JP4701098B2 - 一括投入装置 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技を行うのにメダルを投入する必要があるメダル遊技機に、複数のメダルを一括投入できるようにする一括投入装置に関する。
従来から、人々に娯楽を提供する遊技機として、遊技媒体であるメダルを用いるスロットマシン等のメダル遊技機が利用されている。例えば、スロットマシンでは、メダルを投入すると、複数種類の図柄が記された複数の回転リールを一斉に回転させることができる。そして、遊技者は、回転させた複数の回転リールを順番に停止させていき、停止させた回転リールに示される図柄を所定の組合せに揃えることができれば、入賞となり、予め設定された枚数のメダルの払い出しを受けることができる。
ここで、スロットマシンには、複数のメダルを迅速にスロットマシン内部に投入することができる一括投入装置を備え、この一括投入装置により、メダルを手で一枚ずつ投入する際の煩わしさから遊技者を開放するようにしたものがある。
すなわち、一括投入装置には、複数のメダルをまとめて内部に投入できるサイズ及び形状に形成された一括投入口と、この一括投入口から投入されたメダルを一時的に貯留する空間として設けられたメダル貯め部と、このメダル貯め部に貯留されたメダルを1枚ずつスロットマシンに移送するためのベルト移送装置とが備えられている。
このような一括投入装置では、遊技者が複数のメダルを一括投入口を通じてメダル貯め部に入れると、ベルト移送装置により、メダル貯め部に入ったメダルは、速やかにスロットマシンの内部に一枚ずつ投入されるので、遊技者は、手でメダルを一枚ずつ投入する煩わしさから開放され、遊技そのものに集中することができる。
また、一括投入装置には、ベルト移送装置の出口からスロットマシンの内部へメダルを搬送するための搬送路と、この搬送路内で発生したメダルの詰まりを解消できるメダル返却機構とが設けられている。
すなわち、一括投入装置に設けられた前述の搬送路は、メダルの進行方向に向かって左右いずれかに傾斜した溝形のものである。このような搬送路の内部を、メダルは傾斜した状態で搬送されるようになっている。
ここで、搬送路は、両側に設けられている一対の側壁と、これらの側壁の端部を連結するように設けられた底部とを備えたものとなっている。一対の側壁のうち、どちらかというと下側、換言すると、内部を通るメダルが寄りかかる側に配置された側壁は、もう一方の側壁及び底部から近接離隔可能に設けられた可動側壁となっている。これに対して、もう一方の側壁は、移動しない固定側壁となっている。
可動側壁は、バネ等の弾性体により、固定側壁及び底部に向かって常時付勢されて密着し、これにより、固定側壁及び底部とともに溝形を維持し、内部にメダルを保持できるようになっている。
また、可動側壁には、当該可動側壁を固定側壁及び底部から離れる方向へ押圧するためのプッシュロッドが係合している。そして、遊技者等がプッシュロッドを押圧操作すると、可動側壁は、バネ等の弾性体の付勢力に抗して固定側壁及び底部から離れる方向へ移動し、当該可動側壁が開いた状態となる。搬送路の内部にメダルがある場合、可動側壁が開かれると、内部のメダルは、搬送路内から下方へ落下し、さらに、一括投入装置の外部へ排出されるようになっている。
このようなメダル返却機構によれば、遊技者が複数のメダルを誤って一括投入口に投入したために、複数のメダルがメダル貯め部に貯留されてしまっても、遊技者がプッシュロッドを押圧操作し、可動側壁を開き、この可動側壁が開いた状態で、ベルト移送装置を駆動すれば、メダル貯め部内の複数のメダルは、可動側壁が開いた状態の搬送路に送られて、搬送路内から下方へ落下し、さらに、一括投入装置の外部へ排出されて遊技者に返却される。これにより、遊技者は、一括投入口に誤ってメダルを投入してしまっても、投入したメダルを容易に払い戻させることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−121809号(図6及び図7)
前述のような一括投入装置では、メダル貯め部に貯留されたメダルは、ベルト移送装置によって可動側壁の開いた状態の搬送路まで送られないと、一括投入装置の外部へ排出されないので、メダル貯め部に貯留されたメダルの枚数が多いと、メダルの返却に多少時間がかかってしまう、という問題がある。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、メダル貯め部に貯留されたメダルが多くても、メダルの返却が迅速に行える一括投入装置を提供することである。
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、前述の目的を達成するためになされたものである。以下に、各発明の特徴点を、図面に示した発明の実施の形態を用いて説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1に記載された発明は、複数のメダルをまとめて内部に投入するために開口された一括投入口(31)と、この一括投入口(31)から投入されたメダルを一時的に貯留するために内部に設けられたメダル貯め部(44)と、このメダル貯め部(44)に貯留されたメダルを遊技機(1)に投入するために移送するベルト移送装置(40)とが備えられているメダルの一括投入装置(3)であって、前記ベルト移送装置(40)は、メダルの移送方向の後方に配置された後方ベルト車(51B) と、メダルの移送方向の前方に配置された前方ベルト車(51A) と、これらのベルト車(51A, 51B)の間に掛け渡されるとともに、これらのベルト車(51A, 51B)の間を循環する無端ベルト(53)と、この無端ベルト(53)を循環駆動させる駆動装置(55等)とを備え、前記無端ベルト(53)の上にメダルを載せて移送するものであり、前記後方ベルト車(51B) の下方には、前記無端ベルト(53)の上に載せられたメダルを排出するための排出口(49)が設けられ、前記後方ベルト車(51B) は、前記前方ベルト車(51A) の回転軸(56A) を中心に揺動可能に設けられ、無端ベルト(53)がその上にメダルを載せて移送可能な略水平姿勢となる移送角度位置(α)と、前記無端ベルト(53)がその上のメダルを前記排出口(49)に排出可能な非水平姿勢となる排出角度位置(β)との二位置の間を移動可能となり、移送角度位置(α)及び排出角度位置(β)の一方から他方へ前記後方ベルト車(51B) を駆動するために、棒状のプランジャ(82B) を進退駆動させる操作機(82)が設けられ、前記後方ベルト車(51B) の回転軸(56B) が前記操作機(82)のプランジャ(82B) の先端部分に回転自在に連結され、前記ベルト移送装置(40)の動作を制御するための制御装置(280)が設けられ、前記制御装置(280)は、前記操作機の前記プランジャ(82B)の先端部分を細かく前後に移動させる振動動作を前記操作機(82)に行わせることで、前記無端ベルト(53)に前記振動を与えると共に、メダルが移送される通路の途中に設けたメダル詰まりを検知可能なセンサーにより、メダルの詰まりが検知された場合には、前記無端ベルト(53)に振動を与え、それでもメダル詰まりが解消されていないときは、前記無端ベルト(53)を前記排出角度位置へ移動させるように形成されていることを特徴とする。
ここで、「非水平姿勢」とは、その上に貯留されているメダルを滑落させることができる程度に無端ベルト(53)を傾斜させた状態、又は、その上に貯留されているメダルを下方へ落下させることができるように無端ベルト(53)を略垂直にした状態をいう。
ここで、本発明に係る操作機としては、電磁力でプランジャを進退駆動させるソレノイド操作機、モータのトルクを変換した直線的な力でプランジャを進退駆動させる電動操作機、及び、油圧や圧搾空気等の流体圧でプランジャを進退駆動させる油圧駆動式あるいはエア駆動式のシリンダ操作機のいずれもが採用できる。ただし、流体の圧力で駆動するシリンダ操作機は、流体に圧力を付与する圧力源装置を、遊技機とは別に設置する必要があるので、電気で駆動するソレノイド操作機及び電動操作機の方が実施が容易である。
(請求項
(特徴点)
すなわち、請求項記載の発明は、請求項に記載の特徴点に加え、前記制御装置(280) は、前記後方ベルト車(51B) が前記排出角度位置(β)へ向かって移動を開始すると、前記無端ベルト(53)を逆転させるように設定されていることを特徴とする。
ここで、「逆転」とは、遊技機への投入のための移送(正転)と反対方向となる循環駆動のことをいう。換言すると、無端ベルト(53)を逆転させると、無端ベルト(53)上のメダルは、前方ベルト車(51A) から後方ベルト車(51B)へ向かって移送されるようになる。
(請求項
(特徴点)
すなわち、請求項記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の特徴点に加え、前記一括投入装置(3)は、電源が投入されると、前記無端ベルト(53)を前記移送角度位置(α)に維持し、電源が遮断されると、前記無端ベルト(53)を前記排出角度位置(β)とすることを特徴とする。
(請求項1の効果)
以上のように構成されている本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、ベルト移送装置の一対のベルト車のうち、後方ベルト車を揺動可能に設け、後方ベルト車を下方へ揺動することにより、無端ベルトの姿勢を略水平姿勢から非水平姿勢へ変更できる。そして、無端ベルトは、メダル貯め部に貯留されたメダルを移送するために、メダル貯め部の底部に配置されているので、非水平姿勢にすれば、当該無端ベルトの上に載置されているメダルを、メダル貯め部の下方へ滑落又は落下させて一括投入装置の外部へ排出することができる。
このため、メダル貯め部に入ったメダルを排出するにあたり、後方ベルト車を下方へ揺動させ、無端ベルトの姿勢を非水平姿勢にすれば、メダル貯め部内部のメダルを、メダル貯め部の下方へ落下させることができる。そして、無端ベルトの下方に外部へ通じる開口を設ければ、メダル貯め部内部のメダルを、速やかに一括投入装置の外部へ排出できるようになる。従って、メダル貯め部内部のメダルを返却するにあたり、メダルを水平移動により他の部位へ移送する必要がなくなるので、メダル貯め部に貯留されたメダルの枚数が多くても、当該メダルの返却を迅速に行うことができる。
更に、無端ベルトを排出角度位置へ移動させる前に無端ベルトに振動を与えることができる。
更に、請求項1記載の発明によれば、メダルが移送される通路の途中に設けたメダル詰まりを検知可能なセンサーにより、メダルの詰まりが検知された場合には、後方ベルト車の排出角度位置への移動を開始させる前に、無端ベルトを振動させることができ、メダルの詰まりを解消することができる。それでもメダル詰まりが解消されていないときは、無端ベルトを排出角度位置へ移動させ、無端ベルトに載っているメダルを排出口に排出することができる。
更に、請求項1記載の発明によれば、後方ベルト車を駆動するための操作機として、棒状のプランジャを進退駆動させるものを採用したので、この操作機のプランジャの先端部分に後方ベルト車を回転自在に連結すれば、無端ベルトの後方ベルト車側の荷重を操作機で支持することができ、これにより、後方ベルト車を揺動駆動する操作機に、無端ベルトの後方ベルト車側の荷重を支持する支持部材を兼用させることができる。
このため、後方ベルト車の揺動駆動するための揺動駆動機構は、全体がコンパクトなものとなり、後方ベルト車を揺動するようにしても、一括投入装置が著しく大型化することを未然に防止することができる。
更に、操作機のプランジャの先端部分を細かく前後に移動させる振動動作を操作機に行わせることで、無端ベルトに振動を与えることができる。
(請求項の効果)
請求項記載の発明によれば、上記した請求項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項記載の発明によれば、メダル貯め部の内部がメダルで一杯となった満杯状態となった場合等、そのままでは、メダルが詰まってメダルの自重では排出が困難となっていても、ベルト車が下方へ揺動し始めると、無端ベルトも逆転し始めるので、無端ベルトの逆転により、メダル貯め部内部のメダルが強制的に下方へ落下されて、メダルを一括投入装置の外部へ排出できるので、メダル貯め部に貯留されたメダルの枚数が多くても、当該メダルの返却を確実に行うことができる。
(請求項の効果)
請求項記載の発明によれば、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項記載の発明によれば、電源を遮断(オフ)したときに、メダルが排出されるようになるので、電源遮断(オフ)状態で、メダル貯め部にメダルが貯留されたままの状態になってしまうことを防止することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態である一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1〜図4は、本発明の一実施形態を示すものである。図1は、本実施形態に係るメダル遊技機及びメダル貸出機を示す斜視図、図2は、本実施形態に係るメダル貸出機の要部を示す拡大斜視図、図3は、本実施形態に係るメダル貸出機の要部を示す拡大断面図、図4は、本実施形態に係る一括投入装置を示す斜視図である。
図1において、本実施形態に係るメダル貸出機2は、遊技を行うためにメダルの投入が必要なメダル遊技機であるスロットマシン1で遊技を行う遊技者に、メダルを貸し出すためのものである。そして、このメダル貸出機2は、スロットマシン1一台に一機ずつ隣接して配置されている。例えば、遊技場等において複数のスロットマシン1が並設されている場合、メダル貸出機2は、複数並設されたスロットマシン1の間に設置されるようになっている。
このように設置されるメダル貸出機2の筐体である外箱20は、スロットマシン1とともに整列配置できるように、スロットマシン1の筐体4に対応した高さ及び奥行き寸法を有するとともに、スロットマシン1の筐体4よりも幅が狭くされたものとなっている。
以下に、メダル貸出機2及びスロットマシン1について説明するが、メダル貸出機2について詳細に説明する前に、まず、スロットマシン1について簡単に説明する。
なお、以下の説明において、「前方向」や「手前方向」とは、スロットマシン1に向かって、奥から手前へ向かう方向、換言すると、スロットマシン1の筐体4の奥行き方向に沿って近づく方向をいう。
反対に、「後方向」や「奥方向」とは、スロットマシン1に向かって、手前から奥へ向かう方向、換言すると、スロットマシン1の筐体4の奥行き方向に沿って遠ざかる方向をいう。また、「左方向」及び「右方向」とは、それぞれスロットマシン1に向かった場合の右方向及び左方向をいう。
(スロットマシン1の概要)
本実施形態に係るスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口された略六面体の箱状に形成され筐体4と、筐体4の前面開口を塞ぐために筐体4に回動可能に取り付けられた前扉13とを備えている。
前扉13には、筐体4の内部に設けられた図示しない回転リールの図柄を外部に露出させるための図柄表示窓14が形成されている。この図柄表示窓14の下方となる前扉13の上下方向における略中央部分には、スロットマシン1の遊技操作を行うための操作部16が設けられ、この操作部16にスタートスイッチ16A 及びストップスイッチ16B 等の操作用の機器が設置されている。
そして、この操作部16の図1中右方の端部近傍には、遊技メダルを投入するためのメダル投入部10が設けられている。
なお、筐体4の内部におけるメダル投入部10の下方には、特に図示しないが、遊技メダルの真贋を判断すると共に投入メダルをカウントするためのメダルセレクターが設けられている。
また、前扉13の下部には、払い出しメダルを貯留可能な下皿15が設けられている。
メダル投入部10は、図2に示すように、細長いスリット状に形成されて、上方から遊技メダルを1枚ずつ投入可能な上部投入開口11と、上部投入開口11の側方に凹溝状に連通する側方移送通路12とを備えたものとなっている。このうち、側方移送通路12は、上部投入開口11からメダル貸出機2に向かって延設された樋状の通路であって、後述する導入路装置60から送られてくる遊技メダルを上部投入開口11まで導くものである。
スロットマシン1は、遊技者がメダル投入部10から遊技メダルを投入し、スタートスイッチ16A を操作することにより、回転リールを回転させ、遊技者がストップスイッチ16B を操作することにより、回転リールを停止させようになっている。そして、スロットマシン1は、回転リールが停止した際に、図柄表示窓14に表示された回転リールの図柄が所定の組合せである場合に入賞となり、所定枚数の遊技メダルを遊技者に払い出すように構成されている。
(メダル貸出機2)
図1に戻って、メダル貸出機2は、スロットマシン1の側面側に隣接して設置される箱型の装置であって、金銭が投入されると、その金銭と引き替えに遊技者に遊技メダルを貸し出すものであり、必要に応じて、貸し出したメダルをスロットマシン1のメダル投入部10に連続的且つ自動的に投入する機能を有している。
すなわち、メダル貸出機2は、図1に示すように、遊技者等が投入した紙幣を検査し、検査した紙幣を内部に貯留する紙幣カウンタ22と、投入された紙幣の金額に応じて遊技者にメダルを払い出す貸出メダル払出装置25と、外箱20の前面20A から突出するように取り付けられるとともに、メダルをスロットマシン1に連続投入するための一括投入装置3と、この一括投入装置3の動作を制御する駆動制御手段280とを備えたものである。
紙幣カウンタ22は、外箱20の前面下端の近傍に設けられた紙幣投入口21から内部に投入された紙幣の表面に印刷された図柄模様を読み取り、正規の紙幣であることを認識すると、貸出メダル払出装置25に所定枚数の遊技メダルを払い出させるものである。
この紙幣カウンタ22には、図1の如く、紙幣投入口21に投入された紙幣の表面に印刷された図柄模様を読み取るための紙幣センサ24が設けられている。
このような紙幣カウンタ22は、紙幣センサ24が出力する信号に基づいて、投入された紙幣が正規のものであるか否かを判定するとともに、当該紙幣の種類を判定する機能を有し、投入された紙幣が正規のものである場合には、紙幣の額に応じた紙幣信号を出力するものとなっている。
貸出メダル払出装置25は、紙幣カウンタ22からの紙幣信号を入力すると、紙幣信号に応じた枚数のメダルを遊技者に払い出すようになっている。
なお、メダル貸出機2としては、紙幣投入口21及び紙幣カウンタ22の他に、硬貨投入口や硬貨カウンター、及び、釣り銭払い出し口、更には、プリペイドカード投入口、及び、カードリーダーを備えたものも採用できる。
貸出メダル払出装置25は、紙幣カウンタ22からの紙幣信号を受信すると、その内部に貯留していたメダルの払い出しを行う、いわゆるホッパー装置となっている。
この貸出メダル払出装置25には、多数のメダルを貯留しておくためのタンク26と、このタンク26の底部からメダルを1枚ずつ排出する送出円板27と、排出されるメダルをカウントするためのメダルセンサ28とが設けられている。
このうち、送出円板27は、メダルが入り込む複数の孔が形成され、その中心部分が図示しない駆動モータの出力軸に連結されたものとなっている。駆動モータによって回転駆動されると、送出円板27は、回転に伴い、その孔に入ったメダルを1枚ずつ貸出メダル払出装置25の外へ排出するようになっている。また、貸出メダル払出装置25は、メダルセンサ28により所定枚数のメダルがカウントされると、駆動モータを停止させ、メダルの払い出しを停止するように構成されている。
(一括投入装置3)
一括投入装置3は、貸出メダル払出装置25から、あるいは、遊技者の手から複数のメダルをまとめて受けるとともに、受けた複数のメダルをスロットマシン1のメダル投入部10へ連続的に投入するための機能を有するものである。
具体的には、一括投入装置3は、図2及び図3に示すように、メダル貸出機2の外箱20の前面に突出するように取り付けられたカバー体30と、このカバー体30の内部に設けられるとともに、メダルを送り出すためのベルト移送装置40(図3にのみ示す)と、外箱20の前面から突出するカバー体30の先端部分に設けられるとともに、スロットマシン1のメダル投入部10側へ導くために、メダルの移動方向及び姿勢を変換する導入路装置60(図3にのみ示す)とを備えたものとなっている。
(カバー体30)
カバー体30は、図2及び図3の如く、外箱20の上下方向における略中央部分において、外箱20の前面から手前方向に突出する箱形部材である。このカバー体30の側壁30A は、図1の如く、スロットマシン1の間から突出して露出するようになっている。
カバー体30には、図3の如く、複数のメダルをまとめて内部に投入するために上方に開口された一括投入口31が形成されるとともに、この一括投入口31から投入されたメダルを一時的に貯留するためのメダル貯め部44が内部に設けられている。そして、このカバー体30の内部には、メダル貯め部44に貯留されているメダルをメダル移送方向の下流側へ連続的に移送可能なベルト移送装置40が収納されている。
カバー体30における一括投入口31の手前には、周縁部分に対して中央部分が凹まされるとともに、周縁部分から一括投入口31に向かって緩やかに傾斜した下り勾配を有する皿状部32が形成されている。
この皿状部32は、一括投入口31の手前側及び側方に向かって延出している。皿状部32の周縁部分は、内側よりも高く形成された堰部272 となっている。この堰部272 は、一括投入口31の一方の側部から手前部分を経由して他方の側部に達するU字状に延びるとともに、平坦な上面を有するものとなっている。
ここで、一括投入口31は、図3の如く、ベルト移送装置40を内部に収納するユニットカバー41に開口された内部一括投入口48の真上に位置するようにカバー体30に設けられている。この結果、内部一括投入口48の上方が堰部272 に囲まれている。
堰部272 の平坦な上面には、金属等の導電性を有する材質からなる接触センサ274 が堰部272 の上面に沿ってU字状に延びるように敷設されている。この接触センサ274 は、ベルト移送装置40の起動及び停止の操作を行うための接触作動スイッチである。すなわち、接触センサ274 に手を触れることにより、ベルト移送装置40に設けられた後述する駆動モータ55が起動され、接触センサ274 に触れている手を離すことにより、駆動モータ55が停止するようになっている。
さらに詳しく説明すると、ベルト移送装置40を駆動する駆動モータ55は、接触センサ274 に継続して触れている時間が予め定められた連続操作時間に満たない場合には、起動してから3枚のメダルを移送すると停止し、接触センサ274 に継続して触れている時間が連続操作時間を超えた場合には、3枚を超える枚数のメダルを連続的に移送するように設定されている。
(ベルト移送装置40)
ベルト移送装置40は、図3に示すように、カバー体30の内部に収納可能な箱状に形成されたユニットカバー41の内部に収納されている。ユニットカバー41は、その内部にメダル貯め部44が形成されたものである。
そして、ベルト移送装置40は、メダル貯め部44に貯留されたメダルを、スロットマシン1に投入するために移送するものである。このために、ベルト移送装置40は、表面にゴム等の滑り止め用の被覆がなされた帯状部材を環状に形成した無端ベルト53を有し、この無端ベルト53を循環させてメダルを送り出すものとなっている。
(ユニットカバー41)
ユニットカバー41は、当該メダル貸出機2の奥行き方向に長い長方形状の平面形状を有したものである。ユニットカバー41の上面には、奥行き方向における略中央部に前述の内部一括投入口48が形成されている。この内部一括投入口48は、上向きに形成された四角形状の開口であり、落下してくる複数のメダルを一括して受け入れることが可能な大きさを有している。
また、ユニットカバー41の上面における内部一括投入口48の奥側となる部分には、上方に開口するとともに、その図3中右斜め上方に配置された貸出メダル払出装置25から送出されてきたメダルを、ユニットカバー41の内部、換言すると、メダル貯め部44に取り入れるための貸出メダル受入口42が設けられている。
ここで、メダル貯め部44は、内部一括投入口48又は貸出メダル受入口42から投入されたメダルを一時的に貯留することが可能な空間となっている。
ユニットカバー41の上面に形成された内部一括投入口48は、一括投入口31から投入されるメダルを受け入れるための開口である。内部一括投入口48の奥行き方向におけるほぼ中央部分には、両側の側面を連結する仕切棒100 が設けられている。この仕切棒100 は、メダル貯め部44にメダルが投入される際に、メダルをほぼ所定の姿勢に揃えるためのものである。
すなわち、メダルが内部一括投入口48を通過する際に、メダルの姿勢が縦向き(メダルの表裏面と仕切棒100 との交差角度が直角に近い状態)となっていると、仕切棒100 がメダルの落下経路上における障害物となり、そのままの姿勢でメダルが内部一括投入口48を通過するのを抑制するようになっている。
一方、メダルが内部一括投入口48を通過する際に、メダルの姿勢が横向き(メダルの表裏面と仕切棒100 とが平行に近い状態)となっていると、仕切棒100 がメダルの落下経路上における障害物とならず、メダルの内部一括投入口48の通過を許容するようになっている。そして、仕切棒100 が内部一括投入口48を通過するメダルの姿勢を整えることにより、内部一括投入口48を通ったメダルが、その下方のメダル貯め部44に落下すると、他のメダルの上に平積みとなり、これにより、無端ベルト53による移送が容易に行えるようになっている。
(無端ベルト53の循環機構)
メダル貯め部44の底部分には、メダル貯め部44に貯留したメダルを略水平状態の姿勢で、その上面に載置して移送するための無端ベルト53が循環可能に設けられている。また、メダル貯め部44の底部分には、貸出メダル受入口42から投入されてきたメダルを無端ベルト53に案内するために、無端ベルト53への奥に配置されるとともに、無端ベルト53側へ向かって下り勾配となったメダル案内板81が設けられている。そして、ベルト移送装置40は、無端ベルト53の循環により、メダル貯め部44に貯留されたメダルを導入路装置60側へ移送するものとなっている。
無端ベルト53を循環させる循環機構は、導入路装置60側及びメダル貯め部44側のそれぞれの位置に配置された二つのベルト車51A, 51Bと、これらのベルト車51A, 51Bのうち、導入路装置60側に配置された前方ベルト車51A を介して無端ベルト53を駆動するための駆動モータ55と、この駆動モータ55の駆動力を前方ベルト車51A に伝達するための図示しない減速ギア群とを備えたものとなっている。
このうち、駆動モータ55及び図示しない減速ギア群を含んで、無端ベルト53を循環駆動させる駆動装置が構成されている。
また、二つのベルト車51A, 51Bは、その間に無端ベルト53が掛け渡される二つのベルト車となっており、前方ベルト車51A の方が後方ベルト車51B よりも若干高い高さレベルに配置されている。これにより、無端ベルト53は、移送面が移送方向に向かってやや上り勾配となるように傾斜している。
これら二つのベルト車51A, 51Bのうち、駆動モータ55に駆動される前方ベルト車51A の上方には、駆動モータ55によって駆動されるとともに、前方ベルト車51A と同じ回転方向に回転駆動される余剰メダル排除ローラ52が設けられている。
余剰メダル排除ローラ52は、その外周面に、その回転軸の軸方向に延びる撹拌溝58が形成されたものとなっている。無端ベルト53は、余剰メダル排除ローラ52を回転駆動させて、撹拌溝58に無端ベルト53の上方のメダルを攪拌させることにより、メダルの滞留を防止してメダルの効率よい移送が行えるようになっている。
このような余剰メダル排除ローラ52の外周面と、無端ベルト53のメダルを載置させる移送面とが形成する隙間54は、メダル1枚の厚みよりも大きく、メダル2枚分の厚みよりは小さいを寸法となっている。
また、余剰メダル排除ローラ52は、その外周面における径方向の移動速度が、無端ベルト53の移送面の移動速度よりも早くなるように設定されている。
さらに、余剰メダル排除ローラ52が前方ベルト車51A と同一方向に回転するので、互いに対向する無端ベルト53の移送面と余剰メダル排除ローラ52の外周面とは、その移動方向が互いに逆になっている。
そして、無端ベルト53に移送されてきたメダルが複数枚重なった状態で余剰メダル排除ローラ52に接近すると、一番下の1枚の遊技メダルを残して、2枚目より上の遊技メダルは、余剰メダル排除ローラ52によって、余剰メダル排除ローラ52の上流側に設けられた空間であるメダル戻り部45へ向かって弾き飛ばされるようになっている。
また、ユニットカバー41の上面部分における内部一括投入口48を囲む図3中左側の端縁部分には、内部一括投入口48から投入されたメダルがメダル戻り部45へ進入することは制限するが、余剰メダル排除ローラ52によって弾き飛ばされてメダル戻り部45に達したメダルがさらに上流側へ後退することは許容する移動調整弁43が設けられている。
すなわち、ユニットカバー41の上面部分には、平板状の移動調整弁43が垂れ下がった状態で揺動自在に取り付けられている。
また、ユニットカバー41の内側面には、移動調整弁43に向かって突出するストッパ43C が設けられている。このストッパ43C は、垂れ下がり状態における移動調整弁43のメダル戻り部45側の面に係合するものとなっている。移動調整弁43は、先端部分がストッパ43C に係止されるので、メダル貯め部44側へは回動可能とされ、メダル戻り部45側へは回動不可能となっている。
ここで、移動調整弁43がメダル貯め部44からメダル戻り部45へメダルが前進することを阻止し、無端ベルト53によって移送されたメダルが隙間54に進入する際に、内部一括投入口48から投入されたメダルが割り込むことを防止するので、無端ベルト53によって移送されたメダルのみが隙間54に到達可能となっている。これにより、無端ベルト53によって移送されてきた複数のメダルは、1枚ずつ移送方向下流側の導入路装置60へ円滑に送り出されるようになっている。
一方、移動調整弁43は、メダル戻り部45からメダル貯め部44へのメダルが後退することを適宜許容するので、重なった複数のメダルのうち、上方に配置されていた余剰なメダルは、余剰メダル排除ローラ52によってメダル戻り部45側へ向かって弾き飛ばされると、移動調整弁43を押し開いて、速やかに、メダル貯め部44に戻るようになっている。
なお、移動調整弁43は、垂れ下がり状態において、その先端と無端ベルト53の移送面との間隔が、メダルの直径よりも長くなるように設定されている。これにより、メダルが移動調整弁43の下方を起立状態で通過する際に、移動調整弁43が障害物とならず、起立状態となっていてもメダルが移動調整弁43が下方をスムーズに通過可能となっている。
また、余剰メダル排除ローラ52には、図示しないワンウェイ・クラッチ等の内部機構を介して駆動トルクが加わるようになっている。このため、無端ベルト53を逆回転する場合には、図示しないワンウェイ・クラッチ等の内部機構により、余剰メダル排除ローラ52が回転しないようになっている。
さらに、無端ベルト53から導入路装置60まで至る途中において、余剰メダル排除ローラ52の取り付け位置よりもメダルの移送方向の下流側の位置に、特に図示していないが、無端ベルト53の両側で対向する壁面からそれぞれ突出するとともに、無端ベルト53の移送面に先端が接し、且つ、互いの先端の間にメダル一枚分の間隔が形成された一対の突出体を形成しても良い。このような一対の突出体を設ければ、無端ベルト53によって移送されてきたメダルが幅方向における所定位置を通過するようになり、メダルの移送位置を所定の位置に整えることができる。
(導入路装置60)
導入路装置60は、無端ベルト53によって移送されてきたメダルをスロットマシン1のメダル投入部10に投入するために、無端ベルト53の移送面の上に倒れた状で移送されてきたメダルを起こすとともに、起こしたメダルをスロットマシン1のメダル投入部10に連結された側方移送通路12に導入するための装置である。
すなわち、導入路装置60には、図3に示すように、カバー体30の正面側下部に取り付けられるとともに、当該導入路装置60全体の基部となるベース部材62と、このベース部材62の前面側において溝状に形成されるとともに、スロットマシン1の側方移送通路12に向かって延びる通路部65と、図示しないヒンジを介してベース部材62の下端部分に回動可能に取り付けられたカバー部材61とが設けられている。
なお、導入路装置60は、図2の如く、メダル投入部10に臨むカバー部材61の側面に開口されたメダル排出口66を備えたものとなっている。このメダル排出口66は、スロットマシン1側のメダル投入部10に形成された側方移送通路12の延長線上に配置されている。
ここで、メダル排出口66としては、必ずしも側方移送通路12の端部に直接連結されたものに限らず、メダル排出口66から排出されたメダルが側方移送通路12に導入できるようになっていれば、側方移送通路12との間に間隙や段差等が形成されたものも採用できる。
(通路部65の概要)
通路部65は、前述したように、無端ベルト53から落下してきた遊技メダルを側方移送通路12へ案内するためのものである。
具体的には、通路部65は、ベース部材62の手前側の側面に固定された固定板251 と、この固定板251 の手前側において、当該固定板251 と対向するように配置された可動板250 と、これらの可動板250 及び固定板251 の間に挟まれるように配置されるとともに、固定板251 の側面の下端近傍部分に突設された突出部252 とにより形成された溝形部位の内部空間である。
ここで、固定板251 及び可動板250 は、その高さ寸法がメダルの直径よりも充分に大きい寸法とされている。
また、突出部252 は、その厚さ寸法が1枚のメダルの厚さ寸法よりやや大きくされるとともに、その上端面に側方移送通路12側に向かって下り勾配がつけられている。
このような固定板251 、可動板250 及び突出部252 が形成する溝形部位の溝は、幅がメダルの厚さよりもやや大きくされ、且つ、深さがメダルの直径よりも充分に深くされ、通路部65内のメダルを側方移送通路12まで確実に案内できるようになっている。
(固定板251)
固定板251 は、正面視で略L字状に形成された板状の部品である。この正面視で略L字状に形成された固定板251 は、「L」字の縦棒の上端部分が厚さ方向に曲げられており、これにより、当該上端部分がベルト移送装置40側に湾曲した湾曲部62A となっている。この湾曲部62A により、通路部65は、上方部分が広がった開口を有する溝の内部空間となり、この広がった開口がベルト移送装置40から送り出されてくるメダルを受けるメダル受け口67となっている。
また、正面視で略L字状に形成された固定板251 は、「L」字の横棒の先端がスロットマシン1側の側方移送通路12の端部の近傍に配置されている。
(可動板250)
可動板250 は、固定板251 に応じた正面視略L字状の板状部品であり、通路部65の手前側の側壁を形成するものである。この通路部65の可動板250 は、全て透明樹脂から形成されて透明となっている。
ここで、カバー部材61の前面には、図2の如く、長孔スリット状に形成されてカバー部材61の内部を視認可能にする可視部210 が部分的に設けられている。また、カバー部材61の内部における可視部210 の近傍には、通路部65の内部に向かって光りを照射する図示しない光源、例えば、発光ダイオード等が設けられている。これにより、可視部210及び可動板250 を通じて、通路部65の内部を流通するメダルが視認可能となり、メダル詰まりが容易に把握できるようなっている。
正面視で略L字状に形成された可動板250 は、図に示していないが、「L」字の縦棒の上端よりもやや低い高さレベル(具体的には、可動板250 の上端よりも可動板250 の全高の5分の1程度低い高さレベル)において、「L」字の縦棒の側端面から突出する一対の可動板支持軸(図示略)が設けられたものとなっている。この可動板支持軸を介して可動板250 がベース部材62に回動自在に支持されている。
また、可動板250 は、図示しないバネと係合し、このバネにより当該可動板250 の下端側が突出部252 に向かって付勢され、突出部252 と常時接触した状態を維持するようになっている。
一方、カバー部材61には、図3の如く、可動板250 の上端側の部位、具体的には、前述した可動板支持軸よりも高い位置となる部位を奥方向へ押圧するための詰まり解除ボタン260 が設けられている。なお、解除ボタン260 は、当該解除ボタン260 が押圧操作されたことを検出する図示しないリミットスイッチと係合している。
詰まり解除ボタン260 は、カバー部材61の前面に進退可能に取り付けられている。この詰まり解除ボタン260 を、可動板250 を付勢しているバネの付勢力に抗して奥方向へ押し込むと、可動板250 の上端側が奥方向に押圧され、可動板250 の可動板支持軸を回転の中心として、可動板250 全体が回動するようになっている。
この可動板250 全体の回動により、可動板250 の下端側が突出部252 から離隔し、通路部65の底部が開き、通路部65の内部にあるすべてのメダルを外部へ排出し、通路部65の内部でメダルが詰まっていても、当該メダル詰まりが解消されるようになっている。
(近接センサ231)
可動板250 の手前側の面には、通路部65内をメダルが通過したか否かを検知するための近接センサ231 が設けられている。
近接センサ231 は、メダルの接近を検知する応答性能が比較的良好なものである。このような近接センサ231 は、メダルが近接センサ231 の近傍を通過すると、メダルを検知した旨を示す検知信号を一時的に出力し、メダルが詰まると、メダルの検知信号を連続的に出力し、これにより、メダルの通過及びメダル詰まりの両方が検知可能となっている。
このような近接センサ231 としては、検出領域内の磁界の変化を検出する誘導形近接スイッチ、検出領域内の電界の変化を検出する静電容量形近接スイッチ、及び、光線の反射又は遮断を検出する光学近接スイッチ等の非接触式近接スイッチを採用するのが好ましいが、被検出物と直接接触することによって検出を行う機械式の近接スイッチ、いわゆるリミットスイッチを採用することもできる。
このような近接センサ231 の検知信号は、メダル貸出機2の制御部に受信され、メダル貸出機2の制御部は、受信した検知信号に基づいてメダル移送の異常を検知するようになっている。
例えば、通路部65の内部で遊技メダルが詰まると、近接センサ231 は、検知信号を出力し続けるようになっている。そして、メダル貸出機2の制御部は、近接センサ231 からの検知信号を連続的に受信すると、メダル移送に異常が生じたと判断し、遊技者に対して、詰まり解除ボタン260 を押すことを促すための音声を出力する、あるいは、その旨の表示を行うように設定されている。これにより、遊技者が詰まり解除ボタン260 を押すようになるので、メダル詰まりが速やかに解消可能となっている。
(カバー部材61)
カバー部材61は、カバー体30の前面から露出する導入路装置60の前面を覆うものである。換言すると、カバー部材61は、一括投入装置3の前面の下側を覆い、カバー体30は、一括投入装置3の前面の上側を覆うようになっている。
このようなカバー部材61は、図示しないヒンジを介して、ベース部材62に回動可能に取り付けられている。換言すると、カバー部材61は、一括投入装置3の前面部分に形成された開口を開閉する扉となっている。
ここで、カバー部材61の裏側には、奥方向に突出するとともに、先端がアンカー爪状に形成された係止部290 が設けられている。
このようなカバー部材61に対して、カバー体30における導入路装置60の上方の下面には、カバー部材61側に設けられた係止部290 のアンカー爪状に形成された先端を係止させる被係止部292 が設けられている。
閉鎖状態となったカバー部材61は、その係止部290 の先端がカバー体30側に設けられた被係止部292 に係止され、不意に開かないようになっている。
ここで、カバー部材61に設けられている詰まり解除ボタン260 の上方には、図2に示すように、カバー部材61の表裏を貫通する係止解除孔293 が形成されている。この係止解除孔293 に細長い棒状等の工具、例えば、マイナスドライバ等を差し込み、カバー部材61側の係止部290 を弾性変形させ、係止部290 の先端と被係止部292 との係止を解除すれば、カバー部材61を開くことができるようになっている。
なお、カバー部材61としては、当該カバー部材61を閉じる方向に付勢するバネと係合するように構成されたものを採用してもよい。
(排出機構80)
外箱20の前面から突出するカバー体30の根本部分の下方には、図3の如く、ベルト移送装置40から排出される異物やキャンセルメダルを受け止めるためのメダル取り出し皿90が回動軸95によって軸支されている。このメダル取り出し皿90は、その内部がベルト移送装置40から排出される異物やキャンセルメダルを収納する排出収納部93となっており、カバー体30の底部において上下に揺動可能となっている。
ここで、排出収納部93の上方には、カバー体30の底面に開口されたキャンセル開口49が設けられ、このキャンセル開口49のさらに上方には、メダル貯め部44に貯留されているメダルを排出するための排出機構80が設けられている。
すなわち、メダル貯め部44の底面は、図3及び図4に示すように、無端ベルト53及びメダル案内板81によって形成されたものとなっている。
そして、無端ベルト53を支持しているベルト車51A, 51Bのうち、前方ベルト車51A は、駆動モータ55によって回転駆動される駆動軸56A に結合され、回転可能ではあるが移動不能に位置が固定されたものとなっている。
駆動軸56A の両端には、後方ベルト車51B 側へ向かって延びるスイングアーム57の基端が回動自在に連結されている。これにより、スイングアーム57は、駆動軸56A に揺動自在に支持されるようになっている。
スイングアーム57の先端には、後方ベルト車51B を回転自在に支持する回転支軸56B の両端が連結されている。これにより、スイングアーム57の先端に後方ベルト車51B が回転自在に取り付けられている。換言すると、後方ベルト車51B は、前方ベルト車51A の回転軸である駆動軸56A を中心に揺動可能となっている。
このスイングアーム57を揺動させると、後方ベルト車51B が前方ベルト車51A との所定距離を維持しながら揺動し、これにより、無端ベルト53も揺動するようになっている。
ここで、カバー部材61の底面を形成している底板部61A と、後方ベルト車51B との間には、前方ベルト車51A の駆動軸56A を中心に、後方ベルト車51B を揺動駆動するための操作機であるソレノイド操作機82が設けられている。
このソレノイド操作機82は、内部にソレノイドが設けられた駆動部82A と、この駆動部82A により進退駆動されるプランジャ82B と、二つに分岐した先端に後方ベルト車51B の回転支軸56B の両端が回転自在に連結されているとともに、プランジャ82B の先端に結合されている軸保持部材82C とを備えたものとなっている。
このうち、駆動部82A の基部82D は、カバー部材61の底板部61A に回動可能に連結されている。また、後方ベルト車51B の回転支軸56B の両端は、軸保持部材82C の先端に回転自在に連結されることから、換言すれば、当該軸保持部材82C を介してプランジャ82B の先端に回転自在に連結されたものとなっている。
このような排出機構80は、図4(A)に示すように、ソレノイド操作機82のプランジャ82B を前進させ、後方ベルト車51B を角度位置αに配置すると、無端ベルト53及びメダル案内板81の端縁同士が近接して、メダル貯め部44の底面が閉鎖状態となるように構成されている。
一方、排出機構80は、図4(B)に示すように、ソレノイド操作機82のプランジャ82B を後退させ、後方ベルト車51B を角度位置βに配置すると、無端ベルト53及びメダル案内板81の端縁同士が離隔し、これにより、メダル貯め部44の底面に開口83が開口される開放状態となるように構成されている。
ここで、後方ベルト車51B の下方には、図3の如く、無端ベルト53の上に載せられたメダルを排出するための排出口として、前述のキャンセル開口49が設けられている。
キャンセル開口49は、上方に跳ね上げられたメダル取り出し皿90によって閉鎖されるようになっている。
すなわち、メダル取り出し皿90は、図示しないバネにより、メダル取り出し皿90を跳ね上げる方向に、換言すると、キャンセル開口49を閉鎖する方向に向かって付勢されている。これにより、キャンセル開口49は、常時閉鎖されるようになっている。一方、バネの付勢力に抗してメダル取り出し皿90を手等で押し下げれば、キャンセル開口49は、開放されるようになっている。必要に応じて、メダル取り出し皿90を手等で押し下げ、キャンセル開口49を開放して、メダル取り出し皿90の排出収納部93に溜まった貯留物をすべて取り除いた後、メダル取り出し皿90を押し下げていた力を抜けば、メダル取り出し皿90が自動的に閉じるようになっている。
これにより、スロットマシン1の上下に分割された前扉のうち、図1の如く、下方に配置された下扉13A を開く際に、メダル取り出し皿90が開くことがなく、下扉13A の回動範囲に突出して回動の邪魔になることを未然に防止することができる。
なお、メダル取り出し皿90としては、バネによる付勢力で自動的に復帰する自己復帰機構を備えていないものでもよく、閉じた状態及び開いた状態との2位置において凹部及び凸部が互いに係止しあい、メダル取り出し皿90を停止させる係止機構を備えたもの、単に、回動軸95によって開閉可能に軸支されているだけで、自重により、開いた状態を維持しているものでも良い。
このようなメダル取り出し皿90は、手で押し上げることにより、閉じた状態にすることができる。これにより、正面から向かって右隣の別の遊技機の下側の扉を開放する際、手でメダル取り出し皿90を閉じた状態にして、開放する下扉の邪魔になることを回避することができる。
以上において、無端ベルト53は、図4の如く、後方ベルト車51B が角度位置αに配置されると、その上にメダルを載せて移送可能な略水平姿勢をとり、後方ベルト車51B が角度位置βに配置されると、その上のメダルを下方へ排出可能な非水平姿勢をとるようになっている。
換言すると、後方ベルト車51B は、無端ベルト53がその上にメダルを載せて移送可能な略水平姿勢となる移送角度位置αと、無端ベルト53がその上のメダルをキャンセル開口49に排出可能な非水平姿勢となる排出角度位置βとの二位置の間を移動可能となっている。
そして、前述の駆動制御手段280 は、排出機構80のソレノイド操作機82及びベルト移送装置40の駆動モータ55の動作を制御するための制御装置となっている。この駆動制御手段280は、後方ベルト車51B が移送角度位置αから排出角度位置βへ向かって移動を開始すると、無端ベルト53を逆転させるように設定されている。
ここで、「無端ベルト53を逆転させる」とは、スロットマシン1への投入のための移送(正転)と反対方向へ循環駆動させることをいう。換言すると、無端ベルト53を逆転させると、無端ベルト53上のメダルが、前方ベルト車51A から後方ベルト車51Bへ向かって移送されるようになっている。
また、駆動制御手段280 は、ソレノイド操作機82の駆動部82A に交流電力を与える等により、プランジャ82B の先端部分を細かく前後に移動させる振動動作をソレノイド操作機82に行わせる機能を有している。
さらに、駆動制御手段280 は、後方ベルト車51B を排出角度位置βへ移動させる排出動作が完了してから所定時間が経過すると、後方ベルト車51B を移送角度位置αへ戻す復帰動作をソレノイド操作機82に開始させるようになっている。
このような駆動制御手段280 により作動が制御される排出機構80は、図3及び図4の如く、後方ベルト車51B を移送角度位置αから排出角度位置βへ向かって移動させ、無端ベルト53を非水平姿勢にし、メダル貯め部44の底部に開口83を開口させるとともに、無端ベルト53を逆転させることにより、メダル貯め部44の内部に投入されたメダルを開口83及びキャンセル開口49を通じてメダル取り出し皿90へ排出するようになっている。
また、近接センサ231 がメダル詰まりを検知すると、メダル貯め部44の内部において無端ベルト53の上で発生する可能性のあるメダル詰まりを解消するために、駆動制御手段280 は、ソレノイド操作機82を振動動作させるようになっている。
そして、ソレノイド操作機82を振動動作によっても、近接センサ231 がメダル詰まりを検知したままの場合には、後方ベルト車51B を排出角度位置βへ移動させ、無端ベルト53を非水平姿勢にして開口83を開き、この開口83が開いた状態で、無端ベルト53を逆転させ、メダル貯め部44の内部に投入されたメダルをキャンセル開口49からメダル取り出し皿90へ排出させるようになっている。
さらに、遊技場の管理者等がゴミ等の貯留物を回収する際に、排出機構80を作動させた後、メダル取り出し皿90を手前側に回転させることにより、メダル取り出し皿90に溜まった貯留物を手で簡単に取り出すことができるようになっている。
(回転表示部240)
カバー体30の前面における上端縁近傍には、図2の如く、ベルト移送装置40の運転状態と、後述する排出機構80の作動状態とを遊技者に向かって表示するための回転表示部240 が設けられている。
すなわち、回転表示部240 には、外箱20の前面に向かって右側に配置された青色に発光可能な青色発光部241 と、同左側に配置された赤色に発光可能な赤色発光部242 が設けられている。
このような回転表示部240 は、青色発光部241 及び赤色発光部242 の2個の発光体の点灯及び消灯の組み合わせによって、ベルト移送装置40の運転状態と、排出機構80の作動状態とを表示するようになっている。
例えば、回転表示部240は、ベルト移送装置40でメダルを下流側へ移送する前進運転状態においては、青色発光部241 のみが点灯し、ベルト移送装置40でメダルを上流側へ逆送する後退運転状態においては、赤色発光部242 のみが点灯し、排出機構80がメダル貯め部44に貯留されているメダルを排出するメダル排出運転状態においては、両方とも点灯し、ベルト移送装置40が停止した停止状態では、両方とも消灯するように構成されている。
(排出機構80の動作説明)
次いで、本実施形態に係る排出機構80の動作について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
一括投入口31を囲む堰部272 の上面に設けられている接触センサ274 に遊技者が触れると、排出機構80の一連の動作が開始され、まず、図5に示すように、ステップS1000において、遊技者がカバー体30の前面に設けられている解除ボタン260 を操作したか否かが判断される。
このステップS1000で、遊技者が解除ボタン260 を操作したことが判断されると、ステップS1600へジャンプする。一方、ステップS1000で、解除ボタン260 を操作していないと判断されると、次のステップS1100へ進む。
ステップS1100では、近接センサ231 により、メダルの詰まりが検知されたか否かが判断される。このステップS1100で、メダルの詰まりが検知されていないと判断されると、ステップS1500へジャンプする一方、メダルの詰まりが検知さていると判断されると、次のステップS1200へ進む。
ステップS1200では、メダル貯め部44の内部において、無端ベルト53の上で発生する可能性のあるメダル詰まりを解消するために、ソレノイド操作機82を振動させる振動動作処理が行われる。そして、ソレノイド操作機82の振動動作を所定時間行ったら、当該振動動作処理を完了させ、次のステップS1300へ進む。
ステップS1300では、近接センサ231 が出力する検知信号に基づいて、メダルの詰まりが解消されたか否かが判断される。このステップS1300で、メダルの詰まりが解消されたと判断されると、排出機構80の一連の動作が完了し、次に遊技者が解除ボタン260 を操作するまで、排出機構80は停止状態となる。一方、ステップS1300で、メダルの詰まりが解消されていないと判断されると、次のステップS1400へ進む。
ステップS1400では、後方ベルト車51B を排出角度位置βへ移動し、無端ベルト53を下方へ揺動させる無端ベルト下方揺動処理を行い、無端ベルト53の上に載っているメダルをキャンセル開口49に排出する。この無端ベルト下方揺動処理の完了したことによっても、排出機構80の一連の動作が完了し、次に遊技者が解除ボタン260 を操作するまで、排出機構80は停止状態となる。
ステップS1100で、メダルの詰まりが検知されていないと判断されたために、ステップS1500へジャンプした場合、ステップS1500において、遊技者が接触センサ274 に最後に触れてから所定の時間が経過したか否か、換言すると、駆動制御手段280 が接触センサ274 から出力された信号を最後に受信してから、所定の時間が経過したか否かが判断される。
このステップS1500で所定の時間が経過していないと判断された場合には、ステップS1000へ戻り、一方、所定の時間が経過したと判断された場合には、次のステップS1600へ進む。
ステップS1600では、ステップS1400と同様に、後方ベルト車51B を排出角度位置βへ移動し、無端ベルト53を下方へ揺動させる無端ベルト下方揺動処理を行い、無端ベルト53の上に載っているメダルをキャンセル開口49に排出する。この無端ベルト下方揺動処理が完了すると、ステップS1400の場合と同様に、排出機構80の一連の動作が完了する。
(実施形態の効果)
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、ベルト移送装置40の一対のベルト車51A, 51Bのうち、後方ベルト車51B を揺動可能に設け、後方ベルト車51B を下方へ揺動することにより、無端ベルト53の姿勢を略水平姿勢から非水平姿勢へ変更できるようにし、且つ、無端ベルト53の姿勢を非水平姿勢へ変更すると、メダル貯め部44の底部に開口83が形成され、メダル貯め部44の底部である無端ベルト53の上に載置されているメダルを、メダル貯め部44の下方へ滑落又は落下させて一括投入装置3の外部へ排出することができる。
このため、メダル貯め部44の内部に貯留されているメダルを返却するにあたり、メダルを水平移動させて他の部位へ移送する必要がなく、メダル貯め部44に貯留されたメダルの枚数が多くても、一括投入装置3の外部へ速やかに排出できるようになり、メダルの返却を迅速に行うことができる。
また、メダル貯め部44の内部がメダルで一杯となった満杯状態となった場合等、そのままでは、メダルが詰まってメダルの自重では、メダル貯め部44の底部に形成された開口83からの排出が困難となっていても、後方ベルト車51B が下方へ揺動し始めると、無端ベルト53も逆転し始めるようにしたので、無端ベルト53の逆転により、メダル貯め部44内のメダルが強制的に下方へ落下されて、メダルを一括投入装置3の外部へ排出できるので、メダル貯め部44に貯留されたメダルの枚数が多く、メダル貯め部44の内部がメダルで一杯となっていても、メダルの返却を確実に行うことができる。
さらに、後方ベルト車51B を駆動するための操作機として、棒状のプランジャ82B を進退駆動させるソレノイド操作機82を採用し、このソレノイド操作機82のプランジャ82B の先端部分に後方ベルト車51B を回転自在に連結したので、無端ベルト53の後方ベルト車51B 側の荷重をソレノイド操作機82で支持することができ、これにより、後方ベルト車51Bを揺動駆動するソレノイド操作機82に、無端ベルト53の後方ベルト車51B 側の荷重を支持する支持部材を兼用させることができる。
このため、後方ベルト車51B の揺動駆動するための揺動駆動機構は、全体がコンパクトなものとなり、後方ベルト車51B を揺動するようにしても、一括投入装置3が著しく大型化することを未然に防止することができる。
また、メダル貯め部44の内部がメダルで一杯となった満杯状態となったために、メダルが詰まってしまった場合には、近接センサ231 によってメダルの詰まりが検知され、メダルの詰まりが検知されると、駆動制御手段280 によりソレノイド操作機82が振動動作され、無端ベルト53とともにメダル貯め部44内のメダルも上下に揺すられ、メダルの詰まりが解消されるので、この後、メダルのスロットマシン1への正常な投入動作が行えるうえ、必要に応じて、後方ベルト車51B を排出角度位置βへ向かって移動すれば、メダルがスムーズに一括投入装置3の外部へ排出され、これにより、メダル貯め部44に貯留されたメダルが詰まっても、メダルを返却でき、メダルの返却を一層確実に行うことができる。
さらに、ベルト移送装置40の一対のベルト車51A, 51Bのうち、前方ベルト車51A を駆動モータ55で回転駆動するようにし、反対側の後方ベルト車51B を揺動可能に設けるようにしたので、無端ベルト53の後方ベルト車51B 側の重量が軽減され、後方ベルト車51B を駆動するソレノイド操作機82の負荷も軽減され、後方ベルト車51B を駆動するソレノイド操作機82として小型のものを採用することができ、これにより、後方ベルト車51B を揺動する機構を採用するようにしても、一括投入装置3が著しく大型化することを未然に防止することができる。
(変形例)
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良などをも含むものである。
すなわち、操作機としては、電磁力でプランジャを進退駆動させるソレノイド操作機に限らず、モータのトルクを直線的な力に変換するとともに、変換した直線的な力でプランジャを進退駆動させる電動操作機、並びに、油圧や圧搾空気等の流体圧でプランジャを進退駆動させる油圧駆動式、及び、エア駆動式のシリンダ操作機のいずれもが採用できる。ただし、流体の圧力で駆動するシリンダ操作機は、流体に圧力を付与する圧力源装置を、遊技機とは別に設置する必要があるので、電気で駆動するソレノイド操作機及び電動操作機を採用する方が実施が容易である。
なお、操作機として電動操作機を採用すれば、前記実施形態において、後方ベルト車51B を下方へ揺動させた際における後方ベルト車51B の停止位置、換言すると、角度位置βを任意に設定できるようになるので、無端ベルト53の傾斜角度を無段階あるいは多段階に調整することができる。
ここで、非水平姿勢としたときにおける無端ベルト53の傾斜角度を設定するにあたり、メダル貯め部44に貯留されたメダルのすべてではなく、その一部ののみが返却されるようになる傾斜角度に設定してもよい。
また、排出機構としては、メダルの排出時に無端ベルトを傾斜させるものに限らず、無端ベルトを略垂直に立たせるものでもよい。
メダルの排出時に無端ベルトが略垂直となる排出機構の一例が図6に示されている。
すなわち、図6において、後方ベルト車51B を回転自在に支持するスイングアーム57は、その基端が前方ベルト車51A を駆動する駆動軸56A に回動自在に連結されている。このようなスイングアーム57の先端には、カバー体30側に掛止されるための係合凸部71が設けられている。
一方、カバー体30側には、スイングアーム57の係合凸部71を掛止させる係合凹部72A を備えた掛止部材72が後方ベルト車51B に対して進退自在に設けられている。この掛止部材72は、コイルスプリング等のバネ73により常に後方ベルト車51B 側へ付勢されている。また、カバー体30側には、掛止部材72をバネ73の付勢力に抗して後方ベルト車51B から離れる方向へ後退させるソレノイド操作機74が設けられている。
無端ベルト53は、スイングアーム57の係合凸部71を掛止部材72の係合凹部72A に掛止させることにより、略水平姿勢をとるようになっている。
そして、メダルを排出するにあたり、ソレノイド操作機74が作動して掛止部材72を後退させる。すると、係合突起71と係合凹部72A との係合が解除され、これにより、後方ベルト車51B 側が下方へ揺動し、この結果、無端ベルト53は、メダルの排出時に略垂直姿勢となるように構成されている。
また、スイングアーム57には、摩擦パッド75を前方ベルト車51A に対して進退させるソレノイド操作機76が設けられている。ソレノイド操作機76を作動させると、摩擦パッド75が前方ベルト車51A の周面に摩擦係合し、スイングアーム57が駆動軸56A に対して回動不能に固定されるようになっている。
無端ベルト53は、略垂直姿勢となっている状態で、ソレノイド操作機76が作動されて摩擦パッド75が前方ベルト車51A の周面に摩擦係合した状態で、駆動モータ55が作動されると、循環せずに、その代わりに、後方ベルト車51B 側が上方へ揺動されて起きあり、略水平姿勢に戻るようになっている。
このように、メダルの排出時に無端ベルト53が略垂直姿勢となる排出機構を採用すれば、無端ベルト53の上に多数のメダルが載置されていても、メダルの排出時に、無端ベルト53が略垂直姿勢となるので、メダルの返却を更に一層速やかに行うことができる。そのうえ、メダルの排出時に、一括投入口31からメダルが投入されても、無端ベルト53が略垂直状態となっているので、メダル貯め部44にメダルが貯留されることがなく、そのまま排出されてしまうので、メダルの排出時に投入されたメダルも確実に返却することができるという効果を達成できる。
以上のような無端ベルトの揺動機構については、次のような変形例が考えられる。
すなわち、無端ベルトの揺動機構としては、メダル貸出機2の電源が投入されると、ソレノイド操作機74が掛止部材72を前進させ、係合突起71と係合凹部72A との係合を可能にする一方、メダル貸出機2の電源が遮断されると、ソレノイド操作機74が掛止部材72を後退させ、係合突起71と係合凹部72A との係合を解除し、これにより、後方ベルト車51B 側を下方へ揺動させて、無端ベルト53を略垂直姿勢にするように構成されたものも採用できる。
このようなものを採用すれば、メダル貸出機2の電源をオフにしたときに、無端ベルト53が略垂直姿勢となり、必ずメダルが排出されるようになるので、電源オフ状態で、メダル貯め部44にメダルが貯留されたままの状態になってしまうことを防止することができる。
さらに、遊技機としては、スロットマシンに限らず、他の種類のメダル遊技機でもよく、要するに、本発明は、メダルを遊技媒体とするメダル遊技機に隣接して配置されるメダル貸出機の一括投入装置全般に適用できる。
本発明の実施形態に係るメダル遊技機及びメダル貸出機を示す斜視図である。 前記本実施形態に係るメダル貸出機の要部を示す拡大斜視図である。 前記実施形態に係るメダル貸出機の要部を示す拡大断面図である。 前記実施形態に係る一括投入装置を示す斜視図である。 前記実施形態に係る排出機構の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の変形例を示す図3に相当する図である。
1 メダル遊技機としてのスロットマシン
2 メダル貸出機
3 一括投入装置
31 一括投入口
40 ベルト移送装置
44 メダル貯め部
49 排出口としてのキャンセル開口
51B 後方ベルト車
51A 前方ベルト車
53 無端ベルト
55 無端ベルトを駆動する駆動装置を構成するモータ
56B 後方ベルト車の回転軸である回転支軸
82 操作機であるソレノイド操作機
82B プランジャ
280 制御装置としての駆動制御手段
α 移送角度位置
β 排出角度位置

Claims (3)

  1. 複数のメダルをまとめて内部に投入するために開口された一括投入口と、この一括投入口から投入されたメダルを一時的に貯留するために内部に設けられたメダル貯め部と、このメダル貯め部に貯留されたメダルを遊技機に投入するために移送するベルト移送装置とが備えられているメダルの一括投入装置であって、
    前記ベルト移送装置は、メダルの移送方向の後方に配置された後方ベルト車と、メダルの移送方向の前方に配置された前方ベルト車と、これらのベルト車の間に掛け渡されるとともに、これらのベルト車の間を循環する無端ベルトと、この無端ベルトを循環駆動させる駆動装置とを備え、前記無端ベルトの上にメダルを載せて移送するものであり、
    前記後方ベルト車の下方には、前記無端ベルトの上に載せられたメダルを排出するための排出口が設けられ、
    前記後方ベルト車は、前記前方ベルト車の回転軸を中心に揺動可能に設けられ、前記無端ベルトがその上にメダルを載せて移送可能な略水平姿勢となる移送角度位置と、前記無端ベルトがその上のメダルを前記排出口に排出可能な非水平姿勢となる排出角度位置との二位置の間を移動可能となり、
    前記移送角度位置及び前記排出角度位置の一方から他方へ前記後方ベルト車を駆動するために、棒状のプランジャを進退駆動させる操作機が設けられ、
    前記後方ベルト車の回転軸が前記操作機の前記プランジャの先端部分に回転自在に連結され、
    前記ベルト移送装置の動作を制御するための制御装置が設けられ、
    前記制御装置は、前記操作機の前記プランジャの先端部分を細かく前後に移動させる振動動作を前記操作機に行わせることで、前記無端ベルトに前記振動を与えると共に、
    メダルが移送される通路の途中に設けたメダル詰まりを検知可能なセンサーにより、メダルの詰まりが検知された場合には、前記無端ベルトに振動を与え、それでもメダル詰まりが解消されていないときは、前記無端ベルトを前記排出角度位置へ移動させるように形成されていることを特徴とする一括投入装置。
  2. 前記制御装置は、前記後方ベルト車が前記排出角度位置へ向かって移動を開始すると、前記無端ベルトを逆転させるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の一括投入装置。
  3. 電源が投入されると、前記無端ベルトを前記移送角度位置に維持し、
    電源が遮断されると、前記無端ベルトを前記排出角度位置とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の一括投入装置。
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