JP4711555B2 - ダッシュサイドトリムの取付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車におけるダッシュサイド部を覆うダッシュサイドトリムの取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の装置としては、例えば、図7および図8に記載されたものが知られている(特開平8-282540号公報参照)。
【0003】
図7及び図8によれば、自動車aにおけるサイドシルbの前端部から計器板cの側方部位にかけて立上げ形成されたダッシュサイド部dの車室内e側に、ダッシュサイド部dを覆うダッシュサイドトリムfを取付けて、ダッシュサイド部dを美装している。
【0004】
従って、ダッシュサイドトリムfは、大略L字型を呈して、後側部がU字型に形成されて、サイドシルbの上部およびダッシュサイド部dの前端部に嵌合し、前側部が平板状に形成されてダッシュサイド部dを覆うことになる。
【0005】
そして、ダッシュサイドトリムfは、前側部の先端に車室中央側に延在する取付け片gを突設し、取付け片gに穿設した取付け孔hに計器板cの前端下部に存するダッシュロアパネルiに植設したスタッドボルトjを挿通するとともに、スタッドjにグロメットkを押込むことによって、位置決め固定している。
【0006】
この他、ダッシュサイドトリムfは、図示しないが、その裏面側に設けたクリップをダッシュサイド部d側に設けたクリップ座に係合することによって、更に確実にダッシュサイド部dに固定されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成する従来構造においては、ダッシュサイドトリムfは、スタッドボルトjにグロメットkを押込むことによって、ダッシュサイド部dに位置決め固定されることから、その取付けに際して、スタッドボルトjを取付け孔hに挿通させた後、スタッドボルトjにグロメットkを嵌め込む作業を経て、ダッシュサイド部dに取付けられることになる。
【0008】
このために、ダッシュサイドトリムfをダッシュサイド部dに取付けるには、スタッドボルトjを取付け孔hに挿通する他に、スダッドボルトjにグロメットkを押し込む作業が必要とすることから、グロメットkを使用する分部品点数が多くなり、取付け工数も増加させることになり、加えて、スタッドボルトjに対してグロメットkを押し込む作業は、計器板cの下部における狭い場所で行うことになって、取付け作業が非常に行いにくいという課題もあった。
【0009】
そこで、本発明はかかる点に鑑み案出されたもので、従来のグロメットを廃止して部品点数を減少させるとともに、ダッシュサイドトリムの取付け作業を簡単にしたダッシュサイドトリムの取付け構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、自動車におけるサイドシルの前端部から計器板の側方部位にかけて立ち上げ形成されたダッシュサイド部の車室内側に、該ダッシュサイド部を覆うダッシュサイドトリムを取付けるための取付け構造であって、前記ダッシュサイド部に自動車後方に突出するスタッドボルトを立設すると共に、該スタッドボルトが嵌合する前記ダッシュサイドトリム側の取付け孔を、前記ダッシュサイドトリムを凹設することによって形成した自動車前後方向に面する取付け面部に形成し、前記取付け孔は、前記スタッドボルトが嵌合する主孔と、該主孔に連続して、前記車室内側に拡開開口して前記スタッドボルトを前記主孔に導入する導入孔とから構成して、前記スタッドボルトが前記取付け孔の主孔に嵌着されるように構成している。
【0011】
本発明によれば、スタッドボルトを直接取付け孔の主孔に嵌着することによって、従来のグロメットを廃止することができ、取付け作業性の向上とともに部品点数を減少させることができる。
【0012】
また本発明は、前記ダッシュサイドトリムを凹設して形成した前記取付け面部における前記取付け孔の主孔側に連続して、前記自動車左右方向に面する傾斜面を前記ダッシュサイドトリムに形成し、前記傾斜面に前記スタッドボルトのねじ部が係合する凹凸部を形成して構成したことから、スタッドボルトが主孔に嵌合する上に、傾斜面の凹凸部に係合することによってダッシュサイドトリムのダッシュサイド部への固定力を増加させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における第1の実施の形態について、図1乃至図4を用いて説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る第1の実施の形態を採用した自動車におけるダッシュサイド付近をダッシュサイドトリムを取付けた状態で描画した斜視図、図2は同じくダッシュサイドトリムを取外した状態で描画した斜視図、図3は同じくダッシュサイドトリムの斜視図、図4は図1におけるA-A断面図である。
【0015】
図1乃至図4において、自動車1のフロアパネル2の前方にダッシュパネル3が形成されており、フロアパネル2の側方にはサイドシル4とサイドシル4の側方から立ち上がって計器板1aの側方部位にかけて形成したダッシュサイド部5がそれぞれ形成されている。
【0016】
そして、サイドシル4とダッシュサイド部5とは、その車室内6側に配置されたダッシュサイドトリム7により覆われている。
【0017】
ダッシュサイドトリム7は、図3に示すように、従来と同様、大略L字型を呈して、後側部7aがU字型に形成されてサイドシル4の上部およびダッシュサイド部5の前端部に嵌合し、前側部7bが平板状に形成されてダッシュサイド部5を覆っている。
【0018】
そして、ダッシュサイド部5には、図2に特に示すように、スタッドボルト8が自動車1の後方に突出するように立設されている。
【0019】
ダッシュサイドトリム7の前端部側には、凹三角状に凹設することによって自動車1前後方向に面する取付け面部10と取付け面部10に連続し自動車1の前後方向外方に傾斜する傾斜面部11が形成されている。
【0020】
取付け面部10には、スタッドボルト8が嵌合する取付け孔9が形成されている。
【0021】
取付け孔9は、図3に特に明確に示すように、スタッドボルト8が嵌合する略円形状の主孔9aと、主孔9aに連続して、スタッドボルト8を主孔9aに導入する導入孔9bとから構成している。
【0022】
また、導入孔9bは、主孔9aとの連続部が括れた頸部9cと、頸部9cから車室内6側に行くに従って拡開し先端が開口する初期導入部9dとで構成している。
【0023】
この結果、取付け孔9は、初期導入部9dの先端が開口していることから、弾性的に拡径するように構成されている。
【0024】
上記のように構成する本実施の形態によれば、ダッシュサイドトリム7をダッシュサイド部5に装着する場合、まず、ダッシュサイドトリム7におけるU字型に形成された後端部7aの下端部をサイドシル4に自動車1の後方から挿入した後スライドさせて、後端部7aの上端部側をダッシュサイド部の先端部に嵌合させる。
【0025】
そして、ダッシュサイドトリム7の自動車1の前方側へのスライド移動が進行すると、取付け孔9の導入孔9bにおける初期導入部9dの先端開口にスタッドボルト8が対向することになる。
【0026】
このとき、ダッシュサイドトリム7をダッシュサイド部5側に押し込むと、スタッドボルト8が初期導入部9dを経て頸部9cを挿通し、主孔9aに嵌合されることになる。
【0027】
この結果、スダッドボルト8の外径を主孔9aの内径より若干大きくしておけば、スタッドボルト8は、主孔9aに弾着嵌合することになって、ダッシュサイドトリム7はダッシュサイド部およびサイドシル4に固定装着されることになる。この時、図4に示すように、スタッドボルト8は、傾斜面部11に当接して、ダッシュサイドトリム7のダッシュサイド部5への固定力を増加させている。
【0028】
ただ、ダッシュサイドトリム7の固定を確実にするためには、スダッドボルト8および取付け孔9の弾着嵌合の他に、図示はしないが、従来と同様クリップによる取着構成を採るものとする。
【0029】
以上説明したように、本実施の形態においては、スタッドボルト8を直接取付け孔9の主孔9aに嵌着することによって、従来のグロメットを廃止することができ、取付け作業性の向上とともに部品点数を減少させることができる。
【0030】
図5および図6は本発明に係る第2の実施の形態を示しており、図5はダッシュサイドトリムの斜視図、図6はダッシュサイドトリムをダッシュサイド部に取付けた状態を描画した断面図である。
【0031】
図5および図6によれば、ダッシュサイドトリム7における傾斜面部11には、例えば螺旋溝のような凹凸部12が形成されている点、第1の実施の形態に対して相違している。
【0032】
これによれば、ダッシュサイドトリム7をダッシュサイド部5に取付けた後に、スタッドボルト8が傾斜面部11に当接した状態で、スタッドボルト8のねじ部8aが凹凸部12に係合することになる。
【0033】
この結果、スタッドボルト8が主孔9aに嵌合する上に、傾斜面11の凹凸部12に係合することによって、ダッシュサイドトリム7のダッシュサイド部5への固定力を更に増加させることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スタッドボルトを直接取付け孔の主孔に嵌着することによって、従来のグロメットを廃止することができ、取付け作業性の向上とともに部品点数を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態を採用した自動車におけるダッシュサイド付近をダッシュサイドトリムを取付けた状態で描画した斜視図である。
【図2】同じく、ダッシュサイドトリムを取外した状態で描画した斜視図である。
【図3】同じく、ダッシュサイドトリムの斜視図である。
【図4】図1におけるA-A断面図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態を採用したダッシュサイドトリムの斜視図である。
【図6】同じく、ダッシュサイドトリムをダッシュサイド部に取付けた状態を描画した断面図である。
【図7】従来の自動車におけるダッシュサイド付近をダッシュサイドトリムを取外した状態で描画した斜視図である。
【図8】同じく、図7におけるダッシュサイドトリムを取付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 自動車
1a 計器板
3 ダッシュパネル
4 サイドシル
5 ダッシュサイド部
6 車室内
7 ダッシュサイドトリム
8 スタッドボルト
9 取付け孔
9a 主孔
9b 導入孔
10 取付け面部
11 傾斜面部
12 凹凸部
Claims (2)
- 自動車におけるサイドシルの前端部から計器板の側方部位にかけて立ち上げ形成されたダッシュサイド部の車室内側に、該ダッシュサイド部を覆うダッシュサイドトリムを取付けるための取付け構造であって、前記ダッシュサイド部に自動車後方に突出するスタッドボルトを立設すると共に、該スタッドボルトが嵌合する前記ダッシュサイドトリム側の取付け孔を、前記ダッシュサイドトリムを凹設することによって形成した自動車前後方向に面する取付け面部に形成し、前記取付け孔は、前記スタッドボルトが嵌合する主孔と、該主孔に連続して、前記車室内側に拡開開口して前記スタッドボルトを前記主孔に導入する導入孔とから構成して、前記スタッドボルトが前記取付け孔の主孔に嵌着されるように構成したことを特徴とするダッシュサイドトリムの取付け構造。
- 前記ダッシュサイドトリムを凹設して形成した前記取付け面部における前記取付け孔の主孔側に連続して、前記自動車左右方向に面する傾斜面を前記ダッシュサイドトリムに形成し、前記傾斜面に前記スタッドボルトのねじ部が係合する凹凸部を形成したことを特徴とする請求項1記載のダッシュサイドトリムの取付け構造。
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