JP4713432B2 - 刈取作業機 - Google Patents
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Description
また、ミッションケース内に刈取変速装置が収納されている為に、メインテナンス性が低下する可能性があった。
特許文献2に記載された発明では、刈取前処理装置を非作業姿勢に切り換える場合には、走行機体に設けた出力プーリと刈取前処理装置に設けた入力プーリとに亘って架渡されているベルトを外す必要があり、刈取前処理装置を作業姿勢に戻した場合には、ベルトを架けることが必要となる。従って、ベルトの着脱作業が必要であり、作業が煩雑になっていた。
請求項1に係る発明の特徴構成は、走行機体の前方に刈取前処理装置を取り付けるとともに、前記走行機体にエンジン、走行ミッション、変速動力を前記刈取前処理装置の動力入力部に伝達する刈取変速装置を設け、
前記刈取前処理装置を支持する横向き主フレームを走行機体の左右方向に沿って配設し、この横向き主フレームに内装された横向き伝動軸の端部に前記刈取前処理装置の動力入力部としての入力ギヤを設け、
前記エンジンと前記走行ミッションとを動力伝達可能に連係し、前記エンジンから前記刈取変速装置へ直接にエンジン動力が伝達されるように前記エンジンと前記刈取変速装置とを連係し、前記エンジンから刈取変速装置へ伝達された動力を前記入力ギヤを介して前記横向き伝動軸のみに伝達するように構成し、
前記刈取前処理装置を前記走行機体の前方に位置させる作業姿勢と、前記走行機体の前方から退避する非作業姿勢とに切換可能に構成し、前記横向き主フレームの後方近傍に前記刈取変速装置を配置して、前記走行機体に属し前記刈取変速装置から横側へ突設された出力軸に設けられた出力ギヤと、前記刈取前処理装置に属し前記横向き伝動軸に設けられた前記入力ギヤとを、互いに咬合離脱自在に構成する点にあり、その作用効果は次の通りである。
刈取変速装置をミッションケース外に配置する構成とすることによって、その刈取変速装置を刈取前処理装置の動力入力部の近傍に配置することができた。これによって、エンジンからミッションケース(走行ミッション)に動力が伝達され、エンジンから刈取前処理装置の動力入力部に動力が伝達されるので、ミッションケースから刈取前処理装置の動力入力部への伝動系が必要でなくなり、エンジンからミッションケースへの伝動系とミッションケースから刈取前処理装置の動力入力部への伝動系が輻輳することが回避できた。
しかも、刈取変速装置から刈取前処理装置の動力入力部に動力伝達するのに、走行機体に属する出力ギヤと刈取前処理装置に属する入力ギヤとを咬合離脱自在に構成することによって達成している。したがって、刈取前処理装置を非作業姿勢に切り換える場合に、従来のようにベルトを取り外すような作業は必要ではなく、作業の煩雑さを解消できる。
刈取変速装置をミッションケース外に配置する簡単な改造を施すことによって、刈取変速装置を刈取前処理装置の動力入力部の近傍に配置することができるとともにエンジンから刈取変速装置への伝動系を構築できて、伝動系が輻輳することを回避できた。
しかも、刈取変速装置に対するメインテナンス作業が容易になるとともに、刈取前処理装置を非作業姿勢に切り換える場合に、切換に必要な作業以外に、ベルトを取外す等の補助的作業を必要とせず、作業の煩雑さを解消できた。
請求項2に係る発明の特徴構成は、請求項1に係る発明において、前記刈取変速装置は、静油圧式無段変速装置で構成された刈取HSTと、その刈取HSTの動力を受けて減速する減速ギヤ機構とを備えて構成され、前記刈取HSTの横側に前記減速ギヤ機構を内装する減速ギヤケース部を配設してあり、前記減速ギヤケース部から前記刈取HSTの前側を通して前記出力軸が延出され、前記出力軸の延出端に前記入力ギヤに対して変速動力を伝達する前記出力ギヤが備えられている点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
刈取変速装置を静油圧式無段変速装置に構成することによって、エンジンから動力を受ける構成を採っていても、無段に変速することができるので、刈取速度と走行速度との同期及び非同期を採ることが容易になる。
請求項3に係る発明の特徴構成は、請求項1又は2に係る発明において、前記横向き主フレームの端部寄りの箇所を下方側から支持する取付台を、走行機体の機体フレームから立設された枠フレームの上部に取り付けてあり、前記取付台に前記刈取変速装置を取り付けてある点にある。
請求項4に係る発明の特徴構成は、請求項1〜3に係る発明において、前記エンジンと前記刈取変速装置とを第1無端回動体で動力伝達可能に連係するとともに、前記エンジンと走行ミッションとを第2無端回動体で動力伝達可能に連係してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、エンジンと走行ミッションとを動力伝達する第2無端回動体と同様に、エンジンと刈取変速装置とを第1無端回動体によって動力伝達可能に構成するので、刈取変速装置をミッションケースより取り出して動力入力部の近傍に配置することによって、刈取変速装置とエンジンとの間隔に関係なく、動力伝達可能にすることができた。
横向き主フレーム9Aは、走行機体4の前端に設けられている左右一対のブラケット12A、12Bに亘って取付られ支持されている。
左ブラケット12Aは、旋回台12Cに一体形成されている受けブラケット部12aとこの受けブラケット部12aにボルト止めされる蓋ブラケット部12bとでなっており、両ブラケット部12a、12bで横向き主フレーム9Aを挟み込み固定すべく構成してある。
左端に位置する支持ボックス13と左右中間に位置する枠フレーム14とに亘って前後二箇所に板部材40、40が架け渡されており、機械的強度の強化が図られてある。
尚、前記刈取変速装置は、静油圧式無段変速装置で構成された刈取HST15と、その刈取HST15の動力を受けて減速する減速ギヤ機構16とで構成されている。
刈取変速装置の刈取HST15(静油圧式無段変速装置)を収納する刈取HSTケース部15Aと、刈取HST15より動力を受けて減速する減速ギヤ機構16を収納する減速ギヤケース部16Aと、減速ギヤケース部16Aの出力軸を軸支するとともに、これらを枠フレーム14に取り付ける取付台17を一体形成してある。
図6に示すように、刈取HST15の下方において、取付台17にテンションアーム22が枢支され、テンションアーム22にテンション輪22Aが取り付けられて、第1伝動ベルト21に対して緊張力を付与してある。
減速ギヤ機構16からの出力は、取付台17からエンジン側に向けて突設された出力軸に刈取出力ギヤ23(出力ギヤに相当する)を取り付けて、この刈取出力ギヤ23より刈取前処理装置5の動力入力部としての刈取入力ギヤ26(入力ギヤに相当する)に伝達される。取付台17より突設された出力軸において、刈取出力ギヤ23と取付台17との間にテンションプーリ24が支持されており、前記テンション輪22Aとは反対側から第1伝動ベルト21に対して緊張力を付与している。
ここに、エンジンEからの動力伝達を受ける刈取HST15を、入力軸を上方に出力軸を下方に配置する構成によって、エンジンEの出力プーリ19から刈取HST19の入力プーリ20までの間隔を大きく採ることができ、テンション輪22Aやテンションプーリ24での張り代を大きく採ることができた。
刈取入力ギヤ26を介して取り入れた動力は、筒状主フレーム9B内に設置した縦向き伝動軸27を介して引起装置6、刈取装置7等に動力伝達される。一方、横向き主フレーム9Aの中間部に設けた出力部9aより刈取穀稈搬送装置8の株元搬送装置に動力伝達可能に構成してある。
刈取前処理装置5を非作業姿勢に切り換えるには、図4に示すように、前記した刈取前処理装置5を所定高さまで昇降させ、ロック操作具18でその高さを維持し、油圧シリンダ11と筒状主フレーム9Bとの連係を解除し、図10に示すように、右ブラケット12Bの蓋ブラケット部12dを開放するだけで、刈取前処理装置5を左ブラケット12Aの縦向き軸芯Y周りで回動させれば、図3及び図9に示すように、刈取出力ギヤ23と刈取入力ギヤ26との咬合状態を自動的に解除して刈取前処理装置5を非作業姿勢に切り換えることができる。
このような制御構成によって、変速位置検出センサ37からの変速信号を受けて制御装置38は、走行HST変速モータ33によって、走行HST29の速度を設定する。
また、板フレーム45Cの折り曲げ辺部45dの下向きの幅Wは、横向きフレーム45Bとの接続部分が最も大きく、右メインフレーム45Aとの接続部分が最も小さくなるように、徐々に、変化する状態のものに設定してあるので、負荷が最も大きくなる部位に最も大きな下向き幅Wの部分を配置することができ、負荷の大小に応じた下向き幅Wとすることができる。
右メインフレーム45Aから横外向きにチャンネル状ブラケット45Gを延出し、そのチャンネル状ブラケット45Gにグレンタンク42の揺動開放する縦向き軸芯Z用の孔45eが形成してある。
燃料タンク46の後面は上端から中間高さの位置まで、後下がりの傾斜面46Cになっており、シーブケース47の後方に配置された排ワラ細断装置49から落下する排ワラの流れを阻害しない傾斜面に設定してある。
(1) 第1、第2無端回動体21,32としては、ベルトを採用したが、チェーン等を採用してもよい。
(2) 刈取変速装置としては、静油圧式無段変速装置(HST)を採用しているが、ベルト式の無段変速装置、あるいは、ギヤ式の有段変速装置であってもよい。
従来は、図20(イ)及び(ロ)に示すように、右ブラケット12Bの受けブラケット部12aと取付台17とが一体形成されており、減速ギヤケース部16Aは別個に形成されていた。図21(イ)及び(ロ)に示すように、減速ギヤケース部16Aは、二つ割りケースになっており、刈取HST15からの動力伝達を受けて、刈取前処理装置5に出力する主体ケース部16bと主体ケース部16bを閉塞する蓋ケース部(図示せず)とで構成されている。減速ギヤ機構16の出力を刈取前処理装置5に伝達する刈取出力ギヤ23を支持する為に、刈取出力ギヤ23を出力軸に取り付けて支持する出力ケース部16aが設けられている。この出力ケース部16aは、減速ギヤケース部16Aの内の主体ケース部16bに一体形成されている。
取付台17の後端部分17Bは安定良く取付固定する為に、主体ケース部16bの刈取HST15からの動力を入力する入力ケース部16cよりさらに後方側に突出した位置まで延出されている。
以上のような構成によって、右ブラケット12Bの横向き主フレーム9Aの軸芯Qと減速ギヤケース部16Aの出力軸の軸芯Pとの間隔設定等の行い易さを維持しながら、刈取HSTケース部15Aの自由な配置を確保できる。
5 刈取前処理装置
9A 横向き主フレーム
14 枠フレーム
15 刈取HST
16 減速ギヤ機構
16A 減速ギヤケース部
17 取付台
21 第1無端回動体(第1伝動ベルト)
23 刈取出力ギヤ(出力ギヤ)
25 横向き伝動軸
26 刈取入力ギヤ(動力入力部)
28 走行ミッション
32 第2無端回動体(第2伝動ベルト)
E エンジン
Claims (4)
- 走行機体の前方に刈取前処理装置を取り付けるとともに、前記走行機体にエンジン、走行ミッション、変速動力を前記刈取前処理装置の動力入力部に伝達する刈取変速装置を設け、
前記刈取前処理装置を支持する横向き主フレームを走行機体の左右方向に沿って配設し、この横向き主フレームに内装された横向き伝動軸の端部に前記刈取前処理装置の動力入力部としての入力ギヤを設け、
前記エンジンと前記走行ミッションとを動力伝達可能に連係し、前記エンジンから前記刈取変速装置へ直接にエンジン動力が伝達されるように前記エンジンと前記刈取変速装置とを連係し、前記エンジンから刈取変速装置へ伝達された動力を前記入力ギヤを介して前記横向き伝動軸のみに伝達するように構成し、
前記刈取前処理装置を前記走行機体の前方に位置させる作業姿勢と、前記走行機体の前方から退避する非作業姿勢とに切換可能に構成し、前記横向き主フレームの後方近傍に前記刈取変速装置を配置して、前記走行機体に属し前記刈取変速装置から横側へ突設された出力軸に設けられた出力ギヤと、前記刈取前処理装置に属し前記横向き伝動軸に設けられた前記入力ギヤとを、互いに咬合離脱自在に構成する刈取作業機。 - 前記刈取変速装置は、静油圧式無段変速装置で構成された刈取HSTと、その刈取HSTの動力を受けて減速する減速ギヤ機構とを備えて構成され、前記刈取HSTの横側に前記減速ギヤ機構を内装する減速ギヤケース部を配設してあり、前記減速ギヤケース部から前記刈取HSTの前側を通して前記出力軸が延出され、前記出力軸の延出端に前記入力ギヤに対して変速動力を伝達する前記出力ギヤが備えられている請求項1記載の刈取作業機。
- 前記横向き主フレームの端部寄りの箇所を下方側から支持する取付台を、走行機体の機体フレームから立設された枠フレームの上部に取り付けてあり、前記取付台に前記刈取変速装置を取り付けてある請求項1又は2記載の刈取作業機。
- 前記エンジンと前記刈取変速装置とを第1無端回動体で動力伝達すべく連係するとともに、前記エンジンと走行ミッションとを第2無端回動体で動力伝達すべく連係してある請求項1〜3の何れか1項記載の刈取作業機。
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