JP5521994B2 - 車両 - Google Patents

車両 Download PDF

Info

Publication number
JP5521994B2
JP5521994B2 JP2010257399A JP2010257399A JP5521994B2 JP 5521994 B2 JP5521994 B2 JP 5521994B2 JP 2010257399 A JP2010257399 A JP 2010257399A JP 2010257399 A JP2010257399 A JP 2010257399A JP 5521994 B2 JP5521994 B2 JP 5521994B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle body
tilt
vehicle
control
lateral acceleration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010257399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012025370A (ja
Inventor
伸司 山本
弘毅 林
裕司 ▲高▼倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Equos Research Co Ltd filed Critical Equos Research Co Ltd
Priority to JP2010257399A priority Critical patent/JP5521994B2/ja
Priority to PCT/JP2011/001822 priority patent/WO2011161856A1/ja
Priority to CN201180031536.4A priority patent/CN103079946B/zh
Publication of JP2012025370A publication Critical patent/JP2012025370A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5521994B2 publication Critical patent/JP5521994B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G3/00Resilient suspensions for a single wheel
    • B60G3/18Resilient suspensions for a single wheel with two or more pivoted arms, e.g. parallelogram
    • B60G3/20Resilient suspensions for a single wheel with two or more pivoted arms, e.g. parallelogram all arms being rigid
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62JCYCLE SADDLES OR SEATS; AUXILIARY DEVICES OR ACCESSORIES SPECIALLY ADAPTED TO CYCLES AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, e.g. ARTICLE CARRIERS OR CYCLE PROTECTORS
    • B62J45/00Electrical equipment arrangements specially adapted for use as accessories on cycles, not otherwise provided for
    • B62J45/40Sensor arrangements; Mounting thereof
    • B62J45/41Sensor arrangements; Mounting thereof characterised by the type of sensor
    • B62J45/414Acceleration sensors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62KCYCLES; CYCLE FRAMES; CYCLE STEERING DEVICES; RIDER-OPERATED TERMINAL CONTROLS SPECIALLY ADAPTED FOR CYCLES; CYCLE AXLE SUSPENSIONS; CYCLE SIDE-CARS, FORECARS, OR THE LIKE
    • B62K25/00Axle suspensions
    • B62K25/04Axle suspensions for mounting axles resiliently on cycle frame or fork
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62KCYCLES; CYCLE FRAMES; CYCLE STEERING DEVICES; RIDER-OPERATED TERMINAL CONTROLS SPECIALLY ADAPTED FOR CYCLES; CYCLE AXLE SUSPENSIONS; CYCLE SIDE-CARS, FORECARS, OR THE LIKE
    • B62K5/00Cycles with handlebars, equipped with three or more main road wheels
    • B62K5/02Tricycles
    • B62K5/023Tricycles specially adapted for disabled riders, e.g. personal mobility type vehicles with three wheels
    • B62K5/025Tricycles specially adapted for disabled riders, e.g. personal mobility type vehicles with three wheels power-driven
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62KCYCLES; CYCLE FRAMES; CYCLE STEERING DEVICES; RIDER-OPERATED TERMINAL CONTROLS SPECIALLY ADAPTED FOR CYCLES; CYCLE AXLE SUSPENSIONS; CYCLE SIDE-CARS, FORECARS, OR THE LIKE
    • B62K5/00Cycles with handlebars, equipped with three or more main road wheels
    • B62K5/02Tricycles
    • B62K5/027Motorcycles with three wheels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62KCYCLES; CYCLE FRAMES; CYCLE STEERING DEVICES; RIDER-OPERATED TERMINAL CONTROLS SPECIALLY ADAPTED FOR CYCLES; CYCLE AXLE SUSPENSIONS; CYCLE SIDE-CARS, FORECARS, OR THE LIKE
    • B62K5/00Cycles with handlebars, equipped with three or more main road wheels
    • B62K5/10Cycles with handlebars, equipped with three or more main road wheels with means for inwardly inclining the vehicle body on bends
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2300/00Indexing codes relating to the type of vehicle
    • B60G2300/45Rolling frame vehicles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62KCYCLES; CYCLE FRAMES; CYCLE STEERING DEVICES; RIDER-OPERATED TERMINAL CONTROLS SPECIALLY ADAPTED FOR CYCLES; CYCLE AXLE SUSPENSIONS; CYCLE SIDE-CARS, FORECARS, OR THE LIKE
    • B62K5/00Cycles with handlebars, equipped with three or more main road wheels
    • B62K2005/001Suspension details for cycles with three or more main road wheels

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Automatic Cycles, And Cycles In General (AREA)

Description

本発明は、少なくとも左右一対の車輪を有する車両に関するものである。
近年、エネルギ資源の枯渇問題に鑑み、車両の省燃費化が強く要求されている。その一方で、車両の低価格化等から、車両の保有者が増大し、1人が1台の車両を保有する傾向にある。そのため、例えば、4人乗りの車両を運転者1人のみが運転することで、エネルギが無駄に消費されるという問題点があった。車両の小型化による省燃費化としては、車両を1人乗りの三輪車又は四輪車として構成する形態が最も効率的であるといえる。
しかし、走行状態によっては、車両の安定性が低下してしまうことがある。そこで、車体を横方向に傾斜させることによって、旋回時の車両の安定性を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−155671号公報
しかしながら、前記従来の車両においては、停車時にも車体の傾斜制御を行うようになっているので、特に長時間に亘(わた)って停車する場合には、一定の傾斜状態を維持するために傾斜用アクチュエータ装置を作動させ続ける必要があり、電力消費量が増大してしまう。また、一定の傾斜状態を維持するように傾斜用アクチュエータ装置の制御を継続するので、制御系のノイズ等に起因する微小振動が生じ、乗員が不快に感じたり、不安を抱いたりしてしまうことがある。
本発明は、前記従来の車両の問題点を解決して、停車時には車体の傾斜制御を停止するとともに、車体の傾斜動作を停止させて車体の姿勢をロックする傾斜ブレーキ装置を作動させることによって、停車時に傾斜制御を行う必要がなく、不要な振動が発生することがなく、車体の姿勢が変化しないので、乗員が不快に感じることがなく、乗り心地がよく、安全性の高い車両を提供することを目的とする。
そのために、本発明の車両においては、互いに連結された操舵(だ)部及び駆動部を備える車体と、前記操舵部に回転可能に取り付けられた車輪であって、前記車体を操舵する操舵輪と、前記駆動部に回転可能に取り付けられた車輪であって、前記車体を駆動する駆動輪と、前記操舵部又は駆動部を旋回方向に傾斜させる傾斜用アクチュエータ装置と、前記車体の傾斜動作を停止させる傾斜ブレーキ装置と、前記車体に作用する横加速度を検出する横加速度センサと、前記傾斜用アクチュエータ装置を制御して前記車体の傾斜を制御する制御装置とを有し、該制御装置は、前記横加速度センサが検出する横加速度に基づいて旋回方向に傾斜させる制御を行うとともに、停車時には前記車体の傾斜の制御を停止し、前記傾斜ブレーキ装置を作動させて前記車体の姿勢をロックする車両であって、駐車ブレーキを更に有し、前記制御装置は、前記駐車ブレーキの操作手段が第1の閾値より長い時間操作されていると、停車していると判定し、前記車体の傾斜の制御を停止し、前記傾斜ブレーキ装置を作動させ、停車していると判定した後に、前記駐車ブレーキの操作手段が解除されても、走行指令が入力されず、車速が第2の閾値を超えなければ、前記車体の傾斜の制御の停止、及び、前記傾斜ブレーキ装置の作動を継続する
請求項1の構成によれば、停車時に車体の傾斜の制御を行わないので不要な振動が発生することがなく、停車時に車体の姿勢が変化することもない。したがって、乗員が不快に感じることがなく、乗り心地を向上させることができる。また、停車の判定精度が向上し、安全かつ確実に車体の姿勢をロックすることができる。さらに、駐車ブレーキの操作手段の操作を継続する必要がなく、乗員の操作負担が軽減される。
請求項2の構成によれば、停車時に車体の傾斜の制御を行わないので不要な振動が発生することがなく、停車時に車体の姿勢が変化することもない。したがって、乗員が不快に感じることがなく、乗り心地を向上させることができる。また、停車の判定精度が向上し、安全かつ確実に車体の姿勢をロックすることができる。さらに、より広範囲な状況下で車体の傾斜制御を停止させることができ、消費電力量を更に抑制することができるとともに、車体の姿勢の変化を防止して、乗り心地を向上させることができる。
請求項3の構成によれば、停車時に車体の傾斜の制御を行わないので不要な振動が発生することがなく、停車時に車体の姿勢が変化することもない。したがって、乗員が不快に感じることがなく、乗り心地を向上させることができる。また、停車の判定精度が向上し、安全かつ確実に車体の姿勢をロックすることができる。さらに、停車解除の判定精度が向上し、確実に車体の傾斜の制御を開始することができる。
請求項の構成によれば、停車時に傾斜用アクチュエータ装置に電力を供給しないので、消費電力量を抑制することができる。
請求項の構成によれば、車体の傾斜の変化速度が抑制され、スムーズに変化するので、乗り心地が向上する。
請求項の構成によれば、車体の傾斜の大きな変化を確実に防止することができ、安全性を向上させることができる。
本発明の実施の形態における車両の構成を示す右側面図である。 本発明の実施の形態における車両のリンク機構の構成を示す図である。 本発明の実施の形態における車両の構成を示す背面図である。 本発明の実施の形態における車体傾斜制御システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における傾斜制御ゲインの時間変化を示す図である。 本発明の実施の形態における旋回走行時の車体の傾斜動作を説明する力学モデルを示す図である。 本発明の実施の形態における制御系のブロック図である。 本発明の実施の形態における車体傾斜制御の全体の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における傾斜制御停止判定処理の動作を示すサブルーチンである。 本発明の実施の形態における傾斜制御処理の動作を示すサブルーチンである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における車両の構成を示す右側面図、図2は本発明の実施の形態における車両のリンク機構の構成を示す図、図3は本発明の実施の形態における車両の構成を示す背面図である。なお、図3において、(a)は車体が直立している状態を示す図、(b)は車体が傾斜している状態を示す図である。
図において、10は、本実施の形態における車両であり、車体の駆動部としての本体部20と、乗員が搭乗して操舵する操舵部としての搭乗部11と、車体の前方において幅方向の中心に配設された前輪である操舵輪としての車輪12Fと、後輪として後方に配設された駆動輪である左側の車輪12L及び右側の車輪12Rとを有する。さらに、前記車両10は、車体を左右に傾斜させる、すなわち、リーンさせるためのリーン機構、すなわち、車体傾斜機構として、左右の車輪12L及び12Rを支持するリンク機構30と、該リンク機構30を作動させるアクチュエータである傾斜用アクチュエータ装置としてのリンクモータ25とを有する。なお、前記車両10は、前輪が左右二輪であって後輪が一輪の三輪車であってもよいし、前輪及び後輪が左右二輪の四輪車であってもよいが、本実施の形態においては、図に示されるように、前輪が一輪であって後輪が左右二輪の三輪車である場合について説明する。
旋回時には、左右の車輪12L及び12Rの路面18に対する角度、すなわち、キャンバ角を変化させるとともに、搭乗部11及び本体部20を含む車体を旋回内輪側へ傾斜させることによって、旋回性能の向上と乗員の快適性の確保とを図ることができるようになっている。すなわち、前記車両10は車体を横方向(左右方向)にも傾斜させることができる。なお、図2及び3(a)に示される例においては、左右の車輪12L及び12Rは路面18に対して直立している、すなわち、キャンバ角が0度になっている。また、図3(b)に示される例においては、左右の車輪12L及び12Rは路面18に対して右方向に傾斜している、すなわち、キャンバ角が付与されている。
前記リンク機構30は、左側の車輪12L及び該車輪12Lに駆動力を付与する電気モータ等から成る左側の回転駆動装置51Lを支持する左側の縦リンクユニット33Lと、右側の車輪12R及び該車輪12Rに駆動力を付与する電気モータ等から成る右側の回転駆動装置51Rを支持する右側の縦リンクユニット33Rと、左右の縦リンクユニット33L及び33Rの上端同士を連結する上側の横リンクユニット31Uと、左右の縦リンクユニット33L及び33Rの下端同士を連結する下側の横リンクユニット31Dと、本体部20に上端が固定され、上下に延在する中央縦部材21とを有する。また、左右の縦リンクユニット33L及び33Rと上下の横リンクユニット31U及び31Dとは回転可能に連結されている。さらに、上下の横リンクユニット31U及び31Dは、その中央部で中央縦部材21と回転可能に連結されている。なお、左右の車輪12L及び12R、左右の回転駆動装置51L及び51R、左右の縦リンクユニット33L及び33R、並びに、上下の横リンクユニット31U及び31Dを統合的に説明する場合には、車輪12、回転駆動装置51、縦リンクユニット33及び横リンクユニット31として説明する。
そして、駆動用アクチュエータ装置としての前記回転駆動装置51は、いわゆるインホイールモータであって、固定子としてのボディが縦リンクユニット33に固定され、前記ボディに回転可能に取り付けられた回転子としての回転軸が車輪12の軸に接続され、前記回転軸の回転によって車輪12を回転させる。なお、前記回転駆動装置51は、インホイールモータ以外の種類のモータであってもよい。
また、前記リンクモータ25は、電気モータ等を含む回転式の電動アクチュエータであって、固定子としての円筒状のボディと、該ボディに回転可能に取り付けられた回転子としての回転軸とを備えるものであり、前記ボディが取付フランジ22を介して本体部20に固定され、前記回転軸がリンク機構30の上側の横リンクユニット31Uに固定されている。なお、リンクモータ25の回転軸は、本体部20を傾斜させる傾斜軸として機能し、中央縦部材21と上側の横リンクユニット31Uとの連結部分の回転軸と同軸になっている。そして、リンクモータ25を駆動して回転軸をボディに対して回転させると、本体部20及び該本体部20に固定された中央縦部材21に対して上側の横リンクユニット31Uが回動し、リンク機構30が作動する、すなわち、屈伸する。これにより、本体部20を傾斜させることができる。なお、リンクモータ25は、その回転軸が本体部20及び中央縦部材21に固定され、そのボディが上側の横リンクユニット31Uに固定されていてもよい。
本実施の形態において、リンクモータ25は、回転軸をボディに対して回転不能に固定する傾斜ブレーキ装置としての後述されるリンクブレーキ26を備える。該リンクブレーキ26は、メカニカルなロック機構であって、回転軸をボディに対して回転不能に固定している間には電力を消費しないものであることが望ましい。前記リンクブレーキ26によって、回転軸をボディに対して所定の角度で回転不能に固定することができる。
前記搭乗部11は、本体部20の前端に図示されない連結部を介して連結される。該連結部は、搭乗部11と本体部20とを所定の方向に相対的に変位可能に連結する機能を有していてもよい。
また、前記搭乗部11は、座席11a、フットレスト11b及び風よけ部11cを備える。前記座席11aは、車両10の走行中に乗員が着座するための部位である。また、前記フットレスト11bは、乗員の足部を支持するための部位であり、座席11aの前方側(図1(a)における右側)下方に配設される。
さらに、搭乗部11の後方若しくは下方又は本体部20には、図示されないバッテリ装置が配設されている。該バッテリ装置は、回転駆動装置51及びリンクモータ25のエネルギ供給源である。また、搭乗部11の後方若しくは下方又は本体部20には、図示されない制御装置、インバータ装置、各種センサ等が収納されている。
そして、座席11aの前方には、操縦装置41が配設されている。該操縦装置41には、操舵装置としてのハンドルバー41a、速度メータ等のメータ、インジケータ、スイッチ等の操縦に必要な部材が配設されている。乗員は、前記ハンドルバー41a及びその他の部材を操作して、車両10の走行状態(例えば、進行方向、走行速度、旋回方向、旋回半径等)を指示する。なお、乗員が要求する車体の要求旋回量を出力するための手段である操舵装置として、ハンドルバー41aに代えて他の装置、例えば、ステアリングホイール、ジョグダイヤル、タッチパネル、押しボタン等の装置を操舵装置として使用することもできる。
なお、車輪12Fは、サスペンション装置(懸架装置)の一部である前輪フォーク17を介して搭乗部11に接続されている。前記サスペンション装置は、例えば、一般的なオートバイ、自転車等において使用されている前輪用のサスペンション装置と同様の装置であり、前記前輪フォーク17は、例えば、スプリングを内蔵したテレスコピックタイプのフォークである。そして、一般的なオートバイ、自転車等の場合と同様に、乗員によるハンドルバー41aの操作に応じて操舵輪としての車輪12Fは舵角を変化させ、これにより、車両10の進行方向が変化する。
具体的には、前記ハンドルバー41aは、図示されない操舵軸部材の上端に接続され、操舵軸部材の下端には前輪フォーク17の上端が接続されている。前記操舵軸部材は、上端が下端よりも後方に位置するように斜めに傾斜した状態で、搭乗部11が備える図示されないフレーム部材に、回転可能に取り付けられている。
さらに、車両10は、後述されるスロットルグリップ35及びハンドブレーキ36を操縦装置の一部として備える。前記スロットルグリップ35は、一般的なオートバイ、自転車等において使用されているスロットルグリップと同様の部材であり、ハンドルバー41aの一端に回転可能に取り付けられ、その回転角度、すなわち、スロットル開度に応じて、車両10を加速するような走行指令を入力する装置である。また、前記ハンドブレーキ36は、パーキングブレーキ指示装置又は駐車ブレーキ指示装置であり、具体的には、レバー、ボタン等の操作手段から成り、いわゆるパーキングブレーキ、駐車ブレーキ等と称される停車維持用制動装置を作動させるための装置である。
本実施の形態において、車両10は横加速度センサ44を有する。該横加速度センサ44は、一般的な加速度センサ、ジャイロセンサ等から成るセンサであって、車両10の横加速度、すなわち、車体の幅方向としての横方向(図3における左右方向)の加速度を検出する。
車両10は、旋回時に車体を旋回内側に傾斜させて安定させるので、車体を傾斜させることによって、旋回時の旋回外側への遠心力と重力とが釣り合うような角度になるように制御される。このような制御を行うことによって、例えば、路面18が進行方向と垂直な方向(進行方向に対する左右方向)に傾斜していたとしても、常に車体を水平に保つことが可能になる。これにより、車体と乗員には、見かけ上、常に重力が鉛直下向きにかかっていることになり、違和感が低減され、また、車両10の安定性が向上する。
そこで、本実施の形態においては、傾斜する車体の横方向の加速度を検出するために、横加速度センサ44を車体に取り付け、横加速度センサ44の出力がゼロとなるようにフィードバック制御を行う。これにより、旋回時に作用する遠心力と重力とが釣り合う傾斜角まで、車体を傾斜させることができる。また、進行方向と垂直な方向に路面18が傾斜している場合でも、車体が鉛直になる傾斜角となるように制御することができる。なお、前記横加速度センサ44は、車体の幅方向の中心、すなわち、車体の縦方向軸線上に位置するように配設されている。
しかし、横加速度センサ44が1つであると、不要加速度成分をも検出してしまうことがある。例えば、車両10の走行中、路面18の窪(くぼ)みに左右の車輪12L及び12Rのいずれか一方のみが落下する場合があり得る。この場合、車体が傾斜するので、横加速度センサ44は、周方向に変位し、周方向の加速度を検出することになる。つまり、遠心力や重力に直接由来しない加速度成分、すなわち、不要加速度成分が検出されてしまう。
また、車両10は、例えば、車輪12L及び12Rのタイヤ部分のように弾性を備え、ばねとして機能する部分を含み、また、各部材の接続部等に不可避的なガタが含まれる。そのため、横加速度センサ44は、不可避的なガタやばねを介して車体に取り付けられていると考えられるので、ガタやばねの変位によって生じる加速度をも不要加速度成分として検出してしまう。
このような不要加速度成分は、車体傾斜制御システムの制御性を悪化させる可能性がある。例えば、車体傾斜制御システムの制御ゲインを大きくすると、不要加速度成分に起因する制御系の振動、発散等が発生するので、応答性を向上させようとしても制御ゲインを大きくすることができなくなってしまう。
そこで、本実施の形態においては、横加速度センサ44が複数であって、互いに異なる高さに配設されている。図1及び3に示される例において、横加速度センサ44は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの2つであって、第1横加速度センサ44aと第2横加速度センサ44bとは互いに異なる高さ位置に配設されている。第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの位置を適切に選択することで、効果的に不要加速度成分を取り除くことができる。
具体的には、図3(a)に示されるように、第1横加速度センサ44aは、搭乗部11の背面において、路面18からの距離、すなわち、高さがL1 の位置に配設されている。また、第2横加速度センサ44bは、搭乗部11の背面又は本体部20の上面において、路面18からの距離、すなわち、高さがL2 の位置に配設されている。なお、L1 >L2 である。そして、旋回走行時に、図3(b)に示されるように、車体を旋回内側(図において右側)に傾けた状態で旋回すると、第1横加速度センサ44aは、横方向の加速度を検出して検出値a1 を出力し、第2横加速度センサ44bは、横方向の加速度を検出して検出値a2 を出力する。なお、車体が傾く際の傾斜運動の中心、すなわち、ロール中心は、厳密には路面18よりわずかに下方に位置するが、実際上は、概略路面18と等しい位置であると考えられる。
前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、十分に剛性の高い部材に取り付けられることが望ましい。また、L1 とL2 との差は、小さいと検出値a1 及びa2 の差が小さくなるので、十分に大きいこと、例えば、0.3〔m〕以上、とすることが望ましい。さらに、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、リンク機構30よりも上方に配設されることが望ましい。さらに、車体がサスペンション等のばねで支持されている場合、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、いわゆる「ばね上」に配設されることが望ましい。さらに、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、前輪である車輪12Fの車軸と後輪である車輪12L及び12Rの車軸との間に配設されることが望ましい。さらに、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、可能な限り乗員の近くに配設されることが望ましい。さらに、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、上側から観て進行方向に延在する車両中心軸上に位置すること、すなわち、進行方向に関してオフセットされないことが望ましい。
また、車両10は、走行速度としての車速を検出する車速検出手段としての後述される車速センサ54を有する。該車速センサ54は、車輪12Fの車軸を指示する前輪フォーク17の下端に配設され、車輪12Fの回転速度に基づいて車速を検出するセンサであり、例えば、エンコーダ等から成る。
また、本実施の形態における車両10は、制御装置の一部としての車体傾斜制御システムを有する。該車体傾斜制御システムは、一種のコンピュータシステムであり、ECU(Electronic Control Unit)等から成る傾斜制御装置を備える。該傾斜制御装置は、プロセッサ等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備え、スロットルグリップ35、ハンドブレーキ36、横加速度センサ44、車速センサ54、リンクモータ25及びリンクブレーキ26に接続されている。そして、前記傾斜制御装置は、横加速度センサ44が検出した横加速度に基づいてリンクモータ25を作動させるためのトルク指令値を出力する。
前記傾斜制御装置は、旋回走行の際には、フィードバック制御を行い、車体の傾斜角度が、横加速度センサ44が検出する横加速度の値がゼロとなるような角度になるように、リンクモータ25を作動させる。つまり、旋回外側への遠心力と重力とが釣り合って、横方向の加速度成分がゼロとなるような角度になるように、車体の傾斜角度を制御する。これにより、車体及び搭乗部11に搭乗している乗員には、車体の縦方向軸線と平行な方向の力が作用することとなる。したがって、車体の安定を維持することができ、また、旋回性能を向上させることができる。また、乗員が違和感を感じることがなく、乗り心地が向上する。
次に、前記車体傾斜制御システムの構成について説明する。
図4は本発明の実施の形態における車体傾斜制御システムの構成を示すブロック図、図5は本発明の実施の形態における傾斜制御ゲインの時間変化を示す図である。
図において、46は傾斜制御装置としての傾斜制御ECUであり、走行指令装置の1つとしてのスロットルグリップ35、ハンドブレーキ36、第1横加速度センサ44a、第2横加速度センサ44b、車速センサ54、リンクモータ25及びリンクブレーキ26に接続されている。
また、前記傾斜制御ECU46は、横加速度演算部48、傾斜制御部47及び傾斜制御停止判定部49を備える。そして、横加速度演算部48は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出した横加速度に基づいて合成横加速度を算出する。また、傾斜制御部47は、横加速度演算部48が算出した横加速度としての合成横加速度に基づいてリンクモータ25を作動させるためのトルク指令値を出力する。さらに、傾斜制御停止判定部49は、スロットルグリップ35の回転角度であるスロットル開度、すなわち、走行指令入力装置の操作状態、ハンドブレーキ36の操作状態、及び、車速センサ54が検出した車速に基づいて、傾斜制御ゲインG0 を傾斜制御部47に対して出力するとともに、傾斜制御停止と判定した場合には、リンクブレーキ26を作動させるためのリンクブレーキ動作信号を出力する。なお、傾斜制御部47が出力するトルク指令値に傾斜制御ゲインG0 を乗じた値が、制御値としてリンクモータ25に入力される。
本実施の形態において、傾斜制御停止判定部49は、あらかじめ設定した第1の閾(しきい)値(例えば、2秒)より長い時間ハンドブレーキ36が操作されていると、すなわち、該ハンドブレーキ36がONの状態が継続していると、車両10が停車したものと判定し、リンクブレーキ26を作動させてリンクモータ25の回転軸を回転不能に固定するとともに、傾斜制御部47による傾斜制御を停止させる。なお、その後、ハンドブレーキ36の操作が解除されても、すなわち、該ハンドブレーキ36がOFFの状態となっても、スロットルグリップ35が操作されず、車速があらかじめ設定した第2の閾値(例えば、2〔km/h〕)を超えなければ、リンクブレーキ26を解除せずにリンクモータ25の回転軸の固定を維持するとともに、傾斜制御部47による傾斜制御の停止を維持する。
また、ハンドブレーキ36が操作されなくても、すなわち、該ハンドブレーキ36がONの状態になることなしにOFFの状態が継続していても、車速が前記第2の閾値以下であって、かつ、横加速度センサ44が検出する横加速度の値があらかじめ設定した第3の閾値(例えば、0.05〔G〕)以下である状態が第4の閾値(例えば、1秒)より長い時間継続していると、車両10が停車したものと判定し、リンクブレーキ26を作動させてリンクモータ25の回転軸を回転不能に固定するとともに、傾斜制御部47による傾斜制御を停止させる。
このように、リンクブレーキ26を作動させてリンクモータ25の回転軸を回転不能に固定することによって、車体の傾斜動作が停止して車体の姿勢がロックされる。なお、ここで、リンクブレーキ26は、メカニカルなロック機構であって、回転軸をボディに対して回転不能に固定している間は電力を消費しないものであるとする。そして、前記傾斜制御ECU46は、リンクブレーキ26を作動させた後に、リンクモータ25への電力の供給を停止する。したがって、停車中は、リンクモータ25にもリンクブレーキ26にも電力が供給されないので、電力消費量を抑制することができる。
また、ハンドブレーキ36の操作が解除されて、すなわち、該ハンドブレーキ36がOFFの状態となって、かつ、スロットルグリップ35が操作されるか、又は、車速が前記第2の閾値を超えると、傾斜制御停止判定部49は、傾斜制御部47による傾斜制御を開始させるとともに、傾斜制御の開始後に、リンクブレーキ26を解除してリンクモータ25の回転軸を回転可能にする。なお、傾斜制御の開始直後は、傾斜制御ゲインG0 の値を徐々に増加させる。
車両10が停車した時点における横方向の路面傾斜角度が現在の路面傾斜と異なっている場合、車両10の停車が異常停車だった場合等のように、最初から横方向に車体が傾斜状態にある場合に、傾斜制御を開始すると、傾斜制御部47が出力するトルク指令値が大きな値となり、リンクモータ25が大きなトルク指令値に従って始動することとなる。その結果、車体姿勢の変化が速くなり、乗員が不快に感じることがある。
そこで、本実施の形態においては、停車の後に傾斜制御を開始する際には、遷移制御を行って、トルク指令値に乗じる傾斜制御ゲインG0 の値を所定の遷移期間の間に徐々に増加させることによって、リンクモータ25に入力される制御値を緩和するようになっている。すなわち、リンクモータ25に入力される制御値を適切に制御することによって、停車の後における車体の傾斜を任意の変化速度で復帰させることができるようにする。
具体的には、図5に示されるように、傾斜制御ゲインG0 の値が、傾斜制御の開始時、すなわち、遷移制御の開始時におけるゼロから始まって時間の経過とともに増加して所定の遷移期間経過後に1となるようにする。傾斜制御ゲインG0 の値が1であるということは、傾斜制御部47が出力したトルク指令値がそのままリンクモータ25に入力されることを意味する。
なお、図5に示される例において、遷移制御を行う期間である遷移期間は、0.5秒に設定されているが、適宜変更することができる。また、遷移制御の開始時における傾斜制御ゲインG0 の値は、ゼロに設定されているが、必ずしもゼロである必要はなく、任意の値(例えば、0.1、0.5等)に設定することができる。さらに、傾斜制御ゲインG0 の値は、リニア(直線的)に増加するようになっているが、必ずしもリニアに増加する必要はなく、例えば、ステップ状に増加してもよいし、2次曲線状に増加してもよいし、指数関数的に増加してもよい。
次に、前記構成の車両10の動作について説明する。まず、旋回走行時における合成横加速度の算出について説明する。
図6は本発明の実施の形態における旋回走行時の車体の傾斜動作を説明する力学モデルを示す図、図7は本発明の実施の形態における制御系のブロック図である。
旋回走行が開始されると、車体傾斜制御システムは車体傾斜制御処理を開始する。姿勢制御が行われることで、車両10は、リンク機構30によって、旋回走行時には、図3(b)に示されるように、車体を旋回内側(図において右側)に傾けた状態で旋回する。また、旋回走行時には、旋回外側への遠心力が車体に作用するとともに、車体を旋回内側に傾けたことによって重力の横方向成分が発生する。そして、横加速度演算部48は、横加速度演算処理を実行し、合成横加速度ac を算出して傾斜制御部47に出力する。すると、該傾斜制御部47は、フィードバック制御を行い、合成横加速度ac の値がゼロとなるような制御値としてのトルク指令値をリンクモータ25に出力する。
なお、車体傾斜制御処理は、車両10の電源が投入されている間、車体傾斜制御システムによって繰り返し所定の制御周期TS (例えば、10〔ms〕)で実行される処理であり、旋回時において、旋回性能の向上と乗員の快適性の確保とを図る処理である。
なお、図6において、44Aは車体において第1横加速度センサ44aの配設された位置を示す第1センサ位置であり、44Bは車体において第2横加速度センサ44bの配設された位置を示す第2センサ位置である。
第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出してその検出値を出力する加速度は、〈1〉旋回時に車体に作用する遠心力、〈2〉車体を旋回内側に傾けたことによって発生する重力の横方向成分、〈3〉左右の車輪12L及び12Rのいずれか一方のみが路面18の窪みに落下することによる車体の傾斜、ガタやばねの変位等により第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが周方向に変位することによって生じる加速度、並びに、〈4〉リンクモータ25の作動又はその反作用により第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが周方向に変位することによって生じる加速度、の4つであると考えられる。これら4つの加速度のうち、前記〈1〉及び〈2〉は第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの高さ、すなわち、L1 及びL2 と無関係である。一方、前記〈3〉及び〈4〉は、周方向に変位することによって生じる加速度であるから、ロール中心からの距離に比例する、すなわち、概略L1 及びL2 に比例する。
ここで、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出してその検出値を出力する〈3〉の加速度をaX1及びaX2とし、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出してその検出値を出力する〈4〉の加速度をaM1及びaM2とする。また、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出してその検出値を出力する〈1〉の加速度をaT とし、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出してその検出値を出力する〈2〉の加速度をaG とする。なお、前記〈1〉及び〈2〉は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの高さに無関係なので、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの検出値は等しい。
そして、左右の車輪12L及び12Rのいずれか一方のみが路面18の窪みに落下することによる車体の傾斜、ガタやばねの変位等による周方向の変位の角速度をωR とし、その角加速度をωR ’とする。また、リンクモータ25の作動又はその反作用による周方向の変位の角速度をωM とし、その角加速度をωM ’とする。なお、角速度ωM 又は角加速度ωM ’は、リンク角センサの検出値から取得することができる。
すると、aX1=L1 ωR ’、aX2=L2 ωR ’、aM1=L1 ωM ’、aM2=L2 ωM ’となる。
また、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出して出力する加速度の検出値をa1 及びa2 とすると、a1 及びa2 は、4つの加速度〈1〉〜〈4〉の合計であるから、次の式(1)及び(2)で表される。
1 =aT +aG +L1 ωR ’+L1 ωM ’ ・・・式(1)
2 =aT +aG +L2 ωR ’+L2 ωM ’ ・・・式(2)
そして、式(1)から式(2)を減算すると、次の式(3)を得ることができる。
1 −a2 =(L1 −L2 )ωR ’+(L1 −L2 )ωM ’ ・・・式(3)
ここで、L1 及びL2 の値は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの高さであるから既知である。また、ωM ’の値は、リンクモータ25の角速度ωM の微分値であるから既知である。すると、前記式(3)の右辺においては、第1項のωR ’の値のみが未知であり、他の値はすべて既知である。したがって、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの検出値a1 及びa2 から、ωR ’の値を得ることが可能である。つまり、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの検出値a1 及びa2 に基づいて、不要加速度成分を取り除くことができる。
そこで、横加速度演算部48は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの検出値a1 及びa2 に基づいて、合成横加速度ac を算出する。該合成横加速度ac は、横加速度センサ44が1つである場合における横加速度センサ値に相当する値であって、第1横加速度センサ値a1 と第2横加速度センサ値a2 とを合成した値であり、次の式(4)及び(5)によって得られる。
c =a2 −(L2 /ΔL)Δa ・・・式(4)
c =a1 −(L1 /ΔL)Δa ・・・式(5)
なお、Δaは、加速度差であって、次の式(6)によって表される。
Δa=a1 −a2 ・・・式(6)
また、ΔLは次の式(7)によって表される。
ΔL=L1 −L2 ・・・式(7)
理論上は、式(4)によっても式(5)によっても、同じ値を得ることができるが、周方向の変位によって生じる加速度はロール中心からの距離に比例するので、実際上は、ロール中心により近い方の横加速度センサ44、すなわち、第2横加速度センサ44bの検出値であるa2 を基準にすることが望ましい。そこで、本実施の形態においては、式(4)によって合成横加速度ac を算出することとする。
本実施の形態における車体傾斜制御処理では、図7に示されるようなフィードバック制御が行われる。図において、f1 は前記式(4)で表される伝達関数である。また、GP は比例制御動作の制御ゲインであり、GD は微分制御動作の制御ゲインであり、sは微分要素である。
次に、前記車両10の車体傾斜制御の動作について具体的に説明する。まず、全体の動作について説明する。
図8は本発明の実施の形態における車体傾斜制御の全体の動作を示すフローチャートである。
まず、傾斜制御停止判定部49は、傾斜制御停止判定処理を実行する(ステップS1)。そして、車両10が停車していると判定すると、傾斜制御を停止すべきであるとして、傾斜制御停止判定用フラグFlgL の値を1に設定し、車両10が停車していないと判定すると傾斜制御停止判定用フラグFlgL の値をゼロに設定する。
続いて、傾斜制御停止判定部49は、傾斜制御停止判定用フラグFlgL の値がゼロであるか否かを判断する(ステップS2)。そして、傾斜制御停止判定用フラグFlgL の値がゼロである場合、傾斜制御停止判定部49は、遷移制御実行判定用フラグFlgM の値がゼロであるか否かを判断する(ステップS3)。
ここで、遷移制御実行判定用フラグFlgM は、傾斜制御停止判定部49が遷移制御を行って傾斜制御ゲインG0 の値を変化させるとき、すなわち、遷移制御を行う期間である遷移期間内であるときはその値が1に設定され、そうでないときにはその値がゼロに設定されるフラグである。
そして、遷移制御実行判定用フラグFlgM の値がゼロである場合、遷移期間経過後であると判断することができるので、傾斜制御停止判定部49は、傾斜制御ゲインG0 の値を1に設定する(ステップS4)。
続いて、傾斜制御停止判定部49は、リンクブレーキ状態判定用フラグFlgB の値がゼロであるか否かを判断する(ステップS5)。
ここで、リンクブレーキ状態判定用フラグFlgB は、リンクブレーキ26が作動しているときはその値が1に設定され、そうでないときにはその値がゼロに設定されるフラグである。
そして、リンクブレーキ状態判定用フラグFlgB の値がゼロである場合、リンクブレーキ26が作動していない、すなわち、リンクブレーキ26が解除されていると判断することができるので、傾斜制御停止判定部49は、傾斜制御部47による傾斜制御を実行させる。これにより、傾斜制御部47は傾斜制御処理を実行する(ステップS6)。
また、リンクブレーキ状態判定用フラグFlgB の値が1である場合、リンクブレーキ26が作動していると判断することができるので、傾斜制御停止判定部49は、傾斜制御部47による傾斜制御を停止させる。そのため、傾斜制御部47は傾斜制御処理を実行しない。
続いて、傾斜制御部47は、遷移制御実行判定用フラグFlgM の値がゼロであり、かつ、リンクブレーキ状態判定用フラグFlgB の値が1であるか否かを判断する(ステップS7)。
そして、遷移制御実行判定用フラグFlgM の値がゼロであり、かつ、リンクブレーキ状態判定用フラグFlgB の値が1である場合には、遷移期間経過後であって通常の傾斜制御を行うタイミングでありながら、リンクブレーキ26が作動している状態なので、傾斜制御部47は、リンクブレーキOFF信号を送信し(ステップS8)、リンクブレーキ26を解除させるとともに、リンクブレーキ状態判定用フラグFlgB の値をゼロに設定する(ステップS9)。続いて、傾斜制御部47は、傾斜制御停止判定処理を再度実行し、以降の動作を繰り返す。
また、遷移制御実行判定用フラグFlgM の値がゼロであり、かつ、リンクブレーキ状態判定用フラグFlgB の値が1であるか否かを判断して、遷移制御実行判定用フラグFlgM の値が1であるか、リンクブレーキ状態判定用フラグFlgB の値がゼロである場合には、傾斜制御部47は、そのまま、傾斜制御停止判定処理を再度実行し、以降の動作を繰り返す。
一方、傾斜制御停止判定用フラグFlgL の値がゼロであるか否かを判断して、傾斜制御停止判定用フラグFlgL の値がゼロでなく1である場合には、傾斜制御を停止すべきであるので、傾斜制御停止判定部49は、リンクブレーキON信号を送信し(ステップS10)、リンクブレーキ26を作動させるとともに、リンクブレーキ状態判定用フラグFlgB の値を1に設定する(ステップS11)。
続いて、傾斜制御停止判定部49は、傾斜制御ゲインG0 の値を0に設定し(ステップS12)、リンクモータ25に入力されるトルク指令値に傾斜制御ゲインG0 を乗じた値をゼロとする。これにより、傾斜制御部47による傾斜制御は、実質的に停止した状態となる。そして、傾斜制御停止判定部49は、遷移制御実行判定用フラグFlgM の値を1に設定し(ステップS13)、リンクブレーキ状態判定用フラグFlgB の値がゼロであるか否かを判断する。
また、遷移制御実行判定用フラグFlgM の値がゼロであるか否かを判断して、遷移制御実行判定用フラグFlgM の値がゼロでなく1である場合、遷移期間内であると判断することができるので、傾斜制御停止判定部49は、傾斜制御ゲインG0 の値を所定値だけインクリメントする(ステップS14)。つまり、前回の車体傾斜制御処理実行時に設定した傾斜制御ゲインG0 の値に所定値を加えた値を今回の傾斜制御ゲインG0 の値として設定する。前記所定値は、遷移制御における傾斜制御ゲインG0 の値の増加率に相当する。例えば、車体傾斜制御処理の制御周期TS が10〔ms〕であって、図5に示されるように、0.5秒の遷移期間内に傾斜制御ゲインG0 の値がゼロから1までリニアに増加するのであれば、前記所定値は、0.02である。
続いて、傾斜制御停止判定部49は、設定した傾斜制御ゲインG0 の値が1以下であるか否かを判断する(ステップS15)。ここで、設定した傾斜制御ゲインG0 の値が1以下でなく1よりも大きい場合には、遷移期間経過後であると判断することができるので、傾斜制御停止判定部49は、遷移制御実行判定用フラグFlgM の値をゼロに設定し(ステップS16)、リンクブレーキ状態判定用フラグFlgB の値がゼロであるか否かを判断する。また、設定した傾斜制御ゲインG0 の値が1以下である場合には、遷移期間内であると判断することができるので、傾斜制御停止判定部49は、そのまま、リンクブレーキ状態判定用フラグFlgB の値がゼロであるか否かを判断する。
このような車体傾斜制御処理は、所定の制御周期TS で繰り返し実行されるようになっている。
次に、傾斜制御停止判定処理の動作について詳細に説明する。
図9は本発明の実施の形態における傾斜制御停止判定処理の動作を示すサブルーチンである。
傾斜制御停止判定部49は、傾斜制御停止判定処理を開始すると、まず、ハンドブレーキ36がONの状態であるか否か、すなわち、HB =ONであるか否かを判断する(ステップS1−1)。そして、ハンドブレーキ36がONの状態である場合、傾斜制御停止判定部49は、図示されないカウンタによるカウントを行い、第1のカウント値、すなわち、Cnt1を1だけインクリメントする(ステップS1−2)。つまり、前回の車体傾斜制御処理実行時に設定した第1のカウント値Cnt1に1を加えた値を今回の第1のカウント値Cnt1の値として設定する。
続いて、傾斜制御停止判定部49は、第1のカウント値Cnt1があらかじめ設定された第1のカウント閾値を超えたか否かを判断する(ステップS1−3)。該第1のカウント閾値は、車両10が停止したと判定するのに十分な長さのハンドブレーキ36がONである時間に対応するカウント値であって、前記第1の閾値に対応するカウント値である。例えば、車体傾斜制御処理の制御周期TS が10〔ms〕であって、ハンドブレーキ36がONである時間が4秒より長ければ、車両10が停止したと判定してもよいものとすると、前記第1のカウント閾値は、400である。
そして、第1のカウント値Cnt1が第1のカウント閾値を超えた場合、傾斜制御停止判定部49は、車両10が停止したと判定し、傾斜制御停止判定用フラグFlgL の値を1に設定して(ステップS1−4)、処理を終了する。
一方、ハンドブレーキ36がONの状態であるか否かを判断して、ハンドブレーキ36がONの状態でなくOFFの状態である場合、傾斜制御停止判定部49は、第1のカウント値Cnt1をゼロに設定する(ステップS1−5)。続いて、傾斜制御停止判定部49は、スロットルグリップ35の回転角度としてのスロットル開度、すなわち、Thがゼロであるか否かを判断する(ステップS1−6)。
そして、スロットル開度がゼロである場合、傾斜制御停止判定部49は、車速センサ54が検出した車速の絶対値、すなわち、|V|が前記第2の閾値、例えば、2〔km/h〕以下であるか否かを判断する(ステップS1−7)。なお、スロットル開度がゼロでない場合、傾斜制御停止判定部49は、傾斜制御停止判定用フラグFlgL の値をゼロに設定して(ステップS1−14)、処理を終了する。
車速センサ54が検出した車速の絶対値が第2の閾値以下であるか否かを判断して、第2の閾値以下である場合、傾斜制御停止判定部49は、傾斜制御停止判定用フラグFlgL の値が1であるか否かを判断する(ステップS1−8)。なお、車速の絶対値が第2の閾値以下でない場合、すなわち、車速の絶対値が第2の閾値を超えている場合、傾斜制御停止判定部49は、傾斜制御停止判定用フラグFlgL の値をゼロに設定して(ステップS1−14)、処理を終了する。
傾斜制御停止判定用フラグFlgL の値が1であるか否かを判断して、傾斜制御停止判定用フラグFlgL の値が1である場合、傾斜制御停止判定部49は、そのまま処理を終了する。また、傾斜制御停止判定用フラグFlgL の値が1でない場合、傾斜制御停止判定部49は、横加速度演算部48から受信した合成横加速度ac の絶対値が前記第3の閾値、例えば、0.05〔G〕以下であるか否かを判断する(ステップS1−9)。
そして、合成横加速度ac の絶対値が第3の閾値以下である場合、傾斜制御停止判定部49は、図示されないカウンタによるカウントを行い、第2のカウント値、すなわち、Cnt2を1だけインクリメントする(ステップS1−10)。つまり、前回の車体傾斜制御処理実行時に設定した第2のカウント値Cnt2に1を加えた値を今回の第2のカウント値Cnt2の値として設定する。また、合成横加速度ac の絶対値が第3の閾値以下でない場合、すなわち、第3の閾値を超えている場合、傾斜制御停止判定部49は、第2のカウント値Cnt2をゼロに設定する(ステップS1−11)。
続いて、傾斜制御停止判定部49は、第2のカウント値Cnt2があらかじめ設定された第2のカウント閾値を超えたか否かを判断する(ステップS1−12)。該第2のカウント閾値は、ハンドブレーキ36が操作されなくても、車速が第2の閾値以下であって、かつ、合成横加速度ac の絶対値が第3の閾値以下である状態が、車両10が停止したと判定するのに十分な長さの時間に対応するカウント値であって、前記第4の閾値に対応するカウント値である。例えば、車体傾斜制御処理の制御周期TS が10〔ms〕であって、車速が第2の閾値以下であって、かつ、合成横加速度ac の絶対値が第3の閾値以下である状態が1秒より長ければ、車両10が停止したと判定してもよいものとすると、前記第2のカウント閾値は、100である。
そして、第2のカウント値Cnt2が第2のカウント閾値を超えた場合、傾斜制御停止判定部49は、車両10が停止したと判定し、傾斜制御停止判定用フラグFlgL の値を1に設定して(ステップS1−13)、処理を終了する。なお、第2のカウント値Cnt2が第2のカウント閾値を超えていない場合には、傾斜制御停止判定部49は、そのまま、処理を終了する。
次に、傾斜制御処理の動作について詳細に説明する。
図10は本発明の実施の形態における傾斜制御処理の動作を示すサブルーチンである。
傾斜制御部47は、まず、横加速度演算部48から合成横加速度ac を受信する(ステップS6−1)。
続いて、傾斜制御部47は、aold 呼出を行う(ステップS6−2)。aold は、前回の車体傾斜制御処理実行時に保存された合成横加速度ac の値であり、初期設定においては、aold =0とされている。
続いて、傾斜制御部47は、制御周期TS を取得し(ステップS6−3)、合成横加速度ac の微分値を算出する(ステップS6−4)。ここで、ac の微分値をΔac とすると、該Δac は次の式(8)によって算出される。
Δac =(ac −aold )/TS ・・・式(8)
そして、傾斜制御部47は、aold =ac として保存する(ステップS6−5)。つまり、今回の車体傾斜制御処理実行時に取得した合成横加速度ac の値をaold として、記憶手段に保存する。
続いて、傾斜制御部47は、第1制御値UP を算出する(ステップS6−6)。ここで、比例制御動作の制御ゲイン、すなわち、比例ゲインをGP とすると、第1制御値UP は次の式(9)によって算出される。
P =GP c ・・・式(9)
続いて、傾斜制御部47は、第2制御値UD を算出する(ステップS6−7)。ここで、微分制御動作の制御ゲイン、すなわち、微分時間をGD とすると、第2制御値UD は次の式(10)によって算出される。
D =GD Δac ・・・式(10)
続いて、傾斜制御部47は、第3制御値Uを算出する(ステップS6−8)。第3制御値Uは、第1制御値UP と第2制御値UD との合計であり、次の式(11)によって算出される。
U=UP +UD ・・・式(11)
続いて、傾斜制御部47は、横加速度予測値af を算出する(ステップS6−9)。該横加速度予測値af は、ハンドルバー41aの操舵角及び車速に基づいて算出し得る値であり、ハンドルバー41aのフィルタ処理された操舵角をΨ(t)とし、前輪である車輪12Fの車軸と後輪である左右の車輪12L及び12Rの車軸との距離、すなわち、ホイールベースをLH とし、車速センサ54が検出した車速をνとすると、次の式(12)によって算出することができる。
f =ν2 tan{Ψ(t)}/LH ・・・式(12)
続いて、傾斜制御部47は、afold呼出を行う(ステップS6−10)。afoldは、前回の車体傾斜制御処理実行時に保存された横加速度予測値af である。なお、初期設定においては、afold=0とされている。
続いて、傾斜制御部47は、前記af の微分値を算出する(ステップS6−11)。ここで、af の微分値をΔaf とすると、該Δaf は次の式(13)によって算出される。
Δaf =(af −afold)/TS ・・・式(13)
そして、傾斜制御部47は、afold=af として保存する(ステップS6−12)。つまり、今回の車体傾斜制御処理実行時に取得した横加速度予測値af をafoldとして、記憶手段に保存する。
続いて、傾斜制御部47は、第4制御値UfDを算出する(ステップS6−13)。ここで、微分制御動作の制御ゲインをGyDとすると、第4制御値UfDは次の式(14)によって算出される。
fD=GyDΔaf ・・・式(14)
続いて、傾斜制御部47は、第5制御値Uを算出する(ステップS6−14)。第5制御値Uは、第3制御値Uと第4制御値UfDとの合計であり、次の式(15)によって算出される。
U=U+UfD ・・・式(15)
なお、前記ステップS6−9〜S6−14の動作は、操舵角及び車速に基づいて得られた横加速度予測値af を使用したフィードフォワード制御を表している。
続いて、傾斜制御部47は、第6制御値Uout を算出する(ステップS6−15)。該第6制御値Uout は、第5制御値Uに傾斜制御ゲインG0 を乗じた値であり、次の式(16)によって算出される。
out =UG0 ・・・式(16)
最後に、傾斜制御部47は、第6制御値Uout をリンクモータトルク指令値としてリンクモータ25へ出力して(ステップS6−16)、処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、車両10の停車時には車体の傾斜制御を停止するとともに、車体の傾斜動作を停止させて車体の姿勢をロックするリンクブレーキ26を作動させる。これにより、停車時には、リンクモータ25を作動させる必要がないので、消費電力量を抑制することができる。また、停車時に傾斜制御を行わないので、不要な振動が発生することがない。さらに、停車時に車体の姿勢が変化することもない。したがって、乗員が不快に感じることがなく、乗り心地を向上させることができる。
また、停車の後に傾斜制御を開始する際には、遷移制御を行って、トルク指令値に乗じる傾斜制御ゲインG0 の値を所定の遷移期間の間に徐々に増加させることによって、リンクモータ25に入力されるトルク指令値の値を緩和する。これにより、停車の後における車体の傾斜を任意の変化速度で復帰させることができ、傾斜状態から直立状態に復帰するように車体の姿勢が変化しても、乗員が不快に感じることがない。
さらに、傾斜制御の開始後に、リンクブレーキ26を解除してリンクモータ25の回転軸を回転可能にするので、車体の転倒のように車体の傾斜が大きく変化することを確実に防止することができ、安全性を向上させることができる。
さらに、車体の傾斜動作を停止させて車体の姿勢をロックした後は、ハンドブレーキ36がOFFの状態となっても、スロットルグリップ35が操作されず、車速があらかじめ設定した第2の閾値を超えなければ、車体の姿勢のロックを維持するので、乗員はハンドブレーキ36を操作し続ける必要がなく、乗員の操作負担が低減される。
さらに、ハンドブレーキ36が操作されなくても、車速が第2の閾値以下であって、かつ、横加速度の値が第3の閾値以下である状態が第4の閾値より長い時間継続していると、車両10が停車したものと判定し、車体の傾斜動作を停止させて車体の姿勢をロックさせるので、より広範囲な状況下で車体の傾斜制御を停止させることができ、消費電力量を更に抑制することができるとともに、車体の姿勢の変化を防止して、乗り心地を向上させることができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明は、少なくとも左右一対の車輪を有する車両に利用することができる。
10 車両
11 搭乗部
12F、12L、12R 車輪
20 本体部
25 リンクモータ
26 リンクブレーキ
44 横加速度センサ
44a 第1横加速度センサ
44b 第2横加速度センサ

Claims (6)

  1. 互いに連結された操舵部及び駆動部を備える車体と、
    前記操舵部に回転可能に取り付けられた車輪であって、前記車体を操舵する操舵輪と、
    前記駆動部に回転可能に取り付けられた車輪であって、前記車体を駆動する駆動輪と、
    前記操舵部又は駆動部を旋回方向に傾斜させる傾斜用アクチュエータ装置と、
    前記車体の傾斜動作を停止させる傾斜ブレーキ装置と、
    前記車体に作用する横加速度を検出する横加速度センサと、
    前記傾斜用アクチュエータ装置を制御して前記車体の傾斜を制御する制御装置とを有し、
    該制御装置は、前記横加速度センサが検出する横加速度に基づいて旋回方向に傾斜させる制御を行うとともに、停車時には前記車体の傾斜の制御を停止し、前記傾斜ブレーキ装置を作動させて前記車体の姿勢をロックする車両であって、
    駐車ブレーキを更に有し、
    前記制御装置は、前記駐車ブレーキの操作手段が第1の閾値より長い時間操作されていると、停車していると判定し、前記車体の傾斜の制御を停止し、前記傾斜ブレーキ装置を作動させ、停車していると判定した後に、前記駐車ブレーキの操作手段が解除されても、走行指令が入力されず、車速が第2の閾値を超えなければ、前記車体の傾斜の制御の停止、及び、前記傾斜ブレーキ装置の作動を継続することを特徴とする車両。
  2. 互いに連結された操舵部及び駆動部を備える車体と、
    前記操舵部に回転可能に取り付けられた車輪であって、前記車体を操舵する操舵輪と、
    前記駆動部に回転可能に取り付けられた車輪であって、前記車体を駆動する駆動輪と、
    前記操舵部又は駆動部を旋回方向に傾斜させる傾斜用アクチュエータ装置と、
    前記車体の傾斜動作を停止させる傾斜ブレーキ装置と、
    前記車体に作用する横加速度を検出する横加速度センサと、
    前記傾斜用アクチュエータ装置を制御して前記車体の傾斜を制御する制御装置とを有し、
    該制御装置は、前記横加速度センサが検出する横加速度に基づいて旋回方向に傾斜させる制御を行うとともに、停車時には前記車体の傾斜の制御を停止し、前記傾斜ブレーキ装置を作動させて前記車体の姿勢をロックする車両であって、
    駐車ブレーキを更に有し、
    前記制御装置は、前記駐車ブレーキの操作手段が第1の閾値より長い時間操作されていると、停車していると判定するとともに、前記駐車ブレーキの操作手段が操作されなくても、車速が第2の閾値以下であって、かつ、前記横加速度が第3の閾値以下である状態が第4の閾値より長い時間継続していると、停車していると判定し、前記車体の傾斜の制御を停止し、前記傾斜ブレーキ装置を作動させることを特徴とする車両。
  3. 互いに連結された操舵部及び駆動部を備える車体と、
    前記操舵部に回転可能に取り付けられた車輪であって、前記車体を操舵する操舵輪と、
    前記駆動部に回転可能に取り付けられた車輪であって、前記車体を駆動する駆動輪と、
    前記操舵部又は駆動部を旋回方向に傾斜させる傾斜用アクチュエータ装置と、
    前記車体の傾斜動作を停止させる傾斜ブレーキ装置と、
    前記車体に作用する横加速度を検出する横加速度センサと、
    前記傾斜用アクチュエータ装置を制御して前記車体の傾斜を制御する制御装置とを有し、
    該制御装置は、前記横加速度センサが検出する横加速度に基づいて旋回方向に傾斜させる制御を行うとともに、停車時には前記車体の傾斜の制御を停止し、前記傾斜ブレーキ装置を作動させて前記車体の姿勢をロックする車両であって、
    駐車ブレーキを更に有し、
    前記制御装置は、前記駐車ブレーキの操作手段が第1の閾値より長い時間操作されていると、停車していると判定し、前記車体の傾斜の制御を停止し、前記傾斜ブレーキ装置を作動させ、前記駐車ブレーキの操作手段の操作が解除され、かつ、走行指令が入力されるか、又は、車速が第2の閾値を超えると、前記車体の傾斜の制御を開始することを特徴とする車両。
  4. 前記制御装置は、前記傾斜ブレーキ装置を作動させた後、前記傾斜用アクチュエータ装置への電力の供給を停止する請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両。
  5. 前記制御装置は、停車の後に前記車体の傾斜の制御を開始する際、前記傾斜用アクチュエータ装置に対して出力する制御値を徐々に増加させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両。
  6. 前記制御装置は、停車の後に前記車体の傾斜の制御を開始する際、前記車体の傾斜の制御を開始した後に、前記傾斜ブレーキ装置を解除する請求項1〜のいずれか1項に記載の車両。
JP2010257399A 2010-06-25 2010-11-18 車両 Active JP5521994B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010257399A JP5521994B2 (ja) 2010-06-25 2010-11-18 車両
PCT/JP2011/001822 WO2011161856A1 (ja) 2010-06-25 2011-03-28 車両
CN201180031536.4A CN103079946B (zh) 2010-06-25 2011-03-28 车辆

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010144371 2010-06-25
JP2010144371 2010-06-25
JP2010257399A JP5521994B2 (ja) 2010-06-25 2010-11-18 車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012025370A JP2012025370A (ja) 2012-02-09
JP5521994B2 true JP5521994B2 (ja) 2014-06-18

Family

ID=45371064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010257399A Active JP5521994B2 (ja) 2010-06-25 2010-11-18 車両

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP5521994B2 (ja)
CN (1) CN103079946B (ja)
WO (1) WO2011161856A1 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5617509B2 (ja) * 2010-10-07 2014-11-05 トヨタ自動車株式会社 車体傾斜装置
WO2014011821A1 (en) * 2012-07-10 2014-01-16 Alpha Motors Company Limiited Steering and control systems for a three-wheeled vehicle
WO2014203345A1 (ja) * 2013-06-19 2014-12-24 株式会社日本エレクトライク 自動三輪車
WO2015002162A1 (ja) * 2013-07-01 2015-01-08 ヤマハ発動機株式会社 車両
JP5947320B2 (ja) * 2014-01-27 2016-07-06 株式会社ショーワ 車高調整装置、車高調整方法
WO2015146653A1 (ja) * 2014-03-24 2015-10-01 ヤマハ発動機株式会社 鞍乗型車両
EP3124367B1 (en) * 2014-03-24 2020-05-06 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Saddled vehicle
JPWO2015146680A1 (ja) * 2014-03-24 2017-04-13 ヤマハ発動機株式会社 鞍乗型車両
JP6129920B2 (ja) * 2015-09-29 2017-05-17 本田技研工業株式会社 揺動型車両
WO2017082424A1 (ja) 2015-11-13 2017-05-18 ヤマハ発動機株式会社 傾斜車両
CN106627963B (zh) * 2016-11-18 2019-07-23 王徽 直列式电动车后轮转向自平衡控制装置及方法
FR3064590B1 (fr) * 2017-03-28 2021-04-16 Peugeot Citroen Automobiles Sa Vehicule pendulaire a organes de blocage d'inclinaison
JP6610615B2 (ja) * 2017-06-07 2019-11-27 トヨタ自動車株式会社 自動傾斜車両
GB2568262B (en) * 2017-11-08 2019-11-13 Ford Global Tech Llc Tilting Vehicle and Method of Control Thereof
WO2019098284A1 (ja) * 2017-11-17 2019-05-23 ヤマハ発動機株式会社 リーン車両
JP6986454B2 (ja) * 2018-01-15 2021-12-22 株式会社デンソーテン 車両制御装置および車両制御方法
CN111806608B (zh) * 2020-06-29 2022-03-25 叶奇正 一种具有防侧翻车身机构的邮政快递车

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL1015233C2 (nl) * 2000-05-18 2001-11-20 Brinks Westmaas Bv Kantelvoertuig voorzien van zwenkbare achterwielen.
JP4719344B2 (ja) * 2000-09-19 2011-07-06 本田技研工業株式会社 車両の後輪懸架装置
JP4583741B2 (ja) * 2003-09-17 2010-11-17 本田技研工業株式会社 揺動型車両の揺動制御装置
US8249775B2 (en) * 2005-05-31 2012-08-21 Brinks Westmaas B.V. Self-balancing vehicle
JP4986603B2 (ja) * 2006-12-20 2012-07-25 ヤマハ発動機株式会社 自動二,三輪車
JP5320150B2 (ja) * 2009-04-27 2013-10-23 本田技研工業株式会社 揺動式鞍乗型車両

Also Published As

Publication number Publication date
CN103079946B (zh) 2015-11-25
WO2011161856A1 (ja) 2011-12-29
CN103079946A (zh) 2013-05-01
JP2012025370A (ja) 2012-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5521994B2 (ja) 車両
JP5505319B2 (ja) 車両
WO2011102108A1 (ja) 車両
JP2013144471A (ja) 車両
JP2012011996A (ja) 車両
JP2011046273A (ja) 車両
JP5458723B2 (ja) 車両
JP5369999B2 (ja) 車両
JP2011230727A (ja) 車両
JP2013112238A (ja) 車両
JP2013144513A (ja) 車両
JP5381857B2 (ja) 車両
JP5458722B2 (ja) 車両
JP2013071688A (ja) 車両
JP2011046297A (ja) 車両
JP2011230651A (ja) 車両
JP2011042181A (ja) 車両
WO2011102106A1 (ja) 車両
JP2012017009A (ja) 車両
JP2011194953A (ja) 車両
JP5598117B2 (ja) 車両
JP5440299B2 (ja) 車両
JP2011042199A (ja) 車両
JP5617652B2 (ja) 車両
JP2011046275A (ja) 車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5521994

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250