しかしながら、特許文献1の技術では、シートのクッションの硬度やシート表皮の張り具合等による製品誤差が乗車検知の精度に与える影響が大きいという課題があった。さらに、クッションの中間部に感圧センサを配設するため、センサ全体が歪められて感度に影響を与えることがあり、また、感圧センサの配設のためにクッションの一部が分割式とされるので、組み立て工数が増大するという課題があった。さらに、自動二輪車に特有の乗車姿勢等を考慮した乗車検知の精度向上の手法には、依然として工夫の余地が残されていた。
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、簡単な構成によって高精度の乗車検知を可能とする乗車検知装置を提供することにある。
前記した目的を達成するために、本発明は、シート底板および該シート底板に取り付けたクッションからなるシートを有する自動二輪車の乗車検知装置において、前記シートに加えられる荷重を検知するシートセンサを具備し、前記シートセンサが、前記シート底板の上面に取り付けられ、かつ前記クッションより硬度の高い弾性部材からなるセンサカバーで覆われている点に第1の特徴がある。
また、前記シートセンサが、平面状に分散して配置された複数の接点および該接点を覆うフィルムからなり、前記センサカバーが、前記接点との間に第1の隙間を有するように形成されている点に第2の特徴がある。
また、前記センサカバーには、前記接点の周辺部に対向する位置に突起が設けられている点に第3の特徴がある。
また、前記クッションには、前記センサカバーが配設される部分に凹部が設けられ、前記凹部は、前記接点の上方において、前記センサカバーとの間に第2の隙間を有するように形成されている点に第4の特徴がある。
また、さらに、ハンドルバーの左右端に取り付けられたハンドルグリップに加えられる荷重を検知するグリップセンサを具備し、前記シートセンサの検知信号と、前記グリップセンサの検知信号とに基づいて乗員の乗車状態を検知する点に第5の特徴がある。
また、前記グリップセンサは、前記左右のハンドルグリップの少なくとも一方に設けられている点に第6の特徴がある。
また、前記グリップセンサは、加圧導電性ゴムをスイッチ素子として構成されている点に第7の特徴がある。
また、前記グリップセンサは、前記ハンドルグリップの内部に複数個設けられている点に第8の特徴がある。
また、前記グリップセンサは、前記ハンドルグリップの内部でハンドルバーの外周に沿って螺旋状に配設されている点に第9の特徴がある。
さらに、前記グリップセンサは、前記ハンドルグリップの内部に車体前後方向に対向して設けられている点に第10の特徴がある。
第1の発明によれば、シートに加えられる荷重が、クッションより硬度の高い弾性部材からなるセンサカバーを介してシートセンサに伝達されるので、クッションによって分散される荷重をシートセンサに集中させることができ、簡単な構成によってセンサの感度を良好に保つことが可能となり、クッションの硬度ばらつきによる影響も受けにくくなる。また、クッションの上下方向中間部に着座荷重センサを配設する方法に比して、クッションを分割式とする必要がないので、シートの座り心地に違和感を与えることがなく、分割部に使用する接着剤や組み立て工数を低減することが可能となる。さらに、シートセンサがシート底板の表面に直接取り付けられるので、荷重を受けてもシートセンサ自体が変形することがなく、精度の高い乗車検知を行うことができるようになる。
第2の発明によれば、フィルム状センサの接点と、接点を押圧するセンサカバーとの間に第1の隙間を有するように構成されるので、所定値以下の荷重は第1の隙間に吸収されてセンサカバーと接点とが当接せず、これにより、誤検知を防いで乗車検知の精度向上を図ることができるようになる。また、クッション等に製造時のばらつきが生じた場合でも、寸法誤差等がこの隙間に吸収されて、乗車検知の精度に与える影響が低減されるようになる。
第3の発明によれば、センサカバーには、接点の周辺部に対向する位置に突起が設けられているので、経年変化等による弾性の低下でセンサカバーが下方に垂れ下がってきた場合でも、接点の周辺部の突起がシートセンサに最初に当接するので、所定の荷重が加えられていないのにも関わらず接点が押圧されて誤検知が生じることを防止することが可能となる。
第4の発明によれば、クッションに設けられる凹部が、接点の上方においてセンサカバーとの間に第2の隙間を有するように形成されているので、所定値以下の荷重はこの隙間に吸収されてセンサカバーと接点とが当接せず、誤検知を防いで乗車検知の精度向上を図ることができるようになる。また、クッション等に製造時のばらつきが生じた場合でも、寸法誤差等がこの隙間に吸収されて、乗車検知の精度に与える影響が低減されるようになる。また、隙間量の調整が容易であるので、第1の隙間と合わせて、接点をオン状態とするために必要な荷重の設定を容易に行うことが可能となる。
第5の発明によれば、左右のハンドルバーの先端に取り付けられるハンドルグリップに加えられる荷重センサとしてのグリップセンサを具備し、シートセンサの検知信号と、グリップセンサの検知信号とに基づいて乗員の乗車状態を検知するので、シートセンサの構成を変えることなく、乗車検知の精度を高めることが可能となる。
第6の発明によれば、グリップセンサは、ハンドルグリップの左右両方または片方に設けられるので、両手でハンドルを握っている状態や、スロットル側のハンドルのみを握っている状態等の検知が可能となり、乗車検知の判定条件を増やしてより精度の高い乗車検知を行うことができるようになる。
第7の発明によれば、グリップセンサは、加圧導電性ゴムをスイッチ素子として構成されているので、外観性に影響がなくかつ小型な乗車検知装置を得ることが可能となる。
第8の発明によれば、グリップセンサは、ハンドルグリップの内部に複数個設けられているので、ハンドルの一部に手をかけているだけか全周を握っているか等の乗車状態をより細かく検知することで、精度の高い乗車検知を行うことができるようになる。
第9の発明によれば、グリップセンサは、ハンドルグリップの内部に螺旋状に配設されているので、乗員の腕の長さや乗車姿勢等によって荷重のかかる位置が周方向に変動しても、常に正確な乗車検知を行うことが可能となる。
第10の発明によれば、グリップセンサは、ハンドルグリップの内部に車体前後方向に対向して設けられているので、2つのグリップセンサの検出値の差を測定することで、乗員が自動二輪車から降車してハンドルのみで車体を押し歩いている状態であること等を判断することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明を適用した自動二輪車の一実施形態の側面図である。自動二輪車1は、無段変速機を内蔵するユニットスイング式のパワーユニットを備えたスクータ型の自動二輪車である。車体前方の車体カバー23に覆われる左右一対のメインフレーム8には、接合補強部材としてのガセット6と共にヘッドパイプ4が固定的に結合されており、該ヘッドパイプ4に軸着される左右一対のフロントフォーク5の下端部に、前輪WFが回転自在に軸支されている。フロントフォーク5は、円筒状のヘッドパイプ4の内部に回転自在に軸支されるステムシャフト2に連結されたハンドルバー3よって操舵可能とされている。ハンドルバー3には、乗員が握る左右一対のハンドルグリップ39,39が取り付けられている。
メインフレーム8には、車幅方向に配設されて左右のパイプ部材を連結するクロスメンバ9が配設されており、その車体後方側には1本のセンターフレーム7が配設されている。乗員の脚部前方に配置されるレッグシールド24に近接するセンターフレーム7は、車体下方において左右一対の連結フレーム13と接続されており、この接続部とメインフレーム8とは、左右一対のパイプ部材14で連結されている。パイプ部材14の近傍には、ラジエータ25を防護するガードパイプ15が接続されている。また、連結フレーム13の車体後方側の端部は、メインフレーム8と一体的に形成されるサイドフレーム10と接続されている。
サイドフレーム10と一体的に形成される立ち上がりフレーム部11と、該立ち上がりフレーム部11に連結されたリヤサブフレーム18との間には、後述するパワーユニット22の回動軸となるピボット軸17を軸支する左右一対のピボットプレート16が取り付けられている。立ち上がりフレーム部11の上方かつ後方には、乗員が着座するシート31の下方に配設された収納ボックス30や燃料タンク32を支持するシートレール部12が連結されている。2名乗車が可能なシート31は、車両前方端部に取り付けられたヒンジ(不図示)を軸にして開閉可能に構成されており、シート31を開状態とすると、その下方に配設されている収納ボックス30や燃料タンク32の給油口へのアクセスが可能となる。
ピボット軸17に回転可能に軸支されるリンク機構19には、ピボット軸20によって、エンジン21、キャブレター27、エアクリーナボックス26を含むパワーユニット22が軸支されている。該パワーユニット22は、シートレール部12に取り付けられたリヤクッション28で吊り下げられることによって、ピボット軸17を回動軸として揺動可能とされており、その後端部には、駆動輪としての後輪WRが回転自在に軸支されている。
図2および図3は、シート31の一部拡大断面図および着座荷重センサ40の上面図である。シート31は、ポリプロピレン等の樹脂で形成された硬質のシート底板36の表面に、ポリウレタン等の発泡樹脂からなるクッション35を接着剤等で接合し、さらに、その外側全体をシート表皮34で覆った構成とされている。本実施形態では、シート31の内部に、乗員の着座状態を検知するシートセンサとしての着座荷重センサ40が備えられている。
フィルム状すなわち薄く形成された着座荷重センサ40は、シート31の上方から所定値を超える荷重が加えられたときに検知出力が得られるように、8つの円形の接点43で構成されている。着座荷重センサ40は、シート底板36の表面に直接取り付けられるので、荷重を受けても着座荷重センサ40そのものが変形することはなく、良好な感度を保つことが可能となる。また、8つの接点43は、車体前後方向に2列に配列されており、乗員の体格や乗車姿勢によって着座位置が前後方向に変動しても、常に正確な乗車検知ができるように構成されている。なお、接点43の配列は本実施形態に限られず、左右交互に配設されたり、所定の範囲内の点在するように配設されてもよい。
着座荷重センサ40は、配線42および接点43を、ポリエステルフィルム等で形成された上下2層の表面シート41の間に配置して密閉した構成とされている。接点43には、導電性のペーストをスクリーン印刷して上下の電極シートを形成し、該電極シートの間にスペーサを重ねることで、所定値を超える荷重が加えられると上下の電極シートが接触してスイッチがオン状態となるメンブレンスイッチが好適である。本実施形態に係る着座荷重センサ40は、8つの接点43が並列に接続され、いずれか1つでもオン状態になれば、乗員が着座状態にあると検知されるように構成されている。なお、着座荷重センサ40からの出力は、延出部44から、エンジンの運転制御を行うECU(不図示)に伝達される。
着座荷重センサ40の上部には、着座荷重センサ40の全体を覆い、かつ接点43に対応する8箇所に円形の凸部を有するセンサカバー50が配設されている。センサカバー50は、着座荷重センサ40との間に、第1の隙間(図6参照)を有するように形成されている。センサカバー50は、クッション35より硬度の高い(「撓み量/荷重」が小さい)ゴム等の弾性体から形成され、該センサカバー50を貫通して係合される係合突起36a等によってシート底板36に取り付けられることで、着座荷重センサ40を所定の位置に保持する機能を有する。また、クッション35の裏面側には、センサカバー50を収納する部分に凹部37が設けられている。この凹部37は、センサカバー50を覆い、かつ接点43の上方においてセンサカバー50との間に第2の隙間(図6参照)を有するように形成されている。
図4は、着座荷重センサ40およびセンサカバー50の上面図である。センサカバー50は、略長方形のベース部50aに、着座荷重センサ40の接点43に対応する8箇所に、頂点を上方に向けて円形の凸部51を形成した構成とされている。ベース部50aの外周部には、シート底板36に形成された4つの係合突起36a(図2参照)が係合する係合孔52と、シート底板36に形成された8つの係合突起(図5参照)が係合する係合孔53が形成されている。
図5は、図4のB−B線断面図である。シート底板36の上面には、着座荷重センサ40の外形に合わせた段部が形成されている。シート底板36の2割程度の厚さとされる着座荷重センサ40は、この段部に係合されて、さらに上方からセンサカバー50で覆われることで所定の位置に保持されている。前記センサカバー50の係合孔52(図4参照)には、円柱部材の先端に外れ止め用の傘部が形成された係合突起36a(図2参照)が係合されるのに対し、係合孔53には、図5に示すように円柱状の係合突起36bが係合されている。係合孔53と係合突起36bとは、部品の寸法誤差を考慮して遊嵌させるほか、ややきつめに係合することでセンサカバー50が軽く保持されるようにしてもよい。
図6は、図2のA−A線断面図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。本実施形態において、8つの接点43および凸部51は、いずれも同一の構成とされている。クッション35の凹部37は、車幅方向左右の接点43,43を跨ぎ、かつセンサカバー50の凸部51との間に第2の隙間38を有するように形成されている。また、凸部51の裏面側には、接点43と第1の隙間56を隔てた位置に押圧部54が形成されている。押圧部54の周縁の円環状の立ち上がり部51aは、凸部51の上方から加えられた荷重によって弾性変形するように構成されているので、シート31に所定値を超える荷重が加えられると、凸部51が下方に押されて押圧部54の中心部が接点43を押圧し、これによって、着座荷重センサ40がオン状態に切り替えられることとなる。
上記したように、本実施形態に係るシートセンサの取付構造によれば、シート底板36に直接固定された着座荷重センサ40の接点43を、クッション35より硬度の高いセンサカバー50の押圧部54で押圧するように構成したので、クッション35によって分散される荷重を接点43に集中させることで、着座荷重センサ40の感度を良好に保つことが可能となる。なお、シート31へ荷重が加えられなくなると、凸部51が立ち上がり部51aの弾性力によって元の形状に復帰するので、着座荷重センサ40もオフ状態に戻ることとなる。
また、上記したような構成においては、まず、クッション35を変形させて第2の隙間38を埋める荷重を加えなければ凸部51に押圧力が伝達されず、さらに凸部51の立ち上がり部51aを弾性変形させて第1の隙間56を埋める荷重を加えなければ接点43が押圧されない。これにより、第1の隙間56と第2の隙間38の寸法およびセンサカバー50の形状をそれぞれ変更することで、接点43をオン状態とするために要する荷重を任意に調整することが可能となる。さらに、クッション35やセンサカバー50等に製造時の寸法誤差等が生じた場合でも、第1の隙間56と第2の隙間38とによって吸収されるので、乗車検知の精度に与える影響が低減されることになる。また、クッションの上下方向中間部に着座荷重センサを配設する方法に比して、クッションを分割式とする必要がないので、分割部に使用する接着剤や組み立て工数を低減することが可能となる。
なお、センサカバー50の押圧部54には、接点43の周辺部に対向する部分に突起55が形成されている。経年変化等によって立ち上がり部51aの弾性が低下して押圧部54が垂れ下がってきた場合でも、接点43の周辺部において押圧部54より先に当接することで、この突起55が、接点43が押されてオン状態となることを防ぎ、着座荷重センサ40の誤検知を防止するストッパの役割を有する。なお、突起55は、複数の点状や円環状に形成することが可能である。
図7(a)、(b)は、それぞれ、ハンドルグリップ39の一部断面正面図および図7(a)のC−C線断面図である。金属製のパイプ材等で形成され、自動二輪車1の前輪WFを操舵するハンドルバー3には、ゴム等で形成され、乗員が操作時に握るハンドルグリップ39が取り付けられている。そして、本実施形態においては、ハンドルバー3とハンドルグリップ39との間に、グリップセンサとしての握力センサ60が内装されている。握力センサ60は、圧力を加えると電気抵抗値が減少する加圧導電性ゴムをスイッチ素子とするオンオフスイッチ式の荷重センサであり、本実施形態では、平板状の加圧導電性ゴム63を平編線電極62,62で挟み、これをシリコンゴム64で被覆することでコード状に構成されている。握力センサ60は、ハンドルグリップ39の内周部に形成された溝に係合されることで、ハンドルバー3にその一側面が当接するように配設されている。この握力センサ60によれば、ハンドルグリップ39に荷重が加わっているか否かを検知することができるので、乗員が乗車状態の際にはハンドルが握られているという自動二輪車の特性を利用した乗車検知を行うことが可能となる。なお、握力センサ60の一端部には、センサ信号を前記ECUに伝達する配線コード61が接続されている。
上記したような握力センサ60によれば、外観性に影響がなくかつ小型な乗車検知装置を得ることができると共に、前記ECUに着座荷重センサ40からのセンサ信号と組み合わせた判定を実行させることで、乗車検知の精度をさらに高めることが可能となる。例えば、着座荷重センサ40および握力センサ60が共にオンの場合にのみ乗員が乗車状態であると判定するようにすれば、シート31の上に重量物が載せられたり、乗員が乗車せずに腰掛けている等の理由によって着座荷重センサ40のみがオンになっている状態を、乗車状態であると誤検知することがなくなる。したがって、シート31に加えられている荷重が、所望する乗車状態に起因するものであるか否かを検知できるセンサ精度を着座荷重センサ40に与える必要がないので、センサの構成を変えずに乗員検知の精度が高められることになる。
図8は、本発明の一実施形態の変形例に係るハンドルグリップの正面図である。本変形例に係る握力センサ70は、加圧導電性ゴムによるコード状センサをハンドルバー3に螺旋状に巻きつけた構成とされている。該握力センサ70によれば、ハンドルグリップ39の全周にわたって荷重を検知できるので、乗員の腕の長さや乗車姿勢等によって荷重のかかる位置が周方向に変動しても、常に正確な乗車検知を行うことができる。なお、上記したようなコード状センサは、その配設方法によって種々の検知を行うことが可能である。例えば、左右両方のハンドルグリップに取り付けることによって両手でハンドルを握っているか否かを検知したり、1つのハンドルグリップに複数個取り付けることによって、ハンドルの一部に手をかけているだけか全周を握っているか等の検知を行い、乗車検知の判定条件を増やすことが可能である。これにより、グリップセンサとシートセンサの情報を組み合わせて行う乗車検知の精度を、さらに高めることが可能となる。
図9は、本発明の一実施形態の第2変形例に係るハンドルグリップの断面図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。本変形例では、図7で示した握力センサ60を、車体前後方向に対向して取り付けた点に特徴がある。該構成によれば、2つの握力センサ60,60によって、ハンドルグリップ39にかかる荷重の車体前後方向の差を検出することが可能となる。したがって、例えば、乗員が自動二輪車から降車し、ハンドルグリップ39を握って車体を押し歩く状態では、車体前方側の握力センサ60より車体後方側の握力センサ60の検出値が大きくなるので、2つの握力センサ60,60の検出値から、押し歩き状態であることを判断することができる。該構成によれば、乗員がハンドルグリップ39を握ってはいるものの押し歩き状態である、すなわち乗車状態ではないことを検知して、アイドリングストップ装置を作動させない等の制御を行うことが可能となる。なお、前記検出値の差が所定値を超えた場合にのみ押し歩き状態であると判断するようにすれば、ハンドルバーの左右への回動操作やハンドルグリップ39の握り方によって生じる検出値の差によって押し歩き状態であると誤検知することを防ぐこともできる。
なお、シートセンサの接点数や接点の構造、グリップセンサの形状やスイッチ素子の構造等は、上記した実施形態に限られず、種々の変形が可能であることは勿論である。
3…ハンドルバー、35…クッション、36…シート底板、37…凹部、38…第2の隙間、39…ハンドルグリップ、40…着座荷重センサ(シートセンサ)、43…接点、50…センサカバー、51…凸部、51a…立ち上がり部、55…突起、56…第1の隙間、60…握力センサ(グリップセンサ)