるアクセルペダル踏み込
み量に基づいてスロットル開度を制御する、いわゆるド
ライブバイワイヤシステムが適用されており、エンジン
のスロットルバルブ17には、このスロットルバルブの
開閉量を制御するスロットルアクチュエータとしてのス
ロットルモータ18が接続されるとともに、スロットル
バルブ17のスロットル開度θthを検出しエンジン制
御部6に通知するためのスロットル開度センサ19がそ
なえられている。
【0018】そして、自動変速機制御部5では、アクセ
ルペダル開度センサ8で検出されたアクセルペダル開度
θAcc及び車速センサ(図示略)で検出された車速V
sを用いて図示しない変速マップから目標変速段を設定
し、この目標変速段を達成すべく変速機構の係合要素
(クラッチ及びブレーキ等)の係合状態を切り換え、変
速制御を実行するようになっている。
【0019】また、図示するように、このエンジン2に
は、各種センサ類からの情報に基づいてエンジン2の運
転状態を制御するためのエンジン制御部(E/G−EC
U)6も設けられている。このエンジン制御部6は、自
動変速機制御部5と同様に、図示しない入出力装置,制
御マップや制御プログラムなどの記憶に供される記憶手
段(ROM,RAM等)16,中央処理装置(CPU;
図示略)等をそなえて構成されており、上述の自動変速
機制御部5とエンジン制御部6との間では相互に情報の
通信が行われるようになっている。
【0020】このような構成により、エンジン2と自動
変速機4との統合的な制御が実行されるようになってい
る。ところで、図1に示すように、上述の自動変速機制
御部5の内部には、駆動状態判定手段12,シフトポジ
ション判定手段13,係合状態判定手段20,アップシ
フト判定手段21が設けられており、また、上述のエン
ジン制御部6の内部には、エンジン(E/G)状態判定
手段11,トルク抑制手段14,中止処理手段15、記
憶手段16が設けられている。
【0021】以下、エンジン制御部6について簡単に説
明する。エンジン状態判定手段11は、主に、アクセル
ペダル開度センサ8からの情報θAcc等に基づき、エ
ンジン2がパワーOFF状態であるのかパワーON状態
であるのかを判定するものである。ここで、エンジン2
のパワーOFF/パワーON状態を、図示しないアイド
ルスイッチの出力信号に基づき判定することも出来る
が、このような構成とすると、アクセルペダル開度θA
ccが全閉でない減速状態においてもパワーON状態と
判定される可能性があるため、アイドルスイッチに代え
てエンジン負荷に基づき判定すれば適正に判定すること
が出来る。このエンジン負荷は、例えば、後述するエン
ジン回転速度Neやアクセルペダル開度θAccなどに
基づき設定される目標Pe(マップ値)で判別すること
が出来る。
【0022】そして、エンジン負荷(目標Pe)が所定
の負荷値より小さい領域にある場合にはパワーOFF状
態と判定され、エンジン負荷(目標Pe)が上記所定値
よりも大きい領域にある場合にはパワーON状態と判定
されるようになっており、エンジン負荷(目標Pe)が
所定値よりも小さい領域から上記所定値を越えて増加し
た場合に、エンジン2がパワーOFF状態からパワーO
N状態へ移行したと判定されるようになっている。な
お、このパワーOFF/パワーON状態の判定自体は公
知の技術であるので、その説明を省略する。
【0023】トルク抑制手段14は、エンジン状態判定
手段11や駆動状態判定手段12等からの様々な情報に
基づいて、エンジン2の出力トルクの上限を設定し、エ
ンジン出力トルクがこの上限出力トルクを上回らないよ
う、エンジン2にそなえられたスロットルバルブ17を
制御するものである。また、中止処理手段15は、トル
ク抑制制御手段14によって実行されるトルク抑制制御
を中止させるための処理(中止処理)を実行するための
ものである。
【0024】なお、上述したように、本実施形態ではド
ライブバイワイヤシステムが適用されており、上記スロ
ットルバルブ17は電子制御スロットルバルブ(ET
V)によって構成され、スロットルモータ18により、
開閉駆動されるようになっている。上述のように、出力
トルクを制御する場合、スロットルバルブ17の開度
(スロットル開度)θthを直接制限することも考えら
れるが、スロットル開度θthを設定する際に求められ
る筒内圧(平均有効圧)Peがエンジン出力トルクに良
好に比例していることがわかっているので、スロットル
開度θthを直接制限するよりも、この筒内圧Peが、
エンジン負荷あるいはエンジン出力トルクに対応した目
標筒内圧Pe(目標Pe)となるようにスロットル開度
θthを制御した方が好ましい。また、エンジン出力ト
ルクを制限する場合には、目標Peに対する上限値(目
標Peホールド値)を設定し、この目標Peホールド値
以上とならないように、スロットル開度θthを制御す
ればよい。
【0025】記憶手段16は、ROMやRAMなどの記
憶装置によって構成され、アクセルペダル開度θAcc
及びエンジン回転速度Neによって決定される目標Pe
マップ値,上述の目標Peホールド値,テーリングゲイ
ン(後述する)などの情報が記憶されている。次に自動
変速機制御部5について簡単に説明する。
【0026】駆動状態判定手段12は、エンジン回転速
度Neとタービン回転速度Ntとの偏差より自動変速機
4が駆動状態もしくは被駆動状態であるかを判断するも
のである。ここで、駆動状態とは、エンジン回転速度N
eがタービン回転速度Ntよりも大きい状態、すなわ
ち、エンジン2の回転駆動力により自動変速機4が駆動
されて駆動輪に駆動力が伝達されている状態を指す。一
方、被駆動状態とは、エンジン回転速度Neが、タービ
ン回転速度Ntよりも小さい状態、すなわち、図示しな
い駆動輪から自動変速機4を介して伝達される回転力に
よりエンジン2が駆動されて、エンジン2の回転駆動力
により自動変速機6が駆動されない、たとえばコースト
走行時(空走時)やエンジンブレーキ時に相当する状態
を指す。
【0027】また、シフトポジション判定手段13は、
シフトレバー(図示略)にそなえられたシフトポジショ
ンセンサ7からの情報SPによって、シフトレバーの位
置を判定するものである。係合状態判定手段20は、ソ
フトウェアなどによって構成され、タービン回転速度セ
ンサ9によって検出されたタービン回転速度Ntとエン
ジン回転速度センサ10によって検出されたエンジン回
転速度Neとに基づき、図示しない摩擦係合要素の摩擦
係合状態を判定するものである。本実施形態では、この
係合状態判定手段20は、変速前の変速段時のタービン
ランナの同期回転速度Ntiと実際のタービン回転速度
Ntとの偏差が所定値a以上となり、且つその時点から
所定時間α経過すると、所定の結合側摩擦係合要素の係
合が開始されたと判定するように構成する。なお、上記
係合開始の判定は、これに限定されることなく、上記偏
差が所定値a以上となった時点で判定してもよい。ま
た、エンジン回転速度Neとタービン回転速度Ntとの
偏差によって同様に判定してもよい。
【0028】アップシフト判定手段21は、自動変速機
4における変速動作がアップシフトであるか否かを判定
すると共に、この変速動作がアップシフトである場合に
はパワーオンアップシフトであるのかパワーオフアップ
シフトであるのかを判定するものである。なお、パワー
オンアップシフトとはアクセルペダルが踏み込まれた状
態で行われるアップシフトをいい、一方、パワーオフア
ップシフトとはアクセルペダルの踏み込みが解除された
状態で行われるアップシフトをいう。また、この「パワ
ーオンアップシフト」及び「パワーオフアップシフト」
における「パワーオン」、「パワーオフ」は、単にアク
セルペダルの踏み込みや、踏み込み解除を指すものであ
って、上述のエンジン状態判定手段11の説明で用いた
「パワーON」、「パワーOFF」とは異なるものであ
る。
【0029】ここで、自動変速機制御部5から自動変速
機に4にアップシフト指令が出力されると、この出力前
後のアクセルペダル開度θAccを検出することで、こ
の変速動作がパワーオンアップシフトであるのか、もし
くは、パワーオフアップシフトであるのかを判定するよ
うになっている。ここで、このトルク抑制手段14によ
るエンジントルクの抑制制御および中止処理手段15に
よる抑制制御の中止処理について、アップシフト動作が
パワーオンアップシフトである場合と、パワーオフアッ
プシフトである場合とに分けて説明する。 1.パワーオンアップシフト時におけるトルク抑制制御 まず、自動変速機4におけるアップシフトがパワーオン
アップシフトである場合のエンジントルク制御を図2
(a)〜(f)のタイムチャートを用いて説明する。
【0030】この図2は、2速段から3速段へのアップ
シフトにおける制御タイミングを示す図であり、(a)
はタービンランナの回転速度Ntを、(b)は解放側の
ソレノイド(解放側摩擦係合要素を駆動するソレノイ
ド;図示略)のデューティ率を、(c)は結合側のソレ
ノイド(結合側摩擦係合要素を駆動するソレノイド;図
示略)のデューティ率を、(d)はアクセルペダル開度
センサ8によって検出されるアクセルペダルの開度θA
ccを、(e)は目標Peを、(f)はPeホールド要
求信号を、それぞれ示している。
【0031】自動変速機制御部5は、アクセル開度θA
ccと車速とに基づき2速段から3速段への変速を決定
すると、まず、図2(c)に示すように結合側摩擦係合
要素のソレノイドのデューティ率を0%から100%ま
で上昇させるようになっている(時点t1)。各摩擦要
素には、それぞれ図示しないクラッチプレート(又はブ
レーキプレート)とクラッチディスク(又はブレーキデ
ィスク)との間にクリアランス(ガタ)があるため、結
合を行なうには、まず、このガタを詰める必要があり、
また、短時間で変速を達成するにはこのガタ詰めの動作
を速く行なう必要がある。そこで、制御開始(時点
1)とともにデューティ率を100%に設定して、結
合側摩擦係合要素にライン圧のATFを供給するように
なっているのである。
【0032】このデューティ率を100%に設定するこ
とによる結合側摩擦係合要素のガタ詰めは、所定のガタ
詰め時間tFだけ行なわれ、ガタ詰め時間tF経過後
(時点t3)は、所定のデューティ率DA1まで低下さ
せるようになっている。このようにガタ詰め完了前にデ
ューティ率を所定のデューティ率DA1まで低下させる
のは、解放側摩擦係合要素の解放が完了する前に結合側
摩擦係合要素が結合するとインターロック状態になって
しまい、ハンチングやショックの原因となるため、ある
程度ガタが詰められた後は付与する油圧を落として急激
な結合を防止するようにしているのである。
【0033】なお、図2(a)で示す、Nti,Ntj
はそれぞれ2速段時,3速段時のタービンランナの同期
回転速度である。以上のようにして2速段から3速段へ
のシフトアップが達成されるようになっているが、これ
は1速段から2速段へ、また、3速段から4速段へのシ
フトアップについても同様である。
【0034】ここで、t1における時点で上述のような
アップシフト制御が開始されると、図2(f)に示すよ
うに、第1Peホールド要求信号が自動変速機制御部5
からエンジン制御部6に対して送信される。この第1P
eホールド要求信号は、エンジン2の目標トルク(P
e)を制限するための信号であって、エンジン制御部6
がこの第1Peホールド要求信号を受信している期間中
には、トルク抑制手段14によるエンジン2のトルク抑
制制御が実行されるようになっている。そして、これに
よりドライバがアクセルペダルを踏み込んでもエンジン
2の目標Pe値が変速制御開始時点(時点t1)におけ
るエンジンの出力トルクに維持(抑制)されるようにな
っている。
【0035】また、上述のトルク抑制制御は下式を用い
て、目標Peを求めることにより実行されるようになっ
ている。 目標Pe=min{目標Peマップ値,第1目標Peホ
ールド値(上限Pe値)} つまり、トルク抑制手段14では、これらの目標Peマ
ップ値及び第1目標Peホールド値を比較して、このう
ちの小さい方の値を目標Peとして出力するようになっ
ている。したがって、目標Peマップ値が目標Peホー
ルド値を超えるような場合には、第1目標Peホールド
値が出力されることになり、これによりエンジントルク
の最大値が第1目標Peホールド値に抑制されるのであ
る。
【0036】ここで、目標Peマップ値は、エンジン制
御部6の記憶手段16に記憶されたマップに基づいて設
定されるPeであって、通常運転時はエンジンのトルク
がこの目標Peマップ値となるように運転される。ま
た、第1目標Peホールド値は、パワーオンアップシフ
トにおける変速制御が開始された時(即ち、時点t1
の目標Pe値に設定される値であってパワーオンアップ
シフト時においてエンジントルクを抑制するための上限
値である。
【0037】ところで、図2(d)は、変速開始時(t
1)より所定時間経過した後、アクセルペダルが踏み込
まれた(アクセルペダルON)場合を示している。この
場合、アクセルペダルONにともない、図2(e)に一
点鎖線で示すように目標Peマップ値も増加するが、こ
のアクセルペダルON時には図2(f)に示すように第
1Peホールド要求信号が自動変速機制御部5によって
送信されているため、図2(e)の実線で示すように目
標Peが第1目標Peホールド値に抑制される。なお、
図2(e)の一点鎖線はトルク抑制手段14によるトル
ク抑制制御が実行されない場合の目標Pe(目標Peマ
ップ値)を示しており、本来ならアクセルペダル開度θ
Accの増加に応じて設定される目標Peが、トルク制
御手段14によるトルク制御によって抑制されているこ
とを示している。
【0038】その後、図2(a)に示すように、結合側
摩擦係合要素の係合が開始されることによりタービン回
転速度Ntが低下し、2速段時のタービンランナの同期
回転速度Ntiと実際のタービン回転速度Ntとの偏差
(ΔN)が所定値a以上となった時点(t4)から所定
時間αが経過すると、中止処理手段15により上述のト
ルク抑制制御の中止処理が実行されるようになってい
る。
【0039】つまり、それまで抑制されていた目標Pe
を、前記トルク抑制制御が実行されなかった場合の本来
のPe、即ち、目標Peマップ値へ向けて、徐々に復帰
させるようになっているのである。なお、本実施形態で
はトルク抑制制御の中止処理として、このようにエンジ
ントルクを一定の勾配で徐々に上昇させるようになって
いる。以下、このような処理をテーリング処理という。
【0040】また、テーリング処理時には下式のように
して目標Peが設定される。 目標Pe=min{目標Peマップ値,目標Peテーリ
ング値} 目標Peテーリング値=目標Pe(n−1)+テーリン
グゲイン そして、このような処理を実行することにより、目標P
eマップ値に向けて徐々にトルクが上昇するのである。
なお、テーリングゲインは、変速段ごとに設定され記憶
手段16に記憶された所定値である。
【0041】また、上述のように、中止処理手段15に
よるトルク抑制制御の中止処理が、2速段時のタービン
ランナの同期回転速度Ntiと実際のタービン回転速度
Ntとの偏差ΔNが所定値a上回った瞬間(t4)では
なく、その後所定時間α経過後に実行されているのは、
確実に摩擦係合要素の係合開始を判定するためである。
【0042】このように、パワーオンアップシフト時に
は、変速制御開始から結合側摩擦係合要素の係合が開始
されるまで、エンジントルク抑制制御が実施され、この
トルク抑制制御によりエンジン出力トルクが変速開始時
のエンジン出力トルクに維持(抑制)されることにより、
自動変速機4での変速制御中(ガタ詰め中)にアクセルペ
ダルの踏み増し操作が行われても、エンジン出力トルク
の増大が防止されることとなり、エンジン出力トルク増
大に伴う変速ショックやエンジン空吹けの発生を防止で
きる。また、トルク抑制制御を結合側摩擦係合要素の係
合開始までとすることにより、不要なトルク抑制制御が
抑制され、加速フィーリングや走行フィーリングの悪化
を低減できる。 2.パワーオフアップシフト時(自動変速機の被駆動状
態)におけるトルク抑制制御 次に、アクセルペダルの踏み込みが解除された状態で行
われるアップシフト、所謂パワーオフアップシフト時に
おけるエンジントルク抑制制御について説明する。
【0043】まず、自動変速機制御部5の駆動状態判定
手段12は、エンジン回転速度Neとタービン回転速度
Ntとの偏差ΔN(=Ne−Nt)が所定値b(bは、
零よりも若干大きい正値)よりも小さい状態となると、
自動変速機4が被駆動状態であると判断、又は被駆動状
態になると予測する。また、エンジン制御部6のエンジ
ン状態判定手段11は、前述したようにエンジン負荷
(目標Pe)が所定の負荷値よりも小さい領域にある場合
にパワーOFF状態と判断する。
【0044】そして、アクセルペダルの踏み込みが解除
されて車両が減速走行している場合には、エンジン回転
速度Neとタービン回転速度Ntとの偏差ΔNが所定値
bよりも小さい値となるため、駆動状態判定手段12に
より自動変速機4はエンジン2の回転駆動力により駆動
されない抜駆動状態であると判断される。この被駆動状
態からアクセルペダルの再踏み込みによって再加速する
場合には、アクセルペダルの踏み込み量が増大してエン
ジン出力トルクも増大することに伴いエンジン回転速度
Neが上昇していき、エンジン回転速度Neがタービン
回転速度Ntよりも大きい状態(Ne>Nt)となり、
上記偏差ΔNが所定値c(>b)よりも大きくなると、
駆動状態判定手段12により自動変速機4はエンジン2
の回転駆動力によって駆動される駆動状態であると判断
される。
【0045】ここで、自動変速機4における変速機構の
互いに噛合する歯車問には回転方向のガタがあるため、
自動変速機4が被駆動状態から駆動状態へ移行すると、
上記変速機構においてガタ打ちショックが発生する。そ
こで、自動変速機制御部5の駆動状態判定手段12によ
ってエンジン回転速度Neとタービン回転速度Ntとの
偏差ΔNに基づき自動変速機4が被駆動状態であると判
断され、且つエンジン制御部6のエンジン状態判定手段
12によりエンジン2がパワーOFF状態であると判断
されている場合には、自動変速機制御部5は第2Peホ
ールド要求信号をエンジン制御部6へ送信する。
【0046】この第2Peホールド要求信号は、エンジ
ン2の目標出力トルク値(目標Pe)を制限するための
信号であって、エンジン制御部6はこの第2Peホール
ド要求信号を受け取ると、トルク抑制手段14が、目標
Peを所定の上限値(第2目標Peホールド値)で上限ク
リップすることによりエンジントルク抑制制御を実施す
る。具体的には、エンジン制御部6のトルク抑制手段1
4が第2Peホールド要求信号を自動変速概制御部5か
ら受信すると、目標Peを下式によって設定する。
【0047】目標Pe=min{目標Peマップ値,第
2目標Peホールド値(上限Pe値)}ここで、目標P
eマップ値は、エンジン制御部6の記憶手段16に記憶
されたマップに基づいて設定される値であって、通常運
転時はエンジンのトルクがこの目標マップ値となるよう
に運転される。また、第2目標Peホールド値は自動変
速機4の被駆動状態においてエンジントルクを抑制する
ための上限Pe値である。
【0048】この第2Peホールド要求信号のエンジン
制御部6への送信は、駆動状態判定手段12により自動
変速機4の駆動状態が判断されるまで実施される。な
お、上記送信を、エンジン状態判定手段11によりエン
ジン2がパワーON状態であるとの判定が所定時間継続
するまで実施するようにしてもよい。この場合には、上
記所定時間を、エンジン2のパワーON状態に伴い自動
変速機4が確実に駆動状態へ移行するような値に設定す
ればよい。
【0049】また、アクセルペダルが踏み込まれた状態
から上記アクセルペダルの踏み込みを解除した場合に
は、アクセルペダルの踏み込み解除に伴いスロットル関
度θthが絞られていき、図4に示すように、自動変速
機4の変速ポイントがアップシフト線を越えて低速段領
域から高速段領域へと移行して、自動変速機制御部5は
自動変速機4に対してアップシフト指令信号を出力し、
自動変速機4ではアクセルペダルの踏み込みが解除され
た状態でのパワーオフアップシフトが実施されることと
なる、なお、図4は2速段から3速段へとパワーオフア
ップシフトする場合を示しいているが、1速段から2速
段、3速段から4速段など、どのようなパワーオフアッ
プシフトの場合であってもよい。
【0050】このパワーオフアップシフトが実施される
際にも、自動変速機制御部5の駆動状態判定手段12に
より自動変速機4が被駆動状態であると判断され、且つ
エンジン制御部6のエンジン状態判定手段11によりエ
ンジン2がパワーOFF状態であると判断されると、上
述したように自動変速機制御部5からエンジン制御部6
へ第2Peホールド要求信号が送信されて、トルク抑制
手段14によりエンジントルクが抑制(目標Pe値が第
2Peホールド値に制限)されることとなる。
【0051】このように、駆動状態判定手段12により
自動変速機4が被駆動状態であると判断され、旦つエン
ジン状態判定手段11によりエンジンがパワーOFF状
態であると判断されているとき、即ちエンジン制御部6
が第2Peホールド要求信号を受信しているときに、ア
クセルペダルの再踏み込み操作を行って再加速させよう
としても、自動変速機4が駆動状態となるまでは目標P
eが第2目標Peホールド値に制限されてエンジントル
クが抑制されるので、エンジントルクの急激な上昇が防
止されて変速機構におけるガタ打ちショックの発生が抑
制される。
【0052】前述したパワーオンアップシフト時のエン
ジントルク抑制制御における上限Pe値である第1目標
Peホールド値は、パワーオンアップシフトの変速制御
を開始したときの目標Pe値に設定されるようになって
いたが、自動変速機4の被駆動状態でのエンジントルク
抑制制御における上限Pe値である第2目標Peホール
ド値は、アクセル全閉状態で設定される目標Peマップ
値よりも若干大きな所定のPe値(例えば、アクセル開
度1/4程度の時の目標Peマップ値に相当)に設定さ
れる。
【0053】よって、アクセルペダルの踏み込み解除に
伴い第2Peホールド要求信号が出力されている状態に
おいて、アクセルペダルを踏み込んで再加速させる場合
には、目標Peが第2目標Peホールド値に制限される
ため、上述したように変速機構におけるガタ打ちショッ
クの発生が抑制されるとともに、目標Peをアクセル全
閉状態で設定される目標マップ値よりも大きい第2目標
Peホールド値で制限して、アクセル全閉状態における
目標マップ値に制限する場合に比べてエンジン出力トル
クの増大を若干許容する構成としたので、再加速時の加
速もたつき感を低減して、加速フィーリングの悪化を防
止できる。
【0054】そして、第2Peホールド要求信号に基づ
きエンジントルク抑制制御が実施されている状態におい
て、アクセルペダルの再踏み込みに伴いエンジン出力ト
ルクが増大してエンジン回転速度Neが上昇していき、
エンジン回転速度Neとタービン回転速度Ntとの偏差
ΔNが所定値cよりも大きくなると、駆動状態判定手段
12により自動変速機4が駆動状態にあると判断され
る。駆動状態判定手段12により自動変速機4が駆動状
態であると判定されると、自動変速機制御部5からエン
ジン制御部6への第2Peホールド要求信号の送信が解
除され、エンジン制御部6は第2Peホールド要求信号
を受信しなくなると、中止処理手段15によってトルク
抑制手段14によるトルク抑制制御を停止して中止処理
(テーリング処理)を実行する。このテーリング処理時に
は、パワーオンアップシフトにおけるトルク抑制制御と
同様に下式に基づき目標Peが設定される。
【0055】目標Pe=min{目標Peマップ値,目
標Peテーリング値} 目標Peテーリング値=目標Pe(n−1)+ テーリ
ングゲイン つまり、このような処理を実行することにより、目標P
eマップ値に向けて徐々にトルク(目標Pe)が上昇され
て、トルク上昇に伴うショックの発生を抑制している。
なお、テーリングゲインは、自動変速機4の変速段ごと
に設定され記憶手段16に記憶された所定値である。
【0056】なお、上述した実施形態においては、エン
ジン回転速度Neとタービン回転速度Ntとの偏差ΔN
により自動変速機4の駆動状態又は被駆動状態を判定す
る構成としているため、上記駆動状態及び被駆動状態を
確実に且つ適正に判定することができ、変速機構におけ
るガタ打ちショックを確実に抑制できるとともに不要な
エンジントルク抑制制御を抑制でき、走行フィーリング
を向上できるといった利点がある。
【0057】また、偏差ΔNに対する所定値bを零より
も若干大きい正値とすることにより、自動変速機4が駆
動状態になると予測される場合にもエンジントルク抑制
制御を実施することができる。さらに偏差ΔNに対する
所定値cを所定値bよりも大きい正値に設定することに
より、自動変速機4の駆動状態を確実に旦つ適正に判断
することができ、変速機構におけるガタ打ちショックの
発生をより確実に抑制できる。
【0058】なお、エンジン2と自動変速機4との間に
配設されるトルクコンバータ3内のロックアップクラッ
チが直結状態である場合には、エンジン回転速度Neと
タービン回転数Ntとが同一回転(Ne=Nt)であ
る。よって、所定値bを零よりも小さい負値に設定する
と、自動変速機4が実際には被駆動状態にあっても偏差
ΔNが上記負値よりも小さい状態とはならないため、上
記被駆動状態が適正に判断されないこととなる。よっ
て、所定値bを零よりも若干大きい正値とすることによ
り、ロックアップクラッチの直結状態においても上記被
駆動状態を判断することができるようにした。
【0059】また、自動変速機4の被駆動状態をエンジ
ン回転速度Neとタービン回転速度Ntとの偏差ΔNの
みで判断することも可能であるが、上記所定値bを正値
に設定しているため、ロックアップクラッチの直結状態
においては自動変速機4が駆動状態にあっても上記偏差
ΔNが所定値bよりも小さい状態となり自動変速機4が
被駆動状態であると誤判定される虞があり、上記被駆動
状態を適正に判断することが困難である。そこで、エン
ジン回転速度Neとタービン回転速度Ntとの偏差ΔN
に加えてエンジン2のパワーOFF状態によっても自動
変速機4の被駆動状態を判断する構成としたことによ
り、自動変速機4の上記被駆動状態をより適正に判断す
ることができる。つまり、ロックアップクラッチが直結
状態であるときには、自動変連機4の駆動状態又は被駆
動状態に関係なく偏差ΔNが所定値bよりも小さい関係
にあるため自動変速機4の駆動状態を上記偏差ΔNのみ
によって適正に判断することは困難であるが、エンジン
2がパワーOFF状態である条件を付加することによ
り、ロックアップクラッチが直結状態にあっても自動変
速機4の被駆動状態を適正に判定することができる。
【0060】このように、自動変速機4が被駆動状態で
あるときには、自動変速機4が駆動状態へと移行するま
でエンジントルク抑制制御が実施され、このトルク抑制
制御によりエンジン出力トルクがアクセル全閉状態で設
定されるエンジン出力トルクよりも若干大きい値に制限
されることにより、自動変速機4が被駆動状態から駆動
状態へ移行することによる変速機構でのガタ打ちショッ
クの発生が低減されるとともに、トルク抑制に伴う加速
フィーリングの悪化を低減できる。また、トルク抑制制
御を自動変速機4の被駆動状態となった時点から駆動状
態へ移行した時点までとすることにより、不要なトルク
抑制制御が抑制されるとともに、上記ガタ打ちショック
の発生を確実に低減できる。そして、アクセルペダルの
踏み込みが解除されて自動変速機4が被駆動状態である
ときのアップシフト、所謂パワーオフアップシフトが行
われる際にも上記エンジントルク抑制制御が行われるこ
ととなり、このパワーオフアップシフトの実行中におい
ても同様の作用効果が得られる。
【0061】次に、パワーオフアップシフト時における
エンジントルク抑制制御について、図2及び図3に示す
タイムチャート及び図4に示すアップシフト線図を使っ
て説明する。また、このパワーオフアップシフト時にお
けるエンジントルク抑制制御においては、自動変速機4
のロックアップクラッチ(図示略)が非直結状態である
のか直結状態であるのかによって制御態様内容が異なる
ので、以下、それぞれ説明する。
【0062】2−1.ロックアップクラッチ非直結状態 まず、自動変速機4のロックアップクラッチが非直結状
態である場合におけるエンジントルク制御について図2
及び図3を用いて説明する。上記ロックアップクラッチ
の非直結状態において、アクセルペダルが踏み込まれて
いる場合には、図3(b)に示されるように、エンジン
回転速度Neがタービン回転速度Ntよりも大きい状態
となっている。
【0063】この状態から、図3(a)に示すように、
運転者がアクセルペダルから足を離して、アクセルペダ
ル開度θAccがゼロ、つまり、アクセルペダル全閉と
なると、スロットルバルブ開度θthもアクセル開度θ
Accに追従してスロットルモータ18によって絞られ
ていく。そして、スロットル開度θthが絞られると、
図4に示すように、変速ポイントがアップシフト線を超
えて低速段から高速段へと移行して、自動変速機制御部
5は自動変速機4に対してアップシフト指令信号を出力
する。
【0064】また、アクセル開度θAccの低下に伴
い、図3(d)に示すように目標Peも低下していき、
この目標Peが所定値以下となるとエンジン状態判定手
段11がエンジン2はパワーOFF状態であると判定す
る。そして、図3(b)に示すように、スロットル開度
θthを絞ることによって、エンジン回転速度Neが低
下していき、エンジン回転速度Neとタービン回転速度
Ntとの差が縮まっていく。そして、この差(Ne−N
t)が所定値bを下回ると、自動変速機制御部5内の駆
動状態判定手段12により自動変速機4の被駆動状態を
判定して、図3(c)に示すように、第2Peホールド
要求信号が自動変速機制御部5からエンジン制御部6へ
送信される。
【0065】その後、運転者によってアクセルペダルが
踏み込まれると、この踏み込み量に応じてスロットル開
度θthが増大して目標Peマップ値も増大していき、
これに伴って目標Peも上昇する。しかし、エンジン2
はエンジン制御部5のトルク制御手段14によってトル
ク抑制制御されているため、目標Peは所定値(第2目
標Peホールド値)までしか上昇しない。なお、二点鎖
線で示す目標Peはトルク抑制制御を実行しなかった場
合の目標Pe(即ち、目標Peマップ値)である。
【0066】そして、その後、目標Peが上記所定値ま
で上昇して、エンジン回転速度Neの低下が抑制される
とともに変速動作によってタービン回転速度Ntが低下
していくことにより、エンジン回転速度Neとタービン
回転速度Ntとの偏差ΔNが所定値cよりも大きくなる
(Ne−Nt>c)と、自動変速機制御部5の係合状態
判定手段12により、自動変速機4が被駆動状態から駆
動状態へ移行したと判定され、自動変速機制御部5から
エンジン制御部6への第2Peホールド要求信号の送信
が解除される。エンジン制御部6は、第2Peホールド
要求信号を受信しなくなると、エンジン制御部6の中止
処理手段15がトルク抑制制御の中止処理(テーリング
処理)を実行する。
【0067】2−2.ロックアップクラッチ直結状態 次に、自動変速機4のロックアップクラッチが直結状態
である場合におけるエンジントルク制御について説明す
る。非直結状態である場合と同様に、運転者がアクセル
ペダルから足を離すと、図3(a)に示すように、アク
セルペダル開度θAccがゼロ、つまり、アクセルペダ
ル全閉となり、スロットルバルブ開度θthもアクセル
開度θAccに追従してスロットルモータ18によって
絞られていく。そして、スロットル開度θthが絞られ
ると、図4に示すように、変速ポイントがアップシフト
線を超えて低速段から高速段へと移行して、自動変速機
制御部5は自動変速機4に対してアップシフトするよう
に指令信号を出力する。
【0068】また、運転者がアクセルペダルから足を離
すことに伴い、図3(g)に示すように、目標Peも低
下していき、この目標Peが所定値以下となると、エン
ジン状態判定手段11がエンジン2はパワーOFF状態
であると判定する。ロックアップクラッチが直結状態で
ある場合は、このパワーOFF状態判定が成立すること
によって、直ちに第2Peホールド要求信号が自動変速
機制御部5からエンジン制御部6へ対して送信される。
これは、ロックアップクラッチが直結状態であるため、
Ne=Ntとなり、パワーOFF判定が成立する以前に
Ne−Nt<b(>0)という条件が成立しているため
である。
【0069】なお、ロックアップクラッチが直結状態で
ある場合に変速指令が出力されると、ロックアップクラ
ッチは直結状態が解除される。そのため、アップシフト
の変速指令に伴いロックアップクラッチの直結状態が解
除されると、アクセルペダルの踏み込み解除による目標
Peの低下によりエンジン出力トルクが低減されてエン
ジン回転速度Neが低下していき、エンジン回転速度N
eはタービン回転速度Ntよりも小さくなる。
【0070】その後、パワーオフアップシフトの変速制
御中であって、第2Peホールド要求信号が出力されて
いる問に運転者が再加速するためにアクセルペダルを踏
み込んだとしても、非直結状態時と同様に目標Peが所
定値(第2目標Peホールド値)に制限されてトルク抑制
制御によりエンジン出力トルクの急激な増大が抑制され
る。そして、その後、目標Peが上記所定値まで上昇し
てエンジン回転速度Neの低下が抑制されるとともに、
変速動作によってタービン回転速度Ntが低下していく
ことにより、エンジン回転速度Neとタービン回転速度
Ntとの偏差ΔNが所定値cよりも大きくなる(Ne−
Nt>c)と、自動変速機制御部5の駆動状態判定手段
12により自動変速機4が被駆動状態から駆動状態へ移
行したと判定され、第2Peホールド要求信号の自動変
速機制御部5からエンジン制御部6への送信が解除され
る。
【0071】エンジン制御部6は、第2Peホールド要
求信号を受信しなくなると、エンジン制御部6の中止処
理手段15がトルク抑制制御の中止処理(テーリング処
理)を実行する。 3.パワーオンアップシフトとパワーオフアップシフト
とにおけるトルク抑制制御の相違 ここで、パワーオンアップシフトにおけるトルク抑制制
御とパワーオフアップシフトにおけるトルク抑制制御と
の異なる点を説明する。パワーオンアップシフトにおけ
るトルク抑制制御は、図2に示すように、自動変速機制
御部5が自動変速機4に対して変速指令を出すと同時に
エンジン制御部6がトルク抑制制御を行っている。換言
すれば、自動変速機4がアップシフトを開始すると同時
に第1Peホールド要求信号が出力されてエンジン2の
トルク抑制制御が実行される。また、このトルク抑制制
御では、エンジン出力トルク(目標Pe)をアップシフ
ト開始時の値(第1目標Peホールド値)に制限してい
る。
【0072】これに対して、パワーオフアップシフトに
おけるトルク抑制制御では、自動変速機制御部5による
変速指令の有無とは関係無く、Ne−Nt<b(>0)
で、且つ、パワーOFF判定という条件が成立すると第
2Peホールド要求信号を出力してトルク抑制制御が実
行される。また、このトルク抑制制御では、エンジン出
力トルク(目標Pe)をアクセル全閉状態で設定される
目標Peよりも若干大きな所定の値(第2目標Peホー
ルド値)に制限している。
【0073】つまり、パワーオフアップシフトにおいて
パワーオンアップシフトと同様のトルク制御を実行した
と仮定すると、目標Peホールド値が変速開始時のPe
値、即ち、ほぼアクセル全閉相当のPe値でクリップさ
れてしまい、その後の加速要求に対するレスポンスが遅
くなってしまうのである。換言すれば、目標Peホール
ド値がアクセルペダル全閉時のPe値にクリップされて
しまうため、その後のアクセルペダルが踏み込まれても
暫くエンジン2の出力がアイドル状態に抑制されてしま
うために加速応答性が悪化してしまうのである。
【0074】なお、このパワーオフアップシフトにおけ
る目標Peホールド値(第2目標Peホールド値)はス
ロットルバルブ全開時のPeに対して4分の1程度のP
eとなるように設定しているが、自動変速機4の変速機
構においてガタ打ちショックの特性を抑制しうるような
値に設定すればよい。なお、ロックアップクラッチが非
直結状態である場合における第2Peホールド要求信号
が送信されるタイミングは、上述の通りNe−Nt<b
(>0)であって、これは自動変速機4が、まだ駆動状
態であることを示しているが、NeとNtとの差が所定
値b以下となると、今後NeがNtを下回って自動変速
機4が被駆動状態となる可能性が高いと想定される。こ
のため、前もって第2Peホールド要求信号を発生させ
るのである。
【0075】上述したパワーオフアップシフト時に自動
変速機4が被駆動状態になった後で再び駆動状態になる
と、自動変速機4内の歯車の接触状態が反転してバック
ラッシュの分だけガタ打ちショックが生じることになる
が、本実施形態にかかるエンジンと自動変速機との統合
制御装置によれば、上述のエンジントルク抑制制御によ
り、自動変速機による変速の際のエンジン出力の増大に
伴う変速ショックやエンジン空吹けが生じるといった課
題を解決するとともに、ガタ打ちショックも低減させる
ことができるのである。
【0076】本発明の一実施形態としての自動変速機付
車両のエンジン出力制御装置は上述のように構成される
ので、たとえば図5〜図7に示すようなフローチャート
に基づいて、エンジン2の出力が制御される。図5は本
実施形態における動作全体を示すフローチャートであ
る。まず、ステップA10において、自動変速機(A/
T)4が被駆動状態であるか否かを判定する。このステ
ップA10では、自動変速機制御部5の駆動状態判定手
段12において、エンジン回転速度Neとタービン回転
速度Ntとの偏差ΔNが所定値b(>0)よりも小さい
か否かが判定されるとともに、エンジン制御部6のエン
ジン状態判定手段11において、エンジン負荷(目標P
e)が所定値以下であるか否か、即ちエンジン2がパワ
ーOFF状態であるか否か判定される。そして、上記偏
差ΔNが所定値bよりも小さい状態にあり且つエンジン
負荷が所定値以下の状態にある場合には、自動変速機4
が被駆動状態にある(又は被駆動状態となり得る)と判定
されてステップA20へ進み(Yesルート参照)、一
方、上記偏差ΔNが所定値b以上の状態にある、又はエ
ンジン負荷が所定値よりも大きい状態にある場合には、
自動変速機4が駆動状態にあると判定されてステップA
30へ進む(Noルート参照)。
【0077】ステップA20においては、自動変速機4
の被駆動状態用のエンジントルク抑制制御及び中止処理
を実行してリターンする。よって、アクセルペダルの踏
み込みが解除された状態で実施されるパワーオフアップ
シフト時には、このステップA20におけるエンジント
ルク抑制制御及び中止処理が実施されることとなる。ま
た、ステップA30においては、パワーオンアップシフ
トの変速指令が出力されたか否かを判定する。ここで、
アクセルペダルが踏み込まれた状態で自動変速機制御部
5においてアップシフトの変速指令が出力された、即ち
パワーオンアップシフトの変速指令が出力されたと判定
するとステップA40に進み(Yesルート参照)、一
方、パワーオンアップシフトの変速指令が出力されてい
ないと判定するとリターンする(Noルート参照)。
【0078】ここで、ステップA20における制御動作
を図6を用いて詳述するとともに、ステップA30にお
ける制御動作を図7を用いて詳述する。図6には、自動
変速機4が被駆動状態にある場合におけるエンジントル
ク抑制制御とその中止処理の動作フローが示されてい
る。まず、ステップC1では、自動変速機制御部5が自
動変速機4の被駆動状態におけるトルク抑制制御を実行
するための命令信号である第2Peホールド要求信号を
エンジン制御部6に対して送信し、ステップC2へ進
む。
【0079】このステップC2において、エンジン制御
部6は、自動変速機制御部5より送信された第2Peホ
ールド要求信号を受信してステップC3へ進み、ステッ
プC3においてエンジン制御部6は、目標Peの上限値
を所定の値(第2目標Peホールド値)に設定し、その
後、ステップC4において、目標Peを目標Peマップ
値と第2目標Peホールド値とのうちの小さい値に設定
して、この第2目標Peホールド値を超えないようにエ
ンジンを制御する。
【0080】上述のステップC4において、トルク(P
e)抑制制御が行われると、次に、ステップC5におい
て、エンジン回転速度Neとタービン回転速度Ntとの
偏差(Ne−Nt)が所定値c以上になったか否かが判
定(駆動状態判定)される。この偏差がc以上にならな
い場合はステップC4へ復帰し(Noルート参照)制限
値に基づくエンジントルク抑制制御を継続し、この偏差
がc以上となった場合はステップC6へ進む。つまりN
e−Nt>cとなれば自動変速機4が被駆動状態から駆
動状態へと移行したと見なされるのである。
【0081】そして、ステップC6では、自動変速機制
御部5がトルク抑制制御を実施するための命令信号であ
る第2Peホールド要求信号の送信を解除し、ステップ
C7に進み、このステップC7では、エンジン制御部6
が、Peホールド要求信号を受信しなくなったことによ
りテーリング処理(中止処理)を実行し、目標Peマッ
プ値へ向けて抑制されていたPeを徐々に復帰させてこ
のフローを終了し、図5に示すフローのスタートへリタ
ーンする。
【0082】次に図7には、自動変速機4においてパワ
ーオンアップシフトが実施される場合のエンジントルク
抑制制御とその中止処理の動作フローが示されている。
まず、ステップB1において、自動変速機制御部5がエ
ンジン制御部6に対して第1Peホールド要求信号を送
信してステップB2へ進む。次に、ステップB2におい
て、エンジン制御部5は自動変速機制御部5から第1P
eホールド要求信号を受信してステップB3へ進み、こ
のステップB3において目標Pe値の上限値を第1目標
Peホールド値に設定してステップB4へ進み、ステッ
プB4ではエンジントルク(Pe値)がステップB3に
おいて設定された上限値を超えないようにエンジン2を
制御する。
【0083】そして、ステップB5へ進み、係合状態検
出手段20により、変速前の変速段(2速段)時のター
ビンランナの同期速度Ntiと実際のタービン回転速度
Ntとの偏差(ΔN)が所定値a以上となった時点から
所定時間αが経過したか否か、即ち、所定の摩擦係合要
素の係合が開始されたか否かが判定される。この条件が
合致しない場合はステップB4に戻り、合致するまでエ
ンジントルク抑制制御を繰り返し(Noルート参照)、
この条件が合致して、係合状態検出手段11により係合
開始が検出されると、ステップB6へ進む。
【0084】そして、ステップB6では、自動変速機制
御部5が、トルク抑制制御を実行させるための命令信号
であるPeホールド要求信号のエンジン制御部6への送
信を解除し、ステップB7に進む。つまり、ステップB
5からステップB6に進んだ場合は、所定の摩擦係合要
素の係合開始が判定された場合であり、この時には、ス
テップB6においてトルク抑制を行うためのPeホール
ド要求の送信を解除するのである。
【0085】そして、エンジン制御部6は自動変速機制
御部5からPeホールド要求信号を受信しなくなったこ
とにより、ステップB7においてテーリング処理(中止
処理)を実行し、制限されていた目標Peを目標Peマ
ップ値へ向けて徐々に復帰させて、この動作フローを終
了し、図5に示す動作フローのスタートへリターンす
る。
【0086】したがって、本実施形態にかかるエンジン
と自動変速機との統合制御装置によれば、上述のエンジ
ントルク抑制制御により、自動変速機による変速の際に
エンジン出力が増大すると変速ショックやエンジン空吹
けが生じるといった課題を解決するとともに、ガタ打ち
ショックも低減させることができるのである。つまり、
変速がパワーオンアップシフトの場合でも、パワーオフ
アップシフトの場合でも適切にエンジントルクを制御す
ることが出来るので、自動変速機による変速動作中にエ
ンジン出力が増大しても、加速応答性を低下させずに、
変速ショックやエンジン空吹けなどを低減させることが
出来る。またこれにより、駆動系の部品に対する過入力
による破損や、クラッチの滑りによる磨耗も抑制するこ
とも可能となる。
【0087】また、パワーオンアップシフト後の再加速
に対しても、パワーオフアップシフト後の再加速に対し
ても的確なトルク抑制制御を実現すると共に、十分な加
速応答性を確保することが出来る。また、エンジンに対
するトルク抑制制御を開始する時期と終了する時期を確
実に判定することが可能となる。
【0088】また、的確な時期にエンジンのトルク抑制
制御動作を実施することが可能となり、また、自動変速
機における構成部材(主に歯車)のバックラッシュ、い
わゆる、ガタ打ちショックを低減することが可能とな
る。また、エンジントルクに関する制御パラメータ(例
えば目標Pe値)を所定値に制限することで、確実にエ
ンジントルクを抑制することが可能となるなお、本発明
は上述した実施態様及びその変形例に限定されるもので
はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形し
て実施することができる。
【0089】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のエンジンと自動変速機との統合制御装置によれ
ば、変速がパワーオンアップシフトの場合でも、パワー
オフアップシフトの場合でも適切にエンジントルクを制
御することが出来るので、自動変速機による変速動作中
にエンジン出力が増大しても、加速応答性を低下させず
に、変速ショックやエンジン空吹けなどを低減させるこ
とが出来る。またこれにより、駆動系の部品に対する過
入力による破損や、クラッチの滑りによる磨耗も抑制す
ることも可能となる。
【0090】また、請求項2記載の本発明のエンジンと
自動変速機との統合制御装置によれば、パワーオンアッ
プシフト後の再加速に対しても、パワーオフアップシフ
ト後の再加速に対しても的確なトルク抑制制御を実現す
ると共に、十分な加速応答性を確保することが出来る。
また、請求項3記載の本発明のエンジンと自動変速機と
の統合制御装置によれば、エンジンに対するトルク抑制
制御を開始する時期と終了する時期を確実に判定するこ
とが可能となる。
【0091】また、請求項4記載の本発明のエンジンと
自動変速機との統合制御装置によれば、的確な時期にエ
ンジンのトルク抑制制御動作を実施することが可能とな
り、また、自動変速機における構成部材(主に歯車)の
バックラッシュ、いわゆる、ガタ打ちショックを低減す
ることが可能となる。また、請求項5記載の本発明のエ
ンジンと自動変速機との統合制御装置によれば、エンジ
ントルクに関する制御パラメータ〔例えば目標Pe(目
標正味平均有効圧)値〕を所定値に制限することで、確
実にエンジントルクを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるエンジンと自動変
速機との統合制御装置のブロック構成図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるエンジンと自動変
速機との統合制御装置の動作にかかるタイムチャート
(パワーオンアップシフトの場合)である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるエンジンと自動変
速機との統合制御装置の動作にかかるタイムチャート
(パワーオフアップシフトの場合)である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるエンジンと自動変
速機との統合制御装置におけるパワーオフアップシフト
の変速動作概念図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるエンジンと自動変
速機との統合制御装置におけるトルク抑制制御動作を示
すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態にかかるエンジンと自動変
速機との統合制御装置におけるトルク抑制制御動作を示
すフローチャート(A/T被駆動状態の場合)である。
【図7】本発明の一実施形態にかかるエンジンと自動変
速機との統合制御装置におけるトルク抑制制御動作を示
すフローチャート(パワーオンアップシフトの場合)で
ある。
【符号の説明】
2 エンジン 3 トルクコンバータ(流体伝動装置) 4 自動変速機 5 自動変速機制御部(A/T−ECU) 6 エンジン制御部(E/G−ECU) 7 シフトポジションセンサ 8 アクセル開度センサ 9 タービン回転速度センサ(入力軸回転速度検出手
段) 10 エンジン回転速度センサ(エンジン回転速度検出
手段) 11 エンジン状態判定手段 12 駆動状態判定手段 13 シフトポジション判定手段 14 トルク抑制手段 15 中止処理手段 16 記憶手段 17 スロットルバルブ 18 スロットルモータ 19 スロットル開度センサ 20 係合状態判定手段 21 アップシフト判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 幡山 健二郎 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3G093 AA05 BA03 BA17 CB08 DA01 DA06 DB05 EA02 EA09 FA11 FA14 FB01 FB03 3G301 JA04 KB10 LA01 NA08 NB11 NC02 ND41 NE03 NE17 NE22 PA11Z PA14Z PE01Z PF01Z PF03Z PF08Z 3J552 MA01 MA12 MA26 NA01 NB01 NB04 PA02 PA24 PA51 RA03 RA04 RA05 SA02 SA13 UA08 VA02W VA34W VC02W VC03W VD02W

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機の変速中にエンジントルク制
    御を実行可能な、エンジンと自動変速機との統合制御装
    置において、 上記自動変速機で実施されるアップシフトが、パワーオ
    ンアップシフトであるのか、パワーオフアップシフトで
    あるのかを判定するアップシフト判定手段と、 アクセルペダルの踏み込み量に応じてエンジントルクを
    制御可能なトルク制御手段とを有し、 該トルク制御手段は、該アップシフト時に該エンジント
    ルクの抑制制御を実施するとともに、 該トルク抑制制御が、該パワーオンアップシフトと該パ
    ワーオフアップシフトとで異なるように設定されている
    ことを特徴とする、エンジンと自動変速機との統合制御
    装置。
  2. 【請求項2】 該トルク制御手段は、該アップシフトが
    パワーオンアップシフトである場合には該エンジントル
    クを変速開始時の値に制限し、パワーオフアップシフト
    である場合には、該エンジントルクを変速開始時の値よ
    りも大きい所定値に制限することを特徴とする、請求項
    1記載のエンジンと自動変速機との統合制御装置。
  3. 【請求項3】 該自動変速機で実施されるアップシフト
    時に係合される摩擦係合要素の係合状態を検出する係合
    状態検出手段をそなえ、 該トルク制御手段は、 該アップシフトが該パワーオンアップシフトである場合
    には、 上記係合状態検出手段により摩擦係合要素の係合開始が
    判定されるまで上記トルク抑制制御を実施するととも
    に、該係合開始後に、上記エンジントルク抑制制御の中
    止処理を行なうことを特徴とする、請求項1又は2記載
    のエンジンと自動変速機との統合制御装置。
  4. 【請求項4】 該自動変速機の該エンジンによる駆動状
    態を判定または予測する駆動状態判定手段をそなえ、 該エンジントルク制御手段は、 該駆動状態判定手段により該自動変速機の該エンジンに
    より駆動されない被駆動状態が判定又は予測されると該
    トルク抑制制御を開始するとともに、 該駆動状態判定手段により該自動変速機の該エンジンに
    より駆動される駆動状態が判定されると、上記トルク抑
    制制御の中止処理を行なうことを特徴とする、請求項1
    〜3のいずれか1項に記載のエンジンと自動変速機との
    統合制御装置。
  5. 【請求項5】 該トルク制御手段は、該アクセルペダル
    開度に応じて制御されるエンジントルクに関する制御パ
    ラメータを所定値に制限することにより、該トルク抑制
    制御を実行することを特徴とする、請求項1〜4のいず
    れか1項に記載のエンジンと自動変速機との統合制御装
    置。
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