JP4174921B2 - 二輪車の事故通報装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二輪車の転倒事故もしくは走行時転倒事故を検出し、その事故の発生を自動的に通報するようにした二輪車の事故通報装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
乗用車などの四輪車においては、事故発生を検出して自動的に通報するシステムが開発されている。これは、例えば、エアバッグセンサやロールオーバセンサ(車体横転検出センサ)などの検出信号を用いて事故発生を判断し、電話機などの通信手段を用いて自車のIDや現在位置などと共に事故発生を自動的に通報するようにしたものである。
【0003】
ところで、自動二輪車などの二輪車においては、このようなエアバッグセンサやロールオーバセンサなどでは事故を検出できない場合がある。例えば、走行中の転倒などによる事故では、エアバッグセンサで検知するような衝撃力を受けない場合があり、このときには事故を検出することができなくなる。また、ロールオーバセンサは横転状態を検出する場合でも、走行していない状態で単に横転しただけのときには、誤検出されることになる。
【0004】
一方、二輪車による事故は、走行中の転倒などによることが多く、運転者は転倒して投げ出されるときの衝撃力により負傷する率が高い。このときに、事故発生の通報がいかに行なわれるかが負傷者を救護することを大きく左右することになる。逆に、誤検出が発生することが予想されるシステムでは、事故自動通報システムとして採用することは難しい。そこで、二輪車の事故を的確に検出して迅速な通報を自動的に行なえるようにしたシステムが要求されている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、二輪車の横転などにより発生する走行時の事故を確実に検出して通報することができる二輪車の事故通報装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、2以上の転倒検出手段の検出した結果に基づいて判定手段が二輪車の転倒事故の発生を判定したときに、通信制御手段により、通信手段を介して所定の事故連絡機関に対して自動的に通報するので、運転者が負傷などして通報ができない場合でも迅速に通報することができ、これによって、負傷者の手当てなどを迅速に開始することができるようになる。
請求項2の発明によれば、上記発明において、二輪車が走行中に転倒した場合には、走行時転倒検出手段が道路や地面などの車輪の接地面と接触した状態で摺動しながら移動するようになるので、このとき表層保護体は磨耗して消失し通電路形成部材が露出すると共にこれも摺動することにより磨耗するようになり、通電状態に変化が生ずるようになる。判定手段はこれを検出して走行時転倒事故と判定するようになる。一方、二輪車が停止中に転倒した場合には、走行時転倒検出手段の表層保護体は接地面と摺動することがないので、磨耗して消失することがなく、従って通電路形成部材が露出するに至ることはない。この結果、走行時転倒検出手段を用いることで走行時の転倒事故を確実に検出することができるようになる。
【0007】
請求項の発明によれば、走行時転倒検出手段を支持体の表面に銅線を配した状態で軟質の樹脂で表層保護体を構成しているので、転倒時には地面などの接地面との間の摩擦で表層保護体が確実に磨耗消失して銅線を断線させることができ、これによって判定手段により走行時転倒事故の発生を判定することができる。また、停止状態における単なる転倒では走行時転倒検出手段は銅線部分が軟質の樹脂からなる表層保護体で保護されているので銅線は断線することがなく、この状態で走行時転倒事故の発生とは判定されることはない。
【0008】
請求項の発明によれば、上記構成において、走行時転倒検出手段の支持体を棒状に形成した硬質の樹脂で構成しているので、二輪車の車体に配設する際に、車体の両側に設けて転倒時に接地面との間で接触しやすいようにすることが容易になり、取り付け場所の自由度が高くなる。また、請求項の発明によれば、支持体を半球状の外形に形成された硬質の樹脂から構成するので、搭乗者の足などに接触しても邪魔にならないようにしながら転倒時の検出動作を確実に行うように構成することができる。
【0009】
請求項の発明によれば、二輪車が転倒すると、車輪のサスペンションが延びた状態となるので、転倒検出スイッチが動作するようになり、判定手段は、この転倒検出スイッチの動作状態が一定時間以上継続したときに転倒事故の発生を判定するようになる。つまり、一時的にサスペンションが延びた状態の場合に、これを転倒状態と判定することのないように、一定時間以上動作状態が継続したときに転倒事故の発生を判定するので、確実に転倒状態として認識することができるようになる。
【0010】
請求項の発明によれば、二輪車が転倒すると、転倒した側の転倒検出用距離センサの検出距離が接地面までの短い距離となって検出されるようになり、判定手段は、この短い距離の検出状態が一定時間以上継続したときに転倒事故の発生を判定するようになる。つまり、転倒検出用距離センサが一時的に短距離を検出する場合でも、転倒していない状態で何らかの物体が検出される場合があるので、これを避けるために、一定時間以上の継続を条件として判定するので、確実に転倒状態として認識することができるようになる。
【0011】
請求項の発明によれば、上記請求項ないしの構成において、判定手段は、前述した転倒状態を判定するときに、車速検出手段により検出した二輪車の走行状態に対応した車速情報があるときには、これを走行時転倒事故の発生と判定するので、走行状態における転倒つまり走行時転倒事故の発生を確実に検出することができるようになる。
【0012】
請求項10の発明によれば、二輪車が転倒してその車速が急激に低下する場合には、判定手段は、車速検出手段による検出速度が短時間で急激に低下することをもって走行時転倒事故の発生を判定するようになり、走行状態における転倒事故の発生を検出することができる。
【0013】
請求項11の発明によれば、上述の場合において、走行時転倒事故において車速が急激に減速する場合には、瞬間的に20km/h以上の速度低下が発生することが予想されることがわかっているので、判定手段は、この状態を検出するために、車速検出手段による検出速度が、1秒以内に時速20km以上の減速を検出したときに走行時転倒事故の発生を判定する。これにより、走行時転倒事故の発生を確実に検出することができるようになる。
【0014】
請求項12の発明によれば、前述の場合で、二輪車が転倒してその車速が急激にゼロになる場合には、判定手段は、車速検出手段による検出速度が短時間でゼロに低下することをもって走行時転倒事故の発生を判定するようになり、走行状態における転倒事故の発生を検出することができる。
【0015】
請求項13の発明によれば、二輪車が走行中に転倒事故を起こす場合には、走行している方向が急激に変化することが予想されるので、判定手段により、車速検出手段による検出速度が走行状態を示し、且つ方向検出手段による検出方向が短時間で所定角度以上変化したときに、走行時転倒事故の発生を判定することができる。
【0016】
請求項14の発明によれば、上述の場合において、走行時転倒事故において車体の方向が急激に減速する場合には、瞬間的に90°以上の変化が発生することが予想されることがわかっているので、判定手段は、この状態を検出するために、方向検出手段による検出方向が、1秒以内の短時間で90°以上変化したときに前記走行時転倒事故の発生を判定する。これにより、走行時転倒事故の発生を確実に検出することができるようになる。
【0017】
請求項15の発明によれば、二輪車を運転する際に運転者はエンジンキーをチェーンやワイヤーなどの連結手段で連結した状態でキーシリンダに挿入して運転を行うようにし、走行中に転倒事故を起こした場合には、運転者はほとんどの場合投げ出されるので、キーシリンダの部分が所定以上の力で引っ張られると脱落するのでこれが検出手段により検出される。判定手段は、走行状態で検出手段によりキーシリンダの脱落状態が検出されると、走行時転倒事故の発生を判定することができる。
【0018】
請求項16の発明によれば、運転者が二輪車に搭乗すると、圧力センサはその搭乗者の体重や握力などにより押圧力を受けた状態となり、走行中に転倒事故を起こすと、運転者が投げ出されることになり、これによって検出していた圧力がゼロになる。すると、判定手段により、走行中に圧力センサの検出信号が運転者の圧力を検出しない状態となったことに基づいて、走行時転倒事故の発生を判定することができるようになる。
【0019】
請求項17の発明によれば、上述の場合において、圧力センサをハンドルグリップ、シート、フットレストのうちの少なくとも2つ部位に設けているので、1箇所のみに設けて検出する場合に比べて信頼性の高い判定動作を行うことができるようになる。
【0020】
請求項18の発明によれば、二輪車を運転する際に運転者は携帯型通信装置を携帯すると、二輪車に設けた車載通信装置は、運転者の搭乗状態の距離程度の範囲内で通信が可能となり、運転中に双方向通信を行うようになる。そして、運転中に転倒事故が発生すると、運転者が投げ出されることにより車載通信装置は形態型通信装置との通信が不能となる。これにより、車載通信装置は、走行時転倒事故の発生を判定することができるようになる。
【0021】
請求項19の発明によれば、上述の場合に、携帯型通信装置は、車載通信装置から通信信号を受けるとこれに応答する通信信号を送信するように構成されているので、通信機能を簡単な構成で設けることができ、運転者が携帯するのに邪魔にならず、取り扱いも簡単にすることができる。
【0022】
請求項20の発明によれば、上述した各請求項における構成要素としての(a)〜(i)のうちの2つ以上を備える構成とし、複合判定手段により、それらのうちの少なくとも2つの判定手段が走行時転倒事故の発生を判定したときに、走行時転倒事故の発生を確定するので、複数の独立した走行時転倒事故の発生の判定事実に基づいて信頼性の高い判定動作を行うことができるようになる。
【0023】
請求項21の発明によれば、前述した各請求項における構成要素である(a)〜(i)のうち、(a)〜(g)から1次検出手段として設けた構成のうちの少なくとも1つの構成、および(h),(i)から2次検出手段として設けた構成のうちの少なくとも1つの構成のそれぞれが走行時転倒事故の発生を判定したときに、複合判定手段により走行時転倒事故の発生を確定する。これにより、転倒状態を直接的に検出する1次検出手段の検出結果と、転倒に際して発生する速度や方向の急激な変化を検出する2次検出手段の検出結果とに基づいて確定することで、異なる検出方法による独立した走行時転倒事故の発生の判定事実に基づいて信頼性の高い判定動作を行うことができるようになる。
【0024】
請求項22の発明によれば、上述の場合に、1次検出手段として設けた(a)もしくは(e)は、その判定手段による走行時転倒事故の発生の判定時点は、実際の走行時転倒事故の発生時点とほぼ一致しているから、その2次検出手段による判定は、1次検出手段が走行時転倒事故の発生の判定時点から数秒前までの期間の車速情報あるいは方向情報に基づいて走行時転倒事故の発生の判定を行なうことで、確実なものとすることができる。
【0025】
請求項23の発明によれば、同様に前述の場合に、1次検出手段として設けた(b),(c),(d),(f)もしくは(g)は、その判定手段による走行時転倒事故発生の判定時点は、実際の走行時転倒事故の発生時点から例えば数秒から数十秒の間の一定時間が経過した後であるから、その2次検出手段による判定は、1次検出手段が走行時転倒事故の発生の判定時点の数秒前から数十秒前までの期間の車速情報あるいは方向情報に基づいて走行時転倒事故の発生の判定を行なうことで、確実なものとすることができる。
【0028】
請求項24の発明によれば、上述の場合において、記憶手段により位置検出装置が検出した現在位置情報を一定時間以上記憶するので、転倒事故の発生時とその直前に車体がどの位置にいたかということを特定することができ、これによって、上述に加えて、車両がどのような位置から移動してきて転倒事故に遭遇したかということなど、事故原因の究明に有益な情報として利用することができ、迅速に解明することができるようになる。
【0029】
請求項25の発明によれば、上記した車両の位置検出データを、事故連絡機関に通報する際に同時に送信するので、その原因特定のための情報を早く得ることができるようになり、一刻も早く事故原因を究明する必要がある場合などに、非常に有益な情報として利用することができるようになる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を自動二輪車の事故自動通報システムに適用した場合の第1の実施形態について図1ないし図6を参照しながら説明する。
図2は自動二輪車の車体1を側面から概略的に示したもので、前輪2および後輪3がそれぞれサスペンション4,5を介してフレーム6に取り付けられ、このフレーム6にはエンジン7および燃料タンク8,シート9などが取り付けられている。本発明でいうところの走行時転倒検出手段としての転倒検出センサ10は、例えば、エンジン7の一部に接着剤などによって固定されている。
【0031】
この転倒検出センサ10は、図3に示すように、内部に棒状の支持体11と、この外周面に張り巡らされた通電路形成部材としての銅線12と、この銅線12および支持体11を覆うようにして形成された表層保護体13とから構成されたものである。支持体11は、例えばポリカーボネートやABS(Acrylonitorile Butadiene Styrene)などの耐衝撃性に優れた硬質の樹脂から構成され、表層保護体13は、ポリエチレンなどの摩耗しやすい低密度の樹脂により構成されている。
【0032】
この転倒検出センサ10は、図4(a)に原理的に示す転倒検出回路14に組み込まれている。すなわち、直流電源15の両端子間に検出用抵抗16と直列にして接続している。検出用抵抗16の両端には電圧検出部17が接続され、その検出電圧を出力するように構成されている。
【0033】
上述した転倒検出センサ10は、車体1が横転するなどして接地面である地面と接触した状態となり、この接触状態で車体1が滑るようにして移動すると、地面との間で摺動して表層保護体13部分が摩耗して銅線12が露出し、さらに銅線12が地面との間で摺動することで断線に至るようになる。これにより、転倒検出回路14においては、転倒検出センサ10が断線して通電が停止するので、検出抵抗16の両端に電位差が生じなくなる。電圧検出部17により検出電圧が出力されなくなると、これをもって断線状態つまり走行転倒事故として判定しようとするものである。
【0034】
図1は電気的構成の概略を示すもので、事故自動通報のための中枢的機能を果たす車載機18は、CPU19を中心として構成され、メモリ20、GPS受信回路21、GPSアンテナ21a、ジャイロセンサ22、デジタルアダプタ23およびインターフェース回路24などから構成される。CPU19は、あらかじめメモリ20に記憶された制御プログラムなどにより、後述する走行時転倒事故の発生を判定する判定手段として機能すると共に、事故発生を通報する通信制御手段として機能するものである。また、CPU19は、GPSアンテナ21aからGPS受信回路21を通じて得られた現在位置情報を記憶したり、ジャイロセンサ22による検出方向の情報を記憶したりなどの処理動作を行なう。
【0035】
インターフェース回路24には、前述した転倒検出回路14が接続されると共に、緊急スイッチ25、マイクおよびスピーカなどの音声入出力部26、液晶表示あるいはLED表示などの表示装置27および車速検出手段としての車速センサ28が接続されている。緊急スイッチ25は、緊急時に運転者あるいは第三者が手動により通報する際に操作するためのものであり、音声入出力部26はその際に音声を伝えるのに用いる。車速センサ28は、車速パルス信号を入力するように構成されており、CPU19により車速を算出する。
【0036】
通信手段としての無線電話29は、デジタルアダプタ23に接続され、CPU19により作成された事故発生時の伝達情報をアンテナ29aを介して送信するもので、無線電話回線を通じて所定の事故連絡施設に通報するためのものである。この場合、事故連絡施設は、例えばメーデーシステムなどにおけるように、専用の事故処理センターとして設けられているものを利用しても良いし、警察や消防署などの緊急通報窓口として音声信号により通報するようにしても良い。
【0037】
次に本実施形態の作用について図5および図6も参照して説明する。
図5および図6は、それぞれCPU19による事故判定処理および自動通報処理の内容を簡単に示した制御プログラムで、事故判定処理プログラムを実施して走行時転倒事故の発生を判定した場合には、自動通報処理を実施するように構成されている。
【0038】
まず、通常の走行状態においては、事故判定処理プログラムを開始すると、転倒検出回路14の転倒検出センサ10は、銅線12が導通した状態にあるので検出抵抗16に直流電源15から通電され、電圧検出部17の検出電圧は、電流値とその抵抗値の積に相当する電圧分が検出される(ステップS1)。CPU19は、これにより、転倒検出回路14から入力される検出電圧値が正常状態であると判断する(ステップS2)。
【0039】
次に、CPU19は、現在位置の情報をGPS受信回路21から入力される位置情報に基づいて算出し、この現在地情報をメモリ20に記憶し(ステップS3)、ステップS1に戻るようになる。以下、CPU19は、上述のステップS1ないしS3を繰り返し実行する。
【0040】
次に、走行時転倒事故が発生した場合について説明する。二輪車の車体1が走行状態で転倒すると、通常は車体1が横転状態となって滑るようにして路上を移動していく。このとき、転倒検出センサ10は地面と接触する状態となっているため、地面との間で摺動し表層保護体13は摩耗するようになる。そして、露出した銅線12も摺動により摩耗すると断線状態となる。この状態(図3(b)参照、図中A部分が摩耗で消失している。)は、転倒検出回路14において、転倒検出センサ10が断線(オフ)することにより(図4(b)参照)、検出抵抗16に電流が流れなくなって電圧検出部17の検出電圧がゼロになることで検出される。
【0041】
これにより、CPU19は、走行時転倒事故が発生したことを判定し(ステップS4)、続いて自動通報処理を実行するようになる(ステップS5)。この自動通報処理は、図6に示す自動通報処理プログラムにしたがって行なわれる。この自動通報処理プログラムにおいては、CPU19は、まず無線電話29により所定の事故連絡機関として事故処理センターに電話をかける(ステップT1)。相手が電話に出たら、CPU19は、必要な事故連絡事項をメモリ20から読出して、その情報を送信する(ステップT2〜T4)。
【0042】
このときCPU19は、送信する情報として、事故が発生したことを発生時刻と共に送信し(ステップT2)、自車を特定するためにメモリ20にあらかじめ記憶されているID番号などを読出して送信し(ステップT3)、現在位置および現在までのメモリ20内に記憶している位置情報を送信する(ステップT4)。この場合、位置情報は、例えば、メモリ20により記憶可能な量として、10分程度の範囲で記憶しているものを送信する。なお、これは、事故原因を特定したり、種々の事故処理データとして利用するためのものである。
【0043】
この後、事故処理センターにおいては、オペレータにより関係する最寄りの救援機関に連絡され、救援活動が実施されるようになる。これにより、救援までの時間を短縮して死亡者数や重度の負傷者の低減を図ることができる。
【0044】
なお、上述の場合において、停止している状態において単に転倒しただけの場合には、転倒検出センサ10の銅線12は表層保護体13により保護されているので断線することがなく、したがって、これが走行時転倒事故の発生と判定されることはない。
【0045】
このような本実施形態によれば、走行時転倒検出手段として転倒検出センサ10を設けたので、走行状態において転倒したときにのみこれを検出することができるようになり、誤検出をなくして走行時転倒事故が発生したことを的確に検出して自動通報することができる。
【0046】
上記第1の実施形態においては、転倒検出センサ10をエンジン7の所定部位に設ける構成としたが、フットレスト部分に一体に設ける構成とすることもできる。
転倒検出回路14により、検出抵抗16の端子電圧を検出して銅線12の断線状態を検出する構成としたが、銅線12を直接車載機18のCPU19に接続する構成としてそのオンオフを検出するようにしても良い。
【0047】
転倒検出センサ10は、銅線12の導通と断線とで検出する構成以外に、抵抗体を設けて、摺動で摩耗することによりその通電状態が変化することをもって検出するように構成しても良い。例えば、表層保護体13を導電性の材料により形成し、摩耗により抵抗値が変化することを検出することもできる。
【0048】
転倒検出センサ10は、車体1の両側に1個ずつ設ける構成に限らず、必要な部位に適宜の個数の転倒検出センサを設ける構成とすることができる。また、横転のみならず反転した場合でも検出できるように対応する部位に転倒検出センサを設ける構成とすることができる。
【0049】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、転倒検出センサ10に代えて転倒検出センサ30を設けたところである。この転倒検出センサ30は、支持体31が半球状の球面として形成されており、その表面に銅線32が配設され、これらを覆うように表層保護体33が設けられた構成としている。同図(a)は転倒していない状態の断面を示しており、走行時転倒をしたときには、同図(b)に示すように、表層保護体33が摩耗して図中Bで示す部分が消失し、銅線32も断線するように構成されている。
【0050】
そして、このような第2の実施形態においても第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができると共に、この実施形態においては、転倒検出センサ30の構成が半球状に形成されているので、車体1の表面に突起物として設ける場合に運転者の体が触れてもひっ掛かることを防止して検出動作を行なえるので、配置状態が邪魔にならず、しかも、強度的にも頑丈なものとすることができる。
【0051】
(第3の実施形態)
図8ないし図11は、本発明の第3の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、転倒検出センサ10に代えて、転倒検出スイッチ34を設けた構成としたところである。すなわち、この実施形態においては、サスペンション4および5(図2参照)の部分に転倒検出スイッチ34を設けている。
【0052】
図9および図10は、それぞれ前輪2のサスペンション4および後輪3のサスペンション5を示している。図9において、サスペンション4のインナーチューブ4aはアウターチューブ4bに挿通され、油圧によりダンパとしての動作が行なわれる。また、インナーチューブ4a内には、図示しないクッションスプリングが挿入されており、弾性反発力により前輪2に車体1を支持させている。
【0053】
前輪2が接地面に接した状態では、サスペンション4により車体1を支えているのでインナーチューブ4aはアウターチューブ4b内に入り込んだ状態(同図(a)参照)となっている。また、前輪2が接地面に接していない状態つまり、前輪2が浮いた状態あるいは車体1が横転している状態では同図(b)に示すように、インナーチューブ4aがアウターチューブ4bから延び出した状態となる。そして、転倒検出スイッチ34は、同図(b)に示す状態になるとオフし、他の状態ではオン状態となるようなモーメンタリーな押圧スイッチとして設けられている。
【0054】
転倒検出スイッチ34は、図8に示すように、インナーチューブ4aから突出するようにばねで付勢された状態に設けられる円筒突起状のもので、アウターチューブ4bと接触する側には傾斜面34aが形成されていて、オンオフの動作時に復帰可能な構成とされている。そして、この転倒検出スイッチ34は、同図(a)、(b)の右側に模式的に示すように、アウターチューブ4bの内部に入った状態ではオンして導通状態となり、出た状態ではオフして断線状態となる。また、転倒検出回路14においては、転倒検出センサ10に代えて本実施形態における転倒検出スイッチ34を設けた構成としている。
【0055】
同様にして、図10における後輪3のサスペンション5においても、転倒検出スイッチ34がインナーチューブ5aに設けられた構成となっている。なお、サスペンション5は、インナーチューブ5aとアウターチューブ5bの構成は同様であるが、クッションスプリング5cがインナーチューブ5aの外側に挿通されている。
【0056】
次に、本実施形態の作用について、図11の転倒検出のフローチャートを参照して説明する。なお、このフローチャートでは、第1の実施形態で説明した部分を省略し、転倒検出スイッチ34による転倒検出の判定の部分についてのみ示している。
【0057】
すなわち、この実施形態においては、第1の実施形態と異なり、転倒検出スイッチ34がオフ状態を呈しても、すぐには転倒状態を検出しない。CPU19は、転倒検出の判定をする場合に、まず、転倒検出スイッチ34がいずれかオフしたか否かを判断し(ステップU1)、いずれか1個の転倒検出スイッチ34がオフしたときには、続いてこの状態が一定時間以上継続するか否かを判断する(ステップU2)。これは、サスペンション4,5が延び出す状態は、転倒事故の発生時に限らないからである。
【0058】
そして、転倒検出スイッチ34のオフ状態が、一定時間として、例えば10秒以上継続した場合には、CPU19は、一時的にサスペンション4,5が延びて転倒検出スイッチ34がオフしたのではなく、転倒したことに起因していると判断して転倒事故の発生を判定する(ステップU3)。なお、実際には、これに先だって、車速パルス信号あるいはエンジンの始動状態の信号を検出して、二輪車が走行状態であることを判断していることを条件としており、これらによって走行時転倒事故の発生を判定するようになっている。
【0059】
このような第3の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、サスペンション4、5にスイッチタイプの転倒検出スイッチ34を設ける構成としているので、第1の実施形態における転倒検出センサ10のように1回動作すると取り替えるものに対して、繰り返し使用することができる。
なお、上述の構成において、転倒検出スイッチ34は、サスペンション4あるいは5のうちのいずれか一方のみに設ける構成としても良い。
【0060】
(第4の実施形態)
図12ないし図14は、本発明の第4の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、転倒検出センサ10に代えて、車体1の両側にそれぞれ転倒検出用距離センサとしての超音波式の距離センサ35a,35bを設けたところである。
【0061】
距離センサ35a,35bは、前述の第1の実施形態において説明した図2に示したように、転倒検出センサ10の取り付け位置にそれぞれ設けている。また、距離センサ35a、35bは、図13(a)に示すように、超音波信号を真横に送信するように取りつけられており、真横方向から入射する反射波を受信してその遅れ時間から距離を検出する。
【0062】
図12は距離センサ35a,35bの電気的構成を示しており、それぞれ、反射時間検出回路36,信号送信回路37,信号受信回路38,超音波発振素子39および超音波受信素子40から構成されている。信号送信回路37により超音波発振素子39に所定の振動出力を与えて超音波信号を出力させ、信号受信回路38は超音波受信素子40により受信した超音波信号の反射波を受信する。反射時間検出回路36は、超音波信号を送信してから受信するまでの時間遅れを求めて車載機18に出力する。
【0063】
車載機18のCPU19は、反射時間検出回路36からの信号に基づいて、距離を演算して求め、図13(b)に示したような状態に転倒して、至近距離を検出している場合には、転倒状態の検出距離であることから転倒状態を判断することができる。なお、転倒していない状態では、真横からの反射波はほとんどないかあるいはあっても遠くからの微弱な反射波であるから、至近距離として検出することはない。
【0064】
次に、本実施形態の作用について、図14の転倒検出のフローチャートを参照して説明する。なお、このフローチャートでは、第1の実施形態で説明した部分を省略し、距離センサ35a,35bによる転倒検出の判定の部分についてのみ示している。
【0065】
すなわち、この実施形態においては、第1の実施形態と異なり、距離センサ35a,35bが至近距離を検出しても、すぐには転倒状態を検出しない。CPU19は、転倒検出の判定をする場合に、まず、距離センサ35a,35bのいずれかが至近距離を検出したか否かを判断し(ステップV1)、いずれかの距離センサ35a,35bが至近距離を検出したときには、続いてこの状態が一定時間以上継続するか否かを判断する(ステップV2)。これは、たまたま停車したときに近くの物体を検出したりあるいは走行中に運転者や搭乗者の足などを検出してしまう場合もあるからである。
【0066】
そして、距離センサ35a,35bの至近距離検出状態が、一定時間として、例えば10秒以上継続した場合には、CPU19は、転倒したことに起因していると判断して転倒事故の発生を判定する(ステップV3)。なお、実際には、これに先だって、車速パルス信号あるいはエンジンの始動状態の信号を検出して、二輪車が走行状態であることを判断していることを条件としており、これらによって走行時転倒事故の発生を判定するようになっている。
【0067】
このような第4の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、距離センサ35a,35bを設ける構成としているので、第1の実施形態における転倒検出センサ10のように1回動作すると取り替えるものに対して、繰り返し使用することができる。
【0068】
(第5の実施形態)
図15および図16は、本発明の第5の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、車速検出手段としての車速センサ28からの車速パルス信号に基づいて走行時転倒事故の発生を判定するようにしたところである。すなわち、この実施形態においては、通常の走行状態では車速が急激に変化することはほとんどないが、転倒した場合には車速が急激に減速してほぼゼロになることに着目している。
【0069】
図15はその原理を説明するもので、同図(a)に示すように、通常走行時においては、車速Vは例えば直線的に変化したり、あるいは滑らかな曲線を描いて変化する。これに対して、転倒時には同図(b)に示すように、車速Vは例えば1秒以内にVaからほぼゼロになるまで急激に低下する。したがって、車速センサ28から与えられる車速パルス信号に基づいて走行時転倒事故の発生を判定することができる。
【0070】
図16は、CPU19による事故判定処理の制御プログラムである。第1の実施形態と同様にして、制御プログラムを開始し、事故判定処理プログラムを開始すると、車速センサ28からの車速パルスを入力して前回との変化量を計算する(ステップW1)。この場合、CPU19は、例えば1秒間の車速の変化量を計算する。
【0071】
このとき、通常の走行状態においては、図15(a)に示したように、車速は徐々に変化するので、CPU19は、ステップW2を経てステップW3に移行する。そして、CPU19は、現在位置の情報をGPS受信回路21から入力される位置情報に基づいて算出し、この現在地情報をメモリ20に記憶し(ステップW3)、ステップW1に戻るようになる。以下、CPU19は、上述のステップW1ないしW3を繰り返し実行する。
【0072】
次に、走行時転倒事故が発生した場合について説明する。二輪車が走行状態で転倒すると、通常は車速が急激に低下するので、このような車速の変化を、例えば1秒間で20km/h以上の減速があったか否かで判断する(ステップW2)。そして、「YES」と判断されるときには、CPU19は、走行時転倒事故の発生と判定し(ステップW4)、続いて第1の実施形態と同様にして自動通報処理を実行するようになる(ステップW5,図16参照)。
【0073】
このような第5の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、車速センサ28からの車速パルスのみに基づいて走行時転倒事故の判定を行えるので、別途にセンサなどを設けることなく簡単且つ安価に構成することができるようになる。
【0074】
なお、上記実施形態においては、車速の変化量が1秒以内に20km/h以上の減速としたが、これに代えて、車速がゼロになることをもって判定するようにしても良い。また、1秒間に限らず、転倒が検出可能な適宜の時間および減速量を設定することができる。
【0075】
(第6の実施形態)
図17は本発明の第6の実施形態を示すもので、第5の実施形態と異なるところは、車速に代えて二輪車の走行方向の変化を検出して走行時転倒事故の発生を判定するようにしたものである。すなわち、この実施形態においては、通常の走行状態では走行方向が急激に変化することはほとんどないが、転倒した場合には走行方向が急激に大きく変化することに着目しており、この走行方向を走行方向検出手段としてのジャイロセンサ22により検出する構成としている。
【0076】
図17はその原理を説明するもので、同図(a)に示すように、通常走行時においては、走行方向は例えば直線的に変化したり、あるいは滑らかな曲線を描いて変化する。これに対して、転倒時には同図(b)に示すように、走行方向は例えば1秒以内に急激に90°以上変化する場合が大半である。したがって、ジャイロセンサ22から与えられる信号に基づいて走行時転倒事故の発生を判定することができる。
【0077】
なお、判定のフローチャートは、走行方向の変化量が90°以上であることを除いて、第5の実施形態と同様にして、実施することができる。そして、このような第6の実施形態においても、第5の実施形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0078】
(第7の実施形態)
図18および図19は本発明の第7の実施形態を示すもので、この実施形態においては、上記した各実施例の構成を複合的に構成したものである。図18は、電気的構成を示すもので、第1の実施形態において説明した図1の電気的構成を基本として、これに、転倒検出回路14に代えて、第1または第2の実施形態において説明した転倒検出センサ10(構成要素(a)に相当)を設け、第3の実施形態における転倒検出スイッチ34(構成要素(b)に相当)を設け、第4の実施形態における距離センサ35a,35b(構成要素(c)に相当)を設け、第5または第6の実施形態における車速あるいは走行方向による検出を行なう構成(構成要素(e),(f)に相当)を設けたものである。
【0079】
この構成においては、CPU19は、インターフェース回路24を介して入力される転倒検出センサ10,転倒検出スイッチ34および距離センサ35a,35bからの検出信号に基づいて走行転倒事故の発生を判定すると共に、車速センサ28からの車速パルス信号の変化量に基づいて、あるいはジャイロセンサ22から与えられる走行方向の信号の変化量に基づいて走行転倒事故の発生を判定するように構成され、複合判定手段としての機能を有する。
【0080】
なお、転倒検出センサ10、転倒検出スイッチ34および距離センサ35a,35bによる検出原理については前述した第1ないし第5の実施形態において説明した内容と同じである。また、距離センサ28やジャイロセンサ22の検出出力に基づいた検出原理についても第6および第7の実施形態において説明した内容と同じである。
【0081】
次に、本実施形態の作用について図19を参照して説明する。まず、CPU19は、現在位置の情報をGPS受信回路21から入力される位置情報に基づいて算出し、この現在地情報をメモリ20に記憶する(ステップX1)。この後、転倒検出センサ10、転倒検出スイッチ34、距離センサ35a,35b、車速センサ28およびジャイロセンサ22のそれぞれからの検出信号による走行時転倒状態を検出しているかを順次判定する(ステップX2〜X7)。
【0082】
そして、CPU19は、転倒検出センサ10による判定、転倒検出スイッチ34による判定、距離センサ35a,35bによる判定、車速あるいは走行方向による判定の4つの判定のうちの少なくとも2つが走行時転倒事故の発生を判定している場合には(ステップX2〜X7)、これにより判定結果が正しいとして確定し(ステップX8)、前述した自動通報処理を行なう(ステップX9)。一方、上述の4つの判定のうち1つのみ判定している場合や、いずれも転倒発生を判定していない場合には、ステップX1に戻って現在位置情報を記憶し、以下、上述の過程を繰り返し実行する。なお、1つのみが判定している場合は、例えば何らかの誤検出をしたり、あるいは故障などでたまたま判定してしまったような場合があるので、これを除外するためであり、逆に、実際に転倒事故が発生していれば、必ず2つ以上の判定結果が出ることが予想されるからである。
【0083】
このような第7の実施形態によれば、前述した各実施形態における構成を複数備えて、それらの2つ以上の判定結果に基づいて走行時転倒事故の発生を確定し、自動通報処理を行なうので、より信頼性の高い判定を行なうことができるようになる。
なお、この実施形態においては、4つの判定を行なう場合について説明したが、複数の判定を行なう構成を設け、少なくとも2つが走行時転倒事故の発生を判定したときにこれを確定する構成とすることができる。
【0084】
(第8の実施形態)
図20は本発明の第8の実施形態を示すもので、第7の実施形態と異なるところは、判定結果を確定するときの方法である。すなわち、4つの判定を行なう実際の構成は第7の実施形態と同じであるが、1次検出手段として転倒検出センサ10,転倒検出スイッチ34および距離センサ35の3つを備え、2次検出手段として車速センサ28およびジャイロセンサ22の2つを備えた構成とされている。
【0085】
図20は制御内容を示すフローチャートで、CPU19は、1次検出手段としての転倒検出センサ10が転倒を判定した場合(ステップX2)には、2次検出手段としての車速センサ28あるいはジャイロセンサ22による数秒前までの検出データに基づいて転倒の判定が行なわれ(ステップX10)、ステップX2における判定の確認動作として行なわれる。
【0086】
ここで、ステップX10で、数秒前までの検出データに基づいた判定を行なうのは、転倒検出センサ10による判定がでるのが転倒事故が発生した直後の時点であることから、その時点近傍の速度や方向の変化がこれを実証していることを確認するためである。そして、いずれも転倒状態を判定している場合には、走行時転倒事故の発生の判定を確定し(ステップX8)、自動通報処理を行なう(ステップX9)。
【0087】
また、1次検出手段としての転倒検出スイッチ34あるいは距離センサ35a,35bにより転倒が判定された場合には(ステップX3,X4)、CPU19は、車速センサ28あるいはジャイロセンサ22による数十秒前までの検出データに基づいて転倒の判定が行なわれる(ステップX11)。
【0088】
これは、上述の場合に数秒前までの検出データで行なったのに対して、転倒検出スイッチ34や距離センサ35a,35bによる判定動作が、転倒状態を判定するまでに十秒以上の時間を要するからであり、判定時点よりも十秒以上程度前までの速度や方向の変化がこれを実証していることを確認するためである。そして、いずれも転倒状態を判定している場合には、走行時転倒事故の発生の判定を確定し(ステップX8)、自動通報処理を行なう(ステップX9)。
【0089】
このような第8の実施形態によっても同様の効果を得ることができる。
なお、この実施形態においては、1次検出手段として3つの構成を設ける場合について説明したが、2つでも1つでも良い。また、2次検出手段として2つの構成を設ける場合について説明したが、1つとしても良い。
【0090】
(第9の実施形態)
図21ないし図23は本発明の第9の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、転倒検出センサ10に代えて、キーシリンダの脱落状態を検出する検出手段としてのシリンダ脱落センサ41を設ける構成としたところである(図22参照)。
【0091】
この実施形態においては、二輪車が走行中に転倒した場合には、運転者(搭乗者)が投げ出されて車体1から離れる状態となることに着目し、図21に示すように、エンジンキー42を連結手段としてのワイヤ43により運転者の衣服あるいは体に連結した状態で運転するものとし、さらに、このエンジンキー42を挿入するキーシリンダ44の部分を、引っ張り力が所定以上になると係合爪44aが折れて脱落するように構成している。この係合爪44aは、例えば、キーシリンダ44の挿入時にはそのまま入り、所定位置まで挿入すると係合して抜けなくなるように構成されるものである。
【0092】
そして、このキーシリンダ44の脱落をシリンダ脱落センサ41(図22参照)により検出するように構成している。シリンダ脱落センサ41は、例えば、圧力センサやスイッチなどから構成され、キーシリンダ44が挿入されている状態と脱落した状態とで圧力の変化あるいはスイッチのオンオフの動作が起こり、これによって検出することができる構成とされている。
【0093】
図23は、CPU19による事故判定処理の制御プログラムである。第1の実施形態と同様にして、制御プログラムを開始し、事故判定処理プログラムを開始すると、CPU19は、シリンダ脱落センサ41の検出信号を監視し(ステップY1)、これによりキーシリンダ44が脱落していなければ(ステップY2)、現在位置の情報をGPS受信回路21から入力される位置情報に基づいて算出し、この現在地情報をメモリ20に記憶し(ステップY3)、ステップY1に戻るようになる。以下、CPU19は、上述のステップY1ないしY3を繰り返し実行する。
【0094】
次に、走行時転倒事故が発生した場合について説明する。二輪車が走行状態で転倒すると、通常は運転者が投げ出されて車体1と別々に移動するようになる。このとき、運転者に連結しているワイヤ43によりエンジンキー42が引っ張られ、その引っ張り力が所定以上になるとキーシリンダ44ごと脱落方向Pに引き抜かれて脱落する。シリンダ脱落センサ41は、これを検出するので、CPU19は、ステップY2で「YES」と判断し、走行時転倒事故の発生と判定し(ステップY4)、続いて第1の実施形態と同様にして自動通報処理を実行するようになる(ステップY5,図23参照)。
【0095】
このような第9の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。なお、キーシリンダ44は、脱落方向P以外の方向に引っ張り力が加わった場合でも、全体がフレキシブルな構造を採用することにより脱落させるための力として作用させることができ、ワイヤ43が切れることにより検出できなくなることを防止することができる。また、運転者が通常の状態でエンジンキー42を付けたままの状態で二輪車の車体1から離れる場合に、ワイヤ43が体に連結されていることを忘れた場合でも、そのときの引っ張り力ではキーシリンダ44が脱落する程には至らず、その引っ張り力で運転者が気が付くので、エンジンキー42をキーシリンダ44から取り外すことに支障はない。
【0096】
この実施形態においては、シリンダ脱落センサ41を単独で設ける構成について説明したが、第7の実施形態の構成要素(g)として設けることもできるし、あるいは第8の実施形態の1次検出手段の構成要素として設ける構成としても良い。
【0097】
(第10の実施形態)
図24および図25は本発明の第10の実施形態を示すもので、第9の実施形態と異なるところは、シリンダ脱落センサ41に代えて、車体1の複数箇所(例えば3箇所)に圧力センサ45a〜45cを設ける構成としたところである。この実施形態においても、上述の場合と同様に、二輪車が走行中に転倒した場合には、運転者(搭乗者)が投げ出されて車体1から離れる状態となることに着目している。
【0098】
図24に示すように、圧力センサ45aは車体1のハンドルグリップ46の表面部分にかかる圧力を検出するように設けられ、圧力センサ45bはシート9の表面部分にかかる圧力を検出するように設けられ、圧力センサ45cはフットレスト47の上面にかかる圧力を検出するように設けられている。
【0099】
車体1に運転者が搭乗すると、運転者の手、胴、足による圧力がハンドルグリップ46、シート9およびフットレスト47に加わるので、各圧力センサ45a〜45cは、一定以上の圧力を検出した状態となる。一方、転倒事故などで運転者が投げ出されると、運転者による圧力が消失するので圧力センサ45a〜45cの検出信号は圧力がかかっていない状態を呈するようになる。
【0100】
図25は、CPU19による事故判定処理の制御プログラムである。第9の実施形態と同様にして、制御プログラムを開始し、事故判定処理プログラムを開始すると、CPU19は、圧力センサ45a〜45cの検出信号を監視し(ステップZ1)、これにより運転者が存在する状態における圧力を検出している場合には(ステップZ2)、現在位置の情報をGPS受信回路21から入力される位置情報に基づいて算出し、この現在地情報をメモリ20に記憶し(ステップZ3)、ステップZ1に戻るようになる。以下、CPU19は、上述のステップZ1ないしZ3を繰り返し実行する。
【0101】
次に、走行時転倒事故が発生した場合には、運転者が投げ出されて車体1と別々に移動するようになるので、運転者が搭乗していることで圧力を受けていた3つの圧力センサ45a〜45cのすべてが、圧力が加わっていない状態の検出信号を出力するようになる。これにより、CPU19は、ステップZ2で「YES」と判断し、走行時転倒事故の発生と判定し(ステップZ4)、続いて第9の実施形態と同様にして自動通報処理を実行するようになる(ステップZ5)。
【0102】
このような第10の実施形態によっても、第9の実施形態と同様の効果が得られる。なお、圧力センサ45a〜45cの検出信号がすべて圧力がかかっていない状態を検出したときに転倒を判定しているが、2個以上圧力がかかっていない状態を呈したときに判定することもできる。これは、転倒時にたまたま圧力センサ45a〜45cのうちのいずれかに圧力がかかった状態のままとなることが想定されるからである。
【0103】
また、3個の圧力センサ45a〜45cを設ける構成としているが、いずれか2個の圧力センサを設ける構成とすることもできる。この場合には、車体の形状や使用状態などに応じて適宜の部位のものを選んで設ければ良い。さらには、ハンドルグリップ46およびフットレスト47の圧力センサは左右両方に設けても良いし、他の部位に設けて全体として4個以上の圧力センサを設けて検出する構成としても良い。
【0104】
この実施形態においては、圧力センサ45a〜45cを単独で設ける構成について説明したが、第7の実施形態の構成要素(h)として設けることもできるし、あるいは第8の実施形態の1次検出手段の構成要素として設ける構成としても良い。
【0105】
(第11の実施形態)
図26ないし図29は本発明の第11の実施形態を示すもので、第9の実施形態と異なるところは、シリンダ脱落センサ41に代えて、車載通信装置48を設けると共に、運転者が走行中に携帯するように準備された携帯型通信装置49を設ける構成としたところである。なお、この実施形態においても、上述の場合と同様に、二輪車が走行中に転倒した場合には、運転者(搭乗者)が投げ出されて車体1から離れる状態となることに着目している。
【0106】
図27に示すように、車載通信装置48は、車体1の燃料タンク8の上面部に設けられた凹部に埋め込むように組み付けられており、搭乗した運転者Rが携帯する例えばICカードなどの至近距離でのみ通信が可能な携帯型通信装置49との間で通信を行なうようになっている。この両者の間の通信可能な距離は、例えば、50cmから1m程度とされている。また、車載通信装置48は、図26に示しているように、車載機18に接続されており、通信処理結果はCPU19により認識されるようになっている。
【0107】
車体1に運転者が搭乗すると、運転者が携帯する携帯型通信装置49は、車載通信装置48からの質問信号を受信して車載通信装置48に対して応答可能な範囲に位置するようになる。車載通信装置48は、エンジンが始動されている状態においては、例えば5秒間隔などの一定時間間隔で質問信号を送信するように構成されている。そして、携帯型通信装置49から応答信号を受信すると、その受信結果をCPU19に出力するようになっている。
【0108】
図28は、CPU19による事故判定処理の制御プログラムである。第9の実施形態と同様にして、制御プログラムを開始し、事故判定処理プログラムを開始すると、CPU19は、エンジンが始動されていることを条件として、車載通信装置48に対して制御信号を与えて携帯型通信装置49に質問信号を送信させる(ステップM1)。そして、応答信号があった場合には(ステップM2)、CPU19は、現在位置の情報をGPS受信回路21から入力される位置情報に基づいて算出し、この現在地情報をメモリ20に記憶し(ステップM3)、ステップM1に戻る。以下、CPU19は、上述のステップM1ないしM3を,例えば5秒間隔程度の周期で繰り返し実行する(図29参照)。
【0109】
次に、走行時転倒事故が発生した場合には、運転者が投げ出されて車体1と別々に移動するようになるので、車載通信装置48から送信した質問信号に対して、携帯型通信装置49からは応答信号が得られなくなる(図29参照)。これにより、CPU19は、ステップM2で「NO」と判断し、走行時転倒事故の発生と判定し(ステップM4)、続いて第9の実施形態と同様にして自動通報処理を実行するようになる(ステップM5)。
【0110】
このような第11の実施形態によっても、第9の実施形態と同様の効果が得られる。なお、上述の走行時転倒事故の判定を行なう場合には、2回以上に渡って応答がないことをもって判定するようにしても良い。これにより、一時的に電波事情が悪くなって応答信号がなくなった場合でも次に応答信号がある場合には、誤検出を防止することができる。
【0111】
また、携帯型通信装置49は、車載通信装置48から質問信号を受けると応答することで通信を行なう構成としたが、能動的に通信を行なう構成としても良い。また、車載通信装置48は、携帯型通信装置49との間で独立して通信を行なっており、応答信号が得られなくなったときに車載機18のCPU19にその旨の信号を送信するように構成することもできる。
【0112】
この実施形態においては、車載通信装置48および携帯型通信装置49を単独で設ける構成について説明したが、第7の実施形態の構成要素(i)として設けることもできるし、あるいは第8の実施形態の1次検出手段の構成要素として設ける構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す電気的構成図
【図2】車体の側面図
【図3】転倒検出センサの動作前後の縦断側面図
【図4】転倒検出回路の概略的な電気的構成図
【図5】走行時転倒事故の判定プログラムのフローチャート
【図6】自動通報処理の制御プログラムのフローチャート
【図7】本発明の第2の実施形態を示す図3相当図
【図8】本発明の第3の実施形態を示す転倒検出スイッチの部分の斜視図
【図9】前輪のサスペンションの斜視図
【図10】後輪のサスペンションの斜視図
【図11】転倒検出プログラムのフローチャート
【図12】本発明の第4の実施形態を示す距離センサの概略的な電気的構成図
【図13】車体の前面を走行状態と転倒状態とで示す図
【図14】転倒検出プログラムのフローチャート
【図15】本発明の第5の実施形態を示す検出原理の作用説明図
【図16】図5相当図
【図17】本発明の第6の実施形態を示す図15相当図
【図18】本発明の第7の実施形態を示す図1相当図
【図19】図5相当図
【図20】本発明の第8の実施形態を示す図5相当図
【図21】本発明の第9の実施形態を示すキーシリンダ部分の外観斜視図
【図22】図1相当図
【図23】図5相当図
【図24】本発明の第10の実施形態を示す図2相当図
【図25】図5相当図
【図26】本発明の第11の実施形態を示す図1相当図
【図27】図2相当図
【図28】図5相当図
【図29】車載通信装置と携帯型通信装置との間の通信状態の説明図
【符号の説明】
1は車体、4,5はサスペンション、8は燃料タンク、9はシート、10,30は転倒検出センサ(走行時転倒検出手段)、11,31は支持体、12,32は銅線(通電路形成部材)、13,33は表層保護体、14は転倒検出回路、16は検出抵抗、17は電圧検出部、18は車載機、19はCPU(判定手段、複合判定手段)、20はメモリ(記憶手段)、21はGPS受信回路、22はジャイロセンサ(方向検出手段)、23はデジタルアダプタ、24はインターフェース、28は車速センサ(車速検出手段)、34は転倒検出スイッチ、35a,35bは距離センサ(転倒検出用距離センサ)、36は反射時間検出回路、37は送信回路、38は受信回路、39は超音波発振素子、40は超音波受信素子、41はシリンダ脱落センサ(検出手段)、42はエンジンキー、43はワイヤ(連結手段)、44はキーシリンダ、45a〜45cは圧力センサ、46はハンドルグリップ、47はフットレスト、48は車載通信装置、49は携帯型通信装置である。

Claims (25)

  1. 二輪車の転倒を検出する複数の転倒検出手段と、
    前記複数の転倒検出手段によるそれぞれの検出に基づいて前記二輪車の転倒事故の発生を判定する複数の判定手段と、
    通信手段と、
    前記複数の転倒検出手段のうちの2以上のものが検出した結果に基づいて前記複数の判定手段のうちの対応するものが前記二輪車の転倒事故の発生を判定したときに、前記通信手段を介して所定の事故連絡機関に通報する通信制御手段と
    を設けたことを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  2. 請求項1に記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記複数の転倒検出手段の一つは、前記二輪車の車体の転倒状態で接地面と接触する部位に配設された支持体、この支持体の表面に配設された導電性の通電路形成部材、および前記支持体の表面に前記通電路形成部材を覆うように設けられ前記接地面との間で摺動することにより摩耗する表層保護体から構成される走行時転倒検出手段であり、
    前記複数の判定手段のうちの対応するものは、前記走行時転倒検出手段の前記通電路形成部材の通電状態が変化することをもって走行時転倒事故の発生を判定することを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  3. 請求項に記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記表層保護体は軟質の樹脂により構成され、前記二輪車が走行状態で転倒したときに前記接地面との間の摩擦で摩耗して前記通電路形成部材としての銅線が断線するように構成されていることを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  4. 請求項またはに記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記支持体は、棒状に形成された硬質の樹脂からなり、前記車体の両側面に突出するように配設されていることを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  5. 請求項2または3に記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記支持体は、半球状の外形に形成された硬質の樹脂からなり、前記車体の両側面に突出するように配設されていることを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記複数の転倒検出手段の一つは、前記二輪車の車輪のサスペンションに設けられ、その車輪が接地面から離れる程度の位置以上に前記サスペンションが延びたときに動作する転倒検出スイッチであり、
    前記複数の判定手段のうちの対応するものは、前記転倒検出スイッチが動作し且つその動作状態が一定時間以上継続したときに転倒事故の発生を判定することを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記複数の転倒検出手段の一つは、前記二輪車の車体の両側部に設けられ、車体の横方向に物体が存在するときにその距離を検出する転倒検出用距離センサであり、
    前記複数の判定手段のうちの対応するものは、前記転倒検出用距離センサにより検出される検出距離が、前記車体が転倒したときに対向する接地面との間の距離に相当する場合に、その検出状態が一定時間以上継続したときに転倒事故の発生を判定することを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  8. 請求項に記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記転倒検出用距離センサは、超音波信号を用いて距離を測定するように構成されていることを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  9. 請求項6ないし8のいずれかに記載の二輪車の事故通報装置において、
    車速を検出する車速検出手段を設け、
    前記判定手段は、前記車速検出手段からの車速検出信号に基づいて、走行状態において 前記車体の転倒状態を判定したときにはこれを走行時転倒事故の発生と判定することを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  10. 請求項1ないしのいずれかに記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記二輪車に設けられ車速を検出する車速検出手段を設け、
    前記判定手段は、前記車速検出手段による検出速度が短時間で急激に低下したときに走行時転倒事故の発生を判定することを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  11. 請求項10に記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記判定手段は、前記車速検出手段による検出速度が、1秒以内の短時間で時速20km以上の減速状態を検出したときに前記走行時転倒事故の発生を判定するように構成されていることを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  12. 請求項10に記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記判定手段は、前記車速検出手段による検出速度が、短時間でゼロになったときに前記走行時転倒事故の発生を判定するように構成されていることを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記複数の転倒検出手段の一つは、前記二輪車に設けられ車速を検出する車速検出手段と前記二輪車に設けられ車体の走行方向を検出する方向検出手段とから構成され、
    前記複数の判定手段のうちの対応するものは、前記車速検出手段による検出速度に基づいて走行状態と判断されるときに、前記方向検出手段による検出方向が短時間で所定角度以上変化したときに走行時転倒事故の発生を判定することを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  14. 請求項13に記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記判定手段は、前記方向検出手段による検出方向が、1秒以内の短時間で90°以上変化したときに前記走行時転倒事故の発生を判定するように構成されていることを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記二輪車に設けられるエンジンキーのキーシリンダ部分を、運転者と連結手段により連結したエンジンキーが挿入された状態で所定以上の力で引っ張ったときに脱落可能に設け、
    前記複数の転倒検出手段の一つは、前記キーシリンダの脱落状態を検出する検出手段とされ、
    前記複数の判定手段のうちの対応するものは、車速の検出信号に基づいて走行中と判断される状態において、前記検出手段により前記キーシリンダの脱落状態が検出されたときに、走行時転倒事故の発生を判定することを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  16. 請求項1ないし15のいずれかに記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記複数の転倒検出手段の一つは、前記二輪車に設けられ運転者の搭乗により圧力を受ける部位に配置される圧力センサであり、
    前記複数の判定手段のうちの対応するものは、車速の検出信号に基づいて走行中と判断される状態において、前記圧力センサの検出信号が運転者の圧力を検出しない状態となったときには、走行時転倒事故の発生を判定することを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  17. 請求項16に記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記圧力センサは、ハンドルグリップ、シート、フットレストのうちの少なくとも2つの部位に設けられていることを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  18. 請求項1ないし17のいずれかに記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記複数の転倒検出手段の一つは、二輪車の運転者が携帯する携帯型通信装置と、前記 二輪車に設けられ、前記運転者が搭乗している状態の距離程度で前記携帯型通信装置との間の双方向通信が可能な車載通信装置とにより構成され、
    前記複数の判定手段のうちの対応するものは、車速の検出信号に基づいて走行中と判断される状態において、前記車載通信装置が前記携帯形通信装置から通信信号を受信しない状態となったときに走行時転倒事故の発生を判定することを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  19. 請求項18に記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記携帯型通信装置は、前記車載通信装置から通信信号を受けるとこれに応答する通信信号を送信するように構成されていることを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  20. 請求項1ないし19のいずれかに記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記複数の判定手段のうちの少なくとも2つが走行時転倒事故の発生を判定したときに、走行時転倒事故の発生を確定する複合判定手段を設けたことを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  21. 請求項に記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記複数の転倒検出手段として、
    少なくとも以下の(a)〜(g)のうち1つを1次検出手段として備えると共に、
    少なくとも以下の(h),(i)の1つを2次検出手段として備え、
    前記1次検出手段および前記2次検出手段の判定手段が共に走行時転倒事故の発生を判定したときに、走行時転倒事故の発生を確定する複合判定手段を設けたことを特徴とする二輪車の事故通報装置。
    (a)請求項2ないし5のいずれかに記載の走行時転倒検出手段および判定手段、
    (b)請求項6に記載の転倒検出スイッチおよび判定手段、
    (c)請求項7または8に記載の転倒検出用距離センサおよび判定手段、
    (d)請求項9に記載の転倒検出用距離センサおよび車速検出手段ならびに判定手段、
    (e)請求項15に記載のキーシリンダ部および検出手段ならびに判定手段、
    (f)請求項16または17に記載の圧力センサおよび判定手段、
    (g)請求項18または19に記載の携帯型通信装置および車載通信装置ならびに判定手段、
    (h)請求項10ないし12のいずれかに記載の車速検出手段および判定手段、
    (i)請求項13または14に記載の車速検出手段および方向検出手段ならびに判定手段。
  22. 請求項21に記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記1次検出手段として前記(a)もしくは(e)を設けている場合には、
    前記複合判定手段は、前記1次検出手段の判定時点から数秒前までの期間における前記2次検出手段の判定手段の判定結果に基づいて前記走行時転倒事故の発生を確定することを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  23. 請求項21に記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記1次検出手段として前記(b),(c),(d),(f)もしくは(g)を設けている場合には、
    前記複合判定手段は、前記1次検出手段の判定時点よりも数秒前から数十秒前までの期間における前記2次検出手段の判定手段の判定結果に基づいて前記走行時転倒事故の発生を確定することを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  24. 請求項1ないし2のいずれかに記載の二輪車の事故通報装置において
    現在位置を検出する位置検出装置と、
    この位置検出装置により検出される現在位置検出データを一定時間以上記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする二輪車の事故通報装置。
  25. 請求項24に記載の二輪車の事故通報装置において、
    前記通信制御手段は、前記事故連絡機関に走行時転倒事故を通報する際に、前記記憶手 段に記憶された位置検出データを送信することを特徴とする二輪車の事故通報装置。
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