JP5320150B2 - 揺動式鞍乗型車両 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、揺動軸上方の設計自由度を向上させることが可能な揺動式鞍乗型車両を提供することにある。
また、モータが、平面視で揺動軸の一側方にオフセットして設けられる第1モータと、揺動軸の他側方にオフセットして設けられる第2モータとからなり、これらの第1モータ及び第2モータのそれぞれの回転軸が、平行に配置されるので、モータを揺動軸の左右に振り分けることにより、重量バランスを良好にするとともに、2つのモータにより出力できるので、第1モータ及び第2モータを小型化できる。
さらに、揺動軸の上方のスペースを確保できるため、揺動軸上方の設計自由度を増すことができる。
また、モータを制動させる電磁ブレーキを備えるので、停車中に電磁ブレーキを使用してモータを制動することにより、揺動軸に対して前車体の揺動を止めておくことができる。従って、モータを停止させておくことができ、モータの負荷が軽減するため、消費電力を抑えることができる。
さらに、電磁ブレーキの軸の軸線が、モータ軸の軸線の延長線上に配置されるので、揺動機構を小型にすることができる。
図1に示すように、揺動式鞍乗型車両10(以下では、単に「揺動車両10」と記す。)は、1つの前輪11を操舵するバーハンドル12及び運転者が着座するシート13を備えた前車体14と、左右一対の後輪16,16(手前側の符号16のみ示す。)及びこれらの後輪16,16を駆動するパワーユニット17を備えた後車体18とが連結機構21を介して連結され、前車体14に対して後車体18が上下スイング自在に連結されるとともに、後車体18に対して前車体14が左右ローリング自在に連結された車両である。
後車体18は、後輪16,16及びパワーユニット17が一体のカバー53で覆われている。
パワーユニット17は、メインフレーム71,72の後端部の下方に配置され、揺動機構58は、パワーユニット17の前方で左右のメインフレーム71,72の幅内に収まるように配置されている。
ギヤケース85は、ケース本体101と、第1モータ87に備えるロータ(不図示)に取付けられたモータ軸102と、このモータ軸102の先端にスプライン結合された延長軸103と、この延長軸103に形成された延長軸ギヤ103aに噛み合う外側中間ギヤ104と、この外側中間ギヤ104に噛み合う内側中間ギヤ106と、揺動軸61の前端部にスプライン結合されるとともに内側中間ギヤ106に噛み合うセンタギヤ107と、延長軸103に第1電磁ブレーキ91に接続するための遊星歯車機構108とからなり、上記延長軸103、外側中間ギヤ104、内側中間ギヤ106、センタギヤ107、遊星歯車機構108がケース本体101にそれぞれベアリングで回転自在に取付けられている。なお、符号111は揺動軸61の端部に取付けられたストッパ部材であり、後述する揺動ロック機構を構成する部品である。
揺動軸61を通って鉛直に延びる中心線121に対して第1モータ87と第2モータ88とが対象な位置に配置され、延長軸103の延長軸ギヤ103aに外側中間ギヤ104の外側ピニオン113が噛み合い、この外側ピニオン113と一体に回転する外側小ギヤ114に内側中間ギヤ106の内側大ギヤ116が噛み合い、この内側大ギヤ116と一体に回転する内側小ギヤ117にセンタギヤ107が噛み合う。
また、第1モータ87のモータ軸102の軸線102aと、第2モータ88(図3参照)のモータ軸の軸線とは平行に配置されている。
この結果、揺動軸61に対してギヤケース85が回動可能になる。即ち、揺動ロックが解除され、後車体18(図1参照)に対して前車体14が揺動可能になる。
揺動制御部190は、後車体がヨーイングするときの角速度を検出するヨーレート検出手段191と、後車体と路面との間の左右の角度を検出する車体左右角度検出手段192と、ヨーレート検出手段191から出力される角速度信号SKV及び車体左右角度検出手段192から出力される車体角度信号SBAに基づいて前車体の揺動角度を算出し、後述するアクチュエータ駆動手段194に算出された上記の揺動角度に対応するアクチュエータ制御信号SAC1を送るECU(Electronic Control Unit)193と、上記のアクチュエータ駆動手段194と、このアクチュエータ駆動手段194から出力される駆動信号SAD1を受けて作動するアクチュエータ195とからなる。
上記構成により、揺動制御部190は、揺動車両が走行中又は停車中に、刻々変化するヨーレート及び後車体の左右角度に応じて前車体の揺動角度を制御する。
揺動制御部200は、後車体の左右方向の加速度を検出する車体左右加速度検出手段201と、後車体の上下方向の加速度を検出する車体上下加速度検出手段202と、車体左右加速度検出手段201から出力される左右加速度信号SHAに基づいて左右加速度が一定値になるように、又は一定値を下回るようにアクチュエータを制御するとともに、車体上下加速度検出手段202から出力される上下加速度信号SVAに基づいて上下加速度に応じて左右加速度によるアクチュエータの制御を補正して後述するアクチュエータ駆動手段204にアクチュエータ制御信号SAC2を送るECU203と、アクチュエータ駆動手段204と、このアクチュエータ駆動手段2044から出力される駆動信号SAD2を受けて作動するアクチュエータ205とからなる。
上記構成により、揺動制御部200は、揺動車両が走行中又は停車中に、刻々変化する後車体左右加速度及び後車体上下加速度に応じて前車体の揺動角度を制御する。
また、揺動軸61の上方のスペースを確保できるため、揺動軸61上方の設計自由度を増すことができる。
Claims (8)
- 前輪(11)を備える前車体(14)と、後輪(16)を備える後車体(18)と、前記前車体(14)を前記後車体(18)に対して揺動軸(61)を中心に揺動可能に接続する揺動機構(58)とを備え、この揺動機構(58)に前記揺動軸(61)に揺動角を付与するためのモータを備える揺動式鞍乗型車両において、
前記モータは、平面視で前記揺動軸(61)に対して車幅方向にオフセットして設けられ、
前記モータの回転軸の軸線は、前記揺動軸(61)の軸線(61a)に平行に配置され、
前記モータは、平面視で前記揺動軸(61)の一側方にオフセットして設けられる第1モータ(87)と、前記揺動軸(61)の他側方にオフセットして設けられる第2モータ(88)とからなり、
これらの第1モータ(87)及び第2モータ(88)のそれぞれの回転軸は、平行に配置される、
ことを特徴とする揺動式鞍乗型車両。 - 前輪(11)を備える前車体(14)と、後輪(16)を備える後車体(18)と、前記前車体(14)を前記後車体(18)に対して揺動軸(61)を中心に揺動可能に接続する揺動機構(58)とを備え、この揺動機構(58)に前記揺動軸(61)に揺動角を付与するためのモータを備える揺動式鞍乗型車両において、
前記モータは、平面視で前記揺動軸(61)に対して車幅方向にオフセットして設けられ、
前記モータの回転軸の軸線は、前記揺動軸(61)の軸線(61a)に平行に配置され、
前記モータ(87,88)を制動させる電磁ブレーキ(91,92)を備え、
前記電磁ブレーキ(91,92)の軸(125)の軸線(125b)は、モータ軸の軸線(102a)の延長線上に配置される、
ことを特徴とする揺動式鞍乗型車両。 - 前記モータ(87,88)を制動させる電磁ブレーキ(91,92)を備えることを特徴とする請求項1記載の揺動式鞍乗型車両。
- 車両の駐車時に前記揺動軸(61)の前端部に係合して揺動を規制する揺動ロック機構(160)を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の揺動式鞍乗型車両。
- 前記電磁ブレーキ(91,92)の軸(125)の軸線(125b)は、モータ軸の軸線(102a)の延長線上に配置されることを特徴とする請求項3記載の揺動式鞍乗型車両。
- 前記第1モータ(87)及び前記第2モータ(88)の前記揺動軸(61)に対するオフセット量が等しいことを特徴とする請求項1,3,5のいずれか1項記載の揺動式鞍乗型車両。
- 前記揺動軸(61)に取付けられた揺動ギヤ(107)を備え、前記モータ(87,88)の前記回転軸は、前記揺動ギヤ(107)の上端より下方に配置されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の揺動式鞍乗型車両。
- 前記揺動軸(61)に取付けられた揺動ギヤ(107)と、この揺動ギヤ(107)に噛合して前記モータ(87,88)からの動力を伝達する中間ギヤ(106)とを備え、前記モータ(87,88)は、前記中間ギヤ(106)の上端よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の揺動式鞍乗型車両。
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