JP4711545B2 - 天井埋込型空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天井埋込型空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
天井内に埋設される本体の下端に、吹出口と吸込口とを有するグリル枠を設け、このグリル枠の吸込口開口部にフィルタを支持する吸込グリルを設け、この吸込グリルをフィルタごと昇降自在に形成し、フィルタを交換するときには吸込グリルをフィルタごと降下させて、このフィルタを低所で交換できるようにした空気調和装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構成では、フィルタの交換、清掃時において、吸込グリルに設置されたフィルタを着脱し易くすることは、空気調和装置のメンテナンス作業の効率を向上させる重要な問題である。
【0004】
本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、フィルタの清掃、交換等においてフィルタの着脱作業を行い易くする天井埋込型空気調和装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、天井内に埋設される本体の下端に、吹出口と吸込口とを有するグリル枠を設け、このグリル枠の吸込口には吸込グリルを設け、この吸込グリルの開口部には、吸込空気を清浄化するためのフィルタを着脱可能に設置し、前記吸込グリルとフィルタとが一体的にフィルタ交換位置まで降下可能に構成された昇降グリルを備えた天井埋込型空気調和装置において、上記昇降グリルは、上記吸込グリルの角部四ヶ所を吊りひもにて上記グリル枠に吊持され、上記吸込グリルがフィルタ交換位置まで降下すると、吸込グリルの吊持位置のうち、長手方向の二ヶ所に位置する吊りひもを所定時間繰り出して上記吸込グリルを傾斜させる制御装置を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、上記昇降グリルを被調和室の中央部側に傾ける手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項1または2に記載の発明によれば、上記昇降グリルを傾けるため、フィルタ面が現れ、フィルタの状態が確認される。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のものにおいて、上記制御装置は、上記吸込グリルが上昇する時には、この吸込グリルの吊持位置のうち、長手方向の二ヶ所に位置する吊りひもを巻き、上記昇降グリルを水平状態に戻す構成を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明では、上記吸込グリルを水平状態に戻して上昇させるため、吸込グリルは上記グリル枠に水平状態のまま装着される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
【0012】
図1は本発明に係る天井埋込型空気調和装置100を示す図である。図1に示すように、天井埋込型空気調和装置100は、居住空間において天井に設置され、特に壁寄りの位置に設けられる。本体1は天井内部に埋設されている。
【0013】
この本体1の内部には、図2,3に示すように、熱交換器2、送風機3等が収納されている。本体1の下端にはグリル枠4が固定されている。このグリル枠4の一端側には、居住空間の広域側寄りに吹出口5が設けられている。この吹出口5から居住空間の広域側(被調和室の中央部側)に空気が吐出される。また、上記グリル枠4の他端側には、壁寄りの位置に吸込口6が設けられており、この吸込口6から空気が吸い込まれる。この吸込口6には昇降グリル200が配設されている。
【0014】
昇降グリル200は、吸込グリル10と、この吸込グリル10を昇降させる昇降機構20とを有し構成されている。
【0015】
上記吸込グリル10の開口部には、吸込空気を清浄化するためのフィルタ11が着脱可能に設置されている。これら吸込グリル10とフィルタ11とは、図1に示すように、四本の吊りひも12,13を介して、グリル枠4に昇降自在に吊持されている。
【0016】
上記吸込グリル10の四ヶ所には四本の吊りひも12,13の一端12a,13aがそれぞれ止着され、各吊りひも12,13の他端12b,13bは、昇降機構20につながれている。
【0017】
この昇降機構20は、図2,3に示すように、機械部21A,21Bを有し構成されており、これら機械部21A,21Bは、上記グリル枠4の長手方向に平行に設置され、図3に示すように、上記吸込口6を挟んで対面するように固定されている。これら機械部21A,21Bの内部には、図示しないローラを各々二個ずつ有し、ローラは図示しないシャフトの両端部に連結され、このシャフトは、図示しないギヤを介して、モータの出力軸に連結されている。上記機械部21A,21Bの各ローラには、前述した各吊りひも12,13の他端12b,13bがそれぞれ試着されている。
【0018】
これら機械部21A,21Bの各モータが回転する時、シャフトにローラが連結されているので、ローラに動力が伝達され、ローラはこのシャフトと一体に回転して、それぞれの吊りひも12,13は繰り出し/巻き取りされる。
【0019】
上記制御装置は、制御装置と無線状態で通信されるリモコン30によりグリル昇降運転を選択した時に、上記モータが制御される。グリル昇降運転は、上記吸込グリル10の上昇運転と降下運転とを有して構成されており、上記フィルタ11の清掃、交換等のメンテナンス作業時に使用される。
【0020】
このメンテナンス作業時には、まず作業者Aがリモコン30からグリル昇降運転の降下運転を選択する。降下運転が選択されると、上記図示しない制御装置により機械部21A,21Bのモータが起動されて、これら機械部21A,21Bのローラから吊りひも12,13が繰り出され、上記吸込グリル10は天井から降下され始める。この時、ローラから繰り出される吊りひも12,13の繰り出し量は、制御装置により各々同量を保たれ、上記吸込グリル10は水平状態を維持されながら降下される。
【0021】
上記吸込グリル10がフィルタ交換位置X近くの位置Yまで降下されると、図示しない制御装置により、第一の時間がカウントされ始める。第一の時間は上記吸込グリル10が位置Yからフィルタ交換位置Xに降下されるまでの時間である。第一の時間がカウントされる間、上記吸込グリル10は水平状態でフィルタ交換位置Xまで降下される。このフィルタ交換位置Xまで上記吸込グリル10が降下されると、上記機械部21A,21Bの各モータのうち、一方の機械部21Bのモータが停止される。そして、図示しない制御装置により、第二の時間がカウントされ始める。第二の時間は、上記吸込グリル10が水平状態から傾き角aまで傾けられる時間である。この第二の時間の間、他方の機械部21Aのモータのみ起動され、他方の機械部21Aのローラから吊りひも12が繰り出され、上記吸込グリル10は水平状態から被調和室の中央部側(空気の吐出側)に傾けられる。そして上記吸込グリル10が傾き角aに傾けられると、図示しない制御装置により、他方の機械部21Aのモータは停止され、降下運転が停止される。
【0022】
ここで、上記フィルタ交換位置Xは、作業者Aがメンテナンス作業可能な低所位置であるのが望ましい。このフィルタ交換位置Xは、一方の機械部21Bのローラから繰り出される吊りひも13の繰り出し量により表される。例えば天井高さ約2.5mの居住空間において、フィルタ交換位置Xは、天井から吊りひも13を約1m繰り出して、上記吸込グリル10が約1m降下した位置であり、上記吸込グリル10が床から約1.5mの高さである。
【0023】
また、上記傾き角度aは、上記フィルタ交換位置Xにおいて、居住空間の広域側(被調和室の中央部側)に位置する作業者Aの視野に、上記フィルタ11の面が確認できる角度であるのが望ましい。例えば、被調和室の中央部側(空気吐出側)に水平位置から45度傾けられる。
【0024】
次に、上記フィルタ交換位置Xにおいて、作業者Aにより上記フィルタ11は上記吸込グリル10から取り外され、清掃、交換される。その後、上記フィルタ11は上記吸込グリル10に取り付けられ、作業者Aによりリモコン30からグリル昇降運転の上昇運転が選択される。
【0025】
上昇運転が選択されると、図示しない制御装置により、第三の時間がカウントされ始める。この第三の時間は、傾き角aに傾けられた上記吸込グリル10が水平状態に戻るまでの時間である。この第三の時間がカウントされ始めると、まず一方の機械部21Aのモータが起動され、上記吊りひも12が一方の機械部21Aのローラに巻き取られ、被調和室の中央部側(空気吐出側)に傾いた上記吸込グリル10の一端側が水平状態に戻りながら上昇される。
【0026】
次に上記吸込グリル10が水平状態に戻されると、他方の機械部21Bのモータが起動されて、上位吸込グリル10は水平状態で上昇される。そして、上記吸込グリル10は水平状態のまま上記グリル枠4に着入される。上記グリル枠4に上記吸込グリル10が着入されると、図示しない制御装置により上昇運転は停止される。
【0027】
この実施の形態によれば、上記フィルタ11の清掃、交換時には、上記吸込グリル10は降下されて、被調和室の中央部側(空気の吐出側)に傾けられるため、作業者Aに上記フィルタ11の状態が確認でき、フィルタ11の着脱作業が容易に行えるとういう効果がある。
【0028】
また、この実施の形態によれば、上記フィルタ11の掃除、交換後、上記吸込グリル10は、傾いた状態から水平状態に戻されて、水平状態で上昇させるから、上記吸込グリル10をグリル枠4に無理なくスムーズに装着させることができる。さらに、上記吸込グリル10は水平状態を保ち上昇されるから、吸込グリル10の振動を抑えることができる。
【0029】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】
例えば上記昇降グリル200は、グリル昇降の降下運転において、上記吸込グリル10を傾けながら降下させる構成を備えてもよい。この場合、上記吸込グリル10がフィルタ交換位置X近くの位置Yまで降下されると、図示しない制御装置により、上記機械部21A,21Bの各モータのうち、一方の機械部21Aのモータの回転数を増加させて、吊りひも12の繰り出し量が増加され、上記吸込グリル10の一端側は、水平状態から空気の吐出側に傾けられながら降下される。
【0031】
また例えば上記昇降グリル200は、グリル昇降の上昇運転において、上記吸込グリル10を傾いた状態から水平状態に戻しながら上昇させる構成を備えてもよい。この場合、図示しない制御装置により、機械部21A,21Bの各モータが起動され、吊りひも12,13が機械部21A,21Bのローラに巻き取られ、上記吸込グリル10は上昇され始める。この時、図示しない制御装置により、上記機械部21A,21Bの各モータのうち、一方の機械部21Aのモータの回転数を増加させて、一方の機械部21Aのローラから巻き取られる吊りひも13の巻き取り量が吊りひも12の巻き取り量より増加されて、空気の吐出側に傾いた上記吸込グリル10の一端側が水平状態に戻りながら上昇される。そして、フィルタ交換位置X近くの位置Yにおいて、上記吸込グリル10は傾いた状態から水平状態に戻される。
【0032】
例えば、一方向カセット型の空気調和装置について説明したが、二方向カセット型のもの、四方向カセット型のものにも適用が可能である。この場合、吸込グリルを傾かせる向きは、空気の吐出側に限定されない。
【0033】
【発明の効果】
請求項1乃至3に記載の発明によれば、吸込グリルを傾けるため、フィルタ面が現れ、フィルタの状態が確認されて、フィルタの清掃、交換が非常に便利になり、フィルタの着脱作業が容易に行えるという効果がある。
【0034】
請求項4記載の発明によれば、吸込グリルが傾いた状態から水平状態に戻されて上昇するため、吸込グリルはグリル枠に水平状態のまま装着され、無理なく、スムーズに装着させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る天井埋込型空気調和装置の一実施の形態を示す図である。
【図2】図1に示す天井埋込型空気調和装置の長手方向の断面図である。
【図3】図1に示す天井埋込型空気調和装置において、フィルタの清掃、交換作業時の吸込グリルと作業者との位置関係を示す図である。
【符号の説明】
1 本体
5 吹出口
4 グリル枠
6 吸込口
10 吸込グリル
11 フィルタ
12 吊りひも
13 吊りひも
20 昇降機構
21A 機械部
21B 機械部
30 リモコン
100 天井埋込型空気調和装置
200 昇降グリル
X フィルタ交換位置
Claims (3)
- 天井内に埋設される本体の下端に、吹出口と吸込口とを有するグリル枠を設け、このグリル枠の吸込口には吸込グリルを設け、この吸込グリルの開口部には、吸込空気を清浄化するためのフィルタを着脱可能に設置し、前記吸込グリルとフィルタとが一体的にフィルタ交換位置まで降下可能に構成された昇降グリルを備えた天井埋込型空気調和装置において、
上記昇降グリルは、上記吸込グリルの角部四ヶ所を吊りひもにて上記グリル枠に吊持され、上記吸込グリルがフィルタ交換位置まで降下すると、吸込グリルの吊持位置のうち、長手方向の二ヶ所に位置する吊りひもを所定時間繰り出して上記吸込グリルを傾斜させる制御装置を備えることを特徴とする天井埋込型空気調和装置。 - 上記昇降グリルは、被調和室の中央部側に傾ける構成を備えたことを特徴とする請求項1に記載の天井埋込型空気調和装置。
- 上記制御装置は、上記吸込グリルが上昇する時には、この吸込グリルの吊持位置のうち、長手方向の二ヶ所に位置する吊りひもを巻き、上記昇降グリルを水平状態に戻すことを特徴とする請求項1または2に記載の天井埋込型空気調和装置。
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