JP2011230651A - 車両 - Google Patents

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伸司 山本
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弘毅 林
Yuji Takakura
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Kazuhiro Kuno
和宏 久野
Munehiro Takahashi
宗裕 高橋
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Abstract

【課題】傾斜走行用の駆動部に故障が発生したときでも応急的に走行させることができるようにする。
【解決手段】運転者が搭乗するための搭乗部と、運転者が車両を操縦するための操縦装置と、所定の車輪と連結され、互いに揺動自在に連結された複数のリンクを備えたリンク機構と、リンク機構を作動させることによって、路面に対して前記車両の全体を傾斜させる駆動部と、該駆動部に故障が発生したかどうかを判断し、駆動部に故障が発生したと判断した場合に、傾斜抑制装置を作動させて車両の傾斜を抑制する故障処置処理手段とを有する。駆動部に故障が発生したかどうかが判断され、駆動部に故障が発生したと判断されると、傾斜抑制装置が作動させられて車両の傾斜が抑制されるので、車両を応急的に走行させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に関するものである。
従来、車両においては、一般的に、乗員である運転者のほかに、複数の他の乗員を収容することができるようになっているが、運転者だけが乗車することが多く、その場合、エネルギーが無用に消費されてしまう。このことから、1人乗り用の車両が提供されている。
ところが、一人乗り用の車両においては、例えば、運転者が乗車するのに伴って重心の位置が高くなり、車両を旋回させるとき、すなわち、旋回時における安定性(以下「旋回安定性」という。)が低くなってしまう。
そこで、例えば、二輪車においては、運転者が、旋回時に旋回中心側に傾斜させて走行させるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−155671号公報
しかしながら、前記二輪車においては、運転者が走行状態に応じて傾斜させるので、適正な角度だけ傾斜させることが困難であり、運転者が違和感を感じたり、不安を抱いたりしてしまう。
そこで、リンク機構、傾斜走行用の駆動部としてのリンクモータ等を配設し、旋回時に前記リンクモータを駆動してリンク機構を作動させ、操舵角及び遠心力に応じた角度だけ傾斜させることができるようにした車両が考えられる。
その場合、操舵角及び遠心力に応じた角度だけ車両を傾斜させることができるので、運転者が違和感を感じたり、不安を抱いたりすることがなくなる。
ところが、例えば、前記リンクモータに故障が発生して、リンク機構を適正に作動させることができなくなると、車両を走行させることが困難になることがある。
本発明は、前記従来の車両の問題点を解決して、傾斜走行用の駆動部に故障が発生したときでも応急的に走行させることができる車両を提供することを目的とする。
そのために、本発明の車両においては、運転者が搭乗するための搭乗部と、運転者が車両を操縦するための操縦装置と、所定の車輪と連結され、互いに揺動自在に連結された複数のリンクを備えたリンク機構と、該リンク機構を作動させることによって、路面に対して前記車両の全体を傾斜させる駆動部と、該駆動部に故障が発生したかどうかを判断し、駆動部に故障が発生したと判断した場合に、傾斜抑制装置を作動させて車両の傾斜を抑制する故障処置処理手段とを有する。
本発明によれば、車両においては、運転者が搭乗するための搭乗部と、運転者が車両を操縦するための操縦装置と、所定の車輪と連結され、互いに揺動自在に連結された複数のリンクを備えたリンク機構と、該リンク機構を作動させることによって、路面に対して前記車両の全体を傾斜させる駆動部と、該駆動部に故障が発生したかどうかを判断し、駆動部に故障が発生したと判断した場合に、傾斜抑制装置を作動させて車両の傾斜を抑制する故障処置処理手段とを有する。
この場合、駆動部に故障が発生したかどうかが判断され、駆動部に故障が発生したと判断されると、傾斜抑制装置が作動させられて車両の傾斜が抑制されるので、車両を応急的に走行させることができる。
本発明の第1の実施の形態における三輪車の制御ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における三輪車の右側面図である。 本発明の第1の実施の形態における三輪車の背面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるリンク機構を示す背面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるリンク機構を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における三輪車を傾斜させた状態を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における制御部の動作を示すメインフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における横加速度算出処理のサブルーチンを示す図である。 本発明の第1の実施の形態における合成横加速度を演算する方法を説明するための概念図である。 本発明の第1の実施の形態における横加速度推定処理のサブルーチンを示す図である。 本発明の第1の実施の形態におけるフィルタ処理のサブルーチンを示す図である。 本発明の第1の実施の形態における傾斜制御処理のサブルーチンを示す図である。 本発明の第1の実施の形態における故障処置処理のサブルーチンを示す図である。 本発明の第1の実施の形態におけるエアバッグ装置を作動させた状態を示す図である。 図14のA−A断面図である。 本発明の第2の実施の形態におけるエアバッグ装置を作動させた状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、車両としての三輪車について説明する。
図2は本発明の第1の実施の形態における三輪車の右側面図、図3は本発明の第1の実施の形態における三輪車の背面図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるリンク機構を示す背面図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるリンク機構を示す断面図、図6は本発明の第1の実施の形態における三輪車を傾斜させた状態を示す図である。
図において、10は三輪車であり、該三輪車10は、車両本体Bd、及び該車両本体Bdに対して回転自在に配設された三つの車輪12F、12L、12Rを備える。
また、前記車両本体Bdは、乗員である運転者が搭乗するための搭乗部11、該搭乗部11と車輪12Fとを連結する前輪フォーク17、前記搭乗部11より後方に配設された支持部20、前記搭乗部11より前方に配設され、運転者が三輪車10を操縦するための操縦装置41、前記支持部20より後方に配設され、三輪車10の所定の傾斜部位、本実施の形態においては、三輪車10の全体を路面18に対して左右に傾斜(リーン)させるための車両傾斜装置43等を備える。前記支持部20は、車輪12L、12Rの上方において水平に延びる部位20aを備え、該部位20aによって荷台部分が形成される。なお、前記搭乗部11と支持部20とは図示されない連結部を介して連結される。
また、前記支持部20、車両傾斜装置43、車輪12L、12R等によって本体部61が、車輪12F、前輪フォーク17、操縦装置41等によって、三輪車10を操舵するための操舵部が、該操舵部及び搭乗部11によって搭乗・操舵部62が構成される。
前記車輪12Fは、車両本体Bdの前側における所定の位置、本実施の形態においては、三輪車10の幅方向における中央に、前記前輪フォーク17に対して回転自在に配設され、前輪として、かつ、操舵用の車輪(操舵輪)として機能する。なお、前記車輪12Fの車軸に、車速vを検出する車速検出部としての車速センサ54が配設される。
また、車輪12L、12Rは、車両本体Bdの後側における所定の位置、本実施の形態においては、三輪車10の幅方向における左右の両端に、前記支持部20に対して回転自在に配設され、後輪として、かつ、走行用の車輪(駆動輪)として機能する。そのために、前記車輪12L、12Rには、それぞれ、三輪車10を走行させるための走行用の駆動部としての駆動モータ51L、51Rが配設され、該駆動モータ51L、51Rを駆動することによって車輪12L、12Rを回転させることができるようになっている。前記駆動モータ51L、51Rは、それぞれ車輪12L、12R内に収容され、インホイールモータを構成する。なお、Lhは、車輪12Fの車軸と各車輪12L、12Rの車軸との距離、すなわち、前後輪間距離(ホイールベース)である。
本実施の形態において、前記駆動モータ51L、51Rとしては、速度制御、トルク制御等が可能なサーボモータが使用されるが、他の種類のモータを使用することができる。また、本実施の形態においては、駆動モータ51L、51Rがそれぞれ車輪12L、12R内に収容されるようになっているが、駆動モータを、車輪12Fに配設したり、各車輪12F、12L、12Rに配設したりすることができる。さらに、駆動モータを車両本体Bdの所定の箇所に配設し、駆動モータと車輪12Fとを連結したり、駆動モータと車輪12L、12Rとを連結したり、駆動モータと車輪12F、12L、12Rとを連結したりすることもできる。
さらに、本実施の形態においては、車両本体Bdの前側に一つの車輪12Fが、車両本体Bdの後側に二つの車輪12L、12Rが配設されるようになっているが、車両本体Bdの前側に二つの車輪を、車両本体Bdの後側に一つの車輪を配設することができる。また、車両が二輪車である場合は、車両本体の左右の両端に車輪が配設され、車両が四輪車である場合は、車両本体の前側及び後側の左右の両端に車輪が配設される。
前記搭乗部11は、運転者が着座するための部位である座席11a、該座席11aより前方に配設され、運転者の足を置くための部位であるフットレスト11b、該フットレスト11bの前端から斜めに立ち上げて配設された風よけ部11c、及び前記座席11aの後端から上方に向けて立ち上げて形成された背もたれ部11dを備える。なお、本実施の形態において、三輪車10は一人乗り用とされ、搭乗部11に運転者だけが搭乗することができるようになっているが、搭乗部11に運転者及び他の乗員を搭乗させたり、搭乗部11の後方の車輪12L、12Rの上に補助搭乗部を形成し、該補助搭乗部に他の乗員を搭乗させたりすることができる。
また、前記前輪フォーク17は、例えば、付勢部材としてのスプリングが内蔵されたテレスコピックタイプのフォークであり、サスペンション装置(懸架装置)として機能する。
そして、前記操縦装置41は、三輪車10の進行方向を変えたり、三輪車10を旋回させたりするための第1の操作部としての、かつ、操舵部材としてのハンドルバー41a、速度メータ、インジケータ等の表示要素としての図示されないメータ類、始動スイッチ、ボタン等の操作要素としての図示されないスイッチ類等を備える。なお、前記ハンドルバー41aに代えて、第1の操作部としての、かつ、操舵部材としてのステアリングホイール、ジョグダイヤル、タッチパネル、押しボタン等を配設することができる。
また、風よけ部11cの上端には、図示されない操舵軸部材が、上端を下端より後方に位置させ、傾斜させた状態で回転自在に配設され、該操舵軸部材に前記ハンドルバー41a及び前輪フォーク17が取り付けられる。したがって、運転者が前記ハンドルバー41aを操作して操舵軸部材を回動させると、前輪フォーク17及び車輪12Fは、前記ハンドルバー41aの回動に応じて所定の舵角で回動させられ、三輪車10の進行方向を変える。
なお、前記ハンドルバー41aには、三輪車10を加速(発進も含む。)させるための第2の操作部としての、かつ、加速操作部材としての図示されないアクセルグリップ、及び三輪車10を減速(制動も含む。)させるための第3の操作部としての、かつ、第1の減速操作部材としてのブレーキレバーが配設される。また、前記フットレスト11bには、三輪車10を減速させるための第4の操作部としての、かつ、第2の減速操作部材としての図示されないブレーキペダル等が配設される。
したがって、運転者は、前記ハンドルバー41a、アクセルグリップ、ブレーキレバー、ブレーキペダル等を操作して、所定の走行条件(例えば、進行方向、旋回方向、旋回半径、走行速度等)で三輪車10を走行させることができる。
また、前記操縦装置41には、前記ハンドルバー41aの操作量、すなわち、操舵量としての操舵角βを検出する操舵量検出部としての図示されない操舵角センサ、前記アクセルグリップの操作量である加速操作量を検出する加速操作量検出部としての図示されないアクセルセンサ、前記ブレーキレバー、ブレーキペダル等の操作量である減速操作量を検出する減速操作量検出部としての図示されないブレーキセンサ等が配設される。なお、前記操舵角βは、運転者が三輪車10に対して要求する要求旋回量を表す。
そして、前記車両傾斜装置43は、車輪12L、12Rを支持する支持機構としての、かつ、三輪車10の全体を傾斜させる車両傾斜機構としてのリンク機構30、及び該リンク機構30を作動させ、三輪車10を傾斜させるためのアクチュエータとしての、かつ、傾斜用の駆動部としてのリンクモータ25を備える。本実施の形態において、該リンクモータ25としては、速度制御、トルク制御等が可能なサーボモータが使用されるが、他の種類のモータを使用することもできる。
前記リンク機構30は、図4及び5に示されるように、リンクモータ25より前方に配設された第1のリンク機構部としての前リンク機構部30A、リンクモータ25より後方に配設された第2のリンク機構部としての後リンク機構部30Bを備え、所定の車輪、本実施の形態においては、車輪12L、12Rと連結される。
前記後リンク機構部30Bは、車輪12Lの内側において、上下方向に延在させて配設され、駆動モータ51Lを支持する左側の縦リンクユニット33L、車輪12Rの内側において、上下方向に延在させて配設され、駆動モータ51Rを支持する右側の縦リンクユニット33R、前記縦リンクユニット33L、33Rの各上端部において、縦リンクユニット33L、33Rに対して相対的に揺動自在に連結された上側の横リンクユニット31U、前記縦リンクユニット33L、33Rの各下端部において、縦リンクユニット33L、33Rに対して相対的に揺動自在に連結された下側の横リンクユニット31D、及び上下方向に延在させて配設され、上端において、前記支持部20に対して回転不能に固定され、かつ、横リンクユニット31Uに対して相対的に揺動自在に連結され、下端において、横リンクユニット31Dに対して相対的に揺動自在に連結された中央縦部材21を備える。
また、前記前リンク機構部30Aは、前記縦リンクユニット33L、33R、該縦リンクユニット33L、33Rの各上端部において、縦リンクユニット33L、33Rに対して相対的に揺動自在に連結された上側の横リンクユニット36U、前記縦リンクユニット33L、33Rの各下端部において、縦リンクユニット33L、33Rに対して相対的に揺動自在に連結された下側の横リンクユニット36D、及び上下方向に延在させて配設され、上端において、前記支持部20に対して回転不能に固定され、かつ、横リンクユニット36Uに対して相対的に揺動自在に連結され、下端において、横リンクユニット36Dに対して相対的に揺動自在に連結された中央縦部材37を備える。
なお、前記縦リンクユニット33Lによって第1のリンクが、前記縦リンクユニット33Rによってと第2のリンクが、横リンクユニット31U、36Uによって第3のリンクが、横リンクユニット31D、36Dによって第4のリンクが、中央縦部材21、37によって第5のリンクが構成される。
また、縦リンクユニット33L、33Rと横リンクユニット31U、36Uとは、前リンク機構部30Aと後リンク機構部30Bとの間を延びる上側の連結要素としての連結軸pn1、pn2によって、縦リンクユニット33L、33Rと横リンクユニット31D、36Dとは、前リンク機構部30Aと後リンク機構部30Bとの間を延びる下側の連結要素としての連結軸pn3、pn4によって連結される。
そして、中央縦部材21と横リンクユニット31Uとは、出力軸Lshと同軸上に延びる上側の連結要素としての連結軸pn5によって連結され、中央縦部材21、37と横リンクユニット31Dとは、前リンク機構部30Aと後リンク機構部30Bとの間を延びる、下側の連結要素としての連結軸pn6によって連結される。
前記駆動モータ51L、51Rは、それぞれ、固定部材としての図示されないケース、該ケースに取り付けられた図示されないステータ、該ステータに対して回転自在に配設された図示されないロータ、及び該ロータに取り付けられた図示されない出力軸を備え、前記各ケースがそれぞれ縦リンクユニット33L、33Rに固定され、各出力軸が車輪12L、12Rの軸に連結される。
また、前記リンクモータ25は、前記支持部20の部位20aから下方に垂下させて配設された支持プレート22を介して支持部20に固定される。前記リンクモータ25は、固定部材としてのケースcs1、該ケースcs1に取り付けられた図示されないステータ、該ステータに対して回転自在に配設された図示されないロータ、及び該ロータに取り付けられた前記出力軸Lshを備え、前記ケースcs1が支持プレート22を介して支持部20及び中央縦部材21に対して回転不能に固定され、出力軸Lshが前記横リンクユニット31Uに対して回転不能に固定される。
したがって、リンクモータ25を駆動して出力軸Lshをケースcs1に対して所定の角度だけ回動させると、後リンク機構部30Bにおいて、横リンクユニット31Uが、支持部20及び中央縦部材21に対して前記角度だけ回動させられ、前リンク機構部30A及び後リンク機構部30Bが連動し、リンク機構30が作動して屈曲させられる。その結果、図6に示されるように、三輪車10は前記角度だけ傾斜させられる。これに伴って、車輪12F、12L、12Rは、路面18に対して鉛直な状態を表す鉛直状態から前記角度だけ傾斜させられ、キャンバが付与された状態になる。
また、前記リンクモータ25は、出力軸Lshをケースcs1に対して任意の角度で回転不能に固定するための図示されないロック機構を備える。該ロック機構は、ブレーキ等のメカニカルな機構によって形成される。なお、ロック機構によって出力軸Lshがケースcs1に対して回転不能に固定されている間、リンクモータ25において電力は消費されない。
さらに、本実施の形態においては、前記リンクモータ25に故障が発生したときに、三輪車10が無用に傾斜しないように、傾斜抑制装置としての、かつ、車両保護装置としての図示されないエアバッグ装置が配設される。該エアバッグ装置は、リンク機構30における所定の箇所、本実施の形態においては、前記支持プレート22における上端の左右に配設されたインフレータ(ガス発生装置)58、バッグ等を備える。
本実施の形態においては、ケースcs1が支持部20及び中央縦部材21に対して回転不能に固定され、出力軸Lshが前記横リンクユニット31Uに対して回転不能に固定されるが、ケースcs1を前記横リンクユニット31Uに対して回転不能に固定し、出力軸Lshを支持部20及び中央縦部材21に対して回転不能に固定することができる。
前記車両本体Bdには、搭乗部11の後方若しくは下方又は支持部20に、駆動モータ51L、51R及びリンクモータ25のエネルギー供給源である図示されないバッテリ装置、及び図示されない制御部が配設される。
ところで、三輪車10を旋回させると、旋回経路における旋回中心から径方向外方に向けて遠心力が発生する。このとき、図6に示されるように、三輪車10を旋回中心側に傾斜させると、遠心力と三輪車10に加わる重力加速度とが相殺され、遠心力が重力加速度の分だけ小さくなる。すなわち、三輪車10の高さ方向に高さ方向軸sh1を、三輪車10の幅方向(高さ方向軸sh1に対して直角の方向)に幅方向軸sh2を採ると、遠心力の幅方向軸sh2上の成分、すなわち、幅方向成分が重力加速度の幅方向成分の分だけ小さくなる。このとき、遠心力の幅方向成分によって三輪車10に加わる横加速度が、重力加速度の幅方向成分によって三輪車10に加わる横加速度の分だけ小さくなる。
そして、遠心力の幅方向成分と重力加速度の幅方向成分とを等しくすると、三輪車10に加わる横加速度は0(零)になり、この状態で、三輪車10及び運転者には、見かけ上、遠心力の高さ方向軸sh1上の成分、すなわち、高さ方向成分と重力加速度の高さ方向成分との合成成分だけが加わる。
そこで、本実施の形態においては、旋回時に、三輪車10に加わる横加速度が0になるように三輪車10を傾斜させることによって、旋回安定性を高くするとともに、運転者が違和感を感じたり、不安を抱いたりすることがないようにしている。
そのために、三輪車10の所定の部位(箇所)、本実施の形態においては、背もたれ部11dの背面に、複数の、本実施の形態においては、二つの横加速度検出部としての第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが、互いに異なる高さに配設される。前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、一般的な加速度センサ、ジャイロセンサ等から成るセンサであり、前記背もたれ部11dに加わる第1、第2の横加速度a1、a2を検出する。
本実施の形態においては、三輪車10に第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが配設されるようになっているが、三輪車10に横加速度センサを一つだけ配設したり、三つ以上配設したりすることができる。
なお、三輪車10に横加速度センサを一つだけ配設する場合、不要な加速度成分が検出されてしまうことがある。例えば、三輪車10の走行中に、路面18の窪(くぼ)みに車輪12L、12Rのいずれか一方だけが落下した場合、三輪車10が傾斜させられ、それに伴って横加速度センサが変位するので、所定の横加速度が検出される。
また、三輪車10には、例えば、車輪12L、12Rのタイヤのような、弾性を有し、ばねとして機能する部位が存在するタイヤが使用されるので、各部品間の接続部分等にガタが不可避的に発生する。したがって、ばねとして機能する部位の伸縮、ガタの発生等に伴って横加速度センサが変位するので、所定の横加速度が検出される。このように、遠心力に直接起因しない不要な加速度成分が検出されてしまうことがある。
本実施の形態においては、前述されたように、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが配設されるので、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bを適切な位置に配設することによって不要な加速度成分を取り除くことができる。
また、本実施の形態において、図3に示されるように、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、それぞれ、搭乗部11の背もたれ部11dの背面において、重力方向における路面18からの距離、すなわち、高さがL1、L2の位置に配設され、該高さL1、L2は、
L1>L2
にされる。高さL1、L2の差で表されるセンサ間距離ΔLは、小さいほど第1、第2の横加速度a1、a2の差が小さくなるので、十分に大きく、例えば、0.3〔m〕以上になるように第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが配設される。
なお、三輪車10が傾斜させられる際の揺動中心、すなわち、ロール中心は、厳密には路面18よりわずかに下方に位置するが、本実施の形態においては、路面18上に位置すると考える。
前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、いずれも、リンク機構30より上方の、車輪12Fの車軸と左右の車輪12L、12Rの車軸との間の運転者に可能な限り近い箇所において、十分に剛性の高い部材に取り付けられることが望ましい。また、車両本体Bdがサスペンション等のばねで支持されている場合には、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bを、いずれも、いわゆる「ばね上」に配設することが望ましい。さらに、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、いずれも、三輪車10を上方から見たとき、進行方向に延在する三輪車10の中心軸上に位置させられ、中心軸に対してオフセットされないことが望ましい。
そして、三輪車10の旋回時に、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bによって第1、第2の横加速度a1、a2が検出されると、前記制御部において、第1、第2の横加速度a1、a2に基づいて合成された横加速度、すなわち、合成横加速度が0になるようにリンクモータ25のフィードバック制御が行われ、遠心力に応じた角度だけ三輪車10が旋回中心側に傾斜させられる。したがって、三輪車10に加わる合成横加速度が0になるので、旋回安定性を高くすることができる。
ところで、前記三輪車10において、例えば、前記リンクモータ25に故障が発生して、リンク機構30を適正に作動させることができなくなると、三輪車10を走行させることが困難になることがある。
その場合、前記リンクモータ25に故障が発生したときに、前記ロック機構によって出力軸Lshをケースcs1に対して回転不能に固定し、三輪車10が無用に傾斜しないようにすることが考えられるが、出力軸Lshをケースcs1に対して回転不能に固定すると、旋回時に三輪車10を傾斜させることができなくなるので、旋回安定性が低くなってしまう。
そこで、本実施の形態においては、前記リンクモータ25に故障が発生したときに、前記エアバッグ装置を作動させ、リンク機構30の作動を抑制し、三輪車10の傾斜を抑制するようにしている。
次に、三輪車10の制御装置について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における三輪車の制御ブロック図である。
図において、46は三輪車10の全体の制御を行う制御部であり、三輪車10を傾斜させるための傾斜制御システムを構成する。この場合、制御部46の電源がオンにされている間、傾斜制御システムにおいては、所定の制御周期Ts(例えば、0.2〔ms〕)で各種の処理が行われる。また、前記制御部46は、コンピュータとして機能する演算装置としての図示されないCPU、第1の記憶装置としてのRAM、第2の記憶装置としてのROM、入出力インタフェース等を備え、前記RAM及びROMは、磁気ディスク、半導体メモリ等から成る。
そして、前記制御部46には、第1横加速度センサ44a、第2横加速度センサ44b、操舵角センサ53、車速センサ54、リンクモータ25を駆動するためのインバータ装置等から成るモータ駆動部55、リンクモータ25を駆動するための所定のパラメータの検出値、本実施の形態においては、回転速度を検出する回転速度検出部としてのエンコーダ57、エアバッグ装置を作動させる駆動源としてのインフレータ58等が接続される。該インフレータ58は点火装置を備え、該点火装置は、制御部46から作動信号SGを受けると、ガス発生剤を着火させてガスを発生させ、バッグを膨出させる。
また、前記制御部46は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bによって検出された第1、第2の横加速度a1、a2に基づいて合成横加速度aを算出する横加速度算出処理手段としての横加速度演算部48、操舵角センサ53によって検出された操舵角β、及び車速センサ54によって検出された車速vに基づいて、三輪車10に加わる推定横加速度afを算出する横加速度推定処理手段としての横加速度推定部49、前記合成横加速度a及び推定横加速度afに基づいてリンクモータ25を駆動するための所定のパラメータの指令値、本実施の形態においては、速度指令値N* をモータ駆動部55に対して出力する傾斜制御処理手段としての傾斜制御部51、所定のパラメータの検出値、本実施の形態においては、エンコーダ57によって検出された回転速度(実回転速度)N及び前記速度指令値N* に基づいてリンクモータ25に故障が発生したかどうかを判断し、故障が発生した場合に、インフレータ58に作動信号SGを送り、ガスを発生させ、エアバッグ装置を作動させる故障処置処理手段としての故障処置部65等を備える。
次に、前記制御部46の動作について説明する。
図7は本発明の第1の実施の形態における制御部の動作を示すメインフローチャート、図8は本発明の第1の実施の形態における横加速度算出処理のサブルーチンを示す図、図9は本発明の第1の実施の形態における合成横加速度を演算する方法を説明するための概念図、図10は本発明の第1の実施の形態における横加速度推定処理のサブルーチンを示す図、図11は本発明の第1の実施の形態におけるフィルタ処理のサブルーチンを示す図、図12は本発明の第1の実施の形態における傾斜制御処理のサブルーチンを示す図、図13は本発明の第1の実施の形態における故障処置処理のサブルーチンを示す図、図14は本発明の第1の実施の形態におけるエアバッグ装置を作動させた状態を示す図、図15は図14のA−A断面図である。
まず、横加速度演算部48は、横加速度算出処理を行い、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bによって検出された第1、第2の横加速度a1、a2に基づいて合成横加速度aを算出する(ステップS1)。次に、横加速度推定部49は、横加速度推定処理を行い、操舵角センサ53によって検出された操舵角β、及び車速センサ54によって検出された車速vに基づいて、三輪車10に加わる横加速度を推定し、推定横加速度afを算出する(ステップS2)。
続いて、制御部46の図示されない故障発生判断処理手段は、故障発生判断処理を行い、故障処置部65によって、後述される故障処置処理が行われているかどうかを、故障検出状態フラグFLが1(オン)であるかどうかによって判断する(ステップS3)。
故障検出状態フラグFLが1ではなく、故障処置部65による故障処置処理が行われていない場合、前記傾斜制御部51は、傾斜制御処理を行い、横加速度演算部48から合成横加速度aを、横加速度推定部49から推定横加速度afを読み込み、前記合成横加速度a及び推定横加速度afに基づいて、リンクモータ25を駆動するための速度指令値N* をモータ駆動部55に対して出力する(ステップS4)。
続いて、前記故障処置部65は、故障処置処理を行い、回転速度N及び前記速度指令値N* を読み込み、回転速度N及び速度指令値N* に基づいてリンクモータ25に故障が発生したかどうかを判断するとともに、リンクモータ25に故障が発生した場合に、インフレータ58に作動信号SGを送り、ガスを発生させ、エアバッグ装置を作動させ、リンクモータ25の故障に対する処置を行う(ステップS5)。
次に、図8及び9に基づいて、横加速度演算部48の動作について説明する。
まず、前記横加速度演算部48は、第1、第2の横加速度a1、a2を読み込み(ステップS1−1、S1−2)、第1、第2の横加速度a1、a2の差を表す横加速度差Δa
Δa=a1−a2
を算出する(ステップS1−3)。
次に、前記横加速度演算部48は、第1横加速度センサ44aと第2横加速度センサ44bの高さL1、L2を前記ROMから読み出すことによって取得し(ステップS1−4)、高さ方向軸sh1上の第1横加速度センサ44aと第2横加速度センサ44bとの距離、すなわち、センサ間距離ΔL
ΔL=L1−L2
を算出する(ステップS1−5)。なお、前記高さL1、L2はあらかじめROMに記録される。また、センサ間距離ΔLをあらかじめ算出し、ROMに記録することができる。
続いて、前記横加速度演算部48の図示されない合成横加速度差算出処理手段は、合成横加速度差算出処理を行い、第2の横加速度a2、高さL2、センサ間距離ΔL及び横加速度差Δaに基づいて、前記合成横加速度aを式(1)に基づいて算出する(ステップS1−6)。
a=a2−(L2/ΔL)・Δa …(1)
なお、第1の横加速度a1、高さL1、センサ間距離ΔL及び横加速度差Δaに基づいて、前記合成横加速度aを式(2)に基づいて算出することができる。
a=a1−(L1/ΔL)・Δa …(2)
この場合、式(1)及び(2)によって前記合成横加速度aを算出すると、理論上は同じ値を得ることができるが、三輪車10を傾斜させたときの円周方向の変位によって加わる加速度はロール中心からの距離に比例するので、実際には、ロール中心に近い方の第2横加速度センサ44bの検出値である第2の横加速度a2を基準にして合成横加速度aを算出することが望ましい。そこで、本実施の形態においては、式(1)によって合成横加速度aが算出される。
そして、前記横加速度演算部48は、傾斜制御部51に算出した合成横加速度aを送る(ステップS1−7)。
次に、図10及び11に基づいて、横加速度推定部49の動作について説明する。
まず、前記横加速度推定部49は、横加速度推定処理を行い、操舵角β及び車速vを読み込むことによって取得する(ステップS2−1、S2−2)。
そして、前記横加速度推定部49の図示されないフィルタ処理手段は、フィルタ処理を行い、操舵角βに対してフィルタ処理を行う(ステップS2−3)。そのために、前記フィルタ処理手段は、制御周期Tsを読み込み(ステップS2−3−1)、車速vに対応するカットオフ周波数w(v)を算出する(ステップS2−3−2)。なお、本実施の形態において、カットオフ周波数w(v)は、車速vに反比例する関数で表されるが、他の関数で表すことができる。また、ROMのマップに車速とカットオフ周波数とをあらかじめ対応させて記録しておき、マップを参照してカットオフ周波数を読み出すことによって取得することもできる。
続いて、前記フィルタ処理手段は、前回の傾斜制御で算出された操舵角βoldをRAMから読み出し(ステップS2−3−3)、前記操舵角βold、制御周期Ts、カットオフ周波数w(v)及び操舵角βに基づいて、式(3)によって、フィルタ処理された操舵角、すなわち、処理操舵角β(t)を算出する(ステップS2−3−4)。なお、操舵角βoldの初期値は0にされる。
Figure 2011230651
式(3)は、バンドパスフィルタとして一般的に使用されるIIR(Infinite Impulse Response)フィルタであり、一次遅れ系のローパスフィルタであるカットオフ周波数可変ローパスフィルタによるフィルタ処理を表す。このように、車速vに応じてカットオフ周波数w(v)を変化させてフィルタ処理が行われるので、三輪車10を高速で走行させたとき、すなわち、高速走行時における安定性(以下「走行安定性」という。)を高くすることができる。
続いて、前記フィルタ処理手段は、処理操舵角β(t)を操舵角βoldとしてRAMに記録する(ステップS2−3−5)。
このようにして、前記フィルタ処理において処理操舵角β(t)が算出されると、前記横加速度推定部49の図示されない推定横加速度算出処理手段は、推定横加速度算出処理を行い、前後輪間距離Lhを読み込み(ステップS2−4)、該前後輪間距離Lh、車速v及び処理操舵角β(t)に基づいて、式(4)によって、推定横加速度afを算出する(ステップS2−5)。
Figure 2011230651
そして、前記横加速度推定部49は、傾斜制御部51に推定横加速度afを送る(ステップS2−6)。
次に、図12に基づいて、傾斜制御部51の動作について説明する。
まず、前記傾斜制御部51の図示されない横加速度取得処理手段は、横加速度取得処理を行い、横加速度演算部48から合成横加速度aを読み込む(ステップS4−1)。
続いて、前記傾斜制御部51の図示されない微分値算出処理手段は、微分値算出処理を行い、RAMから前回の傾斜制御で記録された合成横加速度aoldを読み出すとともに、制御周期Tsを読み込み、合成横加速度aの微分値δa
δa=da/dt
=(a−aold)/Ts
を算出する(ステップS4−2)。そして、前記微分値算出処理手段は、合成横加速度aを合成横加速度aoldとしてRAMに記録する。なお、合成横加速度aoldの初期値は0にされる。
続いて、前記傾斜制御部51の図示されない第1の制御値算出処理手段としての比例制御値算出処理手段は、第1の制御値算出処理としての比例制御値算出処理を行い、比例制御用の第1の制御ゲインとしての比例ゲインGp及び合成横加速度aに基づいて、第1の制御値としての比例制御値Up
Up=Gp・a
を算出する(ステップS4−3)。
次に、前記傾斜制御部51の図示されない第2の制御値算出処理手段としての微分制御値算出処理手段は、第2の制御値算出処理としての微分制御値算出処理を行い、微分制御用の第2の制御ゲインとしての微分ゲインGd及び微分値δaに基づいて、第2の制御値としての微分制御値Ud
Ud=Gd・δa
を算出する(ステップS4−4)。
続いて、前記傾斜制御部51の図示されない推定横加速度取得処理手段は、推定横加速度取得処理を行い、前記横加速度推定部49から推定横加速度afを読み込む(ステップS4−5)。そして、前記傾斜制御部51の図示されない推定微分値算出処理手段は、推定微分値算出処理を行い、RAMから前回の傾斜制御で記録された推定横加速度afoldを読み込むとともに、制御周期Tsを読み込み、推定横加速度afの微分値δaf
δaf=daf/dt
=(af−afold)/Ts
を算出する(ステップS4−6)。続いて、前記推定微分値算出処理手段は、推定横加速度afを推定横加速度afoldとしてRAMに記録する。なお、推定横加速度afoldの初期値は0にされる。
次に、前記傾斜制御部51の図示されない第3の制御値算出処理手段としての推定微分制御値算出処理手段は、第3の制御値算出処理としての推定微分制御値算出処理を行い、微分制御用の第3の制御ゲインとしての微分ゲインGdf及び微分値δafに基づいて、第3の制御値としての推定微分制御値Udf
Udf=Gdf・δaf
を算出する(ステップS4−7)。
続いて、前記傾斜制御部51の図示されない第4の制御値算出処理手段としての傾斜制御用制御値算出処理手段は、第4の制御値算出処理としての傾斜制御用制御値算出処理を行い、比例制御値Up、微分制御値Ud及び推定微分制御値Udfを読み込み、傾斜制御用の制御値Uo
Uo=Up+Ud+Udf
を算出する(ステップS4−8)。
そして、前記傾斜制御部51の図示されない傾斜制御用出力処理手段は、傾斜制御用出力処理を行い、前記制御値Uoを速度指令値N* としてモータ駆動部55に出力する(ステップS4−9)。
次に、図13〜15に基づいて故障処置部65の動作について説明する。
まず、該故障処置部65の図示されない回転速度取得処理手段は、回転速度取得処理を行い、回転速度Nを読み込み、続いて、故障処置部65の図示されないノイズ除去処理手段は、ノイズ除去処理を行い、回転速度Nの検出に当たり、ノイズを除去するために、0に近い値に設定された閾(しきい)値±Nthを読み込み、
−Nth≦N≦+Nth
であるかどうかを判断し(ステップS5−1)、
−Nth≦N≦+Nth
である場合、回転速度Nを0にする(ステップS5−2)。
続いて、故障処置部65の図示されない故障発生判断処理手段は、故障発生判断処理を行い、リンクモータ25に故障が発生したかどうかを判断する。
そのために、前記故障発生判断処理手段の故障発生条件成立判断処理手段は、故障発生条件成立判断処理を行い、回転速度N及び速度指令値N* を読み込み、回転速度N及び速度指令値N* の正負が互いに逆であるかどうかによって、第1の故障発生条件が成立するかどうかを判断する(ステップS5−3、S5−4)。
すなわち、
* <0
であり、かつ、
N≧0
である場合、又は、
* ≧0
であり、かつ、
N<0
である場合、前記故障発生条件成立判断処理手段は、回転速度N及び速度指令値N* の正負が互いに逆であり、第1の故障発生条件が成立すると判断して、制御部46に配設された図示されないカウンタのカウント値Cnt(初期値は0にされる。)をインクリメントし(ステップS5−5)、
* <0
であり、かつ、
N≧0
ではなく、
* ≧0
であり、かつ、
N<0
でもない場合、前記故障発生条件成立判断処理手段は、回転速度N及び速度指令値N* の正負が同じあり、第1の故障発生条件が成立しないと判断して、カウント値Cntを0にする。(ステップS5−6)。
続いて、前記故障発生条件成立判断処理手段は、カウント値Cntを読み込み、カウント値Cntがあらかじめ設定された値tcより大きくなったかどうかによって、第2の故障発生条件が成立するかどうかを判断する(ステップS5−7)。そして、第2の故障発生条件が成立すると、故障発生判断処理手段はリンクモータ25に故障が発生したと判断する。
本実施の形態において、故障処置処理は制御周期Tsごとに行われるので、カウント値Cntが初期値からインクリメントされ、値tcより大きくなるまでの時間は、約0.5〔秒〕になる。したがって、故障発生判断処理に応答遅れがあっても、故障発生判断処理手段はリンクモータ25に故障が発生したかどうかを正確に判断することができる。
このようにして、故障発生判断処理においてリンクモータ25に故障が発生したと判断されると、前記故障処置部65の図示されないフェールセーフ処理手段は、フェールセーフ処理を行い、インフレータ58に作動信号SGを送り、ガスを発生させ、エアバッグ装置を作動させる(ステップS5−8)。
続いて、前記故障処置部65の図示されない故障検出状態設定処理手段は、故障検出状態設定処理を行い、故障検出状態フラグFLを1に設定する(オンにする)(ステップS5−9)。
このようにして、エアバッグ装置が作動させられると、図14及び15に示されるように、各インフレータ58から下方に向けてバッグ91が膨出させられ、所定のリンク間、本実施の形態においては、リンクモータ25と縦リンクユニット33L、33Rとの間に進入して、リンクモータ25を包囲する。
ところで、図6に示されるように、リンク機構30が作動させられ、三輪車10が傾斜させられると、中央縦部材21、37及び縦リンクユニット33Lに対して横リンクユニット31U、31D、36U、36Dが回動させられるので、中央縦部材21、37と縦リンクユニット33Lとの間の距離、及び中央縦部材21、37と縦リンクユニット33Rとの間の距離が短くなる。
そこで、本実施の形態においては、リンクモータ25に故障が発生したときに、リンクモータ25と縦リンクユニット33L、33Rとの間(特に、リンクモータ25と連結軸pn1、pn2との間)に前記バッグ91を膨出させることによって、内部のガスの圧力による反発力を発生させ、中央縦部材21、37と縦リンクユニット33Lとの間の距離、及び中央縦部材21、37と縦リンクユニット33Rとの間の距離が短くなるのをバッグ91によって抑制するようにしている。したがって、リンク機構30が過剰に屈曲するのを防止することができ、三輪車10が無用に傾斜するのを防止することができる。
また、バッグ91は、膨出させられた状態で弾性を有するので、三輪車10の旋回時に、前記バッグ91の反発力に抗してリンク機構30を作動させ、三輪車10を傾斜させることができる。したがって、旋回安定性が過剰に低くなることがなく、三輪車10を応急的に走行させることができる。
このように、本実施の形態においては、リンクモータ25に故障が発生したと判断されると、エアバッグ装置が作動させられて三輪車10の傾斜が抑制されるので、三輪車10を応急的に走行させることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図16は本発明の第2の実施の形態におけるエアバッグ装置を作動させた状態を示す図である。
この場合、駆動源としてのインフレータ58は横リンクユニット31Uにおける連結軸pn1、pn2よりわずかに中央縦部材21側に配設される。
エアバッグ装置が作動させられると、図に示されるように、各インフレータ58から上方及び下方に向けてバッグ91が膨出させられ、アクチュエータとしての、かつ、傾斜用の駆動部としてのリンクモータ25と縦リンクユニット33L、33Rとの間に進入して、リンクモータ25を包囲する。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
10 三輪車
11 搭乗部
12L、12R 車輪
18 路面
21、37 中央縦部材
25 リンクモータ
30 リンク機構
31U、31D、36U、36D 横リンクユニット
33L、33R 縦リンクユニット
41 操縦装置
65 故障処置部

Claims (5)

  1. 運転者が搭乗するための搭乗部と、
    運転者が車両を操縦するための操縦装置と、
    所定の車輪と連結され、互いに揺動自在に連結された複数のリンクを備えたリンク機構と、
    該リンク機構を作動させることによって、路面に対して前記車両の全体を傾斜させる駆動部と、
    該駆動部に故障が発生したかどうかを判断し、駆動部に故障が発生したと判断した場合に、傾斜抑制装置を作動させて車両の傾斜を抑制する故障処置処理手段とを有することを特徴とする車両。
  2. 車両の所定の部位に配設され、該部位に加わる横加速度を検出する横加速度検出部と、
    該横加速度検出部によって検出された横加速度に基づいて傾斜制御を行い、前記駆動部を駆動する傾斜制御処理手段とを有する請求項1に記載の車両。
  3. 前記故障処置処理手段は、前記駆動部を駆動するための所定のパラメータの指令値及び検出値に基づいて駆動部に故障が発生したかどうかを判断する請求項1又は2に記載の車両。
  4. 前記傾斜抑制装置は、前記リンク機構の作動を抑制することによって車両の傾斜を抑制する請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両。
  5. 前記傾斜抑制装置はエアバッグ装置であり、バッグを膨出させ、前記リンク機構における所定のリンク間に進入させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両。
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