JP3843011B2 - 天井埋込型空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、昇降する吸込グリルを備えた天井埋込型空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、天井内に埋設される本体の下端に化粧パネルを備え、この化粧パネルの吸込口に吸込グリルを備え、この吸込グリルの4隅部を吊りひもで支持して降下可能に構成した天井埋込型空気調和装置が知られている。この種のものでは、吸込グリルを所定位置まで下降させた後、この吸込グリルのグリル面に取り付けられたプレフィルタを取り外してメンテナンスしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の構成では、吸込グリルのグリル面に対して、上記プレフィルタだけしか取り付けられておらず、空気清浄フィルタは、天井内に埋設された本体側に取り付けられているため、吸込グリルを昇降自在に構成したものにおいて、このプレフィルタの清掃は容易になるものの、空気清浄フィルタの清掃は容易にならないという問題がある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、複数のフィルタの清掃を容易に行うことができる天井埋込型空気調和装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、天井内に埋設される本体の下端に化粧パネルを備え、この化粧パネルの吸込口に吸込グリルを備えた天井埋込型空気調和装置において、上記吸込グリルをフィルタ交換位置まで降下させてフィルタ交換位置では吸込グリルを水平状態から傾ける駆動機構を有し、上記吸込グリルに、グリル面との間に間隙を形成するように取り付け具を片持ち支持し、前記間隙にプレフィルタを前記吸込グリルがフィルタ交換位置で傾いた場合の斜め下方へ引き出し自在に取り付けると共に、前記取り付け具に支持部を一体に形成し、この支持部上に、前記プレフィルタとは浄化能力の異なる空気清浄フィルタを、前記プレフィルタの引き出し方向とは反対方向である前記吸込グリルがフィルタ交換位置で傾いた場合の斜め上方へ引き出し自在に取り付けたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る空気調和装置100を示す図である。図1に示すように、空気調和装置100は、居住空間において天井に設置され、特に壁寄りの位置に設けられる。本体1は天井内部に埋設されている。
【0012】
この本体1の内部には、図2,3に示すように、熱交換器2、送風機3等が収納されている。本体1の下端には化粧パネル7が固定されている。この化粧パネル7は、昇降グリル8を有し構成されている。
【0013】
この化粧パネル7は、吹出口5と吸込口6とを有し、化粧パネル7の一端側には、居住空間の広域側寄りに吹出口5が設けられている。この吹出口5から居住空間の広域側(被調和室の中央部側)に空気が吐出される。
【0014】
また、上記化粧パネル7の他端側には、壁寄りの位置に吸込口6が設けられており、この吸込口6から空気が吸い込まれる。
【0015】
この吸込口6には昇降グリル8が配設されている。昇降グリル8は、吸込グリル10と、この吸込グリル10を昇降させる駆動システム20とを有し、この駆動システム20は、4本の吊りひも12〜15を、繰り出し/巻き取るための駆動機構21を有し構成されている。
【0016】
上記吸込グリル10の開口部には、吸込空気を清浄化するためのフィルタ11が着脱可能に設置されている。これら吸込グリル10とフィルタ11とは、図1に示すように、4本の吊りひも12〜15を介して、化粧パネル7に昇降自在に吊持されている。4本の吊りひも12〜15は、夫々の一端12A〜15Aが、上記吸込グリル10の4隅部10A,10B,10C,10Dに固定されている。また、吊りひも12〜15の各他端12B〜15Bは、図2及び図3に示すように、駆動機構21につながれている。
【0017】
この駆動機構21は、図4及び図5に示すように、化粧パネル7の吸込口6の一辺側7Aに設けられている。
【0018】
この駆動機構21は機械部22を有し、この機械部22は、図5に示すように、巻き取り器35A,35B,36A,36Bを有している。巻き取り器35A,35B、及び巻き取り器36A,36Bの夫々は、図示は省略したが、上下に重ねて配置されている。
【0019】
一方の巻き取り器35A,35Bの内、上に配置された巻き取り器35Aには、吊りひも12の他端12Bが止着され、この吊りひも12は、吸込口6の一辺側7Aに設けられた孔31を通じて化粧パネル7の下方に垂下し、吸込グリル10の隅部10Aに固定されている。
【0020】
下に配置された巻き取り器35Bには、吊りひも14の他端14Bが止着され、この吊りひも14はころ34を経由して、図6に示す通路Sを通じ、化粧パネル7の吸込口6の側辺部に沿って、該吸込口6の他辺側7Bに延出し、この他辺側7Bに形成された孔32を通じて化粧パネル7の下方に垂下し、吸込グリル10の隅部10Bに固定されている。
【0021】
他方の巻き取り器36A,36Bの内、上に配置された巻き取り器36Aには、吊りひも13の他端13Bが止着され、この吊りひも13は、吸込口6の一辺側7Aに設けられた孔31を通じて化粧パネル7の下方に垂下し、吸込グリル10の隅部10Dに固定されている。
【0022】
下に配置された巻き取り器36Bには、吊りひも15の他端15Bが止着され、この吊りひも15はころ34を経由して、図6に示す通路Sを通じ、化粧パネル7の吸込口6の側辺部に沿って、該吸込口6の他辺側7Bに延出し、この他辺側7Bに形成された孔32を通じて化粧パネル7の下方に垂下し、吸込グリル10の隅部10Cに固定されている。
【0023】
そして、巻き取り器35A,35B、及び巻き取り器36A,36Bには、図示を省略したギア等を介して駆動モータが連結され、このモータ駆動により、吊りひも12〜15が、繰り出し/巻き取りされる。例えば、機械部22のモータの正回転時には4本の吊りひも12〜15が繰り出され、モータの逆回転時には4本の吊りひも12〜15が巻き取られる。ここで、巻き取り器35A,35B、及び巻き取り器36A,36Bは、一つの駆動モータで駆動してもよいし、別々の駆動モータで駆動してもよい。
【0024】
上記構成では、駆動機構21につながる2本の吊りひも12,13が、該吸込口6の一辺側7Aから垂下し、残りの2本の吊りひも14,15が、吸込口6の側辺部に形成された通路Lを通じて、吸込口6の他辺側7Bに延出し、この吸込口6の他辺側7Bから垂下する。
【0025】
上記通路Lは、図6に示すように、上記吸込グリル10が化粧パネル7に収納された時に、化粧パネル7の吸込口6の周縁近傍で、吸込グリル10と化粧パネル7との間に形成される空間Sである。
【0026】
本実施形態では、図7に示すように、上記吸込グリル10のグリル面10Eにフィルタ11が取り付けられている。そして、このフィルタ11が、吸込グリル10のグリル面10Eに取り付けられたプレフィルタ(第1のフィルタ)40と、吸込グリル10のグリル面10Eにおけるプレフィルタ40の上方に取り付け具43を介して取り付けられた、プレフィルタ40とは浄化能力の異なる、空気清浄フィルタ(第2のフィルタ)45とを備えて構成されている。
【0027】
取り付け具43は、図4に示すように、吸込グリル10の幅方向の略中央部と、その両側に離れて設けられ、図7に示すように、一端43Aが、吸込グリル10のグリル面10Eに固定されていわば片持ちで支持されている。
【0028】
そして、取り付け具43の他端43Bは、グリル面10Eから浮いており、このグリル面10Eとの間には隙間(開放部)δが形成されている。この隙間δは、プレフィルタ40を矢印Aの方向に引き出すための隙間であり、プレフィルタ40の厚さtよりも若干大きく形成されている。
【0029】
また、取り付け具43には、図4に示すように、空気清浄フィルタ45の支持部43Cが一体に形成され、この支持部43C上には、重量の重い空気清浄フィルタ45が取り付けられる。
【0030】
この空気清浄フィルタ45は、その取り外しに際し、矢印Aの方向とは反対方向の矢印Bの方向に引き出される。
【0031】
本実施形態では、吸込グリル10を所定位置まで下降させた後、空気清浄フィルタ45だけでも、プレフィルタ40だけでも、或いはその両方のフィルタを容易に取り外し、清掃、取り付けを行うことができる。すなわち、空気清浄フィルタ45だけの場合、それを矢印Bの方向に引き出せばよく、プレフィルタ40だけの場合、それを矢印Aの方向に引き出せばよい。
【0032】
次に、昇降グリル8の動作について説明する。
【0033】
図4,5に示すように、上記吸込口6を挟んで、上記機械部22に対面する位置には、制御装置41が設置されている。上記制御装置41は、上記機械部22のモータを制御する。制御装置41は、図2,3に示すリモコン30で無線通信されており、作業者Aがリモコン30によりグリル昇降運転を選択する。グリル昇降運転は、上記吸込グリル10の上昇運転と降下運転とを有して構成され、上記フィルタ11の清掃時、交換時等のメンテナンス作業時に利用される。
【0034】
このメンテナンス作業時に、まずグリル昇降運転の降下運転が選択される。降下運転が選択されると、機械部22のモータが起動されて、この機械部22の巻き取り器35,36から吊りひも12,13が繰り出され、上記吸込グリル10が天井から降下される。また、吊りひも12,13の繰り出し量は各々同量を保たれ、上記吸込グリル10は水平状態を維持されながら降下される。
【0035】
図3に示すように、上記吸込グリル10がフィルタ交換位置Xまで降下されると、上記機械部22のモータの動力を巻き取り器35のみに伝達し、巻き取り器35から吊りひも12のみが繰り出され、上記吸込グリル10は水平状態から被調和室の中央部側(空気の吐出側)に傾けられる。
【0036】
そして上記吸込グリル10が傾き角aに傾けられると、機械部22のモータは停止され、降下運転が停止される。
【0037】
ここで、上記フィルタ交換位置Xは、作業者Aがメンテナンス作業可能な低所位置であるのが望ましい。このフィルタ交換位置Xは、巻き取り器36A,36Bから繰り出される2本の吊りひも13,15の繰り出し量により表される。また、上記傾き角度aは、上記フィルタ交換位置Xにおいて、居住空間の広域側(被調和室の中央部側)に位置する作業者Aの視野に、上記フィルタ11の面が確認できる角度であるのが望ましい。
【0038】
次に、上記フィルタ交換位置Xにおいて、作業者Aにより、空気清浄フィルタ45、及びプレフィルタ40からなる、上記フィルタ11を吸込グリル10から取り外し、清掃、交換される。その後、このフィルタ11は吸込グリル10に取り付けられ、作業者Aがグリル昇降運転の上昇運転を選択する。
【0039】
上昇運転が選択されると、機械部22のモータが起動され、上記機械部22のモータの動力を巻き取り器35のみに伝達し、上記吊りひも12のみが巻き取り器35に巻き取られて、被調和室の中央部側(空気吐出側)に傾いた上記吸込グリル10の一端側が水平状態に戻りながら上昇される。
【0040】
次に上記吸込グリル10が水平状態に戻されると、巻き取り器35A,35B及び巻き取り器35A,35Bを同時に回転させて、4本の吊りひも12〜15が同時に巻き取られ、上位吸込グリル10は水平状態で上昇される。そして、上記吸込グリル10は水平状態のまま上記化粧パネル7に着入される。上記化粧パネル7に上記吸込グリル10が着入されると、機械部22のモータが停止され、上昇運転が停止される。
【0041】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】
【発明の効果】
本発明では、吸込グリルを取り外せば、そこに第1,第2のフィルタが取り付けられているため、これらを容易に取り外すことができ、清掃し、それらを容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る天井埋込型空気調和装置の一実施の形態を示す図である。
【図2】図1に示す天井埋込型空気調和装置の長手方向の断面図である。
【図3】図1に示す天井埋込型空気調和装置において、フィルタの清掃、交換作業時の吸込グリルと作業者との位置関係を示す図である。
【図4】図1に示す天井埋込型空気調和装置の外枠の長手方向の断面図である。
【図5】図1に示す天井埋込型空気調和装置の外枠を天井内から見た平面図である。
【図6】図1に示す天井埋込型空気調和装置の外枠の短手方向の断面図である。
【図7】フィルタの取り付け構造を示す図である。
【符号の説明】
1 本体
5 吹出口
4 外枠
6 吸込口
8 昇降グリル
10 吸込グリル
10E グリル面
11 フィルタ
12 吊りひも
13 吊りひも
40 プレフィルタ(第1のフィルタ)
43 取り付け具
45 空気清浄フィルタ(第2のフィルタ)
100 天井埋込型空気調和装置
L 通路
S 空間
X 所定位置
Claims (1)
- 天井内に埋設される本体の下端に化粧パネルを備え、この化粧パネルの吸込口に吸込グリルを備えた天井埋込型空気調和装置において、
上記吸込グリルをフィルタ交換位置まで降下させてフィルタ交換位置では吸込グリルを水平状態から傾ける駆動機構を有し、
上記吸込グリルに、グリル面との間に間隙を形成するように取り付け具を片持ち支持し、前記間隙にプレフィルタを前記吸込グリルがフィルタ交換位置で傾いた場合の斜め下方へ引き出し自在に取り付けると共に、前記取り付け具に支持部を一体に形成し、この支持部上に、前記プレフィルタとは浄化能力の異なる空気清浄フィルタを、前記プレフィルタの引き出し方向とは反対方向である前記吸込グリルがフィルタ交換位置で傾いた場合の斜め上方へ引き出し自在に取り付けたことを特徴とする天井埋込型空気調和装置。
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