JP4701534B2 - タイルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイル原料を押出成形して板状とし、これを乾燥及び焼成するようにしたタイルの製造方法の改良に関するものであり、特に生素地よりなる素板の上に粒状物を供給して加飾するようにしたタイルの製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイル原料を押出成形した生素地よりなる素板の上に粒状物を供給した後、乾燥及び焼成するタイルの製造方法は公知である。この方法によると、表面に粒状物が担時された、装飾性の高いタイルを製造することができる。
【0003】
このようなタイル製造方法の従来例として、特開平6−55520号公報には、押出成形したタイルの生素地よりなる素板の上に粒状物を散布し、次いでベルトコンベヤで搬送しながらプレスロールの下を通過させて粒状物を素板に定着させる方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平6−55520号公報の方法では、素板の上に多量の粒状物を掛けると、素板上面がプレスロールに接したときに素板上の粒状物がロールによってかき分けられて素板側方にこぼれ落ちてしまう。そのため、あまり多くの粒状物を素板状に散布することはできなかった。
【0005】
また、粒状物の粒径が大きいと、プレスロールによって粒状物が押されたときに粒状物がコンベヤ搬送方向の上流側へ押され、このために粒状物により引掻状の傷が生じ、タイル製品の外観が悪くなる。そのため、粒状物としてあまり粒径の大きなものは用いることができず、加飾が不十分になりがちであった。
【0006】
本発明は、このような種々の問題点を解決し、粒状物を多量に担持させることができ、しかも端縁が非直線状となった自然感に富むタイルを製造することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)のタイルの製造方法は、タイル原料を押出成形した生素地よりなる素板の上に粒状物を供給し、次いで側方型、下型及び上型を有した、該素板よりもプレス面積が大きいプレス型により該素板をプレスして素板に粒状物をめり込ませ、且つ、このプレスによって素板の端縁を側方型の内面に当接させることなく該素板を押し拡げ、その後、乾燥及び焼成することを特徴とする。
【0008】
本発明(請求項2)のタイルの製造方法は、タイル原料を押出成形した生素地よりなる素板の上に粒状物を供給し、次いで内側面が非直線状の側方型、下型及び上型を有した、該素板よりもプレス面積が大きいプレス型により該素板をプレスして素板に粒状物をめり込ませ、且つ、このプレスによって該素板を押し拡げ、その後、乾燥及び焼成することを特徴とするものである。
【0009】
かかるタイルの製造方法によると、粒状物が上面に供給された素板をプレス型によって上下からプレスするので、多量(例えば0.05g/cm2以上)の粒状物を素板状に供給しても、プレス時に粒状物が素板からこぼれ落ちることがなく、すべての粒状物を素板上面にめり込ませることができる。また、粒径の大きな粒状物を用いても、タイル表面に引掻傷は生じない。
【0010】
また、本発明(請求項1)では、プレス型のプレス面の面積を素板よりも大きくし、プレスの間中、この素板の端縁がプレス型の側方型の内面に当接しないようにしている。このため、プレスにより素板がそのすべての方向に自在に押し拡げられ、この結果、プレス後の素板の側辺は非直線状のものとなる。このため、押出成形により一直線の辺を有するように成形された素板が、不均一な非直線状の辺を有した自然感に富む外形のものとなる。
【0011】
本発明(請求項2)では、側方型の内面が非直線状となっているため、プレス成形体の側辺が非直線状となる。
【0012】
本発明では、粒状物として、タイル焼成時に溶融する低融点粒状物と、溶融しない高融点粒状物とを素板上面に供給することにより、きわめて自然感に富む表面を有したタイルを製造することができる。
【0013】
また、このプレス型の上面のプレス面を凹凸面とすることにより、タイル表面の自然の情趣が一層強まったものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は本発明(請求項1)の実施の形態に係るタイルの製造方法を示すプレス時の断面図である。
【0015】
プレス型1は、枠状の側方型2と、該側方型2に嵌合する下型3及び上型4とからなる。
【0016】
生素地よりなる素板5は、タイル製造用原料(例えば、陶石、長石、粘土、シャモット等の混合物であって水によって混練されたもの)を押出成形機から押出成形して帯板状とし、これを所定大きさに切断したものである。
【0017】
この素板5は、側方型2の内部の平面積(プレス面積)よりも小さい大きさである。下型3の上面は平坦であるが、上型4の下面(プレス面)は凹凸面となっている。
【0018】
この素板5の上に粒状物6を散布等により供給する。この供給量を0.05g/cm2以上例えば0.1〜1.0g/cm2程度と多目にすることにより、加飾性を高めることができる。
【0019】
粒状物6が上面に掛けられた素板5を下型3の上面に置き、上型4で上方からプレスする。このプレスにより、上型4の凹凸面が素板5の上面に転写されると共に、粒状物6が素板5の上面にめり込んで定着される。
【0020】
また、このプレスにより、素板5が全方向に押し拡げられる。なお、プレスの最終段階においても、図1(b)のように素板5の端縁は側方型2の内面から離隔している。これにより、プレス後の素板5の側辺は不均一な非直線状のものとなる。
【0021】
その後、このプレス型1から素板5を脱型し、乾燥後、焼成してタイルとする。製造されたタイルは、側辺が不均一な非直線状であり、上面は粒状物による加飾が施された凹凸面となっているため、自然感に富む。なお、粒状物6として、タイル焼成時に溶融する低融点のもの(例えば、長石粒、ガラス粒)と、タイル焼成時に溶融しない高融点のもの(例えば、珪石粒、シャモット粒など)とを併用すると、焼成後のタイル表面は、低融点粒状物に由来するガラス状部分と高融点粒状物とが混在した、著しく自然感に富んだ表面となる。
【0022】
この粒状物として、粒径や色が種々のものを混在させることにより、この自然感は一層強まったものとなる。なお、粒状物は、均等に散布してもよく、素板上面に偏在するように供給してもよい。粒径や色、融点などの特性の異なる粒状物は、均一に混合して供給してもよく、別々に供給してもよい。後者の場合、各粒状物を均等に分散させてもよく、偏在させるように供給してもよい。
【0023】
図2は本発明(請求項2)の実施の形態に係るタイルの製造方法を示すプレス時の断面図、図3は図2(b)のIII−III線に沿う断面図である。
【0024】
このプレス型1’は、枠状の側方型2’と、該側方型2’に嵌合する下型3及び上型4とからなる。この側方型2’の内側面は、図3の通り非規則的な非直線状となっている。
【0025】
前記実施の形態と同じく、生素地よりなる素板5は、タイル製造用原料(例えば、陶石、長石、粘土、シャモット等の混合物であって水によって混練されたもの)を押出成形機から押出成形して帯板状とし、これを所定大きさに切断したものである。
【0026】
この素板5は、側方型2’の内部の平面積(プレス面積)よりも小さい大きさである。下型3の上面は平坦であるが、上型4の下面(プレス面)は凹凸面となっている。
【0027】
粒状物6が上面に掛けられた素板5を下型3の上面に置き、上型4で上方からプレスする。このプレスにより、上型4の凹凸面が素板5の上面に転写されると共に、粒状物6が素板5の上面にめり込んで定着される。
【0028】
また、このプレスにより、素板5が全方向に押し拡げられ、素板5の端縁は側方型2’の内面に押し付けられ、これにより、プレス後の素板5の側辺は不均一な非直線状のものとなる。
【0029】
その後、このプレス型1から素板5を脱型し、乾燥後、焼成してタイルとする。製造されたタイルは、側辺が不均一な非直線状であり、上面は粒状物による加飾が施された凹凸面となっているため、自然感に富む。なお、粒状物6の種類や量は前記実施の形態と同様である。
【0030】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、著しく自然の情趣に富んだタイルを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態を示す断面図であり、(a)図はプレス前の状態を示し、(b)図はプレス後の状態を示す。
【図2】別の実施の形態を示す断面図であり、(a)図はプレス前の状態を示し、(b)図はプレス後の状態を示す。
【図3】図2(b)のIII−III線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1,1’ プレス型
2,2’ 側方型
3 下型
4 上型
5 素板
6 粒状物
Claims (5)
- タイル原料を押出成形した生素地よりなる素板の上に粒状物を供給し、
次いで側方型、下型及び上型を有した、該素板よりもプレス面積が大きいプレス型により該素板をプレスして素板に粒状物をめり込ませ、且つ、このプレスによって素板の端縁を側方型の内面に当接させることなく該素板を押し拡げ、
その後、乾燥及び焼成することを特徴とするタイルの製造方法。 - タイル原料を押出成形した生素地よりなる素板の上に粒状物を供給し、
次いで内側面が非直線状の側方型、下型及び上型を有した、該素板よりもプレス面積が大きいプレス型により該素板をプレスして素板に粒状物をめり込ませ、且つ、このプレスによって該素板を押し拡げ、
その後、乾燥及び焼成することを特徴とするタイルの製造方法。 - 請求項1又は2において、素板上面への粒状物の供給量が0.05g/cm2以上であることを特徴とするタイルの製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記粒状物として、タイル焼成時に溶融する低融点粒状物と、溶融しない高融点粒状物とを素板上面に供給することを特徴とするタイルの製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、上型のプレス面が凹凸面となっていることを特徴とするタイルの製造方法。
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JP2001131268A JP4701534B2 (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | タイルの製造方法 |
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JPS60210581A (ja) * | 1984-04-05 | 1985-10-23 | ジヤニス工業株式会社 | 装飾タイルの製造法 |
JPH0655520A (ja) * | 1992-08-04 | 1994-03-01 | Goto Tekkosho:Kk | 湿式斑点模様タイルの製造装置 |
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- 2001-04-27 JP JP2001131268A patent/JP4701534B2/ja not_active Expired - Fee Related
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