JP2004218963A - 天井埋込型空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸込グリルが傾いたり揺動した場合であっても、吸込グリルを完全に格納することができる天井埋込型空気調和装置を提供する。
【解決手段】吸込グリル10とロング・ライフ・フィルタ11とが一体的にフィルタ交換位置まで降下可能に構成された昇降グリル200を備えた天井埋込型空気調和装置において、この昇降グリル200を構成する吸込グリル10は、吸込グリル10をグリル枠4側に上昇させた際にグリル枠4内に先行して入り、当該昇降グリル200をグリル枠4の適正位置に案内する案内部材40、42を、吸込グリル10の長手方向の両端及び短手方向の端部に備える。また、吸込グリル10は、吸込グリル10をグリル枠4側に上昇させた際に一番最初にグリル枠4の下面に当接する当接体50を備え、この当接体50が当接した部分を支点として、吸込グリル10を吊り上げるようにした。
【選択図】 図3
【解決手段】吸込グリル10とロング・ライフ・フィルタ11とが一体的にフィルタ交換位置まで降下可能に構成された昇降グリル200を備えた天井埋込型空気調和装置において、この昇降グリル200を構成する吸込グリル10は、吸込グリル10をグリル枠4側に上昇させた際にグリル枠4内に先行して入り、当該昇降グリル200をグリル枠4の適正位置に案内する案内部材40、42を、吸込グリル10の長手方向の両端及び短手方向の端部に備える。また、吸込グリル10は、吸込グリル10をグリル枠4側に上昇させた際に一番最初にグリル枠4の下面に当接する当接体50を備え、この当接体50が当接した部分を支点として、吸込グリル10を吊り上げるようにした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天井埋込型空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、天井内に埋設される本体の下端に、吹出口と吸込口とを有するグリル枠を設け、このグリル枠の開口部にフィルタを支持する吸込グリルを設け、この吸込グリルをフィルタごと昇降自在に形成し、フィルタを交換するときには吸込グリルをフィルタごと降下させて、このフィルタを低所で交換できるようにした空気調和装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−349893号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、四本の吊りひもで吸込グリルを上昇させてグリル枠に格納する際に、各吊りひもの引っ張り力のばらつきによって吸込グリルが傾いたり、吸込グリルが揺動して、吸込グリルがグリル枠に完全に格納されなくなってしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、吸込グリルが傾いたり揺動した場合であっても、吸込グリルを完全に格納することができる天井埋込型空気調和装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、天井内に埋設される本体の下端に、吸出口と吸込口とを有するグリル枠を設け、このグリル枠の吸込口に吸込グリルを設け、この吸込グリルの開口部には、吸込空気を清浄化するためのフィルタを着脱可能に設置し、前記吸込グリルとフィルタとが一体的にフィルタ交換位置まで降下可能に構成された昇降グリルを備えた天井埋込型空気調和装置において、前記昇降グリルを構成する吸込グリルは、当該吸込グリルを前記フィルタ交換位置側から前記グリル枠側に上昇させた際に前記グリル枠内に先行して入り、当該昇降グリルを前記グリル枠の適正位置に案内する案内部材を、当該吸込グリルの長手方向の両端に備えることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、吸込グリルをグリル枠側に上昇させた際に、グリル枠内に先行して入り、当該昇降グリルをグリル枠の適正位置に案内する案内部材を、吸込グリルの長手方向の両端に備えるので、吸込グリルが長手方向に揺動しても、その揺動を抑え、昇降グリルをグリル枠の適正位置に収納させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、天井内に埋設される本体の下端に、吸出口と吸込口とを有するグリル枠を設け、このグリル枠の吸込口に吸込グリルを設け、この吸込グリルの開口部には、吸込空気を清浄化するためのフィルタを着脱可能に設置し、前記吸込グリルとフィルタとが一体的にフィルタ交換位置まで降下可能に構成された昇降グリルを備えた天井埋込型空気調和装置において、前記昇降グリルを構成する吸込グリルは、当該吸込グリルを前記フィルタ交換位置側から前記グリル枠側に上昇させた際に前記グリル枠内に先行して入り、当該昇降グリルを前記グリル枠の適正位置に案内する案内部材を、当該吸込グリルの短手方向の端部に備えることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、吸込グリルをグリル枠側に上昇させた際に、グリル枠内に先行して入り、当該昇降グリルをグリル枠の適正位置に案内する案内部材を、当該吸込グリルの短手方向の端部に備えるので、吸込グリルが短手方向に揺動しても、その揺動を抑え、昇降グリルをグリル枠の適正位置に収納させることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、前記吸込グリルの長辺側の一側縁を二本の吊りひもで支持すると共に、当該長辺側の他側縁の略中央部を一本の吊りひもで支持し、前記吸込グリルは、この一本の吊りひもで支持された側縁側に、前記案内部材を備え、前記二本の吊りひもで支持された側縁側に、当該吸込グリルを前記フィルタ交換位置側から前記グリル枠側に上昇させた際に、一番最初に前記グリル枠の下面に当接する当接体を備え、この当接体が当接した部分を支点として、当該吸込グリルを吊り上げることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、吸込グリルをグリル枠側に上昇させた際に、一番最初にグリル枠の下面に当接する当接体を備え、この当接体が当接した部分を支点として、当該吸込グリルを吊り上げるので、吸込グリルが傾いても、この当接体が当接した部分を支点として当該吸込グリルを吊り上げて回動し、吸込グリルを水平状態に戻すことができる。これにより、昇降グリルをグリル枠の適正位置に収納させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、前記グリル枠には、前記吸込グリルの当接体と対向する部分に段差が設けられており、この段差に前記吸込グリルの当接体が当接することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の構成において、前記吸込グリルの案内部材は、前記グリル枠の内側側面に当接し、この内側側面に沿って前記昇降グリルを前記グリル枠の適正位置に案内することを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の構成において、前記グリル枠の前記吸込グリルの案内部材が当接する内側側面を、下方に行くに従って外側に傾斜する傾斜面に形成したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳述する。
【0016】
図1は本発明に係る天井埋込型空気調和装置100を示す図である。図1に示すように、天井埋込型空気調和装置100は、居住空間において天井に設置され、特に壁寄りの位置に設けられる。本体1は天井内部に埋設されている。
【0017】
この本体1の内部には、図2に示すように、熱交換器2、送風機3等が収納されている。本体1の下端にはグリル枠4が固定され、このグリル枠4の一端側には、居住空間の広域側寄りに吹出口5が設けられている。この吹出口5から居住空間の広域側(被調和室の中央部側)に空気が吐出される。また、上記グリル枠4の他端側には、壁寄りの位置に吸込口6が設けられており、この吸込口6から空気が吸い込まれる。この吸込口6には、昇降グリル200の収納部6Aが設けられており、この収納部6Aに昇降グリル200に収納される。
【0018】
昇降グリル200は、吸込グリル10と、この吸込グリル10を昇降させる昇降機構(図示せず)とから構成されている。
【0019】
上記吸込グリル10の開口部には、吸込空気を清浄化するためのロング・ライフ・フィルタ11が着脱可能に設置されている。これら吸込グリル10とフィルタ11とは、図3に示すように、三本の吊りひも12、13、14を介して、グリル枠4に昇降自在に吊持されている。
【0020】
上記吸込グリル10の三ヶ所には三本の吊りひも12、13、14の一端12a、13a、14aがそれぞれ止着され、各吊りひも12、13、14の他端12b、13b、14bは、昇降機構につながれている。この昇降機構は、図示を省略したステッピングモータと、このステッピングモータで回転駆動される三個のボビンと、ステッピングモータを駆動制御する制御装置とを含んで構成され、図3に示すように、グリル枠4における吸込口6の近くに配置された一つのユニット21内に収納されている。
【0021】
このユニット21内の三個のボビン(図示せず)には、上記三本の吊りひも12、13、14の他端12b、13b、14bがそれぞれ巻き取られる。これら吊りひも12、13、14の一端12a、13a、14aは、それぞれユニット21外に導出されて、グリル枠4に形成された各ガイド16で案内された後、グリル枠4に形成された各通し孔17を経て、図1に示すように、被調和室側に延出し、上記吸込グリル10の三ヶ所に固定される。
【0022】
この昇降グリル200では、吸込グリル10の長辺側の一側縁10Aが、二本の吊りひも12、13で支持されると共に、長辺側の他側縁10Bの略中央部が一本の吊りひも14で支持される。
【0023】
また、昇降グリル200は、この一本の吊りひも14で支持した部分の近傍に、昇降グリル200をグリル枠4の収納部6Aの適正位置に収納したとき、グリル枠4の収納部6Aの下面6Bに当接する当接体23を備えて構成される。この当接体23は、空清フィルタ25の固定金具27に一体的に形成される。詳述すると、この空気調和機100では、ロング・ライフ・フィルタ11の上に重ねて空清フィルタ25が設置され、この空清フィルタ25の中央及び両端をそれぞれ固定する固定金具27のうち、吊りひも14が近傍に位置する中央を固定する固定金具27に上記当接体23が形成される。
【0024】
また、二本の吊りひも12、13で支持した部分の近傍には、昇降グリル200をグリル枠4の収納部6Aの適正位置に収納したとき、グリル枠4の収納部6Aの下面6Bに当接する当接体24を備えて構成される。
【0025】
また、この昇降グリル200は、吸込グリル10の長手方向(図3中矢印X方向)の両端に、昇降グリル200をグリル枠4側に上昇させた際に、グリル枠4内に先行して入り、この昇降グリル200をグリル枠4の適正位置に案内する案内部材40を備えて構成される。詳述すると、この案内部材40は、図4に示すように、上記当接体24と、この当接体24の外側側面の両端側上部に設けられた突起41とから構成され、この突起41が吸込グリル10の本体より先にグリル枠4内に入り、グリル枠4の内側側面に当接し、当接した内側側面に沿って昇降グリル200の矢印X方向の位置を適正位置に案内する。なお、吸込グリル10の本体とは、上記案内部材40及び後述する案内部材42を除く部分である。また、図示の例では、突起41を略半球形状に形成した場合を示したが、その形状は変更してもよい。
【0026】
また、この昇降グリル200は、図4に示すように、吸込グリル10の短手方向(矢印Y方向)の端部(側縁10B側の部分)においても、昇降グリル200をグリル枠4側に上昇させた際に、グリル枠4内に先行して入り、この昇降グリル200をグリル枠4の適正位置に案内する案内部材42を備えて構成される。詳述すると、この案内部材42は、吸込グリル10の上記長辺側の側縁10Bの両端にそれぞれ設けられ(図3参照)、グリル枠4の上側に突出するように設けられたリブ43と、このリブ43の外側側面の上部に設けられた上記突起41と同形状の突起44とから構成される。すなわち、この突起44が吸込グリル10の本体より先にグリル枠4内に入り、グリル枠4の内側側面6C(図4参照)に当接し、当接した内側側面6Cに沿って昇降グリル200の矢印Y方向の位置を適正位置に案内する。
【0027】
ここで、グリル枠4においては、図4に示すように、上記突起41、42が当接する部分の内側側面6Cが、下方に行くに従って外側に傾斜する傾斜面に形成されている。すなわち、グリル枠4の収納部6Aは、下方に行くほど開口が大きく形成されており、これによって、昇降グリル200をグリル枠4に進入し易くしている。
【0028】
さらに、この昇降グリル200には、吸込グリル10の短手方向の他端部(図中左側の部分)に、昇降グリル200をグリル枠4側に上昇させた際に、一番最初にグリル枠4の下面に当接する当接体50を備えて構成される。詳述すると、当接体50は、吸込グリル10の端部に設けられ、また、グリル枠4には、上記当接体50に対向する部分に段差51が設けられ、この段差51によって上記下面6Bより低い位置に下面51Bが形成される。なお、グリル枠4の当接体50は、昇降グリル200がグリル枠4の適正位置に収納された際に、他の当接体23、24と同様に、グリル枠4の上記下面51Bに当接するものである。
【0029】
つぎに、動作を説明する。
【0030】
ユニット21内のステッピングモータが回転駆動されると、ボビンに巻かれたそれぞれの吊りひも12、13、14が繰り出し/巻き取りされる。ユニット21内の上記制御装置は、制御装置と無線状態で通信されるリモートコントローラ(図示せず)によりグリル昇降運転を選択した時に、上記ステッピングモータを駆動制御する。グリル昇降運転は、上記吸込グリル10の上昇運転と降下運転とを有して構成されており、上記各フィルタ11、25の清掃、交換等のメンテナンス作業時に使用される。
【0031】
このメンテナンス作業時には、まず作業者がリモコンからグリル昇降運転の降下運転を選択する。降下運転が選択されると、上記図示しない制御装置によりステッピングモータが起動されて、ユニット21から吊りひも12、13、14が繰り出され、図1に示すように、上記吸込グリル10が天井から降下され始める。この時、ユニット21から繰り出される吊りひも12、13、14の繰り出し量は、制御装置により各々同量を保たれ、上記吸込グリル10はほぼ水平状態を維持されながら降下される。
【0032】
上記吸込グリル10が、フィルタ交換位置Lよりも若干上位の位置Hまで降下されると、図示しない制御装置により、第一の時間がカウントされ始める。第一の時間は上記吸込グリル10が位置Hからフィルタ交換位置Lに降下されるまでの時間である。第一の時間がカウントされる間、上記吸込グリル10は水平状態でフィルタ交換位置Lまで降下される。このフィルタ交換位置Lまで上記吸込グリル10が降下されると、一本の吊りひも14の巻かれたボビンが、例えばクラッチ等を介して、ステッピングモータの駆動系から離脱し、当該一本の吊りひも14の繰り出しが停止される。
【0033】
そして、図示しない制御装置により、第二の時間がカウントされ始める。第二の時間は、上記吸込グリル10が水平状態から傾き角aまで傾けられる時間である。この第二の時間の間、ユニット21からは二本の吊りひも12、13だけが繰り出され、上記吸込グリル10は水平状態から被調和室の中央部側(空気の吐出側)に傾けられる。
【0034】
吸込グリル10が傾き角aに傾けられると、図示しない制御装置により、ステッピングモータの駆動が停止され、二本の吊りひも12、13の繰り出しが停止され、降下運転を停止する。
【0035】
ここで、上記フィルタ交換位置Lは、作業者がメンテナンス作業可能な低所位置であるのが望ましい。このフィルタ交換位置Lは、例えば、天井高さ約2.5mの居住空間において、天井から吊りひも12、13、14を約1m繰り出して、上記吸込グリル10が約1m降下した位置であり、上記吸込グリル10が床から約1.5mの高さである。
【0036】
また、上記傾き角度aは、上記フィルタ交換位置Lにおいて、居住空間の広域側(被調和室の中央部側)に位置する作業者の視野に、上記フィルタ11、25の面が確認できる角度であるのが望ましい。例えば、被調和室の中央部側(空気吐出側)に水平位置から45度傾けられる。
【0037】
上記フィルタ交換位置Lにおいて、作業者により上記フィルタ11、25は上記吸込グリル10から取り外され、清掃、交換される。その後、上記フィルタ11、25は上記吸込グリル10に取り付けられ、作業者によりリモコンからグリル昇降運転の上昇運転が選択される。
【0038】
上昇運転が選択されると、図示しない制御装置により、第三の時間がカウントされ始める。この第三の時間は、傾き角aに傾けられた上記吸込グリル10が水平状態に戻るまでの時間である。この第三の時間がカウントされ始めると、ステッピングモータが駆動され、二本の吊りひも12、13の巻き取りが開始され、被調和室の中央部側(空気吐出側)に傾いた上記吸込グリル10の一端側が水平状態に戻りながら上昇される。ここで、一本の吊りひも14の巻かれたボビンは、例えばクラッチ等を介して、ステッピングモータの駆動系から離脱し、吊りひも14の巻き取りは停止される。
【0039】
つぎに、上記吸込グリル10が水平状態に戻されると、さらに一本の吊りひも14の巻かれたボビンがステッピングモータの駆動系に連結されて、上位吸込グリル10は水平状態で上昇される。
【0040】
この場合に吸込グリル10が水平状態のまま揺動することなく上昇すれば、吸込グリル10は、上記当接体23、24、50がグリル枠4の収納部6Aの下面6B、51Bに当接するまで、グリル枠4の部材に接触することなくグリル枠4に進入する。そして、当接体23、24、50が、グリル枠4の収納部6Aの下面に当接した後は、例えば対応するボビンがステッピングモータの駆動系から離脱し、スリップ等して、対応する吊りひもの巻き取りが停止し、すべてが停止した場合、図示しない制御装置により上昇運転が停止される。これにより、吸込グリル10がグリル枠4の適正位置に収納される。
【0041】
ところで、吸込グリル10の上昇中には、吸込グリル10が外部から力を受けるなどして揺動するおそれがある。この実施形態によれば、グリル枠4の収納部6Aの開口が下方に行くほど大きく形成されているので、吸込グリル10が多少揺動しても、吸込グリル10はグリル枠4に確実に進入する。
【0042】
さらに、本実施形態では、吸込グリル10の上側に突出する上記案内部材40、42が、吸込グリル10の本体に先行してグリル枠4内に進入するので、揺動方向に応じてこの案内部材40、42のいずれかがグリル枠4の内側側面6Cに当接し、この当接によって吸込グリル10の長手方向(矢印X方向)又は短手方向(矢印Y方向)のそれ以上の揺動が抑えられる。さらに、この案内部材40又は42がグリル枠4の内側側面6Cに当接することによって、吸込グリル10が上昇するにつれて、この内側側面6Cに沿って吸込グリル10の長手方向(矢印X方向)又は短手方向(矢印Y方向)の揺動量が徐々に抑えられ、吸込グリル10がグリル枠4の適正位置に案内されていく。これにより、吸込グリル10の当接体23、24、50が、グリル枠4の収納部6Aの下面に当接して全ての吊りひも12〜14の巻き取りが停止するまでステッピングモータを駆動すれば、吸込グリル10がグリル枠4の適正位置に収納される。
【0043】
また、吸込グリル10の上昇中においては、各吊りひも12〜14に加わる引っ張り力の違いなどを原因として、各吊りひも12〜14の巻き取り量に差が生じ、水平状態にすべき吸込グリル10が傾いた状態で上昇し、吸込グリル10がグリル枠4に完全に格納されなくなってしまうおそれがある。特に、吊りひも14にかかる吸込グリル10の加重は、吊りひも12、13にかかる吸込グリル10の加重よりも大きいため、図5に示すように、吸込グリル10は、吊りひも14側が下がった状態で上昇するおそれがある。
【0044】
本実施形態では、この場合に上側にある端部に当接体50を設けているので、この当接体50が一番最初にグリル枠4の下面51Bに当接し、この当接した部分を支点として、吸込グリル10が図中矢印Z方向に回動して吊り上げられることとなる。そして、吸込グリル10は、他の当接体23、24がグリル枠4に当接するまで回動することにより、略水平状態に戻される。また、この回動の間、吸込グリル10は、上記案内部材40、42がグリル枠4の内側側面6Cに適宜当接することによって、矢印X方向及び矢印Y方向の位置が適正位置に調整される。これによって、吸込グリル10がグリル枠4の適正位置に収納されるようになっている。
【0045】
これに対し、吸込グリル10の当接体50側と反対側が高い傾きで上昇した場合には、上記当接体23が一番最初にグリル枠4の下面6Bに当接するため、この当接した部分を支点として、吸込グリル10が他の当接体24、50が当接する。これにより、吸込グリル10が略水平状態に戻されてグリル枠4の適正位置に収納される。
【0046】
また、上記説明では、吸込グリル10が短手方向(矢印Y方向)に傾いた場合に傾きが修正される場合について説明したが、長手方向(矢印X方向)に傾いた場合でも、長手方向の端部に設けられた当接体24が一番最初にグリル枠4の下面6Bに当接するため、この当接した部分を支点として、吸込グリル10が他の当接体23、50が当接するまで回動し、略水平状態に戻される。これにより、吸込グリル10がいずれの方向に傾いた場合でも、その傾きが当接体23、24、50によって補正される。
【0047】
以上説明したように、この実施形態によれば、吸込グリル10をフィルタ交換位置Lからグリル枠4側に上昇させた際に、案内部材40、42が、グリル枠4の本体よりグリル枠4内に先行して入り、グリル枠4の内側側面に沿って吸込グリル10の位置を案内するので、吸込グリル10が揺動しても吸込グリル10をグリル枠4の適正位置に収納することができる。
【0048】
また、吸込グリル10をフィルタ交換位置Lからグリル枠4側に上昇させた際に、上記当接体50、23、24のいずれかが一番最初にグリル枠4の下面51B、6Bに当接し、当接した部分を支点として吸込グリル10を回動可能に吊り上げるようにしているので、吸込グリル10が傾いた場合でも、水平状態に戻すことができる。
【0049】
従って、吸込グリル10が傾いたり揺動した場合であっても、吸込グリル10を完全にグリル枠4に格納することができる。
【0050】
また、この実施形態によれば、上記フィルタ11の清掃、交換時には、上記吸込グリル10は降下されて、被調和室の中央部側(空気の吐出側)に傾けられるため、作業者Aに上記フィルタ11、25の状態が確認でき、フィルタ11、25の着脱作業が容易に行える。また、上記フィルタ11、25の掃除、交換の後、上記吸込グリル10は、傾いた状態から水平状態に戻されて、水平状態で上昇させるから、上記吸込グリル10をグリル枠4に無理なくスムーズに装着させることができる。
【0051】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0052】
例えば、一方向カセット型の空気調和装置について説明したが、二方向カセット型のもの、四方向カセット型のものにも適用が可能である。この場合、吸込グリルを傾かせる向きは、空気の吐出側に限定されない。
【0053】
【発明の効果】
上述したように本発明は、吸込グリルが傾いたり揺動した場合であっても、吸込グリルを完全に格納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る天井埋込型空気調和装置の一実施の形態を示す図である。
【図2】同天井埋込型空気調和装置の短手方向の断面図である。
【図3】同天井埋込型空気調和装置のグリル枠と吸込グリルとを示す図である。
【図4】同吸込グリルがグリル枠内に進入したときの状態を示す側断面図である。
【図5】同吸込グリルが傾いた状態でグリル枠に進入したときの状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 本体
5 吹出口
4 グリル枠
6 吸込口
10 吸込グリル
11 ロング・ライフ・フィルタ
12、13、14 吊りひも
21 ユニット
23、24、50 当接体
25 空清フィルタ
27 固定金具
40、42 案内部材
41、44 突起
43 リブ
100 天井埋込型空気調和装置
200 昇降グリル
【発明の属する技術分野】
本発明は、天井埋込型空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、天井内に埋設される本体の下端に、吹出口と吸込口とを有するグリル枠を設け、このグリル枠の開口部にフィルタを支持する吸込グリルを設け、この吸込グリルをフィルタごと昇降自在に形成し、フィルタを交換するときには吸込グリルをフィルタごと降下させて、このフィルタを低所で交換できるようにした空気調和装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−349893号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、四本の吊りひもで吸込グリルを上昇させてグリル枠に格納する際に、各吊りひもの引っ張り力のばらつきによって吸込グリルが傾いたり、吸込グリルが揺動して、吸込グリルがグリル枠に完全に格納されなくなってしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、吸込グリルが傾いたり揺動した場合であっても、吸込グリルを完全に格納することができる天井埋込型空気調和装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、天井内に埋設される本体の下端に、吸出口と吸込口とを有するグリル枠を設け、このグリル枠の吸込口に吸込グリルを設け、この吸込グリルの開口部には、吸込空気を清浄化するためのフィルタを着脱可能に設置し、前記吸込グリルとフィルタとが一体的にフィルタ交換位置まで降下可能に構成された昇降グリルを備えた天井埋込型空気調和装置において、前記昇降グリルを構成する吸込グリルは、当該吸込グリルを前記フィルタ交換位置側から前記グリル枠側に上昇させた際に前記グリル枠内に先行して入り、当該昇降グリルを前記グリル枠の適正位置に案内する案内部材を、当該吸込グリルの長手方向の両端に備えることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、吸込グリルをグリル枠側に上昇させた際に、グリル枠内に先行して入り、当該昇降グリルをグリル枠の適正位置に案内する案内部材を、吸込グリルの長手方向の両端に備えるので、吸込グリルが長手方向に揺動しても、その揺動を抑え、昇降グリルをグリル枠の適正位置に収納させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、天井内に埋設される本体の下端に、吸出口と吸込口とを有するグリル枠を設け、このグリル枠の吸込口に吸込グリルを設け、この吸込グリルの開口部には、吸込空気を清浄化するためのフィルタを着脱可能に設置し、前記吸込グリルとフィルタとが一体的にフィルタ交換位置まで降下可能に構成された昇降グリルを備えた天井埋込型空気調和装置において、前記昇降グリルを構成する吸込グリルは、当該吸込グリルを前記フィルタ交換位置側から前記グリル枠側に上昇させた際に前記グリル枠内に先行して入り、当該昇降グリルを前記グリル枠の適正位置に案内する案内部材を、当該吸込グリルの短手方向の端部に備えることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、吸込グリルをグリル枠側に上昇させた際に、グリル枠内に先行して入り、当該昇降グリルをグリル枠の適正位置に案内する案内部材を、当該吸込グリルの短手方向の端部に備えるので、吸込グリルが短手方向に揺動しても、その揺動を抑え、昇降グリルをグリル枠の適正位置に収納させることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、前記吸込グリルの長辺側の一側縁を二本の吊りひもで支持すると共に、当該長辺側の他側縁の略中央部を一本の吊りひもで支持し、前記吸込グリルは、この一本の吊りひもで支持された側縁側に、前記案内部材を備え、前記二本の吊りひもで支持された側縁側に、当該吸込グリルを前記フィルタ交換位置側から前記グリル枠側に上昇させた際に、一番最初に前記グリル枠の下面に当接する当接体を備え、この当接体が当接した部分を支点として、当該吸込グリルを吊り上げることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、吸込グリルをグリル枠側に上昇させた際に、一番最初にグリル枠の下面に当接する当接体を備え、この当接体が当接した部分を支点として、当該吸込グリルを吊り上げるので、吸込グリルが傾いても、この当接体が当接した部分を支点として当該吸込グリルを吊り上げて回動し、吸込グリルを水平状態に戻すことができる。これにより、昇降グリルをグリル枠の適正位置に収納させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、前記グリル枠には、前記吸込グリルの当接体と対向する部分に段差が設けられており、この段差に前記吸込グリルの当接体が当接することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の構成において、前記吸込グリルの案内部材は、前記グリル枠の内側側面に当接し、この内側側面に沿って前記昇降グリルを前記グリル枠の適正位置に案内することを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の構成において、前記グリル枠の前記吸込グリルの案内部材が当接する内側側面を、下方に行くに従って外側に傾斜する傾斜面に形成したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳述する。
【0016】
図1は本発明に係る天井埋込型空気調和装置100を示す図である。図1に示すように、天井埋込型空気調和装置100は、居住空間において天井に設置され、特に壁寄りの位置に設けられる。本体1は天井内部に埋設されている。
【0017】
この本体1の内部には、図2に示すように、熱交換器2、送風機3等が収納されている。本体1の下端にはグリル枠4が固定され、このグリル枠4の一端側には、居住空間の広域側寄りに吹出口5が設けられている。この吹出口5から居住空間の広域側(被調和室の中央部側)に空気が吐出される。また、上記グリル枠4の他端側には、壁寄りの位置に吸込口6が設けられており、この吸込口6から空気が吸い込まれる。この吸込口6には、昇降グリル200の収納部6Aが設けられており、この収納部6Aに昇降グリル200に収納される。
【0018】
昇降グリル200は、吸込グリル10と、この吸込グリル10を昇降させる昇降機構(図示せず)とから構成されている。
【0019】
上記吸込グリル10の開口部には、吸込空気を清浄化するためのロング・ライフ・フィルタ11が着脱可能に設置されている。これら吸込グリル10とフィルタ11とは、図3に示すように、三本の吊りひも12、13、14を介して、グリル枠4に昇降自在に吊持されている。
【0020】
上記吸込グリル10の三ヶ所には三本の吊りひも12、13、14の一端12a、13a、14aがそれぞれ止着され、各吊りひも12、13、14の他端12b、13b、14bは、昇降機構につながれている。この昇降機構は、図示を省略したステッピングモータと、このステッピングモータで回転駆動される三個のボビンと、ステッピングモータを駆動制御する制御装置とを含んで構成され、図3に示すように、グリル枠4における吸込口6の近くに配置された一つのユニット21内に収納されている。
【0021】
このユニット21内の三個のボビン(図示せず)には、上記三本の吊りひも12、13、14の他端12b、13b、14bがそれぞれ巻き取られる。これら吊りひも12、13、14の一端12a、13a、14aは、それぞれユニット21外に導出されて、グリル枠4に形成された各ガイド16で案内された後、グリル枠4に形成された各通し孔17を経て、図1に示すように、被調和室側に延出し、上記吸込グリル10の三ヶ所に固定される。
【0022】
この昇降グリル200では、吸込グリル10の長辺側の一側縁10Aが、二本の吊りひも12、13で支持されると共に、長辺側の他側縁10Bの略中央部が一本の吊りひも14で支持される。
【0023】
また、昇降グリル200は、この一本の吊りひも14で支持した部分の近傍に、昇降グリル200をグリル枠4の収納部6Aの適正位置に収納したとき、グリル枠4の収納部6Aの下面6Bに当接する当接体23を備えて構成される。この当接体23は、空清フィルタ25の固定金具27に一体的に形成される。詳述すると、この空気調和機100では、ロング・ライフ・フィルタ11の上に重ねて空清フィルタ25が設置され、この空清フィルタ25の中央及び両端をそれぞれ固定する固定金具27のうち、吊りひも14が近傍に位置する中央を固定する固定金具27に上記当接体23が形成される。
【0024】
また、二本の吊りひも12、13で支持した部分の近傍には、昇降グリル200をグリル枠4の収納部6Aの適正位置に収納したとき、グリル枠4の収納部6Aの下面6Bに当接する当接体24を備えて構成される。
【0025】
また、この昇降グリル200は、吸込グリル10の長手方向(図3中矢印X方向)の両端に、昇降グリル200をグリル枠4側に上昇させた際に、グリル枠4内に先行して入り、この昇降グリル200をグリル枠4の適正位置に案内する案内部材40を備えて構成される。詳述すると、この案内部材40は、図4に示すように、上記当接体24と、この当接体24の外側側面の両端側上部に設けられた突起41とから構成され、この突起41が吸込グリル10の本体より先にグリル枠4内に入り、グリル枠4の内側側面に当接し、当接した内側側面に沿って昇降グリル200の矢印X方向の位置を適正位置に案内する。なお、吸込グリル10の本体とは、上記案内部材40及び後述する案内部材42を除く部分である。また、図示の例では、突起41を略半球形状に形成した場合を示したが、その形状は変更してもよい。
【0026】
また、この昇降グリル200は、図4に示すように、吸込グリル10の短手方向(矢印Y方向)の端部(側縁10B側の部分)においても、昇降グリル200をグリル枠4側に上昇させた際に、グリル枠4内に先行して入り、この昇降グリル200をグリル枠4の適正位置に案内する案内部材42を備えて構成される。詳述すると、この案内部材42は、吸込グリル10の上記長辺側の側縁10Bの両端にそれぞれ設けられ(図3参照)、グリル枠4の上側に突出するように設けられたリブ43と、このリブ43の外側側面の上部に設けられた上記突起41と同形状の突起44とから構成される。すなわち、この突起44が吸込グリル10の本体より先にグリル枠4内に入り、グリル枠4の内側側面6C(図4参照)に当接し、当接した内側側面6Cに沿って昇降グリル200の矢印Y方向の位置を適正位置に案内する。
【0027】
ここで、グリル枠4においては、図4に示すように、上記突起41、42が当接する部分の内側側面6Cが、下方に行くに従って外側に傾斜する傾斜面に形成されている。すなわち、グリル枠4の収納部6Aは、下方に行くほど開口が大きく形成されており、これによって、昇降グリル200をグリル枠4に進入し易くしている。
【0028】
さらに、この昇降グリル200には、吸込グリル10の短手方向の他端部(図中左側の部分)に、昇降グリル200をグリル枠4側に上昇させた際に、一番最初にグリル枠4の下面に当接する当接体50を備えて構成される。詳述すると、当接体50は、吸込グリル10の端部に設けられ、また、グリル枠4には、上記当接体50に対向する部分に段差51が設けられ、この段差51によって上記下面6Bより低い位置に下面51Bが形成される。なお、グリル枠4の当接体50は、昇降グリル200がグリル枠4の適正位置に収納された際に、他の当接体23、24と同様に、グリル枠4の上記下面51Bに当接するものである。
【0029】
つぎに、動作を説明する。
【0030】
ユニット21内のステッピングモータが回転駆動されると、ボビンに巻かれたそれぞれの吊りひも12、13、14が繰り出し/巻き取りされる。ユニット21内の上記制御装置は、制御装置と無線状態で通信されるリモートコントローラ(図示せず)によりグリル昇降運転を選択した時に、上記ステッピングモータを駆動制御する。グリル昇降運転は、上記吸込グリル10の上昇運転と降下運転とを有して構成されており、上記各フィルタ11、25の清掃、交換等のメンテナンス作業時に使用される。
【0031】
このメンテナンス作業時には、まず作業者がリモコンからグリル昇降運転の降下運転を選択する。降下運転が選択されると、上記図示しない制御装置によりステッピングモータが起動されて、ユニット21から吊りひも12、13、14が繰り出され、図1に示すように、上記吸込グリル10が天井から降下され始める。この時、ユニット21から繰り出される吊りひも12、13、14の繰り出し量は、制御装置により各々同量を保たれ、上記吸込グリル10はほぼ水平状態を維持されながら降下される。
【0032】
上記吸込グリル10が、フィルタ交換位置Lよりも若干上位の位置Hまで降下されると、図示しない制御装置により、第一の時間がカウントされ始める。第一の時間は上記吸込グリル10が位置Hからフィルタ交換位置Lに降下されるまでの時間である。第一の時間がカウントされる間、上記吸込グリル10は水平状態でフィルタ交換位置Lまで降下される。このフィルタ交換位置Lまで上記吸込グリル10が降下されると、一本の吊りひも14の巻かれたボビンが、例えばクラッチ等を介して、ステッピングモータの駆動系から離脱し、当該一本の吊りひも14の繰り出しが停止される。
【0033】
そして、図示しない制御装置により、第二の時間がカウントされ始める。第二の時間は、上記吸込グリル10が水平状態から傾き角aまで傾けられる時間である。この第二の時間の間、ユニット21からは二本の吊りひも12、13だけが繰り出され、上記吸込グリル10は水平状態から被調和室の中央部側(空気の吐出側)に傾けられる。
【0034】
吸込グリル10が傾き角aに傾けられると、図示しない制御装置により、ステッピングモータの駆動が停止され、二本の吊りひも12、13の繰り出しが停止され、降下運転を停止する。
【0035】
ここで、上記フィルタ交換位置Lは、作業者がメンテナンス作業可能な低所位置であるのが望ましい。このフィルタ交換位置Lは、例えば、天井高さ約2.5mの居住空間において、天井から吊りひも12、13、14を約1m繰り出して、上記吸込グリル10が約1m降下した位置であり、上記吸込グリル10が床から約1.5mの高さである。
【0036】
また、上記傾き角度aは、上記フィルタ交換位置Lにおいて、居住空間の広域側(被調和室の中央部側)に位置する作業者の視野に、上記フィルタ11、25の面が確認できる角度であるのが望ましい。例えば、被調和室の中央部側(空気吐出側)に水平位置から45度傾けられる。
【0037】
上記フィルタ交換位置Lにおいて、作業者により上記フィルタ11、25は上記吸込グリル10から取り外され、清掃、交換される。その後、上記フィルタ11、25は上記吸込グリル10に取り付けられ、作業者によりリモコンからグリル昇降運転の上昇運転が選択される。
【0038】
上昇運転が選択されると、図示しない制御装置により、第三の時間がカウントされ始める。この第三の時間は、傾き角aに傾けられた上記吸込グリル10が水平状態に戻るまでの時間である。この第三の時間がカウントされ始めると、ステッピングモータが駆動され、二本の吊りひも12、13の巻き取りが開始され、被調和室の中央部側(空気吐出側)に傾いた上記吸込グリル10の一端側が水平状態に戻りながら上昇される。ここで、一本の吊りひも14の巻かれたボビンは、例えばクラッチ等を介して、ステッピングモータの駆動系から離脱し、吊りひも14の巻き取りは停止される。
【0039】
つぎに、上記吸込グリル10が水平状態に戻されると、さらに一本の吊りひも14の巻かれたボビンがステッピングモータの駆動系に連結されて、上位吸込グリル10は水平状態で上昇される。
【0040】
この場合に吸込グリル10が水平状態のまま揺動することなく上昇すれば、吸込グリル10は、上記当接体23、24、50がグリル枠4の収納部6Aの下面6B、51Bに当接するまで、グリル枠4の部材に接触することなくグリル枠4に進入する。そして、当接体23、24、50が、グリル枠4の収納部6Aの下面に当接した後は、例えば対応するボビンがステッピングモータの駆動系から離脱し、スリップ等して、対応する吊りひもの巻き取りが停止し、すべてが停止した場合、図示しない制御装置により上昇運転が停止される。これにより、吸込グリル10がグリル枠4の適正位置に収納される。
【0041】
ところで、吸込グリル10の上昇中には、吸込グリル10が外部から力を受けるなどして揺動するおそれがある。この実施形態によれば、グリル枠4の収納部6Aの開口が下方に行くほど大きく形成されているので、吸込グリル10が多少揺動しても、吸込グリル10はグリル枠4に確実に進入する。
【0042】
さらに、本実施形態では、吸込グリル10の上側に突出する上記案内部材40、42が、吸込グリル10の本体に先行してグリル枠4内に進入するので、揺動方向に応じてこの案内部材40、42のいずれかがグリル枠4の内側側面6Cに当接し、この当接によって吸込グリル10の長手方向(矢印X方向)又は短手方向(矢印Y方向)のそれ以上の揺動が抑えられる。さらに、この案内部材40又は42がグリル枠4の内側側面6Cに当接することによって、吸込グリル10が上昇するにつれて、この内側側面6Cに沿って吸込グリル10の長手方向(矢印X方向)又は短手方向(矢印Y方向)の揺動量が徐々に抑えられ、吸込グリル10がグリル枠4の適正位置に案内されていく。これにより、吸込グリル10の当接体23、24、50が、グリル枠4の収納部6Aの下面に当接して全ての吊りひも12〜14の巻き取りが停止するまでステッピングモータを駆動すれば、吸込グリル10がグリル枠4の適正位置に収納される。
【0043】
また、吸込グリル10の上昇中においては、各吊りひも12〜14に加わる引っ張り力の違いなどを原因として、各吊りひも12〜14の巻き取り量に差が生じ、水平状態にすべき吸込グリル10が傾いた状態で上昇し、吸込グリル10がグリル枠4に完全に格納されなくなってしまうおそれがある。特に、吊りひも14にかかる吸込グリル10の加重は、吊りひも12、13にかかる吸込グリル10の加重よりも大きいため、図5に示すように、吸込グリル10は、吊りひも14側が下がった状態で上昇するおそれがある。
【0044】
本実施形態では、この場合に上側にある端部に当接体50を設けているので、この当接体50が一番最初にグリル枠4の下面51Bに当接し、この当接した部分を支点として、吸込グリル10が図中矢印Z方向に回動して吊り上げられることとなる。そして、吸込グリル10は、他の当接体23、24がグリル枠4に当接するまで回動することにより、略水平状態に戻される。また、この回動の間、吸込グリル10は、上記案内部材40、42がグリル枠4の内側側面6Cに適宜当接することによって、矢印X方向及び矢印Y方向の位置が適正位置に調整される。これによって、吸込グリル10がグリル枠4の適正位置に収納されるようになっている。
【0045】
これに対し、吸込グリル10の当接体50側と反対側が高い傾きで上昇した場合には、上記当接体23が一番最初にグリル枠4の下面6Bに当接するため、この当接した部分を支点として、吸込グリル10が他の当接体24、50が当接する。これにより、吸込グリル10が略水平状態に戻されてグリル枠4の適正位置に収納される。
【0046】
また、上記説明では、吸込グリル10が短手方向(矢印Y方向)に傾いた場合に傾きが修正される場合について説明したが、長手方向(矢印X方向)に傾いた場合でも、長手方向の端部に設けられた当接体24が一番最初にグリル枠4の下面6Bに当接するため、この当接した部分を支点として、吸込グリル10が他の当接体23、50が当接するまで回動し、略水平状態に戻される。これにより、吸込グリル10がいずれの方向に傾いた場合でも、その傾きが当接体23、24、50によって補正される。
【0047】
以上説明したように、この実施形態によれば、吸込グリル10をフィルタ交換位置Lからグリル枠4側に上昇させた際に、案内部材40、42が、グリル枠4の本体よりグリル枠4内に先行して入り、グリル枠4の内側側面に沿って吸込グリル10の位置を案内するので、吸込グリル10が揺動しても吸込グリル10をグリル枠4の適正位置に収納することができる。
【0048】
また、吸込グリル10をフィルタ交換位置Lからグリル枠4側に上昇させた際に、上記当接体50、23、24のいずれかが一番最初にグリル枠4の下面51B、6Bに当接し、当接した部分を支点として吸込グリル10を回動可能に吊り上げるようにしているので、吸込グリル10が傾いた場合でも、水平状態に戻すことができる。
【0049】
従って、吸込グリル10が傾いたり揺動した場合であっても、吸込グリル10を完全にグリル枠4に格納することができる。
【0050】
また、この実施形態によれば、上記フィルタ11の清掃、交換時には、上記吸込グリル10は降下されて、被調和室の中央部側(空気の吐出側)に傾けられるため、作業者Aに上記フィルタ11、25の状態が確認でき、フィルタ11、25の着脱作業が容易に行える。また、上記フィルタ11、25の掃除、交換の後、上記吸込グリル10は、傾いた状態から水平状態に戻されて、水平状態で上昇させるから、上記吸込グリル10をグリル枠4に無理なくスムーズに装着させることができる。
【0051】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0052】
例えば、一方向カセット型の空気調和装置について説明したが、二方向カセット型のもの、四方向カセット型のものにも適用が可能である。この場合、吸込グリルを傾かせる向きは、空気の吐出側に限定されない。
【0053】
【発明の効果】
上述したように本発明は、吸込グリルが傾いたり揺動した場合であっても、吸込グリルを完全に格納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る天井埋込型空気調和装置の一実施の形態を示す図である。
【図2】同天井埋込型空気調和装置の短手方向の断面図である。
【図3】同天井埋込型空気調和装置のグリル枠と吸込グリルとを示す図である。
【図4】同吸込グリルがグリル枠内に進入したときの状態を示す側断面図である。
【図5】同吸込グリルが傾いた状態でグリル枠に進入したときの状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 本体
5 吹出口
4 グリル枠
6 吸込口
10 吸込グリル
11 ロング・ライフ・フィルタ
12、13、14 吊りひも
21 ユニット
23、24、50 当接体
25 空清フィルタ
27 固定金具
40、42 案内部材
41、44 突起
43 リブ
100 天井埋込型空気調和装置
200 昇降グリル
Claims (6)
- 天井内に埋設される本体の下端に、吸出口と吸込口とを有するグリル枠を設け、このグリル枠の吸込口に吸込グリルを設け、この吸込グリルの開口部には、吸込空気を清浄化するためのフィルタを着脱可能に設置し、前記吸込グリルとフィルタとが一体的にフィルタ交換位置まで降下可能に構成された昇降グリルを備えた天井埋込型空気調和装置において、
前記昇降グリルを構成する吸込グリルは、当該吸込グリルを前記フィルタ交換位置側から前記グリル枠側に上昇させた際に前記グリル枠内に先行して入り、当該昇降グリルを前記グリル枠の適正位置に案内する案内部材を、当該吸込グリルの長手方向の両端に備えることを特徴とする天井埋込型空気調和装置。 - 天井内に埋設される本体の下端に、吸出口と吸込口とを有するグリル枠を設け、このグリル枠の吸込口に吸込グリルを設け、この吸込グリルの開口部には、吸込空気を清浄化するためのフィルタを着脱可能に設置し、前記吸込グリルとフィルタとが一体的にフィルタ交換位置まで降下可能に構成された昇降グリルを備えた天井埋込型空気調和装置において、
前記昇降グリルを構成する吸込グリルは、当該吸込グリルを前記フィルタ交換位置側から前記グリル枠側に上昇させた際に前記グリル枠内に先行して入り、当該昇降グリルを前記グリル枠の適正位置に案内する案内部材を、当該吸込グリルの短手方向の端部に備えることを特徴とする天井埋込型空気調和装置。 - 前記吸込グリルの長辺側の一側縁を二本の吊りひもで支持すると共に、当該長辺側の他側縁の略中央部を一本の吊りひもで支持し、
前記吸込グリルは、
この一本の吊りひもで支持された側縁側に、前記案内部材を備え、
前記二本の吊りひもで支持された側縁側に、当該吸込グリルを前記フィルタ交換位置側から前記グリル枠側に上昇させた際に、一番最初に前記グリル枠の下面に当接する当接体を備え、この当接体が当接した部分を支点として、当該吸込グリルを吊り上げることを特徴とする請求項1又は2に記載の天井埋込型空気調和装置。 - 前記グリル枠には、前記吸込グリルの当接体と対向する部分に段差が設けられており、この段差に前記吸込グリルの当接体が当接することを特徴とする請求項3に記載の天井埋込型空気調和装置。
- 前記吸込グリルの案内部材は、前記グリル枠の内側側面に当接し、この内側側面に沿って前記昇降グリルを前記グリル枠の適正位置に案内することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の天井埋込型空気調和装置。
- 前記グリル枠の前記吸込グリルの案内部材が当接する内側側面を、下方に行くに従って外側に傾斜する傾斜面に形成したことを特徴とする請求項5に記載の天井埋込型空気調和装置。
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