JP2705784B2 - 紋様タイル及びその製造方法 - Google Patents

紋様タイル及びその製造方法

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JP2705784B2 JP30136492A JP30136492A JP2705784B2 JP 2705784 B2 JP2705784 B2 JP 2705784B2 JP 30136492 A JP30136492 A JP 30136492A JP 30136492 A JP30136492 A JP 30136492A JP 2705784 B2 JP2705784 B2 JP 2705784B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は公園、商店街等の歩道、
浴室、洗面所等の床などに敷設され、所定幅の境界線を
有する多色の紋様が形成された無釉薬の紋様タイル及び
その製造方法に関するもので、特に、長期の磨耗によっ
ても初期の鮮明な紋様を保持する紋様タイル及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、歩道、床等に装飾を兼ねて敷設さ
れる紋様タイルは、低コストの要求から、一般には、安
価なセメントタイルが用いられ、練込用顔料を加えた色
素地で製作した通常角形の着色無地タイルを単位とし、
色の組合わせによって、施工時に相互を目地用セメント
で接合させたものが使用されている。
【0003】また、1枚の角形タイル内で多色模様を得
るときは、分割された色違いの着色タイル片を作成した
後、これらの異なった色、形状の着色タイル片を施工時
にセメントで接合して作成することが多い。
【0004】なお、表面だけを顔料を使用して印刷した
紋様タイルもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の紋様
タイルにおいて、角形の着色無地タイルの並べ方で模様
を形成する方法は、1枚の床タイルが200mm角、30
0mm角のように大きくなってきている現在においては、
形成される模様は市松模様など単純な模様に限定されて
しまう。
【0006】また、分割されている着色タイル片を施工
時にセメントで接合する方法は、接合後に表出する目地
セメントの白線部分が床、歩道等においては特に汚れ易
く、不鮮明となり、更に、接合部分をできる限り細い白
線とすると、時間の経過とともにはぎ落ちてしまうとい
う不具合があった。そして、この方法では、施工の都合
で着色タイル片の境界は直線か、直線に近似した曲線に
限定されていた。加えて、分割した着色タイル片とする
ことによって、着色タイル片相互を接合するセメントの
目地加工も倍増することとなり、現場での施工作業に手
間がかかっていた。
【0007】更に、セメントからなるタイルは低コスト
で製造できるものの、焼成を行なっていないので、光沢
等の点で焼成タイルに劣り、また、強度、特に、表面強
度が低く、歩行者の通行などによって経時的に磨耗して
くる。そして、所定の強度を確保するために、タイルを
厚くする必要があるため、運搬作業効率の低下を招いて
いた。
【0008】一方、タイルの表面だけを有機顔料を使用
して印刷したものは経時的に脱色する不具合がある。
【0009】このようなことから、商店街、公園等の外
観が重要視される歩道においては、焼成タイルの使用が
望まれている。
【0010】ところで、焼成タイルにおいて、素地部分
に模様部分を浮かべた象嵌タイルに関し、例えば、特公
平2−42323号公報、特開平2−239905号公
報及び特開平2−241703号公報に掲載の技術が開
示されている。
【0011】これらに開示された技術のうち、特に、特
開平2−241703号公報に掲載の技術は、保形する
程度の加圧力でベースタイルを予圧成形し、同時に凹部
を形成してこの凹部に象嵌用ペレットを嵌合装着する
か、ベースタイルがフラットの状態で別途予圧成形した
ベースタイルペレット及び象嵌用ペレットを整列配置し
た後、全体を加圧成形するものであり、これによって得
られた象嵌タイルは焼成によって所要の強度を有し、ま
た、加圧成形時の異色坏土の流動が少なく、象嵌模様部
とその他の領域部分との境界を鮮明とすることができ
る。しかし、前記特開平2−241703号公報に掲載
の技術は、凹部形状のベースタイルの作成に手間がかか
るとともに、模様タイルを模様の境界部分に一定幅の境
界線を有する模様とした場合には、境界線の幅を一定と
するのが困難であるため、外観的に見苦しいものとな
る。
【0012】そこで、本発明は、耐磨耗強度が大きく、
かつ、模様境界部に所定幅の境界線を有し、模様境界部
の外観が優れた紋様タイル及びその製造方法の提供を課
題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
紋様タイルは、坏土から所定含水率の境界部形成体を成
形し、この境界部形成体を加圧成形型内に配設した後、
前記境界部形成体によって形成された複数の成形空間に
それぞれ色違いの着色粉粒体を充填し、更に、充填した
着色粉粒体の上部から裏打用粉粒体を充填した後、一体
的に加圧成形し、焼成したものである。
【0014】また、請求項2の発明にかかる紋様タイル
の製造方法は、坏土から所定含水率の境界部形成体を成
形する境界部形成体成形工程と、成形された前記境界部
形成体を加圧成形型内に配設した後、その境界部形成体
によって形成された複数の成形空間にそれぞれ色違いの
着色粉粒体を充填する着色粉粒体充填工程と、充填した
前記境界部形成体の上部から裏打用粉粒体を充填する裏
打用粉粒体充填工程と、前記加圧成形型内の境界部形成
体、着色粉粒体及び裏打粉粒体を一体的に加圧成形する
加圧成形工程と、加圧成形型で成形されたブロック体を
焼成する焼成工程とからなる。
【0015】更に、請求項3の発明にかかる紋様タイル
の製造方法は、坏土から所定含水率の境界部形成体を成
形する境界部形成体成形工程と、成形された境界部形成
体をシート材に貼着する境界部形成体貼着工程と、前記
境界部形成体を貼着したシート材を加圧成形型内に配設
した後、境界部形成体によって形成された複数の成形空
間にそれぞれ色違いの着色粉粒体を充填する着色粉粒体
充填工程と、充填した前記境界部形成体の上部から裏打
用粉粒体を充填する裏打用粉粒体充填工程と、前記加圧
成形型内の境界部形成体、着色粉粒体及び裏打粉粒体を
一体的に加圧成形する加圧成形工程と、加圧成形型で成
形されたブロック体を焼成し、かつ、その熱で前記シー
ト材を焼却する焼成工程とからなる。
【0016】
【作用】請求項1の発明においては、予め境界部形成体
を加圧成形型内に配設してからその両側空間に着色粉粒
体を充填し、加圧成形しているので、境界部形成体が遮
蔽壁として作用し、加圧成形時に着色粉粒体が境界部を
越えて流動することが少なくなって、模様を鮮明とする
ことができる。また、境界部形成体及び着色粉粒体の上
部に裏打用粉粒体を充填し、一体に加圧成形しているの
で、境界部形成体及び着色粉粒体によって形成される模
様の境界部分に所要の接合強度が得られる。更に、着色
粉粒体と裏打用粉粒体とを充填し、加圧成形した後、焼
成しているので、全体強度及び表面硬度が向上し、表面
部の磨耗及び境界部の汚れを防止できる。
【0017】また、請求項2の発明においては、境界部
形成体を加圧成形型内に配設した後、成形空間に着色粉
粒体及び裏打粉粒体を充填する工程としているので、簡
単な操作で鮮明な模様を形成でき、また、異なった着色
粉粒体を同時に充填することが可能であるとともに、乾
燥した各粉粒体は充填時の流動性が良いため、取扱いが
容易で量産に適する。
【0018】更に、請求項3の発明においては、特に、
成形された境界部形成体をシート材に貼着し、このシー
ト材を加圧成形型内に配設した後、着色粉粒体を充填し
ているので、加圧成形時に着色粉粒体が境界部を越えて
流動することがなく、境界部の模様は一層鮮明となる。
なお、境界部形成体を貼着したシート材は燃焼性材質と
することによって加圧成形後の焼成によって焼却され、
焼成後のタイル表面の外観、タイルの物性を損うことが
ない。
【0019】ここにおいて、境界部形成体は、長石、陶
土、カオリン、粘土等通常のタイルと同一の素材を原料
とし、これに顔料、有機粘結剤、水とを加えた混練坏土
を押出成形、ロール成形などの手段によって成形し、一
定幅に切断した後、所定含水率に乾燥して得ることがで
きる。このときの含水率は着色粉粒体と同程度が好まし
く、経験的には6〜8%が好ましい。
【0020】また、着色粉粒体は、境界部形成体と同一
の素材を原料とし、これに各着色用の顔料、有機粘結
剤、水とを加え、トロンミルなどを使用して混合粉砕
し、泥漿化してから、スプレードライヤーなどによって
所定含水率に造粒して得られる。そして、その粒径は2
0〜50メッシュが望ましい。なお、着色粉粒体は粉末
のままでもよいが、所定含水率に造粒したものは作業性
が良く、量産に適合する。これは、色むらがなく、さら
さらして加圧成形型内全体に行き渡る利点を有するから
である。
【0021】更に、裏打粉粒体は、タイル表面の境界部
形成体と着色粉粒体との接合部分の亀裂を防ぐ補強を目
的とするため、接合力、収縮率の点から着色粉粒体と同
一の造粒粉を使用するのが最適である。但し、裏打粉粒
体を充填した部分は表面に現われないため、接合力、収
縮率の調整ができれば、他の材料を用いてもよい。例え
ば、タイルの廃材の粉砕微粉、下水処理の廃泥乾燥粉な
どの廃棄物を主原料に硅石粉などを混合し、融点と収縮
率とを調整した材料とすることもできる。この場合に
は、資源の再利用ともなる。
【0022】着色に用いる顔料としては、クロマイト、
黄土などの天然顔料の他、酸化クロム、酸化鉄、Mn−
Alピンクなどの練込用顔料を使用することができ、そ
の添加量は通常2〜3%である。
【0023】ここで、有機粘結剤としては、MC(メチ
ルセルロース)、CMC(カルボキシメチルセルロース
ナトリウム)、エチルセルロース、ベンジルセルロース
等のセルロースエーテル、或いは、合成樹脂を使用する
ことができる。
【0024】なお、加圧成形後の焼成は、一般の無釉薬
タイルの製造条件に準じて行なわれる。
【0025】
【実施例】
〈第一実施例〉まず、本発明の第一実施例を図1乃至図
10に基づいて説明する。
【0026】図1は本発明の第一実施例の紋様タイルの
正面図である。
【0027】図において、紋様タイル1は200mm角の
大きさの無釉薬のタイルであり、幅が6mmで一定の白色
リング部2を境界として、外側に淡黒色部3が、内側の
円形部分に淡紅色部4が形成された模様となっている。
これらの白色リング部2、淡黒色部3及び淡紅色部4は
素材原料が同一で異なった顔料が混合され、一体に焼成
されている。また、図示しない背面部には裏打層が形成
されている。
【0028】ここで、前記紋様タイル1の製造を説明す
る。
【0029】図2は本発明の第一実施例による紋様タイ
ルの製造工程を示す工程図、図3は図2の境界部形成体
成形工程において使用する連続製造機の模式図、図4は
図3の連続製造機によって成形された押出成形品を示す
斜視図、図5は図4の押出成形品を切断して得られた境
界部形成体の斜視図、図6は図2の境界部形成体貼着工
程によって得られた境界部形成体貼着シート材を示す斜
視図、図7は図2の着色粉粒体充填工程において使用さ
れる着色粉粒体製造用の装置の模式図、図8は図2の着
色粉粒体充填工程及び裏打粉粒体充填工程において使用
される加圧成形型の断面図、図9は図8の着色粉粒体の
充填状態を示す平面図、図10は図2の焼成工程におい
て焼成された無釉薬タイルを示す側面図である。
【0030】まず、境界部形成体成形工程Aで、長石5
0%、陶土20%、粘土30%からなるタイル素地に、
白色顔料として珪酸ジルコニウム即ちジルコンの超微粉
を10%、CMCを1%、水25%を加えた。そして、
図3に示す、混合機、混練機、押出成形機からなる連続
製造機11のうちの混合機12に投入して混合し、更
に、混練機13で十分に混練し、境界部形成体用の坏土
を作成した後、押出成形機14を使用して口金15か
ら、図4に示す円筒状成形物21を得た。次に、この円
筒状成形物21を15mmの長さに切断し、200℃以下
の乾燥機で所定時間乾燥した。これによって、円筒状成
形物21の水分の大部分を蒸発させ、含水率が7%の白
色素地からなる外径200mm、肉厚6mmのリング状の境
界部形成体22を得た。
【0031】次いで、境界部形成体成形工程Aで得られ
た境界部形成体22を、境界部形成体貼着工程Bで、一
方の断面に公知の有機接着剤を塗布し、後述する加圧成
形型の底面の内側寸法と同一の大きさの和紙からなるシ
ート材23の所定位置に配置し、貼着する。そして、図
6に示す、境界部形成体22を貼着したシート材23
を、前記加圧成形型の底面に載置する。このときの加圧
成形型の内寸は210mm角とした。
【0032】一方、着色粉粒体充填工程Cにおいて、ま
ず、境界部形成体22とは別に、着色部形成用の着色粉
粒体の作成を行なう。着色粉粒体は、長石50%、陶土
20%、粘土30%からなるタイル素地に、練込用の黒
色顔料2%、CMC0.5%及び水を加える。これを図
7に示すトロンミル31中で混合、粉砕し、泥漿32を
得た後、ポンプ33で噴霧乾燥機34にポンプアップ
し、この噴霧乾燥機34で乾燥、造粒して20〜50メ
ッシュの淡黒に着色した着色粉粒体を得た。そして、こ
の淡黒色の着色粉粒体を貯蔵兼供給箱35に保管した。
同様にして、前記タイル素地に、練込用の赤色顔料3%
を加え、同様の操作によって淡紅色の着色粉粒体を得、
これを別の貯蔵兼供給箱36に保管した。これらの着色
粉粒体は乾燥条件を調節して含水率を7%程度となるよ
うに調整した。
【0033】このように調整した後、淡黒色及び淡紅色
の着色粉粒体を、境界部形成体22を貼着したシート材
23を内部に配設した加圧成形型内に充填した。この充
填においては、図8の加圧成形型41において上型42
を上昇させた状態で、まず、下型43と側型44とで形
成される成形空間のうち、加圧成形型41とリング状の
境界部形成体22と底面のシート材23とで囲まれた外
側成形空間45内に淡黒色の着色粉粒体を図示しない供
給機によって境界部形成体22の上端部が隠れない程度
の高さまで充填した。このとき、淡黒色の着色粉粒体が
境界部形成体22の内部とシート材23とで形成された
内側成形空間46内に流入しないように注意し、誤って
流入した場合は吸引除去した。
【0034】次に、淡紅色の着色粉粒体を前記内側成形
空間46内に、淡黒色の着色粉粒体と同様に、境界部形
成体22の上端部が隠れない程度の高さまで充填した。
充填後の状態を図9に示す。なお、淡黒色及び淡紅色の
着色粉粒体の充填は、逆に、淡紅色の着色粉粒体の方を
先に行なってもよく、或いは、同時に充填することも可
能である。
【0035】淡黒色及び淡紅色の着色粉粒体を加圧成形
型41の成形空間に充填した後、裏打用粉粒体充填工程
Dでは、予め、前記淡黒色及び淡紅色の着色粉粒体と同
一のタイル素地を用い、顔料を添加することなく、着色
粉粒体の場合と同様に操作して、無着色の素地粒である
裏打粉粒体を作成し、裏打粉粒体用の貯蔵兼供給箱37
に保管しておく。そして、この裏打粉粒体を、既に充填
した淡黒色及び淡紅色の着色粉粒体の上方から裏打粉粒
体成形空間47である、境界部形成体22の2倍程度の
高さ即ち25〜30mmの高さまでの部分に充填する。
【0036】次に、加圧成形工程Eで、加圧成形型41
内に充填した各着色粉粒体及び裏打粉粒体を100kg/
cm2 の加圧力でプレス成形した。
【0037】その後、焼成工程Fで、加圧成形工程Eに
おいて加圧成形したブロック体を反転し、焼成温度12
50℃、焼成時間30時間の条件で焼成した。焼成によ
って、図1に示すように、表側の意匠面は白色のリング
部分によって縁取られ、その外、内側に淡黒色、淡紅色
で着色された模様が形成され、裏側に無着色磁器で裏打
ちされた、断面が図10に示した形状の無釉薬の紋様タ
イル1が得られた。
【0038】なお、この焼成における高温の熱によっ
て、和紙で形成されたシート材23は焼失する。なお、
シート材23はプラスチックシート等を使用してもよ
い。但し、洋紙の場合には、燃焼滓が残留するので注意
を要する。
【0039】このように、上記実施例の紋様タイルは、
坏土から所定含水率の境界部形成体22を成形し、この
境界部形成体22を加圧成形型41内に配設した後、前
記境界部形成体22によって形成された外側成形空間4
5及び内側成形空間46にそれぞれ淡黒色及び淡紅色の
着色粉粒体を充填し、更に、充填した淡黒色及び淡紅色
の着色粉粒体の上部から裏打粉粒体を充填した後、一体
的に加圧成形し、焼成したものである。
【0040】したがって、上記実施例によれば、予め境
界部形成体22を加圧成形型41内に配設してからその
両側の成形空間に各着色粉粒体を充填し、加圧成形して
いるので、境界部形成体22が遮蔽壁として作用し、加
圧成形時に着色粉粒体が境界部を越えて流動することが
少なくなって、模様を鮮明とすることができる。また、
境界部形成体22及び各着色粉粒体の上面に裏打用粉粒
体を充填し、一体に加圧成形しているので、境界部形成
体22と着色粉粒体との境界部分に所要の接合強度を得
ることができる。この結果、模様の境界部分に亀裂等が
発生するのを抑えることができる。更に、着色粉粒体と
裏打用粉粒体とを充填し、加圧成形した後、焼成してい
るので、全体強度及び表面硬度が向上し、表面部の磨耗
及び境界部の汚れを防止できる。
【0041】加えて、1枚のタイルに多色の模様を形成
することができるので、近年における1枚当りの大きさ
が200mm角、300mm角と大きくなる傾向において、
従来、市松模様程度の紋様しか形成できなかったのに対
して多種類の模様化を実現することができる。
【0042】なお、裏打粉粒体は、無着色としている
が、いずれか一方の着色粉粒体と同一色とすれば、材料
管理が容易となる。また、裏打粉粒体は、下水処理廃
土、廃タイル材などを利用し、これらを造粒して得るこ
とも可能であり、この場合、廉価に紋様タイルを製造で
きるとともに、廃棄物処理の一翼を担い、資源の再利用
としても貢献することとなる。
【0043】また、上記実施例の紋様タイルの製造方法
は、坏土から所定含水率の境界部形成体22を成形する
境界部形成体成形工程Aと、成形された境界部形成体2
2を加圧成形型41内の底面と同一寸法のシート材23
に立設した状態で貼着する境界部形成体貼着工程Bと、
前記境界部形成体22を貼着したシート材23を加圧成
形型41内に配設した後、前記境界部形成体22によっ
て形成された外側成形空間45及び内側成形空間46に
それぞれ淡黒色及び淡紅色の着色粉粒体を充填する着色
粉粒体充填工程Cと、前記境界部形成体22及び充填さ
れた各着色粉粒体の上面に裏打用粉粒体を充填する裏打
用粉粒体充填工程Dと、加圧成形型41内の前記境界部
形成体22及び各着色粉粒体を一体的に加圧成形する加
圧成形工程Eと、加圧成形されたブロック体を焼成する
とともに、その熱によって前記シート材23を焼却する
焼成工程Fとからなる。
【0044】したがって、上記実施例のよれば、境界部
形成体22を加圧成形型41内に配設した後、成形空間
に着色粉粒体及び裏打粉粒体を充填する工程としている
ので、簡単な操作で鮮明な模様を形成でき、また、異な
った着色粉粒体を同時に充填することも可能であるとと
もに、所定含水率に乾燥した各着色粉粒体は充填時の流
動性が良いため、取扱いが容易で量産に適する。
【0045】更に、成形された境界部形成体22を加圧
成形型41内の底面と同一寸法のシート材23に立設し
た状態で貼着し、このシート材23を加圧成形型41内
に配設した後、着色粉粒体を充填しているので、特に、
加圧成形時に着色粉粒体が境界部を越えて流動すること
がなく、境界部の模様を一層鮮明とすることができる。
なお、境界部形成体22を貼着したシート材23は燃焼
性材質の和紙を使用していることによって加圧成形後の
焼成によって焼却され、焼成後のタイル表面の外観及び
タイルの物性を損うことがない。
【0046】なお、本実施例は請求項1及び請求項3の
態様に相当し、また、請求項2の態様に相当するとする
こともできる。
【0047】〈第二実施例〉次に、本発明の第二実施例
を説明する。
【0048】第二実施例では、図11に示したような紋
様を有し、100mm角、150mm角程度の小さいタイル
について説明する。
【0049】図11は本発明の第二実施例における各種
の紋様タイルを示す正面図である。
【0050】図において、51は100mm角程度の、第
一実施例の紋様タイル1と比較して外形寸法の小さい無
釉薬の紋様タイルであり、白色境界部52を境としてそ
の両側に褐色部53、緑色部54或いは黄色部55が配
置された模様となっている。前記白色境界部52は、タ
イルの外形寸法が小さいため、第一実施例の7mm程度の
巾を有する白色リング部2に比べて狭い、3mm程度の巾
となっている。
【0051】ここでは、上記第二実施例の紋様タイルの
製造を図11のうちの(e)を例として説明する。
【0052】図12は本発明の第二実施例の紋様タイル
の製造における薄板状成形品の成形を示す概略図、図1
3は図12の薄板状成形品を示す斜視図、図14は薄板
状成形品の押し型を示す概略図、図15は本発明の第二
実施例の紋様タイルの製造における着色粉粒体の充填状
態を示す平面図、図16は本発明の第二実施例の紋様タ
イルの製造における焼成後の紋様タイルを示す断面図で
ある。
【0053】第二実施例の紋様タイルの場合は、白色境
界部52の巾は3mm程度と小さくしているので、その後
の取扱い容易性の点から、押し型を使用して成形するの
が望ましい。
【0054】なお、その他の着色粉粒体、裏打粉粒体の
作成、加圧成形型への充填、加圧成形及び焼成等の各操
作は第一実施例の場合と同一である。
【0055】まず、第一実施例と同一の、長石50%、
陶土20%、粘土30%からなるタイル素地に、酸化チ
タン5%、CMC1%、水25%を加えた。そして、混
合、混練した坏土61を、図12に示す二段ロール機6
2を使用して成形し、図13に示す、巾250mm、厚さ
3mm、長さ1000mmの薄板状成形品63を得た。
【0056】次に、台上で前記薄板状成形品63の表面
に少量のチタン白を散布し、更に、図13の二点鎖線で
示す切断線に沿って7mm巾で長さ方向に切断し、軽く巻
取った。
【0057】7mm巾に切断して得た白色帯状成形体は、
図11(e)の100mm角の紋様タイル51を製作する
ための、図14(d)、(e)に示す押し型71を使用
して、まず、上型72を上昇された状態で、一端を下型
73の端部に位置合わせして載置し、次いで、上型73
を下げて加圧した。その後、白色帯状成形体の他端のは
み出し部分を切断した。これらの図14の(d)及び
(e)の押し型71によって成形された白色帯状成形体
は各2個使用することにより、図11の(e)の紋様タ
イルを製造することができる。
【0058】なお、図14の(a)の押し型71による
白色帯状成形体は図11の(a)の紋様タイル51を、
図14の(b)の押し型71による白色帯状成形体は2
個を使用することにより図11の(c)の紋様タイル5
1を、図14の(c)の押し型71による白色帯状成形
体は2個を使用することにより図11の(d)の紋様タ
イル51を、更に、図14の(f)の押し型71による
白色帯状成形体は4個を使用することにより図11の
(f)の紋様タイル51を、それぞれ製作することがで
きる。
【0059】図14の(d)、(e)の押し型71によ
って成形された白色帯状成形体は、200℃以下の温度
で含水率7%程度まで乾燥し、各2個ずつ使用して、接
合面に有機接着剤を使用して相互を接合することによ
り、図15に示す1個の境界部形成体81に形成した。
【0060】次に、この境界部形成体81の底面に有機
接着剤を塗布し、和紙、プラスチックシート等のシート
材に貼着し、それを加圧成形型内に配置した。
【0061】一方、別途、長石50%、陶土20%、粘
土30%からなるタイル素地に、褐色、緑色、黄色の練
込用顔料をそれぞれ別個に添加し、更に、CMC、水を
加えて、第一実施例の各色と同じ操作により混合、粉
砕、泥漿化し、噴霧乾燥機34によって乾燥、造粒し、
褐色、緑色、黄色の着色粉粒体を作成しておく。
【0062】次に、予め作成した前記各色の着色粉粒体
を、加圧成形型と境界部形成体81とシート材とによっ
て形成された成形空間内に、内側から順に充填し、その
後、無着色の裏打粉粒体をそれらの着色粉粒体の上部か
ら充填する。充填後の加圧成形型内の状態を図15に示
す。図15において、一番内側は黄色、その外側は緑
色、一番外側は褐色の着色粉粒体を示す。
【0063】その後、第一実施例と同一の操作により、
加圧成形し、その加圧成形したブロック体を焼成して、
図11(e)及び図16に示す、厚さが10mm程度の紋
様タイル51を得た。
【0064】即ち、第二実施例は、第一実施例と比べ
て、境界部形成体の成形方法のみが異なる。
【0065】ところで、上記各実施例では、境界部形成
体は、和紙、プラスチックシート等のシート材に貼着し
てから加圧成形型内に配置し、着色粉粒体を充填するよ
うにしているが、本発明を実施する場合には、これに限
定されるものではなく、シート材を使用することなく、
直接境界部形成体を加圧成形型内に配設してもよい。こ
の場合には、請求項1及び請求項2の態様に相当する。
但し、通常は、着色粉粒体を加圧成形型内に充填したと
きに、着色粉粒体が境界部形成体と加圧成形型底面との
間に流入して境界部の模様が若干不鮮明となるおそれが
あるので、充填する着色粉粒体の粒径、流動性、境界部
形成体の底面の平坦度等に応じて仕上り状態に不具合が
ある場合には、シート材を使用するのが望ましい。
【0066】また、上記実施例の境界部形成体は、3mm
或いは7mmの一定巾としているが、本発明を実施する場
合には、これに限定されるものではなく、部分的に膨脹
部分を形成するなどの変化をもたせてもよく、この場合
には、上記各実施例とは異なった模様感を与えることが
できる。
【0067】更に、上記実施例の境界部形成体は、その
側壁面の面粗度を粗くしたり、凹凸面状としたり、或い
は、アンダーカット部を形成してもよく、この場合に
は、境界部形成体と着色粉粒体との間の接合強度を一層
大きくすることができ、接合面の亀裂などの発生をより
効果的に抑えることができる。
【0068】加えて、上記各実施例の境界部形成体は、
一方の着色粉粒体と同色とすることにより、巾の形成さ
れない境界線模様とすることも可能である。
【0069】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の紋様タ
イルは、坏土から所定含水率の境界部形成体を成形し、
この境界部形成体を加圧成形型内に配設した後、前記境
界部形成体によって形成された複数の成形空間にそれぞ
れ色違いの着色粉粒体を充填し、更に、充填した着色粉
粒体の上部から裏打用粉粒体を充填した後、一体的に加
圧成形し、焼成したものである。したがって、境界部形
成体が遮蔽壁として作用するので、加圧成形時に着色粉
粒体が境界部を越えて流動することが少なくなり、模様
を鮮ることにより、境界部形成体と着色粉粒体による模
様部との間に所要の接合強度を得ることができ、模様の
境界部分に亀裂等が発生するのを抑えることができる。
更に、着色粉粒体と裏打用粉粒体とを充填し、加圧成形
した後、焼成しているので、全体強度及び表面硬度が向
上し、表面部の磨耗及び境界部の汚れを防止できる。加
えて、1枚のタイルに多色の模様を形成することができ
るので、多種類の模様化を実現することができる。
【0070】また、請求項2の発明の紋様タイルの製造
方法は、坏土から所定含水率の境界部形成体を成形する
境界部形成体成形工程と、成形された前記境界部形成体
を加圧成形型内に配設した後、その境界部形成体によっ
て形成された複数の成形空間にそれぞれ色違いの着色粉
粒体を充填する着色粉粒体充填工程と、充填した前記境
界部形成体の上部から裏打用粉粒体を充填する裏打用粉
粒体充填工程と、前記加圧成形型内の境界部形成体、着
色粉粒体及び裏打粉粒体を一体的に加圧成形する加圧成
形工程と、加圧成形型で成形されたブロック体を焼成す
る焼成工程とからなる。したがって、境界部形成体を加
圧成形型内に配設した後、成形空間に着色粉粒体及び裏
打粉粒体を充填する工程としているので、簡単な操作で
鮮明な模様を形成でき、また、異なった着色粉粒体を同
時に充填することが可能であるとともに、乾燥した着色
粉粒体及び裏打用粉粒体は充填時の流動性が良いため、
取扱いが容易で量産に適する。
【0071】更に、請求項3の発明の紋様タイルの製造
方法は、坏土から所定含水率の境界部形成体を成形する
境界部形成体成形工程と、成形された境界部形成体をシ
ート材に貼着する境界部形成体貼着工程と、前記境界部
形成体を貼着したシート材を加圧成形型内に配設した
後、境界部形成体によって形成された複数の成形空間に
それぞれ色違いの着色粉粒体を充填する着色粉粒体充填
工程と、充填した前記境界部形成体の上部から裏打用粉
粒体を充填する裏打用粉粒体充填工程と、前記加圧成形
型内の境界部形成体、着色粉粒体及び裏打粉粒体を一体
的に加圧成形する加圧成形工程と、加圧成形型で成形さ
れたブロック体を焼成し、かつ、その熱で前記シート材
を焼却する焼成工程とからなる。したがって、特に、成
形された境界部形成体をシート材に貼着し、このシート
材を加圧成形型内に配設した後、着色粉粒体を充填して
いるので、加圧成形時に着色粉粒体が境界部を越えて流
動することがなく、境界部の模様を一層鮮明とすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施例の紋様タイルの正面
図である。
【図2】図2は本発明の第一実施例による紋様タイルの
製造工程を示す工程図である。
【図3】図3は図2の境界部形成体成形工程において使
用する連続製造機の模式図である。
【図4】図4は図3の連続製造機によって成形された押
出成形品を示す斜視図である。
【図5】図5は図4の押出成形品を切断して得られた境
界部形成体の斜視図である。
【図6】図6は図2の境界部形成体貼着工程によって得
られた境界部形成体貼着シート材を示す斜視図である。
【図7】図7は図2の着色粉粒体充填工程において使用
される着色粉粒体製造用の装置の模式図である。
【図8】図8は図2の着色粉粒体充填工程及び裏打粉粒
体充填工程において使用される加圧成形型の断面図であ
る。
【図9】図9は図8の着色粉粒体の充填状態を示す平面
図である。
【図10】図10は図2の焼成工程において焼成された
無釉薬タイルを示す側面図である。
【図11】図11は本発明の第二実施例における各種の
紋様タイルを示す正面図である。
【図12】図12は本発明の第二実施例の紋様タイルの
製造における薄板状成形品の成形を示す概略図である。
【図13】図13は図12の薄板状成形品を示す斜視図
である。
【図14】図14は薄板状成形品の押し型を示す概略図
である。
【図15】図15は本発明の第二実施例の紋様タイルの
製造における着色粉粒体の充填状態を示す平面図であ
る。
【図16】図16は本発明の第二実施例の紋様タイルの
製造における焼成後の紋様タイルを示す断面図である。
【符号の説明】
22 境界部形成体 23 シート材 41 加圧成形型 45 外側成形空間 46 内側成形空間 A 境界部形成体成形工程 B 境界部形成体貼着工程 C 着色粉粒体充填工程 D 裏打用粉粒体充填工程 E 加圧成形工程 F 焼成工程

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 坏土から所定含水率の境界部形成体を成
    形し、この境界部形成体を加圧成形型内に配設した後、
    前記境界部形成体によって形成された複数の成形空間に
    それぞれ色違いの着色粉粒体を充填し、更に、充填した
    着色粉粒体の上部から裏打用粉粒体を充填した後、一体
    的に加圧成形し、焼成することを特徴とする紋様タイ
    ル。
  2. 【請求項2】 坏土から所定含水率の境界部形成体を成
    形する境界部形成体成形工程と、 成形された前記境界部形成体を加圧成形型内に配設した
    後、その境界部形成体によって形成された複数の成形空
    間にそれぞれ色違いの着色粉粒体を充填する着色粉粒体
    充填工程と、 充填した前記境界部形成体の上部から裏打用粉粒体を充
    填する裏打用粉粒体充填工程と、 前記加圧成形型内の境界部形成体、着色粉粒体及び裏打
    粉粒体を一体的に加圧成形する加圧成形工程と、 加圧成形型で成形されたブロック体を焼成する焼成工程
    とを具備することを特徴とする紋様タイルの製造方法。
  3. 【請求項3】 坏土から所定含水率の境界部形成体を成
    形する境界部形成体成形工程と、 成形された境界部形成体をシート材に貼着する境界部形
    成体貼着工程と、 前記境界部形成体を貼着したシート材を加圧成形型内に
    配設した後、境界部形成体によって形成された複数の成
    形空間にそれぞれ色違いの着色粉粒体を充填する着色粉
    粒体充填工程と、 充填した前記境界部形成体の上部から裏打用粉粒体を充
    填する裏打用粉粒体充填工程と、 前記加圧成形型内の境界部形成体、着色粉粒体及び裏打
    粉粒体を一体的に加圧成形する加圧成形工程と、 加圧成形型で成形されたブロック体を焼成し、かつ、そ
    の熱で前記シート材を焼却する焼成工程とを具備するこ
    とを特徴とする紋様タイルの製造方法。
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