JP2003074923A

JP2003074923A - 集塵機能付き送風機

Info

Publication number: JP2003074923A
Application number: JP2001268351A
Authority: JP
Inventors: Tadao Okazaki; 忠雄岡崎
Original assignee: OHM Electric Co Ltd
Current assignee: OHM Electric Co Ltd
Priority date: 2001-09-05
Filing date: 2001-09-05
Publication date: 2003-03-12

Abstract

(57)【要約】【課題】液体粒子を塵埃やミストと混合して極めて細
かな塵埃やミストを効率よく集塵できるようにする。【解決手段】回転翼３の中空空気通路３２と同方向に
回転翼３を貫通し、回転翼３の回転に応じて発生する負
圧により、タンク５から集塵液６を吸い上げて排気室１
１Ａ内へ噴射する給水管４を設け、外部から取り込んだ
空気を、そのまま回転翼３の中空空気通路３２を通過さ
せて排気室１１Ａへ導入し、この排気室１１Ａ内で給水
管４から噴射された集塵液６の液体粒子と混合する。こ
れにより、空気に含まれる塵埃やミストに水の粒子を付
着させ、排気室１１Ａや集塵室１１Ｂの内壁に衝突させ
て集塵する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、集塵機能付き送風
機に関し、特に軸方向から空気を吸い込み径方向外方へ
送り出すように放射状に形成された多数の中空空気通路
を有する回転翼を回転させることにより、空気に含まれ
る塵埃やミストを除去する集塵機能付き送風機に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】室内の塵埃を集塵して除去し清浄な空気
を供給する場合、掃除機などフィルタを用いて塵埃を集
塵する方法が考えられる。このようなフィルタではある
程度の大きさの塵埃であれば集塵できるが、空気中に浮
遊している浮遊粉塵など極めて細かな塵埃やミストにつ
いては効率よく集塵できない。従来、このような極めて
細かな塵埃やミストを集塵する集塵機能付き送風機とし
て、本出願人は図６に示すような集塵機能付き送風機を
提案している（例えば、特開平１０−３３１７９７号公
報など参照）。

【０００３】同図において、ファンケース１１は筒体か
らなり、その内側に、下方の入口側と上方の出口側とを
分ける仕切板１２が設けられている。また、この仕切板
１２には、その入口側に出力軸２が突出するように、フ
ァンケース１１の軸線に沿って仕切板１２の出口側に、
駆動モータ１が固定されている。さらに、仕切板１２の
入口側には、送風を行うとともに、空気中の塵埃やミス
トなどを除去する回転翼３が配置されており、駆動モー
タ１の出力軸２に結合されている。ファンケース１１の
入口側には、入口板１３が配置されており、仕切板１２
とファンケース１１と協同して、回転翼３を取り囲む排
気室１１Ａ（出口側内部空間）を形成している。

【０００４】図７は回転翼３の構成例を示す斜視図であ
る。回転翼３は、軸方向から吸い込んだ空気を径方向外
方へ送り出すように放射状に形成された多数の中空空気
通路３２を有する複数の円板３１（３１Ａ〜３１Ｅ）か
ら構成されている。各円板３１Ａ〜３１Ｅには、中空空
気通路３２を構成する位置に、それぞれ中空空気通路３
２の上部を形作る溝と、下部を形作る溝とが、部分パタ
ーンとして形成されている。これら円板３１Ａ〜３１Ｅ
を重ね合わせることにより、中空空気通路３２が形成さ
れる。なお、各中空空気通路３２は、吸気室３Ａ側から
外周側まで同一内径のまっすぐな筒形状をなしている。

【０００５】円板３１の中央には、円形の穴が設けられ
ており、これにより、下方に開口して各中空空気通路３
２に空気流を導くための吸気室３Ａが回転翼３の中央に
形成される。したがって、駆動モータ１の駆動に応じて
回転翼３が回転し、回転翼３の各中空空気通路３２内の
空気が、遠心力により径方向外方に放出され中空空気通
路３２内が負圧になる。これにより、入口板１３の下方
に設けられた筒体１８の吸い込み口１８Ａから外部の空
気が吸い込まれ、入口板１３の中央部に設けられている
吸気口１３Ａおよび回転翼３の吸気室３Ａを介して中空
空気通路３２へ導かれる。

【０００６】一方、筒体１８の空気通路内で回転翼３の
回転軸上には、水を霧状にして噴射するノズル８が設け
られており、塵埃やミストなどを含む空気に細かな液体
粒子が吸気室３Ａで混合される。これにより、比較的軽
く細かな塵埃やミストにも液体粒子が付着し、その重さ
や体積が増加するため、回転翼３の吸気室３Ａから吸い
込まれたこれら塵埃やミストは、中空空気通路３２の内
壁に衝突して付着し易くなる。このようにして、中空空
気通路３２の内壁に付着した塵埃やミストは、中空空気
通路３２から遠心力により径方向外方に放出され、排気
室１１Ａ内の入口板１３上に落下して堆積するか、ミス
トドレイン１９を介して外部へ排出される。

【０００７】一方、中空空気通路３２から径方向外方に
放出された空気は、仕切板１２の通気口１２Ａを介し
て、ファンケース１１とモータカバー１Ａとで形成され
る集塵室１１Ｂへ導かれる。この集塵室１１Ｂでは、回
転翼３の回転に影響されて排気室１１Ａからの空気が旋
回する。したがって、この空気流に残存する塵埃やミス
トは、その遠心力により、重いものほど外側に移動して
集塵室１１Ｂの内壁に衝突し、最終的には入口板１３上
に落下して堆積するか、ミストドレイン１９を介して外
部へ排出される。これにより、筒体１８から吸い込まれ
た空気は、その空気に含まれる塵埃やミストが取り除か
れ、清浄な空気が集塵室１１Ｂの上部にある吹出口１６
から外部へ排出される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の集塵機能付き送風機では、筒体１８にノズル
８を設けて霧状の水を噴射することにより、回転翼３に
空気を導入する前の吸気室３Ａで塵埃やミストなどを含
む空気に細かな液体粒子を混合しているため、液体粒子
と混合していない場合より塵埃やミストが回転翼３の中
空空気通路３２の内壁に付着しやすくなるとともに、一
旦付着した塵埃やミストに対して後続の塵埃やミストが
さらに付着して徐々に成長するため、中空空気通路３２
を通る空気を阻害して送風量さらには集塵効率を低下さ
せるという問題点があった。本発明はこのような課題を
解決するためのものであり、液体粒子を塵埃やミストと
混合して極めて細かな塵埃やミストを効率よく集塵でき
る集塵機能付き送風機を提供することを目的としてい
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明にかかる集塵機能付き送風機は、筒状
のファンケースと、このファンケースの内部に固定され
てその内部を下方の入口側と上方の出口側を分けるとと
もに、ファンケースの内壁に隣接して周方向にほぼ等配
された複数の通気口を有する仕切板と、この仕切板から
入口側に突出した駆動モータの出力軸に結合されている
とともに下方へ開放する吸気室を中央に有し、この吸気
室を介して軸下方から空気を吸い込み径方向外方へ送り
出すように放射状に形成された多数の中空空気通路を有
する回転翼と、ファンケースおよび仕切板と協同して回
転翼を取り囲む排気室を形成するように入口側に配置さ
れ、外部空気を吸気室へ導く吸気口を中央に有する入口
板と、この入口板の下方に配置されて集塵液を蓄液する
タンクと、一端がタンクから回転翼の回転軸に沿って吸
気室へ延び回転翼の内部を径方向外側へ貫通し、その他
端が回転翼の外周部に少なくとも面して設けられ、タン
ク内の集塵液を吸い込んで排気室へ噴射する１つ以上の
給水管とを備え、外部から吸気した空気を、そのまま回
転翼の中空空気通路を通過させて排気室へ導入し、この
排気室でタンクから吸い上げた集塵液の液体粒子と混合
するようにしたものである。

【００１０】給水管を複数備える場合は、これら給水管
のうちタンクの集塵液に浸る部分をその外側から１つに
束ねて被う筒状の防波リングを設け、回転翼の回転に応
じて給水管が回転した場合に発生しうる集塵液の飛散を
抑制するようにしてもよい。また、排気室へ噴射された
集塵液を集めてタンクへ戻すドレイン管を設けて、集塵
液を再利用するようにしてもよい。このとき、タンクを
着脱自在に支持して、集塵液を交換できるようにしても
よい。また、給水管から噴射される集塵液の中空空気経
路へ付着がなるべく回避されるよう、その他端を回転翼
の外周部から径方向外部へ突出して設けてもよい。

【００１１】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図１は本発明の一実施の形
態にかかる集塵機能付き送風機の構成を示す断面図であ
り、同図において、前述の説明（図６参照）と同じまた
は同様部分には同一符号を付してある。ファンケース１
１は筒体からなり、その内側に、下方の入口側と上方の
出口側とを分ける仕切板１２が設けられている。また、
この仕切板１２には、その入口側に出力軸２が突出する
ように、ファンケース１１の軸線に沿って仕切板１２の
出口側に、駆動モータ１が固定されている。さらに、仕
切板１２の入口側には、送風を行うとともに、空気中の
塵埃やミストなどを除去する回転翼３が配置されてお
り、駆動モータ１の出力軸２に結合されている。

【００１２】ファンケース１１の入口側には、入口板１
３が配置されており、仕切板１２およびファンケース１
１と協同して、回転翼３を取り囲む排気室１１Ａ（出口
側内部空間）を形成している。また、入口板１３の下部
には、下端にゴム足１４Ａが固定されている脚部１４が
設けられており、その脚部１４で囲まれる入口板１３の
下方には、集塵液６を蓄液するためのタンク５が設けら
れている。本実施の形態は、外部から吸気した空気は、
そのまま回転翼３の中空空気通路３２を通過させて排気
室１１Ａへ導入し、この排気室１１Ａでタンク５から吸
い上げた集塵液６の液体粒子と混合するようにしたもの
である。

【００１３】排気室１１Ａへ液体粒子を供給するための
構成としては、回転翼３の中空空気通路３２と同様に集
塵液を供給する給水管４を複数設け、回転翼３の回転に
応じて発生する負圧により、給水管４を介してタンク５
から水などの集塵液６を吸い上げ、排気室１１Ａ内へ噴
射することにより集塵液６の液体粒子を空気と混合させ
ている。図２に回転翼の構成を示す。図２（ａ）は外観
図、図２（ｂ）は側面断面図、図２（ｃ）は底面図であ
る。

【００１４】回転翼３は、前述の図７と同様に、軸方向
から吸い込んだ空気を径方向外方へ送り出すように放射
状に形成された多数の中空空気通路３２を有する複数の
円板３１（３１Ａ〜３１Ｅ）から構成されている。各円
板３１Ａ〜３１Ｅには、中空空気通路３２を構成する位
置に、それぞれ中空空気通路３２の上部を形作る溝と、
下部を形作る溝とが、部分パターンとして形成されてい
る。

【００１５】これら円板３１Ａ〜３１Ｅは、上方円板３
３と下方円板３４とに挟まれて重ね合わされ中空空気通
路３２を形成する。なお、各中空空気通路３２は、吸気
室３Ａ側から外周側まで同一内径のまっすぐな筒形状を
なしている。また上方円板３３の中央には駆動モータ１
の出力軸２と結合するための取付部３６が設けられてい
る。円板３１と下方円板３４の中央には、円形の穴が設
けられており、これにより、下方に開口して各中空空気
通路３２に空気流を導くための吸気室３Ａが回転翼３の
中央に形成される。

【００１６】本実施の形態にかかる回転翼３には、中空
空気通路３２と同方向すなわち回転翼３の径方向に回転
翼３を貫通する給水管４が１つ以上、ここでは２つ設け
られている。この給水管４は、その一端すなわち吸水口
４Ａがタンク５から回転翼３の回転軸に沿って吸気室３
Ａへ延び、さらに回転翼３（円板３１）を吸気室３側か
ら径方向外側へ貫通し、その他端すなわち噴射口４Ｂが
回転翼４の外周部から突出して設けられている。噴射口
４Ｂについては、回転翼３の外周面に少なくとも面して
いればよいが、突出して設けることにより、給水管から
噴射された集塵液６がその付近の中空空気通路３２の出
口へ付着しづらくなり、中空空気通路３２の目詰まりを
回避できる。

【００１７】また、各給水管４のうち集塵液６に浸る部
分については、防波リング４Ｃへ挿入されている。各給
水管４は、回転翼３の回転に応じてタンク５内でも高速
回転する。このとき、円形の給水管４を複数本寄せ集め
た場合、全体の外周は凹凸を生じるため、その回転の
際、集塵液６をかき回すことになり、集塵液６をタンク
５の外部へ飛散させる原因となる。したがって、上記凹
凸を防波リング４Ｃにより被うことにより、その凹凸を
隠すことができ、集塵液６の飛散を防止できる。なお、
給水管４のうち集塵液６に浸る部分については、図５に
示すように１本化し、そこから分岐させて回転翼３へ導
くようにしてもよい。

【００１８】タンク５は、脚部１４に囲まれた入口板１
３の下方に複数の支持ポール５Ａを介して支持されてい
る。図３に入口板１３の構成を示す。図３（ａ）は入口
板１３の平面図、図３（ｂ）は入口板１３のＡＡ断面図
である。入口板１３は、中央に吸気口１３Ａが形成され
たドーナツ板状の底板１３Ｄから構成されている。吸気
口１３Ａの周部には底板１３Ｄから上方すなわち排気室
１１Ａ側に向かって突出する内側円筒１３Ｅが設けられ
ている。さらに、底板１３Ｄの外周部には、同じく底板
１３Ｄから上方に向かって突出する外側円筒１３Ｆが設
けられている。

【００１９】これら、内側円筒１３Ｅ、外側円筒１３Ｆ
およびこれら内側円筒１３Ｅと外側円筒１３Ｆとを接続
する底板１３Ｄにより、排気室１１Ａや集塵室１１Ｂか
らの水滴を集水する集水路１３Ｂが形成されている。こ
の集水路１３Ｂを構成する底板１３Ｄには、集水路１３
Ｂで集水された水滴を排水するためのドレイン穴１３Ｃ
が設けられている。このドレイン穴１３Ｃには、ドレイ
ン管１５が接続されており、水滴はこのドレイン管１５
を通ってタンク５へ導かれ、集塵液６として再利用され
る。

【００２０】底板１３Ｄには、その下方に向けてタンク
５の周部を支持する複数の支持ポール５Ａとフィルタ７
がねじ５Ｂにより固定されている。フィルタ７は、タン
ク５の集塵液６に浸る給水管４の吸水口４Ａに対して、
集塵液に含まれる塵埃やミストの固まりなどの異物吸い
込みを防止するためのネットである。フィルタ７は逆円
錐台形をなしており、その内側に給水管４が配置され、
逆円錐台形の下端が吸水口４Ａを被うように底板１３Ｄ
に固定されている。なお、タンク５は例えば蝶ねじなど
の取付部材５Ｃを介して支持ポール５Ａへ着脱自在に取
り付けられており、必要に応じてタンク５を取り外して
集塵液６を取り替えることができる。

【００２１】次に、集塵機能付き送風機の動作について
説明する。駆動モータ１の駆動に応じて回転翼３が回転
し、回転翼３に形成されている各中空空気通路３２内の
空気が、遠心力により径方向外方に放出されて中空空気
通路３２内が負圧になる。これにより、入口板１３の吸
気口１３Ａおよび回転翼３の吸気室３Ａを介して、装置
外部の空気が、順次、回転翼３の中空空気通路３２へ吸
い込まれ、排気室１１Ａへ排気される。同様にして、回
転翼３に設けられている給水管４内の空気または集塵液
６が、遠心力により径方向外方に放出されて給水管４内
が負圧になる。これにより、タンク５の集塵液６が吸水
口４Ａから吸い上げられ、噴射口４Ｂから排気室１１Ａ
へ噴射される。

【００２２】このとき、噴射口４Ｂから噴射された集塵
液６は、排気室１１Ａを形成するファンケース１１の内
壁に付着して排気室１１Ａ内に放出された空気に含まれ
る塵埃やミストの捕捉膜となり、一部は勢いよく衝突し
て霧状の細かな液体粒子となって飛散する。これによ
り、排気室１１Ａ内に放出された空気に含まれる塵埃や
ミストは上記捕捉膜で捕捉されるとともに、一部は上記
液体粒子と付着してその重さや体積が増加するため、こ
れら塵埃やミストは遠心力により排気室１１Ａの内壁に
衝突して付着し易くなり、これら塵埃やミストを含む液
体粒子が複数集まって水滴となり、入口板１３の集水路
１３Ｂへ集水される。

【００２３】中空空気通路３２から排気室１１Ａへ放出
された空気は、仕切板１２の通気口１２Ａを介して、フ
ァンケース１１と駆動モータ１を被う筒体のモータカバ
ー１Ａとで形成されるドーナツ形状の集塵室１１Ｂへ導
かれる。なお、仕切板１２の底板１２Ｂには、図４
（ａ）の正面図および図４（ｂ）のＢＢ断面図に示すよ
うに、ファンケース１１の内壁に近い部分の周方向にほ
ぼ等配された複数の通気口１２Ａが形成されており、そ
の中央には、駆動モータ１の出力軸２が貫通するための
軸穴１２Ｃが設けられている。この集塵室１１Ｂでは、
回転翼３の回転に影響されて排気室１１Ａからの空気が
旋回する。このとき、これら塵埃やミストと同様にして
液体粒子も集塵室１１Ｂへ導かれ、その遠心力により外
側に移動して集塵室１１Ｂを形成するファンケース１１
の内壁に衝突し、その内壁面に水膜６Ａを形成する。

【００２４】一方、この空気流に残存する塵埃やミスト
は、その遠心力により、重いものほど外側に移動して集
塵室１１Ｂを形成するファンケース１１の内壁に衝突
し、水膜６Ａに付着する。また、上記空気流に残存する
塵埃やミストの一部は、集塵室１１Ｂに導かれた液体粒
子に付着してその重さや体積が増大するため、その遠心
力によりファンケース１１の内壁に衝突して水膜６Ａに
付着し、効率よく集塵される。そして、塵埃やミストを
含む水膜６Ａは、排気室１１Ａから順次吹き上げられる
液体粒子により自重が増加するため、その一部が水滴と
なりファンケース１１の内壁に沿って、仕切板１２の通
気口１２Ａおよび排気室１１Ａを通って入口板１３の集
水路１３Ｂへ集水される。

【００２５】これにより、外部から吸い込まれた空気
は、その空気に含まれる塵埃やミストが取り除かれ、清
浄な空気が集塵室１１Ｂの上部にある吹出口１６から外
部へ排出される。また、集水路１３Ｂへ集水された集塵
液６は、ドレイン穴１３Ｃからドレイン管１５を介して
タンク５へ戻され、集塵液６として再利用される。

【００２６】このように、回転翼３の中空空気通路３２
と同方向に回転翼３を貫通して、回転翼３の回転に応じ
て発生する負圧により、タンク５から集塵液６を吸い上
げて排気室１１Ａ内へ噴射する給水管４を設け、外部か
ら吸気した空気を、そのまま回転翼３の中空空気通路３
２を通過させて排気室１１Ａへ導入し、この排気室１１
Ａ内で給水管４から噴射された集塵液６の液体粒子と混
合するようにしたので、従来のように、吸気室３Ａで集
塵液６の液体粒子と混合させてから中空空気通路３２へ
導く場合と比較して、中空空気通路３２の内壁に対する
塵埃やミストの付着を軽減できるとともに、液体粒子を
塵埃やミストと混合して極めて細かな塵埃やミストを集
塵できる。

【００２７】また、タンク５から吸い上げられた集塵液
６によりファンケース１１の内壁に捕捉膜や水膜６Ａが
形成されて、外部から吸い込まれた空気に含まれる塵埃
やミストが付着するため、効率よく集塵できる。この
際、回転翼３の回転に応じて発生する負圧により、給水
管４を介してタンク５から集塵液６が吸い上げられるた
め、送圧ポンプなど集塵液６を供給するための機構が不
要となり、装置全体の構成を簡素化でき製品コスト並び
に運転コストを削減できる。

【００２８】また、給水管４がタンク５の集塵液６に浸
る部分の外周部に防波リング４Ｃを設けたので、複数の
給水管４を寄せ集めた場合にその全体の外周に生じる凹
凸を隠すことができ、給水管４の回転による集塵液６の
飛散を防止できる。さらに、給水管４から排気室１１Ａ
へ噴射した集塵液６を集水し、タンク５へ戻して再利用
するようにしたので、常に新たな集塵液を供給する必要
がなくなり、水道水など集塵液を供給するための設備や
配管が不要となり、集塵機能付き送風機の設置場所に対
する制限が大幅に緩和されるとともに、その設置工事負
担を大幅に削減できる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、軸方向
から空気を吸い込み径方向外方へ送り出すように放射状
に形成された多数の中空空気通路を有する回転翼を回転
させることにより、空気に含まれる塵埃やミストを除去
する集塵機能付き送風機において、回転翼を中空空気通
路と同方向に貫通する給水管を設けて、その一端を回転
翼の外周部から突出させるとともに、他端を吸気室から
回転翼の回転軸に沿って下方へ屈曲しタンクまで導き、
タンク内の集塵液を吸い込んで排気室へ噴射して、排気
室内で中空空気通路から排出された空気と混合するよう
にしたので、従来のように、吸気室で集塵液の液体粒子
と混合させてから中空空気通路へ導く場合と比較して、
中空空気通路の内壁に対する塵埃やミストの付着を軽減
できるとともに、液体粒子を塵埃やミストと混合して極
めて細かな塵埃やミストを集塵できる。また、タンクか
ら吸い上げられた集塵液によりファンケースの内壁に捕
捉膜や水膜が形成されて、外部から吸い込まれた空気に
含まれる塵埃やミストが付着するため、効率よく集塵で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態にかかる集塵機能付き
送風機の構成を示す側面断面図である。

【図２】回転翼の構成を示す外観図、側面断面図およ
び底面図である。

【図３】入口板の構成を示す平面図およびＡＡ断面図
である。

【図４】仕切板の構成を示す平面図およびＢＢ断面図
である。

【図５】回転翼の他の構成を示す側面断面図である。

【図６】従来の集塵機能付き送風機を示す側面断面図
である。

【図７】従来の回転翼の構成を示す外観図である。

【符号の説明】

１…駆動モータ、１Ａ…モータカバー、２…出力軸、３
…回転翼、３Ａ…吸気室、４…給水管、４Ａ…吸水口、
４Ｂ…噴射口、４Ｃ…防波リング、５…タンク、５Ａ…
支持ポール、５Ｂ…ねじ、５Ｃ…取付部材、６…集塵
液、６Ａ…水膜、７…フィルタ、１１…ファンケース、
１１Ａ…排気室、１１Ｂ…集塵室、１２…仕切板、１２
Ａ…通気口、１２Ｂ…底板、１２Ｃ…軸穴、１３…入口
板、１３Ａ…吸気口、１３Ｂ…集水路、１３Ｃ…ドレイ
ン穴、１３Ｄ…底板、１３Ｅ…内側円筒、１３Ｆ…外側
円筒、１４…脚部、１４Ａ…ゴム足、１５…ドレイン
管、１６…吹出口、３１，３１Ａ〜３１Ｅ…円板、３２
…中空空気通路、３３…上方円板、３４…下方円板、３
５…取付部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｆ０４Ｄ 29/70 Ｆ０４Ｄ 29/70 Ｎ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】筒状のファンケースと、このファンケースの内部に固定されてその内部を下方の
入口側と上方の出口側を分けるとともに、前記ファンケ
ースの内壁に隣接して周方向にほぼ等配された複数の通
気口を有する仕切板と、この仕切板から前記入口側に突出した駆動モータの出力
軸に結合されているとともに下方へ開放する吸気室を中
央に有し、この吸気室を介して軸下方から空気を吸い込
み径方向外方へ送り出すように放射状に形成された多数
の中空空気通路を有する回転翼と、前記ファンケースおよび前記仕切板と協同して前記回転
翼を取り囲む排気室を形成するように前記入口側に配置
され、外部空気を前記吸気室へ導く吸気口を中央に有す
る入口板と、この入口板の下方に配置されて集塵液を蓄液するタンク
と、一端が前記タンクから前記回転翼の回転軸に沿って前記
吸気室へ延び前記回転翼の内部を径方向外側へ貫通し、
その他端が前記回転翼の外周部に少なくとも面して設け
られ、前記タンク内の集塵液を吸い込んで前記排気室へ
噴射する１つ以上の給水管とを備えることを特徴とする
集塵機能付き送風機。
【請求項２】請求項１記載の集塵機能付き送風機にお
いて、前記配管を複数備えるとともに、これら配管のうち前記タンクの集塵液に浸る部分をその
外側から１つに束ねて被う筒状の防波リングを備えるこ
とを特徴とする集塵機能付き送風機。
【請求項３】請求項１記載の集塵機能付き送風機にお
いて、前記排気室へ噴射された前記集塵液を集めて前記タンク
へ戻すドレイン管を備えることを特徴とする集塵機能付
き送風機。
【請求項４】請求項３記載の集塵機能付き送風機にお
いて、前記タンクは、着脱自在に支持されていることを特徴と
する集塵機能付き送風機。
【請求項５】請求項１記載の集塵機能付き送風機にお
いて、前記給水管は、前記他端が前記回転翼の外周部から径方
向外部へ突出して設けられていることを特徴とする集塵
機能付き送風機。