JP2001027647A - 二輪車の事故通報システム - Google Patents

二輪車の事故通報システム

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JP2001027647A
JP2001027647A JP11199217A JP19921799A JP2001027647A JP 2001027647 A JP2001027647 A JP 2001027647A JP 11199217 A JP11199217 A JP 11199217A JP 19921799 A JP19921799 A JP 19921799A JP 2001027647 A JP2001027647 A JP 2001027647A
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accident
impact force
motorcycle
microcomputer
detecting
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JP11199217A
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Yutaka Namikawa
豊 波川
Tomohisa Yato
智久 矢藤
Koji Kato
浩二 加藤
Hirokazu Sakano
広和 阪野
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Denso Corp
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二輪車について的確な事故判定ができ、事故
発生時にその事故情報を迅速且つ自動的に通報する。 【解決手段】 センサA、B、Cはオートバイの前後方
向、左右方向、上下方向の加速度を検出する。マイコン
2は車速パルスに基づいて速度を計算し、走行中と判断
した場合、各方向の加速度から求めた衝撃力をしきい値
と比較することで事故の発生有無を判定する。事故発生
有りと判定すると、GPS受信部4から得た位置デー
タ、事故発生時刻、衝撃力の方向などを携帯電話機5を
介して基地局に自動通報する。また、手動発呼スイッチ
6がオン操作された場合にも自動通報する。さらに、時
刻、速度、運転操作内容、衝撃力の方向・大きさなどが
ドライブレコーダ7に記録され、事故解析に用いられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、事故が発生した時
にその事故情報を迅速且つ確実に通報できる二輪車の事
故通報システムに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】四輪車または二輪車が
衝突などの事故に遭遇した場合、速やかに救急機関、警
察、道路管理機関に通報することが必要である。こうし
た通報は、通常、乗員自身やその場に居合わせた者によ
って行われている。しかし、乗員自身が負傷している場
合であって且つ夜間や山間部のために居合わせる者がい
ない場合においては、通報が遅れるといった事態が発生
する。こうした通報の遅れは、特に人命救助の上で重大
な結果をもたらす虞がある。
【0003】そこで、近年においてはいわゆる「メーデ
ーシステム」と呼ばれる緊急通報システム、すなわち事
故の発生を検出し緊急通報センターなどに自動的に事故
情報を通報可能としたシステムが一部の四輪車を対象と
して実用化されている。
【0004】これに対し、二輪車にあっては、正面衝突
を検出することはエアバッグを動作させる条件として一
部において行われつつあるものの、現在位置の検出およ
び事故発生時の自動通報は行われていない。しかしなが
ら、二輪車は、当然の如く四輪車に比べ車体の不安定性
が大きく、正面衝突の他、バランスを崩すことによる横
転事故などを引き起こし易い。また、四輪車においては
シートベルトの装着義務化、エアバッグの標準装備、衝
撃を吸収し易い車両構造など事故発生時における乗員保
護対策が進んでいるが、二輪車においてはこうした対策
はとりづらい。そして、二輪車の場合、たとえ単なる横
転事故であっても、一旦事故が発生すると乗員が道路上
に投げ出されるなどして乗員自身が大きな怪我を負う場
合が多く、迅速且つ自動的に通報することが望まれてい
る。
【0005】本発明は上記二輪車特有の事情を鑑みてな
されたもので、その目的は、二輪車特有の事故発生態様
に基づいた的確な事故判定ができ、その事故情報を迅速
且つ自動的に通報可能にした二輪車の事故通報システム
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために請求項1に記載した手段を採用できる。この手段
によれば、衝撃力検出手段が二輪車に加わる衝撃力を少
なくとも相異なる3方向について検出するので、事故判
定手段はその検出された衝撃力に基づいて、三次元的に
何れの方向から衝撃が加わったのかを特定することがで
きる。これにより、二輪車が正面衝突したのか、横転し
たのか、転落したのかなどの詳しい事故発生状況を得る
ことができる。
【0007】また、通報手段は、事故判定手段が事故発
生有りと判定した時に、位置検出手段により検出した二
輪車の位置情報などの所定の事故情報を基地局に自動的
に通報するので、乗員が負傷して自ら連絡をとれない場
合であっても迅速な通報、救助が可能となる。
【0008】請求項2に記載した手段によれば、衝撃力
検出手段は、前記相異なる3方向について加速度を検出
する加速度検出手段により構成されるので、この検出さ
れた加速度の大きさ、変化割合、継続時間などに基づい
て衝撃力を検出することが可能となる。この場合、エア
バッグ展開用に設けられている加速度検出手段を用いる
こともできる。
【0009】請求項3に記載した手段によれば、衝撃力
検出手段は、二輪車の前後方向、左右方向、および上下
方向の衝撃力を検出するように構成されているので、正
面衝突(追突)、横転、転落など主要な事故形態の発生
時において衝撃力検出手段はその衝撃力を直接的に検出
可能となる。これにより、事故判定手段は、これら3方
向の衝撃力を合成演算することなく、個々の方向の衝撃
力に基づいて主要な事故の発生有無を判定することが可
能となる。また、これら3方向は互いに直交した関係に
あるので、衝撃力の方向を容易に特定できる。
【0010】請求項4に記載した手段によれば、位置検
出手段は、GPSを用いて当該二輪車の位置を検出する
ので、事故発生位置を正確に特定でき、救急車などの関
係車両が短時間で確実に事故発生現場へと到着可能とな
る。
【0011】請求項5に記載した手段によれば、通報手
段は、二輪車の位置情報、事故発生時刻に加え、事故発
生時に受けた衝撃力の方向を基地局に通報するので、基
地局においては事故の発生状況つまり正面衝突(追
突)、横転、転落の何れの事故形態であるかを判断で
き、より的確な事故処理や救助が可能となる。また、衝
撃力の方向は事故原因の解析にも有用となる。
【0012】請求項6に記載した手段によれば、事故判
定手段は手動発呼手段を備え、事故判定手段が事故発生
有りと判定した時に加え乗員が手動発呼手段を発呼操作
した時にも基地局への通報が行われる。従って、事故の
衝撃力が弱く事故判定手段が事故発生有りと判定しなか
ったような場合であっても、乗員自らが手動発呼操作を
することで容易に救助を求めることができる。また、他
の事故その他の緊急事態に遭遇したような場合に、手動
発呼手段を操作すれば、迅速な救援が可能となる。
【0013】請求項7に記載した手段によれば、通報手
段を、携帯電話機またはPHSにより構成するので、当
該事故通報システムのための専用送受信機や専用回線を
準備する必要がなく、その基盤整備に対するコストを低
減することができる。また、わが国においては、携帯電
話機またはPHSは殆どの地域で利用可能となっている
ので、確実に通報することができる。
【0014】請求項8に記載した手段によれば、記録手
段が、時刻、速度、運転操作、および衝撃力検出手段に
より検出された衝撃力を記録するので、事故が発生した
後でこの記録手段に記録されたデータを取り出すこと
で、事故の発生状況を詳細に知ることができ、事故解析
に役立つ。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1は、二輪車例えば
オートバイに搭載される事故通報システムの機能ブロッ
ク図を示している。この事故通報システム1は、緊急通
報システム(メーデーシステム)の車載側システムであ
る。緊急通報システムは、事故の発生を自動判定すると
ともに事故情報を緊急通報センターなどの基地局に自動
(もしくは手動)通報することで、救命率を上げること
を目的とするシステムである。
【0016】この図1において、事故通報システム1
は、マイクロコンピュータ2(以下、マイコン2と称
す)、衝撃力検出部3、GPS受信部4、携帯電話機
5、手動発呼スイッチ6、およびドライブレコーダ7か
ら構成されている。この事故通報システム1のうち衝撃
力検出部3と手動発呼スイッチ6とを除く構成部分は、
耐振動構造・耐衝撃構造を有する筐体に収納されてお
り、例えば図2に示すようにオートバイ8のシート10
内部に設置されている。
【0017】衝撃力検出手段としての衝撃力検出部3
は、3つの加速度センサA、B、C(本発明でいう加速
度検出手段に相当、以下センサA、B、Cと称す)から
構成されている。これら3つのセンサA、B、Cは、図
2に示すようにそれぞれオートバイ8のフロントフォー
ク9、シート10の内部、シート10の後方上部に固定
されており、それぞれオートバイ8の前後方向、左右方
向、上下方向の加速度を検出可能となっている。
【0018】位置検出手段としてのGPS受信部4は、
GPS(Global Positioning System )を用いてオート
バイ8の位置データ(緯度、経度、高度)を得るように
なっている。ただし、GPSは例えばトンネル内などで
は利用できないため、さらに位置検出手段としてジャイ
ロセンサおよび車速パルスを用いた位置検出部を設ける
ようにしても良い。
【0019】マイコン2は、CPU、RAM、ROM、
A/Dコンバータ(何れも図示せず)などから構成され
ており、事故判定手段として機能する他、事故通報シス
テム1の動作を統括制御するものである。マイコン2の
A/DコンバータにはセンサA、B、Cから上記相異な
る3方向の加速度信号が入力されている。また、マイコ
ン2にはGPS受信部4から上記位置データが入力さ
れ、さらに車速センサ(図示せず)から車速パルスが入
力されるようになっている。
【0020】このマイコン2は、詳しくは後述するよう
に、予めROMに書き込まれた事故判定処理プログラム
に従って事故発生の有無や衝撃力の方向を判定し、さら
に衝撃力の大きさを算出する。そして、マイコン2は、
事故発生有りと判定した時には通報手段としての携帯電
話機5を介して事故情報すなわち位置データ、事故発生
時刻、衝撃力の方向などを基地局に自動的に通報するよ
うになっている。さらに、マイコン2は、所定時間毎に
時刻、速度、運転操作内容(例えばハンドルの回転角、
アクセル操作の有無、ブレーキ操作の有無)、検出され
た衝撃力の方向・大きさなどを記録手段としてのドライ
ブレコーダ7に記録するようになっている。この場合の
ドライブレコーダ7としては、フラッシュROMなどの
不揮発性メモリを用いても良い。
【0021】手動発呼手段としての手動発呼スイッチ6
は、例えば押釦スイッチから構成され、ハンドルなど乗
員が緊急時に操作可能な部位に取り付けられている(図
2参照)。この手動発呼スイッチ6がオン操作されると
手動発呼信号が出力される。マイコン2は、この手動発
呼信号を入力すると、車速や事故判定結果にかかわらず
携帯電話機5によって基地局への通報を行うようになっ
ている。
【0022】次に、上記構成を有する事故通報システム
1の動作について図3および図4も参照しながら説明す
る。図3は、マイコン2が実行する事故判定処理のフロ
ーチャートを示している。この図3に示す事故判定処理
は、一定時間例えば0.5秒毎に実行されるようになっ
ており、マイコン2は、まずステップS1において、G
PS受信部4から位置データ(緯度、経度、高度)を入
力する。なお、この入力処理は、事故判定処理ルーチン
が実行される毎(つまり0.5秒毎)に毎回行う必要は
なく、例えば1回おき(つまり1秒毎)に実行するよう
にしても良い。
【0023】続いて、マイコン2は、車速パルスに基づ
いて速度を計算し、その速度が所定のしきい値以下であ
るかどうかを判断する(ステップS2)。このしきい値
は、オートバイ8が停止中かどうかを判断するためのも
ので、マイコン2は、速度がこのしきい値以下の時には
停止中(YES)と判断し、衝撃力の判断処理などを飛
ばしてステップS9に移行する。これは、事故通報シス
テム1が、走行中において衝撃力が加わった場合を自動
通報すべき重大な事故として認識するためである。
【0024】一方、マイコン2は、ステップS2におい
て走行中(NO)と判断すると、ステップS3において
センサAからの加速度信号および車体の基準質量に基づ
いて前後方向の衝撃力FA(図4参照)を計算する。そ
して、マイコン2は、ステップS4においてこの衝撃力
FAがしきい値を超えたかどうか、つまり前後方向から
事故(衝突事故、追突事故など)に相当する程度の衝撃
力が加わったかを判断する。この場合、より正確な判断
を行うために、衝撃力FAの微分値FA1および区間積
分値FA2を計算し、それらがそれぞれ所定値を超えた
かどうかによって事故発生の判断をするようになってい
る。なお、上記しきい値および所定値は車種によって値
が異なる。
【0025】マイコン2は、ステップS4で前後方向の
衝撃力FAがしきい値以下(NO)と判断すると、ステ
ップS5に移行してセンサBからの加速度信号などに基
づいて左右方向の衝撃力FB(図4参照)を計算する。
そして、マイコン2は、ステップS6においてこの衝撃
力FBがしきい値を超えたかどうか、つまり左右方向か
ら事故(横転事故、横方向からの追突事故など)に相当
する程度の衝撃力が加わったかを判断する。この場合
も、ステップS4と同様に、衝撃力FBの微分値FB1
および区間積分値FB2に基づいて事故発生の判断を行
う。
【0026】さらに、マイコン2は、ステップS6で左
右方向の衝撃力FBもしきい値以下(NO)と判断する
と、ステップS7に移行してセンサCからの加速度信号
などに基づいて上下方向の衝撃力FC(図4参照)を計
算する。そして、マイコン2は、ステップS8において
この衝撃力FBがしきい値を超えたかどうか、つまり上
下方向から事故(転落事故など)に相当する程度の衝撃
力が加わったかを判断する。このステップS8において
も、衝撃力FCの微分値FC1および区間積分値FC2
に基づいた事故発生の判断を行う。
【0027】このステップS8において上下方向の衝撃
力FCもしきい値以下(NO)と判断された場合は、走
行中の事故は発生していないということになる。この場
合および前記ステップS2で停止中と判断された場合に
は、マイコン2は手動発呼スイッチ6がオン操作(手動
発呼操作)されたかどうかを手動発呼信号の入力有無に
より判断する。そして、手動発呼操作がない(NO)場
合には、通報することなく事故判定処理を終了する。
【0028】一方、マイコン2は、前記ステップS4で
衝撃力FAがしきい値を超えた(つまり事故発生)と判
断すると、さらにステップS10、S11においてそれ
ぞれステップS5、S7と同様の計算を行って左右方向
の衝撃力FB、上下方向の衝撃力FCを求めステップS
12に移行する。また、前記ステップS6で衝撃力FB
がしきい値を超えた(つまり事故発生)と判断した場合
にも、未計算であった上下方向の衝撃力FCをステップ
S11において求めた後ステップS12に移行する。ス
テップS8で衝撃力FCがしきい値を超えた(つまり事
故発生)と判断した場合には、既に衝撃力FA、FB、
FCの計算が完了しているのでそのままステップS12
に移行する。
【0029】マイコン2は、このステップS12におい
て、図4に示すように互いに直交する向きを有する衝撃
力FA、FB、FCをベクトル合成した合成衝撃力FD
の大きさを計算する。また、マイコン2は、微分値FA
1、FB1、FC1および区間積分値FA2、FB2、
FC2についてもベクトル合成し、これらに基づいてよ
り正確な衝突方向の特定、横転検出などを行う。
【0030】そして、マイコン2は、ステップS13に
おいて事故情報すなわち位置データ、事故発生時刻、特
定した衝撃力の方向などのデータを携帯電話機5を介し
て基地局にデータ送信した後、当該事故判定処理を終了
する。また、マイコン2は、ステップS9において手動
発呼あり(YES)と判断した場合にも、位置データな
どを基地局へ通報する。
【0031】なお、通報を受ける基地局にあっては、デ
ータ通信で送られてきた位置データをディジタル地図上
にマップマッチングさせ、その事故発生位置を特定す
る。そして、基地局のオペレータは、通報のあったオー
トバイ8の乗員と音声通話を行って安否の確認などを行
い、その結果に応じて警察、消防などに連絡して緊急車
両の出動を要請する。
【0032】以上述べたように、本実施形態の事故通報
システム1は、オートバイ8に搭載され、その前後方
向、左右方向、上下方向の加速度からその方向の衝撃力
FA、FB、FCを検出して、その各衝撃力FA、F
B、FCに基づいて事故の発生有無を判定するように構
成したので、衝突事故や転落事故はもちろん斜め方向の
衝突、バランスを崩すことにより発生する二輪車の横転
事故の発生有無も確実に判定することが可能となる。し
かも、センサA、B、Cによる加速度の検出方向は、主
要な事故形態の発生時において作用する衝撃力の方向と
一致しているので、各センサA、B、Cから得た衝撃力
FA、FB、FCをベクトル演算することなく直接的に
用いて各形態の事故の発生有無を判定することができ
る。また、二輪車の場合、四輪車に比べ車体が小さいた
めに、部分的な衝突であっても四輪車の場合よりも確実
な事故判定が可能となる。
【0033】この場合、衝撃力FA、FB、FCの微分
値FA1、FB1、FC1および区間積分値FA2、F
B2、FC2を計算し、これらがそれぞれ所定値を超え
たかどうかによって事故の発生有無の判定および衝撃力
の方向の特定を行うようになっているので、より正確な
情報を得ることが可能となっている。
【0034】そして、事故通報システム1は、事故発生
有りと判定した時に、オートバイ8の位置データ、事故
発生時刻、衝撃力の方向などのデータを携帯電話機5を
介して基地局に送信するので、乗員が負傷して自ら連絡
をとれない場合であっても迅速な通報、救助が可能とな
る。特に、送信データには衝撃力の方向が含まれるの
で、基地局では事故の発生状況つまり正面衝突(追
突)、横転、転落の何れの事故形態であるかを判断で
き、より的確な事故処理や救助が可能となる。なお、衝
撃力の方向は事故原因の解析にも有用となる。
【0035】また、手動発呼スイッチ6を備え、この手
動発呼スイッチ6がオン操作されると事故判定結果にか
かわらず基地局への自動通報を行うように構成されてい
るので、例えば事故の衝撃力が弱くマイコン2が事故発
生有りと判定しなかったような場合であっても、乗員自
らの操作によって救助を求めることができ、より確実な
救助が可能となっている。さらに、この手動発呼スイッ
チ6は、停車中であっても有効であるので、他の事故や
緊急事態に遭遇したような場合にも緊急通報用に使用で
きる。
【0036】さらに、事故通報システム1にはドライブ
レコーダ7が設けられているので、事故が発生した場合
であっても、その記録された時刻、速度、運転操作内
容、衝撃力の方向・大きさなどを読み出して解析するこ
とにより、事故の発生状況を正確に知ることができる。
【0037】事故通報システム1は、GPSを用いてい
るので正確な位置データを把握でき、緊急車両が短時間
で確実に事故発生位置へと到着可能となる。また、通報
手段として携帯電話機5を利用しているので、緊急通報
システムのための専用送受信機や専用回線を準備する必
要がなく、その基盤整備に対するコストを低減すること
ができる。また、携帯電話機5は殆どの地域で利用可能
となっているので、確実に通報することができる。
【0038】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、次のように変形または拡張が可能であ
る。事故通報システム1は、特に横転事故など二輪車に
多く見られる事故をも正しく判定できる点に特徴を有す
るので、オートバイ8の他、自転車や原動機付自転車な
どに搭載しても良い。事故通報システム1、センサA、
B、C、手動発呼スイッチ6の取付位置は、図2に示す
部位以外であっても良い。
【0039】図3に示すフローチャートのステップS2
において、停止中かどうかの判断を行ったが、この判断
処理を省略し、停止中においても衝撃力に基づいた事故
の発生有無の判定を行うようにしても良い。これによ
り、停止中における追突事故、転倒事故などを検出可能
となる。また、ステップS4、S6、S8の判断におい
て、衝撃力FA、FB、FCの微分値FA1、FB1、
FC1および区間積分値FA2、FB2、FC2と比較
される所定値を車速に応じて可変設定するようにしても
良い。
【0040】基地局に通報する事故情報には、位置デー
タ、事故発生時刻、衝撃力の方向の他、合成衝撃力FD
の大きさ、走行軌跡、運転操作内容などを含めても良
い。また、通常手段としては携帯電話機5の他、PHS
(簡易型携帯電話システム)、無線電話システムなどで
あっても良い。
【0041】エアバッグを搭載したオートバイ8にあっ
ては、センサAからの加速度信号に代えて、エアバッグ
展開用に設けられた加速度センサからの加速度信号を用
いても良い。また、センサA、B、Cが1つのパッケー
ジにまとめられて3方向の加速度検出が可能となった1
つの加速度センサを用いても良い。さらに、衝撃力検出
手段としては、加速度センサA、B、Cに限られず、例
えば衝撃力により動作するスイッチであっても良い。
【0042】位置検出手段を、道路交通情報システム例
えばVICS(Vehicle Information and Communicatio
n System)で用いる電波ビーコンや光ビーコンの受信装
置により構成しても良い。この場合、これらビーコン信
号から位置データを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す事故通報システムの
機能ブロック図
【図2】事故通報システム、センサ、手動発呼スイッチ
の取付位置を示す図
【図3】事故判定処理のフローチャート
【図4】衝撃力FA、FB、FCおよび合成衝撃力FD
を示すベクトル図
【符号の説明】
1は事故通報システム、2はマイクロコンピュータ(事
故判定手段)、3は衝撃力検出部(衝撃力検出手段)、
4はGPS受信部(位置検出手段)、5は携帯電話機
(通報手段)、6は手動発呼スイッチ(手動発呼手
段)、7はドライブレコーダ(記録手段)、8はオート
バイ(二輪車)、A、B、Cは加速度センサ(加速度検
出手段)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 浩二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 阪野 広和 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二輪車に搭載され、 当該二輪車に加わる衝撃力を少なくとも相異なる3方向
    について検出する衝撃力検出手段と、 この検出された衝撃力に基づいて事故発生の有無および
    衝撃力の方向を判定する事故判定手段と、 当該二輪車の位置情報を検出する位置検出手段と、 前記事故判定手段が事故発生有りと判定した時に所定の
    事故情報を基地局に通報する通報手段とを備えて構成さ
    れていることを特徴とする二輪車の事故通報システム。
  2. 【請求項2】 前記衝撃力検出手段は、前記相異なる3
    方向について加速度を検出する加速度検出手段により構
    成され、この検出された加速度に基づいて前記衝撃力を
    検出することを特徴とする請求項1記載の二輪車の事故
    通報システム。
  3. 【請求項3】 前記衝撃力検出手段は、当該二輪車の前
    後方向、左右方向、および上下方向の衝撃力を検出する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の二輪車の事故
    通報システム。
  4. 【請求項4】 前記位置検出手段は、GPS(Global P
    ositioning System)を用いて前記位置情報を検出する
    ことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の二
    輪車の事故通報システム。
  5. 【請求項5】 前記通報手段は、少なくとも前記位置検
    出手段により検出された当該二輪車の位置情報、事故発
    生時刻、および前記事故判定手段により判定された衝撃
    力の方向を通報することを特徴とする請求項1ないし4
    の何れかに記載の二輪車の事故通報システム。
  6. 【請求項6】 前記事故判定手段は手動発呼手段を備
    え、 前記通報手段は前記事故判定手段が事故発生有りと判定
    した時に加え前記手動発呼手段が発呼操作された時に通
    報することを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記
    載の二輪車の事故通報システム。
  7. 【請求項7】 前記通報手段は、携帯電話機またはPH
    S(簡易型携帯電話システム)であることを特徴とする
    請求項1ないし6の何れかに記載の二輪車の事故通報シ
    ステム。
  8. 【請求項8】 時刻、速度、運転操作、および前記衝撃
    力検出手段により検出された衝撃力を記録する記録手段
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし7の何れかに
    記載の二輪車の事故通報システム。
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