JP4720972B2 - 管部材のブラスト工法及び管部材を覆う袋体 - Google Patents

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Description

本発明は、管部材の塗膜を研削するとともに塗装面を粗面化して素地調整を行うブラスト工法(以下、ブラストと称する)において、特に、ブラスト材を包含させたスポンジ状の多孔質弾性体を用いて管部材をブラスト処理する管部材のブラスト工法とこの管部材を覆う袋体に関する。
工事現場で多用される配管等の管部材の塗膜をブラストするブラスト工法が知られている。また、管部材としては、原子力発電所設備のサプレッションチェンバに設置されたベント管を例示でき、このベント管は数年に一度の割合でその塗膜をブラストされて再塗装作業が実施される。
図6には、沸騰水(Boiling Water Reactor )型原子力発電所設備の概略構造図が示されている。沸騰水型の原子炉格納容器1は、発電用軽水型原子炉の工学的安全施設の一つである原子炉格納施設の一部であり、原子炉圧力容器2、主蒸気系配管3、再循環系配管(不図示)及びサプレッションチェンバ4等の関連設備を格納する気密性の高い容器である。この原子炉格納容器1は、原子炉冷却材喪失事故等に起因して原子炉内の燃料破損による放射性物質の放散が生じた場合、環境に対する圧力障壁及び放射性物質の放散に対する障壁の役目を果たし、発電所周辺の一般公衆及び発電所従業員の安全を確保する。同設備において、符号5は主蒸気系配管3からの蒸気によって回転されるタービン、符号6はタービン5とともに回転するロータを備えた発電機、符号7は復水器、符号8は復水器8によって気液処理された水を原子炉圧力容器2に戻す循環水系配管である。
沸騰水型の原子炉格納容器の形式としては、Mark−I型とMark−II型及びこれ
らの改良型があるが、いずれも流出した原子炉冷却水を原子炉格納容器1内のサプレッションチェンバ4に流出させて凝縮させる圧力抑制方式が採用されている。また、Mark−II型の改良型原子炉格納容器1は、原子炉圧力容器2及び再循環系配管を取り込む鋼製のドライウェル9と圧力制御系(ウェットウェル)10とがダイヤフラムフロア11を介して区画構成されている。また、ウェットウェル10はサプレッションチェンバ4、サプレッションチェンバ4とドライウェル9とを連結する多数本のベント管12、12…、ベントヘッダ及びダウンカマ(不図示)等から構成される。原子炉冷却材喪失事故時に、ドライウェル9内に放出された蒸気と水の混合物は、ベント管12、12…を介してサプレッションチェンバ4のプール水中に導かれ、ここで蒸気は冷却されて凝縮する。これにより、原子炉格納容器1の内圧上昇が抑制される。なお、図6の原子炉格納容器1は模式的に示したものであり、実際のMark−II型の改良型原子炉格納容器とは構造が若干異なる。また、サプレッションチェンバ4は鋼板13製であり、同図において符号14は、サプレッションチェンバ4とサプレッションチェンバ4の内槽15とを連通する均圧管である。
ところで、ベント管12の外周面は、耐食性、除染性等に優れた複数の塗料を重ね塗りすることにより塗装されている。また、その再塗装工事は、運転開始後10年前後を目安に実施されるが、その再塗装工事の事前工事として、外周面の放射性物質を含む塗膜をブラストする作業が行われる。
この作業は、特許文献1等に記載されているようなサンドブラスト工法により行われている。サンドブラスト工法とは、高速エアーで噴射したスチールグリット等のブラスト材を被加工物に衝突させ、その衝撃力で被加工物の表面をブラストする工法である。
次に、サンドブラスト工法によるベント管の作業の手順について説明する。
まず、サプレッションチェンバ内の水を排出し、サプレッションチェンバの内面を乾燥させた後、サプレッションチェンバ内に足場を搬入し、足場を組み上げる。このとき、サプレッションチェンバの高さは12mを超えるものがあり、この高さに対応して足場も多段に構築された大がかりな構造物となる。また、この作業は、汚染拡大を防止するためにサプレッションチェンバを養生シート等の間仕切り部材によって周方向で複数のエリアに区切って実施される。
また、使用される足場は、汚染防止養生布等で養生されておらず、鋼材むき出しのメッシュ状足場が使用されている。この理由について説明すると、サンドブラスト工法によるブラスト材は、ベント管に衝突すると強力な力で跳ね返る。このため、足場を汚染防止養生布で養生したとしても養生布がブラスト材で早期に破損するため養生材の効果がなくなるからである。このような理由から足場は、飛散したブラスト材を含む粉塵が足場をすり抜けてサプレッションチェンバの底面に堆積するようにメッシュ状足場が使用されている。なお、メッシュ状足場は、特殊仕様のものであり、既設品の足場と比較して高価なものである。また、この足場は養生されていないため、サプレッションチェンバから搬出する際には除染処理されてキャスク(コフィン)に保管された後、放射線管理区域に保管される。
次に、足場が構築されると、複数の作業者が足場を利用してその階層のベント管のブラスト作業を開始する。作業者は、ブラスト材が強力な力で跳ね返るため、プロテクタや防護ヘルメットを装着した重装備で作業する。
次いで、ベント管の外周面のブラスト作業が終了すると、外周面の再塗装作業に取りかかる。再塗装に使用される塗料は、表面に現れた素地面に耐食を目的として塗布される下塗り塗料、主として除染性を目的として塗布される中塗り塗料、及び上塗り塗料であり、それぞれ所定の膜厚でもって順に重ね塗りされる。この再塗装作業は、構築されている足場を利用して実施される。
なお、前述した素地調整処理とは、ベント管の内壁面に防食を目的とする被覆が良好に付着するよう、鋼材のミルスケール、錆など被覆の付着に有害な物質を除去し、また、表面に適切な粗さを与える処理である。また、素地調整における除錆度は、Sa21/2 に規定されている。
特開平9−109029号公報
しかしながら、従来の管部材のブラスト工法では、ベント管のブラスト作業においてサンドブラスト工法を採択しているが故に以下に述べる欠点があった。
まず、ブラスト材が強力な力で跳ね返り、粉塵が飛散するという問題である。この問題によって、ベント管の養生ができなくなり、また、粉塵であるがために粉塵をその場で回収することが困難で、足場をメッシュ状の特殊仕様のものにして粉塵を通過させ、底面に堆積させなければならないことである。
更に、作業者は、強力な力で跳ね返るブラスト材から身を守るために重装備を強いられ、作業性が悪いという欠点があった。また、作業者は、飛散した粉塵によって視界が曇り視野が劣悪となるため、ブラスト作業を均一な品質で行うことが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、上記の問題を解消することにより管部材のブラスト作業を効率よく実施できる管部材のブラスト工法及び管部材を覆う袋体を提供することを目的とする。
発明は、前記目的を達成するために、管部材の周面にブラスト媒体を投射して周面の塗膜をブラストする管部材のブラスト工法において、前記ブラスト媒体として、ブラスト材が多孔質弾性体内に包含されたブラスト媒体を使用し、前記管部材を、管部材の軸方向に沿って開く開閉可能な開口部付きの袋体によって包囲し、前記袋体の前記開閉可能な開口部を開くことにより開放される開口部に、前記ブラスト媒体を投射するノズルを挿入して前記管部材の周面にブラスト媒体を投射するとともに、投射されて粉塵を取り込んだブラスト媒体を、前記袋体の下部に連結された回収部によって回収し、前記袋体の前記開閉可能な開口部は、ジッパ又は面ジッパにて開閉可能に構成され、前記回収部は、バグフィルタであり、前記回収部は、吸引機を備え、前記管部材は、原子力発電所設備の原子炉格納容器に設置されたサプレッションチェンバのベント管であり、前記袋体は、前記サプレッションチェンバに貯留される液体の吃水面を境にして上方部を包囲するメッシュ状の袋体と、前記吃水面を境にして下方部を包囲する通気性のないシート状の袋体とから構成されることを特徴とする。
本発明の袋体は、前記目的を達成するために、管部材を覆うメッシュ状の袋体であって、管部材の軸方向に沿って開く開閉可能な開口部を少なくとも一つ備えるとともに、メッシュ状の袋体の上部と下部に管部材への固着具が設けられたメッシュ状の袋体と、管部材を覆う通気性のないシート状の袋体であって、管部材の軸方向に沿って開く開閉可能な開口部を少なくとも一つ備えるとともに、袋体の一部にバグフィルタが取り付けられた通気性のないシート状の袋体とが接合分離手段によって接合分離可能に連結されていることを特徴としている。
本発明は、ブラスト媒体としてブラスト材が多孔質弾性体内に包含されたブラスト媒体を使用するブラスト工法を採択したことを特徴している。このブラスト工法で使用するブラスト媒体は、用途に応じて異なる材質のブラスト材をスポンジ等の多孔質弾性体に包含させたものであり、このブラスト媒体を高圧エアによって塗膜に投射し、塗膜をブラストする。
スポンジブラスト工法によれば、ブラスト媒体が塗膜に衝突するとブラスト媒体が偏平になり、包含させたブラスト材が塗膜に直接高速で衝突する。これにより、サンドブラスト工法と同様に、塗膜をブラスト材によってブラストすることができる。また、通常では空中に漂うことになる粉塵が多孔質弾性体の中に取り込まれてそのまま落下するので、粉塵飛散を防止できる。また、反発力もスポンジ片によって吸収されるため跳ね返りはなく、したがって、作業者の装備も軽くすみ、管部材の養生が可能になる。
管部材の養生が可能になることにより、管部材を養生部材である袋体にて包囲した状態で、すなわち、ブラスト媒体が外部に飛散するのを防止した状態でブラスト作業を実施できる。ブラスト媒体の投射は、袋体の開閉可能な開口部を開けることにより形成される開口部に、ノズルを挿入して実施されるので、その開口部からブラスト媒体が外部に漏出するのを防止できる。また、ノズルを下方に移動させるに従って下方の開口部を開いていき、上方の開口部を閉じていくことにより管部材の軸方向に沿ってブラスト媒体を投射することができる。
また、ブラスト材の跳ね返りがないため、周辺機器をブラスト媒体によって傷つけないですみ、且つ、ブラスト媒体は、サンドブラストのブラスト材と比較して大粒なので、回収し易いという利点もある。
また、本発明の如く、袋体の開閉可能な開口部をジッパ又は面ジッパ(マジックテープ(商標名))で構成することにより、開口部を容易に開閉できる。更にまた、マグネット、ボタン、紐等によって開閉可能な開口部を構成してもよい。
更に、本発明の如く、ブラスト媒体の回収部をバグフィルタとすることにより、使用済みのブラスト媒体を確実に回収でき、汚染の拡大を阻止することができる。
また、本発明の如く、ブラスト媒体の回収部を、吸引機を備えた集塵機とすることにより、使用済みのブラスト媒体を確実に回収でき、汚染の拡大を阻止することができる。
本発明に記載したサプレッションチェンバのベント管の場合、吃水面を境にして上方部(気中部分)と下方部(水がある場合には水没している)とに分けることができる。気中部分については汚染度が低いため、ブラスト媒体が袋体から漏出することを防止するだけでよく、このことから袋体は、本発明の養生の簡単なメッシュ状の袋体ですむ。一方、吃水線から下方の部分については汚染度が高いため、袋体は本発明の通気性のない袋体を使用し、ブラスト媒体が袋体から漏出することを完全に阻止する。また、本発明の如く、前記メッシュ状の袋体と、前記通気性のないシート状の袋体とは、接合分離手段によって接合分離可能に連結され、連結された状態で使用される。
本発明に係る管部材のブラスト工法及び管部材を覆う袋体によれば、スポンジブラスト工法を採択して管部材の養生を可能とし、管部材を養生部材である袋体にて包囲するとともに開閉可能な開口部によって形成される開口部にノズルを挿入してブラスト作業を実施したので、管部材のブラスト作業を効率よく実施することができる。
以下添付図面に従って、本発明に係る管部材のブラスト工法及び管部材を覆う袋体の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、実施の形態のブラスト工法に適用されるスポンジ状多孔質弾性体ブラスト装置(以下、スポンジブラスト装置と称する)20の全体を示した構造図である。まず、スポンジブラスト装置20を用いたスポンジブラスト工法について説明すると、この工法で使用するブラスト媒体26は、図2に示すように用途に応じて異なる材質(スチールグリット、アルミナ、スターライト、ユリア樹脂等)のブラスト材(ユリア樹脂の場合には研掃材ともいう)をスポンジ片24に包含させたものであり、このブラスト媒体26を高圧エアによって塗膜28に投射し、塗膜28を部する工法である。
スポンジブラスト工法によれば、図2(A)の如くブラスト媒体26が塗膜28に衝突すると、図2(B)の如くブラスト媒体26が偏平になり、包含させたブラスト材22、22…が塗膜28に直接高速で衝突する。これにより、サンドブラスト工法と同様に、図2(C)の如く塗膜28をブラストすることができる。また、通常では空中に漂うことになる粉塵32、32…がスポンジ片24の中に取り込まれてそのまま落下するので、粉塵飛散も防止することができる。また、反発力もスポンジ片24によって吸収されるため、ブラスト媒体26の跳ね返りは発生しない。
したがって、図3の如くスポンジブラスト装置20を取り扱う作業者34の装備36も軽くすむ。図3は、スポンジブラスト装置20のノズル38及びその近傍のホース39を作業者34が両手で把持し、加工対象物40に向けてブラスト媒体26を投射している図が示されている。この作業者34は、サンドブラスト工法のようにプロテクタを全身に装備する必要はなく、また、ヘルメット42についても、頭部、顔部全てを覆うフルフェイス型のヘルメットではなく、作業現場で使用する通常のヘルメットに透明アクリル板からなるフェイスプロテクタ43が取り付けられたものが使用され、いたって軽量な装備36となっている。これにより、装備の重量が軽くなるので、作業者34の労力を大幅に低減することができる。
また、スポンジブラスト工法を適用することにより、サンドブラスト工法では不可能であったサプレッションチェンバのベント管(管部材)45の養生が可能となる。図4は、筒状の袋体44によって養生されたベント管45が示されている。袋体44は、養生の簡単なメッシュ状の袋体46と通気性のない養生袋体48とから構成され、これの袋体46、48はシングルジッパ(接合分離手段)49によって軸方向に着脱自在に連結されている。また、袋体46、48には、ベント管45の軸方向に沿って開くダブルジッパ(開閉可能な開口部:袋体46のダブルジッパは不図示)47が取り付けられている。ダブルジッパ47は一つであっても複数であってもよい。袋体46、48はそれぞれ単独使用も可能であり、袋体46、48は、各々上下部に設けられた固着具(不図示)によってベント管45に固着される。これらの袋体46、48については後述する。
スポンジブラスト装置20は図1の如く、スポンジブラスト供給装置50、コンプレッサ52、ノズル38、吸引機54、リサイクル分離機56及びホッパ58から構成されている。
スポンジブラスト供給装置50には、コンプレッサ52から高圧エアが供給されるとともに、ホッパ58からブラスト媒体26(図2参照)が供給される。このブラスト媒体26は、コンプレッサ52からの高圧エアによりホース39を介してエア搬送されてノズル38の先端から加工対象物40に向けて高速で投射される。そして、ブラストに使用されたブラスト媒体26は、粉塵32、32…(図2(C)参照)を取り込んだ状態でそのまま落下し、その落下位置近傍に設置された吸引口60から吸引機54に吸引され、リサイクル分離機56に送り込まれる。
リサイクル分離機56は、篩の目のサイズが大、中の2つの篩62、64が加振機66上に積み重ねられて構成される。ブラスト媒体26は、まず、目のサイズが大の篩62に送り込まれ、加振機66のバイブレータによって篩62が加振されることにより、ここで大サイズのブラスト媒体26が選別されて篩62から取り出される。また、篩62を通過したブラスト媒体26は篩64に落下し、同じくバイブレータによって加振されている篩64によって中サイズのブラスト媒体26が選別されて取り出される。篩62、64から取り去れた大、中サイズのブラスト媒体26は、そのまま使用できるためホッパ58に搬送される。また、篩64を通過した細かいブラスト媒体26は、再使用不能のため容器68に溜められて廃棄される。なお、再使用可能なブラスト媒体26は、全体の約90%である。以上がスポンジブラスト装置20の構成である。
次に、スポンジブラスト装置20を使用したベント管45のブラスト作業について図4、図5を参照しながら説明する。この作業は、サプレッションチェンバ70の水を排出後、実施される。
まず、図5に示すようにサプレッションチェンバ70に複数段の足場72、72…を設置する。この足場72、72…は、サプレッションチェンバ70のダイヤフラムフロア(不図示)から吃水面74の近傍に向けて垂下設置されているが、これに限定されるものではなく、サプレッションチェンバ70の底面から組み上げた足場を利用してもよい。
次に、これらの足場72、72…を利用して、作業対象のベント管45に袋体44を被覆する。袋体44は、養生の簡単なメッシュ状の袋体46と通気性のない養生袋体48とから構成されているので、被覆する際には、まず、これらの袋体46、48をシングルジッパ49によって分離し、そして、各袋体46、48のダブルジッパ47を開いて各袋体46、48を各々一枚のシート状にする。次に、袋体48をベント管45の下部に巻き付けるようにして被覆した後、ダブルジッパ47を閉めて袋体48を筒状に形成し、ベント管45の下部を完全に包囲する。
次に、シート状の袋体46を、ベント管45の上部に巻き付けるようにして被覆した後、ダブルジッパを閉めて袋体46を筒状に形成し、ベント管45の上部を完全に包囲する。この後、袋体46と袋体48とをシングルジッパ49によって連結する。その際に、養生袋体48の上端部が吃水線74よりも上方に位置するように連結する。ベント管45は、吃水線74よりも下方の部分、すなわち水がある場合には水没している部分が、その上方の気中にさらされている部分よりも汚染度が高いため、汚染拡大防止の観点から水がある場合には水没している部分を養生袋体48によって完全に包囲する必要があるからである。この後、袋体46及び袋体48に設けられた固着具によって袋体46、48をベント管45に固着する。
次に、養生袋体46の下部開口部に、これも養生されたバグフィルタ76を連結する。そして、このバグフィルタ76の下部にホース78の一端を連結し、ホース78の他端を集塵機80のフィルタボックス82に連結する。このフィルタボックス82には吸引機84が連結されており、吸引機84が駆動されることによりバグフィルタ76内のブラスト媒体26及びブラストにて発生した塵埃がホース78を介して吸引され、フィルタボックス82に内蔵されたHEPAフィルタ(不図示)によって捕集される。なお、集塵機80はサプレッションチェンバ70の外部に設置され、サプレッションチェンバ70内のバグフィルタ76とホース78によって連結されている。また、バグフィルタ76がブラスト媒体26を回収する上で十分に大きなフィルタである場合には、バグフィルタ76のみでブラスト媒体26を回収する。更に、バグフィルタ76の場合に、非通気性の袋体を用いた場合には、同図の如く集塵機80が袋体に接続される。
次に、ブラスト媒体26によるベント管45のブラスト作業を開始する。
まず、ベント管45の気中部分のブラスト作業を行う。この手順は、袋体46のダブルジッパを開くことにより開放される開口部に、ブラスト媒体を投射するノズル38を挿入して行う。図4では、袋体48のダブルジッパ47、47を開くことにより開放される開口部51にノズル38が挿入された図が示されているが、袋体46についても同様である。
袋体46の前記開口部にノズル38を挿入し、ノズル38からブラスト媒体26をベント管45の気中部分に噴射する。これにより気中部分のブラスト作業が開始され、これと同時に吸引機84を駆動して袋体46、48、76内を負圧に維持し、ブラスト媒体26の袋体46からの漏れを防止するとともにブラスト媒体26及びブラストにて発生した塵埃をバグフィルタ76によって回収するとともにホース78を介して吸引し、フィルタボックス82のHEPAフィルタによって捕集する。気中部分の周方向のブラスト作業は、袋体46の固着具をベント管45から外し、袋体46自身の可撓性を利用して袋体46を周方向に捩じることにより実施し、また、気中部分の軸方向のブラスト作業は、ダブルジッパを利用してノズル38の挿入用開口部の位置を上下にずらすこと、及び上下の足場72、72を利用することにより容易に実施できる。
気中部分のブラスト作業が終了すると、吃水線から下方の部分のブラスト作業を同様の手順で実施する。もちろんであるが、この時、サプレッションチェンバ70内の水は排出されている。
図4、図5は吃水線から下方の部分のブラスト作業を実施している模式図が示されている。吃水線から下方の部分のブラスト作業時においては、袋体48は通気性のない養生袋体であるため、外部環境と完全に遮断された状態で行われ、また、袋体48内も吸引機84による負圧環境により、ブラスト作業時に発生した汚染粉塵が袋体46、48、76から漏出することを確実に阻止されている。
吃水線から下方の部分の周方向のブラスト作業は、袋体46と同様に袋体48自身の可撓性を利用して袋体48を周方向に捩じることにより実施する。また、吃水線から下方の部分の軸方向のブラスト作業も同様に、ダブルジッパ47、47を利用してノズル38の挿入用開口部の位置を上下にずらすこと、及び上下の足場72、72を利用することによって容易に実施できる。以上により、ベント管45のブラスト作業が終了する。
この後、ベント管45は、袋体44が取り除かれて再塗装される。再塗装に使用される塗料は、表面に現れた素地面に耐食を目的として塗布される下塗り塗料(例えば、無機質系ジンクリッチペイント)、主として除染性を目的として塗布される中塗り塗料(例えば、エポキシ系樹脂塗料)、及び上塗り塗料(例えば、エポキシ系樹脂塗料)であり、それぞれ所定の膜厚でもって順に重ね塗りされる。
スポンジブラスト装置の全体構成図 スポンジブラストのメカニズムを説明した図 スポンジブラストの作業者装備を説明した図 ベント管を袋体によって包囲してブラスト作業を実施する状態を示した模式図 サプレッションチェンバ内においてベント管のブラスト作業を示した模式図 原子力発電所設備の模式図
符号の説明
20…スポンジブラスト装置、22…ブラスト材、24…スポンジ片、26…ブラスト媒体、28…塗膜、30…塗装面、34…作業者、36…装備、38…ノズル、44…袋体、45…ベント管、46…メッシュ状の袋体、47…ダブルジッパ、48…通気性のないシート状の袋体、50…スポンジブラスト供給装置、52…コンプレッサ、54…吸引機、56…リサイクル分離機、58…ホッパ、70…サプレッションチェンバ、72…足場、74…吃水面、76…バグフィルタ、78…ホース、80…集塵機、82…フィルタボックス、84…吸引機

Claims (2)

  1. 管部材の周面にブラスト媒体を投射して周面の塗膜をブラストする管部材のブラスト工法において、
    前記ブラスト媒体として、ブラスト材が多孔質弾性体内に包含されたブラスト媒体を使用し、
    前記管部材を、管部材の軸方向に沿って開く開閉可能な開口部付きの袋体によって包囲し、
    前記袋体の前記開閉可能な開口部を開くことにより開放される開口部に、前記ブラスト媒体を投射するノズルを挿入して前記管部材の周面にブラスト媒体を投射するとともに、投射されて粉塵を取り込んだブラスト媒体を、前記袋体の下部に連結された回収部によって回収し、
    前記袋体の前記開閉可能な開口部は、ジッパ又は面ジッパにて開閉可能に構成され、
    前記回収部は、バグフィルタであり、
    前記回収部は、吸引機を備え、
    前記管部材は、原子力発電所設備の原子炉格納容器に設置されたサプレッションチェンバのベント管であり、
    前記袋体は、前記サプレッションチェンバに貯留される液体の吃水面を境にして上方部を包囲するメッシュ状の袋体と、前記吃水面を境にして下方部を包囲する通気性のないシート状の袋体とから構成されることを特徴とする管部材のブラスト工法。
  2. 管部材を覆うメッシュ状の袋体であって、管部材の軸方向に沿って開く開閉可能な開口部を少なくとも一つ備えるとともに、メッシュ状の袋体の上部と下部に管部材への固着具が設けられたメッシュ状の袋体と、管部材を覆う通気性のないシート状の袋体であって、管部材の軸方向に沿って開く開閉可能な開口部を少なくとも一つ備えるとともに、袋体の一部にバグフィルタが取り付けられたシート状の袋体とが接合分離手段によって接合分離可能に連結されていることを特徴とする管部材を覆う袋体。
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