JP2001030971A - 二輪車の事故検出装置および二輪車の事故通報装置 - Google Patents

二輪車の事故検出装置および二輪車の事故通報装置

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JP2001030971A JP11201577A JP20157799A JP2001030971A JP 2001030971 A JP2001030971 A JP 2001030971A JP 11201577 A JP11201577 A JP 11201577A JP 20157799 A JP20157799 A JP 20157799A JP 2001030971 A JP2001030971 A JP 2001030971A
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豊 波川
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浩二 加藤
Tomohisa Yato
智久 矢藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二輪車の転倒事故を確実に検出して自動通報
できるようにする。 【解決手段】 転倒検出回路14は、車体の両側に突出
するように設けられる棒状の支持体とこの表面に設けた
銅線と表層保護体から構成された転倒検出センサの銅線
の断線を検知する回路である。二輪車が転倒して転倒検
出センサが地面と接触した状態で滑ると、摩擦により表
層保護体が摩耗して銅線が断線する。転倒検出回路14
がこれを検出すると、車載機18のCPU19は、走行
時転倒事故の発生を判断して無線電話29を介して関係
機関に自動的に通報する。運転者が負傷していても、自
動的に通報して迅速な救助活動が行なえる。停止状態で
の転倒では表層保護体が摩耗しないので転倒事故とは判
断しないので判定が確実になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二輪車の転倒事故
もしくは走行時転倒事故を検出する二輪車の事故検出装
置およびその事故の発生を自動的に通報するようにした
二輪車の事故通報装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】乗用車などの四輪車に
おいては、事故発生を検出して自動的に通報するシステ
ムが開発されている。これは、例えば、エアバッグセン
サやロールオーバセンサ(車体横転検出センサ)などの
検出信号を用いて事故発生を判断し、電話機などの通信
手段を用いて自車のIDや現在位置などと共に事故発生
を自動的に通報するようにしたものである。
【0003】ところで、自動二輪車などの二輪車におい
ては、このようなエアバッグセンサやロールオーバセン
サなどでは事故を検出できない場合がある。例えば、走
行中の転倒などによる事故では、エアバッグセンサで検
知するような衝撃力を受けない場合があり、このときに
は事故を検出することができなくなる。また、ロールオ
ーバセンサは横転状態を検出する場合でも、走行してい
ない状態で単に横転しただけのときには、誤検出される
ことになる。
【0004】一方、二輪車による事故は、走行中の転倒
などによることが多く、運転者は転倒して投げ出される
ときの衝撃力により負傷する率が高い。このときに、事
故発生の通報がいかに行なわれるかが負傷者を救護する
ことを大きく左右することになる。逆に、誤検出が発生
することが予想されるシステムでは、事故自動通報シス
テムとして採用することは難しい。そこで、二輪車の事
故を的確に検出して迅速な通報を自動的に行なえるよう
にしたシステムが要求されている。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、二輪車の横転などにより発生する走行
時の事故を確実に検出することができる二輪車の事故検
出装置を提供すると共に、この事故検出装置を用いた事
故通報装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、二輪車が走行中に転倒した場合には、走行時転倒検
出手段が道路や地面などの車輪の接地面と接触した状態
で摺動しながら移動するようになるので、このとき表層
保護体は磨耗して消失し通電路形成部材が露出すると共
にこれも摺動することにより磨耗するようになり、通電
状態に変化が生ずるようになる。判定手段はこれを検出
して走行時転倒事故と判定するようになる。一方、二輪
車が停止中に転倒した場合には、走行時転倒検出手段の
表層保護体は接地面と摺動することがないので、磨耗し
て消失することがなく、従って通電路形成部材が露出す
るに至ることはない。この結果、走行時転倒検出手段を
用いることで走行時の転倒事故を確実に検出することが
できるようになる。
【0007】請求項2の発明によれば、走行時転倒検出
手段を支持体の表面に銅線を配した状態で軟質の樹脂で
表層保護体を構成しているので、転倒時には地面などの
接地面との間の摩擦で表層保護体が確実に磨耗消失して
銅線を断線させることができ、これによって判定手段に
より走行時転倒事故の発生を判定することができる。ま
た、停止状態における単なる転倒では走行時転倒検出手
段は銅線部分が軟質の樹脂からなる表層保護体で保護さ
れているので銅線は断線することがなく、この状態で走
行時転倒事故の発生とは判定されることはない。
【0008】請求項3の発明によれば、上記構成におい
て、走行時転倒検出手段の支持体を棒状に形成した硬質
の樹脂で構成しているので、二輪車の車体に配設する際
に、車体の両側に設けて転倒時に接地面との間で接触し
やすいようにすることが容易になり、取り付け場所の自
由度が高くなる。また、請求項4の発明によれば、支持
体を半球状の外形に形成された硬質の樹脂から構成する
ので、搭乗者の足などに接触しても邪魔にならないよう
にしながら転倒時の検出動作を確実に行うように構成す
ることができる。
【0009】請求項5の発明によれば、二輪車が転倒す
ると、車輪のサスペンションが延びた状態となるので、
転倒検出スイッチが動作するようになり、判定手段は、
この転倒検出スイッチの動作状態が一定時間以上継続し
たときに転倒事故の発生を判定するようになる。つま
り、一時的にサスペンションが延びた状態の場合に、こ
れを転倒状態と判定することのないように、一定時間以
上動作状態が継続したときに転倒事故の発生を判定する
ので、確実に転倒状態として認識することができるよう
になる。
【0010】請求項6の発明によれば、二輪車が転倒す
ると、転倒した側の転倒検出用距離センサの検出距離が
接地面までの短い距離となって検出されるようになり、
判定手段は、この短い距離の検出状態が一定時間以上継
続したときに転倒事故の発生を判定するようになる。つ
まり、転倒検出用距離センサが一時的に短距離を検出す
る場合でも、転倒していない状態で何らかの物体が検出
される場合があるので、これを避けるために、一定時間
以上の継続を条件として判定するので、確実に転倒状態
として認識することができるようになる。
【0011】請求項8の発明によれば、上記請求項5な
いし7の構成において、判定手段は、前述した転倒状態
を判定するときに、車速検出手段により検出した二輪車
の走行状態に対応した車速情報があるときには、これを
走行時転倒事故の発生と判定するので、走行状態におけ
る転倒つまり走行時転倒事故の発生を確実に検出するこ
とができるようになる。
【0012】請求項9の発明によれば、二輪車が転倒し
てその車速が急激に低下する場合には、判定手段は、車
速検出手段による検出速度が短時間で急激に低下するこ
とをもって走行時転倒事故の発生を判定するようにな
り、走行状態における転倒事故の発生を検出することが
できる。
【0013】請求項10の発明によれば、上述の場合に
おいて、走行時転倒事故において車速が急激に減速する
場合には、瞬間的に20km/h以上の速度低下が発生
することが予想されることがわかっているので、判定手
段は、この状態を検出するために、車速検出手段による
検出速度が、1秒以内に時速20km以上の減速を検出
したときに走行時転倒事故の発生を判定する。これによ
り、走行時転倒事故の発生を確実に検出することができ
るようになる。
【0014】請求項11の発明によれば、前述の場合
で、二輪車が転倒してその車速が急激にゼロになる場合
には、判定手段は、車速検出手段による検出速度が短時
間でゼロに低下することをもって走行時転倒事故の発生
を判定するようになり、走行状態における転倒事故の発
生を検出することができる。
【0015】請求項12の発明によれば、二輪車が走行
中に転倒事故を起こす場合には、走行している方向が急
激に変化することが予想されるので、判定手段により、
車速検出手段による検出速度が走行状態を示し、且つ方
向検出手段による検出方向が短時間で所定角度以上変化
したときに、走行時転倒事故の発生を判定することがで
きる。
【0016】請求項13の発明によれば、上述の場合に
おいて、走行時転倒事故において車体の方向が急激に減
速する場合には、瞬間的に90°以上の変化が発生する
ことが予想されることがわかっているので、判定手段
は、この状態を検出するために、方向検出手段による検
出方向が、1秒以内の短時間で90°以上変化したとき
に前記走行時転倒事故の発生を判定する。これにより、
走行時転倒事故の発生を確実に検出することができるよ
うになる。
【0017】請求項14の発明によれば、二輪車を運転
する際に運転者はエンジンキーをチェーンやワイヤーな
どの連結手段で連結した状態でキーシリンダに挿入して
運転を行うようにし、走行中に転倒事故を起こした場合
には、運転者はほとんどの場合投げ出されるので、キー
シリンダの部分が所定以上の力で引っ張られると脱落す
るのでこれが検出手段により検出される。判定手段は、
走行状態で検出手段によりキーシリンダの脱落状態が検
出されると、走行時転倒事故の発生を判定することがで
きる。
【0018】請求項15の発明によれば、運転者が二輪
車に搭乗すると、圧力センサはその搭乗者の体重や握力
などにより押圧力を受けた状態となり、走行中に転倒事
故を起こすと、運転者が投げ出されることになり、これ
によって検出していた圧力がゼロになる。すると、判定
手段により、走行中に圧力センサの検出信号が運転者の
圧力を検出しない状態となったことに基づいて、走行時
転倒事故の発生を判定することができるようになる。
【0019】請求項16の発明によれば、上述の場合に
おいて、圧力センサをハンドルグリップ、シート、フッ
トレストのうちの少なくとも2つ部位に設けているの
で、1箇所のみに設けて検出する場合に比べて信頼性の
高い判定動作を行うことができるようになる。
【0020】請求項17の発明によれば、二輪車を運転
する際に運転者は携帯型通信装置を携帯すると、二輪車
に設けた車載通信装置は、運転者の搭乗状態の距離程度
の範囲内で通信が可能となり、運転中に双方向通信を行
うようになる。そして、運転中に転倒事故が発生する
と、運転者が投げ出されることにより車載通信装置は形
態型通信装置との通信が不能となる。これにより、車載
通信装置は、走行時転倒事故の発生を判定することがで
きるようになる。
【0021】請求項18の発明によれば、上述の場合
に、携帯型通信装置は、車載通信装置から通信信号を受
けるとこれに応答する通信信号を送信するように構成さ
れているので、通信機能を簡単な構成で設けることがで
き、運転者が携帯するのに邪魔にならず、取り扱いも簡
単にすることができる。
【0022】請求項19の発明によれば、上述した各請
求項における構成要素としての(a)〜(i)のうちの
2つ以上を備える構成とし、複合判定手段により、それ
らのうちの少なくとも2つの判定手段が走行時転倒事故
の発生を判定したときに、走行時転倒事故の発生を確定
するので、複数の独立した走行時転倒事故の発生の判定
事実に基づいて信頼性の高い判定動作を行うことができ
るようになる。
【0023】請求項20の発明によれば、前述した各請
求項における構成要素である(a)〜(i)のうち、
(a)〜(g)から1次検出手段として設けた構成のう
ちの少なくとも1つの構成、および(h),(i)から
2次検出手段として設けた構成のうちの少なくとも1つ
の構成のそれぞれが走行時転倒事故の発生を判定したと
きに、複合判定手段により走行時転倒事故の発生を確定
する。これにより、転倒状態を直接的に検出する1次検
出手段の検出結果と、転倒に際して発生する速度や方向
の急激な変化を検出する2次検出手段の検出結果とに基
づいて確定することで、異なる検出方法による独立した
走行時転倒事故の発生の判定事実に基づいて信頼性の高
い判定動作を行うことができるようになる。
【0024】請求項21の発明によれば、上述の場合
に、1次検出手段として設けた(a)もしくは(e)
は、その判定手段による走行時転倒事故の発生の判定時
点は、実際の走行時転倒事故の発生時点とほぼ一致して
いるから、その2次検出手段による判定は、1次検出手
段が走行時転倒事故の発生の判定時点から数秒前までの
期間の車速情報あるいは方向情報に基づいて走行時転倒
事故の発生の判定を行なうことで、確実なものとするこ
とができる。
【0025】請求項22の発明によれば、同様に前述の
場合に、1次検出手段として設けた(b),(c),
(d),(f)もしくは(g)は、その判定手段による
走行時転倒事故発生の判定時点は、実際の走行時転倒事
故の発生時点から例えば数秒から数十秒の間の一定時間
が経過した後であるから、その2次検出手段による判定
は、1次検出手段が走行時転倒事故の発生の判定時点の
数秒前から数十秒前までの期間の車速情報あるいは方向
情報に基づいて走行時転倒事故の発生の判定を行なうこ
とで、確実なものとすることができる。
【0026】請求項23の発明によれば、上記した各請
求項の発明の構成要素を備えると共に、位置検出装置お
よび記憶手段を備える構成とすることで、事故発生時の
車両の位置の変化あるいは方向の変化の情報と共に種々
の情報を記憶手段に記憶させた状態とすることができる
ので、どのような状況で発生した転倒事故であるかが記
憶手段の記憶情報に基づいて特定することができるよう
になる。
【0027】請求項24の発明によれば、走行時転倒事
故が発生したことが判定手段により判定されるかもしく
は複合判定手段により確定されると、通信制御手段によ
り、通信手段を介して所定の事故連絡機関に対して自動
的に通報するので、運転者が負傷などして通報ができな
い場合でも迅速に通報することができ、これによって、
負傷者の手当てなどを迅速に開始することができるよう
になる。
【0028】請求項25の発明によれば、上述の場合に
おいて、記憶手段により位置検出装置が検出した現在位
置情報を一定時間以上記憶するので、転倒事故の発生時
とその直前に車体がどの位置にいたかということを特定
することができ、これによって、上述に加えて、車両が
どのような位置から移動してきて転倒事故に遭遇したか
ということなど、事故原因の究明に有益な情報として利
用することができ、迅速に解明することができるように
なる。
【0029】請求項26の発明によれば、上記した車両
の位置検出データを、事故連絡機関に通報する際に同時
に送信するので、その原因特定のための情報を早く得る
ことができるようになり、一刻も早く事故原因を究明す
る必要がある場合などに、非情に有益な情報として利用
することができるようになる。
【0030】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
を自動二輪車の事故自動通報システムに適用した場合の
第1の実施形態について図1ないし図6を参照しながら
説明する。図2は自動二輪車の車体1を側面から概略的
に示したもので、前輪2および後輪3がそれぞれサスペ
ンション4,5を介してフレーム6に取り付けられ、こ
のフレーム6にはエンジン7および燃料タンク8,シー
ト9などが取り付けられている。本発明でいうところの
走行時転倒検出手段としての転倒検出センサ10は、例
えば、エンジン7の一部に接着剤などによって固定され
ている。
【0031】この転倒検出センサ10は、図3に示すよ
うに、内部に棒状の支持体11と、この外周面に張り巡
らされた通電路形成部材としての銅線12と、この銅線
12および支持体11を覆うようにして形成された表層
保護体13とから構成されたものである。支持体11
は、例えばポリカーボネートやABS(Acrylonitorile
Butadiene Styrene)などの耐衝撃性に優れた硬質の樹
脂から構成され、表層保護体13は、ポリエチレンなど
の摩耗しやすい低密度の樹脂により構成されている。
【0032】この転倒検出センサ10は、図4(a)に
原理的に示す転倒検出回路14に組み込まれている。す
なわち、直流電源15の両端子間に検出用抵抗16と直
列にして接続している。検出用抵抗16の両端には電圧
検出部17が接続され、その検出電圧を出力するように
構成されている。
【0033】上述した転倒検出センサ10は、車体1が
横転するなどして接地面である地面と接触した状態とな
り、この接触状態で車体1が滑るようにして移動する
と、地面との間で摺動して表層保護体13部分が摩耗し
て銅線12が露出し、さらに銅線12が地面との間で摺
動することで断線に至るようになる。これにより、転倒
検出回路14においては、転倒検出センサ10が断線し
て通電が停止するので、検出抵抗16の両端に電位差が
生じなくなる。電圧検出部17により検出電圧が出力さ
れなくなると、これをもって断線状態つまり走行転倒事
故として判定しようとするものである。
【0034】図1は電気的構成の概略を示すもので、事
故自動通報のための中枢的機能を果たす車載機18は、
CPU19を中心として構成され、メモリ20、GPS
受信回路21、GPSアンテナ21a、ジャイロセンサ
22、デジタルアダプタ23およびインターフェース回
路24などから構成される。CPU19は、あらかじめ
メモリ20に記憶された制御プログラムなどにより、後
述する走行時転倒事故の発生を判定する判定手段として
機能すると共に、事故発生を通報する通信制御手段とし
て機能するものである。また、CPU19は、GPSア
ンテナ21aからGPS受信回路21を通じて得られた
現在位置情報を記憶したり、ジャイロセンサ22による
検出方向の情報を記憶したりなどの処理動作を行なう。
【0035】インターフェース回路24には、前述した
転倒検出回路14が接続されると共に、緊急スイッチ2
5、マイクおよびスピーカなどの音声入出力部26、液
晶表示あるいはLED表示などの表示装置27および車
速検出手段としての車速センサ28が接続されている。
緊急スイッチ25は、緊急時に運転者あるいは第三者が
手動により通報する際に操作するためのものであり、音
声入出力部26はその際に音声を伝えるのに用いる。車
速センサ28は、車速パルス信号を入力するように構成
されており、CPU19により車速を算出する。
【0036】通信手段としての無線電話29は、デジタ
ルアダプタ23に接続され、CPU19により作成され
た事故発生時の伝達情報をアンテナ29aを介して送信
するもので、無線電話回線を通じて所定の事故連絡施設
に通報するためのものである。この場合、事故連絡施設
は、例えばメーデーシステムなどにおけるように、専用
の事故処理センターとして設けられているものを利用し
ても良いし、警察や消防署などの緊急通報窓口として音
声信号により通報するようにしても良い。
【0037】次に本実施形態の作用について図5および
図6も参照して説明する。図5および図6は、それぞれ
CPU19による事故判定処理および自動通報処理の内
容を簡単に示した制御プログラムで、事故判定処理プロ
グラムを実施して走行時転倒事故の発生を判定した場合
には、自動通報処理を実施するように構成されている。
【0038】まず、通常の走行状態においては、事故判
定処理プログラムを開始すると、転倒検出回路14の転
倒検出センサ10は、銅線12が導通した状態にあるの
で検出抵抗16に直流電源15から通電され、電圧検出
部17の検出電圧は、電流値とその抵抗値の積に相当す
る電圧分が検出される(ステップS1)。CPU19
は、これにより、転倒検出回路14から入力される検出
電圧値が正常状態であると判断する(ステップS2)。
【0039】次に、CPU19は、現在位置の情報をG
PS受信回路21から入力される位置情報に基づいて算
出し、この現在地情報をメモリ20に記憶し(ステップ
S3)、ステップS1に戻るようになる。以下、CPU
19は、上述のステップS1ないしS3を繰り返し実行
する。
【0040】次に、走行時転倒事故が発生した場合につ
いて説明する。二輪車の車体1が走行状態で転倒する
と、通常は車体1が横転状態となって滑るようにして路
上を移動していく。このとき、転倒検出センサ10は地
面と接触する状態となっているため、地面との間で摺動
し表層保護体13は摩耗するようになる。そして、露出
した銅線12も摺動により摩耗すると断線状態となる。
この状態(図3(b)参照、図中A部分が摩耗で消失し
ている。)は、転倒検出回路14において、転倒検出セ
ンサ10が断線(オフ)することにより(図4(b)参
照)、検出抵抗16に電流が流れなくなって電圧検出部
17の検出電圧がゼロになることで検出される。
【0041】これにより、CPU19は、走行時転倒事
故が発生したことを判定し(ステップS4)、続いて自
動通報処理を実行するようになる(ステップS5)。こ
の自動通報処理は、図6に示す自動通報処理プログラム
にしたがって行なわれる。この自動通報処理プログラム
においては、CPU19は、まず無線電話29により所
定の事故連絡機関として事故処理センターに電話をかけ
る(ステップT1)。相手が電話に出たら、CPU19
は、必要な事故連絡事項をメモリ20から読出して、そ
の情報を送信する(ステップT2〜T4)。
【0042】このときCPU19は、送信する情報とし
て、事故が発生したことを発生時刻と共に送信し(ステ
ップT2)、自車を特定するためにメモリ20にあらか
じめ記憶されているID番号などを読出して送信し(ス
テップT3)、現在位置および現在までのメモリ20内
に記憶している位置情報を送信する(ステップT4)。
この場合、位置情報は、例えば、メモリ20により記憶
可能な量として、10分程度の範囲で記憶しているもの
を送信する。なお、これは、事故原因を特定したり、種
々の事故処理データとして利用するためのものである。
【0043】この後、事故処理センターにおいては、オ
ペレータにより関係する最寄りの救援機関に連絡され、
救援活動が実施されるようになる。これにより、救援ま
での時間を短縮して死亡者数や重度の負傷者の低減を図
ることができる。
【0044】なお、上述の場合において、停止している
状態において単に転倒しただけの場合には、転倒検出セ
ンサ10の銅線12は表層保護体13により保護されて
いるので断線することがなく、したがって、これが走行
時転倒事故の発生と判定されることはない。
【0045】このような本実施形態によれば、走行時転
倒検出手段として転倒検出センサ10を設けたので、走
行状態において転倒したときにのみこれを検出すること
ができるようになり、誤検出をなくして走行時転倒事故
が発生したことを的確に検出して自動通報することがで
きる。
【0046】上記第1の実施形態においては、転倒検出
センサ10をエンジン7の所定部位に設ける構成とした
が、フットレスト部分に一体に設ける構成とすることも
できる。転倒検出回路14により、検出抵抗16の端子
電圧を検出して銅線12の断線状態を検出する構成とし
たが、銅線12を直接車載機18のCPU19に接続す
る構成としてそのオンオフを検出するようにしても良
い。
【0047】転倒検出センサ10は、銅線12の導通と
断線とで検出する構成以外に、抵抗体を設けて、摺動で
摩耗することによりその通電状態が変化することをもっ
て検出するように構成しても良い。例えば、表層保護体
13を導電性の材料により形成し、摩耗により抵抗値が
変化することを検出することもできる。
【0048】転倒検出センサ10は、車体1の両側に1
個ずつ設ける構成に限らず、必要な部位に適宜の個数の
転倒検出センサを設ける構成とすることができる。ま
た、横転のみならず反転した場合でも検出できるように
対応する部位に転倒検出センサを設ける構成とすること
ができる。
【0049】(第2の実施形態)図7は、本発明の第2
の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるとこ
ろは、転倒検出センサ10に代えて転倒検出センサ30
を設けたところである。この転倒検出センサ30は、支
持体31が半球状の球面として形成されており、その表
面に銅線32が配設され、これらを覆うように表層保護
体33が設けられた構成としている。同図(a)は転倒
していない状態の断面を示しており、走行時転倒をした
ときには、同図(b)に示すように、表層保護体33が
摩耗して図中Bで示す部分が消失し、銅線32も断線す
るように構成されている。
【0050】そして、このような第2の実施形態におい
ても第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができ
ると共に、この実施形態においては、転倒検出センサ3
0の構成が半球状に形成されているので、車体1の表面
に突起物として設ける場合に運転者の体が触れてもひっ
掛かることを防止して検出動作を行なえるので、配置状
態が邪魔にならず、しかも、強度的にも頑丈なものとす
ることができる。
【0051】(第3の実施形態)図8ないし図11は、
本発明の第3の実施形態を示すもので、第1の実施形態
と異なるところは、転倒検出センサ10に代えて、転倒
検出スイッチ34を設けた構成としたところである。す
なわち、この実施形態においては、サスペンション4お
よび5(図2参照)の部分に転倒検出スイッチ34を設
けている。
【0052】図9および図10は、それぞれ前輪2のサ
スペンション4および後輪3のサスペンション5を示し
ている。図9において、サスペンション4のインナーチ
ューブ4aはアウターチューブ4bに挿通され、油圧に
よりダンパとしての動作が行なわれる。また、インナー
チューブ4a内には、図示しないクッションスプリング
が挿入されており、弾性反発力により前輪2に車体1を
支持させている。
【0053】前輪2が接地面に接した状態では、サスペ
ンション4により車体1を支えているのでインナーチュ
ーブ4aはアウターチューブ4b内に入り込んだ状態
(同図(a)参照)となっている。また、前輪2が接地
面に接していない状態つまり、前輪2が浮いた状態ある
いは車体1が横転している状態では同図(b)に示すよ
うに、インナーチューブ4aがアウターチューブ4bか
ら延び出した状態となる。そして、転倒検出スイッチ3
4は、同図(b)に示す状態になるとオフし、他の状態
ではオン状態となるようなモーメンタリーな押圧スイッ
チとして設けられている。
【0054】転倒検出スイッチ34は、図8に示すよう
に、インナーチューブ4aから突出するようにばねで付
勢された状態に設けられる円筒突起状のもので、アウタ
ーチューブ4bと接触する側には傾斜面34aが形成さ
れていて、オンオフの動作時に復帰可能な構成とされて
いる。そして、この転倒検出スイッチ34は、同図
(a)、(b)の右側に模式的に示すように、アウター
チューブ4bの内部に入った状態ではオンして導通状態
となり、出た状態ではオフして断線状態となる。また、
転倒検出回路14においては、転倒検出センサ10に代
えて本実施形態における転倒検出スイッチ34を設けた
構成としている。
【0055】同様にして、図10における後輪3のサス
ペンション5においても、転倒検出スイッチ34がイン
ナーチューブ5aに設けられた構成となっている。な
お、サスペンション5は、インナーチューブ5aとアウ
ターチューブ5bの構成は同様であるが、クッションス
プリング5cがインナーチューブ5aの外側に挿通され
ている。
【0056】次に、本実施形態の作用について、図11
の転倒検出のフローチャートを参照して説明する。な
お、このフローチャートでは、第1の実施形態で説明し
た部分を省略し、転倒検出スイッチ34による転倒検出
の判定の部分についてのみ示している。
【0057】すなわち、この実施形態においては、第1
の実施形態と異なり、転倒検出スイッチ34がオフ状態
を呈しても、すぐには転倒状態を検出しない。CPU1
9は、転倒検出の判定をする場合に、まず、転倒検出ス
イッチ34がいずれかオフしたか否かを判断し(ステッ
プU1)、いずれか1個の転倒検出スイッチ34がオフ
したときには、続いてこの状態が一定時間以上継続する
か否かを判断する(ステップU2)。これは、サスペン
ション4,5が延び出す状態は、転倒事故の発生時に限
らないからである。
【0058】そして、転倒検出スイッチ34のオフ状態
が、一定時間として、例えば10秒以上継続した場合に
は、CPU19は、一時的にサスペンション4,5が延
びて転倒検出スイッチ34がオフしたのではなく、転倒
したことに起因していると判断して転倒事故の発生を判
定する(ステップU3)。なお、実際には、これに先だ
って、車速パルス信号あるいはエンジンの始動状態の信
号を検出して、二輪車が走行状態であることを判断して
いることを条件としており、これらによって走行時転倒
事故の発生を判定するようになっている。
【0059】このような第3の実施形態によっても、第
1の実施形態と同様の効果が得られると共に、サスペン
ション4、5にスイッチタイプの転倒検出スイッチ34
を設ける構成としているので、第1の実施形態における
転倒検出センサ10のように1回動作すると取り替える
ものに対して、繰り返し使用することができる。なお、
上述の構成において、転倒検出スイッチ34は、サスペ
ンション4あるいは5のうちのいずれか一方のみに設け
る構成としても良い。
【0060】(第4の実施形態)図12ないし図14
は、本発明の第4の実施形態を示すもので、第1の実施
形態と異なるところは、転倒検出センサ10に代えて、
車体1の両側にそれぞれ転倒検出用距離センサとしての
超音波式の距離センサ35a,35bを設けたところで
ある。
【0061】距離センサ35a,35bは、前述の第1
の実施形態において説明した図2に示したように、転倒
検出センサ10の取り付け位置にそれぞれ設けている。
また、距離センサ35a、35bは、図13(a)に示
すように、超音波信号を真横に送信するように取りつけ
られており、真横方向から入射する反射波を受信してそ
の遅れ時間から距離を検出する。
【0062】図12は距離センサ35a,35bの電気
的構成を示しており、それぞれ、反射時間検出回路3
6,信号送信回路37,信号受信回路38,超音波発振
素子39および超音波受信素子40から構成されてい
る。信号送信回路37により超音波発振素子39に所定
の振動出力を与えて超音波信号を出力させ、信号受信回
路38は超音波受信素子40により受信した超音波信号
の反射波を受信する。反射時間検出回路36は、超音波
信号を送信してから受信するまでの時間遅れを求めて車
載機18に出力する。
【0063】車載機18のCPU19は、反射時間検出
回路36からの信号に基づいて、距離を演算して求め、
図13(b)に示したような状態に転倒して、至近距離
を検出している場合には、転倒状態の検出距離であるこ
とから転倒状態を判断することができる。なお、転倒し
ていない状態では、真横からの反射波はほとんどないか
あるいはあっても遠くからの微弱な反射波であるから、
至近距離として検出することはない。
【0064】次に、本実施形態の作用について、図14
の転倒検出のフローチャートを参照して説明する。な
お、このフローチャートでは、第1の実施形態で説明し
た部分を省略し、距離センサ35a,35bによる転倒
検出の判定の部分についてのみ示している。
【0065】すなわち、この実施形態においては、第1
の実施形態と異なり、距離センサ35a,35bが至近
距離を検出しても、すぐには転倒状態を検出しない。C
PU19は、転倒検出の判定をする場合に、まず、距離
センサ35a,35bのいずれかが至近距離を検出した
か否かを判断し(ステップV1)、いずれかの距離セン
サ35a,35bが至近距離を検出したときには、続い
てこの状態が一定時間以上継続するか否かを判断する
(ステップV2)。これは、たまたま停車したときに近
くの物体を検出したりあるいは走行中に運転者や搭乗者
の足などを検出してしまう場合もあるからである。
【0066】そして、距離センサ35a,35bの至近
距離検出状態が、一定時間として、例えば10秒以上継
続した場合には、CPU19は、転倒したことに起因し
ていると判断して転倒事故の発生を判定する(ステップ
V3)。なお、実際には、これに先だって、車速パルス
信号あるいはエンジンの始動状態の信号を検出して、二
輪車が走行状態であることを判断していることを条件と
しており、これらによって走行時転倒事故の発生を判定
するようになっている。
【0067】このような第4の実施形態によっても、第
1の実施形態と同様の効果が得られると共に、距離セン
サ35a,35bを設ける構成としているので、第1の
実施形態における転倒検出センサ10のように1回動作
すると取り替えるものに対して、繰り返し使用すること
ができる。
【0068】(第5の実施形態)図15および図16
は、本発明の第5の実施形態を示すもので、第1の実施
形態と異なるところは、車速検出手段としての車速セン
サ28からの車速パルス信号に基づいて走行時転倒事故
の発生を判定するようにしたところである。すなわち、
この実施形態においては、通常の走行状態では車速が急
激に変化することはほとんどないが、転倒した場合には
車速が急激に減速してほぼゼロになることに着目してい
る。
【0069】図15はその原理を説明するもので、同図
(a)に示すように、通常走行時においては、車速Vは
例えば直線的に変化したり、あるいは滑らかな曲線を描
いて変化する。これに対して、転倒時には同図(b)に
示すように、車速Vは例えば1秒以内にVaからほぼゼ
ロになるまで急激に低下する。したがって、車速センサ
28から与えられる車速パルス信号に基づいて走行時転
倒事故の発生を判定することができる。
【0070】図16は、CPU19による事故判定処理
の制御プログラムである。第1の実施形態と同様にし
て、制御プログラムを開始し、事故判定処理プログラム
を開始すると、車速センサ28からの車速パルスを入力
して前回との変化量を計算する(ステップW1)。この
場合、CPU19は、例えば1秒間の車速の変化量を計
算する。
【0071】このとき、通常の走行状態においては、図
15(a)に示したように、車速は徐々に変化するの
で、CPU19は、ステップW2を経てステップW3に
移行する。そして、CPU19は、現在位置の情報をG
PS受信回路21から入力される位置情報に基づいて算
出し、この現在地情報をメモリ20に記憶し(ステップ
W3)、ステップW1に戻るようになる。以下、CPU
19は、上述のステップW1ないしW3を繰り返し実行
する。
【0072】次に、走行時転倒事故が発生した場合につ
いて説明する。二輪車が走行状態で転倒すると、通常は
車速が急激に低下するので、このような車速の変化を、
例えば1秒間で20km/h以上の減速があったか否か
で判断する(ステップW2)。そして、「YES」と判
断されるときには、CPU19は、走行時転倒事故の発
生と判定し(ステップW4)、続いて第1の実施形態と
同様にして自動通報処理を実行するようになる(ステッ
プW5,図6参照)。
【0073】このような第5の実施形態によっても、第
1の実施形態と同様の効果が得られると共に、車速セン
サ28からの車速パルスのみに基づいて走行時転倒事故
の判定を行えるので、別途にセンサなどを設けることな
く簡単且つ安価に構成することができるようになる。
【0074】なお、上記実施形態においては、車速の変
化量が1秒以内に20km/h以上の減速としたが、こ
れに代えて、車速がゼロになることをもって判定するよ
うにしても良い。また、1秒間に限らず、転倒が検出可
能な適宜の時間および減速量を設定することができる。
【0075】(第6の実施形態)図17は本発明の第6
の実施形態を示すもので、第5の実施形態と異なるとこ
ろは、車速に代えて二輪車の走行方向の変化を検出して
走行時転倒事故の発生を判定するようにしたものであ
る。すなわち、この実施形態においては、通常の走行状
態では走行方向が急激に変化することはほとんどない
が、転倒した場合には走行方向が急激に大きく変化する
ことに着目しており、この走行方向を走行方向検出手段
としてのジャイロセンサ22により検出する構成として
いる。
【0076】図17はその原理を説明するもので、同図
(a)に示すように、通常走行時においては、走行方向
は例えば直線的に変化したり、あるいは滑らかな曲線を
描いて変化する。これに対して、転倒時には同図(b)
に示すように、走行方向は例えば1秒以内に急激に90
°以上変化する場合が大半である。したがって、ジャイ
ロセンサ22から与えられる信号に基づいて走行時転倒
事故の発生を判定することができる。
【0077】なお、判定のフローチャートは、走行方向
の変か量が90°以上であることを除いて、第5の実施
形態と同様にして、実施することができる。そして、こ
のような第6の実施形態においても、第5の実施形態と
ほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0078】(第7の実施形態)図18および図19は
本発明の第7の実施形態を示すもので、この実施形態に
おいては、上記した各実施例の構成を複合的に構成した
ものである。図18は、電気的構成を示すもので、第1
の実施形態において説明した図1の電気的構成を基本と
して、これに、転倒検出回路14に代えて、第1または
第2の実施形態において説明した転倒検出センサ10
(構成要素(a)に相当)を設け、第3の実施形態にお
ける転倒検出スイッチ34(構成要素(b)に相当)を
設け、第4の実施形態における距離センサ35a,35
b(構成要素(c)に相当)を設け、第5または第6の
実施形態における車速あるいは走行方向による検出を行
なう構成(構成要素(e),(f)に相当)を設けたも
のである。
【0079】この構成においては、CPU19は、イン
ターフェース回路24を介して入力される転倒検出セン
サ10,転倒検出スイッチ34および距離センサ35
a,35bからの検出信号に基づいて走行転倒事故の発
生を判定すると共に、車速センサ28からの車速パルス
信号の変化量に基づいて、あるいはジャイロセンサ22
から与えられる走行方向の信号の変化量に基づいて走行
転倒事故の発生を判定するように構成され、複合判定手
段としての機能を有する。
【0080】なお、転倒検出センサ10、転倒検出スイ
ッチ34および距離センサ35a,35bによる検出原
理については前述した第1ないし第5の実施形態におい
て説明した内容と同じである。また、距離センサ28や
ジャイロセンサ22の検出出力に基づいた検出原理につ
いても第6および第7の実施形態において説明した内容
と同じである。
【0081】次に、本実施形態の作用について図19を
参照して説明する。まず、CPU19は、現在位置の情
報をGPS受信回路21から入力される位置情報に基づ
いて算出し、この現在地情報をメモリ20に記憶する
(ステップX1)。この後、転倒検出センサ10、転倒
検出スイッチ34、距離センサ35a,35b、車速セ
ンサ28およびジャイロセンサ22のそれぞれからの検
出信号による走行時転倒状態を検出しているかを順次判
定する(ステップX2〜X7)。
【0082】そして、CPU19は、転倒検出センサ1
0による判定、転倒検出スイッチ34による判定、距離
センサ35a,35bによる判定、車速あるいは走行方
向による判定の4つの判定のうちの少なくとも2つが走
行時転倒事故の発生を判定している場合には(ステップ
X2〜X7)、これにより判定結果が正しいとして確定
し(ステップX8)、前述した自動通報処理を行なう
(ステップX9)。一方、上述の4つの判定のうち1つ
のみ判定している場合や、いずれも転倒発生を判定して
いない場合には、ステップX1に戻って現在位置情報を
記憶し、以下、上述の過程を繰り返し実行する。なお、
1つのみが判定している場合は、例えば何らかの誤検出
をしたり、あるいは故障などでたまたま判定してしまっ
たような場合があるので、これを除外するためであり、
逆に、実際に転倒事故が発生していれば、必ず2つ以上
の判定結果が出ることが予想されるからである。
【0083】このような第7の実施形態によれば、前述
した各実施形態における構成を複数備えて、それらの2
つ以上の判定結果に基づいて走行時転倒事故の発生を確
定し、自動通報処理を行なうので、より信頼性の高い判
定を行なうことができるようになる。なお、この実施形
態においては、4つの判定を行なう場合について説明し
たが、複数の判定を行なう構成を設け、少なくとも2つ
が走行時転倒事故の発生を判定したときにこれを確定す
る構成とすることができる。
【0084】(第8の実施形態)図20は本発明の第8
の実施形態を示すもので、第7の実施形態と異なるとこ
ろは、判定結果を確定するときの方法である。すなわ
ち、4つの判定を行なう実際の構成は第7の実施形態と
同じであるが、1次検出手段として転倒検出センサ1
0,転倒検出スイッチ34および距離センサ35の3つ
を備え、2次検出手段として車速センサ28およびジャ
イロセンサ22の2つを備えた構成とされている。
【0085】図20は制御内容を示すフローチャート
で、CPU19は、1次検出手段としての転倒検出セン
サ10が転倒を判定した場合(ステップX2)には、2
次検出手段としての車速センサ28あるいはジャイロセ
ンサ22による数秒前までの検出データに基づいて転倒
の判定が行なわれ(ステップX10)、ステップX2に
おける判定の確認動作として行なわれる。
【0086】ここで、ステップX10で、数秒前までの
検出データに基づいた判定を行なうのは、転倒検出セン
サ10による判定がでるのが転倒事故が発生した直後の
時点であることから、その時点近傍の速度や方向の変化
がこれを実証していることを確認するためである。そし
て、いずれも転倒状態を判定している場合には、走行時
転倒事故の発生の判定を確定し(ステップX8)、自動
通報処理を行なう(ステップX9)。
【0087】また、1次検出手段としての転倒検出スイ
ッチ34あるいは距離センサ35a,35bにより転倒
が判定された場合には(ステップX3,X4)、CPU
19は、車速センサ28あるいはジャイロセンサ22に
よる数十秒前までの検出データに基づいて転倒の判定が
行なわれる(ステップX11)。
【0088】これは、上述の場合に数秒前までの検出デ
ータで行なったのに対して、転倒検出スイッチ34や距
離センサ35a,35bによる判定動作が、転倒状態を
判定するまでに十秒以上の時間を要するからであり、判
定時点よりも十秒以上程度前までの速度や方向の変化が
これを実証していることを確認するためである。そし
て、いずれも転倒状態を判定している場合には、走行時
転倒事故の発生の判定を確定し(ステップX8)、自動
通報処理を行なう(ステップX9)。
【0089】このような第8の実施形態によっても同様
の効果を得ることができる。なお、この実施形態におい
ては、1次検出手段として3つの構成を設ける場合につ
いて説明したが、2つでも1つでも良い。また、2次検
出手段として2つの構成を設ける場合について説明した
が、1つとしても良い。
【0090】(第9の実施形態)図21ないし図23は
本発明の第9の実施形態を示すもので、第1の実施形態
と異なるところは、転倒検出センサ10に代えて、キー
シリンダの脱落状態を検出する検出手段としてのシリン
ダ脱落センサ41を設ける構成としたところである(図
22参照)。
【0091】この実施形態においては、二輪車が走行中
に転倒した場合には、運転者(搭乗者)が投げ出されて
車体1から離れる状態となることに着目し、図21に示
すように、エンジンキー42を連結手段としてのワイヤ
43により運転者の衣服あるいは体に連結した状態で運
転するものとし、さらに、このエンジンキー42を挿入
するキーシリンダ44の部分を、引っ張り力が所定以上
になると係合爪44aが折れて脱落するように構成して
いる。この係合爪44aは、例えば、キーシリンダ44
の挿入時にはそのまま入り、所定位置まで挿入すると係
合して抜けなくなるように構成されるものである。
【0092】そして、このキーシリンダ44の脱落をシ
リンダ脱落センサ41(図22参照)により検出するよ
うに構成している。シリンダ脱落センサ41は、例え
ば、圧力センサやスイッチなどから構成され、キーシリ
ンダ44が挿入されている状態と脱落した状態とで圧力
の変化あるいはスイッチのオンオフの動作が起こり、こ
れによって検出することができる構成とされている。
【0093】図23は、CPU19による事故判定処理
の制御プログラムである。第1の実施形態と同様にし
て、制御プログラムを開始し、事故判定処理プログラム
を開始すると、CPU19は、シリンダ脱落センサ41
の検出信号を監視し(ステップY1)、これによりキー
シリンダ44が脱落していなければ(ステップY2)、
現在位置の情報をGPS受信回路21から入力される位
置情報に基づいて算出し、この現在地情報をメモリ20
に記憶し(ステップY3)、ステップY1に戻るように
なる。以下、CPU19は、上述のステップY1ないし
Y3を繰り返し実行する。
【0094】次に、走行時転倒事故が発生した場合につ
いて説明する。二輪車が走行状態で転倒すると、通常は
運転者が投げ出されて車体1と別々に移動するようにな
る。このとき、運転者に連結しているワイヤ43により
エンジンキー42が引っ張られ、その引っ張り力が所定
以上になるとキーシリンダ44ごと脱落方向Pに引き抜
かれて脱落する。シリンダ脱落センサ41は、これを検
出するので、CPU19は、ステップY2で「YES」
と判断し、走行時転倒事故の発生と判定し(ステップY
4)、続いて第1の実施形態と同様にして自動通報処理
を実行するようになる(ステップY5,図6参照)。
【0095】このような第9の実施形態によっても、第
1の実施形態と同様の効果が得られる。なお、キーシリ
ンダ44は、脱落方向P以外の方向に引っ張り力が加わ
った場合でも、全体がフレキシブルな構造を採用するこ
とにより脱落させるための力として作用させることがで
き、ワイヤ43が切れることにより検出できなくなるこ
とを防止することができる。また、運転者が通常の状態
でエンジンキー42を付けたままの状態で二輪車の車体
1から離れる場合に、ワイヤ43が体に連結されている
ことを忘れた場合でも、そのときの引っ張り力ではキー
シリンダ44が脱落する程には至らず、その引っ張り力
で運転者が気が付くので、エンジンキー42をキーシリ
ンダ44から取り外すことに支障はない。
【0096】この実施形態においては、シリンダ脱落セ
ンサ41を単独で設ける構成について説明したが、第7
の実施形態の構成要素(g)として設けることもできる
し、あるいは第8の実施形態の1次検出手段の構成要素
として設ける構成としても良い。
【0097】(第10の実施形態)図24および図25
は本発明の第10の実施形態を示すもので、第9の実施
形態と異なるところは、シリンダ脱落センサ41に代え
て、車体1の複数箇所(例えば3箇所)に圧力センサ4
5a〜45cを設ける構成としたところである。この実
施形態においても、上述の場合と同様に、二輪車が走行
中に転倒した場合には、運転者(搭乗者)が投げ出され
て車体1から離れる状態となることに着目している。
【0098】図24に示すように、圧力センサ45aは
車体1のハンドルグリップ46の表面部分にかかる圧力
を検出するように設けられ、圧力センサ45bはシート
9の表面部分にかかる圧力を検出するように設けられ、
圧力センサ45cはフットレスト47の上面にかかる圧
力を検出するように設けられている。
【0099】車体1に運転者が搭乗すると、運転者の
手、胴、足による圧力がハンドルグリップ46、シート
9およびフットレスト47に加わるので、各圧力センサ
45a〜45cは、一定以上の圧力を検出した状態とな
る。一方、転倒事故などで運転者が投げ出されると、運
転者による圧力が消失するので圧力センサ45a〜45
cの検出信号は圧力がかかっていない状態を呈するよう
になる。
【0100】図25は、CPU19による事故判定処理
の制御プログラムである。第9の実施形態と同様にし
て、制御プログラムを開始し、事故判定処理プログラム
を開始すると、CPU19は、圧力センサ45a〜45
cの検出信号を監視し(ステップZ1)、これにより運
転者が存在する状態における圧力を検出している場合に
は(ステップZ2)、現在位置の情報をGPS受信回路
21から入力される位置情報に基づいて算出し、この現
在地情報をメモリ20に記憶し(ステップZ3)、ステ
ップZ1に戻るようになる。以下、CPU19は、上述
のステップZ1ないしZ3を繰り返し実行する。
【0101】次に、走行時転倒事故が発生した場合に
は、運転者が投げ出されて車体1と別々に移動するよう
になるので、運転者が搭乗していることで圧力を受けて
いた3つの圧力センサ45a〜45cのすべてが、圧力
が加わっていない状態の検出信号を出力するようにな
る。これにより、CPU19は、ステップZ2で「YE
S」と判断し、走行時転倒事故の発生と判定し(ステッ
プZ4)、続いて第9の実施形態と同様にして自動通報
処理を実行するようになる(ステップZ5)。
【0102】このような第10の実施形態によっても、
第9の実施形態と同様の効果が得られる。なお、圧力セ
ンサ45a〜45cの検出信号がすべて圧力がかかって
いない状態を検出したときに転倒を判定しているが、2
個以上圧力がかかっていない状態を呈したときに判定す
ることもできる。これは、転倒時にたまたま圧力センサ
45a〜45cのうちのいずれかに圧力がかかった状態
のままとなることが想定されるからである。
【0103】また、3個の圧力センサ45a〜45cを
設ける構成としているが、いずれか2個の圧力センサを
設ける構成とすることもできる。この場合には、車体の
形状や使用状態などに応じて適宜の部位のものを選んで
設ければ良い。さらには、ハンドルグリップ46および
フットレスト47の圧力センサは左右両方に設けても良
いし、他の部位に設けて全体として4個以上の圧力セン
サを設けて検出する構成としても良い。
【0104】この実施形態においては、圧力センサ45
a〜45cを単独で設ける構成について説明したが、第
7の実施形態の構成要素(h)として設けることもでき
るし、あるいは第8の実施形態の1次検出手段の構成要
素として設ける構成としても良い。
【0105】(第11の実施形態)図26ないし図29
は本発明の第11の実施形態を示すもので、第9の実施
形態と異なるところは、シリンダ脱落センサ41に代え
て、車載通信装置48を設けると共に、運転者が走行中
に携帯するように準備された携帯型通信装置49を設け
る構成としたところである。なお、この実施形態におい
ても、上述の場合と同様に、二輪車が走行中に転倒した
場合には、運転者(搭乗者)が投げ出されて車体1から
離れる状態となることに着目している。
【0106】図27に示すように、車載通信装置48
は、車体1の燃料タンク8の上面部に設けられた凹部に
埋め込むように組み付けられており、搭乗した運転者R
が携帯する例えばICカードなどの至近距離でのみ通信
が可能な携帯型通信装置49との間で通信を行なうよう
になっている。この両者の間の通信可能な距離は、例え
ば、50cmから1m程度とされている。また、車載通
信装置48は、図26に示しているように、車載機18
に接続されており、通信処理結果はCPU19により認
識されるようになっている。
【0107】車体1に運転者が搭乗すると、運転者が携
帯する携帯型通信装置49は、車載通信装置48からの
質問信号を受信して車載通信装置48に対して応答可能
な範囲に位置するようになる。車載通信装置48は、エ
ンジンが始動されている状態においては、例えば5秒間
隔などの一定時間間隔で質問信号を送信するように構成
されている。そして、携帯型通信装置49から応答信号
を受信すると、その受信結果をCPU19に出力するよ
うになっている。
【0108】図28は、CPU19による事故判定処理
の制御プログラムである。第9の実施形態と同様にし
て、制御プログラムを開始し、事故判定処理プログラム
を開始すると、CPU19は、エンジンが始動されてい
ることを条件として、車載通信装置48に対して制御信
号を与えて携帯型通信装置49に質問信号を送信させる
(ステップM1)。そして、応答信号があった場合には
(ステップM2)、CPU19は、現在位置の情報をG
PS受信回路21から入力される位置情報に基づいて算
出し、この現在地情報をメモリ20に記憶し(ステップ
M3)、ステップM1に戻る。以下、CPU19は、上
述のステップM1ないしM3を,例えば5秒間隔程度の
周期で繰り返し実行する(図29参照)。
【0109】次に、走行時転倒事故が発生した場合に
は、運転者が投げ出されて車体1と別々に移動するよう
になるので、車載通信装置48から送信した質問信号に
対して、携帯型通信装置49からは応答信号が得られな
くなる(図29参照)。これにより、CPU19は、ス
テップM2で「YES」と判断し、走行時転倒事故の発
生と判定し(ステップM4)、続いて第9の実施形態と
同様にして自動通報処理を実行するようになる(ステッ
プM5)。
【0110】このような第11の実施形態によっても、
第9の実施形態と同様の効果が得られる。なお、上述の
走行時転倒事故の判定を行なう場合には、2回以上に渡
って応答がないことをもって判定するようにしても良
い。これにより、一時的に電波事情が悪くなって応答信
号がなくなった場合でも次に応答信号がある場合には、
誤検出を防止することができる。
【0111】また、携帯型通信装置49は、車載通信装
置48から質問信号を受けると応答することで通信を行
なう構成としたが、能動的に通信を行なう構成としても
良い。また、車載通信装置48は、携帯型通信装置49
との間で独立して通信を行なっており、応答信号が得ら
れなくなったときに車載機18のCPU19にその旨の
信号を送信するように構成することもできる。
【0112】この実施形態においては、車載通信装置4
8および携帯型通信装置49を単独で設ける構成につい
て説明したが、第7の実施形態の構成要素(i)として
設けることもできるし、あるいは第8の実施形態の1次
検出手段の構成要素として設ける構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す電気的構成図
【図2】車体の側面図
【図3】転倒検出センサの動作前後の縦断側面図
【図4】転倒検出回路の概略的な電気的構成図
【図5】走行時転倒事故の判定プログラムのフローチャ
ート
【図6】自動通報処理の制御プログラムのフローチャー
【図7】本発明の第2の実施形態を示す図3相当図
【図8】本発明の第3の実施形態を示す転倒検出スイッ
チの部分の斜視図
【図9】前輪のサスペンションの斜視図
【図10】後輪のサスペンションの斜視図
【図11】転倒検出プログラムのフローチャート
【図12】本発明の第4の実施形態を示す距離センサの
概略的な電気的構成図
【図13】車体の前面を走行状態と転倒状態とで示す図
【図14】転倒検出プログラムのフローチャート
【図15】本発明の第5の実施形態を示す検出原理の作
用説明図
【図16】図5相当図
【図17】本発明の第6の実施形態を示す図15相当図
【図18】本発明の第7の実施形態を示す図1相当図
【図19】図5相当図
【図20】本発明の第8の実施形態を示す図5相当図
【図21】本発明の第9の実施形態を示すキーシリンダ
部分の外観斜視図
【図22】図1相当図
【図23】図5相当図
【図24】本発明の第10の実施形態を示す図2相当図
【図25】図5相当図
【図26】本発明の第11の実施形態を示す図1相当図
【図27】図2相当図
【図28】図5相当図
【図29】車載通信装置と携帯型通信装置との間の通信
状態の説明図
【符号の説明】
1は車体、4,5はサスペンション、8は燃料タンク、
9はシート、10,30は転倒検出センサ(走行時転倒
検出手段)、11,31は支持体、12,32は銅線
(通電路形成部材)、13,33は表層保護体、14は
転倒検出回路、16は検出抵抗、17は電圧検出部、1
8は車載機、19はCPU(判定手段、複合判定手
段)、20はメモリ(記憶手段)、21はGPS受信回
路、22はジャイロセンサ(方向検出手段)、23はデ
ジタルアダプタ、24はインターフェース、28は車速
センサ(車速検出手段)、34は転倒検出スイッチ、3
5a,35bは距離センサ(転倒検出用距離センサ)、
36は反射時間検出回路、37は送信回路、38は受信
回路、39は超音波発振素子、40は超音波受信素子、
41はシリンダ脱落センサ(検出手段)、42はエンジ
ンキー、43はワイヤ(連結手段)、44はキーシリン
ダ、45a〜45cは圧力センサ、46はハンドルグリ
ップ、47はフットレスト、48は車載通信装置、49
は携帯型通信装置である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01P 3/42 G01P 3/42 Z (72)発明者 加藤 浩二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 矢藤 智久 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 2F051 AA01 AB06 AC01 AC07 BA07 2F068 AA01 CC06 DD06 DD07 QQ00 RR09 RR14 SS01 TT21 2F069 AA68 AA98 BB21 DD03 DD16 DD17 GG02 GG06 GG56 HH30 JJ19 MM04 QQ03 5C087 AA23 AA25 AA37 AA44 BB12 BB20 BB46 BB74 BB76 DD03 DD13 EE18 FF01 FF04 FF17 FF20 FF23 FF30 GG07 GG09 GG21 GG23 GG30 GG39 GG43 GG70 GG80 GG83

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二輪車の車体の転倒状態で接地面と接触
    する部位に配設された支持体、この支持体の表面に配設
    された導電性の通電路形成部材、および前記支持体の表
    面に前記通電路形成部材を覆うように設けられ前記接地
    面との間で摺動することにより摩耗する表層保護体から
    構成される走行時転倒検出手段と、 この走行時転倒検出手段の前記通電路形成部材の通電状
    態が変化することをもって走行時転倒事故の発生を判定
    する判定手段とを備えたことを特徴とする二輪車の事故
    検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の二輪車の事故検出装置
    において、 前記表層保護体は軟質の樹脂により構成され、前記二輪
    車が走行状態で転倒したときに前記接地面との間の摩擦
    で摩耗して前記通電路形成部材としての銅線が断線する
    ように構成されていることを特徴とする二輪車の事故検
    出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の二輪車の事故
    検出装置において、 前記支持体は、棒状に形成された硬質の樹脂からなり、
    前記車体の両側面に突出するように配設されていること
    を特徴とする二輪車の事故検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の二輪車の事故
    検出装置において、 前記支持体は、半球状の外形に形成された硬質の樹脂か
    らなり、前記車体の両側面に突出するように配設されて
    いることを特徴とする二輪車の事故検出装置。
  5. 【請求項5】 二輪車の車輪のサスペンションに設けら
    れ、その車輪が接地面から離れる程度の位置以上に前記
    サスペンションが延びたときに動作する転倒検出スイッ
    チと、 前記転倒検出スイッチが動作し且つその動作状態が一定
    時間以上継続したときに転倒事故の発生を判定する判定
    手段とを設けたことを特徴とする二輪車の事故検出装
    置。
  6. 【請求項6】 二輪車の車体の両側部に設けられ、車体
    の横方向に物体が存在するときにその距離を検出する転
    倒検出用距離センサと、 この転倒検出用距離センサにより検出される検出距離
    が、前記車体が転倒したときに対向する接地面との間の
    距離に相当する場合に、その検出状態が一定時間以上継
    続したときに転倒事故の発生を判定する判定手段とを設
    けたことを特徴とする二輪車の事故検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の二輪車の事故検出装置
    において、 前記転倒検出用距離センサは、超音波信号を用いて距離
    を測定するように構成されていることを特徴とする二輪
    車の事故検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7のいずれかに記載の二
    輪車の事故検出装置において、 車速を検出する車速検出手段を設け、 前記判定手段は、前記車速検出手段からの車速検出信号
    に基づいて、走行状態において前記車体の転倒状態を判
    定したときにはこれを走行時転倒事故の発生と判定する
    ことを特徴とする二輪車の事故検出装置。
  9. 【請求項9】 二輪車に設けられ車速を検出する車速検
    出手段と、 この車速検出手段による検出速度が短時間で急激に低下
    したときに走行時転倒事故の発生を判定する判定手段と
    を備えたことを特徴とする二輪車の事故検出装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の二輪車の事故検出装
    置において、 前記判定手段は、前記車速検出手段による検出速度が、
    1秒以内の短時間で時速20km以上の減速状態を検出
    したときに前記走行時転倒事故の発生を判定するように
    構成されていることを特徴とする二輪車の事故検出装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の二輪車の事故検出装
    置において、 前記判定手段は、前記車速検出手段による検出速度が、
    短時間でゼロになったときに前記走行時転倒事故の発生
    を判定するように構成されていることを特徴とする二輪
    車の事故検出装置。
  12. 【請求項12】 二輪車に設けられ車速を検出する車速
    検出手段と、 前記二輪車に設けられ車体の走行方向を検出する方向検
    出手段と、 前記車速検出手段による検出速度に基づいて走行状態と
    判断されるときに、前記方向検出手段による検出方向が
    短時間で所定角度以上変化したときに走行時転倒事故の
    発生を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする二
    輪車の事故検出装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の二輪車の事故検出
    装置において、 前記判定手段は、前記方向検出手段による検出方向が、
    1秒以内の短時間で90°以上変化したときに前記走行
    時転倒事故の発生を判定するように構成されていること
    を特徴とする二輪車の事故検出装置。
  14. 【請求項14】 二輪車に設けられるエンジンキーのキ
    ーシリンダ部分を、運転者と連結手段により連結したエ
    ンジンキーが挿入された状態で所定以上の力で引っ張っ
    たときに脱落可能に設け、 このキーシリンダの脱落状態を検出する検出手段と、 車速の検出信号に基づいて走行中と判断される状態にお
    いて、前記検出手段により前記キーシリンダの脱落状態
    が検出されたときには、走行時転倒事故の発生を判定す
    る判定手段とを設けたことを特徴とする二輪車の事故検
    出装置。
  15. 【請求項15】 二輪車に設けられ運転者の搭乗により
    圧力を受ける部位に配置される圧力センサと、 車速の検出信号に基づいて走行中と判断される状態にお
    いて、前記圧力センサの検出信号が運転者の圧力を検出
    しない状態となったときには、走行時転倒事故の発生を
    判定する判定手段とを設けたことを特徴とする二輪車の
    事故検出装置。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の二輪車の事故検出
    装置において、 前記圧力センサは、ハンドルグリップ、シート、フット
    レストのうちの少なくとも2つの部位に設けられている
    ことを特徴とする二輪車の事故検出装置。
  17. 【請求項17】 二輪車の運転者が携帯する携帯型通信
    装置と、 前記二輪車に設けられ、前記運転者が搭乗している状態
    の距離程度で前記携帯型通信装置との間の双方向通信が
    可能な車載通信装置と、 車速の検出信号に基づいて走行中と判断される状態にお
    いて、前記車載通信装置が前記携帯形通信装置から通信
    信号を受信しない状態となったときに走行時転倒事故の
    発生を判定する判定手段とを具備したことを特徴とする
    二輪車の事故検出装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の二輪車の事故検出
    装置において、 前記携帯型通信装置は、前記車載通信装置から通信信号
    を受けるとこれに応答する通信信号を送信するように構
    成されていることを特徴とする二輪車の事故検出装置。
  19. 【請求項19】 以下の(a)〜(i)のうちの2以上
    を備えると共に、それらのうちの少なくとも2つの判定
    手段が走行時転倒事故の発生を判定したときに、走行時
    転倒事故の発生を確定する複合判定手段を設けたことを
    特徴とする二輪車の事故検出装置。 (a)請求項1ないし4のいずれかに記載の走行時転倒
    検出手段および判定手段、(b)請求項5に記載の転倒
    検出スイッチおよび判定手段、(c)請求項6または7
    に記載の転倒検出用距離センサおよび判定手段、(d)
    請求項8に記載の転倒検出用距離センサおよび車速検出
    手段ならびに判定手段、(e)請求項9ないし11のい
    ずれかに記載の車速検出手段および判定手段、(f)請
    求項12または13に記載の車速検出手段および方向検
    出手段ならびに判定手段、(g)請求項14に記載のキ
    ーシリンダ部および検出手段ならびに判定手段、(h)
    請求項15または16に記載の圧力センサおよび判定手
    段、(i)請求項17または18に記載の携帯型通信装
    置および車載通信装置ならびに判定手段。
  20. 【請求項20】 少なくとも以下の(a)〜(g)のう
    ち1つを1次検出手段として備えると共に、 少なくとも以下の(h),(i)の1つを2次検出手段
    として備え、 前記1次検出手段および前記2次検出手段の判定手段が
    共に走行時転倒事故の発生を判定したときに、走行時転
    倒事故の発生を確定する複合判定手段を設けたことを特
    徴とする二輪車の事故検出装置。 (a)請求項1ないし4のいずれかに記載の走行時転倒
    検出手段および判定手段、(b)請求項5に記載の転倒
    検出スイッチおよび判定手段、(c)請求項6または7
    に記載の転倒検出用距離センサおよび判定手段、(d)
    請求項8に記載の転倒検出用距離センサおよび車速検出
    手段ならびに判定手段、(e)請求項14に記載のキー
    シリンダ部および検出手段ならびに判定手段、(f)請
    求項15または16に記載の圧力センサおよび判定手
    段、(g)請求項17または18に記載の携帯型通信装
    置および車載通信装置ならびに判定手段、(h)請求項
    9ないし11のいずれかに記載の車速検出手段および判
    定手段、(i)請求項12または13に記載の車速検出
    手段および方向検出手段ならびに判定手段。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の二輪車の事故検出
    装置において、 前記1次検出手段として前記(a)もしくは(e)を設
    けている場合には、 前記複合判定手段は、前記1次検出手段の判定時点から
    数秒前までの期間における前記2次検出手段の判定手段
    の判定結果に基づいて前記走行時転倒事故の発生を確定
    することを特徴とする二輪車の事故検出装置。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載の二輪車の事故検出
    装置において、 前記1次検出手段として前記(b),(c),(d),
    (f)もしくは(g)を設けている場合には、 前記複合判定手段は、前記1次検出手段の判定時点より
    も数秒前から数十秒前までの期間における前記2次検出
    手段の判定手段の判定結果に基づいて前記走行時転倒事
    故の発生を確定することを特徴とする二輪車の事故検出
    装置。
  23. 【請求項23】 請求項1ないし22のいずれかに記載
    の二輪車の事故検出装置において、 現在位置を検出する位置検出装置と、 この位置検出装置により検出される現在位置検出データ
    を一定時間以上記憶する記憶手段とを備えたことを特徴
    とする二輪車の事故検出装置。
  24. 【請求項24】 請求項1ないし22のいずれかに記載
    の二輪車の事故検出装置を備え、 通信手段と、 前記判定手段もしくは複合判定手段により走行時転倒事
    故の発生が判定されるかもしくは確定された場合に、こ
    れを前記通信手段を介して所定の事故連絡機関に通報す
    る通信制御手段とを設けたことを特徴とする二輪車の事
    故通報装置。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載の二輪車の事故通報
    装置において、 現在位置を検出する位置検出装置と、 この位置検出装置により検出される現在位置検出データ
    を一定時間以上記憶する記憶手段とを備えたことを特徴
    とする二輪車の事故通報装置。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載の二輪車の事故通報
    装置において、 前記通信制御手段は、前記事故連絡機関に走行時転倒事
    故を通報する際に、前記記憶手段に記憶された位置検出
    データを送信することを特徴とする二輪車の事故通報装
    置。
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