JPH06213593A - ボイラーの洗浄方法及びその方法に使用する除塵装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボイラー内部を洗浄するに際し、ボイラー内
部は浮遊粉塵で充満し、作業者の健康障害の問題や作業
能率が低下する等の問題があるため、このような問題点
を解消するボイラーの洗浄方法を提供する。 【構成】 ボイラーに着脱自在の換気装置を設け、該換
気装置で浮遊粉塵を吸引排出しつつサンドブラストによ
り洗浄することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ボイラーの室内、例え
ばごみ焼却プラントにおける廃熱ボイラーの室内の洗浄
方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】ボイラーは、本体内に多数のボイラーチ
ューブを配管し、ここを加熱ガスを通過させることによ
ってボイラーチューブ内を移動する水との間に熱交換を
行うものである。そのためボイラー本体内の壁面及びボ
イラーチューブには、通過する加熱ガスによりダスト及
びスケール（以下、ダスト等という）が付着する。

【０００３】図５は、ボイラーチューブにダスト等が付
着した様子を示す横断面部分図であり、３１がボイラー
チューブ、Ｄがダスト等を示し、矢印は加熱ガスの流れ
方向を示している。通過する加熱ガスには、燃焼物によ
って種々の物質が含有されるため、ボイラー本体内の壁
面及びボイラーチューブに付着するダスト等も種々のも
のがあり一定ではない。いずれにしても前記のようにボ
イラーチューブにダスト等が付着すると、熱交換率が低
下するため、定期的に洗浄をしなければならない。

【０００４】従来、この洗浄をサンドブラスト法により
行う方法がある。このサンドブラスト法は、図６に示す
ようにノズル２７より砂と空気との混合体である砂流
（サンド流）２６をボイラーチューブ３１にむけて噴射
し、ボイラーチューブ３１の洗浄を行うものである。

【０００５】その一例を図７に示す概略図について説明
すると、サンドブラスト装置１００は、コンプレッサー
２１からの加圧空気をドレンセパレータ２２を通してサ
ンドタンク２３と混合エジェクター２４からのサンド流
２６を加速装置２５で増速後、該サンド流２６をノズル
２７から噴射するものを示している。

【０００６】一方、ボイラー２００は、ボイラー本体３
０内にボイラー３１が配設され、このボイラーチューブ
３１には給水タンク３２から送水装置３３で送水され、
ボイラーチューブ３１を通過する水は、ボイラー本体３
０内にその加熱ガス入口３４から送られた加熱ガスと熱
交換され、加熱蒸気となって蒸気タンク３６に送られ、
この蒸気タンク３６から熱源として必要な箇所に送られ
るものを示している。尚、加熱ガスはボイラー本体３０
内を通って出口３５より排出される。

【０００７】そして、ボイラー本体３０内のボイラーチ
ューブ３１や内壁面は、前記したようなサンドブラスト
装置１００を使用し、そのノズル２７よりサンド流２６
をボイラーチューブ３１や内壁面にむけて噴射し洗浄を
行うものである。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記したよ
うなサンドブラスト法での洗浄は、ボイラー本体３０が
大きいため作業者がボイラー本体３０内に入り、ノズル
２７を手に持って行っている。これは、サンドブラスト
で洗浄、研磨をしすぎると、ボイラーチューブの地肌を
傷め、強度、耐久性が低下し問題であるため、作業者が
ダスト等の洗浄程度を確認しながら洗浄作業を行わなけ
ればならないから機械化できない点にも起因している。

【０００９】しかしながら、ボイラー本体内は、噴射し
たサンド等の研掃材及び落下したダスト等の浮遊粉塵が
充満し、作業者は浮遊粉塵の中で作業しなければなら
ず、健康障害が発生する、作業能率が低下する等の問題
がある。そのため作業者は、防塵マスクを付けて作業し
ているが、ボイラー本体内で発生する浮遊粉塵の量が多
いため、効果も少なく健康障害の発生を完全に防止する
ことはできないのが現状である。

【００１０】本発明は、このような点に鑑み発生する浮
遊粉塵を集塵しつつ洗浄作業を行うことによって、前記
従来の不都合を解決したボイラーの洗浄方法を提供する
ものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するためボイラーに着脱自在の換気装置を設け、該換
気装置で浮遊粉塵を吸引排出しつつサンドブラストによ
り洗浄することを特徴とし、また、前記ボイラーの洗浄
方法に使用する除塵装置であって、ボイラーに取付ける
換気装置と、その換気通路の排出通路に設けられ排出さ
れた粉塵を水でシャワーリングしつつ集塵する集塵器と
よりなることを特徴とする。

【００１２】

【作用】換気装置は、ボイラーに着脱自在であるため、
ボイラーの使用時には取外しボイラーの運転に支障がな
いようにし、ボイラーを停止しボイラーを洗浄する時は
取付けることができる。ボイラーに換気装置を取付ける
と、該換気装置でボイラー内の浮遊粉塵を吸引排出する
ことができる。サンドブラストによりボイラーを洗浄す
るに際し、換気装置で浮遊粉塵を吸引排出しつつ洗浄す
ると、ボイラー内の浮遊粉塵が少なくなり、作業環境が
改善される。

【００１３】また、除塵装置は、排出された粉塵を水で
シャワーリングしつつ集塵する集塵器を有するため、排
出された粉塵は水でシャワーリングして集塵することが
できる。従って、排出された粉塵を大気中に放散するこ
とを抑えて集塵することができる。

【００１４】

【実施例】以下、図示の実施例について本発明を詳細に
説明する。図１は本発明の実施例を示す概略説明図であ
る。同図において、１はボイラー本体であって、加熱ガ
スが通過すると共に、本体１内には多数のボイラーチュ
ーブが配管され、このボイラーチューブ内を移動する水
との間に熱交換が行われ、加熱蒸気となり熱源として利
用されるもので、本例では詳細は省略してある。ボイラ
ーには種々のタイプのものがあるが、本発明においては
ボイラーの機種を問うものではない。

【００１５】２は前記ボイラー本体１の側面に取付けた
換気装置、例えばファンである。該換気装置２は、ボイ
ラー本体１の開口に取付ける。この開口は、ボイラー本
体１に設けられているマンホール等の開口を利用し、換
気装置２を取付けるために新たに設ける必要はない。も
ちろん、予めそのための開口を設けておき、蓋で密閉し
ておき、使用するとき蓋を取り外すようにしておいても
よい。この換気装置２はボイラーの機種、大きさによっ
て、能力の大小、取付ける数が設定される。図示の本例
では、３個設けてある。

【００１６】前記換気装置２には通路３を経て集塵器４
が連結される。換気装置２が複数の場合には、通路３に
ヘッダー５を介在させると複数の通路３を単線にすると
き好ましい。前記換気装置２と集塵器４との間には、ブ
ロアー等の粉塵の吸引、排出を助長する装置を介在させ
てもよい。

【００１７】前記集塵器４は、粉塵を水でシャワーリン
グしつつ集塵するもので、図２はその一例を示す概略断
面図である。同図において、１１は集塵器本体であっ
て、前記換気装置２からの通路３が、天板１２に連結さ
れ粉塵は上方から本体１１内に噴入される。この噴入す
る粉塵は、そのままだと、通路３の排出口の直下を中心
に本体１１内に集積するので、本体１１内に平均して集
積されるように、本体１１内には邪魔板、回転板及び拡
散板等の手段１８を設けると望ましい。

【００１８】また、天板１２には水噴射用のノズル１３
が設けられ、噴入する粉塵に向かって水が噴射されるよ
うになっている。前記ノズル１３は、噴入する粉塵の全
てに均一に水が噴射されるように、シャワー状に拡散し
て噴出されるものが好ましい。前記ノズル１３は１個だ
けでなく複数であってもよく、その取付け位置も天板１
２だけでなく側面であってもよく、噴入する粉塵に効果
的にシャワーリングできる位置に適宜設定する。

【００１９】図３及び図４はノズル１３の一例を示す平
面図であって、図３は放射状に配管した水管１９を、中
心のパイプ１７に軸受を介し回転自在に設け、水管１９
に設けた噴射ノズル１３ａよりの水の噴射による噴射圧
の反動で回転させつつ噴射させるものであり、図４は水
管を環状に形成し、水を広い範囲に噴射できるようにし
たものである。

【００２０】前記ノズル１３には、管路１４にてタンク
等の水供給源に連結され、ポンプ等の水供給手段におい
て水が供給されるが、ノズル１３より噴射された水を、
そのまま排出するのは不経済であるので、ポンプ１６を
介在させた循環回路１５を形成し、水を循環して使用で
きるようにするのがよい。もちろん予め集塵器本体１１
を形成する容器に水を貯溜し、この水を循環させるよう
にしてもよい。この場合は別の水供給手段は不要とな
る。

【００２１】また、集塵器本体１１内には、濾過材等を
容入し粉塵を外部に漏らさず収集できるようにしてもよ
い。

【００２２】しかして、ボイラー本体１内をサンドブラ
ストによって洗浄すると、ボイラー本体１内は、噴射し
たサンド等の研掃材及び落下したダスト等の浮遊粉塵で
充満するが、換気装置２により浮遊粉塵は吸引、排出さ
れ集塵器４に集められる。このためボイラー本体１内の
浮遊粉塵は減少し、ボイラー本体１内の作業環境は改善
する。

【００２３】一方、換気装置２により吸引、排出された
粉塵は、通路３を経て集塵器本体１１内に噴入するが、
この噴入する粉塵には、ノズル１３により水がシャワー
リングされる。従って、粉塵は大気中に放散することな
く、集塵器４に収容される。このため、集塵した粉塵を
大気中に放散せず、環境の保護が図れると共に、集塵し
た粉塵の後処理もしやすくなる。尚、本発明では、サン
ドブラストとして説明しているが、洗浄材はサンドに限
定されるものでなく、他のブラスト材も含むものであ
る。

【００２４】

【発明の効果】以上詳細に説明した通り、本発明は、ボ
イラーに着脱自在の換気装置を設け、該換気装置で浮遊
粉塵を吸引排出しつつサンドブラストにより洗浄を行う
ので、ボイラー内の浮遊粉塵が少ない作業環境の中で作
業でき、作業者の作業能率の向上及び健康の保護を図る
ことができる。

【００２５】また、吸引排出した粉塵は、水でシャワー
リングしつつ集塵するので粉塵を大気中に放散するのが
抑制され、環境を汚染することもない、等の多大の効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す概略説明図である。

【図２】本発明に係る集塵器の一例を示す概略断面図で
ある。

【図３】本発明に係るノズルの一例を示す平面図であ
る。

【図４】本発明に係るノズルの他の一例を示す平面図で
ある。

【図５】ボイラーチューブにダスト等が付着した様子を
示す横断面部分図である。

【図６】ボイラーチューブをサンドブラストにより洗浄
する様子を示した説明図である。

【図７】従来のサンドブラストによる洗浄方法を示す概
略図である。

【符号の説明】

１ ボイラー本体 ２ 換気装置 ３ 通路 ４ 集塵器 １１ 集塵器本体 １３ ノズル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボイラーに着脱自在の換気装置を設け、
   該換気装置で浮遊粉塵を吸引排出しつつサンドブラスト
   により洗浄することを特徴とするボイラーの洗浄方法。
2. 【請求項２】 ボイラーに取付ける換気装置と、その換
   気装置の排出通路に設けられ排出された粉塵を水でシャ
   ワーリングしつつ集塵する集塵器とよりなる請求項１記
   載の方法に使用する除塵装置。