JP3191553B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP3191553B2
JP3191553B2 JP03850294A JP3850294A JP3191553B2 JP 3191553 B2 JP3191553 B2 JP 3191553B2 JP 03850294 A JP03850294 A JP 03850294A JP 3850294 A JP3850294 A JP 3850294A JP 3191553 B2 JP3191553 B2 JP 3191553B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の変速制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は、クラッチ、ブレーキ等の
各種摩擦要素の選択的締結により対応変速段を選択し、
摩擦要素の締結・解放切換えにより他の変速段への変速
を行う。ところで、この変速に当り摩擦要素の締結と、
他の摩擦要素の解放とがタイミング良く行われないと、
エンジンが空吹けしたり、トルクの引き込みを生じ、大
きな変速ショックを生じたり、変速フィーリングの悪化
を招く。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本出願人は、
先に、特開平4−21176号公報、特開平5−263
902号公報により、摩擦要素の締結と解放とをタイミ
ング良く行えるようにする変速制御について提案をして
いる。後者のものでは、特に、締結側要素の締結制御を
2段階に切換え可能とし、イナーシャフェーズで制御量
をスロットル開度に応じて設定する技術を導入し、より
改善を図っている。しかして、次のような点を考えれ
ば、なお、改良できる余地があることを本発明者は見い
出したものである。即ち、車両走行時の自動変速機の変
速制御中において、締結制御圧室中込め中にエンジン出
力トルク変動(増大)が起こると(従って、変速機入力
トルク増大があると)、変速ショック悪化の要因とな
る。例えば、これは足離しアップシフト中にスロットル
再踏込みがあったようなケースのときであり、このとき
解放側油圧を高圧にすることにより該当解放側クラッチ
またはブレーキの締結力を大きくし、これにより不必要
な空吹け対応をなすようにしようとするが、しかし、解
放側油圧を高圧にする結果、この高圧化により解放側油
圧の抜けが遅くなり変速ショック悪化が起こる場合があ
る。
【0004】本発明は、こうした観点からなされたもの
で、更に改善を図り、上記のような変速ショック悪化を
回避し得て、変速フィーリングを向上させることのでき
る、より対応性に優れる自動変速機の変速制御装置を提
供しようというものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によって、下記の
自動変速機の変速制御装置が提供される。即ち、複数の
摩擦要素の締結・解放をする作動圧を調整可能なアクチ
ュエータを有して、摩擦要素の締結・解放切換えにより
変速を行う車両の自動変速機の変速制御装置であって、
ドライバのアクセルペダル操作に起因するスロットル開
度を検出するスロットル開度検出手段と、締結側の摩擦
要素が、変速開始から締結するまでの間であって、変速
開始から該締結側摩擦要素の締結に必要な作動流体を該
摩擦要素制御圧室に満たすまでの当該摩擦要素制御圧室
への作動流体の中込め中で、かつ、その中込め中に前記
スロットル開度検出手段が増加傾向の検出信号を出力し
たとき、スロットル開度が斯く増加傾向にある間、足離
しアップシフト時の再踏み込みによるエンジン出力トル
ク増大を防止するよう、エンジン出力トルクを実質的に
該変速開始時のトルク以下に制御する制御手段とを設け
たことを特徴とする自動変速機の変速制御装置である。
【0006】また、上記において、摩擦要素制御圧室に
作動流体が満たされたことを検出する手段と、変速制御
開始を検出する手段と、エンジントルクをアクセルペダ
ル操作とは独立して制御可能な制御手段とを有し、それ
ら手段によりエンジン出力トルク制御を行わせることを
特徴とする自動変速機の変速制御装置である。
【0007】また、エンジントルク制御は、エンジン出
力トルクをスロットル開度にかかわらずほぼ一定にまた
はカットさせることによって行わせるものであって、吸
入空気量低減によるか、または点火時期制御か、もしく
は少なくとも一気筒以上のフューエルカット制御か、あ
るいはそれら二以上の組合せによるかの、いずれかであ
る、ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置であ
る。
【0008】また、変速時に回転の空吹けが所定量とな
るよう、解放されるべき摩擦要素の解放を進行制御する
解放要素制御手段と、締結されることとなった摩擦要素
の締結を制御する手段であって、トルクフェーズでは第
1の制御量に基づき、イナーシャフェーズでは第2の制
御量に基づき、それぞれ該摩擦要素の締結制御が行われ
るよう制御量の設定をし、かつ、当該第2の制御量はス
ロットル開度が大になるほど大きく設定する設定手段を
含む締結要素制御手段とを具備し、エンジントルク制御
は、トルクフェーズにおける変速開始から締結側摩擦要
素への作動流体の中込め終了判断までの間のみを対象と
してスロットル開度が増加傾向にあるとき、実行される
ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置である。
【0009】
【作用】上述した構成により、締結側の摩擦要素が、変
速開始から締結するまでの間であって、変速開始から該
締結側摩擦要素の締結に必要な作動流体を該摩擦要素制
御圧室に満たすまでの当該摩擦要素制御圧室への作動流
体の中込め中で、かつ、その中込め中に、スロットル開
度検出手段(ドライバのアクセルペダル操作に起因する
スロットル開度を検出するスロットル開度検出手段)が
増加傾向の検出信号を出力したとき、そのスロットル開
度が斯く増加傾向にある間、この間に限って行われる上
述のエンジントルク制御(エンジン出力トルクを実質的
に該変速開始時のトルク以下にする制御)が実行され、
当該期間中はスロットル開度の増加によらずエンジン出
力トルク増大を防止することが可能で、よって、足離し
アップシフト時の再踏み込みにも対応し得て、変速ショ
ック悪化を改善でき、足離しアップシフト時の再踏み込
みに対して変速制御を容易にするとともに、変速フィー
リングの向上を図ることを可能ならしめる。
【0010】また、摩擦要素制御圧室に作動流体が満た
されたことを検出する手段、変速制御開始を検出する手
段、エンジントルクをアクセルペダル操作とは独立して
制御可能な制御手段を有して、変速開始から締結側中込
め終了判断までの間にアクセルペダルが踏み込まれたと
き、前記エンジントルク制御を行わせる構成として、本
発明は実施でき、エンジントルクを、変速中の変速制御
開始から締結側中込め終了判断までアクセルペダル操作
とは独立して制御可能として、同様に上記のことを実現
することを可能ならしめる。
【0011】また、スロットル開度によらずエンジン出
力トルクほぼ一定にまたはカットさせるようにして、前
記エンジントルク制御を行わせることができ、この場
合、好ましくは、吸入空気量低減によって、または点火
時期制御、もしくは一気筒以上のフューエルカット制御
によって、またはそれらの二以上の組合せによって、本
発明は実施でき、同様に上記のことを実現することを可
能ならしめる。
【0012】また、変速時に回転の空吹けが所定量とな
るよう、解放側の摩擦要素の解放を進行制御し、締結側
の摩擦要素の締結制御は、トルクフェーズでは第1の制
御量に基づき、イナーシャフェーズでは第2の制御量に
基づき、それぞれ該締結側要素の締結制御が行われるよ
う制御量の設定をし、かつ、その第2の制御量をスロッ
トル開度が大になるほど大きく設定する制御のものと組
み合わせ、前記エンジントルク制御は、トルクフェーズ
における変速開始から締結側中込め終了判断までの間の
みを対象としてスロットル開度が増加傾向にあるとき実
行させることで、本発明は実施でき、この場合は、上記
した点に加え、その第1,第2の制御量の切換えを損な
うこともなく、よって、制御の幅を拡大して運転性の向
上を図ること等も同時に可能で、より効果的なものとす
ることを可能ならしめる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は、本発明装置により変速制御すべき自
動変速機のギヤトレーン系等の一例の構成を示す。
【0014】図中、1は入力軸、2は出力軸で、これら
入出力軸間に同軸に第1遊星歯車組3及び第2遊星歯車
組4を介装するとともに、締結・解放切換えにより変速
を行うためクラッチ、ブレーキ等を内蔵する。
【0015】ここでは、第1遊星歯車組3は第1サンギ
ヤ3S、第1リングギヤ3R、第1ピニオン3P及び第
1キャリア3Cよりなる単純遊星歯車組とし、第2遊星
歯車組4も第2サンギア4S、第2リングギヤ4R、第
2ピニオン4P及び第2キャリア4Cよりなる単純遊星
歯車組とする。
【0016】入力軸1はトルクコンバータT/Cを経て
車両のエンジン15(ENG)からの動力を入力され、
この入力軸を第2サンギヤ4Sに結着する。ここでは、
入力軸1は更にハイクラッチH/Cにより第1キャリア
3Cに結合可能にするとともに、リバースクラッチR/
Cにより第1サンギヤ3Sに結合可能とする。第1サン
ギヤ3Sは更にバンドブレーキB/Bにより固定可能と
し、第1キャリア3Cは更にローリバースブレーキLR
/Bにより固定可能にするとともにフォワードクラッチ
FWD/Cにより第2リングギヤ4Rに結合可能とす
る。また、第1リングギヤ3R及び第2キャリア4Cを
相互に駆動結合し、これらを出力軸2に結合する。かか
るギヤトレーンにおいて、摩擦要素H/C,R/C,B
/B,LR/B,FWD/Cの締結(○印で示す)、解
放(無印)と、選択変速段との関係を示すと、次表の如
くになる。
【0017】
【表1】
【0018】上記自動変速機の変速制御のため、エンジ
ン回転Neを検出するエンジン回転センサ5、タービン
回転(変速機入力回転)Ntを検出するタービン回転サ
ンセ6、出力軸回転(変速機出力回転)Noを検出する
出力軸回転センサ7、スロットル開度Tvoを検出する
スロットル開度センサ8、及び自動変速機油温(AT油
温)Tatを検出する油温センサ9からのそれぞれの信
号を変速制御用コントロールユニット(ATCU)10
に入力する。また、該当するときは、車速センサからの
車速Vs情報を、またスイッチ信号よりアイドルスイッ
チ(IdleSW)のON/OFF情報を入力すること
ができる。ATCU10(ATコントローラ)は、図2
以下の制御プログラムを実行することにより変速制御を
行う。
【0019】オートアップ時(Dレンジ選択中のアップ
シフト時)の上記ギヤトレーンの変速制御による1→2
変速の場合は、上記表1から明らかなようにローリバー
スブレーキLR/Bを解放し、バンドブレーキB/Bを
締結することで達成される。同様、2→3変速の場合
は、バンドブレーキB/Bを解放しハイクラッチH/C
を締結することで、また3→4変速の場合は、フォワー
ドクラッチFWD/Cを解放しバンドブレーキB/Bを
締結することで、それら変速は達成される。
【0020】変速制御は、対応変速段に応じた摩擦要素
を締結・解放するための油圧を操作可能なアクチュエー
タ20に対する制御より行われる。アクチュエータ20
は、変速段選択のためのシフトソレノイド等を含む変速
制御油圧回路を形成するコントロールバルブ部を有して
構成でき、これはATCU10による制御の下、必要な
作動圧を制御圧として生成し該当クラッチ及びブレーキ
の締結・解放切換えをなす。
【0021】ここに、例えば1→2オートアップの場
合、締結側はB/B締結で2速を実現するところ、それ
と同時に、1速締結クラッチLR/Bを解放しなけれ
ば、また、2→3、3→4変速の場合も同様、締結され
ることとなった締結側該当摩擦要素を締結要素として締
結させるとともに、解放されることとなった解放側該当
摩擦要素を解放要素として解放しなければ、インターロ
ックが発生し、また解放が早すぎれば空吹けが発生する
が、これは下記するような制御で抑制されるとともに、
本実施例では、該制御において締結側の制御量の切換え
も加味される。
【0022】更には、後述の如く、締結側油圧操作が行
えない締結側油圧中込め中(締結動作が開始されてか
ら、実際に締結が開始するまでの間)のみドライバーの
アクセル操作とは独立してエンジン出力トルク増大を防
止することを狙って、エンジントルク制御のための制御
を実行する。該制御では、好ましくは、変速開始から締
結に必要な作動流体を制御圧室に満たすまでの間、即ち
締結側中込め終了判断までの間にスロットルが踏み込ま
れたとき、エンジントルクを当該変速開始時の出力トル
ク以下に制御する。この場合、好ましくは、エンジント
ルクをアクセル操作とは独立して制御可能な制御手段、
各クラッチ及びブレーキ制御圧室に作動流体が満たされ
たことを検出する手段、変速制御開始を検出する手段と
を有して、これを行い、変速中のかかるエンジントルク
についての変速制御開始時以下のものへの制御は、エン
ジン出力トルクをアクセルペダル踏込みにかかわらず一
定にまたはカットさせることによって、行わせる。好ま
しくはまた、そうしたエンジン出力トルクの維持もしく
はダウンは、例えば、エンジン5の点火時期制御、ある
いはフューエルカット(気筒数制御を含む)、あるいは
吸入空気量低減によって、またはそれらの二以上の組合
せ等によって、行うことができる。ここでは、エンジン
制御用のエンジンコントローラ11を有して、それへの
ATCU10からの後述の一定条件下でのリタード信号
の送出に基づく吸入空気量低減指令で実行させるものと
する(図7ステップ518、図9)。
【0023】以下、図2以下を参照し説明するに、図2
は変速制御に当り計測しておくべき信号の計測処理を示
し、一定時間Δt(例えば10msec)毎の定時割込
みにより実行する。まず、ステップ21では、該当セン
サ出力を用いて、図1にそれぞれ示すエンジン回転数N
e、タービン回転数Nt(変速機入力回転)、変速機出
力軸回転数Noを計測するとともに、エンジン5のスロ
ットル開度Tvo及びAT油温Tatを計測する。ま
た、本ステップで、車速Vsを、またスイッチ信号より
アイドルスイッチ(IdleSw)のON/OFFをA
TCU10に取り込むようにすることができる。
【0024】次のステップ22,23では、それぞれ、
タービン回転数Ntと出力軸回転数Noより変速機のギ
ヤ比gr=Nt/No、エンジン回転数Neとタービン
回転数Ntよりトルクコンバータ回転比(速度比)e=
Nt/Neを演算する。更に、ステップ24では、ギヤ
比の今回計算値grを次回処理において前回値(1回前
の計算値)gr(OLD) として用いるため、また今回処理
で適用する前回記憶計算値を次回処理において更に前々
回値(2回前の計算値)gr(OLD2) として用いるた
め、それぞれ記憶し、こうして前回、前々回の実行時に
おいてステップ22で算出されたギヤ比を格納する。そ
の後のステップ25でトルクコンバータ性能データを基
に回転比eに対応したトルク比t(e)及びトルク容量
係数τ(e)をルックアップするとともに、これらの乗
算によりタービントルク(変速機入力トルク)Tt=t
(e)×τ(e)を演算する。以上の手順で変速制御に
必要なデータをサンプリングされたデータより算出す
る。
【0025】図3は、後述の如く演算した解放要素(解
放されることとなった該当摩擦要素)の油圧PL (解放
側油圧)及び締結要素(締結されることとなった該当摩
擦要素)の油圧PH (締結側油圧)をステップ31で出
力する制御信号出力プログラムを示し、一定時間Δt毎
の定時割込みにより実行する。
【0026】図4は、上記油圧PL ,PH を決定する変
速制御プログラムで、これも一定時間Δt毎の定時割込
みにより処理する。ステップ41では、例えばスロット
ル開度Tvo及び車速Vs(または変速機出力回転No
でもよい)から予めメモリしておいた変速パターンを基
に好適変速段を求め、この好適変速段と現在の選択変速
段とを比較して変速を行うべきか否か、また変速を行う
べきならいかなる変速かを判断する。変速制御開始判断
は、ここで行うことができる。次のステップ42では、
変速の種類に応じて解放すべき摩擦要素の油圧を低下さ
せ、締結すべき摩擦要素の油圧を上昇させることにより
当該変速を進行させるが、この際両者の油圧を図5〜図
8の制御プログラムにより制御する。
【0027】本プログラム例においては、ステップ42
では、ATCU10は、自動変速機の変速時に回転の空
吹け量が適正値となるよう解放側摩擦要素を制御すると
き、ギヤ比の状態によって締結側摩擦要素の締結力(一
定値、またはランプ制御)を切換える。
【0028】なお、この場合、締結側摩擦要素のその締
結力(一定値、またはランプ制御)の切換え制御を、運
転条件、例えばスロットル開度Tvo、AT油温Ta
t、変速機入力軸トルクTtのいずれか一以上によっ
て、更に好ましくは制御対象摩擦要素毎に応じて、切換
えるよう制御するとよい。ランプ制御の切換えを行うと
きは、ATCU10は、トルクフェーズでは第1のラン
プに基づき締結し、イナーシャフェーズでは第1のラン
プと異なる第2のランプに基づき締結制御することがで
き、本プログラム例、トルクフェーズフィードバック
(F/B)制御終了時(図10において、変速開始
(O)後、制御圧波形の同図(b)中、解放側指令圧波
形と解放側指令圧波形が交差するタイミングにほぼ相当
する時点)に締結側ランプ速度を運転条件に応じて変化
させる。第2のランプは、この場合、スロットル開度T
voが大なる程増加するように制御することができる。
【0029】また、変速制御による変速中、変速制御開
始時から締結要素中込め終了(締結要素中込め圧制御時
間Tre(図10)経過時点)までの間において、該当
するときは前記したエンジントルクTe制御が併せて実
行される(同図(a))。
【0030】上記処理内容を制御フローチャートで示す
図5〜図8において、図5中、ステップ501で変速制
御プログラム実行回数が1回目であるか判別を行う。1
回目と判断する時(図10中の変速開始指令瞬時、時刻
0)に1回だけ、ステップ502を実行し、上記エンジ
ントルク制御のための指令制御を含む本実施例制御に必
要な定数の算出等を行う。
【0031】即ち、解放要素の油圧換算必要締結容量
(解放側必要締結容量)Popを演算する。Popの演
算に当っては、解放要素の摩擦係数をμ、摩擦板の枚数
をN、摩擦面積をA、摩擦板平均有効径をRとする時、
μ×2×N×A×Rで表される係数kをまず求め、これ
と、解放要素のトルク分担率Tbと、タービントルクT
tとから解放要素の必要締結容量値PopをPop=T
t×Tb/kにより演算する。
【0032】締結要素側はプリ棚圧Pprを指令する
が、締結要素プリ棚圧指令値Pprをマップより読み込
む。更に、締結要素プリ棚圧制御時間Tpr(図10)
をマップより読み込み、締結要素中込め圧指令値Ppe
をマップより読み込むとともに、締結要素中込め圧制御
時間Tpe(図10)をマップより読み込む。
【0033】上記締結要素プリ棚圧制御時間値Tpr
は、後述の変速開始後の時間経過を監視するステップ5
13での判別に用いられ、また、締結要素中込め圧制御
時間値Tpeは、同様、後述の判別ステップ515にお
いて締結制御圧室油圧中込め終了判断のため変速開始か
らの時間経過を監視するのに用いることができる。ま
た、締結要素中込め圧指令値Ppeについては、締結要
素プリ棚圧指令値Ppr適用中のTpr時間経過後に引
き続くTpe時間経過まで、後述のステップ516での
締結側要素の油圧制御に適用され、該当するクラッチ、
ブレーキ制御圧室への作動流体の中込めがこのタイミン
グで行われる。
【0034】また、ステップ502では、解放側油圧の
ランプ制御のため予めマップに記憶しておいたスロット
ル開度Tvoに応じた解放ランプ時間TMRrel (Tvo)
をマップより読み込み、上記Pop値とこのTMRrel
値との比Pop/TMRrelをPrmp(rel) 値として
算出する。この値Prmp(rel) は、後述のステップ5
12で解放側要素の油圧の低減制御を行う場合に用いら
れるランプ時のステップ量である。
【0035】更に、スロットル開度Tvo、及びここで
はAT油温Tatの両者の関数として予めマップに記憶
されている締結側要素のランプ制御のための締結ランプ
時間(第1)TMRap1(Tvo,Tat)をマップから読み込
み、スロットル開度Tvoの関数である必要締結棚圧P
c(Tvo) をマップから読み込む。当該時点のTvo値、
Tat値に応じて読み込まれたこれらの値から比Pc(T
vo) /TMRap1 =Prmp(ap1) を求め、これを、締
結要素の油圧制御において後述のトルクフェーズ中にラ
ンプ制御(第1のランプ制御)する場合の締結油圧ステ
ップ量(制御量)として設定する。
【0036】更にまた、解放要素の油圧制御において後
述のステップ511でギヤ比フィードバック(F/B)
制御をするのに用いるフィードバックゲイン比例分
p 、同積分分Ki 、同微分分Kd をマップから読み込
み、該F/B制御で適用される目標ギヤ比grtrg
(所定の空吹け量相当量)をマップから読み込む。ま
た、F/B制御終了値としてのフィードバック終了ギヤ
比grminの読み込みも本ステップで実行することが
できる。なお、該ステップによる1回目読込みデータ等
は、基本的に変速種類ごとにもつものとすることができ
る。
【0037】このようにステップ501で制御に必要な
定数を算出、またはデータベースを参照することにより
与え、ステップ502において締結油圧PH 、解放油圧
Lを与える。
【0038】ステップ501において2回目以降である
と判断されたとき、図6中、ステップ504で変速開始
からの時間Tstの算出を行う。この内容は、変速制御
を開始すべきタイミングであると判断されてそれが検出
された場合において(ステップ41)、本変速制御プロ
グラムの実行に伴い起動する計時カウンタ(計時手段)
によるものとすることができる。しかして、次のステッ
プ505でFLAGが値1であるかどうかの判別を行
う。
【0039】FLAGが値1でないとき、ステップ50
6において目標ギヤ比grtrgと前記ステップ22に
おいて算出されたギヤ比grの大小比較を行う。このと
き、目標ギヤ比grtrgより算出されたギヤ比grが
大きいとき図6中ステップ512において解放側油圧P
L (前回指令値)から解放ランプ量Prmp(rel) を差
し引き、それを今回指令値の解放側油圧PL として与え
る。このようにして、2回目以後、解放要素側について
は、解放要素油圧PL をステップ量Prmp(rel) ずつ
減少させ、油圧PL を図10図示の如くに漸減させる。
解放側油圧PL を斯く低下させることにより、該当解放
側クラッチまたはブレーキの締結力は適切に減少してい
く。
【0040】一方、このとき、締結要素側では、プリ棚
圧制御(ステップ514)、中込め圧制御(ステップ5
16)を含んだ制御がなされ、また、エンジン(EN
G)トルク制御のための指令制御(ステップ518)が
なされる。即ち、次のステップ513は、経過時間Ts
t<設定制御時間Tprか否かの判別ステップである。
まず、本ステップでは、前記ステップ504において算
出された変速開始からの経過時間Tstと前記ステップ
502において与えられた締結要素プリ棚圧制御時間T
prとの大小比較を行い、値Tstが値Tprより小さ
いとき、従って変速開始時から締結要素プリ棚圧制御時
間Tprを経過していない場合は、締結側油圧PH とし
て、前記ステップ502において与えられたプリ棚圧指
令値Pprを引き続き与える(ステップ514,図1
0)。なお、Tst値が計時カウンタ値なら、Tpr値
も、同様それと対比比較しうるよう、予め所要のカウン
タ値として与えることができ、この点は、やはりTpr
値と大小比較されることとなる後記の締結要素中込め制
御時間Tre値についても同様であってよい。
【0041】ステップ513での判別の結果、変速開始
後経過時間値Tstが締結要素プリ棚圧制御時間値Tp
rより大きい値と判別されたときは、即ち変速制御を開
始し締結要素プリ棚圧制御時間Tprを経過するに至っ
た後は、更にステップ515において、経過時間Tst
と前記ステップ502において与えられた締結要素中込
め制御時間Treとの大小比較を行う。そして、このと
き、値Tstより値Tpeの方が大きい値と判別された
場合、即ちTst<Tprが成立し、従って変速を開始
してから設定締結要素プリ棚圧制御時間Tprは経過し
たものの、設定締結要素中込め制御時間Treの経過前
であるときは、その間、締結側油圧PH を前記ステップ
502において与えられた締結要素中込め圧指令圧Pr
eとする(ステップ516,図10)。
【0042】また、ステップ515において、値Tre
が値Tstより小さいと判別されるに至るときは、ステ
ップ517において、締結側油圧は、締結側油圧ステッ
プ量(第1のランプ制御量)Prmp(ap1) を前回指令
圧PH に加え今回の制御指令圧PH とする。ステップ5
17が選択される場合においては、ステップ518のエ
ンジントルク制御処理は禁止され、これが実行されうる
のは、判別ステップ513,515で上記ステップ51
4,516側が選択されるタイミングのとき、即ち変速
制御開始から締結側中込め終了判断までの間である。
【0043】上記ステップ518における制御内容は、
これを例えば図9に示すようなものとすることができ
る。図9中、ステップ901においてスロットル開度変
化代ΔTvoをΔTvo=Tvo(t)−Tvo(t−
1)により算出する。ここに、値Tvo(t)、値Tv
o(t−1)は、ぞれぞれスロットル開度Tvoについ
ての今回値、前回値である。次のステップ902では、
ΔTvo>0か否かを監視する。これにより、スロット
ル変化を検出し、スロットルの踏み込み(アクセルペダ
ル踏み込み操作)があるかをどうかをみることができ
る。
【0044】しかして、かかる算出スロットル開度変化
代ΔTvoを基に、これが負または零であるとステップ
902において判断されたときは、スロットル踏み込み
がないとみて、ステップ903を選択し、ここでは、リ
タード信号をエンジンコントローラ11に送る処理はし
ない。従って、このときは、エンジンコントローラ11
によるエンジン5へのトルクダウン指令はなく、エンジ
ントルクダウン制御は実行されない。
【0045】一方、ステップ902においてスロットル
開度変化代ΔTvoが正と判断されたとき、ステップ9
04側の処理を選択する。即ち、該ステップ904にお
いて、エンジンコントローラ11にリタード信号を送
り、吸入空気量低減指令を行う。このような手順で、エ
ンジン出力トルクを(スロットル踏み込みによらず)一
定(ほぼ一定を含む)にまたはカットするよう、エンジ
ン5に対する制御をエンジンコントローラ11側をして
行わしめるものである。こうして、変速開始から締結側
中込め終了判断までの間にスロットルが踏み込まれたと
きは、エンジントルクを変速開始時の出力トルク以下に
制御することができる。
【0046】かかるエンジントルク制御が併せて実行さ
れる場合において、実際の油圧指令波形とそのときのエ
ンジントルク波形につき、どのように制御されるかを分
かりやすく例示したものが図10である。同図(a),
(b)のそれぞれの推移に示されるように変速制御開始
から締結側中込め終了判断までの間エンジン出力トルク
Teを維持(または実質的に維持)するか、もしくはダ
ウンさせるようにすることができ、締結制御圧室中込め
中にエンジン出力トルク増大変動(従って変速機入力ト
ルク増大)をみたとした場合における既述したような変
速ショック悪化等の状況はこれを避けられ、変速中、適
切に、アクセル操作とは独立して、従って一定条件下で
はスロットル踏み込みにかかわらず、上記の要因となる
エンジン出力トルク増大を防ぐことができて、それを良
好に解消することができる。
【0047】更に補足していえば、自動変速機の摩擦要
素の締結・解放を行う際、締結側制御油圧操作時に行
う、該当クラッチまたはブレーキ制御圧室への作動流体
の中込めがあるところ、この中込め中にスロットル変化
により入力トルクの増大があると、不必要な空吹けを防
止するため解放側の油圧を上げることにより締結力を増
そうとするが、足離しアップシフト時には抜き側の油圧
応答性不足により出力軸トルクにひきが見られ、結果、
変速ショックに悪影響を与えることになる。本制御で
は、これを改善するべく、変速制御開始から締結側中込
め終了判断までスロットル操作とは独立してエンジント
ルクを変速開始時以下のものに制御することにより、解
放側の油圧を上げることなく締結側中込めを終了できる
ので、足離しアップシフト時の再踏み込み時の空吹け防
止のための変速ショック悪化を改善できる。
【0048】上記のようにして、変速中、ステップ51
8が実行されるときはエンジントルク制御のための指令
制御を行いつつ変速制御が進行していくが、そのステッ
プ518によるエンジントルク制御処理を含む図7のプ
ログラム部分の処理から脱するのは、図6においてステ
ップ506でステップ507側が選択されるときであ
る。このときは、ステップ507を1度実行し、FLA
G=1とすると共に、前記Pop値をPstckへスタ
ックし、以後のフィードバック制御中のオープン値(ス
テップ511参照)としてこれを用いる。
【0049】即ち、以後は、FLAG=1の成立により
図6のステップ505からステップ508へスキップ
し、ステップ508〜511の実行により、解放要素側
ではギヤ比フィードバック制御が、締結要素側ではラン
プ制御が行われる。
【0050】ステップ508は、ギヤ比grがフィード
バック終了ギヤ比grminより小さいか否かを判別す
るステップ、またステップ509は締結要素油圧PH
令が必要締結棚圧Pc(TVO) 以上か否かを判別するステ
ップであり、ステップ508は、その判別結果がNOの
とき、ステップ509以降を選択する。ステップ509
での判別結果もNOのとき、従って、ギヤ比grがフィ
ードバック終了ギヤ比grminよりも大きい時で締結
要素油圧指令PH (ランプ油圧)が値Pc(TVO) よりも
小さい間、ステップ509はステップ510を選択して
処理をステップ511へ進め、ステップ510において
は前記の第1の締結油圧ステップ量Prmp(ap1) を適
用し、該Prmp(ap1) ずつ油圧指令PH を増加制御す
るランプ制御を行う。かかる第1のランプ制御は、基本
的にギヤ比フィードバック制御期間中(ステップ51
1,図10(b))行われるが、その途中で油圧指令値
H がPc(TVO) に達した時は、値PH の増加制御はそ
の時点で打ち切られ(ステップ509)、ステップ51
0はスキップされる。
【0051】解放要素側のギヤ比フィードバック制御
は、ステップ511の実行によって行われ、解放要素は
ギヤ比grが規定空吹けとなるようその解放要素油圧の
低下の進行をフィードバック制御される。
【0052】ここでは、PID(比例、積分、微分)制
御によってこれを行い、本ステップ実行毎、比例分、積
分分及び微分分をそれぞれ、grerr=gr−gr(O
LD)、grint=gr−grtrg、grdeg=g
r+gr(OLD2) −2×gr(OLD) により算出し、これ
らを用いてフィードバック油圧値PfbをPfb=gr
err×Kp +grint×Ki +grdeg×Kd
より得るとともに、これと前記ステップ507で設定さ
れたPstck値とにより解放要素油圧をPL=Pfb
+Pstckで求めてPID制御する。こうして、トル
クフェーズ中は、解放が上述の如くに制御される解放要
素により微少の空吹けをし続ける制御が行われる。
【0053】これにより、変速時に回転の空吹け量が適
正値となるよう解放要素の解放が進行制御される。一
方、かかる過程において、締結要素側は前記第1のラン
プ制御によりその設定締結油圧ステップ量Prmp
(ap1) に応じたランプ速度をもって漸増が継続され、締
結要素の実油圧は増加する(図10(b))。
【0054】前記ステップ508は、この間、ギヤ比g
rをフィードバック終了ギヤ比grminをもって監視
しており、ギヤ比grがフィードバック終了ギヤ比gr
minより小さくなったと判断した時に、ステップ50
8Aで解放油圧指令をO指令とし、制御を図8のプログ
ラム部分へ移行させる。即ち、ここで、トルクフェーズ
中のギヤ比フィードバック制御は解除し、解放要素を解
放させ、また締結要素側についても、かかるトルクフェ
ーズフィードバック制御終了時に、それまでの第1のラ
ンプ制御は解除し、イナーシャフェーズでの第2のラン
プ制御に切換える(図10(b))。
【0055】イナーシャフェーズでの締結要素制御は、
図8の如きもので、まず、ステップ71で本ルーチン1
回目と判断される時、1回だけステップ72を実行す
る。ここでは、締結要素側のランプ制御を2段階とする
ため、スロットル開度TvoとやはりAT油温の両者に
応じて第2のランプ制御のための解放ランプ時間(第
2)TMRap2(Tvo,Tat)をマップから読み込むとともに、
スロットル開度Tvoに応じた必要締結棚圧Pc(TVO)
をマップから読み込み、これらPc(TVO) 値とTMR ap2
との比Pc(TVO) /TMRap2 を新たに以後のステップ7
5でランプ制御する場合の締結ランプステップ量Prm
(ap2) (制御量)として設定する。
【0056】ここに、ステップ量Prmp(ap2) は、ス
ロットル開度Tvoに伴い増加するように設定すること
ができる。スロットル開度Tvoが小の時にこれに応じ
てPrmp(ap2) 値を小さく設定すると、図10中、イ
ナーシャフェーズ初期において、締結要素油圧PH (及
び出力軸トルク)の推移を図中のものに比しその立ち上
がりがゆるい変化を示すようなものにすることができ、
逆に、スロットル開度Tvoが大の時にこれに応じてP
rmp(ap2) 値を大きく設定すると、その推移は立ち上
がりの急な変化を示すようなものとすることができる。
【0057】締結側ランプを1段とする場合の方式のも
のと比べると、その場合には、トルクの引き込みを小さ
くしようとするとランプ速度を上げられない結果、その
分変速ラグが大きいものとなるところ、本プログラム例
では2段階とし得てトルクフェーズフィードバック制御
中のランプ速度を上げられるので、変速のラグも小さく
することができ、変速ラグと引き込みトルクの点での両
立も図れ、従って、そのような制約も緩和することがで
きる。図10のプリチャージ時間(締結側第1ランプ増
圧波形期間)を短くしたいときは、第1のランプ制御の
傾きを大きくすることによってこれを行うことができ、
しかも、トルクの引き込みは、ランプが1段の場合より
は小さい状態で上記を実現することが可能である。
【0058】また、締結ランプを2段階にできること
は、第2のランプ制御でイナーシャフェーズ開始からの
引き込みトルク波形を自在にできることとなることか
ら、1段の方式のものに対して、イナーシャフェーズ初
期の引き込み感を自在にコントロールすることができる
ようにもなる。
【0059】更にまた、ランプ制御の切換えにおいてラ
ンプ速度を運転条件に応じて変化させるようにすると、
よりきめの細かな制御を実現できる。特に、第2のラン
プ速度の設定にあたり、これをスロットル開度に伴い増
加するようよすれば、スロットル開度Tvoが小さい状
態ではイナーシャフェーズでのランプ速度を小として滑
らかな締結を狙いつつ変速ラグが長くなるのも回避し、
スロットル開度Tvoが大きい状態では引き込みトルク
が大となるのを避ける一方で、イナーシャフェーズでの
ランプを大として空吹けを防止したいという要求にも容
易に応えられ、より適切な制御を達成することができ
る。
【0060】この場合において、前記スロットルによら
ないエンジントルク制御(ステップ518)は、前記の
とおり、変速初期のトルクフェーズの一定条件下でのみ
実行されるよう設定されているものであって、よって、
ここではそれは既に解除されており、結果、上記の如く
スロットル踏み込みに応じた適切なものにすることも確
保できる。この点でも効果的である。更に、ステップ7
2では後述のステップ73の判別に適用する変速終了ギ
ヤ比grend(例えば変速後ギヤ比の1.02倍程度
の値)を読み込むものとする。
【0061】2回目以降はステップ73以下が選択され
る。ステップ73は、ギヤ比grが変速終了ギヤ比gr
endより小さいか否かを判別するステップ、ステップ
74は、前記ステップ509と同様のステップであり、
これらの判別結果により、ギヤ比grがgrend値よ
り大きい間で、なおかつ必要締結棚圧Pc(TVO) に達し
ない間は、ステップ75において第2のランプ制御を行
い、本ステップ75実行毎、前記の締結ランプステップ
油圧Prmp(ap2) を適用して、図10に示す如く、ト
ルクフェーズとは異なるランプ量で該Prmp(ap2)
つ締結要素油圧PH を上昇させる。
【0062】しかして、PH ≧Pc(TVO) が成立する時
以後は、ステップ75をスキップしたまま処理を戻し、
棚圧制御を継続する。この間、ステップ73では、棚圧
制御の継続に伴い漸減するギヤ比grを監視し、ギヤ比
grが値grendを下回った時点で、ステップ76の
実行により、締結要素油圧PH をライン圧まで上昇させ
るよう最高値Pmaxに指令して締結要素を完全締結さ
せ、変速制御を終了する。
【0063】以上のような制御により、前記のエンジン
トルク制御がなされた場合であれば、その後、本実施例
では引き続き上記の制御に基づき図10のような推移で
変速制御が進められる。解放・締結切換えを常時タイミ
ング良く行わせることができ、不必要なエンジンの空吹
けや深い引き込みトルクの発生を防止し滑らかな変速を
実現しつつ、かつ締結側ランプ制御の切換えをもって運
転性をもより高めて、変速制御は完了する。変速開始か
ら締結側中込め終了判断までの間にスロットル開度が増
加したとき、エンジントルクを変速開始時の出力トルク
以下に制御し得、エンジン出力トルクを変速中、締結要
素圧力室に流体を満たすまでアクセルペダル操作に対し
て独立して制御可能とした本制御は、たとえ足離しアッ
プシフト中にスロットル再踏み込みがなされてもこれに
対応でき、足離しアップシフト時の再踏み込みに対して
変速制御を容易にするとともに、変速フィーリングを向
上でき、良好に変速制御を行わせることができる。
【0064】特に、本制御を、本実施例のように、変速
時に回転の空吹けが所定量となるよう、解放側の摩擦要
素の解放を進行制御し、締結側の摩擦要素の締結制御
は、トルクフェーズでは第1の制御量に基づき、イナー
シャフェーズでは第2の制御量に基づき、それぞれ該締
結側要素の締結制御が行われるよう制御量の設定をし、
かつ、その第2の制御量をスロットル開度が大になるほ
ど大きく設定する制御と組み合わせる場合は、変速初期
で該当するときは前記エンジントルク制御を含む本制御
を達成しつつ、その組み合わせ制御における利点を損な
うことなく、効果的に自動変速機の変速制御を実現する
ことができる。
【0065】もっとも、本発明はこれに限られないが、
そのような組み合わせによれば、その第1,第2の制御
量の切換えで、トルクの引き込みを小さくしようとする
とその反面変速ラグが大きくなるというような制約を緩
和し得、制御の幅を拡大して運転性の向上を図ること等
も同時に可能で、より効果的なものとできる。
【0066】また、かかる組合せの場合でも、例えば、
締結側ランプ制御の切換えだけに限定されるものではな
く、また、解放側要素は、ギヤ比フィードバック制御と
し、ギヤ比の状態によって切換え制御をしたが、ギヤ比
に限らず、例えばタービン回転その他であってもよい。
【0067】なお、本発明は、以上の実施例に限定され
るものではない。例えば、適用する自動変速機のギヤト
レーン系は図示構成のものに限らず、例えば締結要素と
してロー&リバースブレーキLR/B、オーバーランク
ラッチOR/C、ハイクラッチH/C、リバースブレー
キR/B、サーボバンドブレーキS/Bを有し、それら
複数のクラッチ及びブレーキを締結・解放することによ
り変速を行う自動変速機でもよい。
【0068】また、例えば、複数のクラッチ及びブレー
キを締結・解放することにより変速を行う自動変速機に
おいて、クラッチ及びブレーキを締結・解放するための
油圧を操作可能なアクチュエーター、エンジントルクを
アクセル操作とは独立して制御可能な制御手段、各クラ
ッチ及びブレーキ制御圧室に作動流体が満たされたこと
を検出する手段、変速制御開始を検出する手段を有し
て、変速開始から締結側中込め終了判断までの間にスロ
ットルが踏み込まれたとき、エンジントルクを変速開始
時の出力トルク以下に制御するよう構成することで実施
できるが、その場合、例えば変速制御開始を含めて制御
に必要な判断にカウンタ値の比較検出による手段を利用
したが、それらは他の手段であってもよい。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、請求項1記載のごと
く、締結側の摩擦要素が、変速開始から締結するまでの
間であって、変速開始から該締結側摩擦要素の締結に必
要な作動流体を該摩擦要素制御圧室に満たすまでの当該
摩擦要素制御圧室への作動流体の中込め中で、かつ、そ
の中込め中に、ドライバのアクセルペダル操作に起因す
るスロットル開度を検出するスロットル開度検出手段が
増加傾向の検出信号を出力したとき、スロットル開度が
斯く増加傾向にある間、この間に限って行われるそのエ
ンジントルク制御が実行されることから、自動変速機の
変速制御において、変速開始から締結側中込め終了判断
までの間にスロットルが踏み込まれたとき、エンジント
ルクを実質的に当該変速開始時のエンジントルク以下の
ものに制御し得て、かかる場合のエンジン出力トルク増
大はこれを適切に防止することが可能で、従って、たと
え足離しアップシフト時の再踏み込みにも対応し得て、
変速ショックに悪影響を与えるのを避けられ、変速フィ
ーリングの一層の改善、向上を図ることができる。
【0070】また、摩擦要素制御圧室に作動流体が満た
されたことを検出する手段、変速制御開始を検出する手
段、エンジントルクをアクセルペダル操作とは独立して
制御可能な制御手段を有して、変速開始から締結側中込
め終了判断までの間にアクセルペダルが踏み込まれたと
き、前記エンジントルク制御を行わせる構成として、実
施でき、エンジントルクを変速中、変速制御開始から締
結側中込め終了判断までアクセルペダル操作とは独立し
て制御可能として、同様に上記を実現することができ
る。
【0071】また、スロットル開度によらずエンジン出
力トルクほぼ一定にまたはカットさせることで、前記エ
ンジントルク制御を行わせることができ、この場合、そ
れを吸入空気量低減によって、または点火時期制御、も
しくは一気筒以上のフューエルカット制御によって、ま
たはそれらの二以上の組合せをもって、本発明は実施で
き、同様に上記を実現することができる。
【0072】また、特に、変速時に回転の空吹けが所定
量となるよう、解放側の摩擦要素の解放を進行制御し、
締結側の摩擦要素の締結制御は、トルクフェーズでは第
1の制御量に基づき、イナーシャフェーズでは第2の制
御量に基づき、それぞれ該締結側要素の締結制御が行わ
れるよう制御量の設定をし、かつ、その第2の制御量を
スロットル開度が大になるほど大きく設定する制御のも
のと組み合わせで、好適な変速制御装置を提供でき、こ
の場合、前記エンジントルク制御は、トルクフェーズに
おける変速開始から締結側中込め終了判断までの間のみ
を対象としてスロットル開度が増加傾向にあるとき実行
させることにより、上記した点に加え、その第1,第2
の制御量の切換え制御による利点を損なうこともなく、
より効果的なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図2】同例における制御プログラムにして、信号計測
処理プログラムの一例のフローチャートである。
【図3】同じく、制御信号出力処理のためのプログラム
フローチャートである。
【図4】同じく、変速判断及び変速制御のためのプログ
ラムフローチャートである。
【図5】変速制御処理での内容を示す制御プログラムの
一例を示すもので、その一部を示すフローチャートであ
る。
【図6】同じく、他の一部を示すフローチャートであ
る。
【図7】同じく、更に他の一部を示すもので、エンジン
トルク制御指令処理を含むフローチャートである。
【図8】同じく、更に他の一部を示すフローチャートで
ある。
【図9】図7のエンジントルク制御の内容の一例を示す
制御プログラムフローチャートである。
【図10】エンジントルク制御を含めて示す制御内容の
説明に供する図で、制御時のトルク波形及び油圧波形の
一例を示す図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 3 第1遊星歯車組 4 第2遊星歯車組 5 エンジン回転センサ 6 タービン回転センサ 7 出力軸回転センサ 8 スロットル開度センサ 9 変速機油温センサ 10 ATコントロールユニット(ATCU) 11 エンジンコントローラ 15 エンジン 20 アクチュエータ T/C トルクコンバータ LR/B ローリバースブレーキ B/B バンドブレーキ H/C ハイクラッチ FWD/C フォワードクラッチ R/C リバースクラッチ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の摩擦要素の締結・解放をする作動
    圧を調整可能なアクチュエータを有して、摩擦要素の締
    結・解放切換えにより変速を行う車両の自動変速機の変
    速制御装置であって、 ドライバのアクセルペダル操作に起因するスロットル開
    度を検出するスロットル開度検出手段と、 締結側の摩擦要素が、変速開始から締結するまでの間で
    あって、変速開始から該締結側摩擦要素の締結に必要な
    作動流体を該摩擦要素制御圧室に満たすまでの当該摩擦
    要素制御圧室への作動流体の中込め中で、かつ、その中
    込め中に前記スロットル開度検出手段が増加傾向の検出
    信号を出力したとき、スロットル開度が斯く増加傾向に
    ある間、足離しアップシフト時の再踏み込みによるエン
    ジン出力トルク増大を防止するよう、エンジン出力トル
    クを実質的に該変速開始時のトルク以下に制御する制御
    手段とを設けたことを特徴とする自動変速機の変速制御
    装置。
  2. 【請求項2】 摩擦要素制御圧室に作動流体が満たされ
    たことを検出する手段と、変速制御開始を検出する手段
    と、エンジントルクをアクセルペダル操作とは独立して
    制御可能な制御手段とを有し、 それら手段により前記のエンジン出力トルク制御を行わ
    せることを特徴とする請求項1記載の自動変速機の変速
    制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 前記のエンジントルク制御は、エンジン出力トルクをス
    ロットル開度にかかわらずほぼ一定にまたはカットさせ
    ることによって行わせるものであって、 吸入空気量低減によるか、または点火時期制御か、もし
    くは少なくとも一気筒以上のフューエルカット制御か、
    あるいはそれら二以上の組合せによるかの、いずれかで
    ある、ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 変速時に回転の空吹けが所定量となるよ
    う、解放されるべき摩擦要素の解放を進行制御する解放
    要素制御手段と、 締結されることとなった摩擦要素の締結を制御する手段
    であって、トルクフェーズでは第1の制御量に基づき、
    イナーシャフェーズでは第2の制御量に基づき、それぞ
    れ該摩擦要素の締結制御が行われるよう制御量の設定を
    し、かつ、当該第2の制御量はスロットル開度が大にな
    るほど大きく設定する設定手段を含む締結要素制御手段
    とを具備し、 前記のエンジントルク制御は、トルクフェーズにおける
    変速開始から締結側摩擦要素への作動流体の中込め終了
    判断までの間のみを対象としてスロットル開度が増加傾
    向にあるとき、実行されることを特徴とする請求項1、
    請求項2、または請求項3記載の自動変速機の変速制御
    装置。
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