JP5666952B2 - 鞍乗型車両 - Google Patents
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Description
この鞍乗型車両によれば,シートスイッチ(43)のON/OFFにより乗員の乗車/非乗車を検出することが可能である。
すなわち,この鞍乗型車両は,アイドリングストップ機能を備えており,燃料節約および排ガス削減を図ることができる。
このようなニーズに応えるには,不整地走行車両についても,上記従来技術のようなアイドリングストップ技術を採用することが考えられる。
すなわち,不整地走行車両に上記従来技術を用いたのでは,車両の使い勝手が損なわれてしまうという問題が生じる。このような問題は,鞍乗型車両が,オフロード用の自動二輪車である場合にも生じる。
本発明が解決しようとする課題は,使い勝手を損なうことなくアイドリングストップ機能を採用し得る鞍乗型車両を提供することである。
前記ステップ荷重検出手段は,前記ステップの足載せ面に臨んで設けられていて乗員の荷重を荷重受け面に受けて変位する可動部材と,この可動部材の変位によりON/OFFされる検出センサとを備え、
前記可動部材は,その変位方向を変換して前記検出センサを作動させるカム部を有していることを特徴とする。
この鞍乗型車両によれば,乗員の車両への乗車/非乗車を,ステップ荷重検出手段によって検出することが可能になる。
したがって,この鞍乗型車両にアイドリングストップ機能を採用する場合,エンジン始動の条件として,ステップ荷重検出手段による「乗車」の検出信号を用いることが可能となる。
すなわち,乗員は必ずしもシートに着座しなくても,ステップに足を載せることで,エンジンを始動させることが可能となる。
したがって,この鞍乗型車両によれば,立ち乗りでの作業の中断を無くすことができ,使い勝手を損なうことなくアイドリングストップ機能を採用することが可能となる。
また、前記ステップ荷重検出手段は,前記ステップの足載せ面に臨んで設けられていて乗員の荷重を荷重受け面に受けて変位する可動部材と,この可動部材の変位によりON/OFFされる検出センサとを備えているので、検出センサに直接荷重がかかることを防止することができるとともに,検出センサを可動部材で保護することも可能になる。
さらに,前記可動部材は,その変位方向を変換して前記検出センサを作動させるカム部を有しているので、検出センサに過度な荷重が作用するのを防止できると同時に,可動部材の小さな変位によっても検出センサを作動させることが可能になる。
望ましくは,前記ステップは車両の左右に設け,これら左右のステップにそれぞれ前記ステップ荷重検出手段を設ける。
このように構成すると,「乗車」の検出形態を複数形成することが可能となる。
例えば,鞍乗型車両がATVの場合には,左右両方のステップにおけるステップ荷重検出手段で荷重が検出された場合にのみ「乗車」であるとすることができるし,鞍乗型車両が二輪車の場合には,左右いずれかのステップにおけるステップ荷重検出手段で荷重が検出された場合に「乗車」であるとすることができる。
望ましくは,前記ステップの足載せ面は,波状面を有しており,この波状面の上下方向に関して山部の最上部と谷部の最下部との間に前記可動部材における荷重受け面が配置されている構成とする。
このように構成すると,上記波状面によって安定した足載せ状態が得られるとともに,乗員に違和感を与えることなく,乗員の車両への乗車/非乗車を確実に検出することが可能になる。
ステップの足載せ面が波状面を有している場合において,仮に,波状面の上下方向に関して山部の最上部よりも上方に可動部材における荷重受け面を配置したとすると,乗員がステップに足を載せる際に,波状面の最上部よりも先に可動部材における荷重受け面に靴底が接触してしまうことによって,乗員が違和感を覚えるおそれがある。
逆に,谷部の最下部よりも下方に,可動部材における荷重受け面を配置したとすると,荷重受け面の変位が十分には得られなくなって,確実な検出ができなくなるおそれがある。
これに対し,山部の最上部と谷部の最下部との間に可動部材における荷重受け面を配置することにより,上記波状面によって安定した足載せ状態が得られるとともに,乗員に違和感を与えることなく,乗員の車両への乗車/非乗車を確実に検出することが可能になる。
望ましくは,前記可動部材は,前記ステップの一端に係合保持され,その係合保持部の回りに揺動可能に構成する。
このように構成すると,簡単な構造で可動部材を揺動可能に構成できる。
望ましくは,前記可動部材は,前記検出センサの上面全面を覆っている構成とする。
このように構成すると,検出センサを可動部材によって,塵埃等から保護することができる。
望ましくは,前記検出センサは,前記車両の車体フレーム内に配置されている構成とする。
このように構成すると,検出センサを車体フレームで保護することができる。
望ましくは,前記車両の走行速度を検出する車速センサと,前記車両のスロットルの開度を検出するスロットルセンサと,これら車速センサ,スロットルセンサおよび前記ステップ荷重検出手段による各検出信号に基づいて,前記車両に搭載されたエンジンのアイドリング停止および始動を制御する制御手段とをさらに備えている構成とする。
このように構成すると,立ち乗りでの作業の中断を無くすことができて使い勝手のよいアイドリングストップ機能を有する不整地走行車両を得ることができる。
図1に示す鞍乗型車両1は,四輪バギーであり,車体フレーム2と,この車体フレーム2に取り付けたエンジンEと,このエンジンEで駆動される左右の後輪WR(一方のみ図示)と,エンジンEの上方において車体フレーム2に取り付けられたシート3と,このシート3の下方において車体フレーム2に取り付けられた左右のステップ10(一方のみ図示)と,車体フレーム2に懸架された左右の前輪WF(一方のみ図示)と,この前輪WFを操作するハンドル4と,このハンドル4に設けられたスロットルグリップ4gとを備えている。
したがって,この鞍乗型車両1によれば,乗員の車両への乗車/非乗車を,ステップ荷重検出手段20によって検出することが可能になる。
したがってまた,この鞍乗型車両1にアイドリングストップ機能を採用する場合,エンジン始動の条件として,ステップ荷重検出手段20による「乗車」の検出信号を用いることが可能となる。
すなわち,乗員は必ずしもシート3に着座しなくても,ステップ10に足を載せることで,エンジンEを始動させることが可能となる。
したがって,この鞍乗型車両1によれば,立ち乗りでの作業の中断を無くすことができ,使い勝手を損なうことなくアイドリングストップ機能を採用することが可能となる。
鞍乗型車両1に例えば図4に示すような制御装置100を搭載する。
この制御装置100は,少なくとも,車両1の走行速度を検出する車速センサ101と,車両1のスロットル4gの開度を検出するスロットルセンサ102と,これら車速センサ101,スロットルセンサ102および前記ステップ荷重検出手段20による各検出信号に基づいて,車両1に搭載されたエンジンEのアイドリング停止および始動を制御する制御手段110とを備えている構成とする。各センサは公知のセンサで構成でき,制御手段110も公知のCPU等で構成することができる。
このように構成すると,「乗車」の検出形態を複数形成することが可能となる。
この場合,制御手段110は,左右両方のステップにおけるステップ荷重検出手段20L,20Rで荷重が検出され,かつ着座センサ103にて着座が検出された場合にのみ「乗車」であると判断するように構成することもできるが,左右両方のステップにおけるステップ荷重検出手段20L,20Rで荷重が検出されるか,または着座センサ103にて着座が検出された場合には「乗車」であると判断してエンジンEの再始動を可能とするように構成することもできる。また,左右いずれかのステップにおけるステップ荷重検出手段20L,または20Rで荷重が検出され,かつ着座センサ103にて着座が検出された場合に「乗車」であると判断してエンジンEの再始動を可能とするように構成することもできる。
このように構成すると,検出センサ23に直接荷重がかかることを防止することができるとともに,検出センサ23を可動部材22で保護することも可能になる。
このように構成すると,上記波状面11wによって安定した足載せ状態が得られるとともに,乗員に違和感を与えることなく,乗員の車両への乗車/非乗車を確実に検出することが可能になる。
ステッププレート12は,板状のベース部12bと,このベース部12bの前後辺をそれぞれ上方に一体的に起立させた前後壁12c,12cと,これら前後壁12c,12cのの外側部をそれぞれ一体的に内側に折り曲げて形成した外側壁12dとを有しており,これら前後壁12c,12cと外側壁12dの波状の上面で上記波状面11wを有する足載せ面11が形成されている。
ステッププレート12は,そのベース部12bをステップブラケット13にボルト14で締め付け固定することでステップブラケット13に取り付けられる。
支持部22dは,その下端22eがステッププレート12におけるベース部12bの上面に当接している。支持部22dの下端22eはステッププレート12におけるベース部12bに固定することもできる。支持部22dの下端22eの下端がステッププレート12に当接しまたは固定されていることにより,可動部22bが過度に下方に偏倚することが防止される。
つまり,図2および図3に示す可動部材22は,いわば両端支持状態であり,その中間部分である可動部22bが上下に変位可能である。
ステップ10に乗員の足が載せられると,可動部材22の可動部22bが下方に変位し(撓み),その可動部22bでボタン23bが押されて検出センサ23がONし,ステップ10から足が外されると,可動部22bが原位置に復帰して検出センサ23への押圧が解除され,検出センサ23がOFFする。
そこで,図2および図3に示すように,検出センサ23は,可動部22bの中央部分に対応する位置に設けてある。
これによって,ステップ10への足載せ状態をより確実に検出することが可能になる。
これにより,検出センサ23を可動部材22によって,塵埃等から保護することができる。
この実施の形態では,可動部材22の可動部22bが,ステッププレート12における前後壁12c,12cの対向面同士の間隔と同一の幅を有しており,上下方向への可動性が阻害されない範囲で,前後壁12c,12cの間にぴったりと嵌り込んでいるので,検出センサ23は可動部材22によって,より良好に塵埃等から保護される。
このように構成すると,簡単な構造で可動部材22を揺動可能に構成できる。
図示の係合保持部(10e)は,ステッププレート12における外側壁12dの中央部に内側下方への折り返し部12eを設け,この折り返し部12eと外壁部12dの内面とで固定部22cを挟圧保持した構造である。
このように構成すると,検出センサ23に過度な荷重が作用するのを防止できると同時に,可動部材22の小さな変位によっても検出センサ23を作動させることが可能になる。
図7に示す可動部材22の支持部22dはステッププレート12に当接することなく下方内側に伸び,その延設部22fの下端にカム24が設けられ,カム24のカム面24cが検出センサ23におけるボタン23bを押圧可能となっている。
このように構成すると,検出センサ23を車体フレーム2で保護することができる。
図7に示す車体フレーム2はパイプ状のフレーム2pを有しており,このパイプ状のフレーム2p内に,検出センサ23が配置されている。
このように構成すると,荷重センサ25がシート状であるから荷重センサ25の配置スペースを小さくできると同時に,塵埃等に対しても強いステップ荷重検出手段を得ることができる。
例えば,本発明のステップ荷重検出手段は,エンジン搭載車両に限らず,電動鞍乗型車両においても適用することが可能である。その場合,エンジン音が発生しないために,発進モードであるか,駐車モードであるか判断しにくいため,例えば,発進モード中に乗員検出ができた場合に発進を許可するように制御を行うこともできる。
Claims (7)
- 乗員が車両に乗車状態であるか否かを判断し,車両の走行状態を制御する鞍乗型車両において,車両に乗員が乗車する時に足を載せるステップ(10)と,乗員の乗車時に前記ステップ(10)に加えられる乗員の荷重を検出するステップ荷重検出手段(20)とを備え、
前記ステップ荷重検出手段(20)は,前記ステップ(10)の足載せ面(11)に臨んで設けられていて乗員の荷重を荷重受け面(21)に受けて変位する可動部材(22)と,この可動部材(22)の変位によりON/OFFされる検出センサ(23)とを備え、
前記可動部材(22)は,その変位方向を変換して前記検出センサ(23)を作動させるカム部(24)を有していることを特徴とする鞍乗型車両。 - 前記ステップ(10)は車両の左右に設けられており,これら左右のステップにそれぞれ前記ステップ荷重検出手段(20)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両。
- 前記ステップ(10)の足載せ面(11)は,波状面(11w)を有しており,この波状面(11w)の上下方向に関して山部の最上部(11t)と谷部の最下部(11b)との間に前記可動部材(22)における荷重受け面(21)が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗型車両。
- 前記可動部材(22)は,前記ステップ(10)の一端(10e)に係合保持され,その係合保持部の回りに揺動可能であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
- 前記可動部材(22)は,前記検出センサ(23)の上面全面を覆っていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
- 前記検出センサ(23)は,前記車両の車体フレーム(2)内に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
- 前記車両の走行速度を検出する車速センサ(101)と,前記車両のスロットル(4g)の開度を検出するスロットルセンサ(102)と,これら車速センサ(101),スロットルセンサ(102)および前記ステップ荷重検出手段(20)による各検出信号に基づいて,前記車両に搭載されたエンジン(E)のアイドリング停止および始動を制御する制御手段(110)とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
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