JP4682122B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に接続された自動変速機の変速制御を行う際に、内燃機関がパワーON状態かパワーOFF状態かに基づいたアップシフト制御を行う自動変速機の制御装置に関する。
従来、自動変速機の制御装置は、変速機のアップシフト制御において、トルクコンバータの正駆動時(入力軸トルクが加速側、以後、パワーONと呼ぶ)と、トルクコンバータの逆駆動時(入力軸トルクが減速側、以後、パワーOFFと呼ぶ)とで、制御手法を変えている。
ここでアップシフトを行う際には、変速の前後で入力軸の回転数を低下させる必要がある。
したがって、パワーON状態の時には、入力軸トルクに逆らって変速を進行させなければならないため、自動変速機内の結合側摩擦係合要素を締結して入力軸回転数を低下させて変速を進行させている。
一方、パワーOFF状態の時には、入力軸の回転数が自然減速するため、変速中は積極的に結合側摩擦係合要素を締結させることなく、変速を進行させることができる。
ここで、パワーON状態、またはパワーOFF状態の判定は、図5に示すようにエンジン回転数とEv値(吸入空気体積効率)とで規定されたパワーON/OFF判定線に基づいて行われる。
図5中、パワーON/OFF判定線より上側部分がパワーON運転領域となり、パワーON/OFF判定線より下側領域がパワーOFF運転領域となる。
パワーON運転領域で自動変速機がニュートラルになるとエンジンが吹き上がり、パワーOFF運転領域で自動変速機がニュートラルになるとエンジン回転数が自然減速する。
変速制御装置は、アップシフト制御中においても常時パワーON/OFF判定を行い、変速中にパワーON/OFFの変化を検出した場合、変速ショックやエンジンの吹き上がりを防止するため、判定結果に応じた油圧制御を行う。
また変速制御装置は、パワーON状態でのアップシフト制御において、入力トルクが高い場合(アクセル中開度〜全開領域のようにエンジンが高負荷の状態)では、変速レスポンスの短縮や結合側摩擦係合要素などの耐久性向上等のために、エンジントルク低減制御を行っている。
この制御によって、パワーON状態でのアップシフト時にエンジントルクが低下するため、結合側摩擦係合要素の締結によって入力軸の回転数を次の変速段に対応する回転数まですばやく低下させることができる。
ここで、従来、エンジントルク低減制御として、エンジン点火時期リタード(遅角)制御を用いている。
これはエンジントルク指令に対する実トルクの応答性がよいため、上記の様にパワーON/OFF判定に基づいて変速制御を実行しても問題は生じない。
ただし、燃焼安定性等の面で限界があり、大きなトルクダウンを行うことができなかった。
そこで、更に変速中のエンジントルク低減量を増大させ、パワーONアップシフトのレスポンスを向上させるために、上述のエンジン点火時期リタード制御と併用する形でスロットル抑制制御を行うものがある。
このスロットル抑制制御は、変速中に電子制御スロットル(ETV)のスロットル弁を強制的に一瞬だけ閉じることによってエンジンへの吸入空気量を減らし、エンジン出力を低下させるものである。
なお、このスロットルの閉じ動作は、車両のドライバによるアクセルの踏み込み量が一定であっても、ドライバの意思とは無関係に行われている。
具体的には、パワーONアップシフト制御が開始されると、図6の上段に示すように、変速制御装置はエンジン制御装置に対し、時刻t1〜t2の間(たとえば0.2秒間)だけ電子制御スロットルを所定の開度にまで閉じる旨の指示を行う。
これにより図6の中段に示すように、スロットル弁の閉じタイミングより少し遅れてEv値が一瞬だけ急激に低下する。
また、EV値の低下タイミングよりも少し遅れて実エンジントルクも低下(アクセルをOFFにすると、エンジントルクはマイナス側の値となる)する。
このようにエンジントルクを低下させることにより、入力軸の回転数を目標とする次の変速段に対応する回転数まですばやく低下させることができる。
このような制御を行うものとして、たとえば特許文献1に記載されたものがある。
特開2004−293710号公報
ここで、たとえば車両が加速しているときにアップシフトを行う場合、本来であればパワーON状態であるため、トルクダウンのためにスロットル弁を閉じた場合であってもEv値が常にパワーON領域であることが好ましいが、スロットル弁のばらつき等によってEv値がパワーON/OFF判定線以下にまで低下して、パワーOFF状態であると判定されてしまうことがある。
しかしながら、Ev値がパワーON/OFF判定線以下にまで低下してパワーOFF状態であると判定されても、エンジン制御装置によってスロットル弁を閉じている時間は極めて短時間であり、空気の慣性やスロットルバルブとシリンダとの間に残っている空気が原因で実際のエンジンのトルクが、急激に変動するEv値に追従できずに実エンジントルクがゼロ以下(トルクゼロ線以下)まで低下しない場合(図6の下段参照)や、実エンジントルクがゼロ以下に低下している時間が極めて短時間である場合が発生する。
これは、Ev値がパワーON/OFF判定線以下の間の時間A(図6の中段参照)が短ければ短いほど、実エンジントルクがEv値の変動に追従できずに、実エンジントルクがゼロ以下にならなかったり、実エンジントルクがゼロ以下に低下している時間が極めて短時間となる。
実エンジントルクがゼロ以下にならない場合、Ev値はパワーOFF領域に入るため、変速制御装置はパワーOFF判定に基づいて結合側摩擦係合要素の油圧制御を行うが、実際のエンジントルクはゼロ以下となっておらず未だ加速側であり、入力軸トルクと油圧制御とのアンマッチが生じる。この結果、結合側摩擦係合要素に滑りが生じてエンジンの吹き上がりが発生することがある。
また、実エンジントルクがゼロ以下に低下している時間が極めて短時間である場合には、パワーOFF判定に基づく制御を行なった後、すぐにパワーON判定に基づく制御を開始することになるのだが、この時間が極めて短時間であるために、油圧が追従しきれない。この結果、パワーOFF制御時に十分油圧が低下しない状態(結合側摩擦係合要素が滑らない状態)で、変速制御装置はエンジンの吹き上がりを防止するために結合側摩擦係合要素に高締結圧を供給することとなり、急係合ショックが発生することがある。
そこで本発明はこのような問題点に鑑み、アップシフト時にスロットルを閉じてエンジンのトルクダウンを行った場合でも、エンジンの吹き上がりや変速ショックなどの不具合が生じることのないアップシフト時スロットル抑制制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、内燃機関の負荷と回転速度とをパラメータとして規定される運転領域を、判定線を挟んで高負荷側のパワーON運転領域と低負荷側のパワーOFF運転領域とに区分して、内燃機関の負荷と回転速度との検出情報から内燃機関の運転状態がパワーON運転領域とパワーOFF運転領域のいずれであるかによってパワーON状態またはパワーOFF状態を判定する判定部と、該判定部の判定結果に応じた変速制御則で変速を行う変速制御部と、内燃機関のスロットルバルブを閉じ側に制御することにより、アップシフト変速制御中のエンジントルクを低下させるトルクダウン制御を行うエンジントルク抑制部とを備え、変速制御部は、エンジントルク抑制部によるトルクダウン制御中において、判定部がパワーON状態からパワーOFF状態への移行を判定しても、所定期間はパワーOFF状態の判定に応じた変速制御則への移行を禁止し、パワーOFF状態の判定が所定時間を超えて継続されたときに、パワーOFF状態の判定に応じた変速制御則へ移行するものとした。
本発明によれば、変速制御部は、エンジンのトルクダウン制御の実行中に判定部がパワーON状態からパワーOFF状態への移行を判定しても、所定期間はパワーOFF状態の判定に応じた変速制御則への移行を禁止し、パワーOFF状態の判定が所定時間を超えて継続されたときに、パワーOFF状態の判定に応じた変速制御則に移行するので、実トルクがパワーON状態であるにもかかわらず、パワーOFF状態に応じた変速制御則へ移行することが禁止され、パワーON/OFFの誤判定によるエンジンの吹き上がりや変速ショックを防止することができる。
次に本発明の実施の形態を実施例により説明する。
図1は、自動変速機を備えた車両の駆動系の構成図であり、図2は、変速制御に用いるシフトマップである。
図1に示すように、内燃機関である自動車用のガソリンエンジン(以下、単にエンジンと記す)1の後端には自動変速機2が接続され、この自動変速機2を介してエンジン出力が図示しない駆動輪に伝達される。
自動変速機2は、トルクコンバータ3、変速機本体4、油圧コントローラ5から構成されている。
変速機本体4は複数組のプラネタリギヤのほか、油圧クラッチや油圧ブレーキ等の摩擦係合要素を内蔵している。また、油圧コントローラ5には、一体に形成された油圧回路のほか、油圧制御用の複数の電磁弁が収納されている。
エンジン1と自動変速機2とは、それぞれ図示しない入出力装置、多数の制御プログラムを内蔵した記憶装置(ROM、RAM、BURAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等をそなえたECU(エンジン用電子制御ユニット)6と、変速制御を行うための機能を有するTCU(トランスミッション用電子制御ユニット)7とにより駆動制御される。
エンジン1は、電子制御スロットル16を備える。
電子制御スロットル16は、ECU6からの信号に基づいてスロットル弁が駆動されて、エンジンの出力を制御している。
ECU6の入力側には、エンジン回転速度Neや各気筒のクランク角度を検出するためのクランク角センサ8、吸気流量QAを検出するエアフローセンサ10、電子制御スロットル16のスロットル開度θTHを検出するスロットルセンサ11、アクセルの踏み込み量を検出するアクセル踏込量センサ12のほか、図示しない各種のセンサやスイッチ類が接続されている。
一方、TCU7の入力側には、トルクコンバータ4のタービンシャフトの回転数(入力軸回転数)NTを検出するNTセンサ13、車速Vに対応する速度データであるトランスファドライブギヤ回転数NOを検出するNOセンサ14のほか、油温センサやインヒビタスイッチ等、種々のセンサやスイッチ類が接続されている。
なおECU6は、エアフローセンサ10によって検出された値を基にEv値を算出している。
また、ECU6とTCU7とは信号ケーブル15により接続されており、CAN等の多重通信により互いに情報を交換できるようになっている。
そしてECU6は、各種の入力情報に基づいて、燃料噴射量や点火時期等、エンジン1の総合的な制御を行う。
また、TCU7も、入力情報に基づき、油圧コントローラ5を介して変速機本体4内の摩擦係合要素を駆動し、自動変速機2の変速制御を行う。
ここでは、TCU7は、入力される車両の運転状態、すなわち、トランスファドライブギヤ回転数NOとスロットル開度θTHとから、例えば図2に示すようなマップに基づいて、変速段の切り替え(アップシフトまたはダウンシフト)を判定する変速判定部7aを備える。
この変速判定部7aの判定によって、変速段の切り替えが必要であると判定されたときには、TCU7内に備えられた変速制御部7cが、油圧コントローラ5を介して変速機本体4内の摩擦係合要素を駆動し、自動変速機2の変速制御を行う。
さらに、TCU7には、アップシフト及びダウンシフトに応じて、エンジン運転状態が、変速機入力軸の回転を増加させるパワーON状態であるか、変速機入力軸の回転を減少させるパワーOFF状態であるかを判定するパワーON/OFF判定部7bが設けられている。
変速制御部7cでは、変速判定部7aによるアップシフト、ダウンシフトの判定結果、およびパワーON/OFF判定部7bによるパワーON/OFF判定の結果に応じた変速制御則にしたがって、各摩擦係合要素の駆動を行うようになっている。
またTCU7は、エンジントルク抑制部7dを備える。
エンジントルク抑制部7dは、上述の電子制御スロットルを用いたトルクダウン制御を行うために電子制御スロットル16を所定時間だけ閉じる旨の指示をECU6に対して行う。
ここで変速制御部7cによる変速制御について説明する。
アップシフトを行う際にパワーON状態であった場合、解放側摩擦係合要素の解放と結合側摩擦係合要素の係合との開始タイミングを合わせずに、単純に解放側摩擦係合要素を解放してしまうとエンジンが吹き上がり(ランナップ)を起こし入力軸回転速度が上昇してしまう。
そこで、低速段から高速段にアップシフトさせる時に、入力トルクがパワーON状態にあると(パワーON時アップシフト制御)、まず、解放側摩擦係合要素を徐々に解放させて変速装置の入力軸の回転数を変速開始直前の入力軸回転数よりもわずかに高い回転数に一旦上昇させた後、結合側摩擦係合要素の係合を開始させ、次いで、結合側の摩擦係合要素の係合力を調整し、入力軸回転数の変化率を所定値に制御しながら入力軸回転数を高速段確立回転数に向けて漸減させ、入力軸回転数が高速段確立回転数に到達した時点で結合側の摩擦係合要素の係合を完了させるようにしている。
一方、アップシフト時にパワーOFF状態である場合には(パワーOFF時アップシフト制御)、解放側の摩擦係合要素をシフト指令と同時に直に解放させると共に、結合側の摩擦係合要素を入力軸の回転数が所定回転数まで下降するまで係合開始直前位置で待機させる。
そして、入力軸の回転数が所定回転数まで下降すると、結合側の摩擦係合要素の係合を開始させ、結合側の摩擦係合要素の係合力を徐々に強め、入力軸回転数の変化率を所定値に制御しながら入力軸回転数を高速段確立回転数に向けて漸減させ、入力軸回転数が高速段確立回転数に到達した時点で結合側の摩擦係合要素の係合を完了させるようにする。
ここでTCU7は、アップシフト制御時においてエンジン1の出力トルクを低下させるために上述のようにエンジン点火時期リタード制御と、スロットル抑制制御を行う旨の指示をECU6に対して行う。
ECU6は、図示しない点火プラグの点火時期を遅らせ、さらに電子制御スロットル16のスロットル弁を強制的に一瞬だけ閉じる。
これによってエンジンの出力トルクが低下して、変速レスポンスの短縮や結合側摩擦係合要素などの耐久性向上等を図ることができる。
次に、パワーON状態でアップシフトを行う際に、スロットル抑制制御を行った場合について説明する。
図3は、アップシフト制御時における各部の状態変化を示すタイムチャートである。
なお図3中、アクセル開度はアクセル踏込量センサ12より得られる値である。ここでは車両の運転者は、車両が加速するようにアクセルを一定開度で踏み続けているものとする。
また、結合側油圧指示値は、結合側摩擦係合要素への油圧の指示値であり、入力軸回転数は自動変速機のトルクコンバータのタービン回転数である。
車両が加速して、変速判定部7aが前述の図2に示すマップに基づいて低速段から高速段への変速(アップシフト)を行う必要があるものとして判定すると、図3の時刻t1において変速制御部7cは、結合側摩擦係合要素に対して供給する油圧指示値を上げてアップシフトを進行させる。
なお、時刻t1から所定時間の間は結合側油圧指示値を急激に上昇させてピストンのガタ詰めを行っている。
ここで図3に示す各状態は、エンジンが高負荷でありエンジンのトルクダウン制御としてエンジン点火時期リタード制御とスロットル抑制制御とが併用して行われているものとする。
エンジントルク抑制部7dは、あらかじめイナーシャフェーズ開始となるようにタイミングを決定された時刻t2において、ECU6に対してトルクダウンを行う旨の指示を出す。
ECU6は、エンジンの点火時期リタード制御とともにスロットル抑制制御を開始する。
これによって電子制御スロットル16は、所定の開度にまでスロットルが閉じられる。
なお、スロットルを閉じ側に制御した場合のスロットル開度は、変速判断時のアクセル開度等に応じて決定するものであり、図3では、所定開度から所定勾配でスロットルが閉じるように電子制御スロットル16を制御している。
このようにトルクダウン制御を行うことにより、トルクダウン開始と同時にイナーシャフェーズも開始(時刻t3)する。
また電子制御スロットル16を再び所定のスロットル開度まで戻すタイミングは、入力軸回転数が、変速前の入力軸回転数から変速前後での入力軸回転数の差分の半分程度まで低下した場合(時刻t5)とする。
なお図3では電子制御スロットル16を、所定のスロットル開度に閉じられた状態から所定勾配で所定のスロットル開度まで開けている。
これにより、上述のように、スロットル弁の閉じタイミングより少し遅れてEv値が一瞬だけ急激に低下し、さらにEv値の低下タイミングよりも少し遅れてAT入力軸トルクも低下する。
その後、入力軸回転数と車両の出力軸回転数とが同期する時刻t6において変速が終了する。
次に、パワーON状態でのアップシフト時にスロットル抑制制御を行った場合に、変速制御部7cがパワーONからパワーOFFに対応する変速制御則へと移行する手順の詳細について説明する。
図4は、変速制御部7cがパワーONからパワーOFFに対応する変速制御則へと移行する手順を示す図である。
ステップ100において、電子制御スロットル16の抑制制御によって低下したEv値がパワーON/OFF判定線未満となり、パワーON/OFF判定部7bによってパワーOFF判定がされたかどうかを判断する。
パワーOFF判定がされていない場合にはスタートへ戻り、ステップ100の処理を繰り返す。
一方、パワーOFF判定がされた場合にはステップ101へ進む。
ステップ101において、パワーOFF判定がされてからの経過時間A(図3の時刻t4からの経過時間)が、あらかじめ定められた敷居値αを超えたかどうかを判断する。
経過時間Aが敷居値αを超えた場合には、Ev値の変化にAT入力軸トルクが追従して、AT入力軸トルクがトルクゼロ線を下回るものとしてステップ104へ進む。
経過時間Aが敷居値αを超えていない場合にはステップ102へ進む。
ステップ102において、アクセル踏込量センサ12の検出結果より、電子制御スロットル16を所定開度にまで閉じる制御を開始した時刻t2におけるアクセルの踏み込み量を基準値として、該基準値からアクセル戻し量があらかじめ定められた敷居値β以上であるかどうかを判断する。
アクセル戻し量が敷居値β以上である場合には、アクセルを戻したことによってAT入力軸トルクがトルクゼロ線を下回るものとして、ステップ104へ進む。
アクセル戻し量が敷居値β以上でない場合にはステップ103へ進む。
ステップ103において、パワーON/OFF判定部7bによってパワーOFF判定がされているかどうかを判定する。
パワーOFF判定がされていない場合、たとえばEv値がパワーON/OFF判定線未満となった直後にEv値が上昇してパワーON/OFF判定線を超えた場合には、本処理を終了し、パワーONに対応する変速制御則で各摩擦係合要素の制御を行う。
この場合には、変速制御部7cはEv値がパワーON/OFF判定線を下回ったとしても、AT入力軸トルクはトルクゼロ線を下回っていないので、パワーONに対応する変速制御則で各摩擦係合要素の制御を行う。
ステップ102、103において、AT入力軸トルクがトルクゼロ線を下回るものと判断された場合には、ステップ104において、パワーONに対応する変速制御則から、パワーOFFに対応する変速制御則を用いて各摩擦係合要素の駆動を行う制御へと移行する。
以上のように、Ev値がパワーOFF判定線未満となったとしても、すぐにはパワーOFF判定を行わず、経過時間Aが敷居値αを超えるか、またはアクセル戻し量が敷居値βを超えた時にパワーOFFに対応する変速制御則に従って制御を行う。また一旦、Ev値がパワーOFF判定線未満となっても、経過時間Aが敷居値αを超える、またはアクセル戻し量が敷居値β以上となる前に、Ev値が再びパワーOFF判定線以上となった場合には、Ev値の変動が非常に短時間であり、Ev値の変動にAT入力軸トルクが追従できずにトルクゼロ線を下回ることがないものとして、パワーOFFに対応する変速制御側に従った制御を行わず、パワーONに対応する変速制御則で各摩擦係合要素の制御を行う。
本実施例は以上のように構成され、パワーON状態でのアップシフト制御中に、スロットル抑制制御によって電子制御スロットル16が所定時間だけ閉じられてエンジンのトルクダウンが行われEv値がパワーON/OFF判定線を下回ってしまったとしても、すぐにはパワーOFF判定を行わずに、経過時間Aまたはアクセル戻し量が所定条件を満たしたときに、パワーOFFに対応する変速制御則で変速制御を行うものとしたので、AT入力軸トルクがEv値の変動に追従できずにトルクゼロ線を下回らなかった場合に、誤ってパワーOFFに対応する変速制御則で変速制御を行ってしまうことがない。 したがって、実際のAT入力軸トルクの状態に対応した変速制御則に基づいて摩擦係合要素の制御を正確に行うことができ、エンジンの吹き上がりや変速ショックなどの不具合が生じることがない。 (請求項1に対応する効果)
また、パワーONからパワーOFFに対応する変速制御則への移行を禁止している間に、アクセルが所定量以上戻された場合には、戻された時点でパワーOFFに対応する変速制御則に移行することにより、実エンジントルクがゼロ以下に低下している時間が極めて短時間とはならない、運転者のアクセル操作によるパワーOFF判定については、エンジン状態の変化にすばやく対応することができ、エンジンの吹き上がりや変速ショックなどの不具合を確実に防止できる。 (請求項2に対応する効果)
なお本実施例において、敷居値αをあらかじめ定められた値であるものとしたが、可変としてもよい。
この場合には敷居値αを、たとえば(dVTH)と、(Δt)の関数とみなすことができる。
ここでdVTHは、図3に示すように電子制御スロットル16を所定開度まで閉じる際に用いたスロットル制御指示値の勾配であり、Δtは、電子制御スロットル16の抑制制御を開始した図3の時刻t2から抑制制御が終了するt5までの間の時間とする。
またΔtは、スロットルを所定開度に閉じてから再び元の開度に戻すまでの所定時間(時刻t2〜t5)が経過する前に、パワーONからパワーOFFへの判定がされた場合には、スロットル抑制制御の開始(時刻t2)からパワーOFF状態が判定されるまでの間とする。
dVTHが大きい場合(勾配が大きい場合)には、エンジンからのトルク情報と実トルクとの乖離が大きく、敷居値αを大きめに確保する必要がある。
ここで、エンジンの実トルク変化速度はフリクション等の機械的な要因や吸入空気量の変化速度限界によって限界がある。そのため、dVTHが大きい程、実トルクの変化がエンジンからのトルク情報に追従し難く、パワーON/OFF判定線を下回った時点でのトルク情報と実トルクの乖離は大きくなる。
したがって、dVTHが大きいほど、敷居値αを大きく設定することが好ましい。
また、Δtが大きいほど、エンジンからのトルク情報と実トルクとの乖離が大きくなるため、敷居値αを大きめに確保する必要がある。
これは、トルク情報と実トルクもほぼ一定の変化勾配で変化すると仮定すると、Δtが大きい程、トルク情報と実トルクとの差が比例して蓄積されるので、敷居値αを大きめに設定することが好ましい。
このように、敷居値αをdVTHが大きいほど大きく、かつ、Δtが大きいほど大きくなるように設定することにより、パワーONに対応する変速制御則から、パワーOFFに対応する変速制御則に移行する時期をより適切なものとすることができ、エンジンの吹き上がりや変速ショックの発生を防止することができる。 (以上、請求項3〜5に対応する効果)
なお、エンジンの負荷を示す値として、Ev値を用いるものとしたが、エンジンの負荷を示すものであれば他の値を用いてもよい。
自動変速機を備えた車両の駆動系の構成図である。 シフトマップを示す図である。 アップシフト制御時の各部の状態変化を示すタイムチャートである。 パワーONからパワーOFFに対応する変速制御則へと移行する手順を示す図である。 パワーON/OFFを判定するためのマップを示す図である。 アップシフト制御時の各部の状態変化を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 自動変速機
3 トルクコンバータ
4 変速機本体
5 油圧コントローラ
6 ECU
7 TCU
7a 変速判定部
7b パワーON/OFF判定部
7c 変速制御部
7d エンジントルク抑制部
8 クランク角センサ
10 エアフローセンサ
11 スロットルセンサ
12 アクセル踏込量センサ
13 NTセンサ
14 NOセンサ

Claims (5)

  1. 内燃機関の負荷と回転速度とをパラメータとして規定される運転領域を、判定線を挟んで高負荷側のパワーON運転領域と低負荷側のパワーOFF運転領域とに区分して、前記内燃機関の負荷と回転速度との検出情報から前記内燃機関の運転状態が前記パワーON運転領域とパワーOFF運転領域のいずれであるかによってパワーON状態またはパワーOFF状態を判定する判定部と、該判定部の判定結果に応じた変速制御則で変速を行う変速制御部と、前記内燃機関のスロットルバルブを閉じ側に制御することにより、アップシフト変速制御中のエンジントルクを低下させるトルクダウン制御を行うエンジントルク抑制部とを備え、前記変速制御部は、前記エンジントルク抑制部によるトルクダウン制御中において、前記判定部が前記パワーON状態から前記パワーOFF状態への移行を判定しても、所定期間は前記パワーOFF状態の判定に応じた変速制御則への移行を禁止し、前記パワーOFF状態の判定が前記所定時間を超えて継続されたときに、前記パワーOFF状態の判定に応じた変速制御則へ移行することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. アクセルの踏み込み量を検出するアクセル踏込量センサを備え、前記変速制御部は、前記所定期間内において、前記アクセル踏込量センサによってアクセルの戻し量が所定値以上となったことが検出されたときに、前記移行の禁止を解除して、前記パワーOFF状態の判定に応じた変速制御則へ移行することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記所定時間は、前記内燃機関の単位時間当たりの負荷の変化率が大きいほど、相対的に長くなるように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記エンジントルク抑制部は、走行状態に応じてあらかじめ定められた期間だけトルクダウン制御を実行するものであり、前記所定時間は、前記あらかじめ定められた期間が長くなるほど、相対的に長くなるように設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の自動変速機の制御装置。
  5. 前記判定部が、前記あらかじめ定められた期間中にパワーOFF状態を判定した場合に、前記所定時間は、前記エンジントルク抑制部の作動開始から前記パワーOFF判定までの時間にもとづいて決定されることを特徴とする請求項4に記載の自動変速機の制御装置。
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