JP4707211B2 - 新生瓦の補修塗装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面の塗膜が劣化した新生瓦の補修塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、経年で表面の化粧仕上げ層が劣化した新生瓦を補修塗装して塗り替える場合には、サンダーによるケレン、水洗などにより、新生瓦表面の劣化層を、必要に応じて除去し、下塗り塗装し、乾燥後、上塗塗装を行う工程が一般に行われている。この場合、下塗塗料としては、周辺住民への臭気による影響を考慮して水性下塗塗料が一般に使用されている。
【0003】
上記塗り替えにおいて、足場の不安定な傾斜した屋根でのケレン作業は危険であり、ケレン精度の悪い場合が多い。また、ケレン作業は騒音の問題があるため密集住宅地区では採用できず、水洗い、清掃だけで、次の塗装工程を行わざるを得ない場合もある。このように下地処理が充分でない場合、上記水性下塗塗料を塗装すると、浸透力が小さいため、劣化層への浸透、固化作用が不十分となって劣化層の層内凝集破壊を起こし、短期間で剥離事故が発生するといった問題があった。
【0004】
本発明の目的は、新生瓦の補修塗装において、劣化層の除去などの下地処理が不十分な場合においても劣化層に充分に浸透し固化して劣化層を補強でき、基材である新生瓦への密着性、耐水性に優れた塗膜を形成でき、しかも臭気の問題のない塗装方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、シリコン変性アクリルポリオールとポリイソシアネート化合物との樹脂系であって、弱溶剤を溶剤成分とする下塗塗料を塗装し、ついで上塗塗装を行うことによって上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、表面に塗装した塗膜が劣化した新生瓦を補修塗装する方法であって、該劣化塗膜を有する新生瓦の表面の劣化層を、必要に応じて除去した後、
(A)シリコン変性アクリルポリオール、
(B)ポリイソシアネート化合物及び
(C)有機溶剤
を含有する塗料であって、かつ該有機溶剤(C)が、脂肪族炭化水素系溶剤及び沸点148℃以上の高沸点芳香族炭化水素系溶剤から選ばれる炭化水素系溶剤を95重量%以上含有する有機溶剤である下塗塗料を塗装し、ついで上記有機溶剤(C)として規定の有機溶剤成分を溶媒とするか又は水性である上塗塗料を塗装することを特徴とする新生瓦の補修塗装方法を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、(A)シリコン変性アクリルポリオール、
(B)ポリイソシアネート化合物、
(C)有機溶剤、及び
必要に応じてシランカップリング剤を含有する塗料であって、かつ該有機溶剤(C)が、脂肪族炭化水素系溶剤及び沸点148℃以上の高沸点芳香族炭化水素系溶剤から選ばれる炭化水素系溶剤を95重量%以上含有するものであることを特徴とする新生瓦の補修塗装用下塗塗料を提供するものである。
【0008】
さらに、本発明は、(D)シリコン変性アクリルポリオール、
(E)ポリイソシアネート化合物、
(F)着色顔料、
(G)有機溶剤、及び
必要に応じて有機重合体微粒子を含有する塗料であって、かつ該有機溶剤(G)が、脂肪族炭化水素系溶剤及び沸点148℃以上の高沸点芳香族炭化水素系溶剤から選ばれる炭化水素系溶剤を95重量%以上含有するものであることを特徴とする新生瓦の補修塗装用上塗塗料を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明方法について詳細に説明する。
【0010】
本発明方法における「新生瓦」とは、スレート系瓦の総称で、乾式製法スレート瓦、フレキシブルボード瓦、化粧セメント瓦、天然スレート瓦、石綿スレート瓦のことである。
【0011】
この新生瓦には、耐久性と美観性の向上のために化粧仕上げ層が形成されているが、経時で化粧仕上げ層が劣化する。本発明方法は、その劣化層を有する新生瓦の補修塗装(塗り替え)に関する。
【0012】
本発明方法においては、下塗塗装を行う前に、必要に応じて、新生瓦表面の劣化層を除去する。劣化層を除去する方法としては、サンダー掛け、高圧水洗、ワイヤブラシでの手研ぎなどが挙げられる。劣化層を除去することが補修塗装後の耐久性の面から好適である。
【0013】
本発明方法においては、必要に応じて劣化層を除去した上記新生瓦の表面に下記の下塗塗料を塗装する。
【0014】
下塗塗料
本発明方法に使用される本発明の下塗塗料は、下記(A)、(B)及び(C)成分を含有する。
【0015】
シリコン変性アクリルポリオール(A)
シリコン変性アクリルポリオール(A)としては、(1)アルコキシシリル基含有オルガノポリシロキサンと水酸基含有アクリル樹脂とを脱アルコール反応させてなる縮重合体、(2)オルガノポリシロキサン鎖と重合性不飽和基を有するポリシロキサンマクロモノマーと他の重合性不飽和単量体との共重合体などを挙げることができる。
【0016】
上記縮重合体(1)において、アルコキシシリル基含有オルガノポリシロキサンと水酸基含有アクリル樹脂との配合比率は、前者/後者の重量比で、通常、3/97〜50/50、好ましくは5/95〜30/70の範囲内にあることが好適である。
【0017】
上記共重合体(2)において、ポリシロキサンマクロモノマーと他の重合性不飽和単量体との共重合比率は、前者/後者の重量比で、通常、3/97〜50/50、好ましくは5/95〜30/70の範囲内にあることが好適である。
【0018】
シリコン変性アクリルポリオール(A)は、水酸基価が20〜100mgKOH/gの範囲内にあり、数平均分子量が10,000〜50,000の範囲内にあることが好適である。
【0019】
ポリイソシアネート化合物(B)
ポリイソシアネート化合物(B)は、シリコン変性アクリルポリオール(A)の硬化剤として働くものであり、ポリイソシアネート化合物(B)としては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)−ジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどの環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類;リジントリイソシアネ−トなどの3価以上のポリイソシアネートなどの如き有機ポリイソシアネートそれ自体、又はこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き各有機ジイソシアネート同志の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビウレット型付加物などが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0020】
有機溶剤(C)
本発明方法に使用する下塗塗料は、有機溶剤型であり、溶剤成分が有機溶剤(C)からなる。有機溶剤(C)は、塗料組成物の各成分の均一溶解又は分散化、粘度調整などの目的で使用される。有機溶剤(C)は、脂肪族炭化水素系溶剤及び沸点150℃以上の高沸点芳香族炭化水素系溶剤から選ばれる炭化水素系溶剤を、該有機溶剤(C)中、95重量%以上含有するものである。
【0021】
上記脂肪族炭化水素系溶剤及び高沸点芳香族炭化水素系溶剤の具体例としては、例えば、VM&Pナフサ、ミネラルスピリット、ソルベント灯油、芳香族ナフサ、ソルベントナフサ、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200[「ソルベッソ」はエッソ石油社の登録商標]、スワゾール310、スワゾール1000、スワゾール1500[「スワゾール」はコスモ石油社の登録商標]などの比較的溶解力の小さい脂肪族系又は芳香族系炭化水素類;n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソノナン、n−デカン、n−ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブタンなどの脂肪族炭化水素類などが用いられる。
【0022】
本発明組成物中の有機溶剤は、すべてが脂肪族炭化水素系溶剤又は高沸点芳香族炭化水素系溶剤であることが最も好ましいが、有機溶剤中に、脂肪族炭化水素系溶剤及び高沸点芳香族炭化水素系溶剤以外のその他の有機溶剤を5%以下、好ましくは3%以下含有していてもよい。その他の有機溶剤量が増すと、溶剤臭の問題が発生したり、塗り重ね時に旧塗膜のリフティングを起こしやすくなるといった問題がある。
【0023】
本発明方法に使用される本発明の下塗塗料において、前記シリコン変性アクリルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)との配合割合は、特に制限されるものではないが、通常、両者の合計固形分100重量部に基づき、固形分量で、シリコン変性アクリルポリオール(A)が、60〜95重量部、好ましくは65〜90重量部の範囲内にあり、ポリイソシアネート化合物(B)が、5〜40重量部、好ましくは10〜35重量部の下記の範囲内にあることが好適である。
【0024】
本発明の下塗塗料において、有機溶剤(C)の含有量は、特に限定されるものではなく、塗料状態や塗料粘度を適性範囲に保持できる量であればよく、通常、塗料中に20〜80重量%となる量である。
【0025】
本発明方法に使用する下塗塗料は、必要に応じてシランカップリング剤を含有することができる。このシランカップリング剤の具体例としては、例えば、γ−N−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキル)エチルトリメトキシシランなどを挙げることができる。シランカップリング剤は、下塗塗膜の新生瓦との密着性向上などに寄与することができる。シランカップリング剤の配合量は、通常、下塗塗料中の樹脂固形分100重量部に対して、通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下の範囲内にあることが塗面外観、塗料安定性などの観点から適当である。
【0026】
本発明方法に使用する本発明の下塗塗料は、さらに必要に応じて、硬化触媒、着色顔料、体質顔料、塗料用としてそれ自体既知の消泡剤、塗面調整剤、流動性調整剤などの添加剤を含有していてもよい。
【0027】
上記下塗塗料の塗装は、スプレー塗装法、刷毛塗り、ローラー塗りなどそれ自体既知の塗装方法によって行うことができる。下塗塗料の塗布量は特に制限されるものではないが、通常、乾燥塗膜量が30〜70g/m2の範囲内にあることが好適である。塗布された下塗塗料は下塗塗膜を形成するが、その一部は新生瓦の内部に浸透し新生瓦の強度向上にも役立つことができる。塗布された下塗塗料膜は、通常、常温で2〜16時間程度乾燥させることによって上塗塗料を塗装可能な状態に乾燥させることができる。
【0028】
本発明方法に使用される下塗塗料は、劣化層の除去などの下地処理が不十分な場合においても劣化層に充分に浸透し固化して劣化層を補強でき、基材である新生瓦への密着性、耐水性に優れた塗膜を形成でき、しかも臭気の問題をなくすことができる。
【0029】
上塗塗料
本発明方法における上塗塗料は、溶媒が上記下塗塗料における有機溶剤(C)として規定した有機溶剤成分であるか、又は水性である塗料であって、上塗塗膜として必要な塗膜性能、塗膜外観を有する塗膜を形成可能な塗料であれば、特に制限なく使用することができる。本発明方法における上塗塗料は、上記特定の有機溶剤であるか、又は水性であるので臭気の問題のないものである。
【0030】
上塗塗料としては、なかでもシリコン変性アクリルポリオール(D)、ポリイソシアネート化合物(E)、着色顔料(F)、有機溶剤(G)を含有する本発明の上塗塗料が下塗塗膜との密着性、塗膜性能などの面から好適である。
【0031】
シリコン変性アクリルポリオール(D)としては、前記下塗塗料におけるシリコン変性アクリルポリオール(A)として使用可能なシリコン変性アクリルポリオールを同様に使用することができる。
【0032】
ポリイソシアネート化合物(E)としては、前記下塗塗料におけるポリイソシアネート化合物(B)として使用可能なポリイソシアネート化合物を同様に使用することができる。
【0033】
着色顔料(F)としては、塗料分野でそれ自体既知の着色顔料を挙げることができ、具体例として、例えばキナクリドンレッド等のキナクリドン系、ピグメントレッド等のアゾ系、フタロシアニンブル−、フタロシアニングリ−ン、ペリレンレッド等のフタロシアニン系等の有機顔料、酸化チタン、カ−ボンブラック等の無機顔料、アルミニウムフレ−ク、銅フレ−ク、真鍮フレ−ク等のメタリック系顔料等を挙げることができる。
【0034】
有機溶剤(G)としては、前記下塗塗料における有機溶剤(C)として記載した、脂肪族炭化水素系溶剤及び沸点148℃以上の高沸点芳香族炭化水素系溶剤から選ばれる炭化水素系溶剤を95重量%以上含有する有機溶剤が使用される。
【0035】
本発明の上塗塗料は、必要に応じて有機重合体微粒子を含有することができる。有機重合体微粒子としては、例えば、非水分散重合法による有機重合体微粒子、水性エマルション重合による内部架橋樹脂微粒子などを挙げることができる。
【0036】
本発明の上塗塗料は、さらに必要に応じて、硬化触媒、体質顔料、塗料用としてそれ自体既知の消泡剤、塗面調整剤、流動性調整剤などの添加剤を含有していてもよい。
【0037】
上記上塗塗料の塗装は、スプレー塗装法、刷毛塗り、ローラー塗りなどそれ自体既知の塗装方法によって行うことができる。下塗塗料の塗布量は特に制限されるものではないが、通常、乾燥塗膜量が30〜70g/m2の範囲内にあることが好適である。塗布された上塗塗料膜は、通常、常温で4〜16時間程度乾燥させることによって硬化させることができる。
【0038】
【実施例】
本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は特に断りのない限り、いずれも重量基準によるものとする。
【0039】
下塗塗料の調製
実施例1
「アクリディックA−870」(大日本インキ化学工業(株)製、シリコン変性アクリルポリオール、固形分50%)40部、ミネラルスピリット60部及び「バーノックDN−990S」(大日本インキ化学工業(株)製、ポリイソシアネート化合物、固形分100%)10部を混合し、下塗塗料(U−1)を調製した。
【0040】
実施例2
「アクリディックA−870」40部、「SH6040」(東レ・ダウコーニング・シリコン(株)製、シランカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)1部、ミネラルスピリット59部及び「バーノックDN−990S」10部を混合し、下塗塗料(U−2)を調製した。
【0041】
上塗塗料の調製
実施例3
「アクリディックA−870」(大日本インキ化学工業(株)製、シリコン変性アクリルポリオール、固形分50%)70部、ミネラルスピリット20部及び着色顔料10部(チタン白5部とベンガラ3部とカーボンブラック2部からなる)を混合分散し、このものに「バーノックDN−990S」(大日本インキ化学工業(株)製、ポリイソシアネート化合物、固形分100%)20部を混合し、ブラウン色の上塗塗料(T−1)を調製した。
【0042】
新生瓦の補修塗装方法
実施例4〜9及び比較例1〜2
後記表1に示す工程にて新生瓦の補修塗装方法を行った。この補修塗装方法において使用した試験素材、素地調製方法、下塗塗料、上塗塗料は下記のとおりである。
【0043】
(1)試験素材:15年間屋外にバクロされた新生瓦
(2)素地調製方法:(A)、(B)2種
素地調製方法(A)は、高圧水洗処理(圧力:10MPa、水量:10L/分)、
素地調製方法(B)は、手水洗処理(ワイヤブラシで軽ケレン)
(3)下塗塗料:実施例1の下塗塗料(U−1)、実施例2の下塗塗料(U−2)及び(U−3)(注1)の3種
(4)上塗塗料:実施例3の上塗塗料(T−1)、(T−2)(注2)の2種。
【0044】
上記(註)はそれぞれ下記の意味を有する。
【0045】
(注1)(U−3):関西ペイント(株)製、商品名「アクアシリコンシーラー」(アクリルシリコン系水性下塗塗料)
(注2)(T−2):関西ペイント(株)製、商品名「アクアヤネシリコン」、アクリルシリコン系水性上塗塗料、塗色はブラウン色。
【0046】
実施例4〜9及び比較例1〜2において、素地調整された試験素材へ下塗塗料を中毛ローラーで、約50g/m2の乾燥塗膜量にて1回塗り塗装し、室温で4時間放置して乾燥させた後、上塗塗料を中毛ローラーで、1回の乾燥塗膜量約90g/m2にて2回塗り塗装(乾燥塗膜量合計約180g/m2)し、室温(約20℃)で7日間乾燥させて試験塗板を得た。
【0047】
得られた試験塗板について、下記試験方法に基づいて各種試験を行った。試験結果を後記表1に示す。
【0048】
試験方法
付着性:試験塗板表面にナイフにより素地に達するクロスカット傷(60度で交差する長さ約6cmの傷)を入れ、クロスカット傷部分にガムテープを貼着し、瞬時に剥がしたときの塗膜外観を下記基準により評価した。また、試験塗板を水中に3日間浸漬した浸水塗板についても同様にクロスカット傷を入れ、付着性試験を行った。
○:塗膜の剥離が認められず良好、
×:塗膜の剥離が認められる。
【0049】
温水浸漬:試験塗板を50℃の温水に7日間浸漬した後、引き上げて塗膜の剥離状況を調べ、下記基準にて評価した。
○:塗膜にワレ、剥離、フクレ、変色などの異常が認められない、
×:塗膜に異常が認められる。
【0050】
温冷繰返しサイクル試験:JIS A 6909 5.9に準じ、〔(約20℃の水中18時間浸漬)−(約−20℃の恒温槽で3時間冷却)−(約50℃の恒温槽で3時間加温)〕を1サイクルとして10サイクル試験を行い、下記基準にて評価した。
○:塗膜にワレ、剥離、フクレ、変色などの異常が認められない、
×:塗膜に異常が認められる。
【0051】
凍結融解サイクル試験:ASTM C−666A法に準じ、100サイクル試験を行い、下記基準にて評価した。
○:塗膜にワレ、剥離、フクレ、変色などの異常が認められない、
×:塗膜に異常が認められる。
【0052】
【表1】
【0053】
表1における(註)は、下記の意味を有する。
(注3):塗膜の剥離がみられ、剥離箇所は新生瓦表面と下塗塗膜との間である。
【0054】
【発明の効果】
本発明方法によって、新生瓦の補修塗装において、劣化層の除去などの下地処理が不十分な場合においても劣化層に充分に浸透し固化して劣化層を補強でき、基材である新生瓦への密着性、耐水性に優れた塗膜を形成でき、しかも臭気の問題のない塗装方法を提供することができる。
Claims (4)
- 表面に塗装した塗膜が劣化した新生瓦を補修塗装する方法であって、該劣化塗膜を有する新生瓦の表面の劣化層を、必要に応じて除去した後、
(A)(1)アルコキシシリル基含有オルガノポリシロキサンと水酸基含有アクリル樹脂とを脱アルコール反応させてなる縮重合体及び(2)オルガノポリシロキサン鎖と重合性不飽和基を有するポリシロキサンマクロモノマーと他の重合性不飽和単量体との共重合体から選ばれるシリコン変性アクリルポリオール、
(B)ポリイソシアネート化合物及び
(C)有機溶剤を含有する塗料であって、かつ該有機溶剤(C)が、脂肪族炭化水素系溶剤及び沸点148℃以上の高沸点芳香族炭化水素系溶剤から選ばれる炭化水素系溶剤を95重量%以上含有する有機溶剤である下塗塗料を塗装し、ついで
(D)(1)アルコキシシリル基含有オルガノポリシロキサンと水酸基含有アクリル樹脂とを脱アルコール反応させてなる縮重合体及び(2)オルガノポリシロキサン鎖と重合性不飽和基を有するポリシロキサンマクロモノマーと他の重合性不飽和単量体との共重合体から選ばれるシリコン変性アクリルポリオール、
(E)ポリイソシアネート化合物、
(F)着色顔料、及び
(G)脂肪族炭化水素系溶剤及び沸点148℃以上の高沸点芳香族炭化水素系溶剤から選ばれる炭化水素系溶剤を95重量%以上含有する有機溶剤、を含有する上塗塗料を塗装する方法であって、下塗塗料の一部は新生瓦の内部に浸透し新生瓦の強度を向上させることを特徴とする新生瓦の補修塗装方法。 - シリコン変性アクリルポリオール(A)が、アルコキシシリル基含有オルガノポリシロキサンと水酸基含有アクリル樹脂とを脱アルコール反応させてなる水酸基価が20〜100mgKOH/gの範囲内にある縮重合体であって、該アルコキシシリル基含有オルガノポリシロキサンと該水酸基含有アクリル樹脂との配合比率が、前者/後者の重量比で、3/97〜50/50の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の塗装方法。
- 上記下塗塗料が、さらにシランカップリング剤を含有するものである請求項1又は2記載の塗装方法。
- 上塗塗料が、さらに有機重合体微粒子を含有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗装方法。
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JP2001355317A (ja) | 2001-12-26 |
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