JP2004255051A - 弾球遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】揚送装置による揚送の際における球噛みの発生率を低下させて、遊技球を確実に揚送することが出来るようにした弾球遊技機を提供すること。
【解決手段】打球貯留部に貯留されている遊技球を揚送装置まで導く揚送球誘導通路415内を流下する遊技球を揚送装置403に1個ずつ供給するための揚送球供給装置は、揚送球誘導通路の遊技球に外周面を当接させて流下を規制するように配置され、回転軸601を中心に回転自在に設けられる回転体413を有し、回転体413の回転により外周面413aに凹設された係合凹部414に遊技球が係合され、揚送装置403側に向けて遊技球が1個ずつ移送されるように構成されており、前記外周面413aには、遊技球を外周面413aよりも回転軸601寄りで係合凹部414に係合させるように案内する係合案内部600が係合凹部414に連設されている。
【選択図】 図7
【解決手段】打球貯留部に貯留されている遊技球を揚送装置まで導く揚送球誘導通路415内を流下する遊技球を揚送装置403に1個ずつ供給するための揚送球供給装置は、揚送球誘導通路の遊技球に外周面を当接させて流下を規制するように配置され、回転軸601を中心に回転自在に設けられる回転体413を有し、回転体413の回転により外周面413aに凹設された係合凹部414に遊技球が係合され、揚送装置403側に向けて遊技球が1個ずつ移送されるように構成されており、前記外周面413aには、遊技球を外周面413aよりも回転軸601寄りで係合凹部414に係合させるように案内する係合案内部600が係合凹部414に連設されている。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、打球貯留部に貯留された遊技球を揚送装置により揚送し、遊技盤面上に形成された遊技領域の上部側方位置から遊技球を打ち出して遊技を行う弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の弾球遊技機としては、例えば遊技盤の上部側方(遊技機に向かって左側)位置に発射装置を設け、打球供給皿に貯留されている遊技球をスプロケットにて揚送管内に数珠つなぎ状態で送り出して揚送することで発射装置に供給するもの等がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、打球供給皿に貯留されている遊技球を、遊技盤の後面側に設けられたスクリュー部材により揚送することで発射装置に供給するもの等がある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭58−163388号公報(3頁、第1、2、7図)
【特許文献2】
特許第2805499号公報(第2−3頁、第3−8図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これら遊技盤の上部側方位置から遊技球を打ち出して遊技を行う弾球遊技機は、発射装置を遊技機の下方位置のハンドル近傍に有するものに比較して、発射レールの設置等の制約を受けることがないため、遊技盤上の遊技領域の大きさ、特には上下方向の大きさを大きくでき、遊技盤のほぼ中央部位置に設けられている可変表示装置である液晶パネル等の大型化にあって、これら液晶パネルの大型化等による遊技盤形成への制約を解消することが可能となることから、その有用性が高まってきている。
【0006】
しかしながら、前記特許文献1、2に記載の揚送装置にあっては、揚送装置につながる通路内を流下してきた遊技球をスプロケットやスクリュー部材を回転することで揚送するように構成されているが、これらスプロケットやスクリュー部材に後続の遊技球の球圧が加わるため、スプロケットやスクリュー部材を駆動する駆動装置に負荷がかかって揚送に支障をきたす恐れがあるばかりか、球噛み等が発生しやすくなり、遊技球がうまく揚送されない恐れがあった。
【0007】
このような場合、所定時間における発射球数が減少することとなり、遊技者に不快感を与えることになるとともに、引いては遊技場の売り上げも減少するといった問題があった。
【0008】
よって、本発明は上記した問題点に着目してなされたもので、揚送装置による揚送の際における球噛みの発生率を低下させて、遊技球を確実に揚送することが出来るようにした弾球遊技機を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記した問題を解決するために、本発明の弾球遊技機は、弾球遊技機の前面側における遊技領域の下方に設けられ、遊技に使用するための遊技球を貯留するための打球貯留部と、弾球遊技機の上部側方位置に設けられ、遊技球を遊技領域内に打ち出すための発射装置と、前記打球貯留部に貯留されている遊技球を揚送部材の駆動により揚送して前記発射装置に供給する揚送装置と、を備える弾球遊技機において、
前記打球貯留部に貯留されている遊技球を前記揚送装置まで導く揚送球誘導通路と、
該揚送球誘導通路内を流下する遊技球を前記揚送装置に1個ずつ供給するための揚送球供給装置と、を備え、
前記揚送球供給装置は、
前記揚送球誘導通路の遊技球に外周面を当接させて流下を規制するように配置され、回転軸を中心に回転自在に設けられる回転体を有し、前記回転体の回転により前記回転体の外周面に凹設された係合凹部に遊技球が係合され、前記揚送装置側に向けて遊技球が1個ずつ移送されるように構成されており、
前記回転体の外周面には、遊技球を前記外周面よりも前記回転軸寄りで前記係合凹部に係合させるように案内する係合案内部が前記係合凹部に連設されていることを特徴とする。
この特徴によれば、揚送球供給装置により揚送装置に遊技球を1個ずつ移送することで、揚送装置に後続球の球圧が直接加わることがなくなるため、揚送に悪影響が及ぶことを回避出来るばかりか、回転体の周面に当接して流下が規制されている遊技球は、係合案内部により回転体の外周面よりも回転軸寄りに案内された位置で係合凹部に係合されることで、係合凹部に係合する際における遊技球の移動距離が短くなり、係合凹部に確実に係合して揚送装置に移送されることになるため、係合凹部への係合時における球噛み等の発生率を効果的に低下させることが出来る。
【0010】
本発明の弾球遊技機の前記係合案内部は、前記回転体の外周面に連続するとともに、前記係合凹部に向かうに従い前記回転軸に近づくように形成される曲面状部にて構成されていることが好ましい。
このようにすれば、外周面に連続して形成される曲面状部にて係合案内部が構成されていることで、回転体の回転により遊技球が回転軸寄りにスムーズに案内されるため、遊技球を係合凹部に確実に係合させることが出来る。
【0011】
本発明の弾球遊技機の前記揚送装置は、軸心周りに回転自在に設けられるとともに、遊技球に当接して揚送する螺旋状部を有するスクリュー部材を備え、
前記回転体と前記スクリュー部材との回転方向を異ならせたことが好ましい。
このようにすれば、スクリュー部材の回転方向と回転体による遊技球の移送方向とが同一になり、螺旋状部により遊技球を掬い上げるときにおける衝撃が緩和されるため、球噛みの発生率を効果的に低下させることが出来る。
【0012】
本発明の弾球遊技機の前記揚送球誘導通路における前記揚送球供給装置の配置位置上流側の一部を屈曲形成することにより、後続球による球圧を緩和するための球圧緩和部を構成したことが好ましい。
このようにすれば、回転体に加わる揚送球誘導通路内の後続球の球圧が分散されて緩和されるため、回転体の回転に悪影響が及ぶことがないとともに、係合時における球噛みの発生率を低下させることが出来るばかりか、揚送球誘導通路内の遊技球の流下に影響を与えることなく、後続球の球圧を緩和することが出来る。
【0013】
【発明の実施形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0014】
本実施例の弾球遊技機であるパチンコ機2は、該パチンコ機2の側部位置に1対1にて配置される遊技用装置であるカードユニット3とともに、図示しない遊技島の前後面に複数並設されて使用される。
【0015】
これらパチンコ機2並びにカードユニット3が並設される遊技島の内部には、前記各パチンコ機2にパチンコ球を供給する供給樋や、前記各パチンコ機2にて使用され、排出されたパチンコ球を集めて前記供給樋に揚送する揚送装置等(図示略)が設けられているとともに、高さ方向略中央部には前記各カードユニット3より排出された紙幣を所定方向島端に設けられた回収ボックス(図示略)に搬送可能な紙幣搬送路(図示略)や、同様に前記各カードユニット3より排出された硬貨及びプリペイドカードを前記所定方向島端の回収ボックスに混合搬送可能な混合搬送路(図示略)等が設けられている。
【0016】
本実施例の弾球遊技機であるパチンコ機2を主に図1〜図4に基づいて説明すると、該パチンコ機2は、遊技機枠としての前面扉枠200(図2参照)と、該前面扉枠200の前面側に開閉自在に枢支され、中央にガラス板が設けられたガラス扉枠202と、前面扉枠200を開閉自在に枢支する四角枠状に形成された基枠(図示略)と、からなる。
【0017】
ガラス扉枠202の下部前面には、貸し出された球並びに払い出された賞球を貯留するための打球貯留部としての打球供給皿203が一体に設けられており、該打球供給皿203の上面所定箇所には操作部14が設けられている。前面扉枠202の前面における打球供給皿203の下方には、打球供給皿203から溢れた賞球を貯留する余剰球受皿204と、打球を発射する打球操作ハンドル(以下、操作ノブという)205、とが設けられている。なお、図1中の241は、前記打球供給皿203を含むガラス扉枠202を開放操作するためのシリンダ錠である。
【0018】
また、ガラス扉枠202の下部前面における打球操作ハンドル205の近傍には、遊技に関連する演出装置を操作するための演出装置操作ボタン112a、112bが配設されている。この演出装置操作ボタン112a、112bは、本実施例においては使用されていないが、例えば機種変更等に伴って遊技に関連する演出装置を設けた場合において、このような演出装置に関連する何らかの操作をする際に使用されるボタンである。
【0019】
前記演出装置とは、具体的にいうと、例えば後述する遊技盤206の所定箇所に可動自在に設けられた可動部材(例えばパチンコ機のタイトルキャラクタをモチーフにして構成された役物)や、後述する可変表示装置とは別個に構成された演出用可変表示装置等を含み、演出装置操作ボタン112a、112bは、これら可動部材を可動させるための操作や、演出用可変表示装置を可変表示させることにより行われるミニゲーム等を停止表示または選択するための操作に使用されるものである。
【0020】
これら演出装置操作ボタン112a、112bは、打球操作ハンドル205の近傍に設けられているため、遊技者は打球操作ハンドル205を操作しながら、該ハンドルを操作する手で演出装置操作ボタン112a、112bを操作することが出来るため、打球操作を中断することなく演出装置の操作を行うことが可能である。なお、これら演出装置操作ボタン112a、112b内には例えば複数色に発光可能なLED(図示略)等が内蔵されている。なお、これら演出装置操作ボタン112a、112b内には例えば複数色に発光可能なLED(図示略)等が内蔵されている。
【0021】
操作部14には、遊技者により前記カードユニット3に設けられたカード挿入口314に挿入された遊技用記録媒体であるプリペイドカードより読み出された遊技用価値である度数を表示する度数表示部(図示略)と、遊技の開始または前記打球供給皿203に持球が少なくなったまたは無くなった際に押圧操作されて、前記度数表示部に残度数が存在する場合に所定数量のパチンコ球の貸出を実施するための貸出ボタン(図示略)と、遊技を終了する際に押圧操作されることにより、前記カードユニット3に挿入されているプリペイドカードに新たな残度数が記録されて返却がなされる返却ボタン(図示略)と、が設けられている。
【0022】
前面扉枠200には、図2に示すように、略中央部に形成された開口200c内に遊技盤206が着脱自在に取付けられている。また、前面扉枠200の前面200aにおける遊技盤206に向かって左側方上部位置には、該遊技盤206の前面206aに形成される遊技領域207に向けてパチンコ球を発射するための発射装置500が取付けられているとともに、前面扉枠200の後面側における発射装置500の下方には、打球供給皿203に貯留されたパチンコ球を揚送して発射装置500にパチンコ球を供給するための揚送ユニット400(揚送装置)が取付けられている。
【0023】
ガラス扉枠202における打球供給皿203の下部には、該打球供給皿203に貯留されているパチンコ球を整列して、後述する揚送ユニット400の下部ユニット401に繋がるクランク流路416並びに連結流路415に供給するように設けられた誘導傾斜樋283が設けられている。すなわち、これら誘導傾斜樋283、クランク流路416、連結流路415により、打球供給皿203に貯留されたパチンコ球を揚送ユニット400に導くための揚送球誘導通路が構成されている。なお、これら各通路の下面は揚送ユニット400側に向けて徐々に下方に傾斜する傾斜面とされており、誘導傾斜樋流入口230から流入したパチンコ球は通路内を自然流下するようになっている。
【0024】
打球供給皿203に貯留されているパチンコ球は、打球供給皿203の底面に露呈するように設けられる誘導傾斜樋流入口230から流出して誘導傾斜樋283を流下し、クランク流路416並びに連結流路415を通過して、前記揚送ユニット400の下部に設けられている後述する下部ユニット401に供給され、該揚送ユニット400にて発射装置500に揚送、供給されて、発射装置500により遊技盤206の前面206aに形成された遊技領域207に打ち出されるようになっている。また、本実施例では、ガラス扉枠202の開放により、クランク流路416と連結流路415との間にて流路が分離されるようになっている。
【0025】
図2及び図5に示されるように、前記揚送ユニット400の側方位置には、前記発射装置500にて打ち出されたが、発射勢いが弱いために前記遊技領域207に到達しなかったファール球を流下させるためのファール球流路295が設けられている。該ファール球流路295の下端部には、前面扉枠200の後面側に配設される機構板(図示略)に形成される賞球通路(図示略)に繋がるファール球流出口288が設けられており、前記ファール球は、該ファール球流路295、ファール球流出口288、前記賞球通路を通じて打球供給皿203或いは余剰球受皿204に返却されるようになっている。
【0026】
図5、図6及び図8に示されるように、揚送ユニット400内に形成される揚送通路にパチンコ球を供給する揚送球供給手段となる下部ユニット401の直近位置である前記連結流路415の上流位置、つまりは、ガラス扉枠202の開放により分離されて離脱する部分には、クランク流路416、誘導傾斜樋283並びに前記打球供給皿203に停留するパチンコ球(待機球)を余剰球受皿204に流下させるための待機球返却部420が設けられており、図1に示すように、該待機球返却部420に対応する位置となる打球供給皿203の下方左部位置に設けられた揚送球返却操作手段としての返却操作ボタン296を押圧操作することで、パチンコ球の返却(抜き取り)が実施される。
【0027】
本実施例に用いた待機球返却部420の構成を詳しく説明すると、図6並びに図8に示すように、待機球返却部420の下部には、待機球返却通路242(図2参照)にパチンコ球を流入させるための開口421が形成されており、前記誘導傾斜樋283の終端に形成されたクランク流路416の流路下面にスライド自在に配置されたスライド板423が、前記操作ボタン296の押圧操作により前後方向に移動する連結棒424に固定されていて、該連結棒424の移動に伴ってスライド板423が前後方向にスライドするとともに、前記連結棒424にはスプリング422が前記連結棒424をパチンコ機2の前方、つまりはスライド板423が開口421を塞ぐ方向に付勢するように設けられている。
【0028】
通常にあっては、図8(b)に示すように、前記スプリング422にてスライド板423が前方方向へ付勢されることにより、前記スライド板423が開口421を塞ぐことで、スライド板423上をパチンコ球が通過して、連結流路415を通じて揚送ユニット400にパチンコ球が供給される一方、前記操作ボタン296の操作時にあっては、図8(a)に示すように、該操作ボタン296の押圧操作により、スプリング422の付勢に抗してスライド板423が内方へスライドし、前記開口421がクランク流路416の底面に露出することで、パチンコ球が待機球返却通路242内に流入して、余剰球受皿204にパチンコ球(待機球)が返却されるようになっている。
【0029】
また、本実施例では、前記待機球返却部420に隣接してストッパー部429を設けており、ガラス扉枠202が開放された場合に、該ストッパー部429にてクランク流路416の下流端開口よりパチンコ球が溢流することが防止されるようになっている。
【0030】
さらに、前記連結棒424の所定箇所からは、後述する揚送球返却部450の下部に形成される開口部451を開閉するスライド板452が先端に固着された連結棒424aが連設されている。このスライド板452には前記開口部451とほぼ同形をなす球抜き開口部453が一端部側に形成されており、連結棒424のスライド移動に連動して、スライド板452が開口部451を閉塞する閉塞位置と、球抜き開口部453が開口部451に合致してパチンコ球を落下可能とする開放位置と、の間でスライド移動するようになっている。
【0031】
次に、本実施例に用いた揚送ユニット400の詳細を、主に図3〜図7に基づいて説明すると、揚送装置としての揚送ユニット400は、特に図5に示されるように、パチンコ球を1つ1つ分離した状態で揚送するための揚送部材としての揚送スクリュー403、及び該揚送スクリュー403が内部に収容される揚送路ケース402から成る揚送経路ユニット406と、該揚送経路ユニット406の下方に設けられ、前記揚送スクリュー403を駆動する揚送モータ410や、前記揚送路内にパチンコ球を1個ずつ供給する揚送球供給装置を構成する球供給スプロケット413や、該球供給スプロケット413にパチンコ球を誘導する連結流路415を有する下部ユニット401と、から構成されている。
【0032】
下部ユニット401は、図4に示すように、前面扉枠200の後面200bにおける下部所定箇所から後向きに突出形成された揚送ユニット取付台111の上面に、蝶ネジ100を介して固着されるベース板401’と、このベース板401’の上面に設けられるカバー体440と、から外形が主に構成される。ベース板401’の下面には、揚送スクリュー403及び球供給スプロケット413を駆動する揚送モータ410が取付けられている。
【0033】
カバー体440の上面には、揚送路ケース402の下端部が嵌合される嵌合部441が形成されているとともに、その嵌合部441の内部には、嵌合された揚送路ケース402の下端開口が連通する開口が形成されている。
【0034】
また、カバー体440の内部には、図5及び図7に示されるように、前記誘導傾斜樋283、クランク流路416並びに連結流路415を流下してきたパチンコ球を、移送通路602を介して揚送スクリュー403に掬い上げられる揚送位置Yに流下させずに規制位置Kにて規制するように配置されるとともに、上下方向を向く回転軸601を中心とした回転によりパチンコ球を揚送スクリュー403側に移送するための円柱形状の球供給スプロケット413(回転体)が、前記揚送スクリュー403を駆動する揚送モータ410にて駆動される駆動ギア411と噛合する受動ギア412と同軸に軸支されて設けられている。
【0035】
詳しくは、連結流路415を流下してきたパチンコ球は、外周面413aとカバー体440における移送通路602の外壁内面の角部440aとで係止されることにより規制位置Kにて流下が規制されるようになっている。
【0036】
また、球供給スプロケット413の外周面413aには、規制位置Kにて流下規制されているパチンコ球を移送通路602内に移送するための略半円形状の球収容部414(係合凹部)が凹設されている。球収容部414は、パチンコ球の半部が係合される程度の深さを有しており、球供給スプロケット413の回転により球収容部414に規制位置Kにて流下規制されているパチンコ球が係合されると、パチンコ球が球供給スプロケット413の回転軸601寄りに移動することで前記角部440aとの係止作用が解除され、移送通路602を移送して揚送スクリュー403側に1個ずつ移送されるようになっている。
【0037】
また、外周面413aには、この外周面413aに連続する曲面600aにて構成される係合案内部としての曲面状部600が球収容部414に連設されている。曲面600aは、詳しくは外周面413aにおける回転軸601を挟んで前記球収容部414に対向する所定位置から外周面413aに連続するように球収容部414まで形成されるとともに、球収容部414に向かうに従い回転軸601に近づくように形成される。
【0038】
この曲面600aは、前記規制位置Kにて流下規制されているパチンコ球を、該曲面600aと前記角部440aとで係止することで流下規制したまま、球収容部414に係合させることが出来る曲面にて形成されており、この曲面600aにパチンコ球が当接している状態においては、規制位置Kに位置するパチンコ球は揚送位置まで移送されないようになっている。
【0039】
このように構成される球供給スプロケット413により、打球供給皿203から連結流路415まで流下してきたパチンコ球の流下を規制位置Kにて規制されるとともに、球供給スプロケット413が回転されることにより球収容部413に係合されたパチンコ球が揚送位置Yまで移送され、揚送位置Yにて揚送スクリュー403により掬い上げられて揚送されることになる。なお、球供給スプロケット413の作用の詳細は後述することとする。
【0040】
また、この球供給スプロケット413に供給されるパチンコ球に、後続球によりかかる球圧を緩和することを目的として、揚送球誘導通路における球供給スプロケット413の上流側近傍、すなわち、連結流路415は、上面視略逆S字状に屈曲するように形成されており、パチンコ球を蛇行して流下させるための屈曲部415aが屈曲形成されている。
【0041】
さらに、球供給スプロケット413に供給されるパチンコ球及び特に待機球返却部420に供給される球圧を緩和することを目的として、前記誘導傾斜樋283におけるパチンコ球の流下方向と異なる方向にパチンコ球を誘導することにより球圧を緩和するクランク流路416が設けられている。クランク流路416の下流位置に前記待機球返却部420(開口412)が設けられていて、球圧緩和後のパチンコ球が待機球返却部420に供給されることで、パチンコ球が良好に待機球返却部420の下方へ流下するように工夫されている。なお、クランク流路416は、図8に示されるように、揚送路ケース402が遊技盤206の後面206b側に配置されるように、遊技盤206の前面206a側から後面206b側まで延設されている。
【0042】
また、図5に示すように、受動ギア412と駆動ギア411とは、そのギア比が、駆動ギア411と同軸にて回転される前記揚送スクリュー403により、揚送球が揚送路のほぼ中間位置に揚送されるようになる回転回数(本実施例では約4.5回転)にて受動ギア412が1周するようなギア比とされていて、揚送路内の中間位置にパチンコ球が揚送される毎、つまりは、既に中間位置に揚送されているパチンコ球が発射装置500に供給される毎に、1つのパチンコ球が揚送スクリュー403に対して供給されるようになっており、揚送路内には最大で2つの球しか同時に存在しないようになっており、これら受動ギア412と駆動ギア411とを駆動する揚送モータ410の動作が発射揚送制御基板291(図9参照)にて制御されることで、前記発射装置500からのパチンコ球の発射に連動して揚送ユニット400によるパチンコ球の揚送、供給が実施されるようになっている。
【0043】
このように、打球貯留皿203に貯留されているパチンコ球を揚送ユニット400に1個ずつ分離して供給する揚送球供給装置を構成する球供給スプロケット413は、揚送スクリュー403を回転させるための揚送モータ410の駆動により回転する駆動ギア411に噛合する受動ギア412とともに回転するように設けられており、この受動ギア412と駆動ギア411とのギア比が、揚送スクリュー403により揚送球が揚送路のほぼ中間位置に揚送されるようになる回転回数にて受動ギア412が1周するように構成されている。
【0044】
すなわち、揚送モータ410の駆動が停止したときおいて、揚送球供給装置の外形を構成するカバー体440の内部に同時に存在するパチンコ球が1個以下となるように球供給スプロケット413が構成されているため、例えば揚送モータ410の駆動が何らかの要因により故障したり、カバー体440内を清掃するため等、メンテナンスが必要になって揚送モータ410の駆動を停止した場合等において、カバー体440内に多数のパチンコ球が残存してそれらの抜き取り作業が困難となることがないため、メンテナンス時における作業性が効果的に向上する。
【0045】
なお、本実施例における揚送球供給装置の球供給スプロケット413は、揚送モータ410の駆動を停止した場合等において、カバー体440内に多数のパチンコ球が残存しないようにするために、球供給スプロケット413の周面に1個の球収容部414のみが形成されていたが、連結流路415内の後続のパチンコ球から1個ずつ分離して揚送スクリュー403に供給できるように構成されていれば、球供給スプロケット413に複数の球収容部414が形成されていてもよい。
【0046】
次に、図5に示されるように、連結流路415における球供給スプロケット413の近傍位置下面には、前述した揚送球返却部450が設けられている。この揚送球返却部450の下面(ベース板401’)には前記開口部451(流入部)が形成されており、該開口部451の下面からは、下流端部が待機球返却通路242に連通する返却通路としての揚送球返却通路454が連設されている。
【0047】
操作ボタン296の押圧操作によりスライド板452が後方の開放位置まで移動して開口部451に球抜き開口部453が合致すると、連結流路415と揚送球返却通路454とが連通し、連結流路415内のパチンコ球が揚送球返却通路454内に落下することになる。揚送球返却通路454内に流入したパチンコ球は、待機球返却通路242内に流入して余剰球受皿204に返却されることになる。
【0048】
なお、開口部451は、特に図5中C−C断面図に示されるように、その一端部が球供給スプロケット413側に近接するように形成されているため、開口部451と球抜き開口部453とが合致して連結流路415と揚送球返却通路454とが連通されると、球収容部414内に収容されたパチンコ球でも揚送球返却通路454内に落下するようになっている。
【0049】
また、前述したように連結流路415の底面は揚送ユニット400に向けて下方に傾斜しているため、開口部451と球抜き開口部453とが合致して連結流路415と揚送球返却通路454とが連通されると、開口部451の上方に位置していたパチンコ球はもちろん、開口部451の下流側近傍にあるパチンコ球も流下して落下することになる。なお、開口部451及び球抜き開口部453は2個のパチンコ球を同時に落下可能な横長形状に形成されているため、落下時における球詰まりが防止される。
【0050】
さらに、特詳細な図示はしないが、連結流路415の底板上面には、スライド板452の厚み分の深さを有する凹溝が凹設され、この凹溝内にスライド板415が摺動自在に設けられるとともに、この凹溝内に開口部451が形成されているため、開口部451の閉塞時において連結流路415の下面に段部等が形成されることがないので、パチンコ球の流下に支障をきたすことがない。
【0051】
次に、揚送経路ユニット406に関して説明すると、図3及び図4に示すように、揚送路ケース402は、上下端が開口する筒状に形成されているとともに、供給されたパチンコ球が揚送される球通路部404と、前記揚送スクリュー403が挿通配置されるスクリュー収容部405とが内部に形成されており、揚送スクリュー403の螺旋状凸部403aが前記球通路部404に露出して揚送されるパチンコ球と摺接するように軸支されており、揚送スクリュー403の回転に伴ってパチンコ球が球通路部404の内部を上方へと揚送されていく。
【0052】
揚送路ケース402の上端部には、図4に示されるように、揚送スクリュー403の軸部403bの上端を回動自在に枢支するための蓋部材434が取り付けられている。詳しくは蓋部材434は、揚送路ケース402の上端縁部に形成されたフランジ部402aに螺入される複数本のネジ436介して揚送路ケース402の上端部に取り付けられているとともに、その下面略中央部には、内面に雌ねじ部が形成された筒状の軸支部439が下方に向けて形成されており、この軸支部439内には、揚送スクリュー403の軸部403bの上端に固着されたベアリング(図示略)が圧入されており、揚送スクリュー403の軸部403bの上端が蓋部材434により回動自在に支持されるようになっている。
【0053】
すなわち、揚送路ケース402と揚送スクリュー403とは蓋部材434を介して一体化されており、これら一体化された揚送路ケース402及び揚送スクリュー403により揚送経路ユニット406が構成されている。
【0054】
図3及び図4に示されるように、揚送路ケース402における球通路部404の前面側上部所定箇所には、揚送スクリュー403により上方に揚送されたパチンコ球を揚送ケース402外部に流出させるための流出口101が形成されているとともに、この流出口101からは、前方に配置される発射装置500にパチンコ球を誘導するための発射球誘導路102を構成する発射球誘導路部材102’が延設されている。前面扉枠200には、発射装置500の外装ケース510の後板に形成された発射球流入口103に対応する箇所に連通口104が形成されており、発射球誘導路部材102’は、前記連通口104に向かって下方に傾斜するスロープ状に形成されているとともに、その下流側端部(先端部)に外向きに形成された取付片105が蝶ネジ106により前面扉枠200に止着されており、発射球誘導路102の下流側端部が連通口104に連通されている。このように、揚送ケース402の上部まで揚送されたパチンコ球は、流出口101から流出した後、発射球誘導路102内を自然流下して、連通口104及び発射球流入口103を通過して発射装置500内に1個ずつ供給されるようになっている。
【0055】
揚送ユニット400は、その上部に設けられた発射球誘導路部材102’の取付片105と、下部に設けられたベース板401’とが、蝶ネジ106、100により前面扉枠200の所定箇所に止着されることにより前面扉枠200に取り付けられている。
【0056】
なお、これら蝶ネジ106、100を取り外すことで、揚送ユニット400を前面扉枠200から分離することが出来るとともに、揚送ユニット400は、揚送経路ユニット406と下部ユニット401とが互いに分離自在に構成されているため、例えば揚送路ケース402内が汚れてメンテナンスが必要になったり、揚送モータ410が故障して交換する必要が生じた場合において、前面扉枠200から容易に離脱してパチンコ機2から取り外した状態でメンテナンス等の作業を行うことが出来るため、遊技中に何らかのトラブルが発生しても、遊技客に迷惑をかけることなく対応することが出来る。
【0057】
揚送ケース402の内側方には、前述したファール球流路295を構成するファール球流路部材295’が設けられている。ファール球流路部材295’は、図3及び図5に示されるように、発射装置500の外装ケース510における底板所定箇所に形成されたファール球流出口107の下端から下方に向けて延設されているとともに、その途中には後方に向けて屈曲する第1クランク部108aが形成されており、前面扉枠200に形成された貫通口109を通して流路が前面扉枠200の前面200a側から後面200b側に向けて延設されており、さらに前面扉枠200に取り付けられる遊技盤206の後面206aよりも後方位置には、下方に向けて屈曲する第2クランク部108bが形成されており、該第2クランク部108bから下方に向けて、前面扉枠200の後面200b側に配置される後部ファール球流路295aが下方に向けて延設されている。
【0058】
なお、第1クランク部108aにおける角部には傾斜リブ113が設けられており、この傾斜リブ113によりパチンコ球を第1クランク部108aに滞留させずにスムーズに流下させるようになっている。
【0059】
このように、発射装置500から打ち出されたが、遊技領域207に到達しなかったパチンコ球は、外装ケース510の底板に形成されたファール球流出口107からファール球流路295内に流出して流下してファール球として回収された後、その下端部に形成されたファール球流出口288から前記賞球通路を通じて打球供給皿203或いは余剰球受皿204に返却される。
【0060】
なお、前記揚送路ケース402は、透明な樹脂製(アクリル樹脂)にて構成されており、このように透明な樹脂を用いることは、球通路部404内部並びにスクリュー収容部405の内部の状態を、装置を分解することなく目視にて容易に確認できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら揚送路ケース402を不透明な樹脂や金属等にて形成しても良い。
【0061】
本実施例に用いた前記揚送スクリュー403の前記螺旋状突出部は、低摩擦であって帯電防止能に優れる導電材である導電性ポリプロピレン樹脂にて形成されており、このように前記螺旋状突出部を導電材或いは帯電防止能を有する帯電防止材にて形成することは、前記パチンコ球の揚送において、パチンコ球と揚送スクリュー403とが摺動することにより静電気が発生することを防止するとともに、揚送スクリュー403を適宜にアースしておくことで、既にパチンコ球が帯電している場合にあっても、該パチンコ球の帯電を除去できるようになることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら揚送スクリュー403をより導電性の優れる金属にて形成したり、或いは帯電防止能を有しない通常の樹脂にて形成するようにしても良い。
【0062】
また、本実施例では、前述のように、揚送スクリュー403並びに球供給スプロケット413の双方を同一の駆動源である揚送モータ410にて駆動するようにしており、このようにすることは、個別に駆動モータを設けるのに比較して動力源の数を低減できるため、コストを抑えることができるとともに、前記揚送スクリュー403と球供給スプロケット413の同期(連動)を、前述のようにギア比等にて機械的に設定することで、容易且つ確実に制御できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、個々の動力源を個別の駆動モータとして制御するようにしても良い。
【0063】
また、本実施例では、球通路部404がパチンコ機2の前側を向くように揚送ユニット400が取り付けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば揚送ユニット400が、前記球通路部404がパチンコ機2の後側を向くように取り付けられていてもよい。
【0064】
また、本実施例における揚送ユニット400にあっては、揚送路ケース402の下部において球供給スプロケット413により供給されるパチンコ球を、揚送路ケース402の上部に形成された流出口101まで揚送させる揚送距離は約420mmとされているとともに、揚送スクリュー403におけるリード(1回転で上昇する距離)は約45.6mm、リード角は約46.03度に設定されており、1個のパチンコ球を揚送距離420mm揚送させるために必要な揚送スクリュー403の回転数は、420÷45.6=9.21回転となり、パチンコ球は0.6秒ごとに発射されるようになっている。
【0065】
発射装置500は、図2に示されるように、外装ケース内部に共通の揺動軸513に揺動自在に軸支された球リフトアーム502と発射アーム503が設けられている。これら球リフトアーム502と発射アーム503の一方端は、発射装置500の上部裏面側に固設されたカム駆動モータ511(図9参照)にて回転駆動されるカム軸に同軸に固設されたリフト用カム501a並びに発射用カム501bに摺接することで、該リフト用カム501a並びに発射用カム501bの回動に伴って球リフトアーム502と発射アーム503とが個別の揺動動作を為すようになっているとともに、発射アーム503は、発射装置500の下方に、前記リフトアーム502と発射アーム503の揺動円弧に外接するように傾斜配置された発射レール508にほぼ並行となるように張架された発射用スプリング504にて付勢されており、また、球リフトアーム502は、前記発射用スプリング504とほぼ直交するように張架されたリフト用スプリング506にて付勢されている。
【0066】
また、発射用スプリング504の発射アーム503との連結側ではない他方端は、発射用スプリング504の張架方向にスライド可能とされたスライド片505に連結されていて、該スライド片505が、発射装置500の裏面側に固設された発射強度調整用モータ512(図9参照)によりスライドすることで、発射アーム503の付勢力が調節され、該発射アーム503にて打ち出されるパチンコ球の発射強度を調節できるようになっており、これら発射強度の調節は、前記打球操作ハンドル205の操作に基づいて前記発射制御基板291によって前記発射強度調整用モータ512の動作が制御されることで実施される。
【0067】
また、前記発射レール508の傾斜下方端位置には、前記ファール球流路295に連通するファール球流出口107の開閉を、前記球リフトアーム502の下端と摺接することによって該球リフトアーム502の揺動に伴って実施するファール球通路弁507が設けられており、該ファール球通路弁507は図示しないスプリングにより、前記ファール球流出口107を塞がない開状態となるように常時付勢されている。
【0068】
この発射装置500の発射動作を簡単に説明すると、まず前記カム501の回動によって、前記球リフトアーム502と発射アーム503の双方が、前記リフト用スプリング506並びに発射用スプリング504の付勢力に抗して、発射装置500の下方隅部の位置まで揺動されるとともに、この状態において、前記発射球供給装置550から1個の発射球が、発射装置500の外装ケースの後面に設けられた供給口を介して供給される。
【0069】
該発射装置500に供給されたパチンコ球は、前記リフト用カム501aの回動によって、まず球リフトアーム502のみが揺動を開始することで、発射平面となる前記発射アーム503の揺動平面と同一平面上を、該球リフトアーム502によって前記発射レール508上の所定の発射位置へ誘導される。この誘導に際して前記ファール球通路弁507は、球リフトアーム502の揺動に伴って該球リフトアーム502の下端と摺接することにより、前記ファール球流出口107が閉じた状態となる。
【0070】
尚、前記球リフトアーム502の揺動外周端部には、発射アーム503の先端に設けられた打ち出しスプリングが挿通可能な円形窓が形成されていて、前記円形窓内に前記発射位置へ誘導されたパチンコ球が保持されるようになっている。また、前記リフト用カム501aの形状は、前記発射位置の遠方領域において前記球リフトアーム502の揺動下端の移動速度が大きくなるように、その外径が大きく増加するとともに、前記発射位置の近傍において、球リフトアーム502の揺動下端の移動速度が低速となることで誘導されるパチンコ球の誘導速度が低速となるように、その外径が微増するような形状となっている。
【0071】
次いで、発射レール508上の所定の発射位置へ誘導されたパチンコ球は、発射用カム501bの回動に伴い、前記発射用スプリング504に抗する力が解除されることで、該発射用スプリング504による付勢力に比例する勢いにて、発射アーム503が図中の矢印方向に揺動することで、発射レール508上の発射路509を通じて遊技領域207へ打ち出される。
【0072】
この際、発射の勢いが弱く、遊技領域207に達しなかったパチンコ球は、前記発射レール508上を傾斜下方側へ流下してくるが、発射後のカム501の回動に伴って、前記球リフトアーム502と発射アーム503の双方がスプリング504、506に抗して揺動を開始することで、それまで球リフトアーム502の下端部に摺接することで前記ファール球流路295のファール球流出口107を塞いでいたファール球通路弁507が、摺接の解除に伴って、図示しないスプリングにより起立状態に戻ることでファール球流出口107が開状態となり、前記発射レール508上を流下してきたファール球がファール球流路295内へ流入され、該ファール球流路295の下端に形成されているファール球流出口288、賞球通路273を通じて打球供給皿203或いは余剰球受皿204に返却される。
【0073】
次に、図2に基づいて、遊技盤206及び該遊技盤206aの前面に形成された遊技領域207を簡単に説明すると、遊技領域207の中央上部付近には、「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報可変表示するための可変表示部209と、「普通図柄」と呼ばれる個別図柄が交互点灯される表示器210を含む可変表示装置208が設けられている。尚、本実施例では、可変表示部209はLCD表示器(液晶表示器)にて形成されていて、特別図柄を可変表示可能とされている。具体的には、可変表示部209の表示エリアにおいては、縦横方向に並ぶ態様で9つの可変表示エリアを表示上形成し、それらのエリアにおいて、各エリアに共通の複数図柄が個々に独立して可変表示される。
【0074】
また、表示器210は、左右2つのLEDを有し、可変表示部209に表示される特別図柄は、打球が始動入賞口(図示略)へ始動入賞することに基づいて可変開始される。一方、可変表示部210に表示される普通図柄は、打球が第1通過ゲート(図示略)を通過することに基づいて可変開始される。
【0075】
可変表示部209の下部には、前記始動入賞口(図示略)に入賞した始動入賞球数を記憶して表示する4個の表示部(LED)を有する始動入賞記憶表示器218が設けられている。本実施例では、4個を上限として、始動入賞が記憶される毎に、始動入賞記憶表示器218のLEDが1つ追加して点灯する。そして、可変表示部209において特別図柄の可変表示が開始される毎に、LEDが1つ滅灯するようになっている。
【0076】
また、図1に示すように、遊技領域207の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ227が設けられているとともに、遊技領域207の外周には、遊技効果LED228aおよび遊技効果ランプ228b、228cが設けられている。そして、一方のスピーカ227の近傍には、賞球払出時に点灯する賞球ランプ251が設けられ、他方のスピーカ227の近傍には、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ252が設けられている。
【0077】
また、図2に示すように、前記始動入賞記憶表示器218の下方には、遊技領域207に発射されたパチンコ球を受け入れ可能な入賞口が複数設けられており、これら入賞口に入賞した球に応じて、賞球の付与が行われるようになっている。
【0078】
パチンコ機2の遊技盤206の後面側には、前記前面扉枠200に回動自在に枢支された機構板(図示略)が設けられている。この機構板には、可変表示部209の表示制御を行う表示制御基板280、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板231、パチンコ球の払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された賞球制御基板237が設置されている(図9参照)。さらに、揚送ユニット400並びに発射装置500の動作制御を行うマイクロコンピュータ等が搭載された発射揚送制御基板291と、図1に示されるようにガラス扉枠202に設けられる遊技効果LED228a、遊技効果ランプ228b、228cに信号を送るためのランプ制御基板235と、スピーカ227から出力する音声制御を行うマイクロコンピュータ等が搭載された音声制御基板270(図9参照)と、が設けられている。
【0079】
また、余剰球受皿204の満タンを検出するために前記余剰球受皿204への流下経路に設けられる満タンスイッチ213や、球払出装置297の上流部に設けられて球切れを検出するための球切れスイッチ233や、カウントスイッチ223、Vカウントスイッチ222、賞球用カウントスイッチ248a、貸出球カウントスイッチ248b等各種スイッチ(図9参照)からの信号を前記遊技制御基板231に中継するための枠用スイッチ中継基板が設けられている。
【0080】
この機構板の上部には球タンク(図示略)が設けられており、前記遊技島の前記供給樋より導出された供給管(図示略)よりパチンコ球が前記球タンクに供給される。球タンク内のパチンコ球は誘導樋を通って球払出装置297に供給される。
【0081】
また、機構板には、球タンクに補給されたパチンコ球を、入賞の発生等により付与された賞球の払出や貸球の払出を行う球払出装置297(図9参照)に導く賞球供給通路や、球タンク内に貯留されるパチンコ球を遊技島のアウト球タンクに排出するアウト球通路や、球払出装置297から払い出されたパチンコ球を打球供給皿203に連通する上皿連通口274(図2参照)に導く賞球通路や、該賞球通路内を流下して前記上皿連通口274から流出されなかった余剰球を、ガラス扉枠202の下方に設けられている余剰球受皿204導く余剰球通路等が形成されている。
【0082】
更に、本実施例では、前記賞球通路の経路中に、前記ファール球流路295の下端部に繋がるファール球流出口288が形成されており、該ファール球流出口288から流入してきたファール球は、賞球通路を流下して打球供給皿203或いは余剰球受皿204に返却されるようになっている。
【0083】
機構板の内面側には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路や、アウト球を誘導するアウト球通路や、入賞球をパチンコ機2の外部に誘導する排出通路等が設けられているとともに、内部に複数の電圧の異なる電源を生成する電源ユニット基板が設けられている。電源ユニット基板は、電源線が接続される電源コネクタが実装されている。電源線によって供給される電圧はAC24Vの電圧であり、電源ユニット基板(電源生成基板)で生成される複数の電圧は、DC30V、DC21V、DC12V、DC5Vの4種類である。(但し、他の基板に対してAC24Vも供給する。)
【0084】
また、電源ユニット基板は、遊技制御基板231及び賞球制御基板237の各CPUに駆動電源が供給されていない間、各基板に設けられているRAMの記憶内容をバックアップ(保持)するために各基板にバックアップ電源を供給するようになっている。なお、電源ユニット基板(電源生成基板)から電源断信号が出力されることによって遊技制御基板231及び賞球制御基板237は、バックアップをするための処理を行うようになっている。
【0085】
次に、本実施例のパチンコ機2の遊技制御基板231における回路構成の一例を図9に基づいて説明すると、遊技制御基板231は、プログラムに従ってパチンコ機2を制御する基本回路253と、前記遊技領域207に発射されたパチンコ球が前記始動入賞記憶表示器218の下方に複数設けられた入賞口(図2参照)に入賞した際に該パチンコ球の検出を行うための各種スイッチ(入賞球検出スイッチ、V球検出スイッチ、ゲートスイッチ、始動入賞口スイッチ、Vカウントスイッチ、カウントスイッチ、入賞球検出スイッチ)、これら入賞口に設けられた可動片(図示略)の開閉を行うためのソレノイド、該ソレノイドの駆動を行う駆動モータ、該ソレノイドと駆動モータを基本回路253からの指令に従って駆動するモータ・ソレノイド回路、満タンスイッチ213(余剰球受皿204の満タンを検出する満タンスイッチ213)、球切れスイッチ233、賞球用カウントスイッチ248a、貸出球カウントスイッチ248b、演出装置操作ボタン112a、112b(図1参照)の操作を検出する操作ボタンスイッチ114a、114bからの信号を基本回路253に与えるスイッチ回路258と、始動入賞記憶表示器218の点灯および点滅を行うとともに、表示器210と装飾ランプ225とを駆動するランプ・LED回路260とを含む。
【0086】
また、遊技制御基板231は、基本回路253から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置208の可変表示に利用された始動入賞球の個数を示す始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等を外部の管理コンピュータ等に対して出力する第1情報出力回路264を含む。
【0087】
基本回路253は、ROM254、RAM255、CPU256、I/Oポート257、および、クロック発生部250を含む。ROM254は、ゲーム制御用のプログラム等の各種の情報(データ)を記憶するためのものである。RAM255は、ワークメモリとして使用されるためのものである。CPU256は、ゲーム制御用のプログラム等の各種の制御用プログラムに従って遊技制御動作等の制御動作を行う。I/Oポート257は、データおよび信号等の各種情報の入出力用に設けられた複数のポートを有する。クロック発生部250は、基本回路253が動作する場合の基準タイミングとなる動作クロックをCPU256等の基本回路253内の各部に与えるものである。
【0088】
さらに、遊技制御基板231には、電源投入時に基本回路253をリセットするための初期リセット回路266と、電源投入後に基本回路253を定期的にリセットするための定期リセット回路265と、基本回路253から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート257のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路267とが設けられている。
【0089】
基本回路253は、電源投入時において、初期リセット回路266により初期リセットされる。また、電源投入後、基本回路253は、定期リセット回路265により定期的(例えば、2ms毎)にリセットされ、割込み処理が実行される。これにより、割込み処理が実行される毎に、ゲーム制御用のプログラムが所定位置から再度実行される。
【0090】
また、遊技制御基板231から表示制御基板280には、可変表示装置208の可変表示部209の表示制御に関する指令情報として、表示制御コマンドデータと、ストローブ信号としての割込信号(表示制御信号INTともいう)とが伝送される。表示制御基板280側では、表示制御コマンドデータCDの指令内容にしたがって、可変表示部209の表示制御を行う。
【0091】
遊技制御基板231からランプ制御基板235には、ランプ制御基板235により制御が行われる遊技効果LED228a、賞球ランプ251、球切れランプ252、および、遊技効果ランプ228b、228cの制御に関する指令情報としてのランプ制御信号等の情報が伝送される。
【0092】
遊技制御基板231から音声制御基板270には、音声制御基板270によりスピーカ227から出力される効果音等の音声の制御に関する指令情報としての音声制御用コマンドデータ等の情報が伝送される。この音声制御用コマンドデータに応じて、音声制御基板270内に設けられた音声制御用のマイクロコンピュータは、スピーカ227からの効果音の発生等の音声制御を行う。
【0093】
また、基本回路253は、遊技領域207に発射されたパチンコ球の入賞球に関わる各種検出信号に基づいて、所定個数の賞球を払出すための賞球信号を賞球制御基板237に出力する。賞球制御基板237では、その出力されてきた賞球信号に基づいて球払出装置297を制御して所定個数の賞球を払出すための制御を行う。
【0094】
また、満タンスイッチ213からの検出信号が満タン状態を示している場合には、その状況に応じて、賞球禁止指令信号を賞球制御基板237へ送り、球払出装置297による賞球の払出を停止させる。
【0095】
また、賞球制御基板237上には、第2情報出力回路部268が設けられており、これら賞球制御基板237において制御される賞球の払い出し数の情報等を外部出力できるようになっている。
【0096】
また、賞球制御基板237は、前記カードユニット3のカードユニット制御基板(図示略)に接続されており、貸出完了信号(EXS)やパチンコ機レディー信号(PRDY)が前記カードユニット3に設けられたマイクロプロセッシングユニット(MPU)に出力されるようになっているとともに、前記カードユニット3のMPUより出力されるカードユニットレディー信号(BRDY)や貸出要求完了確認信号(BRQ)が入力されるようになっている。
【0097】
カードユニット3の前面には、図1に示すように、点灯によりカードユニット3の動作を報知する動作ランプ301と、プリペイドカードが使用可能状態であるか否かを表示する使用可能表示器302と、当該カードユニット3がいずれの側のパチンコ機2に対応しているか否かを表示するための連結台方向表示器303と、プリペイドカードを挿入可能とされたカード挿入口314と、が設けられている。
【0098】
このカードユニット3は、前記カード挿入口314に挿入されるプリペイドカードに記録されている後述の識別情報(ID)や遊技用価値である度数の読み出し並びに遊技により更新された新たな度数の書き込み等を行うカードリーダライタ(図示略)と、前記挿入されたプリペイドカードから読み出しおよび書き込まれる度数等を記憶するとともに、MPUが実行する制御内容等が記述された制御プログラム等を記憶する記憶部(図示略)と、前記賞球制御基板237等との各種信号の入出力が行われるI/Oポートと、通信ケーブルを介して図示しない管理コンピュータとのデータ通信を行うための通信部(図示略)と、これら各部並びに前記度数表示部の表示制御や入力検出等を行うMPU(図示略)と、を具備している。
【0099】
また、これら各カードユニット3は、前述のように、図示しない管理コンピュータに接続されており、前記プリペイドカードが挿入された場合や、該挿入されているプリペイドカードから読み出され記憶部に記憶されている度数に変更が加えられた場合や、該挿入されているプリペイドカードの返却処理並びに回収処理等が行われた場合に、該プリペイドカードに記録された後述の識別情報(ID)や度数データ、変更された新たな度数データ等が前記管理コンピュータに出力されるようになっている。
【0100】
前記カード挿入口314に挿入されるプリペイドカードには、個々のプリペイドカードを識別可能な識別情報(ID)が付与、記録されているとともに、前記管理コンピュータにおいてこれらプリペイドカードのIDと、該当するプリペイドカードが該当する度数とが対応付けて登録されており、前記プリペイドカードに記録された識別情報(ID)に基づいて、該プリペイドカードにより使用可能な度数が、前記管理コンピュータにて特定され、該カードユニット3に通知されて記憶部に記憶されることで、該記憶された度数に基づき前記パチンコ機2の遊技に使用されるパチンコ球の貸出を行う貸出処理が実施可能とされている。
【0101】
このようにカードユニット3のMPUからBRQが出力される回数に基づき、前記賞球基板237は1度分に該当する数量(25球)のパチンコ球の貸出を実施するようになっており、このようにして貸出されたパチンコ球を使用して遊技者はパチンコ機2における遊技を実施できるようになっている。
【0102】
また、基本回路253には、揚送装置400並びに発射装置500が連動して動作するように動作制御を行う発射揚送制御基板291が接続されており、前記球切れスイッチ233による球切れの検知や満タンスイッチ213による満タン検出が無い場合に発射許諾信号が出力されることで、発射並びに揚送が許諾されるようになっている。
【0103】
この発射揚送制御基板291には、操作ノブ205の操作に基づいて出力される発射指示信号の検出を行う発射指示信号検出部292aと、この操作ノブ205の操作量に従って、出力される発射強度指示信号の検出を行う発射強度信号検出部292bが設けられている。
【0104】
また、発射揚送制御基板291には、発射指示信号検出部292aの発射指示信号の検出に基づいて、揚送モータ410と発射モータ511の駆動/非駆動の制御、並びに発射強度信号検出部292bの発射強度信号の検出に基づいて、発射強度調整モータ512に回動位置の制御により発射装置500から発射されるパチンコ球の発射強度の制御を行う揚送制御手段(図示略)が設けられている。
【0105】
具体的には、操作ノブ205の操作が行われると、発射指示信号検出部292aが発射指示信号の検出を行い、該検出に基づいて前記揚送制御手段が発射モータ511と揚送モータ410の駆動/非駆動(停止)の制御を行うことにより、該発射装置500に打球を供給する揚送ユニット400が前記打球発射装置500における1つのパチンコ球の発射とともに1つのパチンコ球を間歇的に揚送するように制御される。
【0106】
この際、前記操作ノブ205により連続した発射操作が為されている場合には、前記揚送ユニット400の揚送モータ410は、連続するパチンコ球の揚送において、回転速度を変化させることなく、ほぼ同一の回転速度にて、球供給スプロケット413から、発射装置500における1個のパチンコ球の発射毎に間歇的に供給されるパチンコ球を揚送するようになっており、このようにすることは、連続するパチンコ球の揚送において、揚送モータ410の回転速度を変化させて発射装置500へのパチンコ球の供給同期を計る場合に比較して、加減速に伴う揚送モータ410の損耗を低減できるとともに、揚送球が球通路部404内にて踊ることによる不都合や該揚送球が踊ることによる騒音の発生を解消できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、回転速度を変化させて打球発射装置500への供給同期を計るようにしても良い。
【0107】
そして、発射装置500による発射球の発射勢いは、前記操作ノブ205の操作量に基づいて出力される発射強度信号を発射強度信号検出部292bが検出し、前記発射強度制御手段294が発射装置500内部に設けられている発射強度調整モータ512の動作(回転数)を前記操作ノブ205の操作量に応じて制御を行うことで、前記発射用スプリング504の付勢力が調節される。すなわち、発射強度制御手段294によって、操作ノブ205の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0108】
次に、以上説明したように構成されたパチンコ機2において、揚送ユニット400にパチンコ球を1個ずつ移送する球供給装置としての球供給スプロケット413の具体的な作用を図7に基づいて説明する。
【0109】
まず、打球供給皿203から誘導傾斜樋283、クランク流路416、連結流路415からなる揚送球誘導通路を流下してきたパチンコ球は、図7(a)に示されるように、連結流路415における下流側端部、すなわち、規制位置Kにて球供給スプロケット413の外周面413aに当接されて、移送通路602への流下が規制されるようになっている。
【0110】
この状態から、例えば遊技者により打球操作部205が操作されて、発射装置500によるパチンコ球の発射動作に連動して揚送モータ410が駆動され、揚送スクリュー403が時計回りに、また、球供給スプロケット413が反時計方向にそれぞれ回転すると、球収容部414が前記規制位置Kに向けて回転するに従い、それまで外周面413aに当接していたパチンコ球T1は曲面状部600の曲面600aに当接されることになる。
【0111】
このように曲面600aに当接されてから、球供給スプロケット413がさらに回転を続けるに従い、規制位置Kに位置するパチンコ球T1は、図7(a)における外周面413aとの当接位置Pから自然流下により回転軸601側に向けて徐々に移動することになる。なお、図7(b)においては、当接位置Pから距離L1分回転軸601側に移動した状態が示されており、このL1分の移動では移送通路602へ流下することがない。
【0112】
さらに、球収容部414が規制位置Kに位置するパチンコ球T1との対向位置まで回転する間、パチンコ球T1は若干回転軸602側へ移動されることになる。このようにパチンコ球T1は、曲面600aに当接した状態で球供給スプロケット413が回転することで、外周面413aとの当接位置が回転軸602寄りに向けて徐々に移動されるとともに、この移動により規制位置Kから徐々に移送通路602側に向けて移動されることになるため、図7(b)に示されるように、パチンコ球T1の中心位置が、後続球T2の中心と回転軸602とを結ぶ直線からずれていくことになる。
【0113】
そして、図7(c)に示されるように、球収容部414がパチンコ球T1との対向位置まで回転した時点で、該球収容部414にパチンコ球T1が自然流下作用及び後続球T2、T3…等の球圧作用により係合され、パチンコ球T1は球収容部414の係合作用により移送通路602内に移送される。
【0114】
次いで、図7(d)に示すように、球収容部414内部に係合された1個のパチンコ球T1が揚送位置Yまで移送された時点で、同期回転する揚送スクリュー403の下端部により掬い上げられて揚送されることになる。
【0115】
この球供給スプロケット413によるパチンコ球の揚送スクリュー403への供給に際して、パチンコ球と揚送スクリュー403の螺旋状凸部403aとが衝突しないように、受動ギア412と駆動ギア411とにより、球供給スプロケット413と揚送スクリュー403とが同期されているとともに、パチンコ球が球通路部404内に供給されるとほぼ同時に、揚送スクリュー403の螺旋状凸部403aの下端部と供給されたパチンコ球とが摺接するように同期されることで、前記球収容部414内からパチンコ球T1が上方へ、後続のパチンコ球T2と当接することなく互いに分離された状態で揚送されるようになっていて、供給された球を迅速に揚送へ移行できるようになっている。
【0116】
また、本実施例においては、揚送スクリュー403と球供給スプロケット413とがそれぞれ異なる方向に回転するようになっているため、揚送スクリュー403の螺旋状凸部403aの下端によりパチンコ球を掬い出す方向と球供給スプロケット413によるパチンコ球の移送方向とが同一になり、螺旋状凸部403aによりパチンコ球を掬い上げるときにおける衝撃が緩和されるため、球噛みの発生率を効果的に低下させることが出来る。
【0117】
以上説明してきたように、本発明のパチンコ機2にあっては、揚送球供給装置としての球供給スプロケット413により揚送ユニット400にパチンコ球を1個ずつ移送するように構成されていることで、揚送ユニット400に後続球の球圧が直接加わることがなくなるため、揚送に悪影響が及ぶことを回避出来る。
【0118】
また、球供給スプロケット413の外周面413aには、規制位置Kに位置するパチンコ球T1を、球供給スプロケット413が回転するに従い、外周面413aとの当接位置Pよりも回転軸601寄りに位置させた状態で球収容部413に係合させるように案内する係合案内部としての曲面状部600(曲面600a)が形成されていることで、球収容部414がパチンコ球T1との対向位置まで回転して係合する際に、パチンコ球が移動する距離が短くなる、すなわち、外周面413aに当接している状態から球収容部414に係合されるまでに移動する距離よりも、曲面600aと当接している状態から球収容部414に係合されるまでに移動する距離の方が短くなるため、球収容部414に完全に係合されていない状態で球収容部414が回転してしまってパチンコ球T1を移送出来なかったり、あるいはパチンコ球T1が球収容部414に完全に係合されていない状態で移送通路602方向に移送されて角部440aとの間で球噛みを発生させることなく、パチンコ球を確実に移送することが出来る。
【0119】
また、パチンコ球T1が曲面600aに当接されている状態において球供給スプロケット413の回転が続くと、パチンコ球T1は移送通路602側に向けて徐々に移動されることになるため、後続球T2、T3…等の球圧が加わりにくくなるため、係合時における球噛みの発生が効果的に防止される。
【0120】
また、曲面600aは外周面413aに連続して形成されていることで、球供給スプロケット413の回転によりパチンコ球が回転軸601寄りにスムーズに案内されるため、パチンコ球を球収容部414に確実に係合させることが出来る。
【0121】
また、球供給スプロケット413の配置位置上流側の連結流路415には、後続球による球圧を緩和するための球圧緩和部である屈曲部415aが形成されているため、パチンコ球が屈曲部415aを通過する際に屈曲部415aの側壁にパチンコ球が当接することにより後続球の球圧が分散され、球供給スプロケット413に直接加わることがないため、球供給スプロケット413の回転に悪影響が及ぶことがないばかりか、係合時における球噛みの発生率を低下させることが出来る。さらに、このように揚送球誘導通路(連結流路415やクランク流路416)の一部を屈曲させることで球圧を分散させることで、遊技球の流下に影響を与えることなく後続球の球圧を緩和することが出来る。
【0122】
また、本実施例における球圧緩和部としての屈曲部415aは、パチンコ球の流下方向に対して左右方向に屈曲する屈曲部であったが、例えばパチンコ球の流下方向に対して上下方向に屈曲するように構成した屈曲部でも、屈曲部415aと同様の作用・効果を得ることが出来る。
【0123】
次に、図10及び図11には、前記球供給スプロケット413の球収容部414にパチンコ球を確実に係合させるための係合案内部の変形例が示されており、以下、これら変形例の詳細を説明する。なお、以下の変形例において前記実施例と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することとする。
【0124】
ここで、図10に基づいて係合案内部の変形例1を説明すると、前記実施例における係合案内部としての曲線状部600は、外周面413から連続して形成されるとともに、球収容部414に向かうに従い外面が回転軸に近づくように凹設された曲面600aにて形成されていたが、本変形例における係合案内部620は、外周面413aにおける回転軸601を挟んで球収容部414に対向する位置から球収容部414まで凹設され、外周面413aよりも回転軸601からの距離、すなわち、外周面413aよりも半径が小径の円弧からなる案内面620aにて構成されている。
【0125】
このような係合案内部620が凹設された球供給スプロケット413においては、外周面413aと案内面620aとの間に段部が形成されるため、球供給スプロケット413が回転することにより前記段部が規制位置Kのパチンコ球と対向する位置を通過した時点で、規制位置Kに規制されているパチンコ球が当接位置Pから距離L1分回転軸601側に移動され、この位置から球収容部414に係合されるように案内されることになる。
【0126】
次いで、図11に示される変形例2の係合案内部630は、外周面413aにおける回転軸601を挟んで球収容部414に対向する位置から球収容部414まで凹設されるとともに、回転軸601を中心として半径がそれぞれ異なる3つの連続する円弧からなる案内面630a、630b、630cにて構成されている。詳しくは、球収容部414に向かうに従い案内面の半径が小径となるように構成されており、すなわち、球収容部414に向かうに従い段階的に回転軸601に近くなる3つの案内面630a、630b、630cが、段部を介して連続して形成されている。
【0127】
このような係合案内部630が凹設された球供給スプロケット413においては、球供給スプロケット413が回転することにより、規制位置Kに規制されているパチンコ球が当接する案内面が案内面630a、630b、630cに移行するに従い、当接位置Pからの距離が段階的に広がって回転軸601側に近づくように移動され、最終的に案内面630cにて当接される位置から球収容部414に係合されるように案内されることになる。
【0128】
このようにこれら変形例1、2における係合案内部620、630にあっても、前記実施例における曲線状部600が形成された球供給スプロケット413と同様の作用、効果が得られることになる。
【0129】
すなわち、本発明におけるパチンコ機2にあっては、球供給スプロケット413の外周面413aに凹設される係合案内部は、パチンコ球が外周面413aよりも回転軸601寄りに位置した状態で球収容部414に係合されるように案内するように球収容部414に連設されていれば、その形状は上記実施例のような曲面600aに限定されるものではなく、変形例1、2にて示された係合案内部620、630等も本発明に含まれるとともに、その形状等は種々に変形可能である。
【0130】
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
【0131】
本発明の請求項1は、弾球遊技機(パチンコ機2)の前面側における遊技領域(207)の下方に設けられ、遊技に使用するための遊技球(パチンコ球)を貯留するための打球貯留部(打球供給皿203)と、弾球遊技機の上部側方位置に設けられ、遊技球を遊技領域(207)内に打ち出すための発射装置(500)と、前記打球貯留部に貯留されている遊技球を揚送部材(揚送スクリュー403)の駆動により揚送して前記発射装置に供給する揚送装置(揚送ユニット400)と、を備える弾球遊技機において、
前記打球貯留部に貯留されている遊技球を前記揚送装置まで導く揚送球誘導通路(誘導傾斜樋283、クランク流路416、連結流路415、移送通路602)と、
該揚送球誘導通路内を流下する遊技球を前記揚送装置に1個ずつ供給するための揚送球供給装置(下部ユニット401)と、を備え、
前記揚送球供給装置は、
前記揚送球誘導通路の遊技球に外周面(413a)を当接させて流下を規制するように配置され、回転軸(601)を中心に回転自在に設けられる回転体(球供給スプロケット413)を有し、前記回転体の回転により前記回転体の外周面に凹設された係合凹部(球収容部414)に遊技球が係合され、前記揚送装置側に向けて遊技球が1個ずつ移送されるように構成されており、
前記回転体の外周面には、遊技球を前記外周面よりも前記回転軸寄りで前記係合凹部に係合させるように案内する係合案内部(曲面状部600、係合案内部620、630)が前記係合凹部に連設されている。
【0132】
本発明の請求項2は、前記係合案内部は、前記回転体(球供給スプロケット413)の外周面(413a)に連続するとともに、前記係合凹部(球収容部414)に向かうに従い前記回転軸に近づくように形成される曲面状部(600、曲面600a)にて構成されている。
【0133】
本発明の請求項3は、前記揚送装置(揚送ユニット400)は、軸心周りに回転自在に設けられるとともに、遊技球(パチンコ球)に当接して揚送する螺旋状部(螺旋状凸部403a)を有するスクリュー部材(揚送スクリュー403)を備え、
前記回転体(球供給スプロケット413)と前記スクリュー部材との回転方向を異ならせた。
【0134】
本発明の請求項4は、前記揚送球誘導通路(誘導傾斜樋283、クランク流路416、連結流路415)における前記揚送球供給装置(下部ユニット401)の配置位置上流側の一部を屈曲形成することにより、後続球による球圧を緩和するための緩和部(連結流路415の屈曲部415a、クランク流路416)を構成した。
【0135】
以上、本発明の実施形態を図面により前記実施例にて説明してきたが、本発明はこれら各実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0136】
例えば、パチンコ球を発射装置500に揚送する揚送ユニット400においては、揚送部材として揚送スクリュー403が適用されていたが、本発明においては、例えば複数のローラに回動自在に巻回されるベルト部材や、特許文献1に記載されたようなスプロケット等を揚送部材として適用することも可能である。なお、ベルト部材を適用する場合は、揚送路ケース内における上下方向に設けたベルト部材により揚送路ケース内のパチンコ球を揚送路ケース内面に押圧し、適宜駆動手段によりローラを駆動してベルト部材を回動させることでパチンコ球を揚送させることが出来る。
【0137】
また、上記実施例においては、発射装置500及び揚送ユニット400は、パチンコ機2を正面から見て左側側方に配置されていたが、それぞれを正面から見て右側側方に配置し、遊技領域206の上部右側側方位置からパチンコ球が発射されるように構成してもよい。
【0138】
【発明の効果】
本発明は次の効果を奏する。
【0139】
(a)請求項1の発明によれば、揚送球供給装置により揚送装置に遊技球を1個ずつ移送することで、揚送装置に後続球の球圧が直接加わることがなくなるため、揚送に悪影響が及ぶことを回避出来るばかりか、回転体の周面に当接して流下が規制されている遊技球は、係合案内部により回転体の外周面よりも回転軸寄りに案内された位置で係合凹部に係合されることで、係合凹部に係合する際における遊技球の移動距離が短くなり、係合凹部に確実に係合して揚送装置に移送されることになるため、係合凹部への係合時における球噛み等の発生率を効果的に低下させることが出来る。
【0140】
(b)請求項2の発明によれば、外周面に連続して形成される曲面状部にて係合案内部が構成されていることで、回転体の回転により遊技球が回転軸寄りにスムーズに案内されるため、遊技球を係合凹部に確実に係合させることが出来る。
【0141】
(c)請求項3の発明によれば、スクリュー部材の回転方向と回転体による遊技球の移送方向とが同一になり、螺旋状部により遊技球を掬い上げるときにおける衝撃が緩和されるため、球噛みの発生率を効果的に低下させることが出来る。
【0142】
(d)請求項4の発明によれば、回転体に加わる揚送球誘導通路内の後続球の球圧が分散されて緩和されるため、回転体の回転に悪影響が及ぶことがないとともに、係合時における球噛みの発生率を低下させることが出来るばかりか、揚送球誘導通路内の遊技球の流下に影響を与えることなく、後続球の球圧を緩和することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての弾球遊技機並びにカードユニットを示す正面図である。
【図2】図1の弾球遊技機におけるガラス扉枠の開放状態を示す図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】揚送装置及び発射装置を示す縦断面図である。
【図6】揚送装置の下部構造を示す透視斜視図である。
【図7】(a)、(b)、(c)、(d)は揚送装置へのパチンコ球の供給状況の説明図である。
【図8】(a)は操作ボタン296の操作時における揚送球返却部及び待機球返却部の遊技球の流れを示す図であり、(b)は通常時における揚送球返却部及び待機球返却部の遊技球の流れを示す図である。
【図9】本発明の実施例における弾球遊技機の構成を示すブロック図である。
【図10】(a)、(b)、(c)、(d)は、変形例1としての係合案内部が形成された球供給スプロケットによる揚送装置へのパチンコ球の供給状況の説明図である。
【図11】(a)、(b)、(c)、(d)は、変形例2としての係合案内部が形成された球供給スプロケットによる揚送装置へのパチンコ球の供給状況の説明図である。
【符号の説明】
2 パチンコ機(弾球遊技機)
203 打球供給皿(上皿)
207 遊技領域
400 揚送ユニット
403 揚送スクリュー
413 球供給スプロケット
414 球収容部
415 連結流路
416 クランク流路
600 曲面状部
600a 曲面
500 発射装置
【発明の属する技術の分野】
本発明は、打球貯留部に貯留された遊技球を揚送装置により揚送し、遊技盤面上に形成された遊技領域の上部側方位置から遊技球を打ち出して遊技を行う弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の弾球遊技機としては、例えば遊技盤の上部側方(遊技機に向かって左側)位置に発射装置を設け、打球供給皿に貯留されている遊技球をスプロケットにて揚送管内に数珠つなぎ状態で送り出して揚送することで発射装置に供給するもの等がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、打球供給皿に貯留されている遊技球を、遊技盤の後面側に設けられたスクリュー部材により揚送することで発射装置に供給するもの等がある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭58−163388号公報(3頁、第1、2、7図)
【特許文献2】
特許第2805499号公報(第2−3頁、第3−8図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これら遊技盤の上部側方位置から遊技球を打ち出して遊技を行う弾球遊技機は、発射装置を遊技機の下方位置のハンドル近傍に有するものに比較して、発射レールの設置等の制約を受けることがないため、遊技盤上の遊技領域の大きさ、特には上下方向の大きさを大きくでき、遊技盤のほぼ中央部位置に設けられている可変表示装置である液晶パネル等の大型化にあって、これら液晶パネルの大型化等による遊技盤形成への制約を解消することが可能となることから、その有用性が高まってきている。
【0006】
しかしながら、前記特許文献1、2に記載の揚送装置にあっては、揚送装置につながる通路内を流下してきた遊技球をスプロケットやスクリュー部材を回転することで揚送するように構成されているが、これらスプロケットやスクリュー部材に後続の遊技球の球圧が加わるため、スプロケットやスクリュー部材を駆動する駆動装置に負荷がかかって揚送に支障をきたす恐れがあるばかりか、球噛み等が発生しやすくなり、遊技球がうまく揚送されない恐れがあった。
【0007】
このような場合、所定時間における発射球数が減少することとなり、遊技者に不快感を与えることになるとともに、引いては遊技場の売り上げも減少するといった問題があった。
【0008】
よって、本発明は上記した問題点に着目してなされたもので、揚送装置による揚送の際における球噛みの発生率を低下させて、遊技球を確実に揚送することが出来るようにした弾球遊技機を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記した問題を解決するために、本発明の弾球遊技機は、弾球遊技機の前面側における遊技領域の下方に設けられ、遊技に使用するための遊技球を貯留するための打球貯留部と、弾球遊技機の上部側方位置に設けられ、遊技球を遊技領域内に打ち出すための発射装置と、前記打球貯留部に貯留されている遊技球を揚送部材の駆動により揚送して前記発射装置に供給する揚送装置と、を備える弾球遊技機において、
前記打球貯留部に貯留されている遊技球を前記揚送装置まで導く揚送球誘導通路と、
該揚送球誘導通路内を流下する遊技球を前記揚送装置に1個ずつ供給するための揚送球供給装置と、を備え、
前記揚送球供給装置は、
前記揚送球誘導通路の遊技球に外周面を当接させて流下を規制するように配置され、回転軸を中心に回転自在に設けられる回転体を有し、前記回転体の回転により前記回転体の外周面に凹設された係合凹部に遊技球が係合され、前記揚送装置側に向けて遊技球が1個ずつ移送されるように構成されており、
前記回転体の外周面には、遊技球を前記外周面よりも前記回転軸寄りで前記係合凹部に係合させるように案内する係合案内部が前記係合凹部に連設されていることを特徴とする。
この特徴によれば、揚送球供給装置により揚送装置に遊技球を1個ずつ移送することで、揚送装置に後続球の球圧が直接加わることがなくなるため、揚送に悪影響が及ぶことを回避出来るばかりか、回転体の周面に当接して流下が規制されている遊技球は、係合案内部により回転体の外周面よりも回転軸寄りに案内された位置で係合凹部に係合されることで、係合凹部に係合する際における遊技球の移動距離が短くなり、係合凹部に確実に係合して揚送装置に移送されることになるため、係合凹部への係合時における球噛み等の発生率を効果的に低下させることが出来る。
【0010】
本発明の弾球遊技機の前記係合案内部は、前記回転体の外周面に連続するとともに、前記係合凹部に向かうに従い前記回転軸に近づくように形成される曲面状部にて構成されていることが好ましい。
このようにすれば、外周面に連続して形成される曲面状部にて係合案内部が構成されていることで、回転体の回転により遊技球が回転軸寄りにスムーズに案内されるため、遊技球を係合凹部に確実に係合させることが出来る。
【0011】
本発明の弾球遊技機の前記揚送装置は、軸心周りに回転自在に設けられるとともに、遊技球に当接して揚送する螺旋状部を有するスクリュー部材を備え、
前記回転体と前記スクリュー部材との回転方向を異ならせたことが好ましい。
このようにすれば、スクリュー部材の回転方向と回転体による遊技球の移送方向とが同一になり、螺旋状部により遊技球を掬い上げるときにおける衝撃が緩和されるため、球噛みの発生率を効果的に低下させることが出来る。
【0012】
本発明の弾球遊技機の前記揚送球誘導通路における前記揚送球供給装置の配置位置上流側の一部を屈曲形成することにより、後続球による球圧を緩和するための球圧緩和部を構成したことが好ましい。
このようにすれば、回転体に加わる揚送球誘導通路内の後続球の球圧が分散されて緩和されるため、回転体の回転に悪影響が及ぶことがないとともに、係合時における球噛みの発生率を低下させることが出来るばかりか、揚送球誘導通路内の遊技球の流下に影響を与えることなく、後続球の球圧を緩和することが出来る。
【0013】
【発明の実施形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0014】
本実施例の弾球遊技機であるパチンコ機2は、該パチンコ機2の側部位置に1対1にて配置される遊技用装置であるカードユニット3とともに、図示しない遊技島の前後面に複数並設されて使用される。
【0015】
これらパチンコ機2並びにカードユニット3が並設される遊技島の内部には、前記各パチンコ機2にパチンコ球を供給する供給樋や、前記各パチンコ機2にて使用され、排出されたパチンコ球を集めて前記供給樋に揚送する揚送装置等(図示略)が設けられているとともに、高さ方向略中央部には前記各カードユニット3より排出された紙幣を所定方向島端に設けられた回収ボックス(図示略)に搬送可能な紙幣搬送路(図示略)や、同様に前記各カードユニット3より排出された硬貨及びプリペイドカードを前記所定方向島端の回収ボックスに混合搬送可能な混合搬送路(図示略)等が設けられている。
【0016】
本実施例の弾球遊技機であるパチンコ機2を主に図1〜図4に基づいて説明すると、該パチンコ機2は、遊技機枠としての前面扉枠200(図2参照)と、該前面扉枠200の前面側に開閉自在に枢支され、中央にガラス板が設けられたガラス扉枠202と、前面扉枠200を開閉自在に枢支する四角枠状に形成された基枠(図示略)と、からなる。
【0017】
ガラス扉枠202の下部前面には、貸し出された球並びに払い出された賞球を貯留するための打球貯留部としての打球供給皿203が一体に設けられており、該打球供給皿203の上面所定箇所には操作部14が設けられている。前面扉枠202の前面における打球供給皿203の下方には、打球供給皿203から溢れた賞球を貯留する余剰球受皿204と、打球を発射する打球操作ハンドル(以下、操作ノブという)205、とが設けられている。なお、図1中の241は、前記打球供給皿203を含むガラス扉枠202を開放操作するためのシリンダ錠である。
【0018】
また、ガラス扉枠202の下部前面における打球操作ハンドル205の近傍には、遊技に関連する演出装置を操作するための演出装置操作ボタン112a、112bが配設されている。この演出装置操作ボタン112a、112bは、本実施例においては使用されていないが、例えば機種変更等に伴って遊技に関連する演出装置を設けた場合において、このような演出装置に関連する何らかの操作をする際に使用されるボタンである。
【0019】
前記演出装置とは、具体的にいうと、例えば後述する遊技盤206の所定箇所に可動自在に設けられた可動部材(例えばパチンコ機のタイトルキャラクタをモチーフにして構成された役物)や、後述する可変表示装置とは別個に構成された演出用可変表示装置等を含み、演出装置操作ボタン112a、112bは、これら可動部材を可動させるための操作や、演出用可変表示装置を可変表示させることにより行われるミニゲーム等を停止表示または選択するための操作に使用されるものである。
【0020】
これら演出装置操作ボタン112a、112bは、打球操作ハンドル205の近傍に設けられているため、遊技者は打球操作ハンドル205を操作しながら、該ハンドルを操作する手で演出装置操作ボタン112a、112bを操作することが出来るため、打球操作を中断することなく演出装置の操作を行うことが可能である。なお、これら演出装置操作ボタン112a、112b内には例えば複数色に発光可能なLED(図示略)等が内蔵されている。なお、これら演出装置操作ボタン112a、112b内には例えば複数色に発光可能なLED(図示略)等が内蔵されている。
【0021】
操作部14には、遊技者により前記カードユニット3に設けられたカード挿入口314に挿入された遊技用記録媒体であるプリペイドカードより読み出された遊技用価値である度数を表示する度数表示部(図示略)と、遊技の開始または前記打球供給皿203に持球が少なくなったまたは無くなった際に押圧操作されて、前記度数表示部に残度数が存在する場合に所定数量のパチンコ球の貸出を実施するための貸出ボタン(図示略)と、遊技を終了する際に押圧操作されることにより、前記カードユニット3に挿入されているプリペイドカードに新たな残度数が記録されて返却がなされる返却ボタン(図示略)と、が設けられている。
【0022】
前面扉枠200には、図2に示すように、略中央部に形成された開口200c内に遊技盤206が着脱自在に取付けられている。また、前面扉枠200の前面200aにおける遊技盤206に向かって左側方上部位置には、該遊技盤206の前面206aに形成される遊技領域207に向けてパチンコ球を発射するための発射装置500が取付けられているとともに、前面扉枠200の後面側における発射装置500の下方には、打球供給皿203に貯留されたパチンコ球を揚送して発射装置500にパチンコ球を供給するための揚送ユニット400(揚送装置)が取付けられている。
【0023】
ガラス扉枠202における打球供給皿203の下部には、該打球供給皿203に貯留されているパチンコ球を整列して、後述する揚送ユニット400の下部ユニット401に繋がるクランク流路416並びに連結流路415に供給するように設けられた誘導傾斜樋283が設けられている。すなわち、これら誘導傾斜樋283、クランク流路416、連結流路415により、打球供給皿203に貯留されたパチンコ球を揚送ユニット400に導くための揚送球誘導通路が構成されている。なお、これら各通路の下面は揚送ユニット400側に向けて徐々に下方に傾斜する傾斜面とされており、誘導傾斜樋流入口230から流入したパチンコ球は通路内を自然流下するようになっている。
【0024】
打球供給皿203に貯留されているパチンコ球は、打球供給皿203の底面に露呈するように設けられる誘導傾斜樋流入口230から流出して誘導傾斜樋283を流下し、クランク流路416並びに連結流路415を通過して、前記揚送ユニット400の下部に設けられている後述する下部ユニット401に供給され、該揚送ユニット400にて発射装置500に揚送、供給されて、発射装置500により遊技盤206の前面206aに形成された遊技領域207に打ち出されるようになっている。また、本実施例では、ガラス扉枠202の開放により、クランク流路416と連結流路415との間にて流路が分離されるようになっている。
【0025】
図2及び図5に示されるように、前記揚送ユニット400の側方位置には、前記発射装置500にて打ち出されたが、発射勢いが弱いために前記遊技領域207に到達しなかったファール球を流下させるためのファール球流路295が設けられている。該ファール球流路295の下端部には、前面扉枠200の後面側に配設される機構板(図示略)に形成される賞球通路(図示略)に繋がるファール球流出口288が設けられており、前記ファール球は、該ファール球流路295、ファール球流出口288、前記賞球通路を通じて打球供給皿203或いは余剰球受皿204に返却されるようになっている。
【0026】
図5、図6及び図8に示されるように、揚送ユニット400内に形成される揚送通路にパチンコ球を供給する揚送球供給手段となる下部ユニット401の直近位置である前記連結流路415の上流位置、つまりは、ガラス扉枠202の開放により分離されて離脱する部分には、クランク流路416、誘導傾斜樋283並びに前記打球供給皿203に停留するパチンコ球(待機球)を余剰球受皿204に流下させるための待機球返却部420が設けられており、図1に示すように、該待機球返却部420に対応する位置となる打球供給皿203の下方左部位置に設けられた揚送球返却操作手段としての返却操作ボタン296を押圧操作することで、パチンコ球の返却(抜き取り)が実施される。
【0027】
本実施例に用いた待機球返却部420の構成を詳しく説明すると、図6並びに図8に示すように、待機球返却部420の下部には、待機球返却通路242(図2参照)にパチンコ球を流入させるための開口421が形成されており、前記誘導傾斜樋283の終端に形成されたクランク流路416の流路下面にスライド自在に配置されたスライド板423が、前記操作ボタン296の押圧操作により前後方向に移動する連結棒424に固定されていて、該連結棒424の移動に伴ってスライド板423が前後方向にスライドするとともに、前記連結棒424にはスプリング422が前記連結棒424をパチンコ機2の前方、つまりはスライド板423が開口421を塞ぐ方向に付勢するように設けられている。
【0028】
通常にあっては、図8(b)に示すように、前記スプリング422にてスライド板423が前方方向へ付勢されることにより、前記スライド板423が開口421を塞ぐことで、スライド板423上をパチンコ球が通過して、連結流路415を通じて揚送ユニット400にパチンコ球が供給される一方、前記操作ボタン296の操作時にあっては、図8(a)に示すように、該操作ボタン296の押圧操作により、スプリング422の付勢に抗してスライド板423が内方へスライドし、前記開口421がクランク流路416の底面に露出することで、パチンコ球が待機球返却通路242内に流入して、余剰球受皿204にパチンコ球(待機球)が返却されるようになっている。
【0029】
また、本実施例では、前記待機球返却部420に隣接してストッパー部429を設けており、ガラス扉枠202が開放された場合に、該ストッパー部429にてクランク流路416の下流端開口よりパチンコ球が溢流することが防止されるようになっている。
【0030】
さらに、前記連結棒424の所定箇所からは、後述する揚送球返却部450の下部に形成される開口部451を開閉するスライド板452が先端に固着された連結棒424aが連設されている。このスライド板452には前記開口部451とほぼ同形をなす球抜き開口部453が一端部側に形成されており、連結棒424のスライド移動に連動して、スライド板452が開口部451を閉塞する閉塞位置と、球抜き開口部453が開口部451に合致してパチンコ球を落下可能とする開放位置と、の間でスライド移動するようになっている。
【0031】
次に、本実施例に用いた揚送ユニット400の詳細を、主に図3〜図7に基づいて説明すると、揚送装置としての揚送ユニット400は、特に図5に示されるように、パチンコ球を1つ1つ分離した状態で揚送するための揚送部材としての揚送スクリュー403、及び該揚送スクリュー403が内部に収容される揚送路ケース402から成る揚送経路ユニット406と、該揚送経路ユニット406の下方に設けられ、前記揚送スクリュー403を駆動する揚送モータ410や、前記揚送路内にパチンコ球を1個ずつ供給する揚送球供給装置を構成する球供給スプロケット413や、該球供給スプロケット413にパチンコ球を誘導する連結流路415を有する下部ユニット401と、から構成されている。
【0032】
下部ユニット401は、図4に示すように、前面扉枠200の後面200bにおける下部所定箇所から後向きに突出形成された揚送ユニット取付台111の上面に、蝶ネジ100を介して固着されるベース板401’と、このベース板401’の上面に設けられるカバー体440と、から外形が主に構成される。ベース板401’の下面には、揚送スクリュー403及び球供給スプロケット413を駆動する揚送モータ410が取付けられている。
【0033】
カバー体440の上面には、揚送路ケース402の下端部が嵌合される嵌合部441が形成されているとともに、その嵌合部441の内部には、嵌合された揚送路ケース402の下端開口が連通する開口が形成されている。
【0034】
また、カバー体440の内部には、図5及び図7に示されるように、前記誘導傾斜樋283、クランク流路416並びに連結流路415を流下してきたパチンコ球を、移送通路602を介して揚送スクリュー403に掬い上げられる揚送位置Yに流下させずに規制位置Kにて規制するように配置されるとともに、上下方向を向く回転軸601を中心とした回転によりパチンコ球を揚送スクリュー403側に移送するための円柱形状の球供給スプロケット413(回転体)が、前記揚送スクリュー403を駆動する揚送モータ410にて駆動される駆動ギア411と噛合する受動ギア412と同軸に軸支されて設けられている。
【0035】
詳しくは、連結流路415を流下してきたパチンコ球は、外周面413aとカバー体440における移送通路602の外壁内面の角部440aとで係止されることにより規制位置Kにて流下が規制されるようになっている。
【0036】
また、球供給スプロケット413の外周面413aには、規制位置Kにて流下規制されているパチンコ球を移送通路602内に移送するための略半円形状の球収容部414(係合凹部)が凹設されている。球収容部414は、パチンコ球の半部が係合される程度の深さを有しており、球供給スプロケット413の回転により球収容部414に規制位置Kにて流下規制されているパチンコ球が係合されると、パチンコ球が球供給スプロケット413の回転軸601寄りに移動することで前記角部440aとの係止作用が解除され、移送通路602を移送して揚送スクリュー403側に1個ずつ移送されるようになっている。
【0037】
また、外周面413aには、この外周面413aに連続する曲面600aにて構成される係合案内部としての曲面状部600が球収容部414に連設されている。曲面600aは、詳しくは外周面413aにおける回転軸601を挟んで前記球収容部414に対向する所定位置から外周面413aに連続するように球収容部414まで形成されるとともに、球収容部414に向かうに従い回転軸601に近づくように形成される。
【0038】
この曲面600aは、前記規制位置Kにて流下規制されているパチンコ球を、該曲面600aと前記角部440aとで係止することで流下規制したまま、球収容部414に係合させることが出来る曲面にて形成されており、この曲面600aにパチンコ球が当接している状態においては、規制位置Kに位置するパチンコ球は揚送位置まで移送されないようになっている。
【0039】
このように構成される球供給スプロケット413により、打球供給皿203から連結流路415まで流下してきたパチンコ球の流下を規制位置Kにて規制されるとともに、球供給スプロケット413が回転されることにより球収容部413に係合されたパチンコ球が揚送位置Yまで移送され、揚送位置Yにて揚送スクリュー403により掬い上げられて揚送されることになる。なお、球供給スプロケット413の作用の詳細は後述することとする。
【0040】
また、この球供給スプロケット413に供給されるパチンコ球に、後続球によりかかる球圧を緩和することを目的として、揚送球誘導通路における球供給スプロケット413の上流側近傍、すなわち、連結流路415は、上面視略逆S字状に屈曲するように形成されており、パチンコ球を蛇行して流下させるための屈曲部415aが屈曲形成されている。
【0041】
さらに、球供給スプロケット413に供給されるパチンコ球及び特に待機球返却部420に供給される球圧を緩和することを目的として、前記誘導傾斜樋283におけるパチンコ球の流下方向と異なる方向にパチンコ球を誘導することにより球圧を緩和するクランク流路416が設けられている。クランク流路416の下流位置に前記待機球返却部420(開口412)が設けられていて、球圧緩和後のパチンコ球が待機球返却部420に供給されることで、パチンコ球が良好に待機球返却部420の下方へ流下するように工夫されている。なお、クランク流路416は、図8に示されるように、揚送路ケース402が遊技盤206の後面206b側に配置されるように、遊技盤206の前面206a側から後面206b側まで延設されている。
【0042】
また、図5に示すように、受動ギア412と駆動ギア411とは、そのギア比が、駆動ギア411と同軸にて回転される前記揚送スクリュー403により、揚送球が揚送路のほぼ中間位置に揚送されるようになる回転回数(本実施例では約4.5回転)にて受動ギア412が1周するようなギア比とされていて、揚送路内の中間位置にパチンコ球が揚送される毎、つまりは、既に中間位置に揚送されているパチンコ球が発射装置500に供給される毎に、1つのパチンコ球が揚送スクリュー403に対して供給されるようになっており、揚送路内には最大で2つの球しか同時に存在しないようになっており、これら受動ギア412と駆動ギア411とを駆動する揚送モータ410の動作が発射揚送制御基板291(図9参照)にて制御されることで、前記発射装置500からのパチンコ球の発射に連動して揚送ユニット400によるパチンコ球の揚送、供給が実施されるようになっている。
【0043】
このように、打球貯留皿203に貯留されているパチンコ球を揚送ユニット400に1個ずつ分離して供給する揚送球供給装置を構成する球供給スプロケット413は、揚送スクリュー403を回転させるための揚送モータ410の駆動により回転する駆動ギア411に噛合する受動ギア412とともに回転するように設けられており、この受動ギア412と駆動ギア411とのギア比が、揚送スクリュー403により揚送球が揚送路のほぼ中間位置に揚送されるようになる回転回数にて受動ギア412が1周するように構成されている。
【0044】
すなわち、揚送モータ410の駆動が停止したときおいて、揚送球供給装置の外形を構成するカバー体440の内部に同時に存在するパチンコ球が1個以下となるように球供給スプロケット413が構成されているため、例えば揚送モータ410の駆動が何らかの要因により故障したり、カバー体440内を清掃するため等、メンテナンスが必要になって揚送モータ410の駆動を停止した場合等において、カバー体440内に多数のパチンコ球が残存してそれらの抜き取り作業が困難となることがないため、メンテナンス時における作業性が効果的に向上する。
【0045】
なお、本実施例における揚送球供給装置の球供給スプロケット413は、揚送モータ410の駆動を停止した場合等において、カバー体440内に多数のパチンコ球が残存しないようにするために、球供給スプロケット413の周面に1個の球収容部414のみが形成されていたが、連結流路415内の後続のパチンコ球から1個ずつ分離して揚送スクリュー403に供給できるように構成されていれば、球供給スプロケット413に複数の球収容部414が形成されていてもよい。
【0046】
次に、図5に示されるように、連結流路415における球供給スプロケット413の近傍位置下面には、前述した揚送球返却部450が設けられている。この揚送球返却部450の下面(ベース板401’)には前記開口部451(流入部)が形成されており、該開口部451の下面からは、下流端部が待機球返却通路242に連通する返却通路としての揚送球返却通路454が連設されている。
【0047】
操作ボタン296の押圧操作によりスライド板452が後方の開放位置まで移動して開口部451に球抜き開口部453が合致すると、連結流路415と揚送球返却通路454とが連通し、連結流路415内のパチンコ球が揚送球返却通路454内に落下することになる。揚送球返却通路454内に流入したパチンコ球は、待機球返却通路242内に流入して余剰球受皿204に返却されることになる。
【0048】
なお、開口部451は、特に図5中C−C断面図に示されるように、その一端部が球供給スプロケット413側に近接するように形成されているため、開口部451と球抜き開口部453とが合致して連結流路415と揚送球返却通路454とが連通されると、球収容部414内に収容されたパチンコ球でも揚送球返却通路454内に落下するようになっている。
【0049】
また、前述したように連結流路415の底面は揚送ユニット400に向けて下方に傾斜しているため、開口部451と球抜き開口部453とが合致して連結流路415と揚送球返却通路454とが連通されると、開口部451の上方に位置していたパチンコ球はもちろん、開口部451の下流側近傍にあるパチンコ球も流下して落下することになる。なお、開口部451及び球抜き開口部453は2個のパチンコ球を同時に落下可能な横長形状に形成されているため、落下時における球詰まりが防止される。
【0050】
さらに、特詳細な図示はしないが、連結流路415の底板上面には、スライド板452の厚み分の深さを有する凹溝が凹設され、この凹溝内にスライド板415が摺動自在に設けられるとともに、この凹溝内に開口部451が形成されているため、開口部451の閉塞時において連結流路415の下面に段部等が形成されることがないので、パチンコ球の流下に支障をきたすことがない。
【0051】
次に、揚送経路ユニット406に関して説明すると、図3及び図4に示すように、揚送路ケース402は、上下端が開口する筒状に形成されているとともに、供給されたパチンコ球が揚送される球通路部404と、前記揚送スクリュー403が挿通配置されるスクリュー収容部405とが内部に形成されており、揚送スクリュー403の螺旋状凸部403aが前記球通路部404に露出して揚送されるパチンコ球と摺接するように軸支されており、揚送スクリュー403の回転に伴ってパチンコ球が球通路部404の内部を上方へと揚送されていく。
【0052】
揚送路ケース402の上端部には、図4に示されるように、揚送スクリュー403の軸部403bの上端を回動自在に枢支するための蓋部材434が取り付けられている。詳しくは蓋部材434は、揚送路ケース402の上端縁部に形成されたフランジ部402aに螺入される複数本のネジ436介して揚送路ケース402の上端部に取り付けられているとともに、その下面略中央部には、内面に雌ねじ部が形成された筒状の軸支部439が下方に向けて形成されており、この軸支部439内には、揚送スクリュー403の軸部403bの上端に固着されたベアリング(図示略)が圧入されており、揚送スクリュー403の軸部403bの上端が蓋部材434により回動自在に支持されるようになっている。
【0053】
すなわち、揚送路ケース402と揚送スクリュー403とは蓋部材434を介して一体化されており、これら一体化された揚送路ケース402及び揚送スクリュー403により揚送経路ユニット406が構成されている。
【0054】
図3及び図4に示されるように、揚送路ケース402における球通路部404の前面側上部所定箇所には、揚送スクリュー403により上方に揚送されたパチンコ球を揚送ケース402外部に流出させるための流出口101が形成されているとともに、この流出口101からは、前方に配置される発射装置500にパチンコ球を誘導するための発射球誘導路102を構成する発射球誘導路部材102’が延設されている。前面扉枠200には、発射装置500の外装ケース510の後板に形成された発射球流入口103に対応する箇所に連通口104が形成されており、発射球誘導路部材102’は、前記連通口104に向かって下方に傾斜するスロープ状に形成されているとともに、その下流側端部(先端部)に外向きに形成された取付片105が蝶ネジ106により前面扉枠200に止着されており、発射球誘導路102の下流側端部が連通口104に連通されている。このように、揚送ケース402の上部まで揚送されたパチンコ球は、流出口101から流出した後、発射球誘導路102内を自然流下して、連通口104及び発射球流入口103を通過して発射装置500内に1個ずつ供給されるようになっている。
【0055】
揚送ユニット400は、その上部に設けられた発射球誘導路部材102’の取付片105と、下部に設けられたベース板401’とが、蝶ネジ106、100により前面扉枠200の所定箇所に止着されることにより前面扉枠200に取り付けられている。
【0056】
なお、これら蝶ネジ106、100を取り外すことで、揚送ユニット400を前面扉枠200から分離することが出来るとともに、揚送ユニット400は、揚送経路ユニット406と下部ユニット401とが互いに分離自在に構成されているため、例えば揚送路ケース402内が汚れてメンテナンスが必要になったり、揚送モータ410が故障して交換する必要が生じた場合において、前面扉枠200から容易に離脱してパチンコ機2から取り外した状態でメンテナンス等の作業を行うことが出来るため、遊技中に何らかのトラブルが発生しても、遊技客に迷惑をかけることなく対応することが出来る。
【0057】
揚送ケース402の内側方には、前述したファール球流路295を構成するファール球流路部材295’が設けられている。ファール球流路部材295’は、図3及び図5に示されるように、発射装置500の外装ケース510における底板所定箇所に形成されたファール球流出口107の下端から下方に向けて延設されているとともに、その途中には後方に向けて屈曲する第1クランク部108aが形成されており、前面扉枠200に形成された貫通口109を通して流路が前面扉枠200の前面200a側から後面200b側に向けて延設されており、さらに前面扉枠200に取り付けられる遊技盤206の後面206aよりも後方位置には、下方に向けて屈曲する第2クランク部108bが形成されており、該第2クランク部108bから下方に向けて、前面扉枠200の後面200b側に配置される後部ファール球流路295aが下方に向けて延設されている。
【0058】
なお、第1クランク部108aにおける角部には傾斜リブ113が設けられており、この傾斜リブ113によりパチンコ球を第1クランク部108aに滞留させずにスムーズに流下させるようになっている。
【0059】
このように、発射装置500から打ち出されたが、遊技領域207に到達しなかったパチンコ球は、外装ケース510の底板に形成されたファール球流出口107からファール球流路295内に流出して流下してファール球として回収された後、その下端部に形成されたファール球流出口288から前記賞球通路を通じて打球供給皿203或いは余剰球受皿204に返却される。
【0060】
なお、前記揚送路ケース402は、透明な樹脂製(アクリル樹脂)にて構成されており、このように透明な樹脂を用いることは、球通路部404内部並びにスクリュー収容部405の内部の状態を、装置を分解することなく目視にて容易に確認できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら揚送路ケース402を不透明な樹脂や金属等にて形成しても良い。
【0061】
本実施例に用いた前記揚送スクリュー403の前記螺旋状突出部は、低摩擦であって帯電防止能に優れる導電材である導電性ポリプロピレン樹脂にて形成されており、このように前記螺旋状突出部を導電材或いは帯電防止能を有する帯電防止材にて形成することは、前記パチンコ球の揚送において、パチンコ球と揚送スクリュー403とが摺動することにより静電気が発生することを防止するとともに、揚送スクリュー403を適宜にアースしておくことで、既にパチンコ球が帯電している場合にあっても、該パチンコ球の帯電を除去できるようになることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら揚送スクリュー403をより導電性の優れる金属にて形成したり、或いは帯電防止能を有しない通常の樹脂にて形成するようにしても良い。
【0062】
また、本実施例では、前述のように、揚送スクリュー403並びに球供給スプロケット413の双方を同一の駆動源である揚送モータ410にて駆動するようにしており、このようにすることは、個別に駆動モータを設けるのに比較して動力源の数を低減できるため、コストを抑えることができるとともに、前記揚送スクリュー403と球供給スプロケット413の同期(連動)を、前述のようにギア比等にて機械的に設定することで、容易且つ確実に制御できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、個々の動力源を個別の駆動モータとして制御するようにしても良い。
【0063】
また、本実施例では、球通路部404がパチンコ機2の前側を向くように揚送ユニット400が取り付けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば揚送ユニット400が、前記球通路部404がパチンコ機2の後側を向くように取り付けられていてもよい。
【0064】
また、本実施例における揚送ユニット400にあっては、揚送路ケース402の下部において球供給スプロケット413により供給されるパチンコ球を、揚送路ケース402の上部に形成された流出口101まで揚送させる揚送距離は約420mmとされているとともに、揚送スクリュー403におけるリード(1回転で上昇する距離)は約45.6mm、リード角は約46.03度に設定されており、1個のパチンコ球を揚送距離420mm揚送させるために必要な揚送スクリュー403の回転数は、420÷45.6=9.21回転となり、パチンコ球は0.6秒ごとに発射されるようになっている。
【0065】
発射装置500は、図2に示されるように、外装ケース内部に共通の揺動軸513に揺動自在に軸支された球リフトアーム502と発射アーム503が設けられている。これら球リフトアーム502と発射アーム503の一方端は、発射装置500の上部裏面側に固設されたカム駆動モータ511(図9参照)にて回転駆動されるカム軸に同軸に固設されたリフト用カム501a並びに発射用カム501bに摺接することで、該リフト用カム501a並びに発射用カム501bの回動に伴って球リフトアーム502と発射アーム503とが個別の揺動動作を為すようになっているとともに、発射アーム503は、発射装置500の下方に、前記リフトアーム502と発射アーム503の揺動円弧に外接するように傾斜配置された発射レール508にほぼ並行となるように張架された発射用スプリング504にて付勢されており、また、球リフトアーム502は、前記発射用スプリング504とほぼ直交するように張架されたリフト用スプリング506にて付勢されている。
【0066】
また、発射用スプリング504の発射アーム503との連結側ではない他方端は、発射用スプリング504の張架方向にスライド可能とされたスライド片505に連結されていて、該スライド片505が、発射装置500の裏面側に固設された発射強度調整用モータ512(図9参照)によりスライドすることで、発射アーム503の付勢力が調節され、該発射アーム503にて打ち出されるパチンコ球の発射強度を調節できるようになっており、これら発射強度の調節は、前記打球操作ハンドル205の操作に基づいて前記発射制御基板291によって前記発射強度調整用モータ512の動作が制御されることで実施される。
【0067】
また、前記発射レール508の傾斜下方端位置には、前記ファール球流路295に連通するファール球流出口107の開閉を、前記球リフトアーム502の下端と摺接することによって該球リフトアーム502の揺動に伴って実施するファール球通路弁507が設けられており、該ファール球通路弁507は図示しないスプリングにより、前記ファール球流出口107を塞がない開状態となるように常時付勢されている。
【0068】
この発射装置500の発射動作を簡単に説明すると、まず前記カム501の回動によって、前記球リフトアーム502と発射アーム503の双方が、前記リフト用スプリング506並びに発射用スプリング504の付勢力に抗して、発射装置500の下方隅部の位置まで揺動されるとともに、この状態において、前記発射球供給装置550から1個の発射球が、発射装置500の外装ケースの後面に設けられた供給口を介して供給される。
【0069】
該発射装置500に供給されたパチンコ球は、前記リフト用カム501aの回動によって、まず球リフトアーム502のみが揺動を開始することで、発射平面となる前記発射アーム503の揺動平面と同一平面上を、該球リフトアーム502によって前記発射レール508上の所定の発射位置へ誘導される。この誘導に際して前記ファール球通路弁507は、球リフトアーム502の揺動に伴って該球リフトアーム502の下端と摺接することにより、前記ファール球流出口107が閉じた状態となる。
【0070】
尚、前記球リフトアーム502の揺動外周端部には、発射アーム503の先端に設けられた打ち出しスプリングが挿通可能な円形窓が形成されていて、前記円形窓内に前記発射位置へ誘導されたパチンコ球が保持されるようになっている。また、前記リフト用カム501aの形状は、前記発射位置の遠方領域において前記球リフトアーム502の揺動下端の移動速度が大きくなるように、その外径が大きく増加するとともに、前記発射位置の近傍において、球リフトアーム502の揺動下端の移動速度が低速となることで誘導されるパチンコ球の誘導速度が低速となるように、その外径が微増するような形状となっている。
【0071】
次いで、発射レール508上の所定の発射位置へ誘導されたパチンコ球は、発射用カム501bの回動に伴い、前記発射用スプリング504に抗する力が解除されることで、該発射用スプリング504による付勢力に比例する勢いにて、発射アーム503が図中の矢印方向に揺動することで、発射レール508上の発射路509を通じて遊技領域207へ打ち出される。
【0072】
この際、発射の勢いが弱く、遊技領域207に達しなかったパチンコ球は、前記発射レール508上を傾斜下方側へ流下してくるが、発射後のカム501の回動に伴って、前記球リフトアーム502と発射アーム503の双方がスプリング504、506に抗して揺動を開始することで、それまで球リフトアーム502の下端部に摺接することで前記ファール球流路295のファール球流出口107を塞いでいたファール球通路弁507が、摺接の解除に伴って、図示しないスプリングにより起立状態に戻ることでファール球流出口107が開状態となり、前記発射レール508上を流下してきたファール球がファール球流路295内へ流入され、該ファール球流路295の下端に形成されているファール球流出口288、賞球通路273を通じて打球供給皿203或いは余剰球受皿204に返却される。
【0073】
次に、図2に基づいて、遊技盤206及び該遊技盤206aの前面に形成された遊技領域207を簡単に説明すると、遊技領域207の中央上部付近には、「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報可変表示するための可変表示部209と、「普通図柄」と呼ばれる個別図柄が交互点灯される表示器210を含む可変表示装置208が設けられている。尚、本実施例では、可変表示部209はLCD表示器(液晶表示器)にて形成されていて、特別図柄を可変表示可能とされている。具体的には、可変表示部209の表示エリアにおいては、縦横方向に並ぶ態様で9つの可変表示エリアを表示上形成し、それらのエリアにおいて、各エリアに共通の複数図柄が個々に独立して可変表示される。
【0074】
また、表示器210は、左右2つのLEDを有し、可変表示部209に表示される特別図柄は、打球が始動入賞口(図示略)へ始動入賞することに基づいて可変開始される。一方、可変表示部210に表示される普通図柄は、打球が第1通過ゲート(図示略)を通過することに基づいて可変開始される。
【0075】
可変表示部209の下部には、前記始動入賞口(図示略)に入賞した始動入賞球数を記憶して表示する4個の表示部(LED)を有する始動入賞記憶表示器218が設けられている。本実施例では、4個を上限として、始動入賞が記憶される毎に、始動入賞記憶表示器218のLEDが1つ追加して点灯する。そして、可変表示部209において特別図柄の可変表示が開始される毎に、LEDが1つ滅灯するようになっている。
【0076】
また、図1に示すように、遊技領域207の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ227が設けられているとともに、遊技領域207の外周には、遊技効果LED228aおよび遊技効果ランプ228b、228cが設けられている。そして、一方のスピーカ227の近傍には、賞球払出時に点灯する賞球ランプ251が設けられ、他方のスピーカ227の近傍には、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ252が設けられている。
【0077】
また、図2に示すように、前記始動入賞記憶表示器218の下方には、遊技領域207に発射されたパチンコ球を受け入れ可能な入賞口が複数設けられており、これら入賞口に入賞した球に応じて、賞球の付与が行われるようになっている。
【0078】
パチンコ機2の遊技盤206の後面側には、前記前面扉枠200に回動自在に枢支された機構板(図示略)が設けられている。この機構板には、可変表示部209の表示制御を行う表示制御基板280、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板231、パチンコ球の払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された賞球制御基板237が設置されている(図9参照)。さらに、揚送ユニット400並びに発射装置500の動作制御を行うマイクロコンピュータ等が搭載された発射揚送制御基板291と、図1に示されるようにガラス扉枠202に設けられる遊技効果LED228a、遊技効果ランプ228b、228cに信号を送るためのランプ制御基板235と、スピーカ227から出力する音声制御を行うマイクロコンピュータ等が搭載された音声制御基板270(図9参照)と、が設けられている。
【0079】
また、余剰球受皿204の満タンを検出するために前記余剰球受皿204への流下経路に設けられる満タンスイッチ213や、球払出装置297の上流部に設けられて球切れを検出するための球切れスイッチ233や、カウントスイッチ223、Vカウントスイッチ222、賞球用カウントスイッチ248a、貸出球カウントスイッチ248b等各種スイッチ(図9参照)からの信号を前記遊技制御基板231に中継するための枠用スイッチ中継基板が設けられている。
【0080】
この機構板の上部には球タンク(図示略)が設けられており、前記遊技島の前記供給樋より導出された供給管(図示略)よりパチンコ球が前記球タンクに供給される。球タンク内のパチンコ球は誘導樋を通って球払出装置297に供給される。
【0081】
また、機構板には、球タンクに補給されたパチンコ球を、入賞の発生等により付与された賞球の払出や貸球の払出を行う球払出装置297(図9参照)に導く賞球供給通路や、球タンク内に貯留されるパチンコ球を遊技島のアウト球タンクに排出するアウト球通路や、球払出装置297から払い出されたパチンコ球を打球供給皿203に連通する上皿連通口274(図2参照)に導く賞球通路や、該賞球通路内を流下して前記上皿連通口274から流出されなかった余剰球を、ガラス扉枠202の下方に設けられている余剰球受皿204導く余剰球通路等が形成されている。
【0082】
更に、本実施例では、前記賞球通路の経路中に、前記ファール球流路295の下端部に繋がるファール球流出口288が形成されており、該ファール球流出口288から流入してきたファール球は、賞球通路を流下して打球供給皿203或いは余剰球受皿204に返却されるようになっている。
【0083】
機構板の内面側には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路や、アウト球を誘導するアウト球通路や、入賞球をパチンコ機2の外部に誘導する排出通路等が設けられているとともに、内部に複数の電圧の異なる電源を生成する電源ユニット基板が設けられている。電源ユニット基板は、電源線が接続される電源コネクタが実装されている。電源線によって供給される電圧はAC24Vの電圧であり、電源ユニット基板(電源生成基板)で生成される複数の電圧は、DC30V、DC21V、DC12V、DC5Vの4種類である。(但し、他の基板に対してAC24Vも供給する。)
【0084】
また、電源ユニット基板は、遊技制御基板231及び賞球制御基板237の各CPUに駆動電源が供給されていない間、各基板に設けられているRAMの記憶内容をバックアップ(保持)するために各基板にバックアップ電源を供給するようになっている。なお、電源ユニット基板(電源生成基板)から電源断信号が出力されることによって遊技制御基板231及び賞球制御基板237は、バックアップをするための処理を行うようになっている。
【0085】
次に、本実施例のパチンコ機2の遊技制御基板231における回路構成の一例を図9に基づいて説明すると、遊技制御基板231は、プログラムに従ってパチンコ機2を制御する基本回路253と、前記遊技領域207に発射されたパチンコ球が前記始動入賞記憶表示器218の下方に複数設けられた入賞口(図2参照)に入賞した際に該パチンコ球の検出を行うための各種スイッチ(入賞球検出スイッチ、V球検出スイッチ、ゲートスイッチ、始動入賞口スイッチ、Vカウントスイッチ、カウントスイッチ、入賞球検出スイッチ)、これら入賞口に設けられた可動片(図示略)の開閉を行うためのソレノイド、該ソレノイドの駆動を行う駆動モータ、該ソレノイドと駆動モータを基本回路253からの指令に従って駆動するモータ・ソレノイド回路、満タンスイッチ213(余剰球受皿204の満タンを検出する満タンスイッチ213)、球切れスイッチ233、賞球用カウントスイッチ248a、貸出球カウントスイッチ248b、演出装置操作ボタン112a、112b(図1参照)の操作を検出する操作ボタンスイッチ114a、114bからの信号を基本回路253に与えるスイッチ回路258と、始動入賞記憶表示器218の点灯および点滅を行うとともに、表示器210と装飾ランプ225とを駆動するランプ・LED回路260とを含む。
【0086】
また、遊技制御基板231は、基本回路253から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置208の可変表示に利用された始動入賞球の個数を示す始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等を外部の管理コンピュータ等に対して出力する第1情報出力回路264を含む。
【0087】
基本回路253は、ROM254、RAM255、CPU256、I/Oポート257、および、クロック発生部250を含む。ROM254は、ゲーム制御用のプログラム等の各種の情報(データ)を記憶するためのものである。RAM255は、ワークメモリとして使用されるためのものである。CPU256は、ゲーム制御用のプログラム等の各種の制御用プログラムに従って遊技制御動作等の制御動作を行う。I/Oポート257は、データおよび信号等の各種情報の入出力用に設けられた複数のポートを有する。クロック発生部250は、基本回路253が動作する場合の基準タイミングとなる動作クロックをCPU256等の基本回路253内の各部に与えるものである。
【0088】
さらに、遊技制御基板231には、電源投入時に基本回路253をリセットするための初期リセット回路266と、電源投入後に基本回路253を定期的にリセットするための定期リセット回路265と、基本回路253から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート257のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路267とが設けられている。
【0089】
基本回路253は、電源投入時において、初期リセット回路266により初期リセットされる。また、電源投入後、基本回路253は、定期リセット回路265により定期的(例えば、2ms毎)にリセットされ、割込み処理が実行される。これにより、割込み処理が実行される毎に、ゲーム制御用のプログラムが所定位置から再度実行される。
【0090】
また、遊技制御基板231から表示制御基板280には、可変表示装置208の可変表示部209の表示制御に関する指令情報として、表示制御コマンドデータと、ストローブ信号としての割込信号(表示制御信号INTともいう)とが伝送される。表示制御基板280側では、表示制御コマンドデータCDの指令内容にしたがって、可変表示部209の表示制御を行う。
【0091】
遊技制御基板231からランプ制御基板235には、ランプ制御基板235により制御が行われる遊技効果LED228a、賞球ランプ251、球切れランプ252、および、遊技効果ランプ228b、228cの制御に関する指令情報としてのランプ制御信号等の情報が伝送される。
【0092】
遊技制御基板231から音声制御基板270には、音声制御基板270によりスピーカ227から出力される効果音等の音声の制御に関する指令情報としての音声制御用コマンドデータ等の情報が伝送される。この音声制御用コマンドデータに応じて、音声制御基板270内に設けられた音声制御用のマイクロコンピュータは、スピーカ227からの効果音の発生等の音声制御を行う。
【0093】
また、基本回路253は、遊技領域207に発射されたパチンコ球の入賞球に関わる各種検出信号に基づいて、所定個数の賞球を払出すための賞球信号を賞球制御基板237に出力する。賞球制御基板237では、その出力されてきた賞球信号に基づいて球払出装置297を制御して所定個数の賞球を払出すための制御を行う。
【0094】
また、満タンスイッチ213からの検出信号が満タン状態を示している場合には、その状況に応じて、賞球禁止指令信号を賞球制御基板237へ送り、球払出装置297による賞球の払出を停止させる。
【0095】
また、賞球制御基板237上には、第2情報出力回路部268が設けられており、これら賞球制御基板237において制御される賞球の払い出し数の情報等を外部出力できるようになっている。
【0096】
また、賞球制御基板237は、前記カードユニット3のカードユニット制御基板(図示略)に接続されており、貸出完了信号(EXS)やパチンコ機レディー信号(PRDY)が前記カードユニット3に設けられたマイクロプロセッシングユニット(MPU)に出力されるようになっているとともに、前記カードユニット3のMPUより出力されるカードユニットレディー信号(BRDY)や貸出要求完了確認信号(BRQ)が入力されるようになっている。
【0097】
カードユニット3の前面には、図1に示すように、点灯によりカードユニット3の動作を報知する動作ランプ301と、プリペイドカードが使用可能状態であるか否かを表示する使用可能表示器302と、当該カードユニット3がいずれの側のパチンコ機2に対応しているか否かを表示するための連結台方向表示器303と、プリペイドカードを挿入可能とされたカード挿入口314と、が設けられている。
【0098】
このカードユニット3は、前記カード挿入口314に挿入されるプリペイドカードに記録されている後述の識別情報(ID)や遊技用価値である度数の読み出し並びに遊技により更新された新たな度数の書き込み等を行うカードリーダライタ(図示略)と、前記挿入されたプリペイドカードから読み出しおよび書き込まれる度数等を記憶するとともに、MPUが実行する制御内容等が記述された制御プログラム等を記憶する記憶部(図示略)と、前記賞球制御基板237等との各種信号の入出力が行われるI/Oポートと、通信ケーブルを介して図示しない管理コンピュータとのデータ通信を行うための通信部(図示略)と、これら各部並びに前記度数表示部の表示制御や入力検出等を行うMPU(図示略)と、を具備している。
【0099】
また、これら各カードユニット3は、前述のように、図示しない管理コンピュータに接続されており、前記プリペイドカードが挿入された場合や、該挿入されているプリペイドカードから読み出され記憶部に記憶されている度数に変更が加えられた場合や、該挿入されているプリペイドカードの返却処理並びに回収処理等が行われた場合に、該プリペイドカードに記録された後述の識別情報(ID)や度数データ、変更された新たな度数データ等が前記管理コンピュータに出力されるようになっている。
【0100】
前記カード挿入口314に挿入されるプリペイドカードには、個々のプリペイドカードを識別可能な識別情報(ID)が付与、記録されているとともに、前記管理コンピュータにおいてこれらプリペイドカードのIDと、該当するプリペイドカードが該当する度数とが対応付けて登録されており、前記プリペイドカードに記録された識別情報(ID)に基づいて、該プリペイドカードにより使用可能な度数が、前記管理コンピュータにて特定され、該カードユニット3に通知されて記憶部に記憶されることで、該記憶された度数に基づき前記パチンコ機2の遊技に使用されるパチンコ球の貸出を行う貸出処理が実施可能とされている。
【0101】
このようにカードユニット3のMPUからBRQが出力される回数に基づき、前記賞球基板237は1度分に該当する数量(25球)のパチンコ球の貸出を実施するようになっており、このようにして貸出されたパチンコ球を使用して遊技者はパチンコ機2における遊技を実施できるようになっている。
【0102】
また、基本回路253には、揚送装置400並びに発射装置500が連動して動作するように動作制御を行う発射揚送制御基板291が接続されており、前記球切れスイッチ233による球切れの検知や満タンスイッチ213による満タン検出が無い場合に発射許諾信号が出力されることで、発射並びに揚送が許諾されるようになっている。
【0103】
この発射揚送制御基板291には、操作ノブ205の操作に基づいて出力される発射指示信号の検出を行う発射指示信号検出部292aと、この操作ノブ205の操作量に従って、出力される発射強度指示信号の検出を行う発射強度信号検出部292bが設けられている。
【0104】
また、発射揚送制御基板291には、発射指示信号検出部292aの発射指示信号の検出に基づいて、揚送モータ410と発射モータ511の駆動/非駆動の制御、並びに発射強度信号検出部292bの発射強度信号の検出に基づいて、発射強度調整モータ512に回動位置の制御により発射装置500から発射されるパチンコ球の発射強度の制御を行う揚送制御手段(図示略)が設けられている。
【0105】
具体的には、操作ノブ205の操作が行われると、発射指示信号検出部292aが発射指示信号の検出を行い、該検出に基づいて前記揚送制御手段が発射モータ511と揚送モータ410の駆動/非駆動(停止)の制御を行うことにより、該発射装置500に打球を供給する揚送ユニット400が前記打球発射装置500における1つのパチンコ球の発射とともに1つのパチンコ球を間歇的に揚送するように制御される。
【0106】
この際、前記操作ノブ205により連続した発射操作が為されている場合には、前記揚送ユニット400の揚送モータ410は、連続するパチンコ球の揚送において、回転速度を変化させることなく、ほぼ同一の回転速度にて、球供給スプロケット413から、発射装置500における1個のパチンコ球の発射毎に間歇的に供給されるパチンコ球を揚送するようになっており、このようにすることは、連続するパチンコ球の揚送において、揚送モータ410の回転速度を変化させて発射装置500へのパチンコ球の供給同期を計る場合に比較して、加減速に伴う揚送モータ410の損耗を低減できるとともに、揚送球が球通路部404内にて踊ることによる不都合や該揚送球が踊ることによる騒音の発生を解消できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、回転速度を変化させて打球発射装置500への供給同期を計るようにしても良い。
【0107】
そして、発射装置500による発射球の発射勢いは、前記操作ノブ205の操作量に基づいて出力される発射強度信号を発射強度信号検出部292bが検出し、前記発射強度制御手段294が発射装置500内部に設けられている発射強度調整モータ512の動作(回転数)を前記操作ノブ205の操作量に応じて制御を行うことで、前記発射用スプリング504の付勢力が調節される。すなわち、発射強度制御手段294によって、操作ノブ205の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0108】
次に、以上説明したように構成されたパチンコ機2において、揚送ユニット400にパチンコ球を1個ずつ移送する球供給装置としての球供給スプロケット413の具体的な作用を図7に基づいて説明する。
【0109】
まず、打球供給皿203から誘導傾斜樋283、クランク流路416、連結流路415からなる揚送球誘導通路を流下してきたパチンコ球は、図7(a)に示されるように、連結流路415における下流側端部、すなわち、規制位置Kにて球供給スプロケット413の外周面413aに当接されて、移送通路602への流下が規制されるようになっている。
【0110】
この状態から、例えば遊技者により打球操作部205が操作されて、発射装置500によるパチンコ球の発射動作に連動して揚送モータ410が駆動され、揚送スクリュー403が時計回りに、また、球供給スプロケット413が反時計方向にそれぞれ回転すると、球収容部414が前記規制位置Kに向けて回転するに従い、それまで外周面413aに当接していたパチンコ球T1は曲面状部600の曲面600aに当接されることになる。
【0111】
このように曲面600aに当接されてから、球供給スプロケット413がさらに回転を続けるに従い、規制位置Kに位置するパチンコ球T1は、図7(a)における外周面413aとの当接位置Pから自然流下により回転軸601側に向けて徐々に移動することになる。なお、図7(b)においては、当接位置Pから距離L1分回転軸601側に移動した状態が示されており、このL1分の移動では移送通路602へ流下することがない。
【0112】
さらに、球収容部414が規制位置Kに位置するパチンコ球T1との対向位置まで回転する間、パチンコ球T1は若干回転軸602側へ移動されることになる。このようにパチンコ球T1は、曲面600aに当接した状態で球供給スプロケット413が回転することで、外周面413aとの当接位置が回転軸602寄りに向けて徐々に移動されるとともに、この移動により規制位置Kから徐々に移送通路602側に向けて移動されることになるため、図7(b)に示されるように、パチンコ球T1の中心位置が、後続球T2の中心と回転軸602とを結ぶ直線からずれていくことになる。
【0113】
そして、図7(c)に示されるように、球収容部414がパチンコ球T1との対向位置まで回転した時点で、該球収容部414にパチンコ球T1が自然流下作用及び後続球T2、T3…等の球圧作用により係合され、パチンコ球T1は球収容部414の係合作用により移送通路602内に移送される。
【0114】
次いで、図7(d)に示すように、球収容部414内部に係合された1個のパチンコ球T1が揚送位置Yまで移送された時点で、同期回転する揚送スクリュー403の下端部により掬い上げられて揚送されることになる。
【0115】
この球供給スプロケット413によるパチンコ球の揚送スクリュー403への供給に際して、パチンコ球と揚送スクリュー403の螺旋状凸部403aとが衝突しないように、受動ギア412と駆動ギア411とにより、球供給スプロケット413と揚送スクリュー403とが同期されているとともに、パチンコ球が球通路部404内に供給されるとほぼ同時に、揚送スクリュー403の螺旋状凸部403aの下端部と供給されたパチンコ球とが摺接するように同期されることで、前記球収容部414内からパチンコ球T1が上方へ、後続のパチンコ球T2と当接することなく互いに分離された状態で揚送されるようになっていて、供給された球を迅速に揚送へ移行できるようになっている。
【0116】
また、本実施例においては、揚送スクリュー403と球供給スプロケット413とがそれぞれ異なる方向に回転するようになっているため、揚送スクリュー403の螺旋状凸部403aの下端によりパチンコ球を掬い出す方向と球供給スプロケット413によるパチンコ球の移送方向とが同一になり、螺旋状凸部403aによりパチンコ球を掬い上げるときにおける衝撃が緩和されるため、球噛みの発生率を効果的に低下させることが出来る。
【0117】
以上説明してきたように、本発明のパチンコ機2にあっては、揚送球供給装置としての球供給スプロケット413により揚送ユニット400にパチンコ球を1個ずつ移送するように構成されていることで、揚送ユニット400に後続球の球圧が直接加わることがなくなるため、揚送に悪影響が及ぶことを回避出来る。
【0118】
また、球供給スプロケット413の外周面413aには、規制位置Kに位置するパチンコ球T1を、球供給スプロケット413が回転するに従い、外周面413aとの当接位置Pよりも回転軸601寄りに位置させた状態で球収容部413に係合させるように案内する係合案内部としての曲面状部600(曲面600a)が形成されていることで、球収容部414がパチンコ球T1との対向位置まで回転して係合する際に、パチンコ球が移動する距離が短くなる、すなわち、外周面413aに当接している状態から球収容部414に係合されるまでに移動する距離よりも、曲面600aと当接している状態から球収容部414に係合されるまでに移動する距離の方が短くなるため、球収容部414に完全に係合されていない状態で球収容部414が回転してしまってパチンコ球T1を移送出来なかったり、あるいはパチンコ球T1が球収容部414に完全に係合されていない状態で移送通路602方向に移送されて角部440aとの間で球噛みを発生させることなく、パチンコ球を確実に移送することが出来る。
【0119】
また、パチンコ球T1が曲面600aに当接されている状態において球供給スプロケット413の回転が続くと、パチンコ球T1は移送通路602側に向けて徐々に移動されることになるため、後続球T2、T3…等の球圧が加わりにくくなるため、係合時における球噛みの発生が効果的に防止される。
【0120】
また、曲面600aは外周面413aに連続して形成されていることで、球供給スプロケット413の回転によりパチンコ球が回転軸601寄りにスムーズに案内されるため、パチンコ球を球収容部414に確実に係合させることが出来る。
【0121】
また、球供給スプロケット413の配置位置上流側の連結流路415には、後続球による球圧を緩和するための球圧緩和部である屈曲部415aが形成されているため、パチンコ球が屈曲部415aを通過する際に屈曲部415aの側壁にパチンコ球が当接することにより後続球の球圧が分散され、球供給スプロケット413に直接加わることがないため、球供給スプロケット413の回転に悪影響が及ぶことがないばかりか、係合時における球噛みの発生率を低下させることが出来る。さらに、このように揚送球誘導通路(連結流路415やクランク流路416)の一部を屈曲させることで球圧を分散させることで、遊技球の流下に影響を与えることなく後続球の球圧を緩和することが出来る。
【0122】
また、本実施例における球圧緩和部としての屈曲部415aは、パチンコ球の流下方向に対して左右方向に屈曲する屈曲部であったが、例えばパチンコ球の流下方向に対して上下方向に屈曲するように構成した屈曲部でも、屈曲部415aと同様の作用・効果を得ることが出来る。
【0123】
次に、図10及び図11には、前記球供給スプロケット413の球収容部414にパチンコ球を確実に係合させるための係合案内部の変形例が示されており、以下、これら変形例の詳細を説明する。なお、以下の変形例において前記実施例と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することとする。
【0124】
ここで、図10に基づいて係合案内部の変形例1を説明すると、前記実施例における係合案内部としての曲線状部600は、外周面413から連続して形成されるとともに、球収容部414に向かうに従い外面が回転軸に近づくように凹設された曲面600aにて形成されていたが、本変形例における係合案内部620は、外周面413aにおける回転軸601を挟んで球収容部414に対向する位置から球収容部414まで凹設され、外周面413aよりも回転軸601からの距離、すなわち、外周面413aよりも半径が小径の円弧からなる案内面620aにて構成されている。
【0125】
このような係合案内部620が凹設された球供給スプロケット413においては、外周面413aと案内面620aとの間に段部が形成されるため、球供給スプロケット413が回転することにより前記段部が規制位置Kのパチンコ球と対向する位置を通過した時点で、規制位置Kに規制されているパチンコ球が当接位置Pから距離L1分回転軸601側に移動され、この位置から球収容部414に係合されるように案内されることになる。
【0126】
次いで、図11に示される変形例2の係合案内部630は、外周面413aにおける回転軸601を挟んで球収容部414に対向する位置から球収容部414まで凹設されるとともに、回転軸601を中心として半径がそれぞれ異なる3つの連続する円弧からなる案内面630a、630b、630cにて構成されている。詳しくは、球収容部414に向かうに従い案内面の半径が小径となるように構成されており、すなわち、球収容部414に向かうに従い段階的に回転軸601に近くなる3つの案内面630a、630b、630cが、段部を介して連続して形成されている。
【0127】
このような係合案内部630が凹設された球供給スプロケット413においては、球供給スプロケット413が回転することにより、規制位置Kに規制されているパチンコ球が当接する案内面が案内面630a、630b、630cに移行するに従い、当接位置Pからの距離が段階的に広がって回転軸601側に近づくように移動され、最終的に案内面630cにて当接される位置から球収容部414に係合されるように案内されることになる。
【0128】
このようにこれら変形例1、2における係合案内部620、630にあっても、前記実施例における曲線状部600が形成された球供給スプロケット413と同様の作用、効果が得られることになる。
【0129】
すなわち、本発明におけるパチンコ機2にあっては、球供給スプロケット413の外周面413aに凹設される係合案内部は、パチンコ球が外周面413aよりも回転軸601寄りに位置した状態で球収容部414に係合されるように案内するように球収容部414に連設されていれば、その形状は上記実施例のような曲面600aに限定されるものではなく、変形例1、2にて示された係合案内部620、630等も本発明に含まれるとともに、その形状等は種々に変形可能である。
【0130】
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
【0131】
本発明の請求項1は、弾球遊技機(パチンコ機2)の前面側における遊技領域(207)の下方に設けられ、遊技に使用するための遊技球(パチンコ球)を貯留するための打球貯留部(打球供給皿203)と、弾球遊技機の上部側方位置に設けられ、遊技球を遊技領域(207)内に打ち出すための発射装置(500)と、前記打球貯留部に貯留されている遊技球を揚送部材(揚送スクリュー403)の駆動により揚送して前記発射装置に供給する揚送装置(揚送ユニット400)と、を備える弾球遊技機において、
前記打球貯留部に貯留されている遊技球を前記揚送装置まで導く揚送球誘導通路(誘導傾斜樋283、クランク流路416、連結流路415、移送通路602)と、
該揚送球誘導通路内を流下する遊技球を前記揚送装置に1個ずつ供給するための揚送球供給装置(下部ユニット401)と、を備え、
前記揚送球供給装置は、
前記揚送球誘導通路の遊技球に外周面(413a)を当接させて流下を規制するように配置され、回転軸(601)を中心に回転自在に設けられる回転体(球供給スプロケット413)を有し、前記回転体の回転により前記回転体の外周面に凹設された係合凹部(球収容部414)に遊技球が係合され、前記揚送装置側に向けて遊技球が1個ずつ移送されるように構成されており、
前記回転体の外周面には、遊技球を前記外周面よりも前記回転軸寄りで前記係合凹部に係合させるように案内する係合案内部(曲面状部600、係合案内部620、630)が前記係合凹部に連設されている。
【0132】
本発明の請求項2は、前記係合案内部は、前記回転体(球供給スプロケット413)の外周面(413a)に連続するとともに、前記係合凹部(球収容部414)に向かうに従い前記回転軸に近づくように形成される曲面状部(600、曲面600a)にて構成されている。
【0133】
本発明の請求項3は、前記揚送装置(揚送ユニット400)は、軸心周りに回転自在に設けられるとともに、遊技球(パチンコ球)に当接して揚送する螺旋状部(螺旋状凸部403a)を有するスクリュー部材(揚送スクリュー403)を備え、
前記回転体(球供給スプロケット413)と前記スクリュー部材との回転方向を異ならせた。
【0134】
本発明の請求項4は、前記揚送球誘導通路(誘導傾斜樋283、クランク流路416、連結流路415)における前記揚送球供給装置(下部ユニット401)の配置位置上流側の一部を屈曲形成することにより、後続球による球圧を緩和するための緩和部(連結流路415の屈曲部415a、クランク流路416)を構成した。
【0135】
以上、本発明の実施形態を図面により前記実施例にて説明してきたが、本発明はこれら各実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0136】
例えば、パチンコ球を発射装置500に揚送する揚送ユニット400においては、揚送部材として揚送スクリュー403が適用されていたが、本発明においては、例えば複数のローラに回動自在に巻回されるベルト部材や、特許文献1に記載されたようなスプロケット等を揚送部材として適用することも可能である。なお、ベルト部材を適用する場合は、揚送路ケース内における上下方向に設けたベルト部材により揚送路ケース内のパチンコ球を揚送路ケース内面に押圧し、適宜駆動手段によりローラを駆動してベルト部材を回動させることでパチンコ球を揚送させることが出来る。
【0137】
また、上記実施例においては、発射装置500及び揚送ユニット400は、パチンコ機2を正面から見て左側側方に配置されていたが、それぞれを正面から見て右側側方に配置し、遊技領域206の上部右側側方位置からパチンコ球が発射されるように構成してもよい。
【0138】
【発明の効果】
本発明は次の効果を奏する。
【0139】
(a)請求項1の発明によれば、揚送球供給装置により揚送装置に遊技球を1個ずつ移送することで、揚送装置に後続球の球圧が直接加わることがなくなるため、揚送に悪影響が及ぶことを回避出来るばかりか、回転体の周面に当接して流下が規制されている遊技球は、係合案内部により回転体の外周面よりも回転軸寄りに案内された位置で係合凹部に係合されることで、係合凹部に係合する際における遊技球の移動距離が短くなり、係合凹部に確実に係合して揚送装置に移送されることになるため、係合凹部への係合時における球噛み等の発生率を効果的に低下させることが出来る。
【0140】
(b)請求項2の発明によれば、外周面に連続して形成される曲面状部にて係合案内部が構成されていることで、回転体の回転により遊技球が回転軸寄りにスムーズに案内されるため、遊技球を係合凹部に確実に係合させることが出来る。
【0141】
(c)請求項3の発明によれば、スクリュー部材の回転方向と回転体による遊技球の移送方向とが同一になり、螺旋状部により遊技球を掬い上げるときにおける衝撃が緩和されるため、球噛みの発生率を効果的に低下させることが出来る。
【0142】
(d)請求項4の発明によれば、回転体に加わる揚送球誘導通路内の後続球の球圧が分散されて緩和されるため、回転体の回転に悪影響が及ぶことがないとともに、係合時における球噛みの発生率を低下させることが出来るばかりか、揚送球誘導通路内の遊技球の流下に影響を与えることなく、後続球の球圧を緩和することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての弾球遊技機並びにカードユニットを示す正面図である。
【図2】図1の弾球遊技機におけるガラス扉枠の開放状態を示す図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】揚送装置及び発射装置を示す縦断面図である。
【図6】揚送装置の下部構造を示す透視斜視図である。
【図7】(a)、(b)、(c)、(d)は揚送装置へのパチンコ球の供給状況の説明図である。
【図8】(a)は操作ボタン296の操作時における揚送球返却部及び待機球返却部の遊技球の流れを示す図であり、(b)は通常時における揚送球返却部及び待機球返却部の遊技球の流れを示す図である。
【図9】本発明の実施例における弾球遊技機の構成を示すブロック図である。
【図10】(a)、(b)、(c)、(d)は、変形例1としての係合案内部が形成された球供給スプロケットによる揚送装置へのパチンコ球の供給状況の説明図である。
【図11】(a)、(b)、(c)、(d)は、変形例2としての係合案内部が形成された球供給スプロケットによる揚送装置へのパチンコ球の供給状況の説明図である。
【符号の説明】
2 パチンコ機(弾球遊技機)
203 打球供給皿(上皿)
207 遊技領域
400 揚送ユニット
403 揚送スクリュー
413 球供給スプロケット
414 球収容部
415 連結流路
416 クランク流路
600 曲面状部
600a 曲面
500 発射装置
Claims (4)
- 弾球遊技機の前面側における遊技領域の下方に設けられ、遊技に使用するための遊技球を貯留するための打球貯留部と、弾球遊技機の上部側方位置に設けられ、遊技球を遊技領域内に打ち出すための発射装置と、前記打球貯留部に貯留されている遊技球を揚送部材の駆動により揚送して前記発射装置に供給する揚送装置と、を備える弾球遊技機において、
前記打球貯留部に貯留されている遊技球を前記揚送装置まで導く揚送球誘導通路と、
該揚送球誘導通路内を流下する遊技球を前記揚送装置に1個ずつ供給するための揚送球供給装置と、を備え、
前記揚送球供給装置は、
前記揚送球誘導通路の遊技球に外周面を当接させて流下を規制するように配置され、回転軸を中心に回転自在に設けられる回転体を有し、前記回転体の回転により前記回転体の外周面に凹設された係合凹部に遊技球が係合され、前記揚送装置側に向けて遊技球が1個ずつ移送されるように構成されており、
前記回転体の外周面には、遊技球を前記外周面よりも前記回転軸寄りで前記係合凹部に係合させるように案内する係合案内部が前記係合凹部に連設されていることを特徴とする弾球遊技機。 - 前記係合案内部は、前記回転体の外周面に連続するとともに、前記係合凹部に向かうに従い前記回転軸に近づくように形成される曲面状部にて構成されている請求項1に記載の弾球遊技機。
- 前記揚送装置は、軸心周りに回転自在に設けられるとともに、遊技球に当接して揚送する螺旋状部を有するスクリュー部材を備え、
前記回転体と前記スクリュー部材との回転方向を異ならせた請求項1または2に記載の弾球遊技機。 - 前記揚送球誘導通路における前記揚送球供給装置の配置位置上流側の一部を屈曲形成することにより、後続球による球圧を緩和するための緩和部を構成した請求項1〜3のいずれかに記載の弾球遊技機。
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