JP4702505B2 - ギヤ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるS−P−C形遊星歯車機構における動的バランスを改善するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
入力軸と出力軸の軸芯を一致させたギヤ装置として、遊星歯車機構が良く知られている。この遊星歯車機構は、一般的にサンギヤ、プラネタギヤ及びキャリヤの三要素からなり、サンギヤは外歯車と内歯車(リングギヤ)の少なくとも一方を含むものである。そして、上記三要素の組合せによって、種々の形式に分類されている。
【0003】
図7には、遊星歯車機構の形式の中で、S−P−C形遊星歯車機構と称されるギヤ装置を模式的に示している。ここで、符号Sはサンギヤの軸を、符号Pはプラネタギヤの軸を、符号Cはキャリヤの軸を意味するものであり、これらの各軸を基本構成としている。図7の例では、キャリヤの軸Cは入力軸であり、プラネタギヤの軸Pは出力軸である。また、プラネタギヤはキャリヤの軸Cによって、偏芯支持されかつ回転可能となっている。そして、プラネタギヤは固定されたサンギヤ(リングギヤ)と噛合うことで、自転運動及び公転運動を行なう。なお、プラネタギヤの軸Pは、プラネタギヤの自転運動のみ出力として取り出すために、自在継手J若しくはこれに相当する連結要素を備えている。
【0004】
このS−P−C形遊星歯車機構は、入力軸と出力軸の軸芯を一致させた状態で、かつ、二つのギヤ(リングギヤ、プラネタギヤ)のみによって比較的大きな減速比(30:1)を得ることができることから、様々な分野で利用価値の高いものである。なお、いわゆるハーモニックドライブも、当該S−P−C形遊星歯車機構に分類されるギヤ装置である。
【0005】
このS−P−C形遊星歯車機構は、プラネタギヤの偏芯運動に伴う振動を抑えることが必要不可欠となる。図8には、かかる振動の発生を抑えることを目的として構成された、従来のS−P−C形ギヤ装置を示している。
【0006】
このギヤ装置1は、入力軸2と出力軸3との間に、固定されたリングギヤ4と、自転運動及び公転運動を行なうプラネタギヤ5とを配置して、一段の減速を行なうものである。入力軸2には、偏芯部2a,2a’を設け、かかる部分によって、プラネタギヤ5,5’を偏芯させた状態で軸支している。また、図8 (a)に示すように、入力軸2の軸芯に対し、偏芯部2aを距離aだけ偏芯させた場合には、これと対称に、偏芯部2a’も距離aだけ偏芯させている。そして、プラネタギヤ5,5’が、夫々リングギヤ4と噛合い、自転運動及び公転運動を行なう際に発生する振動を、互いに打ち消している。
【0007】
なお、図7の自在継手Jに相当する連結要素として、出力軸3に固定されたフランジ6とプラネタギヤ5との間に、中継プレート7を配置し、中継プレート7の表裏には、互いに直交するようにキー溝7aを設けている。そして、該表裏のキー溝7aに対し摺動自在に、フランジ6に設けたキー6aと、プラネタギヤ5に設けたキー5aとを係合させて、自在継手を形成している。また、図示は省略するが、同様の機構によって、プラネタギヤ5’の自転運動を出力軸3に伝達する連結要素を設けることも可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
さて、図8に示すギヤ装置は、プラネタギヤ5がリングギヤ4と噛合い、自転運動及び公転運動を行なう際に、プラネタギヤ5はプラネタギヤ5’のバランサとして機能し、プラネタギヤ5’はプラネタギヤ5のバランサとして機能することで、互いの振動を打ち消している。
【0009】
しかし、プラネタギヤ5とプラネタギヤ5’は、軸方向(入出力軸2,3の軸芯方向)に位置をずらして配置されているものである。よって、図8に示すギヤ装置は、各回転要素間の静的なバランスは確保されているが、各回転要素間の動的なバランスは確保されていない。従って、図8に示すギヤ装置は、高速運転する必要がある場合や、精密な作動を要求される使用条件下では、各回転要素間の動的アンバランスに起因する振動が、悪影響を及ぼすこともあった。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、いわゆるS−P−C形遊星歯車機構における動的バランスを改善し、様々な使用条件下で、振動の発生を抑制することが可能なギヤ装置を提供することにある。また、かかるギヤ装置の構造の複雑化を抑え、精密なギヤ装置を低コストで提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明の請求項1に係るギヤ装置では、軸芯を一致させた入力軸と出力軸との間に配置された二つの歯車によって、一段の減速を行なうギヤ装置であって、回転要素として、前記入力軸に対し偏芯する円形の凹部を有し前記入力軸に固定された円板と、前記円形の凹部によって回動自在に支持され前記円板の回転時に前記円形の凹部内で偏芯運動のみ行うよう回転運動を規制されたリングギヤと、前記出力軸に同軸状に固定され前記リングギヤと噛合うプラネタギヤとを含み、前記円板には、前記円形の凹部及び前記リングギヤによって失われる動的バランスを回復させるウエイト部を設けたものとしている。
【0012】
この構成では、前記円板に、前記円形の凹部及び前記リングギヤを配置することによって失われる前記円板の動的バランスを、前記ウエイト部によって回復させる。また、前記プラネタギヤは、前記出力軸に同軸状に固定しているので、偏芯運動を行うものではなく、その動的バランスは確保されている。
【0013】
しかも、前記ウエイト部は、前記円板の凹部以外の部分に前記凹部と同一深さの肉抜き部を形成してなるものであり、前記円板自体でウエイト部を形成するので、前記円板の軸方向のバランスを取るための部材を、前記円板に新たに付加する必要はない。また、前記肉抜き部を前記凹部と同一深さとすることにより、前記円板に円形の凹部を配置することによって失われる前記円板の動的バランスを確保している。
【0014】
また、本発明の請求項2に係るギヤ装置では、前記肉抜き部は、直径を統一させた複数の円形穴としている。このように、前記肉抜き部を、直径を統一させた複数の円形穴としたことで、当該肉抜きを形成する際の工数を低減する。
【0015】
また、本発明の請求項3に係るギヤ装置では、前記肉抜き部は、直径を徐々に変化させた複数の円形穴となっている。このように、前記肉抜き部を、直径を変化させた複数の円形穴とすることで、より理想的なバランス取りを行う。
【0016】
さらに、本発明の請求項4に係るギヤ装置では、軸芯を一致させた入力軸と出力軸との間に配置された二つの歯車によって、一段の減速を行なうギヤ装置であって、回転要素として、入力軸に設けた偏芯部に軸支され固定リングギヤと噛合い自転運動及び公転運動を行なうプラネタギヤを含み、該プラネタギヤに空洞部を設けて、該空洞部内に前記プラネタギヤのバランスを回復させるウエイト部を設けたものとしている。
【0017】
この構成では、前記プラネタギヤに空洞部を設け、該空洞部内に前記ウエイト部を設けることで、前記入力軸の偏芯部に軸支されて偏芯運動を行うプラネタギヤのバランスを、該プラネタギヤの内部で回復させる。すなわち、プラネタギヤ自体の動的バランスを確保することで、ギヤ装置全体としての動的バランスを確保する。
【0018】
さらに、前記ウエイト部は、その重心の偏芯運動が前記プラネタギヤの重心の偏芯運動と逆位相をなすように、前記入力軸の偏芯部に設けられていることにより、前記プラネタギヤの重心と前記ウエイト部の重心とは必ず釣り合う位置にあるので、前記ギヤ装置の回転要素であるプラネタギヤの動的バランスを確保することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、従来技術と同一部分又は相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明は省略する。
【0020】
図1には、本発明の第1の実施の形態に係るギヤ装置8を示している。なお、図1 (b)は、本実施の形態に係るギヤ装置8の要部断面図であり、図1 (a)は、図1 (b)のB−B線における断面図である。
【0021】
このギヤ装置8は、軸芯を一致させた入力軸9と出力軸10との間に、リングギヤ11と、プラネタギヤ12の二つの歯車を配置し、一段の減速を行なうものである。入力軸9には円板13を固定し、出力軸10にはプラネタギヤ12を固定している。
【0022】
また、円板13には、入力軸9に対し偏芯するように、円形の凹部13aを形成している。そして、円形の凹部13aによって、プラネタギヤ12と噛合うリングギヤ11を回動自在に支持している。
【0023】
さらに、円板13の円形の凹部13a以外の部分には、凹部13aと同一深さdの肉抜き部13bを形成している。このように、円板13の凹部13a以外の部分に凹部13aと同一深さdの肉抜き部13bを形成することで、円板13に凹部13a及びリングギヤ11を配置することによって失われる円板13の動的バランスを回復させる、ウエイト部Wを形成している。
【0024】
なお、肉抜き部13bは、図1(a)に示すように、直径を統一させた複数の円形穴としているが、例えば、複数の肉抜き部のうち、中央部にあるものから端部に向かうに従い、直径を徐々に小さくさせる場合もある。さらに、円板13の周端部を部分的に切欠くことによって前記複数の穴に代えることもできる。また、円板13は一体構造である必要はなく、例えば図1の深さdにおいて、軸方向に分割した構造とすることも可能である。
【0025】
ギヤ装置8の、リングギヤ11と軸方向に隣接する位置には、中心部に出力軸10を挿通する二枚のプレート14,15を備えている。プレート15は、図示しないギヤ装置のケーシングに固定されて回転規制がなされている。そして、プレート15はキー溝15bを備え、キー溝15bには、プレート14に設けたキー14aを摺動自在に係合させている。また、プレート14のリングギヤ11との対向面には、キー14aと直交する方向のキー溝14bを設けている。そして、リングギヤ11に設けたキー11aを、キー溝14bに対し摺動可能に係合させている。以上の構成によって、図7の自在継手Jに相当する連結要素を構成しているが、係る構成に限定されるものではない。
【0026】
また、以上の構成によって、リングギヤ11はプレート14,15によってその回転運動が規制される。そして、入力軸9と一体に円板13が回転する際に、リングギヤ11は、円板13の凹部13a内で偏芯運動のみ行うこととなる。この偏芯運動のみ行うリングギヤ11は、出力軸10に同軸状に固定されたプラネタギヤ12と噛合っている。そして、リングギヤ11の偏芯運動により生ずるリングギヤ11とプラネタギヤ12の噛合いにより、プラネタギヤ12を回転させ、出力軸10を駆動する。
【0027】
上記構成をなす本発明の第1の実施の形態に係るギヤ装置8は、以下のような作用効果を奏するものである。ギヤ装置8の円板13には、円形の凹部13a及びリングギヤ11を配置することによって失われる円板13の動的バランスを回復させる、ウエイト部Wを形成している。また、リングギヤ11と噛合うプラネタギヤ12は、出力軸10に同軸状に固定しているので、偏芯運動を行うものではなく、その動的バランスは確保されている。
【0028】
また、円板13自体でウエイト部Wを形成しているので、円板13の軸方向のバランスを取るための部材を、円板13に新たに付加する必要はない。よって、ギヤ装置の構造の複雑化を招くこともない。また、肉抜き部13bの深さを円形の凹部13aと同一深さdとすることにより、円板13に円形の凹部13aを配置することによって失われる円板13の動的バランスを確保している。
【0029】
さらに、肉抜き部13bを、直径を統一させた複数の円形穴とすれば、肉抜き部13bを加工する際に、共通の工具若しくは共通の加工プログラムで、全ての肉抜き部13bの加工を行うことが可能となり、肉抜き部13bを形成する際の工数を低減することができる。また、肉抜き部13bを、直径を徐々に変化させた複数の円形穴した場合には、より理想的なバランス取りを行うことが可能となる。
【0030】
さらに、円板13を軸方向の分割構造とすることで、円板各部の材料選択の自由度を高めることができるので、目的に応じて、軽量化、高剛性化、加工の容易化、低コスト化等々を促進することが可能となる。また、軸方向に一定の厚さに分割した一方の部材に、円形の凹部13a及び肉抜き部13bの加工を行った後、軸方向に分割した他方の部材と一体化することで、円形の凹部13a及び肉抜き部13bの深さdを一致させることも容易となる。
【0031】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係るギヤ装置は、いわゆるS−P−C形遊星歯車機構における動的バランスを改善し、様々な使用条件下で、振動の発生を抑制することが可能なギヤ装置を提供することが可能となる。また、かかるギヤ装置の構造の複雑化を抑え、精密なギヤ装置を低コストで提供することが可能となる。
【0032】
図2には、本発明の第2の実施の形態に係るギヤ装置27を示している。なお、図2 (b)は、本実施の形態に係るギヤ装置27の要部断面図であり、図2 (a)は、図2 (b)のC−C線における断面図である。ここで、従来技術又は本発明の第1の実施の形態に係るギヤ装置と同一部分又は相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
【0033】
このギヤ装置27も、図1に示すギヤ装置8と同様に、軸芯を一致させた入力軸2と出力軸3との間に、リングギヤ4と、プラネタギヤ5の二つの歯車を配置し、一段の減速を行なうものである。しかしながら、ギヤ装置27は、従来のギヤ装置1(図8)と同様に、入力軸2には偏芯部2aを設け、かかる部分によって、プラネタギヤ5を偏芯させた状態で軸支している。
【0034】
また、プラネタギヤ5に空洞部28を設けて、空洞部28内にプラネタギヤ5のバランスを回復させるウエイト部29を設けている。ウエイト部29は、その重心の偏芯運動がプラネタギヤ5の重心の偏芯運動と逆位相をなすように、入力軸2の偏芯部2aに固定されている。そして、空洞部28内で、入力軸2と共にウエイト部29を回転させる。なお、ウエイト部29は、プラネタギヤ5の厚さ方向中央部に位置するように、偏芯部2aに固定されている。また、ウエイト部29の形状は、図示の小判形に限らず、扇形、円形その他、適切なものを選択する。
【0035】
この構成によると、プラネタギヤ5の重心とウエイト部29の重心とは必ず釣り合う位置にあることとなり、ギヤ装置27の回転要素であるプラネタギヤ5の、動的バランスを確保することができる。すなわち、入力軸2の偏芯部2aに軸支されて偏芯運動を行うプラネタギヤ5のバランスを、プラネタギヤの内部で回復させることができるので、プラネタギヤ5の動的バランスが確保され、ギヤ装置27全体としての動的バランスを確保することが可能となる。
【0036】
従って、本発明の第2の実施の形態にかかるギヤ装置によっても、いわゆるS−P−C形遊星歯車機構における動的バランスを改善し、様々な使用条件下で、振動の発生を抑制することが可能なギヤ装置を提供することが可能となる。
【0037】
次に、本発明の第1、第2の実施の形態に係るギヤ装置の適用例としての電動アクチュエータを、図3〜図6に基づいて説明する。なお、本発明の第1、第2の実施の形態に係るギヤ装置と同一部分又は相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明は省略する。
【0038】
まず、図3に示す電動アクチュエータ16は、モータ17の出力を、図1に示すギヤ装置8を介してねじ軸18(台形ねじ軸)に伝達し、ねじ軸18と噛合うプランジャ19に、軸方向の直線運度を発生させるものである。モータ17は、ギヤ装置8のケーシング8aに固定されている。また、モータの出力軸にはギヤ20(平歯車)が固定され、ギヤ装置の円板13には、ギヤ20と噛合うギヤ21が固定されている。さらにギヤ装置の出力軸10は、ねじ軸18に固定されている。
【0039】
ケーシング8aにはストッパ22を設けている。そして、ストッパ22をプレート15に形成したキー溝15cへと係合させることにより、リングギヤ11の回転運動を規制するプレート14,15を、ケーシング8aに対し位置固定している。また、ピボット22aを中心にストッパ22を図3の時計回りに回転させ、略L字状をなすストッパ22の先端部とキー溝15cとの係合状態を解除することにより、プレート14,15及びリングギヤ11を、ケーシング8aに対し自由に回転させることも可能である。なお、符号8b,19aで示す部分は、ケーシング8a、プランジャ19に形成されたピボット穴であり、電動アクチュエータ16の被駆動部材(例えばロボットアーム等)を連結するために用いられる。
【0040】
この電動アクチュエータ16によれば、モータ17の出力をギヤ装置8で減速(増力)した後、ねじ軸18に伝達することができるので、小さな出力のモータで大きな駆動力を得ることができる。そして、この電動アクチュエータ16は、ギヤ装置8の有利な特徴をそのまま備えることにより、振動の発生を抑制することが可能となる。また、ギヤ装置8は精密かつ低コストであることから、高精度で低コストの電動アクチュエータとなる。
【0041】
さらに、ケーシング8aに対するリングギヤ11の回転運動の、規制解除手段として、プレート15に設けたキー溝15cとストッパ22を設け、両者の係合及び係合解除を、ケーシング8aの外部から自由に行うことを可能としたので、必要に応じ、電動アクチュエータ16を迂回した操作を行うことも可能となる。その他、電動アクチュエータ16に用いられるギヤ装置8について、本発明の第1の実施の形態と同様の作用効果については、詳しい説明を省略する。
【0042】
図4に示す電動アクチュエータ23は、図3に示す電動アクチュエータ16とほぼ同様の構造を有するものであるが、相違点として、出力軸10を中空軸として形成し、該中空軸の内壁に、ねじ軸18と噛合うねじ溝を形成したものである。したがって、ねじ軸18はギヤ装置8を貫通し、軸方向に自由に移動することができる。
【0043】
この出力軸10を中空軸とする構造は、ギヤ装置8が、プラネタギヤ12自体は偏芯運動を行わない構造を採用し、出力軸10にねじ軸18を貫通し得るだけの充分な直径を与えることが可能となったことで、採用が容易となったものである。その他、図3に示す電動アクチュエータ16と同様の作用効果については,説明を省略する。
【0044】
図5に示す電動アクチュエータ24は、図3に示す電動アクチュエータ16の別の応用例であり、モータ17の出力軸をギヤ装置8の入力軸9に直接的に連結することによって、ギヤ装置8の入力軸9、出力軸10、モータ17及びねじ軸18を全て同軸上に配置したものである。また、図6に示す電動アクチュエータ25は、図4に示す電動アクチュエータ23の応用例であり、ギヤ装置8のケーシング8a内部に中空モータ26を一体に設けることにより、ギヤ装置8の入力軸9、出力軸10、ねじ軸18及び中空モータ26を全て同軸上に配置したものである。なお、中空モータ26のコイルを符号26aで、入力軸9に固定したマグネットを符号26bで示している。
【0045】
図5に示す電動アクチュエータ24及び図6に示す電動アクチュエータ25は、各構成要素を全て同軸上に配置することで電動アクチュエータの小型化を促進したものである。なお、電動アクチュエータ16,23と同様の作用効果については説明を省略する。また、電動アクチュエータ16,24(ねじ軸18がギヤ装置8を貫通しないタイプの電動アクチュエータ)において、本発明の第1の実施の形態に係るギヤ装置8に代えて、本発明の第2の実施の形態に係るギヤ装置27を採用しても、低振動で精密なアクチュエータを提供することが可能となる。
【0046】
【発明の効果】
本発明はこのように構成したので、以下のような効果を有する。まず、本発明の請求項1に係るギヤ装置によれば、いわゆるS−P−C形遊星歯車機構における動的バランスを改善し、様々な使用条件下で、振動の発生を抑制することが可能なギヤ装置を提供することができる。
【0047】
また、本発明の請求項1に係るギヤ装置によれば、振動を低減したギヤ装置を提供することができる。また、かかるギヤ装置の構造の複雑化を抑え、精密なギヤ装置を低コストで提供することが可能となる。
【0048】
また、請求項2に係るギヤ装置によれば、当該ギヤ装置を得るための加工工数を低減することができる。さらに本発明の請求項3に係るギヤ装置によれば、より理想的なバランス取りを行い、より振動の少ない精密なギヤ装置を提供することが可能となる。
【0049】
また、本発明の請求項4に係るギヤ装置によっても、いわゆるS−P−C形遊星歯車機構における動的バランスを改善し、様々な使用条件下で、振動の発生を抑制することが可能なギヤ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るギヤ装置を示すものであり、 (b)はギヤ装置の要部断面図であり、 (a)は (b)のB−B線における断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態に係るギヤ装置を示すものであり、 (b)はギヤ装置の要部断面図であり、 (a)は (b)のC−C線における断面図である。
【図3】 本発明の第1、第2の実施の形態に係るギヤ装置の適用例である、電動アクチュエータを示す要部断面図である。
【図4】 図3に示す電動アクチュエータの応用例を示す要部断面図である。
【図5】 図3に示す電動アクチュエータの別の応用例を示す要部断面図である。
【図6】 図3に示す電動アクチュエータの更なる応用例を示す要部断面図である。
【図7】 S−P−C形遊星歯車機構を示す模式図である。
【図8】 従来のギヤ装置を示すものであり、(b)はギヤ装置の要部断面図であり、 (a)は (b)のA−A線における断面図である。
【符号の説明】
8 ギヤ装置
9 入力軸
10 出力軸
11 リングギヤ
12 プラネタギヤ
13 円板
13a 円形の凹部
13b 肉抜き部
14 プレート
15 プレート
Claims (4)
- 軸芯を一致させた入力軸と出力軸との間に配置された二つの歯車によって、一段の減速を行なうギヤ装置であって、回転要素として、前記入力軸に対し偏芯する円形の凹部を有し前記入力軸に固定された円板と、前記円形の凹部によって回動自在に支持され前記円板の回転時に前記円形の凹部内で偏芯運動のみ行うよう回転運動を規制されたリングギヤと、前記出力軸に同軸状に固定され前記リングギヤと噛合うプラネタギヤとを含み、前記円板には、前記円形の凹部及び前記リングギヤによって失われる動的バランスを回復させるための、前記円板の凹部以外の部分に前記凹部と同一深さの肉抜き部を形成したウエイト部を設けたことを特徴とするギヤ装置。
- 前記肉抜き部は、直径を統一させた複数の円形穴であることを特徴とする請求項1記載のギヤ装置。
- 前記肉抜き部は、直径を徐々に変化させた複数の円形穴であることを特徴とする請求項1記載のギヤ装置。
- 軸芯を一致させた入力軸と出力軸との間に配置された二つの歯車によって、一段の減速を行なうギヤ装置であって、回転要素として、入力軸に設けた偏芯部に軸支され固定リングギヤと噛合い自転運動及び公転運動を行なうプラネタギヤを含み、該プラネタギヤに空洞部を設けて、該空洞部内に前記プラネタギヤのバランスを回復させるウエイト部を、その重心の偏芯運動が前記プラネタギヤの重心の偏芯運動と逆位相をなすようにして、前記入力軸の偏芯部に設けたことを特徴とするギヤ装置。
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