JP2004121489A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】現状の遊技機枠の大きさを変更することなく遊技領域を効率的にバランスよく拡大し、役物の配置等の盤面構成の自由度を向上させるとともに、遊技機裏面側の基板等のレイアウトに制約を受け難い遊技機を提供することである。
【解決手段】遊技領域の最大横幅HLとかかる最大横幅HLから下方に亘って最大横幅HLを保つ区間H3との関係がHL/2<H3となるように遊技領域を遊技盤の前面に形成した。
【選択図】 図2
【解決手段】遊技領域の最大横幅HLとかかる最大横幅HLから下方に亘って最大横幅HLを保つ区間H3との関係がHL/2<H3となるように遊技領域を遊技盤の前面に形成した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機などで代表される遊技機に関する。詳しくは、遊技盤の前面に形成され、かつ入賞領域を有する遊技領域に遊技球を打込んで遊技が行なわれる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、パチンコ遊技機のような、遊技盤の前面に形成され、かつ入賞領域を有する遊技領域に遊技球を打込んで遊技が行なわれるものがある。
【0003】
このような遊技機において、遊技球を遊技領域に打込むための発射装置として垂直打上げ式の発射装置を採用し遊技盤の下方に発射レールを横切らせる必要をなくすことにより、遊技領域を拡大しようとしたもの(たとえば、特許文献1参照)や、発射装置を遊技領域の下方左側に配置させることにより、縦長な遊技領域を有するもの(たとえば、特許文献2参照)があった。
【0004】
また、遊技領域を拡大させようとしたものではないが、遊技における可変表示演出を盛り上げるために、1つのCPUを搭載した表示制御回路(演出制御基板)によって、可変表示演出と遊技音演出とを制御させようとするもの(たとえば、特許文献3参照)があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−24134号公報(第4頁)
【0006】
【特許文献2】
特公昭58−16910号公報(第2頁)
【0007】
【特許文献3】
特開平07−185084号公報(第5頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような遊技機のうち、遊技領域を拡大しようとしたものや縦長な遊技領域を有するものにおいては、遊技領域の上下高さと横幅との比率が考慮されておらず、さらに遊技領域のバランスを大きく左右する最大横幅を上下高さのどのレベルに置くかといったポイント部分に関してもなんら考慮されていなかったため、遊技領域を効率的にバランスよく拡大させることができなかった。
【0009】
また、遊技領域の拡大にともない大型の役物や入賞口や装飾ランプ等の数を増加させる場合には、遊技盤裏側に設置される基板等の数も増加することとなるため、かかる遊技盤裏側のレイアウトに制約が生じることとなる。このときに、上記したような1つのCPUを搭載した演出制御基板により遊技演出の制御を行なうようにし、基板スペースを最小限に抑えることが考えられる。しかし、このような基板を用いたときには、遊技機を入れ替えるときに遊技盤に設置されているドライバ回路を含む演出制御基板を交換する必要があり、極めて非効率的かつ非経済的となってしまう不都合が生じていた。なお、かかる不都合は、より最新の遊技台による遊技を遊技者に提供しようとする傾向にある近年の遊技場経営に及ぼす影響は大きく、なんらかの解決策が望まれるところであった。
【0010】
この発明は上述の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、現状の遊技機枠の大きさを変更することなく遊技領域を効率的にバランスよく拡大し、役物の配置等の盤面構成の自由度を向上させるとともに、遊技機裏面側の基板等のレイアウトに制約を受け難い遊技機を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 遊技盤(遊技盤206)の前面に形成され、かつ入賞領域(始動入賞口214等)を有する遊技領域(遊技領域207)に遊技球(たとえば、パチンコ球)を打込んで遊技が行なわれる遊技機(たとえば、パチンコ遊技機2)であって、
前記遊技領域内の下方(たとえば、遊技領域内の最下方位置)に設けられており、前記遊技領域内に打込まれた遊技球のうち前記入賞領域に入賞しなかった遊技球を遊技領域外に排出するためのアウト口(たとえば、アウト口226)を備えており、
前記遊技領域は、該遊技領域の上方から下方に向けて遊技領域の横幅が最大となる箇所の最大横幅HL(最大横幅HL)と該最大横幅HLが下方向に亘って保たれた区間H3(区間H3)との関係がHL/2<H3となるように前記遊技盤の前面に形成されている(図2の遊技領域207を参照)。
【0012】
上述の構成によれば、従来の遊技機のサイズを維持した場合に、遊技領域がHL/2<H3の関係となるように縦横を効率的にバランスよく下方向に最大横幅を保ったまま拡大することができる。これにより、遊技盤前面のレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0013】
(2) 前記遊技領域は、前記区間H3の上端部(上方端部)における左端(左端20)と右端(右端21)とを結ぶ仮想直線(直線22)上から前記遊技領域内の上端(上端23)までの最短距離H4(最短距離H4)と前記アウト口端までの最短距離H2(最短距離H2)との関係がH4<H2となるように前記遊技盤の前面に形成されている(図2の遊技領域207を参照)。
【0014】
上述の構成によれば、遊技領域がH4<H2の関係となるように下方向に拡大することができる。これにより、仮想直線より上方に位置する遊技領域と、下方に位置する遊技領域とのバランスを一定範囲に保ちつつ、遊技領域を拡大することができる。
【0015】
(3) 遊技球を前記遊技領域内に打ち込むための発射装置(たとえば、発射装置500)と、
前記発射装置により発射された球を遊技領域へ導く発射球通路(たとえば、発射レール508)と、
前記発射装置により発射されたが前記遊技領域に到達しなかったファール球を受入れるファール球受入口(たとえば、ファール球受入口295a、295a’等参照)とがさらに備えられており、
前記発射装置と前記発射球通路は、前記最大横幅HLの左端(左端20)と右端(右端21)とを結ぶ仮想直線(直線22)より上方で、かつ遊技領域外に設けられており(図2参照)、
前記ファール球受入口は、前記発射球通路に設けられている(図12、図17参照)。
【0016】
上述の構成によれば、発射装置と発射球通路を仮想直線より上方で遊技領域外に設けているため、発射装置と通路との位置関係を考慮しなくてすみ、従来の遊技機のサイズを維持したまま、遊技領域がHL/2<H3の関係となるように下方向に拡大することができる。また、ファール球受入口が発射球通路に設けられているため、発射不具合によるファール球の損失も防止することができる。
【0017】
(4) 遊技の進行を制御する遊技制御手段(たとえば、遊技制御基板231)と、
前記遊技制御手段からのコマンド(たとえば、制御コマンド等)にしたがって複数種類の演出用電気部品(たとえば、可変表示装置208,遊技効果LED228a,スピーカ227等)を駆動制御する演出駆動制御手段とを備え、
前記演出駆動制御手段は、
前記複数種類の演出用電気部品の制御を行なう演出制御用セントラルプロセッシングユニット(たとえば、CPU)を搭載した1つの演出制御基板(図18の演出制御基板780等参照)と、
前記複数種類の演出用電気部品の駆動を行なう駆動回路(たとえば、増幅用トランジスタ等)を搭載したドライバ基板(図18の表示駆動基板280’,ランプ駆動基板235’,音声駆動基板270’等参照)とを含む。
【0018】
上述の構成によれば、演出制御基板が1つの演出制御用セントラルプロセッシングユニットを搭載した基板から構成されている。これにより、遊技領域の拡大にともない大型の役物や入賞口等の数が増加したときにおいても、遊技機裏側の配置に余裕が生まれ、基板レイアウトの自由度を向上させることができる。また、1つの演出制御用セントラルプロセッシングユニットを搭載した演出制御基板により演出用電気部品の制御が行なわれるため、演出用電気部品による演出内容を統合化させることができる。さらに、遊技機を入れ替えるときには、遊技盤に設置されている演出制御基板のみを交換すればよく、ドライバ基板を交換する必要がないため、効率的かつ経済的に遊技場経営を行なうことができる。
【0019】
(5) 遊技の進行を制御する遊技制御手段(たとえば、遊技制御基板231)と、
前記遊技制御手段からのコマンド(たとえば、制御コマンド等)にしたがって複数種類の演出用電気部品(たとえば、可変表示装置208,遊技効果LED228a,スピーカ227等)を駆動制御する演出駆動制御手段とを備え、
前記演出駆動制御手段は、
前記複数種類の演出用電気部品の制御を行なう演出制御用セントラルプロセッシングユニット(たとえば、CPU)をそれぞれ搭載した複数の演出制御基板(図3の表示制御基板280,ランプ制御基板270,音声制御基板235等参照)と、
前記複数種類の演出用電気部品の駆動を行なう駆動回路(たとえば、増幅用トランジスタ等)を搭載したドライバ基板(図3の表示駆動基板280’,ランプ駆動基板235’,音声駆動基板270’等参照)とを含む。
【0020】
上述の構成によれば、演出駆動制御手段が演出制御基板とドライバ基板を含むような構成になっている。これにより、遊技領域の拡大にともない大型の役物や入賞口等の数が増加したときにおいても、複数の演出制御基板を遊技盤の裏側に配置し、ドライバ基板を別に配置させることができるため、遊技機裏側の配置に余裕が生まれ、基板レイアウトの自由度を向上させることができる。また、遊技機を入れ替えるときには、遊技盤に設置されている演出制御基板のみを交換すればたり、ドライバ基板を交換する必要がないため、効率的かつ経済的に遊技場経営を行なうことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、遊技盤の前面に形成され、かつ入賞領域を有する遊技領域に遊技球を打込んで遊技が行なわれる遊技機であれば他の遊技機においても適用することが可能である。
【0022】
第1実施形態
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機2およびこれに対応して設置されたカードユニット3の正面図である。本実施形態の遊技機であるパチンコ遊技機2は、該パチンコ遊技機2の側部位置に1対1にて配置される遊技用装置であるカードユニット3とともに、図示しない遊技島の前後面に複数並設されて使用される。
【0023】
これらパチンコ遊技機2並びにカードユニット3が並設される遊技島の内部には、前記各パチンコ遊技機2にパチンコ玉を供給する供給樋や、前記各パチンコ遊技機2にて使用され、排出されたパチンコ玉を集めて前記供給樋に揚送する揚送装置等(図2等を用いて後述)が設けられているとともに、高さ方向の中央付近には前記各カードユニット3より排出された紙幣を所定方向島端に設けられた回収ボックス(図示省略)に搬送可能な紙幣搬送路(図示省略)や、同様に前記各カードユニット3より排出された硬貨及びプリペイドカードを前記所定方向島端の回収ボックスに混合搬送可能な混合搬送路(図示省略)が設けられている。
【0024】
本実施形態における遊技機であるパチンコ遊技機2を図にもとづいて説明すると、該パチンコ遊技機2は、図1に示すように、額縁状に形成されたガラス扉枠202を有し、該ガラス扉枠202の下部前面には、貸し出された球並びに払い出された賞球を貯留するための打球供給皿203(図7を用いて後述)がある。打球供給皿203の上面所定箇所には操作部14が設けられているとともに、打球供給皿203の下部には、打球供給皿203から溢れた賞球を貯留する余剰玉受皿204と打球を発射する打球操作ハンドル(以下、操作ノブという)205とが設けられている。また、本実施形態における打球供給皿203の左側面所定箇所には後述する待機球返却樋242にパチンコ球を流入させ余剰玉受皿204にパチンコ球を変換させるための操作ボタン296が設けられている。さらに、前記ガラス扉枠202の右側下部には、ガラス扉枠202を開放操作するためのシリンダ錠241が設けられている。なお、ガラス扉枠202の後方には、遊技盤206が着脱可能に取付けられている。また、かかる遊技盤206の前面には識別情報等を可変表示可能な可変表示装置208や打込まれた打玉を排出するためのアウト口226等が配置されている遊技領域207が設けられている。これについては、図2を用いて後述する。
【0025】
さらに、遊技領域207の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ227が設けられているとともに、遊技領域207の外周には、遊技効果LED228aおよび遊技効果ランプ228b、228cが設けられている。そして、本実施形態では、一方のスピーカ227の近傍に、賞球払出時に点灯する賞球ランプ251が設けられ、他方のスピーカ227の近傍に、補給玉が切れたときに点灯する玉切れランプ252が設けられている。
【0026】
さらに、図1には、パチンコ遊技機2に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることにより玉貸を可能にするカードユニット3も示されている。カードユニット3には、カード利用可表示ランプ301が設けられており、カードユニット3が使用可能な状態にある旨が、このカード利用可表示ランプ301の点灯または点滅により遊技者に知らされる。このカードユニット3は、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1の間に挿入された状態で設置されており、左右どちらの遊技機に接続されているかが連結台方向表示器303により表示される。
【0027】
遊技者がカード残高の記録されたプリペイドカードをカード挿入口315に挿入すると、そのプリペイドカードに記録されているカード残高が読取られる。次に、遊技者が所定の貸玉操作を行なうことにより、予め入力設定されている貸出単位額分の残高が減額されるとともに、その貸出単位額分の打玉がパチンコ遊技機2の打球供給皿203に貸出される。
【0028】
カードユニット3には端数表示スイッチ302が設けられている。この端数表示スイッチ302を押圧操作することにより、たとえばカード残高やエラーが発生した場合のエラーコードなどの情報がパチンコ遊技機2に設けられた情報表示器(図示省略)に表示される。図中306はカードユニット錠であり、このカードユニット錠306に所定のキーを挿入して解錠操作することにより、カードユニット3の前面側を開成できるように構成されている。
【0029】
図2は、パチンコ遊技機におけるガラス扉枠の開放状態を説明するための図である。
【0030】
前記ガラス扉枠202の内方には、図2に示すように、遊技盤206が着脱可能に取付けられているとともに、該遊技盤206の向かって左側方上部位置には、該遊技盤206に向けてパチンコ球を発射するための発射装置500と、前記打球供給皿203に貯留されているパチンコ球を該発射装置500に揚送するための揚送ユニット400とを収容する遊技盤収容枠601が設けられており、前記打球供給皿203に貯留されているパチンコ球は、前記打球供給皿203の下方位置に揚送ユニット400の下端位置に向けて傾斜するように設けられた誘導傾斜樋283に、誘導傾斜樋流入口230(図7等参照)から流入し、該誘導傾斜樋283を流下して揚送ユニット400の下端位置に設けられている下部ユニット401に供給され、該揚送ユニット400にて発射装置500に揚送、供給されて前記遊技盤206の前面に形成された遊技領域207に打ち出される(図14等参照)。
【0031】
また、前記揚送ユニット400を構成する揚送路402の側方位置には、前記発射装置500にて打ち出されたが、発射勢いが弱いために前記遊技領域207に到達しなかったファール球を流下させるためのファール球流路295と、かかるファール球をファール球流路295に導くためのファール球受入口295aが設けられており、該ファール球流路295の下端部には、前記ガラス扉枠202の開放時に前記打球供給皿203への貸出球或いは賞球の流入口となる上皿連通口274から落下するパチンコ球を受け入れるための箱状のボックス樋289が設けられていて、上皿連通口274から落下し該ボックス樋289に流入したパチンコ球は、該ボックス樋289の下方集約部に後述する余剰球通路271に繋がる連通口298を通じて余剰球通路271に流入して余剰玉受皿204に返却されるようになっている(図15等参照)。なお、本実施形態においては、ファール球流路295は上皿連通口274の左側側方部に繋がっており、ファール球流路295から流下してきたファール球は上皿連通口274を介し、打球供給皿203へ流入するか、または、上皿連通口274から落下したときにはボックス樋289を介し、余剰玉受皿204に返却される例について説明するが、これに限らず、ファール球流路295をボックス樋289に繋ぎ、ファール球を直接余剰玉受皿204に返却されるようにしてもよく、さらには、上皿連通口274やボックス樋289を介さず直接余剰玉受皿204や打球供給皿203に返却するような構造にしてもよい。また、ファール球流路295は上皿連通口274またはボックス樋289のいずれの部分に繋げるように構成してもよく、本実施形態においては、後述するようにファール球流路295が左端20を鉛直下向きに延ばしてできる線よりも左側の領域に設けられ前述した上皿連通口274とアウト口226との間を避けるように設けていればよい。
【0032】
また、揚送ユニット400を構成する揚送路402内にパチンコ球を供給する揚送球供給手段となる下部ユニット401の直近位置となる前記誘導傾斜樋283の終端部位置には、該誘導傾斜樋283並びに前記打球供給皿203に存在するパチンコ球(待機球)を、前記余剰玉受皿204に流下させるための待機球返却部420が設けられており、図8等に示すように、該待機球返却部420に対応する位置となる打球供給皿203の下方左部位置に設けられた返却操作ボタン296を操作することで、パチンコ球(待機球)を返却させることができる。
【0033】
次いで、前記遊技盤206の前面に形成された遊技領域207について説明すると、本実施形態における遊技領域207は、遊技領域の最大横幅HLとかかる最大横幅HLが上下方向に亘って保たれた区間H3との関係が、HL/2<H3の関係となるように形成されている。また、前述した発射装置500、揚送路402、ファール球流路295とかかる遊技領域207との位置関係は、発射装置500を遊技盤206の向かって左側の最大横幅HLを形成する直線22より上方に配置し、揚送路402とファール球流路295を前述した左端20を鉛直下向きに延ばしてできる線よりも左側の領域に設け、前述した上皿連通口274とアウト口226との間を避けるように設けている。これにより、従来のパチンコ遊技機には必要不可欠であった発射装置により発射された打玉を遊技領域まで誘導するための発射レールや前述したファール球流路等を遊技領域の下方を通過させる必要がなくなり、たとえば、本実施形態における遊技領域207に、従来の遊技機の遊技領域の大半をそれだけで占めてしまうような大型の役物を配置させることを可能とするとともに、遊技領域207の形状を吊鐘形状となる見た目にもインパクトのある斬新でより迫力ある遊技演出を遊技者に提供することができる。なお、揚送路402とファール球流路295は、左端20を上端とする鉛直方向への直線24と、右端21を上端とする鉛直方向への直線25とで挟まれた領域を避けた遊技盤206の前面側に設けられてあればよい。
【0034】
さらに、本実施形態における遊技領域207においては、前述した直線22上から遊技領域207内の上端23までの最短距離をH4と、前述したアウト口226の上端までの最短距離H2との関係が、H4<H2の関係となるように構成されている。これにより、遊技領域207の最大横幅HLをなす最上部の直線22より上方に位置する遊技領域と、下方に位置する遊技領域とのバランスを一定に保ちつつ、遊技領域207をバランスよく拡大することができる。
【0035】
この遊技領域207の中央上部付近には、図2に示すように、「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報を可変表示するための可変表示部209と、「普通図柄」と呼ばれる個別図柄(本実施形態では「○」と「×」)が、交互点灯される表示器210とを含む可変表示装置208が設けられている。尚、本実施形態においては、可変表示部209はLCD表示器(液晶表示器)にて形成されていて、特別図柄を可変表示可能とされている。具体的に、可変表示部209の表示エリアにおいては、縦横方向に並ぶ態様で9つの可変表示エリアを表示上形成し、それらのエリアにおいて、各エリアに共通の複数図柄が個々に独立して可変表示される。なお、かかる可変表示部209はLCD表示器により形成されているものに限らず、外周に複数種類の図柄が描かれた回転ドラムを回転駆動する回転ドラム式、表面に複数種類の図柄が描かれたベルトを回転移動させるものや複数種類の図柄が描かれた円盤を回転させるもの(ロタミント)等のその他の機械式(電気的駆動源により駆動される機械式のもの)の可変表示装置であってもよい。
【0036】
また、表示器210は、左右2つのLEDを有し、可変表示部209に表示される特別図柄は、後述するように打玉が始動入賞口214へ始動入賞することにもとづいて可変開始される。一方、可変表示部210に表示される普通図柄は、後述するように打玉が第1通過ゲート211aを通過することにもとづいて可変開始される。なお、かかる表示器210に表示させる普通図柄の可変表示を可変表示部209において表示させるように制御してもよい。
【0037】
また、可変表示部209の下部には、始動入賞口214に入賞した始動入賞球数を記憶して表示する4個の表示部(LED)を有する始動入賞記憶表示器218が設けられている。本実施形態では、4個を上限として、始動入賞が記憶される毎に、始動入賞記憶表示器218のLEDが1つ追加して点灯する。そして、可変表示部209において特別図柄の可変表示が開始される毎に、LEDが1つ滅灯する。なお、かかる始動入賞記憶数は、前述した可変表示部209のLCD表示器において表示するようにしてもよい。たとえば、始動入賞記憶数を漢数字で遊技者に認識可能に報知するような態様や、始動入賞記憶数分のキャラクタを表示し遊技者に認識可能に報知するような態様であってもよい。
【0038】
可変表示装置208の側部には、打玉を導く第1通過ゲート211aが設けられている。第1通過ゲート211aには、第1通過ゲート211aを通過した打玉を検出するゲートスイッチ212aがある。
【0039】
また、始動入賞口214には可動片215が設けられていて、ソレノイド216によって開状態とされ、始動入賞口214に入賞した始動入賞球は、遊技盤206の背面に導かれ、始動ロスイッチ217によって検出される。
【0040】
また、始動入賞口214の下方には、第2通過ゲート211b並びに第3通過ゲート211cが設けられていて、両通過ゲート211b,211cにはそれぞれ、通過した打玉を検出するためのゲートスイッチ212b,212cが設けられており、第2通過ゲート211bを打玉が通過した場合には、遊技領域207の中央下方位置に設けられている役物装置269の可動片269aの開閉動作が2回実施され、第3通過ゲート211cを打玉が通過した場合には、役物装置269の可動片269aの開閉動作が1回実施される。
【0041】
この両通過ゲート211b,211cの下方位置には、開閉板220が設けられた可変入賞球装置219が取付けられている。遊技状態が大当り状態(特定遊技状態)となれば、ソレノイド221によって開閉板220が開成し、可変入賞球装置219の大入賞口が開口する。大入賞口に進入した玉のうち特定入賞領域(Vポケット)に入った入賞球はVカウントスイッチ222で検出される。一方、大入賞口内における特定入賞領域以外の通常入賞領域へ入賞した入賞球はカウントスイッチ223で検出される。
【0042】
また、遊技領域207の中央下部位置には、前述したように役物装置269が設けられており、該役物装置269の左右上部外周には、ソレノイド269bにより開閉される可動片269aが設けられているとともに、その中央位置には、回転体駆動モータ269eにて駆動回転される回転体269cが設けられていて、該回転体269cの上面外周の役物装置269内部中央位置には、打玉が入賞することで遊技状態が大当り状態(特定遊技状態)の発生となるV入賞口269dが形成されており、V入賞口269dに入賞した打玉がV球検出スイッチ269gにより検出されることで大当り状態(特定遊技状態)となる。また、V入賞口269dの両側領域は空隙とされていて、該V入賞口269dに入賞しなかった打玉が該空隙内に落下して入賞球検出スイッチ269fにて検出されるようになっている。
【0043】
また、遊技盤206には、複数の入賞口224a〜cが設けられている。遊技領域207の左右周辺には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ225が設けられ、下部中央には、かかる遊技領域207内に打込まれた打玉のうち前述した各種入賞口に入賞しなかった打玉をかかる遊技領域207外に排出するためのアウト口226が設けられている。
【0044】
次に、パチンコ遊技機2の背面の構造について説明する。図3はパチンコ遊技機2ならびにカードユニット3の内部構造を示す全体背面図であり、図4はパチンコ遊技機2の機構盤によるパチンコ球流路を示す背面図である。
【0045】
まず図3を参照して、パチンコ遊技機2の遊技盤206の裏面側には、機構盤236や、遊技制御基板ボックス232に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されており遊技の進行を制御する遊技制御手段としての遊技制御基板231や、可変表示部209の表示制御を行なう表示制御用マイクロコンピュータが搭載された表示制御基板280を含む可変表示制御ユニット229や、遊技効果LED228a、遊技効果ランプ228b,228c等の点灯制御を行なうランプ制御用マイクロコンピュータが搭載されたランプ制御基板235、スピーカ227から出力する音声制御を行なう音制御用マイクロコンピュータが搭載された音声制御基板270、パチンコ玉の払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータが搭載された賞球制御基板237が設置されている。さらに、機構盤236の上部位置の向かって右側角部位置には、前記揚送ユニット400並びに発射装置500の動作制御を行なうマイクロコンピュータが搭載された発射揚送制御基板291とが設けられている。なお、本実施形態におけるマイクロコンピュータとは、たとえば、CPU(Central Processing Unit )やI/Oポートがそれぞれ搭載されてており、表示制御基板280、ランプ制御基板235、および音制御基板270の制御基板は遊技制御基板231から送信される制御コマンドにもとづいて複数種類の演出用電気部品の制御を行なっている。また、かかる表示制御基板280、ランプ制御基板235、および音制御基板270から送信される信号にもとづきそれぞれの制御基板に対応する演出用電気部品を駆動する駆動回路を搭載した表示駆動基板280’、ランプ駆動基板235’、および音駆動基板270’とが、ガラス扉枠202の下部裏面に設けられている。このように、演出駆動制御手段を表示制御基板280とランプ制御基板235と音声制御基板270とこれらに接続された表示駆動基板280’とランプ駆動基板235’と音駆動基板270’となるように別々の基板となるように構成しているため、遊技領域が広くなったことにともない設置できる大型の役物装置269や可変入賞球装置219を並設したときにおいても、かかる装置の裏側の構造上の都合により、表示制御基板280とランプ制御基板235と音声制御基板270とのレイアウトの自由度が奪われてしまう不都合を防止することができる。また、遊技機を入れ替えるときにおいて、遊技盤に設置されている表示制御基板280とランプ制御基板235と音声制御基板270等を交換し、表示駆動基板280’とランプ駆動基板235’と音駆動基板270’を交換する必要がないため、効率的かつ経済的に遊技場経営を行なうことができる。
【0046】
なお、図3中の290は、各種入賞口への打玉の入賞を検出するための検出スイッチからの信号を前記遊技制御基板231に中継するための枠用スイッチ中継基板である。
【0047】
機構盤236の上部には、球タンク238が設けられ、前記遊技島の前記供給樋より導出された供給管(図示省略)よりパチンコ玉が球タンク238に供給される。球タンク238内のパチンコ玉は、誘導樋239を通って玉払出装置297に供給される。
【0048】
ここで、誘導樋239を通るパチンコ玉の流れについて、図4を参照し説明する。まず、球タンク238からの球を誘導するために設けられている誘導樋239の下流側終端部には、カーブ樋243、球供給樋244を介して2条の球供給通路245が連設されているとともに、この球供給通路245の下端部が、入賞の発生等により付与された賞球の払出や玉貸球の払出を行なう払出装置297に連設されており、誘導樋239を流下するパチンコ球は、取付ボスを支点として揺動自在に垂下されて取り付けられている玉ならし部材249により、上下2段となって流下する球が玉ならし部材249により埋設される重錘の作用によって1段とされるとともに誘導樋239にて2条に分流された後、カーブ樋243により左右方向から下方へ流下方向が変換され、球供給樋244並びに球供給通路245を介して、払出装置297に供給されるようになっている。
【0049】
また、球供給通路245の経路中には球切れスイッチ233が各条に対応して設けられており、この球切れスイッチ233により払出装置297での1回の玉貸球数である25球のパチンコ球が球供給通路245内に準備されているか否かが検出されるようになっている。
【0050】
また、前記カーブ樋243の屈曲部には球抜き弁247が設けられており、該球抜き弁247を作動する作動レバー(図示省略)をパチンコ遊技機2の前面側から操作することにより、その屈曲部より上流側の誘導樋239並びに球タンク238に待機する玉を、前記球供給通路245とほぼ平行に設けられている球抜通路246を介して遊技島のアウト球タンクに排出される。
【0051】
また、賞球通路273の下流位置にはガラス扉枠202の打球供給皿203に連通する上皿連通口274が設けられており、払出装置297から払い出されたパチンコ球は、賞球通路273並びに上皿連通口274を通って打球供給皿203に払い出され、貯留されるようになっている。また、この上皿連通口274の側方には、最下端部が前記ガラス扉枠202の下方に設けられている余剰玉受皿204に連通する余剰球通路271に連設されており、打球供給皿203に貯留されたパチンコ球が満タンの状態であるために上皿連通口274から溢れたパチンコ球が、この余剰球通路271を流下して余剰玉受皿204に流下するようになっている。
【0052】
更に、本実施形態では、前記余剰球通路271の経路中に、前記ボックス樋289に受け入れられたファール球並びに上皿連通口274から落下したパチンコ球が流入する連通口298が設けられており、該連通口298から流入してきたファール球並びにパチンコ球は、該余剰球通路271を流下して余剰玉受皿204に返却される。
【0053】
また、この余剰球通路271の経路中には、図4に示すように、前記余剰玉受皿204に流下したパチンコ球が余剰玉受皿204に満杯になったことを検知するための満タンスイッチ213が設けられており、これら満タンスイッチ213がONされた場合には、玉払出装置297の払出モータ(図示省略)の駆動が停止されて賞球及び貸球の払出動作を不能動化する。
【0054】
なお、必要に応じて発射装置500のカム駆動モータ511及び揚送ユニット400の駆動モータ410の駆動も停止するようにしてもよい。満タンスイッチ213は、その上端が軸突起に軸支されて揺動自在に設けられた検知レバーの後方に満タンスイッチ213を構成するアクチュエータを位置させて前記検知レバーの揺動動作を検出するものである。
【0055】
さらに、機構盤236の内方面側には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路276とアウト球を誘導するアウト球通路(図示省略)とが形成されている。入賞球誘導通路276の上方は、入賞球落下入口(図示省略)となっており、前記遊技盤206の背面を覆うように形成された入賞球誘導カバー体(図示省略)にて収集されて放出される入賞球を受け入れるようになっており、その受け入れた入賞球を入賞球誘導通路276が一側側方に向かって誘導し、機構盤236に形成された連通口279から機構盤236の背面側に導き、さらにその連通口279と前記球抜き通路246の下流部とを連通する合流通路286に導くようになっている。球抜き通路246は、合流通路286との合流部の上流位置にて、機構盤236の外周縁に沿って逆L字状に屈曲され、該機構盤236のほぼ中央背面側に形成される前記余剰球通路271の右側方に形成される合流排出通路287に最終的に合流するようになっている。
【0056】
したがって、前記遊技盤206から排出されて入賞球誘導カバー体を介して入賞球落下入口から受け入れられた入賞球は、入賞球誘導通路276、連通口279、合流通路286、球抜き通路246の最下流部、及び合流排出通路287を介してパチンコ遊技機2の外部に誘導されるようになっている。なお、入賞球落下入口278と入賞球誘導通路276との間の空間には、入賞球落下入口から落下する入賞球によって振動するように支持されると共に、入賞球誘導通路276上を転動する入賞球を一列に整列させる誘導部材が設けられている。
【0057】
また、アウト球通路は、前記入賞球落下入口の側方に形成される凹部の下方に入賞球誘導通路276と上下方向に重複するように形成され、その流下端の機構盤236の主体に連通口282が開設されて前記合流排出通路287に連通するようになっている。なお、上記した凹部は、遊技盤206の下部を裏面から固定するために遊技盤収納枠下部のほぼ中央に取り付けられる遊技盤係止レバーを収容するためのものである。
【0058】
しかして、遊技盤206のアウト口226から取り込まれたアウト球は、遊技盤206の裏面に刻設形成されるアウト球排出通路(図示しない)に導かれ、さらに前記遊技盤収納枠の下部の板状部分に形成されるアウト球連通口を経由して上記したアウト球通路に導かれた後、連通口282並びに前記合流排出通路287を通ってパチンコ遊技機2の外部に導かれる。つまり、上記した合流排出通路287には、球抜き通路246からの球抜き球、アウト球通路277からのアウト球、入賞球誘導通路276からの入賞球がすべて合流されてパチンコ遊技機2の外部に誘導され、該合流排出通路287からパチンコ遊技機2の外部へ排出される。
【0059】
かかる合流排出通路287の向かって左側位置には、内部に複数の電圧の異なる電源を生成する電源ユニット基板を収容する電源ユニットボックス272が設けられている(図3参照)。電源ユニット基板は、電源線が接続される電源コネクタが実装されている。電源コネクタに接続される電源線は、機構盤236の裏面側に形成される配線処理溝(図示しない)に沿って機構盤236の下部まで引き通され、機構盤236の主体に設けられる各開口から該主体の表側に引き出されて電源コネクタに接続される。電源線によって供給される電圧はAC24Vの電圧であり、電源ユニット基板(電源生成基板)で生成される複数の電圧は、DC30V、DC21V、DC12V、DC5Vの4種類である。(但し、他の基板に対してAC24Vも供給する。)
また、電源ユニット基板は、遊技制御基板231及び賞球制御基板237の各CPUに駆動電源が供給されていない間、各基板に設けられているRAMの記憶内容をバックアップ(保持)するために各基板にバックアップ電源を供給するようになっている。なお、電源ユニット基板(電源生成基板)から電源断信号が出力されることによって遊技制御基板231及び賞球制御基板237は、バックアップをするための処理を行なうようになっている。
【0060】
上記した電源ユニットボックス272の背面側には、遊技動作を制御する遊技制御基板231を収容する遊技制御基板ボックス232が着脱自在に取り付けられるようになっている。その取付は、機構盤236の開口窓240の下辺よりやや上部にブリッジ状に掛け渡される横架突出板284に取り付けられるものである。横架突出板284は、遊技制御基板ボックス232を取り付けたときに、遊技制御基板ボックス232の裏面が前記電源ユニットボックス272と前記遊技盤206の裏面側に取り付けられるランプ制御基板235及び音声制御基板270を収容する制御基板ボックスに当接しないように重畳的に設けられる高さに設定されており、前記したL字状突出板の高さとほぼ同じ高さとなっている。
【0061】
図5は、遊技制御基板231における回路構成の一例を示すブロック図である。図5には、制御基板として、遊技制御基板(主基板ともいう)231、賞球制御基板237、表示制御基板280、ランプ制御基板235、音声制御基板270、表示駆動基板280’、ランプ駆動基板235’、および音声駆動基板270’が示されている。
【0062】
まず、遊技制御基板231は、プログラムに従ってパチンコ遊技機2を制御する基本回路253と、入賞球検出スイッチ269f、V球検出スイッチ269g、ゲートスイッチ212a〜c、始動入賞口スイッチ217、Vカウントスイッチ222、カウントスイッチ223、入賞球検出スイッチ299a〜c、満タンスイッチ213(余剰玉受皿204の満タンを検出する満タンスイッチ213)、球切れスイッチ233、賞球用カウントスイッチ248a、貸出球カウントスイッチ248bからの信号を基本回路253に与えるスイッチ回路258と、可動片215を開閉するソレノイド216および開閉板220を開閉するソレノイド221、可動片269aを開閉するソレノイド269b並びに回転体269cを回転駆動する回転体駆動モータ269eを基本回路253からの指令に従って駆動するモータ・ソレノイド回路259と、始動入賞記憶表示器218の点灯および点滅を行なうとともに、表示器210と装飾ランプ225とを駆動するランプ・LED回路260とを含む。
【0063】
また、遊技制御基板231は、基本回路253から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置208の可変表示に利用された始動入賞球の個数を示す始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等を外部の管理コンピュータ等に対して出力する第1情報出力回路264を含む。
【0064】
基本回路253は、ROM254、RAM255、CPU256、I/Oポート257、および、クロック発生部250を含む。ROM254は、ゲーム制御用のプログラム等の各種の情報(データ)を記憶するためのものである。RAM255は、ワークメモリとして使用されるためのものである。CPU256は、ゲーム制御用のプログラム等の各種の制御用プログラムに従って遊技制御動作等の制御動作を行なう。I/Oポート257は、データおよび信号等の各種情報の入出力用に設けられた複数のポートを有する。クロック発生部250は、基本回路253が動作する場合の基準タイミングとなる動作クロックをCPU256等の基本回路253内の各部に与えるものである。
【0065】
さらに、遊技制御基板231には、電源投入時に基本回路253をリセットするための初期リセット回路266と、電源投入後に基本回路253を定期的にリセットするための定期リセット回路265と、基本回路253から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート257のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路267とが設けられている。
【0066】
基本回路253は、電源投入時において、初期リセット回路266により初期リセットされる。また、電源投入後、基本回路253は、定期リセット回路265により定期的(例えば、2ms毎)にリセットされ、割込み処理が実行される。これにより、割込み処理が実行される毎に、ゲーム制御用のプログラムが所定位置から再度実行される。
【0067】
打玉を発射する打球発射装置500並びに該打球発射装置500に打玉を供給する揚送ユニット400は、発射揚送制御基板291上の回路により、前記打球発射装置500の発射に連動して、前記揚送ユニット400が間歇的にパチンコ球を揚送して打球発射装置500に揚送球を供給するように制御される。
【0068】
また、遊技制御基板231から表示制御基板280には、可変表示装置208の可変表示部209の表示制御に関する指令情報として、表示制御コマンドデータと、ストローブ信号としての割込信号(以下、表示制御信号INTともいう)とが伝送される。表示制御基板280には、表示制御基板280側で受信された表示制御コマンドデータにしたがって複数種類の演出用電気部品のひとつである可変表示装置208に表示される画面の表示制御を行なうための表示制御用CPU280aと、可変表示装置208に表示させる画像を生成するための画像表示信号を供給するVDP(Video Display Processor )等の画像処理用の構成要素(図示省略)と、プログラムや画像データが記憶されているROM(図示省略)が少なくとも搭載されている。なお、表示制御基板280に搭載される構成要素としてかかる構成を搭載した例について説明するが、これに限るものでなく、前述した可変表示部209に採用する可変表示部の種類にあわせて表示制御基板に搭載される構成要素が採用されるものとする。表示制御基板としては、少なくとも、表示制御を行なうための表示制御用CPU280aを搭載していればよい。
【0069】
まず、表示制御用CPU280aは受信した表示制御コマンドデータをVDPに与え、VDPはROMから必要なデータを読み出す。さらにVDPは、読み出されたデータにしたがって可変表示装置208に表示するための画像データを生成し、R,G,B信号および同期信号を表示駆動基板280’に出力する処理がなされる。なお、かかる可変表示装置208に表示される画面の表示制御処理は、表示制御用CPU280aがROMに記憶されているプログラムにしたがって動作することにより行なわれる。
【0070】
表示駆動基板280’は、可変表示装置208の表示を行なうための駆動回路としてのLCDドライバ(図示省略)が搭載されている。かかるLCDドライバは、表示制御基板280から送信されるR,G,B信号および同期信号を、表示用のデータおよび制御信号を作成して可変表示部209としてのLCD表示器(液晶表示器)に出力する処理がなされる。
【0071】
遊技制御基板231からランプ制御基板235には、遊技効果LED228a、賞球ランプ251、玉切れランプ252、および、遊技効果ランプ228b、228cの点灯制御に関する指令情報として、ランプ制御コマンドデータ等が伝送される。ランプ制御基板235には、ランプ制御基板235側で受信されたランプ制御コマンドデータにしたがって複数種類の演出用電気部品のうちの遊技効果LED228a、賞球ランプ251、玉切れランプ252、および、遊技効果ランプ228b、228cの点灯制御を行なうためのランプ制御用CPU235aと、プログラムや点灯点滅パターンデータが記憶されているROM(図示省略)が少なくとも搭載されている。
【0072】
まず、ランプ制御用CPU235aは、ROMに記憶されているプログラムにしたがって受信したランプ制御コマンドデータの解析を行ない、対応する点灯点滅パターンデータの制御信号を生成し、かかる制御信号および同期信号をランプ駆動基板235’に出力する処理がなされる。
【0073】
ランプ駆動基板235’は、遊技効果LED228a等の表示を行なうための駆動回路としての増幅用トランジスタ(図示省略)が搭載されている。かかる増幅用トランジスタは、ランプ制御基板235’から送信される制御信号および同期信号を増幅させて、遊技効果LED228a等に信号を出力する処理が行なわれる。なお、増幅用トランジスタをランプ駆動基板235’に搭載させた例について説明したが、トランジスタに限らず、電圧の低い信号を増幅させ電圧の高い信号に増幅するような増幅素子を含むものや、スイッチング機能を有する素子を含む構成となっていればどのようなものであってもよい。
【0074】
遊技制御基板231から音声制御基板270には、スピーカ227から出力される効果音等の音声制御に関する指令情報として、音声制御用コマンドデータ等の情報が伝送される。音声制御基板270には、音声制御基板270側で受信された音声制御用コマンドデータにしたがって複数種類の演出用電気部品のうちのスピーカ227の音声制御を行なうための音声制御用CPU270aと、プログラムや音声発生パターンデータが記憶されているROM(図示省略)が少なくとも搭載されている。
【0075】
まず、音声制御用CPU270aは、ROMに記憶されているプログラムにしたがって受信した音声制御コマンドデータの解析を行ない、対応する音声発生パターンデータの制御信号を生成し、かかる制御信号および同期信号を音声駆動基板270’に出力する処理がなされる。
【0076】
音声駆動基板270’は、スピーカ227から音声を発生させるための駆動回路としての増幅用トランジスタ(図示省略)が搭載されている。かかる増幅用トランジスタは、音声制御基板270’から送信される制御信号および同期信号を増幅させて、スピーカ227に信号を出力する処理が行なわれる。なお、増幅用トランジスタを音声駆動基板270’に搭載させた例について説明したが、トランジスタに限らず、電圧の低い信号を増幅させ電圧の高い信号に増幅するような増幅素子を含むものや、スイッチング機能を有する素子を含む構成となっていればどのようなものであってもよい。
【0077】
以上、複数種類の演出用電気部品の制御を行なうための表示制御基板280とランプ制御基板235と音声制御基板270と、複数種類の演出用電気部品の駆動を行なうための表示駆動基板280’とランプ駆動基板235’と音声駆動基板270’とにより、遊技制御基板231から送信される各種制御コマンドデータにしたがって複数種類の演出用電気部品を駆動制御する演出駆動制御手段が構成されている。これにより、遊技領域207の拡大にともない大型の役物装置269等を複数配置させたときにおいても、演出制御手段としての表示制御基板280,ランプ制御基板235,音声制御基板270を遊技盤206の裏面側に配置し、演出駆動手段としての表示駆動基板280’,ランプ駆動基板235’,音声駆動基板270’をガラス扉枠202の下部裏面にそれぞれ分けて設置することができるため、遊技盤206の裏面の配置スペースに余裕が生まれ、基板レイアウトの自由度を向上させることができる。また、パチンコ遊技機2を入れ替えるときにおいても、遊技盤206の裏面側に設置されている演出制御手段としての表示制御基板280等を交換すればよく、演出駆動手段としての表示駆動基板280’等を交換する必要がないため、効率的かつ経済的に遊技場経営を行なうことができる。
【0078】
また、基本回路253は、入賞球検出スイッチ299a〜c検出信号と始動入賞口スイッチ217の検出信号、Vカウントスイッチ222の検出信号、カウントスイッチ223の検出信号にもとづいて、所定個数の賞球を払出すための賞球信号を賞球制御基板237に出力する。賞球制御基板237では、その出力されてきた賞球信号にもとづいて玉払出装置297を制御して所定個数の賞球を払出すための制御を行なう。
【0079】
具体的には、可変入賞球装置219の大入賞口に入賞した入賞球については1個の入賞球がカウントSWに検出されることで例えば15個の賞球が払出され、始動入賞口214に入賞した入賞球については1個の入賞球が始動入賞口SWに検出されることでたとえば5個の賞球が払出され、その他の入賞口224a〜dのいずれかに入賞した入賞球については入賞球1個が各入賞口に対応して設けられた入賞球検出SW299a〜dのいずれかに検出されることでたとえば5個の賞球が払出されるように制御される。
【0080】
このような2種類の個数の賞球を払出制御するべく、遊技制御基板231は次のように制御動作を行なう。入賞球検出スイッチ269f、V球検出スイッチ269g、始動入賞口スイッチ217、Vカウントスイッチ222またはカウントスイッチ223からの検出信号が入力されると、その検出信号を賞球の払出個数決定の際に用いる払出個数決定用データとして、スイッチに応じた賞球の払出個数別に一時的に内部に記憶する。その後、入賞球検出スイッチ299a〜cのいずれかの検出信号が入力されれば、その入力以前に始動入賞口スイッチ217からの検出信号があったかどうかを払出個数決定用データを参照することによって判断し、あった場合には遊技制御基板231は賞球制御基板237に対し「5」の賞球個数を払出指令するための賞球指令信号を出力する。また、カウントスイッチ223またはVカウントスイッチ222からの検出信号があった場合には、「15」の賞球個数を払出指令するための賞球指令信号を出力する。一方、入賞球検出スイッチ299a〜dのいずれかからの検出信号があった場合において、それ以前に始動入賞口スイッチ217、カウントスイッチ223またはVカウントスイッチ222からのいずれかからも検出信号が入力されていなかった場合には、遊技制御基板231は「5」の賞球個数の賞球指令信号を賞球制御基板237に出力する。賞球制御基板237においては、賞球指令信号にもとづいて、玉払出装置297から賞球を払出させる制御が払出制御用マイクロコンピュータにより実行される。
【0081】
また、満タンスイッチ213からの検出信号が満タン状態を示している場合には、その状況に応じて、賞球禁止指令信号を賞球制御基板237へ送り、玉払出装置297による賞球の払出しを停止させる。
【0082】
また、賞球制御基板237上には、第2情報出力回路部268が設けられており、これら賞球制御基板237において制御される賞球の払い出し数の情報等を外部出力できるようになっている。
【0083】
また、賞球制御基板237は、前記カードユニット3のカードユニット制御基板(図示省略)に設けられたI/Oポート319に接続ケーブル262並びに接続コネクタ263(図3等参照)を介して接続されており、後述の貸出完了信号(EXS)やパチンコ遊技機レディー信号(PRDY)が前記カードユニット3に設けられた後述のマイクロプロセッシングユニット(MPU)321に出力されるようになっているとともに、前記カードユニット3のMPU321より出力される後述のカードユニットレディー信号(BRDY)や貸出要求完了確認信号(BRQ)が入力されるようになっている。
【0084】
図6は、発射揚送制御基板の構成を説明するためのブロック図である。図6を参照して、これら発射揚送制御基板291の構成は、主に揚送ユニット400と発射装置500の同期連動の動作制御を行なう発射揚送制御ブロック291aと、打球の強度調節を行なう打球強度調整ブロック291bとを有しており、前記発射揚送制御ブロック291aには、前記打球操作ハンドル205内に設けられているタッチセンサ(図示せず)や単発発射スイッチ(図示せず)からのON/OFF信号が入力されるとともに、前記打球強度調整ブロック291bには、打球操作ハンドル205に内蔵されているロータリーエンコーダからのエンコーダパルスが入力されるようになっている。
【0085】
本実施形態の発射揚送制御ブロック291aには、前記タッチセンサや単発発射スイッチからの入力を検出するための入力回路とともに、該入力回路への入力状態にもとづき、打球の発射状態に伴う揚送ユニット400と発射装置500の動作状態を決定するモータ駆動ロジック回路と、該モータ駆動ロジック回路にて決定された動作状態にもとづいて、接続されている前記揚送ユニット400の駆動モータ410並びに発射装置500のカム駆動モータ511に対し、同一の駆動信号パルスを出力して、該駆動モータ410並びにカム駆動モータ511を同一回転させるモータ駆動回路(ドライバ)と、該モータ駆動回路(ドライバ)に供給される電流値を設定するための電流値設定回路、とが設けられている。尚、図中における破線は、駆動モータ410並びにカム駆動モータ511の原点センサからの入力を示している。
【0086】
このように、本実施形態では、前記駆動モータ410並びにカム駆動モータ511として同一のサーボモータを使用し、これら同一のサーボモータを共通のモータ駆動回路(ドライバ)に接続して同一の駆動信号にて駆動することで、これら駆動モータ410並びにカム駆動モータ511が同一の回転とするようにしており、これら同一回転の回転力を伝達するギアの設定を、前述のように、発射装置500における発射動作(カム軸501’の1回転)に対して1個の揚送球が揚送スクリュー403の回転により供給されるような設定とすることで、揚送ユニット400と発射装置500の同期連動が実施されている。
【0087】
尚、本実施形態においては前記したように、駆動制御手段である前記モータ駆動回路(ドライバ)を1つとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらモータ駆動回路(ドライバ)を、記駆動モータ410並びにカム駆動モータ511のそれぞれに対応して設けるようにしても良い。
【0088】
また、本実施形態の打球強度調整ブロック291bには、打球操作ハンドル205からのエンコーダパルスの入力にもとづき、打球操作ハンドル205の回転角度を検出するための角度検出回路と、該角度検出回路からの角度情報にもとづいて発射強度を決定して発射強度に対応するモータ駆動情報を出力する発射強度調整ロジック回路と、該発射強度調整ロジック回路から出力されたモータ駆動情報にもとづいて発射強度調整用モータ512を駆動する発射強度調整用モータ駆動部(ドライバ)とが設けられていて、該打球強度調整ブロック291bにて打球操作ハンドル205の回動操作に対応して、発射されるパチンコ球の発射強度が調節されるようになっている。
【0089】
尚、前記操作ノブ205により連続した発射操作が為されている場合には、前記揚送ユニット400の駆動モータ410は、連続するパチンコ球の揚送において、回転速度を変化させることなく、ほぼ同一の回転速度にて、球供給スプロケット413から間歇的に供給されるパチンコ球を揚送するようになっており、このようにすることは、連続するパチンコ球の揚送において、駆動モータ410の回転速度を変化させて打球発射装置500へのパチンコ球の供給同期を計る場合に比較して、加減速に伴う駆動モータ410の損耗を低減できるとともに、揚送球が球通路部404内にて踊ることによる不都合や該揚送球が踊ることによる騒音の発生を解消できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、回転速度を変化させて打球発射装置500への供給同期を計るようにしても良い。
【0090】
そして、発射装置500による発射球の発射勢いは、前記操作ノブ205の操作量に従って発射装置500内部に設けられている発射強度調整用モータ512の動作が制御され、前記発射用スプリング504の付勢力が調節されることで、操作ノブ205の操作量に従って調整される。すなわち、発射揚送制御基板291上の回路によって、操作ノブ205の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0091】
図7は、パチンコ遊技機2の前面下部部分の構成を説明するための拡大図である。前述した打球供給皿203の上面に設けられている操作部14には、図7に示すように、遊技者により前記カードユニット3に設けられたカード挿入口314に挿入された遊技用記録媒体であるプリペイドカードより読み出された遊技用価値である度数を表示する度数表示部17と、遊技の開始または前記打球供給皿203に持玉が少なくなったか無くなった際に押圧操作されて、前記度数表示部17に残度数が存在する場合に所定数量のパチンコ玉の貸出を実施するための貸出ボタン16と、遊技を終了する際に押圧操作されることにより、前記カードユニット3に挿入されているプリペイドカードに新たな残度数が記録されて返却がなされる返却ボタン15と、が設けられており、これら各部は操作部14内部に設けられている操作基板18上に実装されている。
【0092】
また、前記操作基板18は、図3に示すように、前記カードユニット3のI/Oポート(図示省略)に接続ケーブル262並びに前記接続コネクタ263を介して接続されており、前記貸出ボタン16が操作されて遊技者による玉貸し操作がなされた場合に出力される貸出入力信号や、返却ボタン15が操作されて遊技者による後述のカード挿入口314に挿入されたプリペイドカードの返却操作がなされた場合に出力される返却入力信号が前記カードユニット3のMPU(図示省略)に出力されるようになっているとともに、該MPUからは、前記度数表示部17の表示制御を行なう度数信号が入力されるようになっており、これら度数表示部17の表示制御が前記カードユニット3のMPUからの出力信号によって実施されるようになっている。
【0093】
なお、打球供給皿203に貯留されている打玉は、誘導傾斜樋流入口230を介し誘導傾斜樋283を流下して揚送ユニット400の下端位置に設けられている下部ユニット401に供給されることとなる。かかる誘導傾斜樋283は、図2を用いて説明したように、遊技盤収容枠601の前面側に設けられている例について説明したが、これに限らず、打球供給皿203の貯留部に、誘導傾斜樋283と同様の機能を有する通路を設けてもよい。また、この場合においては、パチンコ遊技機2の向かって左側から遊技盤収容枠601の前面側に流入させ、下部ユニット410に供給するように構成してもよい。
【0094】
図8は、揚送装置および発射装置の側断面を説明するための側断面図である。
図8を参照して、揚送ユニット400は、誘導傾斜樋283から流下してきたパチンコ球を取り込む下部ユニット401と、取り込まれたパチンコ球を上部に配置されている発射装置500まで揚送する揚送路等から構成されている。また、発射装置500は、揚送されてきたパチンコ球を打点まで持ち上げる球リフトアーム502と、打点に設置されたパチンコ球を遊技領域207に打込む発射アーム503等から構成されている。なお、かかる装置の構造については、図9から図12を用いて、以下詳細に説明する。
【0095】
本実施形態に用いる揚送装置400について、図9,図10を用いて説明する。図9は揚送装置の下端部分を説明するための透視斜視図であり、図10は揚送装置へのパチンコ球の供給状況を説明するための図である。
【0096】
揚送ユニット400は、内部にパチンコ球を1つ1つ、単体にて揚送するための揚送スクリュー403を収容する揚送路ケースからなる揚送路402と、該揚送路の下端位置に設けられ、前記揚送スクリュー403を駆動する揚送手段駆動モータである駆動モータ410や、前記揚送路内にパチンコ球を供給する球供給スプロケット413や、該球供給スプロケット413にパチンコ球を誘導する連結流路416とを有する下部ユニット401とから構成されている。
【0097】
この下部ユニット401の構成は、前述した誘導傾斜樋283を流下してきたパチンコ球を、前記揚送路内部に供給するための円盤状の球供給スプロケット413が、前記揚送スクリュー403を駆動する駆動モータ410にて駆動される駆動ギア411と噛合する受動ギア412と同軸に軸支されて設けられており、該球供給スプロケット413の外周には、1つのパチンコ球を収容するための略半円形状の球収容部414が設けられている。
【0098】
また、この球供給スプロケット413に供給される球圧並びに前記待機球返却部420に供給される球圧を緩和することを目的として、前記誘導傾斜樋283の終端部位置には、該誘導傾斜樋283におけるパチンコ球の流下方向と異なる方向にパチンコ球を誘導することにより球圧を緩和するクランク流路416が設けられているとともに、該クランク流路416の下流位置に前記待機球返却部420が設けられていて、球圧緩和後のパチンコ球が待機球返却部420に供給されることで、パチンコ球が良好に待機球返却部420の下方へ流下するように工夫されている。
【0099】
また、このクランク流路416にて球圧が緩和されたパチンコ球は、上面視略逆S字状に屈曲する連結流路415において、更に球圧が緩和された後、下部ユニット401の内方側に回り込むように球供給スプロケット413に供給される。
【0100】
これら球供給スプロケット413に供給されたパチンコ球は、図10(a)に示すように、前記球供給スプロケット413の回動により、前記球収容部414が、パチンコ球の流入口方向に向くことで、該球収容部414内部にパチンコ球が取り込まれる。次いで、図10(b)に示すように、球収容部414内部に取り込まれたパチンコ球が、球供給スプロケット413の回動に伴って、回転方向に移動し、図10(c)に示すように、球供給スプロケット413が90度回転した位置にてパチンコ球が揚送路を構成する球通路部404内に供給される。
【0101】
この球供給スプロケット413によりパチンコ球を供給するに際して、パチンコ球と揚送スクリュー403の螺旋状凸部とが衝突しないように、前記受動ギア412と駆動ギア411とにより、球供給スプロケット413と揚送スクリュー403とが同期されているとともに、パチンコ球が球通路部404内に供給されるとほぼ同時に、揚送スクリュー403の螺旋状凸部の下端部と供給されたパチンコ球とが摺接するように同期されることで、前記球収容部414内からパチンコ球が上方へ揚送されて抜き出されるようになっていて、供給された球を迅速に揚送へ移行できるようになっている。
【0102】
また、この受動ギア412と駆動ギア411とは、そのギア比が、駆動ギア411と同軸にて回転される前記揚送スクリュー403により、揚送球が揚送路のほぼ中間位置に揚送されるようになる回転回数(本実施形態では3回転)にて受動ギア412が1周するようなギア比とされていて、揚送路内の中間位置にパチンコ球が揚送される毎、つまりは、既に中間位置に揚送されているパチンコ球が発射装置500に供給される毎に、1つのパチンコ球が揚送スクリュー403に対して供給されるようになっており、揚送路内には、最大で2つの球しか存在しないようになっており、これら受動ギア412と駆動ギア411とを駆動する駆動モータ410が、接続コネクタ410’に接続されて、その動作が発射揚送制御基板291にて制御されることで、前記発射装置500からのパチンコ球の発射に連動して揚送ユニット400によるパチンコ球の揚送、供給が実施されるようになっている。
【0103】
これら球供給スプロケット413にてパチンコ球が1つづつ供給される揚送路は、図8に示すように、供給されたパチンコ球が揚送される球通路部404と、前記揚送スクリュー403が挿通配置されたスクリュー収容部405とからなり、揚送スクリュー403の螺旋状凸部の外周403aが前記球通路部404に露出して揚送されるパチンコ球と摺接するように軸支されており、揚送スクリュー403の回転に伴ってパチンコ球が球通路部404の内部を上方へと揚送されていく。
【0104】
尚、前記揚送路402は、透明な樹脂製(アクリル樹脂)とされており、このように透明な樹脂を用いることは、球通路部404内部並びにスクリュー収容部405の内部の状態を、目視にて分解することなく容易に確認できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら揚送路ケース402を不透明な樹脂や金属等にて形成しても良い。
【0105】
また、本実施形態における揚送スクリュー403の前記螺旋状突出部は、低摩擦であって帯電防止能に優れる導電性ポリプロピレン樹脂にて形成されており、このようにすることは、前記パチンコ球の揚送において、パチンコ球と揚送スクリュー403とが摺動することにより静電気が発生することを防止するとともに、揚送スクリュー403を適宜にアースしておくことで、既にパチンコ球が帯電している場合にあっても、該パチンコ球の帯電を除去できるようになることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら揚送スクリュー403を導電性の優れる金属にて形成したり、或いは帯電防止能を有しない通常の樹脂にて形成するようにしても良い。
【0106】
また、本実施形態においては、揚送スクリュー403並びに球供給スプロケット413の双方を同一の駆動源である駆動モータ410にて駆動するようにしており、このようにすることは、個別に駆動モータを設けるのに比較して動力源の数を低減できるため、コストを抑えることができるとともに、前記揚送スクリュー403と球供給スプロケット413の同期(連動)を、前述のようにギア比等にて機械的に設定することで、容易且つ確実に制御できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、個々の動力源を個別の駆動モータとして制御するようにしても良い。
【0107】
この駆動モータ410の動作は、前記発射揚送制御基板291によって、発射装置500からのパチンコ球の発射に連動して、前記球通路部404の上端に形成されている球供給口417から揚送されたパチンコ球が該発射装置500に排出、供給されるように制御される。
【0108】
なお、本実施形態における待機球返却部420の構成は、図13を参照して、待機球返却部420の下部に形成された待機球返却樋242(図2等参照)にパチンコ球を流入させるための開口421が形成され、前記誘導傾斜樋283の終端に形成されたクランク流路416の流路下面にスライド自在に配置されたスライド板423の外方端が前記操作ボタン296に連結されるとともに、内方端にスプリング422が連結された構成とされていて、通常にあっては、前記スプリング422にてスライド板423が外方方向へ付勢されることにより、前記開口421の位置が待機球返却樋242への流入口の位置とずれた位置となることで、スライド板423上をパチンコ球が通過して揚送ユニット400にパチンコ球が供給される一方、前記操作ボタン296の操作時にあっては、該操作ボタン296の押圧操作により、スプリング422の付勢に抗してスライド板423が内方へスライドし、前記開口421の位置が待機球返却樋242への流入口の位置と合致した位置となることで、図16に示すように、パチンコ球が待機球返却樋242内に流入して、余剰玉受皿204に、パチンコ球(待機球)が返却されるようになっている。
【0109】
次いで、本実施形態に用いた発射装置500について、図11,図12を用いて説明する。発射装置500の外装ケース510内部には、共通の揺動軸513に揺動自在に軸支された球リフトアーム502と発射アーム503が設けられている。
【0110】
これら球リフトアーム502と発射アーム503の一方端は、発射装置500の上部裏面側に固設された発射装置駆動モータであるカム駆動モータ511にて回転駆動されるカム軸501’に同軸に固設されたリフト用カム501a並びに発射用カム501bに摺接することで、該リフト用カム501a並びに発射用カム501bの回動に伴って球リフトアーム502と発射アーム503とが個別の揺動動作をなすようになっているとともに、発射アーム503は、発射装置500の下方に、前記リフトアーム502と発射アーム503の揺動円弧に外接するように傾斜配置された発射レール508にほぼ並行となるように張架された発射用スプリング504にて付勢されており、また、球リフトアーム502は、前記発射用スプリング504とほぼ直交するように張架されたリフト用スプリング506にて付勢されていて、本実施形態ではカム駆動モータ511と前記揚送ユニット400の駆動モータ410とは、入力される駆動信号により同様の回転を得るために同一のサーボモータを使用している。
【0111】
また、発射用スプリング504の発射アーム503との連結側ではない他方端は、発射用スプリング504の張架方向にスライド可能とされたスライド片505に連結されていて、該スライド片505が、発射装置500の裏面側に固設された発射強度調整用モータ512によりスライドすることで、発射アーム503の付勢力が調節され、該発射アーム503にて打ち出されるパチンコ球の発射強度を調節できるようになっており、これら発射強度の調節は、前記打球操作ハンドル205の操作にもとづいて前記発射揚送制御基板291によって前記発射強度調整用モータ512の動作が制御されることで実施される。
【0112】
また、前記発射レール508の傾斜下方端位置には、前記ファール球流路295への流入口294の開閉を、前記球リフトアーム502の下端と摺接することによって該球リフトアーム502の揺動に伴って実施するファール球流路弁507が設けられており、該ファール球流路弁507は図示しないスプリングにより、前記流入口294を塞がない開状態となるように常時付勢されている。なお、かかるファール球流路弁507は、開状態であるときに発射レール508上の発射路509とファール球流路295を連通させるファール球受入口295aを形成し、閉状態であるときに発射レール508畳の発射路509の一部を形成することとなる。
【0113】
この発射装置500の発射動作は、まず図11(a)に示すように、前記各カム501a、501bの回動によって、前記球リフトアーム502と発射アーム503の双方が、前記リフト用スプリング506並びに発射用スプリング504の付勢力に抗して、発射装置500の下方隅部の位置まで揺動されるとともに、この状態において前記球供給口417から揚送ユニット400にて揚送されたパチンコ球が供給される。
【0114】
該発射装置500に供給されたパチンコ球は、図11(b)に示すように、前記リフト用カム501aの回動に伴って、まず球リフトアーム502のみが揺動を開始することで、該球リフトアーム502によって前記発射レール508上の所定の発射位置へ誘導される。この誘導に際して前記ファール球流路弁507は、球リフトアーム502の揺動に伴って該球リフトアーム502の下端と摺接することにより、前記流入口294が閉じた状態となる。
【0115】
尚、前記球リフトアーム502の揺動外周端部には、発射アーム503の先端に設けられた打ち出しスプリングが挿通可能な円形窓が形成されていて、前記円形窓内に前記発射位置へ誘導されたパチンコ球が保持されるようになっており、このように発射されるパチンコ球を保持することは、発射の際のパチンコ球の位置精度を向上でき、安定した打玉の発射が可能となることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保持を実施しない構成としても良い。
【0116】
また、前記リフト用カム501aの形状は、前記発射位置の遠方領域において前記球リフトアーム502の揺動下端の移動速度が大きくなるように、その外径が大きく増加するとともに、前記発射位置の近傍において、球リフトアーム502の揺動下端の移動速度が低速となることで誘導されるパチンコ球の誘導速度が低速となるように、その外径が微増するような形状となっており、このように発射位置の近傍においてパチンコ球の誘導速度が低速となるようにすることは、誘導中におけるパチンコ球のブレ(振動)を低減できることにより安定した発射強度を得ることができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら低速誘導を実施しない構成としても良い。
【0117】
更に、本実施形態では前記低速誘導を前記リフト用カム501aの形状により実施しており、このようにすることは、例えばこれらの低速誘導をカム駆動モータ511の回転速度制御等にて実施する場合に比較して、滑らかな低速誘導が可能となるばかりか、回転速度の加減速が繰り返されることを回避できることで、カム駆動モータ511の損耗も低減できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの低速誘導をカム駆動モータ511の回転速度制御にて実施するようにしても良い。
【0118】
次いで、発射レール508上の所定の発射位置へ誘導されたパチンコ球は、図11(c)に示すように、発射用カム501bの回動に伴い、前記発射用スプリング504に抗する力が解除されることで、該発射用スプリング504による付勢力に比例する勢いにて、発射アーム503が図中の矢印方向に揺動することで、発射レール508上の発射路509を通じて遊技領域207へ打ち出される。
【0119】
この際、図12(a)に示すように、発射の勢いが弱く、遊技領域207に達しなかったパチンコ球は、図12(b)のように、前記発射レール508上を傾斜下方側へ流下してくるが、発射後のカム501の回動に伴って、前記球リフトアーム502と発射アーム503の双方が、図12(c)に示すように双方のスプリング504、506に抗して揺動を開始することで、それまで球リフトアーム502の下端部に摺接することで前記ファール球流路295の流入口294を塞いでいたファール球流路弁507が、摺接の解除に伴って、図示しないスプリングにより立設状態に戻ることで、流入口294が開状態となり、前記発射レール508上を流下してきたファール球が、ファール球受入口295aを介しファール球流路295内へ流入し、前記ボックス樋289、連通口298、余剰球通路271を通じて余剰玉受皿204へ返却される(図15等参照)。
【0120】
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機2による遊技内容を説明する。まず、前記打球操作ノブ205の操作によって発射装置500から打玉を発射させる。このようにして発射された打玉は遊技領域207に入り、該遊技領域207を流下していく。該打玉が通過ゲート211aを通ってゲートスイッチ212aで検出されると、表示器210に停止表示されている普通図柄が可変開始する。なお、表示器210の可変表示中に打玉が通過ゲート211aを通過した場合にはその通過が記憶され、表示器210が停止して再度変動を開始可能な状態になってから前記通過記憶を「1」減算して表示器210が可変表示制御される。この通過記憶の上限はたとえば「4」に定められており、現時点での通過記憶数が通過記憶表示器(図示せず、なお、可変表示部209において表示してもよい)により表示される。
【0121】
また、打玉が始動入賞口214に入賞し、始動入賞口スイッチ217で検出されると、特別図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示部209に表示される特別図柄がスクロールを始める。たとえば、すでに可変表示が開始されて特別図柄が変動中である等の理由によって特別図柄の変動をすぐに開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を一つ増やす。
【0122】
表示器210の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特定の表示結果(例えば、前記「○」に対応する向かって左側のLEDが点灯)となった場合に、始動入賞口214に設けられた可動片215が所定時間開成して、パチンコ玉が該始動入賞口214に入賞し易くなる遊技者にとって有利な状態となる。
【0123】
この始動入賞口214にパチンコ玉が入賞して始動入賞口スイッチ217で検出されると、特別図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示装置208の可変表示部209において全特別図柄が可変表示(変動表示)を開始する。そして、その後、可変表示部209を形成するLED表示器の9エリアの特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777)が所定のライン上に揃った場合に、該表示態様に該当する秒数の間、前記役物装置269の可動片269aが開放され、打玉が前記回転体269cの上面に流入可能となる。
【0124】
この可動片269aの開放中に前記回転体269cの上面に流入した打玉のいずれか1つが前記V入賞口269dに入賞した場合に、特定遊技状態(大当り状態)が発生する。このように可動片269aの開放がなされる特定の表示態様は、大当り図柄と呼ばれ、この例では予め複数種類定められている。
【0125】
このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置219の開閉板220が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過、或いは打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞、のいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、遊技者にとって不利な第2の状態となる。第1の状態となっている可変入賞球装置219の大入賞口内に進入した打玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞してVカウントスイッチ222により検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って開閉板220が開成されて再度第1の状態となる。この第1の状態の繰返し継続制御は、本実施形態では最大15回まで実行可能とされている。このような最大15回実行可能である第1の状態となっている時期は、繰返し継続制御のラウンド(回)と呼ばれる。この例では、繰返し継続制御は、第1ラウンドから最大第15ラウンドまで繰返し実行可能である。
【0126】
また、可変表示装置208の可変表示部209で可変表示された9つのエリアの特別図柄が同じ図柄の種類に一致した大当り図柄の組合せで停止表示されたときには前述したように大当りが発生するが、その大当り図柄が複数のライン、或いは全ての9つのエリアに異なる特別図柄が表示された場合において、前記V入賞口269dへの入賞が為された場合には、通常遊技状態に比べて大当りが発生する確率が高く変動した確率変動状態(以下、確変状態ともいう)となる。このような確率変動状態の発生のきっかけとなる特別の表示態様の大当り図柄は、確変図柄と呼ばれる。以下、確変図柄により発生する大当りを確変大当りといい、確変図柄以外の大当り図柄(非確変図柄)により発生する大当りである通常大当りと区別している。
【0127】
通常遊技状態中に、一旦、確変大当りが発生すると、その確率変動状態は、たとえば、少なくとも予め定められた確変継続回数(たとえば、1回、あるいは2回)分の大当りが発生するまで確率変動状態に継続制御される。また、確率変動状態中に確変大当りが発生すれば、その確変大当り以降、改めて確変継続回数が計数され、その後、少なくとも確変継続回数だけ大当りが発生するまで確率変動状態が継続する。そして、確変継続回数に達した大当りが確変図柄以外の非確変図柄によるものであった場合には、確率変動の生じていない通常遊技状態に戻る。
【0128】
可変表示装置208の可変表示部209においては、リーチ状態が発生する場合がある。ここで、「リーチ状態」とは、可変表示装置208の可変表示部209が可変開始された後、表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をいう。言い換えれば、リーチとは、前記可変表示装置208の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、前記特定の表示態様の組合せが表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、前記特定の表示態様の組合せが揃った状態を維持しながら複数の前記可変表示部209による可変表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
【0129】
また、リーチ状態とは、可変表示装置208の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の可変表示領域209の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
【0130】
また、役物装置269の可動片269aの開閉は、第2通過ゲート211b並びに第3通過ゲート211cの通過によっても実施され、該開閉により前記回転体269cの上面に打玉が流入し、V入賞口269dに入賞した場合にも大当り状態(特定遊技状態)が発生するが、この場合には、前記繰返し継続制御が、第1ラウンドから最大第8ラウンドまで繰返し実行可能とされる。尚、これら大当り中に可変表示部209の表示結果が、特定の表示態様(たとえば777)となった場合には、大当りの終了をまって、前記可動片269aの開放が実施されるようになっている。
【0131】
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
前述したように、本実施形態における遊技領域207は、遊技領域の横幅が最大となる最大横幅HLが下方向に亘って保たれた区間H3とかかる最大横幅HLとの関係が、HL/2<H3の関係となるように形成されている。これにより、遊技領域の縦横を効率的にバランスよく拡大することができ、遊技盤206の前面側に配置される役物等のレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0132】
前述したように、本実施形態における遊技領域207は、かかる遊技領域207の最大横幅HLを形成する最上方の直線22上から、遊技領域207内の最上端までの最短距離H4と、遊技領域207内の下方に設けられているアウト口226の上端までの最短距離H2との関係が、H4<H2の関係となるように構成されている。これにより、直線22より上方に位置する遊技領域と、下方に位置する遊技領域とのバランスを一定に保つことができ、遊技領域207をバランスよく拡大することができる。
【0133】
前述したように、発射装置500と発射レール508を直線22より上方で遊技領域207外となるように設けたため、発射装置500と発射レール508との位置関係を考慮しなくてすみ、従来の遊技機のサイズを維持したまま、遊技領域207がHL/2<H2の関係となるように下方向に拡大することができる。また、ファール球受入口295aが発射レール508に設けられており、ファール球受入口295aを介してファール球流路295に導き打球供給皿203、または、余剰玉受皿204に流入させることができ、発射不具合によるファール球の損失も防止することができる。
【0134】
前述したように、本実施形態における遊技盤206の裏面側に表示制御基板280等の演出制御基板を設置し、ガラス扉202の下部裏面に表示駆動基板280’等の演出駆動基板を設置する例について説明した。これにより、遊技領域207の拡大にともない大型の役物や入賞口等の数を増やし、並設させたときにおいても、遊技盤206の裏面側の配置スペースに余裕が生まれ、遊技盤206の前面側だけでなく裏面側の各基板レイアウトの自由度を向上させることができる。さらに、パチンコ遊技機2を入れ替えるときには、遊技盤206に設置されている表示制御基板280等のみを交換すればたり、表示駆動基板280’等を交換する必要がないため、効率的かつ経済的に遊技場経営を行なうことができる。
【0135】
前述したように、発射装置500、揚送路402、ファール球流路295を、遊技領域207との位置関係においてそれぞれ、発射装置500を遊技盤206の向かって左側で遊技領域207の最大横幅HLを形成する直線22より上方に配置し、揚送路402とファール球流路295を、上皿連通口274とアウト口226との間を避け、直線22の左端20を鉛直下向きに延ばしてできる線よりも左側の領域に設けている。これにより、遊技領域207を従来のパチンコ遊技機の遊技領域と比較して下方に大きく拡大させることができ、役物装置269,可変入賞球装置219等の大型の役物を下方に並列して設置することが可能となり、遊技領域207のレイアウトの自由度をさらに向上させることができる。また、斬新で迫力ある遊技演出を遊技者に提供することができる。さらに、遊技領域を拡大したときにおいても、ファール球流路295が設けられているため、発射装置500等の発射不具合が発生することにより、かかるファール球を損失してしまうことを防止することができる。
【0136】
前述したように、揚送路402、ファール球流路295は遊技盤206の前面に設けられているため、たとえば、揚送路402において、打玉がスクリュー403と揚送路ケース402の内壁面に挟まれ、遊技を続行することができなくなったようなときのような不都合が発生したときにおいても、ガラス扉枠202を開放するだけでメンテナンスを行なうことができるため、メンテナンスが容易に行なえるとともに作業時間を短縮しすばやい復旧を実現することができる。
【0137】
前述したように、発射装置駆動モータであるカム駆動モータ511と、揚送手段駆動モータである揚送ユニット400の駆動モータ410とを、入力された駆動信号によって同一の回転をする同一のサーボモータとすることで、各駆動モータからの駆動力を伝達するギアの比率設定により、容易且つ確実に発射装置500と揚送ユニット400との同期連動を実現できるようになるため、これら同期連動を行なうための複雑な制御機構を設ける必要がなく、よって構成の複雑化並びにコストアップを回避できる。また、駆動モータ410とカム駆動モータ511とを連続的に回転させることにより、一定間隔で打玉を連続的に発射させることができる。これにより、駆動モータ410とカム駆動モータ511とを回転させたり停止させたりすることにより遊技が行なわれるように制御した場合と比べ、電力消費量を低下させ、かつモータが故障する確率を低減させることができる。
【0138】
第2実施形態
次に、第2実施形態を説明する。前述した第1実施形態では、揚送路402とファール球流路295を遊技盤206の前面側において並設し、かつ、遊技領域207を吊鐘形状となるように拡大させ、それにともない遊技盤206の裏面側における配置スペースを確保するために複数の演出制御基板と複数の演出駆動基板をそれぞれ別個に配置させた例について説明したが、この第2実施形態においては、遊技盤206’の前面側にファール球受入口を設け、遊技盤206’の裏面側にファール球通路を設けることにより遊技領域をさらに拡大させるとともに、この拡大にともない遊技盤206’の裏面側における配置スペースを確保するためにひとつの演出制御基板と演出用電気部品の種類に対応する演出駆動基板をそれぞれ別個に配置させたパチンコ遊技機2’について説明する。
【0139】
図17は、本実施形態におけるパチンコ遊技機2’におけるガラス扉枠202’の開放状態を説明するための図である。なお、ここでは第1実施形態において説明した内容と重複するところは同一の番号を付して省略する。また、図中の点線は、遊技盤の裏面側に設けられた装置等を示しているものとする。
【0140】
前記ガラス扉枠202の内方には、図2で説明したと同様に、遊技盤206’が着脱可能に取付けられている。かかる遊技盤206’の裏面側には、前記発射装置500にて打ち出されたが、発射勢いが弱いために前記遊技領域207’に到達しなかったファール球を余剰玉受皿204’に流下させるためのファール球流路295’(点線部参照)が設けられている。一方、遊技盤206’の前面側には、前記揚送ユニット400を構成する揚送路402が設けられており、さらにその側方上部には該ファール球流路295’にファール球を誘導する受入れ口となるファール球受入口295a’が発射レール(図11の発射レール508参照)に近設して設けられている。これにより、遊技領域207’の側方にファール球流路295’を通過させる必要がなくなり、本実施形態における遊技領域207’を従来のパチンコ遊技機の遊技領域と比較して下方と横方向に大きく拡大させ大型の役物を設置することができる遊技機を提供することができる。なお、本実施形態においても、前記遊技盤206’の前面に形成された遊技領域207’は、遊技領域の最大横幅HL’とかかる最大横幅HL’が上下方向に亘って保たれた区間H3’との関係が、HL’/2<H3’の関係となるように形成されている。
【0141】
ここで、本実施形態におけるパチンコ球の流れを簡単に説明すると、まず、図示しない遊技島から球タンク238’内に供給されたパチンコ球は、パチンコ遊技機2’に向かって右側に誘導するように設けられている誘導樋239’と、かかる誘導樋239’に連設されている球供給通路245’内を流下して玉払出し装置297’に供給される。入賞や遊技者による球貸要求に応じて玉払出し装置297’から払い出されたパチンコ球は、払出し通路273’、上皿連通口274’、連通路607’及び図示しないガラス扉枠202に形成された払出し口608’からなる払出し遊技媒体誘導路を介して、図中仮想線で示される打球供給皿203’の右側端部の傾斜上位部に払い出されることになる。
【0142】
打球供給皿203’に払い出されたパチンコ球、あるいは遊技者により載置されたパチンコ球(持ち玉)は、図中仮想矢印で示されるように図中右側から左側に向かって流下し、図示しないガラス扉枠202に形成された取込口604’から内部に取り込まれ、さらにこの取込口604’に対向する取込連通口606’から取込球通路605’内に流下する。
【0143】
取込球通路605’内に流下したパチンコ球は、下部ユニット401から揚送ユニット400内の揚送スクリュー403により、その上方の発射装置500まで揚送される。発射装置500に供給されたパチンコ球は、遊技者による打球操作ハンドル205による操作に応じて、遊技領域207’の左側上部から内側に向けて適宜打ち出される。
【0144】
次に、パチンコ遊技機2’の背面の構造について説明する。図18はパチンコ遊技機2’ならびにカードユニット3’の内部構造を示す全体背面図であり、図19は遊技制御基板731における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、ここでは第1実施形態において説明した内容と重複するところは同一の番号を付して省略する。
【0145】
まず図18を参照して、パチンコ遊技機2’の遊技盤206’の裏面側には、機構盤236’や、遊技制御基板ボックス732に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されており遊技の進行を制御する遊技制御手段としての遊技制御基板731や、可変表示部209’の表示制御や、遊技効果LED228a’、遊技効果ランプ228b’,228c’等の点灯制御や、スピーカ227’から出力する音声制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板780、パチンコ玉の払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータが搭載された賞球制御基板737が設置されている。さらに、機構盤236’の上部位置の向かって左側角部位置には、前記揚送ユニット400並びに発射装置500の動作制御を行なうマイクロコンピュータが搭載された発射揚送制御基板291とが設けられている。なお、本実施形態におけるマイクロコンピュータとは、たとえば、CPU(Central Processing Unit )やI/Oポート等が遊技制御用マイクロコンピュータと同様にそれぞれ搭載されてており、演出制御基板780は遊技制御基板731から送信される制御コマンドにもとづいて複数種類の演出用電気部品の制御を統括して行なっている。また、かかる演出制御基板780から送信される信号にもとづきそれぞれの演出用電気部品の種類に対応する駆動回路を搭載した表示駆動基板280’、ランプ駆動基板235’、および音駆動基板270’とが、ガラス扉枠202の下部裏面に設けられている。このように、演出駆動制御手段を演出制御基板780とこれらに接続された表示駆動基板280’とランプ駆動基板235’と音駆動基板270’となるように別々の基板となるように構成しているため、遊技領域が広くなったことにともない設置できる大型の役物装置269や可変入賞球装置219を並設したときにおいても、かかる装置の裏側の構造上の都合により、遊技制御基板731と演出制御基板780等とのレイアウトの自由度が奪われてしまう不都合を防止することができる。また、1つの演出制御用CPUを搭載した演出制御基板780により複数種類の演出用電気部品の制御が行なわれるため、演出用電気部品による演出内容を統合化させ、種類の異なる演出電気部品間において整合性の取れていない質の悪い遊技演出が提供されることを未然に防止することができる。さらに、遊技機を入れ替えるときにおいて、表示駆動基板280’とランプ駆動基板235’と音駆動基板270’を交換する必要がなく、遊技盤206’の裏面側に設置されている演出制御基板780等を交換し、効率的かつ経済的に遊技場経営を行なうことができる。
【0146】
次に、図19を参照して、制御基板として、遊技制御基板(主基板ともいう)731、賞球制御基板737、演出制御基板780、表示駆動基板280’、ランプ駆動基板235’、および音声駆動基板270’が示されている。
【0147】
本実施形態における遊技制御基板731から演出制御基板780には、可変表示装置208’の可変表示部209’の表示制御に関する指令情報としての表示制御コマンドデータと、遊技効果LED228a’等の点灯制御に関する指令情報としてのランプ制御コマンドデータと、スピーカ227’から出力される効果音等の音声制御に関する指令情報としての音声制御用コマンドデータと、ストローブ信号としての割込信号とが伝送される。演出制御基板780には、受信された制御コマンドデータにしたがって複数種類の演出用電気部品のうちのいずれを制御するための制御コマンドデータであるかを解析し制御コマンドデータに対応する演出用電気部品を統括して制御する演出制御用CPU780aと、かかる解析制御処理のプログラムや画像データ・点灯点滅パターンデータ・音声発生パターンデータが記憶されているROM(図示省略)が少なくとも搭載されている。
【0148】
まず、演出制御用CPU780aは受信した制御コマンドがいずれの制御コマンドデータであるかを判定する処理が行なわれる。かかる処理において表示制御コマンドデータであると判断されたときには、前述したようなVDPの構成要素に信号を与え、VDPはROMから必要なデータを読み出す。さらにVDPは、読み出されたデータにしたがって可変表示装置208’に表示するための画像データを生成し、R,G,B信号および同期信号を表示駆動基板280’に出力する処理がなされる。
【0149】
また、解析処理においてランプ制御コマンドデータであると判断されたときには、ROMに記憶されているプログラムにしたがって受信したランプ制御コマンドデータに対応する点灯点滅パターンデータの制御信号を生成し、かかる制御信号および同期信号をランプ駆動基板235’に出力する処理がなされる。
【0150】
解析処理において音声制御コマンドであると判断されたときにも同様に、ROMに記憶されているプログラムにしたがって受信した音声制御コマンドデータまたは音声制御コマンドデータに対応する音声発生パターンデータの制御信号を生成し、かかる制御信号および同期信号を音声駆動基板270’に出力する処理がなされる。
【0151】
以上、複数種類の演出用電気部品の制御を行なうための演出制御基板780と、複数種類の演出用電気部品の駆動を行なうための表示駆動基板280’とランプ駆動基板235’と音声駆動基板270’とにより、遊技制御基板731から送信される各種制御コマンドデータにしたがって複数種類の演出用電気部品を駆動制御する演出駆動制御手段が構成されている。これにより、遊技領域207’の拡大にともない大型の役物装置269等を複数配置させたときにおいても、演出制御手段としての演出制御基板780を遊技盤206’の裏面側に配置し、演出駆動手段としての表示駆動基板280’,ランプ駆動基板235’,音声駆動基板270’をガラス扉枠202の下部裏面にそれぞれ分けて設置することができるため、遊技盤206’の裏面の配置スペースに余裕が生まれ、基板レイアウトの自由度を向上させることができる。また、パチンコ遊技機2’を入れ替えるときにおいても、遊技盤206’の裏面側に設置されている演出制御手段としての演出制御基板780を交換すればよく、演出駆動手段としての表示駆動基板280’等を交換する必要がないため、効率的かつ経済的に遊技場経営を行なうことができる。
【0152】
また、以上に示した第2実施形態については、前述した第1実施形態と共通する技術思想による構成について、前述した第1実施形態の場合と同様の技術的効果を得ることができる。
【0153】
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施形態においては、遊技盤の裏面側に演出制御手段としての表示制御基板等や演出制御基板を設置し、遊技盤の裏面とは異なるガラス扉202の下部裏面に演出駆動手段としての表示駆動基板等を設置する例について説明したが、設置する位置はこれに限らず、遊技領域に大きな役物や入賞口を配置させたときであっても、演出制御駆動手段を演出制御基板と演出駆動基板とに分けることにより、遊技機裏側の基板等のレイアウトの自由度が奪われる不都合を未然に防止するような位置に設置されてあればよい。たとえば、遊技盤の裏側に向かって左側で開閉自在に軸支されたドライバ枠なるものを設け、かかるドライバ枠に演出駆動手段としての表示駆動基板等を設置するようにしてもよい。
【0154】
(2) 前述した実施形態においては、領域を大きく拡大させた遊技領域の形状として、吊鐘形状のものについて説明したが、これに限らず、遊技領域の形状の一部分に弧状となる部分を含むような形状であり、かつ、HL/2<H3の関係が成り立つような遊技領域であればどのような形状であってもよい。図20は、遊技領域の形状の他の例を具体的に説明するための図である。図20(a)は、一方の楕円の短軸の長さと他方の楕円の長軸の長さが同一となる大きさの異なる2つの楕円のうち、小さい楕円を長軸方向に沿って切断し、大きな楕円を短軸に沿って切断し、できた2つの半楕円の切断面を組み合わせるようにしてできた形状である。また、図20(b)は、半円の直線部分と台形の底辺部分を組み合わせるようにしてできた形状である。いずれの形状においても、HL/2<H2の関係を満たし、下方向に拡大した遊技領域を構成することができる。
【0155】
(3) 前述した実施形態においては、発射装置や揚送装置をパチンコ遊技機に向かって左側に設けた例について説明したが、これに限らず、パチンコ遊技機に向かって右側に設けてもよい。図21は、パチンコ遊技機2”におけるガラス扉枠202”の開放状態を説明するための図である。かかるパチンコ遊技機2”の構造は、第2実施形態の説明に用いた図17の構造と左右対称の構造となっており、発射装置500”や揚送装置400”等がパチンコ遊技機2”に向かって右側に、払出装置297”や上皿連通口274”等がパチンコ遊技機2”に向かって左側に設けられている。すなわち、本発明における発射装置は、最大横幅HLの左端と右端とを結ぶ直線より上方で、かつ、遊技領域以外の領域に設けられていればどのような位置に配置されてもよい。たとえば、遊技領域の上端部分から遊技領域に打玉を発射するような位置に配置されてもよく、また、遊技領域の裏側から遊技領域に打玉を発射するような位置に配置されてもよい。また、本発明における揚送装置は、揚送装置に含まれる揚送路が最大横幅HLをなす左端より左側、または、右端より右側の領域内に設けられていればよい。また、第2実施形態において説明したファール球流路のように、揚送路を遊技盤の裏面側に設けるような構成にしてもよい。これにより、遊技領域を左右方向にさらに拡大することができ、さらに大型の役物装置や数多くの役物、入賞口を設置することができるため、遊技領域のレイアウトの自由度をさらに向上させることができる。
【0156】
(4) 前述した実施形態においては、遊技盤206の下方に露出する遊技盤取付板に誘導傾斜樋283を設けたが、これに限定されるものではなく、これら誘導傾斜樋283を前記打球供給皿203と一体に形成してコスト低減を図るようにしても良い。
【0157】
(5) 前述した実施形態においては、揚送手段として揚送スクリュー403にてパチンコ球を単独揚送するようにしているが、これら揚送スクリュー403による揚送ユニット400に限定されるものではなく、これら揚送手段としては、パチンコ球を揚送可能なもの、例えば揚送スプロケットにより揚送管内を数珠繋ぎ状態にパチンコ球を揚送する揚送装置や、パチンコ球を単体にて揚送可能なリニア揚送装置のように、着磁位置を順次移動させることでパチンコ球を揚送するものや、パチンコ球を収容する収容バケットを回動ベルト等に設けたリフト揚送装置等の揚送装置を使用しても良い。
【0158】
(6) 前述した実施形態においては、誘導傾斜樋283を設けることで、該誘導傾斜樋283にて整列された打玉が球供給スプロケット413へ供給され、より安定したパチンコ球の供給を得ることができようにしているが、これに限定されるものではなく、これら誘導傾斜樋283を有しない構成としても良い。
【0159】
(7) 前述した実施形態においては、前記球供給スプロケット413に供給されるパチンコ球の球圧を緩和するためにクランク流路416を設けており、このようにすることは、これら球供給スプロケット413に供給される球圧が高いことに伴うパチンコ球の供給不具合の発生を回避することができることから好ましいが、これに限定されるものではなく、これらクランク流路416を有しない構成としても良い。
【0160】
(8) 前述した実施形態においては、揚送球供給手段として前記球供給スプロケット413を設けて、揚送手段である揚送ユニット400にパチンコ球を1つずつ供給するようにしているが、これに限定されるものではなく、これら球供給スプロケット413を有しない構成としても良い。
【0161】
(9) 前述した実施形態においては、揚送手段である揚送ユニット400を、ガラス扉枠202を開放することで、揚送ユニット400が露出するように、遊技盤206の前面側に設けており、このようにすることは、遊技盤206の裏面側に配置形成される流路部材である機構盤236等の制約を受けることなく揚送手段を設置できるとともに、揚送手段の不具合への対応やメンテナンスを、前記ガラス扉枠202を開放することで迅速かつ簡便に実施できることから好ましいが、これに限定されるものではなく、これら揚送手段を遊技盤206の裏面側に配置形成しても良い。
【0162】
(10) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機およびカードユニットを正面から見た正面図である。
【図2】パチンコ遊技機におけるガラス扉枠の開放状態を示す図である。
【図3】パチンコ遊技機およびカードユニットの裏面から見た全体背面図である。
【図4】パチンコ遊技機における機構盤によるパチンコ球流路を示す図である。
【図5】パチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】パチンコ遊技機における発射揚送制御基板の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】パチンコ遊技機の前面下部部分の構成を示す拡大図である。
【図8】揚送装置ならびに発射装置を説明するための側断面図である。
【図9】揚送装置の下端部分を説明するための透視斜視図である。
【図10】揚送装置へのパチンコ球の供給状況を説明するための図である。
【図11】発射装置における発射状況を説明するための図である。
【図12】発射装置におけるファール球の取込状況を説明するための図である。
【図13】待機球返却部を説明するための上面図である。
【図14】パチンコ遊技機における通常時の遊技球の流れを示す図である。
【図15】パチンコ遊技機におけるファール球の流れを示す図である。
【図16】パチンコ遊技機における待機球返却時の遊技球の流れを示す図である。
【図17】第2実施形態におけるパチンコ遊技機のパチンコ玉の流下経路等を説明するための図である。
【図18】第2実施形態におけるパチンコ遊技機およびカードユニットの裏面から見た全体背面図である。
【図19】第2実施形態におけるパチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図20】変形例としての遊技領域の形状の他の例を具体的に説明するための図である。
【図21】変形例としてのパチンコ遊技機2”におけるガラス扉枠202”の開放状態を説明するための図である。
【符号の説明】
2 パチンコ遊技機、3 カードユニット、14 操作部、202 ガラス扉枠203、206 遊技盤、207 遊技領域、226 アウト口、231,731 遊技制御基板、235 ランプ制御基板、235’ ランプ駆動基板、236 機構盤、269 役物装置、270 音声制御基板、270’ 音声駆動基板、274 上皿連通口、280 表示制御基板、280’ 表示駆動基板、291 発射揚送制御基板、295 ファール球流路、400 揚送ユニット、500 発射装置、780 演出制御基板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機などで代表される遊技機に関する。詳しくは、遊技盤の前面に形成され、かつ入賞領域を有する遊技領域に遊技球を打込んで遊技が行なわれる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、パチンコ遊技機のような、遊技盤の前面に形成され、かつ入賞領域を有する遊技領域に遊技球を打込んで遊技が行なわれるものがある。
【0003】
このような遊技機において、遊技球を遊技領域に打込むための発射装置として垂直打上げ式の発射装置を採用し遊技盤の下方に発射レールを横切らせる必要をなくすことにより、遊技領域を拡大しようとしたもの(たとえば、特許文献1参照)や、発射装置を遊技領域の下方左側に配置させることにより、縦長な遊技領域を有するもの(たとえば、特許文献2参照)があった。
【0004】
また、遊技領域を拡大させようとしたものではないが、遊技における可変表示演出を盛り上げるために、1つのCPUを搭載した表示制御回路(演出制御基板)によって、可変表示演出と遊技音演出とを制御させようとするもの(たとえば、特許文献3参照)があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−24134号公報(第4頁)
【0006】
【特許文献2】
特公昭58−16910号公報(第2頁)
【0007】
【特許文献3】
特開平07−185084号公報(第5頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような遊技機のうち、遊技領域を拡大しようとしたものや縦長な遊技領域を有するものにおいては、遊技領域の上下高さと横幅との比率が考慮されておらず、さらに遊技領域のバランスを大きく左右する最大横幅を上下高さのどのレベルに置くかといったポイント部分に関してもなんら考慮されていなかったため、遊技領域を効率的にバランスよく拡大させることができなかった。
【0009】
また、遊技領域の拡大にともない大型の役物や入賞口や装飾ランプ等の数を増加させる場合には、遊技盤裏側に設置される基板等の数も増加することとなるため、かかる遊技盤裏側のレイアウトに制約が生じることとなる。このときに、上記したような1つのCPUを搭載した演出制御基板により遊技演出の制御を行なうようにし、基板スペースを最小限に抑えることが考えられる。しかし、このような基板を用いたときには、遊技機を入れ替えるときに遊技盤に設置されているドライバ回路を含む演出制御基板を交換する必要があり、極めて非効率的かつ非経済的となってしまう不都合が生じていた。なお、かかる不都合は、より最新の遊技台による遊技を遊技者に提供しようとする傾向にある近年の遊技場経営に及ぼす影響は大きく、なんらかの解決策が望まれるところであった。
【0010】
この発明は上述の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、現状の遊技機枠の大きさを変更することなく遊技領域を効率的にバランスよく拡大し、役物の配置等の盤面構成の自由度を向上させるとともに、遊技機裏面側の基板等のレイアウトに制約を受け難い遊技機を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 遊技盤(遊技盤206)の前面に形成され、かつ入賞領域(始動入賞口214等)を有する遊技領域(遊技領域207)に遊技球(たとえば、パチンコ球)を打込んで遊技が行なわれる遊技機(たとえば、パチンコ遊技機2)であって、
前記遊技領域内の下方(たとえば、遊技領域内の最下方位置)に設けられており、前記遊技領域内に打込まれた遊技球のうち前記入賞領域に入賞しなかった遊技球を遊技領域外に排出するためのアウト口(たとえば、アウト口226)を備えており、
前記遊技領域は、該遊技領域の上方から下方に向けて遊技領域の横幅が最大となる箇所の最大横幅HL(最大横幅HL)と該最大横幅HLが下方向に亘って保たれた区間H3(区間H3)との関係がHL/2<H3となるように前記遊技盤の前面に形成されている(図2の遊技領域207を参照)。
【0012】
上述の構成によれば、従来の遊技機のサイズを維持した場合に、遊技領域がHL/2<H3の関係となるように縦横を効率的にバランスよく下方向に最大横幅を保ったまま拡大することができる。これにより、遊技盤前面のレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0013】
(2) 前記遊技領域は、前記区間H3の上端部(上方端部)における左端(左端20)と右端(右端21)とを結ぶ仮想直線(直線22)上から前記遊技領域内の上端(上端23)までの最短距離H4(最短距離H4)と前記アウト口端までの最短距離H2(最短距離H2)との関係がH4<H2となるように前記遊技盤の前面に形成されている(図2の遊技領域207を参照)。
【0014】
上述の構成によれば、遊技領域がH4<H2の関係となるように下方向に拡大することができる。これにより、仮想直線より上方に位置する遊技領域と、下方に位置する遊技領域とのバランスを一定範囲に保ちつつ、遊技領域を拡大することができる。
【0015】
(3) 遊技球を前記遊技領域内に打ち込むための発射装置(たとえば、発射装置500)と、
前記発射装置により発射された球を遊技領域へ導く発射球通路(たとえば、発射レール508)と、
前記発射装置により発射されたが前記遊技領域に到達しなかったファール球を受入れるファール球受入口(たとえば、ファール球受入口295a、295a’等参照)とがさらに備えられており、
前記発射装置と前記発射球通路は、前記最大横幅HLの左端(左端20)と右端(右端21)とを結ぶ仮想直線(直線22)より上方で、かつ遊技領域外に設けられており(図2参照)、
前記ファール球受入口は、前記発射球通路に設けられている(図12、図17参照)。
【0016】
上述の構成によれば、発射装置と発射球通路を仮想直線より上方で遊技領域外に設けているため、発射装置と通路との位置関係を考慮しなくてすみ、従来の遊技機のサイズを維持したまま、遊技領域がHL/2<H3の関係となるように下方向に拡大することができる。また、ファール球受入口が発射球通路に設けられているため、発射不具合によるファール球の損失も防止することができる。
【0017】
(4) 遊技の進行を制御する遊技制御手段(たとえば、遊技制御基板231)と、
前記遊技制御手段からのコマンド(たとえば、制御コマンド等)にしたがって複数種類の演出用電気部品(たとえば、可変表示装置208,遊技効果LED228a,スピーカ227等)を駆動制御する演出駆動制御手段とを備え、
前記演出駆動制御手段は、
前記複数種類の演出用電気部品の制御を行なう演出制御用セントラルプロセッシングユニット(たとえば、CPU)を搭載した1つの演出制御基板(図18の演出制御基板780等参照)と、
前記複数種類の演出用電気部品の駆動を行なう駆動回路(たとえば、増幅用トランジスタ等)を搭載したドライバ基板(図18の表示駆動基板280’,ランプ駆動基板235’,音声駆動基板270’等参照)とを含む。
【0018】
上述の構成によれば、演出制御基板が1つの演出制御用セントラルプロセッシングユニットを搭載した基板から構成されている。これにより、遊技領域の拡大にともない大型の役物や入賞口等の数が増加したときにおいても、遊技機裏側の配置に余裕が生まれ、基板レイアウトの自由度を向上させることができる。また、1つの演出制御用セントラルプロセッシングユニットを搭載した演出制御基板により演出用電気部品の制御が行なわれるため、演出用電気部品による演出内容を統合化させることができる。さらに、遊技機を入れ替えるときには、遊技盤に設置されている演出制御基板のみを交換すればよく、ドライバ基板を交換する必要がないため、効率的かつ経済的に遊技場経営を行なうことができる。
【0019】
(5) 遊技の進行を制御する遊技制御手段(たとえば、遊技制御基板231)と、
前記遊技制御手段からのコマンド(たとえば、制御コマンド等)にしたがって複数種類の演出用電気部品(たとえば、可変表示装置208,遊技効果LED228a,スピーカ227等)を駆動制御する演出駆動制御手段とを備え、
前記演出駆動制御手段は、
前記複数種類の演出用電気部品の制御を行なう演出制御用セントラルプロセッシングユニット(たとえば、CPU)をそれぞれ搭載した複数の演出制御基板(図3の表示制御基板280,ランプ制御基板270,音声制御基板235等参照)と、
前記複数種類の演出用電気部品の駆動を行なう駆動回路(たとえば、増幅用トランジスタ等)を搭載したドライバ基板(図3の表示駆動基板280’,ランプ駆動基板235’,音声駆動基板270’等参照)とを含む。
【0020】
上述の構成によれば、演出駆動制御手段が演出制御基板とドライバ基板を含むような構成になっている。これにより、遊技領域の拡大にともない大型の役物や入賞口等の数が増加したときにおいても、複数の演出制御基板を遊技盤の裏側に配置し、ドライバ基板を別に配置させることができるため、遊技機裏側の配置に余裕が生まれ、基板レイアウトの自由度を向上させることができる。また、遊技機を入れ替えるときには、遊技盤に設置されている演出制御基板のみを交換すればたり、ドライバ基板を交換する必要がないため、効率的かつ経済的に遊技場経営を行なうことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、遊技盤の前面に形成され、かつ入賞領域を有する遊技領域に遊技球を打込んで遊技が行なわれる遊技機であれば他の遊技機においても適用することが可能である。
【0022】
第1実施形態
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機2およびこれに対応して設置されたカードユニット3の正面図である。本実施形態の遊技機であるパチンコ遊技機2は、該パチンコ遊技機2の側部位置に1対1にて配置される遊技用装置であるカードユニット3とともに、図示しない遊技島の前後面に複数並設されて使用される。
【0023】
これらパチンコ遊技機2並びにカードユニット3が並設される遊技島の内部には、前記各パチンコ遊技機2にパチンコ玉を供給する供給樋や、前記各パチンコ遊技機2にて使用され、排出されたパチンコ玉を集めて前記供給樋に揚送する揚送装置等(図2等を用いて後述)が設けられているとともに、高さ方向の中央付近には前記各カードユニット3より排出された紙幣を所定方向島端に設けられた回収ボックス(図示省略)に搬送可能な紙幣搬送路(図示省略)や、同様に前記各カードユニット3より排出された硬貨及びプリペイドカードを前記所定方向島端の回収ボックスに混合搬送可能な混合搬送路(図示省略)が設けられている。
【0024】
本実施形態における遊技機であるパチンコ遊技機2を図にもとづいて説明すると、該パチンコ遊技機2は、図1に示すように、額縁状に形成されたガラス扉枠202を有し、該ガラス扉枠202の下部前面には、貸し出された球並びに払い出された賞球を貯留するための打球供給皿203(図7を用いて後述)がある。打球供給皿203の上面所定箇所には操作部14が設けられているとともに、打球供給皿203の下部には、打球供給皿203から溢れた賞球を貯留する余剰玉受皿204と打球を発射する打球操作ハンドル(以下、操作ノブという)205とが設けられている。また、本実施形態における打球供給皿203の左側面所定箇所には後述する待機球返却樋242にパチンコ球を流入させ余剰玉受皿204にパチンコ球を変換させるための操作ボタン296が設けられている。さらに、前記ガラス扉枠202の右側下部には、ガラス扉枠202を開放操作するためのシリンダ錠241が設けられている。なお、ガラス扉枠202の後方には、遊技盤206が着脱可能に取付けられている。また、かかる遊技盤206の前面には識別情報等を可変表示可能な可変表示装置208や打込まれた打玉を排出するためのアウト口226等が配置されている遊技領域207が設けられている。これについては、図2を用いて後述する。
【0025】
さらに、遊技領域207の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ227が設けられているとともに、遊技領域207の外周には、遊技効果LED228aおよび遊技効果ランプ228b、228cが設けられている。そして、本実施形態では、一方のスピーカ227の近傍に、賞球払出時に点灯する賞球ランプ251が設けられ、他方のスピーカ227の近傍に、補給玉が切れたときに点灯する玉切れランプ252が設けられている。
【0026】
さらに、図1には、パチンコ遊技機2に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることにより玉貸を可能にするカードユニット3も示されている。カードユニット3には、カード利用可表示ランプ301が設けられており、カードユニット3が使用可能な状態にある旨が、このカード利用可表示ランプ301の点灯または点滅により遊技者に知らされる。このカードユニット3は、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1の間に挿入された状態で設置されており、左右どちらの遊技機に接続されているかが連結台方向表示器303により表示される。
【0027】
遊技者がカード残高の記録されたプリペイドカードをカード挿入口315に挿入すると、そのプリペイドカードに記録されているカード残高が読取られる。次に、遊技者が所定の貸玉操作を行なうことにより、予め入力設定されている貸出単位額分の残高が減額されるとともに、その貸出単位額分の打玉がパチンコ遊技機2の打球供給皿203に貸出される。
【0028】
カードユニット3には端数表示スイッチ302が設けられている。この端数表示スイッチ302を押圧操作することにより、たとえばカード残高やエラーが発生した場合のエラーコードなどの情報がパチンコ遊技機2に設けられた情報表示器(図示省略)に表示される。図中306はカードユニット錠であり、このカードユニット錠306に所定のキーを挿入して解錠操作することにより、カードユニット3の前面側を開成できるように構成されている。
【0029】
図2は、パチンコ遊技機におけるガラス扉枠の開放状態を説明するための図である。
【0030】
前記ガラス扉枠202の内方には、図2に示すように、遊技盤206が着脱可能に取付けられているとともに、該遊技盤206の向かって左側方上部位置には、該遊技盤206に向けてパチンコ球を発射するための発射装置500と、前記打球供給皿203に貯留されているパチンコ球を該発射装置500に揚送するための揚送ユニット400とを収容する遊技盤収容枠601が設けられており、前記打球供給皿203に貯留されているパチンコ球は、前記打球供給皿203の下方位置に揚送ユニット400の下端位置に向けて傾斜するように設けられた誘導傾斜樋283に、誘導傾斜樋流入口230(図7等参照)から流入し、該誘導傾斜樋283を流下して揚送ユニット400の下端位置に設けられている下部ユニット401に供給され、該揚送ユニット400にて発射装置500に揚送、供給されて前記遊技盤206の前面に形成された遊技領域207に打ち出される(図14等参照)。
【0031】
また、前記揚送ユニット400を構成する揚送路402の側方位置には、前記発射装置500にて打ち出されたが、発射勢いが弱いために前記遊技領域207に到達しなかったファール球を流下させるためのファール球流路295と、かかるファール球をファール球流路295に導くためのファール球受入口295aが設けられており、該ファール球流路295の下端部には、前記ガラス扉枠202の開放時に前記打球供給皿203への貸出球或いは賞球の流入口となる上皿連通口274から落下するパチンコ球を受け入れるための箱状のボックス樋289が設けられていて、上皿連通口274から落下し該ボックス樋289に流入したパチンコ球は、該ボックス樋289の下方集約部に後述する余剰球通路271に繋がる連通口298を通じて余剰球通路271に流入して余剰玉受皿204に返却されるようになっている(図15等参照)。なお、本実施形態においては、ファール球流路295は上皿連通口274の左側側方部に繋がっており、ファール球流路295から流下してきたファール球は上皿連通口274を介し、打球供給皿203へ流入するか、または、上皿連通口274から落下したときにはボックス樋289を介し、余剰玉受皿204に返却される例について説明するが、これに限らず、ファール球流路295をボックス樋289に繋ぎ、ファール球を直接余剰玉受皿204に返却されるようにしてもよく、さらには、上皿連通口274やボックス樋289を介さず直接余剰玉受皿204や打球供給皿203に返却するような構造にしてもよい。また、ファール球流路295は上皿連通口274またはボックス樋289のいずれの部分に繋げるように構成してもよく、本実施形態においては、後述するようにファール球流路295が左端20を鉛直下向きに延ばしてできる線よりも左側の領域に設けられ前述した上皿連通口274とアウト口226との間を避けるように設けていればよい。
【0032】
また、揚送ユニット400を構成する揚送路402内にパチンコ球を供給する揚送球供給手段となる下部ユニット401の直近位置となる前記誘導傾斜樋283の終端部位置には、該誘導傾斜樋283並びに前記打球供給皿203に存在するパチンコ球(待機球)を、前記余剰玉受皿204に流下させるための待機球返却部420が設けられており、図8等に示すように、該待機球返却部420に対応する位置となる打球供給皿203の下方左部位置に設けられた返却操作ボタン296を操作することで、パチンコ球(待機球)を返却させることができる。
【0033】
次いで、前記遊技盤206の前面に形成された遊技領域207について説明すると、本実施形態における遊技領域207は、遊技領域の最大横幅HLとかかる最大横幅HLが上下方向に亘って保たれた区間H3との関係が、HL/2<H3の関係となるように形成されている。また、前述した発射装置500、揚送路402、ファール球流路295とかかる遊技領域207との位置関係は、発射装置500を遊技盤206の向かって左側の最大横幅HLを形成する直線22より上方に配置し、揚送路402とファール球流路295を前述した左端20を鉛直下向きに延ばしてできる線よりも左側の領域に設け、前述した上皿連通口274とアウト口226との間を避けるように設けている。これにより、従来のパチンコ遊技機には必要不可欠であった発射装置により発射された打玉を遊技領域まで誘導するための発射レールや前述したファール球流路等を遊技領域の下方を通過させる必要がなくなり、たとえば、本実施形態における遊技領域207に、従来の遊技機の遊技領域の大半をそれだけで占めてしまうような大型の役物を配置させることを可能とするとともに、遊技領域207の形状を吊鐘形状となる見た目にもインパクトのある斬新でより迫力ある遊技演出を遊技者に提供することができる。なお、揚送路402とファール球流路295は、左端20を上端とする鉛直方向への直線24と、右端21を上端とする鉛直方向への直線25とで挟まれた領域を避けた遊技盤206の前面側に設けられてあればよい。
【0034】
さらに、本実施形態における遊技領域207においては、前述した直線22上から遊技領域207内の上端23までの最短距離をH4と、前述したアウト口226の上端までの最短距離H2との関係が、H4<H2の関係となるように構成されている。これにより、遊技領域207の最大横幅HLをなす最上部の直線22より上方に位置する遊技領域と、下方に位置する遊技領域とのバランスを一定に保ちつつ、遊技領域207をバランスよく拡大することができる。
【0035】
この遊技領域207の中央上部付近には、図2に示すように、「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報を可変表示するための可変表示部209と、「普通図柄」と呼ばれる個別図柄(本実施形態では「○」と「×」)が、交互点灯される表示器210とを含む可変表示装置208が設けられている。尚、本実施形態においては、可変表示部209はLCD表示器(液晶表示器)にて形成されていて、特別図柄を可変表示可能とされている。具体的に、可変表示部209の表示エリアにおいては、縦横方向に並ぶ態様で9つの可変表示エリアを表示上形成し、それらのエリアにおいて、各エリアに共通の複数図柄が個々に独立して可変表示される。なお、かかる可変表示部209はLCD表示器により形成されているものに限らず、外周に複数種類の図柄が描かれた回転ドラムを回転駆動する回転ドラム式、表面に複数種類の図柄が描かれたベルトを回転移動させるものや複数種類の図柄が描かれた円盤を回転させるもの(ロタミント)等のその他の機械式(電気的駆動源により駆動される機械式のもの)の可変表示装置であってもよい。
【0036】
また、表示器210は、左右2つのLEDを有し、可変表示部209に表示される特別図柄は、後述するように打玉が始動入賞口214へ始動入賞することにもとづいて可変開始される。一方、可変表示部210に表示される普通図柄は、後述するように打玉が第1通過ゲート211aを通過することにもとづいて可変開始される。なお、かかる表示器210に表示させる普通図柄の可変表示を可変表示部209において表示させるように制御してもよい。
【0037】
また、可変表示部209の下部には、始動入賞口214に入賞した始動入賞球数を記憶して表示する4個の表示部(LED)を有する始動入賞記憶表示器218が設けられている。本実施形態では、4個を上限として、始動入賞が記憶される毎に、始動入賞記憶表示器218のLEDが1つ追加して点灯する。そして、可変表示部209において特別図柄の可変表示が開始される毎に、LEDが1つ滅灯する。なお、かかる始動入賞記憶数は、前述した可変表示部209のLCD表示器において表示するようにしてもよい。たとえば、始動入賞記憶数を漢数字で遊技者に認識可能に報知するような態様や、始動入賞記憶数分のキャラクタを表示し遊技者に認識可能に報知するような態様であってもよい。
【0038】
可変表示装置208の側部には、打玉を導く第1通過ゲート211aが設けられている。第1通過ゲート211aには、第1通過ゲート211aを通過した打玉を検出するゲートスイッチ212aがある。
【0039】
また、始動入賞口214には可動片215が設けられていて、ソレノイド216によって開状態とされ、始動入賞口214に入賞した始動入賞球は、遊技盤206の背面に導かれ、始動ロスイッチ217によって検出される。
【0040】
また、始動入賞口214の下方には、第2通過ゲート211b並びに第3通過ゲート211cが設けられていて、両通過ゲート211b,211cにはそれぞれ、通過した打玉を検出するためのゲートスイッチ212b,212cが設けられており、第2通過ゲート211bを打玉が通過した場合には、遊技領域207の中央下方位置に設けられている役物装置269の可動片269aの開閉動作が2回実施され、第3通過ゲート211cを打玉が通過した場合には、役物装置269の可動片269aの開閉動作が1回実施される。
【0041】
この両通過ゲート211b,211cの下方位置には、開閉板220が設けられた可変入賞球装置219が取付けられている。遊技状態が大当り状態(特定遊技状態)となれば、ソレノイド221によって開閉板220が開成し、可変入賞球装置219の大入賞口が開口する。大入賞口に進入した玉のうち特定入賞領域(Vポケット)に入った入賞球はVカウントスイッチ222で検出される。一方、大入賞口内における特定入賞領域以外の通常入賞領域へ入賞した入賞球はカウントスイッチ223で検出される。
【0042】
また、遊技領域207の中央下部位置には、前述したように役物装置269が設けられており、該役物装置269の左右上部外周には、ソレノイド269bにより開閉される可動片269aが設けられているとともに、その中央位置には、回転体駆動モータ269eにて駆動回転される回転体269cが設けられていて、該回転体269cの上面外周の役物装置269内部中央位置には、打玉が入賞することで遊技状態が大当り状態(特定遊技状態)の発生となるV入賞口269dが形成されており、V入賞口269dに入賞した打玉がV球検出スイッチ269gにより検出されることで大当り状態(特定遊技状態)となる。また、V入賞口269dの両側領域は空隙とされていて、該V入賞口269dに入賞しなかった打玉が該空隙内に落下して入賞球検出スイッチ269fにて検出されるようになっている。
【0043】
また、遊技盤206には、複数の入賞口224a〜cが設けられている。遊技領域207の左右周辺には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ225が設けられ、下部中央には、かかる遊技領域207内に打込まれた打玉のうち前述した各種入賞口に入賞しなかった打玉をかかる遊技領域207外に排出するためのアウト口226が設けられている。
【0044】
次に、パチンコ遊技機2の背面の構造について説明する。図3はパチンコ遊技機2ならびにカードユニット3の内部構造を示す全体背面図であり、図4はパチンコ遊技機2の機構盤によるパチンコ球流路を示す背面図である。
【0045】
まず図3を参照して、パチンコ遊技機2の遊技盤206の裏面側には、機構盤236や、遊技制御基板ボックス232に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されており遊技の進行を制御する遊技制御手段としての遊技制御基板231や、可変表示部209の表示制御を行なう表示制御用マイクロコンピュータが搭載された表示制御基板280を含む可変表示制御ユニット229や、遊技効果LED228a、遊技効果ランプ228b,228c等の点灯制御を行なうランプ制御用マイクロコンピュータが搭載されたランプ制御基板235、スピーカ227から出力する音声制御を行なう音制御用マイクロコンピュータが搭載された音声制御基板270、パチンコ玉の払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータが搭載された賞球制御基板237が設置されている。さらに、機構盤236の上部位置の向かって右側角部位置には、前記揚送ユニット400並びに発射装置500の動作制御を行なうマイクロコンピュータが搭載された発射揚送制御基板291とが設けられている。なお、本実施形態におけるマイクロコンピュータとは、たとえば、CPU(Central Processing Unit )やI/Oポートがそれぞれ搭載されてており、表示制御基板280、ランプ制御基板235、および音制御基板270の制御基板は遊技制御基板231から送信される制御コマンドにもとづいて複数種類の演出用電気部品の制御を行なっている。また、かかる表示制御基板280、ランプ制御基板235、および音制御基板270から送信される信号にもとづきそれぞれの制御基板に対応する演出用電気部品を駆動する駆動回路を搭載した表示駆動基板280’、ランプ駆動基板235’、および音駆動基板270’とが、ガラス扉枠202の下部裏面に設けられている。このように、演出駆動制御手段を表示制御基板280とランプ制御基板235と音声制御基板270とこれらに接続された表示駆動基板280’とランプ駆動基板235’と音駆動基板270’となるように別々の基板となるように構成しているため、遊技領域が広くなったことにともない設置できる大型の役物装置269や可変入賞球装置219を並設したときにおいても、かかる装置の裏側の構造上の都合により、表示制御基板280とランプ制御基板235と音声制御基板270とのレイアウトの自由度が奪われてしまう不都合を防止することができる。また、遊技機を入れ替えるときにおいて、遊技盤に設置されている表示制御基板280とランプ制御基板235と音声制御基板270等を交換し、表示駆動基板280’とランプ駆動基板235’と音駆動基板270’を交換する必要がないため、効率的かつ経済的に遊技場経営を行なうことができる。
【0046】
なお、図3中の290は、各種入賞口への打玉の入賞を検出するための検出スイッチからの信号を前記遊技制御基板231に中継するための枠用スイッチ中継基板である。
【0047】
機構盤236の上部には、球タンク238が設けられ、前記遊技島の前記供給樋より導出された供給管(図示省略)よりパチンコ玉が球タンク238に供給される。球タンク238内のパチンコ玉は、誘導樋239を通って玉払出装置297に供給される。
【0048】
ここで、誘導樋239を通るパチンコ玉の流れについて、図4を参照し説明する。まず、球タンク238からの球を誘導するために設けられている誘導樋239の下流側終端部には、カーブ樋243、球供給樋244を介して2条の球供給通路245が連設されているとともに、この球供給通路245の下端部が、入賞の発生等により付与された賞球の払出や玉貸球の払出を行なう払出装置297に連設されており、誘導樋239を流下するパチンコ球は、取付ボスを支点として揺動自在に垂下されて取り付けられている玉ならし部材249により、上下2段となって流下する球が玉ならし部材249により埋設される重錘の作用によって1段とされるとともに誘導樋239にて2条に分流された後、カーブ樋243により左右方向から下方へ流下方向が変換され、球供給樋244並びに球供給通路245を介して、払出装置297に供給されるようになっている。
【0049】
また、球供給通路245の経路中には球切れスイッチ233が各条に対応して設けられており、この球切れスイッチ233により払出装置297での1回の玉貸球数である25球のパチンコ球が球供給通路245内に準備されているか否かが検出されるようになっている。
【0050】
また、前記カーブ樋243の屈曲部には球抜き弁247が設けられており、該球抜き弁247を作動する作動レバー(図示省略)をパチンコ遊技機2の前面側から操作することにより、その屈曲部より上流側の誘導樋239並びに球タンク238に待機する玉を、前記球供給通路245とほぼ平行に設けられている球抜通路246を介して遊技島のアウト球タンクに排出される。
【0051】
また、賞球通路273の下流位置にはガラス扉枠202の打球供給皿203に連通する上皿連通口274が設けられており、払出装置297から払い出されたパチンコ球は、賞球通路273並びに上皿連通口274を通って打球供給皿203に払い出され、貯留されるようになっている。また、この上皿連通口274の側方には、最下端部が前記ガラス扉枠202の下方に設けられている余剰玉受皿204に連通する余剰球通路271に連設されており、打球供給皿203に貯留されたパチンコ球が満タンの状態であるために上皿連通口274から溢れたパチンコ球が、この余剰球通路271を流下して余剰玉受皿204に流下するようになっている。
【0052】
更に、本実施形態では、前記余剰球通路271の経路中に、前記ボックス樋289に受け入れられたファール球並びに上皿連通口274から落下したパチンコ球が流入する連通口298が設けられており、該連通口298から流入してきたファール球並びにパチンコ球は、該余剰球通路271を流下して余剰玉受皿204に返却される。
【0053】
また、この余剰球通路271の経路中には、図4に示すように、前記余剰玉受皿204に流下したパチンコ球が余剰玉受皿204に満杯になったことを検知するための満タンスイッチ213が設けられており、これら満タンスイッチ213がONされた場合には、玉払出装置297の払出モータ(図示省略)の駆動が停止されて賞球及び貸球の払出動作を不能動化する。
【0054】
なお、必要に応じて発射装置500のカム駆動モータ511及び揚送ユニット400の駆動モータ410の駆動も停止するようにしてもよい。満タンスイッチ213は、その上端が軸突起に軸支されて揺動自在に設けられた検知レバーの後方に満タンスイッチ213を構成するアクチュエータを位置させて前記検知レバーの揺動動作を検出するものである。
【0055】
さらに、機構盤236の内方面側には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路276とアウト球を誘導するアウト球通路(図示省略)とが形成されている。入賞球誘導通路276の上方は、入賞球落下入口(図示省略)となっており、前記遊技盤206の背面を覆うように形成された入賞球誘導カバー体(図示省略)にて収集されて放出される入賞球を受け入れるようになっており、その受け入れた入賞球を入賞球誘導通路276が一側側方に向かって誘導し、機構盤236に形成された連通口279から機構盤236の背面側に導き、さらにその連通口279と前記球抜き通路246の下流部とを連通する合流通路286に導くようになっている。球抜き通路246は、合流通路286との合流部の上流位置にて、機構盤236の外周縁に沿って逆L字状に屈曲され、該機構盤236のほぼ中央背面側に形成される前記余剰球通路271の右側方に形成される合流排出通路287に最終的に合流するようになっている。
【0056】
したがって、前記遊技盤206から排出されて入賞球誘導カバー体を介して入賞球落下入口から受け入れられた入賞球は、入賞球誘導通路276、連通口279、合流通路286、球抜き通路246の最下流部、及び合流排出通路287を介してパチンコ遊技機2の外部に誘導されるようになっている。なお、入賞球落下入口278と入賞球誘導通路276との間の空間には、入賞球落下入口から落下する入賞球によって振動するように支持されると共に、入賞球誘導通路276上を転動する入賞球を一列に整列させる誘導部材が設けられている。
【0057】
また、アウト球通路は、前記入賞球落下入口の側方に形成される凹部の下方に入賞球誘導通路276と上下方向に重複するように形成され、その流下端の機構盤236の主体に連通口282が開設されて前記合流排出通路287に連通するようになっている。なお、上記した凹部は、遊技盤206の下部を裏面から固定するために遊技盤収納枠下部のほぼ中央に取り付けられる遊技盤係止レバーを収容するためのものである。
【0058】
しかして、遊技盤206のアウト口226から取り込まれたアウト球は、遊技盤206の裏面に刻設形成されるアウト球排出通路(図示しない)に導かれ、さらに前記遊技盤収納枠の下部の板状部分に形成されるアウト球連通口を経由して上記したアウト球通路に導かれた後、連通口282並びに前記合流排出通路287を通ってパチンコ遊技機2の外部に導かれる。つまり、上記した合流排出通路287には、球抜き通路246からの球抜き球、アウト球通路277からのアウト球、入賞球誘導通路276からの入賞球がすべて合流されてパチンコ遊技機2の外部に誘導され、該合流排出通路287からパチンコ遊技機2の外部へ排出される。
【0059】
かかる合流排出通路287の向かって左側位置には、内部に複数の電圧の異なる電源を生成する電源ユニット基板を収容する電源ユニットボックス272が設けられている(図3参照)。電源ユニット基板は、電源線が接続される電源コネクタが実装されている。電源コネクタに接続される電源線は、機構盤236の裏面側に形成される配線処理溝(図示しない)に沿って機構盤236の下部まで引き通され、機構盤236の主体に設けられる各開口から該主体の表側に引き出されて電源コネクタに接続される。電源線によって供給される電圧はAC24Vの電圧であり、電源ユニット基板(電源生成基板)で生成される複数の電圧は、DC30V、DC21V、DC12V、DC5Vの4種類である。(但し、他の基板に対してAC24Vも供給する。)
また、電源ユニット基板は、遊技制御基板231及び賞球制御基板237の各CPUに駆動電源が供給されていない間、各基板に設けられているRAMの記憶内容をバックアップ(保持)するために各基板にバックアップ電源を供給するようになっている。なお、電源ユニット基板(電源生成基板)から電源断信号が出力されることによって遊技制御基板231及び賞球制御基板237は、バックアップをするための処理を行なうようになっている。
【0060】
上記した電源ユニットボックス272の背面側には、遊技動作を制御する遊技制御基板231を収容する遊技制御基板ボックス232が着脱自在に取り付けられるようになっている。その取付は、機構盤236の開口窓240の下辺よりやや上部にブリッジ状に掛け渡される横架突出板284に取り付けられるものである。横架突出板284は、遊技制御基板ボックス232を取り付けたときに、遊技制御基板ボックス232の裏面が前記電源ユニットボックス272と前記遊技盤206の裏面側に取り付けられるランプ制御基板235及び音声制御基板270を収容する制御基板ボックスに当接しないように重畳的に設けられる高さに設定されており、前記したL字状突出板の高さとほぼ同じ高さとなっている。
【0061】
図5は、遊技制御基板231における回路構成の一例を示すブロック図である。図5には、制御基板として、遊技制御基板(主基板ともいう)231、賞球制御基板237、表示制御基板280、ランプ制御基板235、音声制御基板270、表示駆動基板280’、ランプ駆動基板235’、および音声駆動基板270’が示されている。
【0062】
まず、遊技制御基板231は、プログラムに従ってパチンコ遊技機2を制御する基本回路253と、入賞球検出スイッチ269f、V球検出スイッチ269g、ゲートスイッチ212a〜c、始動入賞口スイッチ217、Vカウントスイッチ222、カウントスイッチ223、入賞球検出スイッチ299a〜c、満タンスイッチ213(余剰玉受皿204の満タンを検出する満タンスイッチ213)、球切れスイッチ233、賞球用カウントスイッチ248a、貸出球カウントスイッチ248bからの信号を基本回路253に与えるスイッチ回路258と、可動片215を開閉するソレノイド216および開閉板220を開閉するソレノイド221、可動片269aを開閉するソレノイド269b並びに回転体269cを回転駆動する回転体駆動モータ269eを基本回路253からの指令に従って駆動するモータ・ソレノイド回路259と、始動入賞記憶表示器218の点灯および点滅を行なうとともに、表示器210と装飾ランプ225とを駆動するランプ・LED回路260とを含む。
【0063】
また、遊技制御基板231は、基本回路253から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置208の可変表示に利用された始動入賞球の個数を示す始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等を外部の管理コンピュータ等に対して出力する第1情報出力回路264を含む。
【0064】
基本回路253は、ROM254、RAM255、CPU256、I/Oポート257、および、クロック発生部250を含む。ROM254は、ゲーム制御用のプログラム等の各種の情報(データ)を記憶するためのものである。RAM255は、ワークメモリとして使用されるためのものである。CPU256は、ゲーム制御用のプログラム等の各種の制御用プログラムに従って遊技制御動作等の制御動作を行なう。I/Oポート257は、データおよび信号等の各種情報の入出力用に設けられた複数のポートを有する。クロック発生部250は、基本回路253が動作する場合の基準タイミングとなる動作クロックをCPU256等の基本回路253内の各部に与えるものである。
【0065】
さらに、遊技制御基板231には、電源投入時に基本回路253をリセットするための初期リセット回路266と、電源投入後に基本回路253を定期的にリセットするための定期リセット回路265と、基本回路253から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート257のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路267とが設けられている。
【0066】
基本回路253は、電源投入時において、初期リセット回路266により初期リセットされる。また、電源投入後、基本回路253は、定期リセット回路265により定期的(例えば、2ms毎)にリセットされ、割込み処理が実行される。これにより、割込み処理が実行される毎に、ゲーム制御用のプログラムが所定位置から再度実行される。
【0067】
打玉を発射する打球発射装置500並びに該打球発射装置500に打玉を供給する揚送ユニット400は、発射揚送制御基板291上の回路により、前記打球発射装置500の発射に連動して、前記揚送ユニット400が間歇的にパチンコ球を揚送して打球発射装置500に揚送球を供給するように制御される。
【0068】
また、遊技制御基板231から表示制御基板280には、可変表示装置208の可変表示部209の表示制御に関する指令情報として、表示制御コマンドデータと、ストローブ信号としての割込信号(以下、表示制御信号INTともいう)とが伝送される。表示制御基板280には、表示制御基板280側で受信された表示制御コマンドデータにしたがって複数種類の演出用電気部品のひとつである可変表示装置208に表示される画面の表示制御を行なうための表示制御用CPU280aと、可変表示装置208に表示させる画像を生成するための画像表示信号を供給するVDP(Video Display Processor )等の画像処理用の構成要素(図示省略)と、プログラムや画像データが記憶されているROM(図示省略)が少なくとも搭載されている。なお、表示制御基板280に搭載される構成要素としてかかる構成を搭載した例について説明するが、これに限るものでなく、前述した可変表示部209に採用する可変表示部の種類にあわせて表示制御基板に搭載される構成要素が採用されるものとする。表示制御基板としては、少なくとも、表示制御を行なうための表示制御用CPU280aを搭載していればよい。
【0069】
まず、表示制御用CPU280aは受信した表示制御コマンドデータをVDPに与え、VDPはROMから必要なデータを読み出す。さらにVDPは、読み出されたデータにしたがって可変表示装置208に表示するための画像データを生成し、R,G,B信号および同期信号を表示駆動基板280’に出力する処理がなされる。なお、かかる可変表示装置208に表示される画面の表示制御処理は、表示制御用CPU280aがROMに記憶されているプログラムにしたがって動作することにより行なわれる。
【0070】
表示駆動基板280’は、可変表示装置208の表示を行なうための駆動回路としてのLCDドライバ(図示省略)が搭載されている。かかるLCDドライバは、表示制御基板280から送信されるR,G,B信号および同期信号を、表示用のデータおよび制御信号を作成して可変表示部209としてのLCD表示器(液晶表示器)に出力する処理がなされる。
【0071】
遊技制御基板231からランプ制御基板235には、遊技効果LED228a、賞球ランプ251、玉切れランプ252、および、遊技効果ランプ228b、228cの点灯制御に関する指令情報として、ランプ制御コマンドデータ等が伝送される。ランプ制御基板235には、ランプ制御基板235側で受信されたランプ制御コマンドデータにしたがって複数種類の演出用電気部品のうちの遊技効果LED228a、賞球ランプ251、玉切れランプ252、および、遊技効果ランプ228b、228cの点灯制御を行なうためのランプ制御用CPU235aと、プログラムや点灯点滅パターンデータが記憶されているROM(図示省略)が少なくとも搭載されている。
【0072】
まず、ランプ制御用CPU235aは、ROMに記憶されているプログラムにしたがって受信したランプ制御コマンドデータの解析を行ない、対応する点灯点滅パターンデータの制御信号を生成し、かかる制御信号および同期信号をランプ駆動基板235’に出力する処理がなされる。
【0073】
ランプ駆動基板235’は、遊技効果LED228a等の表示を行なうための駆動回路としての増幅用トランジスタ(図示省略)が搭載されている。かかる増幅用トランジスタは、ランプ制御基板235’から送信される制御信号および同期信号を増幅させて、遊技効果LED228a等に信号を出力する処理が行なわれる。なお、増幅用トランジスタをランプ駆動基板235’に搭載させた例について説明したが、トランジスタに限らず、電圧の低い信号を増幅させ電圧の高い信号に増幅するような増幅素子を含むものや、スイッチング機能を有する素子を含む構成となっていればどのようなものであってもよい。
【0074】
遊技制御基板231から音声制御基板270には、スピーカ227から出力される効果音等の音声制御に関する指令情報として、音声制御用コマンドデータ等の情報が伝送される。音声制御基板270には、音声制御基板270側で受信された音声制御用コマンドデータにしたがって複数種類の演出用電気部品のうちのスピーカ227の音声制御を行なうための音声制御用CPU270aと、プログラムや音声発生パターンデータが記憶されているROM(図示省略)が少なくとも搭載されている。
【0075】
まず、音声制御用CPU270aは、ROMに記憶されているプログラムにしたがって受信した音声制御コマンドデータの解析を行ない、対応する音声発生パターンデータの制御信号を生成し、かかる制御信号および同期信号を音声駆動基板270’に出力する処理がなされる。
【0076】
音声駆動基板270’は、スピーカ227から音声を発生させるための駆動回路としての増幅用トランジスタ(図示省略)が搭載されている。かかる増幅用トランジスタは、音声制御基板270’から送信される制御信号および同期信号を増幅させて、スピーカ227に信号を出力する処理が行なわれる。なお、増幅用トランジスタを音声駆動基板270’に搭載させた例について説明したが、トランジスタに限らず、電圧の低い信号を増幅させ電圧の高い信号に増幅するような増幅素子を含むものや、スイッチング機能を有する素子を含む構成となっていればどのようなものであってもよい。
【0077】
以上、複数種類の演出用電気部品の制御を行なうための表示制御基板280とランプ制御基板235と音声制御基板270と、複数種類の演出用電気部品の駆動を行なうための表示駆動基板280’とランプ駆動基板235’と音声駆動基板270’とにより、遊技制御基板231から送信される各種制御コマンドデータにしたがって複数種類の演出用電気部品を駆動制御する演出駆動制御手段が構成されている。これにより、遊技領域207の拡大にともない大型の役物装置269等を複数配置させたときにおいても、演出制御手段としての表示制御基板280,ランプ制御基板235,音声制御基板270を遊技盤206の裏面側に配置し、演出駆動手段としての表示駆動基板280’,ランプ駆動基板235’,音声駆動基板270’をガラス扉枠202の下部裏面にそれぞれ分けて設置することができるため、遊技盤206の裏面の配置スペースに余裕が生まれ、基板レイアウトの自由度を向上させることができる。また、パチンコ遊技機2を入れ替えるときにおいても、遊技盤206の裏面側に設置されている演出制御手段としての表示制御基板280等を交換すればよく、演出駆動手段としての表示駆動基板280’等を交換する必要がないため、効率的かつ経済的に遊技場経営を行なうことができる。
【0078】
また、基本回路253は、入賞球検出スイッチ299a〜c検出信号と始動入賞口スイッチ217の検出信号、Vカウントスイッチ222の検出信号、カウントスイッチ223の検出信号にもとづいて、所定個数の賞球を払出すための賞球信号を賞球制御基板237に出力する。賞球制御基板237では、その出力されてきた賞球信号にもとづいて玉払出装置297を制御して所定個数の賞球を払出すための制御を行なう。
【0079】
具体的には、可変入賞球装置219の大入賞口に入賞した入賞球については1個の入賞球がカウントSWに検出されることで例えば15個の賞球が払出され、始動入賞口214に入賞した入賞球については1個の入賞球が始動入賞口SWに検出されることでたとえば5個の賞球が払出され、その他の入賞口224a〜dのいずれかに入賞した入賞球については入賞球1個が各入賞口に対応して設けられた入賞球検出SW299a〜dのいずれかに検出されることでたとえば5個の賞球が払出されるように制御される。
【0080】
このような2種類の個数の賞球を払出制御するべく、遊技制御基板231は次のように制御動作を行なう。入賞球検出スイッチ269f、V球検出スイッチ269g、始動入賞口スイッチ217、Vカウントスイッチ222またはカウントスイッチ223からの検出信号が入力されると、その検出信号を賞球の払出個数決定の際に用いる払出個数決定用データとして、スイッチに応じた賞球の払出個数別に一時的に内部に記憶する。その後、入賞球検出スイッチ299a〜cのいずれかの検出信号が入力されれば、その入力以前に始動入賞口スイッチ217からの検出信号があったかどうかを払出個数決定用データを参照することによって判断し、あった場合には遊技制御基板231は賞球制御基板237に対し「5」の賞球個数を払出指令するための賞球指令信号を出力する。また、カウントスイッチ223またはVカウントスイッチ222からの検出信号があった場合には、「15」の賞球個数を払出指令するための賞球指令信号を出力する。一方、入賞球検出スイッチ299a〜dのいずれかからの検出信号があった場合において、それ以前に始動入賞口スイッチ217、カウントスイッチ223またはVカウントスイッチ222からのいずれかからも検出信号が入力されていなかった場合には、遊技制御基板231は「5」の賞球個数の賞球指令信号を賞球制御基板237に出力する。賞球制御基板237においては、賞球指令信号にもとづいて、玉払出装置297から賞球を払出させる制御が払出制御用マイクロコンピュータにより実行される。
【0081】
また、満タンスイッチ213からの検出信号が満タン状態を示している場合には、その状況に応じて、賞球禁止指令信号を賞球制御基板237へ送り、玉払出装置297による賞球の払出しを停止させる。
【0082】
また、賞球制御基板237上には、第2情報出力回路部268が設けられており、これら賞球制御基板237において制御される賞球の払い出し数の情報等を外部出力できるようになっている。
【0083】
また、賞球制御基板237は、前記カードユニット3のカードユニット制御基板(図示省略)に設けられたI/Oポート319に接続ケーブル262並びに接続コネクタ263(図3等参照)を介して接続されており、後述の貸出完了信号(EXS)やパチンコ遊技機レディー信号(PRDY)が前記カードユニット3に設けられた後述のマイクロプロセッシングユニット(MPU)321に出力されるようになっているとともに、前記カードユニット3のMPU321より出力される後述のカードユニットレディー信号(BRDY)や貸出要求完了確認信号(BRQ)が入力されるようになっている。
【0084】
図6は、発射揚送制御基板の構成を説明するためのブロック図である。図6を参照して、これら発射揚送制御基板291の構成は、主に揚送ユニット400と発射装置500の同期連動の動作制御を行なう発射揚送制御ブロック291aと、打球の強度調節を行なう打球強度調整ブロック291bとを有しており、前記発射揚送制御ブロック291aには、前記打球操作ハンドル205内に設けられているタッチセンサ(図示せず)や単発発射スイッチ(図示せず)からのON/OFF信号が入力されるとともに、前記打球強度調整ブロック291bには、打球操作ハンドル205に内蔵されているロータリーエンコーダからのエンコーダパルスが入力されるようになっている。
【0085】
本実施形態の発射揚送制御ブロック291aには、前記タッチセンサや単発発射スイッチからの入力を検出するための入力回路とともに、該入力回路への入力状態にもとづき、打球の発射状態に伴う揚送ユニット400と発射装置500の動作状態を決定するモータ駆動ロジック回路と、該モータ駆動ロジック回路にて決定された動作状態にもとづいて、接続されている前記揚送ユニット400の駆動モータ410並びに発射装置500のカム駆動モータ511に対し、同一の駆動信号パルスを出力して、該駆動モータ410並びにカム駆動モータ511を同一回転させるモータ駆動回路(ドライバ)と、該モータ駆動回路(ドライバ)に供給される電流値を設定するための電流値設定回路、とが設けられている。尚、図中における破線は、駆動モータ410並びにカム駆動モータ511の原点センサからの入力を示している。
【0086】
このように、本実施形態では、前記駆動モータ410並びにカム駆動モータ511として同一のサーボモータを使用し、これら同一のサーボモータを共通のモータ駆動回路(ドライバ)に接続して同一の駆動信号にて駆動することで、これら駆動モータ410並びにカム駆動モータ511が同一の回転とするようにしており、これら同一回転の回転力を伝達するギアの設定を、前述のように、発射装置500における発射動作(カム軸501’の1回転)に対して1個の揚送球が揚送スクリュー403の回転により供給されるような設定とすることで、揚送ユニット400と発射装置500の同期連動が実施されている。
【0087】
尚、本実施形態においては前記したように、駆動制御手段である前記モータ駆動回路(ドライバ)を1つとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらモータ駆動回路(ドライバ)を、記駆動モータ410並びにカム駆動モータ511のそれぞれに対応して設けるようにしても良い。
【0088】
また、本実施形態の打球強度調整ブロック291bには、打球操作ハンドル205からのエンコーダパルスの入力にもとづき、打球操作ハンドル205の回転角度を検出するための角度検出回路と、該角度検出回路からの角度情報にもとづいて発射強度を決定して発射強度に対応するモータ駆動情報を出力する発射強度調整ロジック回路と、該発射強度調整ロジック回路から出力されたモータ駆動情報にもとづいて発射強度調整用モータ512を駆動する発射強度調整用モータ駆動部(ドライバ)とが設けられていて、該打球強度調整ブロック291bにて打球操作ハンドル205の回動操作に対応して、発射されるパチンコ球の発射強度が調節されるようになっている。
【0089】
尚、前記操作ノブ205により連続した発射操作が為されている場合には、前記揚送ユニット400の駆動モータ410は、連続するパチンコ球の揚送において、回転速度を変化させることなく、ほぼ同一の回転速度にて、球供給スプロケット413から間歇的に供給されるパチンコ球を揚送するようになっており、このようにすることは、連続するパチンコ球の揚送において、駆動モータ410の回転速度を変化させて打球発射装置500へのパチンコ球の供給同期を計る場合に比較して、加減速に伴う駆動モータ410の損耗を低減できるとともに、揚送球が球通路部404内にて踊ることによる不都合や該揚送球が踊ることによる騒音の発生を解消できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、回転速度を変化させて打球発射装置500への供給同期を計るようにしても良い。
【0090】
そして、発射装置500による発射球の発射勢いは、前記操作ノブ205の操作量に従って発射装置500内部に設けられている発射強度調整用モータ512の動作が制御され、前記発射用スプリング504の付勢力が調節されることで、操作ノブ205の操作量に従って調整される。すなわち、発射揚送制御基板291上の回路によって、操作ノブ205の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0091】
図7は、パチンコ遊技機2の前面下部部分の構成を説明するための拡大図である。前述した打球供給皿203の上面に設けられている操作部14には、図7に示すように、遊技者により前記カードユニット3に設けられたカード挿入口314に挿入された遊技用記録媒体であるプリペイドカードより読み出された遊技用価値である度数を表示する度数表示部17と、遊技の開始または前記打球供給皿203に持玉が少なくなったか無くなった際に押圧操作されて、前記度数表示部17に残度数が存在する場合に所定数量のパチンコ玉の貸出を実施するための貸出ボタン16と、遊技を終了する際に押圧操作されることにより、前記カードユニット3に挿入されているプリペイドカードに新たな残度数が記録されて返却がなされる返却ボタン15と、が設けられており、これら各部は操作部14内部に設けられている操作基板18上に実装されている。
【0092】
また、前記操作基板18は、図3に示すように、前記カードユニット3のI/Oポート(図示省略)に接続ケーブル262並びに前記接続コネクタ263を介して接続されており、前記貸出ボタン16が操作されて遊技者による玉貸し操作がなされた場合に出力される貸出入力信号や、返却ボタン15が操作されて遊技者による後述のカード挿入口314に挿入されたプリペイドカードの返却操作がなされた場合に出力される返却入力信号が前記カードユニット3のMPU(図示省略)に出力されるようになっているとともに、該MPUからは、前記度数表示部17の表示制御を行なう度数信号が入力されるようになっており、これら度数表示部17の表示制御が前記カードユニット3のMPUからの出力信号によって実施されるようになっている。
【0093】
なお、打球供給皿203に貯留されている打玉は、誘導傾斜樋流入口230を介し誘導傾斜樋283を流下して揚送ユニット400の下端位置に設けられている下部ユニット401に供給されることとなる。かかる誘導傾斜樋283は、図2を用いて説明したように、遊技盤収容枠601の前面側に設けられている例について説明したが、これに限らず、打球供給皿203の貯留部に、誘導傾斜樋283と同様の機能を有する通路を設けてもよい。また、この場合においては、パチンコ遊技機2の向かって左側から遊技盤収容枠601の前面側に流入させ、下部ユニット410に供給するように構成してもよい。
【0094】
図8は、揚送装置および発射装置の側断面を説明するための側断面図である。
図8を参照して、揚送ユニット400は、誘導傾斜樋283から流下してきたパチンコ球を取り込む下部ユニット401と、取り込まれたパチンコ球を上部に配置されている発射装置500まで揚送する揚送路等から構成されている。また、発射装置500は、揚送されてきたパチンコ球を打点まで持ち上げる球リフトアーム502と、打点に設置されたパチンコ球を遊技領域207に打込む発射アーム503等から構成されている。なお、かかる装置の構造については、図9から図12を用いて、以下詳細に説明する。
【0095】
本実施形態に用いる揚送装置400について、図9,図10を用いて説明する。図9は揚送装置の下端部分を説明するための透視斜視図であり、図10は揚送装置へのパチンコ球の供給状況を説明するための図である。
【0096】
揚送ユニット400は、内部にパチンコ球を1つ1つ、単体にて揚送するための揚送スクリュー403を収容する揚送路ケースからなる揚送路402と、該揚送路の下端位置に設けられ、前記揚送スクリュー403を駆動する揚送手段駆動モータである駆動モータ410や、前記揚送路内にパチンコ球を供給する球供給スプロケット413や、該球供給スプロケット413にパチンコ球を誘導する連結流路416とを有する下部ユニット401とから構成されている。
【0097】
この下部ユニット401の構成は、前述した誘導傾斜樋283を流下してきたパチンコ球を、前記揚送路内部に供給するための円盤状の球供給スプロケット413が、前記揚送スクリュー403を駆動する駆動モータ410にて駆動される駆動ギア411と噛合する受動ギア412と同軸に軸支されて設けられており、該球供給スプロケット413の外周には、1つのパチンコ球を収容するための略半円形状の球収容部414が設けられている。
【0098】
また、この球供給スプロケット413に供給される球圧並びに前記待機球返却部420に供給される球圧を緩和することを目的として、前記誘導傾斜樋283の終端部位置には、該誘導傾斜樋283におけるパチンコ球の流下方向と異なる方向にパチンコ球を誘導することにより球圧を緩和するクランク流路416が設けられているとともに、該クランク流路416の下流位置に前記待機球返却部420が設けられていて、球圧緩和後のパチンコ球が待機球返却部420に供給されることで、パチンコ球が良好に待機球返却部420の下方へ流下するように工夫されている。
【0099】
また、このクランク流路416にて球圧が緩和されたパチンコ球は、上面視略逆S字状に屈曲する連結流路415において、更に球圧が緩和された後、下部ユニット401の内方側に回り込むように球供給スプロケット413に供給される。
【0100】
これら球供給スプロケット413に供給されたパチンコ球は、図10(a)に示すように、前記球供給スプロケット413の回動により、前記球収容部414が、パチンコ球の流入口方向に向くことで、該球収容部414内部にパチンコ球が取り込まれる。次いで、図10(b)に示すように、球収容部414内部に取り込まれたパチンコ球が、球供給スプロケット413の回動に伴って、回転方向に移動し、図10(c)に示すように、球供給スプロケット413が90度回転した位置にてパチンコ球が揚送路を構成する球通路部404内に供給される。
【0101】
この球供給スプロケット413によりパチンコ球を供給するに際して、パチンコ球と揚送スクリュー403の螺旋状凸部とが衝突しないように、前記受動ギア412と駆動ギア411とにより、球供給スプロケット413と揚送スクリュー403とが同期されているとともに、パチンコ球が球通路部404内に供給されるとほぼ同時に、揚送スクリュー403の螺旋状凸部の下端部と供給されたパチンコ球とが摺接するように同期されることで、前記球収容部414内からパチンコ球が上方へ揚送されて抜き出されるようになっていて、供給された球を迅速に揚送へ移行できるようになっている。
【0102】
また、この受動ギア412と駆動ギア411とは、そのギア比が、駆動ギア411と同軸にて回転される前記揚送スクリュー403により、揚送球が揚送路のほぼ中間位置に揚送されるようになる回転回数(本実施形態では3回転)にて受動ギア412が1周するようなギア比とされていて、揚送路内の中間位置にパチンコ球が揚送される毎、つまりは、既に中間位置に揚送されているパチンコ球が発射装置500に供給される毎に、1つのパチンコ球が揚送スクリュー403に対して供給されるようになっており、揚送路内には、最大で2つの球しか存在しないようになっており、これら受動ギア412と駆動ギア411とを駆動する駆動モータ410が、接続コネクタ410’に接続されて、その動作が発射揚送制御基板291にて制御されることで、前記発射装置500からのパチンコ球の発射に連動して揚送ユニット400によるパチンコ球の揚送、供給が実施されるようになっている。
【0103】
これら球供給スプロケット413にてパチンコ球が1つづつ供給される揚送路は、図8に示すように、供給されたパチンコ球が揚送される球通路部404と、前記揚送スクリュー403が挿通配置されたスクリュー収容部405とからなり、揚送スクリュー403の螺旋状凸部の外周403aが前記球通路部404に露出して揚送されるパチンコ球と摺接するように軸支されており、揚送スクリュー403の回転に伴ってパチンコ球が球通路部404の内部を上方へと揚送されていく。
【0104】
尚、前記揚送路402は、透明な樹脂製(アクリル樹脂)とされており、このように透明な樹脂を用いることは、球通路部404内部並びにスクリュー収容部405の内部の状態を、目視にて分解することなく容易に確認できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら揚送路ケース402を不透明な樹脂や金属等にて形成しても良い。
【0105】
また、本実施形態における揚送スクリュー403の前記螺旋状突出部は、低摩擦であって帯電防止能に優れる導電性ポリプロピレン樹脂にて形成されており、このようにすることは、前記パチンコ球の揚送において、パチンコ球と揚送スクリュー403とが摺動することにより静電気が発生することを防止するとともに、揚送スクリュー403を適宜にアースしておくことで、既にパチンコ球が帯電している場合にあっても、該パチンコ球の帯電を除去できるようになることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら揚送スクリュー403を導電性の優れる金属にて形成したり、或いは帯電防止能を有しない通常の樹脂にて形成するようにしても良い。
【0106】
また、本実施形態においては、揚送スクリュー403並びに球供給スプロケット413の双方を同一の駆動源である駆動モータ410にて駆動するようにしており、このようにすることは、個別に駆動モータを設けるのに比較して動力源の数を低減できるため、コストを抑えることができるとともに、前記揚送スクリュー403と球供給スプロケット413の同期(連動)を、前述のようにギア比等にて機械的に設定することで、容易且つ確実に制御できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、個々の動力源を個別の駆動モータとして制御するようにしても良い。
【0107】
この駆動モータ410の動作は、前記発射揚送制御基板291によって、発射装置500からのパチンコ球の発射に連動して、前記球通路部404の上端に形成されている球供給口417から揚送されたパチンコ球が該発射装置500に排出、供給されるように制御される。
【0108】
なお、本実施形態における待機球返却部420の構成は、図13を参照して、待機球返却部420の下部に形成された待機球返却樋242(図2等参照)にパチンコ球を流入させるための開口421が形成され、前記誘導傾斜樋283の終端に形成されたクランク流路416の流路下面にスライド自在に配置されたスライド板423の外方端が前記操作ボタン296に連結されるとともに、内方端にスプリング422が連結された構成とされていて、通常にあっては、前記スプリング422にてスライド板423が外方方向へ付勢されることにより、前記開口421の位置が待機球返却樋242への流入口の位置とずれた位置となることで、スライド板423上をパチンコ球が通過して揚送ユニット400にパチンコ球が供給される一方、前記操作ボタン296の操作時にあっては、該操作ボタン296の押圧操作により、スプリング422の付勢に抗してスライド板423が内方へスライドし、前記開口421の位置が待機球返却樋242への流入口の位置と合致した位置となることで、図16に示すように、パチンコ球が待機球返却樋242内に流入して、余剰玉受皿204に、パチンコ球(待機球)が返却されるようになっている。
【0109】
次いで、本実施形態に用いた発射装置500について、図11,図12を用いて説明する。発射装置500の外装ケース510内部には、共通の揺動軸513に揺動自在に軸支された球リフトアーム502と発射アーム503が設けられている。
【0110】
これら球リフトアーム502と発射アーム503の一方端は、発射装置500の上部裏面側に固設された発射装置駆動モータであるカム駆動モータ511にて回転駆動されるカム軸501’に同軸に固設されたリフト用カム501a並びに発射用カム501bに摺接することで、該リフト用カム501a並びに発射用カム501bの回動に伴って球リフトアーム502と発射アーム503とが個別の揺動動作をなすようになっているとともに、発射アーム503は、発射装置500の下方に、前記リフトアーム502と発射アーム503の揺動円弧に外接するように傾斜配置された発射レール508にほぼ並行となるように張架された発射用スプリング504にて付勢されており、また、球リフトアーム502は、前記発射用スプリング504とほぼ直交するように張架されたリフト用スプリング506にて付勢されていて、本実施形態ではカム駆動モータ511と前記揚送ユニット400の駆動モータ410とは、入力される駆動信号により同様の回転を得るために同一のサーボモータを使用している。
【0111】
また、発射用スプリング504の発射アーム503との連結側ではない他方端は、発射用スプリング504の張架方向にスライド可能とされたスライド片505に連結されていて、該スライド片505が、発射装置500の裏面側に固設された発射強度調整用モータ512によりスライドすることで、発射アーム503の付勢力が調節され、該発射アーム503にて打ち出されるパチンコ球の発射強度を調節できるようになっており、これら発射強度の調節は、前記打球操作ハンドル205の操作にもとづいて前記発射揚送制御基板291によって前記発射強度調整用モータ512の動作が制御されることで実施される。
【0112】
また、前記発射レール508の傾斜下方端位置には、前記ファール球流路295への流入口294の開閉を、前記球リフトアーム502の下端と摺接することによって該球リフトアーム502の揺動に伴って実施するファール球流路弁507が設けられており、該ファール球流路弁507は図示しないスプリングにより、前記流入口294を塞がない開状態となるように常時付勢されている。なお、かかるファール球流路弁507は、開状態であるときに発射レール508上の発射路509とファール球流路295を連通させるファール球受入口295aを形成し、閉状態であるときに発射レール508畳の発射路509の一部を形成することとなる。
【0113】
この発射装置500の発射動作は、まず図11(a)に示すように、前記各カム501a、501bの回動によって、前記球リフトアーム502と発射アーム503の双方が、前記リフト用スプリング506並びに発射用スプリング504の付勢力に抗して、発射装置500の下方隅部の位置まで揺動されるとともに、この状態において前記球供給口417から揚送ユニット400にて揚送されたパチンコ球が供給される。
【0114】
該発射装置500に供給されたパチンコ球は、図11(b)に示すように、前記リフト用カム501aの回動に伴って、まず球リフトアーム502のみが揺動を開始することで、該球リフトアーム502によって前記発射レール508上の所定の発射位置へ誘導される。この誘導に際して前記ファール球流路弁507は、球リフトアーム502の揺動に伴って該球リフトアーム502の下端と摺接することにより、前記流入口294が閉じた状態となる。
【0115】
尚、前記球リフトアーム502の揺動外周端部には、発射アーム503の先端に設けられた打ち出しスプリングが挿通可能な円形窓が形成されていて、前記円形窓内に前記発射位置へ誘導されたパチンコ球が保持されるようになっており、このように発射されるパチンコ球を保持することは、発射の際のパチンコ球の位置精度を向上でき、安定した打玉の発射が可能となることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保持を実施しない構成としても良い。
【0116】
また、前記リフト用カム501aの形状は、前記発射位置の遠方領域において前記球リフトアーム502の揺動下端の移動速度が大きくなるように、その外径が大きく増加するとともに、前記発射位置の近傍において、球リフトアーム502の揺動下端の移動速度が低速となることで誘導されるパチンコ球の誘導速度が低速となるように、その外径が微増するような形状となっており、このように発射位置の近傍においてパチンコ球の誘導速度が低速となるようにすることは、誘導中におけるパチンコ球のブレ(振動)を低減できることにより安定した発射強度を得ることができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら低速誘導を実施しない構成としても良い。
【0117】
更に、本実施形態では前記低速誘導を前記リフト用カム501aの形状により実施しており、このようにすることは、例えばこれらの低速誘導をカム駆動モータ511の回転速度制御等にて実施する場合に比較して、滑らかな低速誘導が可能となるばかりか、回転速度の加減速が繰り返されることを回避できることで、カム駆動モータ511の損耗も低減できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの低速誘導をカム駆動モータ511の回転速度制御にて実施するようにしても良い。
【0118】
次いで、発射レール508上の所定の発射位置へ誘導されたパチンコ球は、図11(c)に示すように、発射用カム501bの回動に伴い、前記発射用スプリング504に抗する力が解除されることで、該発射用スプリング504による付勢力に比例する勢いにて、発射アーム503が図中の矢印方向に揺動することで、発射レール508上の発射路509を通じて遊技領域207へ打ち出される。
【0119】
この際、図12(a)に示すように、発射の勢いが弱く、遊技領域207に達しなかったパチンコ球は、図12(b)のように、前記発射レール508上を傾斜下方側へ流下してくるが、発射後のカム501の回動に伴って、前記球リフトアーム502と発射アーム503の双方が、図12(c)に示すように双方のスプリング504、506に抗して揺動を開始することで、それまで球リフトアーム502の下端部に摺接することで前記ファール球流路295の流入口294を塞いでいたファール球流路弁507が、摺接の解除に伴って、図示しないスプリングにより立設状態に戻ることで、流入口294が開状態となり、前記発射レール508上を流下してきたファール球が、ファール球受入口295aを介しファール球流路295内へ流入し、前記ボックス樋289、連通口298、余剰球通路271を通じて余剰玉受皿204へ返却される(図15等参照)。
【0120】
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機2による遊技内容を説明する。まず、前記打球操作ノブ205の操作によって発射装置500から打玉を発射させる。このようにして発射された打玉は遊技領域207に入り、該遊技領域207を流下していく。該打玉が通過ゲート211aを通ってゲートスイッチ212aで検出されると、表示器210に停止表示されている普通図柄が可変開始する。なお、表示器210の可変表示中に打玉が通過ゲート211aを通過した場合にはその通過が記憶され、表示器210が停止して再度変動を開始可能な状態になってから前記通過記憶を「1」減算して表示器210が可変表示制御される。この通過記憶の上限はたとえば「4」に定められており、現時点での通過記憶数が通過記憶表示器(図示せず、なお、可変表示部209において表示してもよい)により表示される。
【0121】
また、打玉が始動入賞口214に入賞し、始動入賞口スイッチ217で検出されると、特別図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示部209に表示される特別図柄がスクロールを始める。たとえば、すでに可変表示が開始されて特別図柄が変動中である等の理由によって特別図柄の変動をすぐに開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を一つ増やす。
【0122】
表示器210の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特定の表示結果(例えば、前記「○」に対応する向かって左側のLEDが点灯)となった場合に、始動入賞口214に設けられた可動片215が所定時間開成して、パチンコ玉が該始動入賞口214に入賞し易くなる遊技者にとって有利な状態となる。
【0123】
この始動入賞口214にパチンコ玉が入賞して始動入賞口スイッチ217で検出されると、特別図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示装置208の可変表示部209において全特別図柄が可変表示(変動表示)を開始する。そして、その後、可変表示部209を形成するLED表示器の9エリアの特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777)が所定のライン上に揃った場合に、該表示態様に該当する秒数の間、前記役物装置269の可動片269aが開放され、打玉が前記回転体269cの上面に流入可能となる。
【0124】
この可動片269aの開放中に前記回転体269cの上面に流入した打玉のいずれか1つが前記V入賞口269dに入賞した場合に、特定遊技状態(大当り状態)が発生する。このように可動片269aの開放がなされる特定の表示態様は、大当り図柄と呼ばれ、この例では予め複数種類定められている。
【0125】
このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置219の開閉板220が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過、或いは打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞、のいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、遊技者にとって不利な第2の状態となる。第1の状態となっている可変入賞球装置219の大入賞口内に進入した打玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞してVカウントスイッチ222により検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って開閉板220が開成されて再度第1の状態となる。この第1の状態の繰返し継続制御は、本実施形態では最大15回まで実行可能とされている。このような最大15回実行可能である第1の状態となっている時期は、繰返し継続制御のラウンド(回)と呼ばれる。この例では、繰返し継続制御は、第1ラウンドから最大第15ラウンドまで繰返し実行可能である。
【0126】
また、可変表示装置208の可変表示部209で可変表示された9つのエリアの特別図柄が同じ図柄の種類に一致した大当り図柄の組合せで停止表示されたときには前述したように大当りが発生するが、その大当り図柄が複数のライン、或いは全ての9つのエリアに異なる特別図柄が表示された場合において、前記V入賞口269dへの入賞が為された場合には、通常遊技状態に比べて大当りが発生する確率が高く変動した確率変動状態(以下、確変状態ともいう)となる。このような確率変動状態の発生のきっかけとなる特別の表示態様の大当り図柄は、確変図柄と呼ばれる。以下、確変図柄により発生する大当りを確変大当りといい、確変図柄以外の大当り図柄(非確変図柄)により発生する大当りである通常大当りと区別している。
【0127】
通常遊技状態中に、一旦、確変大当りが発生すると、その確率変動状態は、たとえば、少なくとも予め定められた確変継続回数(たとえば、1回、あるいは2回)分の大当りが発生するまで確率変動状態に継続制御される。また、確率変動状態中に確変大当りが発生すれば、その確変大当り以降、改めて確変継続回数が計数され、その後、少なくとも確変継続回数だけ大当りが発生するまで確率変動状態が継続する。そして、確変継続回数に達した大当りが確変図柄以外の非確変図柄によるものであった場合には、確率変動の生じていない通常遊技状態に戻る。
【0128】
可変表示装置208の可変表示部209においては、リーチ状態が発生する場合がある。ここで、「リーチ状態」とは、可変表示装置208の可変表示部209が可変開始された後、表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をいう。言い換えれば、リーチとは、前記可変表示装置208の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、前記特定の表示態様の組合せが表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、前記特定の表示態様の組合せが揃った状態を維持しながら複数の前記可変表示部209による可変表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
【0129】
また、リーチ状態とは、可変表示装置208の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の可変表示領域209の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
【0130】
また、役物装置269の可動片269aの開閉は、第2通過ゲート211b並びに第3通過ゲート211cの通過によっても実施され、該開閉により前記回転体269cの上面に打玉が流入し、V入賞口269dに入賞した場合にも大当り状態(特定遊技状態)が発生するが、この場合には、前記繰返し継続制御が、第1ラウンドから最大第8ラウンドまで繰返し実行可能とされる。尚、これら大当り中に可変表示部209の表示結果が、特定の表示態様(たとえば777)となった場合には、大当りの終了をまって、前記可動片269aの開放が実施されるようになっている。
【0131】
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
前述したように、本実施形態における遊技領域207は、遊技領域の横幅が最大となる最大横幅HLが下方向に亘って保たれた区間H3とかかる最大横幅HLとの関係が、HL/2<H3の関係となるように形成されている。これにより、遊技領域の縦横を効率的にバランスよく拡大することができ、遊技盤206の前面側に配置される役物等のレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0132】
前述したように、本実施形態における遊技領域207は、かかる遊技領域207の最大横幅HLを形成する最上方の直線22上から、遊技領域207内の最上端までの最短距離H4と、遊技領域207内の下方に設けられているアウト口226の上端までの最短距離H2との関係が、H4<H2の関係となるように構成されている。これにより、直線22より上方に位置する遊技領域と、下方に位置する遊技領域とのバランスを一定に保つことができ、遊技領域207をバランスよく拡大することができる。
【0133】
前述したように、発射装置500と発射レール508を直線22より上方で遊技領域207外となるように設けたため、発射装置500と発射レール508との位置関係を考慮しなくてすみ、従来の遊技機のサイズを維持したまま、遊技領域207がHL/2<H2の関係となるように下方向に拡大することができる。また、ファール球受入口295aが発射レール508に設けられており、ファール球受入口295aを介してファール球流路295に導き打球供給皿203、または、余剰玉受皿204に流入させることができ、発射不具合によるファール球の損失も防止することができる。
【0134】
前述したように、本実施形態における遊技盤206の裏面側に表示制御基板280等の演出制御基板を設置し、ガラス扉202の下部裏面に表示駆動基板280’等の演出駆動基板を設置する例について説明した。これにより、遊技領域207の拡大にともない大型の役物や入賞口等の数を増やし、並設させたときにおいても、遊技盤206の裏面側の配置スペースに余裕が生まれ、遊技盤206の前面側だけでなく裏面側の各基板レイアウトの自由度を向上させることができる。さらに、パチンコ遊技機2を入れ替えるときには、遊技盤206に設置されている表示制御基板280等のみを交換すればたり、表示駆動基板280’等を交換する必要がないため、効率的かつ経済的に遊技場経営を行なうことができる。
【0135】
前述したように、発射装置500、揚送路402、ファール球流路295を、遊技領域207との位置関係においてそれぞれ、発射装置500を遊技盤206の向かって左側で遊技領域207の最大横幅HLを形成する直線22より上方に配置し、揚送路402とファール球流路295を、上皿連通口274とアウト口226との間を避け、直線22の左端20を鉛直下向きに延ばしてできる線よりも左側の領域に設けている。これにより、遊技領域207を従来のパチンコ遊技機の遊技領域と比較して下方に大きく拡大させることができ、役物装置269,可変入賞球装置219等の大型の役物を下方に並列して設置することが可能となり、遊技領域207のレイアウトの自由度をさらに向上させることができる。また、斬新で迫力ある遊技演出を遊技者に提供することができる。さらに、遊技領域を拡大したときにおいても、ファール球流路295が設けられているため、発射装置500等の発射不具合が発生することにより、かかるファール球を損失してしまうことを防止することができる。
【0136】
前述したように、揚送路402、ファール球流路295は遊技盤206の前面に設けられているため、たとえば、揚送路402において、打玉がスクリュー403と揚送路ケース402の内壁面に挟まれ、遊技を続行することができなくなったようなときのような不都合が発生したときにおいても、ガラス扉枠202を開放するだけでメンテナンスを行なうことができるため、メンテナンスが容易に行なえるとともに作業時間を短縮しすばやい復旧を実現することができる。
【0137】
前述したように、発射装置駆動モータであるカム駆動モータ511と、揚送手段駆動モータである揚送ユニット400の駆動モータ410とを、入力された駆動信号によって同一の回転をする同一のサーボモータとすることで、各駆動モータからの駆動力を伝達するギアの比率設定により、容易且つ確実に発射装置500と揚送ユニット400との同期連動を実現できるようになるため、これら同期連動を行なうための複雑な制御機構を設ける必要がなく、よって構成の複雑化並びにコストアップを回避できる。また、駆動モータ410とカム駆動モータ511とを連続的に回転させることにより、一定間隔で打玉を連続的に発射させることができる。これにより、駆動モータ410とカム駆動モータ511とを回転させたり停止させたりすることにより遊技が行なわれるように制御した場合と比べ、電力消費量を低下させ、かつモータが故障する確率を低減させることができる。
【0138】
第2実施形態
次に、第2実施形態を説明する。前述した第1実施形態では、揚送路402とファール球流路295を遊技盤206の前面側において並設し、かつ、遊技領域207を吊鐘形状となるように拡大させ、それにともない遊技盤206の裏面側における配置スペースを確保するために複数の演出制御基板と複数の演出駆動基板をそれぞれ別個に配置させた例について説明したが、この第2実施形態においては、遊技盤206’の前面側にファール球受入口を設け、遊技盤206’の裏面側にファール球通路を設けることにより遊技領域をさらに拡大させるとともに、この拡大にともない遊技盤206’の裏面側における配置スペースを確保するためにひとつの演出制御基板と演出用電気部品の種類に対応する演出駆動基板をそれぞれ別個に配置させたパチンコ遊技機2’について説明する。
【0139】
図17は、本実施形態におけるパチンコ遊技機2’におけるガラス扉枠202’の開放状態を説明するための図である。なお、ここでは第1実施形態において説明した内容と重複するところは同一の番号を付して省略する。また、図中の点線は、遊技盤の裏面側に設けられた装置等を示しているものとする。
【0140】
前記ガラス扉枠202の内方には、図2で説明したと同様に、遊技盤206’が着脱可能に取付けられている。かかる遊技盤206’の裏面側には、前記発射装置500にて打ち出されたが、発射勢いが弱いために前記遊技領域207’に到達しなかったファール球を余剰玉受皿204’に流下させるためのファール球流路295’(点線部参照)が設けられている。一方、遊技盤206’の前面側には、前記揚送ユニット400を構成する揚送路402が設けられており、さらにその側方上部には該ファール球流路295’にファール球を誘導する受入れ口となるファール球受入口295a’が発射レール(図11の発射レール508参照)に近設して設けられている。これにより、遊技領域207’の側方にファール球流路295’を通過させる必要がなくなり、本実施形態における遊技領域207’を従来のパチンコ遊技機の遊技領域と比較して下方と横方向に大きく拡大させ大型の役物を設置することができる遊技機を提供することができる。なお、本実施形態においても、前記遊技盤206’の前面に形成された遊技領域207’は、遊技領域の最大横幅HL’とかかる最大横幅HL’が上下方向に亘って保たれた区間H3’との関係が、HL’/2<H3’の関係となるように形成されている。
【0141】
ここで、本実施形態におけるパチンコ球の流れを簡単に説明すると、まず、図示しない遊技島から球タンク238’内に供給されたパチンコ球は、パチンコ遊技機2’に向かって右側に誘導するように設けられている誘導樋239’と、かかる誘導樋239’に連設されている球供給通路245’内を流下して玉払出し装置297’に供給される。入賞や遊技者による球貸要求に応じて玉払出し装置297’から払い出されたパチンコ球は、払出し通路273’、上皿連通口274’、連通路607’及び図示しないガラス扉枠202に形成された払出し口608’からなる払出し遊技媒体誘導路を介して、図中仮想線で示される打球供給皿203’の右側端部の傾斜上位部に払い出されることになる。
【0142】
打球供給皿203’に払い出されたパチンコ球、あるいは遊技者により載置されたパチンコ球(持ち玉)は、図中仮想矢印で示されるように図中右側から左側に向かって流下し、図示しないガラス扉枠202に形成された取込口604’から内部に取り込まれ、さらにこの取込口604’に対向する取込連通口606’から取込球通路605’内に流下する。
【0143】
取込球通路605’内に流下したパチンコ球は、下部ユニット401から揚送ユニット400内の揚送スクリュー403により、その上方の発射装置500まで揚送される。発射装置500に供給されたパチンコ球は、遊技者による打球操作ハンドル205による操作に応じて、遊技領域207’の左側上部から内側に向けて適宜打ち出される。
【0144】
次に、パチンコ遊技機2’の背面の構造について説明する。図18はパチンコ遊技機2’ならびにカードユニット3’の内部構造を示す全体背面図であり、図19は遊技制御基板731における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、ここでは第1実施形態において説明した内容と重複するところは同一の番号を付して省略する。
【0145】
まず図18を参照して、パチンコ遊技機2’の遊技盤206’の裏面側には、機構盤236’や、遊技制御基板ボックス732に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されており遊技の進行を制御する遊技制御手段としての遊技制御基板731や、可変表示部209’の表示制御や、遊技効果LED228a’、遊技効果ランプ228b’,228c’等の点灯制御や、スピーカ227’から出力する音声制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板780、パチンコ玉の払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータが搭載された賞球制御基板737が設置されている。さらに、機構盤236’の上部位置の向かって左側角部位置には、前記揚送ユニット400並びに発射装置500の動作制御を行なうマイクロコンピュータが搭載された発射揚送制御基板291とが設けられている。なお、本実施形態におけるマイクロコンピュータとは、たとえば、CPU(Central Processing Unit )やI/Oポート等が遊技制御用マイクロコンピュータと同様にそれぞれ搭載されてており、演出制御基板780は遊技制御基板731から送信される制御コマンドにもとづいて複数種類の演出用電気部品の制御を統括して行なっている。また、かかる演出制御基板780から送信される信号にもとづきそれぞれの演出用電気部品の種類に対応する駆動回路を搭載した表示駆動基板280’、ランプ駆動基板235’、および音駆動基板270’とが、ガラス扉枠202の下部裏面に設けられている。このように、演出駆動制御手段を演出制御基板780とこれらに接続された表示駆動基板280’とランプ駆動基板235’と音駆動基板270’となるように別々の基板となるように構成しているため、遊技領域が広くなったことにともない設置できる大型の役物装置269や可変入賞球装置219を並設したときにおいても、かかる装置の裏側の構造上の都合により、遊技制御基板731と演出制御基板780等とのレイアウトの自由度が奪われてしまう不都合を防止することができる。また、1つの演出制御用CPUを搭載した演出制御基板780により複数種類の演出用電気部品の制御が行なわれるため、演出用電気部品による演出内容を統合化させ、種類の異なる演出電気部品間において整合性の取れていない質の悪い遊技演出が提供されることを未然に防止することができる。さらに、遊技機を入れ替えるときにおいて、表示駆動基板280’とランプ駆動基板235’と音駆動基板270’を交換する必要がなく、遊技盤206’の裏面側に設置されている演出制御基板780等を交換し、効率的かつ経済的に遊技場経営を行なうことができる。
【0146】
次に、図19を参照して、制御基板として、遊技制御基板(主基板ともいう)731、賞球制御基板737、演出制御基板780、表示駆動基板280’、ランプ駆動基板235’、および音声駆動基板270’が示されている。
【0147】
本実施形態における遊技制御基板731から演出制御基板780には、可変表示装置208’の可変表示部209’の表示制御に関する指令情報としての表示制御コマンドデータと、遊技効果LED228a’等の点灯制御に関する指令情報としてのランプ制御コマンドデータと、スピーカ227’から出力される効果音等の音声制御に関する指令情報としての音声制御用コマンドデータと、ストローブ信号としての割込信号とが伝送される。演出制御基板780には、受信された制御コマンドデータにしたがって複数種類の演出用電気部品のうちのいずれを制御するための制御コマンドデータであるかを解析し制御コマンドデータに対応する演出用電気部品を統括して制御する演出制御用CPU780aと、かかる解析制御処理のプログラムや画像データ・点灯点滅パターンデータ・音声発生パターンデータが記憶されているROM(図示省略)が少なくとも搭載されている。
【0148】
まず、演出制御用CPU780aは受信した制御コマンドがいずれの制御コマンドデータであるかを判定する処理が行なわれる。かかる処理において表示制御コマンドデータであると判断されたときには、前述したようなVDPの構成要素に信号を与え、VDPはROMから必要なデータを読み出す。さらにVDPは、読み出されたデータにしたがって可変表示装置208’に表示するための画像データを生成し、R,G,B信号および同期信号を表示駆動基板280’に出力する処理がなされる。
【0149】
また、解析処理においてランプ制御コマンドデータであると判断されたときには、ROMに記憶されているプログラムにしたがって受信したランプ制御コマンドデータに対応する点灯点滅パターンデータの制御信号を生成し、かかる制御信号および同期信号をランプ駆動基板235’に出力する処理がなされる。
【0150】
解析処理において音声制御コマンドであると判断されたときにも同様に、ROMに記憶されているプログラムにしたがって受信した音声制御コマンドデータまたは音声制御コマンドデータに対応する音声発生パターンデータの制御信号を生成し、かかる制御信号および同期信号を音声駆動基板270’に出力する処理がなされる。
【0151】
以上、複数種類の演出用電気部品の制御を行なうための演出制御基板780と、複数種類の演出用電気部品の駆動を行なうための表示駆動基板280’とランプ駆動基板235’と音声駆動基板270’とにより、遊技制御基板731から送信される各種制御コマンドデータにしたがって複数種類の演出用電気部品を駆動制御する演出駆動制御手段が構成されている。これにより、遊技領域207’の拡大にともない大型の役物装置269等を複数配置させたときにおいても、演出制御手段としての演出制御基板780を遊技盤206’の裏面側に配置し、演出駆動手段としての表示駆動基板280’,ランプ駆動基板235’,音声駆動基板270’をガラス扉枠202の下部裏面にそれぞれ分けて設置することができるため、遊技盤206’の裏面の配置スペースに余裕が生まれ、基板レイアウトの自由度を向上させることができる。また、パチンコ遊技機2’を入れ替えるときにおいても、遊技盤206’の裏面側に設置されている演出制御手段としての演出制御基板780を交換すればよく、演出駆動手段としての表示駆動基板280’等を交換する必要がないため、効率的かつ経済的に遊技場経営を行なうことができる。
【0152】
また、以上に示した第2実施形態については、前述した第1実施形態と共通する技術思想による構成について、前述した第1実施形態の場合と同様の技術的効果を得ることができる。
【0153】
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施形態においては、遊技盤の裏面側に演出制御手段としての表示制御基板等や演出制御基板を設置し、遊技盤の裏面とは異なるガラス扉202の下部裏面に演出駆動手段としての表示駆動基板等を設置する例について説明したが、設置する位置はこれに限らず、遊技領域に大きな役物や入賞口を配置させたときであっても、演出制御駆動手段を演出制御基板と演出駆動基板とに分けることにより、遊技機裏側の基板等のレイアウトの自由度が奪われる不都合を未然に防止するような位置に設置されてあればよい。たとえば、遊技盤の裏側に向かって左側で開閉自在に軸支されたドライバ枠なるものを設け、かかるドライバ枠に演出駆動手段としての表示駆動基板等を設置するようにしてもよい。
【0154】
(2) 前述した実施形態においては、領域を大きく拡大させた遊技領域の形状として、吊鐘形状のものについて説明したが、これに限らず、遊技領域の形状の一部分に弧状となる部分を含むような形状であり、かつ、HL/2<H3の関係が成り立つような遊技領域であればどのような形状であってもよい。図20は、遊技領域の形状の他の例を具体的に説明するための図である。図20(a)は、一方の楕円の短軸の長さと他方の楕円の長軸の長さが同一となる大きさの異なる2つの楕円のうち、小さい楕円を長軸方向に沿って切断し、大きな楕円を短軸に沿って切断し、できた2つの半楕円の切断面を組み合わせるようにしてできた形状である。また、図20(b)は、半円の直線部分と台形の底辺部分を組み合わせるようにしてできた形状である。いずれの形状においても、HL/2<H2の関係を満たし、下方向に拡大した遊技領域を構成することができる。
【0155】
(3) 前述した実施形態においては、発射装置や揚送装置をパチンコ遊技機に向かって左側に設けた例について説明したが、これに限らず、パチンコ遊技機に向かって右側に設けてもよい。図21は、パチンコ遊技機2”におけるガラス扉枠202”の開放状態を説明するための図である。かかるパチンコ遊技機2”の構造は、第2実施形態の説明に用いた図17の構造と左右対称の構造となっており、発射装置500”や揚送装置400”等がパチンコ遊技機2”に向かって右側に、払出装置297”や上皿連通口274”等がパチンコ遊技機2”に向かって左側に設けられている。すなわち、本発明における発射装置は、最大横幅HLの左端と右端とを結ぶ直線より上方で、かつ、遊技領域以外の領域に設けられていればどのような位置に配置されてもよい。たとえば、遊技領域の上端部分から遊技領域に打玉を発射するような位置に配置されてもよく、また、遊技領域の裏側から遊技領域に打玉を発射するような位置に配置されてもよい。また、本発明における揚送装置は、揚送装置に含まれる揚送路が最大横幅HLをなす左端より左側、または、右端より右側の領域内に設けられていればよい。また、第2実施形態において説明したファール球流路のように、揚送路を遊技盤の裏面側に設けるような構成にしてもよい。これにより、遊技領域を左右方向にさらに拡大することができ、さらに大型の役物装置や数多くの役物、入賞口を設置することができるため、遊技領域のレイアウトの自由度をさらに向上させることができる。
【0156】
(4) 前述した実施形態においては、遊技盤206の下方に露出する遊技盤取付板に誘導傾斜樋283を設けたが、これに限定されるものではなく、これら誘導傾斜樋283を前記打球供給皿203と一体に形成してコスト低減を図るようにしても良い。
【0157】
(5) 前述した実施形態においては、揚送手段として揚送スクリュー403にてパチンコ球を単独揚送するようにしているが、これら揚送スクリュー403による揚送ユニット400に限定されるものではなく、これら揚送手段としては、パチンコ球を揚送可能なもの、例えば揚送スプロケットにより揚送管内を数珠繋ぎ状態にパチンコ球を揚送する揚送装置や、パチンコ球を単体にて揚送可能なリニア揚送装置のように、着磁位置を順次移動させることでパチンコ球を揚送するものや、パチンコ球を収容する収容バケットを回動ベルト等に設けたリフト揚送装置等の揚送装置を使用しても良い。
【0158】
(6) 前述した実施形態においては、誘導傾斜樋283を設けることで、該誘導傾斜樋283にて整列された打玉が球供給スプロケット413へ供給され、より安定したパチンコ球の供給を得ることができようにしているが、これに限定されるものではなく、これら誘導傾斜樋283を有しない構成としても良い。
【0159】
(7) 前述した実施形態においては、前記球供給スプロケット413に供給されるパチンコ球の球圧を緩和するためにクランク流路416を設けており、このようにすることは、これら球供給スプロケット413に供給される球圧が高いことに伴うパチンコ球の供給不具合の発生を回避することができることから好ましいが、これに限定されるものではなく、これらクランク流路416を有しない構成としても良い。
【0160】
(8) 前述した実施形態においては、揚送球供給手段として前記球供給スプロケット413を設けて、揚送手段である揚送ユニット400にパチンコ球を1つずつ供給するようにしているが、これに限定されるものではなく、これら球供給スプロケット413を有しない構成としても良い。
【0161】
(9) 前述した実施形態においては、揚送手段である揚送ユニット400を、ガラス扉枠202を開放することで、揚送ユニット400が露出するように、遊技盤206の前面側に設けており、このようにすることは、遊技盤206の裏面側に配置形成される流路部材である機構盤236等の制約を受けることなく揚送手段を設置できるとともに、揚送手段の不具合への対応やメンテナンスを、前記ガラス扉枠202を開放することで迅速かつ簡便に実施できることから好ましいが、これに限定されるものではなく、これら揚送手段を遊技盤206の裏面側に配置形成しても良い。
【0162】
(10) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機およびカードユニットを正面から見た正面図である。
【図2】パチンコ遊技機におけるガラス扉枠の開放状態を示す図である。
【図3】パチンコ遊技機およびカードユニットの裏面から見た全体背面図である。
【図4】パチンコ遊技機における機構盤によるパチンコ球流路を示す図である。
【図5】パチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】パチンコ遊技機における発射揚送制御基板の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】パチンコ遊技機の前面下部部分の構成を示す拡大図である。
【図8】揚送装置ならびに発射装置を説明するための側断面図である。
【図9】揚送装置の下端部分を説明するための透視斜視図である。
【図10】揚送装置へのパチンコ球の供給状況を説明するための図である。
【図11】発射装置における発射状況を説明するための図である。
【図12】発射装置におけるファール球の取込状況を説明するための図である。
【図13】待機球返却部を説明するための上面図である。
【図14】パチンコ遊技機における通常時の遊技球の流れを示す図である。
【図15】パチンコ遊技機におけるファール球の流れを示す図である。
【図16】パチンコ遊技機における待機球返却時の遊技球の流れを示す図である。
【図17】第2実施形態におけるパチンコ遊技機のパチンコ玉の流下経路等を説明するための図である。
【図18】第2実施形態におけるパチンコ遊技機およびカードユニットの裏面から見た全体背面図である。
【図19】第2実施形態におけるパチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図20】変形例としての遊技領域の形状の他の例を具体的に説明するための図である。
【図21】変形例としてのパチンコ遊技機2”におけるガラス扉枠202”の開放状態を説明するための図である。
【符号の説明】
2 パチンコ遊技機、3 カードユニット、14 操作部、202 ガラス扉枠203、206 遊技盤、207 遊技領域、226 アウト口、231,731 遊技制御基板、235 ランプ制御基板、235’ ランプ駆動基板、236 機構盤、269 役物装置、270 音声制御基板、270’ 音声駆動基板、274 上皿連通口、280 表示制御基板、280’ 表示駆動基板、291 発射揚送制御基板、295 ファール球流路、400 揚送ユニット、500 発射装置、780 演出制御基板。
Claims (5)
- 遊技盤の前面に形成され、かつ入賞領域を有する遊技領域に遊技球を打込んで遊技が行なわれる遊技機であって、
前記遊技領域内の下方に設けられており、前記遊技領域内に打込まれた遊技球のうち前記入賞領域に入賞しなかった遊技球を遊技領域外に排出するためのアウト口を備えており、
前記遊技領域は、該遊技領域の上方から下方に向けて遊技領域の横幅が最大となる箇所の最大横幅HLと該最大横幅HLが下方向に亘って保たれた区間H3との関係がHL/2<H3となるように前記遊技盤の前面に形成されていることを特徴とする、遊技機。 - 前記遊技領域は、前記区間H3の上端部における左端と右端とを結ぶ仮想直線上から前記遊技領域内の上端までの最短距離H4と前記アウト口端までの最短距離H2との関係がH4<H2となるように前記遊技盤の前面に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
- 遊技球を前記遊技領域内に打込むための発射装置と、
前記発射装置により発射された球を遊技領域へ導く発射球通路と、
前記発射装置により発射されたが前記遊技領域に到達しなかったファール球を受入れるファール球受入口とがさらに備えられており、
前記発射装置と前記発射球通路は、前記最大横幅HLの左端と右端とを結ぶ仮想直線より上方で、かつ遊技領域外に設けられており、
前記ファール球受入口は、前記発射球通路に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。 - 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段からのコマンドにしたがって複数種類の演出用電気部品を駆動制御する演出駆動制御手段とを備え、
前記演出駆動制御手段は、
前記複数種類の演出用電気部品の制御を行なう演出制御用セントラルプロセッシングユニットを搭載した1つの演出制御基板と、
前記複数種類の演出用電気部品の駆動を行なう駆動回路を搭載したドライバ基板とを含むことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の遊技機。 - 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段からのコマンドにしたがって複数種類の演出用電気部品を駆動制御する演出駆動制御手段とを備え、
前記演出駆動制御手段は、
前記複数種類の演出用電気部品の制御を行なう演出制御用セントラルプロセッシングユニットをそれぞれ搭載した複数の演出制御基板と、
前記複数種類の演出用電気部品の駆動を行なう駆動回路を搭載したドライバ基板とを含むことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の遊技機。
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Cited By (2)
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JP2007068628A (ja) * | 2005-09-05 | 2007-03-22 | Heiwa Corp | 遊技機の演出装置 |
JP2010148830A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-08 | Sophia Co Ltd | 遊技機 |
-
2002
- 2002-10-01 JP JP2002288961A patent/JP2004121489A/ja not_active Withdrawn
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